JP6035688B2 - 連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整構造、及び連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整方法 - Google Patents
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Description
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施形態に係る連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置測定部材は、ダムブロックガイドの位置を測定する。この位置測定部材の主たる特徴とするところは、ダムブロックガイドの位置をデジタル(自動)式で測定するスケール及びスライド部を備える点にある。以下、連続鋳造装置を説明した後、位置測定部材、その位置測定部材を用いて行う位置調整方法の順に説明する。
連続鋳造装置100は、鋳型に利用される鋳造空間130に注湯器具201(例えば、タンディッシュ)から溶湯200を供給し、鋳造空間130内で溶湯200を移動させると共に冷却凝固させて連続的に鋳造材300を製造する(図3)。連続鋳造装置100は、例えば、連続鋳造と多段階の圧延とを連続して行える連続鋳造圧延機に備わる連続鋳造装置が挙げられ、具体的にはツインベルト式連続鋳造装置が挙げられる。この連続鋳造装置100は、上下のベルト141,142、左右のダムブロック連151,152、及び左右のダムブロックガイド161、162を有する装置本体部110と、装置本体部110を設置対象に固定する固定架台120とを備える。鋳造空間130は、上下のベルト141,142の対向面と左右のダムブロック連151,152の対向面(内側面)とで形成される。溶湯200の材質は、例えば、銅や銅合金が挙げられる。
位置測定部材1は、ダムブロックガイド161、162(ウエアバー161b,162b)の位置を測定する(図2)。位置測定部材1は、図1に示すように、本体部2とスケール3と一対のスライダ部4とを備える。
本体部2は、]状のブロック体で、一対の外側脚部21と連結部22とを備える。ここでは、一対の外側脚部21と連結部22とは一連に形成されている。本体部2は、左右のダムブロックガイド161,162の位置を測定する際、図2に示すように左右のダムブロックガイド161,162に跨がるように連続鋳造装置100に配置される。
スケール3は、連結部22における外側脚部21間に沿って設けられ、後述するスライダ部4の検出部42と共に、スライダ部4の位置を測定するエンコーダを構成する。具体的には、スケール3は位置情報を有する。検出部42によりその位置情報が読み取られることでスライダ部4の移動変位量が測定される。その移動変位量により、スライダ部4の位置を求めることができる。
スライダ部4は、スケール3に対してスライド自在に取り付けられている。このスライダ部4は、市販のデジタルノギスのスライダを利用できる。ここでは、スライダ部4は、内側脚部41と検出部42と表示部43とを備える。
内側脚部41は、各ダムブロックガイド161、162に当接する。内側脚部41は、スライダ部4に一体に連結されていて、スライダ部4のスライドに追従してスライドする。内側脚部41は、図2に示すように位置測定部材1を連続鋳造装置100に配置した際、各ダムブロックガイド161,162の内側に配置される。そして、内側脚部41は、スライダ部4を各ダムブロックガイド161、162側にスライドさせることで連動して各ダムブロックガイド161、162と当接する。内側脚部41の形状は、幅狭の平板状である。内側脚部41は、各ダムブロックガイド161、162の内側面に対向すると共に、各ダムブロックガイド161、162の内側面に平行な平面状の対向面(外側面)を有する。内側脚部41の材質は、例えば、ステンレス鋼などが挙げられる。
検出部42は、スケール3に対するスライダ部4のスライド変位量を電気信号として読み取る。検出部42は、スライダ部4に内蔵されている。エンコーダの測定形式を電磁誘導式とする場合、検出部42は、例えば励磁コイルと検出コイルとを備えることが挙げられる。エンコーダの測定形式を静電容量式とする場合、検出部42は、例えばスケール3に備わる電極と静電的に結合可能な電極を備えることが挙げられる。ここでは、検出部42は励磁コイルと検出コイルとを備える(いずれも図示略)。
表示部43は、検出部42で読み取った電気信号に基づいてスライダ部4の移動変位量をデジタル表示する。表示部43は、スライダ部4の表面側に設けられている。表示部43には、7セグメント液晶ディスプレイを利用できる。
スライダ部4の表面には、スライダ部4のスケール3に対する任意の位置をゼロ(基準)に設定可能なゼロセットスイッチや、表示部43のオン・オフのスイッチなどの種々のスイッチが設けられている(いずれも図示略)。
実施形態に係る連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置測定部材1によれば、ダムブロックガイド161,162の位置の測定が作業者によってばらつき難くて、ダムブロックガイド161,162の位置を正確に測定できる。これは、上述の不動型の位置測定部材及びすきまゲージを使用する場合のようなアナログ(手動)式の測定に比較して、デジタル(自動)式の測定が可能だからである。また、ダムブロックガイド161,162の位置の測定を容易に行える。これは、スライダ部4をスライドさせて内側脚部41とダムブロックガイド161,162とを当接させるだけでよいからである。
連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整方法は、上述の位置測定部材1を準備する準備工程と、位置測定部材1を連続鋳造装置100に設置する設置工程と、ダムブロックガイド161,162同士を所定の間隔に位置合わせする位置調整工程とを備える。
準備工程は、上述の位置測定部材1を準備する。ここでは、内側脚部41が所定の位置に位置合わせされた位置測定部材1を準備する。内側脚部41の所定の位置とは、左右のダムブロックガイド161,162(ウエアバー161b,162b)が所定の幅のときに対応する位置を言う。即ち、内側脚部41の上記対向面(外側面)同士の間隔は、左右のダムブロックガイド161,162の所定の幅と同等の幅である。この内側脚部41の所定の位置をゼロ(基準)として表示部43に表示する。この内側脚部41の所定の位置への位置合わせは、例えば、次の(1)又は(2)のいずれかで行える。(1)内側脚部41が所定の位置のときの連結部22の中央又は外側脚部21の内側面から内側脚部41の外側面までの距離を予め把握しておき、その距離を基に行う。(2)図5に示す位置設定治具10を用いて行う。
位置設定治具10は、外側脚部21の嵌合凸部21aが着脱自在に取り付けられる基部11と、基部11に一連に形成され、内側脚部41が当接する一対の突出部12とを備える。基部11は、I字状のブロック体である。基部11における突出部12との反対側面が設置対象に設置する設置面である。基部11の設置面とは反対側の面で突出部12よりも外側には、嵌合凸部21aが嵌め込まれる嵌合凹部11aが形成されている。基部11の設置面を設置対象に設置して、嵌合凹部11aに嵌合凸部21aを嵌め込むことで、内側脚部41と突出部12とを当接させて内側脚部41を所定の位置に位置合わせする。一対の突出部12は、互いの対向面の間隔がウエアバー161b,162b(ダムブロックガイド161,162)の所定の間隔となる位置に形成されている。一対の突出部12の互いの対向面は、内側脚部41の上記対向面と平行な平面で形成されている。位置設定治具10の材質は、上述した本体部2と同様の材質が挙げられる。
設置工程は、位置測定部材1を連続鋳造装置100に固定する。ここでは、本体部2が左右のダムブロックガイド161,162を跨ぎ、外側脚部21の嵌合凸部21aを固定架台120に形成された嵌合凹部121aに嵌め合わせて固定する。この時、内側脚部41は、上述の準備工程で所定の位置に位置合わせしているため左右のダムブロックガイド161,162の内側に配置される。
位置調整工程では、ダムブロックガイド161,162同士を所定の間隔に位置合わせする。その位置合わせは、内側脚部41とダムブロックガイド161,162とが当接した際に表示部43にデジタル表示されたスライダ部4の移動変位量に基づいて行う。具体的には、設置工程で外側脚部21の嵌合凸部21aを固定架台120の嵌合凹部121aに固定したら、各スライダ部4を左右にスライドさせて内側脚部41をダムブロックガイド161,162に当接させて、表示部43に表示される値を読み取る。そして、表示部43の表示がゼロ(基準)となるようにウエアバー161b,162bの角度を調整することで、ダムブロックガイド161,162の間隔を所定の幅となるように調整する。
位置調整工程後には、図3に示すように、左右のダムブロック連151,152と上ベルト141とを元の位置に戻す。具体的には、これら左右のダムブロック連151,152を位置合わせしたダムブロックガイド161,162に当接させ、上ベルト141と下ベルト142とをその間が所定の間隔となるように近づける。
実施形態に係る連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整方法によれば、ダムブロックガイド161,162の位置を正確に調整できる。これは、ダムブロックガイド161,162の位置を正確に測定できる上述の実施形態に係る位置測定部材1を用いるため、その正確な位置情報に基づいてダムブロックガイド161,162の位置を調整できるからである。
上述の連続鋳造装置100を用い、ダムブロックガイド161、162の位置を調整した後、幅110mm×厚さ70mmの銅の鋳造材300となるように連続的に製造した。
試験例1の測定条件A、Bのそれぞれで作製した銅の鋳造材300に、多段圧延装置(図示略)で圧延加工を繰り返し施して、最終的に径8mmの断面円形状の銅荒引線の試料No.1、101を製造し、その表面の疵の数を測定した。多段圧延は、試験例1の連続鋳造に連続して行った。表面の疵の数の測定は、渦流探傷器を用いて行った。検出結果を、検出した疵の大きさによって大疵、中疵、小疵、微小疵の四つに分けて銅荒引線1000kg当たりの個数として表3に示す。ここで大疵は、1.5mm2以上とした。
2 本体部
21 外側脚部 21a 嵌合凸部 22 連結部
3 スケール
4 スライダ部
41 内側脚部 42 検出部 43 表示部
10 位置設定治具
11 基部 11a 嵌合凹部 12 突出部
100 連続鋳造装置(ツインベルト式連続鋳造装置)
110 装置本体部 120 固定架台 121a 嵌合凹部
130 鋳造空間
141 上ベルト 142 下ベルト 143,144 プーリー
151 左ダムブロック連 152 右ダムブロック連
151a,152a ダムブロック
161、162 ダムブロックガイド
161a,162a ガイド本体部 161b,162b ウエアバー
200 溶湯 201 注湯器具
300 鋳造材
Claims (2)
- 連続鋳造装置の一対のダムブロックガイドの各々の外側に設けられて前記連続鋳造装置の固定架台に着脱自在に取り付けられる一対の外側脚部と、前記一対の外側脚部を連結する連結部とを有する本体部と、
前記連結部における前記一対の外側脚部の間に沿って設けられるスケールと、
前記スケールに対してスライド自在に取り付けられる一対のスライダ部とを備え、
前記スライダ部は、
前記ダムブロックガイドに当接する内側脚部と、
前記スライダ部の移動変位量を電気信号として読み取る検出部と、
前記電気信号に基づいて前記スライダ部の移動変位量をデジタル表示する表示部と、
前記スケールに対する任意の位置をゼロに設定可能なゼロセットスイッチとを有する位置測定部材と、
前記外側脚部が着脱自在に取り付けられる基部と、前記基部に一連に形成されて、前記内側脚部が当接することで、一対の前記内側脚部を所定の位置に位置合わせする一対の突出部とを備える位置設定部材と、
を備える連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整構造。 - 請求項1に記載の連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整構造を準備し、前記位置測定部材の前記一対の外側脚部を前記位置設定部材の前記基部に固定して、前記位置測定部材の前記一対の内側脚部を前記位置設定部材の前記一対の突出部に当接させることで、前記一対の内側脚部を所定の位置に位置合わせする準備工程と、
連続鋳造装置の一対のダムブロックガイドの各々の外側に設けられる前記連続鋳造装置の固定架台に前記外側脚部を固定すると共に、前記内側脚部を前記ダムブロックガイドの内側に配置されるように前記位置測定部材を設置する設置工程と、
前記内側脚部と前記ダムブロックガイドとが当接した際に前記表示部にデジタル表示された前記スライダ部の移動変位量に基づいて、前記ダムブロックガイド同士を所定の間隔に位置合わせする位置調整工程とを備える連続鋳造装置のダムブロックガイドの位置調整方法。
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