以下、本発明に係る人工透析用エアートラップチャンバーの液面確認装置及びホルダーについて詳細に説明する。
図1は上記液面確認装置の分解斜視図である。同図において、3は透明筐体からなる動脈用のエアートラップチャンバー(人工透析用エアートラップチャンバー)、7は透明筐体からなる静脈用のエアートラップチャンバー(人工透析用エアートラップチャンバー)であり、これらは何れも無色透明の合成樹脂素材により構成された横断面円形の中空円筒状(筒形状)に形成されており、上下端部は各々動脈側血液回路35のチューブ1,4、静脈側血液回路36のチューブ6,8に接続されている。尚、各チャンバー3,7は無色透明であるが、半透明、有色透明の素材からなる場合も含まれる。
プライミング作業においては、両エアートラップチャンバー3,7内には、上記チューブ1,4、6,8を介して生理食塩水又は透析液が通水され、プライミング作業終了後は、図1中W1,W2の適正水位レベル(例えば各チャンバー3,7の上下長さの4/5以上の高さの水位レベル、より具体的には静脈用のエアートラップチャンバー7は略4/5の水位レベル、動脈用のエアートラップチャンバー3は略4/5又は4/5以上の水位レベル)となるように両チャンバー3,7内の生理食塩水又は透析液の液面水位が調整される(図1、図2参照)。
これらのエアートラップチャンバー3,7は、各々上半部に径大係合部3’,7’が形成されており、これらの径大係合部3’,7’にてホルダー10の係合凹部10a,10bに垂直方向に抜け止め状態で係合支持される(図2参照)。
尚、以下の説明において、透明液体としての生理食塩水又は透析液を「生理食塩水等P」という。また図1において、ホルダー10の前面側(係止ボルト15側)を「前方」、自立ポール13側を「後方」、前方から後方を向いた場合の上下左右を「上下方向」、「左右方向」として説明する。また、上記生理食塩水又は透析液は通常は無色透明であるが、半透明、有色透明の液体であっても良い。
上記ホルダー10は、図1に示すように、一定の上下方向の厚みT1を有する左右方向の板状部材であり、若干弾性を有する合成樹脂素材により構成されている。このホルダー10は、左右両端部に、平面視において、前方側に開口部10a’,10b’が設けられ、上記開口部10a’,10b’から後方に向けて円弧状に設けられた係合凹部10a,10bが各々形成されている。これらの係合凹部10a,10bの上下方向の厚みは上記ホルダー10の厚みT1と同様の厚みT1である。
また、これらの係合凹部10a,10bの円弧部は、上記エアートラップチャンバー3,7の上記本体部3”,7”の外周円と同心の円弧により形成されており、その半径(円弧を構成する中心からの半径)は上記両エアートラップチャンバー3,7の上記径大係合部3’,7’の半径より小で、かつ上記両エアートラップチャンバー3,7の上記径大係合部3’,7’の下部の円筒状の本体部3”,7”の半径より若干大に形成されている(図11参照)。
従って、上記両エアートラップチャンバー3,7を、それらを垂直に立てた状態で、上記ホルダー10の上方側から、上記各チャンバー3,7を、それらの下方より上記係合凹部10a,10b内に挿入し、上記両チャンバー3,7の上記径大係合部3’,7’の下端が上記係合凹部10a,10bの上端のホルダー上面11に係止することで、両エアートラップチャンバーの外周部を保持し、両エアートラップチャンバー3,7が下方に抜け止めされ、かかる状態で一対のエアートラップチャンバー3,7を当該ホルダー10に垂直状態(起立状態)に保持し得るように構成されている(図2(a)(b)参照)。
この保持状態においては、両エアートラップチャンバー3,7の上記本体部3”,7”の係合凹部10a,10bに対応する外周面は、上記係合凹部10a,10bの内周面に近接又は接触した状態となる(図11(a)参照)。
このホルダー10の中央部後面には自立ポール13を通す係合孔14が垂直方向に貫通形成されており、上記ホルダー10の中央部前面には、上記係合孔14に向けて螺子孔10c(図2(a)参照)が貫通形成されており、当該螺子孔10cに係止ボルト15が螺合されている。従って、図1に示すように、上記垂直の自立ポール13に上記ホルダー10を上記係合孔14を以って挿通し、自立ポール13の所定高さ位置に上記ホルダー10を位置させ、上記係止ボルト15を螺込んでボルト15の後端を上記自立ポール13に当接させることで、当該ホルダー10を所定高さ位置に水平に固定することができる。
尚、上記ホルダー10にて上記エアートラップチャンバー3,7を係合保持した状態において、図2(b)に示すように、係合凹部10a,10bの各チャンバー3,7の保持位置は、各チャンバー3,7の中間部より若干上方よりの位置、即ち上記本体部3”,7”の上端部近傍位置(上記径大係合部3’,7’の直下)である。そして、これら係合凹部10a,10bの保持位置は、各チャンバー3,7内の適正水位レベルW1,W2より低位置となっている。
また、上記ホルダー10における前面側には一対の抜止用片16a,16bが左右方向に摺動可能に設けられており、上記係合凹部10a,10bに上記チャンバー3,7を係合した状態において、各抜止用片16a,16bを左又は右方向にスライドすることにより、上記開口部10a’,10b’を一部閉鎖して各チャンバー3,7の前方への抜けを防止し得るように構成されている。
上記ホルダー10の上記両係合凹部10a,10bにおける内面には、紙又は合成樹脂フィルムからなるシール状片としての液体確認用シール17,17が貼着される(図1参照)。
この液体確認用シール17,17は、上記係合凹部10a,10bの内面に貼着することのできる大きさの長方形状のシールであり、前面側に一定間隔の斜め方向の斜線表示17’(液体確認マーク)が表示されており、後面側は粘着層が形成されている。尚、後面側の粘着層は通常は剥離紙により被覆されている。本実施形態における液体確認用シール17の前面側の地の色は例えば緑色とし、斜線の色は黒色とする。
より具体的には、上記シール17の上下方向の幅は、上記係合凹部10a,10bの垂直方向の幅T1と同一であり、上記シール17の左右方向の幅は、図2(a)に示すように、上記係合凹部10a,10bの後面側(凹状円柱面12a,12b)に上記シール17を貼着したとき、シール17の貼着範囲が、少なくとも上記係合凹部10a,10bの円弧部の後半部(図2(a)の開き角度180度の範囲A)を覆うことができる幅(左右方向の幅T2)となるように構成されている。また、上記シール17の貼着範囲は、上記係合凹部10a,10bの内面の円弧部の上記開口部10a’,10b’を除く全体に亘る長さであっても良い。また、上記シール17の幅T2は、上記チャンバー3,7の筐体の外周全周の長さの14%程度から21%程度の長さとして、上記凹状円柱面12a,12bに貼り付けるように構成してもよい(図19参照)。
この液体確認用シール17は、上記ホルダー10の両係合凹部10a,10bの後方側の円弧状の内面(開口部10a’,10b’に対向する凹状円柱面12a,12b)に、上記表面の斜線表示17’が前方側となるように貼着される。貼着した状態を図3、図4(a)に示す。
そして、上記液体確認用シール17,17が貼着された上記ホルダー10の係合凹部10a,10bに、上記動脈用のエアートラップチャンバー3と静脈用のエアートラップチャンバー7を各々垂直状態で係合する。従って、この状態においては、上記係合凹部10a,10b内の上記液体確認用シール17,17の液体確認マークの表示面に、上記各チャンバー3,7の本体部3”,7”の外周側面が近接又は接触した状態となる(図11(a)参照)。
上記各エアートラップチャンバー3,7の上記各係合凹部10a,10bへの係合状態において、上記ホルダー10における各斜線表示17’(各液体確認マーク)は、上記各エアートラップチャンバー3,7内の生理食塩水等Pの水位が上記各斜線表示17’より上位の位置にある場合は適正水位であり、上記各斜線表示17’より下位にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に各々表示されている。
尚、以下の説明の図3,図4〜7、図9、図10等において、ホルダー10の一方の係合凹部10aのみを示すが、他方の係合凹部10b側においても同様の構成であるので、他方の係合凹部10b側は、必要に応じて同一符号に小文字の「b」を付して説明する。
当該チャンバー3,7のかかる係合状態において、これらチャンバー3,7内に生理食塩水等が入っていない状態においては、又はチャンバー3,7内の液面レベルが適正水位レベルW1,W2より低く、上記液体確認マーク17’の位置より下の水位レベルW2’の場合は(図4(a)参照)、上記液体確認用シール17,17は、上記エアートラップチャンバー3,7の無色透明の透明筐体を通じて目視することができ、この状態においては、図4(a)に示すように、上記係合凹部10a,10bの凹状面(凹状円柱面12a,12b)に貼着された上記液体確認用シール17の斜線表示17’(液体確認マーク)がそのまま目視可能な状態となる。
ここで、図4(a)の係合凹部10a,10bの上記液体確認用シール17,17が貼着された後面側の内面を「凹状円柱面12a,12b」といい、図4(b)に示すように、上記凹状円柱面12a,12bに対応するエアートラップチャンバー3,7の前方側の外周面(上記開口部10a,10bに臨む外周面)を「凸状円柱面12a’,12b’」という(図1、図2、図9参照)。
よって、図4(a)の場合、透析装置の操作者は、上記係合凹部10a,10bの凹状円筒面12a,12bに貼着された上記液体確認用シール17,17の斜線表示17’(凹状に湾曲して奥の方に見える)を透明筐体を透過して、そのままの状態で目視することになるため、当該チャンバー3,7内には生理食塩水等が全く入っていないか、又は、生理食塩水等Pの液面水位が適正水位レベルW1,W2より低下していること(例えば液面の水位レベルが液体確認マーク17’の位置より下位の水位レベルW2’であること)を容易に確認することができる。
一方、この状態の上記エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが、その液面が各チャンバー3,7の4/5の適正水位レベルW1,W2まで入っている場合、即ち、生理食塩水等Pの液面が、係合凹部10a,10bの斜線表示17’の位置より上方の上記適正水位レベルW1,W2にある場合は、上記液体確認用シール17,17(斜線表示17’)を各チャンバー3,7の透明筐体及び無色透明の生理食塩水等Pを透過して目視することになる(図4(b)参照)。
この場合、斜線表示17’(液体確認マーク)は、生理食塩水等Pによる屈折効果によって、図3(c)、図4(b)に示すように、エアートラップチャンバー3,7の前面側の凸状円柱面12a’,12b’に沿う前方側に突出して描かれたような斜線表示17’として目視することができる。
即ち、上記エアートラップチャンバー3,7内に適正な液面水位まで生理食塩水等Pが入っている場合は、斜線表示17’は生理食塩水等Pの屈折作用により、エアートラップチャンバー3,7の前面側の凸状円柱面12a’,12b’に沿って立体的に拡大されて見えるため、これを確認することによりエアートラップチャンバー3,7内の生理食塩水等Pが適正な液面レベルにあることを確認することができる。
このとき、黒色の斜線表示17’は上記凸状円柱面12a’,12b’に沿って前方側に立体的に突出し、かつ拡大されたように見え、液体が入っていない場合の斜線表示17’の見え方(図4(a)の場合の見え方)と明らかに異なるため、操作者は両者を明確に区別することができる。
よって、透析装置の操作者は、上記突出状態の図4(b)の立体的な上記斜線表示17’を目視することで上記エアートラップチャンバー3,7内の生理食塩水等Pの液面が適正水位レベルW1,W2にあることを確実かつ簡易に、短時間で確認することができる。
本実施形態の場合は、液体確認用シール17の地の色が緑色であるため、上記開口部10a’,10b’から臨出する上記チャンバー3,7の上記凸状円柱面12a’,12b’の部分の全体が緑色に立体的に見え、その緑色の地に黒色の上記斜線表示17’が立体的に拡大されたように見えるため、このような液体表示は、上記ホルダー10の白系の色、及び、透析室の壁及び床の白系の色に対して、極めて目立つ表示となり、より迅速確実に液面が適正か否かを確認することができる。
上記液体確認用シール17に表示された液体表示は、上記図4に示す斜線に限らず、各種の表示を行うことができる。
例えば、図5(c)に示すような液体確認用シール17の中央に逆三角形図形を上下2つに並べた逆三角形表示17’(液体確認マーク)が考えられる。
この液体確認用シール17をホルダー10の係合凹部10a,10bの内面に、上記逆三角形表示17’が係合凹部10a,10b内の後面中央(凹状円柱面12a,12b)に位置するように貼着する。この場合は、同図(a)のように係合凹部10a,10bに係合したエアートラップチャンバー3,7が空の状態、又は液面が低く、エアートラップチャンバー3,7の4/5に達していない場合は(例えば液面水位レベルが逆三角形表示17’(液体確認マーク)より下位の水位W2’の場合は)、同図(a)に示すようにチャンバー3,7の透明筐体を透過して上記係合凹部10a,10bの凹状円柱面12a,12bに貼着された液体確認用シール17の逆三角形表示17’をそのままの状態で目視することになる。
この場合、逆三角形表示17’は立体的に見えず、凹状に湾曲して奥の方に見えるので、両チャンバー3,7内には生理食塩水等Pが入っていない、又は所定の適正水位レベルW1,W2まで生理食塩水等Pが入っていないことを容易かつ素早く確認することができる。
一方、この状態の上記エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが、その液面が各チャンバー3,7の4/5又は4/5以上の適正水位レベルW1,W2まで入っている場合は(図5(b)参照)、操作者は、上記液体確認用シール17,17を各チャンバー3,7の透明筐体及び透明の生理食塩水等Pを透過して目視することになる。
この場合、上記と同様に、逆三角形表示17’は、生理食塩水等Pによる屈折効果によって、図5(b)に示すように、開口部10a’,10b’に臨むエアートラップチャンバー3,7の凸状円柱面12a’,12b’に描かれた当初より拡大された逆三角形として立体的に目視することができる。よって、生理食塩水等Pが入っていない場合の逆三角形表示の見え方(図5(a)の場合の見え方)と明確に素早く区別することができる。
従って、透析装置の操作者は、図5(b)の立体的な逆三角形表示17’を目視することで、上記エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが適正水位レベルW1,W2まで入っていること、即ち両チャンバー3,7内の生理食塩水等Pの液面が適正であることを容易かつ迅速に確認することができる。
さらに、他の実施形態としては、図6(c)に示すような液体確認用シール17の中央に円形図形を上下2並べたものが考えられる(円形表示17’(液体確認マーク))。この場合も、上記図4、図5の場合と同様であり、図6(b)に示すように上記凸状円柱面12a’,12b’に沿った前方に突出した状態の、かつ拡大された円形表示17’を目視することで、エアートラップチャンバー3,7内の液面が適正水位レベルW1,W2にあることを簡易かつ迅速確実に確認することができる。
ところで、上記実施形態では液体確認シール17の液体確認マーク17’として、斜線表示17’、逆三角形表示17’、円形表示17’について説明したが、シール17上に表示される図形はこれに限らず、各種の形状の図形、デザイン(例えば、三角形表示、楕円表示、星形表示、菱形表示等)を表示することができるのは勿論である。また、上記実施形態では逆三角形表示を上下に2個表示したが、上下に1個又は3個以上でも良いし、シール前面全体に散点状に表示しても良い。
また、図形の色も目立つ色とすることが好ましい。上記ホルダー10の色が一般的に白色、オフホワイト色又はベージュ色であるため、上記液体確認シール17の地の色を白とした場合、液体確認マークは、黒、赤、青等の目立つ色で表示することが好ましい。
また、液体確認用シール17の地の色は白に限らず、緑色等その他各色が考えられる。このとき液体確認マーク17’の色は地の色と反対色として地色に対して確認表示を目立つように構成することが好ましい。液体確認用シール17の地の色を緑色等の目立つ色とした場合は、エアートラップチャンバー3,7内の液体を透過して液体確認用シール17を目視したとき、液体確認マーク17’のみならず、上記シール17の全体が各チャンバー3,7の凸状円柱面12a’,12b’に沿って凸状に浮き出したように見えるため、エアートラップチャンバー3,7内に液体がないとき、又は液面が液体確認マーク17’より下位にあるときに比べて見え方の違いを大きくして、より確実に液体の有無を確認することができる。さらに、上記液体確認用シール17自体は透明フィルムとし、当該透明フィルム上に、上記有色の液体確認マーク17’を表示するように構成しても良い。
また、上記実施形態では液体確認用シール17を係合凹部10a,10bの内面に貼着した場合を示したが、シールとするのではなく、液体確認マーク17’を印刷等により上記ホルダー10の両係合凹部10a,10bの内側に直接表示しても良い。
また、図12(a)(b)に示すように、上記ホルダー10の上記両係合凹部10a,10bの内側の凹状円柱面12a,12bに、係合凹部に沿う傾斜方向の直線状の凹溝24,24又は、上記係合凹部に沿う水平方向の直線状の凹溝25,25を設けても良い。勿論、このような直線状の溝に限らす、円形凹部、三角形状凹部を設けても良い。このような凹溝乃至凹部とする場合は、溝の内部に着色を施すことが好ましい。また、図12は、上記ホルダー10を上下2段に重ねた状態を示すが、1段で使用しても良い。また、上記凹溝24,25に代えて、傾斜方向又は水平方向の直線状の凸状部を設けても良い。この場合、凸部に着色を施すことが好ましい。また、上記係合凹部10a,10bに直接表示する場合は、凹状又は凸状の模様、記号等を設けても良い。
ところで、図4(b)において、水位が不適正な水位W2’より上位であって、液体確認マーク(斜線表示)17’より若干低い水位W4にあっても、依然として液体確認マーク17’は立体的に目視できないので、不適正な水位であることを素早く判別できる。また、上記水位が液体確認マーク17’より若干上の水位W3であって、適正水位W2(4/5の水位)より下位にある場合は、液体確認マーク17’は立体的に見えるため、水位W3の位置をより確実に操作者に認識させる効果がある。よって、操作者は、当該水位W3を確実に認識し、生理食塩水等Pの水位を適正水位W2に移行させるための処置を迅速に行うことができる。
図7に示すものは、本発明に係る人工透析用エアートラップチャンバーの液面確認装置及びホルダーの他の実施形態を示すものである。
上記説明では動脈側と静脈側のエアートラップチャンバー3,7を保持するためにホルダー10は1個使用したが、各チャンバー3,7の安定性を高めるために、図8に示すように、1本の自立ポール13に上下段に2個の同一ホルダー10,10を取り付け、上下2個のホルダー10,10の係合凹部10a,10a、10b,10bに上記エアートラップチャンバー3,7を各々保持することが行われる。
また、チャンバー3,7の安定性をさらに高めるため、上下のホルダー10,10間に若干の間隙Sを設け(図10(b)参照)、各エアートラップチャンバー3,7の本体部3”,7”における、より幅の広い上下2か所を、上記各ホルダー10,10の各係合部10a,10a、10b,10bで保持することが行われる。
この場合、特に上下のホルダー10,10間に間隙Sを設けた場合は、上記係合凹部10a,10bは上下2段に分割されるため、液体確認マークも上下に分割され、各チャンバー3,7の液面の確認の確実性が低下することが懸念される。
そこで、このようにホルダー10,10を上下に2段使用する場合は、図7に示す液体確認用アダプター20を上記ホルダー10,10の上下の係合凹部10a,10a間、又は上下の係合凹部10b,10b間に取り付けて使用する(図7(c)参照)。
上記液体確認用アダプター20は、厚みの薄い透明又は不透明の合成樹脂素材により構成されており、その半円柱の円弧の半径が上記ホルダー10の係合凹部10a,10bの円弧の半径と略同一又は若干小の凹状半円柱本体部20aと、該凹状半円柱本体部20aの上端に連続して形成され、上記凹状半円柱本体部20aよりも径大の半円柱状の抜止拡大径部20bとから構成されている。
また、上記凹状半円柱本体部20aの円弧面の外周面に沿う左右方向の長さは、当該アダプター20を上記ホルダー10の係合凹部10a,10bに同心的に装着したとき、当該凹状半円柱本体部20aの円弧の範囲が、少なくとも係合凹部10a,10bの後面側の円弧の半分(図2(a)の開き角度180度の範囲A)に亘る長さを有するように構成される(図11(b)参照)。
そして、上記凹状半円柱本体部20aの上下方向長さは、ホルダー10,10を上下に2段重ねた場合の上下ホルダーの間隔T3(図7(c)参照)、又はホルダー10,10間に間隔Sを設けて2段重ねた場合の上下ホルダーの間隔T4(図10(b)参照)より長く形成されている。そして、当該凹状半円柱本体部20aの内側の凹状円柱面20’(内面位置、円弧面)において、上記凹状半円柱本体部20aの上下長さの全体又は略全体に亘り斜線表示17’(液体確認マーク)が表示されている。本実施形態では、当該液体確認マークとしては、斜線表示17’を示すが、この場合においても斜線表示に限らず、各種表示の表示(例えば、逆三角形表示、円形表示等を上下に連続して表示する)を設けることができるのは勿論である。また、上記液体確認マーク17’は上記抜止拡径部20bにも表示しても良い。
上記液体確認用アダプター20を使用する場合は、上記ホルダー10の上記係合凹部10a,10bの内側に上記液体確認マーク17’が表示されていても良いし、上記ホルダー10の上記係合凹部10a,10bには液体確認マーク17’が表示されていなくても良い。
また、上記液体確認用アダプター20の上記凹状半円柱本体部20aの上下長さは、少なくとも上記ホルダー10を上下2段に接続した場合における上段のホルダー10の上記係合凹部10a,10bの上端から下段のホルダー10の上記係合凹部10a,10bの下端までの上下長さと同一に形成しても良く、上記液体確認マーク17’は、少なくとも上段のホルダー10の係合凹部10a,10bの上端位置から下段のホルダー10の係合凹部10a,10bの下端位置に至る範囲に連続的に表示されている。
本実施形態においては、図9又は図10に示すように、上下2段に重ねて支持された2段のホルダー10,10、又は上下の間隔Sを以って固定された2段のホルダー10,10において、上段の係合凹部10a,10bと、下段の係合凹部10a,10b間に、各1個の上記液体確認用アダプター20,20を起立状態で同心的に係合する(図10、図11(b)参照)。
このとき、液体確認用アダプター20の上記凹状半円柱本体部20aの後面側の円弧面が、上記係合凹部10a,10bの凹状円柱面12a,12bに近接又は接触した状態となる(図11(b)参照)。この状態において、当該液体確認用アダプター20は、上記抜止拡径部20bが上段のホルダー10の上記上面(上端側)11に係止することにより下方への抜け止め状態となる(図9参照)。
かかる状態においては、上記液体確認用アダプター20の斜線表示17’は、ホルダー間の間隙Sの有無に拘わらず、上段のホルダー10の係合凹部10a,10bの上端部から、下段のホルダー10の係合凹部10a,10bの下端部までの距離T3又はT4の範囲において、途切れなく表示されることになる。
よって、かかる状態の上下2段のホルダー10,10の係合凹部10a,10a、10b,10bに、各々動脈側エアートラップチャンバー3、静脈側エアートラップチャンバー7を各々重ねて起立状態で係合装着する(図10、図11(b)参照)。
この場合、上下のホルダー10,10間には、上記液体確認用アダプター20の斜線表示17’が上下段のホルダー10,10の各係合凹部10a,10a、又は、各係合凹部10b,10bを上下方向に跨いで連続的に存在するので、間隙Sが存在する場合であっても、エアートラップチャンバー3,7の本体部3”,7”の透明筐体を介して上記液体確認用アダプター20の連続的な斜線表示17’を確実に目視することができる(図10(a)(b)参照)。
上記エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが入っていない場合、或いは、液面レベルが上記斜線表示17’より下位である場合は、上記間隙S間の部分も含めて、上下の幅T3又は幅T4に亘って、上記液体確認用アダプター20の凹状円柱面20’に沿った連続的な斜線表示17’(凹状に湾曲して奥の方に見える)をそのまま目視することができる。よって、当該斜線表示17’を確認することで、エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが入っていないか、又は生理食塩水等Pの液面が十分な水位を維持していないことを一目で確認することができる。
一方、上記エアートラップチャンバー3,7内に生理食塩水等Pが斜線表示17’より上位の適正水位レベルW1,W2まで入っている場合は、図10(a)(b)に示すように、生理食塩水等Pの屈折作用により、上記間隙S間の部分も含めて,上下の幅T3,幅T4に亘って、エアートラップチャンバー3,7の凸状円柱面12a’,12b’を含む前面側の外周面に沿った立体的かつ上下に連続的な斜線表示17’を確認することができる。
よって、透析装置の操作者は、上記連続的かつ立体的な斜線表示17’を確認することで、エアートラップチャンバー3,7内の整理食塩水等Pの液面が適正水位レベルW1,W2にあることを一目で確認することができる。
このように、上記ホルダー10,10間に間隙Sが形成されていたとしても、上記液体確認用アダプター20を使用することで、上下方向に連続的な液体確認マーク17’を表示することができ、液面が適正水位であるか否かの確認を確実なものとすることができる。
上述のように当該実施形態においても、上記各エアートラップチャンバー3,7の上記各係合凹部10a,10bへの係合状態において、上記各液体確認マーク17’は、上記両エアートラップチャンバー3,7内に投入された透明液体の液面が、上記各係合凹部10a,10bの上記液体確認マーク17’の位置より上方の適正水位レベルW1,W2まで達している状態においては、上記各液体確認マーク17’を上記各エアートラップチャンバーの上記各透明筐体及び上記透明液体を透過して目視し得る位置に表示されており、又は、上記各エアートラップチャンバー3,7内の各透明液体の水位が上記各液体確認マーク17’より上位の位置にある場合は適正水位であり、上記各液体確認マーク17’より下位にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に各々表示されている。
ところで、図10(b)において、水位が液体確認マーク17’より若干上の水位W3であって、適正水位W2より下位にある場合は、液体確認マーク17’は立体的に見えるため、水位W3の位置をより確実に操作者に認識させる効果がある。よって、操作者は、当該水位W3を確実に認識し、生理食塩水等Pの水位を適正水位W2に移行させるための処置を迅速に行うことができる。
また、図10(b)に示すように水位が中間の水位W5の場合は、液体確認マーク17’の下半部は立体的に見えるが、上半部は立体的に見えないため、操作者は当該水位W5が不適性であることを迅速に認識することができる。この場合も、操作者は、当該水位W5を確実に認識し、生理食塩水等Pの水位を適正水位W2(4/5又は4/5以上の水位)に移行させるための処置を迅速に行うことができる。
上記液体確認用アダプター20を使用する場合は、液体確認マーク17’は、上記連続的な斜線表示に限らず、連続する図形、模様等の各種の表示が考えられる。
図13に示すものは、上記液体確認用アダプター20の他の実施形態である。上記図7(a)に示す液体確認用アダプター20は、その抜止拡径部20bは略円筒形状であり、係合凹部10a,10bへの装着時は、エアートラップチャンバー3,7の径大係合部3’,7’及び上端部3a,7aと上記アダプター20の抜止拡径部20b内面との間は、若干の隙間が形成されていたが、当該他の実施形態(図13参照)では、半円柱状の上記抜止拡径部20bを上記静脈用、動脈用のエアートラップチャンバー3,7の上部外周の形状と同様の形状とし、エアートラップチャンバー3,7の装着時に、両チャンバー3,7の径大係合部3’,7’及びその上方の上端部3a,7aに、上記抜止拡径部20bが近接又は接触するように構成したものである。
即ち、図13(a)に示す静脈用の液体確認用アダプター20は、抜止拡径部20bは、静脈用エアートラップチャンバー7の径大係合部7’の外周後半面に同心的に近接又は接触し得る半径(凹状半円柱本体部20aの半径より大で、ホルダー10の係合凹部10a,10bの半径より若干大の半径)の凹状円柱部からなる下部抜止拡径部26aと、上記静脈用エアートラップチャンバー7の上記上端部7aの外周後半面に同心的に近接又は接触し得るような上記上端部7aの外周後半面と略同径同形状の上部抜止拡径部26bとから形成されている。
また、斜線状の液体確認マーク17’は、上記凹状円柱本体部20aの内側のみならず、上記抜止拡径部20bの全域にも表示されている。
図13(b)に示す動脈用の液体確認用アダプター20は、抜止拡径部20bは、動脈用エアートラップチャンバー3の径大係合部3’の外周後半面に同心的に近接又は接触し得る半径(凹状半円柱本体部20aの半径より大で、ホルダー10の係合凹部10a,10bの半径より若干大の半径)の凹状円柱部からなる下部抜止拡径部27aと、上記動脈用エアートラップチャンバー3の上記上端部3aの外周後半面に同心的に近接又は接触し得るような上記上端部3aの外周後半面と略同径の上部突出部27bとから形成されている。
また、斜線状の液体確認マーク17’は、上記凹状半円柱本体部20aの内側のみならず、上記抜止拡径部20bの全域にも表示されている。
このような液体確認用アダプター20を使用する場合は、図8に示すように、上下2段に重ねて配置されたホルダー10,10の左側の係合凹部10aに静脈用の液体確認用アダプター20をその下部抜止拡径部26a下端が上記ホルダー10の上面11に係止させることにより係合装着し、右側の係合凹部10bに動脈用の液体確認用アダプター20をその下部抜止拡径部27a下端が上記ホルダー10の上面11に係止させることにより係合装着する。その後、上記係合凹部10aに静脈用のエアートラップチャンバー7を重ねて装着し、上記係合凹部10bに動脈用のエアートラップチャンバー3を重ねて装着する。
すると、静脈用エアートラップチャンバー7の上記係合凹部10aより上方の部分(径大係合部7’とその上端部7a)の外周面は、上記液面確認用アダプター20の下部抜止拡径部26aと上部抜止拡径部26bに近接又は接触する。また、動脈用エアートラップチャンバー3の上記係合凹部10bより上方の部分(径大係合部3’と上端部3a)は、上記液面確認用アダプター20の下部抜止拡径部27aと上部突出部27bに近接又は接触する。
この状態において、エアートラップチャンバー3,7の4/5以上のレベルに生理食塩水等9が存在する場合は、液面は上段のホルダー10の上面11を超えて、上端部3a,7aの水準に存在するが(図1のW1,W2参照)、上記液体確認用アダプター20は、抜止拡大部20bの部分においても液体確認マーク17’が表示されているし、上記エアトラップチャンバー3,7の径大係合部3’,7’及び上端部3a,7aは、上記液面表示用アダプター20の抜止拡径部20b(下部抜止拡径部26a,上部抜止拡径部26b,下部抜止拡径部27a,上部突出部27b)に各々近接又は接触しているので、上記凹状半円柱本体部20aの液体確認マーク17’のみならず、各アダプター20,20の抜止拡径部20b,20bにおける液体確認マークも立体的に目視することができ、より確実に液面の確認を行うことができる。
即ち、液体確認マーク17’は、凹状半円柱本体部20aと抜止拡径部20bに連続して上下方向に途切れることなく立体的に目視することができ、素早く液面の確認を行うことができる。
当該実施形態においても、上記各エアートラップチャンバー3,7の上記各係合凹部10a,10bへの係合状態において、上記アダプター20における上記各液体確認マーク17’は、上記各エアートラップチャンバー3,7内の各透明液体の水位が上記各液体確認マーク17’より上位の位置にある場合は適正水位であり、上記各液体確認マーク17’より下位にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に各々表示されている。
また、図13(b)に示すように、水位が中間の水位W5の場合は、液体確認マーク17’の下半部は立体的に見えるが、上半部は立体的に見えないため、操作者は当該水位W5が不適性であることを迅速に認識することができる。
図14に示すものは、本発明に係る他の実施形態であり、エアートラップチャンバーの外周部又は内周部の背面側に液体確認マーク17’を表示したものである。同図(a)の静脈側エアートラップチャンバー7及び同図(b)の動脈側エアートラップチャンバー3の何れも、その背面側の周側面に、液体確認マーク17’として、平行線からなる目盛線28、及び数字29を表示したものである。
上記目盛線28は、上記エアートラップチャンバー7,3の円筒状の筐体の全周の長さの14%程度(図19(a)の範囲B(開き角度θ1=約50度、例えば目盛線28の細い線の長さ)から21%程度(図19(b)の範囲C(開き角度θ2=約76度、例えば目盛線28の太い線の長さ)に表示されている。尚、目盛線28の長さはこれに限定されず、例えば図2(a)に示す開き角度A(180度)の範囲に亘って表示しても良い。また、上下方向には、上記本体部7”,3”の下部位置から上記上端部7a,3aの部分まで連続的に表示されている。従って、このエアートラップチャンバー7,3を図15に示すようにホルダー10に、上記液体確認マーク17が上記係合凹部10a,10bの内側に位置する向きで、垂直に装着したとき、エアートラップチャンバー7,3の4/5又は4/5以上の適正水位レベルW1、W2まで生理食塩水等Pが入っている場合は、図15に示すように、液体の屈折により上記目盛線28が上記チャンバー7の凸状円柱面12a’側に立体的に目視することができ、また数字29は拡大されて目視されるので、当該エアートラップチャンバー7,3内の適正水位レベルW2,W1まで生理食塩水等Pが存在することを素早く認識することができる。
この場合、ホルダー10側には液体確認マーク17’を表示する必要はない。上記目盛線28及び数字29(液体確認マーク17’)は、上記エアートラップチャンバー3,7の外周部又は内周部に印刷、又は、凸状部28b又は凹溝28cにとして加工することにより表示することができる(図16(a)(b)参照)。上記凸状部28b又は凹溝28cに加工する場合は、図16(a)(b)に示すように、角部28aは丸くならずに、できるだけ鋭いエッジを形成するものとすることが、液体を透過して目視した場合により明確な表示が可能となる。また、上記凸状部28b、凹溝28cは透明のままでも良いが、上記凹溝28cに形成する場合は底部28d、凸状部28bに形成する場合は上部28eに色彩を付することにより、より明確な表示が可能となる。勿論、凸状部28b、凹溝28cの全体を不透明色又は半透明色に着色しても良い。このようにエアートラップチャンバー3,7の筐体(本体部3”,7”、径大係合部3’,7’、上端部3a,7aの各筐体)の外周部又は内周部に液体確認マーク17’を表示することにより、当該チャンバー3,7の透明筐体を通して、上記液体確認マーク17’を目視することができる。
尚、図16は凹溝28c又は凸状部28bをエアートラップチャンバー3,7の筐体の外周部に設けた場合は、同図中、本体部7”(3”)の右側のエリアはチャンバー外部を示し、筐体の内周部に設けた場合は、本体部7”(3”)の右側のエリアはチャンバー内部を示す。
当該実施形態においても、上記各エアートラップチャンバー3,7の上記各係合凹部10a,10bへの係合状態において、目盛線28及び数字29からなる液体確認マーク17’は、上記各エアートラップチャンバー3,7内の各透明液体の水位が上記各液体確認マーク17’より上位の位置(一番上の目盛線28より上位の位置)にある場合は適正水位であり、上記各液体確認マーク17’より下位(一番下の目盛線28より下位)にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に各々表示されている。
また、例えば図14に示すように、水位が中間の水位W5の場合は、目盛線28(液体確認マーク)17’の下半部は立体的に見えるが、上半部は立体的に見えないため、操作者は当該水位W5が不適性であることを迅速に認識することができる。
尚、液体確認マーク17’をこのように目盛線28及び数字29から構成する場合、例えば適正水位を示す位置を目盛線28又は数字29で示すこともできるし、例えば水位が数字の「10」以上にあれば適正水位であると判断し、水位が数字の「5」以下であれば不適正な水位であると判断し、数字の「10」と数字の「5」の間の中間水位であれば、適正水位である「10」の位置まで生理食塩水等Pの水位を移行させるための処置を迅速に行うことができる。
図17に示すものは、本発明にかかるさらに他の実施形態であり、エアートラップチャンバー7,3の外周部の背面側に、液体確認用シール17を貼着したものである。この液体確認用シール17は、基本的には図1に示す上記シール17と同様であるが、液体確認マーク17’が表示された面と同一の面に粘着層が形成されている点において、若干異なっている。
このシール17は、その粘着層の面に水平方向のラインからなる液体確認マーク17’が表示されており、当該シール17は透明でも良いし、上記内側の着色面の全域に着色(緑、黄、赤等)を施し、当該着色面とは異なる色にて水平方向のライン17’を表示しても良い。
図17(a)に示すように、当該液体確認用シール17は上記エアートラップチャンバー7,3の本体部7”,3”の背面側の拡大係合部7’,3’の直下に貼着けられる。その状態で、当該エアートラップチャンバー7を、図17(b)に示すように、上記液体確認マーク17’が上記係合凹部10a,10bの内側に位置するように、上記ホルダー10に垂直に支持する。
従って、このエアートラップチャンバー7,3を図17(b)に示すようにホルダー10に垂直に装着したとき、エアートラップチャンバー7,3の4/5の適正水位レベルW2,W1まで生理食塩水等Pが入っている場合は、液体の屈折により上記液体確認マーク17が上記チャンバー7,3の凸状円柱面12a’側に立体的に目視することができるので、当該エアートラップチャンバー7,3内の適正水位レベルW2,W1まで生理食塩水等Pが存在することを素早く認識することができる。この場合、上記ホルダー10側には液体確認マークを表示する必要はない。
図17では、上記液体確認用シール17は、上記本体部7”に貼着したが、図18に示すように、上記シール17を上下方向に長く形成し、上記本体部7”の下方位置から、エアートラップチャンバー7,3の径大係合部7’,3’、上端部7a,3aに至るように構成し(図14(a)(b)の液体確認マーク17’の上下範囲と略同一の範囲)、液体確認マーク17’が立体的に見える範囲を上下方向に拡大しても良い。
また、図18に示すように、目盛線28及び数字29を表示した透明フィルムからなる液体確認用シール17を設け、当該シール17を上記エアートラップチャンバー3,7の透明筐体の外周部に貼着しても良い。この図18に示す液体確認用シール17は、その上下長さは、エアートラップチャンバー3,7の本体部3”,7”の下方領域から上端部3a,7aの上部領域までの長さを有しており、当該シール17を上記エアートラップチャンバー3,7の筐体外周面に貼り付けて使用する。また、このシール17の横幅は、上記エアートラップチャンバー3,7の筐体(本体部3”,7”)に対して開き角度が約180度(図2(a)参照)の長さを有しており、上記シール17に表示されている目盛線の長さは、上記エアートラップチャンバー7,3の円筒状の筐体の全周の長さの14%程度から21%程度の長さとなるように表示されている(図19参照)。
このシール17をエアートラップチャンバー3,7の筐体外周部に貼り付けると、図14(a)(b)と同様の状態となる。従って、このエアートラップチャンバー3,7の適正レベルまで生理食塩水等Pが入っている場合は、図15に示すように、液体の屈折により上記目盛線28が上記チャンバー7の凸状円柱面12a’側に立体的に目視することができ、また数字29は拡大されて目視されるので、当該エアートラップチャンバー7,3内の適正水位レベルW2,W1まで生理食塩水等Pが存在することを素早く認識することができる。
また、上記図17及び図18に示すように、エアートラップチャンバー3,7に直接液体確認用シール17を貼り付ける場合は、当該シール17の粘着層は、透析作業終了後は、シール17の貼着されたエアートラップチャンバー3,7をシール17と共に廃棄するが、シール17の粘着層を易剥離性の粘着層とすることにより、透析作業終了後はエアートラップチャンバー3,7から上記液体確認用シール17のみを剥がした上で、エアートラップチャンバー3,7のみを廃棄することができる。この場合は、剥した液体確認用シール17を繰り返し使用することができる。
図20に示すものは、図14に示す実施形態のさらに他の実施形態であり、エアートラップチャンバー7(3)の上記本体部の上下方向の一定範囲に、例えば無模様の黒色一色の帯状の液体確認マーク17’を表示し、上記エアートラップチャンバー7(3)を上記ホルダー10の上記係合凹部10a(10b)に係合した状態において、上記両エアートラップチャンバー7(3)の上記各透明筐体を透過して上記液体確認マーク17’を目視し得るように構成し、かつ上記両エアートラップチャンバー7(3)内に投入された透明液体の液面が、適正水位レベルW2まで達している状態においては、上記各液体確認マーク17’を上記各エアートラップチャンバー7(3)の上記各透明筐体及び上記透明液体を透過して目視し得るように構成したものである。
上記液体確認マーク17’は、上記エアートラップチャンバー7(3)の上記本体部の筐体の周方向の一定範囲の幅(例えば図19(a)の範囲B)で表示されており、上記エアートラップチャンバー7(3)内の透明液体の水位が上記液体確認マークより上位の位置(W2)にある場合は適正水位であり、上記液体確認マークより下位(W2’)にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に表示されている。
また、図20(b)に示すように、上記液体確認マーク17’の中間位置に水位W5がある場合は、液体確認マーク17’の下半部は立体的に見え、上半部は立体的に見えないので、水位W5を明確に確認することができ、当該水位W5が不適正であることを迅速に認識することができる。
この液体確認マーク17’も、上記エアートラップチャンバー7(3)の外周部又は内周部に任意の無地の不透明色、半透明色にて帯状に印刷、帯状の凹溝(不透明色又は半透明色)、帯状の凸部(不透明色又は半透明色)により形成しても良いし、無地の黒色、緑色、黄色等の目立つ色の着色不透明の長方形状の帯状フィルム、又は、無地の黒色、緑色、黄色等の目立つ色の着色半透明の帯状フィルムを上記チャンバーの透明筐体の外周部に貼着することにより構成することができる。
尚、上記各実施形態において、液体確認マーク17’は上下方向に幅があるので、液面水位が上記液体確認マーク17’の中間位置に位置する場合も考えられる(例えば図20(b))。このような場合であっても、当該水位より下方部分においては、液体確認マーク17’が立体的に表示され、当該水位より上方部分においては、液体確認マーク17’がそのまま表示される状態となるため、操作者はかかる状態の液面表示を確認することにより、チャンバー内の液面の水位が不十分であることを迅速に確認することができる。
本発明は以上のように、ホルダー10を水平に保持した状態で、プライミング作業終了時に、エアートラップチャンバー3,7内に適正水位まで液体が入っている場合は、液体確認マーク17’が立体的に拡大されて見え、同チャンバー3,7内の水位が所定の水位に達していない場合は、液体確認マーク17’がそのままの状態で見えるので、エアートラップチャンバー3,7内の液体の液面が適正に保持されているか否か、確実に確認することができる。
また、アダプター又はチャンバー自体に液体確認マーク17’を上下方向に長く表示した場合であっても(図7、図13、図15、図18、図20の場合)上記各液体確認マーク17’は、上記両エアートラップチャンバー3,7内に投入された透明液体の液面が、上記各係合凹部10a,10bの上記液体確認マーク17’の位置より上方の適正水位レベルW1,W2まで達している状態においては、上記各液体確認マーク17’を上記各エアートラップチャンバーの上記各透明筐体及び上記透明液体を透過して目視し得る位置に表示されており、又は、上記各エアートラップチャンバー3,7内の各透明液体の水位が上記各液体確認マーク17’より上位の位置にある場合は適正水位であり、上記各液体確認マーク17’より下位にあるときは不適正な水位であることが判別可能な位置に各々表示されているので、上記各エアートラップチャンバー3,7内の各透明液体の水位が上記各液体確認マーク17’より上位の位置にある場合は適正水位であり、上記各液体確認マーク17’より下位にあるときは不適正な水位であることを、迅速に判別することが可能となる。この場合、水位が液体確認マークの略中間にある場合は、液体確認マーク17’の下半部は立体的に見えるが、上半部は立体的に見えないため、操作者は当該水位W5が不適性であることを迅速に認識することができる。
尚、上記液体確認マーク17’をエアートラップチャンバー3,7の上下幅の全体に表示しても良く、この場合は、液体確認マーク17’の略全体が立体的に目視されれば適正水位であり、略全体が立体的に目視できなければ不適正な水位であり、水位が中間的であり、下半部のみが立体的に見える場合は、当該不適正な中間水位を確実に確認し得て、水位が不適正であることを迅速に認識できる、との効果を奏するものである。
また、透析毎に使い捨てられるエアートラップチャンバー3,7には何ら表示を付することなく、ホルダー側に液体確認マーク17’を付するので、同チャンバー3,7の液面の確認に極めて適している。
また、係合凹部10a,10bに液体確認用シール17を貼着し得るように構成することで、容易に液体確認マークを表示することができる。
また、ホルダー10の開口部10a,10bに対向する係合用凹部10a,10bの面内に液体確認マーク17’を設けたので、透明筐体であるエアートラップチャンバー3,7の外部からホルダー10の開口部10a’,10b’を介して液体確認マーク17’を容易に確認することができる。
また、エアートラップチャンバー3,7の外周側面に沿って液体確認マーク表示面が例えば密着する状態となるため、適正水位の場合は、液体の屈折効果に基づいて液体の有無による液体確認マーク17’の見え方の相違をより大きくして、判断を確実なものとすることができる。
また、液体確認用アダプター20を使用することにより、例えば自立ポール13によりホルダー10を上下2段に重ねて設置した場合であっても、確実に上記チャンバー3,7の透明筐体を介して上記液体確認マーク17’を目視することができる。
また、エアートラップチャンバー3,7側に液体確認マーク17’を表示しても良く、この場合ホルダー側には何ら液体確認マークは表示する必要がなく、既存のホルダーをそのまま使用することができる。
また、図1、図17の液体確認用シール17、図7、図13の液体確認用アダプター20、図18の液体確認用シール17、図20の液体確認マーク17’を液体確認用シール17で行う場合は、各シールを構成するフィルムは、透明、半透明、不透明のフィルムの何れも使用することができ、各フィルムに液体確認マークを表示することができる。
尚、図1において、22,23は各種チューブの係合部、二点鎖線で示す薄型小片は上記係合凹部10a,10bに貼着した弯曲状態の液体確認用シール17を示している。図21において18は生理食塩水等Pの貯留槽、19は廃液の貯留槽、21は患者である。