JP6025741B2 - 色素増感太陽電池のための添加剤 - Google Patents

色素増感太陽電池のための添加剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6025741B2
JP6025741B2 JP2013542387A JP2013542387A JP6025741B2 JP 6025741 B2 JP6025741 B2 JP 6025741B2 JP 2013542387 A JP2013542387 A JP 2013542387A JP 2013542387 A JP2013542387 A JP 2013542387A JP 6025741 B2 JP6025741 B2 JP 6025741B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
atoms
substituted
linear
atom
aryl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013542387A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014506374A5 (ja
JP2014506374A (ja
Inventor
浩樹 吉崎
浩樹 吉崎
健太郎 川田
健太郎 川田
智久 後藤
智久 後藤
浩美 篠原
浩美 篠原
キルシュ,ピア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Patent GmbH
Original Assignee
Merck Patent GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Patent GmbH filed Critical Merck Patent GmbH
Publication of JP2014506374A publication Critical patent/JP2014506374A/ja
Publication of JP2014506374A5 publication Critical patent/JP2014506374A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025741B2 publication Critical patent/JP6025741B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2031Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2004Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte
    • H01G9/2013Light-sensitive devices characterised by the electrolyte, e.g. comprising an organic electrolyte the electrolyte comprising ionic liquids, e.g. alkyl imidazolium iodide
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2059Light-sensitive devices comprising an organic dye as the active light absorbing material, e.g. adsorbed on an electrode or dissolved in solution
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

本発明は、色素増感太陽電池(DSSC)における添加剤としての式Iで表される少なくとも1種の三級アミン−N−オキシドならびにかかる式Iに対応する全ての互変異性体または立体異性体形態の使用に、ならびに式Iで表される少なくとも1種の化合物を含む特別な電解質処方物および色素増感太陽電池に関する。
増感色素を利用する色素増感太陽電池は、広汎な注目を集めてきた。色素増感太陽電池は、例えば、透明基板上にこの順序で形成される、透明導電性フィルム、その中に支持される増感色素を有する多孔質の半導体電極、正孔輸送層、および対電極を含む。
かかるセルの例は、文献:O'Regan, B. and Graetzel, M. (1991) Nature, 353, 737に記載されている。太陽電池はこの場合、一対の対向電極(アノードおよびカソード)ならびにそれらの間に電解質を含有する。電解質は、色素増感ナノ多孔質半導体−電解質界面における電荷分離に際して作られる正孔の媒体として、異なる酸化状態を有するヨウ化物イオン対を含む。カソードは伝導性材料から作られ、一方でアノードは、ガラスなどの透明材料の板であって、その上に他の元素でドープされうる光透過性の二酸化スズ(SnO)の透明の伝導性層ならびにその上に半導体の二酸化チタン(TiO)層を有する、前記板から作られる。TiO層は、その表面へ増感色素が結合する、ナノ結晶粒子からなるTiO半導体で形成される。TiOナノ結晶層および色素の間の界面が照射されると、電子がTiOへと注入される。
一方、媒体が電解質内で酸化を受ける;3つのヨウ化物イオン(I)が2つの電子を放出し、高度な酸化度の三ヨウ化物イオン(I )が生じる。それから電子がTiOナノ結晶層を介して輸送され、そして透明伝導性層により収集される一方で三ヨウ化物イオン(I )はカソードへと拡散し、そして2つの電子を獲得してヨウ化物イオン(I)へと還元される。このようにして、この種の湿式電池は、太陽エネルギーを電気エネルギーへと変換する。
色素増感太陽電池は、その単純かつ便利な製造方法、それゆえの低減された材料コストなどのため、次世代のための太陽電池として役立つと期待されてきている。
色素増感太陽電池を実用に供するために、変換効率におけるさらなる改善に対する要求が存在し、そしてそのために、発生する電流(短絡回路電流、Jsc)の、開回路電圧(VOC)における、ならびに安全性および耐用性における増加に対する要求が存在した。
最良に機能する色素増感太陽電池は現在、少なくとも1種の揮発性有機溶媒を含有し、電解質の粘性を低減させ、それゆえイオン移動度を高めている。ここで最大の課題は、例えばYu Bai et al., "High-performance dye-sensitized solar cells based on solvent-free electrolytes produced from eutectic melts", Nature Materials 2008, 1において開示されるように、電解質液がイオンのみで構成されるという目的のもとで、揮発性溶媒をイオン液体と置き換えることにより、電解質の揮発性を除去するまたは低減させることである。
イオン液体に基づくDSCCの電力変換効率を制限する要因の1つは、関連する作動状態におけるレドックス対(例えばI )のかなり大量の酸化された部位に起因する、半導体における注入電子または伝導帯電子(例えばTiO)のかなり大規模な再結合でありうる。開回路電圧を増加させるために、かかる再結合を避ける必要があり、換言すると、半導体電解質接合部における漏れ電流を抑制することを意味する。
漏れ電流は、TiO表面が単層の色素により被覆されているにもかかわらず生じる、伝導帯電子(e cb)による三ヨウ化物の上記の還元:
+2e cb(TiO)→3I
から発生する。三ヨウ化物は、相対的に小さなサイズであるため、色素層を横切るか、または色素が完全には被覆できない、つまりTiOの表面がむき出しでありそしてレドックス電解質に対して露出されているナノメートルサイズの孔へのアクセスを有するかのいずれかである。
典型的には、TiO表面上の遊離部位に適合され、それゆえ三ヨウ化物または遊離ヨウ素の可能な再結合部位へのアクセスを阻止すると考えられている化合物の添加により、再結合は抑制される。この目的に典型的に使用される化合物の例は、(ポリ)エーテル誘導体、アミド、エステル、ニトリルである。現行の最良の結果は、N−アルキル−ベンズイミダゾール(Zhaofu Fei et al., Inorg. Chem. 2006, 45, 10407-10409, A Supercooled Imidazolium Iodide Ion Liquid as a Low-Viscosity Electrolyte for Dye-Sensitized Solar Cells)、4−tert−ブチルピリジン(TBP、M.K. Nazeeruddin et al., J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 6382-6390)またはテトラゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピラジン、ピリミジン、トリアジンなどの窒素含有複素環系添加剤(H. Kusama et al., J. Photochem. Photobiol., A Chemistry, 2005, 169-176)を用いて達成されてきた。TBPおよび窒素含有複素環系添加剤は、少なくとも1種の揮発性有機溶媒を含む電解質において特に有用であるとされている。
現在までに公知の複素環系添加剤における窒素孤立電子対の供与特性は、強化されたVOCの原因となると考えられている。
US 2005/0150544は、用いられる色素がSolaronix Col, Swissにより製造された、Ruthenium 535-bisTBA色素であり、およびアセトニトリルに基づく電解質溶液が環中に酸素原子を含有する複素環系化合物、例えばテトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ピラン、テトラヒドロピラン、フラン、2−メチル−フラン、1,4−ジオキサン、トリオキサン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、2H−1,3−ジオキソール、3H−1,2−ジオキソール、ジオキセン、1,4−ジオキシン、トリオキサンなどを含有し、および電解質溶液における複素環系化合物の濃度が5〜40容量%である、色素増感太陽電池を記載する。
TBPが用いられる場合、対電極に対する汚染が観察される。さらに、TBPは揮発性であり、これはデバイスの安定性および耐用性に影響を及ぼすことを意味する。
他の複素環系添加剤が用いられる場合、短絡回路電流における顕著な低下が確認され、そして実際に得られる開回路電圧は低い。
しかし、酸化物半導体の伝導バンド端の負の方向へのシフトによりおよび/または漏れ電流の低減しそれゆえ最大電力作動電圧を最大化させることにより開回路電圧を改善することができる、新規のおよび/または改善せれた添加剤に対する要求が継続して存在する。開回路電圧は、室温より上のおよび色素沈着が発生する温度より十分下の温度を含む広い温度範囲(つまり、40℃〜120℃の範囲)にわたって改善されたDSC効率を達成するよう合わせる必要がある、1つの重要なパラメーターである。
それゆえ本発明の目的は、再結合阻害剤として作用する色素増感太陽電池のための添加剤としての、および/または孔質半導体の伝導バンド端のシフトを誘発する、好ましくははTiOのそれを誘発する剤としての、代替のおよび/または改善された化合物を提供することである。
驚くべきことに、特別な三級N−オキシドが、かかる要求を充足することが見出された。
式Iで表される三級N−オキシドは再結合阻害剤としておよび/または孔質半導体の伝導バンド端シフトを誘発し、その結果開回路電圧(VOC)を増加させる剤として作用すると考えられている。それゆえ式Iで表される三級N−オキシドは漏れ電流を低減させおよび伝導バンド端を強化させることができ、ともにVOCを増加せしめる、添加剤として作用する。
それゆえ本発明は第1に、式I
式中
、R、Rは互いに独立して、
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、
6〜10個のC原子を有するアリール、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、であり、
あるいはR、RおよびRは縮合して、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素芳香環構造を形成し、
あるいはRおよびRは縮合して、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素脂環式構造を形成し、およびRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであるか、あるいは縮合して少なくとも1個のN原子を含有する三環構造を形成し、およびここで複素脂環式構造または三環構造の第2のまたは第3のN原子は−Oおよび1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルにより置換されていてもよく、
および
Rは独立して、Hal、CN、C(O)H、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルによりまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよ、2〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、5または6個のC原子を有するシクロアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ、6〜10個のC原子を有するアリールここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、5〜10個のC原子を有するヘテロアリールここで該ヘテロアリール基のN原子は−Oにより置換されていてもよい、6〜10個のC原子を有するアリールオキシ、6〜10個のC原子を有するアリールチオ、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
Halは、F、Cl、BrまたはIである、
で表される少なくとも1種の化合物、ならびにその全ての互変異性体または立体異性体の、色素増感太陽電池における添加剤としての使用に関する。
JP 2006/202646は、さまざまなデバイス、例えばリチウム2次電池、電解コンデンサー、電気二重層キャパシタなどに対する電解質における可能な添加剤として、4−フェニル−ピリジン−N−オキシドに言及する。偶然にも4−フェニル−ピリジン−N−オキシドを含むJP 2006/202646による添加剤を含有する電解質は、加熱に際し、熱抵抗および無変色を実証しうることが言及される。式Iによる三級N−オキシドが色素増感太陽電池において有利に用いられるうること、およびそれらがVOCを増加させる能力を有することの示唆はない。
式Iによる少なくとも1種の化合物を、本発明により、電解質の成分として、色素適用の間のまたは他の方法による共吸着剤として、適用することができる。好ましくは、式Iで表される少なくとも1種の化合物を、電解質の成分としてまたは共吸着剤として、特に好ましくは電解質の成分として適用する。
上記の式Iで表される少なくとも1種の化合物は、単一の添加剤として、または他の公知の添加剤、例えば上に言及される(ポリ)エーテル誘導体、アミド、エステル、ニトリルまたは複素環化合物などと組み合わせて用いることができる。
色素増感太陽電池などの所定のデバイスにおいて有用な電解質の種類は限定されない。電解質は、融解塩またはイオン液体と一般的に記載される、分子溶媒にまたは有機塩に基づいてもよい。低分子有機溶媒などの高度に揮発性の分子を含有しない電解質において、上記の式Iで表されるN−オキシドを使用するのが好ましい。
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、1−(2,2−ジメチル)−プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、x−メチルブチル、ここでxは1;2または3であり、x−メチルペンチル、ここでxは1;2;3または4であり、x−メチルヘキシル、ここでxは1;2;3;4または5であり、x−エチルペンチル、ここでxは1、2または3であり、x−エチルヘキシル、ここでxは1;2;3または4であり、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシルおよびn−エイコシルであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されることができる。
6〜10個のC原子を有するアリールは芳香族化合物、例えばフェニル、ナフチルまたはアントラセニルであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されることができる。好ましくはアリールはフェニルであり、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる。
5または6個のC原子を有するヘテロアリールは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニルまたはピラジニルである。好ましくは、ヘテロアリールは、2−、3−または4−ピリジルである。
1、2または3個のN原子が存在する、あるいは1個のNおよび1個のSまたは1個のO原子が存在する複素芳香環構造は、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、チアゾール、オキサゾール、インドール、キノリン、キノキサリンまたはベンズイミダゾールであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されていることができる。好ましくは、複素芳香環構造は、ピリジン、ピラジン、イミダゾール、ベンズイミダゾールまたはキノリンであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されていることができる。本発明により有用な複素芳香環構造を有する式Iで表される化合物の例は、式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIfおよびIIg
式中、R’は独立して、HまたはRであり、R’’’は独立して、H、直鎖のまたは分枝の1〜4個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ、あるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールであり、Rは独立して、H、直鎖のまたは分枝の1〜4個のC原子を有するアルキルであり、Rは独立して、H、直鎖のまたは分枝の1〜20個のC原子を有するアルキルであり、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルまたはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよく、およびRは下に定義されるとおりである、の化合物により表される。
1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のS原子または1個のO原子が存在する複素脂環式構造は、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、ヘキサヒドロ−ピリミジン、ヘキサヒドロ−ピリダジン、1,3,5−トリアジナン、モルホリン、チオモルホリン、オキサゾリジン、チアゾリジンであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されていることができる。好ましくは、複素脂環式構造はピロリジン、ピペリジン、モルホリン、オキサゾリジンまたはヘキサヒドロピリダジンであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されていることができる。本発明による有用なかかる複素脂環式構造を有する式Iで表される化合物の例は、式IIIa、IIIbまたはIIIc
式中、XはCH、OまたはNRであり、R’’は1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、R’はHまたはRであり、およびRは下に定義される、の化合物により表される。
少なくとも1個のN原子を有する複素脂肪族三環構造は例えば、1−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタン、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンであり、これらは下に定義される少なくとも1個のRにより置換されていることができる。かかる複素脂肪族三環構造を有する式Iで表される化合物の例は、式IIId
式中YはCH、N、NR、Nであり、R’はHまたはRであり、およびRは下に定義される、の化合物により表される。
Rは独立して、Hal、CN、C(O)H、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルによりまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよ、2〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、5または6個のC原子を有するシクロアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ、6〜10個のC原子を有するアリールここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりまたは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、5〜10個のC原子を有するヘテロアリールここで該ヘテロアリール基のN原子は−Oにより置換されていてもよい、6〜10個のC原子を有するアリールオキシ、6〜10個のC原子を有するアリールチオ、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、ここでHalはF、Cl、BrまたはIである。
Halは好ましくは、F、ClまたはIである。
1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよい、6〜10個のC原子を有するアリール、例えばフェニル、ナフチルまたはアントラセニルにより置換されていることができる、あるいは上に記載される5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていることができる、直鎖のまたは分枝の1〜20個のC原子を有するアルキル基が、上に例として記載される。好ましくは、アリールにより置換されている直鎖のまたは分枝のアルキル基は、ベンジル、1−(4−メトキシ)−フェニル、1−(4−メチル)−フェニル、2−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、1−(2−フェニル)プロピル、4−フェニルブチルまたは5−フェニルペンチル、特に好ましくはベンジル、1−(4−メトキシ)−フェニル、3−フェニルプロピルまたは1−(2−フェニル)プロピルである。
ヘテロアリールにより置換されている直鎖のまたは分枝のアルキル基は、好ましくは、1−ピリジン−4−イル−メチルである。加えて、ヘテロアリール部分のN原子は−Oにより置換されていてもよい。
5〜6個のC原子を有するシクロアルキルにより置換されている直鎖のまたは分枝のアルキル基は、好ましくは、シクロペンチル−メチル、シクロペンチル−エチル、シクロヘキシル−メチルまたはシクロヘキシル−エチルである。
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ基は、O−alkylと定義され、ここでalkylは例えば、6〜10個のC原子を有するアリール、例えばフェニル、ナフチルまたはアントラセニルにより置換されていることができるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、xが1;2または3であるx−メチルブチル、xが1;2;3または4であるx−メチルペンチル、xが1;2;3;4または5であるx−メチルヘキシル、xが1、2または3であるx−エチルペンチル、xが1;2;3または4であるx−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシルである。アリールにより置換されている直鎖のまたは分枝のアルコキシ基は、好ましくはフェニルメトキシ、フェニルエトキシ、フェニルプロポキシまたはフェニルブトキシ、特に好ましくはフェニルメトキシである。
5〜6個のC原子を有するシクロアルキルは、シクロペンチルまたはシクロヘキシル、好ましくはシクロヘキシルである。
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル基は、少なくとも1個のHがヒドロキシ基により置換されている、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基である。
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ基は、S−alkylと定義され、ここでalkylは例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、xが1;2または3であるx−メチルブチル、xが1;2;3または4であるx−メチルペンチル、xが1;2;3;4または5であるx−メチルヘキシル、xが1、2または3であるx−エチルペンチル、xが1;2;3または4であるx−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシルである。
6〜10個のC原子を有するアリールオキシ基は、O−Arylと定義され、ここでArylは上で定義される意味を有する。
5〜10個のC原子を有するヘテロアリールは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル 1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−1H−インドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンザ−2,1,3−オキサジアゾーリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニルまたは2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニルである。
本発明の1つの好ましい態様において、式中、
、RおよびRは、互いに独立して、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、好ましくは1〜9個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、特に好ましくはメチルまたはノニルであり、あるいは、
式中、R、RおよびRは縮合して、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のNおよび1個のSまたは1個のO原子が存在する複素芳香環構造を形成し、好ましくは、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1または2個のN原子が存在する複素芳香環構造を形成し、
あるいは、RおよびRは縮合して、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在する複素脂環式構造を形成し、およびRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、好ましくは およびR 縮合して、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1または2個のN原子あるいは1個のN原子および1個のO原子が存在する複素脂環式構造を形成し、およびRは1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、
およびRが上で定義される意味を有する、または下で定義される好ましい意味を有する式Iで表される化合物が、本発明により使用されうる。
Rは独立して、好ましくは、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されててもよく、〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により、あるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、あるいは1〜20個のC原子を有するジアルキルアミノである。
Rは独立して、特に好ましくは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これは6〜10個のC原子を有するアリールまたは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のジアルキルアミノにより置換されていることができる。
1〜20個のC原子を有するジアルキルアミノは、それぞれのアルキル基が互いに独立して前に定義される1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであるジアルキルアミノ基と定義される。
Rの定義のうち、1〜20個のC原子を有する非置換の直鎖のまたは分枝のアルキル基は、好ましくはメチル、n−ブチル、tert.−ブチルまたは1−(2,2−ジメチル)−プロピルである。
Rの定義のうち、ジアルキルアミノ基は、好ましくは、互いに独立して1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、特に好ましくはメチル基である、アルキル基を有する。
式中R’がピリジン環の4位に配置される式IIaで表される化合物が好ましい。R’は好ましくはHまたはRであり、式中RはC(O)H、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよい、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、6〜10個のC原子を有するアリールあるいは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノの意味を有する。式II内のRは好ましくは、1〜9個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これはフェニルにより置換されていることができる、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これはフェニルにより置換されていることができる、フェニルあるいは1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のジアルキルアミノである。式IIa内のRは、特に好ましくはメチル、tert.−ブチル、ジメチルアミノ、フェニルプロピル、ベンジルオキシ、フェニルまたはヒドロキシメチルである。
式中、置換基R’がキノリン環の4、5、6または7位に配置される式IIbで表される化合物が好ましい。R’は好ましくはHまたはRであり、式中Rが、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリールは1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよい、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、6〜10個のC原子を有するアリール、あるいは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノ、の意味を有する。式IIb内において、R’は好ましくはHである。
式中、R’がHであり、およびRが独立してH、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていることができ、あるいは5〜6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていることができる、式IIcで表される化合物が好ましい。式IIc内において、Rは好ましくはH、1〜9個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これはシクロヘキシルまたはフェニルにより置換されていることができ、ここで該フェニル基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよい、であり;Rは特に好ましくは、H、メチル、tert.−ブチル、n−ヘプチル、フェニルメチル、メトキシフェニルメチル、2−フェニルプロピルまたはシクロヘキシルメチルである。
式中R’が好ましくはHまたはRであり、ここでRが1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよく、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、6〜10個のC原子を有するアリールまたは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、およびRは独立して、H、1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基により置換されていてもよい、あるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていることができる、である、式IIdで表される化合物が好ましい。式IId内において、R’は好ましくはHである。式IId内において、Rは好ましくはH、1〜9個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これはシクロヘキシルまたはフェニルにより置換されていることができ、ここで該フェニル基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシにより置換されていてもよい、であり;Rは特に好ましくは、H、メチル、tert.−ブチル、n−ヘプチル、フェニルメチル、メトキシフェニルメチル、2−フェニルプロピルまたはシクロヘキシルメチルである。
式中R’がHでありおよびR’’’がH、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルまたはアルコキシまたは5または6個のC原子を有するヘテロアリールである、式IIeで表される化合物が好ましい。式IIe内において、R’’’は好ましくは、H、メチル、エチル、tert.−ブチル、メトキシ、エトキシまたはピリジルであり;R’’’は特に好ましくはHである。
式中R’がHであり、およびRが独立してHまたは1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、式IIfで表される化合物が好ましい。式IIf内において、Rは好ましくはH、メチル、エチルまたはtert.−ブチルであり:Rは特に好ましくはHである。
式中R’がHまたはRであり、ここでRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルの意味を有する、式IIgで表される化合物が好ましい。式IIg内において、R’は好ましくはHである。
式中R’がHまたはR、ここでRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルの意味を有する、であり、XはCH、OまたはNRであり、およびR’’は1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、式IIIaで表される化合物が好ましい。式IIIa内において、R’は好ましくはHである。式IIIa内において、Xは好ましくはOである。式IIIa内において、R’’’は好ましくはメチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルであり;R’’は特に好ましくはメチルである。
式中R’がHであり、およびR’’が独立して1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、式IIIbで表される化合物が好ましい。式IIIb内において、R’’は好ましくは独立してメチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルであり;R’’は特に好ましくはメチルである。
式中R’がHまたはRであり、ここでRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルの意味を有し、およびR’’が1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、式IIIcで表される化合物が好ましい。式IIIc内において、R’は好ましくはHである。式IIIc内において、R’’は好ましくはメチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルであり;R’’は特に好ましくはメチルである。
式中R’がHまたはR、ここでRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルの意味を有する、であり、YがCH、N、NRまたはN−Oである、式IIIdで表される化合物が好ましい。式IIId内において、R’は好ましくはHである。式IIId内において、Yは好ましくはCH、NまたはN−Oである。
上に記載される式Iで表される化合物に対する好ましい化合物としての式IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、IIg、IIIa、IIIb、IIIcおよびIIIdで表される化合物のうち、式IIa、IIc、IIdおよびIIIaで表される化合物が特に好ましく、ならびに式IIa、IIdおよびIIIaで表される化合物が非常に特に好ましい。
式Iで表される化合物は以下の群の化合物、例えば
ピリジン−N−オキシド、4−メチル−ピリジン−N−オキシド、4−tert.−ブチル−ピリジン−N−オキシド、4−(ジメチルアミノ)ピリジン−N−オキシド、N−メチル−モルホリン−N−オキシド、4−(1−フェニルプロピル)−ピリジン−N−オキシド、4−(フェニルメトキシ)ピリジン−N−オキシド、ピラジン−N−オキシド、4−(フェニル)−ピリジン−N−オキシド、4−(ヒドロキシメチル)−ピリジン−N−オキシド、4−(ホルミル)−ピリジン−N−オキシド、トリメチルアミノ−N−オキシド、ジメチル−ノニル−アミン−N−オキシド、N−n−ブチル−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−ベンジル−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−(2−フェニルプロピル)−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−[(2’,2’−ジメチル)プロピ)]−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−(シクロヘキシルメチル)−ベンズイミダゾール−3−オキシドまたはN−n−ヘプチル−ベンズイミダゾール−3−オキシドなどにより表される。
本発明はさらに、上に記載されるまたは好ましく記載される式Iで表される少なくとも1種の化合物を、レドックス活性種、例えばヨウ化物/三ヨウ化物など、またはCo(II)/Co(III)複合体対、例えばCo(II)/Co(III)(dbbip)、式中dbbipは2,6−ビス(1’−ブチルベンズイミダゾール−2’−イル)ピリジンを意味する、Co(II)/Co(III)(bpy)ここでbpyはビピリジンまたはそのアルキル化ビピリジン誘導体を示す、などとともに含む電解質処方物に関し、対アニオンは、パークロラート、フルオロパーフルオロアルキルリン酸塩、例えばパーフルオロエチルペンタフルオロリン酸塩など、または(フルオロ)シアノホウ酸塩、特にテトラシアノホウ酸塩、好ましくはヨウ化物および少なくとも1種のヨウ化物塩のレドックス対である。この電解質処方物は、色素増感太陽電池の電解質として使用されうる。
上に記載されるまたは好ましく記載される、本発明の添加剤を含む本発明による電解質処方物は、色素増感太陽電池に対する電解質処方物の分野において既知の電解質処方物に対する代替物または改良物である。本発明の添加剤を使用する場合、かかる電解質処方物は、同等のまたは増加した電力変換効率を示し、現行の既知の添加剤、例えばtert−ブチル−ピリジンの不利を回避する。上に記載されるまたは好ましく記載される式Iで表される本発明の添加剤は、開回路電圧(VOC)、およびそれゆえ上に定義される色素増感太陽電池の電力変換効率を増加させる。
化学において、電解質は、物質を導電性とせしめる自由イオンを含有する任意の物質である。最も典型的な電解質はイオン溶液であるが、溶融電解質および固体電解質もまた可能である。
それゆえ本発明による電解質処方物は、基本的には溶解または溶融状態で存在する少なくとも1種の物質の存在がゆえ、導電性媒体であり、つまりイオン種の動きを介する導電性を支持する。しかし、かかる導電性は、色素増感太陽電池の電解質の役割に対し、大いには関連しないかもしれない。それゆえ、本発明の範囲は高度に伝導性の電解質媒体には限定されない。
電解質の用語は、電解質処方物に対して開示される全ての原料を十分に含む電解質処方物の用語に対して用いられ得る。
上に記載されるまたは好ましく記載される式Iで表される少なくとも1種の化合物は、典型的に、電解質処方物内において0.01〜30重量%(%w/w)の、好ましくは0.1〜20重量%の、より好ましくは1〜10重量%の範囲の濃度で用いられる。
典型的なモル濃度は0.8〜10M、好ましくは2〜5Mである。電解質におけるこのモル濃度は、前に記載されるまたは好ましく記載される、式Iで表される1種または2種以上の化合物を以って達成され得る。
本発明の目的に対し、モル濃度は25℃での濃度に言及する。
本発明の電解質処方物は、ヨウ素(I)を含む。好ましくは、それは、0.01〜50重量%、より好ましくは0.1〜20重量%、および最も好ましくは1〜10重量%のIを含む。
ヨウ化物塩は、無機または有機のカチオンおよびアニオンとしてのIからなる。カチオンの種類には限定は存在しない。しかし、特にDSCに対する、電解質処方物における異なるカチオンの量を限定するために、有機カチオン、例えば四級窒素原子を含む有機化合物、好ましくはピリジニウム、イミダゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウムまたはモルホリニウムなどの環状有機カチオンを含む有機化合物などが用いられ得る。
好ましくは、電解質処方物は、有機カチオンが独立して群
式中、置換基
2’およびR3’はそれぞれ、互いに独立してHまたは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルを示し、
1’およびR4’はそれぞれ、互いに独立して、
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは任意に部分的にフッ素化またはパーフッ素化されていてもよい、
2〜20個のC原子および1または2個以上の二重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは任意に部分的にフッ素化されていてもよい、
2〜20個のC原子および1または2個以上の三重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルキニル、これは任意に部分的にフッ素化されていてもよい、
を示す、
から選択される、少なくとも1種のヨウ化物塩を含む。
少なくとも1種のヨウ化物塩の特に好ましい例は、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物(emim I)、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物(pmim I)、1−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムヨウ化物(bmim I)、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物(hmim I)、1,3−ジメチル−イミダゾリウムヨウ化物(mmim I)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物(amim I)、N−ブチル−N−メチル−ピロリジニウムヨウ化物(bmpl I)またはN,N−ジメチル−ピロリジニウムヨウ化物(mmpl I)である。
電解質処方物の他の成分は、さらに下に示される、1種または数種のさらなる塩または溶媒または添加剤である。
前に記載されるまたは好ましく記載される、式Iで表される本発明の添加剤を含む電解質処方物が2成分系である場合、それは上に記載される2種の塩、1種のさらなる塩および1種のヨウ化物塩を含む。電解質処方物が3成分系である場合、それは上に記載される2種のさらなる塩およびヨウ化物塩あるいは1種のさらなる塩および2種のヨウ化物塩を含む。2成分系は、上に記載される、90〜20重量%、好ましくは70〜25重量%、より好ましくは55〜35重量%のさらなる塩および10〜80重量%、好ましくは30〜75重量%またはより好ましくは45〜65重量%のヨウ化物塩を含む。この段落における百分率は、本発明の電解質処方物に存在する合計の塩(=100重量%)に関して表現される。
さらなる、下に示される一般的に任意の成分(添加剤)、例えば非共有電子対を有するN含有化合物、溶媒、ポリマー、およびナノ粒子などの量は、そこには考慮されない。同じ百分率を3成分系または4成分系に適用し、これはさらなる塩の合計が一定の範囲で用いられなければならないことを意味し、例えば2つのさらなるイオン液体は、本発明の電解質処方物中において例えば90〜20重量%で含有される。
本発明のもう1つの態様によると、電解質処方物は、四級窒素を含む有機カチオンおよびハロゲン化物イオン、例えばF、Cl、I、多ハロゲン化物イオン、フルオロアルカンスルホナート、フルオロアルカンカルボキシラート、トリ(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ビス(フルオルスルホニル)イミド、ニトラート、ヘキサフルオロリン酸、トリス−、ビス−およびモノ−(フルオロアルキル)フルオロホスファート、テトラフルオロボラート、ジシアナミド、トリシアノメチド、テトラシアノボラート、チオシアナート、アルキルスルホナートまたはアルキルスルファートなどから選択されるアニオンとの少なくとも1種のさらなる塩を、1〜20個のC原子を有するフルオロアルカン、好ましくはパーフッ素化された、1〜20個のC原子を有するフルオロアルキルおよび1〜20個のC原子を有するアルキルとともに含有する。フルオロアルカンまたはフルオロアルキルは、好ましくはパーフッ素化されている。
好ましくは、さらなる塩は、チオシナートまたはテトラシアノボラートなどのアニオンを含む塩から選択され、特に好ましいさらなる塩はテトラシアノボラートである。
少なくとも1種のさらなる塩のまたは好ましいさらなる塩のカチオンは、とりわけ四級窒素原子を含む有機化合物、好ましくはピロリジニウム、イミダゾリウム、トリアゾリウム、ピロリジニウムまたはモルホリニウムなどの環状有機カチオンの間から選択される。
本発明のもう1つの態様において、グアニジン塩を本発明の電解質処方物へと添加してもよい。
時にイオン液体として特徴付けられる、ヨウ化物塩およびさらなる塩の以下の組み合わせが好ましい:
a) pmim Iおよびemim TCB(1−プロピル−3−メチルイミダゾリウム ヨウ化物および1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラシアノホウ酸塩)
b) pmim I、チオシアン酸グアニジンおよびemim TCB
c) mmim I、emim Iおよびemim TCB
d) mmim I、emimI チオシアン酸グアニジンおよびemim TCB
e) mmim I、pmimI、チオシアン酸グアニジンおよびemim TCB
f) mmim I、amimI、チオシアン酸グアニジンおよびemim TCB
本発明の電解質処方物は、前に記載されるまたは好ましく記載される、式Iで表される本発明の化合物に加えて、さらなる添加剤として非共有電子対を有する窒素原子を含有する少なくとも1種の化合物、またはtert.−ブチル−ピリジンをさらに含んでもよい。かかる化合物の例はEP 0 986 079 A2において、2頁40~55行に開始して、および再び3頁14行から7頁54行にまで及んで見られることができ、これを明示的に参照により本明細書中に組み込む。非共有電子対を有する化合物の好ましい例は、イミダゾールおよびその誘導体を、特にベンズイミダゾールおよびその誘導体を含む。
本発明の電解質処方物は、有機溶媒を含んでもよい。好ましくは、本発明の電解質処方物は、50%未満の有機溶媒を含む。特に好ましくは、電解質処方物は、40%未満の、より好ましくは30%未満の、なおより好ましくは20%未満のおよびなおさらより好ましくは10%未満含む。最も好ましくは、電解質処方物は5%未満の有機溶媒を含む。例えば、有機溶媒を実質的に含まない。百分率は重量%に基づいて示される。
有機溶媒は、上に示されるかかる量で存在する場合、文献に開示されるものから選択してもよい。好ましくは、溶媒は、もし存在するならば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトン、グルタロニトリル、アジポニトリル、N−メチルオキサゾリジノン、N−メチルピロリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、環状尿素、好ましくは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンまたは1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、グリム類、好ましくはテトラグリム、スルホラン、例えば2−エタンスルホニル−プロパン、1−エタンスルホニル−2−メチル−プロパンまたは2−(プロパン−2−スルホニル)−ブタンなど好ましくは非対称的に置換されたスルホン類、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホキシド、トリメチルリン酸塩およびメトキシ置換ニトリル類など、160℃よりも高い、より好ましくは190℃より高い沸点を有する。他の有用な溶媒は、アセトニトリル、ベンゾニトリルおよびまたはバレロニトリルである。
溶媒が電解質処方物に存在する場合、ゲル化剤としてポリマーがさらに含まれていてもよく、ここで該ポリマーは、ポリビニリデンフルオリド、ポリビニリデン−ヘキサフルロプロピレン、ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ナフィオン、ポリエレンオキシド、ポリメチルメタクリラート、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンである。これらのポリマーを電解質処方物へと添加する目的は、液体電解質を擬固形または固形電解質とし、このようにして、特に経時の間の、溶媒残留を改善する。
本発明の処方物は、例えば、SiO、TiO、Al、MgOまたはZnOなどの金属酸化物をさらに含んでもよく、これらはまた、固形性およびそれゆえ溶媒残留を増加させることができる。
それゆえ本発明はさらに、上に詳細に記載される電解質処方物の色素増感太陽電池における使用に関する。
それゆえ本発明はさらに、本明細書中に記載されるまたは好ましく記載される式Iで表される少なくとも1種の化合物を含む色素増感太陽電池に関する。
本発明の1つの好ましい態様は、式Iで表される少なくとも1種の化合物が電解質溶液に含有される、または換言すると式Iで表される少なくとも1種の化合物が電解質処方物の一部分である、上に記載される色素増感太陽電池である。
色素増感太陽電池において、色素は太陽光を電気的エネルギーへと変換するために用いられる。LUMOエネルギー状態が増感される光電極の伝導バンド端よりわずかに上である限りは、色素の選択に関して自体、制限はない。色素の例は、EP 0 986 079 A2、EP 1 180 774 A2またはEP 1 507 307 A1において開示される。
好ましい色素は、MK−1、MK−2またはMK−3(その構造はN. Koumura et al, J.Am.Chem.Soc. Vol 128, no.44, 2006, 14256-14257の図1に記載される)、
D102(CAS番号 652145−28−3)、D−149(CAS番号 786643−20−7)、D205(CAS番号 936336−21−9)、T. Bessho et al, Angew. Chem. Int. Ed. Vol 49, 37, 6646-6649, 2010に記載されるYD−2、Y123(CAS番号 1312465−92−1)、ビピリジン−ルテニウム色素、例えばN3(CAS番号 141460−19−7)、N719(CAS番号 207347−46−4)、Z907(CAS番号 502693−09−6)、C101(CAS番号 1048964−93−7)、C106(CAS番号 1152310−69−4)、K19(CAS番号 847665−45−6)またはターピリジン−ルテニウム色素、例えばN749(CAS番号 359415−47−7)などの有機色素である。
特に好ましい色素は、ともに両親媒性のルテニウム増感剤であるZ907またはZ907Na、あるいはD205である。色素Z907は、NaRu(2,2’−ビピリジン−4−カルボン酸4’−カルボキシラート)(4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン)(NCS)を意味する。
D205の構造は、
である。
非常に特に好ましい色素は、Z907またはZ907Naである。
好ましい態様において、色素はホスフィン酸とともに共吸着される。ホスフィン酸の好ましい例は、M. Wang et al, Dalton Trans., 2009, 10015-10020に記載されるビス(3,3−ジメチル−ブチル)−ホスホン酸(DINHOP)である。
例えば、色素増感太陽電池は、光電極、対電極および、該光電極および該対電極の間に電解質処方物または電荷搬送金属を含有し、およびここで増感色素は、対電極に対面する側の、光電極の表面上に吸収される。
好ましい態様の本発明によるデバイスによると、それは半導体、上に記載される電解質処方物および対電極を含む。
本発明の好ましい態様によると、半導体は、Si、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、GaP、InP、GaAs、CdTe、CuInS、および/またはCuInSeの群から選択される金属に基づく。好ましくは、半導体は、メソ多孔性の表面を有し、それゆえ色素により任意に被覆されおよび電解質に接触する表面を増加させる。好ましくは、半導体はガラス支持体またはプラスチックまたは金属ホイル上に存在する。好ましくは、支持体は伝導性である。
本発明のデバイスは、好ましくは対電極を含む。例えば、Ptで被覆されたガラス状のフッ素ドープ化スズオキシドまたはスズドープ化インジウムオキシド(それぞれFTOガラスまたはITOガラス)、好ましくは導電性同素体である炭素、ポリアニリンまたはポリ(3,4−エチレンヂオキシチオフェン)(PEDOT)。ガラスに加えて、金属基板、例えばステンレス鋼またはチタンシートなどが可能な基盤となり得る。
本発明のデバイスは、先行技術の対応するデバイスとして、本願発明の電解質処方物により電解質を単に交換することにより製造することができる。例えば、色素増感太陽電池の場合、デバイスアセンブリは数々の特許文献、例えば、WO 91/16719(例えば、34および35)、のみならず科学的文献、例えばBarbe, C.J., Arendse, F., Comte, P., Jirousek, M., Lenzmann, F., Shklover, V., Graetzel, M. J. Am. Ceram. Soc. 1997, 80, 3157; and Wang, P., Zakeeruddin, S. M., Comte, P., Charvet, R., Humphry-Baker, R., Graetzel, M. J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336において開示されている。
好ましくは、増感型半導体材料は光アノードとしての役割を果たす。好ましくは、対電極はカソードである。
本発明は、本発明の電解質処方物を半導体の表面と接触させ、該表面を任意に増感剤と接触させるステップを含む、光電気セルの製造方法を提供する。好ましくは、半導体は上で与えられる材料から選択され、そして増感剤は好ましくは上に開示される量子ドットおよび/または色素から、特に好ましくは色素から選択される。
好ましくは、電解質処方物は半導体上で単に半導体上で純粋化される、または既に対電極を含むそれ以外は完成されたデバイスへと、対電極における孔を介してセルの内部ルーメンに真空を作り出しそしてWang et al., J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336の参考文献に開示される電解質処方物を添加することにより適用してもよい。
本発明はまた、式IId
式中、R‘はHであり、および
は独立して、6〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、または1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルまたはアルコキシ基により置換されていることができる、あるいは5〜6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されており、ただしフェニルメチルはRに対して除外される、で表される新規化合物に関する。式IIdで表される新規化合物であって、式中Rが好ましくは6〜9個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルあるいはメトキシフェニルメチル、2−フェニルプロピルまたはシクロヘキシルメチルである、該化合物が好ましい。
式IIdで表される以下の新規化合物が、特に好ましい:
N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−(2−フェニルプロピル)−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−[(2’,2’−ジメチル)プロピル)]−ベンズイミダゾール−3−オキシド、N−(シクロヘキシルメチル)−ベンズイミダゾール−3−オキシドまたはN−n−ヘプチル−ベンズイミダゾール−3−オキシド。
それゆえ本発明はまた、式IIdで表される化合物の製造方法であって、ここでa)2−ニトロアニリンをアルキル化して式IV
式中Rは上で定義されるとおりである、
で表される中間体を形成し、そして
b)式IVで表される化合物をホルミル化して中間体V
式中Rは上で定義されるとおりである、を得、次いで環化反応により式IIdで表される化合物を形成する、該方法に関する。
2−ブロモニトロベンゼンのR−NH、式中Rは上で定義されるとおりである、との反応は、与えられるプロセスの記載されるステップの代替のステップである。
この代替のステップは、有機溶媒中で、または1つの出発材料が反応温度において、10℃〜200℃の温度において液体であるならば有機溶媒の不存在において、実行してもよい。好ましい溶媒はDMSOである。好ましい反応温度は80℃である。
プロセスのステップa)は、酸、有機溶媒およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウムの存在下での2−ニトロ−アニリンのアルキルアルデヒドR−CHOとのアルキル化反応である。かかる反応は、10℃〜40℃の温度において、好ましくは室温において実行することができる。好ましくは、酸は氷酢酸である。好ましくは、有機溶媒はジクロロメタンである。
全ての出発材料、例えば2−ブロモニトロベンゼン、アルキルアミンR−NH、2−ニトロ−アニリンまたはアルキルアルデヒドR−CHOなどは、商業的に入手可能である。
ステップb)のホルミル化は、40〜100℃の温度における、好ましくは70℃における反応温度での、式IV、式中Rは上で定義するとおりである、で表される化合物のギ酸との反応により実行することができる。代替的に、式IVで表される化合物は、150℃〜200℃の、好ましくは160℃の温度において、ギ酸と反応させることができる。
環化は、水性エタノールおよび式V、式中Rは上で定義されるとおりである、の溶液への硫化アンモニウムの溶液の添加により、または水中のパラジウム炭の懸濁液への水素化ホウ素ナトリウムの添加および上に定義される式Vで表される化合物の添加により、実行することができる。
この種の反応の反応条件は、業界に周知である。例示的な反応条件は、以下の実験の部に記載される。
さらなる言及がなくても、当業者は上の記載を最も広汎な範囲で利用できると想定される。それゆえ好ましい態様および実施例は、いかなる様式においても全面的に限定しない記述的開示として、単に考えられるべきである。
合成される化合物は、NMR分光法または元素分析により特徴付けされる。NMRスペクトルは、CDCl中で測定される。使用される周波数:H:399.78MHzおよび13C:100.52MHz、外部標準:Hおよび13C対してTMS。Hおよび13C NMRスペクトルはJEOL JNM-LA3000分光計上で記録された。全てのスペクトルは周囲温度において記録された。
融点の実験は、METTLER TOLEDO FP90 Central ProcessorおよびFP81HT MBC Cell上で実行された。
実験1:
ベンズイミダゾール−N−オキシドの合成
ベンズイミダゾールN−オキシドを、スキーム1に示す3ステップ合成により製造した。
この反応スキーム内のRは、N−n−ブチル−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、n−ブチルである。
この反応スキーム内のRは、N−ベンジル−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、ベンジルである。
この反応スキーム内のRは、N−[(4−メトキシフェニル)メチル]−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、4−メトキシフェニルメチルである。
この反応スキーム内のRは、N−(2−フェニルプロピル)ベンズイミダゾールー3−オキシドの合成に対しては、2−フェニルプロピルである。
この反応スキーム内のRは、N−[(2’,2’−ジメチル)プロピル]−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、2’,2’−ジメチルプロピルである。
この反応スキーム内のRは、N−(シクロヘキシルメチル)−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、シクロヘキシルメチルである。
この反応スキーム内のRは、N−n−ヘプチル−ベンズイミダゾール−3−オキシドの合成に対しては、n−ヘプチルである。
この反応スキームにおけるRは、以下のプロセスの記載におけるアルキルアミンまたはアルキルアルデヒドにおいて用いられる用語「アルキル」と同一である。
1. 2−ニトロアニリンのN−アルキル化
方法A:
2−ブロモニトロベンゼン(5g、24.75mmol)およびアルキルアミン(91.58mmol)をDMSO(50mL)に溶解させ、80℃へと加熱し、そして夜通しで攪拌した。それから、水(100mL)の添加前に、反応溶液を室温へと冷やされるようにした。それから、得られた溶液をトルエンで抽出し(3×50mL)、それから混ぜ合わせた抽出物をブラインで洗浄し(3×20mL)、そしてMgSO上で乾燥させた。ろ過および蒸発によりニトロフェニルアミンを得た。
方法B:
トリアセトキシホウ化水素ナトリウム(17g、77.83mmol)を、2−ニトロベンゼンアミン(31.13mmol)、アルキルアルデヒド(88.64mmol)、氷酢酸(10mL)、およびジクロロメタン(144mL)の溶液へ加え、そして反応混合物を室温で攪拌した(48h)。さらなるトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(6.8g、31.13mmol)を添加し、そして溶液を室温で攪拌した(24h)。混合物を水性重炭酸ナトリウム(120mL)で希釈し、そしてAcOEtで洗浄した(4×120mL)。混ぜ合わせた有機相をMgSO4上で乾燥させ、ろ過し、そして溶媒を減圧において除去した。粗生成物を26.7Paでの蒸留により精製した。
2. 2−(N−アルキル)ニトロアニリンのN−ホルミル化
方法A:
ギ酸(5.2mL、139.0mmol)をN−置換 2−ニトロアニリン(61.78mmol)および無水酢酸(26mL、278.0mmol)の溶液へと添加し、そして反応混合物を70℃で9h攪拌した。無水酢酸およびギ酸を減圧において除去し、そして粗生成物を蒸留により26.7Paで精製した。
方法B:
2−ニトロアニリン(5.59g、39.66mmol)およびギ酸(21.8mL、579.8mmol)を、撹拌子を備えた100mLプロセスバイアルへと配置した。混合物を160℃(300W)で15min攪拌した。反応混合物を水(100mL)へと注ぎ、氷浴中に30min配置し、そして得られた沈殿をろ過により単離し、水(30mL)で洗浄し、そして50℃で夜通しで乾燥させた。
3. 環化
方法A:
硫化アンモニウム((NH(n))の溶液を水性EtOH(100mL)およびN−置換 2’−ニトロホルムアニリド(5g)の溶液へと添加した。室温での夜通しの放置後、得られた茶色の溶液を70℃での加熱下での窒素ガスバブリングにより約10mLへと濃縮させた。沈殿した硫黄をろ別し、そしてEtOHで洗浄した。混ぜ合わせたろ液からのEtOHの除去および洗浄後、ジエチルエーテルを残留油へと添加した。得られた白色結晶をろ過により収集し、そしてAcOEt/ジエチルエーテルから再結晶し、白色のプリズムを得た。ろ液N−置換 ベンズイミダゾールを得た。
方法B:
水(4.3mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(5.3g、129.6mmol)の溶液を、攪拌しながら、水(36mL)中のパラジウム炭(5%、2.7g)の懸濁液へとゆっくりと添加した。ピリジン(86.4mL)中の2−ニトロホルムアニリド(8.97g、53.99mmol)の溶液を個の混合物へと、温度が35〜40℃で維持されるような速度で、添加した。添加が完了した時に(ca. 1h)、混合物をさらに15min攪拌した。触媒をろ別し、そしてろ液を減圧下で蒸発させた。残渣を水(ca. 70mL)中に溶解させ、酸性化させ(conc.塩酸により)、それからおよそ半分の容量へと濃縮し、そして再び減圧下で蒸発させて乾燥させる前に、水性アンモニアで中性化させた。残渣を熱エタノールで抽出し;冷まされた際に、抽出物を無機材料に沈殿させ、それをろ別し、そしてろ液をさらに濃縮させ、そして冷却して1H−ベンズイミダゾール−3−オキシドを得た。
N−n−ブチルベンズイミダゾール−3−オキシド 4 (#128)
融点 124.5℃
収率 60%
N−ベンジルベンズイミダゾール−3−オキシド 5 (#137)
融点 141.9℃
収率 49%
N−(4−メトキシフェニル)メチルベンズイミダゾール−3−オキシド 6 (#141)
融点 116.9℃
収率 20%
N−(2−フェニルプロピル)ベンズイミダゾール−3−オキシド 7 (#143: 立体異性混合;メジャー/マイナー=2.17:1)
収率 36%
N−(2’,2’−ジメチル)プロピルベンズイミダゾール−3−オキシド 8 (#147)
融点 111.3℃
収率 51%
N−(シクロヘキシルメチル)ベンズイミダゾール−3−オキシド 9 (#150)
融点 152.5℃
収率 34%
N−n−ヘプチルベンズイミダゾール−3−オキシド 10 (#196)
融点 70.8℃
収率 55%
1H−ベンズイミダゾール−3−オキシド 11 (#200)
融点 217.7℃(分解物)(文献値(lit.) 215℃、分解物)
収率 13%(方法A)、7%(方法B)
例2:処方物およびデバイス
式IIdで表されるベンズイミダゾール N−オキシドを用いることにより、電解質処方物の予想外の利点を実証する以下の電解質処方物を合成する。
26%(w/w)の1,3−ジメチルイミダゾリウムヨウ化物(mmimI)、28%(w/w)の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨウ化物(emimI)、36%(w/w)の1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラシアノボラート(emimTCB)、4%(w/w)のヨウ素、および本発明による、例えば1H−ベンズイミダゾール N−オキシドなどの、6%(w/w)の式IIdで表される電解質添加物を混合することにより、電解質処方物を調製する。60℃以下の熱を適用して電解質処方物を均質とせしめることが必要であり得る。
化合物mmimI、emimI、I、およびemimTCBは商業的に利用可能であるか、または公知の文献、例えばBonhote, P et al. Inorg. Chem. 1996, 35, 1168-1178など、またはテトラシアノホウ酸塩アニオンでの有機塩に合成に関してはWO 2004/072089などの文献に基づいて、合成してもよい。
色素増感太陽電池は、US 5,728,487またはWO 2007/093961に開示されるように製造される:
二重層、メソ多孔性TiO電極は、二重層構造からなる光アノードを獲得するために、Wang P. et al., J. Phys. Chem. B 2003, 107, 14336、特に14337頁に開示されるように製造される。透明ナノ多孔性TiO電極を製造するために、テルピネオール溶媒および20〜30nmの径を有するアナターゼ相のナノ粒子TiOを含有するスクリーンプリンティングペーストを、ハンドプリンターを用いることにより、5mm×5mm正方形の形状に、導電性基板上に堆積させた。ペーストを120セルシウス度で10分間乾燥させた。それから、400nmの径を有するTiOを含有するもう1つのスクリーンプリンティングペーストをナノ硬質層の最上へと堆積させ、不透明相を製造した。
それから二重層膜をを500セルシウス度で1時間焼結し、その結果下層の透明層(7ミクロン厚)および最上不透明相(4ミクロン厚)が生じた。焼結後、電極をTiCl(Merck)の40mM水溶液中に30分間70セルシウス度で浸漬し、それから純水で十分に素早くすすいだ。そのようにTiCl処理した電極を、色素増感の直前に500セルシウス度で30分間乾燥させた。電極を、アセトニトリル(Merck HPLCグレード)およびtert−ブチルアルコール(Merck)、v:v=1:1の0.3mM Z907色素溶液へと、60時間、19セルシウス度で浸した。対電極を、上の引例に開示されるように熱分解法で製造した。白金酸(Merck)の5mM溶液の小滴を8μl/cm2で落とし、そして導電性基板上で乾燥させた。色素増感太陽電池を30ミクロン厚のBynel(DuPont、USA)熱溶解膜を用いて組み立て、熱により封入した。内部空間を、本明細書中に記載されるそれぞれの電解質処方物で充填し、対応するデバイスを製造した。
色素Z907は、両親媒性のルテニウム増感剤Ru(2,2’−ビピリジン 4,4’−ジカルボン酸)(4,4’−ジノニル−2,2’−ビピリジン)(NCS)または[Ru(H2dcbpy)(dnbpy)(NCS)]である。
正確な光強度を得るために、Air Mass 1.5 Global(AM1.5G)擬似太陽光を、Seigo Ito et al. “Calibration of solar simulator for evaluation of dye-sensitized solar cells” Solar Energy Materials & Solar Cells 82 (2004) 421によりスペクトル的に較正した。
光電流−電圧曲線の測定を、1Sun照明下で25℃へと冷却された黒色平板上に配置されたデバイスに対して実行する。4mm×4mmの光マスクを製造されたデバイスの最上部に配置し、光投射領域を定義する。
エネルギー変換効率は一般的に、エネルギー変換機器の有効出力および光照射の入力の間の比率であり、エネルギー項において、電力出力を最適化する調節可能な抵抗負荷を用いることにより決定される。
このようにして得られた光起電性パラメータを表1にまとめる。対照は添加剤がないことを意味する。
これらに測定において、1H−ベンズイミダゾール N−オキシドは、添加剤N−ブチルベンズイミダゾール(NBB)、ベンズイミダゾール(Benzim)およびN−メチルベンズイミダゾール(NMB)よりも高い効率を得る。
表におけるN−オキシドを含有する電解質を用いて、例2の記載に従い、色素増感太陽電池を製造した。アセトニトリルを溶媒に対して用いた。
結果を表3に示す。
これらの結果により、4−ピコリン N−オキシド(4−メチル−ピリジン−N−オキシドに同義である)が色素増感太陽電池に対する溶媒型電解質に含有される場合にVOCおよび曲線因子(FF)が、増加したことが示される。
例4:
表4におけるN−オキシドを含有する電解質を用いて、色素増感太陽電池を例2の記載に従って製造した。
結果を表5に示す。
これらの結果により、4−ピコリン N−オキシドが色素増感太陽電池のためのイオン液体型電解質に含有される場合、VOCおよび曲線因子が増加したことが示される。
例5:
表6におけるN−オキシドを含有する電解質を用いて、色素増感太陽電池を製造した。
電解質処方物のモル比は、
mmim−I 36/emim−I 36/I2 5/emim−TCB 48/添加剤 2、である。
ここで用いられる全てのN−オキシドは、商業的に利用可能である。
表7に結果を示す。
これらの結果により、N−オキシド置換基が色素増感太陽電池のためのイオン液体型電解質における化学構造中に示される場合、VOCおよび曲線因子が増加することが示される。Kusamaの論文にあるように、結合定数だけでなく、添加剤の誘電率もまた、Vocの増加に影響を及ぼし得る。
例6:
表8におけるN−オキシドを含有する電解質を用いて、色素増感太陽電池を製造した。電解質処方物のモル比は、
mmim−I 36/emim−I 36/I2 5/emim−TCB 48/表2D−1にある添加剤、である。
結果を表9に示す。
これらの結果により、色素増感型太陽電池のためのイオン液体型電解質処方物において、表8に記載される例示的なN−オキシドの濃度とともにVOCおよび曲線因子が増加したことが示される。

Claims (14)

  1. 式I
    式中
    、R、Rは互いに独立して、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、
    6〜10個のC原子を有するアリール、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、であり、
    あるいはR、RおよびRは、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素芳香環構造をN原子とともに形成し、
    あるいはRおよびRは、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素脂環式構造をN原子とともに形成し、およびRは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであるか、あるいは縮合して少なくとも1個のN原子を含有する三環構造を形成し、およびここで複素脂環式構造または三環構造の第2のまたは第3のN原子は−Oおよび1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルにより置換されていてもよく、
    および
    Rは独立して、
    Hal、
    CN、
    C(O)H、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルによりまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    2〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、
    5または6個のC原子を有するシクロアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ、
    6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    5〜10個のC原子を有するヘテロアリール、ここで該ヘテロアリール基のN原子は−Oにより置換されていてもよい、
    6〜10個のC原子を有するアリールオキシ、
    6〜10個のC原子を有するアリールチオ、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
    Halは、F、Cl、BrまたはIである、
    で表される少なくとも1種の化合物、あるいはその全ての互変異性体または立体異性体の、色素増感太陽電池における電解質処方物に対する添加剤としての使用。
  2. 式中、式Iで表される少なくとも1種の化合物におけるR、RおよびRが、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のNおよび1個のSまたは1個のO原子が存在する複素芳香環構造をN原子とともに形成する、あるいはRおよびRが、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在する複素脂環式構造をN原子とともに形成し、かつRが1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、請求項1に記載の使用。
  3. 式Iで表される化合物の少なくとも1種が式IIa〜IIg
    で表され、および式中、R’は独立してHまたはRであり、R’’’は独立してH、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルまたはアルコキシあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールであり、Rは独立してH、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、Rは独立してH、1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよく、およびRは請求項1により定義される、あるいは
    式中、式Iで表される少なくとも1種の化合物が式IIIa〜IIId
    で表される化合物であり、および式中、XはCH、OまたはNRであり、YはCH、N、NR、N−Oであり、R’’は1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキルであり、R’はHまたはRであり、およびRは請求項1により定義される、請求項2に記載の使用。
  4. 式中、Rが1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、あるいは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のジアルキルアミノである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。

  5. 式中
    、R 、R は互いに独立して、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、
    6〜10個のC原子を有するアリール、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、であり、
    あるいはR 、R およびR は、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素芳香環構造をN原子とともに形成し、
    あるいはR およびR は、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素脂環式構造をN原子とともに形成し、およびR は1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであるか、あるいは縮合して少なくとも1個のN原子を含有する三環構造を形成し、およびここで複素脂環式構造または三環構造の第2のまたは第3のN原子は−O および1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルにより置換されていてもよく、
    および
    Rは独立して、
    Hal、
    CN、
    C(O)H、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルによりまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    2〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、
    5または6個のC原子を有するシクロアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ、
    6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    5〜10個のC原子を有するヘテロアリール、ここで該ヘテロアリール基のN原子は−O により置換されていてもよい、
    6〜10個のC原子を有するアリールオキシ、
    6〜10個のC原子を有するアリールチオ、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
    Halは、F、Cl、BrまたはIである、
    で表される少なくとも1種の化合物、あるいはその全ての互変異性体または立体異性体を、レドックス活性種とともに含む、色素増感太陽電池における電解質処方物。
  6. 式中、式Iで表される少なくとも1種の化合物におけるR 、R およびR が、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のNおよび1個のSまたは1個のO原子が存在する複素芳香環構造をN原子とともに形成する、あるいはR およびR が、少なくとも1個のRにより置換されていることができる、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在する複素脂環式構造をN原子とともに形成し、かつR が1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルである、請求項5に記載の電解質処方物。
  7. 式Iで表される化合物の少なくとも1種が式IIa〜IIg
    で表され、および式中、R’は独立してHまたはRであり、R’’’は独立してH、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルまたはアルコキシあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールであり、R は独立してH、1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、R は独立してH、1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよく、およびRは請求項5により定義される、あるいは
    式中、式Iで表される少なくとも1種の化合物が式IIIa〜IIId
    で表される化合物であり、および式中、XはCH 、OまたはNRであり、YはCH、N、N R、N −O であり、R’’は1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキルであり、R’はHまたはRであり、およびRは請求項5により定義される、請求項6に記載の電解質処方物。
  8. 式中、Rが1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであり、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、あるいは1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のジアルキルアミノである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の電解質処方物。
  9. レドックス活性種が、ヨウ素および少なくとも1種のヨウ化物塩のレドックス対である、請求項5〜8のいずれか一項に記載の電解質処方物。
  10. 式Iで表される少なくとも1種の化合物を0.01〜30重量%の濃度で含む、請求項5〜9のいずれか一項に記載の電解質処方物。

  11. 式中
    、R 、R は互いに独立して、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、
    6〜10個のC原子を有するアリール、これは少なくとも1個のRにより置換されていることができる、であり、
    あるいはR 、R およびR は、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素芳香環構造をN原子とともに形成し、
    あるいはR およびR は、1、2または3個のN原子あるいは1個のN原子および1個のSまたは1個のO原子が存在し、少なくとも1個のRにより置換されていることができる複素脂環式構造をN原子とともに形成し、およびR は1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルであるか、あるいは縮合して少なくとも1個のN原子を含有する三環構造を形成し、およびここで複素脂環式構造または三環構造の第2のまたは第3のN原子は−O および1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルにより置換されていてもよく、
    および
    Rは独立して、
    Hal、
    CN、
    C(O)H、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルによりまたは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    2〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができ、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基により置換されていてもよい、
    5または6個のC原子を有するシクロアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のヒドロキシアルキル、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルコキシ、これは6〜10個のC原子を有するアリールにより置換されていることができる、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルチオ、
    6〜10個のC原子を有するアリール、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていてもよい、
    5〜10個のC原子を有するヘテロアリール、ここで該ヘテロアリール基のN原子は−O により置換されていてもよい、
    6〜10個のC原子を有するアリールオキシ、
    6〜10個のC原子を有するアリールチオ、
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルアミノまたはジアルキルアミノであり、
    Halは、F、Cl、BrまたはIである、
    で表される少なくとも1種の化合物、あるいはその全ての互変異性体または立体異性体を含む色素増感電極を含む、色素増感太陽電池。
  12. 式Iで表される少なくとも1種の化合物が電解質溶液に含有される、請求項11に記載の色素増感太陽電池
  13. 式IId
    式中、R’はHであり、
    は独立して
    6〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキルあるいは
    1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、これは5〜6個のC原子を有するシクロアルキルまたは6〜10個のC原子を有するアリールで置換され、ここで該アリール基は1〜4個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル基またはアルコキシ基によりあるいは5または6個のC原子を有するヘテロアリールにより置換されていることができる、
    であり、但しフェニルメチルはRに対して除外されている、
    で表される化合物。
  14. 請求項13に記載の式IIdで表される化合物の製造方法であって、a)2−ニトロアニリンをアルキル化して式IV
    式中、Rは請求項13により定義される、
    で表される中間体を形成し、および
    b)式IVで表される化合物をホルミル化し、中間体V
    式中、Rは請求項13により定義される
    を得、次いで環化反応により式IIdで表される化合物が形成される、前記方法。
JP2013542387A 2010-12-08 2011-11-09 色素増感太陽電池のための添加剤 Expired - Fee Related JP6025741B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP10015437 2010-12-08
EP10015437.6 2010-12-08
PCT/EP2011/005622 WO2012076093A1 (en) 2010-12-08 2011-11-09 Additives for dye-sensitized solar cells

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2014506374A JP2014506374A (ja) 2014-03-13
JP2014506374A5 JP2014506374A5 (ja) 2014-12-25
JP6025741B2 true JP6025741B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=44925493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013542387A Expired - Fee Related JP6025741B2 (ja) 2010-12-08 2011-11-09 色素増感太陽電池のための添加剤

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9287052B2 (ja)
EP (1) EP2649625A1 (ja)
JP (1) JP6025741B2 (ja)
TW (1) TWI511959B (ja)
WO (1) WO2012076093A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11075382B2 (en) * 2014-05-30 2021-07-27 Duracell U.S. Operations, Inc. Cathode for an electrochemical cell including at least one cathode additive
KR20160025144A (ko) * 2014-08-26 2016-03-08 주식회사 이건창호 고비점 유기용매와 이온성 액체를 동시에 포함하는 전해질 및 이를 이용한 염료감응태양전지
GB2554119A (en) * 2016-06-22 2018-03-28 Merck Patent Gmbh Stable electrolyte formulations
CN111755749B (zh) * 2019-03-29 2024-02-06 株式会社村田制作所 电解液添加剂、电解液以及包含其的锂离子二次电池

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2080313T3 (es) 1990-04-17 1996-02-01 Ecole Polytech Celulas fotovoltaicas.
DE69416428T2 (de) 1993-12-29 1999-09-16 Ecole Polytech Photoelektrochemische zelle und elektrolyt für diese zelle
JP2000090991A (ja) 1998-09-09 2000-03-31 Fuji Photo Film Co Ltd 光電気化学電池
ATE342573T1 (de) 2000-08-15 2006-11-15 Fuji Photo Film Co Ltd Photoelektrische zelle und herstellungsmethode
CN1322592C (zh) 2002-05-20 2007-06-20 日立麦克赛尔株式会社 光电转换元件
DE10306617A1 (de) 2003-02-14 2004-08-26 Merck Patent Gmbh Salze mit Cyanoborat-Anionen
US20050150544A1 (en) 2003-12-05 2005-07-14 Sharp Kabushiki Kaisha Dye-sensitized solar cell
JP2006202646A (ja) * 2005-01-21 2006-08-03 Nippon Shokubai Co Ltd イオン性液体組成物、イオン伝導性材料及び電解液材料
US7615317B2 (en) * 2005-05-17 2009-11-10 3M Innovative Properties Company N-oxide redox shuttles for rechargeable lithium-ion cell
EP1819005A1 (en) 2006-02-13 2007-08-15 Ecole Polytechnique Fédérale de Lausanne (EPFL) Ionic liquid electrolyte
KR101275814B1 (ko) * 2006-06-23 2013-06-18 삼성에스디아이 주식회사 분산제 화합물 및 그의 제조방법
EP2405529A4 (en) 2009-03-06 2013-01-16 Nec Corp ELEMENT FOR PHOTOELECTRIC CONVERSION, PROCESS FOR ITS MANUFACTURE, OPTICAL SENSOR AND SOLAR CELL
US10049783B2 (en) * 2010-02-19 2018-08-14 Mike Foley Utilizing nanoscale materials as dispersants, surfactants or stabilizing molecules, methods of making the same, and products produced therefrom

Also Published As

Publication number Publication date
US9287052B2 (en) 2016-03-15
EP2649625A1 (en) 2013-10-16
TWI511959B (zh) 2015-12-11
TW201231457A (en) 2012-08-01
WO2012076093A1 (en) 2012-06-14
US20130292601A1 (en) 2013-11-07
JP2014506374A (ja) 2014-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9390864B2 (en) Additives for dye-sensitized solar cells
EP1984968B1 (en) Ionic liquid electrolyte
Tan et al. Highly efficient and stable organic sensitizers with duplex starburst triphenylamine and carbazole donors for liquid and quasi-solid-state dye-sensitized solar cells
EP2508570B1 (en) Organic metal dye, and photoelectric element and dye-sensitized solar cell using the organic metal dye
EP2232513B1 (en) Optoelectronic and/or electrochemical device comprising an electrolyte comprising a ternary ionic liquid
AU2011307222B2 (en) Electrolyte formulations
EP2925768A1 (en) Cobaltcomplex salts
EP2883881A1 (en) Cobaltcomplex salts and mixtures of Cobaltcomplex salts for use in DSSC
WO2014082706A1 (en) Cobalt complexes with tricyanoborate or dicyanoborate counter-anions for electrochemical or optoelectronic devices
EP1628356A1 (en) Dye-sensitized photoelectric conversion device
US8829201B2 (en) Electrolyte Formulations
US20040267018A1 (en) Metal complex-based electron-transfer mediators in dye-sensitized solar cells
Liao et al. Novel BODIPY dyes with electron donor variety for dye-sensitized solar cells
JP6025741B2 (ja) 色素増感太陽電池のための添加剤
Cao et al. New D–π–A organic dyes containing a tert-butyl-capped indolo [3, 2, 1-jk] carbazole donor with bithiophene unit as π-linker for dye-sensitized solar cells
Stengel et al. Click‐Functionalized Ru (II) Complexes for Dye‐Sensitized Solar Cells
Dayan et al. Synthesis and photovoltaic properties of new Ru (II) complexes for dye-sensitized solar cells
KR20100108237A (ko) 광전 변환 소자용 조성물 및 이를 이용한 광전 변환 소자
Lee et al. Novel cyclic sulfonium iodide containing siloxane high performance electrolyte for dye-sensitized solar cell
Bagheri et al. Pyridine derivatives; new efficient additives in bromide/tribromide electrolyte for dye sensitized solar cells
Zhang et al. Phenyl and thienyl functionalized imidazolium iodides for highly efficient quasi-solid-state dye-sensitized solar cells
Lee et al. Metal-free organic dyes with benzothiadiazole as an internal acceptor for dye-sensitized solar cells
Caicedo-Reina et al. New organic photosensitizers based on triphenylamine and hydantoin as anchoring group onto TiO2 Surface
KR20130066825A (ko) 신규의 우레아 함유 이미다졸륨 아이오다이드 화합물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 염료감응 태양전지용 전해질
Subramanian et al. Oxa-bridged Donor-Acceptor systems containing Triazine core for Dye Sensitized Solar Cell Application.

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141107

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160104

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20160302

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160404

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025741

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees