JP6023177B2 - 多項式フィッティングによるスペクトルデータのバックグラウンド放射線推定 - Google Patents

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Description

本発明は、分光装置と分光法に関する。本発明は、細線のフォトルミネッセンス、蛍光発光、カソードルミネッセンス、紫外可視(UV Vis)、核磁気共鳴(NMR)、中赤外線(mid−IR)または近赤外線(NIR)などの他の形式の分光法においても使用することができるが、特に、ラマン分光法において有用である。
ラマン効果は、試料による光の非弾性散乱である。ラマン分光法においては、試料を単色レーザ光で照射し、例えば、単色光分光器内の回折格子などの分散素子によって散乱光を分散させて、ラマンスペクトルと呼ばれるスペクトルを生成する。ラマンスペクトルは、電荷結合素子(CCD)などの検出器によって検出される。ラマン分光装置の例は、米国特許第5,442,438号および第5,510,894号より知られており、それらは、引用により、本明細書に組み込まれる。
異なる化合物は異なる特性のラマンスペクトルを有する。従って、ラマン効果を用いて、試料に存在する化合物を解析することができる。
検出されたスペクトルは、ラマンスペクトルを含むと共に、特に、生物試料の場合、ラマンスペクトルより桁違いに大きい強度を持つバックグラウンド信号を有する。このバックグラウンド信号は、典型的には、特に、ラマン装置の、試料を支持する基板、蛍光、対物レンズなどによる。ラマンスペクトルを解析するためには、まず、検出されたスペクトルのうち、バックグランド源に起因し得る比率を識別する必要のある場合が多い。
非特許文献1には、多項式フィッティング技術と既知のスペクトル不純物の基準スペクトルを用いて、ラマン信号からバックグラウンドを自動的に取り除く方法が開示されている。記載の例では、顕微鏡用スライドガラスが、既知の不純物となっている。
該方法は、反復アルゴリズムを含み、その反復アルゴリズムでは、最初にバックグラウンド成分の推定値を検出されたスペクトルとして設定する。最初の推定値は、既知の不純物の濃度からなり、推定したバックグラウンドと、推定した既知の不純物の影響との残差に多項式をフィッティングする。多項式と、推定した既知の不純物の影響とを合わせて、バックグラウンドの現在の推定値を作成する。バックグラウンドの現在の推定値を前回の推定値と比較し、各波数における最小値を保持することによって、次の反復のためのバックグラウンドの新しい推定値を決定する。
バックグラウンドの原因となっているスペクトル成分の知識を必要とせず、自動的にバックグラウンドを推定する技術が望まれる。
B. D. BeierおよびA. J. Berger著、英国王立化学会誌、2009年、134号、1198〜1202ページ
本発明の第1の態様によると、スペクトルデータのバックグラウンド放射線を推定する方法であって、基準データに多項式を反復してフィッティングするステップと、多項式からの基準データの許容偏差を判定するステップと、多項式からの許容偏差を超える基準データまたはスペクトルデータのデータ点をクリップして、終了の基準を満たすまで次回の反復に基準データを与えるステップとを含み、最初に用いる基準データはスペクトルデータに基づいている、方法が提供される。
該多項式は、試料のラマンスペクトルの急なスパイクより、バックグラウンドのゆっくりと変化するスペクトルにより接近してフィッティングされる傾向がある。従って、多項式からの許容偏差を超える基準データまたはスペクトルデータのデータ点をクリップすることは、基準データから鋭いラマンスペクトルを取り除き、よりゆっくりと変化するバックグラウンド成分を保持することとなる。このように、バックグラウンドを推定するために不純物を推測する必要はない。
該許容偏差は、基準データまたはスペクトルデータの多項式からの偏差という尺度に基づいてよい。例えば、偏差の尺度は、多項式からの基準データの平均偏差で、許容偏差は、平均偏差のM倍であってよい。尺度は、多項式からの基準データの二乗平均平方根(RMS)であることが望ましい。しかしながら、許容偏差は、標準偏差、正の偏差のみの平均、または負の偏差のみの平均など、他の適切な尺度に基づいていてよい。
別の実施形態においては、許容偏差は、基準データのノイズの推定値に基づいている。ノイズは、基板、対物レンズ、蛍光のスペクトルの特徴などの他のバックグラウンドの特徴、および、試料のラマンスペクトルと比べて比較的小さいスペクトルデータの変動である。このようなノイズは、特に、光検出器および処理回路における電子雑音によって生成されると思われる。ノイズは、スペクトルデータの各点と、その最も近くの1点(2点)との間のRMS変動、または、スペクトルデータの各局所極小点と、そのもっとも近く2点との間のRMS変動(ここで、局所極小点とは、その近くの2点のどちらよりも小さい点という意味である)によって推定してよい。
クリップとは、基準データまたはスペクトルデータからデータ点を間引くこと、すなわち、取り除くことを含んでよい。あるいは、クリップとは、多項式からの特定の値にデータ点を設定すること、好ましくは、値M×多項式からの平均偏差に設定することを含んでよい。
終了の基準は、反復においてクリップが生じないことであってよい。さらに、または、その代わりに、終了の基準は、最大の反復回数としてもよい。
一実施形態においては、基準データは、最初はスペクトルデータに等しく設定する。しかしながら、他の実施形態においては、スペクトルデータに対してある程度の前処理を行ってよい。
方法は、基準データにフィッティングする多項式の次数を決定するステップを含んでよい。
従って、本発明の第2の態様によると、スペクトルデータのバックグラウンド放射線を推定する方法であって、異なった次数の多項式をスペクトルデータにフィッティングすることに基づいて、スペクトルデータのバックグラウンド放射線の各推定値を生成するステップと、異なった次数の多項式のフィッティングに適用されたフィッティング基準に基づいて、バックグラウンド放射線の推定に使用する多項式の次数、および/または、バックグラウンド放射線の推定値の1つを選択するステップと、を含む方法を提供する。
該方法は、フィッティング基準に従ってバックグラウンド放射線の推定値の生成に使用するために最も適切な次数の多項式を自動的に検索する。このように、フィッティング基準に従った「最適な」次数の多項式をバックグラウンドの推定に用いる。
該方法は、注目スペクトル成分を除くためにクリップされたスペクトルデータに対応する基準データに多項式をフィッティングすることを含んでもよく、そのフィッティング基準は、多項式の基準データへのフィッティングの尺度に対応する。
該方法は、フィッティング基準を満たすまで、または満たさなくなるまでバックグラウンド放射線の推定値を生成するステップを含んでよい。選択された多項式の次数および/または推定値は、推定値の生成を終了させた多項式の次数に基づいてよい。
あるいは、推定値の生成を終了させるステップは、フィッティング基準とは別の基準に基づいてよく、生成された推定値は、バックグラウンド放射線の推定に用いる多項式の次数および/またはバックグラウンド放射線の推定値の1つを選択するためのフィッティング基準に基づいて検索してよい。
多項式の次数および/または推定値は、推定値の生成に使用された多項式のうち、フィッティング基準を満たす最大次数の多項式に基づいて選択してよい。
一実施形態においては、各推定値の生成方法は、本発明の第1の態様におけるような反復法である。
フィッティング基準は、反復法終了までに必要とされる反復の数、典型的には、最大反復数としてよい。例えば、異なる次数の多項式をスペクトルデータにフィッティングし、設定した数の反復を行ったうち、スペクトルデータにフィッティング可能な最大次数の多項式を見つけてよい。これはフィッティング安定の尺度として機能し得る。
フィッティング基準は、フィッティングした多項式の最大次数の多項式の係数の統計的有意性を含んでよい。方法は、推定値の生成に用いられた最大次数の多項式の係数の統計的有意性を判定するステップと、判定された統計的有意性に基づいて、より高いまたは低い多項式の次数を用いて推定値を生成するステップとを含んでよい。例えば、次数nの多項式をスペクトルデータにフィッティングし、フィッティングした多項式の最大次数の項を削除し、最大次数の項を含む多項式を推定値にフィッティングした場合と、含まない多項式を推定値にフィッティングした場合との間で統計的に有意な差があるか否かを判定することによって、推定値を生成してよい。統計的に有意な差がある場合、n+1などのより次数の高い多項式を用いて推定値を生成する。一方、統計的に有意な差がない場合、n−1などのより次数の低い多項式を用いて推定値を生成する。多項式の次数を増加させるシーケンスまたは減少させるシーケンスが終了するまで、これらのステップを繰り返してよい(なぜなら、多項式の次数を増加させるシーケンスの場合、最大次数の項が統計的に有意でなくなり、多項式の次数を減少させるシーケンスの場合、最大次数の項が統計的に有意になるため)。最大次数の項の統計的有意性は、スペクトルデータのノイズの推定値に基づいて判定してよい。例えば、最大次数の項が原因の大きさの変化がスペクトルデータの推定されたノイズの範囲内である場合などである。
フィッティング基準は、フィッティングした多項式に対する推定値の必要な分布であってよい。例えば、フィッティング基準は、推定値とフィッティングした多項式との局所的な変動、と、推定値のフィッティングした多項式への全体的な変動、との比較に関連してよい。これは、各点での推定値とフィッティングした多項式との差、と、全てのデータ点における平均変動、との比較であり、これが許容範囲な閾値内にあるか否かであってよい。変動が平均よりかなり大きい領域がある場合、すなわち、変動が平均より大きい2つ以上の連続した点がある場合、より高次の多項式を用いて推定値を生成してよい。
本発明の第3の態様によると、本発明の第1および/または第2の方法を実行するように配置構成されたプロセッサを含む装置を提供する。
本発明の第4の態様によると、プロセッサによって実行される命令であって、実行されると、本発明の第1および/または第2の態様に係る方法をプロセッサに行わせる命令を記憶したデータキャリアを提供する。
該データキャリアは、RAMなどの揮発性メモリ、ROMなどの不揮発性メモリ、フラッシュメモリ、ハードディスクや光ディスクなどのデータ記憶装置を含む非一時的データキャリアであってもよく、電子信号または光信号などの一時的データキャリアであってもよい。
次に、添付の図面を参照して、単なる例として、本発明の実施形態を説明する。
本発明の一実施形態に係る装置である。 本発明の一実施形態に係るバックグラウンド放射線を推定する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る、バックグラウンド放射線の推定に使用する多項式の次数を識別する方法を示すフローチャートである。
図1を参照すると、本発明による装置は、メモリ29へのアクセスを有するコンピュータ25に接続されたラマン分光計を含む。
ラマン分光計は、光学経路に対して45度の角度で配置された二色性フィルタ12によって90度に反射された入力レーザ光10を含む。あるいは、ホログラフィック二色性フィルタを10度のような小さい入射角で配置してもよい。レーザ光は対物レンズ16に向かって進み、対物レンズはレーザ光を試料18上の焦点19の一箇所に集める。光は、この被照点で試料によって散乱され、対物レンズ16によって集められ、平行光となって二色性フィルタ12に戻る。二色性フィルタ12は、入力レーザ光10と同じ周波数のレイリー散乱光を通さず、ラマン散乱光を通す。そして、ラマン散乱光はラマン分析器20に向かう。
ラマン分析器20は、回折格子などの分散素子を含む。ラマン分析器20を出た光は、レンズ22によって、適切な光検出器に集められる。光検出器配列が望ましい。本実施形態においては、検出器24は二次元配列の画素からなる電荷結合素子(CCD)で、コンピュータ25に接続される。コンピュータ25は、各画素からデータを取得して、必要に応じてそのデータを解析する。ラマン分析器20は、破線28が示すように、CCD24に沿う線で広がった様々な帯域を持つスペクトルを作り出す。
試料18は、例えば、コンピュータ制御の下に、焦点19をX方向とY方向とにスキャンできるように、X−Yテーブルに取り付けてもよい。そして、各試料につき、スペクトルを1つ収集する。
コンピュータ25は、メモリ29などの適切な媒体の、命令を含むソフトウェアコードを用いてプログラムされ、命令をコンピュータ25のプロセッサが実行すると、コンピュータ25は、下記の解析ルーチンを実行する。あるいは、得られたラマンスペクトルに関するデータを、この解析のためのソフトウェアを有する別のコンピュータに転送してもよい。どちらの場合でも、解析が進むと、判定した値を該当のコンピュータに記憶する。そして、さらに、その値を処理し、出力または表示して、試料の成分の濃度を示してもよい。コンピュータ25が解析を行う場合、メモリ29は、解析に用いる成分の基準スペクトルのデータバンクを記憶している。各成分の基準スペクトルは、異なった化学成分または化学成分群に関する典型的なラマンスペクトル(指紋)である。
スペクトルデータを処理して、存在するラマンスペクトル、すなわち、試料に存在する化学成分を判定するために、まず、バックグラウンド(試料のラマンスペクトルでないスペクトル成分)を識別して、取り除く、または、解析に組み入れる。
図2を参照すると、スペクトルデータのバックグラウンド放射線の推定値は、反復処理を用いて自動的に作成される。スペクトルデータ受信(101)後、基準データは、最初、スペクトルデータと等しく設定される(102)。この基準データに、n次多項式をフィッティングする(103)。用いる多項式の次数は前もって設定してよい。例えば、そのプロセスを5次多項式に前もって設定してよい。あるいは、図3を参照して下記に記載するように、バックグラウンドの推定に用いる多項式の次数は、適切なプロセスによって決定してよい。
ステップ104において、基準データの各データ点の多項式からの偏差を決定し、その偏差の二乗平均平方根(RMS)を計算する。次に、基準データを、本実施形態では、多項式からの許容偏差を超える点を間引くことによって調整する。本実施形態においては、許容偏差はM×RMSで、Mは、正の実数である。Mは、スペクトルデータのノイズに基づいてユーザが設定してよい。
ステップ106において、終了の基準を満たすかどうか判定する。本実施形態においては、ステップ105で間引いた点があったかどうかを判定する。基準データから点を取り除いた場合、方法は次の反復に進み、調整した基準データに多項式をフィッティングする。反復処理は、ステップ105で点が間引かれなくなるまで続く。ステップ108において、最後の反復の基準データが、バックグラウンド放射線の推定値として出力される。
バックグラウンド放射線の推定値は、DCLSなどのラマンスペクトル解析のための技術に用いてよい。
別の実施形態では、ステップ105において、基準データを間引かず、スペクトルデータを間引いて、多項式からM×RMSより大きいデータ点を取り除いて、(i+l)次の基準データを作成し、次の反復のステップ103で、その基準データに多項式をフィッティングする。このように、前回の反復で取り除かれたスペクトルデータの点を再度導入してもよい。このような方法を実施するためには、同じ点を繰り返し取り除いたり、再導入したりするなどの無限ループにならないように、終了の基準を導入することが必要であろう。一実施形態においては、ステップ106での終了の基準は、所定の(最大)数の反復を行った後、反復処理を終了するというものである。
図3を参照すると、バックグラウンドの推定に使用する多項式の次数を予め設定せずに、使用する多項式の次数を自動的に決定してよい。
ステップ201において、スペクトルデータのバックグラウンド放射線の推定値は、n次の多項式をスペクトルデータにフィッティングすることによって決定する。このような推定値は、図2を参照して記載した方法で生成してもよいし、先行技術に記載されているような他の方法で生成してもよい。ステップ202において、多項式のフィッティングはフィッティング基準を満たすか否かを判定する。3つのフィッティング基準を下記により詳細に記載する。フィッティングがフィッティング基準を満たす場合、(n+l)次の多項式を用いて、さらに推定値を生成する。フィッティングがフィッティング基準を満たさない場合、(n−l)次の多項式を用いて推定値を生成する。この処理を繰り返して、フィッティングによる判定の結果が逆になるまで、多項式の次数を増加または減少させて一連の推定値を生成する。例えば、多項式の次数を増加させて推定値を生成するためには、フィッティング基準を満たさない多項式をフィッティングさせて推定値が生成されると、その処理を終了する。多項式の次数を減らして推定値を生成するためには、フィッティング基準を満たす多項式をフィッティングさせることによって推定値が生成されると、処理を終了する。
ステップ205において、フィッティング基準を満たすもので最大の次数の多項式を用いて生成した推定値を、バックグラウンド放射線の推定値として選択する。他の方法としては、スペクトルデータの第1のインスタンスにのみ図3の方法を用いて、選択した推定値の生成に用いた多項式の次数を他のスペクトルデータの推定値を生成するのに用いる。これは、試料が同じ基板に支持され、同じラマン分光装置を用いてラマンスペクトルを得るなど、異なった試料に対してバックグラウンド放射線の性質が似通っていると予測される状況に適していると思われる。スペクトルデータセットのバックグラウンドの推定に同じ次数の多項式を用いることは、(試料のマッピングに用いられたスペクトルデータのバッチや、経時的に試料から取得したスペクトルデータのバッチなどの)スペクトルデータのバッチを一貫して解析するのに有用であると思われる、または、バックグラウンドの1つの推定値のみを用いることができる、全てのデータに同時に適用される多変量解析法において、有用であると思われる。
一実施形態においては、フィッティング基準は、推定値の生成に必要な最大の反復数である。これはフィッティング安定の尺度として機能し得る。
別の実施形態においては、フィッティング基準は、フィッティングした多項式の最大次数の係数の統計的有意性である。n次の多項式を用いて推定値を生成し、最後の反復でフィッティングした多項式の最大次数の項を削除し、この削除を行った多項式を推定値にフィッティングしたものと(例えば、ステップ108の出力)削除する前の多項式を推定値にフィッティングしたものとの間に、統計的に有意な差があるか否かを判定する。統計的に有意な差がある場合、n+1などのより高次の多項式を用いて推定値を生成する。一方、統計的に有意な差がない場合、n−1などのより低次の多項式を用いて推定値を生成する。フィッティング基準という点で、前回生成した推定値と異なる結果となる推定値が生成されると、推定値の生成を終了する。統計的に有意な最大次数の係数を有する最大次数の多項式を用いて生成した推定値を使って、バックグラウンド放射線を推定する。
さらに別の実施形態においては、フィッティング基準は、フィッティングした多項式の推定値に対する必要な分布である。解明された多項式と推定値との間の局所的な変動と、解明された多項式の推定値への全体的な変動とを比較する。これは、全てのデータ点の平均変動に対する各点での変動の差の比較であってよい。この比較が許容可能な閾値内にあるか否かを判定する。変動が閾値外の領域にある場合、すなわち、変動が閾値外の2つまたはそれ以上の連続した点がある場合、より高次の多項式を用いて推定値を生成する。

Claims (14)

  1. ラマンスペクトルおよびバックグラウンド放射線成分を有するスペクトルデータのバックグラウンド放射線を推定する方法であって、
    多項式を基準データにフィッティングする第1のステップであって、最初に用いる前記基準データは前記スペクトルデータに基づいている、前記第1のステップと、
    前記フィッティングした多項式からの前記基準データの許容偏差を決定する、第2のステップと、
    前記多項式の上の前記許容偏差を超える、前記基準データのデータ点を間引いて、次の反復の第1のステップで用いる前記基準データとして、前記間引かれた基準データを提供する、第3のステップとを含み、
    該第1のステップから第3のステップを終了の基準を満たすまで反復し、
    前記第3のステップにおいて、前記終了の基準を満たした場合に、前記基準データに基づいて、前記バックグラウンド放射線の推定値を出力する、第4のステップとを含
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記許容偏差は、前記多項式からの前記基準データの平均偏差に基づいており、前記許容偏差は、前記多項式からの前記基準データの二乗平均平方根(RMS)に基づいてよい、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記許容偏差は、前記平均偏差のM倍である、
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記許容偏差は、ノイズの推定値に基づいている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記基準データから前記スペクトルデータのノイズを推定するステップを含む、
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ノイズの推定は、前記基準データの各点間の平均変動に基づいている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記ノイズの推定は、前記多項式からの基準データの偏差またはバックグラウンド放射線の推定に基づいている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 最後の反復によって与えられた基準データを用いて、ノイズの推定を行うステップを含む、
    ことを特徴とする請求項5から7までのいずれか一項に記載の方法。
  9. クリップは、前記基準データまたは前記スペクトルデータから、前記多項式からの前記許容偏差を超えるデータ点を間引くステップを含む、
    ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. クリップは、前記多項式からの特定の値にデータ点を設定するステップを含む、
    ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記終了の基準は、反復でクリップが行われなくなったときに満たされる、および/または、前記終了の基準は、設定された回数の反復が行われたときに満たされる、
    ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記基準データにフィッティングさせる多項式の次数を決定するステップを含む、
    ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法を実行するように配置構成されたプロセッサを含む、
    ことを特徴とする装置。
  14. プロセッサによって実行される命令であって、実行されると、プロセッサが請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法を実行する命令を有する、
    ことを特徴とするデータキャリア。
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