JP6021175B2 - 波力発電システム及びその構築方法 - Google Patents

波力発電システム及びその構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6021175B2
JP6021175B2 JP2012179017A JP2012179017A JP6021175B2 JP 6021175 B2 JP6021175 B2 JP 6021175B2 JP 2012179017 A JP2012179017 A JP 2012179017A JP 2012179017 A JP2012179017 A JP 2012179017A JP 6021175 B2 JP6021175 B2 JP 6021175B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
wave
hollow structure
air
water column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012179017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014037781A (ja
Inventor
武晃 宮▲ざき▼
武晃 宮▲ざき▼
秀則 茅野
秀則 茅野
Original Assignee
海洋エネルギーエンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 海洋エネルギーエンジニアリング株式会社 filed Critical 海洋エネルギーエンジニアリング株式会社
Priority to JP2012179017A priority Critical patent/JP6021175B2/ja
Publication of JP2014037781A publication Critical patent/JP2014037781A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6021175B2 publication Critical patent/JP6021175B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F03MACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS; WIND, SPRING, OR WEIGHT MOTORS; PRODUCING MECHANICAL POWER OR A REACTIVE PROPULSIVE THRUST, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F03BMACHINES OR ENGINES FOR LIQUIDS
    • F03B13/00Adaptations of machines or engines for special use; Combinations of machines or engines with driving or driven apparatus; Power stations or aggregates
    • F03B13/12Adaptations of machines or engines for special use; Combinations of machines or engines with driving or driven apparatus; Power stations or aggregates characterised by using wave or tide energy
    • F03B13/14Adaptations of machines or engines for special use; Combinations of machines or engines with driving or driven apparatus; Power stations or aggregates characterised by using wave or tide energy using wave energy
    • F03B13/141Adaptations of machines or engines for special use; Combinations of machines or engines with driving or driven apparatus; Power stations or aggregates characterised by using wave or tide energy using wave energy with a static energy collector
    • F03B13/142Adaptations of machines or engines for special use; Combinations of machines or engines with driving or driven apparatus; Power stations or aggregates characterised by using wave or tide energy using wave energy with a static energy collector which creates an oscillating water column
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/30Energy from the sea, e.g. using wave energy or salinity gradient

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Description

本発明は波力発電システム及びその構築方法に関するものであり、より詳細には、振動水柱の振動により空気室内に発生する空気振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型の波力発電システム及びその構築方法に関するものである。
海洋の波浪エネルギーを利用して発電する波力発電システムが知られている。波力発電システムをそのエネルギー変換方式より分類すると、主として、振動水柱型、可動物体型及び越波型に大別される。振動水柱型の波力発電システムは、装置内に配設した空気室を海面下で海洋に連通させ、海面の上下動により生じる空気振動流によって空気タービンを回転させて発電する方式の発電システムである。可動物体型の波力発電システムは、波浪エネルギーによって運動する可動物体を用い、可動物体を介して波のエネルギーを機械的運動エネルギーに変換して発電する方式の発電システムである。また、越波型の波力発電システムは、波を貯水池等に超波させて過渡的に貯留し、貯水池内の海水を導水溝によって重力下に海に排水する際に導水溝の水車を回転させて発電する方式の発電システムである。
一方、波力発電システムをその設置方式より分類すると、装置を海面又は海中に浮遊させる浮体式と、装置を沖合又は沿岸部に固定する固定式とに大別される。固定式の振動水柱型波力発電システムの構成が、例えば、特開平10-246171号公報(特許文献1)に記載されている。
図8は、固定式振動水柱型波力発電システムの構成を概略的に示す断面図である。一般に、固定式振動水柱型波力発電システムSの構造体は、港湾等の海底Bに施工した広域面積のマウンドMと、マウンドM上に構築された鉄筋コンクリート構造の防波堤N及びケーソンCとから構成される。海水Wの海面下に開口する空気室Aと、発電装置Gを収容する発電室Dと、各種計器類を収容する制御室Eとが、ケーソンCによって形成される。防波堤N及びケーソンCは、水面波のエネルギーを流体エネルギー(空気圧)に変換する一次変換装置を構成し、空気室Aは、波浪エネルギーを吸収する波浪エネルギー吸収装置を構成する。
矢印αで示す海洋波の入波エネルギーにより、空気室A内の水柱が上下方向に振動する。空気室A内の水面が矢印β方向に上下動するので、空気室Aの上部空間(空気柱)の空気圧が変動し、矢印γで示す往復気流が、通気孔Iを流通する。発電装置Gが通気孔Iに接続される。発電装置Gは往復気流γにより作動する。発電装置Gは、一次変換装置(防波堤N及びケーソンC)によって得られた流体エネルギー(空気圧)を電気エネルギーに変換する二次変換装置を構成する。発電装置Gとして、往復気流の作用により常に一定方向に回転する形式のウェルズタービン又は衝動型タービンを備えた発電装置が一般に使用される。発電装置Gの発電機によって発生した電力は、送電線等(図示せず)によって系外に送電される。なお、発電室Dは、発電室D内の空間を外気と連通せしめる吸廃気口Oを備え、往復気流γに相応した吸気流又は廃気流が、矢印ηで示すように吸廃気口Oを流通する。
他方、固定式振動水柱型波力発電システムにおいて、消波ブロックとしても機能するコンクリート構造の垂直円筒体を備えた構成のものが特開平11-201014号公報(特許文献2)に記載されている。垂直円筒体は、鉛直な中心軸線を有する円柱状の内部空間を有し、沿岸の岸壁等に垂直に設置される。垂直円筒体の下端部には、円柱状内部空間を海洋と連通せしめる波導入孔が形成される。垂直円筒体の頂部には、ウェルズタービンを備えた発電機が配設される。垂直円筒体の下部は、海中に没するように配置される。波導入孔を介して海洋と連続する内部空間の海水は、波の揺動に従って水面を上下動させるので、ウェルズタービンを介して大気に放出される廃気流と、ウェルズタービンを介して内部空間に流入する吸気流とが交互に発生する。このような吸気流及び廃気流によってウェルズタービンは回転し、ウェルズタービンに連結された発電機は発電する。
特開平10-246171号公報 特開平11-201014号公報
しかしながら、特許文献1に示されるような従来の固定式振動水柱型波力発電システムにおいては、波力に対する安定性を確保するために、構造体(防波堤及びケーソン)の自重を増大する必要があるので、構造体の材料費又は資材費等が嵩み、しかも、このような構造体を沖合又は沿岸部の海中又は海上において施工する必要が生じることから、構造体の建設費が高額化する傾向がある。
これに対し、特許文献2に記載された自立形の垂直円筒体を用いて固定式振動水柱型波力発電システムを構築した場合、予め製造した円筒体を沿岸部等に設置することにより、ある程度は、建設費を低廉化し得るかもしれない。しかし、消波ブロックを兼ねた自立形の垂直円筒体は、波浪エネルギー等の外力に抗して垂直円筒体自身を位置固定し且つ姿勢保持するために、過大な自重を要する。このため、構造体の材料費又は資材費等が嵩むことから、図8に示す波力発電システムと同様、建設費が高額化する傾向がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多くの海岸部の地形及び環境に適応可能な簡素な構造を有し、材料費又は資材費や、建設費等を低廉化することができる振動水柱型波力発電システムを提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、海水面の上下動により発生する空気の振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムにおいて、
傾斜筒形の中空構造体からなり、傾斜柱状の内部中空域を有する波浪エネルギー吸収装置と、前記中空構造体の基端部に連結された送気管とを有し、
前記中空構造体は、海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に設置されており、前記内部中空域の中心軸線(X−X)は、該傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜しており、
前記吸収装置は、海洋波の入波方向と対向するように海洋に向かって海面下で開放した前記中空域の先端開口(13)を前記中空構造体の先端部に備え、該先端部は、前記基端部よりも下側に位置前記開口は、前記中心軸線と交差する面で前記先端部を切断した形態を有する前記中空構造体の先端面(19)によって画成されており、前記空域、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを形成しており、
前記送気管は、前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記発電装置に供給するように該空気室に流体連通しており、
前記吸収装置は、沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックに囲まれて多数の消波ブロックに係合又は接触しており、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって消波工内に拘束されることを特徴とする振動水柱型波力発電システムを提供する。
好ましくは、上記先端面は、上記中空構造体の先端部を鉛直面によって切断した形態を有する。
上記構成の発電システムによれば、波浪エネルギーの入力により中空構造体内の水柱が振動し、中空構造体内の水面が上下動するので、中空構造体内の空気室の空気圧が変動する。空気室の空気は往復気流として送気管に送出される。送気管内の空気流は、往復気流として発電装置に供給され、或いは、一定方向の気流に調整又は変換された後に発電装置に供給され、発電装置は発電する。このような構成の波力発電システムによれば、波浪エネルギー吸収装置を構成する中空構造体は、沿岸の消波工内に配置すれば良いので、消波工を有する多くの海岸部において簡易に波浪エネルギー吸収装置を設置することができる。また、本発明の上記構成によれば、従来の装置のように防波堤及びケーソン等のような比較的大規模な人工構造物を要しないので、構造体構築のための材料費又は資材費を大幅に軽減することができる。加えて、本発明によれば、人工構造物を沖合又は沿岸部の海中又は海上で施工する必要がないので、構造体の建設費及び建設工事を大幅に軽減し又は簡略化することができる。
更に、上記構成の発電システムによれば、波浪エネルギー吸収装置を構成する中空構造体は、沿岸の消波工を構成する消波ブロック群の中に配置される。消波工の各消波ブロックは、各ブロック自身の自重と、周囲の消波ブロックの拘束力又は保持力とにより、その位置を維持する性質を有する。中空構造体は、その自重と、周囲の多数の消波ブロックの拘束力又は保持力とにより、その位置を維持する。なお、「ブロック群の中」は、ブロック群の中に完全に隠蔽されることを意味するのではなく、ブロック群の一部を構成する消波工の構成要素としてブロック群に渾然と紛れ込み又は同化した状態を意味しており、部分的にブロック群から外側に突出する部分を吸収装置が含むことを完全に排除する意味ではない。
好ましくは、上記中空構造体は、消波ブロックに係合又は接触するように中空構造体の外面から外方に延びる複数の突起又は突出部を備えており、海底又は海中構造物に係留されず、消波ブロックとの係合又は接触のみによって消波工内に拘束される。更に好ましくは、中空構造体の先端部に隣接して配置された支持台が更に設けられる。支持台は、海底又は海中構造物上に構築されるとともに、平面視において、海洋側に向かって拡開する形態を有する。支持台は、中空構造体が海洋側に変位するのを阻止する。
一般に、消波工においては、消波ブロックに作用する波浪、津波、地震力、潮位変化、劣化因子等の影響により各消波ブロックが若干移動し又は変位するとともに、一群の消波ブロック全体の位置が全体的に僅かに移動し又は変位する傾向があるが、消波ブロックとの係合又は接触のみによって消波工内に拘束される上記中空構造体は、海底、海中構造物(海底マウンド等)、防波堤等に固定又は係留されず、消波ブロックに係合又は接触して消波工内に保持されるにすぎない。従って、波浪エネルギー吸収装置は、周囲の消波ブロックと一緒に移動又は変位するので、堅固な位置拘束に起因した過大な内部応力が移動過程又は変位過程の中空構造体に作用する事態を未然に回避することができる。なお、このように中空構造体の移動又は変位を許容した本発明の発電システムは、固定式の波力発電システムではなく、浮体式の波力発電システムでもなく、半固定式又は置き式(置き基礎式)の波力発電システムである。
他の手段として、上記中空構造体を海底又は海中構造物に係留するアンカー手段によって中空構造体を位置固定することも可能である。この場合、若干の変位又は移動を許容可能に中空構造体を海底又は海中構造物等に固定しても良く、或いは、変位又は移動を全く許容しないように中空構造体を海底又は海中構造物等に堅固に固定しても良い。
他の観点により、本発明は、海水面の上下動により発生する空気振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムの構築方法において、
傾斜柱状の内部中空域を有し、その中心軸線(X−X)と交差する面で先端部を切断した形態を有する先端面(19)を備えた傾斜筒形の中空構造体からなる波浪エネルギー吸収装置と、前記中空構造体の基端部に連結された送気管とを使用し、
海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に前記中空構造体を設置し、前記先端面によって画成された先端開口(13)が前記基端部よりも下側に位置するように前記内部中空域の中心軸線を前記傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜させて、前記開口を海面下で海洋に開放するとともに、海洋波の入波方向と対向するように前記開口を海洋に向けて前記中空構造体を配向、これにより、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを前記中空構造体の内部中空域に形成し、前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記送気管によって前記発電装置に供給する前記吸収装置を構成し
沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックで前記中空構造体を囲んで前記吸収装置を多数の消波ブロックに係合又は接触せしめ、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって、前記吸収装置の位置及び姿勢を前記消波工内に拘束することを特徴とする振動水柱型波力発電システムの構築方法を提供する。
更に他の観点により、本発明は、海水面の上下動により発生する空気振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムを用いた発電方法において、
傾斜柱状の内部中空域を有し、その中心軸線(X−X)と交差する面で先端部を切断した形態を有する先端面(19)を備えた傾斜筒形の中空構造体からなり、傾斜柱状の内部中空域を有する波浪エネルギー吸収装置と、該中空構造体の基端部に連結された送気管とを使用し、
海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に前記中空構造体を設置し、前記先端面によって画成された先端開口(13)が前記基端部よりも下側に位置するように前記内部中空域の中心軸線(X−X)を前記傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜させて、前記開口を海面下で海洋に開放するとともに、海洋波の入波方向と対向するように前記開口を海洋に向けて前記中空構造体を配向し、これにより、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを前記中空構造体の内部中空域に形成し、
沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックで前記中空構造体を囲んで前記吸収装置を多数の消波ブロックに係合又は接触せしめ、
前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記送気管によって前記発電装置に供給するとともに、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって、前記吸収装置の位置及び姿勢を前記消波工内に維持し、
前記水面の上下動により発生する空気振動流によって前記発電装置を作動させることを特徴とする発電方法を提供する。
本発明によれば、多くの海岸部の地形及び環境に適応可能な簡素な構造を有し、材料費又は資材費や、建設費等を低廉化することができる振動水柱型波力発電システムを提供することができる。
また、本発明によれば、波浪エネルギー吸収装置を既存又は新設の消波工の中に渾然と設置することができるので、景観を損なわず、しかも、中空構造体を消波ブロックとして使用することも可能であるので、実用的に有利である。
更に、本発明によれば、中空構造体等のシステム構成要素を規格化、標準化又はユニット化し、或いは、中空構造体等を工場製作可能なユニット構造に設計することが可能となり、これにより、発電システムの設置コストを全体的に更に低廉化するとともに、現場工事の簡素化、材料費、資材費及び工事費の低減、工程の短縮等を更に追求することが可能となるので、実用的に極めて有利である。
図1は、本発明の実施例に係る振動水柱型波力発電システムの全体構成を示す概略側面図である。 図2は、図1に示す振動水柱型波力発電システムの概略平面図である。 図3は、傾斜面上に配置された波浪エネルギー吸収装置の状態を示す概略斜視図である。 図4は、波浪エネルギー吸収装置の縦断面図である。 図5(A)は、空気室の空気圧変動を概略的に示す線図であり、図5(B)は、バッファタンク内の空気圧変動を概略的に示す線図である。 図6は、波浪エネルギー吸収装置内の水位変化の態様を示す縦断面図である。 図7は、波浪エネルギー吸収装置の変形例を示す断面図であり、中空構造体をアンカー手段によって海底マウンドに固定した状態が示されている。 図8は、従来の固定式振動水柱型波力発電システムの構成を概略的に示す断面図である。
本発明の好適な実施形態によれば、複数の波浪エネルギー吸収装置がバッファタンクに並列に接続される。バッファタンクは、このような複数の波浪エネルギー吸収装置の往復気流を集合して一元的に発電装置に供給する。このような構成によれば、各々の波浪エネルギー吸収装置に発生した往復気流がバッファタンクに同時に供給されるので、波浪エネルギーを効果的に吸収することができる。
本発明の或る実施形態によれば、往復気流を一定方向の気流に調整又は変換する気流変換手段がバッファタンクに設けられ、或いは、バッファタンクと発電装置との間に介装され、常に一定方向の気流が発電装置に供給される。往復気流によって作動する発電装置として、往復気流の作用により常に一定方向に回転するウェルズタービン又は衝動型タービンを備えた構成のものが一般に使用されるが、このような気流変換手段を備えた発電システムにおいては、ラジアルタービン、軸流タービン等を備えた汎用の発電装置を使用することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施例に係る振動水柱型波力発電システムの全体構成を示す概略側面図及び概略平面図である。
図1及び図2には、海岸部又は沿岸部に一般に観られる地形及び環境として、海水Wの波打ち帯に建設された防波堤Jが示されている。防波堤Jは海岸線に沿って延びる。防波堤Jの海洋側(水域側)には、捨石マウンドKが敷設される。捨石マウンドKは、海洋側に向かって下方に傾斜する傾斜面Qを有する。捨石マウンドK上には、打ち寄せる波のエネルギーを低減するための消波工Rが配設される。消波工Rは、一群のコンクリート製消波ブロックTにより形成される。
本実施例の振動水柱型波力発電システム1(以下、「発電システム1」という。)は、傾斜面Q上に配置された波浪エネルギー吸収装置10と、陸地Lの地盤面又は岩盤面に配置されたバッファタンク20及び発電室30と、波浪エネルギー吸収装置10とバッファタンク20とを接続する送気管40とから構成される。好ましくは、発電システム1は、発電室30内の発電装置31が発電した電気を蓄電する蓄電装置60を更に有する。蓄電装置60は、給電線35を介して発電装置31に接続されるとともに、電力を系外に送電するため送電線61に接続される。
波浪エネルギー吸収装置10(以下、「吸収装置10」という。)は、全体的に中空円筒体に成形された鉄筋コンクリート製の中空構造体11からなり、中空構造体11の中心軸線X−Xと同心の円柱状中空域12と、海洋に向かって中空域12を開放する開口13と、中空構造体11の外周面に突設された複数の突起18とを備える。中空構造体11の中心軸線X−Xは、傾斜面Qの勾配に相応して傾斜しており、水平面に対して角度θ(図4)をなして傾斜する。
図3は、傾斜面Q上に配置された吸収装置10の状態を示す概略斜視図であり、図4は、吸収装置10の縦断面図である。なお、図3では、消波ブロックTの図示は、省略されており、図4では、消波ブロックTは破線で示されている。
図3及び図4に示すように、突起18は、中空構造体11の外周面から径方向外方に一体的に延びる截頭円錐形の鉄筋コンクリート部材であり、周囲の消波ブロックTに係合(又は係止)するとともに、捨石マウンドKを構成する捨石群(又は捨石マウンドK上の被覆石等(図示せず))に係合(又は係止)し又は接地する。中空構造体11は、消波工Rの中に渾然と埋没し、消波工Rに同化しており、その自重と、周囲の消波ブロックTの自重及び相互拘束力と、捨石マウンドKの支持力(荷重支持力、摩擦保持力、係合保持力等)とによって初期の姿勢及び位置を維持する。但し、中空構造体11は、捨石マウンドK、防波堤J及び海底B等に固定又は係留されていない。なお、図1及び図4において、下側の突起18は、捨石マウンドK内に延入しているかのように概念的に図示されているが、下側の突起18は、図3に示すように、その先端部が捨石マウンドKに接地し又は捨石マウンドKの凹凸に係合し、或いは、捨石マウンドK上の被覆石等(図示せず)に接地、係合又は係止するにすぎない。
開口13は、傾斜した円筒状中空体を鉛直面によって切断した形態の先端面19に形成される。鉄筋コンクリート構造の支持台50が、先端面19の下端部から傾斜面Qに沿って海洋側に延びる。支持台50は、先端面19から平面視扇状に拡開するとともに、傾斜面Qの傾斜角よりも小さい傾斜角の斜面51を形成する。支持台50の上端部52は、先端面19の下端部に当接して中空構造体11の自重の一部を支承する支点として機能し、中空構造体11の姿勢及び位置を保持するように機能する。中空構造体11は、傾斜面Qの傾斜によって海洋側に移動し又は変位しようとするが、このような中空構造体11の移動又は変位は、消波ブロックT又は捨石マウンドKに対する突起18の係合及び接地と、支持台50による支承とによって確実に阻止することができる。
中空構造体11は、海水Wの水面WLが開口13の上方且つ基端部16の下方に位置するように配置される。水柱14が中空域12の下部に形成され、空気室15が中空域12の上部に形成される。開口13を介して海水Wが中空域12に流入しており、矢印αで示す海洋波浪の入波エネルギーにより、水柱14が上下方向に振動する。水柱14の水面が矢印β方向に上下動するので、空気室15内の空気柱の空気圧が変動する。基端部16は全体的に閉塞しており、給排ポート16aが中心部に形成される。
支持台50の領域は他の部分よりも相対的に水深が浅く、しかも、支持台50は、海洋に向かって平面視扇状に拡開しているので、消波工Rに接近する波は開口13に向かって収斂し、開口13内に進入する波の波高は増大する。この結果、水柱14の上下方向の振幅が増大し、空気室15内の空気柱の空気圧が比較的大きく変動する(従って、吸収装置10のエネルギー吸収量が増大する)。
消波工Rを構成する各消波ブロックTは、その自重と、周囲の消波ブロックTとの相互係合又は相互接触とにより、基本的にはその初期位置を維持するが、消波ブロックTに作用する波浪、津波、地震力、潮位変化、劣化因子等の影響により各消波ブロックTが若干移動し又は変位するとともに、一群の消波ブロックT全体の位置が全体的に僅かに移動し又は変位する傾向がある。消波工Rの中に埋没した中空構造体11は、捨石マウンドK、防波堤J及び海底B等に固定又は係留されていないので、周囲の消波ブロックTと一緒に移動又は変位するとともに、堅固な位置拘束に起因した過大な内部応力が移動過程又は変位過程の中空構造体11に作用しない。
このような中空構造体11の移動又は変位を考慮し、変形可能なフレキシブル管からなる送気管40が、フレキシブルジョイントからなる継手41を介して中空構造体11の給排ポート16aに接続される。中空構造体11の移動又は変位は、送気管40及び継手41の変形によって吸収される。
送気管40は、防波堤Jの頂部を乗り越えて陸地側に延び、陸地L上のバッファタンク20に接続さる。図2に示すように、複数の吸収装置10が消波工R内に並列に配置され、各吸収装置10に接続された各送気管40は、フレキシブルジョイントからなる継手21を介してバッファタンク20に接続される。バッファタンク20は、両端を閉塞した円形断面の金属製管体又は鉄筋コンクリート製管体からなる。各送気管40の往復気流γが、空気室15の空気圧変動に相応して、バッファタンク20に供給される。バッファタンク20は、各送気管40を介して流入又は流出する空気の微細な圧力変化、或いは、不規則な圧力変動を緩和して発電装置31の回転運動を安定化させる圧力緩衝手段として機能する。バッファタンク20は又、異常波浪時の波高上昇等により、吸収装置10内の海水が発電装置31に到達するのを防止する発電装置保護手段として機能する。好ましくは、バッファタンク20は、バッファタンク20内に進入した海水を排水するための排水口、排水溝、排水管等の排水設備又は排水手段を備える。
発電室30は、バッファタンク20に隣接して陸地Lの地盤面又は岩盤面に構築された鉄筋コンクリート構造又は鋼構造のシェルター34からなる。空気タービン型の発電装置31が、発電室30内に配設される。発電室30の室内空間を外気と連通せしめる吸廃気口36を備える。発電装置31の給排気口32が空気搬送ダクト33を介してバッファタンク20の給排気口22に接続され、空気搬送ダクト33の往復気流λは発電装置31に作用する。発電装置31は、往復気流λの作用により常に一定方向に回転するウェルズタービン又は衝動型タービンを備えており、発電装置31のタービン部は、往復気流λにより回転駆動し、発電装置31の発電機は発電する。発電装置31が発電した電気は蓄電装置60に蓄電され、送電線61を介して系外に適宜送電される。往復気流λに相応した吸気流又は廃気流が、矢印ηで示すように発電室30の吸廃気口36を流通する。
図5(A)は、空気室15の空気圧変動を示す線図であり、図5(B)は、バッファタンク20内の空気圧変動を示す線図である。
図5(A)には、空気室15内に生じる空気圧変動の状態が概略的に示されている。空気室15の空気圧は海水面の上下動に応答して変動するが、微細な圧力変動を伴う不規則な圧力変化が空気室15に発生する。図5(B)には、バッファタンク20内に生じる空気圧変動の状態が概略的に示されている。図5(B)に示されるように、空気室15に観られる微細な圧力変化は、バッファタンク20内に発生しない。従って、バッファタンク20を空気室15と発電装置31との間に介装することにより、小刻み且つ急峻に空気圧が変化する微細な圧力変動が平準化され、発電装置31に供給される空気流が安定するので、発電装置31の回転運動は安定する。
図6は、吸収装置10内の水面の水位変化を示す線図である。
吸収装置10内の水柱14は、海洋波浪の入波エネルギーαの作用で上下方向に振動し、図6(B)及び図6(C)に示すように矢印β方向に上下動し、この結果、空気室15の空気圧が変動する。空気室15の空気圧変動に相応して、矢印γで示すように往復気流が各送気管40を介してバッファタンク20(図1及び図2)に供給される。図1及び図2に示されるように、バッファタンク20は、圧力緩衝後の往復気流λを空気搬送ダクト33によって発電装置31に供給する。
図6に示すとおり、中空構造体11は、先端面19が基端部16よりも下側に位置するように全体的に傾斜しているので、水柱14の水面14aは、楕円又は長円形に拡大しており、従って、水面14aの面積は、中空構造体11の中心軸線X−Xを鉛直方向に配向した状態に比べて、かなり増大する。しかも、先端面19の開口13を海洋に向けて開放した傾斜円筒形の中空構造体11は、海洋波浪の入波エネルギーαを効率的に水柱14の上下振動に変換する。即ち、中空構造体11は、海洋波の運動を空気室15の空気圧に効果的に変換するので、吸収装置10の波浪エネルギー吸収能力は向上する。このような傾斜円筒体の優位性は、本出願人の出願に係る特願2011-172439号の図12〜図14に実験条件及び実験結果として示され、特願2011-172439号の明細書、段落[0046]〜[0048]に実験結果として記載されているので、更なる詳細な説明については、省略する。
かくして、上記構成の発電システム1によれば、海洋波浪の入波エネルギーαによって吸収装置10内の水柱14が上下方向に振動すると、水柱14の水面が矢印β方向に上下動するので、空気室15の空気圧が変動し、往復気流γがバッファタンク20内に流入し又はバッファタンク20から流出する。バッファタンク20内の空気圧変動に応答して、往復気流λが、発電装置31のタービン部に作用してタービン部を回転駆動し、発電装置31の発電機が発電し、発電装置31が発電した電気は蓄電装置60に蓄電され、系外に適宜送電される。
図7は、吸収装置10の変形例を示す断面図である。
前述の実施例においては、中空構造体11は、消波工Rの中に渾然と配置され、中空構造体11自身の重量と、周囲の消波ブロックTの拘束力又は保持力とにより、その位置を維持するが、図7に示す如く、アンカー手段70によって中空構造体11をマウンドK又は海底Bに位置固定しても良い。図7に示すアンカー手段70は、PC鋼より線(撚り線)、PC鋼線、PC棒鋼等の線形PC鋼材72をマウンドK及び海底Bの削孔71内に挿入してグラウト材(セメントミルク等)を削孔71内に注入・充填してなるグラウンドアンカー工又はアースアンカー工からなる。アンカー手段70は、軸線X−X方向に間隔を隔てて中空構造体11の周壁下部に配設され、PC鋼材72の頂部は、補剛材73及び補剛部74を介して中空構造体11の周壁下部に一体的に連結される。補剛材73は、PC鋼材72の張力を中空構造体11に伝達可能な金属部材等からなり、補剛部74は、PC鋼材72及び中空構造体11に一体化したコンクリート部材からなる。なお、所定の荷重で圧潰、圧壊又は変形するように構成された部材により補剛部74を設計し、中空構造体11の変位時又は挙動時に中空構造体11に過負荷が働くのを防止するように吸収装置10を構成しても良く、或いは、中空構造体11の変位又は挙動に追随して変形し得るように補剛材73又は補剛部74を設計しても良い。また、変形例として、鋼製杭、鋼管杭、既製コンクリート杭等によって中空構造体11をマウンドK又は海底Bに堅固に固定することも可能である。
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施例においては、円形断面を有する鉄筋コンクリート構造の中空構造体によって波浪エネルギー吸収装置を形成しているが、方形又は矩形断面、多角形断面等の中空構造体によって波浪エネルギー吸収装置を形成し、或いは、鋼製又は金属製の中空構造体によって波浪エネルギー吸収装置を形成することも可能である。
また、上記実施例においては、等断面の内部中空域を有する中空構造体によって波浪エネルギー吸収装置を形成しているが、断面寸法が徐々に変化し又は段階的に変化する内部中空域を有する中空構造体によって波浪エネルギー吸収装置を形成しても良い。
更に、上記実施例では、発電装置は、往復気流の作用により常に一定方向に回転するウェルズタービン又は衝動型タービンを備えているが、往復気流を単一方向の気流に調整する弁装置等を気流変換手段としてバッファタンクと発電装置との間に介装するとともに、汎用のラジアルタービン、軸流タービン等を備えた構成の発電装置を採用しても良い。なお、このような気流変換手段については、例えば、本出願人の出願に係る特願2011-172439号に記載されている。
また、バッファタンク、発電装置等の構成や、バッファタンク、発電装置等の支持構造などは、地形、地盤の条件等に応じて、適宜変更し得るものである。
本発明の発電システムは、振動水柱の振動により空気室内に発生する空気振動流によって発電装置を作動させるとともに、海底等に固定せず、海面又は海中に浮遊することもない半固定式の振動水柱型波力発電システムとして好ましく使用し得る。本発明によれば、消波工を有する多くの海岸部に適応可能な構造を有し、しかも、規格化、標準化又はユニット化等により、材料費又は資材費や、建設費等を低廉化することができるので、その実用的価値は顕著である。
1 振動水柱型波力発電システム
10 波浪エネルギー吸収装置
11 中空構造体
12 円柱状中空域
13 開口
14 水柱
15 空気室
16 基端部
18 突起
19 先端面
20 バッファタンク
30 発電室
31 空気タービン型発電装置
40 送気管
50 支持台
60 蓄電装置
70 アンカー手段
J 防波堤
L 陸地
Q 傾斜面
W 海水
K 捨石マウンド
B 海底
R 消波工
T 消波ブロック
α 入波エネルギー
γ、λ 往復気流

Claims (12)

  1. 海水面の上下動により発生する空気の振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムにおいて、
    傾斜筒形の中空構造体からなり、傾斜柱状の内部中空域を有する波浪エネルギー吸収装置と、前記中空構造体の基端部に連結された送気管とを有し、
    前記中空構造体は、海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に設置されており、前記内部中空域の中心軸線(X−X)は、該傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜しており、
    前記吸収装置は、海洋波の入波方向と対向するように海洋に向かって海面下で開放した前記中空域の先端開口(13)を前記中空構造体の先端部に備え、該先端部は、前記基端部よりも下側に位置前記開口は、前記中心軸線と交差する面で前記先端部を切断した形態を有する前記中空構造体の先端面(19)によって画成されており、前記空域、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを形成しており、
    前記送気管は、前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記発電装置に供給するように該空気室に流体連通しており、
    前記吸収装置は、沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックに囲まれて多数の消波ブロックに係合又は接触しており、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって消波工内に拘束されることを特徴とする振動水柱型波力発電システム。
  2. 前記中空構造体は、前記消波ブロックに係合又は接触するように該中空構造体の外面から外方に延びる複数の突起又は突出部を備えており、海底又は海中構造物に係留されず、前記消波ブロックとの係合又は接触のみによって消波工内に拘束されることを特徴とする請求項1に記載の振動水柱型波力発電システム。
  3. 前記波浪エネルギー吸収装置は、前記中空構造体を海底又は海中構造物に係留して該中空構造体を位置固定するアンカー手段を有することを特徴とする請求項1に記載の振動水柱型波力発電システム。
  4. 前記中空構造体が海洋側に変位するのを阻止するように、該中空構造体の先端部に隣接して配置された支持台を更に有し、該支持台は、海底又は海中構造物上に構築されるとともに、平面視において、海洋側に向かって拡開する形態を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の振動水柱型波力発電システム。
  5. 複数の前記吸収装置が並列に設けられ、各々の吸収装置に連結された前記送気管は、前記往復気流の微細な圧力変動を緩和するバッファタンクに連結され、該バッファタンクは、空気搬送路を介して前記発電装置に連結されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動水柱型波力発電システム。
  6. 海水面の上下動により発生する空気振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムの構築方法において、
    傾斜柱状の内部中空域を有し、その中心軸線(X−X)と交差する面で先端部を切断した形態を有する先端面(19)を備えた傾斜筒形の中空構造体からなる波浪エネルギー吸収装置と、前記中空構造体の基端部に連結された送気管とを使用し、
    海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に前記中空構造体を設置し、前記先端面によって画成された先端開口(13)が前記基端部よりも下側に位置するように前記内部中空域の中心軸線を前記傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜させて、前記開口を海面下で海洋に開放するとともに、海洋波の入波方向と対向するように前記開口を海洋に向けて前記中空構造体を配向、これにより、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを前記中空構造体の内部中空域に形成し、前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記送気管によって前記発電装置に供給する前記吸収装置を構成し
    沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックで前記中空構造体を囲んで前記吸収装置を多数の消波ブロックに係合又は接触せしめ、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって、前記吸収装置の位置及び姿勢を前記消波工内に拘束することを特徴とする振動水柱型波力発電システムの構築方法。
  7. 前記空気室の圧力変動により発生する往復気流の微細な圧力変動を緩和するバッファタンクを更に使用し、複数の前記吸収装置を前記バッファタンクに並列に接続するとともに、該バッファタンクを空気搬送路によって前記発電装置に接続することを特徴とする請求項6に記載の構築方法。
  8. 前記発電装置は、往復気流の作用により常に一定方向に回転するウェルズタービン又は衝動型タービンを備えることを特徴とする請求項7に記載の構築方法。
  9. 一定方向の気流を前記発電装置に供給するために前記往復気流を一定方向の気流に調整又は変換する気流変換手段を前記バッファタンクに設け、或いは、該バッファタンクと前記発電装置との間に介装することを特徴とする請求項7に記載の構築方法。
  10. 海水面の上下動により発生する空気振動流によって発電装置を作動させる振動水柱型波力発電システムを用いた発電方法において、
    傾斜柱状の内部中空域を有し、その中心軸線(X−X)と交差する面で先端部を切断した形態を有する先端面(19)を備えた傾斜筒形の中空構造体からなり、傾斜柱状の内部中空域を有する波浪エネルギー吸収装置と、該中空構造体の基端部に連結された送気管とを使用し、
    海洋側に向かって下方に傾斜した傾斜面(Q)に前記中空構造体を設置し、前記先端面によって画成された先端開口(13)が前記基端部よりも下側に位置するように前記内部中空域の中心軸線(X−X)を前記傾斜面の勾配に相応して全体的に傾斜させて、前記開口を海面下で海洋に開放するとともに、海洋波の入波方向と対向するように前記開口を海洋に向けて前記中空構造体を配向し、これにより、海洋波の入波エネルギーに相応して上下方向に振動する傾斜柱状の水柱と、該水柱の水面上方に画成された傾斜柱状の空気室とを前記中空構造体の内部中空域に形成し、
    沿岸部の消波工を構成する多数の消波ブロックで前記中空構造体を囲んで前記吸収装置を多数の消波ブロックに係合又は接触せしめ、
    前記空気室の空気圧変動に相応して発生する往復気流を前記送気管によって前記発電装置に供給するとともに、前記傾斜面の支持力と、多数の前記消波ブロックの自重及び相互拘束力とによって、前記吸収装置の位置及び姿勢を前記消波工内に維持し、
    前記水面の上下動により発生する空気振動流によって前記発電装置を作動させることを特徴とする発電方法。
  11. 前記空気室の圧力変動により発生する往復気流の微細な圧力変動をバッファタンクにより緩和した後、該往復気流を前記発電装置に供給することを特徴とする請求項10に記載の発電方法。
  12. 一定方向の気流を前記発電装置に供給するために前記往復気流を一定方向の気流に調整又は変換することを特徴とする請求項10又は11に記載の発電方法。

JP2012179017A 2012-08-10 2012-08-10 波力発電システム及びその構築方法 Active JP6021175B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012179017A JP6021175B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 波力発電システム及びその構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012179017A JP6021175B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 波力発電システム及びその構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014037781A JP2014037781A (ja) 2014-02-27
JP6021175B2 true JP6021175B2 (ja) 2016-11-09

Family

ID=50286097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012179017A Active JP6021175B2 (ja) 2012-08-10 2012-08-10 波力発電システム及びその構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6021175B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101861141B1 (ko) * 2017-01-26 2018-05-28 한국해양과학기술원 방파제를 이용한 진동수주형 파력발전 장치
CN109356779A (zh) * 2018-12-19 2019-02-19 哈尔滨工程大学 一种集成振荡水柱式与点头鸭式发电装置的梳式防波堤单元及系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5095635A (ja) * 1973-12-27 1975-07-30
JPS5970887A (ja) * 1982-10-15 1984-04-21 Takahiko Masuda 浅海の敷設に好適な波力発電ブイ
JPS639605Y2 (ja) * 1986-05-16 1988-03-22
JPH11201014A (ja) * 1998-01-05 1999-07-27 Meidensha Corp 波力発電装置
JP2002303242A (ja) * 2001-04-09 2002-10-18 Yuji Mochizuki 波力発電装置
GB2418960A (en) * 2004-10-05 2006-04-12 Iain David Roberts Breakwater wave energy converter

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014037781A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1802814B1 (en) Breakwater wave energy converter
US7877994B2 (en) Wave energy converter (WEC) with heave plates
DK2276892T3 (en) Device for silence and spread of underwater noise in a fluid
US20110113771A1 (en) Wave Powered Generator
CN107842459B (zh) 振荡水柱与振荡浮子组合式波能转换装置
US20080050178A1 (en) Wave Trap
JP2013527353A (ja) 海岸侵食を最小化するためおよび水面活動を弱める他の用途のためのブイシステムおよび方法
KR101719298B1 (ko) 내진설계를 위한 부유공법
JP6021175B2 (ja) 波力発電システム及びその構築方法
KR101521163B1 (ko) 부유식 풍력발전기
KR102160475B1 (ko) 부유식 발전 플랜트 및 그 부유식 발전 플랜트의 파운데이션
JP6558778B2 (ja) 津波の質量輸送エネルギー緩和装置
KR102284699B1 (ko) 해상 태양광 발전장치의 가드 펜스
KR101384167B1 (ko) 단일복합하이브리드기초형 해상풍력타워
JP2010275906A (ja) 電場応答性高分子膜を用いた波力発電装置
KR101406677B1 (ko) 수중에 설치되는 수동형 상하동요 및 회전동요 감쇠장치가 구비된 부유식 풍력 발전기 및 부유식 풍력 발전기용 수동형 상하동요 및 회전동요 감쇠장치
TWI653376B (zh) Water work platform
JP5950324B2 (ja) 波力発電システム及びその構築方法
JP2006264596A (ja) 浮体ユニット及び浮体式耐震構造物
KR20090056401A (ko) 부유식 방파제의 에너지 저감 구조
KR101242506B1 (ko) 텐던에 고정되는 고정부유체 및 가변부유체를 갖는 장력고정식 플랫폼
KR20080105564A (ko) 부력을 이용한 해양구조물의 말뚝기초장치
KR20160023343A (ko) 부유식 해양 구조물
WO2019102412A1 (en) A device for wave energy conversion
US20230235521A1 (en) Floating wave-attenuation device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160913

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6021175

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250