JP6017776B2 - 細胞集合体培養用基材及び細胞集合体の生産方法 - Google Patents

細胞集合体培養用基材及び細胞集合体の生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、細胞集合体培養用基材及び細胞集合体の生産方法に関する。
従来、さまざまな方法で細胞培養が行われている。細胞には、接着性細胞と浮遊性細胞とがあり、接着性細胞の細胞培養としては、例えば、細胞接着性ポリペプチドを有する基材(特許文献1)や、フィブロネクチンを有する基材等の培養基材を用いて、基材に細胞を接着させて培養する方法が知られている。
また、近年、接着性細胞を三次元で培養する細胞集合体培養方法が注目されている。細胞集合体培養は、細胞の集合体を形成させることにより生体に近い三次元の構造体で細胞を培養する方法である。細胞集合体培養により生産された細胞の集合体(細胞集合体)は、薬剤の毒性及び薬理活性評価のシミュレータや、ハイブリッド型人工臓器、バイオリアクタなどの分野において利用されることが期待されている。しかしながら、細胞集合体培養方法に細胞接着性のポリペプチドを有する培養基材を用いると、基材と細胞との接着力が強すぎるため、細胞が三次元構造(細胞集合体)を形成しにくいという問題がある。
そこで、細胞接着性の低い細胞低接着性コーティング材料を有する基材を用いることが試みられている。細胞低接着性コーティング材料としては、アガー、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート及びポリエチレングリコール等が知られており、幹細胞や肝細胞などの接着性細胞の細胞集合体培養用の細胞培養器や創傷被覆剤などの医療素材に使用されている。
接着性細胞は、培養基材や細胞同士で接着することにより生存のシグナルが入り、アポトーシスを引き起こすカスパーゼの活性を抑制して生存・増殖しているが、培養基材等に接着できない場合、生存シグナルが入らないため、カスパーゼが活性化されアポトーシスを引き起こし、生存・増殖できない。したがって、細胞低接着性コーティング材料を有する基材を用いた場合、アポトーシスが起こりやすく、細胞が生存・増殖しにくいという問題がある。
特開2005−170810号公報
本発明の目的は、接着性細胞を培養する基材であって、アポトーシスを起こしにくく、培養した細胞の生存率が高い細胞集合体を生産することができる細胞集合体培養用基材を提供することである。
本発明者らは、鋭意研究を重ねてきた結果、本発明に到達した。
すなわち、本願発明の細胞集合体培養用基材は、
ポリペプチド(P)及び基材(B)からなり、接着性細胞(S)を細胞集合体を培養するための細胞集合体培養用基材であって、(P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、(X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種である細胞集合体培養用基材である。
ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
本発明の細胞集合体培養用基材は、アポトーシス抑制効果が高く、培養した細胞の生存率が高い細胞集合体を生産することができるという効果を奏する。
また、本発明の細胞集合体の生産方法は、生物活性の高い細胞集合体を生産できる。
実施例1〜6及び比較例1〜3について、ポリペプチド(P)のコーティング量に対するC3H10T1/2細胞(マウス間葉系細胞)の細胞接着率の変化を表したグラフである。 実施例1〜6及び比較例1〜3について、ポリペプチド(P)のコーティング量に対するMC3T3−E1細胞(マウス骨芽細胞)の細胞接着率の変化を表したグラフである。
本発明の細胞集合体培養用基材は、ポリペプチド(P)及び基材(B)からなり、接着性細胞(S)の細胞集合体を培養するための細胞集合体培養用基材である。
本発明において細胞集合体培養は、接着性細胞(S)の集合体を形成させ、(S)を三次元の構造体として培養する方法である。また、本発明において細胞集合体は、接着性細胞(S)が多数凝集して三次元の構造体となったものを示す。
ポリペプチド(P)は、アミノ酸配列(X)を含む。
アミノ酸配列(X)は、下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群から選ばれる少なくとも1種の配列。
ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)、Pro Gly Val Gly Val配列(5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)、Pro Gly Val Gly Val Ala配列(11)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
上記アミノ酸配列(X)のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制効果の観点から、ペンタペプチド配列が好ましく、さらに好ましくはGly Val Gly Val Pro配列(1)である。
ポリペプチド(P)は、アミノ酸配列(X)を(P)の1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制効果の観点から、1分子中に10〜200個有するものが好ましく、さらに好ましくは45〜130個有するものである。
なお、2種以上のアミノ酸配列(X)がポリペプチド(P)1分子中に含まれていてもよい。
ポリペプチド(P)は、さらに、補助アミノ酸配列(Y)を有してもいい。
補助アミノ酸(Y)は、Gly Ala配列、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr配列(15)、Gly Ala Gly Val Gly Tyr配列(16)、Gly Ala Gly Tyr Gly Val配列(17)及び下記配列(Y−6)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
配列(Y−6):Asp Gly Gly (Ala) Gly Gly Ala配列。なお、fは1〜44の整数である。
補助アミノ酸配列(Y)のうち、細胞の低接着性およびポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、Gly Ala配列、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr配列(15)が好ましく、さらに好ましくはGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)である。
ポリペプチド(P)が補助アミン酸配列(Y)を有する場合、(Y)を(P)の1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、1分子中に10〜100個有するものが好ましく、さらに好ましくは15〜60個有するものである。
なお、2種以上の補助アミノ酸配列(Y)が(P)1分子中に含まれていてもよい。
ポリペプチド(P)が補助アミノ酸配列(Y)を有する場合、ポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、(P)の分子中に(Y)が複数回繰り返した配列を有することが好ましい。例えば、(Gly Ala)配列、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列、(Gly Ala Gly Ala Gly Tyr)配列、(Gly Ala Gly Val Gly Tyr)配列、(Gly Ala Gly Tyr Gly Val)配列及び{Asp Gly Gly (Ala) Gly Gly Ala}配列が挙げられる。なお、aは1〜25の整数、b、c、d及びeは1〜8の整数、fは1〜44の整数、fが1の場合gは1〜7の整数、fが2の場合gは1〜6の整数、fが3又は4の場合gは1〜5の整数、fが5又は6の場合gは1〜4の整数、fが7〜10の整数の場合gは1〜3、fが11〜19の整数の場合gは1又は2、fが20〜44の整数の場合gは1である。
(Gly Ala)配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(18)〜(20)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(21)〜(23)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Ala Gly Tyr)配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(24)〜(26)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Val Gly Tyr)配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(27)〜(29)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Tyr Gly Val)配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(30)〜(32)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
{Asp Gly Gly (Ala) Gly Gly Ala}配列を有する補助アミノ酸配列としては、配列(33)〜(35)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
これらの補助アミノ酸配列(Y)のうち、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、配列(21)〜(23)が好ましく、さらに好ましくは配列(21)及び(22)である。
補助アミノ酸配列(Y)は、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、Gly及び/又はAlaを含むことが好ましい。Gly及び/又はAlaを含む場合、これらの合計含有割合(%)は、補助アミノ酸配列(Y)の全アミノ酸個数に基づいて、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、10〜100が好ましく、さらに好ましくは20〜95、特に好ましくは30〜90、最も好ましくは40〜85である。
補助アミノ酸配列(Y)にGly及びAlaの両方を含む場合、これらの含有個数割合(Gly/Ala)は、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、0.03〜40が好ましく、さらに好ましくは0.08〜13、特に好ましくは0.2〜5である。
ポリペプチド(P)は、さらに、アミノ酸配列(X’)を有してもいい。
アミノ酸配列(X’)は、アミノ酸配列(X)中の1個又は2個のValがLysに置換された配列である。
(X’)としては、アミノ酸配列(X)中の1個のValがLysに置換された下記配列(X’−1)〜(X’−4)又はアミノ酸配列(X)中の2個のValがLysに置換された下記配列(X’−5)〜(X’−8)を含む。
(X’−1):ペンタペプチド配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)、Gly Val Gly Lys Pro配列(37)、Lys Gly Val Pro Gly配列(38)、Val Gly Lys Pro Gly配列(39)、Gly Lys Pro Gly Val配列(40)、Gly Val Pro Gly Lys配列(41)、Lys Pro Gly Val Gly配列(42)、Val Pro Gly Lys Gly配列(43)、Pro Gly Lys Gly Val配列(44)又はPro Gly Val Gly Lys配列(45)。
(X’−2):ヘキサペプチド配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Val Ala Pro配(46)、Gly Val Gly Lys Ala Pro配列(47)、Lys Gly Val Ala Pro Gly配列(48)、Val Gly Lys Ala Pro Gly配列(49)、Gly Lys Ala Pro Gly Val配列(50)、Gly Val Ala Pro Gly Lys配列(51)、Lys Ala Pro Gly Val Gly配列(52)、Val Ala Pro Gly Lys Gly配列(53)、Ala Pro Gly Lys Gly Val配列(54)、Ala Pro Gly Val Gly Lys配列(55)、Pro Gly Lys Gly Val Ala配列(56)又はPro Gly Val Gly Lys Ala配列(57)。
(X’−3):配列(12)のアミノ酸配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)又はAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Lys Gly配列(59)。
(X’−4):配列(13)のアミノ酸配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(60)又はAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Lys Gly配列(61)。
(X’−5):ペンタペプチド配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Lys Pro配列(62)、Lys Gly Lys Pro Gly配列(63)、Gly Lys Pro Gly Lys配列(64)、Lys Pro Gly Lys Gly配列(65)又はPro Gly Lys Gly Lys配列(66)。
(X’−6):ヘキサペプチド配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Lys Ala Pro配列(67)、Lys Gly Lys Ala Pro Gly配列(68)、Gly Lys Ala Pro Gly Lys配列(69)、Lys Ala Pro Gly Lys Gly配列(70)、Ala Pro Gly Lys Gly Lys配列(71)又はPro Gly Lys Gly Lys Ala配列(72)。
(X’−7):配列(12)のアミノ酸配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Lys Gly配列(73)。
(X’−8):配列(13)のアミノ酸配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Leu Gly Lys Gly配列(74)。
アミノ酸配列(X’)のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、(X’−1)が好ましく、さらに好ましくはGly Lys Gly Val Pro配列(36)である。
ポリペプチド(P)1分子中には、2種以上の(X’)を含んでもいい。
ポリペプチド(P)がアミノ酸配列(X’)を有するものである場合、(P)1分子中に(X’)を少なくとも1個有すればよいが、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、(P)1分子中に1〜20個有するものが好ましく、さらに好ましくは6〜17個、最も好ましくは13個である。
また、(P)1分子中の(X)の数と(X’)の数との比((X)/(X’))は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、5〜20が好ましく、さらに好ましくは7〜15である。
上記アミノ酸配列(X)及び/又は(X’)の両端には、介在アミノ酸配列(Z)を含んでもいい。
介在アミノ酸配列(Z)としては、アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)及び補助アミノ酸配列(Y)以外のアミノ酸配列が含まれ、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Arg)、リジン(Lys)及び/又はヒスチジン(His)等から構成されるアミノ酸配列が含まれる。
(Z)は、アミノ酸1個又はアミノ酸が2個以上結合したペプチド配列である。(Z)を構成するアミノ酸の数は、ペプチドの熱安定性の観点から、1〜30個が好ましく、さらに好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個である。
ポリペプチド(P)は、発現させた(P)の精製または検出を容易にするために、(P)のN又はC末端に特殊なアミノ酸配列を有するタンパク質又はペプチド(以下これらを「精製タグ」と称する)を有してもいい。精製タグとしては、アフィニティー精製用のタグが利用される。そのような精製タグとしては、ポリヒスチジンからなる6×Hisタグ、V5タグ、Xpressタグ、AU1タグ、T7タグ、VSV−Gタグ、DDDDKタグ、Sタグ、CruzTag09TM、CruzTag22TM、CruzTag41TM、Glu−Gluタグ、Ha.11タグ及びKT3タグ等がある。
以下に、各精製タグ(i)とそのタグを認識結合するリガンド(ii)との組み合わせの一例を示す。
(i−1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GTS) (ii−1)グルタチオン
(i−2)マルトース結合タンパク質(MBP) (ii−2)アミロース
(i−3)HQタグ (ii−3)ニッケル
(i−4)Mycタグ (ii−4)抗Myc抗体
(i−5)HAタグ (ii−5)抗HA抗体
(i−6)FLAGタグ (ii−6)抗FLAG抗体
(i−7)6×Hisタグ (ii−7)ニッケル又はコバルト
前記精製タグ配列の導入方法としては、発現用ベクターにおけるポリペプチド(P)をコードする核酸の5’又は3’末端に精製タグをコードする核酸を挿入する方法や市販の精製タグ導入用ベクターを使用する方法等が挙げられる。
ポリペプチド(P)は、直鎖構造を有するものである(分岐構造、環状構造及び架橋構造を持たない。)ことが好ましい。なお、直鎖構造にはβシート構造(直鎖状ペプチドが折れ曲がってこの部分同士が平行に並び、その間に水素結合が作られる二次構造)も含まれる。
ポリペプチド(P)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、50,000〜100,000が好ましく、さらに好ましくは60,000〜80,000、特に好ましくは65,000〜75,000である。なお、Mnは、公知の方法により測定でき、例えば、SDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法により、測定サンプルを分離し、泳動距離を標準物質と比較することによって求められる。
好ましいポリペプチド(P)の一部を以下に例示する。
(i)アミノ酸配列(X)がGly Val Gly Val Pro 配列(1)の場合
この場合、ポリペプチド(P)が、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)及びGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を有するポリペプチドであることが好ましい。具体的には以下の例が挙げられる。
(i−1)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を56個、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)を8個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を16個有するポリペプチド(P1)。
(P1)として、具体的には、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−1)が8回繰り返し化学結合したMn35,164の配列(75)のポリペプチドが含まれる。
(i−2)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を119個およびGly Lys Gly Val Pro 配列(36)を17個 及び Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を34個有するポリペプチド(P2)
(P2)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L−1)が17回繰り返し化学結合したMn76,581の配列(76)のポリペプチドが含まれる。
(i−3)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を49個およびGly Lys Gly Val Pro 配列(36)を7個 及び Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を28個有するポリペプチド(P3)
(P3)として、具体的には、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−2)が7回繰り返し化学結合したMn35,863の配列(77)のポリペプチド。
(i−4)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を91個およびGly Lys Gly Val Pro 配列(36)を13個 及び Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を52個有するポリペプチド(P4)
(P4)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L−2)が13回繰り返し化学結合したMn69,772の配列(78)のポリペプチド。
(i−5)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を120個およびGly Lys Gly Val Pro 配列(36)を8個 及び Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を32個有するポリペプチド(P5)
(P5)として、具体的には、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−3)が8回繰り返し化学結合したMn71,445の配列(79)のポリペプチド。
(i−6)Gly Val Gly Val Pro 配列(1)を90個およびGly Lys Gly Val Pro 配列(36)を6個 及び Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を36個有するポリペプチド(P6)
(P6)として、具体的には、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−4)が6回繰り返し化学結合したMn64,694の配列(80)のポリペプチド。
(ii)アミノ酸配列(X)がGly Val Gly Val Ala Pro 配列(6)の場合
(ii−1)Gly Val Gly Val Ala Pro 配列(6)を91個およびGly Lys Gly Val Ala Pro 配列(46)を13個 及びGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を52個有するポリペプチド(P7)
(P7)として、具体的には、Gly Val Gly Val Ala Pro(6)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Ala Pro 配列(46)を結合し、さらにGly Val Gly Val Ala Pro 配列(6)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−5)が13回繰り返し化学結合したMn71,195の配列(81)のポリペプチド。
(iii)アミノ酸配列(X)がAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)の場合
(iii−1)Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)を91個およびAla Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)を13個 及びGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)を52個有するポリペプチド(P8)
(P8)として、具体的には、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)が4回繰り返した配列に、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)を結合し、さらにAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−6)が13回繰り返し化学結合したMn105,933の配列(82)のポリペプチド。
ポリペプチド(P)は、人工的に製造でき、有機合成法(酵素法、固相合成法及び液相合成法等)、及び遺伝子組み換え法等によって容易に製造できる。有機合成法に関しては、生化学実験講座1、タンパク質の化学IV(1981年7月1日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)又は続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)(昭和62年5月20日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)に記載されている方法等が適用できる。遺伝子組み換え法に関しては、特許第3338441号公報に記載されている方法等が適用できる。有機合成法及び遺伝子組み換え法とも、ポリペプチド(P)を作製できるが、ポリペプチド(P)を安価に大量生産できるという観点等から、遺伝子組み換え法が好ましい。
本発明の細胞集合体培養用基材は、上記ポリペプチド(P)を有していることにより、基材を用いて細胞を培養した際に、細胞表面に存在するインテグリンと(P)が結合し、細胞内にシグナルが伝達されるので、アポトーシス抑制効果が発揮されると推察される。
基材(B)の素材としては、プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリアルフォオレフィン、ポリプトピレン、ポリエチレン及びこれらの複合体等)及び/又は無機物(例えば、ガラス、セラミックス、金属及びこれらの複合体等)が挙げられる。
(B)の素材としては、プラスチックやガラスなど、透明で培養中の細胞を顕微鏡観察ができるものが好ましい。
基材(B)としては、従来の細胞培養(細胞集合体培養及び従来の接着培養)に用いる基材を制限無く使用できるが、入手が容易である観点から、細胞培養容器が好ましい。細胞培養容器としては、マルチウェルプレート(例えば、6穴プレート、24穴プレート及び96穴プレート等)やシャーレ(例えば、直径(mm);35、60及び100等)、T−フラスコ(例えば、容量(ml);25、75、150及び225等)、ローラーボトル(例えば、培養面積(cm);690、970、1200及び1300等)等が用いられる。
本発明において、細胞集合体培養用基材表面におけるポリペプチド(P)のコーティング量は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、細胞集合体培養用基材の単位面積(cm)あたり0.1〜5μgが好ましく、さらに好ましくは1.0〜2.1μgである。
細胞集合体培養用基材表面におけるポリペプチド(P)のコーティング量は、具体的には、下記の測定法により測定できる。
<ポリペプチド(P)のコーティング量の測定>
Micro BCATM protein assay kit(THERMO Fisher Scientific社製)付属のReagentA溶液:ReagentB溶液:ReagentC溶液=25:24:1の混合液(C)を作成する。細胞集合体培養用基材に対して、測定したい基材の表面積に対して312.5μL/cmで混合液(C)を加え、37℃で2時間静置する。
静置2時間後に、ビシンコニン酸(BCA)とCuのキレート生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて室温で測定する。さらに、あらかじめウシ血清アルブミンにより作成した検量線からコーティング量を得る。
本発明の細胞集合体培養用基材は、基材(B)及びポリペプチド(P)からなるものであればよく、ポリペプチド(P)が基材(B)の表面に物理吸着及び/又は化学結合(イオン結合及び/又は水素結合)したものが含まれる。
物理吸着させる方法としては、ポリペプチド(P)の水溶液に、基材(B)を浸して、37℃で所定の時間吸着させる方法が含まれる。吸着後は、余剰の溶液を除去もしくは乾燥させることにより、細胞集合体培養基材を得ることができる。
化学結合させる方法としては、基材(B)がプラスチック材料の場合は、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド又はカルボジイミド等の存在下で、基材(B)とペプチド(P)を接触させることによりエステル化又はアミド化させ、洗浄乾燥させる方法等が含まれる。基材(B)が金属材料又は無機材料の場合、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤などを基材(B)と反応させた後、ぺプチド(P)とグルタルアルデヒドで架橋させ、洗浄乾燥させる方法が含まれる。
上記のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、物理吸着が好ましい。
本発明において接着性細胞(S)としては、一般的に接着性細胞に分類される細胞が含まれ、具体的には、幹細胞、前駆細胞、上皮細胞、内皮細胞及び癌細胞等が挙げられる。
細胞集合体培養用基材に播種した接着性細胞(S)のうち、基材に接着する(S)の割合を示す細胞接着率は、細胞集合体の培養に用いる観点から、4〜20%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜20%である。
細胞接着率は、具体的には下記測定法によって測定できる。
細胞集合体培養用基材に、ポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cmで0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2、純度99.5重量%塩化ナトリウムを0.85重量%含有するリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略記))を加えて2回洗浄し、さらに脱イオン水をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cmで加えて1回洗浄する。
次に、血清を含まないDMEM培地(ICN Biomedicals社製)をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cmで加え、37℃インキュベーター内に1時間保存する。1時間後、MC3T3−E1細胞(大日本製薬株式会社製)を、ポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して2万cells/cmで添加し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて2時間放置して培養する。
培養終了後、アスピレーターを用いて培地を除去し、細胞に直接当たらないように注意しながら生理食塩水をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cmで加え、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去する。次にPBSをポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して156.25μL/cmで加え、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して31.25μL/cmで加え、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置する。
4時間後に、ホルマザン生成量(X)を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定する。
ポリペプチド(P)の代わりにフィブロネクチンを用いた比較用細胞集合体培養用基材を作成し、上記と同様の実験を行う。ここで、基材表面におけるフィブロネクチンのコーティング量は、0.5μg/cm以上であり、播種したすべての細胞が接着したことを顕微鏡観察で確認したものを用いる。この比較用細胞集合体培養用基材のホルマザン生成量(X)を測定する。(X)が細胞接着率100%であるとして、(X)及び(X)を下記式に当てはめ、細胞接着率を算出する。
細胞接着率(%)=(X)/(X)×100
本発明の細胞集合体の生産方法は、上記細胞集合体培養用基材を用いて接着性細胞(S)を培養する方法である。
本発明の細胞集合体の生産方法は、上記細胞集合体培養用基材を使用する以外は、従来の細胞集合体の生産方法と同様でいい。例えば、下記工程(1)〜(2)により生産する方法が含まれる。
(1)細胞集合体培養用基材と細胞懸濁液とを接触させる工程
(2)所定の温度で所定の時間培養する工程
工程(1)において、細胞集合体培養用基材は、上記細胞集合体培養用基材である。
工程(1)において、細胞懸濁液は、培地中に細胞を懸濁させた水溶液である。
培地としては、無血清培地及び血清培地が含まれる。
無血清培地としては、Grace培地、IPL−41培地、Schneider’s培地、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、RPMI培地、DMEM培地、MEM培地、Eagle’sMEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等が挙げられる。
これらのうち、細胞の安定性の観点から、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、DMEM培地及びこれらの混合培地が好ましく、さらに好ましくはOpti−PROTMSFM培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、FreeStyleTM293培地、DMEM培地及びこれらの混合培地である。
血清培地としては、一般の培地(DMEM培地、DME培地、RPMI培地、MEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等)に血清を加えたもの等が挙げられる。血清としては、ヒト血清、及び動物血清(ウシ血清、ウマ血清、ヤギ血清、ヒツジ血清、ブタ血清、ウサギ血清、ニワトリ血清、ラット血清、及びマウス血清等)が含まれる。
培地中には、成長因子を添加してもいい。成長因子としては、上皮成長因子(Epidermal growth factor:EGF)、インスリン様成長因子(Insulin−like growth factor:IGF)、トランスフォーミング成長因子(Transforming growth factor:TGF)、神経成長因子(Nerve growth factor:NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain−derived neurotrophic factor:BDNF)、血管内皮細胞増殖因子(Vesicular endothelial growth factor:VEGF)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte−colony stimulating factor:G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte−macrophage−colony stimulating factor:GM−CSF)、血小板由来成長因子(Platelet−derived growth factor:PDGF)、エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、トロンボポエチン(Thrombopoietin:TPO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGFまたはFGF2)、肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)等が挙げられる。
細胞としては、上記接着性細胞(S)を用いる。
細胞懸濁液中の細胞の濃度(cells/ml)は、細胞の生存率の観点から、10〜10cells/mlが好ましく、さらに好ましくは10〜10cells/mlである。
細胞懸濁液の温度は、通常細胞培養に用いられる温度であれば特に制限ないが、細胞の生存率の観点から、25〜45℃が好ましく、さらに好ましくは30〜40℃で、最も好ましくは37℃である。
細胞懸濁液のpHは、通常細胞培養に用いられるpHであれば特に制限ないが、細胞の生存率の観点から、pH6.0〜8.0が好ましく、さらに好ましくはpH6.5〜7.5である。
細胞集合体培養用基材と細胞懸濁液とを接触させる方法としては、細胞集合体培養用基材に細胞懸濁液を加える方法及び細胞懸濁液中に細胞集合体培養用基材を浸す方法が挙げられる。
工程(2)において、培養温度は、細胞の生存率の観点から、25〜45℃が好ましく、さらに好ましくは30〜40℃で、最も好ましくは37℃である。
培養時間は、細胞の生存率の観点から、1〜10日間が好ましく、さらに好ましくは3〜7日間である。
培養容器がU底プレートである場合、細胞集合体形成性の観点から、静置培養することが好ましい。
培養容器が平底プレート、シャーレ、T−フラスコ、ローラーボトルである場合、細胞集合体形成性の観点から、旋回培養することが好ましい。
旋回培養の場合、攪拌の回転数は、細胞の生存率・細胞集合体形成率の観点から、30〜120rpmが好ましく、さらに好ましくは60〜80rpmである。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
<実施例1>
(1)ポリペプチド(P1)の作製
特表平3−502935号公報中の実施例記載の方法に準じて、遺伝子組換え大腸菌により製造し、カラムクロマトグラフィーにて精製した、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−1)が8回繰り返し化学結合したMn35,164の配列(75)のポリペプチド(P1)を得た。
(2)細胞集合体培養用基材[PB1]の作製
ポリペプチド(P1)1mgを脱イオン水1mLに溶解し、さらに、0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2、純度99.5重量%塩化ナトリウムを0.85重量%含有するPBS)で希釈して、ポリペプチド(P1)溶液(A1)〜(A4){溶液(A1)〜(A4)中のポリペプチド(P1)の濃度(μg/mL);(A1):0.01、(A2):1、(A3):10、(A4):100}を作製した。この溶液(A1)〜(A4)を96穴のポリスチレンプレート(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)中の8穴ずつにそれぞれ50μL/穴で投入し、室温(約25℃)で2時間放置した。アスピレーターを用いて溶媒を除去した後、生理食塩水(0.9重量/容量% 塩化ナトリウム水溶液)100μL/穴で2回洗浄し、さらに脱イオン水100μL/穴で洗浄して、基材の表面にポリペプチド(P1)を有する細胞集合体培養用基材[PB1](コーティング量が異なるPB1−1〜PB1−4)を得た。
<実施例2>
(1)ポリペプチド(P2)の作製
実施例1と同様にして、上記アミノ酸ブロック(L−1)が17回繰り返し化学結合したMn76,581の配列(76)のポリペプチド(P2)を作製した。
(2)細胞集合体培養用基材[PB2]の作製
ポリペプチド(P1)をポリペプチド(P2)に変更したこと以外同様にして、基材の表面にポリペプチド(P2)を有する細胞集合体培養用基材[PB2](コーティング量が異なるPB2−1〜PB2−4)を得た。
<実施例3>
(1)ポリペプチド(P3)の作製
実施例1と同様にして、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−2)が7回繰り返し化学結合したMn35,863の配列(77)のポリペプチド(P3)を作製した。
(2)細胞集合体培養用基材[PB3]の作製
ポリペプチド(P1)をポリペプチド(P3)に変更したこと以外同様にして、基材の表面にポリペプチド(P3)を有する細胞集合体培養用基材[PB3](コーティング量が異なるPB3−1〜PB3−4)を得た。
<実施例4>
(1)ポリペプチド(P4)の作製
実施例1と同様にして、上記アミノ酸ブロック(L−2)が13回繰り返し化学結合したMn69,772の配列(78)のポリペプチド(P4)を作製した。
(2)細胞集合体培養用基材[PB4]の作製
ポリペプチド(P1)をポリペプチド(P4)に変更したこと以外同様にして、基材の表面にポリペプチド(P4)を有する細胞集合体培養用基材[PB4](コーティング量が異なるPB4−1〜PB4−4)を得た。
<実施例5>
(1)ポリペプチド(P5)の作製
実施例1と同様にして、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−3)が8回繰り返し化学結合したMn71,445の配列(79)のポリペプチド(P5)を作製した。
(2)細胞集合体培養用基材[PB5]の作製
ポリペプチド(P1)をポリペプチド(P5)に変更したこと以外同様にして、基材の表面にポリペプチド(P5)を有する細胞集合体培養用基材[PB5](コーティング量が異なるPB5−1〜PB5−4)を得た。
<実施例6>
(1)ポリペプチド(P6)の作製
実施例1と同様にして、Gly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro 配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro 配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro 配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser 配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L−4)が6回繰り返し化学結合したMn64,694の配列(80)のポリペプチド(P6)を作製した。
(2)細胞集合体培養用基材[PB6]の作製
ポリペプチド(P1)をポリペプチド(P6)に変更したこと以外同様にして、基材の表面にポリペプチド(P6)を有する細胞集合体培養用基材[PB6](コーティング量が異なるPB6−1〜PB6−4)を得た。
<比較例1>
ポリペプチド(P1)をポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)(日本塩ビ・ポバール社製、品名:JP−18)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、基材の表面にポリビニルアルコールを有する比較用の細胞集合体培養用基材[PB7](コーティング量が異なるPB7−1〜PB7−4)を得た。
<比較例2>
ポリペプチド(P1)をアガロース(ナカライテスク社製、品名:アガロース−RE)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、基材の表面にアガロースを有する比較用の細胞集合体培養用基材[PB8](コーティング量が異なるPB8−1〜PB8−4)を得た。
<比較例3>
ポリペプチド(P1)をフィブロネクチン(和光社製、品名:Fibronectin,from bovine plasma)に変更したこと以外、実施例1と同様にして、基材の表面にフィブロネクチンを有する比較用の細胞集合体培養用基材[PB9](コーティング量が異なるPB9−1〜PB9−4)を得た。
<比較例4>
細胞集合体培養用基材として市販されている、基材の表面に2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基含有ポリマー(以下、MPCと略記する)を有するLIPIDURETM−coat(日油株式会社製)を細胞集合体培養用基材[PB10]として用いた。
<比較例5>
細胞集合体培養用基材として市販されている、基材の表面に光架橋超親水性ポリマーを有するPrimeSurfaceTM(住友ベークライト株式会社製)を細胞集合体培養用基材[PB11]として用いた。
<細胞集合体培養用基材(PB1〜PB6及びPB9)のコーティング量の測定>
Micro BCATM protein assay kit(THERMO Fisher Scientific社製)に付属のReagent A溶液:Reagent B溶液:Reagent C溶液=25:24:1の混合液(C)を得た。細胞集合体培養用基材(コーティング量の異なるPB1−1)〜(PB6−4)と(PB9−1)〜(PB9−4)の各ウェルに混合液(C)を100μL加え、37℃で2時間静置した。
2時間後に、ビシンコニン酸(BCA)とCuとからなるキレートの生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定し、あらかじめウシ血清アルブミンにより作成した検量線からコーティング量を得た。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<細胞集合体培養用基材(PB7)のコーティング量の測定>
コーティングプレート片(1g)を蒸留水50mlに加え、60℃で30分間加熱した。加熱後、ろ液を回収した。また、ろ過後のプレート片を0.1N HCl水50mlで1時間放置し、熱水200mlで洗いこみながらろ過した。それぞれのろ液を合わせて500mlにフィルアップした。
フィルアップ後、20mlを50mlメスフラスコに加えて、ホウ酸溶液(ホウ酸40g/l)を15ml添加した。その後、I溶液(KI25g+I12.5g/1L)を3ml加え、50mlにフィルアップした。
室温で、690nmの吸光度(Molecular Devices社製、VERSA MAX platereader)からPVAの濃度を算出した。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<細胞集合体培養用基材(PB8)のコーティング量の測定>
0.5M 2−シアノアセタミド水溶液50μl及びホウ酸―リン酸緩衝液(0.3Mホウ砂と0.3Mリン酸一水素カリウムを混合し、pH8.0に調整したもの)250μl加え、混合物をよく振り混ぜた後、98℃で30分間加熱した。
室温で、331nmで励起した383nmでの蛍光を測定(Molecular Devices社製、SPECTRA MAX GEMINI EM)し、アガロース濃度を算出した。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<評価:C3H10T1/2細胞(マウス間葉系細胞)の細胞接着率>
血清を含まないDMEM培地(ICN Biomedicals社製)を50μL/穴で[PB1]〜[PB9]にそれぞれ添加し、37℃インキュベーター内に1時間保存した。1時間後、C3H10T1/2細胞(大日本製薬株式会社製)を1万cells/50μL/穴で添加し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて2時間放置して培養した。
培養終了後、アスピレーターを用いて培地を除去し、生理食塩水を細胞に直接当たらないように注意しながら100μL/穴で添加し、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去した。次にPBSを50μL/穴で添加し、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量(X)を、450nm(参照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。
比較例3の基材[PB9−4]については、播種したすべての細胞が接着したことを顕微鏡観察で確認したので、これを細胞接着率が100%であるとして、ホルマザン生成量(X)を測定した。(X)及び(X)を下記式に当てはめ、細胞接着率を算出した。
細胞接着率(%)=(X)/(X)×100
細胞接着率は、当該吸光度の高さに比例する。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。また、得られた結果について、縦軸をC3H10T1/2細胞の細胞接着率(%)、横軸をコーティング量(μg/cm)としてプロットし、グラフを作成した(図1)。
<評価:MC3T3−E1細胞(マウス骨芽細胞)の細胞接着率>
血清を含まないDMEM(ICN Biomedicals社製)を50μL/穴で[PB1]〜[PB9]に添加し、37℃インキュベーター内に1時間保存した。1時間後、MC3T3−E1細胞(大日本製薬株式会社製)を1万cells/50μL/穴で添加し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて2時間放置して培養した。
培養終了後、アスピレーターを用いて培地を除去し、生理食塩水を細胞に直接当たらないように注意しながら100μL/穴で添加し、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去した。次にPBSを50μL/穴で添加し、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量(X)を、450nm(参照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。
比較例3の基材[PB9−4]については、播種したすべての細胞が接着したことを顕微鏡観察で確認したので、これを細胞接着率が100%であるとして、ホルマザン生成量(X)を測定した。(X)及び(X)を下記式に当てはめ、細胞接着率を算出した。
細胞接着率(%)=(X)/(X)×100
細胞接着率は、当該吸光度の高さに比例する。これらの結果を表1に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。また、得られた結果について、縦軸をMC3T3−E1細胞の細胞接着率(%)、横軸をコーティング量(μg/cm)としてプロットし、グラフを作成した(図2)。
Figure 0006017776
<評価:MC3T3−E1細胞(マウス骨芽細胞)のアポトーシス活性>
実施例1〜6の[PB1−3]、[PB2−3]、[PB3−3]、[PB4−3]、[PB5−3]、[PB6−3]、比較例1〜3の[PB7−3]、[PB8−3]及び[PB9−3]、比較例4〜5の[PB10]、[PB11]それぞれ3穴ずつに、血清を含まないDMEM培地(ICN Biomedicals社製)を50μL/穴で添加し、37℃インキュベーター内に1時間保存した。1時間後、MC3T3−E1細胞(大日本製薬株式会社製)を1万cells/50μL/穴で添加し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて24時間放置して培養した。
培養終了後、Caspase−GloTM3/7 Assay(Promega社製)を用いて、Caspase活性を測定した。Caspase反応液100μL/穴で添加し、室温で3時間放置した。3時間後、蛍光強度は、ルミネッセンスプレートリーダー MicroLumat Plus LB96(ベルトールドテクノロジー社製)を用いて測定した。完全に非接着性である[PB7−3]の活性を100%として、Caspase活性を相対値で表した。これらの結果を表2に示す(これらの結果は各々3穴分の平均データである。)。
Figure 0006017776
<実施例7>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB1−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<実施例8>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB2−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<実施例9>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB3−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<実施例10>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB4−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<実施例11>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB5−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<実施例12>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB6−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<比較例6>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB7−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<比較例7>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB8−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<比較例8>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB10]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<比較例9>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB11]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養し、細胞集合体を得た。
<比較例10>
細胞懸濁液100μl(10cells/ml)を細胞集合体培養用基材[PB9−3]に加えた。37℃、5%CO下で7日間静置培養したが、細胞集合体は得られなかった。
<細胞集合体の活性評価;ミトコンドリア活性>
7日間培養後、細胞集合体にテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。生細胞数は細胞集合体に核放出溶液(0.2%クリスタルバイオレット、0.2Mクエン酸3ナトリウム、2%Tween20)を加え、1時間置くことで生細胞の核を細胞から放出させ、血球計数盤を用いて核数を測定した。ホルマザン生成量を生細胞数で標準化し、細胞集合体のミトコンドリア活性とした。得られたミトコンドリア活性は、細胞接着培養用プレート(Corning 社製、CostarTM)を用いて培養した細胞のミトコンドリア活性を100%とした相対値で表した。これらの結果を表3に示す。
Figure 0006017776
表1の結果から、基材の表面にフィブロネクチンを有する比較例3の基材は、フィブロネクチンによるコーティング量が増えるにつれて細胞接着率が高くなることが分かる。
一方、本発明の細胞集合体培養用基材や比較例1〜2の細胞集合体培養用基材は、コーティング量が増えるにつれて細胞接着率が低くなり、細胞集合体培養に適した低細胞接着率とすることができることが分かる。
また、表2の結果から、比較例1〜2及び4〜5の細胞集合体培養用基材と比較して、本発明の細胞集合体培養用基材はアポトーシス活性が17〜35%と低く、細胞集合体培養に適していることが分かる。
さらに、表3の結果から、本発明の細胞集合体培養用基材を用いることで、高いミトコンドリア活性を保持できることを確認した。細胞のエネルギー代謝はミトコンドリアにより行われており、ミトコンドリア活性が高いことから、活性の高い細胞集合体が得られたことがわかる。
以上のことから、本発明の細胞集合体培養用基材は、細胞接着率が低いにもかかわらず、アポトーシス活性が低く、本発明の細胞集合体培養用基材を用いれば、活性の高い細胞集合体を得ることができることが分かる。
本発明の細胞集合体培養用基材は、細胞のロスが少なく、生物活性を高い状態で維持した細胞集合体を生産できる。また、本発明の細胞集合体培養用基材を用いて生産した細胞集合体は、毒性試験や創薬におけるスクリーニング試験、細胞移植治療などに用いることができる。

Claims (4)

  1. ポリペプチド(P)及び基材(B)からなり、接着性細胞(S)の細胞集合体を培養するための細胞集合体培養用基材であって、
    (P)が、配列(75)のポリペプチド、配列(76)のポリペプチド、配列(77)のポリペプチド、配列(78)のポリペプチド、配列(79)のポリペプチド及び配列(80)のポリペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1種である細胞集合体培養用基材。
  2. 細胞集合体培養用基材に播種した接着性細胞(S)のうち、基材に接着する(S)の割合を示す細胞接着率が4〜20%である請求項1に記載の細胞集合体培養用基材。
  3. 細胞集合体培養用基材表面におけるポリペプチド(P)の含有量が、細胞集合体培養用基材の単位面積(cm)あたり0.1〜5μgである請求項1又は2に記載の細胞集合体培養用基材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の細胞集合体培養用基材を用いて、培養温度25〜45℃で1〜10日間、接着性細胞(S)を培養する細胞集合体の生産方法。
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