JP6147498B2 - 浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチド - Google Patents

浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチド Download PDF

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Description

本発明は、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドに関する。
従来、さまざまな方法で細胞培養が行われている。細胞には、接着性細胞と浮遊性細胞とがあり、浮遊性細胞の細胞培養方法としては、例えば、スピンナーフラスコを用いて旋回培養する方法、ロータリーフラスコを用いて旋回培養する方法、シェーカーを用いて旋回培養する方法が知られている。
しかしながら、浮遊性細胞を長時間培養すると、栄養分や溶存酸素量の低下によるストレスにより、アポトーシスの誘導が起こり、細胞の生存率が低くなる問題がある。
また、近年、浮遊性細胞をバイオリアクターを用いて高密度浮遊培養する方法が注目されており、この方法が抗体やサイトカインの生産に用いられている。しかしながら、浮遊性細胞を高密度で培養すると、栄養分や溶存酸素量の低下によるストレスによりアポトーシスの誘導が起こり、細胞の生存率が低くなる問題がある。また、浮遊性細胞を高密度で培養すると、浮遊性細胞どうしで接着又は浮遊性細胞が培養基材に接着しやすくなる問題がある。さらに、細胞どうしが接着することにより、細胞の分化の状態が変化し、目的の細胞が得られず、本来の浮遊性細胞を浮遊培養することができない問題がある。
浮遊性細胞が培養基材に接着することを防ぐ方法としては、細胞接着性の低い細胞低接着性コーティング材料を有する基材を用いることが試みられている。細胞低接着性コーティング材料としては、アガー(アガロース)、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート及びポリエチレングリコール等が知られている(非特許文献1)。しかしながら、浮遊性細胞への毒性が高く、細胞の生存率が低くなる問題がある。
International Journal of Pharmaceutics、354、2008年、p174〜179
本発明の目的は、浮遊性細胞の浮遊培養に用いるポリペプチドであって、細胞どうしで接着することを抑制することができ、アポトーシス抑制効果が高く、培養した細胞の生存率を高くすることができるポリペプチドを提供することである。
本発明者は、鋭意研究を重ねてきた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ポリペプチド(P)及び基材(B)からなる浮遊性細胞浮遊培養用基材、ポリペプチド(P)及び培地(C)を含む浮遊性細胞浮遊培養用培養液並びにポリペプチド(P)の存在下で浮遊性細胞(S)を浮遊培養する培養方法であって、
(P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、
(X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
(P)が、下記アミノ酸ブロック(L1)〜(L4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロック(L)を有するポリペプチドである浮遊性細胞浮遊培養用基材、浮遊性細胞浮遊培養用培養液及び培養方法である。
ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)。
ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)。
アミノ酸ブロック(L1):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
アミノ酸ブロック(L2):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
アミノ酸ブロック(L3):Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
アミノ酸ブロック(L4);Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック

本発明のポリペプチドは、細胞どうしで接着することを抑制することができ、アポトーシス抑制効果が高く、培養した浮遊性細胞の生存率が高いという効果を奏する。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドは、浮遊性細胞(S)の浮遊培養に用いるポリペプチド(P)であって、(P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、(X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種である浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドである。
ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)からなる群より選ばれる少なくとも1種の配列。
上記アミノ酸配列(X)のうち、細胞の低接着性(細胞の基材等に対する低接着性及び細胞どうしの低接着性を意味する。以下同じ。)並びにアポトーシス抑制効果の観点から、ペンタペプチド配列が好ましく、さらに好ましくはGly Val Gly Val Pro配列(1)である。
なお、ペンタペプチド配列(配列(1)〜(5)のいずれか1種)が2回以上繰り返し化学結合する場合は、配列(2)〜(5)が2回以上繰り返し化学結合した構造は、配列(1)がその繰り返し回数から1を減じた回数繰り返した構造とほぼ同程度の機能を有する。これは、配列(2)がn回(nは2以上の整数)繰り返し化学結合している配列を有するポリペプチド(P)中には、配列(1)をn−1個有するためである。
ポリペプチド(P)は、アミノ酸配列(X)を(P)の1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制効果の観点から、1分子中に10〜200個有するものが好ましく、さらに好ましくは45〜130個有するものであり、次にさらに好ましくは49〜120個である。
なお、2種以上のアミノ酸配列(X)がポリペプチド(P)1分子中に含まれていてもよい。
ポリペプチド(P)は、さらに、補助アミノ酸配列(Y)を有してもいい。
補助アミノ酸(Y)は、Gly Ala配列を有し、アミノ酸が2〜50個結合した配列である。
補助アミノ酸配列(Y)としては、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、Gly及びAlaの合計含有割合(%)は、補助アミノ酸配列(Y)の全アミノ酸個数に基づいて、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、10〜100が好ましく、さらに好ましくは20〜95、特に好ましくは30〜90、最も好ましくは40〜85である。
補助アミノ酸配列(Y)中のGly及びAlaの含有個数割合(Gly/Ala)は、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、0.03〜40が好ましく、さらに好ましくは0.08〜13、特に好ましくは0.2〜5である。
補助アミノ酸配列(Y)として、具体的には、Gly Ala配列、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr配列(15)、Gly Ala Gly Val Gly Tyr配列(16)、Gly Ala Gly Tyr Gly Val配列(17)及び下記配列(Y−6)等が含まれる。
配列(Y−6):Asp Gly Gly (Ala)f Gly Gly Ala配列。なお、fは1〜44の整数である。
(P)中に補助アミノ酸配列(Y)を有する場合、(Y)は1種でもよく、2種以上を有してもよい。
補助アミノ酸配列(Y)のうち、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、Gly Ala配列、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)、Gly Ala Gly Ala Gly Tyr配列(15)が好ましく、さらに好ましくはGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)である。
ポリペプチド(P)が補助アミン酸配列(Y)を有する場合、(Y)を(P)の1分子中に少なくとも1個有すればよいが、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、1分子中に10〜100個有するものが好ましく、さらに好ましくは15〜60個有するものであり、次にさらに好ましくは16〜52個有するものである。
なお、2種以上の補助アミノ酸配列(Y)が(P)1分子中に含まれていてもよい。
ポリペプチド(P)が補助アミノ酸配列(Y)を有する場合、ポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、(P)の分子中に(Y)が複数回繰り返した配列を有することが好ましい。例えば、(Gly Ala)a配列、(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)b配列、(Gly Ala Gly Ala Gly Tyr)c配列、(Gly Ala Gly Val Gly Tyr)d配列、(Gly Ala Gly Tyr Gly Val)e配列及び{Asp Gly Gly (Ala)f Gly Gly Ala}g配列が挙げられる。なお、aは1〜25の整数、b、c、d及びeは1〜8の整数、fは1〜44の整数、fが1の場合gは1〜7の整数、fが2の場合gは1〜6の整数、fが3又は4の場合gは1〜5の整数、fが5又は6の場合gは1〜4の整数、fが7〜10の整数の場合gは1〜3、fが11〜19の整数の場合gは1又は2、fが20〜44の整数の場合gは1である。
(Gly Ala)a配列の場合は、具体的には配列(18)〜(20)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Ala Gly Ser)b配列の場合は、具体的には配列(21)〜(23)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Ala Gly Tyr)c配列の場合は、具体的には配列(24)〜(26)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Val Gly Tyr)d配列の場合は、具体的には配列(27)〜(29)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
(Gly Ala Gly Tyr Gly Val)e配列の場合は、具体的には配列(30)〜(32)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
{Asp Gly Gly (Ala)f Gly Gly Ala}g配列の場合は、具体的には配列(33)〜(35)で表されるアミノ酸配列等が挙げられる。
これらの補助アミノ酸配列(Y)が複数回繰り返した配列のうち、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、配列(21)〜(23)が好ましく、さらに好ましくは配列(21){b=2}及び(22){b=4}である。
ポリペプチド(P)は、さらに、アミノ酸配列(X’)を有してもいい。
アミノ酸配列(X’)は、アミノ酸配列(X)中の1個又は2個のValがLysに置換されたアミノ酸配列である。
(X’)としては、アミノ酸配列(X)中の1個のValがLysに置換された下記配列(X’−1)〜(X’−4)又はアミノ酸配列(X)中の2個のValがLysに置換された下記配列(X’−5)〜(X’−8)が含まれる。
(X’−1):ペンタペプチド配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)、Gly Val Gly Lys Pro配列(37)、Lys Gly Val Pro Gly配列(38)、Val Gly Lys Pro Gly配列(39)、Gly Lys Pro Gly Val配列(40)、Gly Val Pro Gly Lys配列(41)、Lys Pro Gly Val Gly配列(42)、Val Pro Gly Lys Gly配列(43)、Pro Gly Lys Gly Val配列(44)及びPro Gly Val Gly Lys配列(45)等が挙げられる。
(X’−2):ヘキサペプチド配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Val Ala Pro配列(46)、Gly Val Gly Lys Ala Pro配列(47)、Lys Gly Val Ala Pro Gly配列(48)、Val Gly Lys Ala Pro Gly配列(49)、Gly Lys Ala Pro Gly Val配列(50)、Gly Val Ala Pro Gly Lys配列(51)、Lys Ala Pro Gly Val Gly配列(52)、Val Ala Pro Gly Lys Gly配列(53)、Ala Pro Gly Lys Gly Val配列(54)、Ala Pro Gly Val Gly Lys配列(55)、Pro Gly Lys Gly Val Ala配列(56)及びPro Gly Val Gly Lys Ala配列(57)等が挙げられる。
(X’−3):配列(12)のアミノ酸配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)及びAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Lys Gly配列(59)等が挙げられる。
(X’−4):配列(13)のアミノ酸配列中の1個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(60)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Lys Gly配列(61)等が挙げられる。
(X’−5):ペンタペプチド配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Lys Pro配列(62)、Lys Gly Lys Pro Gly配列(63)、Gly Lys Pro Gly Lys配列(64)、Lys Pro Gly Lys Gly配列(65)及びPro Gly Lys Gly Lys配列(66)等が挙げられる。
(X’−6):ヘキサペプチド配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Gly Lys Gly Lys Ala Pro配列(67)、Lys Gly Lys Ala Pro Gly配列(68)、Gly Lys Ala Pro Gly Lys配列(69)、Lys Ala Pro Gly Lys Gly配列(70)、Ala Pro Gly Lys Gly Lys配列(71)及びPro Gly Lys Gly Lys Ala配列(72)等が挙げられる。
(X’−7):配列(12)のアミノ酸配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Lys Gly配列(73)等が挙げられる。
(X’−8):配列(13)のアミノ酸配列中の2個のValがLysに置換された配列。具体的には、Ala Gly Lys Pro Gly Leu Gly Lys Gly配列(74)等が挙げられる。
アミノ酸配列(X’)のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、(X’−1)が好ましく、さらに好ましくはGly Lys Gly Val Pro配列(36)である。
ポリペプチド(P)1分子中には、2種以上の(X’)を含んでもいい。
ポリペプチド(P)がアミノ酸配列(X’)を有するものである場合、(P)1分子中に(X’)を少なくとも1個有すればよいが、ポリペプチド(P)の溶解性、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、(P)1分子中に1〜20個有するものが好ましく、さらに好ましくは6〜17個、最も好ましくは13個である。
また、(P)1分子中の(X)の数と(X’)の数との比((X)/(X’))は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、5〜20が好ましく、さらに好ましくは7〜15である。
上記アミノ酸配列(X)及び/又は(X’)の両端には、介在アミノ酸配列(Z)を有してもいい。
介在アミノ酸配列(Z)としては、アミノ酸配列(X)、アミノ酸配列(X’)及び補助アミノ酸配列(Y)以外のアミノ酸配列が含まれ、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、チロシン(Tyr)、プロリン(Pro)、トリプトファン(Trp)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Arg)、リジン(Lys)及び/又はヒスチジン(His)等から構成されるアミノ酸配列が含まれる。
(Z)は、アミノ酸1個又はアミノ酸が2個以上結合したペプチド配列である。(Z)を構成するアミノ酸の数は、ペプチドの熱安定性の観点から、1〜30個が好ましく、さらに好ましくは1〜15個、次にさらに好ましくは1〜10個、特に好ましくは1〜4個である。
ポリペプチド(P)中の上記介在アミノ酸配列(Z)の含有量は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、ポリペプチド(P)の重量を基準として、0〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは0〜13重量%である。
ポリペプチド(P)がアミノ酸配列(X)、補助アミノ酸配列(Y)及びアミノ酸配列(X’)を有するポリペプチドである場合、ポリペプチド(P)の溶解性、細胞の低接着性、アポトーシス抑制及び(P)の熱安定性の観点から、アミノ酸配列(X)と補助アミノ酸配列(Y)とが結合し、アミノ酸配列(X)とアミノ酸配列(X’)とが結合している配列を有するものが好ましく、さらに好ましくはアミノ酸配列(X’)が1個又は2個以上結合した配列をアミノ酸配列(X)とアミノ酸配列(X)との間に有することであり、最も好ましくはポリペプチド(P)がアミノ酸ブロック(L)[{(アミノ酸配列(X))l−(アミノ酸配列(X’))m−(アミノ酸配列(X))n−(補助アミノ酸配列(Y))o};l、m、n及びoは1〜100の整数並びに/又は{(補助アミノ酸配列(Y))q−(アミノ酸配列(X))r−(アミノ酸配列(X’))s−(アミノ酸配列(X))t−(補助アミノ酸配列(Y))u};q、r、s、t及びuは1〜100の整数]を有していることである。
lは、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数であり、次にさらに好ましくは3〜11の整数である。
mは、(P)の溶解性、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜20の整数である。
nは、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数であり、次にさらに好ましくは3〜11の整数である。
0は、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数である。
qは、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数である。
rは、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数であり、次にさらに好ましくは3〜11の整数である。
sは、(P)の溶解性、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは1〜20の整数である。
tは、細胞の低接着性及びアポトーシスの観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数であり、次にさらに好ましくは3〜11の整数である。
uは、細胞の低接着性及びポリペプチド(P)の熱安定性の観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数である。
アミノ酸ブロック(L)として、具体的には、下記アミノ酸ブロック(L1)〜(L7)が含まれる。
○アミノ酸配列(X)がペンタペプチド配列である場合
アミノ酸ブロック(L1):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。ペンタペプチド配列としては、配列(1)〜(5)のいずれか1つが繰り返し化学結合していることが好ましい。例えば、アミノ酸ブロック(L1−1){(配列(1))4−(配列(36))−(配列(1))3−(配列(14))2}、アミノ酸ブロック(L1−2){(配列(2))4−(配列(36))−(配列(2))3−(配列(14))2}、アミノ酸ブロック(L1−3){(配列(3))4−(配列(36))−(配列(3))3−(配列(14))2}、アミノ酸ブロック(L1−4){(配列(4))4−(配列(36))−(配列(4))3−(配列(14))2}及びアミノ酸ブロック(L1−5){(配列(5))4−(配列(36))−(配列(5))3−(配列(14))2}等が挙げられる。
アミノ酸ブロック(L2):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。ペンタペプチド配列としては、配列(1)〜(5)のいずれか1つが繰り返し化学結合していることが好ましい。例えば、アミノ酸ブロック(L2−1){(配列(1))4−(配列(36))−(配列(1))3−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L2−2){(配列(2))4−(配列(36))−(配列(2))3−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L2−3){(配列(3))4−(配列(36))−(配列(3))3−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L2−4){(配列(4))4−(配列(36))−(配列(4))3−(配列(14))4}及びアミノ酸ブロック(L2−5){(配列(5))4−(配列(36))−(配列(5))3−(配列(14))4}等が挙げられる。
アミノ酸ブロック(L3):Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。ペンタペプチド配列としては、配列(1)〜(5)のいずれか1つが繰り返し化学結合していることが好ましい。例えば、アミノ酸ブロック(L3−1){(配列(14))2−(配列(1))4−(配列(36))−(配列(1))11−(配列(14))2}、アミノ酸ブロック(L3−2){(配列(14))2−(配列(2))4−(配列(36))−(配列(2))11−(配列(14))2}アミノ酸ブロック(L3−3){(配列(14))2−(配列(3))4−(配列(36))−(配列(3))11−(配列(14))2}、アミノ酸ブロック(L3−4){(配列(14))2−(配列(4))4−(配列(36))−(配列(4))11−(配列(14))2}及びアミノ酸ブロック(L3−5){(配列(14))2−(配列(5))4−(配列(36))−(配列(5))11−(配列(14))2}等が挙げられる。
アミノ酸ブロック(L4);Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。ペンタペプチド配列としては、配列(1)〜(5)のいずれか1つが繰り返し化学結合していることが好ましい。例えば、アミノ酸ブロック(L4−1){(配列(14))2−(配列(1))4−(配列(36))−(配列(1))11−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L4−2){(配列(14))2−(配列(2))4−(配列(36))−(配列(2))11−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L4−3){(配列(14))2−(配列(3))4−(配列(36))−(配列(3))11−(配列(14))4}、アミノ酸ブロック(L4−4){(配列(14))2−(配列(4))4−(配列(36))−(配列(4))11−(配列(14))4}及びアミノ酸ブロック(L4−5){(配列(14))2−(配列(5))4−(配列(36))−(配列(5))11−(配列(14))4}等が挙げられる。
○アミノ酸配列(X)がヘキサアミノ酸配列であるもの
アミノ酸ブロック(L5);ヘキサペプチド配列{(6)〜(11)のいずれか1つ}が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Ala Pro配列(46)を結合し、さらにヘキサペプチド配列{(6)〜(11)のいずれか1つ}が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。
○アミノ酸配列(X)がAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)のもの
アミノ酸ブロック(L6);Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)が4回繰り返した配列に、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)を結合し、さらにAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。
○アミノ酸配列(X)がAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)のもの
アミノ酸ブロック(L7);Ala Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)が4回繰り返した配列に、Ala Gly Lys Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(60)を結合し、さらにAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック。
アミノ酸ブロック(L)のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、アミノ酸ブロック(L1)〜(L4)が好ましい。
また、アミノ酸ブロック(L)は、ポリペプチド(P)中に1種含んでも良く、2種以上含んでも良い。
ポリペプチド(P)は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、アミノ酸ブロック(L)を1〜100個有していることが好ましく、さらに好ましくはアミノ酸ブロック(L1)〜(L7)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロックを1〜100個有していることであり、次にさらに好ましくはアミノ酸ブロック(L1)〜(L4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロックを1〜100個有していることである。
ポリペプチド(P)がアミノ酸ブロック(L)が繰り返した構造を有している場合、アミノ酸ブロック(L)の繰り返し数は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、1〜50の整数が好ましく、さらに好ましくは2〜20の整数であり、次にさらに好ましくは6〜17の整数である。
ポリペプチド(P)は、発現させた(P)の精製または検出を容易にするために、(P)のN又はC末端に特殊なアミノ酸配列を有するタンパク質又はペプチド(以下これらを「精製タグ」と称する)を有してもいい。精製タグとしては、アフィニティー精製用のタグが利用される。そのような精製タグとしては、ポリヒスチジンからなる6×Hisタグ、V5タグ、Xpressタグ、AU1タグ、T7タグ、VSV−Gタグ、DDDDKタグ、Sタグ、CruzTag09TM、CruzTag22TM、CruzTag41TM、Glu−Gluタグ、Ha.11タグ及びKT3タグ等がある。
以下に、各精製タグ(i)とそのタグを認識結合するリガンド(ii)との組み合わせの一例を示す。
(i−1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GTS) (ii−1)グルタチオン
(i−2)マルトース結合タンパク質(MBP) (ii−2)アミロース
(i−3)HQタグ (ii−3)ニッケル
(i−4)Mycタグ (ii−4)抗Myc抗体
(i−5)HAタグ (ii−5)抗HA抗体
(i−6)FLAGタグ (ii−6)抗FLAG抗体
(i−7)6×Hisタグ (ii−7)ニッケル又はコバルト
前記精製タグ配列の導入方法としては、発現用ベクターにおけるポリペプチド(P)をコードする核酸の5’又は3’末端に精製タグをコードする核酸を挿入する方法や市販の精製タグ導入用ベクターを使用する方法等が挙げられる。
ポリペプチド(P)は、直鎖構造を有するものである(分岐構造、環状構造及び架橋構造を持たない。)ことが好ましい。なお、直鎖構造にはβシート構造(直鎖状ペプチドが折れ曲がってこの部分同士が平行に並び、その間に水素結合が作られる二次構造)も含まれる。
ポリペプチド(P)の数平均分子量(以下、Mnと略記)は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、30,000〜120,000が好ましく、さらに好ましくは50,000〜100,000、特に好ましくは60,000〜80,000である。なお、Mnは、公知の方法により測定でき、例えば、SDS−PAGE(SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動)法により、測定サンプルを分離し、泳動距離を標準物質と比較することによって求められる。
ポリペプチド(P)1分子中のアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量(重量%)は、細胞の低接着性、(P)の溶解性及びアポトーシス抑制の観点から、(P)の分子量を基準として、40〜80重量%が好ましく、さらに好ましくは50〜70重量%である。
ポリペプチド(P)中のアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量は、プロテインシークエンサーによって求めることができる。具体的には、下記の測定法により求めることができる。
<アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の含有量の測定法>
特定のアミノ酸残基で切断出来る切断方法から2種類以上を用いて、ポリペプチド(P)を30残基以下程度まで分解する。その後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分離した後、プロテインシークエンサーにてアミノ酸配列を読み取る。得られたアミノ酸配列からペプチドマッピングして、ポリペプチド(P)の全配列を決定する。その後、以下記載の測定式にてアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量を測定する。
アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計含有量(%)=[{アミノ酸配列(X)の分子量}×{アミノ酸配列(X)の数}+{アミノ酸配列(X’)の分子量}×{アミノ酸配列(X’)の数}]/{(P)の分子量}×100
ポリペプチド(P)1分子中の、補助アミノ酸配列(Y)の個数とアミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計個数との比率(補助アミノ酸配列(Y)の個数:アミノ酸配列(X)及びアミノ酸配列(X’)の合計個数)は、細胞の低接着性、(P)の熱安定性及びアポトーシス抑制の観点から、1:2〜1:20が好ましく、さらに好ましくは1:2〜1:10である。
ポリペプチド(P)は、アミノ酸配列(X)を有することにより、細胞どうし及び細胞が基材等に接着することを抑制し、(P)から細胞にシグナルが導入されてアポトーシス抑制効果を発揮し、細胞の生存率を高くすることができる。また、アミノ酸配列(X’)を有することにより、水溶性が向上しハンドリング性が向上するとともに、さらに細胞どうしが接着することを抑制する効果が高くなる。また、補助アミノ酸配列(Y)を有することにより、βシート構造をとり、ポリペプチドの熱安定性が高くなる。
好ましいポリペプチド(P)の一部を以下に例示する。
(i)アミノ酸配列(X)がGly Val Gly Val Pro配列(1)の場合
この場合、ポリペプチド(P)が、Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を有するポリペプチドであることが好ましい。具体的には以下の例が挙げられる。
(i−1)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を56個、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を8個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を16個有するポリペプチド(P1)。
(P1)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L1−1)が8回繰り返し化学結合したMn35,164の配列(75)のポリペプチドが含まれる。
(i−2)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を119個、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を17個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を34個有するポリペプチド(P2)
(P2)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L1−1)が17回繰り返し化学結合したMn76,581の配列(76)のポリペプチドが含まれる。
(i−3)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を49個、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を7個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を28個有するポリペプチド(P3)
(P3)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L2−1)が7回繰り返し化学結合したMn35,863の配列(77)のポリペプチド。
(i−4)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を91個、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を13個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を52個有するポリペプチド(P4)
(P4)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L2−1)が13回繰り返し化学結合したMn69,772の配列(78)のポリペプチド。
(i−5)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を120個、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を8個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を32個有するポリペプチド(P5)
(P5)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L3−1)が8回繰り返し化学結合したMn71,445の配列(79)のポリペプチド。
(i−6)Gly Val Gly Val Pro配列(1)を90個およびGly Lys Gly Val Pro配列(36)を6個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を36個有するポリペプチド(P6)
(P6)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L4−1)が6回繰り返し化学結合したMn64,694の配列(80)のポリペプチド。
(ii)アミノ酸配列(X)がGly Val Gly Val Ala Pro配列(6)の場合
(ii−1)Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)を91個、Gly Lys Gly Val Ala Pro配列(46)を13個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を52個有するポリペプチド(P7)
(P7)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L5)が13回繰り返し化学結合したMn71,195の配列(81)のポリペプチド。
(iii)アミノ酸配列(X)がAla Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)の場合
(iii−1)Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)を91個、Ala Gly Lys Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(58)を13個及びGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)を52個有するポリペプチド(P8)
(P8)として、具体的には、上記アミノ酸ブロック(L6)が13回繰り返し化学結合したMn105,933の配列(82)のポリペプチド。
ポリペプチド(P)は、人工的に製造でき、有機合成法(酵素法、固相合成法及び液相合成法等)、及び遺伝子組み換え法等によって容易に製造できる。有機合成法に関しては、生化学実験講座1、タンパク質の化学IV(1981年7月1日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)又は続生化学実験講座2、タンパク質の化学(下)(昭和62年5月20日、日本生化学会編、株式会社東京化学同人発行)に記載されている方法等が適用できる。遺伝子組み換え法に関しては、特許第3338441号公報に記載されている方法等が適用できる。有機合成法及び遺伝子組み換え法はともに、ポリペプチド(P)を作製できるが、ポリペプチド(P)を安価に大量生産できるという観点等から、遺伝子組み換え法が好ましい。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドは、上記ポリペプチド(P)であることにより、細胞表面に存在するインテグリンと(P)が結合(接触)し、細胞内にシグナルが伝達されるので、アポトーシス抑制効果が発揮されると推察される。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドは、浮遊性細胞(S)の浮遊培養に用いるポリペプチド(P)である。
浮遊性細胞(S)としては、浮遊したまま生存する細胞として一般的に知られている細胞が含まれ、具体的には、血球系細胞(血液由来細胞、骨髄由来細胞、リンパ芽球、Tリンパ芽球様細胞、Bリンパ芽球様細胞、赤芽球様細胞、Tリンパ球様、Bリンパ球、好酸球性細胞、好塩基球様細胞及びマクロファージ等)並びに幹細胞等が挙げられる。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドと浮遊性細胞(S)との細胞接着性(%)は、細胞安定性の観点から、0〜20%が好ましく、さらに好ましくは0〜10%である。
浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドと浮遊性細胞(S)との細胞接着性とは、培養容器に浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドを含む溶液中に浮遊性細胞(S)を懸濁させた溶液を加え、溶媒を減圧留去し、容器を洗浄したときに、培養容器に加えた(S)の数に対する容器に付着している(S)の割合を表し、下記測定法で測定することができる。
<浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドと浮遊性細胞(S)との細胞接着性の測定>
ポリペプチド(P)を10μg/Lの濃度で含むRPMI培地(10mL)に、MEL細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)(1×105個)を加え、細胞懸濁液を作製する。細胞培養用96ウェルプレート(IWAKI社製)に細胞懸濁液を0.1mL加え、37℃、5容量%CO2条件下で2時間静置する。
2時間静置後、アスピレーターを用いて培地を除去し、生理食塩水を細胞に直接当たらないように注意しながら100μL/穴で添加し、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去する。次にPBSを50μL/穴で添加し、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置する。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(参照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定する。容器に付着した細胞数は、吸光度の高さに比例するので、予め、細胞の数と吸光度の関係を表す検量線を作成しておき、測定された吸光度から容器に付着している細胞の数(y)を算出する。下記式から、細胞接着性を算出する。
細胞接着性(%)={細胞の数(y)}/{培養容器に加えた細胞の数(1×105×0.01)}×100
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドの使用方法としては、浮遊性細胞(S)を浮遊培養する際に、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドの存在下で培養する方法が含まれ、特に制限はない。例えば、培養容器等に浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドを存在させて培養する方法や、培養液中に存在させて培養する方法等が挙げられ、具体的には、後述する本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材及び/又は浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いて浮遊性細胞を培養する方法等が挙げられる。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材は、上記ポリペプチド(P)及び基材(B)からなる浮遊培養用基材である。
基材(B)の素材としては、プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリアルフォオレフィン、ポリプロピレン、ポリエチレン及びこれらの複合体等)及び/又は無機物(例えば、ガラス、セラミックス、金属及びこれらの複合体等)が挙げられる。
(B)の素材としては、プラスチックやガラスなど、透明で培養中の細胞を顕微鏡観察ができるものが好ましい。
基材(B)としては、従来の細胞培養(浮遊性細胞の培養)に用いる基材(細胞培養容器等)を制限無く使用できるが、入手が容易である観点から、細胞培養容器が好ましい。細胞培養容器としては、マルチウェルプレート(例えば、6穴プレート、24穴プレート及び96穴プレート等)、シャーレ(例えば、直径(mm);35、60及び100等)、T−フラスコ(例えば、容量(mL);25、75、150及び225等)、ローラーボトル(例えば、培養面積(cm2);690、970、1200及び1300等)、スピンナーフラスコ(例えば、容量(mL);50、125、250及び500mL等)及びシェーカー(例えば、容量(mL);50、125、250及び500mL等)等が用いられる。
本発明において、浮遊性細胞浮遊培養用基材表面におけるポリペプチド(P)のコーティング量は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、浮遊培養用基材の培養に用いる面において単位面積(cm2)あたり0.001〜5μgが好ましく、さらに好ましくは0.01〜2.1μgである。
なお、培養に用いる面とは、例えば、基材(B)が細胞培養容器であれば、容器の内側であって、培養液を入れて培養する際に、培養が攪拌培養の場合は培養液と接触する部分であり、静置培養の場合は、細胞が接触する底面部分である。この部分がポリペプチド(P)でコーティングされていると、ポリペプチド(P)と培養液中に存在する細胞とが結合(接触)し、細胞と培養容器との接着を抑制したり、アポトーシスを抑制することができる。
浮遊性細胞浮遊培養用基材表面におけるポリペプチド(P)のコーティング量は、具体的には、下記の測定法により測定できる。
<ポリペプチド(P)のコーティング量の測定>
Micro BCATM protein assay kit(THERMO Fisher Scientific社製)付属のReagentA溶液:ReagentB溶液:ReagentC溶液=25:24:1の混合液(C)を作成する。浮遊性細胞浮遊培養用基材に対して、測定したい基材の表面積に対して312.5μL/cm2で混合液(C)を加え、測定したい基材の表面にまんべんなく付着させて、37℃で2時間静置する。
静置2時間後に、ビシンコニン酸(BCA)とCu+のキレート生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて室温で測定する。さらに、あらかじめウシ血清アルブミンにより作成した検量線からコーティング量を得る。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材は、基材(B)及びポリペプチド(P)からなるものであればよく、ポリペプチド(P)が基材(B)の表面に物理吸着及び/又は化学結合(イオン結合及び/又は水素結合)したものが含まれる。
物理吸着させる方法としては、ポリペプチド(P)の水溶液に、基材(B)を浸して、37℃で所定の時間吸着させる方法が含まれる。吸着後は、余剰の溶液を除去もしくは乾燥させることにより、浮遊性細胞浮遊培養用基材を得ることができる。
化学結合させる方法としては、基材(B)がプラスチック材料の場合は、例えば、N−ヒドロキシコハク酸イミド又はカルボジイミド等の存在下で、基材(B)とポリペプチド(P)を接触させることによりエステル化又はアミド化させ、洗浄乾燥させる方法等が含まれる。基材(B)が金属材料又は無機材料の場合、シランカップリング剤又はチタンカップリング剤などを基材(B)と反応させた後、ポリペプチド(P)とグルタルアルデヒドで架橋させ、洗浄乾燥させる方法が含まれる。
上記のうち、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、物理吸着が好ましい。
浮遊性細胞浮遊培養用基材に播種した浮遊性細胞(S)のうち、基材に接着する(S)の割合を示す細胞接着率は、浮遊性細胞の培養に用いる観点から、0〜20%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜20%である。
浮遊性細胞浮遊培養用基材に対する浮遊性細胞(S)の細胞接着率は、具体的には下記測定法によって測定できる。
<浮遊性細胞浮遊培養用基材に対する浮遊性細胞(S)の細胞接着率の測定>
浮遊性細胞浮遊培養用基材に、ポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cm2で0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2、純度99.5重量%塩化ナトリウムを0.85重量%含有するリン酸緩衝生理食塩水(以下、PBSと略記))を加えて2回洗浄し、さらに脱イオン水をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cm2で加えて、まんべんなく接触するようにして、1回洗浄する。
次に、血清を含まないDMEM培地(ICN Biomedicals社製)をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cm2で加え、まんべんなく接触するようにして、37℃インキュベーター内に1時間保存する。1時間後、MEL細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を、ポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して約2万cells/cm2で播種し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて2時間放置して培養する。
培養終了後、アスピレーターを用いて培地を除去し、細胞に直接当たらないように注意しながら生理食塩水をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して312.5μL/cm2で加え、まんべんなく接触するようにして、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去する。次にPBSをポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して156.25μL/cm2で加え、まんべんなく接触するようにして、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)をポリペプチド(P)を付着させた部分の面積に対して31.25μL/cm2で加え、まんべんなく接触するようにして、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置する。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定する。接着した細胞数は、吸光度の高さに比例するので、接着した細胞数はあらかじめ作成しておいた検量線から算出する。細胞接着率は、算出した接着した細胞数と播種した細胞数から、下記式によって算出する。
細胞接着率(%)=(接着した細胞数/播種した細胞数)×100
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材の使用方法としては、従来の細胞培養と同じでよく、特に制限はない。例えば、浮遊性細胞浮遊培養用基材に細胞懸濁液を加える方法及び細胞懸濁液中に浮遊性細胞浮遊培養用基材を浸す方法が挙げられる。本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いて浮遊性細胞(S)を培養することにより、細胞が基材に接着することを抑制することができ、細胞どうしが接着することも抑制することができる。また、ポリペプチド(P)が浮遊性細胞浮遊培養用基材の表面に存在することで、細胞表面に存在するインテグリンと(P)が結合(接触)し、細胞内にシグナルが伝達されるので、アポトーシス抑制効果が発揮されると推察される。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用培養液は、ポリペプチド(P)及び培地(C)を含む浮遊培養用培養液である。
培地(C)としては、無血清培地及び血清培地が含まれる。
無血清培地としては、RPMI培地(RPMI1640培地等)、Grace培地、IPL−41培地、Schneider’s培地、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、RPMI培地、DMEM培地、MEM培地、Eagle’sMEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等が挙げられる。
これらのうち、細胞の安定性の観点から、RPMI1640培地、Opti−PROTMSFM培地、Opti−MEMTMI培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、CD−CHO培地、CHO−S−SFMII培地、FreeStyleTM293培地、CD−CHO AGTTM培地、DMEM培地及びこれらの混合培地が好ましく、さらに好ましくはRPMI1640培地、Opti−PROTMSFM培地、VP−SFM培地、CD293培地、293SFMII培地、FreeStyleTM293培地、DMEM培地及びこれらの混合培地である。
血清培地としては、一般の培地(DMEM培地、DME培地、RPMI培地、MEM培地、BME培地、DME培地、αMEM培地、IMEM培地、ES培地、DM−160培地、Fisher培地、F12培地、WE培地、ASF103培地、ASF104培地、ASF301培地、TC−100培地、Sf−900II培地、Ex−cell405培地、Express−Five培地、Drosophila培地及びこれらの混合培地等)に血清を加えたもの等が挙げられる。血清としては、ヒト血清、及び動物血清(ウシ血清、ウマ血清、ヤギ血清、ヒツジ血清、ブタ血清、ウサギ血清、ニワトリ血清、ラット血清、及びマウス血清等)が含まれる。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用培養液中のポリペプチド(P)の濃度は、細胞間の接着抑制の観点から、0.1〜50,000μg/mLが好ましく、さらに好ましくは1〜21,000μg/mLである。
培地(C)中には、成長因子を添加してもいい。成長因子としては、上皮成長因子(Epidermal growth factor:EGF)、インスリン様成長因子(Insulin−like growth factor:IGF)、トランスフォーミング成長因子(Transforming growth factor:TGF)、神経成長因子(Nerve growth factor:NGF)、脳由来神経栄養因子(Brain−derived neurotrophic factor:BDNF)、血管内皮細胞増殖因子(Vesicular endothelial growth factor:VEGF)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte−colony stimulating factor:G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(Granulocyte−macrophage−colony stimulating factor:GM−CSF)、血小板由来成長因子(Platelet−derived growth factor:PDGF)、エリスロポエチン(Erythropoietin:EPO)、トロンボポエチン(Thrombopoietin:TPO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor:bFGFまたはFGF2)、肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)等が挙げられる。
培地(C)中の成長因子の濃度は、細胞増殖性の観点から、0.01〜100nMが好ましく、さらに好ましくは0.1〜50nMである。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用培養液のpHは、通常細胞培養に用いられるpHであれば特に制限ないが、細胞の生存率の観点から、pH6.0〜8.0が好ましく、さらに好ましくはpH6.5〜7.5である。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用培養液の使用方法としては、従来の細胞培養と同じでよく、特に制限はない。本発明の浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いて浮遊性細胞(S)を培養することにより、細胞が基材に接着することを抑制することができる。また、ポリペプチド(P)が浮遊性細胞浮遊培養用培養液中に存在することで、細胞表面に存在するインテグリンと(P)が結合し、細胞内にシグナルが伝達されるので、アポトーシス抑制効果が発揮されると推察される。
本発明の培養方法は、ポリペプチド(P)の存在下で浮遊性細胞(S)を浮遊培養する培養方法である。
本発明の培養方法において、ポリペプチド(P)の存在下で浮遊性細胞(S)を浮遊培養する以外は従来の培養方法と同じでよく、特に制限はない。
本発明の培養方法においては、上記浮遊性細胞浮遊培養用基材及び/又は浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いることが好ましい。
例えば、下記工程(1)及び(2)又は(1’)及び(2)により培養する方法が含まれる。
(1)浮遊性細胞浮遊培養用基材が培養容器である場合は、浮遊性細胞浮遊培養用基材に、培養液として、培地又は浮遊性細胞浮遊培養用培養液、必要によりさらにポリペプチド(P)を入れ、浮遊性細胞(S)を懸濁させる工程
(1’)浮遊性細胞浮遊培養用基材が培養容器でない場合は、培養容器に、培養液として、培地及びポリペプチド(P)を入れ、又は浮遊性細胞浮遊培養用培養液を入れ、必要により浮遊性細胞浮遊培養用基材を浸し、必要によりさらにポリペプチド(P)を入れ、浮遊性細胞(S)を懸濁させる工程
(2)所定の温度で所定の時間培養する工程
本発明の培養方法において、浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いる場合、浮遊性細胞浮遊培養用基材の培養に用いる面におけるポリペプチド(P)の含有量は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、浮遊性細胞(S)1万個に対して0.001〜5μgであることが好ましく、さらに好ましくは0.003〜2.1μgである。
なお、培養に用いる面とは、例えば、基材(B)が細胞培養容器であれば、容器の内側であって、培養液を入れて培養する際に培養液と接触する部分である。この部分がポリペプチド(P)でコーティングされていると、ポリペプチド(P)と培養液中に存在する細胞とが接触し、細胞の接着を抑制したり、アポトーシスを抑制することができる。
本発明の培養方法において、培養液中のポリペプチド(P)の濃度は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、培養開始から培養終了までのいずれかの時点において、浮遊性細胞(S)1万個に対して0.01〜5000μgであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜2100μgである。
また、浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いる場合、浮遊性細胞浮遊培養用培養液中のポリペプチド(P)の含有量は、細胞の低接着性及びアポトーシス抑制の観点から、培養開始から培養終了までのいずれかの時点において、浮遊性細胞(S)1万個に対して0.1〜5μgであることが好ましく、さらに好ましくは1〜2.1μgである。なお、培養開始時は、浮遊性細胞浮遊培養用培養液と(S)とが共存した時点を示し、培養終了時は、細胞の増殖が停止した時点、生産が停止した時点などが挙げられる。
また、本発明の培養方法において、培養液中のポリペプチド(P)の濃度は、培養開始から培養終了までの50%以上の時間上記範囲であることが好ましく、さらに好ましくは80%以上の時間上記範囲であることであり、特に好ましくは100%の時間上記範囲であることである。
工程(1)及び(1’)において、浮遊性細胞浮遊培養用培養液中に懸濁させる浮遊性細胞(S)の濃度(cells/mL)は、細胞の生存率の観点から、103〜107cells/mLが好ましく、さらに好ましくは104〜106cells/mLである。
浮遊性細胞浮遊培養用培養液の温度は、通常細胞培養に用いられる温度であれば特に制限ないが、細胞の生存率の観点から、25〜45℃が好ましく、さらに好ましくは30〜40℃で、最も好ましくは37℃である。
浮遊性細胞浮遊培養用培養液のpHは、通常細胞培養に用いられるpHであれば特に制限ないが、細胞の生存率の観点から、pH6.0〜8.0が好ましく、さらに好ましくはpH6.5〜7.5である。
工程(2)において、培養温度は、細胞の生存率の観点から、25〜45℃が好ましく、さらに好ましくは30〜40℃で、最も好ましくは37℃である。
培養時間は、細胞の生存率の観点から、1〜10日間が好ましく、さらに好ましくは3〜7日間である。
培養容器がマルチウェルプレート、平底プレート、シャーレ及びT−フラスコである場合、旋回培養できないため、静置培養する。
培養容器がスピナーフラスコ及びローラーボトルである場合、細胞の低接着性の観点から、旋回培養することが好ましい。
旋回培養の場合、攪拌の回転数は、細胞の生存率及び細胞の低接着性の観点から、30〜120rpmが好ましく、さらに好ましくは60〜80rpmである。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
○ポリペプチド(P1)の作製
特表平3−502935号公報中の実施例記載の方法に準じて、遺伝子組換え大腸菌により製造し、カラムクロマトグラフィーにて精製した、Gly Val Gly Val Pro配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L1−1)が8回繰り返し化学結合したMn35,164の配列(75)のポリペプチド(P1)を得た。
<実施例2>
○ポリペプチド(P2)の作製
実施例1と同様にして、上記アミノ酸ブロック(L1−1)が17回繰り返し化学結合したMn76,581の配列(76)のポリペプチド(P2)を作製した。
<実施例3>
○ポリペプチド(P3)の作製
実施例1と同様にして、Gly Val Gly Val Pro配列(1)が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにGly Val Gly Val Pro配列(1)が3回繰り返した配列が化学結合し、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L2−1)が7回繰り返し化学結合したMn35,863の配列(77)のポリペプチド(P3)を作製した。
<実施例4>
○ポリペプチド(P4)の作製
実施例1と同様にして、上記アミノ酸ブロック(L2−1)が13回繰り返し化学結合したMn69,772の配列(78)のポリペプチド(P4)を作製した。
<実施例5>
○ポリペプチド(P5)の作製
実施例1と同様にして、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L3−1)が8回繰り返し化学結合したMn71,445の配列(79)のポリペプチド(P5)を作製した。
<実施例6>
○ポリペプチド(P6)の作製
実施例1と同様にして、Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、Gly Val Gly Val Pro配列(1)が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにGly Val Gly Val Pro配列(1)が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック(L4−1)が6回繰り返し化学結合したMn64,694の配列(80)のポリペプチド(P6)を作製した。
<評価:浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドと浮遊性細胞(S)との細胞接着性の測定>
実施例1〜6で得たポリペプチド(P1)〜(P6)をそれぞれ10μg/Lの濃度で含むRPMI培地(10mL)に、MEL細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)(1×105個)を加え、細胞懸濁液を作製した。細胞培養用96ウェルプレート(IWAKI社製)に細胞懸濁液を0.1mL加え、37℃、5容量%CO2条件下で2時間静置した。
2時間静置後、アスピレーターを用いて培地を除去し、生理食塩水を細胞に直接当たらないように注意しながら100μL/穴で添加し、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去した。次にPBSを50μL/穴で添加し、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(参照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。容器に付着した細胞数は、吸光度の高さに比例するので、予め、細胞の数と吸光度の関係を表す検量線を作成しておき、測定された吸光度から容器に付着している細胞の数(y)を算出した。下記式から、細胞接着性を算出した。
細胞接着性(%)={細胞の数(y)}/{培養容器に加えた細胞の数(1×105×0.01)}×100
結果を表1に示す。
Figure 0006147498
<実施例7>
○ポリペプチド(P1)を用いた浮遊性細胞の浮遊培養
10mL容量のスピナーフラスコに、ポリペプチド(P1)100μg及びRPMI1640培地(10ml)を加えて浮遊性細胞浮遊培養用培養液とし、さらに、細胞(1×106個)を加えて、37℃、5容量%CO2、攪拌100rpmで7日間培養を行った。浮遊性細胞(S)1万個に対するポリペプチド(P)の量は、下記式から算出した。
(S)1万個に対するポリペプチド(P)の量(μg)=使用したポリペプチド(P)の量(μg)/100(万cells)
<実施例8〜12>
○ポリペプチド(P2)〜(P6)を用いた浮遊性細胞の浮遊培養
実施例7において、「ポリペプチド(P1)」に変えて、「ポリペプチド(P2)〜(P6)をそれぞれ」用いる以外は、実施例7と同様にして行った。
<実施例13>
実施例1において、ポリペプチド(P1)を「100μg」に代えて「1μg」とする以外は同様にして実施した。
<実施例14>
実施例1において、ポリペプチド(P1)を「100μg」に代えて「10μg」とする以外は同様にして実施した。
<実施例15>
実施例1において、ポリペプチド(P1)を「100μg」に代えて「500mg」とする以外は同様にして実施した。
<実施例16>
実施例1において、ポリペプチド(P1)を「100μg」に代えて「210mg」とする以外は同様にして実施した。
<比較例1>
実施例7において、ポリペプチド(P1)を加えない事以外は、実施例7と同様にして行った。
<評価:シングルセルの割合>
実施例7〜16及び比較例1において、培養7日培養後、培養液300μLをそれぞれのフラスコから回収した。
回収した培養液を、96wellプレートに3カ所ずつ、それぞれ100μl/ウェルで添加した。その後、それぞれのウェルについて、細胞の40倍の顕微鏡画像を取得し(用いた顕微鏡;CKX41,OLYMPUS社製、画像解析ソフト;image J,アメリカ国立衛生研究所)、全粒子数に対するシングルセルの割合を算出した。測定した結果は、3カ所のウェルの平均値で示した。結果を表2に示す。
<評価:カスパーゼ活性>
実施例7〜16及び比較例1において、7日間培養後、Caspase−Glo(登録商標)3/7 Assay(Promega社製)を用いて、カスパーゼ活性を測定した。カスパーゼ反応液を100μL/穴で添加し、室温で3時間放置した。3時間後、蛍光強度を、ルミネッセンスプレートリーダー MicroLumat Plus LB96(ベルトールドテクノロジー社製)を用いて測定した。比較例1の活性を100%として、カスパーゼ活性を相対値で表した。これらの結果を表2に示す(これらの結果は各々3穴分の平均データである。)。なお、カスパーゼ活性が低いものは、アポトーシス抑制効果が高いことを示す。
<細胞の活性評価;ミトコンドリア活性>
実施例7〜16及び比較例1において、7日間培養後、細胞にテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。生細胞数は細胞に核放出溶液(0.2重量%クリスタルバイオレット、0.2Mクエン酸三ナトリウム、2重量%Tween20)を加え、1時間置くことで生細胞の核を細胞から放出させ、血球計数盤を用いて核数を測定した。ホルマザン生成量を生細胞数で標準化し、細胞のミトコンドリア活性とした。得られたミトコンドリア活性は、比較例1で培養した細胞のミトコンドリア活性を100%とした相対値で表した。結果を表2に示す。
Figure 0006147498
表1の結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)は細胞接着性が低いことが分かる。
また、表2のシングルセルの割合の評価結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)を用いた実施例7〜16で培養した細胞は、シングルセルの割合が高く、細胞どうしの接着抑制効果が高いことが分かる。
また、表2のカスパーゼ活性の評価結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)を用いた実施例7〜16で培養した細胞は、ポリペプチド(P1)〜(P6)を用いない比較例1と比較して、カスパーゼ活性が低く、アポトーシスが効率よく抑制されていることが分かる。
また、表2のミトコンドリア活性の評価結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)を用いた実施例7〜16で培養した細胞は、ポリペプチド(P1)〜(P6)を用いない比較例1と比較して、ミトコンドリア活性が高いことがわかる。したがって、ポリペプチド(P1)〜(P6)を用いることで、高活性な細胞を生存率高く培養できたことが分かる。
以上のことから、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドを培養液中に存在させることで、浮遊性細胞どうしが接着するのを抑制し、アポトーシスを抑制し、高活性な細胞を生存率高く培養できることが分かる。
<実施例17>
○浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB1]の作製
ポリペプチド(P1)1mgを脱イオン水1mLに溶解し、さらに、0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2、純度99.5重量%塩化ナトリウムを0.85重量%含有するPBS)で希釈して、ポリペプチド(P1)溶液(A1)〜(A4){溶液(A1)〜(A4)中のポリペプチド(P1)の濃度(μg/mL);(A1):0.01、(A2):1、(A3):10、(A4):100}を作製した。この溶液(A1)〜(A4)を96穴のポリスチレンプレート(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、底面積:0.32cm2 )中の8穴ずつにそれぞれ50μL/穴で投入し、室温(約25℃)で2時間放置した。アスピレーターを用いて溶媒を除去した後、生理食塩水(0.9重量/容量% 塩化ナトリウム水溶液)100μL/穴で2回洗浄し、さらに脱イオン水100μL/穴で洗浄して、穴の底面をポリペプチド(P1)でコーティングした浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB1](コーティング量が異なるPB1−1〜PB1−4)を得た。
<実施例18〜22>
実施例17において、ポリペプチド(P1)に変えてポリペプチド(P2)〜(P6)をそれぞれ用いる以外は、実施例13と同様にして、[PB2]〜[PB6](コーティング量が異なるPB2−1〜PB6−4)を得た。
<比較例2>
ポリペプチド(P1)をポリビニルアルコール(以下、PVAと略記する)(日本塩ビ・ポバール社製、品名:JP−18)に変更したこと以外、実施例13と同様にして、基材の表面にポリビニルアルコールを有する比較用の浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB7](コーティング量が異なるPB7−1〜PB7−4)を得た。
<比較例3>
ポリペプチド(P1)をアガロース(ナカライテスク社製、品名:アガロース−RE)に変更したこと以外、実施例13と同様にして、基材の表面にアガロースを有する比較用の浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB8](コーティング量が異なるPB8−1〜PB8−4)を得た。
<比較例4>
浮遊性細胞浮遊培養用基材として市販されている、基材の表面に光架橋親水性ポリマーを有する浮遊培養用フラスコ(容量300μl、住友ベークライト株式会社製)を浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB9]として用いた。
<浮遊性細胞浮遊培養用基材(PB1〜PB6)のコーティング量の測定>
Micro BCATM protein assay kit(THERMO Fisher Scientific社製)に付属のReagent A溶液:Reagent B溶液:Reagent C溶液=25:24:1の混合液(C)を得た。浮遊性細胞浮遊培養用基材(コーティング量の異なるPB1−1)〜(PB6−4)の各ウェルに混合液(C)を100μL加え、37℃で2時間静置した。
2時間後に、ビシンコニン酸(BCA)とCu+とからなるキレートの生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定し、あらかじめウシ血清アルブミンにより作成した検量線からコーティング量を得た。これらの結果を表3に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<浮遊性細胞浮遊培養用基材(PB7)のコーティング量の測定>
コーティングプレート片(1g)を蒸留水50mLに加え、60℃で30分間加熱した。加熱後、ろ液を回収した。また、ろ過後のプレート片を0.1N HCl水50mLで1時間放置し、熱水200mLで洗いこみながらろ過した。それぞれのろ液を合わせて500mLにフィルアップした。
フィルアップ後、20mLを50mLメスフラスコに加えて、ホウ酸溶液(ホウ酸40g/l)を15mL添加した。その後、I2溶液(KI25g+I212.5g/1L)を3mL加え、50mLにフィルアップした。
室温で、690nmの吸光度(Molecular Devices社製、VERSA MAX platereader)からPVAの濃度を算出した。これらの結果を表3に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<浮遊性細胞浮遊培養用基材(PB8)のコーティング量の測定>
0.5M 2−シアノアセタミド水溶液50μl及びホウ酸―リン酸緩衝液(0.3Mホウ砂と0.3Mリン酸一水素カリウムを混合し、pH8.0に調整したもの)250μl加え、混合物をよく振り混ぜた後、98℃で30分間加熱した。
室温で、331nmで励起した383nmでの蛍光を測定(Molecular Devices社製、SPECTRA MAX GEMINI EM)し、アガロース濃度を算出した。これらの結果を表3に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
<評価:浮遊性細胞浮遊培養用基材に対する浮遊性細胞(S)の細胞接着率の測定>
血清を含まないRPMI1640培地を50μL/穴で[PB1]〜[PB9]にそれぞれ添加し、37℃インキュベーター内に1時間保存した。1時間後、MEL細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を1万cells/50μL/穴で添加し、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中にて2時間放置して培養した。
培養終了後、アスピレーターを用いて培地を除去し、生理食塩水を細胞に直接当たらないように注意しながら100μL/穴で添加し、アスピレーターを用いて生理食塩水を除去した。次にPBSを50μL/穴で添加し、さらにテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(参照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。接着した細胞数は、吸光度の高さに比例するので、接着した細胞数はあらかじめ作成しておいた検量線から算出する。細胞接着率は、算出した接着した細胞数と播種した細胞数から、下記式によって算出した。
細胞接着率(%)=接着した細胞数/播種した細胞数×100
これらの結果を表3に示す(これらの結果は各々8穴分の平均データである。)。
Figure 0006147498
表3の結果から、実施例18〜22の本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材及び比較例2〜3の浮遊性細胞浮遊培養用基材は、コーティング量が増えるにつれて細胞接着率が低くなり、浮遊性細胞が培養容器に接着することを抑制することができることが分かる。
<実施例23〜28>
細胞接着率が異なる浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB1]〜[PB6]に、それぞれ、MEL細胞の懸濁液100μL(10万cells/mL)を加えた。37℃、5容量%CO2で静置して、7日間培養を行った。なお、静置培養であるため、細胞はほぼ底面にしか接触していなかった。したがって、浮遊性細胞(S)1万個に対するポリペプチド(P)の量は、下記式から算出した。
(S)1万個に対するポリペプチド(P)の量(μg)=基材のコーティング量(μg/cm2)×0.32cm2×10(万cells/mL)×0.1(mL)
<比較例5〜7>
細胞接着率が異なる浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB7]〜[PB8]及び[PB9]に、それぞれ、MEL細胞の懸濁液100μL(10万cells/mL)を加えた。37℃、5容量%CO2で静置して、7日間培養を行った。なお、静置培養であるため、細胞はほぼ底面にしか接触していなかった。
<評価:カスパーゼ活性>
実施例23〜28及び比較例5〜7において、7日間培養後、Caspase−Glo(登録商標)3/7 Assay(Promega社製)を用いて、カスパーゼ活性を測定した。カスパーゼ反応液を100μL/穴で添加し、室温で3時間放置した。3時間後、蛍光強度を、ルミネッセンスプレートリーダー MicroLumat Plus LB96(ベルトールドテクノロジー社製)を用いて測定した。比較例1の活性を100%として、カスパーゼ活性を相対値で表した。これらの結果を表4に示す(これらの結果は各々3穴分の平均データである。)。なお、カスパーゼ活性が低いものは、アポトーシス抑制効果が高いことを示す。
<評価:シングルセルの割合>
実施例23〜28及び比較例5〜7において、培養7日培養後、培養液300μLをそれぞれのフラスコから回収した。
回収した培養液を、96wellプレートに3カ所ずつ、それぞれ100μl/ウェルで添加した。その後、それぞれのウェルについて、細胞の40倍の顕微鏡画像を取得し(用いた顕微鏡;CKX41,OLYMPUS社製、画像解析ソフト;image J,アメリカ国立衛生研究所)、全粒子数に対するシングルセルの割合を算出した。測定した結果は、3カ所のウェルの平均値で示した。結果を表4に示す。
<細胞の活性評価;ミトコンドリア活性>
実施例23〜28及び比較例5〜7において、7日間培養後、細胞にテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。生細胞数は細胞に核放出溶液(0.2重量%クリスタルバイオレット、0.2Mクエン酸三ナトリウム、2重量%Tween20)を加え、1時間置くことで生細胞の核を細胞から放出させ、血球計数盤を用いて核数を測定した。ホルマザン生成量を生細胞数で標準化し、細胞のミトコンドリア活性とした。得られたミトコンドリア活性は、比較例1で培養した細胞のミトコンドリア活性を100%とした相対値で表した。結果を表4に示す。
Figure 0006147498
表4のシングルセルの割合の評価結果から、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いて培養した実施例23〜28と、ポリペプチド(P1)〜(P6)以外でコーティングした基材を用いた比較例5〜7とを比較した場合、実施例23〜28ではシングルセルの割合が60%以上であり、比較例5〜7よりも高く、実施例23〜28では浮遊性細胞どうしが接着することを防ぐことができ、浮遊性細胞の状態の変化を防ぐことができたことが分かる。
また、表4のカスパーゼ活性の評価結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)を有する浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いた実施例23〜28と、ポリペプチド(P1)〜(P6)以外でコーティングした基材を用いた比較例5〜7とについて、コーティング量が同程度のものを比較した場合、実施例23〜28で得た細胞の方がカスパーゼ活性が低く、アポトーシスが抑制されていることが分かる。
また、表4のミトコンドリア活性の評価結果から、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いて培養した実施例23〜28と、ポリペプチド(P1)〜(P6)以外でコーティングした基材を用いた比較例5〜7とについて、コーティング量が同程度のものを比較した場合、ミトコンドリア活性が同程度又はそれ以上であることが分かる。
したがって、ポリペプチド(P1)〜(P6)を有する浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いることで、浮遊性細胞の変質を防ぎ、高活性な浮遊性細胞を生存率高く培養できたことが分かる。
以上のことから、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材及び比較例の浮遊性細胞浮遊培養用基材は、共に、コーティング量が増加すると、細胞接着率が減少し、浮遊性細胞が培養容器に接着することを抑制することができるものの、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材の方が、より細胞どうしの接着を防ぎ、細胞を変質させずに培養でき、アポトーシスを抑制し、高活性な細胞を生存率高く培養できるという効果が高いことが分かる。
<実施例29>
実施例17で得た浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB1](コーティング量の異なるPB1−1〜PB1−4)に、ポリペプチド(P1)20μg/mL溶液(RPMI1640に溶解)を50μL添加し、37℃で1時間保存した。1時間後、MEL細胞(DSファーマバイオメディカル株式会社製)を1万cells/50μL/穴で添加し、37℃、5容量%CO2のインキュベーター中にて静置して、7日間培養を行った。なお、静置培養であるため、細胞はほぼ底面にしか接触していなかった。
<実施例30〜34>
実施例29において、「浮遊性細胞浮遊培養用基材[PB1]」に代えて実施例18〜22で得た浮遊性細胞浮遊培養基材[PB2]〜[PB6](コーティング量が異なるPB2−1〜PB6−4)をそれぞれ用いて、「ポリペプチド(P1)」に代えてポリペプチドを(P2)〜(P6)をそれぞれ用いる以外は同様にして実施した。
<評価:カスパーゼ活性>
実施例29〜34において、7日間培養後、Caspase−Glo(登録商標)3/7 Assay(Promega社製)を用いて、カスパーゼ活性を測定した。カスパーゼ反応液を100μL/穴で添加し、室温で3時間放置した。3時間後、蛍光強度を、ルミネッセンスプレートリーダー MicroLumat Plus LB96(ベルトールドテクノロジー社製)を用いて測定した。比較例1の活性を100%として、カスパーゼ活性を相対値で表した。これらの結果を表5に示す(これらの結果は各々3穴分の平均データである。)。なお、カスパーゼ活性が低いものは、アポトーシス抑制効果が高いことを示す。
<評価:シングルセルの割合>
実施例29〜34において、培養7日培養後、培養液300μLをそれぞれのフラスコから回収した。
回収した培養液を、96wellプレートに3カ所ずつ、それぞれ100μl/ウェルで添加した。その後、それぞれのウェルについて、細胞の40倍の顕微鏡画像を取得し(用いた顕微鏡;CKX41,OLYMPUS社製、画像解析ソフト;image J,アメリカ国立衛生研究所)、全粒子数に対するシングルセルの割合を算出した。測定した結果は、3カ所のウェルの平均値で示した。結果を表5に示す。
<細胞の活性評価;ミトコンドリア活性>
実施例29〜34において、7日間培養後、細胞にテトラカラーワン(生化学工業株式会社)を10μL/穴で添加して、37℃、二酸化炭素濃度5容量%のインキュベーター中に4時間放置した。
4時間後に、ホルマザン生成量を、450nm(対照波長630nm)の吸光度でプレートリーダー(コロナ電気株式会社製MTP−32)を用いて測定した。生細胞数は細胞に核放出溶液(0.2重量%クリスタルバイオレット、0.2Mクエン酸三ナトリウム、2重量%Tween20)を加え、1時間置くことで生細胞の核を細胞から放出させ、血球計数盤を用いて核数を測定した。ホルマザン生成量を生細胞数で標準化し、細胞のミトコンドリア活性とした。得られたミトコンドリア活性は、比較例1で培養した細胞のミトコンドリア活性を100%とした相対値で表した。結果を表5に示す。
Figure 0006147498
表5のカスパーゼ活性の評価結果から、浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチドであるポリペプチド(P1)〜(P6)を有する浮遊性細胞浮遊培養用基材及びポリペプチド(P1)〜(P6)を培養液中に含む浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いた実施例29〜34で培養した細胞は、カスパーゼ活性が100未満であり、アポトーシスが抑制されていることが分かる。
また、表5のミトコンドリア活性の評価結果から、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材及びポリペプチド(P1)〜(P6)を培養液中に含む浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いた実施例29〜34で得た細胞は、ミトコンドリア活性が高く、高活性な細胞を生存率高く培養できたことが分かる。
以上のことから、本発明の浮遊性細胞浮遊培養用基材及び浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いることで、アポトーシスを抑制し、高活性な細胞を生存率高く培養できるという効果が高いことが分かる。
本発明の浮遊性細胞浮遊培養用ポリペプチド、浮遊性細胞浮遊培養用基材及び浮遊性細胞浮遊培養用培養液は、浮遊性細胞の浮遊培養(特に、長時間浮遊培養したり、高密度浮遊培養する等)に有用であり、得られた浮遊性細胞は、毒性試験や創薬におけるスクリーニング試験、細胞移植治療などに用いることができる。

Claims (9)

  1. ポリペプチド(P)及び基材(B)からなる浮遊性細胞浮遊培養用基材であって、
    (P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、
    (X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    (P)が、下記アミノ酸ブロック(L1)〜(L4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロック(L)を有するポリペプチドである浮遊性細胞浮遊培養用基材。
    ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)。
    ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)。
    アミノ酸ブロック(L1):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L2):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L3):Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L4);Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
  2. MEL細胞の細胞接着率が0〜20%である請求項に記載の浮遊性細胞浮遊培養用基材。
  3. 浮遊性細胞浮遊培養用基材表面におけるポリペプチド(P)の含有量が、浮遊培養用基材の培養に用いる面において単位面積(cm2)あたり、0.1〜5μgである請求項又はに記載の浮遊性細胞浮遊培養用基材。
  4. ポリペプチド(P)及び培地(C)を含む浮遊性細胞浮遊培養用培養液であって、
    (P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、
    (X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    (P)が、下記アミノ酸ブロック(L1)〜(L4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロック(L)を有するポリペプチドである浮遊性細胞浮遊培養用培養液。
    ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)。
    ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)。
    アミノ酸ブロック(L1):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L2):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L3):Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L4);Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
  5. 浮遊性細胞浮遊培養用培養液中のポリペプチド(P)の濃度が0.1〜50,000μg/mLである請求項に記載の浮遊性細胞浮遊培養用培養液。
  6. ポリペプチド(P)の存在下で浮遊性細胞(S)を浮遊培養する培養方法であって、
    (P)がアミノ酸配列(X)を有するポリペプチドであり、
    (X)が下記ペンタペプチド配列、下記ヘキサペプチド配列、Ala Gly Val Pro Gly Phe Gly Val Gly配列(12)及びAla Gly Val Pro Gly Leu Gly Val Gly配列(13)からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
    (P)が、下記アミノ酸ブロック(L1)〜(L4)からなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸ブロック(L)を有するポリペプチドである浮遊性細胞(S)の培養方法。
    ペンタペプチド配列:Gly Val Gly Val Pro配列(1)、Val Gly Val Pro Gly配列(2)、Gly Val Pro Gly Val配列(3)、Val Pro Gly Val Gly配列(4)及びPro Gly Val Gly Val配列(5)。
    ヘキサペプチド配列:Gly Val Gly Val Ala Pro配列(6)、Val Gly Val Ala Pro Gly配列(7)、Gly Val Ala Pro Gly Val配列(8)、Val Ala Pro Gly Val Gly配列(9)、Ala Pro Gly Val Gly Val配列(10)及びPro Gly Val Gly Val Ala配列(11)。
    アミノ酸ブロック(L1):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L2):ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列に、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)1個が化学結合し、さらにペンタペプチド配列が3回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L3):Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
    アミノ酸ブロック(L4);Gly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が2回繰り返した配列に、ペンタペプチド配列が4回繰り返した配列が化学結合し、Gly Lys Gly Val Pro配列(36)を結合し、さらにペンタペプチド配列が11回繰り返した配列が化学結合し、さらにGly Ala Gly Ala Gly Ser配列(14)が4回繰り返した配列が化学結合したアミノ酸ブロック
  7. 請求項のいずれかに記載の浮遊性細胞浮遊培養用基材及び/又は請求項若しくはに記載の浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いて浮遊性細胞(S)を浮遊培養する請求項に記載の培養方法。
  8. 請求項のいずれかに記載の浮遊性細胞浮遊培養用基材を用いて浮遊性細胞(S)を浮遊培養する培養方法であって、浮遊性細胞浮遊培養用基材の培養に用いる面におけるポリペプチド(P)の含有量が、浮遊性細胞(S)1万個に対して0.001〜5μgである請求項又はに記載の培養方法。
  9. 請求項又はに記載の浮遊性細胞浮遊培養用培養液を用いて浮遊性細胞(S)を浮遊培養する培養方法であって、浮遊性細胞浮遊培養用培養液におけるポリペプチド(P)の含有量が、浮遊性細胞(S)1万個に対して0.01〜5000μgである請求項6〜8のいずれか1項に記載の浮遊性細胞(S)の培養方法。
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