JP6015200B2 - 水素貯蔵・供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素貯蔵・供給装置に関し、さらに詳しくは、2種類の水素貯蔵材料を用いて、水素の放出と吸蔵とを継続的に行うことが可能な水素貯蔵・供給装置に関する。
近年、二酸化炭素の排出による地球の温暖化等の環境問題や、石油資源の枯渇等のエネルギー問題から、クリーンな代替エネルギーとして水素エネルギーが注目されている。水素エネルギーの実用化に向けて、水素を安全、かつ、効率的に貯蔵、輸送する技術の開発が重要となる。水素の貯蔵方法にはいくつかの候補があるが、中でも可逆的に水素を貯蔵・放出することのできる水素貯蔵材料を用いる方法は、最も安全に水素を貯蔵・輸送する手段と考えられており、燃料電池車に搭載する水素貯蔵媒体として期待されている。
水素貯蔵材料としては、
(a)活性炭、フラーレン、ナノチューブ等の炭素材料、
(b)LaNi、TiFe等の水素吸蔵合金、
(c)LiNH2、LiBH4、NaAlH4、Mg(NH2)2等の錯体水素化物
などが知られている。
これらの水素貯蔵材料は、一長一短があり、単独で使用する場合には、種々の問題が生ずる。例えば、水素吸蔵合金は、体積水素密度は高いが、重量水素密度は低い。一方、錯体水素化物は、重量水素密度は高いが、水素放出には高温加熱が必要となる場合が多い。そのため、単独の水素貯蔵材料を用いた水素貯蔵・供給装置では、小型化、軽量化、高効率化などに限界がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1〜6には、水素放出温度が異なる水素吸蔵合金をそれぞれ充填した複数の水素貯蔵タンクと、1つの水素貯蔵タンクから他の水素貯蔵タンクに水素を供給可能な水素供給装置が開示されている。
また、特許文献7には、
(a)水素貯蔵タンクと、水素貯蔵タンクから送られる水素を一時的に貯蔵するためのバッファタンクとを備え、
(b)水素貯蔵タンクとして、水素を放出するまでに時間がかかるタンク(例えば、LiHとNH3の反応やNaBH4とH2Oの反応で水素を得るタンク、BH3NH3やZr(BH4)2から水素を得るタンク、メタノール改質器から水素を得るタンクなど)を用い、
(c)バッファタンクには、TiCrVMo、TiCrMnなどの水素吸蔵合金が充填された
水素供給システムが開示されている。
同文献には、水素貯蔵タンクから放出される水素は、ブースターにより水素吸蔵合金が水素を吸蔵できる圧力まで昇圧され、昇圧された水素がバッファタンクに供給される点が記載されている。
さらに、特許文献8には、
(a)シリンダー型水素貯蔵タンクの内部を金属フィルターにより内部空間と外部空間に区画し、
(b)外部空間に高温で水素を放出することができる第1貯蔵合金粉末を充填し、
(c)内部空間に低温で水素を放出することができる第2貯蔵合金粉末を充填し、
(d)外部空間を独立熱交換ループで加熱し、内部空間を燃料電池の廃熱で加熱する
燃料電池自動車用水素貯蔵システムが開示されている。
同文献には、低温で水素放出可能な水素貯蔵材料と、水素貯蔵密度は高いが水素放出温度が高い水素貯蔵材料を共に利用すると、水素貯蔵システムの水素貯蔵容量が増大する点が記載されている。
特許文献1〜6に記載された水素供給装置は、水素圧力制御による水素吸放出が可能な水素吸蔵合金のみが用いられている。これらの合金は、重量水素密度が低いため、水素貯蔵・供給装置を軽量化する効果は低い。
特許文献7に記載の水素供給システムは、水素加圧だけでは水素を再吸蔵しない材料を水素貯蔵タンクに充填している。しかしながら、水素貯蔵タンクには着脱機能がないため、装置内に水素を再充填するのが難しい。また、バッファタンク内の水素貯蔵合金に水素を吸蔵させるためには、バッファタンクと水素貯蔵タンクの間にブースターが必要である。
また、BH3NH3やZr(BH4)2から水素を放出するには、加熱が必要となる。そのため、一度に全貯蔵水素をバッファタンクに補充しない場合には、加熱・冷却を繰り返すことにより水素放出量を制御する必要がある。しかしながら、そのためには水素貯蔵タンクにも熱交換器が必要となり、装置全体の体格・重量が増加する。また、温度制御によるエネルギーロスが多い。
さらに、特許文献8に記載の水素貯蔵システムにおいて、外部空間に充填した第1貯蔵合金粉末から水素を放出させるためには、第1貯蔵合金粉末を燃料電池スタックの廃熱温度以上に加熱する必要がある。しかしながら、その熱が内部空間と外部空間を隔てる金属フィルターを通して第2貯蔵合金粉末にも伝達されるため、第2貯蔵合金の温度を水素吸蔵可能な温度に保つことができない。そのため、第1貯蔵合金粉末と第2貯蔵合金粉末の双方から同時に水素を放出することはできても、第1貯蔵合金粉末から放出された水素を第2貯蔵合金粉末に吸蔵させることはできない。
特開2011−052742号公報 特開2000−012062号公報 特開平08−222252号公報 特開平06−017798号公報 特開平06−117265号公報 特開平05−047400号公報 特開2009−091165号公報 特開2009−144901号公報
本発明が解決しようとする課題は、軽量・コンパクトであり、水素の補給が容易な水素貯蔵・供給装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、エネルギーロスが少なく、1つの水素貯蔵材料から放出される水素を他の水素貯蔵材料に貯蔵させる際にブースターが不要な水素貯蔵・供給装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る水素貯蔵・供給装置は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記水素貯蔵・供給装置は、
第1水素貯蔵材料を充填するための第1水素タンクと、
第2水素貯蔵材料を充填するための第2水素タンクと、
前記第1水素タンクから水素消費装置に水素を供給する水素ガス供給装置と、
前記第2水素タンクから前記第1水素タンクに水素を補充する水素ガス補充装置と
を備え、
前記第1水素貯蔵材料は、100℃以下の温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な材料からなり、
前記第2水素貯蔵材料は、前記第1水素貯蔵材料より重量水素密度が高い材料からなる。
(2)前記第1水素タンクは、
前記第1水素貯蔵材料との熱交換を行うための第1熱交換器と、
前記第1水素タンク内の温度を検出するための温度センサーと、
前記第1水素タンク内の圧力を検出するための圧力センサーと
を備えている。
(3)前記第2水素タンクは、前記水素貯蔵・供給装置との着脱が可能な着脱手段を備えている。
(4)前記第1水素タンクは、1個のタンク(A)又は2個以上に分割されたサブタンク(A')を備え、
前記第2水素タンクは、1個のタンク(B)又は2個以上に分割されたサブタンク(B')を備え、
前記水素ガス補充装置は、前記タンク(B)に充填されている前記水素の全量、又は、全部又は一部の前記サブタンク(B')に充填されている前記水素の全量を、前記タンク(A)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(A')に補充する全量補充手段を備えている。
(5)前記全量補充手段は、前記第1水素タンクの内部空間の容積と、前記第2水素タンクの内部空間の容積との間に、次の(a)式の関係が成り立つ時に前記タンク(A)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(A')と前記タンク(B)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(B’)とを連結するものからなる。
Pa 1 <P=(n 1 +n 2 +n 3 −n m )RT 1 /(V 1 +V 2 +V 3 ) ・・・(a)
但し、
Pa 1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の吸蔵プラトー圧、
Pは、前記第1水素タンクと前記第2水素タンクとを連結したときのタンク内圧力、
1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間及び前記第1水素貯蔵材料に残存している水素総モル数、
1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の水素吸蔵時の温度、
2 は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間と前記第2水素貯蔵材料に貯蔵されている水素総モル数、
3 は、前記水素ガス補充装置の内部空間に残存している水素モル数、
m は、前記第1水素貯蔵材料の最大貯蔵水素モル数、
Rは、ガス定数、
1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間の容積、
2 は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間の容積、
3 は、前記水素ガス補充装置の内容積。
(削除)
水素消費装置に水素を供給するための第1水素貯蔵材料と、第1水素貯蔵材料に水素を補充するための第2水素貯蔵材料の2種類の材料を用いて水素の貯蔵及び供給を行う場合において、第1水素貯蔵材料として、水素ガス圧力制御による水素吸放出が可能な材料を用いると、装置をコンパクトにすることができる。また、第2水素貯蔵材として、重量水素密度が高い材料を用いると、第1水素貯蔵材料のみを用いた装置に比べて、装置を軽量化することができる。また、第2水素タンクに着脱手段を設けると、水素(すなわち、第2水素貯蔵材料)の再充填を容易に行うことができる。
また、第2水素タンクを複数のサブタンク(B')に分割し、サブタンク(B')に貯蔵されている全水素量を一度に第1水素タンク(又は、そのサブタンク)に補充する全量補充手段をさらに備えている場合には、第2水素貯蔵材料の温度制御に要する時間や熱量を低減できる。そのため、エネルギーロスを低減することができる。
さらに、第2水素タンク(又は、そのサブタンク)に貯蔵されている全水素量を一度に第1水素タンク(又は、そのサブタンク)に補充する場合において、第1水素タンク及び第2水素タンクの内部空間体積を最適化すると、ブースターを用いることなく、第1水素貯蔵材料に水素を補充することができる。
本発明に係る水素貯蔵・供給装置の概略構成図である。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 水素貯蔵・供給装置]
図1に、本発明の一実施の形態に係る水素貯蔵・供給装置の概略構成図を示す。図1において、水素貯蔵・供給装置10は、第1水素タンク12と、第2水素タンク14と、水素ガス供給装置16と、水素ガス補充装置18とを備えている。
[1.1. 第1水素タンク]
[A. 第1水素貯蔵材料]
第1水素タンク12は、第1水素貯蔵材料(図示せず)を充填するためのタンクである。第1水素貯蔵材料は、100℃以下の温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な材料(常温水素貯蔵材料)からなる。第1水素貯蔵材料の詳細については、後述する。
[B. 第1熱交換器、温度センサー、第1圧力センサー]
第1水素タンク12は、第1熱交換器20と、温度センサー(図示せず)と、第1圧力センサー22とを備えている。
第1熱交換器20は、第1水素貯蔵材料との熱交換を行うため(第1水素貯蔵材料を水素の吸放出に適した温度に維持するため)に用いられる。第1熱交換器20は、水素貯蔵・供給装置10の動作を制御するための制御装置(図示せず)に接続されている。
例えば、常温水素貯蔵材料は、一般に水素吸蔵時に発熱し、温度の上昇に伴い水素吸蔵量が減少する。このような場合には、第1熱交換器20を用いて第1水素貯蔵材料を適正な温度まで冷却する。
一方、常温水素貯蔵材料の中には、水素の吸放出に適した温度が室温より高いものも知られている。このような常温水素貯蔵材料を第1水素貯蔵材料として用いる場合において、第1水素貯蔵材料の温度が水素の吸放出に適した温度より低いときには、第1熱交換器20を用いて第1水素貯蔵材料を加温する。
温度センサーは、第1水素タンク12内の温度(すなわち、第1水素貯蔵材料の温度)を検出するために用いられる。また、第1圧力センサー22は、第1水素タンク12内の圧力を検出するために用いられる。温度センサー及び第1圧力センサー22は、制御装置(図示せず)に接続されている。
制御装置に出力された温度及び圧力は、第1水素タンク12内の水素残量の算出、第1熱交換器20の制御、水素ガス供給装置16の制御、水素ガス補充装置18の制御などに用いられる。
第2水素タンク14から第1水素タンク12への水素補充を効率よく行うためには、第2水素タンク14から放出される水素の全量を第1水素貯蔵材料に一度に吸蔵させるのが好ましい。そのためには、第1水素タンク12内の水素残量を知る必要がある。
[C. サブタンク、分配手段]
第1水素タンク12は、1個のタンク(A)からなるものでも良く、あるいは、2個以上に分割されたサブタンク(A')を備えていても良い。第1水素タンク12が複数個のサブタンク(A')に分割されている場合、個々のサブタンク(A')には、同一又は異なる第1水素貯蔵材料が充填される。
第1水素タンク12がサブタンク(A')に分割されている場合、個々のサブタンク(A')は、独立に水素ガス供給装置16及び/又は水素ガス補充装置18に接続可能になっているものが好ましい。第1熱交換器20、温度センサー及び第1圧力センサー22は、一部の(代表的な)サブタンク(A')にのみ備えられていても良く、あるいは、個々のサブタンク(A')に備えられていても良い。
また、第1水素タンク12が2個以上のサブタンク(A')に分割されている場合、サブタンク(A')の一部を水素ガス供給装置16に接続すると同時に、残りのサブタンク(A')の全部又は一部を水素ガス補充装置18に接続する分配手段を備えているのが好ましい。
第1水素タンク12を複数個のサブタンク(A')に分割し、個々のサブタンク(A')を独立に水素ガス供給装置16及び水素ガス補充装置18に接続すると、水素ガスの供給を停止することなく、水素ガスの補充を行うことができる。すなわち、サブタンク(A')の接続を切り替えることにより、連続的に水素ガスを供給し続けることができる。
[D. 外部供給源接続手段]
さらに、第1水素タンク12は、水素ガス補充装置18とは別に、外部の水素ガス供給源に接続するための外部供給源接続手段(配管、バルブなど)をさらに備えていても良い。外部供給源としては、例えば、水素ガスボンベ、改質装置などがある。
第1水素タンク12が外部供給源接続手段をさらに備えている場合には、第2水素タンク14内の水素が枯渇した場合であっても、第1水素タンク12に水素を供給し続けることができる。
[1.2. 第2水素タンク]
[A. 第2水素貯蔵材料]
第2水素タンク14は、第2水素貯蔵材料(図示せず)を充填するためのタンクである。第2水素貯蔵材料は、第1水素貯蔵材料より重量水素密度が高い材料からなる。第2水素貯蔵材料の詳細については、後述する。
[B. 着脱手段]
第2水素タンク14は、水素貯蔵・供給装置10との着脱が可能な着脱手段(図示せず)を備えている。第2水素貯蔵材料の中には、水素の吸放出が可能な可逆的材料もあるが、水素の放出のみが可能で水素の再吸蔵が不可能な不可逆的材料もある。また、第2水素貯蔵材料が可逆的材料であっても、水素の吸放出を繰り返すと、材料が劣化する場合もある。本発明において、第2水素タンク14は、着脱手段を備えているので、第2水素貯蔵材料の再充填を容易に行うことができる。
[C. サブタンク]
第2水素タンク14は、1個のタンク(B)からなるものでも良く、あるいは、2個以上に分割されたサブタンク(B')を備えていても良い。第2水素タンク14が複数個のサブタンク(B')に分割されている場合、個々のサブタンク(B')には、同一又は異なる第2水素貯蔵材料が充填される。
第2水素タンク14が複数個のサブタンク(B')に分割されている場合、個々のサブタンク(B')は、独立に水素ガス補充装置18に接続可能になっているのが好ましい。着脱手段は、一部のサブタンク(B')を着脱可能なものでも良く、あるいは、全部のサブタンク(B')を着脱可能なものでも良い。
第2水素タンク14から第1水素タンク12に水素を補充する場合において、補充を効率よく行うためには、第2水素タンク14から必要かつ十分な量の水素を放出させ、その全量を一度に第1水素吸蔵材料に吸蔵させるのが好ましい。しかしながら、第2水素貯蔵材料は、一般に、水素放出量の制御が難しい。これに対し、第2水素タンク14を複数個のサブタンク(B')に分割すると、水素を放出させるサブタンク(B')の個数を制御することによって、第2水素タンク14から放出される全水素量を容易に制御することができる。
[D. 補助手段]
第2水素貯蔵材料は、水素ガス圧力制御のみによる大量の水素の放出が困難であるものが多い。そのため、第2水素タンク14は、第2水素貯蔵材料からの水素の放出を促進するための補助手段を備えているのが好ましい。水素貯蔵・供給装置10が補助手段を備えている場合、補助手段は、制御装置(図示せず)に接続される。
このような補助手段としては、例えば、
(a)第2水素貯蔵材料を加熱することにより、第2水素貯蔵材料から水素を放出させるための加熱手段、
(b)第2水素貯蔵材料を化学反応させることにより、第2水素貯蔵材料から水素を放出させるための反応手段
などがある。
第2水素タンク14には、これらのいずれか1種の補助手段を備えていても良く、あるいは、2種以上を備えていても良い。
また、第2水素タンク14が複数個のサブタンク(B')に分割されている場合、これらの補助手段は、一部のサブタンク(B')に備えられていても良く、あるいは、個々のサブタンク(B')に備えられていても良い。
図1に示す例において、第2水素タンク14は第2熱交換器24を備えている。第2熱交換器24は、主として第2水素貯蔵材料を加熱するための加熱手段として用いられる。第2熱交換器24は、制御装置(図示せず)に接続されている。
第2水素貯蔵材料が、2種以上の材料を反応させて水素を取り出す材料(化学反応水素貯蔵材料)である場合、第2水素タンク14には、反応手段(図示せず)が設けられる。反応手段とは、具体的には、2種以上の材料を分離して保持するための保持手段と、水素放出時にはこれらの材料を混合する混合手段とを備えたものをいう。
[E. 第2圧力センサー]
第2水素タンク14は、第2圧力センサー26を備えている。第2圧力センサー26は、制御装置(図示せず)に接続されている。制御装置に出力された圧力は、第2熱交換器24の制御、水素ガス供給装置16の制御、水素ガス補充装置18の制御などに用いられる。
第2圧力センサー26は、必ずしも必要ではないが、第2水素タンク14に第2圧力センサー26を設けると、第2水素タンク14内の水素量を知ることができるので、第2水素タンク14から第1水素タンク12への水素の全量補充が容易になる。
[1.3. 水素ガス供給装置]
水素ガス供給装置16は、第1水素タンク12から水素消費装置(図示せず)に水素を供給するための装置である。水素消費装置としては、例えば、燃料電池、水素エンジンなどがある。
水素ガス供給装置16は、配管28と、第1バルブ30と、流量計32と、逆止弁34とを備えている。第1水素タンク12は、配管28を介して水素消費装置に接続されている。配管28には、下流側(第1水素タンク12から水素消費装置側)に向かって、第1バルブ30、流量計32及び逆止弁34がこの順で設けられている。
第1バルブ30は、水素の供給及び停止を行うために用いられる。第1バルブ30及び流量計32は、制御装置(図示せず)に接続されており、流量に応じて第1バルブ30の開度を調節できるようになっている。
[1.4. 水素ガス補充装置]
水素ガス補充装置18は、第2水素タンク14から第1水素タンク12に水素を補充するための装置である。
水素ガス補充装置18は、配管36と、第2バルブ38と、第3バルブ40とを備えている。第2水素タンク14は、配管36を介して第1水素タンク12に接続されている。配管36には、下流側(第2水素タンク14から第1水素タンク12側)に向かって、第2バルブ38及び第3バルブ40がこの順で設けられている。
第2バルブ38は、第2水素タンク14を水素貯蔵・供給装置10から取り出す際に、第2水素タンク14からの水素漏洩とタンクへの大気混入を防ぐために用いられる。また、第3バルブ40は、第1水素タンク12への水素の供給及び停止を行うためと、第2バルブ38と同様な用途で用いられる。第2バルブ38及び第2バルブ40は、制御装置(図示せず)に接続されており、必要に応じて開閉できるようになっている。
水素ガス補充装置18は、第2水素タンク14から放出される水素の全量を第1水素タンク12に補充する全量補充手段を備えているのが好ましい。
全量補充の方法としては、
(1)タンク(B)からタンク(A)に補充する第1の方法、
(2)タンク(B)から全部又は一部のサブタンク(A')に補充する第2の方法
(3)全部又は一部のサブタンク(B')からタンク(A)に補充する第3の方法、
(4)全部又は一部のサブタンク(B')から全部又は一部のサブタンク(A')に補充する第4の方法、
がある。本発明においては、いずれの方法を用いても良い。
特に、第2水素タンク14を複数個のサブタンク(B')に分割すると、水素を放出させるサブタンク(B')の個数により、第2水素タンク14から放出可能な全水素量が決まる。そのため、第2水素貯蔵材料が水素放出量の制御が困難な材料であっても、第2水素タンク14から放出させる全水素量を容易に制御することができる。
第1の方法の場合(すなわち、第1水素タンク12及び第2水素タンク14が、ともにサブタンクに分割されていない場合)、水素の補充は、単に第2バルブ38及び第3バルブ40を開放するだけで良い。
一方、第2〜第4の方法の場合(すなわち、第1水素タンク12及び第2水素タンク14の少なくとも一方がサブタンクに分割されている場合)、水素の吸放出に関わるサブタンクのみを水素ガス補充装置18に接続すれば良い。
[1.5. 内部空間体積]
第2水素タンク14から第1水素タンク12への水素の全量補充を容易化するためには、第1水素タンク12の内部空間の容積と、第2水素タンクの内部空間容積との間に、次の(a)式の関係が成り立っているのが好ましい。
Pa1<P=(n1+n2+n3−nm)RT1/(V1+V2+V3) ・・・(a)
但し、
Pa1は、前記第2水素タンクに連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の吸蔵プラトー圧、
Pは、前記第1水素タンクと前記第2水素タンクとを連結したときのタンク内圧力、
1は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間及び第1水素貯蔵材料に残存している水素総モル数、
1は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の水素吸蔵時の温度、
2は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間と第2水素貯蔵材料に貯蔵されている水素の総モル数、
3は、前記水素ガス補充装置の内部空間に残存している水素モル数、
mは、前記第1水素貯蔵材料の最大貯蔵水素モル数、
Rは、ガス定数、
1は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間の容積、
2は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間の容積、
3は、前記水素ガス補充装置の内容積。
Pa1は、第2水素タンク14に連結している第1水素タンク12(すなわち、水素補充を行うタンク(A)又はサブタンク(A'))に充填されている第1水素貯蔵材料の吸蔵プラトー圧を表す。
組成の異なる第1水素貯蔵材料が充填された複数個のサブタンク(A')が存在する場合、Pa1は、個々の材料の吸蔵プラトー圧の最大値を表す。
Pは、第1水素タンク12及び第2水素タンク14の少なくとも一方がサブタンクに分割されているときは、連結しているサブタンク内の圧力を表す。
「第2水素タンク14と連結している第1水素タンク12」とは、第1水素タンク12が1個のタンク(A)からなる場合は、タンク(A)を表し、第1水素タンク12が複数個のサブタンク(A')に分割されている場合は、第2水素タンク14と連結しているサブタンク(A')を表す。
同様に、「第1水素タンク12と連結している第2水素タンク14」とは、第2水素タンク14が1個のタンク(B)からなる場合は、タンク(B)を表し、第2水素タンク14が複数個のサブタンク(B')に分割されている場合は、第1水素タンク12と連結しているサブタンク(B')を表す。
(a)式は、第1水素タンク12と第2水素タンク14を連結したときの圧力PがPa1を超えているときには、ブースターを用いることなく、第1水素貯蔵材料に水素が吸蔵されることを表す。
(a)式中、n1は、第1水素貯蔵材料の組成及び充填量、タンク(A)又はサブタンク(A')の内部空間容積V1が決まると、タンク(A)又はサブタンク(A')内の温度及び圧力をモニターすることにより知ることができる。
1は、タンク(A)又はサブタンク(A')の温度をモニターすることにより知ることができる。通常、第1水素貯蔵材料の組成が決まると、最適な吸蔵温度が決まるので、第1熱交換器20を用いて、最適な温度T1に維持される。
2は、タンク(B)又はサブタンク(B')に充填されている第2水素貯蔵材料の組成及び充填量と、タンク(B)又はサブタンク(B')の内部空間容積V2が決まると、タンク(B)又はサブタンク(B')内の温度及び圧力をモニターすることにより知ることができる。なお、n2が既知である場合は、水素貯蔵・供給装置10と接続後にn2を改めてモニターする必要はない。
3は、水素ガス補充装置18の内容積V3が既知である場合は、水素ガス補充装置18と連結したタンク(A)又はサブタンク(A')内の温度及び圧力をモニターすることで近似的に知ることができる。より厳密には、水素ガス補充装置18内の温度をモニターするセンサーを取り付けることで知ることができる。
また、nmは、第1水素貯蔵材料の組成及び充填量が決まると、タンク(A)及びサブタンク(A')内の温度をモニターすることにより知ることができる。
すなわち、第1水素貯蔵材料及び第2水素貯蔵材料の組成及び充填量、並びに、個々のタンク又はサブタンクのV1、V2及び水素ガス補充装置18のV3が既知である場合、n1、n2、n3、nm及びT1をモニターする(n2が既知での場合は、n1、n3、nm、T1をモニターする)ことにより、第2水素タンク14から第1水素タンク12への水素の全量補充を実行するために必要なV1とV2の組み合わせを知ることができる。
そのため、タンク(A)又はサブタンク(A')内の水素が枯渇したときは、接続すべきタンク(B)又はサブタンク(B')を選択し、選択されたタンク(B)又はサブタンク(B')のみを第1水素タンク12に接続すれば、水素の全量補充を行うことができる。
換言すれば、(a)式が成り立つように、第1水素貯蔵材料及び第2水素貯蔵材料の組成に応じてV1及びV2を定めると、水素の全量補充を容易に行うことができる。
[1.6. 第1水素貯蔵材料]
第1水素貯蔵材料は、上述したように、100℃以下の温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な材料(常温水素貯蔵材料)からなる。第1水素貯蔵材料は、特に、水素の吸放出の際に加熱手段(第1熱交換器20)を用いた加熱を必要としない材料が好ましい。
第1水素貯蔵材料としては、例えば、
(a)LaNi5、MnNi5、CaNi5などのAB5合金、
(b)TiMn1.5、TiCrMnなどのラーベス合金、
(c)TiFe、TiCo0.5Fe0.5などのAB合金、
(d)TiCrV合金などのbcc合金
などがある。
これらの内、水素の吸放出の際に加熱を必要としない材料としては、例えば、LaNi5、MnNi5、TiMn1.5、TiCrMn、TiFeなどがある。
第1水素貯蔵材料は、これらのいずれか1種の材料からなるものでも良く、あるいは、2種以上の材料を組み合わせて用いても良い。水素の全量補充を容易にするためには、タンク(A)又は個々のサブタンク(A')には、1種類の第1水素貯蔵材料を充填するのが好ましい。
[1.7. 第2水素貯蔵材料]
第2水素貯蔵材料は、上述したように、第1水素貯蔵材料より重量水素密度が高い材料からなる。
第2水素貯蔵材料としては、例えば、
(a)100℃を超える温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な高温水素貯蔵材料、
(b)加熱により水素を放出するが、水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素放出が不可能な不可逆水素貯蔵材料、
(c)化学反応により水素を発生させる2種以上の材料からなる化学反応水素貯蔵材料
などがある。
第2水素貯蔵材料は、これらのいずれか1種の材料からなるものでも良く、あるいは、2種以上の材料を組み合わせて用いても良い。水素の放出を容易にするためには、タンク(B)又は個々のサブタンク(B')には、1種類の第2水素貯蔵材料を充填するのが好ましい。
高温水素貯蔵材料としては、例えば、Mg、Mg2Ni、Mg(NH2)2−LiH系材料などがある。高温水素貯蔵材料は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
不可逆水素貯蔵材料は、
(a)150℃以下(好ましくは、100℃以下)の温度において水素を放出可能な材料、及び/又は、
(b)Ca以下の原子量を持つ軽元素と水素とを主成分とする材料、
が好ましい。
このような不可逆水素貯蔵材料としては、例えば、LiAlH4、NH3BH3、Li1+x(BH4)(NH2)x(1≦x≦3)、AlH3、Mg(AlH4)2、LiNH2BH3、NaNH2BH3、Mg(NH2BH3)2などがある。不可逆水素貯蔵材料は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
化学反応水素貯蔵材料としては、例えば、LiH+NH3、NaBH4+H2Oなどがある。化学反応水素貯蔵材料は、これらのいずれか1種からなるものでも良く、あるいは、2種以上を組み合わせて用いても良い。
不可逆水素貯蔵材料は、成形体として第2水素タンク14に充填されているのが好ましい。不可逆水素貯蔵材料は、一般に密度が低いため、成形体とすることにより第2水素タンク14への充填密度を高くすることができる。
また、不可逆水素貯蔵材料を成形体として充填する場合、その充填率は、80%以上が好ましい。一般に、充填率が高くなるほど、水素の放出量を多くすることができる。
ここで、「充填率」とは、第2水素貯蔵材料が充填されているタンク(B)又はサブタンク(B')の容積に対する成形体の容積の割合をいう。
[2. 水素貯蔵・供給装置の使用方法]
[2.1. 第1水素タンク12及び第2水素タンク14がサブタンクに分割されていない場合]
まず、第1水素タンク12に、第1水素貯蔵材料(例えば、TiCrV合金(常温水素貯蔵材料))を充填する。同様に、第2水素タンク14に、第2水素貯蔵材料(例えば、AlH3(不可逆水素貯蔵材料))を充填する。
第2バルブ38及び第3バルブ40を閉じた状態で、流量計32で流量を監視しながら第1バルブ30を開放し、水素消費装置(図示せず)に所定量の水素を供給する。この間、第1圧力センサー22及び温度センサー(図示せず)を用いて、第1水素タンク12内の水素残量をモニターする。
第1水素タンク12内の水素残量がある臨界値を下回ったところで、第1バルブ30を閉じる。なお、水素の補充は、第2水素タンク14からの水素流量に比べ、水素消費装置への供給水素流量が十分小さい場合は、第1バルブ30を開放したまま行っても良い。次いで、第2熱交換器24を用いて第2水素タンク14内の第2水素貯蔵材料(AlH3)を150℃に加熱して、水素を放出させる。
次に、第2バルブ38及び第3バルブ40を開放し、第1水素タンク12に水素を補充する。この時、水素吸蔵に伴うTiCrV合金の温度上昇を抑制するために、第1熱交換器20を用いてTiCrV合金を冷却するのが好ましい。所定時間経過後、第2バルブ38を閉じても第2水素タンク14内の圧力が上昇しないことを第2圧力センサー26で確認した後、第2熱交換器24を停止させる。これと同時に、第3バルブ40を閉じる。
その後、第1熱交換器20を用いてTiCrV合金を所定温度に維持し、水素を放出させる。第1水素タンク12内の圧力が所定の値(例えば、0.2MPa程度)になったことを確認した後、流量計32で流量を監視しながら第1バルブ30を開放する。また、第2水素タンク14を取り外し、新たな第2水素貯蔵材料を充填した後、再度、水素貯蔵・供給装置10に装着する。
以下、このような操作を繰り返すことにより、水素の貯蔵と供給とを継続的に行うことができる。
[2.2. 第1水素タンク12のみがサブタンクに分割されている場合]
第1水素タンク12がサブタンク(A')に分割されている場合、一部のサブタンク(A')のみを用いて水素を供給することができる。一部のサブタンク(A')内の水素量が枯渇したときには、このサブタンク(A')を水素供給装置16から切り離す。次いで、残りのサブタンク(A')の全部又は一部を水素供給装置16に接続し、水素消費装置への水素の供給を継続する。
次に、水素が枯渇したサブタンク(A')を第2水素タンク14に接続し、水素の補給を行う。水素補給装置18を用いた水素の補給方法の詳細は、上述した通りであるので説明を省略する。
以下、このような操作を繰り返すことにより、水素の貯蔵と供給を継続的に行うことができる。
[2.3. 第2水素タンク14のみがサブタンクに分割されている場合]
第2水素タンク14がサブタンク(B')に分割されている場合、全部又は一部のサブタンク(B')を用いて水素を補充することができる。第1水素タンク12内の水素が枯渇した場合、第1バルブ30を閉じる。
次に、第1水素タンク12内の水素残量、サブタンク(B')から放出可能な水素量等を用いて、接続すべきサブタンク(B')の個数を決定する。次いで、接続すべきサブタンク(B')のみを水素補充装置18に接続し、第2バルブ38及び第3バルブ40を開放する。所定時間経過後、第2バルブ38及び第3バルブ40を閉じる。また、水素が枯渇したサブタンク(B')を取り外し、新たな第2水素貯蔵材料を充填した後、再度、水素貯蔵・供給装置10に装着する。
以下、このような操作を繰り返すことにより、水素の貯蔵と供給を継続的に行うことができる。
[2.4. 第1水素タンク12及び第2水素タンク14の双方がサブタンクに分割されている場合]
第1水素タンク12がサブタンク(A')に分割されている場合、一部のサブタンク(A')のみを用いて水素を供給することができる。同様に、第2水素タンク14がサブタンク(B')に分割されている場合、全部又は一部のサブタンク(B')を用いて水素を供給することができる。
一部のサブタンク(A')内の水素量が枯渇したときには、このサブタンク(A')を水素供給装置16から切り離す。次いで、残りのサブタンク(A')の全部又は一部を水素供給装置16に接続し、水素消費装置への水素の供給を継続する。
これと同時に、水素が枯渇したサブタンク(A')内の水素残量、サブタンク(B')から放出可能な水素量等を用いて、接続すべきサブタンク(B')の個数を決定する。次いで、接続すべきサブタンク(A')及びサブタンク(B')のみを水素補充装置18に接続し、第2バルブ38及び第3バルブ40を開放する。所定時間経過後、第2バルブ38及び第3バルブ40を閉じる。また、水素が枯渇したサブタンク(B')を水素貯蔵・供給装置10から取り外し、新たな第2水素貯蔵材料を充填した後、再度、水素貯蔵・供給装置10に装着する。
以下、このような操作を繰り返すことにより、水素の貯蔵と供給を継続的に行うことができる。
[3. 作用]
水素消費装置に水素を供給するための第1水素貯蔵材料と、第1水素貯蔵材料に水素を補充するための第2水素貯蔵材料の2種類の材料を用いて水素の貯蔵及び供給を行う場合において、第1水素貯蔵材料として、水素ガス圧力制御による水素吸放出が可能な材料を用いると、水素貯蔵・供給装置10をコンパクトにすることができる。また、第2水素貯蔵材として、重量水素密度が高い材料を用いると、第1水素貯蔵材料のみを用いた装置に比べて、水素貯蔵・供給装置10を軽量化することができる。また、第2水素タンクは着脱手段を備えているので、水素(すなわち、第2水素貯蔵材料)の再充填を容易に行うことができる。
また、第2水素タンク14(又は、そのサブタンク)に貯蔵されている全水素量を一度に第1水素タンク12に補充する全量補充手段をさらに備えている場合には、第2水素貯蔵材料の温度制御に要する時間や熱量を低減できる。そのため、エネルギーロスを低減することができる。
さらに、第2水素タンク14(又は、そのサブタンク)に貯蔵されている全水素量を一度に第1水素タンク12に補充する場合において、第1水素タンク12及び第2水素タンク14の内部空間体積を最適化すると、ブースターを用いることなく、第1水素貯蔵材料に水素を補充することができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る水素貯蔵・供給装置は、燃料電池システム用の水素貯蔵・供給手段等に使用することができる。
10 水素貯蔵・供給装置
12 第1水素タンク
14 第2水素タンク
16 水素ガス供給装置
18 水素ガス補充装置
20 第1熱交換器
22 圧力センサー

Claims (10)

  1. 以下の構成を備えた水素貯蔵・供給装置。
    (1)前記水素貯蔵・供給装置は、
    第1水素貯蔵材料を充填するための第1水素タンクと、
    第2水素貯蔵材料を充填するための第2水素タンクと、
    前記第1水素タンクから水素消費装置に水素を供給する水素ガス供給装置と、
    ブースターを用いることなく、前記第2水素タンクから前記第1水素タンクに水素を補充する水素ガス補充装置と
    を備え、
    前記第1水素貯蔵材料は、100℃以下の温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な材料からなり、
    前記第2水素貯蔵材料は、前記第1水素貯蔵材料より重量水素密度が高い材料からなる。
    (2)前記第1水素タンクは、
    前記第1水素貯蔵材料との熱交換を行うための第1熱交換器と、
    前記第1水素タンク内の温度を検出するための温度センサーと、
    前記第1水素タンク内の圧力を検出するための圧力センサーと
    を備えている。
    (3)前記第2水素タンクは、前記水素貯蔵・供給装置との着脱が可能な着脱手段を備えている。
    (4)前記第1水素タンクは、1個のタンク(A)又は2個以上に分割されたサブタンク(A')を備え、
    前記第2水素タンクは、1個のタンク(B)又は2個以上に分割されたサブタンク(B')を備え、
    前記水素ガス補充装置は、前記タンク(B)に充填されている前記水素の全量、又は、全部又は一部の前記サブタンク(B')に充填されている前記水素の全量を、前記タンク(A)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(A')に補充する全量補充手段を備えている。
    (5)前記全量補充手段は、前記第1水素タンクの内部空間の容積と、前記第2水素タンクの内部空間の容積との間に、次の(a)式の関係が成り立つ時に前記タンク(A)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(A')と前記タンク(B)又は全部若しくは一部の前記サブタンク(B’)とを連結するものからなる。
    Pa 1 <P=(n 1 +n 2 +n 3 −n m )RT 1 /(V 1 +V 2 +V 3 ) ・・・(a)
    但し、
    Pa 1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の吸蔵プラトー圧、
    Pは、前記第1水素タンクと前記第2水素タンクとを連結したときのタンク内圧力、
    1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間及び前記第1水素貯蔵材料に残存している水素総モル数、
    1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクに充填されている前記第1水素貯蔵材料の水素吸蔵時の温度、
    2 は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間と前記第2水素貯蔵材料に貯蔵されている水素総モル数、
    3 は、前記水素ガス補充装置の内部空間に残存している水素モル数、
    m は、前記第1水素貯蔵材料の最大貯蔵水素モル数、
    Rは、ガス定数、
    1 は、前記第2水素タンクと連結している前記第1水素タンクの内部空間の容積、
    2 は、前記第1水素タンクと連結している前記第2水素タンクの内部空間の容積、
    3 は、前記水素ガス補充装置の内容積。
  2. 以下の構成をさらに備えた請求項1に記載の水素貯蔵・供給装置。
    (6)前記第2水素タンクは、前記第2水素貯蔵材料からの水素の放出を促進するための補助手段を備え、
    前記補助手段は、
    (a)前記第2水素貯蔵材料を加熱することにより、前記第2水素貯蔵材料から水素を放出させるための加熱手段、及び/又は、
    (b)前記第2水素貯蔵材料を化学反応させることにより、前記第2水素貯蔵材料から水素を放出させるための反応手段
    である。
  3. 以下の構成をさらに備えた請求項1又は2に記載の水素貯蔵・供給装置。
    (7)前記第1水素タンクは、
    2個以上に分割されたサブタンク(A')と、
    前記サブタンク(A')の一部を前記水素ガス供給装置に接続すると同時に、残りの前記サブタンク(A')の全部又は一部を前記水素ガス補充装置に接続する分配手段と
    を備えている。
  4. 前記第1水素貯蔵材料は、水素の吸放出の際に加熱手段を用いた加熱を必要としない材料からなる請求項1から3までのいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
  5. 前記第1水素貯蔵材料は、AB5合金、ラーベス合金、AB合金、及び、bcc合金から選ばれるいずれか1種以上の材料からなる請求項1から4までのいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
  6. 前記第2水素貯蔵材料は、
    (a)100℃を超える温度において水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素吸放出が可能な高温水素貯蔵材料、
    (b)加熱により水素を放出するが、水素ガス圧力(<35MPa)制御による水素放出が不可能な不可逆水素貯蔵材料、及び、
    (c)化学反応により水素を発生させる2種以上の材料からなる化学反応水素貯蔵材料
    からなる群から選ばれるいずれか1以上の材料からなる
    請求項1から5までのいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
  7. 前記不可逆水素貯蔵材料は、150℃以下の温度において水素を放出可能な材料からなる請求項6に記載の水素貯蔵・供給装置。
  8. 前記不可逆水素貯蔵材料は、Ca以下の原子量を持つ軽元素と水素とを主成分とする材料からなる請求項6又は7に記載の水素貯蔵・供給装置。
  9. 前記不可逆水素貯蔵材料は、LiAlH4、NH3BH3、Li1+x(BH4)(NH2)x(1≦x≦3)、AlH3、Mg(AlH4)2、LiNH2BH3、NaNH2BH3、及び、Mg(NH2BH3)2からなる群から選ばれるいずれか1以上の材料からなる請求項6から8までのいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
  10. 前記不可逆水素貯蔵材料は、成形体として前記第2水素タンクに充填されており、
    前記第2水素タンク内の材料充填密度は、80%以上である
    請求項6から9までのいずれか1項に記載の水素貯蔵・供給装置。
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