JP6013636B1 - 球受け台及びゴルフ練習装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1つの戻しレール部材に対する簡単な接続切り替え構成で右利き、左利きのいずれにも対応できる球受け台を提供する。【解決手段】ゴルフ練習装置1は、ゴルフ練習用ネット2と、ゴルフ練習用ネット2に当たって落下する球を収容する球受け台3と、ゴルフ練習用ネット2と球受け台3を支持する枠体4と、一端部が球受け台3に接続された戻しレール部材5と、戻しレール部材5の他端部が接続された球供給ユニット6とを備えている。図1は右利きに対応した構成を示している。戻しレール部材5の接続を外し、球受け台3の前方下部に設けられたシャッター部材16を右側にスライドすると、左側に戻しレール部材5の接続口が露出する。この接続口に戻しレール部材5を接続することにより、左利き対応の構成となる。【選択図】図1

Description

本発明は、球受け台及びこれを備えたゴルフ練習装置に関し、特に室内でアプローチショットの練習をするのに好適なゴルフ練習装置に用いられる球受け台に関する。
グリーン周りの5〜20ヤード程度のチップショットを実際のアプローチ間隔で練習するためのゴルフ練習装置が、従来より種々提案されている。
この種のゴルフ練習装置では、一般的に、打った球がネットに当たって下方に落下する構成を有している。落下して散乱した球を拾いに行ってショット位置にセットするのは極めて面倒で、煩わしい。
この問題に対処すべく、打球を受ける受けネットの下に、該受けネットの延長部分を折り曲げて傾斜した球受け台を形成し、この球受け台を、打者の位置まで球を導く勾配の付いた戻し溝(本発明の戻しレール部材に相当)と接続する構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
受けネットに当たって落ちた球は、打者側から受けネット側に向かって下り勾配を有する球受け台を転がり、球受け台の受けネット側に位置する樋状の戻し溝に入り、戻し溝の勾配により打者の位置まで自動的に転がるようになっている。
上記戻し溝は、受けネットの折り曲げラインに平行な部分と、該平行な部分からほぼ直角に曲がって打者の位置まで延びる部分とからなるL字状に構成されている。なお、特許文献1の戻し溝は、右利きの打者に対応した構成となっている。
ネットからなる球受け台の最下部にボール落とし穴を設け、前記ボール落とし穴に打者の位置まで直線状に延び、且つ打者側に向かって下り勾配を有するボール返し管(本発明の戻しレール部材に相当)を接続する構成も提案されている(例えば、特許文献2)。
ボール返し管は球受け台の中央部から延びる1本構成であり、右利き、左利きのいずれにも対応できる構成となっている。
特開2007−14741号公報 特開2004−167177号公報
特許文献1に記載の構成では、戻し溝の形状が右利き、左利きのいずれかのタイプに固定されているため、両方のタイプに対応するためにはタイプ別にそれぞれ作製しなければならず、製造コスト上の不経済性を否めない。
また、特許文献2に記載の構成では、打者が立ち位置を変えるだけで右利き、左利きのいずれにも対応できる利点を有しているが、右利き、左利きにかかわらず打者の前方中央にボール返し管が存在するため、視覚的な圧迫感を否めない。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたもので、1つの戻しレール部材に対する簡単な接続切り替え構成で右利き、左利きのいずれにも対応できる球受け台の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の球受け台は、打球を受け止める受け止め部材に当たって落下する球を受ける傾斜した受け面と、前記受け面で受けた球を打者側へ戻す戻しレール部材が選択的に接続される左右2箇所に設けられた接続口と、前記受け面によって一定の方向に転がった球を前記2つの接続口のうちの一方へ案内するガイド部材と、を有し、前記ガイド部材は、左右方向の中央部を上下方向に回転可能に支持され、前記2つの接続口のうち前記戻しレール部材が接続された方に傾けることにより球を案内可能となる
本発明によれば、1つの戻しレール部材に対する簡単な接続切り替え構成で右利き、左利きのいずれにも対応できる球受け台を提供できる。
本発明の一実施形態に係るゴルフ練習装置の斜視図である。 ゴルフ練習用ネットと球受け台を支持する枠体の斜視図である。 ベースネットの水平方向における位置変化の構成を示す平面図である。 球受け台を右利きタイプに設定した状態の概要正面図である。 球受け台を左利きタイプに設定した状態の概要正面図である。 前段ネットを吊り下げるフック部材の分解斜視図である。 打球の飛翔経路を示す模式的平面図である。 前段ネットの打球補足機能を示す側面図である。 前段ネットが単枚構成の場合の不具合を示す図である。 前段ネットが2枚構成の場合の不具合を示す図である。 球受け台の平面図である。 球受け台の前壁及び側壁を除いた斜視図である。 図12のX−X線での概要断面図である。 ガイド部材の支持構成を示す斜視図である。 ガイド部材の左利きと右利きへの対応機能を示す正面図である。 球受け台の前壁の回動構成を示す図である。 戻しレール部材を示す分解斜視図である。 図17のY−Y線での断面図である。 球供給ユニットの分解斜視図である。 球供給ユニットの内部構成を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)のZ−Z線での概要断面図である。 押圧レバーによる球の押し上げ動作を示す概要断面図である。 球供給ユニットのカバーの開口部での断面図である。 ネットの高さが上限に近い状態の装置側面図である。 ネットの高さを低くした状態の装置側面図である。 図24の状態からさらに球受け台を折り畳んだ状態の装置側面図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るゴルフ練習装置1の使用状態を示す斜視図である。ゴルフ練習装置1は、ゴルフ練習用ネット2と、ゴルフ練習用ネット2に当たって落下する球を収容する球受け台3と、ゴルフ練習用ネット2と球受け台3を支持する枠体4と、一端部が球受け台3に接続された戻しレール部材5と、戻しレール部材5の他端部が接続された球供給ユニット6とを備えている。
図1において、符号7は、球(ゴルフボール)8を載せるショット位置としての練習マット7を示している。
練習マット7上から打たれた球8はゴルフ練習用ネット2に当たって球受け台3に落下し、球受け台3の傾斜面を転がって打者から見て右側に案内され、戻しレール部材5上を転がって球供給ユニット6に達する循環システムとなっている。
ここでは、右利きの打者に対応したタイプを例示している。
ゴルフ練習装置1は、マンションや戸建ての室内の、例えば6畳間で使用できるサイズとなっている。具体的には、ゴルフ練習用ネット2の床面からの高さH1は180cmであり、ショット位置からネットまでの距離Dは約2.5mである。ゴルフ練習用ネット2と球受け台3を含めた最大幅Wは約80cmである。これらの寸法は一例であり、これに限定されない。
後述するように、ゴルフ練習用ネット2の高さはH1を上限として約60cmの範囲で低くなるように任意に調整でき、球受け台3はネット側に折り畳めるようになっている。すなわち、使用しないときはコンパクトにでき、占有スペースを少なくできるようになっている。
ゴルフ練習用ネット2は、枠体4に差し込みタイプのバックル9を介して張り付けられ、上下端縁を枠体4に支持された受け止め部材で且つ第1のネットとしてのベースネット10と、打者側から見てベースネット10の手前に設けられ、上端側を支持されて下方に延びる受け止め部材で且つ第2のネットとしての袋状の前段ネット11とを有している。
打者は前段ネット11を目がけて球8を打つが、前段ネット11を外れた球8は後段に控える広い面積のベースネット10で受け止められる。
前段ネット11は下端側が垂れ下がった状態に吊り下げられており、打球が当たったときは前段ネット11全体がブランコのように揺れることが可能となっている。
本実施形態では、受け止め部材として、ベースネット10と、前段ネット11とからなる2段構成のネットを例示したが1段構成のネットでもよく、またネットでなくてもよい。
例えば、受け止め部材はビニールシートのようなものであってもよい。
図2に基づいて、枠体4の構成を説明する。図2は前段ネット11を外した状態を示している。
枠体4は、ベースネット10を支持する上部フレーム12と、球受け台3を支持する下部フレーム13とを有している。上部フレーム12は、垂直に延びる2本の固定支柱12aと、垂直に延びる2本の可動支柱12bとを有している。固定支柱12aの上端側には円筒状のガイド12cが固定されており、可動支柱12bはガイド12cに挿通されている。可動支柱12bの下端側には固定支柱12aが挿通された円筒状のスライダ12dが固定されている。
ガイド12cとスライダ12dとの少なくとも一方に設けられた図示しない固定用ネジを操作することにより、ネットの高さH1を調節することができる。
2本の可動支柱12bの上端側にはそれぞれ、打者側に向かって外側に広がるように延びる水平バー12eが設けられており、これに対応して下部フレーム13には水平バー12fが設けられている。
水平バー12e、12fの先端部12e−1、12f−1は、水平方向に回動可能に設けられている。
水平バー12e、12eの根元部分には、打者側に向かって水平に且つ平行に延びる支持バー12g、12gが固定されている。
下部フレーム13は、直方体の輪郭を有するように構成され、前方(打者側)には水平方向に回動可能な支持バー13aが設けられている。支持バー13aは、球受け台3を折り畳んだときに突出した状態とならないように下部フレーム13の内方に収納可能となっている(図25参照)。
下部フレーム13を構成する前方の上部水平バー13bには、後述する球受け台3の支持ロッド60(図25参照)が挿通される円筒状のジョイント14が上下方向に回動自在に設けられている。
下部フレーム13の下面には、移動を容易にするためのキャスター15が4箇所に取り付けられている。
本実施形態では、枠体4を複数の金属製パイプ材とジョイントとを用いて構成しているが、固定部分は樹脂等で適宜に一体成形してもよい。
図3は、枠体4を上面から見た図である。上部フレーム12の水平バー12e、12fの先端部12e−1、12f−1を回動することによりベースネット10の水平方向の広がりを調節でき、図3(c)に示すように、前段ネット11を奥側へずらして両サイド部分を内側へ折り畳むこともできる。
図4に示すように、前段ネット11はベースネット10よりも小面積で、ベースネット10の中央部に位置し、その下端は球受け台3の上面よりも少し高い位置となっている。
球受け台3の前方下部には、シャッター部材16が左右方向にスライド自在に設けられている。シャッター部材16で覆われていない右側の開口部分は、戻しレール部材5の一端部が挿入される右利き対応の接続口17Rとなる。戻しレール部材5は接続口17Rに端部を挿入して載せるだけでセットされる。
図1に示すように、戻しレール部材5の一端部は接続口17Rに載せた状態でネット側へさらに挿し込むことができ、これによりショット位置からネットまでの距離Dを約50cm短く調整できる。接続口17Lに接続した場合も同様である。
左利きに対応する場合には、図5に示すように、シャッター部材16が右側にスライドされ、戻しレール部材5の一端部は接続口17Lに挿入されてセットされる。
このため、右利き、左利きに対応した戻しレール部材を個別に作製する必要はなく、位置を変えるだけで簡単に利き腕の違いに対応でき、製造上の不経済性を解消できる。
家族の複数人で利用する場合に、利き腕が異なる人がいても同じゴルフ練習装置で対応できるメリットがある。
また、特許文献2に記載の構成のように、打者の前方中央に戻しレール部材が存在することによる視覚的な圧迫感もない。
シャッター部材16は、前段ネット11に向わずに下側に反れた球が当たったときの衝撃音を緩和するために軟質シート材で形成され、細幅の金属板で縁取りされている。金属板の表面はスポンジ等の柔軟部材で覆ってもよい。
軟質シート材としては、例えばポリエステル繊維を塩化ビニールで被覆した、小さな穴空きシートを採用することができる。
シャッター部材16を設けることにより、右利き、左利きのいずれにも対応可能な構成において、使用しない方の接続口に球が入り込まないようにできるとともに、外観の見劣りを解消できる。
図6に示すように、前段ネット11は、少なくとも打者に対向する前面部11aと、前面部11aに連続して第1のネット側(ベースネット10側)へ延びる側面部11bとを有している。本実施形態では、側面部11bがベースネット10側で連なった袋状に形成されている。また、前段ネット11は、内部空間が下方に向かって狭くなる形状を有している。
前段ネット11は、上端部を広がった状態に支持するフック部材18を有し、フック部材18によりベースネット10を支持する上部フレーム12に固定された支持バー12gに着脱自在に設けられている。
フック部材18は、前段ネット11の上端部が固定される長円形のループ状支持部19と、ループ状支持部19に一体に設けられたフック20とを有している。
フック20は前段ネット11の幅方向に間隔をおいて2つの引っ掛け部20aを有し、ループ状支持部19にネジ21で固定されている。フック20の引っ掛け部20aを支持バー12gの先端部に非固定状態に載せることにより、前段ネット11はブランコのように揺れることが可能となる。
支持バー12gの先端部には、引っ掛け部20aの外れ及び位置ずれを防止するための2つの凸部12hが形成されている。
図7に示すように、ベースネット10は、打者に対向する正面部10aと、正面部10aの両側から打者側に向かって広がるように延びるサイド部10bとを有している。前段ネット11はベースネット10の正面部10aと同等の幅を有し、ベースネット10側は背面部11cとしてなる。
練習マット7から打たれた球8は、通常、前段ネット11の前面部11aに当たって落下する。前段ネット11を外れてベースネット10のサイド部10bに当たった球8は横向きに跳ね返ることがあるが、この場合球8は前段ネット11の側面部11bに当たって落下する。
また、ベースネット10のサイド部10bに当たった後に正面部10aに当たって跳ね返る球8は前段ネット11の背面部11cに当たって落下する。
図8(a)に示すように、前段ネット11はフック部材18により球8の飛翔方向に揺れ動き可能に吊り下げられている。
球8が前段ネット11の前面部11aに当たると、図8(b)に示すように、前面部11aが凹んで球8を包み込むように収容し、同時に引っ掛け部20aを支点として球8が飛ぶ方向に前段ネット11全体が揺れ動く。
このため、前段ネット11の前面部11aの変形と前段ネット11全体の揺れとが相まって、球8が当たったときの衝撃、振動が大幅に緩和される。
その後球8は下方に落下するが、前段ネット11は下方に向かって内部空間が徐々に狭くなる形状、換言すれば下方に向かって球を落としやすくする傾斜形状を有しているので、落下がスムーズとなる。
前段ネット11の側面部11b、背面部11cにおいても上記の前面部11aと同様の衝撃緩和、捕球作用が生じる。
前段ネット11は袋状という立体形状であるため、特許文献1に記載のネットのように縁取りを設けなくても保形性を有する。すなわち、衝撃音を生じさせるような部材で縁取り補強することなくネットの形状のみで衝撃緩和機能を大幅に向上させることができる。
球8が前段ネット11の下方に当たった場合には、前段ネット11の下端部は接合されて単枚状となっているため、下端部は球8を巻き込むように曲がり、同時に前段ネット11全体が揺れて衝撃が緩和される。
前段ネット11は下方に向かって狭くなっているので、下端部近傍では側面部11bによる上記球受け機能が低下するが、下端部を通過する高さの球は球受け台3の側壁に当たり、球受け台3内に収容される。
袋状の下端部を接合しない場合には、下端部は不規則に波状となり、打球を一律の強度で包み込むことが困難となる。
ベースネット10、前段ネット11としては、例えば開口幅が2.5cmのナイロン製の柔らかいネットを採用することができる。
図9に示すように、前段ネット22が単枚構成であると、あまりにも自由度が高いため、包み込み作用が発揮される前に球8が移動して後段のネットに当たり、衝撃音が発生する。また、横から見た前段ネット22の幅はほとんど無いので、後段のネットに当たってランダムに跳ね返る球を捕球して落下させる機能はほとんど期待できない。
また、図10に示すように、単枚の前段ネット22を2枚配置する構成としても、打球は前段ネット間をすり抜けて球受け台の外へ飛び出す場合がある。
本実施形態では前段ネット11の形状を袋状としたが、これに限定される趣旨ではなく、背面部11cを有しない形状としてもよい。
また、前段ネット11の下端部はフリーとしたが、前段ネット11全体の揺れ動作に支障を来さない状態に、下端に球受け台3の底面に届く紐部材を付けたり、下端を紐部材で繋ぎ止めるようにしてもよい。
図11乃至図16に基づいて、球受け台3の構成を説明する。
図11は球受け台3を上方から見た図である。球受け台3は、打球を受け止める受け止め部材としての前段ネット11又はベースネット10に当たって落下する球を受ける傾斜した受け面23と、受け面23で受けた球を打者側へ戻す戻しレール部材5が接続される接続口17と、受け面23によって一定の方向(打者側に向かう方向)に転がった球を受け継いで接続口17へ案内するガイド部材24とを有している。ガイド部材24は受け面23の前方下側に配置されている。
受け面23の周囲は、受け面23の打者側に設けられる前壁61と、前壁61の左右端部に位置する側壁25と、側壁25からネット側へ外側に広がるように延びる湾曲側壁26とで囲まれている。
前壁61及び上記各側壁は受け面23に落下した球の飛び出しを規制する。
上述のように、接続口17は、打者の利き腕の違いに応じて変更できるように左右2箇所に、接続口17R、17Lとして設けられている。
球受け台3の底面としての受け面23は、前段ネット11の下方に位置する後方受け面23Aと、後方受け面23Aとガイド部材24との間に位置する前方受け面23Bとからなる分割構成である。
図12は、前壁61と側壁とを外した状態の斜視図である。後方受け面23Aは後方フレーム27に支持されており、前方受け面23Bは前方フレーム28に支持されている。
前方フレーム28は後方フレーム27に軸29で回動可能に支持されており、この構成によって球受け台3の折り畳みが可能となっている。
後方フレーム27の下面には、傾斜した後方受け面23Aと下部フレーム13との隙間に設定される脚部30が固定されている。後方フレーム27の背面には、左右方向の端部を下に向けて曲げたパイプ部材31が固定されている。
パイプ部材31の端部を図2に示す凸部12iに差し込むことにより、下部フレーム13に対する球受け台3の位置決めがなされる。
前方フレーム28の打者側の中央部には、ガイド部材24を左右に傾き可能に支持するL字状の支持部材32が回動自在に設けられている。
図13は、図12のX−X線での断面図である。後方受け面23Aは、後方フレーム27に支持されたローラ部材33と後方フレーム27の背面との間に、シャッター部材16と同様の軟質シート材34を張った構成を有している。
軟質シート材34の自由端と後方フレーム27の背面との間には付勢部材としての2本のコイルバネ35が設定されている。
すなわち、季節的な温度変化による軟質シート材34の伸び(熱膨張)による弛みが自動的に吸収され、一定のテンションが付与されるようになっている。これにより、落下した球8を受けたときの音や転がり状態をほぼ一定にできる。
受け面23の傾斜が急であると落下した球の移動速度が大きくなって球受け台3の前面に突き当たる音が大きくなるため、受け面23の傾斜は適度なものとしなければならない。この適度な傾斜において、軟質シート材34の弛みが生じると、落下した後の球の転がりが生じない懸念がある。
上記のように常時一定のテンションが付与される構成とすれば、上記懸念が生じる心配がなく、良好な受け面機能を長期に亘って維持できる。
ローラ部材33は、例えば金属製の芯材であるパイプ33aに柔軟性部材としてのスポンジチューブ33bを被覆した構成である。
前方受け面23Bは、前方フレーム28に支持された2つのローラ部材33と、ローラ部材33間に張られた軟質シート材34と、軟質シート材34にテンションを付与するコイルバネ35とから構成されている。
後方受け面23Aと同様の原理で軟質シート材34の弛みが自動的に吸収される。
球受け台3を折り畳み可能とするために、受け面23を前後2つに分割したことにより、コイルバネ35も短く設定でき、長期に亘って良好な弛み補正機能を持たせることができる。
ガイド部材24は、図14に示すように、支持部材32に左右方向の中央部を回転可能に支持されており、シーソー台のように動くことができる。ガイド部材24を左右方向のいずれか一方に傾けることにより2つの接続口17R、17Lのうちの一方に球を案内可能となる。
ガイド部材24は、2本のパイプ部材36を一体化してなり、パイプ部材36間にできる凹溝37により球を案内する構成を有する。
パイプ部材36は、例えば金属製の芯材としてのパイプ36aに柔軟性部材としてのスポンジチューブ36bを被覆した構成である。
図15に示すように、ガイド部材24の両端部の下側には、ガイド部材24を一方に傾けたときの位置を固定するためのロック機構62が設けられている。ロック機構62は、ガイド部材24に設けられた凸部材62aと、球受け台3の対応する部位に設けられた受け部材62bとを有している。
受け部材62bは弾性変形して凸部材62aを収容する構成を有している。凸部材62aと受け部材62bの配置は相対的なもので、逆配置でもよい。
ロック機構62は上記構成に限定されず、種々の構成を採用できる。
図15(b)に示すように、右利きに対応する場合にはガイド部材24の右端部を押し込んでロックする。上記のようにシャッター部材16を左側にスライドさせて接続口17Rを開口し、接続口17Rに戻しレール部材5を接続する。
左利きに対応する場合には、図15(c)に示すように、ガイド部材24の左端部を押し込んでロックする。シャッター部材16を右側にスライドさせて接続口17Lを開口し、接続口17Lに戻しレール部材5を接続する。
上記のようにガイド部材24を設けることにより、簡単な操作で右利き、左利きのいずれの構成にも簡単に設定することができる。
使用しない方の接続口はシャッター部材16で塞がれるので、打った球が使用しない方の接続口に入り込むことを防止できる。
本実施形態では、ガイド部材24を一方に傾けたときの位置固定をロック機構62によって行う構成としたが、スポンジチューブ36bの摩擦係数の大きさを利用し、球受け台3の不動部材とスポンジチューブ36bとの間における摩擦によって位置固定し、2つの接続口のうちの一方に球を案内可能な状態を維持する構成としてもよい。このようにすれば、ロック機構を設ける必要がなく、構成を簡単にできる。
図16に示すように、球受け台3の前壁61は、下端部を前方フレーム28に回動可能に支持されている。
通常は自重で打者側へ傾斜した状態に前方フレーム28で支持されているが、打球が下側へ飛んで前壁61に当たった場合には当接圧で受け面23の内方へ倒れるように動作する。
これにより、前壁61が固定されている場合に比べて球が当たったときの衝撃を緩和できるとともに衝撃音を低減できる。
前壁61、側壁25及び湾曲側壁26は、シャッター部材16と同様に軟質シート材を用いて縁取りをした構成となっている。
図17及び図18に基づいて、戻しレール部材5について説明する。
図17に示すように、戻しレール部材5は、一端が球受け台3に接続される上流レール部5Aと、一端が上流レール部5Aの他端に着脱自在に接続され、他端が球供給ユニット6に接続される下流レール部5Bとの2分割構成を有している。すなわち、6畳間等の狭い室内での取り扱い性を考慮した組み立て構成としている。
上流レール部5Aと下流レール部5B接続は、上流レール部5Aの他端に下流レール部5Bの一端を単に挿入するだけである。
上流レール部5Aは、複数本(ここでは2本)のパイプ部材38を連結部材39で一体化してなり、パイプ部材38間にできる凹溝40により球8を案内する構成となっている。
上流レール部5Aに対する下流レール部5Bの連結部分には、戻しレール部材5における球8の自重による転がり勾配を保つための床面に対する高さ調整ネジ41が設けられている。
図18は図17におけるY−Y線での断面図である。
パイプ部材38は、例えば金属製の芯材であるパイプ38aに柔軟性部材としてのビニールチューブ38bを被覆した構成である。各パイプ部材38は、その内部を貫通するボルト42とナット43とにより連結部材39に固定されている。
パイプ38aにアルミニウム等の比較的剛性の低いパイプを使用する場合には、連結部材39に対する固定部分のみに剛性の高い短パイプを挿入し、ボルトの締め付け力に対する変形を防止する構成としてもよい。
金属製のパイプに球8が直接接しながら転がると、球8に形成されたディンプルによる凹凸で音が大きくなるが、柔軟性部材によって転がるときの音が低減される。
この種のゴルフ練習装置における戻しレール部材は、一般的に、例えば特開平11−276657号公報に記載されているように樋状に形成されるが、樋形状の場合角部(エッジ)が露出するため、室内での使用では怪我をする懸念がある。また、足で踏んだ場合等には変形や破損をして使えなくなる可能性がある。
これに対し、上記のように断面が円形のパイプ部材の組み合わせにより球8の搬送路(転動路)を形成すれば接触しても怪我をする心配がない。また、パイプ部材の全体的な撓みによる弾性変形が可能であるので、足で踏んだ場合等にも変形や破損を防止できる。
樋形状の場合、球の円滑な移動を確保するべく溝幅を球の直径よりも大きくすると、球が蛇行しながら移動するので音が大きくなるが、本実施形態の如くパイプ部材の組み合わせによる搬送路とすれば、側壁が存在しないのでこのような問題はない。
図19乃至図22に基づいて、球供給ユニット6の構成を説明する。
図19は、球供給ユニット6の分解斜視図である。球供給ユニット6は、2個以上の球を直列に且つ各球が自重で転がる状態に支持する球セット部6Aと、球セット部6Aの上面を覆うカバー6Bとを有している。
球セット部6Aは、凹状のベース44と、ベース44に傾斜状態に固定された2本のパイプ部材45と、ベース44に固定された支柱46に回動自在に支持された押圧レバー47と、押圧レバー47を元の位置に戻すように付勢する付勢部材としてのコイルバネ48と、押圧レバー47の押し下げ位置を規制するストッパ49とを備えている。
ベース44の四隅の下面にはゴム製の脚部50が設けられている。
カバー6Bは、複数のアーチ形状部材51を細長いプレート58で一体に固定した骨組みを有し、ベース44に対して着脱自在に装着される。球8を排出する開口部52を除いて、透明又は穴空きの軟質シート材53で覆われている。
開口部52には、押圧レバー47の押す動作に伴って、押された球を球セット部6Aの外へ排出させる排出ガイド部材54が着脱自在に設けられている。
排出ガイド部材54の対向部分には、排出ガイド部材54によって排出される球を打撃位置へ向けて案内する案内部材55が設けられている。
2本のパイプ部材45は戻しレール部材5のパイプ部材38と同様の構成を有しており、金属製の芯材であるパイプ45aを下流レール部5Bの他端に挿入することにより、戻しレール部材5に直線的に接続される。換言すれば、2本のパイプ部材45は戻しレール部材5の延長部分としてなる。
なお、パイプ45aと下流レール部5Bの他端との接続には若干の自由度があり、且つ、接続口17Rと上流レール部5Aとの接続にも自由度があるため、図1に示すように、戻しレール部材5を傾斜した状態に配置することができる。これにより、球供給ユニット6をマット7に平行に接近させ、球をマット7上に戻すことができる。
図20に示すように、押圧レバー47は、軸56で支柱46に回動自在に支持されている。押圧レバー47は、操作部47aと、球8の外面に沿った円弧状を有し、先頭の球をその転がり方向と交差する方向(直交する方向)に押し上げる押圧部47bと、押圧部47bが先頭の球を押仕上げるときに次の球の転がりを規制する規制部47cとを有している。
コイルバネ48の一端は押圧部47bの裏面に固定され、他端は支柱46に固定されている。
押圧レバー47で球8を押し上げる前の状態では、図20(b)に示すように、規制部47cはベース44の底面に形成された穴44aに収容された状態となっている。
戻しレール部材5を転がって来た球8は、2本のパイプ部材45間の凹溝を転がり、押圧レバー47の押圧部47bに当接して止まる。押圧部47bの当接部位には当接音を緩和するためのスポンジ等の軟質部材57が設けられている。
図21に示すように、例えば打者がクラブの先で押圧レバー47の操作部47aを押し下げると、先頭の球8aは押圧レバー47の回動に伴って上方に押し上げられる。この動作中、次の球8bは押圧レバー47の規制部47cで前進移動を規制される。
押圧レバー47の回動が進むと、図22に示すように、押圧レバー47の押し上げ動作に伴って球8aは排出ガイド部材54により押し上げ方向と交差する横向きの力を受け、案内部材55側へ変位する。
押圧レバー47の操作部47aがストッパ49に当たる回動位置で、球8aは案内凹部ないし案内溝を有する案内部材55に乗り、その傾斜によって練習マット7の打撃位置へ向けて転がる。
球8aを排出した後の押圧レバー47は、コイルバネ48の付勢力で自動的に元の位置に戻り、規制部47cによる規制から解放された次の球8bが押圧部47bに当接する。
クラブの先で押圧レバー47の操作部47aを押し下げるだけでよいので、打者は屈んだり、手や足で操作する必要がなく、楽な姿勢で練習マット7上に容易に球8をセットできる。
ストッパ49により球8が排出される押圧レバー47の回動位置が決められているので、操作部47aの押し込み量が足りずに球8が排出されない等の煩わしさがない。
操作部47aの外面に例えばビニールチューブ等の軟質部材を設ければ、ストッパ49との当接音を低減できる。
押圧レバー47によって先頭の球8aが押し上げられている間、次の球8bは規制部47cによって移動を規制されているので、操作部47aを押す程度やタイミングが打者によって異なっても、次の球8bが移動することはない。
従って、押圧レバー47が上昇している間に次の球8bが押圧部47bの下側に潜り込んで押圧レバー47が動かなくなるようなことがない。
特許文献1の図3及び図4には、バネにより付勢されたロックレバーにより1個ずつボールをマット位置へ供給する構成が記載されている。
しかしながら、上記従来構成は、ボールを直線的に移動させて排出する構成であるため、ロックレバーの回動操作が少しでも遅れると、ロックレバーに一体に形成された次のボールの移動を規制する規制片が降りる前に次のボールが移動して重送となる懸念がある。
本実施形態では、上記のように、球の移動方向と交差する方向に排出するとともに、排出動作中規制部47cにより次の球を規制する構成であるので、打者のレバー操作の早い、遅いにかかわらず上記懸念は生じない。
案内部材55は、図19及び図22に示すように、L字状に曲げられた2本の帯板55aを横板55bで連結して一体化した構成を有し、各帯板55aは止めネジ59でプレート58に固定されている。各帯板55a間は球の案内溝としてなる。
案内部材55が左右両側に固定されており、排出ガイド部材54は一方の案内部材55に着脱自在に装着されている。
排出ガイド部材54は、案内部材55の帯板55a間の溝に収容される幅の装着部54aと、装着部54aから斜め上に立ち上がるように延びるガイド部54bとからなり、装着部54aの下面には横板55bに嵌合する嵌合部54cが設けられている。
嵌合部54cと横板55bの位置をずらした状態で排出ガイド部材54を案内部材55の溝に嵌め、スライドさせると嵌合部54cが横板55bに嵌合し、排出ガイド部材54は球を排出可能な所定位置にセットされる。
排出ガイド部材54をいずれかの案内部材55に装着することにより右利きタイプ、左利きタイプのいずれかに設定できる。
本実施形態では図19における排出ガイド部材54の形状を分かりやすくするために、左利きタイプの球供給ユニット6を例示しているが、排出ガイド部材54を抜いて反対側の案内部材55に装着することにより、右利きタイプに対応した構成となる。
本実施形態の構成によれば、ネジ等の部材の取り外しをすることなくワンタッチ操作で簡単にタイプ別に対応できる。
本実施形態では、案内部材55を両側に固定し、排出ガイド部材54をいずれかの案内部材55に装着する構成としたが、案内部材55と排出ガイド部材54とを別々に作製し、それぞれの基端部をプレート58の部位に上方から挿し込んで装着する着脱構成としてもよく、ネジやボルト等で着脱可能に固定するようにしてもよい。
このようにすることにより、1つのユニットで右利き、左利きの双方のタイプに容易に設定でき、タイプ別に個別作製する場合に比べて価格的に有利となる。
この種のゴルフ練習装置における球の戻し構成は、例えば特許文献1に記載されているように、真っ直ぐに延びてきた戻しレール部材を直角に曲げて打撃位置へ導く構成が一般的である。
しかしながら、このようにした場合、戻しレール部材は右利きあるいは左利きの専用タイプとならざるを得ない場合があるとともに、形状的に無駄なスペースをとる。さらに、曲げ角度が直角に近いと、転がりに勢いがついた球が曲がり部位で外に飛び出ることもある。
本実施形態では、球供給ユニット6内で球の向きを変える構成としているので、図1で示したように、戻しレール部材5と球供給ユニット6は直線状に接続・配置でき、曲がり形状による無駄なスペースが生じない。
また、戻しレール部材5及び球供給ユニット6共に右利き、左利きのいずれのタイプにも兼用でき、戻しレール部材5の傾斜の度合いにかかわらず球の飛び出しの心配もない。
以下に、ゴルフ練習装置1のコンパクト化構成について説明する。
図23は、ゴルフ練習用ネット2の高さを上限近くに設定している状態の側面図である。ガイド12cとスライダ12dとの少なくとも一方に設けられた図示しない固定用ネジを弛めて可動支柱12bを下げることにより、図24に示すように、ネットの高さをH1からH2に低くすることができる。この調節は、例えば使用しない場合や移動運搬時になされる。
図25に示すように、球受け台3の前部をネット側に折り畳むことによって、さらに占有スペースを小さくでき、不使用時の邪魔になる程度を軽減できるとともに、移動運搬性を向上させることができる。
球受け台3の前壁61は折り畳み動作に伴って自重でネット側に倒れる。折り畳み時の球受け台3の安定性は、球受け台3の下面に回動自在に設けた支持ロッド60(他の図では省略)により確保されている。
支持ロッド60の下端は、下部フレーム13に回動自在に支持された円筒状のジョイント14に摺動可能に挿通されている。
支持ロッド60とジョイント14とのユニバーサルジョイント的な嵌合により、折り畳み時の寸法変位が吸収され、球受け台3が安定に支持される。球受け台3が折り畳まれない状態では、支持ロッド60は下部フレーム13内に位置する。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 ゴルフ練習装置
3 球受け台
5 戻しレール部材
16 シャッター部材
17R、17L 接続口
23 受け面
24 ガイド部材
36 パイプ部材
61 前壁

Claims (5)

  1. 打球を受け止める受け止め部材に当たって落下する球を受ける傾斜した受け面と、
    前記受け面で受けた球を打者側へ戻す戻しレール部材が選択的に接続される左右2箇所に設けられた接続口と、
    前記受け面によって一定の方向に転がった球を前記2つの接続口のうちの一方へ案内するガイド部材と、
    を有し、
    前記ガイド部材は、左右方向の中央部を上下方向に回転可能に支持され、前記2つの接続口のうち前記戻しレール部材が接続された方に傾けることにより球を案内可能となる球受け台。
  2. 請求項1に記載の球受け台において、
    前記ガイド部材は、不動部材との摩擦によって前記2つの接続口のうちの一方に球を案内可能な状態を維持する球受け台。
  3. 請求項1又は2に記載の球受け台において、
    左右方向にスライド自在に設けられ、前記2つの接続口のうち使用しない方の接続口を塞ぐシャッター部材を有している球受け台。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の球受け台において、
    前記ガイド部材が複数本のパイプ部材を一体化してなり、前記パイプ部材間にできる凹溝により球を案内する球受け台。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の球受け台を備えたゴルフ練習装置。
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