以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は一実施の形態におけるパチンコ機1の正面図であり、図2はパチンコ機1の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機1の遊技領域PE内の構成を省略している。
パチンコ機1は、パチンコ機1の外殻を形成する外枠2(枠部材)と、この外枠2に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部3とを有する。外枠2は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機1は、外枠2を島設備に取り付け固定することにより、遊技施設に設置される。
遊技機主部3は、ベース体としての内枠4(背面ユニット)と、その内枠4の前方に配置される前扉5と、内枠4の後方に配置される裏パックユニット6とを備えている。遊技機主部3のうち内枠4が外枠2に対して回動可能に支持されている。詳細には、パチンコ機1の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として、内枠4が回動基端側の上下方向を回動軸として外枠2に対して前方へ回動可能とされている。
内枠4には、図2に示すように、前扉5が回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として、前扉5が回動基端側の上下方向を回動軸として内枠4に対して前方へ回動可能とされている。また、内枠4には、裏パックユニット6が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉5について説明する。図2に示すように、前扉5は内枠4における前面側のほぼ全域を覆うようにして設けられている。前扉5には後述する遊技領域PEのほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部7が形成されている。窓部7は、上方が円弧状に湾曲し、下方が下窄まりの台形形状をなし、透明性を有するガラス8が嵌め込まれている。
より詳しくは、前扉5は、窓部7を囲むようにして設けられたガラスホルダ9を有している。ガラスホルダ9は、前扉5の背面から後方に張り出しており、窓部7の左右の縁部に沿って上下に延びる縦ホルダ部9a,9bとそれら両縦ホルダ部9a,9bの下端部を繋いで左右に延びる横ホルダ部9cとを有してなる。各ホルダ部9a〜9cには、前後に並設された2条の溝部が形成されている。縦ホルダ部9a,9bの溝部は上方及び互いに向き合う側(すなわち窓部7の中央側)に開放されており、横ホルダ部9cの溝部は、上方に開放されているとともに、両縦ホルダ部9a,9bの溝部に対して連なっており、それら各溝部に対してガラス8が嵌まることで、遊技領域PEが内外2重に覆われた状態となっている。
図1に示すように窓部7の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部7の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部10が設けられている。環状電飾部10では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部10の中央であってパチンコ機1の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部11が設けられ、窓部7の左右両側には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部12が設けられている。また、中央のエラー表示ランプ部11に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部13が設けられている。
前扉5における窓部7の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部14と下側膨出部15とが上下に並設されている。上側膨出部14内側には上方に開口した上皿16が設けられており、下側膨出部15内側には同じく上方に開口した下皿17が設けられている。上皿16は、内枠4に取り付けられた払出装置(図示せず)より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構32(後述する)側へ導くための機能を有する。また、下皿17は、上皿16内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部15の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。遊技球発射ハンドル18が操作されることにより、後述する遊技球発射機構32から遊技球が発射される。遊技球発射ハンドル18の上方には、前扉5の厚さ方向(図1紙面垂直方向)に貫通する円形状の貫通孔19が形成されている。貫通孔19から、内枠4の右側部に設けられ前方に向かって突き出すシリンダ錠39の先端が露呈する。
前扉5の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット20が取り付けられている。通路形成ユニット20は、合成樹脂により成形されており、上皿16に通じる前扉側上皿通路21と、下皿17に通じる前扉側下皿通路22とが形成されてなる。通路形成ユニット20において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部23が形成されており、当該受口部23を仕切壁24によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路21と前扉側下皿通路22の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路21及び前扉側下皿通路22は上流側が遊技球分配部(図示せず)に通じており、前扉側上皿通路21に入った遊技球は上皿16に導かれ、前扉側下皿通路22に入った遊技球は下皿17に導かれる。
前扉5の背面における回動先端側(図2の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤受け部材26(26a〜26c)が上下方向に複数並設されている。これら鉤受け部材26は内枠4に対する前扉5の施錠機構を構成する。また、内枠4の回動先端側(図2の右側)と相対する外枠2の右側部には、鉤受け部材2a,2bが外枠2の上部および下部にそれぞれ配設されている。これら鉤受け部材2a,2bは外枠2に対する内枠4の施錠機構を構成する。
内枠4は、外形が外枠2とほぼ同一形状をなす樹脂ベース30を主体に構成されている。樹脂ベース30前面の略中央部分には、遊技盤40を収容する遊技盤収容部31が形成されている。遊技盤収容部31は、樹脂ベース30の背面側(後方)に凹み、遊技盤40を収容する収容空間を区画しており、前扉5に取り付けられた遊技盤40がその空間に収容された状態となる。遊技盤40は、木製の合板とその合板における前側の板面を覆うシート材とを有してなり、その前面が樹脂ベース30の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技盤40の前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。
遊技盤40には、ルータ加工が施されることによって自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口、可変入賞装置、作動口、スルーゲート及び可変表示ユニット等がそれぞれ設けられている。一般入賞口、可変入賞装置及び作動口に遊技球が入ると、それら遊技球が検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤40の最下部にはアウト口41が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口41を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤40には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘や風車等の各種構成(図示せず)によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口等への入賞が適度な確立で発生するように調整されている。
ここで、樹脂ベース30における遊技盤収容部31の下方には、遊技球発射ハンドル18(図1参照)の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構32が設けられている。より詳しくは、樹脂ベース30において遊技盤収容部31の下方には遊技球発射機構32を設置する発射機構設置部33が形成されている。なお、遊技球発射ハンドル18は、前扉5(図2参照)に設けられる。
発射機構設置部33に設置された遊技球発射機構32は、内枠4の回動先端寄りに位置している。遊技球発射機構32は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイドと、同ソレノイドによって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レールと、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送り機構と、それら各種構成が装着されているベースプレートとを主要な構成として備えており、同ベースプレートが樹脂ベース30に対してネジ止めされることで内枠4に対して一体化されている。
遊技球発射機構32(詳しくはソレノイド)は、電源及び発射制御装置(図示せず)に対して電気的に接続されている。その電源及び発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイドの出力軸が伸縮方向、すなわち発射レールのレール方向に移動し、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技領域PE、詳しくは遊技盤40に装着された誘導レール42に向けて打ち出される。
誘導レール42は、遊技球を誘導すると共に遊技領域PEを区画するための部材である。誘導レール42は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された2つのレールで挟まれた領域によって遊技球の案内通路42aが形成されている。案内通路42aは、発射レールの先端側(遊技盤40の下端側)に開放された入口部分42bと、遊技領域PEの上部に位置する出口部分42cとを有している。ソレノイドの動作に基づいて遊技球発射機構32から発射された遊技球は、発射レール(内枠4)→案内通路42a(入口部分42b→出口部分42c)の順に移動することにより、誘導レール42で区画された遊技盤40の遊技領域PEに導かれる。
内枠4に配設された発射レール(遊技球発射機構32)と誘導レール42は、誘導レール42の入口部分42bと発射レールの先端部分とが遊技盤40の下端縁を挟んで斜めに対峙するように配置されている。つまり、それら両レールは、誘導レール42の入口部分42b(詳しくは特定部位)と発射レールの先端部分とが遊技盤40の下端縁近傍にて左右にずれるようにして配置されている。これにより両レールを遊技盤40の下端縁に近づけつつ、誘導レール42の入口部分42bと発射レールとの間には所定間隔の隙間が形成されている。
このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路25(図2参照)が配設されている。ファール球通路25は前扉5の通路形成ユニット20に一体成形されている。仮に、遊技球発射機構32から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として案内通路42a内を逆戻りする場合には、ファール球が上記隙間を介してファール球通路25内に入ることとなる。ファール球通路25は前扉側下皿通路22に通じており、ファール球通路25に入った遊技球は、図1に示した下皿17に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
樹脂ベース30において発射レールの左方には、樹脂ベース30を前後方向に貫通させて通路形成部34が設けられている。通路形成部34には本体側上皿通路と本体側下皿通路とを有してなり、それら本体側上皿通路及び本体側下皿通路の上流側は、遊技球分配部に通じている。また、通路形成部34の下方には前扉5に取り付けられた通路形成ユニット20の受口部23が入り込んでおり、本体側上皿通路の下方には前扉側上皿通路21が配置され、本体側下皿通路の下方には前扉側下皿通路22が配置されている。
内枠4及び遊技盤40の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに遊技球を供給するための遊技球供給装置や合成樹脂製の保護カバー35等が取着されている。即ち、保護カバー35の最上部には上方に開口したタンク36が設けられており、このタンク36には遊技施設の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。そして、払出モータ(図示せず)等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。払出装置より払い出された遊技球は払出通路等を通じて上皿16(図1参照)に供給される。
内枠4の前面における回動基端側(図2の左側)には、その上端部および下端部に支持金具37が取り付けられている。支持金具37にはピン37dが突設されている。一方、外枠2の前面における回動基端側(図2の左側)には、支持金具37と相対する位置に受金具38が取り付けられている。受金具38には軸孔38c(後述する)が形成されており、それら軸孔38cに支持金具37のピン37dが挿入され、そのピン37dの先端は、前扉5の上端部および下端部に形成された軸孔5b(後述する)に挿入される。これによりピン37dを回動軸として、外枠2に対して内枠4及び前扉5が開閉可能に支持されている。
次に図3を参照して、前面ユニット100について説明する。図3は第1実施の形態における前面ユニット100の分解斜視図である。前面ユニット100は、前扉5に対して遊技盤40を開閉可能に支持するためのユニットであり、前扉5と、遊技盤40と、その遊技盤40を前扉5に対して開閉可能に支持する遊技盤支持部材50とを備えている。まず、遊技盤支持部材50について説明する。
遊技盤支持部材50は遊技盤40を支持するための部材であり、板材によって矩形枠状に形成されている。側板51は、遊技盤40の側縁40a(図4参照)が対面する部位であり、上下に長く前後に短い矩形の板状部材により形成されている。側板51は、前側の側縁の上下方向に沿って左右一方向(図3右側)に第1前板52aが突設され、側板51の後側の側縁の上下方向に沿って左右一方向に第1背板53が突設されている。側板51、第1前板52a及び第1背板53は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。
第1前板52aは、第1前板52aと直交して上端部および下端部からそれぞれ前方に向かって平板状の上部金具54及び下部金具55が突設されている。上部金具54及び下部金具55は、それぞれ下向きのピン54a,55aが突設される部位である。このピン54a,55aが前扉5に対して遊技盤支持部材50が開閉するときの回動軸を構成する。
第2前板52bは、第1前板52aに対して直交するように第1前板52aの下部から左右一方向(図3右側)に突設される部材であり、第2前板52bの下部から後方に向けて第1底板56及び第2底板57が突設されている。第1底板56及び第2底板57は、遊技盤40の下縁を支持するための部位であり、第1底板56の端縁56b及び第2底板57の端縁57aが所定の間隔をあけて配置され、第1底板56の回動軸側の端縁56aは、平面視してピン55aに対し左右一方向側に位置している。
第1底板56及び第2底板57の後側の側縁から上向きに第2背板58が突設されている。第1底板56及び第2底板57は第2背板58により連結されている。第1底板56、第2前板52b及び第2背板58は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。また、第2底板57、第2前板52b及び第2背板58は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。第1底板56の端縁56b、第2底板57の端縁57a、第2前板52b及び第2背板58で囲まれたところに、開放領域hが形成されている。
第3前板52cは、第1前板52aに対して直交すると共に第2前板52bに対して平行となるように第1前板52aの上部から左右一方向(図3右側)に突設される部材である。第3前板52c及び第2前板52bは、左右一方向の端部間に第4前板52dが連結されている。なお、第1前板52a,第2前板52b,第3前板52c及び第4前板52dは同一平面上に位置し、それらが連設された額縁状の一部材(前板52)として形成されている。その第4前板52dの上下方向に沿って縦板59が前方に突設されている。縦板59は、上部、中央部および下部の3か所から鉤部60が突設されている。鉤部60は、前扉5に対する遊技盤支持部材50の開放規制機構を構成する。
天板61は、第3前板52cの上部から後方に向けて突設される板状の部材である。天板61は、第1底板56及び第2底板57に対して平行となるように配置され、天板の後側の側縁から下向きに第3背板62が突設されている。天板61、第3前板52c及び第3背板62は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。天板61の回動軸側の端縁61aは、平面視してピン54aに対し左右一方向側(図3右側)に位置している。
なお、側板51の下部側には、コネクタ63が配置されている。コネクタ63(第1コネクタ)は、内枠4に取り付けられた球払出制御基板や電源基板等の各種制御基板に設けられた電気回路(図示せず)と電気的に導通する配線が、側板51の裏側で接続される部品である。その配線が接続されるコネクタ63の端子は、第1底板56及び第2底板57の長手方向(横方向)と平行に、左右他方向(縦板59側、図3右側)を向いて露出している。
前扉5は、背面の左右一方向側(回動基端側、図3右側)の上下2か所に、上向きの受け部70,71が形成されている。受け部70,71は、遊技盤支持部材50の第1前板52aの上下に突設された上部金具54及び下部金具55と接する部位であり、受け部70,71の大きさ及び位置は、上部金具54及び下部金具55の大きさ及び位置に合わせて設定されている。受け部70,71間の距離(上下方向)は、上部金具54及び下部金具55間の距離(上下方向)と同一に設定されている。受け部70,71には、それぞれ、ピン54a,55aが挿入される孔部(図示せず)が形成されている。
従って、受け部70,71のそれぞれに形成された孔部の上方に上部金具54及び下部金具55を位置させた後、上部金具54及び下部金具55を下降させつつ孔部にピン54a,55aを挿入することにより、ピン54a,55aを回動軸として前扉5に対し遊技盤支持部材50を開閉可能にできる。
また、ピン54a,55aは、受け部70,71に形成された孔部(図示せず)に挿脱可能に構成されているので、前扉5に対し遊技盤支持部材50を着脱可能にできる。これにより、前扉5及び遊技盤40を別のものと交換する場合には、別の前扉に形成された受け部の寸法等に変わりがなければ、遊技盤支持部材50を前扉5から取り外して、交換する別の前扉に装着できる。その結果、前扉5及び遊技盤40を別のものと交換する場合であっても、遊技盤支持部材50は交換することなく、別の前扉に取り付けて繰り返し使用できる。
前扉5は、左右他方向側(回動先端側、図3左側)の側縁に、後方に延びる鉤受け部材26(26a〜26c)が上下方向に複数並設されている。鉤受け部材26は、上下方向に延びる縦板27によって連結されており、鉤受け部材26a,26b間には縦板27から後方に向かって爪片28が突設されている。また、縦板27と前扉5の側縁との間には、上下方向に延びる摺動杆80が配設されている。摺動杆80は、遊技盤支持部材50に設けられた鉤部60が進入して前扉5に対する遊技盤支持部材50の開放を規制するための部材である。摺動杆80の詳細な構成については後述する。
次に図4を参照して遊技盤40について説明する。図4は遊技盤40の斜視図である。遊技盤40は、誘導レール42により遊技領域PEが区画されている。遊技盤40は、内枠4や前扉5等と共にパチンコ機1が構成された状態では、誘導レール42で区画された遊技領域PEの下部に位置する下部領域43から、遊技球が盤面に進入する。下部領域43に進入した遊技球は、誘導レール42の入口部分42bから出口部分42cを経て遊技領域PEに導入される。遊技盤40は、盤面の下縁から前方に向かって下部領域43の左右両側に突設される下部突設部44,45と、盤面の上縁から前方に向かって盤面の左右に亘って突設される上部突設部46とを備えている。
下部突設部44,45は、遊技盤支持部材50に支持される遊技盤40の安定性(スライド移動の安定性)を向上させるための部位であり、厚さ(前後方向)を遊技盤40の盤面の厚さよりも大きくするために設けられる。下部突設部44,45の厚さ(前後方向)は、遊技盤40の盤面の厚さと誘導レール42の高さとを加えた大きさよりわずかに大きく設定され、遊技盤支持部材50の第2前板52b及び第2背板58の間隔よりわずかに小さく設定されている。また、下部突設部44,45の長さ(左右方向)は、下部領域43を通過する遊技球の進行を阻害しないような範囲に設定されている。下部突設部44は、遊技盤支持部材50の第1底板56に載置される部位であり、下部突設部45は第2底板57に載置される部位である。
下部突設部44は、底面から出没可能に構成された突起47が端縁44a近くに下方に向けて突設されている。突起47は、弾性部材(図示せず)により下方に向かって突出するように付勢されており、その弾性部材による付勢力に抗する力が付与されることで、下部突設部44の底面と少なくとも同一面となるまで下部突設部44内に没入される。
上部突設部46は、厚さ(前後方向)を遊技盤40の盤面の厚さよりも大きくするために設けられる部位である。これにより、遊技盤40を搬送するときや遊技盤支持部材50に支持させるとき等に、上部突設部46に手の指を掛けて持ち運んだり持ち上げたりし易くできる。なお、上部突設部46の厚さ(前後方向)は、遊技盤40の盤面の厚さと誘導レール42の高さとを加えた大きさよりわずかに大きく設定され、遊技盤支持部材50の第3前板52c及び第3背板62の間隔よりわずかに小さく設定されている。
下部突設部44,45の底面から上部突設部46の天面までの高さは、遊技盤支持部材50の第1底板56、第2底板57から天板61までの高さよりわずかに小さめに設定されている。また、下部突設部44の端縁44aから下部突設部45の端縁45bまでの長さ、及び、上部突設部46の端縁46a,46b間の長さは、遊技盤支持部材50の側板51から第2底板57の端縁57bまでの長さ、及び、側板51から天板61の端縁61bまでの長さと略同一の長さに設定されている。
上部突設部46は、天面から出没可能に構成された突起48が端縁46a近くに上方に向けて突設されている。突起48は、弾性部材(図示せず)により上方に向かって突出するように付勢されており、その弾性部材による付勢力に抗する力が付与されることで、上部突設部46の天面と少なくとも同一面となるまで上部突設部46内に没入される。
突起48は、端縁46aから端縁46bに向かうにつれ上部突設部46の天面から次第に上昇傾斜する面を有する第1傾斜部48aと、第1傾斜部48aの傾斜角度より大きな角度で端縁46aから端縁46bに向かうにつれ第1傾斜部48aから下降傾斜する面を有する第2傾斜部48bとを備えて構成されている。なお、突起47も、突起48と同様に第1傾斜部47a及び第2傾斜部47bを備えて構成されているので説明を省略する。
なお、遊技盤40の側縁40aの下部側には、コネクタ49が配置されている。コネクタ49(第2コネクタ)は、遊技盤40に取り付けられた主基板等の各種制御基板に設けられた電気回路(図示せず)と電気的に導通する配線が、遊技盤40の背面で接続される部品である。その配線が接続されたコネクタ49の端子は、左右一方向(図4左側)を向いて露出されている。
また、遊技盤40の側縁40b寄りの盤面の下部側には、盤面の厚さ方向に凹んだ若しくは貫通する凹部40cが形成されている。凹部40cは、遊技盤支持部材50に支持された遊技盤40を遊技盤支持部材50から取り外すときに、手の指を掛けて遊技盤40を遊技盤支持部材50から引き抜き易くするための部位である。凹部40cとコネクタ49とを結ぶ直線(特に、コネクタ49の上下方向の中心と凹部40cの上下方向の中心とを結ぶ直線)と、下部突設部44,45の底面とが平行となるように、凹部40cの位置が設定されている。
次に図3から図5を参照して、遊技盤40と遊技盤支持部材50との関係について説明する。図5は遊技盤40を支持した遊技盤支持部材50の斜視図である。上述したように、下部突設部44,45の底面から上部突設部46の天面までの高さは、遊技盤支持部材50の第1底板56、第2底板57から天板61までの高さよりわずかに小さめに設定されている。また、下部突設部44の端縁44aから下部突設部45の端縁45bまでの長さ、及び、上部突設部46の端縁46a,46b間の長さは、遊技盤支持部材50の側板51から第2底板57の端縁57bまでの長さ、及び、側板51から天板61の端縁61bまでの長さと略同一の長さに設定されている。これにより、遊技機支持部材50によれば、第2底板57の端縁57b及び天板61の端縁61b側から、第1底板56、第2底板57と天板61との間に遊技盤40を挿入できる。
上部突設部46の厚さ(前後方向)は、遊技盤支持部材50の第3前板52c及び第3背板62の間隔よりわずかに小さく設定されており、下部突設部44,45の厚さ(前後方向)は、遊技盤支持部材50の第2前板52b及び第2背板58の間隔よりわずかに小さく設定されている。これにより、遊技盤40の下部突設部44,45を、第2底板57及び第1底板56の上をガタつくことなく左右方向にスライドさせると共に、上部突設部46を天板61の下をガタつくことなく左右方向にスライドさせることができる。また、遊技盤40をスライド移動させた後は、遊技盤支持部材50内で遊技盤40が前後方向にガタつくことを防止できる。
遊技盤40の下部突設部44及び上部突設部46にそれぞれ突設された突起47,48は、下部突設部44及び上部突設部46にそれぞれ出没可能に構成されているので、遊技盤40の側縁40aを遊技盤支持部材50の側板51に近づけるようにスライドさせるときには、第2底板57及び第1底板56、天板61にそれぞれ押されて、下部突設部44及び上部突設部46にそれぞれ埋入される。これより、第2底板57及び第1底板56、天板61で突起47,48が押されているときには、遊技盤40のスライド移動が許容される。
なお、突起47,48は、遊技盤40の側縁40aから側縁40bに向かうにつれ、下部突設部44及び上部突設部46からそれぞれ小さい傾斜角で次第に上昇傾斜する傾斜面である第1傾斜部47a,48aを備えている。よって、遊技盤支持部材50の側板51に近づけるように遊技盤40をスライドさせる場合には、遊技盤40をスライドさせる横方向荷重により、遊技盤支持部材50の第2底板57及び第1底板56、天板61にそれぞれ押されて、自然に下部突設部44及び上部突設部46に埋入する。
また、突起47,48は、遊技盤40の側縁40aを遊技盤支持部材50の側板51に突き当てるようにしたときに、第1底板56及び天板61の回動軸側の端縁56a,61aから離脱して、弾性部材(図示せず)の付勢力により第1底板56及び天板61より大きく突出するような位置に設けられている。詳細には、遊技盤40のコネクタ49と遊技盤支持部材50のコネクタ63とが接続されたときに、第1底板56及び天板61の回動軸側の端縁56a,61aから離脱して、弾性部材(図示せず)の付勢力により第1底板56及び天板61から突出するような位置に設けられている。
突起47,48が第1底板56及び天板61よりも大きく突出した場合は、遊技盤40を反対方向にスライドさせようとすると、第1底板56及び天板61の回動軸側の端縁56a,61aに、突起47,48の第2傾斜面47b,48bが当接する。第2傾斜面47b,48bは、遊技盤40の側縁40aから側縁40bに向かうにつれ、第1傾斜部47a,48aより大きい傾斜角で下部突設部44及び上部突設部46に向かって下降傾斜する傾斜面である。よって、第1底板56及び天板61の回動軸側の端縁56a,61aに第2傾斜面47b,48bが突き当たり、突起47,48は没入することなく突出した状態が維持される。従って、遊技盤40を、突起47,48が突出する所定の位置までスライドさせた後は、遊技盤40の反対方向のスライド(横方向移動)が規制される。
なお、突起47,48による遊技盤40の反対方向のスライドの規制を解除するためには、手の指等を使って突起47,48を下部突設部44及び上部突設部46にそれぞれ押し込み、その間に遊技盤40を反対方向にスライドさせれば良い。
コネクタ49,63は、遊技盤40の側縁40aを遊技盤支持部材50の側板51に近づけるようにスライドさせると接続されるような位置に、それぞれ遊技盤40の側縁40a及び側板51に設けられている。これにより、遊技盤支持部材50に遊技盤40をスライドさせて遊技盤40の側縁40aを遊技盤支持部材50の側板51に突き当てるようにすることで、コネクタ49,63を接続させることが可能である。これによりコネクタ49,63間を配線で接続する等の付帯作業を省略することができ、配線の作業性を向上できる。
ここで、コネクタ49,63同士が接続された状態では、突起47,48による遊技盤40の反対方向のスライドの規制を解除した場合であっても、遊技盤40を反対方向にスライドさせることは困難である。コネクタ49,63同士が嵌合しているからである。そこで、遊技盤40の下部側に形成された凹部40cに手の指を掛け、遊技盤40を反対方向にスライドさせる。凹部40cは、コネクタ49,63と略同一の高さに形成されているので、コネクタ49,63に略水平方向の荷重を与えることができる。その結果、コネクタ49,63の端子をこじることなくコネクタ49,63の接続を解除できる。これにより、コネクタ49,63を損傷させることなく遊技盤40を反対方向に容易にスライドさせることができる。
図5に示すように、下部突設部44,45及び上部突設部46の高さ(上下方向)は、遊技盤支持部材50の第2前板52b及び第3前板52cの高さ(上下方向)と略同一の大きさに設定されている。遊技盤40の遊技領域PEは下部突設部44,45と上部突設部46との間に形成されているので、上記のように第2前板52b及び第3前板52cの高さを設定することにより、遊技盤支持部材50の第2前板52b及び第3前板52cが、遊技領域PEを注視する遊技者の視野に入ることを防止できる。
また、遊技盤支持部材50の第2前板52bは、前扉5と内枠4との間に遊技盤40を支持する遊技盤支持部材50が配置されたときに、遊技球発射機構32(図2参照)から発射される遊技球と干渉しない位置に配置されている。これにより、遊技球発射機構32(図2参照)から発射される遊技球が、第2前板52bに遮られて遊技領域PEに導入されなくなることを防止できる。
なお、第2前板52bを、透明で機械的強度の高いポリカーボネート等の合成樹脂で形成することにより、第2前板52bが視認され難くなるので、遊技者に違和感を与えることを抑制できる。また、第2前板52bを遊技者に視認できないようにするため、下部領域43に位置する第2前板52bの一部(第2前板52bの中央付近)を省略することは可能である。下部領域43に位置する第2前板52bの一部を省略することにより、遊技球発射機構32(図2参照)から発射される遊技球が、第2前板52bに遮られて遊技領域PEに導入されなくなることを防止できると共に、遊技者に違和感を与えることを防止できる。
遊技盤支持部材50の第1前板52a及び第4前板52dは、誘導レール42で区画された盤面の範囲外に位置するように幅(左右方向)が設定されている。これにより、遊技盤支持部材50の第1前板52a及び第4前板52dが、遊技領域PEを注視する遊技者の視野に入ることを防止できる。
遊技盤支持部材50の第2底板57の回動軸側の端縁57a、及び、その端縁57aと対向する第1底板56の端縁56bは、遊技盤支持部材50に装着された遊技盤40の下部領域43の左右方向の幅を狭めないようなところに配置される。具体的には、端縁56b,57aの位置は、遊技盤支持部材50に装着された遊技盤40の下部突設部44,45の下方に位置するように設定される。換言すれば、遊技盤支持部材50の第2底板57の端縁57aは、平面視して、遊技盤40の下部突設部45の端縁45aと端縁45bとの間に位置する。これにより、遊技球発射機構32(図2参照)から発射される遊技球が、第1底板56及び第2底板57に遮られて遊技領域PEに導入されなくなることを防止できる。より好ましくは、遊技盤支持部材50に形成された開放領域hの左右方向の幅と、遊技盤40の下部領域43の左右方向の幅とは同一の値に設定される。
次に図3、図4及び図6を参照して、前扉5に遊技盤40を保持させるときの遊技盤支持部材50の使用方法について説明する。図6は前面ユニット100の斜視図である。図6に示すように前扉5の背面側に設けられた受け部70,71に、遊技盤支持部材50の上部金具54及び下部金具55をそれぞれ取り付け、上部金具54及び下部金具55に突設されたピン54a,55aを、受け部70,71に形成された孔部に挿入する。次いで、図示しないサポート金具を取り付けて、各受け部70,71から上部金具54及び下部金具55が外れないようにする。これにより前扉5に対し遊技盤支持部材50を開閉可能に支持させることができる。
次に、島設備(図示せず)に固定された外枠2と、その外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とに、ヒンジ(後述する)を用いて前扉5を取着する。これにより遊技盤支持部材50は、内枠4と前扉5との間に開閉可能に配置される。
ヒンジの回動軸を中心に外枠2に対して内枠4を回動させて外枠2に内枠4を収装し、ヒンジの回動軸を中心に内枠4に対して前扉5を回動させて、前扉5を内枠4に対して開放する。このときに、内枠4に設けられた電気回路(図示せず)を、コネクタ63と電気的に導通した後述するコネクタ64(図9参照)に接続する。
次いで、遊技盤支持部材50の第2底板57の高さに遊技盤40の下部突設部44が位置するまで遊技盤40を持ち上げ、遊技盤40の下部突設部44を遊技盤支持部材50の第2底板57の上に載せる。遊技盤40の下部突設部44の端縁44a付近を遊技盤支持部材50の第2底板57の端縁57b近くに載せた状態で、遊技盤40の上部突設部46を、第3前板52cと第3背板62との間に挿入する。遊技盤40の下部突設部44及び上部突設部46を、遊技盤支持部材50の第2底板57及び天板61の間に挿入し、遊技盤40の側縁40aが遊技盤支持部材50の側板51に近づくように横方向にスライドさせる。
ここで、下部突設部44及び上部突設部46の厚さ(図6左右方向)は、遊技盤40の誘導レール42を含む厚さの最大値(盤面に配置された役物等の厚さを含む)より大きな値に設定されている。また、下部突設部44の厚さ(図6左右方向)は、第2背板58と縦板59(背面側)との間隔より小さい値に設定されている。さらに、上部突設部46の厚さ(図6左右方向)は、第3背板62と縦板59(背面側)との間隔より小さな値に設定されている。
これにより、第3背板62と縦板59との間に遊技盤40の上部突設部46を挿入しつつ、第2背板58と縦板59との間に遊技盤40の下部突設部44を挿入するときには、遊技盤支持部材50に対する遊技盤40の前後方向(図6左右方向)の位置を規制できる。よって、遊技盤40の誘導レール42や役物等が縦板59と干渉して、誘導レール42や役物等が破損したり設定が変わったりすることを防止できる。
次に、遊技盤40を横方向にスライドさせて、突起47,48が、第2底板57の端縁57b及び天板61の端縁61bにそれぞれ達すると、遊技盤40をスライドさせる横方向荷重により、第2底板57及び天板61に突起47,48の第1傾斜部47a,48aが押され、突起47,48が下部突設部44及び上部突設部46に埋入する。突起47,48は下部突設部44及び上部突設部46の横方向のスライド移動の障害にならないので、遊技盤40を横方向にスライドさせ続けることができる。
突起47が第2底板57の端縁57aに達し、突起47が第2底板57から離脱すると、弾性部材(図示せず)の付勢力により突起47が下部突設部44から突出する。第2底板57の端縁57aから第1底板56の端縁56bまでの間、遊技盤40の下部突設部44は、遊技盤支持部材50の第1底板56及び第2底板57に支持されない状態となる。しかし、遊技盤支持部材50の端縁57aから端縁56bまでの距離(開放領域hの左右方向の幅)は、遊技盤40の端縁44aから端縁45bまでの距離より小さくなるように設定されており、また、遊技盤40が開放領域hに倒れ込もうとしたときには、遊技盤支持部材50の天板61が遊技盤40の上部突設部46を上から支持する。これにより、遊技盤40が、遊技盤支持部材50の開放領域hへの倒れ込みを防止できる。その結果、遊技盤40をさらに横方向にスライドさせ続けることができる。
次に、突起47が第1底板57の端縁56bに達すると、遊技盤40をスライドさせる横方向荷重により、第1底板57に突起47の第1傾斜部47aが押され、突起47が下部突設部44に埋入する。これにより、突起47は遊技盤40の横方向にスライドさせる障害とならない。
遊技盤40の側縁40aに設けられたコネクタ49及び遊技盤支持部材50の側板51に設けられたコネクタ63は、上下方向および前後方向の位置を対応させているので、遊技盤40を横方向にスライドさせてコネクタ49,63を突き合わせることで、コネクタ49とコネクタ63とを接続させることができる。これにより、コネクタ49,63間を配線でそれぞれ接続する配線作業を省略することができる。
突起47,48の位置ならびに第1底板56及び天板61の縁端56a,61aの位置は、コネクタ49とコネクタ63とが接続されたときに、突起47,48が第1底板56及び天板61の端縁56a,61aに達して、突起47,48が第1底板56及び天板61から離脱するように設定されている。突起47,48が第1底板56及び天板61から離脱すると、弾性部材(図示せず)の付勢力により突起47,48が下部突設部44及び上部突設部46より高く突出する。
遊技盤40を反対方向にスライドさせようとすると、第1底板56及び天板61の回動軸側の端縁56a,61aに、突起47,48の第2傾斜面47b,48bが突き当たる。突起47,48を手の指等で押し下げなければ、突起47,48は突出した状態が維持されるので、コネクタ49とコネクタ63とが接続された後は、遊技盤40の反対方向のスライド(横方向移動)が規制される。
以上のように構成される前面ユニット100によれば、前扉5の受け部70,71及びピン54a,55aを回動軸として、前扉5の背面側に遊技盤40が開閉可能に支持される。これにより、島設備に固定される外枠2(枠部材)及び内枠4(背面ユニット)に対して前面ユニット100を交換可能にすることができる。内枠4に取り付けられた前面ユニット100では、前扉5に支持された遊技盤40の盤面を、前扉5の前面からガラス8を通して視認できる。
従来より、パチンコ機1では、島設備に固定される矩形枠状の外枠2に、開閉可能に支持される内枠4を設け、その内枠4に遊技盤が着脱可能に支持されるものがある。その遊技盤を支持する内枠4の前面側に、前扉が開閉可能かつ着脱可能に支持されているので、遊技施設では、前扉を開いて内枠4から遊技盤を取り外し、意匠の異なる別の遊技盤に交換する所謂面換えを行うことができる。また、内枠4から前扉を取り外して、意匠の異なる別の遊技盤に対応した別の前扉に交換することも可能である。
しかし、遊技盤および前扉は内枠4に別々に支持されるので、遊技盤および前扉を遊技施設で交換する場合には、内枠4に対して遊技盤および前扉を各々交換しなければならなかった。そのため、遊技盤および前扉の交換作業が煩雑であった。
これに対し、前面ユニット100によれば、遊技盤40は前扉5に支持されており、前扉5は内枠4に着脱可能に支持される。よって、前面ユニット100を交換することで遊技盤40及び前扉5を交換できる。従って、遊技施設において、遊技盤40及び前扉5を交換するときの交換作業性を向上できる。
また、遊技盤40及び前扉5を併せて遊技施設に納品できるので、遊技盤40及び前扉5の製造工場から遊技施設に搬送するときの搬送作業性を向上できる。
前面ユニット100は、前扉5の背面側に形成された受け部70,71及び遊技盤支持部材50に突設されたピン54a,55aを回動軸として前扉5の背面側に開閉可能に支持される遊技盤支持部材50を備え、その遊技盤支持部材50は、遊技盤40の下縁部(下端突設部44,45)の全部(端縁44aから端縁45bまで)を支持する下縁支持部(第1底板56、第2底板57)を備えている。
これにより、前扉5の左右一方側の上下方向を回動軸として前扉5の背面側に遊技盤支持部材50を開閉可能に支持し、その遊技盤支持部材50の下縁支持部(第1底板56、第2底板57)に、遊技盤40を支持させることができる。そのため、遊技盤支持部材50は遊技盤40の鉛直荷重を支持しつつ回動軸を中心にして開閉できるだけの機械的強度を確保する一方、遊技盤40は下縁支持部に支持される程度の機械的強度を確保すれば良い。
ここで、遊技盤40はベニヤ板等の合板で主に形成されているので、遊技盤40を前扉5に直接取り付けて回動軸を中心に開閉可能にする場合には、合板(遊技盤40)を補強する必要がある。そうすると補強が、遊技盤40の表示器、役物、装飾等の配置に制約を与えることになる。これに対し、遊技盤40の少なくとも下縁部の一部または全部を支持する下縁支持部(第1底板56、第2底板57)を備える遊技盤支持部材50を介して、前扉5に遊技盤40を開閉可能に支持する場合には、遊技盤40の補強を軽減できるので、遊技盤40の表示器、役物、装飾等の配置の自由度が低下することを抑制できる。
遊技盤40は、遊技盤40の盤面の厚さより厚さ(前後方向)の大きな下端支持部44,45が下縁部に突設されているので、遊技盤40の鉛直荷重を支持する下縁支持部(第1底板56、第2底板57)と接触する接触面(下端突設部44,45の底面)の面積を、遊技盤40の水平方向における断面積より大きくできる。これにより、下端突設部44,45が突設されていない遊技盤と比較して、遊技盤40の鉛直荷重を下縁支持部(第1底板56、第2底板57)に分散させることができる。その結果、鉛直荷重が集中することより遊技盤支持部材50の下縁支持部(第1底板56、第2底板57)が変形したり、摩擦抵抗が増大して遊技盤40を横方向にスムーズにスライド(摺動)できなくなったりする不具合を抑制できる。
また、下縁支持部(第1底板56、第2底板57)は、遊技盤40の盤面の下端部を通り遊技盤40の遊技領域PEに向かう遊技球が通過可能な通過領域(下部領域43)が形成されている。通過領域(下部領域43)により、遊技盤40の盤面の下端部を通り遊技盤40の遊技領域PEに向かう遊技球の運動が妨げられることを防ぎ、遊技球を遊技領域PEに到達させることができる。その結果、遊技球発射機構32が設けられた既存の内枠4を有するパチンコ機1に、前面ユニット100を適用することができる。
遊技盤支持部材50は、回動軸が位置する一端側から他端側に向かう左右方向に設けられると共に他端側から一端側に向かって遊技盤40をスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部(第1底板56、第2底板57)を備え、遊技盤40は、遊技盤スライド支持部に沿って左右方向に他端側から一端側にスライドされ支持される。これにより、前扉5を外枠2及び内枠4に取り付けて前扉5を開いた状態にした後、遊技盤スライド支持部(第1底板56、第2底板57)に遊技盤40を支持させることができる。内枠4に片持ち支持させた遊技盤支持部材50の横方向(左右方向)から遊技盤40を遊技盤支持部材50に収容できるので、遊技盤支持部材の背面や上面等から遊技盤40を装着する場合と比較して、遊技盤支持部材50への遊技盤40の装着作業性を向上できる。
また、遊技盤支持部材50の左右方向に設けられた遊技盤スライド支持部(第1底板56、第2底板57)に遊技盤40がスライド支持されるので、遊技盤支持部材の上面から遊技盤40を遊技盤支持部材50へ装着する場合と比較して、遊技盤40を持ち上げる高さを小さくできる。遊技盤40の鉛直荷重は遊技盤スライド支持部(第1底板56、第2底板57)が負担するので、遊技盤スライド支持部の左右方向に遊技盤40をスライドさせるときに必要な力(横方向荷重)を、遊技盤スライド支持部がない場合の遊技盤40の鉛直荷重より小さくできる。これにより、遊技盤支持部材50へ遊技盤40を装着する作業者の負担を小さくできる。
また、図6に示すように、遊技盤支持部材50を前扉5に取り付けた状態で、遊技盤40をスライドさせるときに遊技盤スライド支持部(第1底板56、第2底板57)に作用する横方向荷重は、前扉5に対する遊技盤支持部材50の回動軸の方向に向かう。そのため、遊技盤40をスライドさせるときに、遊技盤支持部材50が回動軸を中心に揺動することを防止できる。これにより、遊技盤40をスライドさせる間、回動軸を中心に揺動しないように遊技盤支持部材50を支える必要がない。よって、遊技盤40を遊技盤支持部材50に支持させる作業を、作業者が一人で円滑に行うことができる。
また、前面ユニット100によれば、遊技盤40を遊技盤支持部材50にスライド移動させるときに、下部突設部44及び上部突設部46に設けられた突起47,48が遊技盤支持部材50の第1底板56及び天板61を離脱するまで、遊技盤40のスライド移動が許容される。突起47,48が遊技盤支持部材50の第1底板56及び天板61を離脱した後は、突起47,48が第1底板56及び天板61に突き当たるので、遊技盤40の反対方向のスライド移動が規制される。これにより、遊技盤支持部材50に遊技盤40をスムーズに装着できると共に、遊技盤支持部材50に装着された遊技盤40が、反対方向にスライド移動して意図せずに外れてしまうことを防止できる。
遊技盤支持部材50は、回動軸寄り(下部金具55寄り)にコネクタ63が配置され、そのコネクタ63は、内枠4に設けられた電気回路と電気的に導通している。回動軸寄りにコネクタ63を配置することで、回動軸からコネクタ63までの距離を小さくできるので、回動軸を中心に遊技盤支持部材50を回動させた場合、コネクタ63の移動距離(円弧の長さ)を小さくできる。その結果、内枠4の電気回路とコネクタ63との配線長を短くすることができる。
次に図6から図8を参照して、前扉5に対する遊技盤支持部材50の開放を規制する開放規制機構(第1開放規制機構)について説明する。図7は第1開放規制機構(摺動杆80及び鉤受部81,83,84)及び第1操作部(操作部82)の斜視図であり、図8は前扉5に対して開放が規制された遊技盤支持部材50の斜視図である。
図6に示すように、摺動杆80は、受け部70,71が設けられた前扉5の左右方向一方側に対して反対側(左右方向他方側)の背面側に、上下方向に配置される縦長の板状の部材である。摺動杆80は、遊技盤支持部材50に配置された縦板59の複数箇所から前方に向かって延びる鉤部60(60a〜60c)と干渉して、前扉5に対する遊技盤支持部材50の開放を規制する。
図7に示すように前扉5は、背面側に、前扉5に対して遊技盤支持部材50が閉じたときに遊技盤支持部材50の縦板59を受け入れる縦溝部72と、鉤部60(60a,60b,60c)をそれぞれ受け入れる横溝部73a,73b,73cと、摺動杆80の上下方向の摺動(移動)を許容する窪み部72a,72b,72cとを備えている。
摺動杆80は、摺動杆80の側面側に略水平に延び、窪み部72a,72b,72cの上端寄りに位置する鉤受部81,83,84を備え、弾性部材(図示せず)により上向きに付勢されている。上向きに付勢された摺動杆80は、鉤受部81,83,84と反対方向に延出される操作部82が、縦板27(図6参照)から背面側に突設された爪片28の下面に突き当たることにより、上方へのそれ以上の移動が規制されている。なお、操作部82及び鉤受部83は、摺動杆80を構成する一枚の板材の略中央の上下に切れ目80aを入れ、その切れ目80aに沿って板材の一部を除去した後、それぞれ反対方向に折曲することで形成されている。これにより摺動杆80を軽量化できると共に、操作部82及び鉤受部83の形成作業を簡素化できる。
前扉5に対して遊技盤支持部材50を閉じると、鉤部60a,60b,60cが横溝部73a,73b,73cに進入し、弾性部材(図示せず)による上向きの付勢力に抗して、窪み部72a,72b,72cの範囲内で鉤部60a,60b,60cが鉤受部81,83,84を押し下げ、次に鉤部60a,60b,60cと鉤受部81,83,84とが係合状態となる。これにより、図8に示すように、前扉5に対する遊技盤40の開放が規制される。
このときは、前扉5の背面に形成された縦溝部72に縦板59が進入するので、遊技盤40の盤面に配置された釘や役物等と前扉5が保持するガラス8との間に隙間ができるのを防止できる。また、縦溝部72に進入した縦板59により、前扉5の回動先端側から針金等を挿入しても遊技盤40の盤面へ到達し難くできるので、不正行為者による針金等を使った不正行為を防止できる。特に、縦板59が摺動杆80と縦溝部72との間に入り込むので、不正行為者による針金等を使った不正行為を極めて困難にできる。
また、遊技盤40の回動基端側の側縁40a(図4参照)、上縁46及び下縁44,45には、遊技盤支持部材50の側板51、第1底板56、第2底板57及び天板61が対面し、側板51、第1底板56、第2底板57及び天板61は、前板52及び背板53等と共に断面コ字状に形成されている。よって、遊技盤40の回動基端側、上側および下側から、針金等を挿入しても遊技盤40の盤面へ到達し難くできるので、不正行為者による針金等を使った不正行為を防止できる。
操作部82に下向きの荷重を付与し、弾性部材(図示せず)による上向きの付勢力に抗して操作部82及び摺動杆80を下方に押し下げることにより、鉤部60a,60b,60cと鉤受部81,83,84との係合を解除できる。その結果、前扉5に対して遊技盤40を開放させることができる。操作部82から下向きの荷重を取り除けば、弾性部材(図示せず)による上向きの付勢力により、摺動杆80は上方位置に復帰する。
次に図9から図11を参照して、前扉5及び遊技盤40(遊技盤支持部材50)の回動軸について説明する。図9は前扉5に対して開放が規制された遊技盤支持部材50の斜視図であり、図10は外枠2及び内枠4に対する前扉5の回動軸となるヒンジ(支持金具37、受金具38)の分解斜視図である。
図9に示すように、遊技盤支持部材50の側板51の下部側には、コネクタ64が設けられている。コネクタ64は、側板51の内側に設けられたコネクタ63と電気的に導通されているものであり、内枠4等に設けられる球払出し基板や電源基板等の各種制御基板に形成された電気回路と配線(図示せず)によって接続される。これにより、遊技盤40に設けられたコネクタ49とコネクタ63とが接続された場合には、内枠4等に設けられた電気回路と、遊技盤40に設けられた主基板等の各種制御基板とを電気的に導通させることができる。
また、遊技盤支持部材50は、回動軸寄り(下部金具55寄り)にコネクタ64が配置され、そのコネクタ64は、内枠4に設けられた電気回路と電気的に導通している。回動軸寄りにコネクタ64を配置することで、回動軸からコネクタ64までの距離を小さくできるので、回動軸を中心に遊技盤支持部材50を回動させた場合、コネクタ64の移動距離(円弧の長さ)を小さくできる。その結果、内枠4の電気回路とコネクタ64との配線長を短くすることができる。
図9に示す前扉5の受け部70,71には、図10に示すヒンジ(支持金具37、受金具38)が配置される。ヒンジは、受け部70,71に互いに天地逆に取り付けられるが、構成する部材は同一であるので、受け部70に配置されるヒンジ(支持金具37、受金具38)について説明する。
支持金具37は、内枠4に取着される金具であり、基部が内枠4に取着され垂直方向上向きに立ち上げられた立上部37aと、立上部37aから前面側に延びる突出部37bと、突出部37bから左右方向に水平に延びるオフセット部37cと、そのオフセット部37cから鉛直下向きに垂下されるピン37dとを備えている。
受金具38は、外枠2に取着される金具であり、外枠2の上端から鉛直下向きに立ち下げられた立下部38aと、立下部38aから前面側に延びる突出部38bと、突出部38bに切欠き状に形成された孔部38cとを備えている。
前扉5には、受け部70に配置される上部金具54の上方に位置し左右方向に水平に延びる延出部5aが設けられ、延出部5aには鉛直方向に延びる孔部5bが形成されている。
支持金具37、受金具38及び前扉5の孔部5bはこの順に重ねられ、支持金具37に設けられたピン37dが、受金具38及び延出部5aに設けられた孔部38c,5bに挿通される。受け部71についても同様に支持金具および受金具(天地を逆にした)が配置されるので、前扉5は、ピン37dを回動軸として外枠2及び内枠4に対して開閉(揺動)可能にできる。
なお、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉する回動軸(ピン37d)は、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸(ピン54a,55a)の軸方向外側に位置すると共に、回動軸(ピン54a,55a)と同一軸線上に位置するように設定される。
このことを、図11を参照して説明する。図11(a)は内枠4に対して前扉5を開放したときの軸線方向から見た模式図であり、図11(b)及び図11(c)は前扉5に対して遊技盤40を開放したときの軸線方向から見た模式図である。なお、図11(c)は、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉する回動軸Aと、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸A´とが同一軸線上に位置しない場合の模式図である。
図11(a)及び図11(b)に示すように、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉する回動軸Aと、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸Aとを同一軸線上に位置するように配置した場合には、図11(a)に示すように、外枠2及び内枠4に対して、前扉5及び遊技盤40を一緒に回動させることができる。また、図11(b)に示すように、前扉5と遊技盤40とを別々に回動させることも可能である。
これに対し、図11(c)に示すように、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉する回動軸Aと、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸A´とを同一軸線上に位置しないように配置した場合には、前扉5と遊技盤40とを別々に回動させる場合に問題が生じる。外枠2及び内枠4に対する前扉5の回動角(前扉5の位置)によって、回動軸A´の位置が変わるからである。そのため、前扉5の位置によって、遊技盤40の軌道(特に回動軸A´から離れた回動先端側の軌道)が変わる。その結果、前扉5を開けた状態で前扉5に対して遊技盤40を開閉する場合に、遊技盤40(特に背面に配置された保護カバー35等)が内枠4に衝突することがある。
前面ユニット100は、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉する回動軸Aと、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸Aとが同一軸線上に位置するように配置されるので、前扉5の位置に関わらず、遊技盤40の軌道を一定にできる。そのため、前扉5の位置に関わらず、遊技盤40を自在に回動させることができる。
また、外枠2及び内枠4に対して前扉5を開閉するヒンジ(回動軸(ピン37d))は、前扉5に対して遊技盤40(遊技盤支持部材50)を開閉する回動軸(ピン54a,55a)の軸方向外側に位置するので、回動軸(ピン54a,55a)はヒンジで隠されることになる。これにより、回動軸(ピン54a,55a)の周囲から針金等を挿入しパチンコ機1の内部にアクセスする不正行為を防止できる。
次に図12を参照して、内枠4の施錠機構について説明する。図12(a)は施錠機構により外枠2に対して内枠4の開放が規制された状態を示す模式図であり、図12(b)は施錠機構により内枠4に対して前扉5の開放が規制された状態を示す模式図である。なお、図12では、施錠の機能に係る機構を模式的に表し、その他の機構は図示を省略している。本実施形態では、前扉5の施錠機構(前扉施錠機構)は、内枠4の施錠機構(内枠施錠機構)と一体的に構成されている。内枠4の施錠状態および前扉5の施錠状態は、内枠4の右側部に設けられたシリンダ錠39への所定のキー操作によってそれぞれ解除される。
基枠90は、施錠装置の一部を構成する縦長の部材であり内枠4の上下方向に配置されている。基枠90は、上下方向に延び上下に摺動可能な摺動杆(図示せず)が内部に配設されており、後方(外枠2側)に向かって延びる鉤部材92a,92bが上下の複数箇所に設けられている。鉤部材92a,92bは、外枠2に設けられた鉤受け部材2a,2bと相対する位置に配置され、鉤部材92a,92b及びその摺動杆(図示せず)は、弾性部材(図示せず)により、下方位置に位置するよう付勢されている。
鉤部材92a,92bは、外枠2に設けられた鉤受け部材2a,2bと係合可能に構成される部材であり、摺動杆(図示せず)が上方へ移動したときに連動して上方に摺動させられるように構成されている。各々の鉤部材92a,92bは、独立して上方に移動可能であり、針金などで上下の鉤部材92a,92bを上方に移動させようとする場合(不正行為が行われる場合)は、両方の鉤部材92a,92bに針金を引っ掛けて上に引かなければならない。つまり、一方の鉤部材92a又は92bを上に引いただけでは、不正解錠をすることができないように構成されている。
なお、内枠4の施錠状態(内枠施錠状態)にあっては、外枠2の鉤受け部材2a,2bに対し鉤部材92a,92bが係合状態となる(図12(a)参照)。鉤部材92a,92bが一体に動く構成では、製造誤差や組付け誤差等により、鉤部材92a,92bのうち一方が鉤受け部材2a,2bに接触した状態となったときに、他方が接触しない場合には、他方の鉤部材92a,92bが鉤受け部材2a,2bに対し浮き上がった状態となるおそれがある。これに対し、鉤部材92a,92bが独立して可動できるので、このような不具合を解消できる。
また、基枠90は、前方(前扉5側)に向かって延びる鉤部材91a,91b,91cが上下の複数箇所に設けられている。鉤部材91a,91b,91cは、前扉5に設けられた鉤受け部材26a,26b,26cと相対する位置に配置され、鉤部材91a,91b,91cは、弾性部材(図示せず)により、上方位置に位置するよう付勢されている。
鉤部材91a,91b,91cは、前扉5に設けられた鉤受け部材26a,26b,26cと係合可能に構成される部材であり、摺動杆(図示せず)が下方へ移動したときに連動して下方に摺動させられるように構成されている。各々の鉤部材91a,91b,91cは、独立して下方に移動可能であり、針金などで上下の鉤部材91a,91b,91cを下方に移動させようとする場合(不正行為が行われる場合)は、全ての鉤部材91a,91b,91cに針金を引っ掛けて下に引かなければならない。つまり、鉤部材91a,91b,91cの一部を下に引いただけでは、不正解錠をすることができないように構成されている。
外枠2に対して内枠4が閉じられるときには、鉤部材92a,92bが相対する鉤受け部材2a,2bに進入する。このとき鉤部材92a,92bは、鉤受け部材2a,2bによって押され、弾性部材による付勢力に抗して一旦上方に摺動し、その後、弾性部材の付勢力で元の位置に戻り、鉤受け部材2a,2bと係合する(内枠施錠状態、図12(a)参照)。
また、内枠4に対して前扉5が閉じられるときには、鉤部材91a,91b,91cが相対する鉤受け部材26a,26b,26cに進入する。このとき鉤部材91a,91b,91cは、鉤受け部材26a,26b,26cによって押され、弾性部材による付勢力に抗して一旦下方に摺動し、その後、弾性部材の付勢力で元の位置に戻り、鉤受け部材26a,26b,26cと係合する(前扉施錠状態、図12(b)参照)。
シリンダ錠39の錠軸には、摺動杆(図示せず)に係合されるカム板(図示せず)が取付けられている。シリンダ錠39に差し込まれたキー操作によって、キーが一方向(例えば時計方向)に回動された場合には、摺動杆が上方に摺動させられる。これにより鉤部材92a,92bが上方に摺動させられる。その結果、鉤部材92a,92bと、外枠2側の鉤受け部材2a,2bとの係合が解除され、内枠4が解錠される(内枠解錠状態)。
一方、シリンダ錠39に差し込まれたキー操作によって、キーが反対方向(例えば反時計方向)に回動された場合には、摺動杆が下方に摺動させられ、鉤部材91a,91b,91cが下方に摺動させられる。その結果、鉤部材91a,91b,91cと、前扉5の鉤受け部材26a,26b,26cとの係合が解除され、前扉5が解錠される(前扉解錠状態)。
ここで、前扉5に対する遊技盤40(遊技盤支持部材50)の開放を、鉤部60a〜60cと係合することによって規制する鉤受部81,83,84(図6参照)は、前扉5の回動先端側の側縁に設けられた操作部82を手の指等で操作することにより摺動し、鉤部60a〜60cと鉤受部81,83,84との係合が解除される。これにより前扉5に対して遊技盤40の盤面が開放される(遊技盤開放状態)。
一方、操作部82を押し下げる下方向荷重を取り除くことにより、弾性部材(図示せず)による上方向の付勢力によって摺動杆80が上方へ移動し、上方向位置に復帰する。このときは、操作部82の上面が爪片28の下面に当接して、それ以上の摺動杆80の移動は規制される。
摺動杆80(図6参照)は、平面視において縦板27に対して回動軸が位置する上部金具54側に位置し、摺動杆80と縦板27とは左右方向に重なり合うと共に、前後方向にずれて位置している。これにより、回動先端側における前扉5と内枠4との間から針金等を挿入した場合に、摺動杆80及び縦板27が、針金等が遊技盤40の盤面に達する障害となる。これにより、針金等を挿入することによる不正行為を抑制できる。
以上説明したように、前扉5の回動先端側に配置される施錠機構により内枠4に対し前扉5が施錠され、前扉5の回動先端側の上下方向に沿って配設される第1開放規制機構(摺動杆80、鉤受部81,83,84及び鉤部60a〜60c)により、前扉5に対し遊技盤40の開放が規制される。第1開放規制機構は、施錠機構と独立して、前扉5に対する遊技盤40の開放状態または開放規制状態(係合状態)が切換可能に構成されている。そのため、施錠機構を解錠状態にして、内枠4に対して前扉5を開放状態にして、且つ、前扉5に対して遊技盤40を開放状態にしたときには、遊技盤40の盤面にアクセス可能な状態にできる。施錠機構を操作しない限り前扉5を開放できなくなるので、前扉5が不正に開放されることを防止できる。また、遊技盤40の遊技領域PEに遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、前扉5を開放した後に遊技盤40の盤面にアクセスして、遊技領域PEに関する不具合の解消作業を行うことができる。
一方、施錠機構を解錠状態にして、内枠4に対して前扉5を開放状態にして、且つ、前扉5に対して遊技盤40を開放規制状態(係合状態)にしたときには、遊技盤40の盤面へのアクセスはできないが、遊技盤40の背面や内枠4にアクセス可能な状態にできる。これにより、遊技施設の係員が前扉5を開放して遊技盤40の背面や内枠4にアクセスするときに、遊技盤40の盤面が開放されることを防止して、不正行為者により遊技盤40の盤面に対して不正が行われることを抑制できる。
また、第1開放規制機構(摺動杆80、鉤受部81,83,84及び鉤部60a〜60c)は、施錠機構を施錠して内枠4に対して前扉5の開放を規制したときに操作不能とされる第1操作部(操作部82)を備え、操作部82は、施錠機構を解錠して内枠4に対して前扉5を開放したときに操作可能となる。遊技盤40は、第1操作部(操作部82)が操作されることにより開放規制状態から開放状態に切り換えられる。施錠機構が施錠された内枠4に対して前扉5の開放が規制されている限り、前扉5に対する遊技盤40の開放を規制できるので、前扉5に対して遊技盤40の開放を規制する施錠機構を省略できる。
次に図13を参照して、第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、遊技盤40が、遊技盤支持部材50に対して左右方向からスライド移動させることで支持される場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、遊技盤40が、遊技盤支持部材150に対して上下方向からスライド移動させる(落とし込む)ことで支持される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図13は、第2実施の形態における前面ユニットの遊技盤支持部材150の斜視図である。
図13に示す遊技盤支持部材150は、遊技盤40を支持するための部材であり、前扉5に支持され、前扉5に対して開閉可能に支持されるものである。遊技盤支持部材150は、板材によって矩形枠状に形成されている。側板151は、遊技盤40の側縁40a(図4参照)が対面する部位であり、上下に長く前後に短い矩形の板状部材により形成されている。側板151は、前側の側縁の上下方向に沿って左右一方向(図13右側)に第1前板52aが突設され、側板151の後側の側縁の上下方向に沿って左右一方向に第1背板153が突設されている。これにより、遊技盤40の側縁40a(図4参照)側(回動基端側)に側板151、第1前板52a及び第1背板153が位置し、側板151、第1前板52a及び第1背板153に遊技盤40の側縁40a(図4参照)が受け入れられる。その結果、遊技盤40の側縁40a(図4参照)側から針金等を挿入することによって遊技盤40の盤面にアクセスされる不正行為を阻止できる。
なお、第1前板52a,第2前板52b,第3前板52c及び第4前板52dは同一平面上に位置し、それらが連設された額縁状の一部材(前板52)として形成されている。
側板152は、側板151と平行に配置され第4前板52dに連設される部位であり、遊技盤40の側縁40b(図4参照)が対面するように、上下に長く前後に短い矩形の板状部材により形成されている。側板152は、後側の側縁の上下方向に沿って左右他方向に第2背板154が突設されている。遊技盤40の側縁40b(図4参照)側(回動先端側)に側板152、第4前板52d及び第2背板154が位置し、側板152、第4前板52d及び第2背板154に遊技盤40の側縁40b(図4参照)が受け入れられる。その結果、遊技盤40の側縁40b(図4参照)側から針金等を挿入することによって遊技盤40の盤面にアクセスされる不正行為を阻止できる。
第2前板52bの下部から後方に向けて第1底板155及び第2底板156が突設されている。第1底板155及び第2底板156は、遊技盤40の下縁を支持するための部位であり、第1底板155の端縁155a及び第2底板156の端縁156aが所定の間隔をあけて配置されている。
第1底板155及び第2底板156の後側の側縁から上向きに第3背板157が突設されている。第1底板155及び第2底板156は第3背板157により連結されている。第1底板155、第2前板52b及び第3背板157は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。また、第2底板156、第2前板52b及び第3背板157は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されている。また、第3背板157は、第1背板153及び第2背板154の下部を連結している。
第1底板155、第2前板52b及び第3背板157、並びに、第2底板156、第2前板52b及び第3背板157は、それらが連成されることにより断面コ字状に形成されているので、遊技盤40と第1底板155や第2底板156との間から針金等を挿入して遊技盤40の盤面にアクセスされる不正行為を阻止できる。
また、互いに対向して配置される側板151,152の間隔は、遊技盤40の側縁40a,40b間の距離(遊技盤40の左右方向の幅)よりわずかに大きな値に設定されている。互いに対向して配置される第1前板52aと第1背板153との間隔、並びに、第4前板52dと第2背板154との間隔は、遊技盤40の下部突設部44,45及び上部突設部46の前後方向の厚さより、わずかに大きな値に設定されている。これにより、遊技盤支持部材150の上方から、側板151,152に沿って遊技盤40を落とし込むことができる。
なお、第1底板155及び第2底板156の端縁155a,156aで区画され、端縁155a,156aの間に位置する開放領域hの位置および大きさ(左右方向の幅)は、側板151,152に沿って落とし込まれた遊技盤40の下部領域43の位置および大きさ(左右方向の幅)に対応するように設定されている。これにより、遊技盤支持部材150により支持された遊技盤40によってパチンコ機1を構成した場合に、遊技球発射機構32(図2参照)から発射される遊技球を、第1底板155及び第2底板156によって妨げられることなく、遊技領域PEに導くことができる。
次に図14を参照して第3実施の形態について説明する。第1実施の形態および第2実施の形態では、前扉5に配設された摺動杆80を操作部82により上下に摺動させることによって、前扉5に対して遊技盤支持部材50,150を開放状態にできる場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、遊技盤支持部材160に配設された摺動杆162を操作部163により上下に摺動させることによって、内枠4に対して遊技盤支持部材160を開放状態にできる場合について説明する。なお、第1実施の形態および第2実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図14は、第3実施の形態における前面ユニットの遊技盤支持部材160の斜視図である。
図14に示すように遊技盤支持部材160は、回動基端側の側板151と対向配置されて回動先端側に位置する側板152の外側に、基枠161が配設されている。基枠161は、内枠4に対する遊技盤支持部材160の開放を規制する開放規制機構(第2開放規制機構)の一部を構成するものである。基枠161は、側板152の上下方向に配置されており、上下方向に延び上下に摺動可能な摺動杆162が内部に配設されている。
基枠161は、側板152と対向する側面に、縦長の貫通孔161aが貫通形成されている。貫通孔161aは、摺動杆162から側方(図14左側)に向かって突出される操作部163(第2操作部)が貫設される部位である。
また、基枠161は、第2背板154側に位置する背面の上下複数箇所に、縦長の貫通孔164,165が貫通形成されている。貫通孔164,165は、摺動杆162の複数箇所から後方に向かって延びる鉤部材166,167がそれぞれ貫設される部位である。摺動杆162は、弾性部材(図示せず)により上向きの付勢力が付与されているので、その付勢力により操作部163及び鉤部材166,167は、それぞれ貫通孔161a,164,165の上方位置に位置する。
内枠4には、鉤部材166,167と係合可能に構成された鉤受け部材(図示せず)が、鉤部材166,167と相対する位置に設けられている。内枠4に対して遊技盤40(遊技盤支持部材160)が閉じられるときには、鉤部材166,167が相対する鉤受け部材(図示せず)に進入する。このとき鉤部材166,167は、鉤受け部材によって押され、弾性部材による付勢力に抗して一旦下方に摺動し、その後、弾性部材の付勢力で元の位置に戻り、鉤受け部材と係合する(開放規制状態)。
この開放規制状態では、弾性部材の付勢力に抗して操作部163を下方に押し下げ、鉤部材166,167を下方に摺動させることにより、鉤部材166,167と鉤受け部材との係合を解除できる(開放状態)。
ここで、内枠4の施錠機構(図12参照)により、外枠2に対して内枠4の開放を規制し、内枠4に対して前扉5の開放を規制した場合には、操作部163は外部からアクセス不能(操作不能)となる。シリンダ錠39へ所定のキー操作を行うことにより、内枠4に対して前扉5を規制した場合には、操作部163が外部に対して露呈されるので、操作部163を操作可能にできる。この場合に、操作部163を押し下げる操作をすることで、鉤部材166,167と鉤受け部材との係合を解除して、遊技盤40(遊技盤支持部材160)を内枠4に対して開放させることができる。
以上説明した遊技機支持部材160を備える前面ユニットによれば、内枠4の施錠機構により内枠4に対し前扉5が施錠され、第2開放規制機構(鉤部材166,167及び鉤受け部材)により内枠4に対し遊技盤支持部材160の開放が規制される。第2開放規制機構は、施錠機構と独立して、内枠4に対する遊技盤支持部材160の開放状態または開放規制状態が切換可能に構成されている。そのため、施錠機構を解錠状態にして内枠に対して前扉5を開放状態にして、且つ、遊技盤支持部材160を内枠4に対して開放規制状態にしたときには、遊技盤40の盤面にアクセス可能な状態にできる。施錠機構を操作しない限り前扉5を開放できなくなるので、前扉5が不正に開放されることを防止できる。また、遊技盤40の遊技領域PEに遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、前扉5を開放した後に遊技盤40の盤面にアクセスして、遊技領域PEに関する不具合の解消作業を行うことができる。
一方、施錠機構を解錠状態にして内枠4に対して前扉5を開放状態にして、且つ、第2開放規制機構(鉤部材166,167、操作部163及び鉤受け部材)を操作して内枠4に対して遊技盤支持部材160を開放状態にしたときには、遊技盤40の背面にアクセス可能な状態にできる。これにより、遊技施設の係員は、前扉5を開放した後に遊技盤40の背面や内枠4にアクセスして、不具合の解消作業等を行うことができる。
また、第2開放規制機構は、施錠機構を施錠して内枠4に対して前扉5の開放を規制したときに操作不能とされる第2操作部(操作部163)を備え、操作部163は、施錠機構を解錠して内枠4に対して前扉5を開放したときに操作可能となる。遊技盤支持部材160は、操作部163が操作されることにより開放規制状態から開放状態に切り換えられる。施錠機構が施錠され内枠4に対して前扉5の開放が規制されている限り、内枠4に対する遊技盤支持部材160の開放を規制できるので、内枠4に対して遊技盤支持部材160の開放を規制する施錠機構を省略できる。
次に図15を参照して第4実施の形態について説明する。第1実施の形態から第3実施の形態では、遊技盤支持部材50,150,160に対して遊技盤40を左右方向または上下方向からスライド移動させて、遊技盤40を遊技盤支持部材50,150,160に支持する場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、遊技盤支持部材170に対して遊技盤140を背面から装着し、遊技盤140を遊技盤支持部材170に支持する場合について説明する。なお、第1実施の形態から第3実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図15(a)は第4実施の形態における前面ユニットの遊技盤支持部材170の斜視図であり、図15(b)は遊技盤140を固定した遊技盤支持部材170の部分図である。
図15(a)に示すように遊技盤支持部材170は、遊技盤支持部材150(図13参照)に対して第1背板153、第2背板154及び第3背板157を省略し、代わりに、前板52の4つの角部に、背面視が三角状(直角二等辺三角形)に形成された角部材171,172,173,174が配置されている。額縁状に形成された前板52の4つの角部に角部材171〜174が配置されているので、前板52の剛性を向上させることができる。
角部材171,172,173,174は、それぞれ背面に軸状部材175が立設され、その軸状部材175を中心にして軸状部材175と直交する平面内を回動可能に構成される棒材176が軸状部材175の先端に固定されている。棒材176の各々と角部材171〜174との距離(隙間)は、遊技盤140の厚さ(前後方向)よりわずかに小さな値に設定されている。
図15(b)に示すように遊技盤140は、遊技盤40(図4参照)の下部突設部44,45及び上部突設部46を省略し、代わりに、軸状部材175と相対する遊技盤140の四隅に、遊技盤140の厚さ方向(前後方向)に貫設された切り込み状の凹陥部141が形成されている。
遊技盤支持部材170に遊技盤140を装着する場合には、遊技盤支持部材170の背面から、遊技盤140の四隅に形成された凹陥部141に軸状部材175及び棒材176を挿通させる。次いで、棒材176を回動させることで、角部材171及び棒材176により遊技盤140の凹陥部141の周縁を挟持する。これにより、遊技盤支持部材170に遊技盤140が装着される。
遊技盤支持部材170によれば、遊技盤140を遊技盤支持部材170の背面から装着できるので、盤面換えを行うために遊技盤140を遊技盤支持部材170に装着する作業者は、遊技盤支持部材170の第1底板155及び第2底板156の高さまで遊技盤140を持ち上げれば良い。これにより、遊技盤140を遊技盤支持部材の上方から落とし込むような作業をする場合と比較して、作業負担を軽減できる。
また、前扉5に対して遊技盤支持部材170を閉じる場合には、前扉5の背面に形成された縦溝部72(図7参照)に縦板59が進入するので、前扉5の回動先端側から針金等を挿入しても遊技盤40の盤面へ到達し難くできる。さらに、遊技盤40の回動先端側の側縁40bに側板152が位置するので、前扉5の回動先端側から針金等を挿入する不正行為を防止できる。
次に図16を参照して第5実施の形態について説明する。第1実施の形態から第4実施の形態では、枠状に形成された遊技盤支持部材50,150,160,170に遊技盤40,140を装着する場合について説明した。これに対し第5実施の形態では、遊技盤180に遊技盤支持部材190を固着する場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図16(a)は第5実施の形態における前面ユニットの遊技盤180及び遊技盤支持部材190の斜視図であり、図16(b)は遊技盤180に固定された遊技盤支持部材190の断面図である。
図16(a)に示すように遊技盤180は、遊技盤40(図4参照)の下部突設部44,45及び上部突設部46を省略し、代わりに、回動基端側(図16左側)の上部および下部の角部に、遊技盤180の厚さ方向(前後方向)に矩形状に切欠された切欠部181aが形成されている。切欠部181aは、遊技盤支持部材190を固着するための部位である。なお、回動基端側(図16左側)の下部に形成された切欠部は、遊技盤支持部材190が固着されているので、図示されていない。
図16(a)に示すように遊技盤支持部材190は、遊技盤180を厚さ方向(前後方向)に跨ぐように断面略コ字状に形成された一対の部材により構成されている。遊技盤支持部材190の一方は、切欠部181aの左右方向(図16(a)左右方向)の長さと同一の長さに形成された平面視して矩形状の基部191と、その基部191の長手方向両側に垂設される側部192,193と、側部192の左右方向一方側(図16(a)左側)に位置し基部191と同一面を構成すると共に前方に向けて突設される突設部194と、突設部194に垂設されるピン194aとを備えて構成されている。
基部191は、切欠部181aに上方から装着される部位であり、基部191の厚さは切欠部181aの深さ(図16(a)上下方向)と同一に設定されている。側部192,193間の間隔は、遊技盤180の厚さと略同一に設定されている。これにより、切欠部181aに基部191を装着すると、基部191の上面と遊技盤180の上面181とを同一面に位置させることができる。なお、基部191の長さ(図16(a)左右方向)は、切欠部181aの長さ(図16(a)左右方向)と同じ大きさに設定されている。
側部192,193及び遊技盤180は、相対する位置に、側部192,193及び遊技盤180を貫通する貫通孔192a,193a,180aが、それぞれ複数箇所に形成されている(図16(a)及び図16(b)参照)。これにより図16(b)に示すように、貫通孔192a,193a,180aにボルト199(締結部材)を挿通して締結することにより、遊技盤支持部材190を遊技盤180に固着できる。
図16(a)に戻って説明する。遊技盤180の下部(下面182)に固着される遊技盤支持部材190の他方は、平面視して矩形状に形成された基部195と、その基部195の長手方向両側に垂設される側部196,197と、側部196の左右方向一方側(図16(a)左側)に位置し基部195と同一面を構成すると共に前方に向けて突設される突設部198と、突設部198に垂設されるピン198aとを備えて構成されている。基部195及び側部196,197と遊技盤180との関係は、遊技盤支持部材190の一方の基部191及び側部193,194と遊技盤180との関係と同じであるので、説明を省略する。
なお、遊技盤支持部材190の他方についても、側部196,197及び遊技盤180を貫通する貫通孔(図示せず)が貫通形成されており、その貫通孔に締結部材を挿通して締結することにより遊技盤180に固着される。図16(a)では貫通孔や締結部材の図示を省略する。
遊技盤支持部材190の一方および他方は、遊技盤180の回動基端側(図16左側)の上下に固着される。これにより、前扉5(図3参照)の受け部70,71に形成された孔部(図示せず)にピン194a,198aを挿入することで、そのピン194a,198aを回動軸として、前扉5に対して遊技盤180を回動(揺動)可能にすることができる。
なお、遊技盤180の回動先端側(図16(a)右側)の側縁40bに、縦板59及び鉤部60(図3参照)を設けたり、基枠161及び鉤部材166,167(図14参照)を設けたりすることができる。縦板59や基枠161は、遊技盤180の側縁40bにネジ等を用いて固着することができる。鉤部60や鉤部材166,167に相対する前扉5や内枠4の所定箇所に、これらと係合する鉤受け部材等の係合部材を設けることにより、前扉5や内枠4に対して遊技盤180の開放または開放規制をすることが可能である。
以上説明した遊技盤支持部材190によれば、遊技盤支持部材190を小型にして簡素化できるので、低コスト化を図ることができる。また、遊技領域PEに向かう遊技球が通過する下部領域43を横切る部材を省略できるので、その部材に遊技球が遮られたり、遊技者に違和感を与えたりすることを抑制できる。
また、遊技盤支持部材190は、ボルト199等の締結部材を用いて遊技盤180に着脱可能に構成されているので、異なる遊技盤180に対して同じ遊技盤支持部材190を使用できる。遊技盤支持部材190を使い捨てにすることなく、繰り返し使用できる。
また、遊技盤180の上面181及び下面182の一部を切欠した切欠部181aを形成し、その切欠部181aに遊技盤支持部材190を装着するので、遊技盤支持部材190の基部191,195を、遊技盤180の上面181及び下面182と同一面にできる。これにより、正面視における遊技盤180の上面181及び下面182の外縁から、遊技盤支持部材190が外側に突出しないようにできる。遊技盤180の正面視において遊技盤支持部材190が外側に突出している場合には、遊技盤180と対面する内枠4に遊技盤支持部材190の突出した部分を受け入れる部位を設ける必要があるが、遊技盤180に切欠部181aを設けることで遊技盤支持部材190が外側に突出することを防ぎ、遊技盤支持部材190を受け入れる部位を内枠4に設けることを省略できる。
また、遊技盤支持部材190の左右方向端面は、遊技盤180の正面視において、遊技盤180の側縁40aと同一面となるように設定されている。遊技盤180の正面視において遊技盤支持部材190が回動基端側に突出している場合には、遊技盤180と対面する内枠4に遊技盤支持部材190の突出した部分を受け入れる部位を設ける必要があるが、遊技盤支持部材190が回動基端側に突出しないように設定されているので、遊技盤支持部材190を受け入れる部位を内枠4に設けることを省略できる。また、遊技盤180の回動基端側における内枠4の構造を簡素化できる。
また、遊技盤180に切欠部181aを設け、その切欠部181aの長さ(図16(a)左右方向)は、基部191の長さ(図16(a)左右方向)と同じ大きさに設定されているので、切欠部181aに遊技盤支持部材190を取り付けると、基部191の左右方向端面が切欠部181aの左右方向端面と相対する。この状態で、前扉5に形成された受け部70,71(孔部)に遊技盤支持部材190(ピン194a,198a)を取り付けると、遊技盤180は遊技盤支持部材190で片持ち支持される。そうすると遊技盤180には、遊技盤支持部材190(ピン198a)を支点にして落下(回転)しようとする力(モーメント)が作用する(回転方向は図16(a)時計回り)。そのときには、遊技盤支持部材190の基部195の左右方向端面が、遊技盤180の切欠部(図示せず)の左右方向端面と押し合うので、遊技盤180の回動基端側への移動を規制する。
これに対し、遊技盤180に切欠部(図示せず)が形成されていないと、遊技盤180がピン198aを支点にして落下(回転)しようとしたときは、遊技盤180の下部が、回動基端側に位置ずれし易くなる。遊技盤180に形成された切欠部181aに遊技盤支持部材190を固着することにより、前扉5に遊技盤180を安定に支持させることができる。
また、遊技盤支持部材190は、遊技盤180の背面および前面に位置する側板193194,196,197を備えている。これにより、前扉5に片持ち支持された遊技盤180が、背面側に落下(回転)しようとするときに作用する前後方向荷重を受けることができる。遊技盤180は背面に保護カバー35等が取り付けられているので、前扉5の背面に片持ち支持された遊技盤180の重心は、前扉5の背面側に位置する。従って、遊技盤180は背面側に落下(回転)しようとする力が作用し、遊技盤支持部材190の側板193,194,196,197は、それによる前後方向荷重を受けることができる。その結果、遊技盤180が前後方向にガタついたり移動したりすることを防止できる。
次に図17から図21を参照して第6実施の形態について説明する。第1実施の形態から第5実施の形態では、前扉5の左右一方側の上下方向を回動軸として前扉5に対して遊技盤40,140,180が回動可能に構成される場合について説明した。これに対し第6実施の形態では、前扉205の左右他方側の上下方向を中心に前扉205に対して遊技盤230が回動可能に構成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。
図17(a)は第6実施の形態における前面ユニット200の前扉205の斜視図であり、図17(b)は遊技盤230の斜視図である。なお、前扉205は、受け部70,71が形成されていない以外は第1実施の形態で説明した前扉5と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、図17(a)及び図17(b)では、前扉205に対して遊技盤230をスライド可能に支持する機構のみを図示し、その他の前扉205の背面側に配設されるガラス8や施錠機構等の図示、及び、遊技盤230の盤面に配置される各種役物等の図示を省略している。
図17(a)に示すように、前扉205の背面には遊技盤支持部材210が固設されている。遊技盤支持部材210は、前扉205の背面に遊技盤230を左右方向にスライド可能に支持するための部材であり、前扉205の背面の下部側に横設され前扉205に固定された下部材211と、前扉205の背面の上部側に横設され前扉205に固定された上部材221とを備えている。遊技盤230は、下部材221により下縁部231がスライド可能に支持される一方、上部材221により上縁部232の前後方向の移動が規制される。
下部材211は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部212と、その基部212から背面側に水平に突設される下縁支持部213と、その下縁支持部213の長手方向に沿い下縁支持部213の左右に亘って前扉205寄りの下縁支持部213に立設される間隔保持部214と、その間隔保持部214より後方の下縁支持部213に立設され間隔保持部材214と所定の間隔をあけて位置する立設部215とを備えている。
基部212は、前扉205の下側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。下縁支持部213は、遊技盤230の下縁部231をスライド可能に支持するための部位であり、基部212から背面側に突設され上面が略水平となるように配設されている。
下縁支持部213は、内枠4に対して前扉205を開閉するための支持金具37(ヒンジ、図10参照)が設けられる前扉205の左右一方側(図17(a)右側)の反対側(左右他方側)に、被係合部216が設けられている。被係合部216は、遊技盤230に突設された後述する係合部(軸部244)と係合されることで、被係合部216を中心として前扉205に対する遊技盤230の角度を変更可能にするための部位である。本実施の形態では、被係合部216は、前扉205の左右一方側(図17(a)右側)に向かってスライドする遊技盤230の移動を規制するための機能も有している。この機能の詳細は後述する。
間隔保持部214は、前扉205の背面と遊技盤230の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤230の盤面に立設する誘導レール42や各種役物(図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部214は、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部213の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部214の前後方向の幅は、遊技盤230の盤面に立設する誘導レール42や釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8と誘導レール42や釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。前扉205に設けられたガラス8(図3参照)と誘導レール42や釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎると、遊技領域PEに打ち込まれた遊技球がガラス8と釘等との間に挟まる等の不具合が生じるからである。
立設部215は、下縁支持部213に支持された遊技盤230の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部213の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部214と立設部215との間隔(前後方向)は、遊技盤230の下縁部231の厚さよりわずかに大きめに設定されている。
間隔保持部214及び立設部215は断面矩形状の四角筒状に形成されているので、間隔保持部214及び立設部215が中実状(四角柱状)に形成される場合と比較して、軽量化できる。また、間隔保持部214及び立設部215を断面矩形状の四角筒状に形成することにより、間隔保持部214及び立設部215の剛性を確保することができ、ひいては下部材221の機械的強度を向上させることができる。
上部材221は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部222と、その基部222から背面側に水平に突設される上縁対面部223と、その上縁対面部223の長手方向に沿い上縁対面部223の左右に亘って前扉205寄りの上縁対面部223に垂設される間隔保持部224と、その間隔保持部224より後方の上縁対面部223に垂設され間隔保持部材224と所定の間隔をあけて位置する垂設部225とを備えている。
基部222は、前扉205の上側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。上縁対面部223は、遊技盤230の上縁部232をスライド可能にするための部位であり、基部222から背面側に突設され下面が略水平となると共に、遊技盤230の下縁部231及び上縁部232の距離より少し大きな間隔を設けて下縁支持部213と略平行となるように配設されている。
上縁対面部223は、下縁支持部213の被係合部216と相対する位置に被係合部226が設けられている。被係合部226は、遊技盤230に突設された後述する係合部(軸部244)と係合されることで、被係合部226を中心として前扉205に対する遊技盤230の角度を変更可能にするための部位である。本実施の形態では、被係合部226は、被係合部216と同様に、前扉205の左右一方側(図17(a)右側)に向かってスライドする遊技盤230の移動を規制するための機能も有している。この機能の詳細は後述する。
間隔保持部224は、前扉205の背面と遊技盤230の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤230の盤面に立設する誘導レール42や各種役物(図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部224は、断面矩形状の四角筒状に形成され上縁対面部223の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部224の前後方向の幅は、遊技盤230の盤面に立設する誘導レール42や釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8と誘導レール42や釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。
垂設部225は、下縁支持部213及び上縁対面部223の間に配設された遊技盤230の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され上縁対面部223の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部224と垂設部225との間隔(前後方向)は、遊技盤230の上縁部232の厚さよりわずかに大きめに設定されている。これにより、下縁支持部213及び上縁対面部223の間に配設された遊技盤230を、下縁支持部213及び上縁対面部223に沿って左右方向にスライド可能にできる。
次に図17(b)を参照して遊技盤230について説明する。遊技盤230は、正面視して略方形状の板状の部材であり、誘導レール42により遊技領域PEが区画されている。遊技盤230は、4つの角部のそれぞれに、正面視して矩形状に切欠された凹欠部230a〜230dが形成されている。凹欠部230a〜230dは、後述するロック装置240,250が装着される部位である。正面視して略矩形状のロック装置240,250が凹欠部230a〜230dに装着されるので、遊技盤230の下縁部231及び上縁部232からロック装置240,250の本体部241,251が張り出さないようにできる。
ロック装置240,250は、前扉205(遊技盤支持部材210)に対してスライド移動する遊技盤230の移動を規制するための装置である。ロック装置240は、遊技盤205の左右一方側(図17(b)左側)に切欠形成された凹欠部230a,230cに装着され、ロック装置250は、遊技盤205の左右他方側(図17(b)右側)に切欠形成された凹欠部230b,230dに装着されている。
ロック装置240は、遊技盤230の凹欠部230aに装着されると共に上面が上縁部232と同一平面上に位置する本体部241と、その本体部241の左右一方側(図17(b)左側)を構成し本体部241の上面に対して一段低い位置に設定された段差部242と、その段差部242と本体部241の上面との間を繋ぐ本体部241の壁部243と、その壁部243と反対側の段差部242の端部寄りに段差部242に対して上下方向に出入可能に設けられると共に、段差部242から離間する方向に付勢される軸部244と、その軸部244の周囲に位置すると共に段差部242に設けられたスペーサ245と、軸部244に連係して出没可能に構成されると共に本体部241の上面に配置される軸操作部246とを備えて構成されている。
段差部242は、本体部241の上面と平行となるように設けられ、本体部241の上面と段差部242との距離(高低差)が、上部材221の上縁対面部223の下面と間隔保持部224及び垂設部225の下面との距離(高低差)より大きな値に設定されている。本体部241の上面と段差部242との距離(高低差)は、同様に、下部材211の下縁支持部213の上面と間隔保持部214及び立設部215の上面との距離(高低差)より大きな値に設定されている。これは、遊技盤支持部材210に支持された遊技盤230の上縁部232が間隔保持部224及び垂設部225で拘束されるのを防ぐためである。詳細は後述する。
軸部244は、段差部242から突出する長さが、壁部243の高さより大きな値に設定されており、上部材221の上縁対面部223に形成された被係合部226に挿入し係合可能に構成されている。軸部244は段差部242から離間する方向に弾性部材(図示せず)により付勢されているが、その付勢力に抗する上下方向の力を軸操作部246に付与して軸操作部246を本体部241に沈みこませると、軸操作部246に連係して軸部244は段差部242側へ縮退する。このときに段差部242から突出する軸部244の長さは、壁部243の高さより小さい値となるように設定されている。
スペーサ261は、外径が本体部241及び遊技盤230の厚さと同一に設定されると共に、高さが壁部243の高さと同一に設定された円筒状の部材である。スペーサ261は段差部242に配置され、円筒状の中心に軸部244が貫設されている。
ロック装置250は、遊技盤230の凹欠部230bに装着されると共に上面が上縁部232と同一平面上に位置する本体部251と、その本体部251の上面に上下方向に出入可能に設けられると共に、本体部251から離間する方向に弾性部材(図示せず)により付勢される軸部252と、本体部251の側面に形成される孔部253と、その孔部253に配設されると共に、軸部252に連係して孔部253に対して上下方向に移動可能に構成される軸操作部254とを備えて構成されている。軸部252は、軸部252の付勢力に抗して軸操作部254を上下方向に操作することにより、軸操作部254に連係して本体部251側へ縮退する。
次に、図18を参照してロック装置240について説明する。図18(a)はロック装置240の側面図であり、図18(b)はロック装置240の正面図であり、図18(c)はロック装置240の背面図である。なお、遊技盤230の凹欠部230a,230cには、同一のロック装置240が天地を逆にして取り付けられている。よって、図18では、遊技盤230の下部に形成された凹欠部230aに取り付けられたロック装置240について説明する。
図18(a)及び図18(c)に示すように、スペーサ245は、厚さ(図18(a)左右方向)が本体部241及び遊技盤230の厚さと同一に設定された円筒状の部材である。スペーサ245は、上下方向に貫通する孔部245aが形成され、その孔部245aに軸部244が挿通されて段差部242に軸部244と同軸状に固定されている。孔部245aの内径は軸部244の外径より大きめに設定されている。
図18(b)に示すように、段差部242とスペーサ245の端面245bとの距離は、壁部243の高さと同一に設定されている。また、軸部244は、スペーサ245の端面245bから上下方向(軸方向)に突出するように長さが設定されており、下部材211の下縁支持部213に形成された被係合部216に挿入可能(係合可能)に構成されている。軸部244は段差部242から離間する方向に付勢されているが、その付勢力に抗する上下方向の力を軸操作部246に付与して軸操作部246を本体部241へ埋没させると、軸操作部246に連係して軸部244は段差部242側へ縮退する。その結果、軸部244は、先端が、スペーサ245の端面245bと同一平面ないしは同一平面より段差部242側に位置するように縮退する。
なお、図18(b)に示すように軸操作部246は、正面視における外縁が円弧状に形成されており、遊技盤230の左右一方側(図18(b)左側)から左右他方側(図18(b)右側)に向かうにつれて本体部241からの突出量が次第に増加し、最大となる部位を超えると、本体241からの突出量が次第に減少するように設定されている。また、図18(c)に示すように壁部243は、背面視して円弧状となる形状に設定されている。
図17(a)及び図17(b)に戻って遊技盤支持部材210及び遊技盤230について説明する。遊技盤支持部材210の下縁支持部213の上面と上縁対面部223の下面との距離は、遊技盤230の下縁部231と上縁部232との距離より少し大きめに設定されている。また、遊技盤支持部材210の間隔保持部214の上面と間隔保持部224の下面との距離、及び、立設部215の上面と垂設部225の下面との距離は、遊技盤230の下縁部231と上縁部232との距離より小さめに設定されている。これにより、下部材211と上部材221との間に遊技盤230を支持することが可能となる。
ここで、ロック装置240のスペーサ245の高さは、下部材211の間隔保持部214及び立設部215の高さより大きな値に設定されている。また、立設部215の上面と垂設部225の下面との距離H1は、遊技盤230の上下のロック装置240の段差部242間の距離H2より大きめに設定されている。下部材211及び上部材221に形成された被係合部216,226に軸部244をそれぞれ係合させると、遊技盤230は下縁支持部213等に拘束されることなく、スペーサ245及び軸部244により軸部244(上下方向)を中心に揺動可能となる。
なお、遊技盤230の左右他方側(図17(b)右側)には、取手部260が設けられている。取手部260は、遊技盤230の盤面の上下方向の略中央に並んで前方に向かって立設される脚部261と、その脚部261の各頂部間に架設されると共に、正面視して遊技盤230の左右他方側(図17(b)右側)にわずかに張り出すように設けられる張出部262とを備えている。取手部260、特に張出部262は、遊技施設の係員等が手の指を掛けて、遊技盤支持部材210に支持された遊技盤230を遊技盤支持部材210から引き出すための部位である。なお、取手部260の盤面からの高さは、誘導レール42の高さと同一ないしは少し低めに設定されている。遊技盤支持部材210に遊技盤230を収容するときに取手部260が前扉205と干渉するのを防ぐためである。
次に図19を参照して、遊技盤支持部材210に遊技盤230を支持する方法について説明する。図19は前扉205に遊技盤230が装着された前面ユニット200の斜視図である。
遊技盤支持部材210に遊技盤230を収容するときには、まず、前扉205の左右他方側(図19左側)の下部材211の間隔保持部214と立設部215との間の下縁支持部213に、軸部244を押し付けつつスペーサ245を載せる。そうすると、遊技盤230の重量で軸部244がスペーサ245内に埋没する。次いで、スペーサ245を下部材211に沿って摺動させると共に、上部材221側のロック装置240の軸操作部246を押して軸部244をスペーサ245内に収縮させつつ、下部材211と上部材221との間に遊技領域PEを前扉205側に向けて遊技盤230を挿入する。
下部材211と上部材221との間にロック装置240のスペーサ245が挿入されて、下部材211に形成された被係合部216の位置に軸部244が達すると、軸部244は外向き(下向き)に付勢されているので、軸部244は被係合部216に係合する。そうすると遊技盤230をスライド移動できなくなるので、ロック装置240の軸操作部246を押し、軸部244を収縮させて軸部244を被係合部216から抜脱する。一方、上部材221側のロック装置240の軸操作部246は押されて軸部244が収縮しているので、軸部244は被係合部226に係合できない。これにより遊技盤230を前扉205の左右一方側(図19右側)にスライド移動させることができる。
さらに下部材211と上部材221との間に遊技盤230をスライド移動させると、遊技盤230の上下に配置されたロック装置250の軸部252が下縁支持部213及び上縁対面部223の端面に到達する。軸部252は下縁支持部213及び上縁対面部223より外側に突出しているので、このままでは遊技盤230をスライド移動させることはできない。そこでロック装置250の軸操作部254を操作し、軸部252を収縮させ、軸部252を本体部251に埋没させる。これにより遊技盤230を続けてスライド移動させることができる。
遊技盤230の上下に配置されたロック装置250の軸部252が被係合部216,226の位置に達すると、軸部252は外向き(上下方向)に付勢されているので、軸部252は被係合部216,226にそれぞれ係合する。これにより遊技盤230のスライド移動が規制され、遊技盤230が遊技盤支持部材210(前扉205)に保持される。
なお、外枠2及び内枠4に対する前扉5の回動軸となるヒンジ(支持金具37、受金具38、図10参照)を前扉205の左右一方側(図19右側)に取り付けて、外枠2及び内枠4に前扉205を取り付けた後、前扉205(遊技盤支持部材210)に遊技盤230を保持させることができる。これにより外枠2、内枠4及び前扉205を変えずに遊技盤230を交換することができる。
また、前扉205(遊技盤支持部材210)に遊技盤230を保持させた後、ヒンジ(支持金具37、受金具38、図10参照)を取り付けて、遊技盤230を保持した前扉230を外枠2及び内枠4に取り付けることは可能である。これにより外枠2及び内枠4を変えずに前扉205及び遊技盤230を交換することができる。
次に、遊技盤支持部材210から遊技盤230を引き出す方法について説明する。取手部260は、背面視して遊技盤230の左右他方側(図19左側)にわずかに張り出すように張出部262が設けられている。よって、遊技施設の係員等は張出部262に手の指を掛けることができる。張出部262に手の指を掛けて遊技盤支持部材210から遊技盤230を引き出しつつ、ロック装置250の軸操作部254を操作して軸部252を被係合部216,226から抜脱することにより、遊技盤230を左右他方側(図19左側)にスライド移動させることができる。
なお、下縁支持部213及び上縁対面部223の左右方向の長さは、遊技盤230の左右方向の長さより少し短めに設定されている。従って、軸部252が被係合部216,226にそれぞれ係合し、遊技盤230が遊技盤支持部材210(前扉205)に保持された状態では、下縁支持部213及び上縁対面部223の左右一方側(図19右側)からロック装置240の軸部244は露呈する。しかし、下縁支持部213及び上縁対面部223は、遊技盤230が遊技盤支持部材210(前扉205)に保持された状態で、ロック装置240の軸操作部246は押縮できるように左右方向の長さが設定されている。これにより、遊技盤230を左右他方側(図19左側)にスライド移動させるときに、遊技施設の係員等は、ロック装置240の軸操作部246を操作しなくても、軸部244が下縁支持部213及び上縁対面部223と干渉することを防止でき、遊技盤230をスムーズにスライド移動させることができる。
また、下縁支持部213及び上縁対面部223は、遊技盤230が遊技盤支持部材210(前扉205)に保持された状態で、ロック装置240の軸部244は押縮できないが軸操作部246は押縮できるように左右方向の長さが設定されている。よって、下縁支持部213及び上縁対面部223の左右方向の長さを、ロック装置240の軸部244も押縮できるように設定する場合と比較して、短くできる。その結果、下縁支持部213及び上縁対面部223の長さを短縮できる分だけ、遊技盤支持部材210を軽量化できる。
また、前扉205の左右一方側(図19右側)に取り付けられるヒンジ(回動軸)を中心に前扉205は開閉する。回動軸を中心とする前扉205の軌跡(円弧)の長さは、中心角が一定の場合は回動軸からの距離(半径)に比例して大きくなる。一方、中心角の大きさは、軌跡(円弧)の長さが一定の場合は回動軸からの距離(半径)に反比例して小さくなる。そのため、回動軸に近い側(図19右側)は前扉205と内枠4とが干渉し易くなる。これに対し、下縁支持部213及び上縁対面部223の左右方向の長さを短くして、回動軸に近い側(図19右側)の下縁支持部213及び上縁対面部223を省略することで、前扉205(遊技盤支持部材210)と内枠4とを干渉し難くできる。その結果、内枠4に対して前扉205をスムーズに開閉できる。
次に図20及び図21を参照して、遊技盤支持部材210から引き出されて左右他方側(図20左側)にスライド移動した遊技盤230について説明する。図20は前扉205に遊技盤230が装着された前面ユニット200の斜視図であり、図21は前扉205に対して遊技盤230を回動する状態を示す前面ユニット200の平面図である。なお、図21では、下部材211と遊技盤230との関係を図示しているが、上部材221と遊技盤230との関係も同様であるので、上部材221と遊技盤230との関係を図示することは省略する。
図20に示すように、遊技盤230が遊技盤支持部材210の左右他方側(図20左側)にスライド移動されると、ロック装置240の軸部244がそれぞれ被係合部216,226の位置に到達する。軸部244はそれぞれ上下方向外向きに付勢されているので、軸部244はそれぞれ被係合部216,226に挿入し係合する。
このときは、遊技盤支持部材210の被係合部216,226の位置に遊技盤230(ロック装置240)の段差部242が位置する。上下のロック装置240の段差部242間の距離H2(図17参照)は、立設部215の上面と垂設部225の下面との距離H1より小さめに設定されているので、立設部215及び垂設部225は上下のロック装置240の段差部242を拘束できない。しかし、段差部242にスペーサ245(図18参照)が設けられている。スペーサ245の高さはロック装置240の壁部243と同一の高さに設定されているので、遊技盤230はスペーサ245により立設部215及び垂設部225に拘束される。これにより遊技盤230が遊技盤支持部材210から離脱することを防止できる。
なお、ロック装置240の軸操作部246を本体部241に押し込めば、被係合部216,226より軸部244を抜脱できるので、遊技盤支持部材210から遊技盤230を取り外すことができる。
ここで、図21に示すように、円筒状のスペーサ245は間隔保持部214及び立設部215の間に位置し、スペーサ245の外径は間隔保持部214及び立設部215の間隔より少し小さめに設定されている。これにより、軸部244及びスペーサ245を上下方向の軸中心として、遊技盤支持部材210(前扉105)に対して遊技盤230を揺動可能にできる。
また、遊技盤230が揺動するときには、遊技盤230(ロック装置240)の左右方向の端部は、軸部244を揺動中心とする軌跡T1を描く。その軌跡T1が前扉205の背面と干渉しないように、軸部244の位置が設定されている。これにより、遊技盤230(ロック装置240)の左右方向の端部が遊技盤230の自由な揺動を規制することを防止できる。
また、遊技盤230が揺動するときには、ロック装置240の壁部243は、軸部244を揺動中心とする軌跡T2を描く。その軌跡T2が遊技盤支持部材210(立設部215)の左右方向の端部と干渉しないように、壁部243の位置が設定されている。これにより、ロック装置240の壁部243が遊技盤230の自由な揺動を規制することを防止できる。
なお、ロック装置240の壁部243は、形状が、平面視して軸部244に向かって凸の円弧状に形成されている。これにより、遊技盤230が大きく揺動して立設部215の背面にロック装置240の壁部243が当たった場合の衝撃を緩和できる(力を分散できる)。その結果、その衝撃による立設部215や壁部243の破損を防止できる。
これに対し、壁部243が平面視して平面状に形成されている場合には、ロック装置240の本体部241の側面との稜に角が形成される。その場合に遊技盤230が大きく揺動して立設部215の背面にロック装置240の壁部243が当たった場合は、壁部243の角が立設部215の背面にぶつかるので、衝撃が大きくなる(力が集中する)。そうすると、その衝撃により立設部215や壁部243が破損するおそれがある。壁部243の形状を平面視して軸部244に向かって凸の円弧状に形成することにより、立設部215や壁部243を破損し難くできる。
次に図22を参照して、前扉105に対して揺動させた遊技盤230の固定方法について説明する。図22は前扉205と背面ユニット(内枠4)との間に遊技盤230を固定した前面ユニット200の斜視図である。なお、図22では、内枠4に対して前扉205を揺動自在に支持するヒンジ(支持金具37、受金具38、図10参照)の図示は省略する。
図22に示すように、内枠4の前面側の左右他方側(図22右側)には、取手係止部270が取手部160と同じ高さに配置されている。取手係止部270は、遊技盤230に突設された取手部260を係止するための部位であり、内枠4の前面側に固定される縦長の板状のベース部271と、そのベース部271の上下方向に並設される複数の係止部272とを備えている。係止部272は、取手部260の張出部262を係止するための部位であり、左右に対向する一対の爪部がベース部271に突設されている。爪部間に張出部262を嵌め込むことにより張出部262が係止部272に係止される。
前扉205の左右他方側(図22右側)に遊技盤230の一側縁部側(軸部244側)が支持され、且つ、内枠4(背面ユニット)の左右他方側(図22右側)に遊技盤230の他側縁部側(取手部260側)が支持されることで、遊技盤230は内枠4(背面ユニット)及び前扉230に固定される。これにより、内枠4、前扉205及び遊技盤230を平面視して三角形のトラス状の構造にできる。トラス状の構造とすることで外力に対する抵抗力を大きくできるので、遊技盤230(遊技領域PE)のメンテナンスを行うときに遊技盤230が変位することを防止でき、メンテナンス作業の安定性を向上できる。
また、遊技盤230はヒンジ(図示せず)を中心に内枠4に対して前扉205が開放されたときに、前扉205に対する角度が変位可能に構成されているので、前扉205に対して遊技盤230の盤面(遊技領域PE)を開放して盤面の掃除等のメンテナンスを行うことができる。さらに、ヒンジを中心に内枠4に対して前扉205が開放されたときに、遊技盤230の一側縁部(軸部244)と被係合部216,226とを係合させ、遊技盤230の一側縁部(軸部244側)とヒンジとの距離を定められた値に変位可能にできる。よって、前扉205に対して遊技盤230の角度を変位させ、且つ、遊技盤230の一側縁部(軸部244側)と回動軸(ヒンジ)との距離をあけることで、遊技盤230の盤面のうち、前扉205に邪魔されてメンテナンスを行い難い一側縁部側(軸部244側)のメンテナンス性を向上できる。
また、遊技盤230は、回動軸(ヒンジ)を中心に内枠4に対して前扉105が開放されたときに、遊技盤230の一側縁部(軸部244側)と回動軸(ヒンジ)とが離間するように前扉205の背面に沿って左右方向にスライド可能に構成されている。よって、回動軸(ヒンジ)の上下方向に亘って遊技盤230の一側縁部(軸部244側)と回動軸(ヒンジ)との間隔をあけることができる。さらに、前扉205に対して遊技盤230の一側縁部側(軸部244側)の上下方向の軸部244を中心に遊技盤230を回動することにより、前扉205に対して遊技盤230の盤面を開放できる。従って、回動軸(ヒンジ)の上下方向に亘って遊技盤230の一側縁部側(軸部244側)のメンテナンス性を向上できる。
また、前扉105の背面側の上下に配設されると共に左右方向に延びる遊技盤スライド支持部(下部材211及び上部材221)により遊技盤230が左右方向にスライド可能に支持される。遊技盤スライド支持部(下部材211及び上部材221)に支持された遊技盤230の一側縁部(軸部244側)と回動軸(ヒンジ)とが所定の距離だけ離間したときに、遊技盤230の一側縁部側の上下にそれぞれ設けられる係合部(軸部244)は、遊技盤スライド支持部の被係合部216,226と係合する。これにより、遊技盤230の一側縁部(軸部244側)と回動軸(ヒンジ)とが所定の距離だけ離間した状態で、遊技盤スライド支持部(下部材211及び上部材221)に対して遊技盤230が回動可能に支持される。遊技盤230に係合部(軸部244)を設けると共に、その係合部が係合可能な被係合部216,226を遊技盤スライド支持部(下部材211及び上部材221)に設ける構造なので、前面ユニット200の構造を簡素化できる。
次に図23から図25を参照して第7実施の形態について説明する。第6実施の形態では、前扉205の背面に固定された遊技盤支持部材210に保持された遊技盤230の軸部244と、遊技盤支持部材210に設けられた被係合部216,226とを係合させて、軸部244を中心に遊技盤230を揺動させる場合について説明した。これに対し第7実施の形態では、前扉205の背面に固定された遊技盤支持部材310に保持された遊技盤330のピニオン332と、遊技盤支持部材310に設けられたラック315とを係合させて、ピニオン332に固定された軸状部材331を中心に遊技盤330を揺動させる場合について説明する。なお、第6実施の形態で説明したものと同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図23は第7実施の形態における前面ユニット300の斜視図である。
図23に示すように、前扉205の背面には遊技盤支持部材310が固設されている。遊技盤支持部材310は、前扉205の背面に遊技盤330を左右方向にスライド可能に支持するための部材であり、前扉205の背面の下部側に横設され前扉205に固定された下部材311と、前扉205の背面の上部側に横設され前扉205に固定された上部材321とを備えている。遊技盤330は、遊技盤330の上下方向に貫設される軸状部材331と、その軸状部材331の両端に固定された2個のピニオン332とを備え、それらピニオン332は下部材311及び上部材321によりそれぞれ支持される。
下部材311は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部312と、その基部312から背面側に水平に突設される下縁支持部313と、その下縁支持部313の長手方向に沿い下縁支持部313の左右に亘って前扉205寄りの下縁支持部313に立設される間隔保持部314と、その間隔保持部314の背面側に形設または配置されるラック315と、そのラック315より後方の下縁支持部313に立設されラック315と所定の間隔をあけて位置する立設部316とを備えている。
基部312は、前扉205の下側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。下縁支持部313(離間支持部)は、遊技盤330の下方に突設されるピニオン332(軸支持部)をスライド可能に支持するための部位であり、基部312から背面側に突設され上面が略水平となるように配設されている。
間隔保持部314は、前扉205の背面と遊技盤330の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや各種役物(いずれも図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部314は、断面矩形状の四角柱状に形成され下縁支持部313の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部314の前後方向の幅は、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。前扉205に設けられたガラス8(図3参照)と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎると、遊技領域PEに打ち込まれた遊技球がガラス8と釘等との間に挟まる等の不具合が生じるからである。
ラック315は、間隔保持部314の背面側に形設される部位または配置される部材であり、間隔保持部314の左右方向に亘って設けられている。ラック315は、遊技盤330の下方に突設されるピニオン332を係合するためのものである。
立設部316は、ラック315と係合したピニオン332の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部313の左右方向に亘って設けられている。立設部316のラック315との対向面は、平坦状に形成されているので、ピニオン332はラック315と係合して回動しながら立設部316に沿って移動する。
下縁支持部313の左右一方側(図23右側)の端部には、ラック315と立設部316との間にストッパ317が配設固定される。ストッパ317は、ラック315と係合して回動しながら立設部316に沿って移動するピニオン332が、下縁支持部313の左右一方側(図23右側)の端部から脱落することを防止するための部材である。なお、下部材311及び上部材321にそれぞれピニオン332を挿入して、下部材311と上部材321との間に遊技盤330を挿入した後、下縁支持部313の左右他方側(図23左側)の端部に、同様のストッパ(図示せず)が配設固定される。下部材311及び上部材321に挿入されたピニオン332が、下縁支持部313の左右他方側(図23左側)の端部から脱落することを防止するためである。
上部材321は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部322と、その基部322から背面側に水平に突設される上縁対面部323と、その上縁対面部323の長手方向に沿い上縁対面部323の左右に亘って前扉205寄りの上縁対面部323に垂設される間隔保持部324と、その間隔保持部324の背面側に形設または配置されるラック(図示せず)と、そのラックより後方の上縁対面部323に垂設されラックと所定の間隔をあけて位置する垂設部326とを備えている。
基部322は、前扉205の上側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。上縁対面部323は、遊技盤330の上方に突設されるピニオン332(図24参照)をスライド可能に支持するための部位であり、基部322から背面側に突設され上面が略水平となるように配設されている。
間隔保持部324は、前扉205の背面と遊技盤330の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや各種役物(図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部324は、断面矩形状の四角柱状に形成され上縁対面部323の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部324の前後方向の幅は、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。
ラック(図示せず)は、間隔保持部324の背面側に形設される部位または配置される部材であり、間隔保持部324の左右方向に亘って設けられている。ラックは、遊技盤330の上方に突設されるピニオン332(図24参照)を係合するためのものである。
垂設部326は、ラック(図示せず)と係合したピニオン332の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部323の左右方向に亘って設けられている。垂設部326のラック(図示せず)との対向面は、平坦状に形成されているので、ピニオン332はラックと係合して回動しながら垂設部326に沿って移動する。
上縁対面部323の左右一方側(図23右側)の端部には、ラック(図示せず)と垂設部326との間にストッパ327が配設固定される。ストッパ327は、垂設部326に沿って移動するピニオン332が、上縁対面部323の左右一方側(図23右側)の端部から脱落することを防止するための部材である。なお、下部材311及び上部材321にそれぞれピニオン332を挿入して、下部材311と上部材321との間に遊技盤330を挿入した後、上縁対面部323の左右他方側(図23左側)の端部に、同様のストッパ(図示せず)が配設固定される。下部材311及び上部材321に挿入されたピニオン332が、上縁対面部323の左右他方側(図23左側)の端部から脱落することを防止するためである。
次に、図24を参照して遊技盤330について説明する。図24は前面ユニット300の背面図である。図24に示すように遊技盤330は、左右一方側(図24右側)の上下方向に亘って軸状部材331が貫設され、その軸状部材331は遊技盤330に対して回動可能に構成されている。軸状部材331は、両端にピニオン332が回転不能に固定されているので、二つのピニオン332の移動量を同期させることができる。
また、遊技盤330の上下(図24上下方向)の長さ(高さ)は、下部材311と上部材321との間隔よりわずかに小さな値に設定されており、遊技盤330の前後(図24紙面垂直方向)の厚さは、間隔保持部314と立設部316との間隔および間隔保持部324と垂設部326との間隔より大きな値に設定されている。これにより遊技盤330が、遊技盤支持部材310に対して軸状部材331及びピニオン332で片持ち支持されることを抑制できる。下部材311及び上部材321により、軸状部材331及びピニオン332だけでなく遊技盤330も支持されるからである。遊技盤330の鉛直荷重を間隔保持部314及び立設部316(遊技盤スライド支持部)が受けることで軸状部材331及びピニオン332等の負担を軽減できるので、軸状部材331及びピニオン332等の耐久性を向上できる。
次に図25を参照して、下部材311及び上部材321に対して揺動するときの遊技盤330について説明する。図25は前扉205に対して遊技盤330を回動する状態を示す前面ユニット300の平面図である。図25に示すようにピニオン332はラック315に係合しているので、立設部316に沿ってピニオン332を容易にスライド移動させることができる。
また、遊技盤330が揺動するときには、遊技盤330の左右方向の端部は、軸状部材331を揺動中心とする軌跡T1を描く。その軌跡T1が前扉205の背面と干渉しないように、軸状部材331の位置が設定されている。これにより、遊技盤330の左右方向の端部が遊技盤330の自由な揺動を規制することを防止できる。その結果、ピニオン332が係合するラック315の任意の位置で軸状部材331を中心に遊技盤330を揺動させ、遊技盤330の盤面を開放できる。これにより、遊技盤330の遊技領域PEに関する不具合の解消作業を容易に行うことができる。
即ち、遊技盤330の遊技領域PEに遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、内枠4に対して前扉205を開放した後、ラック315の任意の位置で遊技盤スライド支持部(遊技盤支持部材210)に対して遊技盤330を回動する。これにより遊技盤330の遊技領域PEを開放できる。ラック315の任意の位置で遊技領域PEにアクセス可能にできるので、遊技領域PEに関する不具合の解消作業性を向上できる。
また、遊技盤330の一側縁部(左右一方側(図24右側))の上下方向に軸状部材331が貫設され、その軸状部材331の両端に、軸状部材331と相対回転不能にピニオン332が固定されているので、上下のピニオン332の移動量を同期させることができる。その結果、遊技盤330のどの部分を操作しても遊技盤330のスライド移動を円滑かつ確実に行うことができる。
なお、下部材311及び上部材321の左右他方側(図23左側)に配設固定されたストッパ(図示せず)によりピニオン332の左右他方側への移動を規制すると共に、遊技盤330に設けられた取手部260(図22参照)を、内枠4に設けられた取手係止部270に係止する。これにより、内枠4、前扉5及び遊技盤330を、平面視して三角形のトラス状に固定できる。トラス状の構造とすることで外力に対する抵抗力を大きくできるので、遊技盤330のメンテナンスを行うときに遊技盤330が変位することを防止でき、メンテナンス作業の安定性を向上できる。
次に図26及び図27を参照して、第8実施の形態について説明する。第6及び第7実施の形態では、前扉205の背面に遊技盤支持部材210,310が揺動不能に固定される場合について説明した。これに対し第8実施の形態では、第1実施の形態から第5実施の形態のように、前扉5の背面の左右一方側(図26右側)に遊技盤支持部材410が軸支される場合について説明する。なお、第1実施の形態および第6実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図26は第8実施の形態における前面ユニット400の前扉5及び遊技盤支持部材410の斜視図であり、図27は遊技盤430の背面斜め上側から見た斜視図である。
図26に示すように遊技盤支持部材410は、前扉5の左右一方側(図26右側)の背面側に揺動可能に取着されると共に、遊技盤430を左右方向にスライド可能に支持するための部材であり、遊技盤430の左右方向の幅と略同一の長さに設定された下部材411と、その下部材411と略平行となるように遊技盤430の上下方向の長さと略同一の間隔をあけて配設される上部材421と、それら上部材421及び下部材411を連結する上下連結部429(429a,429b)とを備えている。遊技盤430は、下部材421により下縁部431がスライド可能に支持される一方、上部材421により上縁部432の前後方向の移動が規制される。
下部材411は、遊技盤430の下縁部431が載置される下縁支持部412と、その下縁支持部412の長手方向の一方の側縁に沿い下縁支持部412の左右に亘って立設される間隔保持部413と、その間隔保持部413と所定の間隔をあけて下縁支持部412の他方の側縁に沿って立設される立設部414とを備えている。
下縁支持部412は、遊技盤430の下縁部431をスライド可能に支持するための部位であり、上面が略水平となるように配設されている。下縁支持部412は、内枠4に対して前扉5を開閉するための支持金具37(ヒンジ、図10参照)が設けられる前扉5の左右一方側(図26右側)の反対側(左右他方側)に、被係合部415が設けられている。
被係合部415は、遊技盤430に突設された後述する係合部(軸部244)と係合されることで、遊技盤430を支持する遊技盤支持部材410の角度を、被係合部415を中心として変更可能にするための部位である。本実施の形態では、被係合部415は、遊技盤支持部材410の左右一方側(図26右側)に向かってスライドする遊技盤430の移動を規制するための機能も有している。この機能の詳細は後述する。
また、下縁支持部412は、支持金具37(ヒンジ、図10参照)が設けられる前扉5の左右一方側(図26右側)に、被係合部416が設けられている。被係合部416は、遊技盤430に突設された係合部(軸部244)と係合されることで、遊技盤430を、支持金具37(ヒンジ、図10参照)から離隔するための部位である。
間隔保持部413は、前扉5の背面と遊技盤430の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤430の盤面に立設する誘導レールや各種役物(図示せず)等と前扉5の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部413は、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部412の左右方向に亘って設けられている。
間隔保持部413の前後方向の幅は、遊技盤430の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉5の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉5に設けられたガラス8(図3参照)と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。前扉5に設けられたガラス8と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎると、遊技領域PEに打ち込まれた遊技球がガラス8と釘等との間に挟まる等の不具合が生じるからである。
立設部414は、下縁支持部412に支持された遊技盤430の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部412の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部413と立設部414との間隔(前後方向)は、遊技盤230の下縁部231の厚さよりわずかに大きめに設定されている。
間隔保持部413及び立設部414は断面矩形状の四角筒状に形成されているので、間隔保持部413及び立設部414が中実状(四角柱状)に形成される場合と比較して、軽量化できる。また、間隔保持部413及び立設部414を断面矩形状の四角筒状に形成することにより、間隔保持部413及び立設部414の剛性を確保することができ、ひいては下部材411の機械的強度を向上させることができる。
なお、下部材411(間隔保持部413)の左右一方側(図26右側)の端部には、立設部414と反対方向に延びるように下部金具55が設けられている。下部金具55は、下方に延びるピン55aが突設されており、そのピン55aが、前扉5に設けられた受け部71の孔部(図示せず)に係合される。
上部材221は、遊技盤430の上縁部432が対面する上縁支持部422と、その上縁対面部422の長手方向の一方の側縁に沿い上縁対面部422の左右に亘って立設される間隔保持部423と、その間隔保持部423と所定の間隔をあけて上縁対面部422の他方の側縁に沿って垂設される垂設部424とを備えている。
上縁対面部422は、遊技盤430の上方への移動を規制するための部位であり、下面が下縁支持部412の上面と平行となるように配設されている。上縁対面部422は、内枠4に対して前扉5を開閉するための支持金具37(ヒンジ、図10参照)が設けられる前扉5の左右一方側(図26右側)の反対側(左右他方側)に、被係合部425が設けられている。
被係合部425は、遊技盤430に突設された係合部(軸部244)と係合されることで、遊技盤430を支持する遊技盤支持部材410の角度を、被係合部425を中心として変更可能にするための部位である。本実施の形態では、被係合部425は、遊技盤支持部材410の左右一方側(図26右側)に向かってスライドする遊技盤430の移動を規制するための機能も有している。この機能の詳細は後述する。
また、上縁対面部422は、支持金具37(ヒンジ、図10参照)が設けられる前扉5の左右一方側(図26右側)に、被係合部426が設けられている。被係合部426は、遊技盤430に突設された係合部(軸部244)と係合されることで、遊技盤430を、支持金具37(ヒンジ、図10参照)から所定の距離だけ離隔するための部位である。
間隔保持部423は、前扉5の背面と遊技盤430の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤430の盤面に立設する誘導レールや各種役物(図示せず)等と前扉5の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部423は、断面矩形状の四角筒状に形成され上縁対面部422の左右方向に亘って設けられている。
間隔保持部423の前後方向の幅は、遊技盤430の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉5の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉5に設けられたガラス8(図3参照)と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。
垂設部414は、遊技盤430の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され上縁対面部412の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部423と垂設部424との間隔(前後方向)は、遊技盤230の下縁部231の厚さよりわずかに大きめに設定されている。
間隔保持部423及び垂設部424は断面矩形状の四角筒状に形成されているので、間隔保持部423及び垂設部424が中実状(四角柱状)に形成される場合と比較して、軽量化できる。また、間隔保持部423及び垂設部424を断面矩形状の四角筒状に形成することにより、間隔保持部413及び垂設部424の剛性を確保することができ、ひいては上部材421の機械的強度を向上させることができる。
なお、上部材421(間隔保持部423)の左右一方側(図26右側)の端部には、垂設部424と反対方向に延びるように上部金具54が設けられている。上部金具54は、下方に延びるピン54aが突設されており、そのピン54aが、前扉5の背面側の左右一方側に設けられた受け部70の孔部(図示せず)に係合される(図26部分拡大図参照)。
上下連結部429は、上下に分離した下部材411及び上部材421を連結するための部材である。上下連結部429aにより、下部材411及び上部材421の左右他方側(図26左側)の間隔保持部413,423との間が連結され、上下連結部429bにより、下部材411及び上部材421の左右一方側(図26右側)の端面間が連結される。上下連結部429aにより下部材411及び上部材421の間隔保持部413,423間が連結されるので、遊技盤430を下部材411及び上部材421間に挿入するときに、遊技盤430の背面に配置される保護カバー(図示せず)等が邪魔にならないようにできる。また、上下連結部429bにより下部材411及び上部材421の端面間が連結されるので、遊技盤支持部材410の機械的強度を向上させることができる。さらに、上下連結部429bにより遊技盤430の一側面が覆われるので、前扉5と内枠4との隙間から針金等を挿入することにより行われる不正行為を抑制できる。
次に図27を参照して遊技盤430について説明する。遊技盤430は、正面視して略方形状の板状の部材であり、遊技盤430は、4つの角部のそれぞれに、正面視して矩形状に切欠された凹欠部430a〜430dが形成されている。凹欠部430a〜430dは、ロック装置440,250が装着される部位である。
ロック装置440,250は、遊技盤支持部材410に対してスライド移動する遊技盤430の移動を規制するための装置である。ロック装置440は、遊技盤5の左右一方側(図27右側)に切欠形成された凹欠部430a,430cに装着され、ロック装置250は、遊技盤5の左右他方側(図27左側)に切欠形成された凹欠部430b,430dに装着されている。
ロック装置440は、遊技盤430の凹欠部430aに装着されると共に上面が上縁部432と同一平面上に位置する本体部441と、その本体部441の左右一方側(図27右側)を構成し本体部441の上面に対して一段低い位置に設定された段差部242と、その段差部242と本体部241の上面との間を繋ぐ本体部441の壁部243とを備えている。
また、ロック装置440は、壁部243と反対側の段差部242の端部寄りに段差部242に対して上下方向に出入可能に設けられると共に、段差部242から離間する方向に付勢される軸部244と、その軸部244の周囲に位置すると共に段差部242に設けられたスペーサ245と、軸部244に連係して出没可能に構成されると共に本体部441の背面に形成される孔部442と、その孔部442に配設されると共に、軸部244に連係して孔部442に対して上下方向に移動可能に構成される軸操作部443とを備えて構成されている。軸部244は、軸部244の付勢力に抗して軸操作部443を上下方向に操作することにより、軸操作部443に連係して本体部441側へ縮退する。
次に、遊技盤支持部材410に遊技盤430を支持する方法について説明する。内枠4に前扉5を支持させ、その前扉5に遊技盤支持部材410を支持させた状態において、遊技盤支持部材410に遊技盤430を収容するときには、まず、下部材411の間隔保持部413と立設部414との間の下縁支持部412に、軸部244を押し付けつつスペーサ245を載せる。そうすると、遊技盤430の重量で軸部244がスペーサ245内に埋没する。次いで、スペーサ245を下部材411に沿って摺動させると共に、上部材421側のロック装置440の軸操作部443を押し下げて、軸部244をスペーサ245内に収縮させつつ、下部材411と上部材421との間に遊技領域PEを前扉5側に向けて遊技盤430を挿入する。
下部材411と上部材421との間にロック装置240のスペーサ245が挿入されて、下部材411に形成された被係合部415の位置に軸部244が達すると、軸部244は外向き(下向き)に付勢されているので、軸部244は被係合部415に係合する。そうすると遊技盤430をスライド移動できなくなるので、ロック装置440の軸操作部443を操作して上方に押し上げ、軸部244を収縮させて軸部244を被係合部415から抜脱する。一方、上部材421側のロック装置440の軸操作部443は押し下げられて軸部244が収縮しているので、軸部244は被係合部425に係合できない。これにより遊技盤430を遊技盤支持部材410の左右一方側(図26右側)にスライド移動させることができる。
遊技盤430の上下に配置されたロック装置440の軸部244が被係合部416,426の位置に達すると、軸部244は外向きに付勢されているので、軸部244は被係合部416,426にそれぞれ係合する。遊技盤430のスライド移動が規制されるので、ロック装置440の軸操作部443を操作し、軸部244を収縮させ、軸部244を本体部441に埋没させる。これにより遊技盤430を続けてスライド移動させることができる。
さらに下部材411と上部材421との間に遊技盤430をスライド移動させると、遊技盤430の上下に配置されたロック装置250の軸部252(図17(b)参照)が下縁支持部412及び上縁対面部422の端面に到達する。軸部252は下縁支持部412及び上縁対面部422より外側(上下)に突出しているので、このままでは遊技盤430をスライド移動させることはできない。そこでロック装置250の軸操作部254を操作し、軸部252を収縮させ、軸部252を本体部251に埋没させる。これにより遊技盤430を続けてスライド移動させることができる。
遊技盤430の上下に配置されたロック装置250の軸部252が被係合部415,425の位置に達すると、軸部252は外向き(上下方向)に付勢されているので、軸部252は被係合部415,425にそれぞれ係合する。これにより遊技盤430のスライド移動が規制され、遊技盤430が遊技盤支持部材410に保持される。
なお、内枠4に前扉5を支持させ、その前扉5に遊技盤支持部材410を支持させた状態において、遊技盤支持部材410に遊技盤430を保持させる場合について説明したが、この方法と手順を変えて、遊技盤支持部材410に遊技盤430を保持させた後、その遊技盤支持部材410を前扉5に支持させるようにすることは可能である。
次に、遊技盤430を保持する遊技盤支持部材410を前扉5に支持させ、その前扉5を内枠4及び外枠2に支持させた状態において、遊技盤430の盤面(遊技領域PE)に対して掃除等のメンテナンスを行う場合の方法を説明する。この場合、内枠4に対して前扉5及び遊技盤支持部材430を開放した後、ピン54a,55aを回動軸として、遊技盤支持部材430を前扉5に対して開放する。次いで、上下のロック装置250の軸操作部254(図17(b)参照)を操作して、軸部252を本体部251側に縮退させる。これにより、軸部252が被係合部415,425から抜脱されるので、遊技盤430を左右他方側(図26左側)にスライド移動させることができる。
遊技盤430の上下に配置されたロック装置440の軸部244が被係合部416,426の位置に達すると、軸部244は外向き(上下方向)に付勢されているので、軸部244は被係合部416,426にそれぞれ係合する。被係合部416,426の位置に軸部244が達し、遊技盤430の一側縁部と回動軸(ピン54a,55a)とが所定の距離だけ離間したときに、遊技盤430の所定部(軸部244)と移動規制部(被係合部416,426)とが係合して遊技盤スライド支持部(下部材411及び上部材421)に対する遊技盤430のスライド移動が規制される。その結果、回動軸(ピン54a,55a)の上下方向に亘って遊技盤430の一側縁部との間隔をあけることができるので、遊技盤430の一側縁部側のメンテナンス性を向上できる。
なお、下部材411及び上部材421にそれぞれ被係合部416,426が係合されているので、遊技盤430の上下に配置されたロック装置440の軸操作部443を操作して軸部244を被係合部416,426から離脱させた後、遊技盤430を遊技盤支持部材410から抜き出す方向にスライドさせた場合には、軸部244が被係合部416,426の位置に達すると、軸部244は被係合部416,426にそれぞれ係合する。これにより、被係合部416,426に係合した軸部244の上下方向を回動軸として、遊技盤支持部材410に対して遊技盤430を回動(揺動)させ、遊技盤430の遊技領域PEを外側に向けることができる(図22参照)。これにより、遊技盤430の盤面のメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、遊技盤430に設けられた取手部260を、内枠4に設けられた取手係止部270(図22参照)に係止することにより、内枠4、前扉5及び遊技盤430を、平面視して三角形のトラス状に固定できる。トラス状の構造とすることで外力に対する抵抗力を大きくできるので、遊技盤のメンテナンスを行うときに遊技盤が変位することを防止でき、メンテナンス作業の安定性を向上できる。
次に、図28から図32を参照して第9実施の形態について説明する。第6実施の形態から第8実施の形態では、遊技盤230,330,430が左右方向にスライド可能に支持されることで、内枠4に対して開閉可能に支持される前扉5,205の回動軸に対して遊技盤230,330,430が離間される場合について説明した。これに対し第9実施の形態では、前扉510と遊技盤520とを連結するヒンジ装置(上側ヒンジ装置530及び下側ヒンジ装置590)により、回動軸に対して遊技盤520が離間される場合について説明する。図28は第9実施の形態における前面ユニット500の上側ヒンジ装置530の部分拡大図であり、図29は伸長した上側ヒンジ装置530の斜視図であり、図30は収縮した上側ヒンジ装置530の斜視図である。図31は下側ヒンジ装置590の断面図であり、図32は上側ヒンジ装置530を伸長した前面ユニット500の部分拡大図である。
上側ヒンジ装置530は伸縮可能なヒンジ装置として構成されており、図28に示すように、遊技盤520の左側縁部の前面上端部および前扉510の左側縁部の背面上端部間に連結されている。図29に示すように上側ヒンジ装置530は、基体540、リンク部材550,570及び結合部材580を備えている。
基体540は、前扉510に支持される部位であり、図29に示すように断面U字状に形成されたU字体542及びU字体542の両側縁に設けられるフランジ541により一体的に構成されている。フランジ541は、厚さ方向に貫通する貫通孔541aが形成されており、その貫通孔541aにネジ等の締結部材が挿通されることで前扉510に固定される。U字体542は、フランジ541の一方から他方(前扉510を正面視して背面右側)に向けて傾斜するように設けられている。換言すれば、前扉510を正面視して前扉510の背面右側に位置するフランジ541はU字体542に対して側縁から鋭角状に延設され、前扉510を正面視して前扉510の背面左側に位置するフランジ541はU字体542に対して側縁から鈍角状に延設されている。
リンク部材550は、基体540に連結される部材であり、断面コ字状に形成された第1連結部553と、第1連結部553の幅方向両端部からL字状に延出する延出片551とを備えている。リンク部材550は、延出片551がU字体542の両側に位置し、各延出片551の端部が軸552によりU字体542に回動自在に連結されている。リンク部材550の伸長時においては、第1連結部553は基体540に対し下方に向けて傾斜状に位置するように構成されている。
リンク部材570は、リンク部材550と結合部材580との間に相対回動自在に連結される部材であり、幅方向両端部から延出する延出片を備え断面コ字状に形成される第2連結部571を備えている。リンク部材570は、延出片により第1連結部553と連結軸572を介し上下方向に回動自在に連結されている。
本実施の形態では、リンク部材550は、軸552を中心とする時計回りの回動により、基体540のU字体542を外方から覆うことができるように、第1連結部553の幅が設定されている。また、リンク部材570は、連結軸572を中心とする反時計回りの回動により、リンク部材550の第1連結部553を外方から覆うことができるように、第2連結部571の幅が設定されている。
結合部材580は、遊技盤520の上端面に支持される部材であり、断面コ字状に形成された第3連結部581と、その第3連結部581の上端縁から延設される結合片583を備え、それらが一体的に構成されている。第3連結部581は軸582により第2連結部571に回動自在に連結されている。軸582は、第3連結部581の2箇所に架設され横設されている。なお、結合片583は、第3連結部581の上端縁からL字状に屈曲して延出されており、結合片583の先端側には、厚さ方向に貫通する貫通孔584が形成されている。
ここで、図28に戻って、結合部材580により支持される遊技盤520について説明する。遊技盤520の左側上端部には、遊技盤支持部材521が、遊技盤520の上端面を跨いで遊技盤520にネジ等により固着されている。遊技盤支持部材521は、上面に上方へ向けて軸状部522が突設されている。軸状部522は、結合片583(図29参照)の先端側に形成された貫通孔584に回動可能に嵌装される部材である。これにより、前扉510に対しリンク装置530を介して遊技盤520が回動可能に支持される。
図29に戻って説明する。連結軸572には圧縮コイルバネ573が巻装されている。圧縮コイルバネ573は、その両端部が、第2連結部571(リンク部材570)及び第1連結部553(リンク部材550)に係止されている。これにより圧縮コイルバネ573は、連結軸443を軸としてリンク部材550に近づく方向にリンク部材570を回動させるように付勢する。
上側ヒンジ装置530はロック機構560を備えている。ロック機構560は、結合部材580を基体540にロックするための機構であり、基体540のU字体542の上端に支持されている。ロック機構560は、U字体541の左右両側に互いに対向して配置される側壁部561と、その側壁部561を連結する側壁連結部562と、側壁部561を基体540に対し回動自在に支持する軸563と、側壁部561からリンク部材550が延出される方向に向かって突出する係止爪部564と、その係止爪部564の反対側に設けられ操作することにより軸563に対して側壁部561を一方向に回動する爪操作部565と、軸563に対して側壁部561を他方向に回動するように付勢する図示しない弾性部材(図示せず)とを備えている。弾性部材は圧縮コイルバネにより構成され、軸563に巻装されている。
なお、弾性部材(図示せず)により付勢される係止爪部564は、連結部材580の軸582を係止可能に構成されている。爪操作部565を操作することにより係止爪部564が上方(図29反時計回り)に移動し、係止爪部564から軸582が離脱する。
次に図31を参照して下側ヒンジ装置590について説明する。下側ヒンジ装置590は、前扉510及び遊技盤520の各左側縁部に連結されている。下側ヒンジ装置590は、前扉510に設けられる台部591と、その台部591の上面に凹設される凹部592と、遊技盤520の下部に設けられるロッド部593を備えて構成されている。凹部592は、前扉510の左側縁部から背面側に突設される台部591の上面に略円錐状に形成されている。ロッド部593は、遊技盤520の左側縁部の下端面から下方へ延出されており、凹部592内に回動自在に且つ前後左右方向に傾動自在に受承されている。
以上のように構成される前面ユニット500は、図28に示すように、上側ヒンジ装置530及び下側ヒンジ装置590(図31参照)により、軸状部522及びロッド部593の上下方向を回動軸として前扉510に対して遊技盤520が回動自在に構成される。このとき上側ヒンジ装置530は、ロック機構560により軸582が係止され、リンク部材550,570は基体540に対し折り重なった状態に保持される(図30参照)。
ここで、上側ヒンジ装置530のロック機構560の爪操作部565を、弾性部材の付勢力に抗して下方に押し下げると、係止爪部564が軸582から上方へ解離する。それに伴い上側ヒンジ装置530では、結合部材580が、遊技盤520の自重により背面側へ引っ張られる。そうすると、リンク部材550が軸552を基準に反時計方向(図29)に回動すると共に、圧縮コイルバネ573の弾力に抗してリンク部材570が連結軸572を中心に時計方向(図29)へ回動する。その結果、リンク部材570はリンク部材550から離れるように円滑に変位する。このとき、下側ヒンジ装置590(図31参照)においては、ロッド部593が凹部592内において前扉510の背面側へ傾動する。
上述したように基体540は、左右のフランジ541に対しU字体542が背面右側に傾斜するように前扉510の背面側に支持されている。また、上側ヒンジ装置530は、伸長した状態で、結合部材580及びリンク部材550,570が、直線状に連結される(図32参照)。その結果、前扉510は、下側ヒンジ装置590を支点にして、前扉510の左側縁部から後方かつ右側へ傾斜するように、上側ヒンジ装置530を介して遊技盤520を支持する。
上側ヒンジ装置530が回動軸(内枠4と前扉510とを連結するヒンジ)を中心に回動する半径方向に伸長されるので、遊技盤520の左側の部位を、V字状の間隔をあけて前扉510の左側縁部から大きく離れて位置させることができる。その結果、遊技盤520の盤面の左側の部位の清掃作業やメンテナンスを、前扉510の左側縁部により邪魔されることなく容易にできる。特に、遊技盤520と前扉510との間隔は、遊技盤520の上部側を下部側に比べて大きくできるので、遊技盤520の盤面の上部側のメンテナンスを行う場合に、盤面の下部側のメンテナンスを行う場合と比較して、作業性を向上できる。
また、前扉510は、前扉510の後方かつ右側へ傾斜するように、上側ヒンジ装置530を介して遊技盤520を支持するので、上側ヒンジ装置530を伸長したときに、遊技盤520と内枠4(図2参照)とが干渉することを防止できる。基体540のU字体542が、フランジ541に対してフランジ541の一方から他方(前扉510を正面視して背面右側)に向けて傾斜するように設けられているからである。即ち、上側ヒンジ装置530を伸長したときに、内枠4に対して前扉510が回動する回動域内に、遊技盤520を位置させることができる。その結果、遊技盤520と内枠4との干渉を防止できる。
なお、上側ヒンジ装置530を伸長状態から屈曲状態にして、前扉510と遊技盤520とのV字状の間隔を詰める場合には、下側ヒンジ装置590を支点にして、遊技盤520の左側側縁を前扉510の左側側縁に近づけるように力を加える。リンク部材550,570の間に配置される圧縮コイルバネ573は、連結軸443を軸としてリンク部材550に近づく方向にリンク部材570を回動させるように付勢しているので、比較的軽微な力で、リンク部材570をリンク部材550に近づけて基体540に対し折り重なった状態にすることができる。そして、軸582を係止爪部564に係合させることにより、上側ヒンジ装置530を屈曲状態(収縮状態)にロックすることができる。
次に図33から図36を参照して第10実施の形態について説明する。第9実施の形態では、前扉510に対して遊技盤520を開放した状態で、上側ヒンジ装置530のロックを解除することにより、下側ヒンジ装置590を支点として上側ヒンジ装置530を伸長させ、前扉510と遊技盤520との間隔を設ける場合について説明した。
これに対し第10実施の形態では、前扉610に遊技盤620を支持するヒンジ装置630が、前扉610に対して遊技盤620を開放するときに伸長し、前扉610に対して遊技盤620を閉じるときに収縮する場合について説明する。図33は第10実施の形態における前面ユニット600の斜視図であり、図34はヒンジ装置630の斜視図であり、図35はヒンジ装置630を収縮した前面ユニット600の断面図であり、図36はヒンジ装置630を伸長した前面ユニット600の断面図である。図33に示すように、前扉610及び遊技盤620は上下に並設されたヒンジ装置630により連結されている。ヒンジ装置630は、前扉610の背面側および遊技盤620の盤面にそれぞれ固着されている。
図34に示すようにヒンジ装置630は、前扉620に止着される止着金具631と、第1アーム634、第2アーム633、第3アーム634及び第4アーム635と、遊技盤610を係止する係止金具636とを備えて構成されている。止着金具631は、L字状に形成される部材であり、前扉610に締結されるビス等が挿通される挿通孔640が所定の面に貫通形成されている。止着金具631のL字型短辺の先端に、支軸642によって上下一対の第1アーム632が軸支されている。
第1アーム632の中程よりやや先端寄りには、支軸644により上下一対の第2アーム633が軸支されている。第2アーム633は、一端が支軸646により係止金具636に軸支される一方、他端が支軸643により第3アーム634に軸支されている。その第3アーム634は、一端が止着金具631のL字型短辺の基部に支軸641によって軸支されている。
第4アーム635は、一端が支軸645により第1アーム632の端部に軸支され、他端が支軸647により係止金具636に軸支されている。係止金具636には、遊技盤620と係合する係止片637が突設されている。係止片637は、係止金具636の背面から鉤状平板が上方に向けて突設する構造とされている。その係止片637は、遊技盤620の盤面側に固設される係合金具621(遊技盤支持部材、図35参照)と遊技盤620との隙間に、下方から挿入される。これにより、遊技盤620をヒンジ装置630に対して着脱可能にできる。
ヒンジ装置630においては、支軸644,645,646,647を結ぶ四角形が常に平行四辺形となるように設計されており、第1アーム634、第2アーム633、第3アーム634及び第4アーム635を閉じた状態で、支軸644,645を結ぶ直線が前扉610に対して平行となるように設定されている。そのため、支軸646,647に連結される係止金具636も前扉610に対して平行となる。また、支軸644,646を通る直線と支軸641を通る水平線との交点がほぼ支軸643の位置となるように設定されている。
第1アーム634、第2アーム633、第3アーム634及び第4アーム635を閉じた状態から開放状態に移動する際には、第1アーム632及び第4アーム634が平面視して反時計回りに回動する。その第1アーム632の反時計回りの回動につれて、初期の段階では、支軸643が図35の左方向に移動する。そのため初期の段階では、支軸646が僅かに左方向に移動しながら後方に移動する。その後、支軸646は右方向に移動しながら後方へ移動する。支軸644,645を結ぶ直線と支軸646,647を結ぶ直線とは平行であるため、前扉610に対する係止金具636の傾斜角度は、第1アーム632の回転角度に比例して徐々に大きくなる。本実施の形態では、最終的に第1アーム632が前扉610に対して略直角となるまで回動されるように設定されているので、係止金具636も前扉610に対して略直角となるまで回動する。
これにより、遊技盤620の左側の部位を、前扉610の左側縁部から大きく離して位置させることができる。その結果、遊技盤620の盤面の左側の部位の清掃作業やメンテナンスを、前扉610の左側縁部により邪魔されることなく容易にできる。また、ヒンジ装置630によれば、前扉610に対して遊技盤620を開放(回動)させるだけで、回動軸(内枠4と前扉610とを連結するヒンジ)を中心に回動する半径方向にヒンジ装置630が伸長されるので、操作性に優れている。
なお、本実施の形態では、最終的に第1アーム632が前扉610に対して略直角となるまで回動されるようにヒンジ装置630が設定されている場合について説明した。その結果、前扉610に対して遊技盤620が略直角となるまで遊技盤620が回動される。しかし、必ずしもこれに限るものではなく、前扉610に対して遊技盤620が何度になるまで回動できるようにするかは、適宜設定することが可能である。
但し、前扉610に対する遊技盤620の最終的な角度を、90°未満の鋭角に設定することが望ましい。前扉610に対する遊技盤620の最終的な角度が、90°を超える角度に設定されていると、遊技盤620と内枠4とが干渉しないようにするためには、前扉610を内枠4に対して90°を超える角度まで大きく開かなければならなくなる。その場合は、複数のパチンコ機1が列設された遊技施設においては、前扉610が隣合うパチンコ機1に干渉することになり、遊技盤620の盤面のメンテナンスを行い難くなるからである。
次に図37を参照して第11実施の形態について説明する。第7実施の形態では、軸状部材331に相対回転不能に固定されたピニオン332と、遊技盤支持部材310に設けられたラック315とを係合させ、軸状部材331を中心にピニオン332を自転させつつ下縁支持部313の上をスライドさせる場合について説明した。これに対し第11実施の形態では、軸状部材731に対して部支持部732を相対回動可能に固定し、その軸支持部732を遊技盤支持部材710がスライド可能に支持する場合について説明する。なお、第1実施の形態および第7実施の形態で説明したものと同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図37は第11実施の形態における前面ユニット700の斜視図である。
図37に示すように、前扉205の背面には遊技盤支持部材710が固設されている。遊技盤支持部材710は、前扉205の背面に遊技盤330を左右方向にスライド可能に支持するための部材であり、前扉205の背面の下部側に横設され前扉205に固定された下部材711と、前扉205の背面の上部側に横設され前扉205に固定された上部材721とを備えている。
遊技盤330は、遊技盤330の上下方向に貫設される軸状部材731と、その軸状部材731の両端に固定された2個の軸支持部732とを備えている。軸状部材731は、遊技盤330の左右一方側(図37右側)の上下方向に亘って貫設される部材であり、遊技盤330に対して回動可能に構成されている。軸状部材731は、両端に軸支持部732が軸支持部732回りに回転不能に固定されている。軸支持部732は直方体状に形成される部材であり、それら軸支持部732は下部材711及び上部材721によりそれぞれ支持される。軸支持部732は、下部材711の間隔保持部714及び立設部715の対向面と対面する側面が平行となるように設定されている。
下部材711は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部712と、その基部712から背面側に水平に突設される下縁支持部713と、その下縁支持部713の長手方向に沿い下縁支持部713の左右に亘って前扉205寄りの下縁支持部713に立設される間隔保持部714と、その間隔保持部714の背面側に間隔保持部714と所定の間隔をあけて配置される立設部715とを備えている。
基部712は、前扉205の下側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。下縁支持部713(離間支持部)は、遊技盤330の下方に配置される軸支持部732をスライド可能に支持するための部位であり、基部712から背面側に突設され上面が略水平となるように配設されている。
間隔保持部714は、前扉205の背面と遊技盤330の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや各種役物(いずれも図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部714は、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部713の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部714の前後方向の幅は、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8(図3参照)と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。前扉205に設けられたガラス8と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎると、遊技領域PEに打ち込まれた遊技球がガラス8と釘等との間に挟まる等の不具合が生じるからである。
立設部715は、下縁支持部713に支持される軸支持部732の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部713の左右方向に亘って設けられている。立設部715と間隔保持部714との対向面は、平坦状に形成されているので、軸支持部732は、立設部715と間隔保持部714とに拘束されつつ下縁支持部713の上を摺動する。
下縁支持部713の左右一方側(図37右側)の端部には、間隔保持部714と立設部715との間にストッパ716が配設固定される。ストッパ716は、軸支持部732が下縁支持部713の左右一方側(図37右側)の端部から脱落することを防止するための部材である。なお、下部材711及び上部材721にそれぞれ軸支持部732を挿入して、下部材711と上部材721との間に遊技盤330を挿入した後、下縁支持部713の左右他方側(図37左側)の端部に、同様のストッパ(図示せず)が配設固定される。下部材711及び上部材721に挿入された軸支持部732が、下縁支持部713の左右他方側(図37左側)の端部から脱落することを防止するためである。
上部材721は、前扉205の背面に横設され固定される横長の基部722と、その基部722から背面側に水平に突設される上縁対面部723と、その上縁対面部723の長手方向に沿い上縁対面部723の左右に亘って前扉205寄りの上縁対面部723に垂設される間隔保持部724と、その間隔保持部724の背面側に配置され上縁対面部723に垂設され間隔保持部724と所定の間隔をあけて位置する垂設部725とを備えている。
基部722は、前扉205の上側の背面に固定される部位であり、ボルトやピン等の金具や溶接等によって前扉205に固着される。上縁対面部723は、遊技盤330の上方に突設される軸支持部(図示せず)をスライド可能に支持するための部位であり、基部722から背面側に突設され上面が略水平となるように配設されている。
間隔保持部724は、前扉205の背面と遊技盤330の盤面との間に所定の間隔を保持するための部位であり、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや各種役物(図示せず)等と前扉205の背面との干渉を防ぐために設けられる。間隔保持部724は、断面矩形状の四角筒状に形成され上縁対面部723の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部724の前後方向の幅は、遊技盤330の盤面に立設する誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等と前扉205の背面とが干渉することを防ぐと共に、前扉205に設けられたガラス8と誘導レールや釘、各種役物(図示せず)等との間隔が開き過ぎるのを防ぐ大きさに設定されている。
垂設部725は、軸支持部(図示せず)の背面側への移動を規制するための部位であり、断面矩形状の四角筒状に形成され下縁支持部723の左右方向に亘って設けられている。間隔保持部724及び垂設部725は、対向面が互いに平行となるように形成されており、軸支持部(図示せず)の前後方向の移動を規制し、左右方向にスライド可能にする。
上縁対面部723の左右一方側(図37右側)の端部には、間隔保持部724と垂設部725との間にストッパ716が配設固定される。ストッパ716は、垂設部725に沿って移動する軸支持部(図示せず)が、上縁対面部723の左右一方側(図37右側)の端部から脱落することを防止するための部材である。なお、下部材711及び上部材721にそれぞれ軸支持部732を挿入して、下部材711と上部材721との間に遊技盤330を挿入した後、上縁対面部723の左右他方側(図37左側)の端部に、同様のストッパ(図示せず)が配設固定される。下部材711及び上部材721に挿入された軸支持部732が、上縁対面部723の左右他方側(図37左側)の端部から脱落することを防止するためである。
ここで、遊技盤330の上下(図37上下方向)の長さ(高さ)は、下部材711と上部材721との間隔よりわずかに小さな値に設定されており、遊技盤330の前後の厚さは、間隔保持部714と立設部715との間隔および間隔保持部724と垂設部725との間隔より大きな値に設定されている。これにより遊技盤330が、遊技盤支持部材710に対して軸状部材731及び軸支持部732で片持ち支持されることを抑制できる。下部材711及び上部材721により、軸状部材731及び軸支持部732だけでなく遊技盤330も支持されるからである。遊技盤330の鉛直荷重を間隔保持部714及び立設部715(遊技盤スライド支持部)が受けることで軸状部材731及び軸支持部732等の負担を軽減できるので、軸状部材731及び軸支持部732等の耐久性を向上できる。
また、軸状部材731及び軸支持部732で遊技盤330が片持ち支持される場合には、下部材711に対して軸支持部732にこじり方向の力が作用するので、遊技盤支持部材710に対して軸支持部732がスムーズに移動できなくなることがある。これに対して遊技盤330の鉛直荷重を間隔保持部714及び立設部715(遊技盤スライド支持部)が受けることで、軸支持部732による下部材711に対するこじり方向の力を抑制できる。その結果、遊技盤支持部材710に対する軸支持部732のスムーズな移動を確保できる。
なお、下部材711及び上部材721の左右他方側(図37左側)に配設固定されたストッパ(図示せず)により軸支持部732の左右他方側への移動を規制すると共に、遊技盤330に設けられた取手部260(図22参照)を、内枠4に設けられた取手係止部270に係止する。これにより、内枠4、前扉5及び遊技盤330を、平面視して三角形のトラス状に固定できる。トラス状の構造とすることで外力に対する抵抗力を大きくできるので、遊技盤330のメンテナンスを行うときに遊技盤330が変位することを防止でき、メンテナンス作業の安定性を向上できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。また、上記実施形態で挙げた数値や形状は一例であり、他の数値や形状を採用することは当然可能である。例えば、遊技盤支持部材50,150,160,170,190,210,310,410,511,621,710の形状等は適宜設定することが可能である。
上記実施の形態では、遊技機の代表例としてパチンコ機1について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、雀球遊技機、アレンジボール機等の弾球遊技機に適用することは可能である。
上記実施の形態では、遊技盤40,140,180,230,330,430,440,520,620を収容する機能を有する内枠4を用いて背面ユニットを説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。背面ユニットは遊技盤40,140,180,230,330,430,440,520,620を収容する機能を有している必要はなく、少なくとも遊技球の払出装置が取り付けられていれば良い。
上記第1実施の形態では、遊技盤支持部材50が下部突設部44,45を下から支えて遊技盤40を左右方向にスライドさせる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上部突設部46を下から支えるように遊技盤支持部材を構成して、遊技盤40を左右方向にスライドさせるようにすることは可能である。
上記第1実施の形態では、下部突設部44,45、上部突設部46が左右方向に連続する一連の部材により構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技盤支持部材50と摺動する下部突設部44,45の底面に、摩擦抵抗を軽減するため、左右方向(横方向)のスリット状の切れ込みを設けることは可能である。また、これとは異なり、下部突設部44,45の底面に前後方向のスリット状の切れ込みを設けることは可能である。遊技盤支持部材50との摩擦抵抗を調整することができる。
また、互いに摺動する下部突設部44,45、上部突設部46と遊技盤支持部材50との間に、コロやローラ等の転動部材を設けることは当然可能である。これにより、遊技盤支持部材50に対して遊技盤40をスライド移動させるときの横方向荷重を小さくでき、遊技施設の作業者の負担を軽減できる。
上記第1実施の形態では、前扉5の背面に、遊技盤支持部材50の回動先端側の上下方向に突設された縦板59を受け入れる縦溝部72を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、縦溝部72に代えて、上下方向に沿う突条を設けることは当然可能である。前扉5の背面に突条を設けた場合も、縦板59と重なり合うように突条を配置することで、縦溝部72を設ける場合と同様に、不正行為の防止効果を実現できる。
上記第3実施の形態では説明を省略したが、遊技盤支持部材160(図14参照)において、回動先端側に位置する側板152の前方に、鉤部60(60a〜60c)を省略した縦板59(図13参照)を配置することは当然可能である。遊技盤支持部材160の回動先端側に縦板59を設け、前扉5の背面に、縦板59を受け入れる縦溝部72や縦板59と相対する突条を設けることにより、第1実施の形態と同様に、不正行為の防止効果を実現できる。
上記第5実施の形態では、上下に分かれた一対の部材により遊技盤支持部材190(図16参照)が構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、上下に分かれた一対の部材を連結するようにして遊技盤支持部材190を一体化することは当然可能である。例えば、遊技盤180の側縁40aに沿って上下方向に延びる連結部を設け、その連結部によって、遊技盤支持部材190の基部191、側板193,194の回動基端側の端面と、基部195、側板197,198の回動基端側の端面とを連結するもの(正面視してコ字状に形成されるもの)を挙げることができる。連結部により上下を連結することによって、遊技盤180の支持を強固にできる。
また、遊技盤180の側縁40aに沿って上下方向に延びる縦部材を設け、その縦部材と、遊技盤支持部材190の基部195、側板197,198の回動基端側の端面とを連結するもの(正面視してL字状に形成されるもの)を挙げることができる。この場合は、遊技盤180の側縁40aに縦部材をネジ等で固定して、遊技盤支持部材190の一方(基部191、側板193,194)を省略することができる。この場合も、縦部材に遊技盤180の側縁40aを固定することにより、遊技盤180の支持を強固にできる。
また、遊技盤180の側縁40aに沿って上下方向に延びる縦部材を設け、その縦部材と、遊技盤支持部材190の基部191、側板193,194の回動基端側の端面とを連結するもの(正面視して逆L字状に形成されるもの)を挙げることができる。この場合は、遊技盤180の側縁40aに縦部材をネジ等で固定して、遊技盤支持部材190の一方(基部195、側板196,197)を省略することができる。この場合も、縦部材に遊技盤180の側縁40aを固定することにより、遊技盤180の支持を強固にできる。
上記第6実施の形態では、遊技盤支持部材210に設けられた被係合部216,226が孔部であり、その孔部に軸部244が挿入されて被係合部216,226に係合する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これと反対に、遊技盤支持部材210に突起状の被係合部を設け、その被係合部と係合可能な凹部や孔部(係合部)を遊技盤230に設けることは当然可能である。これは第8実施の形態でも同様である。
また、上記第6実施の形態において、被係合部216,226及び軸部244を設けないようにすることは当然可能である。被係合部216,226及び軸部244を設けない場合も、スペーサ245を中心に遊技盤180を回動させることが可能だからである。これは第8実施の形態でも同様である。
上記第6実施の形態および第8実施の形態では、取手部260が遊技盤230,430の盤面(前面)に突設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、遊技盤230,430の背面や端面に設けることは当然可能である。
また、上記実施の形態では説明を省略したが、第7実施の形態において、遊技盤330の左右他方側に取手部260を設けることは当然可能である。この場合も、取手部260に手の指を掛けて遊技盤330をスライド移動させることができ、内枠4に設けられた取手係止部270に取手部260を係止させることで、遊技盤330を内枠4及び前扉205に安定して支持させることが可能となる。
上記第6実施の形態および第8実施の形態では、ロック装置240,440に段差部242及び壁部243を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、段差部242及び壁部243は必須ではない。スペーサ245を高さ(上下方向)は変えずに壁部243側(左右他方側)に延ばし、スペーサ245を平面視して長円状や矩形状とすることは可能である。これにより、被係合部216,226,415,425及び軸部244を中心にして、遊技盤支持部材210,410に対して遊技盤230,430を揺動(回動)することはできなくなる。平面視して長円状や矩形状に形成されたスペーサ245により、軸部244回りの回動が阻止されるからである。
しかし、被係合部216,226,415,425と軸部244とが係合することにより、遊技盤230,430のそれ以上の移動が規制されるので、遊技盤230,430のそれ以上の回動軸(ピン37d)からの離間は規制される。遊技盤230,430の盤面は露呈され、さらに軸部244回りの遊技盤230,430の回動は規制されるので、遊技盤230,430の盤面のメンテナンス性を確保できる。
なお、本実施の形態の場合には、被係合部216,226,415,425は前扉5,205の左右他方側(図17(b)及び図26左側)近くに設けられているので、被係合部216,226,415,425と軸部244とを係合させることにより、遊技盤230,430の遊技領域PEの全てを前扉5,205に対して露呈させることができる。これにより、前扉5,205に邪魔されることなく遊技盤230,430の遊技領域PEのメンテナンス性を向上できる。
上記第7実施の形態では、軸状部材331の両端にピニオン332(軸支持部)が固定される場合について説明したが、これ限られるものではない。必ずしもピニオン332を軸状部材331の両端に設ける必要はなく、いずれか片方に設けるようにすることは当然可能である。この場合も、遊技盤支持部材310の左右方向の任意の位置で遊技盤330を遊技盤支持部材310に対して回動可能にできる。
上記第8実施の形態では、遊技盤支持部材410の左右方向の2箇所の上下に被係合部415(425),416(426)が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、被係合部はいずれか一方の上下に設けられていれば良い。被係合部415,425が設けられている場合には、被係合部の上下方向を回動中心にして遊技盤330を回動させることができ、被係合部416,426が設けられている場合には、遊技盤330をスライド移動させて上部金具54及び下部金具55から離間させることができる。いずれも遊技盤330の盤面のメンテナンス性を向上できるからである。
上記第9実施の形態では、上側ヒンジ装置530が遊技盤支持部材521に連結され、その遊技盤支持部材521が遊技盤520に固着される場合について説明した。また、第10実施の形態では、遊技盤620に係合金具621(遊技盤支持部材)が固着され、その係合金具621にヒンジ装置630の係止片637(係止金具636)が係合する場合について説明した。しかし、これらに限られるものではなく、上側ヒンジ装置530やヒンジ装置630により遊技盤支持部材50,150,160,170,190を支持し、その遊技盤支持部材50,150,160,170,190を介して遊技盤を支持するようにすることは当然可能である。
上記第11実施の形態では、遊技盤330に軸状部材731が回転可能に貫設され、その軸状部材731に対して回動不能に軸支持部732が軸状部材731の両端に固定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。遊技盤330に貫設される軸状部材731を遊技盤330に対して回転不能にし、軸支持部732を軸状部材731に対して回転可能に固定することは当然可能である。この場合も、第11実施の形態と同様の作用・効果を実現できる。
また、上記第11実施の形態では、遊技盤330の上下方向に軸状部材731が貫設される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。軸状部材731を二つに分けて、一方の軸状部材を遊技盤330の上側に設け、他方の軸状部材を遊技盤330の下側に設け、それら一方および他方の軸状部材のそれぞれに軸支持部を固定することは当然可能である。この場合も、第11実施の形態と同様の作用・効果を実現できる。
上記実施の形態では、遊技盤に設けられた取手部260を内枠4に設けられた取手係止部270に係止することで、内枠4、前扉5及び遊技盤を、平面視して三角形のトラス状に固定する場合について説明した。しかし、遊技盤を内枠に係止する手段は取手部260に限られるものではなく、遊技盤の左右他方側(図17(b)右側)の所定箇所を、内枠4の左右他方側の所定箇所に係止するようにすることは当然可能である。
なお、上記の各実施形態は、それぞれ、他の実施形態が有する構成の一部または複数部分を、その実施形態に追加し或いはその実施形態の構成の一部または複数部分と交換等することにより、その実施形態を変形して構成するようにしても良い。
例えば、第6実施の形態で説明した遊技盤支持部材210の四角筒状に形成された間隔保持部214,224や立設部215、垂設部225を、第1実施の形態から第5実施の形態で説明した遊技盤支持部材50,150,160,170,190の前板(第1前板52a等)や背板(第1背板53等)と交換することは可能である。これにより遊技盤支持部材50,150,160,170,190の剛性を向上できる。
また、第6実施の形態から第8実施の形態で説明した遊技盤支持部材210,310,410の下部材211,311,411に、遊技盤の設計にもよるが、第1実施の形態等で説明した開放領域hを設けることは可能である。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上記実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
島設備に固定される矩形枠状の枠部材と、払出装置が取り付けられ前記枠部材に支持される背面ユニットと、その背面ユニットの前面側に配設される前面ユニットとを備える遊技機であって、前記前面ユニットは、前記背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として前記背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に支持されると共に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる前扉と、その前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前記前扉の背面側に前記前扉に対して開閉可能に支持されると共に、前記前扉の前方から前記透視窓部を通して盤面が視認される遊技盤とを備えていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、島設備に矩形枠状の枠部材が固定され、その枠部材に、払出装置が取り付けられた背面ユニットが支持される。その背面ユニットの前面側に、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを備えている。前面ユニットは、背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に前扉が支持され、その前扉に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる。前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として、遊技盤が、前扉の背面側に前扉に対して開閉可能に支持され、遊技盤は、前扉の前面から透視窓部を通して盤面が視認される。これにより背面ユニットに対して、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを交換することができる。
ここで、従来より、島設備に固定される矩形枠状の外枠(枠部材)に、払出装置が取り付けられた内枠(背面ユニット)を開閉可能に支持させ、その内枠に遊技盤を着脱可能に取り付ける遊技機がある。遊技盤を取り付けた内枠の前面側に、前扉が開閉可能かつ着脱可能に支持されている。従って、遊技施設で所謂盤面換えを行う場合には、前扉を開けて内枠から遊技盤を取り外し、意匠の異なる別の遊技盤に交換することができる。また、内枠から前扉を取り外して、交換した遊技盤に対応した別の前扉に交換することも可能である。
しかし、遊技盤および前扉は内枠に別々に取り付けられるので、遊技盤および前扉を遊技施設で交換する場合には、内枠に対して遊技盤および前扉を各々交換しなければならなかった。そのため、遊技盤および前扉の交換作業が煩雑であった。
また、内枠に遊技盤を取り付けるためには、遊技盤を固定するための取付部品を内枠に設ける必要がある。取付部品の取り付け位置が遊技盤ごとに異なる場合には、遊技盤を交換するときに、内枠も、その遊技盤に適した取付部品が設けられたものに交換しなければならなかった。
特に、遊技盤と前扉とは同じデザインコンセプトで作られることが多いので、遊技盤を交換するときには、前扉もデザインコンセプトの同じものに交換したいという要望が強い。遊技盤と前扉とを交換するときに、内枠も遊技盤に適したものに交換しなければならないのは作業が煩雑であった。また、遊技施設から取り外された内枠が無駄になってしまうという問題があった。
これに対し遊技機1によれば、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを交換することにより、遊技盤および前扉を交換することができる。よって、遊技盤および前扉の交換作業性を向上できる効果がある。
また、前扉に遊技盤が支持されるので、遊技盤を内枠に取り付けることを省略できる。そのため、遊技盤を固定するための取付部品を内枠に設ける必要がない。これにより、遊技盤を交換するときに内枠を遊技盤に適したものに交換しなくて良いので、内枠の交換作業を省略できる効果がある。また、遊技施設から内枠を取り外さなくて良いので、遊技施設に設置した内枠を繰り返し使用することができ、内枠が無駄になることを防止できる効果がある。
また、遊技盤および前扉を併せて遊技施設に納品できるので、遊技盤および前扉の製造工場から遊技施設に搬送するときの搬送作業性を向上できる効果がある。
遊技機1において、前記前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前記前扉の背面側に開閉可能に支持される遊技盤支持部材を備え、その遊技盤支持部材は、前記遊技盤の少なくとも下縁部の一部を支持する下縁支持部を備えていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、前面ユニットは、前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前扉の背面側に遊技盤支持部材が開閉可能に支持され、その遊技盤支持部材の下縁支持部に、遊技盤の少なくとも下縁部の一部または全部が支持されている。そのため、遊技盤支持部材は遊技盤の鉛直荷重を支持しつつ回動軸を中心にして開閉できるだけの機械的強度を確保する一方、遊技盤は下縁支持部に支持される程度の機械的強度を確保することで、遊技盤を前扉に対して開閉可能にできる。
ここで、遊技盤はベニヤ板等の合板で主に形成されているので、遊技盤を前扉に直接取り付けて回動軸を中心に開閉可能にする場合には、合板(遊技盤)を補強する必要がある。そうすると補強が、遊技盤の表示器、役物、装飾等の配置に制約を与えることになる。これに対し、遊技盤の少なくとも下縁部の一部または全部を支持する下縁支持部を備える遊技盤支持部材を介して、前扉に遊技盤を開閉可能に支持する場合には、遊技盤の補強を軽減できるので、遊技機1の奏する効果に加え、遊技盤の表示器、役物、装飾等の配置の自由度が低下することを抑制できる効果がある。
遊技機2において、前記下縁支持部は、前記遊技盤の盤面の下端部を通り前記遊技盤の遊技領域に向かう遊技球が通過可能な通過領域が形成されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、通過領域により、遊技盤の盤面の下端部を通り遊技盤の遊技領域に向かう遊技球の運動が妨げられることを防ぎ、遊技球を遊技領域に到達させることができる。これにより遊技機1の奏する効果に加え、遊技の進行が妨げられることを防止できる効果がある。
遊技機2又は3において、前記遊技盤支持部材は、前記回動軸が位置する一端側から他端側に向かう左右方向に設けられると共に、他端側から一端側に向かって前記遊技盤をスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部を備えていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、回動軸が位置する一端側から他端側に向かって遊技盤スライド支持部が設けられ、遊技盤は、遊技盤スライド支持部に沿って左右方向に他端側から一端側にスライドされ支持される。これにより、前扉を背面ユニットに取り付け、回動軸を中心に背面ユニットに対して前扉を開いた状態にして、遊技盤スライド支持部に横から遊技盤を支持させることができる。その結果、遊技機2又は3の奏する効果に加え、遊技盤支持部材の上から遊技盤を遊技盤支持部材へ装着する場合と比較して、遊技盤を持ち上げる高さを小さくできるので、遊技盤の交換する作業者の負担を小さくできる効果がある。
また、遊技盤スライド支持部に沿って遊技盤を横方向にスライド移動させる場合は、遊技盤の鉛直荷重は遊技盤スライド支持部が負担する。よって、遊技盤スライド支持部の左右方向に遊技盤をスライドさせるときに必要な力(横方向荷重)を、遊技盤スライド支持部がない場合の遊技盤の鉛直荷重より小さくできる。これにより、遊技盤支持部材へ遊技盤を装着する作業者の負担を小さくできる効果がある。
また、遊技盤スライド支持部に沿って遊技盤を回動軸に向かって横方向にスライド移動させる場合、遊技盤をスライドさせるときに必要な力(横方向荷重)は、ほぼ回動軸に向かうので、遊技盤支持部材は回動軸を中心に揺動し難い。そのため、遊技盤支持部材を安定させた状態で遊技盤を遊技盤支持部材に装着できる。よって、遊技盤支持部材に対する遊技盤の装着作業性を向上できる。
これに対し、遊技盤支持部材の背面から遊技盤を遊技盤支持部材に載せる場合には、遊技盤が遊技盤支持部材に背面側から当たると、背面側から前面側への力(前方向荷重)が遊技盤支持部材に作用する。その結果、遊技盤支持部材は回動軸を中心に前方に向かって揺動してしまうので、遊技盤は遊技盤支持部材に装着し難くなる。
以上のように遊技機4によれば、遊技機2又は3の奏する効果に加え、遊技盤支持部材へ遊技盤を装着する作業者の負担を小さくできると共に、遊技盤支持部材に対する遊技盤の装着作業性を向上できる効果がある。
遊技機4において、前記遊技盤および前記遊技盤支持部材は、前記遊技盤の左右一方向のスライドを所定位置に達するまで許容し、前記遊技盤が所定位置に達した後は前記遊技盤の左右他方向のスライドを規制するスライド規制部を備えていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、遊技盤は、所定位置に達するまでスライド規制部により左右一方向のスライドが許容され、所定位置に達した後はスライド規制部により左右他方向のスライドが規制される。これにより遊技機4の奏する効果に加え、遊技盤支持部材に遊技盤をスムーズに装着できると共に、遊技盤支持部材に装着された遊技盤が左右他方向に移動して意図せずに外れてしまうことを防止できる効果がある。
遊技機2から5のいずれかにおいて、前記遊技盤支持部材は、前記回動軸寄りに位置し前記背面ユニットに設けられた電気回路と電気的に導通する第1コネクタを備え、前記遊技盤は、その遊技盤に設けられた電気回路と電気的に導通すると共に、前記遊技盤を前記遊技盤支持部材に装着することで前記第1コネクタと接続される第2コネクタを備えていることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、遊技盤支持部材は、遊技盤に設けられた電気回路と電気的に導通する第2コネクタを備え、その第2コネクタは、遊技盤支持部材に遊技盤が装着されることで第1コネクタと接続される。その第1コネクタは回動軸寄りに位置し、背面ユニットに設けられた電気回路と電気的に導通するので、遊技盤支持部材に遊技盤を装着することにより、遊技盤に設けられた電気回路と背面ユニットに設けられた電気回路とを導通させることができる。その結果、遊技機2から5のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤に設けられた電気回路と背面ユニットに設けられた電気回路とを導通させるための配線を別途用意することを省略できると共に、配線を接続する作業も省略できる効果がある。
遊技機1から6のいずれかにおいて、前記背面ユニットは、前記枠部材の左右一方側の上下方向を回動軸として前記枠部材に対して開閉可能に支持されるものであり、前記枠部材に対する前記背面ユニット及び前記前扉の回動軸と、前記前扉に対する前記遊技盤の回動軸とが同一軸線上に位置するように設定されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、枠部材に対する背面ユニットの回動軸と、前扉に対する遊技盤の回動軸とが同一軸線上に位置するように設定されているので、遊技機1から6の奏する効果に加え、枠部材に対する背面ユニット及び前扉の開閉と、前扉に対する遊技盤の開閉とを自在に行うことができる効果がある。
即ち、枠部材に対する背面ユニット及び前扉の回動軸と、前扉に対する遊技盤の回動軸とが同一軸線上に位置しない場合には、前扉に対して遊技盤を開けた状態で、背面ユニットに対して前扉を回動しようとすると、前扉の開度によって遊技盤の回動先端側の軌道が変わるので、遊技盤が背面ユニットにぶつかってしまうことがあるからである。従って、背面ユニットに対して遊技盤を閉じた状態にする場合には、前扉に対して遊技盤を閉じた状態にした後、背面ユニットに対して前扉を閉じなければならず、遊技盤の開閉を自由に行うことができないという問題がある。遊技盤7によれば、これを解決することができ、前扉および遊技盤の開閉を自由に行うことができる。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設され前記背面ユニットに対し前記前扉を施錠する施錠機構と、前記前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設され前記前扉に対する前記遊技盤または前記遊技盤支持部材の開放を規制する第1開放規制機構とを備え、その第1開放規制機構は、前記施錠機構と独立して、前記前扉に対する前記遊技盤または前記遊技盤支持部材の開放状態または開放規制状態を切換可能に構成されていることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設される施錠機構により背面ユニットに対し前扉が施錠され、前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設される第1開放規制機構により前扉に対し遊技盤または遊技盤支持部材の開放が規制される。第1開放規制機構は、施錠機構と独立して、前扉に対する遊技盤または遊技盤支持部材の開放状態または開放規制状態が切換可能に構成されている。そのため、施錠機構を解錠状態にして枠部材に対して前扉を開放状態にして、且つ、前扉に対して遊技盤または遊技盤支持部材を開放状態にしたときには、遊技盤の盤面にアクセス可能な状態にできる。
これにより、施錠機構を操作しない限り前扉を開放できなくなるので、前扉が不正に開放されることを防止できる。また、遊技盤の遊技領域に遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、前扉を開放した後に遊技盤の盤面にアクセスして、遊技領域に関する不具合の解消作業を行うことができる。
一方、施錠機構を解錠状態にして枠部材に対して前扉を開放状態にして、且つ、前扉に対して遊技盤または遊技盤支持部材を開放規制状態にしたときには、遊技盤の盤面へのアクセスはできないが、遊技盤の背面にアクセス可能な状態にできる。これにより、遊技施設の係員が前扉を開放して遊技盤の背面にアクセスするときに、遊技盤の盤面が開放されることを防止して、不正行為者により遊技盤の盤面に対して不正が行われることを抑制できる。以上のように遊技機8によれば、遊技機1から7の奏する効果に加え、第1開放規制機構により、遊技盤の盤面または背面のいずれにアクセス可能な状態とするかを切り換えることができる効果がある。
遊技機8において、前記第1開放規制機構は、前記施錠機構を施錠して前記背面ユニットに対して前記前扉の開放を規制したときに操作不能とする一方、前記施錠機構を解錠して前記背面ユニットに対して前記前扉を開放したときに操作可能となる第1操作部を備え、その第1操作部が操作されることにより前記遊技盤または前記遊技盤支持部材が前記開放規制状態から前記開放状態に切り換えられることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、第1開放規制機構は、施錠機構を施錠して背面ユニットに対して前扉の開放を規制したときに操作不能とされる第1操作部を備え、その第1操作部は、施錠機構を解錠して背面ユニットに対して前扉を開放したときに操作可能となる。遊技盤または遊技盤支持部材は、第1操作部が操作されることにより開放規制状態から開放状態に切り換えられる。施錠機構が施錠され背面ユニットに対して前扉の開放が規制されている限り、前扉に対する遊技盤または遊技盤支持部材の開放を規制できるので、遊技機8の奏する効果に加え、前扉に対して遊技盤または遊技盤支持部材の開放を規制する施錠機構を省略できる効果がある。
遊技機1から7のいずれかにおいて、前記前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設され前記背面ユニットに対し前記前扉を施錠する施錠機構と、前記背面ユニットに対する前記遊技盤または前記遊技盤支持部材の開放を規制する第2開放規制機構とを備え、その第2開放規制機構は、前記施錠機構と独立して、前記背面ユニットに対する前記遊技盤または前記遊技盤支持部材の開放状態または開放規制状態を切換可能に構成されていることを特徴とする遊技機10。
遊技機10によれば、前扉の左右他方側の上下方向に沿って配設される施錠機構により背面ユニットに対し前扉が施錠され、第2開放規制機構により背面ユニットに対し遊技盤または遊技盤支持部材の開放が規制される。第2開放規制機構は、施錠機構と独立して、背面ユニットに対する遊技盤または遊技盤支持部材の開放状態または開放規制状態が切換可能に構成されている。そのため、施錠機構を解錠状態にして背面ユニットに対して前扉を開放状態にして、且つ、遊技盤または遊技盤支持部材を背面ユニットに対して開放規制状態にしたときには、遊技盤の盤面にアクセス可能な状態にできる。
これにより施錠機構を操作しない限り前扉を開放できなくなるので、前扉が不正に開放されることを防止できる。また、遊技盤の遊技領域に遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、前扉を開放した後に遊技盤の盤面にアクセスして、遊技領域に関する不具合の解消作業を行うことができる。
一方、施錠機構を解錠状態にして背面ユニットに対して前扉を開放状態にして、且つ、背面ユニットに対して遊技盤または遊技盤支持部材を開放状態にしたときには、遊技盤の背面にアクセス可能な状態にできる。これにより、遊技施設の係員は、前扉を開放した後に遊技盤の背面や背面ユニットにアクセスして、不具合の解消作業等を行うことができる。以上のように遊技機10によれば、遊技機1から7の奏する効果に加え、第2開放規制機構により、遊技盤の盤面または背面のいずれにアクセス可能な状態とするかを切り換えることができる効果がある。
遊技機10において、前記第2開放規制機構は、前記施錠機構を施錠して前記背面ユニットに対して前記前扉の開放を規制したときに操作不能とする一方、前記施錠機構を解錠して前記背面ユニットに対して前記前扉を開放したときに操作可能となる第2操作部を備え、その第2操作部が操作されることにより前記遊技盤または前記遊技盤支持部材が前記開放規制状態から前記開放状態に切り換えられることを特徴とする遊技機11。
遊技機11によれば、第2開放規制機構は、施錠機構を施錠して背面ユニットに対して前扉の開放を規制したときに操作不能とされる第2操作部を備え、その第2操作部は、施錠機構を解錠して背面ユニットに対して前扉を開放したときに操作可能となる。遊技盤または遊技盤支持部材は、第2操作部が操作されることにより開放規制状態から開放状態に切り換えられる。施錠機構が施錠され背面ユニットに対して前扉の開放が規制されている限り、背面ユニットに対する遊技盤または遊技盤支持部材の開放を規制できるので、遊技機10の奏する効果に加え、背面ユニットに対して遊技盤または遊技盤支持部材の開放を規制する施錠機構を省略できる効果がある。
島設備に固定される矩形枠状の枠部材と、払出装置が取り付けられ前記枠部材に支持される背面ユニットと、その背面ユニットの前面側に配設される前面ユニットとを備える遊技機であって、前記前面ユニットは、前記背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として前記背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に支持されると共に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる前扉と、その前扉の背面側に前記前扉に対して支持されると共に前記前扉の前方から前記透視窓部を通して盤面が視認されるように前記回動軸側に一側縁部が配設される遊技盤と、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに前記遊技盤の一側縁部を前記回動軸から離間可能に構成される離間手段と、その離間手段により一側縁部が所定の距離だけ離間された位置で前記遊技盤の前記回動軸からの離間を規制する離間規制手段とを備えていることを特徴とする遊技機12。
遊技機12によれば、島設備に矩形枠状の枠部材が固定され、その枠部材に、払出装置が取り付けられた背面ユニットが支持される。その背面ユニットの前面側に、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを備えている。前面ユニットは、背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に前扉が支持され、その前扉に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる。これにより、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを背面ユニットに対して交換可能にできる。よって、遊技施設において遊技盤および前扉を交換するときの交換作業性を向上できる。
また、回動軸を中心に背面ユニットに対して前扉が開放されたときに、離間手段により遊技盤の一側縁部が回動軸から離間され、一側縁部が所定の距離だけ離間された位置で遊技盤の回動軸からの離間が離間規制手段により規制される。
その結果、離間手段により前扉の背面に沿って遊技盤の一側縁部を回動軸から離間する場合には、回動軸から離間された分だけ遊技盤の盤面の少なくとも一部を前扉から露呈できる。よって、遊技盤の盤面のメンテナンスを行い易くすることができ、盤面のメンテナンス性を確保できる。
さらに、遊技盤の一側縁部側を中心に遊技盤に対して前扉を相対的に開放する場合には、遊技盤の一側縁部側の盤面をメンテナンスし易くできる。これにより、遊技盤の盤面のうち、前扉に邪魔されてメンテナンスを行い難い一側縁部側のメンテナンス性を向上できる。
遊技機12において、前記遊技盤は、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが離間するように前記前扉の背面に沿って左右方向にスライド可能に構成され、且つ、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが所定の距離だけ離間した位置で前記前扉に対して前記遊技盤の一側縁部側の上下方向を中心に回動可能に構成されていることを特徴とする遊技機13。
遊技機13によれば、遊技盤は、回動軸を中心に背面ユニットに対して前扉が開放されたときに、遊技盤の一側縁部と回動軸とが離間するように前扉の背面に沿って左右方向にスライド可能に構成されている。よって、回動軸の上下方向に亘って遊技盤の一側縁部と回動軸との間隔をあけることができる。さらに、前扉に対して遊技盤の一側縁部側の上下方向を中心に遊技盤を回動することにより、前扉に対して遊技盤の盤面を開放できる。従って、遊技機12の奏する効果に加え、回動軸の上下方向に亘って遊技盤の一側縁部側のメンテナンス性を向上できる効果がある。
遊技機13において、前記離間規制手段は、前記遊技盤の一側縁部側の上下にそれぞれ設けられる係合部を備え、前記離間手段は、前記前扉の背面側の上下に配設されると共に左右方向に延び前記遊技盤を左右方向にスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部を備え、その遊技盤スライド支持部は、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが所定の距離だけ離間したときに前記遊技盤に設けられた係合部と係合し前記遊技盤スライド支持部に対して前記遊技盤を回動可能に支持する被係合部を備えていることを特徴とする遊技機14。
遊技機14によれば、前扉の背面側の上下に配設されると共に左右方向に延びる離間手段としての遊技盤スライド支持部により、遊技盤が左右方向にスライド可能に支持される。遊技盤スライド支持部に支持された遊技盤の一側縁部と回動軸とが所定の距離だけ離間したときに、遊技盤の一側縁部側の上下にそれぞれ設けられる離間規制手段としての係合部は、遊技盤スライド支持部の被係合部と係合する。これにより、遊技盤の一側縁部と回動軸とが所定の距離だけ離間した状態で、遊技盤スライド支持部に対して遊技盤が回動可能に支持される。遊技盤に係合部を設けると共に、その係合部が係合可能な被係合部を遊技盤スライド支持部に設ける構造なので、遊技機13の奏する効果に加え、前面ユニットの構造を簡素化できる効果がある。
島設備に固定される矩形枠状の枠部材と、払出装置が取り付けられ前記枠部材に支持される背面ユニットと、その背面ユニットの前面側に配設される前面ユニットとを備える遊技機であって、前記前面ユニットは、前記背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として前記背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に支持されると共に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる前扉と、その前扉の背面側に前記前扉に対して支持されると共に前記前扉の前方から前記透視窓部を通して盤面が視認されるように前記回動軸側に一側縁部が配設される遊技盤とを備え、その遊技盤は、一側縁部側の上下に設けられる軸状部材と、その軸状部材の少なくとも上端側または下端側に固定されると共に前記遊技盤に対して相対的に回動可能に構成される軸支持部とを備え、前記前扉は、背面側に配設されると共に前記軸支持部を前記回動軸から離間する方向に移動可能に支持する離間支持部を備え、その離間支持部は、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記軸状部材を中心に前記軸支持部に対して前記遊技盤を相対的に回動可能に支持することを備えていることを特徴とする遊技機15。
遊技機15によれば、島設備に矩形枠状の枠部材が固定され、その枠部材に、払出装置が取り付けられた背面ユニットが支持される。その背面ユニットの前面側に、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを備えている。前面ユニットは、背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に前扉が支持され、その前扉に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる。これにより、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを背面ユニットに対して交換可能にできるので、遊技施設において遊技盤および前扉を交換するときの交換作業性を向上できる。
また、遊技盤の一側縁部側の上下に軸状部材が設けられ、その軸状部材の少なくとも上端側または下端側に軸支持部が固定される。その軸支持部は、遊技盤に対して相対的に回動可能に構成されると共に、前扉の背面側に配設される離間支持部により回動軸と離間する方向に移動可能に支持される。回動軸を中心に背面ユニットに対して前扉が開放されたときに、離間支持部により、軸状部材を中心に軸支持部に対して遊技盤が相対的に回動可能に支持される。その結果、離間支持部の任意の位置で、軸支持部に対して遊技盤を相対的に回動することで遊技盤の盤面を開放できるので、遊技領域に関する不具合の解消作業を容易に行うことができる。
即ち、遊技盤の遊技領域に遊技球が留まってしまう等の不具合が生じた場合には、遊技施設の係員が、前扉を開放した後、離間支持部の任意の位置で軸支持部に対して遊技盤を相対的に回動することで遊技盤の盤面を開放できる。離間支持部の任意の位置で遊技盤の盤面にアクセス可能にできるので、遊技領域に関する不具合の解消作業性を向上できる効果がある。
さらに、離間支持部に支持された軸支持部に対して、遊技盤の一側縁部側に設けられた軸状部材を中心に遊技盤が相対的に回動可能にされるので、遊技盤の盤面をメンテナンスし易くできる。よって、遊技盤の盤面のうち、前扉に邪魔されてメンテナンスを行い難い一側縁部側のメンテナンス性を向上できる効果がある。
遊技機15において、前記前扉は、背面側に配設されると共に左右方向に延び前記遊技盤の鉛直荷重を支持しつつ前記遊技盤を左右方向にスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部を備えていることを特徴とする遊技機16。
遊技機16によれば、前扉の背面側に配設された遊技盤スライド支持部により遊技盤の鉛直荷重が支持されるので、軸支持部により離間支持部に作用する鉛直荷重を軽減できる。これにより、遊技盤をスライド移動させるときの軸支持部および離間支持部の負荷を軽減できるので、遊技機15の奏する効果に加え、軸支持部および離間支持部の耐久性を向上できる効果がある。
遊技機15又は16において、前記軸支持部はピニオンを備え、そのピニオンと係合可能に構成されると共に前記離間支持部に沿って前記前扉の背面側に配設されるラックを備えていることを特徴とする遊技機17。
遊技機17によれば、軸状部材に固定されるピニオンと係合可能に構成されるラックが離間支持部に沿って前扉の背面側に配設されるので、遊技機15又は16の奏する効果に加え、遊技盤を離間支持部に沿ってスムーズに移動できる効果がある。
遊技機17において、前記軸状部材は、前記遊技盤の一側縁部側の上下方向に貫設されると共に前記遊技盤に対して回転可能に構成され、前記ピニオンは、前記軸状部材の両端に前記軸状部材と相対回転不能に固定されることを特徴とする遊技機18。
遊技機18によれば、遊技盤の一側縁部側の上下方向に軸状部材が貫設され、その軸状部材の両端に、軸状部材と相対回転不能にピニオンが固定されているので、上下のピニオンの移動量を同期させることができる。その結果、遊技機17の奏する効果に加え、遊技盤のどの部分を操作してもスライド移動を円滑かつ確実に行うことができる効果がある。
遊技機12から18のいずれかにおいて、前記遊技盤は、前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記前扉の左右他方側に前記遊技盤の一側縁部側が支持され、且つ、前記背面ユニットの左右他方側に前記遊技盤の他側縁部側が支持されることで前記背面ユニット及び前記前扉に固定されることを特徴とする遊技機19。
遊技機19によれば、背面ユニットに対して前扉が開放されたときに、前扉の左右他方側に遊技盤の一側縁部側が支持され、且つ、背面ユニットの左右他方側に遊技盤の他側縁部側が支持されることで、遊技盤は背面ユニット及び前扉に固定される。これにより、背面ユニット、前扉および遊技盤を平面視して三角形のトラス状の構造にできる。トラス状の構造とすることで外力に対する抵抗力を大きくできるので、遊技機12から18のいずれかの効果に加え、遊技盤のメンテナンスを行うときに遊技盤が変位することを防止でき、メンテナンス作業の安定性を向上できる効果がある。
島設備に固定される矩形枠状の枠部材と、払出装置が取り付けられ前記枠部材に支持される背面ユニットと、その背面ユニットの前面側に配設される前面ユニットとを備える遊技機であって、前記前面ユニットは、前記背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として前記背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に支持されると共に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる前扉と、その前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前記前扉の背面側に前記前扉に対して一側縁部側を中心に開閉可能に支持されると共に、前記前扉の前方から前記透視窓部を通して盤面が視認される遊技盤とを備え、その遊技盤は、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記回動軸に対して所定の距離だけ前記一側縁部が離間した状態または前記回動軸に対して所定の角度だけ前記一側縁部が傾倒した状態に維持可能に構成されていることを特徴とする遊技機20。
遊技機20によれば、島設備に矩形枠状の枠部材が固定され、その枠部材に、払出装置が取り付けられた背面ユニットが支持される。その背面ユニットの前面側に、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを備えている。前面ユニットは、背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に前扉が支持され、その前扉に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる。これにより、前扉に遊技盤が支持される前面ユニットを背面ユニットに対して交換可能にできるので、遊技施設において遊技盤および前扉を交換するときの交換作業性を向上できる。
また、回動軸を中心に背面ユニットに対して前扉が開放されたときに、遊技盤の一側縁部を回動軸から所定の距離だけ離間した状態または回動軸に対して所定の角度だけ一側縁部を傾倒した状態に維持できる。これにより一側縁部側の遊技盤の盤面をメンテナンスし易くできる。よって、遊技盤の盤面のうち、前扉に邪魔されてメンテナンスを行い難い一側縁部側のメンテナンス性を向上できる効果がある。
遊技機20において、前記前面ユニットは、前記前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前記前扉の背面側に前記前扉に対して開閉可能に支持される遊技盤支持部材を備え、その遊技盤支持部材は、前記遊技盤を左右方向にスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部を備え、その遊技盤スライド支持部は、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが所定の距離だけ離間したときに前記遊技盤の所定部と係合して前記遊技盤スライド支持部に対する前記遊技盤のスライド移動を規制する移動規制部を備えていることを特徴とする遊技機21。
遊技機21によれば、前扉の左右一方側の上下方向を回動軸として前扉の背面側に遊技盤支持部材が前扉に対して開閉可能に支持される。その遊技盤支持部材の遊技盤スライド支持部により遊技盤が左右方向にスライド可能に支持されるので、前扉に対して遊技盤支持部材を回動することにより、前扉に対して遊技盤の盤面を開放できる。さらに、遊技盤の一側縁部と回動軸とが所定の距離だけ離間したときに、遊技盤の所定部と移動規制部とが係合して遊技盤スライド支持部に対する遊技盤のスライド移動が規制される。これにより遊技機20の奏する効果に加え、回動軸の上下方向に亘って遊技盤の一側縁部側のメンテナンス性を向上できる効果がある。
遊技機20において、前記前扉の左右一方側と前記遊技盤の一側縁部側とを連結すると共に前記前扉に対して前記遊技盤を回動可能に支持するヒンジ装置を備え、そのヒンジ装置は、回動中心回りの半径方向に伸縮可能に構成されていることを特徴とする遊技機22。
遊技機22によれば、前扉の左右一方側と遊技盤の一側縁部側とがヒンジ装置により連結され、そのヒンジ装置により前扉に対して遊技盤が回動可能に支持される。ヒンジ装置は、回動中心回りの半径方向に伸縮可能に構成される。従って、ヒンジ装置を伸長することにより前扉の左右一方側(回動軸側)と遊技盤の一側縁部との間隔を大きくできる。その結果、遊技機20の奏する効果に加え、遊技盤の一側縁部側の盤面のメンテナンス性を向上できる効果がある。
<その他>
<目的>
遊技球を使用して遊技を行う遊技機の代表例としてパチンコ機がある。パチンコ機は、島設備に固定され外郭部を形成する外枠と、その外枠の内側に配置される内枠と、その内枠に装着される遊技盤と、その遊技盤の前面に配設されると共に外枠や内枠に対して上下のヒンジを中心に開閉可能に支持される前扉とを主に備えて構成されている。内枠の背面側に裏機構盤と称される機構セット盤が取り付けられてパチンコ機が形成される。
裏機構盤は、遊技盤における入賞状態に応じて遊技球を払い出す球払出機構、遊技盤から排出された遊技球を機体の外部に排出する遊技済み球排出機構が設けられると共に、パチンコ機の作動を制御する電源基板や球払出制御基板、主制御基板などの各種回路基板が、不正改造されないように基板ケースに収められた状態で、遊技盤の背面側に着脱可能に取り付けられる。
パチンコ機では、球払出機構や遊技済み球排出機構、機体のベースとなる内枠は一定期間一定の仕様で設定される一方、遊技盤は、製造工場における生産機種の変更や遊技施設における所謂盤面換えのためにしばしば交換される。この遊技盤の交換を容易に行うことができるように、遊技盤は、内枠に着脱可能に装着されている(特開2006−230916号公報)。また、前扉は内枠に着脱可能に支持されているので、遊技盤の交換に合わせて、遊技盤の仕様に応じた前扉に交換される。
しかしながら、上記のような遊技機では、遊技盤および前扉は内枠に別々に支持されるので、遊技施設では、遊技盤および前扉を内枠に対して各々交換しなければならなかった。そのため、遊技盤および前扉の交換作業が煩雑であった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技施設において遊技盤および前扉を交換するときの交換作業性を向上できると共に、遊技盤の盤面のメンテナンス性を確保できる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、島設備に固定される矩形枠状の枠部材と、払出装置が取り付けられ前記枠部材に支持される背面ユニットと、その背面ユニットの前面側に配設される前面ユニットとを備えるものであって、前記前面ユニットは、前記背面ユニットの左右一方側の上下方向を回動軸として前記背面ユニットに対して開閉可能かつ着脱可能に支持されると共に、前方から後方を視認可能とする透視窓部が設けられる前扉と、その前扉の背面側に前記前扉に対して支持されると共に前記前扉の前方から前記透視窓部を通して盤面が視認されるように前記回動軸側に一側縁部が配設される遊技盤と、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに前記遊技盤の一側縁部を前記回動軸から離間可能に構成される離間手段と、その離間手段により一側縁部が所定の距離だけ離間された位置で前記遊技盤の前記回動軸からの離間を規制する離間規制手段とを備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記遊技盤は、前記回動軸を中心に前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが離間するように前記前扉の背面に沿って左右方向にスライド可能に構成され、且つ、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが所定の距離だけ離間した位置で前記前扉に対して前記遊技盤の一側縁部側の上下方向を中心に回動可能に構成されている。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記離間規制手段は、前記遊技盤の一側縁部側の上下にそれぞれ設けられる係合部を備え、前記離間手段は、前記前扉の背面側の上下に配設されると共に左右方向に延び前記遊技盤を左右方向にスライド可能に支持する遊技盤スライド支持部を備え、その遊技盤スライド支持部は、前記遊技盤の一側縁部と前記回動軸とが所定の距離だけ離間したときに前記遊技盤に設けられた係合部と係合し前記遊技盤スライド支持部に対して前記遊技盤を回動可能に支持する被係合部を備えている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技盤は、前記背面ユニットに対して前記前扉が開放されたときに、前記前扉の左右他方側に前記遊技盤の一側縁部側が支持され、且つ、前記背面ユニットの左右他方側に前記遊技盤の他側縁部側が支持されることで前記背面ユニット及び前記前扉に固定される。
<効果>
本技術的思想によれば、遊技施設において遊技盤および前扉を交換するときの交換作業性を向上できると共に、遊技盤の盤面のメンテナンス性を確保できる。