JP6007096B2 - 安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法 - Google Patents

安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高血圧治療剤であるカンデサルタンのプロドラッグであるカンデサルタンシレキセチルを安定化したカンデサルタンシレキセチル含有物及びその製造方法に関する。
カンデサルタンは、生理的昇圧物質であるアンジオテンシンIIの受容体拮抗作用を有し、高血圧疾患や、心臓肥大、心不全、心筋梗塞等の心疾患、発作、大脳卒中及び腎炎などの循環系疾病のための有用な治療剤である。また、前記カンデサルタンのプロドラッグとして、経口投与した際の吸収性がより向上したカンデサルタンシレキセチルが知られている。
前記カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルなどのカンデサルタン誘導体は、製剤化等の際の環境における圧力、摩擦、熱、光などにより不安定化し、アセトン水溶液(アセトン:水=3:1、体積比)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びアセトニトリルのいずれかの溶媒に溶解し、再結晶化することにより、安定な結晶型が得られることが知られている(非特許文献1参照)。
また、カンデサルタンシレキセチル原薬をエタノール又はメタノールに溶解してスラリーを形成し、濾過、乾燥を経て安定なカンデサルタンシレキセチルの微粒を得る方法が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、これらの方法には、濾過、脱溶媒、粒度の再調整などの余分な工程が生じ、使用溶媒量が増え、原薬の収率が減少するなどの問題がある。更に、錠剤など成型後の組成物には適用することができないという問題がある。
一方、錠剤等の成型組成物をエタノール等のアルコール系溶媒で処理する方法として、エタノール蒸気で満たしたデシケータ中に錠剤を放置することが提示されている(特許文献2参照)。しかしながら、ここでは、成型組成物の硬度を上げることを目的として前記方法を用いており、カンデサルタンシレキセチル含有組成物の保存乃至取扱環境(製造、調剤等の環境を含む)における温度及び光安定性を向上させるという課題、並びにカンデサルタンシレキセチル含有組成物において前記方法を用いることによる有利な効果については、記載も示唆もない。
したがって、製剤化に際し、簡便な操作により、カンデサルタンシレキセチルの温度及び光安定性をバランス良く向上させた安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物の製造方法、及び安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物が求められている。
特開2010−270148号公報 国際公開第2007/011018号パンフレット
Chem.Pharm.Bull.47(2),182−186(1999)
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、簡便な操作で実施可能であり、更に錠剤などの成型後の組成物にも適応可能である、カンデサルタンシレキセチルの保存乃至取扱環境における温度及び光安定性をバランス良く向上させた安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法、及び安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくともカンデサルタンシレキセチルを含むカンデサルタンシレキセチル含有物に気体アルコール処理を行う工程を含むことを特徴とする安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<2> 気体アルコール処理に用いるアルコールが、エタノールである前記<1>に記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<3> 気体アルコール処理の温度が、80℃以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<4> 気体アルコール処理の時間が、1分間〜14日間である前記<1>から<3>のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<5> 気体アルコール処理が、カンデサルタンシレキセチル含有物を流動させながら行われる前記<1>から<4>のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<6> カンデサルタンシレキセチル含有物が、糖類と結合剤とを更に含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法により製造されたことを特徴とする安定化カンデサルタンシレキセチル含有物である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、簡便な操作で実施可能であり、更に錠剤などの成型後の組成物にも適応可能である、カンデサルタンシレキセチルの保存乃至取扱環境における温度及び光安定性をバランス良く向上させた安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法、及び安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物を提供することができる。
図1は、比較例5の50℃苛酷条件下で2週間保存した後の温度安定性評価試験のHPLCの結果を示す図である。
(安定化カンデサルタンシレキセチル含有物及びその製造方法)
本発明の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法は、カンデサルタンシレキセチル含有物に気体アルコール処理を行う工程(気体アルコール処理工程)を含み、更に必要に応じて、粉砕工程、造粒工程、打錠成型工程、乾燥工程などのその他の工程を含む。
本発明によれば、アセトン水溶液(アセトン:水=3:1、体積比)、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリルなどの溶媒中でスラリーを形成する必要がなく、よって、濾過、脱溶媒、粒度の再調整などの余分な工程が生じることなく、使用溶媒量を低減でき、原薬の収率減少を抑えることができ、加えて、気体アルコール処理という簡便な操作により、打錠乃至粉砕により不安定化したカンデサルタンシレキセチルの温度及び光安定性を向上させた安定化カンデサルタンシレキセチル含有物を製造することができる。
<気体アルコール処理工程>
前記気体アルコール処理としては、気体アルコールとカンデサルタンシレキセチル含有物とを接触させる処理であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、密封容器に気体アルコールとカンデサルタンシレキセチル含有物とを入れ、静置する方法、気体アルコールを吹き付ける乃至通気することによりカンデサルタンシレキセチル含有物に接触させる方法、液体アルコールを噴霧し、噴霧したと同時乃至噴霧した後に気化させてカンデサルタンシレキセチル含有物に接触させる方法などが挙げられる。
ここで、「気体アルコール」とは、気化したアルコールを指し、例えば、液体アルコールの蒸散などにより簡便に生成することができる。
前記気体アルコール処理に用いるアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、メタノールなどの製薬上許容されるアルコールが挙げられる。これらの中でも、毒性が低い点で、エタノールが好ましい。
前記気体アルコール処理の温度(雰囲気温度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、その上限値としては、80℃以下が好ましく、40℃以下がより好ましく、30℃以下が更に好ましく、10℃以下が特に好ましい。また、その下限値としては−18℃以上が好ましく、0℃以上がより好ましい。前記温度が、−18℃未満であると、冷却するために装置が煩雑となることがあり、80℃を超えると、安定化効果が低下することがある。一方、前記温度が、前記−18℃〜80℃であると、安定化効果、装置の簡便さの点で有利である。
前記気体アルコール処理における気体アルコール濃度としては、前記温度(雰囲気温度)、圧力(気圧)、用いるアルコールの種類等によって異なり、一概に規定することができないが、飽和蒸気圧を示す濃度に対して、20%〜100%が好ましく、50%〜100%がより好ましい。前記濃度が、20%未満であると、安定化効果が低下することがある。一方、前記濃度が、前記20%〜100%であると、安定化効果の点で有利である。
前記気体アルコール濃度の測定は、例えば、コスモテクターXP−3160、XP−3110(以上、新コスモス電機株式会社製)などを用いて行うことができる。また、インライン型の計測器(IPAガスモニタ、株式会社堀場製作所製)を系に組み込んで使用してもよい。なお、前記計測器のセンサとしては、例えば、FISガスセンサSB−30(エフアイエス株式会社製、アルコール検出用)などを用いることができる。
前記気体アルコール処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分間〜14日間が好ましく、1時間〜4日間がより好ましい。前記時間が、1分間未満であると、安定化が不十分であることがあり、14日間を超えると、工程時間が長期化し、生産効率が低下することがある。
前記気体アルコールを接触させる際の圧力(気圧)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1kPa〜1MPaが好ましく、10kPa〜200kPaがより好ましい。前記圧力が、0.1kPa未満、或いは1MPaを超えると、煩雑な装置が必要となることがある。
また、前記気体アルコールを通気して前記カンデサルタンシレキセチル含有物に接触させることが、気体アルコールの接触効率が高い点で、好ましい。
前記気体アルコール処理は、処理されるカンデサルタンシレキセチル含有物を、静置させて行ってもよいし、流動させて行ってもよい。前記カンデサルタンシレキセチル含有物を流動させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤の製造に一般的に用いられる流動コーティング装置等を用いる方法が挙げられる。前記流動コーティング装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハイコーターHC−LABO(フロイント産業株式会社製)などが挙げられる。
なお、前記装置を用いる場合においては、前記装置によりアルコールを噴霧することによって前記気体アルコールを形成させてもよい。
前記装置を用いて、前記気体アルコール処理を行う方法としては、例えば、(1)アルコールを、スプレーガンから噴霧されると同時に気化する程度に低速で送液しつつ、コーティングパンを回転させる方法、(2)スプレーガンの周りにヒーターを巻き、アルコールを加温して噴霧と同時に気化しつつ、コーティングパンを回転させる方法、(3)加温、超音波等の原理によりアルコールを気化できる装置をコーティングパン内に設置して、コーティングパンを回転させる方法、(4)コーティングパン内にアルコールの入った容器を固定し、自然蒸散させながらコーティングパンを回転させる方法などが挙げられる。
前記(1)又は(2)の方法を用いる場合には、前記気体アルコール処理が、カンデサルタンシレキセチル含有物に対して、0.01質量%/分間〜30質量%/分間のアルコール噴霧により行われることが好ましい。また、前記アルコール噴霧としては、0.5質量%/分間〜10質量%/分間がより好ましく、1質量%/分間〜5質量%/分間が特に好ましい。
−カンデサルタンシレキセチル含有物−
前記カンデサルタンシレキセチル含有物は、少なくともカンデサルタンシレキセチルを含んでなり、更に必要に応じて、糖類、結合剤などのその他の成分を含む。
前記カンデサルタンシレキセチル含有物としては、カンデサルタンシレキセチルのみからなるカンデサルタンシレキセチル原薬であってもよく、少なくともカンデサルタンシレキセチルを含む組成物であってもよい。
−−カンデサルタンシレキセチル−−
カンデサルタンシレキセチルは、カンデサルタンのプロドラッグである。
前記カンデサルタンの化学名は、2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}ベンズイミダゾール−7−カルボン酸であり、その構造式は下記構造式(1)の通りである。
前記カンデサルタンシレキセチルの化学名は、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル 2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンズイミダゾール−7−カルボキシレートであり、その構造式は下記構造式(2)の通りである。
前記カンデサルタンシレキセチルは、胃腸管から吸収される間に、急速かつ完全にカンデサルタンに加水分解される。前記カンデサルタンシレキセチルは、白色からオフホワイトの粉末であり、水及びメタノールにはほとんど不溶性である。前記カンデサルタンシレキセチルは、従来公知の方法により製造してもよく、市販品を用いてもよい。該市販品としては、例えば、candesartan cilexetil(Assia Chemical Industries Ltd.,Teva−Tech site製)などが挙げられる。
前記カンデサルタンシレキセチル含有物が、カンデサルタンシレキセチル原薬である場合、該含有物は、粉砕したカンデサルタンシレキセチル原薬であることが好ましく、粉砕して所定乃至所望の粒度を有するカンデサルタンシレキセチル原薬であることがより好ましい。これにより、簡便な操作により、粉砕によって不安定化したカンデサルタンシレキセチル原薬の温度及び光安定性を向上させることができる。
ここで、前記所定乃至所望の粒度としては、特に制限はなく、目的とする溶解度、分散性などの特性に応じて適宜選択することができるが、重量平均粒径で、1.0μm〜30.0μmが好ましく、1.0μm〜10.0μmがより好ましい。
また、前記カンデサルタンシレキセチル含有物が、少なくともカンデサルタンシレキセチルを含む組成物である場合、該組成物は、糖類と結合剤とを更に含む組成物であることが好ましく、少なくともカンデサルタンシレキセチルを含む造粒物乃至打錠製剤であることが好ましい。本発明の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法により、簡便な操作により粒度を維持したまま、造粒乃至打錠によって不安定化したカンデサルタンシレキセチル組成物の温度及び光安定性を向上させることができる。
前記カンデサルタンシレキセチルの前記組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.4質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜24質量%がより好ましい。前記含有量が、0.4質量%未満であると、1錠あたりの質量及び大きさが大きすぎることがあり、30質量%を超えると、1錠あたりの大きさが小さすぎて取り扱いにくくなることがある。一方、前記含有量が、より好ましい範囲であると、錠剤の大きさの点で有利である。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、特に制限はなく、通常、医薬組成物に用いることができる公知の成分を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖類、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、嬌味剤、香料などが挙げられる。
これらのその他の成分としては、前記気体アルコール処理工程において用いるアルコールに不溶性であることが好ましい。
−−糖類−−
前記糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、乳糖、マンニトール、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記糖類の前記組成物における含有量としては、30質量%〜99.6質量%が好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、1錠あたりの大きさが小さすぎて取り扱いにくくなることがあり、99.6質量%を超えると、1錠あたりの質量及び大きさが大きすぎることがある。一方、前記含有量が、前記好ましい範囲であると、錠剤の大きさの点で有利である。
−−結合剤−−
前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコール−グラフトコポリマー、ポリビニルアルコール−アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロースなどが挙げられる。これらの中でも、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、これら以外に、前記結合剤として結晶セルロースも用いることができる。
前記結合剤は、前記組成物に必ずしも含まれていなくてもよいが、含まれている場合には、前記結合剤の前記組成物における含有量としては、0.1質量%〜90質量%が好ましく、0.1質量%〜60質量%がより好ましく、1質量%〜30質量%が更に好ましく、1質量%〜5質量%が特に好ましい。なお、前記結合剤として前記結晶セルロースを用いる場合には、含有量が10質量%〜90質量%が好ましく、15質量%〜60質量%がより好ましく、25質量%〜35質量%が更に好ましい。前記含有量が、より好ましい範囲であると、十分な錠剤の強度が維持でき、好適な錠剤物性が得られる点で有利である。
前記滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムなどが挙げられる。
前記崩壊剤としては、例えば、デンプン(トウモロコシデンプン等)、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム、クロスカルメロースカルシウムなどが挙げられる。
前記嬌味剤としては、例えば、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどが挙げられる。
前記香料としては、例えば、l−メントール、バニリン、オレンジ油などが挙げられる。
<その他の工程>
<<粉砕工程>>
前記粉砕工程は、前記カンデサルタンシレキセチル含有物を粉砕する工程である。
前記粉砕工程により、所望の粒度を有するカンデサルタンシレキセチル原薬を調製することが好ましい。
前記粉砕する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、乳鉢を用いて粉砕する方法、ジェットミルを用いて粉砕する方法、ピンミルを用いて粉砕する方法などが挙げられる。これらの中でも、ピンミルを用いて粉砕する方法が、薬剤に物理的ストレスがかからない点で好ましい。
<<造粒工程>>
前記造粒工程は、少なくとも前記カンデサルタンシレキセチルと、その他の成分とを造粒する工程である。
また、前記造粒工程の前に、少なくとも前記カンデサルタンシレキセチルと、その他の成分とを混合する混合工程を含むことが好ましい。
前記混合の方法としては、前記カンデサルタンシレキセチルと前記その他の成分とが混合される限り、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法を適宜選択することができ、例えば、単純混合、練合、捏和、篩過、攪拌などが挙げられる。
前記造粒する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の造粒法を選択することができ、例えば、円筒造粒機、ペレッター等を使用する押出造粒法、スピードミル、パワーミル等を使用して湿潤捏和物を破砕する破砕造粒法、ミニマイザー、パワーニーダー、スピードミル、マルメライザー等を使用し、主として転動作用により造粒する転動造粒法、噴霧乾燥法、流動層造粒法などが挙げられる。
<<打錠成型工程>>
前記打錠成型工程は、前記混合工程において得られた混合物を、打錠成型する工程である。
前記打錠成型工程における充填加圧時の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300kg/cm〜2,000kg/cmが好ましく、500kg/cm〜1,000kg/cmがより好ましい。前記圧力が、300kg/cm未満であると、十分な錠剤硬度が得られないことがあり、2,000kg/cmを超えると、杵など装置への負担が増大することがある。一方、前記圧力が、より好ましい範囲であると、適度な錠剤硬度、及びカンデサルタンシレキセチルや杵などへの負担軽減の点で有利である。
前記打錠成型に用いる装置としては、例えば、オートグラフ(株式会社島津製作所製)、回転式打錠機(株式会社菊水製作所製)などが挙げられる。
<<乾燥工程>>
前記乾燥工程は、前記気体アルコール処理工程を施したカンデサルタンシレキセチル含有物を乾燥させる工程である。
前記乾燥工程としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の装置を用いた乾燥方法を適宜選択することができ、そのような装置としては、例えば、棚式乾燥機、ベルトコンベアを備えた通風乾燥機などが挙げられる。なお、前記乾燥工程は、気体アルコール処理工程後に加え、例えば、錠剤の成型中及び成型後など、複数回行ってもよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
試験例1:安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物の製造(実施例1〜2及び比較例1)
以下に示す通り、カンデサルタンシレキセチル含有物として、造粒及び打錠成型により不安定化したカンデサルタンシレキセチル含有組成物(打錠製剤)について、気体アルコール処理によるカンデサルタンシレキセチルの安定化の有無を調べた。
(実施例1)
−造粒工程−
カンデサルタンシレキセチル24g、D−マンニトール287.4g、コーンスターチ120gを混合し、次いで、ヒドロキシプロピルセルロース12.6gを水210gに溶解した水溶液を加え、攪拌造粒装置(転動流動コーティング装置MP−01、株式会社パウレック製;給気温度:70℃、風量:1.2m/分間、送液速度:7g/分間〜8g/分間)を用いて攪拌造粒し、送液終了後、水20gをスプレーして、500μmメッシュの篩を用いて整粒した。
−打錠成型工程−
得られた造粒物209.6gに結晶セルロース87.5g及びステアリン酸マグネシウム2.9gを加え、打錠成型装置(商品名:小型回転式錠剤機、製造会社:菊水製作所)を用いて650kg/cmの圧力にて打錠して製錠し、1錠あたり106mgの打錠製剤を得た。
−気体アルコール処理工程−
得られた打錠製剤10錠を、300mLのガラス製のねじ口瓶に入れ、更に約30mLのエタノールが入ったビーカーを入れて密封し、25℃で1日間静置することにより気体エタノール処理を行った。
−乾燥工程−
次いで、錠剤を取り出し、棚式乾燥機を用いて60℃で30分間乾燥させて、実施例1のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製した。
(実施例2)
実施例1において、気体アルコール処理工程の温度を25℃から40℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製した。
(比較例1)
実施例1において、気体アルコール処理工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製した。
<評価>
作製したカンデサルタンシレキセチル含有物について、以下のように評価した。
<<カンデサルタンシレキセチルの類縁物質の測定>>
作製したカンデサルタンシレキセチル含有物について、カンデサルタンシレキセチルの類縁物質、即ち、カンデサルタンシレキセチルの分解物質の量を、以下のHPLC条件により測定した。また、カンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)は、HPLCのカンデサルタンシレキセチル原薬に由来する全ピーク面積中の類縁物質のピーク面積の%で表した。
−試料溶液の調製−
得られたカンデサルタンシレキセチル含有物に、水4.0mLを加え、次いでアセトニトリル10.0mLを加えて溶解した後に、10分間の超音波処理を行い、遠心分離(3000rpm、10分間)、0.45μmフィルター(商品名:Millex−LH、ミリポア社製)を用いてろ過したものを、HPLCに供する試料溶液とした。
−標準溶液の調製−
カンデサルタンシレキセチルの原薬10mgを精密に量り、アセトニトリル−水混液(3:2、体積比)を加え25mLとした。この溶液1mLを正確に量り、アセトニトリル−水混液(3:2、体積比)を加えて100mLとし、標準溶液とした。
−HPLC条件−
装置: 日立D7000−2
カラム: Inertsil ODS−4 3μm、4.6mm×150mm、30℃
注入量: 10μL
検出: UV 254nm
流量: 1.0mL/分間
移動相A:アセトニトリル:水:酢酸=10:90:1(体積比)の溶液
移動相B:アセトニトリル:水:酢酸=90:10:1(体積比)の溶液
勾配スケジュール:
A B
0分〜30.0分 42%から0%へ 58%から100%へ
30.0分〜32.5分 0% 100%
32.5分〜33.0分 0%から42%へ 100%から58%へ
33.0分〜36.0分 42% 58%
収集時間:36分間
<<温度安定性評価試験>>
得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、下記表1に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間保存した後、上記測定方法を用いてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)を測定した。結果を表1に示す。
前記表1中、「初期値」とは、実施例1及び2、比較例1で得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、4℃で2週間保存した後、上記測定方法を用いてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)を測定した結果である。
試験例2:安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物の製造(実施例3及び比較例2)
以下に示す通り、カンデサルタンシレキセチル含有物として、造粒及び打錠成型により不安定化したカンデサルタンシレキセチル含有組成物(打錠製剤)について、気体アルコール処理によるカンデサルタンシレキセチルの安定化の有無を調べた。
(実施例3)
実施例1において、気体アルコール処理工程を下記の通り変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例3のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表2に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表2に示す。
−気体アルコール処理工程−
実施例1の打錠成型工程において得られた打錠製剤を、10cmの秤量皿にとり、ステンレス製の容器(以下「SUS容器」とも称する、容量:15L)に入れ、更に100mLガラス製ビーカーにエタノールを適量取り、同じSUS容器に入れて密封し、40℃で2日間静置することにより気体エタノール処理を行った。
(比較例2)
実施例3において、気体アルコール処理工程を行わなかった以外は、実施例3と同様にして、比較例2のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表2に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表2に示す。
前記表2中、「初期値」とは、実施例3、比較例2で得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、4℃で2週間保存した後、上記測定方法を用いてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)を測定した結果である。
試験例3:安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物の製造(実施例4〜6及び比較例3)
以下に示す通り、カンデサルタンシレキセチル含有物として、造粒及び打錠成型により不安定化したカンデサルタンシレキセチル含有組成物(打錠製剤)について、気体アルコール処理によるカンデサルタンシレキセチルの安定化の有無を調べた。
(実施例4)
−造粒工程−
カンデサルタンシレキセチル16g、乳糖一水和物289.6g、コーンスターチ80gを混合し、次いで、ヒドロキシプロピルセルロース14.4gを水240gに溶解した水溶液を加え、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置MP−01、株式会社パウレック製;給気温度:70℃、風量:1.2m/分間、送液速度:7g/分間〜8g/分間)を用いて造粒し、送液終了後、水20gをスプレーして、500μmメッシュの篩を用いて整粒した。
−打錠成型工程−
得られた造粒物(造粒品)100gに対して、結晶セルロース20g、カルメロースカルシウム4g及びステアリン酸マグネシウム1gを加え、打錠成型装置(商品名:小型回転式錠剤機、製造会社:菊水製作所)を用いて650kg/cmの圧力にて打錠して製錠し、1錠あたり125mgの打錠製剤を得た。
なお、1ロット(Lot)あたり及び打錠剤1錠あたりの各成分量の内訳を下記表3に示す。
−気体アルコール処理工程−
得られた打錠製剤10錠を、30mLのガラス製のねじ口瓶(SV−30)に入れ、更にエタノール約1mLを充填したHPLC用サンプルカップ(信和加工株式会社製)を入れて密封し、4℃で3日間静置することにより気体エタノール処理を行った。
−乾燥工程−
次いで、錠剤を取り出し、棚式乾燥機を用いて50℃で3時間乾燥させ、更に室温で24時間乾燥させて、実施例4のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製した。
得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表4に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で、2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表4に示す。
(実施例5)
実施例4において、気体アルコール処理工程の温度を4℃から25℃に変えた以外は、実施例4と同様にして、実施例5のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表4に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で、2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表4に示す。
(実施例6)
実施例4において、気体アルコール処理工程の温度を4℃から40℃に変えた以外は、実施例4と同様にして、実施例6のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表4に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で、2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例4において、気体アルコール処理工程を行わなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例3のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表4に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表4に示す。
試験例4:安定化カンデサルタンシレキセチル原薬の製造(実施例7〜8及び比較例4)
以下に示す通り、カンデサルタンシレキセチル含有物として、乳鉢で粉砕し、不安定化したカンデサルタンシレキセチル原薬について、気体アルコール処理によるカンデサルタンシレキセチルの安定化の有無を調べた。
(実施例7)
−粉砕工程−
カンデサルタンシレキセチルの原薬2gをメノウ乳鉢に取り、10分間粉砕してカンデサルタンシレキセチルの結晶に歪みを生じさせ、カンデサルタンシレキセチルを不安定化させた。
−気体アルコール処理工程−
粉砕したカンデサルタンシレキセチル原薬を、エタノール約1mLを充填したHPLC用サンプルカップ(信和加工株式会社製)と共に、300mLのガラス製のねじ口瓶に入れて密封し、25℃で3日間静置することにより気体エタノール処理を行った。
−乾燥工程−
次いで、原薬を取り出し、棚式乾燥機を用いて60℃、30分間乾燥させて、実施例7のカンデサルタンシレキセチル含有物(原薬)を作製した。得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、下記表5に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表5に示す。
(実施例8)
実施例7において、気体アルコール処理工程の温度を25℃から40℃に変えた以外は、実施例7と同様にして実施例8のカンデサルタンシレキセチル含有物(原薬)を作製し、得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、下記表5に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表5に示す。
(比較例4)
実施例7において、気体アルコール処理工程を行わなかった以外は、実施例7と同様にして比較例4のカンデサルタンシレキセチル含有物(原薬)を作製した。
得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、下記表5に示す通り、50℃苛酷条件下で2週間又は4週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表5に示す。
前記表5中、「初期値」とは、実施例7及び8、比較例4で得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をアルミ袋に入れ、4℃で2週間保存した後、上記測定方法を用いてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)を測定した結果である。
試験例5:安定化カンデサルタンシレキセチル含有組成物の製造(実施例9〜10及び比較例5)
以下に示す通り、カンデサルタンシレキセチル含有物として、造粒及び打錠成型により不安定化したカンデサルタンシレキセチル含有組成物(打錠製剤)について、気体アルコール処理によるカンデサルタンシレキセチルの安定化の有無を調べた。
(実施例9)
−造粒工程−
カンデサルタンシレキセチル24g、乳糖一水和物565.8g、コーンスターチ120g、カルメロースカルシウム39gを混合し、次いで、ヒドロキシプロピルセルロース23.4gを水366.6gに溶解した水溶液を加え、流動層造粒装置(転動流動コーティング装置MP−01、株式会社パウレック製;給気温度:70℃、風量:1.2m/分間、送液速度:7g/分間〜8g/分間)を用いて造粒し、乾燥した。得られた造粒物(造粒品)を500μmメッシュの篩を用いて整粒した。
−打錠成型工程−
得られた造粒物(造粒品)にステアリン酸マグネシウム7.8gを加え、3分間混合し、直径7.0mmの杵で、約700kg/cmの圧力にて打錠して製錠し、1錠あたり130mgの打錠製剤を得た。
なお、1ロット(Lot)あたり及び打錠剤1錠あたりの各成分量の内訳を下記表6に示す。
−気体アルコール処理工程−
得られた打錠製剤10錠を、1Lのガラス製のねじ口瓶に入れ、更にエタノール約10mL入れたガラス製ビーカーを入れて密封し、25℃で3日間静置することにより気体エタノール処理を行った。
−乾燥工程−
次いで、錠剤を取り出し、棚式乾燥機を用いて50℃で3時間乾燥させ、更に室温で24時間乾燥させて、実施例9のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製した。
得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表7に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で、2週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。
<<光安定性評価試験>>
また、以下のようにして、光安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。
得られたカンデサルタンシレキセチル含有物をシャーレに入れた開放条件において、キセノンランプ(耐光試験機PTH−400NC−D、日本医化器械製作所製)を用い、照射量120万lux・hの条件下で露光した後、上記カンデサルタンシレキセチルの類縁物質の測定方法を用いてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質量(%)を測定した。
(実施例10)
実施例9において、気体アルコール処理工程のエタノールをメタノールに代えた以外は、実施例9と同様にして、実施例10のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表7に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で、2週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。
また、実施例9と同様に光安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。
(比較例5)
実施例9において、気体アルコール処理工程を行わなかった以外は、実施例9と同様にして、比較例5のカンデサルタンシレキセチル含有物(打錠製剤)を作製し、得られた打錠製剤をアルミ袋に入れ、下記表7に示す通り、4℃条件下又は50℃苛酷条件下で2週間保存した後、実施例1と同様に温度安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。また、50℃苛酷条件下で2週間保存した後の温度安定性評価試験のHPLCの結果を図1に示す。
また、実施例9と同様に光安定性評価試験を実施した。結果を表7に示す。
表1〜2の結果から、温度安定性試験において、本発明の製造方法では、比較例1〜2に比べてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質(分解物質)が顕著に少なく、カンデサルタンシレキセチルが極めて安定であることがわかった。
表4の結果から、温度安定性試験において、本発明の製造方法では、比較例3に比べてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質(分解物質)が顕著に少なく、カンデサルタンシレキセチルが極めて安定であることがわかった。また、実施例4〜6の比較から、気体アルコール処理温度が、4℃〜40℃の場合において、カンデサルタンシレキセチルの安定性が増すことがわかった。
更に、実施例2、3及び6の比較から、気体アルコール処理の時間がより長い方が、カンデサルタンシレキセチルの安定性が増すことがわかった。
また、表5の結果から、温度安定性試験において、本発明の製造方法では、比較例4に比べてカンデサルタンシレキセチルの類縁物質(分解物質)が顕著に少なく、カンデサルタンシレキセチルが極めて安定であることがわかった。
また、表7の結果から、本発明の製造方法によれば、カンデサルタンシレキセチルの温度及び光安定性が向上しており、気体アルコールとして、メタノールよりもエタノールを用いると、カンデサルタンシレキセチルの安定性が増すことがわかった。
なお、実施例1〜10及び比較例1〜5で用いた各成分の具体的な内容は、下記表8に示す通りである。
* 試験例3においては、株式会社トクヤマ製のカンデサルタンシレキセチルを使用した。試験例5においては、Kyongbo pharmaceutical社製のカンデサルタンシレキセチル(KBPLJ900200)を使用した。
本発明の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法は、簡便な操作により、打錠乃至粉砕により不安定化したカンデサルタンシレキセチルの温度及び光安定性を向上させた安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法を提供することができるので、医薬組成物の製造方法として好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. 少なくともカンデサルタンシレキセチルを含むカンデサルタンシレキセチル含有物に気体アルコール処理を行う工程を含み、
    前記気体アルコール処理に用いるアルコールが、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、及びメタノールのいずれかであることを特徴とする安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
  2. 気体アルコール処理に用いるアルコールが、エタノールである請求項1に記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
  3. 気体アルコール処理の温度が、80℃以下である請求項1から2のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
  4. 気体アルコール処理の時間が、1分間〜14日間である請求項1から3のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
  5. 気体アルコール処理が、カンデサルタンシレキセチル含有物を流動させながら行われる請求項1から4のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
  6. カンデサルタンシレキセチル含有物が、糖類と結合剤とを更に含む請求項1から5のいずれかに記載の安定化カンデサルタンシレキセチル含有物の製造方法。
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