JP6006684B2 - フロー経路変更計算装置 - Google Patents

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Description

ネットワークの最大リンク使用率を低下させるために、フローの経路変更を計算するフロー経路変更計算装置に関する。
従来、トラヒックが限られたリンクに集中することによりパケットロスやキュー遅延等が頻繁に発生することを防ぎ、ネットワークの一部への負荷集中を回避する手法として、フロー経路を変更しネットワーク内の最大リンク使用率を低下させる制御が行われている(例えば、非特許文献1参照)。なお、ここで、最大リンク使用率とは、ネットワーク内の各リンクのリンク使用率(リンクトラヒック量/リンクの最大帯域)が最も大きいリンクのリンク使用率のことをいう。
従来の最大リンク使用率を低下するためのネットワーク制御装置による制御手法は、まず、対象となるネットワーク内の全てのフローの経路とそのトラヒック量を含むフロー情報や、リンクトラヒック量等のリンク情報を取得し、そのネットワークにおける最大リンク使用率を計算する。そして、その最大リンク使用率となるリンクを通るフローから、下記のフロー選択条件(a),(b)を満たす最短経路に経路変更した場合に、最大リンク使用率が最小となるフローを選択する。
フロー選択条件(a):最大リンク使用率となるリンクを通らない。
フロー選択条件(b):経路変更することによりネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する。
なお、最大リンク使用率が最小となるフローが複数ある場合には、ランダムに選択し、フロー選択条件(a),(b)を満たすフローが存在しなくなった時点で、処理を終了する。
この従来の最大リンク使用率を低下させるためのフロー経路変更の制御手法について、図12を参照して詳細に説明する。
まず、ネットワーク制御装置は、フローの経路変更回数のパラメータ(以下、「フロー経路変更回数」とよぶ。)nを「0」に初期化(n=0)する(ステップS1)。
次に、ネットワーク制御装置は、各ノード間の接続関係を示すトポロジ情報や、リンク情報、全てのフローの経路とそのトラヒック量を含むフロー情報(全てのフローのフロー情報)を取得する(ステップS2)。なお、リンク情報は、各リンクのコスト(距離)を示すリンクメトリック、各リンクの最大帯域、各リンクのリンクトラヒック量の情報を含む。
続いて、ネットワーク制御装置は、取得したリンク情報(各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量)に基づき、ネットワーク内の各リンクのリンク使用率(リンクトラヒック量/リンクの最大帯域)を計算することにより、最大リンク使用率を計算する(ステップS3)。なお、この計算により、最大リンク使用率が計算されると共に、「最大リンク使用率となるリンク」が特定される。
そして、ネットワーク制御装置は、ステップS2において取得した全てのフローのフロー情報の中で、最大リンク使用率となるリンクを通るフローに対し、前記したフロー選択条件(a)「最大リンク使用率となるリンクを通らない。」、フロー選択条件(b)「経路変更することによりネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する。」の両方を満たすように経路変更したときの経路の最短経路と、その経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算する(ステップS4)。
次に、ネットワーク制御装置は、ステップS4の結果、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が存在するか否かを判定する(ステップS5)。ネットワーク制御装置は、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が1つ以上存在する場合には(ステップS5→Yes)、次のステップS6に進む。一方、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS5→No)、ステップS8に進む。
ステップS6において、ネットワーク制御装置は、経路変更の対象となり得るフローが1つ以上存在することから、フロー経路変更回数nに「1」を追加する(n=n+1)。
続いて、ネットワーク制御装置は、ステップS4において計算した1つ以上のフローの中で、フローをその経路に変更した場合、つまり、計算したフローそれぞれを変更先経路に変更した場合における最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路を抽出する(ステップS7)。これにより、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)において経路変更の対象となるフローとその変更先経路、その経路に変更した場合の最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)が計算される。
なお、ネットワーク制御装置は、抽出したフローとその変更先経路の組み合わせが1つの場合は、その抽出したフローと変更先経路の組み合わせを、その時点のフロー経路変更回数n(n回目の経路変更時)における変更対象となるフローとその変更先経路として決定する。また、ネットワーク制御装置は、抽出したフローとその変更先経路の組み合わせが複数ある場合には、その時点のフロー経路変更回数n(n回目の経路変更時)における変更対象となるフローとその変更先経路との組み合わせをその複数の中からランダムに1つ決定する。
次に、ネットワーク制御装置は、ステップS3に戻り、ステップS7で決定したフローが、最大リンク使用率が最小値となる変更先経路に変更されたものとして、最大リンク使用率を(再)計算する。
そして、ネットワーク制御装置は、前記したステップS4の処理を再度行い、フロー選択条件(a)、(b)の両方を満たすフローを計算し、経路変更の対象となるフローとその経路が存在するか否かの判定(ステップS5)を行う。
ステップS5において、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS5→No)、ネットワーク制御装置は、ステップS8に進む。
ステップS8において、ネットワーク制御装置は、フロー経路変更回数が各n(n=1,2,…)回での経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)に相当する変更順番、最終的に経路変更を終えた経路での最大リンク使用率を出力する。
このように、従来の最大リンク使用率を低下させるためのフロー経路変更の制御手法においては、入力情報として、全てのフローの経路とそのトラヒック量とを含むフロー情報を取得した上で、フロー選択条件(a)、(b)の両方を満たす、つまり、最大リンク使用率となるリンクを通らず、経路変更することによりネットワーク全体の最大リンク使用率が低下するフローとその変更先経路を抽出することにより、最大リンク使用率を低下させていた。
米津 遥、他、「リンクパワーオフによるネットワーク省電力化のための高速トポロジ計算手法」電子情報通信学会、信学技報、CS、通信方式110巻20号、p.17-19
従来の最大リンク使用率を低下させるためのフロー経路変更の制御手法においては、入力情報として、全てのフローの経路とそのトラヒック量とを含むフロー情報を取得した上で、最大リンク使用率を低下させるために、経路変更の対象となるフローとその変更先経路を抽出する処理を実行している。しかしながら、全てのフローの総数は、ネットワーク内のノード数の約2乗に比例する数となり、特にノード数が非常に多いネットワーク(例えば、ノード数が1000台)において、全てのフローを処理対象とするための処理負荷が大きかった。また、フローには、トラヒック量の少ないフローも多数含まれており、そのようなトラヒック量の少ないフローについて仮に経路変更を実行したとしても、リンク使用率をわずかしか低下させることができず、充分な効果を得られるものではなかった。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、処理負荷を低減した上で、最大リンク使用率を低下させることができるフロー経路変更計算装置を提供することを課題とする。
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数のノードと前記複数のノード間を接続する複数のリンクとを備えるネットワーク内を流れるフローのうち、変更対象のフローに対する変更先経路を演算するフロー経路変更計算装置であって、前記フロー経路変更計算装置は、記憶部と、最大リンク使用率計算部と、出力情報処理部と、を備え、前記記憶部には、(1)前記ノード間の接続関係を示すトポロジ情報、(2)前記リンクを経由する際のコストを示すリンクメトリック、各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量を含むリンク情報、および、(3)リンク使用率が所定の閾値以上となるリンクを通る前記フローのフロー経路とそのトラヒック量を含むフロー情報、が記憶されており、前記最大リンク使用率計算部が、前記各リンクの最大帯域および前記各リンクのリンクトラヒック量に基づき、前記ネットワーク内の各リンクの前記リンク使用率を計算して、最大リンク使用率および当該最大リンク使用率となるリンクを取得し、当該取得した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、(条件A)当該最大リンク使用率となるリンクを通らない、および、(条件B)経路変更により最大リンク使用率となるリンクを変更しない、を満たすフローの最短経路と、当該最短経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算し、当該最大リンク使用率が最小値となるフローを変更対象のフローとし、当該変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせを決定し、当該計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記変更対象のフローとして決定したフロー以外のフローに対し、前記(条件A)および(条件B)を満たし、前記計算した最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせの決定処理を、前記(条件A)および(条件B)を満たす前記フローとその変更先経路の組み合わせが存在しなくなるまで繰り返し、前記出力情報処理部が、前記決定された変更対象のフローとその変更先経路、および、前記計算した最大リンク使用率を出力することを特徴とするフロー経路変更計算装置とした。
このようにすることで、フロー経路変更計算装置は、全てのフローのフロー情報を取得するのではなく、リンク使用率が所定の閾値以上となるリンクを通るフローのフロー情報(一部のフローのフロー情報)を取得して、最大リンク使用率を低下させることが可能となるため、フロー経路変更計算処理装置の処理負荷を低減した上で、変更対象となるフローとその変更先経路、経路変更後の最大リンク使用率を計算することができる。
請求項2に記載に発明は、前記最大リンク使用率計算部が、前記(条件A)および(条件B)を満たす前記フローとその変更先経路の組み合わせが存在しない場合に、(条件a)当該最大リンク使用率となるリンクを通らない、および、(条件b)経路変更により前記ネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する、を満たすフローの最短経路と、当該最短経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算し、当該最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせを決定し、当該計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記変更対象のフローとして決定したフロー以外のフローに対し、前記(条件a)および(条件b)を満たし、前記計算した最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせの決定処理を、前記(条件a)および(条件b)を満たす前記フローとその変更先経路との組み合わせが存在しなくなるまで繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のフロー経路変更計算装置とした。
このようにすることで、フロー経路変更計算装置は、最大リンク使用率となるリンクをできる限り変更しないようにし、最大リンク使用率を低下するためには、最大リンク使用率となるリンクを変更せざるを得なくなった場合のみ、最大リンク使用率となるリンクを変更して、変更対象となるフローとその変更先経路を決定することができる。
請求項3に記載の発明は、前記最大リンク使用率計算部が、前記変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせを決定する度に、当該組み合わせに対応付けてその決定順で示される前記フローの変更順番をフロー経路変更回数として前記記憶部に記憶し、前記出力情報処理部は、前記決定された変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせを、前記フロー経路変更回数に対応付けて出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロー経路変更計算装置とした。
このようにすることで、フロー経路変更計算装置は、変更対象となるフローとその変更先経路に対応付けて、変更順番をフロー経路変更回数として出力することができる。よって、フロー経路変更計算装置が出力した変更順番に基づき、実際にフローの経路を変更する際に、MakeBeforeBreakによりフロートラヒックを無瞬断とすることができる。
請求項4に記載の発明は、前記記憶部には、さらに、前記変更対象のフローおよびその変更先経路を決定する計算を実行する際に計算負荷を低減するためのパラメータ情報として、前記フロー経路変更回数の上限値、前記最大リンク使用率の下限値、経路変更の対象となるフローの帯域下限値、変更先経路の経路メトリック長に関する制約パラメータの少なくとも1つが記憶されており、前記最大リンク使用率計算部が、前記パラメータ情報の少なくとも1つを設定して、前記変更対象のフローおよびその変更先経路を計算することを特徴とする請求項3に記載のフロー経路変更計算装置とした。
このようにすることで、フロー経路変更計算装置は、記憶部に記憶された、計算負荷を低減するためのパラメータ情報に基づき、過大に処理負荷が掛かったり、効果が僅かしか得られない処理を実行する必要をなくすことができる。よって、フロー経路変更計算装置の処理負荷を低減させて計算時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明は、前記最大リンク使用率計算部が、前記最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記(条件A)および(条件B)、または、前記(条件a)および(条件b)を満たし、経路変更により前記最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合に、以下の選択基準1〜4を順に適応して、前記変更対象のフローとその変更先経路とを決定すること
(選択基準1)(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路とその経路を通るフローを選択する、
(選択基準2)フロートラヒックが最大のフローとそのフローの変更経路とを選択する、
(選択基準3)経路変更後の各リンクのリンク使用率の最大値が最小となる経路とその経路を通るフローを選択する、
(選択基準4)ランダムにフローとその変更経路を選択する、
を特徴とする請求項2に記載のフロー経路変更計算装置とした。
このようにすることで、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、経路変更により最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合に、選択基準1〜4を順に適応して、変更対象のフローとその変更先経路とを決定することができる。よって、フロー経路変更計算装置は、ランダムに変更対象のフローとその変更先経路とを決定する場合に比べ、より、最大リンク使用率を低減することが可能となる。
本発明によれば、処理負荷を低減した上で、最大リンク使用率を低下させるフロー経路変更計算装置を提供することができる。
従来技術による経路変更と、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置による経路変更との相違を説明するための図である。 本実施形態に係るフロー経路変更計算装置を含むネットワークシステムの構成例を示す図である。 本実施形態に係るフロー経路変更計算装置の構成例を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るフロー経路変更計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係るフロー経路変更計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置の構成例を示す機能ブロック図である。 フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン1」を説明するための図である。 フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン2」を説明するための図である。 フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン3」を説明するための図である。 本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置の処理の流れを示すフローチャートである。 従来の最大リンク使用率を低下させるためのフロー経路変更の制御手法を示すフローチャートである。
次に、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)におけるフロー経路変更計算装置1について説明する。
<概要>
まず、本発明に係るフロー経路変更計算装置1が実行する処理の概要について、従来技術を適用した場合と比較して説明する。
本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1は、ネットワークにおける最大リンク使用率を低下させるため、経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フローを経路変更する変更順番、および、経路変更を行った場合の最大リンク使用率を計算する装置である。
従来のフロー経路変更の制御手法を用いた、最大リンク使用率を低下させるためのネットワーク制御装置では、前記したように、入力情報として、全てのフローの経路とそのトラヒック量を含むフロー情報を取得した上で(図12のステップS2)、最大リンク使用率を低下させるために経路変更の対象となるフローとその変更先経路を抽出する処理を実行している。一方、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1は、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のみのフロー情報(一部のフローのフロー情報)を入力情報として取得し、最大リンク使用率を低下させるために経路変更の対象となるフローとその変更経路を抽出する処理を実行する。
また、従来のフロー経路変更の制御手法では、フローの経路を変更するごとに、最大リンク使用率となるリンクが頻繁に替わる可能性がある。これにより、元々リンク使用率が所定の閾値(割合)未満であったリンクがフローの経路変更により最大リンク使用率となるリンクになった場合に、経路変更する他のフローが存在せず、最大リンク使用率がそれより低下できなくなる場合がある。
そこで、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1は、フローの経路変更処理において、最大リンク使用率を従来の手法に比べより低下させるために、以下に示す技術思想を導入する。
(1)最大リンク使用率となるリンクをできる限り変更しないようにする。
(2)最大リンク使用率を下げるためには、最大リンク使用率となるリンクを変更せざるを得なくなった場合のみ、最大リンク使用率となるリンクの変更を許す。
技術思想(1)についての具体例を、図1を参照し、従来技術(従来のフロー経路変更の制御手法)を適用した場合と比較して説明する。なお、技術思想(2)については、後記する図4,図5において詳細に説明する。
図1は、ネットワークの最大リンク使用率を低下させるための、従来技術による経路変更と、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1による経路変更との相違を説明するための図である。なお、ここでは、フロー情報として、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のみを入力情報として取得し、従来技術による処理と本実施形態による処理とを実行する例として説明する。
図1(a)は、初期状態として、ノード「A」,「B」,「C」それぞれの間に、最大帯域が(10Gbps:なお、以下において「bps(bits per second)」の記載を省略する。)のリンクが設定されている状態で、リンク使用率が所定の閾値(例えば、6割)以上となるリンクを通るフロー情報のみを取得した例を示している。ここで、図1(a)に示すように、リンク使用率が6割以上となるリンクは、リンクAB(ノードA−B間のリンク)(リンクトラヒック量:9G)であり、このリンクABを通る各フローのトラヒック量は、「4G」,「2G」,「2G」,「1G」である。なお、リンクBC(ノードB−C間のリンク)(リンクトラヒック量:2G)、および、リンクAC(ノードA−C間のリンク)(リンクトラヒック量:2.5G)については、リンク使用率が6割以上ではないため、当該リンクを通るフローのフロー情報は取得されない。また、図1(a)において、最大リンク使用率となるリンクは、リンクAB(リンクトラヒック量:9G)である。
図1(a)に示す初期状態において、従来技術による経路変更(図12参照)によれば、図1(b)に示すように、最大リンク使用率となるリンクABを通るフローの中で、変更先経路の最大リンク使用率が最小値となるフローとして、4Gのフローが選択され、ノード「B」→「C」→「A」を通る経路(変更先経路)が最短経路として計算される。そして、変更先経路において、最大リンク使用率となるリンクとしてリンクAC(6.5G)が計算される。ここで、最大リンク使用率となるリンクAC(6.5G)には、経路変更されてきた4Gのフローのフロー情報のみしか存在しないため、これ以上の経路変更をすることができず、最大リンク使用率となるリンクは、リンクACであり、その最大リンク使用率は「6.5G/10G」となる。
なお、本実施形態においては、説明を簡単にするため、全てのリンクの最大帯域は同じである(例えば、10G)であるとし、最大リンク使用率の大きさを比較するための指標として、リンクトラヒック量を用いる。つまり、「最大リンク使用率は「6.5G」となる。」というように、以下においてリンクトラヒック量の記載のみにより、最大リンク使用率の大きさを表記する。
一方、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1は、図1(a)に示す初期状態の場合に、最大リンク使用率であるリンクABをできる限り変更しないようにして(技術思想(1))、最大リンク使用率が最も低下するフローの経路変更を行う。図1(c)においては、フロー経路変更回数(n=1:1回目)として、2Gのフローが選択され、ノード「B」→「C」→「A」を通る経路(変更先経路)が最短経路として計算される。この時点の最大リンク使用率となるリンクはリンクABのままであり、その最大リンク使用率は「7G」となる。続いて、フロー経路変更回数(n=2:2回目)として、図1(d)に示すように、1Gのフローが選択され、ノード「B」→「C」→「A」を通る経路(変更先経路)が最短経路として計算される。この2回の経路変更を実行した時点において、最大リンク使用率となるリンクはリンクABのままであり、その最大リンク使用率は「6G」となる。
よって、従来技術による経路変更により低下させた最大リンク使用率(図1(b)の「6.5G」)よりも、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1による経路変更による最大リンク使用率(図1(d)の「6G」)の方がより低くなる。つまり、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1により、従来技術に比べ、最大リンク使用率を低下させることが可能となる。
このように、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1によれば、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のみのフロー情報を入力情報として取得し、つまり、一部のフローのフロー情報を利用することによって、処理負荷を低減した上で、最大リンク使用率をより低下させることが可能となる。
<ネットワークシステムの構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1を含むネットワークシステム1000の構成について説明する。
図2に示すように、ネットワークシステム1000は、複数のノード2、および、各ノード2間を接続することにより通信経路を提供するリンク3により構成される通信ネットワーク4(以下、単に「ネットワーク」という場合がある。)と、各ノード2との間で通信可能に接続されるフロー経路変更計算装置1とを含んで構成される。このフロー経路変更計算装置1は、各ノード2やネットワーク管理装置(不図示)等から、トポロジ情報や、リンク情報、フロー情報等を取得する。そして、フロー経路変更計算装置1は、現時点のネットワーク(通信ネットワーク4)における最大リンク使用率を低下させるため、経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フローを経路変更する変更順番、および、最大リンク使用率を計算する。
<フロー経路変更計算装置>
続いて、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1について説明する。フロー経路変更計算装置1は、入力情報として全てのフローのフロー情報(フロー経路とトラヒック量)を取得するのではなく、一部のフローのフロー情報を取得した上で、ネットワークの最大リンク使用率をより低下させるように、変更対象となるフローとその変更先経路を計算する。このとき、フロー経路変更計算装置1は、最大リンク使用率となるリンクをできる限り変更しないようにし、最大リンク使用率を下げるためには、最大リンク使用率となるリンクを変更せざるを得なくなった場合のみ、最大リンク使用率となるリンクを変更する処理を実行する(前記した技術思想(1),(2))。これにより、フロー経路変更計算装置1は、従来の手法を単に適用する場合に比べ、最大リンク使用率をより低下させることができる。
図3は、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
フロー経路変更計算装置1は、図3に示すように、入力部10と、制御部20と、メモリ部30と、記憶部40と、出力部50とを備えて構成される。
入力部10は、通信ネットワーク4(図2参照)内のノード2や、ネットワーク管理装置(不図示)等から、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300を取得し、制御部20(入力情報処理部21)に引き渡す。
ここで、トポロジ情報100は、各ノード2間の接続関係を示す情報である。
リンク情報200は、各リンクのリンクメトリック、各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量を含む情報である。リンクメトリックは、各リンクのコスト(距離)を示す情報であり、最短経路を探索する際に参照される。リンクの最大帯域は、各リンクが収容可能な最大の帯域を示す情報である。リンクトラヒック量は、測定時点においてそのリンクを通るトラヒック量である。
フロー情報300には、一部または全部のフローのフロー経路とそのフローのトラヒック量を含む情報が格納される。フロー経路変更計算装置1は、このフロー情報300を、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」、つまり、一部のフローのフロー情報300である入力情報として、ネットワーク管理装置(不図示)等から取得してもよい。また、フロー経路変更計算装置1は、ネットワーク内の全てのフローのフロー情報300をネットワーク管理装置(不図示)等から取得した上で、後記する制御部20(最大リンク使用率計算部22)が、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のフロー情報300を抽出して処理するようにしてもよい。
なお、この入力部10は、通信回線を介して情報の送受信を行う通信インタフェースと、図示を省略したキーボード等の入力手段から情報の入力を行う入力インタフェースとから構成される。
制御部20は、フロー経路変更計算装置1全体の制御を司り、入力情報処理部21、最大リンク使用率計算部22および出力情報処理部23を含んで構成される。
入力情報処理部21は、入力部10を介して、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300を取得し、記憶部40に記憶する。
最大リンク使用率計算部22は、記憶部40に記憶されている、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300に基づき、現時点におけるネットワーク(通信ネットワーク4)における最大リンク使用率を低下させるために、経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フローを経路変更する変更順番、および、処理結果としての最大リンク使用率、を計算する。
なお、最大リンク使用率計算部22が計算処理に利用するフロー情報300は、予めネットワーク管理装置(不図示)等から、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」、つまり、一部のフローのフロー情報300を入力情報として取得し記憶部40に記憶していた場合には、その一部のフローのフロー情報300をそのまま利用する。また、全てのフローのフロー情報300が記憶部40に記憶されている場合には、最大リンク使用率計算部22が、各リンクのリンク使用率を、リンク情報200のリンクの最大帯域とリンクトラヒック量に基づき計算し、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のみのフロー情報を、記憶部40に記憶された全てのフローのフロー情報300の中から抽出して利用する。
この最大リンク使用率計算部22は、前記した一部のフローのフロー情報300を取得した上で、ネットワークの最大リンク使用率をより低下させるように、フローの経路を変更する。このとき、フロー経路変更計算装置1は、最大リンク使用率となるリンクをできる限り変更しないようにするため、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中から、まず、下記のフロー選択条件(A),(B)を満たす最短経路に経路変更した場合に、最大リンク使用率が最小となるフローを選択する。
フロー選択条件(A):最大リンク使用率となるリンクを通らない。
フロー選択条件(B):経路変更により最大リンク使用率となるリンクを変更しない。
そして、最大リンク使用率計算部22は、上記のフロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローを、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中から1つずつ選択することにより抽出し、当該条件を満たすフローが存在しなくなった場合のみ、最大リンク使用率となるリンクの変更が可能な従来技術と同様の条件であるフロー選択条件(a),(b)により、変更対象となるフローとその変更先経路、そのときの最大リンク使用率を計算する。
出力情報処理部23は、最大リンク使用率計算部22が計算した、経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フローを経路変更する変更順番、および、処理結果としての最大リンク使用率の情報を、出力部50を介して出力する。
メモリ部30は、RAM(Random Access Memory)等の一次記憶手段からなり、制御部20によるデータ処理に必要な情報を一時的に記憶する。
記憶部40は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶手段からなり、トポロジ情報100や、リンク情報200、フロー情報300等が記憶される。なお、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300については、前記して説明したため、ここでの説明は省略する。
出力部50は、制御部20の出力情報処理部23から取得した処理結果の情報である、フロー経路変更後のリンク情報400および経路変更後のフロー情報500を、モニタ等の出力手段(不図示)やネットワーク管理装置(不図示)等に出力する。ここで、フロー経路変更後のリンク情報400には、最終的な処理結果である最大リンク使用率(およびその最大リンク使用率となるリンク)の情報が含まれる。また、経路変更後のフロー情報500には、経路変更の対象となるフローとその変更先経路、および、フローを経路変更する変更順番の情報が含まれる。
なお、この出力部50は、通信回線を介して情報の送受信を行う通信インタフェースと、図示を省略したモニタ等の出力手段への情報の出力を行う出力インタフェースとから構成される。
なお、このフロー経路変更計算装置1をプログラム実行処理により実現する場合、記憶部40には、フロー経路変更計算装置1の制御部20の機能を実現するためのプログラムが格納される。そして、制御部20は、記憶部40に記憶されたプログラムを、不図示のCPU(Central Processing Unit)が、メモリ部30であるRAM等に展開し実行することにより実現される。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1の処理の流れについて図4および図5を参照して説明する(適宜図3参照)。
図4および図5は、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1の処理の流れを示すフローチャートである。なお、フロー経路変更計算装置1の記憶部40(図3参照)には、入力部10を介して、通信ネットワーク4(図2参照)内のノード2や、ネットワーク管理装置(不図示)等から、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300が入力情報として入力され、入力情報処理部21の処理により、記憶部40内に記憶されているものとする。また、ここでフロー情報300には、全てのフローのフロー情報300ではなく、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」、つまり、一部のフローのフロー情報300が記憶されているものとして説明する。
図4に示すように、まず、フロー経路変更計算装置1の最大リンク使用率計算部22は、フローの経路変更回数のパラメータ(フロー経路変更回数)nを「0」に初期化(n=0)する(ステップS10)。
なお、このフロー経路変更回数nは、フロー経路変更計算装置1が処理結果として出力する変更順番を示すものであり、n=1のときが1回目の経路変更、n=2のときが2回目の経路変更等となる。そして、最大リンク使用率計算部22が、後記するステップS16において決定した変更対象となるフローとその変更先経路についての情報に対応付けて、このフロー経路変更回数nの情報が記憶される。
次に、最大リンク使用率計算部22は、トポロジ情報100、リンク情報200および一部のフローのフロー情報300を、記憶部40から取得する(ステップS11)。
続いて、最大リンク使用率計算部22は、取得したリンク情報200(各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量)に基づき、ネットワーク内の各リンクのリンク使用率を計算することにより、最大リンク使用率を計算する(ステップS12)。この計算により、最大リンク使用率が計算されると共に、「最大リンク使用率となるリンク」が特定される。
なお、最大リンク使用率計算部22は、計算した最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図3参照)に記憶しておく。また、最大リンク使用率計算部22は、最大リンク使用率を計算する過程で算出した、各リンクのリンク使用率についても、メモリ部30に記憶しておくようにしてもよい。
そして、最大リンク使用率計算部22は、取得した一部のフローのフロー情報300の中で、ステップS12において計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローに対し、フロー選択条件(A)「最大リンク使用率となるリンクを通らない。」、フロー選択条件(B)「経路変更により最大リンク使用率となるリンクを変更しない。」の両方を満たす経路の最短経路と、その経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算する(ステップS13)。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS13の結果、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が存在するか否かを判定する(ステップS14)。最大リンク使用率計算部22は、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が1つ以上存在する場合には(ステップS14→Yes)、次のステップS15に進む。一方、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS14→No)、ステップS17(図5参照)に進む。
ステップS15において、最大リンク使用率計算部22は、経路変更の対象となり得るフローが1つ以上存在することから、フロー経路変更回数nに「1」を追加する(n=n+1)。
続いて、最大リンク使用率計算部22は、ステップS13(または後記するステップS17(図5参照))において計算した1つ以上のフローの中で、フローをその経路に変更した場合、つまり、計算したフローそれぞれを変更先経路に変更した場合における最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路とを抽出する(ステップS16)。これにより、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)において経路変更の対象となるフローとその変更先経路、その経路に変更した場合の最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)が計算される。
なお、最大リンク使用率計算部22は、抽出したフローとその変更先経路の組み合わせが1つの場合は、その抽出したフローと変更先経路の組み合わせを、その時点のフロー経路変更回数n(n回目の経路変更時)における変更対象となるフローとその変更先経路として決定する。また、最大リンク使用率計算部22は、抽出したフローとその変更先経路の組み合わせが複数ある場合には、その時点のフロー経路変更回数n(n回目の経路変更時)における変更対象となるフローとその変更先経路との組み合わせをその複数の中からランダムに1つ決定する。
また、最大リンク使用率計算部22は、ステップS16において決定したフローとその変更先経路の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図3参照)に記憶しておく。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS12に戻り、ステップS16で決定したフローが、最大リンク使用率が最小値となる変更先経路に変更されたものとして、最大リンク使用率を(再)計算する。
なお、最大リンク使用率計算部22は、(再)計算した最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図3参照)に記憶しておく。これにより、メモリ部30では、最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報が上書きされて更新される。また、最大リンク使用率計算部22は、最大リンク使用率を(再)計算する過程で算出した、各リンクのリンク使用率についても、メモリ部30に記憶された情報を更新して記憶しておくようにしてもよい。
そして、最大リンク使用率計算部22は、前記したステップS13の処理を再度行い、フロー選択条件(A)、(B)の両方を満たすフローを計算し、経路変更の対象となるフローとその経路が存在するか否かの判定(ステップS14)を行う。
また、最大リンク使用率計算部22は、ステップS14において、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS14→No)、ステップS17(図5参照)に進む。
図5に示すように、ステップS17において、最大リンク使用率計算部22は、取得した一部のフローのフロー情報300の中で、ステップS12(図4参照)において計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローに対し、フロー選択条件(a)「最大リンク使用率となるリンクを通らない。」、フロー選択条件(b)「経路変更することによりネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する。」の両方を満たす経路の最短経路と、その経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算する。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS17の結果、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が存在するか否かを判定する(ステップS18)。最大リンク使用率計算部22は、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が1つ以上存在する場合には(ステップS18→Yes)、次のステップS15(図4参照)に進む。なお、ステップS15以降の処理は、前記した処理と同様であるので説明を省略する。
一方、ステップS18において、フロー選択条件(a),(b)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS18→No)、ステップS19に進む。
ステップS19において、出力情報処理部23(図3参照)は、フロー経路変更回数が各n(n=1,2,…)回での経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)に相当する変更順番、最終的に経路変更を終えた経路での最大リンク使用率を、メモリ部30(図3)を参照して出力する。また、出力情報処理部23は、ステップS12において最大リンク使用率計算部22が最大リンク使用率を計算する過程で算出した各リンクのリンク使用率がメモリ部30に記憶されている場合には、その情報を同時に出力するようにしてもよい。
このようにすることにより、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1は、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」のみのフロー情報を入力情報として取得し、つまり、一部のフローのフロー情報300を利用することによって、処理負荷を削減した上で、最大リンク使用率となるリンクをできる限り変更しないようにすることにより、ネットワークの最大リンク使用率を、より低下させることが可能となる。
また、フロー経路変更計算装置1は、変更対象となるフローとその変更先経路に対応付けて、変更順番をフロー経路変更回数として出力することができる。よって、フロー経路変更計算装置が出力した変更順番に基づき、実際にフローの経路を変更する際に、MakeBeforeBreakによりフロートラヒックを無瞬断とすることができる。
なお、フロー経路変更計算装置1は、ステップS14において、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS14→No)、図5のステップS17以降の処理に進み、従来と同様の手法により、経路変更の対象となるフローとその変更先経路を計算するものとした。しかしながら、フロー経路変更計算装置1は、フロー選択条件(A),(B)の両方を満たすフローとその経路が存在しない場合に(ステップS14→No)、ステップS19に進み、計算結果を出力するようにしてもよい。
≪本実施形態の変形例≫
次に、本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aについて、図6〜図11を参照して説明する。
本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aは、図3に示したフロー経路変更計算装置1の構成および作用効果を備えた上で、さらに、処理負荷を低減させ計算時間を短縮するために、ネットワークの設定条件に関するパラメータを導入する。また、図4のステップS16において、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在する場合における、変更対象となるフローおよびその変更先経路の選択基準を導入する。これにより、最大リンク使用率が最小値となる複数のフローおよび変更先経路の組み合わせの中からランダムに選択するのではなく、この選択基準に基づいて変更対象となるフローおよび変更先経路の組み合わせを選択することができるため、最大リンク使用率をより適切な値に低下させることができる。
<変形例のフロー経路変更計算装置>
図6は、本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aの構成例を示す機能ブロック図である。図3に示したフロー経路変更計算装置1との違いは、最大リンク使用率計算部22の中に、パラメータ設定部221およびフロー/経路選択部222を備えていること、さらに、記憶部40の中に、パラメータ情報600およびフロー/経路選択基準情報700が記憶されていることである。なお、図3に示した各部と同一の機能を備える構成については、同一の名称と符号を付し、詳細な説明を省略する。
まず、パラメータ設定部221およびパラメータ情報600について説明する。
パラメータ情報600は、不図示のネットワーク管理装置等を介して予めフロー経路変更計算装置1aに記憶される情報である。フロー経路変更計算装置1aは、ネットワークの設定条件に関するパラメータを導入することにより、処理負荷を低減させて計算時間を短縮させる。
このパラメータには、例えば、以下に示す情報が設定される。
・L:フロー経路変更回数nの上限値
・M:最大リンク使用率の下限値
・S:経路変更可能なフローの帯域(トラヒック量)下限値
・α:変更先経路の制約パラメータ(経路メトリック長の制限)
「L:フロー経路変更回数nの上限値」のパラメータを設けることによる効果は、経路変更の対象となるフローが多数存在した場合に、フロー経路変更回数nの上限値を超える回数の経路変更を行わないようにし処理時間を短縮することである。また、その分の処理負荷を低減することも可能となる。
「M:最大リンク使用率の下限値」のパラメータを設けることによる効果は、ネットワークの最大リンク使用率が目標とする下限値に達した場合に、処理を終了することができるため、処理時間を短縮することができることである。また、その分の処理負荷を低減することも可能となる。
「S:経路変更可能なフローの帯域下限値」を設けることによる効果は、トラヒック量があまりに小さいフローについて経路変更を行わないことができることである。トラヒック量があまりに小さいフローについて経路変更を行っても、最大リンク使用率を低下させる効果が少ないのに加え、トラヒック量が小さいフローが大規模なネットワークにおいては多数存在する可能性が高いからである。
「α:変更先経路の制約パラメータ(経路メトリック長の制限)」を設けることによる効果は、例えば、経路メトリック長が「変更前の最短経路長+α」より小さいフローのみを経路変更の対象とすることができることである。つまり、経路メトリック長が「変更前の最短経路長+α」以上となり、あまりに経路長が長く迂回する経路を、経路変更の対象から除外することができる。
最大リンク使用率計算部22内に設けられたパラメータ設定部221は、最大リンク使用率計算部22が、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中から変更対象となるフローおよび変更先経路を選択して最大リンク使用率を低下させる処理を実行する際に、少なくとも1つ以上のパラメータを設定して処理を実行する。つまり、4つのパラメータすべてを設定してもよいし、4つのパラメータの中から1つ以上の任意のパラメータを設定し、処理を実行してもよい。
次に、フロー/経路選択部222およびフロー/経路選択基準情報700について説明する。
フロー/経路選択部222は、最大リンク使用率計算部22が、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合に、その複数のフローの中から、経路変更の対象となるフローとその変更先経路を、記憶部40に記憶されたフロー/経路選択基準情報700に基づき選択する。なお、本実施形態に係るフロー経路変更計算装置1においては、図4のステップS16において、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合には、ランダムに経路変更の対象となるフローとその変更先経路を決定するものとしているが、変形例に係るフロー経路変更計算装置1aにおいては、フロー/経路選択基準情報700に基づき、経路変更の対象となるフローとその変更先経路を決定することより、最大リンク使用率をより低下することが可能となる。
ここで、記憶部40に記憶されるフロー/経路選択基準情報700には、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合におけるフローおよび変更先経路の選択基準として、以下に示す基準が記憶される。
〔選択基準1〕(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路とその経路を通るフローを選択する。
〔選択基準2〕フロートラヒックが最大のフローとそのフローの変更経路とを選択する。
〔選択基準3〕経路変更後の各リンクのリンク使用率の最大値が最小となる経路とその経路と通るフローを選択する。
〔選択基準4〕ランダムにフローとその変更経路を選択する。
フロー/経路選択部222は、フロー/経路選択基準情報700に記憶された上記の〔選択基準1〕〜〔選択基準4〕を参照して、例えば、以下のようにしてフローとその変更先経路とを決定する。
フロー/経路選択部222は、まず、〔選択基準1〕を適用する。次に、〔選択基準1〕でも、フローとその変更経路を1つに決定できない場合に〔選択基準2〕を適用する。次に、〔選択基準1〕および〔選択基準2〕を適用しても、フローとその変更経路を1つに決定できない場合に〔選択基準3〕を適用する。次に、〔選択基準1〕、〔選択基準2〕および〔選択基準3〕を適用しても、フローとその変更経路を1つに決定できない場合に〔選択基準4〕を適用する。
図7〜図9は、フロー/経路選択部222による、フローとその変更先経路の選択処理の例を説明するための図である。フロー/経路選択部222は、フロー/経路選択基準情報700に記憶される〔選択基準1〕〜〔選択基準4〕を順に用いて、フローとその変更先経路を選択する例として3つのパターンについて例示する。
図7は、フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン1」を説明するための図である。
図7に示すように、フロー「1」(フロートラヒック:300M)、フロー「2」(フロートラヒック:200M)、フロー「3」(フロートラヒック:250M)の3本のフローが、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとして存在する。
まず、フロー/経路選択部222は、〔選択基準1〕を適用し、(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路として、フロー「2」,「3」が選択される。次に、フロー/経路選択部222は、〔選択基準2〕を適用し、フロートラヒックがより大きいフロー「3」の経路候補「3−1」が変更先経路として選ばれる。
図8は、フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン2」を説明するための図である。
図8に示すように、フロー「1」(フロートラヒック:300M)、フロー「2」(フロートラヒック:200M)の2本のフローが、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとして存在する。
まず、フロー/経路選択部222は、〔選択基準1〕を適用し、(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路として、フロー「1」,「2」が選択される。次に、フロー/経路選択部222は、〔選択基準2〕を適用し、フロートラヒックがより大きいフロー「1」が選択される。ここで、フロー「1」には、経路候補「1−1」と経路候補「1−2」の2つの経路候補が存在するため、フロー/経路選択部222は、〔選択基準3〕を適用し、経路変更後の各リンクのリンク使用率の最大値(経路候補「1−1」=350M,経路候補「1−2」=400M)が最小となる経路として、フロー「1」の経路候補「1−1」が変更先経路として選ばれる。
図9は、フローとその変更先経路の選択処理例の「パターン3」を説明するための図である。
図9に示すように、フロー「1」(フロートラヒック:200M)、フロー「2」(フロートラヒック:200M)の2本のフローが、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローとして存在する。
まず、フロー/経路選択部222は、〔選択基準1〕を適用し、(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路として、フロー「1」,「2」が選択される。次に、フロー/経路選択部222は、〔選択基準2〕を適用し、フロートラヒックが等しいためフロー「1」,「2」の両方が選択される。続いて、フロー/経路選択部222は、〔選択基準3〕を適用し、経路変更後の各リンクのリンク使用率の最大値(経路候補「1−1」=350M,経路候補「1−2」=400M、経路候補「2−1」=300M,経路候補「2−2」=250M)が最小となる経路として、フロー「2」の経路候補「2−2」が変更先経路として選ばれる。
このようにして、フロー/経路選択部222は、最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、経路変更により最大リンク使用率が最小値となるフローおよびその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合に、フロー/経路選択基準情報700を参照して最適なフローとその変更先経路とを、決定することができる。
<処理の流れ>
次に、本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aの処理の流れについて図10および図11を参照して説明する(適宜図6参照)。
図10および図11は、本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aの処理の流れを示すフローチャートである。なお、フロー経路変更計算装置1aの記憶部40(図6参照)には、入力部10を介して、通信ネットワーク4(図2参照)内のノード2や、ネットワーク管理装置(不図示)等から、トポロジ情報100、リンク情報200およびフロー情報300が入力情報として入力され、入力情報処理部21の処理により、記憶部40内に記憶されているものとする。また、ここでフロー情報300には、全てのフローのフロー情報300ではなく、「リンク使用率が所定の閾値(割合)以上となるリンクを通るフロー」、つまり、一部のフローのフロー情報300が記憶されているものとして説明する。
また、ここでは、図6に示す記憶部40内のパラメータ情報600として、「L:フロー経路変更回数nの上限値」、「M:最大リンク使用率の下限値」、「S:経路変更可能なフローの帯域下限値」、および、「α:変更先経路の制約パラメータ(経路メトリック長の制限)」の4つのパラメータが記憶されており、最大リンク使用率計算部22は、パラメータ設定部221の処理により、この4つのパラメータすべてを用いて、最大リンク使用率を低減するための処理を実行するものとする。さらに、記憶部40内のフロー/経路選択基準情報700として、前記した〔選択基準1〕〜〔選択基準4〕が記憶されているものとする。
図10に示すように、まず、フロー経路変更計算装置1aの最大リンク使用率計算部22は、フローの経路変更回数のパラメータ(フロー経路変更回数)nを「0」に初期化(n=0)する(ステップS20)。
次に、最大リンク使用率計算部22は、トポロジ情報100、リンク情報200、一部のフローのフロー情報300およびパラメータ情報600を、記憶部40から取得する(ステップS21)。
続いて、最大リンク使用率計算部22は、取得したリンク情報200(各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量)に基づき、ネットワーク内の各リンクのリンク使用率を計算することにより、最大リンク使用率を計算する(ステップS22)。この計算により、最大リンク使用率が計算されると共に、「最大リンク使用率となるリンク」が特定される。
なお、最大リンク使用率計算部22は、計算した最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図6参照)に記憶しておく。また、最大リンク使用率計算部22は、最大リンク使用率を計算する過程で算出した、各リンクのリンク使用率についても、メモリ部30に記憶しておくようにしてもよい。
次に、最大リンク使用率計算部22は、パラメータ設定部221が設定した「L:フロー経路変更回数nの上限値」に基づき、フロー経路変更回数nがフロー経路変更回数nの上限値(L)以下であるか否か(n≦L)を判定する(ステップS23)。ここで、フロー経路変更回数nがフロー経路変更回数nの上限値(L)を超える場合には(ステップS23→No)、ステップS31(図11参照)へ進む。一方、フロー経路変更回数nがフロー経路変更回数nの上限値(L)以下である場合には(ステップS23→Yes)、次のステップS24に進む。
ステップS24において、最大リンク使用率計算部22は、パラメータ設定部221が設定した「M:最大リンク使用率の下限値」に基づき、ステップS22で計算した最大リンク使用率が最大リンク使用率の下限値(M)以上であるか否か(最大リンク使用率≧M)を判定する。ここで、最大リンク使用率が最大リンク使用率の下限値(M)より低い場合は(ステップS24→No)、ステップS31(図11参照)へ進む。一方、最大リンク使用率が最大リンク使用率の下限値(M)以上である場合は(ステップS24→Yes)、次のステップS25に進む。
そして、最大リンク使用率計算部22は、取得した一部のフローのフロー情報300の中で、ステップS22において計算した最大リンク使用率となるリンクを通り、かつ、フローの帯域(フロートラヒック)が経路変更可能なフローの帯域下限値(S)以上(フロー帯域≧S)となるフローに対し、フロー選択条件(A)「最大リンク使用率となるリンクを通らない。」、フロー選択条件(B)「経路変更により最大リンク使用率となるリンクを変更しない。」、フロー選択条件(C)「経路メトリック長が『変更前の最短経路長+α(変更先経路の制約パラメータ)』より小さい」の全てを満たす経路の最短経路と、その経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算する(ステップS25)。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS25の結果、フロー選択条件(A),(B),(C)の全てを満たすフローとその経路が存在するか否かを判定する(ステップS26)。最大リンク使用率計算部22は、フロー選択条件(A),(B),(C)の全てを満たすフローとその経路が1つ以上存在する場合には(ステップS26→Yes)、次のステップS27に進む。一方、フロー選択条件(A),(B),(C)の全てを満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS26→No)、ステップS29(図11参照)に進む。
ステップS27において、最大リンク使用率計算部22は、経路変更の対象となり得るフローが1つ以上存在することから、フロー経路変更回数nに「1」を追加する(n=n+1)。
続いて、最大リンク使用率計算部22は、ステップS25(または後記するステップS29(図11参照))において計算した1つ以上のフローの中で、フローをその経路に変更した場合、つまり、計算したフローそれぞれを変更先経路に変更した場合における最大リンク使用率が最小値となるフローとその変更先経路とを抽出する(ステップS28)。これにより、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)において経路変更の対象となるフローとその変更先経路が決定され、その経路に変更した場合の最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)が計算される。
ここで、抽出したフローと変更先経路の組み合わせが複数ある場合には、最大リンク使用率計算部22は、フロー/経路選択部222の処理により、フロー/経路選択基準情報700(図6)を参照し、〔選択基準1〕〜〔選択基準4〕を順に適用することにより、変更するフローとその変更先経路とを決定する。
なお、最大リンク使用率計算部22は、ステップS28において決定したフローとその変更先経路の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図3参照)に記憶しておく。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS22に戻り、ステップS28で決定したフローが、最大リンク使用率が最小値となる変更先経路に変更されたものとして、最大リンク使用率を(再)計算する。
なお、最大リンク使用率計算部22は、(再)計算した最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報を、その時点のフロー経路変更回数nの情報に対応付けて、メモリ部30(図6参照)に記憶しておく。これにより、メモリ部30では、最大リンク使用率(および最大リンク使用率となるリンク)の情報が上書きされて更新される。また、最大リンク使用率計算部22は、最大リンク使用率を(再)計算する過程で算出した、各リンクのリンク使用率についても、メモリ部30に記憶された情報を更新して記憶しておくようにしてもよい。
続いて、最大リンク使用率計算部22は、前記したステップS23〜S26までの処理を再び行う。
そして、ステップS26において、最大リンク使用率計算部22は、フロー選択条件(A),(B),(C)の全てを満たすフローとその経路が存在しない場合には(ステップS26→No)、ステップS29(図11参照)に進む。
図11に示すように、ステップS29において、最大リンク使用率計算部22は、取得した一部のフローのフロー情報300の中で、ステップS22において計算した最大リンク使用率となるリンクを通り、かつ、フローの帯域(トラヒック量)が経路変更可能なフローの帯域下限値(S)以上(フロー帯域≧S)となるフローに対し、フロー選択条件(a)「最大リンク使用率となるリンクを通らない。」、フロー選択条件(b)「経路変更することによりネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する。」、フロー選択条件(C)「経路メトリック長が『変更前の最短経路長+α(変更先経路の制約パラメータ)』より小さい」の全てを満たす経路の最短経路と、その経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算する。
次に、最大リンク使用率計算部22は、ステップS29の結果、フロー選択条件(a),(b),(C)の全てを満たすフローとその経路が存在するか否かを判定する(ステップS30)。最大リンク使用率計算部22は、フロー選択条件(a),(b),(C)の全てを満たすフローとその経路が1つ以上存在する場合には(ステップS30→Yes)、次のステップS27(図10参照)に進む。なお、ステップS27以降の処理は、前記した処理と同様であるので説明を省略する。
一方、ステップS30においてフロー選択条件(a),(b),(C)の全てを満たすフローとその経路が存在しない場合(ステップS30→No)、ステップS23→Noの場合、ステップS24→Noの場合において、最大リンク使用率計算部22は、ステップS31に進む。
ステップS31において、出力情報処理部23(図6参照)は、フロー経路変更回数が各n(n=1,2,…)回での経路変更の対象となるフローとその変更先経路、フロー経路変更回数n(n=1,2,…)に相当する変更順番、最終的に経路変更を終えた経路での最大リンク使用率をメモリ部30(図6)を参照して出力する。また、出力情報処理部23は、ステップS22において最大リンク使用率計算部22が最大リンク使用率を計算する過程で算出した各リンクのリンク使用率がメモリ部30に記憶されている場合には、その情報を同時に出力するようにしてもよい。
このようにすることにより、本実施形態の変形例に係るフロー経路変更計算装置1aは、フロー経路変更計算装置1の効果に加え、ネットワークの設定条件に関するパラメータを導入することにより、処理負荷を低減させて計算時間を短縮することができる。また、フロー経路変更計算装置1aは、最大リンク使用率が最小値となる複数のフローの中から、より最大リンク使用率を低下するのに適したフローとその変更先経路の組み合わせを選択することが可能となる。
1,1a フロー経路変更計算装置
2 ノード
3 リンク
4 通信ネットワーク
10 入力部
20 制御部
21 入力情報処理部
22 最大リンク使用率計算部
23 出力情報処理部
30 メモリ部
40 記憶部
50 出力部
100 トポロジ情報
200 リンク情報
221 パラメータ設定部
222 フロー/経路選択部
300 フロー情報
400 フローの経路変更後のリンク情報
500 経路変更後のフロー情報
600 パラメータ情報
700 フロー/経路選択基準情報
1000 ネットワークシステム

Claims (5)

  1. 複数のノードと前記複数のノード間を接続する複数のリンクとを備えるネットワーク内を流れるフローのうち、変更対象のフローに対する変更先経路を演算するフロー経路変更計算装置であって、
    前記フロー経路変更計算装置は、記憶部と、最大リンク使用率計算部と、出力情報処理部と、を備え、
    前記記憶部には、(1)前記ノード間の接続関係を示すトポロジ情報、(2)前記リンクを経由する際のコストを示すリンクメトリック、各リンクの最大帯域および各リンクのリンクトラヒック量を含むリンク情報、および、(3)リンク使用率が所定の閾値以上となるリンクを通る前記フローのフロー経路とそのトラヒック量を含むフロー情報、が記憶され、
    前記最大リンク使用率計算部は、
    前記各リンクの最大帯域および前記各リンクのリンクトラヒック量に基づき、前記ネットワーク内の各リンクの前記リンク使用率を計算して、最大リンク使用率および当該最大リンク使用率となるリンクを取得し、
    当該取得した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、次の(条件A)および(条件B)
    (条件A)当該最大リンク使用率となるリンクを通らない、
    (条件B)経路変更により最大リンク使用率となるリンクを変更しない、
    を満たすフローの最短経路と、当該最短経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算し、当該最大リンク使用率が最小値となるフローを変更対象のフローとし、当該変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせを決定し、
    当該計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記変更対象のフローとして決定したフロー以外のフローに対し、前記(条件A)および(条件B)を満たし、前記計算した最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせの決定処理を、前記(条件A)および(条件B)を満たす前記フローとその変更先経路の組み合わせが存在しなくなるまで繰り返し、
    前記出力情報処理部は、前記決定された変更対象のフローとその変更先経路、および、前記計算した最大リンク使用率を出力すること
    を特徴とするフロー経路変更計算装置。
  2. 前記最大リンク使用率計算部は、
    前記(条件A)および(条件B)を満たす前記フローとその変更先経路の組み合わせが存在しない場合に、次の(条件a)および(条件b)
    (条件a)当該最大リンク使用率となるリンクを通らない、
    (条件b)経路変更により前記ネットワーク全体の最大リンク使用率が低下する、
    を満たすフローの最短経路と、当該最短経路に変更した場合の最大リンク使用率を計算し、当該最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路との組み合わせを決定し、
    当該計算した最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記変更対象のフローとして決定したフロー以外のフローに対し、前記(条件a)および(条件b)を満たし、前記計算した最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせの決定処理を、前記(条件a)および(条件b)を満たす前記フローとその変更先経路との組み合わせが存在しなくなるまで繰り返すこと
    を特徴とする請求項1に記載のフロー経路変更計算装置。
  3. 前記最大リンク使用率計算部は、
    前記変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせを決定する度に、当該組み合わせに対応付けてその決定順で示される前記フローの変更順番をフロー経路変更回数として前記記憶部に記憶し、
    前記出力情報処理部は、前記決定された変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせを、前記フロー経路変更回数に対応付けて出力すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のフロー経路変更計算装置。
  4. 前記記憶部には、さらに、前記変更対象のフローおよびその変更先経路を決定する計算を実行する際に計算負荷を低減するためのパラメータ情報として、前記フロー経路変更回数の上限値、前記最大リンク使用率の下限値、経路変更の対象となるフローの帯域下限値、変更先経路の経路メトリック長に関する制約パラメータの少なくとも1つが記憶されており、
    前記最大リンク使用率計算部は、
    前記パラメータ情報の少なくとも1つを設定して、前記変更対象のフローおよびその変更先経路を計算すること
    を特徴とする請求項3に記載のフロー経路変更計算装置。
  5. 前記最大リンク使用率計算部は、
    前記最大リンク使用率となるリンクを通るフローの中で、前記(条件A)および(条件B)、または、前記(条件a)および(条件b)を満たし、経路変更により前記最大リンク使用率が最小値となる変更対象のフローとその変更先経路の組み合わせが複数存在した場合に、以下の選択基準1〜4を順に適応して、前記変更対象のフローとその変更先経路とを決定すること
    (選択基準1)(経路変更後の経路長−経路変更前の経路長)が最小となる経路とその経路を通るフローを選択する、
    (選択基準2)フロートラヒックが最大のフローとそのフローの変更経路とを選択する、
    (選択基準3)経路変更後の各リンクのリンク使用率の最大値が最小となる経路とその経路を通るフローを選択する、
    (選択基準4)ランダムにフローとその変更経路を選択する、
    を特徴とする請求項2に記載のフロー経路変更計算装置。
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