JP6006023B2 - 特許明細書分析表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示する際に好適な特許明細書分析表示装置、特許明細書分析システムに関する。
従来、短時間で特許明細書のチェックを行うことを目的とするものであって、特に、クレーム数を極力小さく抑える場合においても、かかる中間概念の記載を含めてより簡単に、かつ権利範囲や特許率をも考慮してチェックすることができ、さらには明細書の記載の方向性そのものを中間概念をも含めて容易にチェックすることができる明細書分析表示装置が特許文献1に開示されている。
また、特許明細書における特許請求の範囲に定義された発明の限定度合をカウントして表示することが可能な特許明細書分析表示装置が特許文献2に開示されている。
特開2006−155151号公報 特願2008−110211号公報
本発明は、特許明細書における特許請求の範囲に定義された発明の限定度合をカウントして表示することが可能な特許明細書分析表示装置について、更に高精度に発明の限定度合いを表示することを目的とする。
請求項1記載の特許明細書分析表示装置は、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、電子データ化された特許明細書における特許請求の範囲の記載から抽出された文字列から格成分を抽出する抽出手段を備え、上記抽出手段は、以下の形態素Z(場合に、〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で)のいずれかを含む節を検出した場合には、A、Bが名詞又は名詞節とした場合に、「AがBを(動詞)+Z」という記載で、且つAが当該記載よりも上段で既に定義されている場合には、当該記載をまとめて1格成分として抽出し、Aが当該記載よりも上段で未だ定義されていない場合には、Aと、Bとを互いに別々の格成分として抽出することを特徴とする。
請求項12記載の特許明細書分析表示プログラムは、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示プログラムにおいて、電子データ化された特許明細書における特許請求の範囲の記載から抽出された文字列から格成分を抽出する抽出ステップとを有し、上記抽出ステップでは、以下の形態素Z(場合に、〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で)のいずれかを含む節を検出した場合には、A、Bが名詞又は名詞節とした場合に、「AがBを(動詞)+Z」という記載で、且つAが当該記載よりも上段で既に定義されている場合には、当該記載をまとめて1格成分として抽出し、Aが当該記載よりも上段で未だ定義されていない場合には、Aと、Bとを互いに別々の格成分として抽出することをコンピュータに実行させることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明では、特許明細書における特許請求の範囲に定義された発明の限定度合としての格成分を高精度に抽出することが可能となる。
格成分について説明するための図である。 格成分について説明するための他の図である。 本発明の効果について説明するための図である。 最小抽出単位を格成分とした数値化方法による、技術的範囲の測定数値に対する技術的範囲捕捉成功/失敗と関係を示す図である。 スケルトン表示を行う例を示す図である。 一の請求項について格成分を視覚的に示す図である。 一の請求項について格成分を視覚的に示す他の図である。 視覚化表示の他の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態として、特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示する明細書分析表示装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1実施形態
本発明では、特許発明の技術的範囲の広さを定量化、数値化するための数値化方法における最小抽出単位として、新たに格成分を提案する。
特許請求の範囲が、各構成要素A、B、Cを「〜Aと、〜Bと、Cとを備える○○装置(方法)」と列挙することにより定義する、いわゆる要件列挙方式で記載されていることを前提としたとき、各構成要素A、B、Cには、動詞句が係り受けする。即ち、各構成要素A、B、Cを主語としたとき、これらにはそれぞれ動詞句が係り受けし、主語と述語とからなる文を成立させることができる。これら動詞句における動詞は、述語として文を形成するにあたり、自らの表す動き、状態、関係を実現させるために、どのような名詞句の組み合わせを取るかが基本的に決まっている。動詞が自らの帯びている語彙的意味の類的なあり方に応じて、文の形成に必要な名詞句の組み合わせを選択的に要求する働きを、動詞の格支配と仮称するならば、動詞により文の成分として要求された名詞句は、動詞を補足する上での格成分ということができる。
例を挙げて説明するならば、構成要素“信号生成手段”が下記のB−1)により定義されているものとする。
B−1)「ユーザの要求に応じて駆動信号を生成する信号生成手段と、〜」
このとき、「ユーザの要求に応じて駆動信号を生成する」という動詞句が信号生成手段に係り受けする。この動詞句において「生成する」という動詞の動作を実現・完成させるために、「ユーザの要求(に応じて)」、「駆動信号(を)」という名詞句を要求する働きが格支配であり、これら名詞句が格成分である。そして、「ユーザの要求(に応じて)」、「駆動信号(を)」といった名詞句が、それぞれ「生成する」という動詞に対して「動作開始条件」「対象」といった類的な関係的意味が格である。この格成分を実現している名詞句の担っている語彙的意味、またそれらの名詞句が帯びている関係的意味としての格によって形成されるものが、この動詞「生成する」により実現すべき命題の中核部分となる。上記例で言うならば “生成する”という動詞による命題を実現するための動作開始条件として、“ユーザの要求に応じて”いなければならず、さらにその対象として“駆動信号”を生成しなければならないため、これら2つが動詞による命題実現のため条件数となっている。
図1に示すように、このような動詞による命題実現のためにクリアしなければならない条件数が少ない場合を模式的に表したものである。動詞による動作開始のための条件の数が少なくなるため、命題を実現できる可能性が向上する。これに対して、図2は、動詞による命題実現のためにクリアしなければならない条件数が増加した場合を模式的に表したものであり、かかる場合には命題を実現できる可能性が低下する。
条件数が増加するほど、実際に動作が開始されるまでに条件を満たすか否かの判断のステップ数が増加することになる。各条件を満たす確率に多少の差異があることを考慮しても、この条件の判断ステップ数が増加するに従い、換言すれば条件を規定する格成分が増加するに従い、その動詞句が係り受けする構成要素Aに該当する可能性が低くなることを意味しており、その可能性の低下した分、技術的範囲が狭まることを示している。逆に、格成分数が少ない場合には、その動詞句が係り受けする構成要素Aに該当する可能性が高くなることを意味しており、その分において技術的範囲が広がることを示している。
このように格成分数(条件数)が、動詞による動作開始可能性、ひいては命題実現の可能性を支配し、これが技術的範囲の広狭に影響を及ぼすものであるから、特許請求の範囲の数値化方法の最小抽出単位を格成分として、この動詞句に含められている格成分数をカウントすることにより、技術的範囲の広さに応じた数値化を実現することができるものと考えられる。
上述したB−1)の例では、構成要素「信号生成手段」の命題を実現するための動詞「生成する」に係り受けする2つの格成分「ユーザの要求に応じて」「駆動信号を」が存在するため、格成分数が2となる。このとき、動詞「生成する」の動作開始条件を規定する「ユーザの要求に応じて」という格成分が存在しない場合には、格成分数が1となり、ユーザの要求の有無に関係なく、いつでも「駆動信号」を「生成する」ことができることになり、「信号生成手段」の命題を実現できる可能性が高くなる。これは構成要素「信号生成手段」により、侵害被疑製品の技術的要素の同一性を立証できる可能性を向上させることができることを示唆しており、かかる可能性の向上させた分が、侵害被疑製品に対する特許発明の捕捉容易性、ひいては特許発明の技術的範囲の広さに相当するものと考えられる。このため、構成要素の命題実現可能性を格成分数を介して表現することにより、技術的範囲の広さに応じた、より最適な数値化、定量化を図ることができるものと考えられる。
特許請求の範囲が、各構成要素A、B、Cを「〜Aと、〜Bと、Cとを備える○○装置(方法)」と列挙することにより定義する、いわゆる要件列挙方式で記載されていることを前提としたとき、各構成要素A、B、Cについてそれぞれ格成分数を求め、その総和を特許発明としての○○装置の格成分数とする。仮に、構成要素Aの格成分数が1、構成要素Bの格成分数が3、構成要素Cの格成分数が2とした場合に、これらにより構成される特許発明としての○○装置の格成分数は、その総和である6となる。
実際に各構成要素の格成分数を求める際に、上述したB−1)の例では、「生成する」という動詞に係り受けする格成分「ユーザの要求に応じて」「駆動信号を」を抽出することになるが、この格成分の実際の抽出作業は、「応じて」「を」等、形態素を目印にして行っていくことになる。
表1に格成分を抽出する際に、目印として参照する形態素の例を示す。
Figure 0006006023
特許請求の範囲は、B−1)のようなオーソドックスな形で定義されている場合のみならず、例えばC−1)に示すように定義される場合もある。
C−1)「第1のレンズによりスポット径を制御された光束を反射板により全反射する反射手段と、〜」
例えば、特許請求の範囲を構成する構成要素「反射手段」には、「全反射する」という動詞が係り受けする。この「全反射する」という動詞の動作開始条件を規定する格成として、「光束(を)」と、「反射板(により)」が存在することになり、先ず格成分数2をカウントすることができる。しかし、このうち一の格成分「光束」に着目した場合に、「第1のレンズによりスポット径を制御された」という動詞句がさらに係り受けしているのが分かる。あらゆる光束を「全反射する」対象として定義するよりも、むしろ条件が付加された光束を「全反射する」対象として定義した方が、技術的に限定が付加され、構成要素「反射手段」の命題実現可能性が低下する。このため、この命題実現可能性の低下分を格成分数として補正する必要が出てくる。
かかる場合には、「光束」に係り受けする動詞句「第1のレンズによりスポット径を制御される」において、「制御する」という動詞により格支配される2つの格成分「第1のレンズ(により)」、「スポット径(を)」が存在しているため、さらに格成分数2を加算する。その結果、C−1)は合計の格成分数は4となる。
なお、この特許請求の範囲の記載C−1)は、明細書作成者によっては下記のC−2)のように定義される場合もある。
C−2)「第1のレンズにより光束のスポット径を制御する光束制御手段と、かかる光束を反射板により全反射する反射手段と、〜」
このC−2)における「光束制御手段」並びに「反射手段」により形成される技術的範囲は、C−1)と実質的に同一である。C−2)では、C−1)において「光束」に係り受けする動詞句の内容を、「光束制御手段」により実現すべき命題と位置づけて定義し直している。実際にC−1)においても、定義されている「光束」を作り出すためには、何らかの手段や部材を利用することになるが、あえて「光束制御手段」を挙げて定義していないに過ぎない。このC−2)についても同様に格成分数をカウントすると、光束制御手段で格成分数2、反射手段で格成分数2で合計で格成分数4となり、C−1)と同様の結果となる。
上述のように、構成要素の命題を実現するために要求される格成分の数を介して技術的範囲の広さをカウントするものであるため、互いに記載方法や単語数が異なるものの実質的に同一の技術的範囲からなるC−1)、C−2)を同等の格成分数で表現することができる。仮に最小抽出単位を構成要素とした場合にC−1)は1、C−2)は2となり、最小抽出単位を単語とした場合にC−1)は7、C−2)は、9となることを鑑みても、この格成分数は、より好適な数値化方法の最小抽出単位になり得るものと考えられる。
なお、C−1)、C−2)の構成は、以下のC−3)により定義される場合もあり得る。
C−3)「第1のレンズにより光束のスポット径を制御する光束制御手段と、上記光束制御手段によりスポット径が制御された光束を反射板により全反射する反射手段と、〜」
このC−3)の波線部は、C−2)における「かかる光束」の部分に相当する。しかし、この波線部に記載されている動詞句の内容は、「光束制御手段」に係り受けする直線部により既に実現されてしまった命題であり、波線部の記載をあえて入れたのは「反射手段」が全反射する対象としての「光束」について解釈上の疑義が生じないようにするための確認的なものに過ぎない。このため、格成分数を計算する際に、この波線部の記載をも同様にカウントすることになれば、下線部の内容を二重カウントすることになり測定精度の悪化を招く結果となる。
このため、既に命題として実行済みの波線部の記載は、改めてカウントしないように留意することにより、クレームの記載順序や記載方法による格差に伴う格成分数のずれを解消することが可能となる。実際には、この直線部の記載と、波線部の記載とにより実現される命題が同一か否かを判断する必要がある。
最小抽出単位を格成分とした数値化方法では、特に命題の同一性を判断する際において有用なものとなる。格成分は単語と異なり、動詞により支配される性質を持つため、格成分が同一であるということは、格成分の内容に加えてこれを支配する動詞も同一でなければならないことを意味している。格成分と、これを支配する動詞の双方が同一であれば、これにより実現される命題も同一となる。このため、格成分の同一性の判断を介して、命題が同一か否かを識別することが可能となり、ひいては二重カウントか否かを容易に識別することが可能となる。また、明細書作成者間の記載方法の相違により、得られる数値に影響が及ぶこともなくなる。
なお、上述した例では、特許請求の範囲の記載が構成要件列挙型で記載されている場合を例にとり説明をしたが、他の形式で記載されていても同様にカウントすることができる。例えば、ジェプソン型で記載されていた場合には、公知部分とされる「おいて書き」の記載についても同様の方法によりカウントする。このとき、「おいて書き」の記載のカウント方法が分からない場合には、ジェプソン型から構成要件列挙型に書き換えた上でカウントするようにしてもよい。ちなみに、このジェプソン型から構成要件列挙型への書き換え方法は、従来から周知であり、例えば文献[39]において、その方法が言及されている。
また、特許請求の範囲が書き流し型で記載されていた場合も同様の手法によりカウントすることができる。例えば、C−2)が書き流し型で記載されていた場合には、以下のC−4)のようになる。
C−4)「第1のレンズにより光束のスポット径を制御し、かかる光束を反射板により全反射し、〜」
この書き流し型で記載されたC−4)は、C−2)と比較して、「光束制御手段」並びに「反射手段」の文言が抜けている点が相違するが、それ以外は同一である。「光束制御手段」並びに「反射手段」は、主語であってこれをカウントの対象とせず、あくまでこの主語に係り受けする名詞句をカウントするため、書き流し型と構成要件列挙型との間で格成分数が異なることはない。
上述の提案した数値化方法における最小抽出単位があまりに大きい場合には、特許請求の範囲中の条件や要素を正確に拾い出すことができず、逆に最小抽出単位があまりに小さい場合には、実際に測定した数値が動詞による動作開始のための条件数に対応しなくなり、却って測定の精度を悪化させてしまう。いかなる最小抽出単位が最も有効であるかは、過去の侵害訴訟の判例において特許の請求の範囲から技術的範囲がいかに解釈されてきたか、統計的なデータに基づいて決定していく必要がある。
一般に、特許発明の技術的範囲が広い場合には、侵害被疑製品を特許発明の技術的範囲に捕捉することができる確率が高くなり、特許発明の技術的範囲が狭い場合には、侵害被疑製品を特許発明の技術的範囲に捕捉することができる確率が低くなる。その結果、技術的範囲の広狭に対する侵害被疑製品の捕捉成功確率は、理想的には技術的範囲が広くなるにつれて上昇し、逆に技術的範囲が狭くなるにつれて減少する。これは、理想的な“ものさし”により測定した特許請求の範囲の文節構造体数が多ければ捕捉成功度数が多くなることを意味している。
これに対して、技術的範囲の広狭に対する侵害被疑製品の捕捉失敗確率は、理想的には技術的範囲が広くなるにつれて減少し、逆に技術的範囲が狭くなるにつれて上昇する。これは、理想的な“ものさし”により測定した特許請求の範囲の文節構造体数が多ければ捕捉失敗度数が多くなることを意味している。
このため、提案した数値化方法により特許請求の範囲を数値化表示し、この数値化された値と、侵害被疑製品に対する技術的範囲の捕捉成功(失敗)度数との関係から、その数値化方法における最小抽出単位の妥当性を、上述の如き理想的な“ものさし”と比較することにより、判断することができるものと考えられる。
提案した数値化方法により技術的範囲を数値化した結果、例えば侵害被疑製品の捕捉成功度数が低めに偏在し、逆に捕捉失敗度数が高めに偏在する場合には、理想的な“ものさし”に近く、その提案した数値化方法の最小抽出単位は、技術的範囲を数値化、定量化する上で好適なものと判断することができる。
これに対して、例えば図3に示すように、数値化方法による技術的範囲の実測値分布が、技術的範囲捕捉成功/失敗との間で、明確な関係付けを行うことができない場合には、理想的な“ものさし”からはほど遠く、その提案した数値化方法の最小抽出単位は、技術的範囲を数値化、定量化する上で不適合なものであると判断することができる。
一般に理想的なスケールを持った“ものさし”では、対象物を測定した結果、測定対象物を他との間で正確に見分けることができ、しかもその外延を明確化することができる。即ち、提案した数値化方法を利用しても測定対象物を他との間で見分けることができなければ、かかる測定対象物を測定する上で、そのスケールは、理想的な“ものさし”と比較してふさわしいものとは言えない。
実際の特許侵害訴訟の対象となった特許発明について、提案した数値化方法の最小抽出単位としての格成分により、その技術的範囲の広さを数値化し、これと技術的範囲捕捉成功度数/解析件数との関係を調査した。
実際の調査は、裁判所ホームページの知的財産裁判例集において、判例検索システムを活用し、権利種別“特許権”、訴訟類型“民事訴訟”の条件の下で検索を行ったところ、2006年8月11日現在で882件ヒットした。その中から、特許権侵害差止等請求事件、特許権侵害損害賠償請求事件の地方裁判決を直近の案件から計199件抽出した。東京高裁判決は、調査対象から除外した。また数値限定により技術的範囲の広狭が左右されやすい化学、材料、生物等の分野の判決例は調査対象から除外することとし、あくまでステップ数や動作数、条件数により技術的範囲の広狭が主に支配されると考えられる電気、機械分野を調査対象の中心に据えた。また、平成5年以降に提起された特許侵害訴訟を調査対象とし、それ以前に提起された判決例は除外している。
次に、このような条件の下で抽出した199件に亘る各裁判例について、その内容を精査し、侵害被疑製品(イ号物件)に対して実際に直接侵害である旨を主張している本件特許発明の特許請求の範囲を特定する。そして、この特定した特許請求の範囲の記載に対して、各最小抽出単位を格成分とした数値化方法により、その技術的範囲の数値化を行う。この数値化は、上述した各最小抽出単位によるカウント方法に則って、著者による手作業で行った。
さらに、判決文における「当裁判所の判断」の欄を精査し、侵害被疑製品が本件特許発明の技術的範囲に含まれているか否かの見解を読み取った。これにより、実際に数値化方法で技術的範囲の広さを数値化した特許請求の範囲により、侵害被疑製品を技術的範囲内に捕捉できたか否かを判断することにした。ちなみに侵害被疑製品を本件特許発明の技術的範囲内に捉えることができても、被告による各種抗弁(例えば、権利濫用の抗弁等)や無効審判の認容審決等により実際に侵害訴訟には負けてしまう場合もあるが、かかる要素までを考慮に入れると調査の目的から逸脱してしまう可能性がある。なお、このような各種抗弁を考慮に入れなければ、技術的範囲の広狭の議論につながらないという見方もあるが、本発明の目的は、数値化した特許請求の範囲と技術低範囲の広狭との間にある程度の対応関係があることを確認することを目的としており、技術的範囲を誤差なく測定する理想的な「ものさし」までを提案することを目的としていない。このため、本調査では、あくまで特許発明の侵害被疑製品に対する技術的範囲捕捉成功/失敗か、のみに着目して判断することにしている。
図4は、最小抽出単位を格成分とした数値化方法による、技術的範囲の測定数値に対する技術的範囲捕捉成功/失敗と関係を示している。即ち、この図4は、横軸を格成分数とし、縦軸を成功率として表したものである。格成分数が小さいほど成功度数並びに成功率が高くなり、逆に格成分数が大きいほど成功率が低くなる傾向は示されていた。
因みに、数値化方法の最小抽出単位(総格成分数)に対する技術的範囲捕捉成功度数分布と失敗度数分布の有意差を統計的に判断するために、t検定を行ったところ、5.69であった。
また、本発明では、新たに補正度合という着想を提出する。補正度合とは、一の特許請求の範囲につき、出願から権利化に至る権利形成過程において、当初の請求の範囲の記載から実際に改変が行われた格成分数(以下、改変格成分数という。)を示すものである。
ここでいう格成分数の改変は、あくまで新規性、進歩性欠如の拒絶理由通知を受けて、あくまで引用文献との間で構成上の差異を見出し、特許性を向上させることを目的とした特許請求の範囲への補正に基づくものである。しかし、自発的な補正や、記載不備を解消するための補正によるものも含めてもよい。
一般に、新規性、進歩性欠如の拒絶理由通知を受けて、特許請求の範囲に対して行われる補正は、構成要件を限定することにより、実際の総格成分数がC(0)からC(n)に至るまで増加する傾向にある。その理由として、進歩性欠如の拒絶理由通知に対して特許請求の範囲の記載を補正する場合、通常は構成要件を追加することになり、その追加した分について動作条件が増加し、ひいては総格成分数が増加することになる。このため、権利化時における特許請求の範囲の格成分数と、当初明細書における当該特許請求の範囲の格成分数との差分値が、補正度合に相当するものとする。
これに加えて、この補正度合は、以下に説明する概念も含む。
出願人は、調査した先行技術と抵触しない範囲においてできるだけ広い権利を取得することができるように、特許請求の範囲を記載していくことになるが、これがにおけるC(0)に反映されることになる。どれだけ出願人が広い権利を取得しようと意図していたかは、このC(0)に反映される。このC(0)はいわば出願人が広い権利の取得を期待していた期待値である。
しかしながら審査段階において拒絶理由通知を受けた場合には、これに対応するために特許請求の範囲の記載に構成要件を追加することを余儀なく行わざるを得ず、その結果、構成要件の限定が係る分、技術的範囲が狭くなり、格成分数の改変が生じる。その結果、最終的に特許請求の範囲の記載を状態C(n)まで限定した場合に、このC(n)は現実に先行文献との差異があり特許を取得することができる現実値と考えることができる。このC(0)とC(n)との差分が改変格成分数であるとしたとき、期待値が大きい場合には、この改変された格成分数も大きくなる。即ち、出願人が、先行技術と抵触しない範囲においてできるだけ広い権利を取得しようとする期待値は、この改変格成分数として反映されると考えることも可能となる。
ここで改変格成分数が権利の活用性に対して与える影響について考えてみる。特に進歩性等欠如の拒絶理由に対して余儀なく補正し、構成要件を追加し、又は入れ替えることにより、特許請求の範囲の記載を改変する際には、権利の活用性よりもむしろ特許性そのものに焦点が移りがちになることから、最終的に権利化された特許請求の範囲C(n)の技術的範囲が、予め想定した権利活用の場面と大きく異なる場合があり、これが却って構成要件の充足性を阻害する原因となることもある。
一方、進歩性等欠如の拒絶理由通知を受けて特許請求の範囲の記載を補正することにより、引用文献と構成上の差異がはっきりと見出されて発明の技術的特徴がより明確化され、これにより権利活用の方向性も明確化することができ、ひいては実際の活用の場面において構成要件の充足性が向上する可能性も否定できない。
このため、改変された格成分数も有用特許性を支配する可能性があることから、これを意思決定パラメータに含めるものとして考えるものとする。
なお、本発明では、カウントされた総格成分数を分母とした特許明細書評価値を更に表示するようにしてもよい。このときの評価値APIを、API=定数/総格成分数、と定義する。この少なくとも、この総格成分数は、大きいほど構成要件の充足性が低下することから、小さいほうが望ましい。このため、総格成分数を分母とした評価値としている。

第2実施形態(今回追加分)
格成分を抽出する際には、下記のルールに基づくものであってもよい。この第2実施形態において、下線部が続いているところが、抽出すべき1格成分に相当する。また、以下において「カウント」と称しているのは、格成分としてカウントするか否か
(1)「場合に」のルール
以下の形態素Z(場合に、〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で、等)のいずれかを含む節を検出した場合には、A、B、Cが名詞又は名詞節とした場合に、
「AがBを(動詞)+Z」という記載で、且つAが当該記載よりも上段で既に定義されている場合には、当該記載をまとめて1格成分として抽出し、Aが当該記載よりも上段で未だ定義されていない場合には、Aと、Bとを互いに別々の格成分として抽出する。
(1−1) Aが上段で既に登場している場合
AがBを出力する場合に→まとめて1格成分。
に対するAがBを出力する場合に→あくまでB+Aのところで1格成分数とし、Cは別個にカウント。
なぜならば、以下の(2)の主語のルールに倣うためである。
例)前記総データ量が前記記録メディアの空き容量を超える場合に→1格成分数。「前記総データ量」は既に出てきているため、ノーカウント。
(1−2) Aが上段で既に未登場の場合
Bを出力する場合に→2格成分。
に対するBを出力する場合に→A、B、Cは別個にカウント。
なぜならば(2)の主語のルールに倣うため。
例えば、たねセルのサイズしきい値以下である場合に→1格成分数。「たねセルのサイズ」は初めて出てきたものであるため、格成分としてカウント。
(1−3) 他の例
△△(動詞)としたとき
Bを△△する場合に→2格成分。
Bを△△する場合に→1格成分。
Aが△△する場合に→1格成分。
Aに△△する場合に→1格成分。
Aが前段で出ていても出ていなくても1格成分数。例えば、前記異常が検出された場合→1格成分数
(1−4) (1)場合のルールを当てはめる他のケースとして、例えば以下の形態素がある。
「〜場合に」=〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜と(入力されると=入力された場合)、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で、〜か=(〜するか否か)、〜も(場合にも)。
なお、これらの形態素に「には」が付く場合も同様
(1−5) (1−4)の例
上記データポインタの追加もしくは削除伴う処理結果を取り消す際に、=上記データポインタの追加もしくは削除伴う処理結果の取り消しがあった場合に。つまり、場合のルールに従い2格成分である。
(2)主語のルール
(2−1) 原則ルール
前記●●が〜 ●●が構成要素であってもなくてもカウントしない・・・(A)。
○○が〜 ○○は初めて出てくるものであることからカウント・・・(B)。
このとき(A)であっても
●●が〜する (能動態)→カウントしない。なぜならば、既に定義した構成の限定に過ぎないため。
●●が〜される(受動態)→カウントする。なぜならば●●を〜する、と同意であり、処理動作が1回実行されることとなる。つまり、座標入力されていることに係る処理の処理状態座標入力することに係る処理の処理状態→座標と処理状態を別個にカウントする。2格成分数。
例えば、座標入力されていることに係る処理の処理状態→座標が初めて出てきたものであるから(B)パターン。
例えば、上記コード変換が行われた文字データを→コード変換は以前出てきたから(A)パターン。但し、動詞が「行われた」で受身形となっているため、「上記コード変換」は格成分としてカウントする。
例えば、前記排気バルブが開閉して →排気バルブは以前出てきたから(A)パターン。動詞が「開閉し」が能動形となっているため、「前記排気バルブ」は格成分としてカウントしない。
例えば、上記第1のエラーが検出されたとき→主語のルールによれば、「検出された」が受身形だから1格成分数、といいたいとろだが、場合のルールが生きるため、まとめて1格成分数。
(2−2) 主語が複数のケースであっても、上述したルールに則る。
例えば、AとBがCとなっている→AとBが新規に出てくるものであれば、3格成分、既に出ているものであれば、1格成分(AとBをまとめてひとつの主語と考え、それがCとなっている、と考えれば1格成分)。例えば、AとBがCとされている→受身形だから、個々にカウント。3格成分。
(3)構成要素のルール
(3−1) 特許請求の範囲の記載パターンと格成分数
(3-1-1) 物の発明のパターン
全く同一の発明を書き流し方式と、要件列挙方式とで定義すると下記になる。
・書き流し方式
〜A〜Bが配設され、
このBからなるが接続され、
上記が取り付けられてなること
を特徴とする装置」
=7格成分数

・要件列挙方式
「〜Aと、
上記Aに配設された〜Bと、
上記Bに接続された、からなるCと、
上記Cに取り付けられたDとを備えること
を特徴とする装置」
4格成分数 (構成要素を入れると8格成分数)

要件列挙方式のように、構成要素をカウントしない場合、下線の格成分数は、それぞれの構成要素が実現しようとする命題実現に必要な条件数になる。書き流し方式では、下線の格成分数は、発明の名称(装置)で実現しようとする命題に必要な条件数となる。
要件列挙方式においても、求めようとする格成分数の命題実現対象は、構成要素ではなく、究極的にはやはり装置になるのではないか。つまり、要件列挙方式において、装置は、A、B、C,Dを備える。そして、各A、B、C、Dがそれぞれの命題を実現する、と考えればよいのでは。「装置は、A、B、C,Dを備える。」と定義したときに、ちょうどA、B、C,Dが「装置」という主語が「備える」という命題を実現する上で必要な条件となるため、格成分となる。
このため、要件列挙方式でもそれぞれ構成要素を格成分としてカウントするとしても、論理的なつじつまは合う。また要件列挙方式と、書き流し方式の方式上の差異による格差も解消できる。
(3-1-2) 方法の発明のパターン
・要件列挙方式
「〜A工程と、
上記A工程により製造されたを添加するB工程と、
上記B工程において得られたで加熱するC工程と、
上記C工程において加熱されたを抽出するD工程とを有すること
を特徴とする方法」
黄色:8 緑:4 合計12

・書き流し方式
A工程により製造されたを添加し、
上記B工程において得られたで加熱し、
上記C工程において加熱されたを抽出すること
を特徴とする方法」
黄色:8 緑:0 合計8
構成要素(A〜D工程)は、単なる名前だけであり、特に発明特定事項の限定にはなっていない。構成要素を格成分に入れてしまうと帰って方式間の格差が目立ってしまう。
上述した検討から、方法の発明において出てくる構成要素(工程やステップ)は格成分に含めないものとしてもよい。また、方法の発明において出てくる構成要素(工程やステップ)は格成分に含めるようにしてもよい。また、物の発明において出てくる構成要素を格成分に含めてカウントするようにしてもよい。また、物の発明において出てくる構成要素を格成分に含めないようにしてもよい。
物は構成要件列挙方式を書き流し方式に変換する際においても、必ず構成要素を入れなければならない(物の発明の構成要素は目に見えて具現化される)。方法は、構成要件列挙方式から書き流し方式に変換する上で特に工程名やステップ名を入れなくても十分通じる(なぜならば、方法の各工程は、目に見えない概念的なもの。発明の構成に現れてこない)
(3−2) 発明の名称(=請求項の末尾に出てくる名称)は、格成分としてカウントしない。
(4)二重定義のルール
既に前段で定義された発明特定事項や、前段で定義されている処理動作について、後段で再度カウントすると二重カウントとなってしまう。このため後段ではカウントしない。
(4−1)「前記登録手段による登録」→前記登録手段は既に登録を行うというアクションが前段で終わっている場合、前記登録手段による登録とせずに、前記登録手段による登録とする。
他の例)1回目で「そのキーを含むインデクスエントリ」が登場してきた→含む、が動詞であり、それぞれ分けて格成分をカウント。次に2回目で「そのキーを含むインデクスエントリ」が登場してきた→前回出てきたものを受けているため、分けてカウントせず、まとめて1格成分。
(4−2) 「を作成するイメージ化手段と、前記イメージ化手段により作成されたAを〜」
前記イメージ化手段により作成されたAを」については、純粋に格成分数をカウントしようとした場合に、「前記イメージ化手段により」の部分は、形態素「により」が存在するため、「前記イメージ化手段」は独立してカウントできる格成分数といえる。しかしながら、イメージ化手段によりAを作成するという命題は既に前段で実現されてしまっている。このため、「前記イメージ化手段」をもう一度ここでカウントしてしまうこととなれば、それはAを作成するという命題が再度実現されてしまうため、二重に命題を実現してしまうこととなる。命題の実現性に応じたパラメータとしての格成分数の趣旨から外れてしまうため、ここでは、「前記イメージ化手段により作成された」という文言を「Aを」に合体させて1格成分数とする。
(4−3) 「印刷物の印刷枚数を算出する印刷枚数算出手段と、上記印刷枚数算出手段により算出された印刷枚数を〜」
上記印刷枚数算出手段により算出された印刷枚数を〜」については、純粋に格成分数をカウントしようとした場合に、「上記印刷枚数算出手段により」の部分は、形態素「により」が存在するため、「上記印刷枚数算出手段」は独立してカウントできる格成分数といえる。しかしながら、上記印刷枚数算出手段により印刷枚数を算出するという命題は既に前段で実現されてしまっている。このため、「上記印刷枚数算出手段」をもう一度ここでカウントしてしまうこととなれば、それは印刷枚数を算出するという命題が再度実現されてしまうため、二重に命題を実現してしまうこととなる。命題の実現性に応じたパラメータとしての格成分数の趣旨から外れてしまうため、ここでは、「上記印刷枚数算出手段により算出された」という文言を「印刷枚数を」に合体させて1格成分数とする。
(5)副詞のルール
(5−1)動詞に直接係りうけする副詞はカウントしない。
例えば「 〜的に、〜自在に、〜可能に、〜不能に、〜不可に」等、また、「〜より速く移動すること」、のように動詞「移動する」に係り受けする副詞「速く」も同様にカウントしない。また、「〜的」等のような文言を用いることなく例えば「一体に」等のように一言で副詞としての機能を発揮するものもある。
(5−2) 〜ように
例えば、「(動詞)ように(動詞)」のパターン(EX 中止するように指示する)では、副詞とみなしてカウントしない。
(6)動名詞のルール
動名詞は、動詞と一体化させ、格成分としてカウントしない。ここでいう動名詞の例は下記である。
(6−1)Aを司る=Aをする、と同意。例えば、制御を司る→制御する、と同意である。つまり動名詞だから「制御を」のところでは格成分をノーカウントする。
(6−2)●●を行う=●●する、と同意。
通信を行う→通信する と同意。「通信を」のところで格成分をカウントしない。制御を行う→動名詞(なぜならば、制御する、と同義)。「行う」以外には、「実行する」等がある。
(6−3) 一言で動作を表現できるもの、例えば、「協働」、「動作」等。協働により=協働することにより、と同意だからカウントせず。開閉弁動作により→開閉弁動作することにより、と同意だからカウントせず。「協働により」は、「協働することにより」と同義。協働は名詞であるから通常は格成分を構成する。しかし、これを後者のように定義した場合には、格成分としてカウントされない。
このような誤差を無くすためには、動名詞+により(等のような形態素)の場合には、カウントしないようにする。動名詞とは、協働などのような動きを一言で表すことができる名詞も意味する。
(7)形容詞のルール
名詞に係り受けする形容詞や、名詞を修飾する修飾語は、名詞と一体化させて考え、特に独立してカウントすることはしない。
例えば「〜の大きな取っ手を」、「〜によって入力可能な情報を」。何れも名詞に係りうけするものであるからまとめて1格成分とする。
例えば、「着脱可能な記憶媒体」、「〜可能な」という形容詞が名詞「記憶媒体」に係りうけするが、このような形容詞も名詞と合わせて1格成分数とする。
例えば、「〜のような(名詞)」→このパターンも同様に名詞と形容詞を含めて1格成分数とする。
例えば、「の+状態動詞(形容詞も含む)」このケースでは、状態動詞のところで1回区切る。例えば、「2段階の周波数の異なる駆動パルス信号
(8)形態素の各ルール1(分断する形態素)
以下のA、Bは名詞又は名詞句とする。また「区切る」、「分断する」の意味は、A、Bをともに合わせて1格成分数とせず、互いに、A、B独立した格成分として抽出し、2格成分数としてカウントするという意味である。
(8−1)「〜と」、「〜に」、「〜を」、「〜で」→必ず区切る原則的な形態素である。
(8−2)「Aによって、〜」→方法、手段を示す格成分であることから、分断して1格成分としてカウント。
(8−3)「〜へ」、「〜への」
作用を及ぼす対象や行き先を規定する格成分になるため、分断する。「〜への」→「〜に対する」、と同義であり、 「としての」とか「の」のような内部的なものではなく、他の構成要素に対する影響を及ぼすものである。このため、分断する。
(8−4)「に用いる」→用途を示す格成分である。この場合も分断する。
(8−5)「を示す」→ひとまとめにせず、分断する。なぜならば、「示す」は、表示する と同意であり、動詞でもある。
(8−6)「により」→手段を表す格成分、分断して1格成分としてカウントする。
(8−7)「のために」→目的を表す格成分、分断して1格成分としてカウントする。
(8−8)「AのためのB」も上述と同様である。「名詞句 のための 名詞句 」→〜のために=目的を表す格成分 2格成分数。「動詞 ための 名詞句 」→名詞句のみカウント、動詞はカウントしない。このため、1格成分である。例えば、「制御するための制御器を」→「制御するための」のところでは格成分数をカウントしない。
(8−9)「との間」→両者の間にあるものを特定する格成分。分断して1格成分としてカウントする。例えば、「AとBとの間におけるC」→A、B、Cそれぞれ独立して格成分数をカウント、この場合は3格成分数。
(8−10)「を含む」→AとBは分断する。 (一格成分に含まない)
(8−11)「との」→「と」と同格であるから分断する。例えば、前記構造化文書の要素前記第1表示文書の要素との対応関係
AとBとのC→A、B、Cそれぞれカウント
(8−12)「から」、「からの」、「からなる」→始点と終点の経路、或いは原料示す格成分であるから分断する。
(8−13)「〜にて」、→において、と同意だから区切る。
(8−14)「に伴う」→に応じて、と同意だから区切る。
(9)形態素の各ルール(一体化する形態素)
以下のA、Bは名詞又は名詞句とする。また「一体化する」の意味は、互いにA、B独立した格成分として抽出せず、A、Bをともに合わせて1格成分数として抽出するという意味である。
(9−1)「には」
(1)の「場合」、「とき」等にくっついている場合が大半。これらと一体化して考えればOK。
それ以外では、「上記●●手段には、」とか「前記取付体には」等のように直接名詞にくっつく場合がある。このような場合は、「には」=「に」と翻訳して考えてよく、「には」がくっついた名詞は、格成分として抽出する。
(9−2)「とする」
“とする”→“の”と同格。例えば、対戦相手とする端末対戦相手の端末に置換できる。つまり、“とする”→“の”と同格であることから、これを対戦相手とする端末とせずに、対戦相手とする端末とする。
(9−3)「Aに係るB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)。
(9−4)「Aに関するB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)。
(9−5)「AにおけるB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)→同様に「〜において」:(場所、状態)を表す格であることから分断する。
(9−6)「AとなるB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)。例えば、検索対象となる画像の直交変換係数→「となる」は、「としての」と同意である。「としての」はまとめてひとつで考え、区切らないこととなっているため、同様にここでも区切らずに一つとする。
(9−7)「AであるB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)。「〜情報である部品情報」→1格成分。単に「それは部品情報」です、といい直しているに過ぎず、特に構成要素の限定にはなっていない。
(9−8)「AでのB」→A、Bひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)。
(9−9)「Aのうち(の)B」→「の」「における」と同格という考え。A、Bひとまとめにして1格成分。但し、AとBとの間に動詞形が入る場合には分断する。例えば、電子情報の仮想画面全体のうち閲覧したい領域の位置。
(9−10)「AとしてのB」→「の」 と同格、A、Bひとまとめにして1格成分。
(9−11)「Aに係るB」→A、Bひとまとめにして1格成分。
(10)AND OR のルール
(10−1) AND
及び
→A、Bそれぞれ格成分をカウント
(10−2) OR
・A又はB、AやB、A或いはB、A若しくはB、A、Bのうちいずれか1つ、等→A、Bまとめて1格成分数。
・A、B、Cのうちいずれか2つ→A、B、Cまとめて2格成分数。(∵少なくとも2つの格成分が選択されるため、格成分数でみた場合には2となる。)。
本発明の実施方法
本発明を実施する上で、パーソナルコンピュータ(PC)を利用し、これに読み込まれたプログラムに基づいて行う。
先ず、電子データ化された特許明細書の記載から、電子データ化された特許明細書における特定の欄(特許請求の範囲の記載)に記載されている文字列を抽出する。また、この特定の欄とは、特許請求の範囲の1請求項分に相当する。
次に、抽出した文字列から格成分数をカウントする。格成分数とは、1請求項における格成分数を意味している。メインクレームの場合は、そのメインクレームが定義されている請求項から抽出した文字列からそのまま格成分数をカウントすればよいが、サブクレームの場合には、そのサブクレームが定義されている請求項から抽出した文字列からそのまま格成分数をカウントするとともに、当該サブクレームが従属するメインの請求項の格成分数をこれに加算する。
そして、カウントされた格成分数を、発明の限定度合いとして例えばディスプレイ等を介して表示する。
このとき、格成分の抽出は、表1に示すような形態素を目印にして行ってもよい。ちなみに、ここでいう表1はあくまで一例であり、他のいかなる形態素に基づいてカウントしてもよいことは勿論である。
また、格成分の抽出は、第2実施形態に基づいて行うようにしてもよい。
このとき上記カウントは、抽出された文字列において互いに重複する動作が定義されている文言を抽出し、当該抽出した文言に含まれる重複の格成分数をカウントし、カウントされた総格成分数から重複の格成分数を減算した値を、発明の限定度合いとして表示するようにしてもよい。これは上述した二重カウントを考慮したものである。
また、本発明では、補正前の特許明細書における特定の欄に記載されている文字列を抽出し、更に補正後の特許明細書における特定の欄に記載されている文字列を抽出し、補正前の特許明細書から抽出された文字列、並びに補正後の特許明細書から抽出された文字列からそれぞれ総格成分数をカウントし、カウントされた補正前の特許明細書の総格成分数と、補正後の特許明細書の総格成分数との差分を求め、これを特許請求の範囲の上述したような補正度合として表示するようにしてもよい。
また、本発明は、上述した分析表示を行うプログラムがインストールされたPC等のような装置として具体化されていてもよいし、これらをPCに実行させるためのプログラム、又はこれが記録された記録媒体として具体化されていてもよい。
また、本発明は、ネットワークシステムにおいて適用されるようにしてもよい。先ず、サーバー側において、特許明細書について格成分数を予め数値化したデータをサーバーに記憶させておく。そして、クライアント側から、所望の特許について格成分数の送信要求があった場合、当該特許の格成分数をサーバーから読み出し、これをネットワークを介してクライアント側に送るようにしてもよい。
また、クライアント側から送信要求のあった特許について未だ格成分数が求められていない場合には、サーバーは当該要求を受けた特許について格成分数をカウントし、これをネットワークを介してクライアント側に送るようにしてもよい。
格成分の抽出においては既存のあらゆるテキストマイニング技術、データマイニング技術、言語解析処理技術等を用いるようにしてもよい。そして、これらの技術を利用し、上述したルールに基づいて、分析対象の各文字列について、格成分に相当するか否かを判断し、最終的に1請求項分の格成分を特定する。そして、この特定した格成分の1請求項分の総数を求め、これを当該請求項の格成分数として出力する。
なお、本発明では、単に請求項毎の格成分数を出力するのみならず、この出力したデータを、パテントマップやグラフ、その他の評価値等、あらゆる情報に付加するようにしてもよい。
また、本発明では、請求項毎に特定した格成分を、画面上に表示し、又は印刷し、或いはデータ化するようにしてもよい。つまり、以下の実施例に示すように、請求項について特定した格成分を視覚的に把握可能なように下線やハイライト表示等を行うようにしてもよい。
また、本発明では、例えば図1に示すような、動詞による命題実現のためにクリアしなければならない条件(格成分)を模式的に画面上に表示し、又は印刷し、或いはデータ化するようにしてもよい。この図1では、構成要素を描き、そこを始点とした矢印を引く(以下、この矢印を基本矢印という。)。そして、この構成要素が動作開始のための条件を、この基本矢印に対して合流するような矢印で表示する。この条件は格成分に相当するが、この格成分から基本矢印に合流させるように引かれた矢印を、支流矢印という。その結果、構成要素から伸びた基本矢印に対して、格成分から伸びる支流矢印が合流する、スケルトンのような図が描かれることとなる。そして、この基本矢印の終端には、動詞を記入するようにしてもよい。
図5は、実際に、特許請求の範囲において「ユーザの要求に応じて駆動信号を生成する信号生成手段」と定義された信号生成手段という構成要素を実際に上述のルールに基づいて図示したものである。基本矢印の始点には、「構成要素“信号生成手段”」を描き、条件1としての格成分「ユーザの要求に応じて」と、「駆動信号を」とに対応した四角形のマスを始点とした支流矢印をこの基本矢印に合流させる。そして、この基本矢印の終端に、この信号生成手段の動詞(生成する)を記入する。ちなみに、この動詞は記入してもよいし、記入しなくてもよい。
また、本発明では、例えば図6に示すようなマッピング図を表示し、又は印刷し、或いはデータ化するようにしてもよい。
図6は、一の請求項において「“A手段”、“B手段”、“C手段”、“D手段”からなる構成要素を備える〇〇装置が定義されていた場合における模式図を示している。
この図6では、“A手段”は、条件1〜4を満たすことで自ら命題が達成され、その次に“B手段”は、かかる“A手段”により達成された命題に基づく成果物を利用して初めて自らの動作を実行でき、命題を実現することが可能となる。この成果物の利用は、例えば“B手段”に規定されている条件5等において具現化される場合もある。そして、“C手段”は、かかる“B手段”により達成された命題に基づく成果物を利用して条件6〜8をクリアして自らの命題を達成し、“D手段”も同様に“C手段”の成果物を受けて自らの命題を実現することになる。このD手段による命題の実現を終了させることにより、この請求項に係る発明である○○装置の作用効果が起きることになる。そして、この請求項に係る発明が意図する作用効果が生じるためには、これら条件1〜10からなる全部で10条件をクリアする必要がある。そして、この条件を規定しているのが格成分であることから、この発明が意図する作用効果が生じるためには、全部で10格成分必要になることが分かる。即ち、請求項に係る発明の〇〇装置の総格成分数は10である。
なお発明によっては、構成要素間の前段の2以上の構成要素でそれぞれ実現した命題の成果を後段の構成要素が利用する場合や、前段の1の構成要素が実現した命題の成果を後段の2以上の構成要素が利用する場合、さらには後段の構成要素により実現された命題の成果を再び前段の構成要素が利用して更なる命題を実現する場合等もある。かかる場合には、図7に示すように、構成要素間の命題の成果物の利用フローは、合流したり、或いは分岐したり、戻ったりすることになる。
しかし、このような場合においても、構成要素Aから順に条件を満たすように動詞による動作を実行していくことにより、最終段の構成要素Bによる命題の実現を終了させることにより、この請求項に係る発明である○○装置の作用効果が起きることになる。そして、この条件を規定している格成分は、全部で10格成分であるため、この請求項に係る発明の○○装置の総格成分数も10ということになる。即ち、構成要素間における命題の成果物の利用関係が複雑なものであっても、格成分数のカウントを通じて、技術的範囲の広さに応じた数値化を実現することができる。
また、他の例として、構成要素“情報記憶手段”が下記のC−1)により定義されているものとする。
C−1)「当該参照時刻に最も近い出力時刻が記述された画像データが格納された領域を判別するための判別情報を上記ハードディスクに記憶させる情報記憶手段と、〜」
この情報記憶手段を規定するC−1)は、一見複雑に定義されているが、その原因として、情報記憶手段に直接係り受けする「記憶する」の動詞の格成分である判別情報には、さらに「判別する」という動詞が係り受けし、さらにその格成分である領域には「格納する」という動詞が係り受けし、さらにその格成分である画像データには「記述する」の動詞が係り受けし、合計4つの動詞が入っているためである。
図8は、このC−1)のケースを同様に関係図で示したものである。条件1における[判別情報]を見かけ上構成要素とみなして、これを主語に書き換えると動詞[判別する]の格成分になるのが[領域]であり、この[領域]を見かけ上構成要素とみなして、これを主語に書き換えると動詞[格納する]の格成分になるのが[画像データ]となり、このような認定を繰り返し実行していくことにより、図7に示す関係図ができることになる。
請求項がこのような形式で記載されていた場合であっても、動詞に係り受けする格成分を上述したように主語にして、動詞、格成分の関係を順に認定していくことにより、元の構成要素が命題を実現する上で必要な条件を抽出することができ、その条件数から格成分数をカウントすることが可能となる。C−1)のケースにおいても図8に示すように条件数は5であるため、構成要素[情報記憶手段]は5格成分数であることが分かる。
このように、本発明では、いずれの特許請求の範囲の記載においても、同様のルールで図示して表示等することが可能となる。このとき格成分数も同時に併記するようにしてもよい。
なお、本発明は、特許明細書の特許請求の範囲の記載の格成分抽出に限定されるものではなく、他のいかなる書類についても同様の方法に基づいて格成分を抽出する際にも適用することができる。
以下、本発明において実際に特許請求の範囲の記載から格成分を抽出した例を示す。以下では、下線が格成分である。構成要素についてはクレームの後に列挙してある。最終的に当該請求項の格成分数は、この下線で示される格成分の総数で表示してもよいし、或いはこの格成分の総数と、構成要素の総数の和で表してもよい。
(抽出例1)
ネットワークを介して接続される端末間対戦を行なうための対戦サービスを提供する通信対戦システムと、対戦サービスの提供を受ける端末から構成されるネットワークシステムであって、前記端末は、前記対戦サービスの提供を受けるため登録前記通信対戦システムに対して行なう登録手段と、前記登録手段による登録に対する前記通信対戦システムからの接続要求に応じて、前記通信対戦システムネットワークを介して接続する接続応答手段と、前記接続手段によって接続した前記通信対戦システムから提供される対戦サービスにより、対戦相手とする端末との間で対戦を実行する処理手段とを有し、前記通信対戦システムは、前記登録手段によって登録されている前記端末に対して対戦サービスを提供する際に、この端末が接続されていなけれネットワークを介して接続する接続手段とを具備したことを特徴とするネットワークシステム。
構成要素:通信対戦システム、端末、登録手段、接続応答手段、処理手段、接続手段
(抽出例1の説明)前記登録手段による登録→前記登録手段は既に登録を行うというアクションが終わっているため、ここでは、前記登録手段による登録とせずに、前記登録手段による登録とする。対戦相手とする端末→対戦相手の端末に置換できる。つまり、“とする”→“の”と同格であることから、これを対戦相手とする端末とせずに、対戦相手とする端末とする。いなければ→いない場合には、の意味。
(抽出例2)
記録メディアの空き容量を検出するメディア容量検出手段と、プリントを希望する画像ファイルを指定し、指定に係る画像をプリント対象画像として登録する登録操作手段と、登録された各画像ファイルをプリントするための指示情報を記述したプリント指示情報ファイルを作成するファイル作成手段と、登録された画像ファイルの総データ量、又は登録された画像ファイル前記プリント指示情報ファイルとから構成される自動プリント情報の総データ量を算出する算出手段と、前記総データ量前記記録メディアの空き容量とを比較する比較手段と、前記総データ量が前記記録メディアの空き容量を超える場合に、警告を提示する警告手段と、前記総データ量が前記記録メディアの空き容量を超える場合に、当該登録操作に係る画像の登録を取り消す取消手段と、登録が確定した画像ファイル及び当該画像ファイルに関するプリント指示情報ファイル前記記録メディアに記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする自動プリント情報の編集装置。
構成要素:メディア容量検出手段、登録操作手段、ファイル作成手段、算出手段、比較手段、警告手段、取消手段、記録手段
(抽出例2の説明)
〜に係る、〜に関する、〜における 〜となる、〜である、〜での→ひとまとめにして1格成分(∵〜の と同意)
(抽出例3)
印刷物が排出される複数のビンを有する画像形成装置が備える通知装置であって、前記ビンごとに設定されているユーザの情報を含むビン情報を記憶する記憶手段と、前記画像形成装置の異常を検出する検出手段と、前記異常が検出された場合前記異常が検出されたときに印刷中の印刷ジョブに含まれている出力元情報および前記ビン情報に基づいて、異常の通知先として、前記印刷ジョブの出力元のユーザおよび前記印刷ジョブによって指定されたビンのユーザのうち少なくとも一方を選択する選択手段と、選択されたユーザ前記異常を通知する通知手段と、を有することを特徴とする通知装置。
構成要素:記憶手段、検出手段、選択手段、通知手段
(抽出例3の説明)
のうち→の と同格、ひとまとめにする。〜ときに→場合にと同意、〜として→として(設定された) があると考えて1格成分数。
(抽出例4)
操作されることによって情報を入力可能な入力手段と、この入力手段によって入力可能な情報を示す表示シンボルを、上記入力手段に形成された各位置の数より多く表示する表示手段と、この表示された表示シンボルのうち、上記入力手段の各位置に対応した表示シンボルを判別して、他の表示シンボルから区別して表示する手段と、上記入力手段の操作を判別して、上記区別して表示された表示シンボルの中のこの操作された入力手段の位置に対応する表示シンボルに応じた情報を入力可能とする情報入力装置。
構成要素:入力手段、表示手段、手段
(抽出例4の説明)
〜可能な→可能とする、と考えて動詞に入れる。より(比較級)動詞→副詞と考えてノーカウント。〜よって→方法、手段を示す格成分であることから、1格成分としてカウント。を示す→ひとまとめにせず、分断する ∵ 表示する と同意であり、動詞でもある。のうち、→「の」「における」と同格という考え。
(抽出例5)
第1および第2の制御部を有し、電源投入時、第2の制御部が制御を司るユニットの起動に必要なデータを第1の制御部が有する不揮発性の第1の記憶手段から第2の制御部が有する第2の記憶手段へ転送する電子装置において、前記第1の制御部は、予め設定されている優先順位に従って前記データ前記第1の記憶手段から順次読み出し前記第2の記憶手段へ転送することを特徴とする電子装置。
構成要素:第1、第2の制御部
(抽出例5の説明)
下線部では、まだ全然限定されていないからカウントしない。制御を司る→制御する、と同意である。つまり動名詞だからノーカウント。
(抽出例6)
座標を入力する座標入力手段と前記座標入力手段が入力した座標に基づいてアプリケーションなどの各種処理の処理結果を表示する表示面とを有する座標入力装置を複数組み合わせて一つの座標入力面を形成した座標入力システムにおいて、前記座標入力手段が入力した座標の前記座標入力面における座標位置を算出する座標位置算出手段と、前記座標入力手段が入力した座標に基づいて前記各種処理をおこなう処理手段と、前記座標位置算出手段が算出した座標位置と前記処理手段がおこなう各種処理のうち当該座標位置座標入力されていることに係る処理の処理状態とからなる状態情報を保持する状態情報保持手段と、前記状態情報保持手段が保持した状態情報を引き継ぐ状態情報引継手段と、前記状態情報引継手段が引き継いだ状態情報に基づく処理状態から当該処理を続行する続行手段と、を具備したことを特徴とする座標入力システム。
構成要素:座標入力手段、表示面、座標入力装置、座標位置算出手段、処理手段、状態情報保持手段、状態情報引継手段、続行手段
(抽出例6の説明)
のうち→のと同格。*主語のルール
前記●●が〜 ●●が構成要素であってもなくてもカウントしない・・・(A)。
○○が〜 ○○は初めて出てくるものであることからカウント・・・(B)。
(A)であっても
●●が〜する (能動態)→カウントしない ∵既に定義した構成の限定に過ぎない。
●●が〜される(受動態)→カウントする ∵●●を〜する、と同意であり、処理動作が1回実行されることとなる。座標が入力されていることに係る処理の処理状態=座標を入力することに係る処理の処理状態。
(抽出例7)
第1の記録媒体に格納されている複数のデータセット複数の第2の記録媒体を利用してバックアップする装置であって、上記第1の記録媒体から上記複数のデータセットを読み出す読出し手段と、その読出し手段により読み出された複数のデータセット上記複数の第2の記録媒体に書き込むための複数の書込み処理を並列的に実行する書込み手段と、複数のデータセットを上記複数の第2の記録媒体を利用してバックアップするために要した時間各データセットについてそれぞれ検出する検出手段と、過去上記検出手段により検出されたデータセット毎のバックアップ時間に基づいて、それらのデータセット上記並列的に実行される複数の書込み処理に割り当てる割当て手段と、を有するバックアップ装置。
構成要素:読出し手段、書込み手段、検出手段、割当て手段
(抽出例7の説明)
〜的に(動詞)→副詞はカウントせず。上記検出手段により検出されたデータセット毎のバックアップ時間→これより前に、「バックアップするために要した時間を各データセットについてそれぞれ検出する検出手段」とある。明らかにこの内容を受けているため、二重カウントを防止する観点からまとめて1つとしている。
(抽出例8)
検索対象となる画像の直交変換係数を記憶する検索対象画像の直交変換係数記憶部と、前記直交変換係数記憶部から読み出した直交変換係数色ヒストグラム情報に変換する画像特徴量変換手段と、問い合わせ画像の色ヒストグラム情報と、前記画像特徴量変換手段により生成された色ヒストグラム情報との類似度を算出する色ヒストグラム類似度算出手段とを備えたことを特徴とする画像検索装置。
構成要素:直交変換係数記憶部、画像特徴量変換手段、色ヒストグラム類似度算出手段
(抽出例8の説明)
〜と〜との〜を算出→1格成分ずつカウント(3格成分)。検索対象となる画像の直交変換係数→「となる」は、「としての」と同意である。「としての」はまとめてひとつで考え、区切らないこととなっているため、同様にここでも区切らずに一つとする。
(抽出例9)
それぞれが異なるコード体系を有する複数のプラットフォームからなるマルチプラットフォーム環境上で実現され、前記各プラットフォーム上で動作する複数の処理プログラム間でやりとりされる文字データに対して内部コード変換機構を介してコード変換を行う文字コード変換方式において、複数の異なるコード体系間での文字コードの対応関係マッピング情報として保持するマッピング情報保持手段と、前記各処理プログラム前記内部コード変換機構との間でやりとりされる文字データに対して前記マッピング情報に基づいてコード変換を行う外部コード変換手段と、前記外部コード変換手段によりコード変換が行われた文字データを、前記内部コード変換機構でのコード変換を前提とした所定のデータ形式に加工するデータ加工手段とを備えたことを特徴とする、マルチプラットフォーム環境における文字コード変換方式。
構成要素:マッピング情報保持手段、外部コード変換手段、データ加工手段
(抽出例9の説明)
コード変換が行われた文字データを。主語のルール、つまり、コード変換自体は以前から定義されているものの、「行われた」が受身形であることから、「コード変換を行った文字データ」と等価変換することができる。このため、コード変換も格成分としてカウントする。
(抽出例10)
印刷ジョブスプーラによってキャンセルされたときに印刷装置にて印刷用紙を排出させる用紙排出プログラムを記録した媒体であって、上記スプーラが出力するスプールデータ中の後尾データを参照するスプールデータ参照機能と、上記スプーラによるキャンセル時に起動され、上記スプールデータ参照機能による参照後尾データにおいて所定態様のデータの有無を検出するデータ検出機能と、同データ検出機能によって所定態様のデータが検出されなかったとき上記印刷装置に対して用紙排出コマンドを出力する用紙排出コマンド出力機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする用紙排出プログラムを記録した媒体。
構成要素(工程、機能だからノーカウント):スプールデータ参照機能、データ検出機能、用紙排出コマンド出力機能
(抽出例10の説明)
ときに→場合にと同様。
(抽出例11)
オフィスの形態に応じて分類されたオフィススタイルオフィスの従業者数、および、オフィスで行われる業務の性質に応じて分類された各業務カテゴリー毎のオフィス面積のうちの2つに関するデータを入力する入力手段と、各オフィススタイルについて、1席あたりの占有面積、前記各業務カテゴリーの面積構成比率とを含むモデルデータが記録されたデータベースと、このモデルデータを参照して、前記オフィススタイル、前記オフィスの従業者数、および前記オフィス面積のうちの他の1つを計算する計算手段と、その計算結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とするオフィス設計支援システム。
構成要素:データベース、計算手段、出力手段
(抽出例11の説明)
前記オフィススタイル、前記オフィスの従業者数、および前記オフィス面積のうちの他の1つ →いずれか1つの選択は、又はと同じ。
(抽出例12)
無線通信機能ユーザデータを入力する機能と前記入力されたデータの送信機能とを有する少なくとも1つの携帯情報装置と、前記携帯情報装置無線通信路により通信を行なう少なくとも1つの無線基地局を有する通信網と、出力装置を有する少なくとも1つのデータ掲示装置とを、含む系において、前記携帯情報装置が無線基地局を介してユーザが入力したデータデータ掲示装置に送信する送信段階と、前記データ掲示装置が前記携帯情報装置から受信したデータ前記出力装置に出力する出力段階とを、有することを特徴とするメッセージ交換方法。
構成要素:携帯情報装置、通信網、データ掲示装置と
(抽出例12の説明)
通信を行なう→動名詞のルール。
(抽出例13)
ネットワークを経由して、他の計算機システムから移動してくる移動エージェントを受け付け、格納し、実行する移動エージェントシステムにおいて、前記移動エージェントシステム内に保持する移動エージェントを格納する移動エージェント本体格納部と、新たに移動してくる移動エージェントを入力する移動エージェント受付け部と、受け付けた移動エージェント前記移動エージェント本体格納部に格納する処理制御を行なう移動エージェント格納制御部と、既に保持する移動エージェントを削除し新たに移動してくる移動エージェントに置き換えるための情報を入力する置き換え情報受付け部と、保有する移動エージェントの格納箇所に関する情報に加え、置き換え選択に用いる情報を管理する保有エージェント管理部と、前記置き換え選択に用いる情報と、前記置き換え情報受付け部が受け付けた前記情報とを用いて、前記移動エージェント本体格納部に保持されている移動エージェントのうち置き換えのために削除する移動エージェントを決定する置き換え対象選択部と、を備えた、ことを特徴とする移動エージェントシステム。
構成要素:移動エージェント本体格納部、移動エージェント受付け部、移動エージェント格納制御部、置き換え情報受付け部、保有エージェント管理部、置き換え対象選択部
(抽出例13の説明)
に用いる→用途を示す格成分、のために→目的を表す格成分、前記置き換え情報受付け部が受け付けた前記情報→主語のルール。
(抽出例14)
点火コイルと、前記点火コイルの一次側に設けられて点火用電源の出力一方の極性に充電される点火用コンデンサと、点火信号が与えられたときに導通して前記点火用コンデンサの電荷前記点火コイルの一次側コイルを通して放電させる放電用スイッチと、内燃機関の点火時期前記放電用スイッチの制御端子間に点火信号を与える点火信号供給手段と、前記内燃機関の潤滑オイルのレベル設定レベル以下になったときに検出動作を行うオイルレベル検出スイッチと、駆動電流が与えられたときに警報動作を行う警報手段と、前記オイルレベル検出スイッチが検出動作を行ったとき前記内燃機関の点火を阻止するとともに前記警報手段を駆動する保安回路とを備えた内燃機関用点火装置において、前記保安回路は、前記オイルレベル検出スイッチが検出動作を行ったとき前記点火信号前記放電用スイッチの制御端子間から側路する信号側路回路と、前記オイルレベル検出スイッチが検出動作を行ったとき前記点火用電源から前記警報手段駆動電流を流す警報手段駆動回路と、を具備した内燃機関用点火装置。
構成要素:点火コイル、点火用コンデンサ、放電用スイッチ、点火信号供給手段、オイルレベル検出スイッチ、警報手段、信号側路回路、警報手段駆動回路
(抽出例14の説明)
前記オイルレベル検出スイッチが検出動作を行ったとき→「前記オイルレベル検出スイッチが」 主語は既に以前で登場してきている+能動形からノーカウント。「検出動作を」動名詞だからノーカウント、ときに→場合に、と同格だから、下線部全体をまとめて1格成分。
(抽出例15)
内燃機関の排気通路途中触媒を設け、この触媒の上流側フロント空燃比センサを設けるとともに触媒の下流側リヤ空燃比センサを設けた内燃機関の空燃比制御装置において、この内燃機関の空燃比制御装置前記フロント空燃比センサリヤ空燃比センサとの検出信号に基づき実際の空燃比目標空燃比になるよう制御する制御手段を備え、前記内燃機関の吸気通路キャニスタを連通して吸気通路パージガスを導入するパージ通路を設け、このパージ通路途中パージ制御弁を設けるとともにパージ制御弁の開閉状態を検出する開閉検知手段を設け、前記パージ制御弁が開放され且つ前記リヤ空燃比センサの出力電圧設定電圧以下のときには、空燃比補正係数パージガスが導入されない状態の空燃比補正係数よりも増加させるべく制御する機能を前記制御手段に設けたことを特徴とする内燃機関の空燃比制御装置。
構成要素:制御手段、パージ通路、開閉検知手段、前記制御手段
(抽出例15の説明)
前記パージ制御弁が開放され→主語のルールに基づいてカウント、パージガスが導入されない→主語のルールに基づいてカウント。
(抽出例16)
機関のクランク軸に同期して回転し、外周駆動カムが設けられた駆動軸と、所定の支軸に揺動自在に枢支され、揺動に伴い機関弁を開閉作動させる揺動カムと、制御軸に回動自在に支持されて、一端部前記駆動カムに機械的に連係したロッカアームと、一端部第1枢支点を介して前記ロッカアームの他端部に連結され、他端部が第2枢支点を介して前記揺動カムに連結されたリンクロッドと、機関運転状態に応じて前記制御軸を介してロッカアームの回動支点を変化させる可変機構とを備え、前記ロッカアームの回動支点の変化に応じて揺動カムのカム面の機関弁に対する当接位置を変化させて機関弁のバルブリフト量を可変にする内燃機関の可変動弁装置において、前記揺動カムの揺動支点前記第2枢支点とを結ぶ直線、該第2枢支点前記第1枢支点とを結ぶ直線とによって前記ロッカアーム側に形成される開き角度の前記駆動軸1回転中における最大角度値に応じて、機関の最高回転数を制限する機関回転数制限手段を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
構成要素:駆動軸、揺動カム、ロッカアーム、リンクロッド、可変機構、機関回転数制限手段
(抽出例16の説明)
摺動自在に→〜的に、と同様の副詞だからカウントせず。
(抽出例17)
前縁が後傾する傾斜杆を有する側面視鋭角L字状の左右1対の側板の後部同士を、上部連結杆下部連結杆とにより互いに連結し、これら上下部連結杆を上下方向に延びる後面板により連結して椅子の脚体を構成し、背板を、前記側板を形成する傾斜杆にその長手方向に沿って高さ位置変更可能に取り付けるとともに、座板前記傾斜杆前記後面板とに高さ位置変更可能に取り付けたことを特徴とする椅子。
(抽出例17の説明)
下線部:副詞であるためカウントせず。
(抽出例18)
外筒と、スピンドルを具備し、前記スピンドルは前記外筒の中から外部に突出して高さ調節が出来る様に構成される回転椅子用の高さ調節体に於いて、前記スピンドルの外周面を取り囲んで固定したスリーブ部材の外周面軸方向に形成される少なくとも1個以上の溝と、前記溝が形成されたスリーブ部材が回転方向軸方向に駆動出来る様にし、一端部傾斜面を成して前記外筒の内周面に締結される第1カム部材と、内周側凸起が形成され、前記凸起前記スリーブ部材の溝に挟まれて前記スリーブ部材に対して軸方向に乗下降駆動出来ると共に前記スリーブ部材の回転方向に沿って同時に回転し、前記第1カム部材の傾斜面と対応する傾斜面を持つ第2カム部材と、前記外筒の中から前記第2カム部材を押し付けて前記第1カム部材の傾斜面前記第2カム部材の傾斜面を当接させる弾性部材を含むことを特徴とする復帰形回転椅子用の高さ調節体。
構成要素:外筒、スピンドル、溝、第1カム部材、第2カム部材、弾性部材
(抽出例19)
天板の下面の左右両側部を、脚杆の上部に枢着して、前記天板を、前記脚杆の上方において水平をなす使用位置と、前記脚杆の後部において起立する折り畳み位置とに回動可能として支持するとともに、前記天板の後方下部を覆う幕板を、前記天板の回動と連動して、使用位置では前記脚杆の後方に離間し、かつ折り畳み位置では前記脚杆に接近するように連係した折り畳みテーブルにおいて、使用位置における前記天板の後方上部を遮る目隠し板を、その上下方向の中間部において前記天板の後端部に枢着し、かつ前記目隠し板の下部前記幕板に連係することにより、前記目隠し板が、使用位置では前記脚杆の後方に離間し、かつ折り畳み位置では前記脚杆に接近するようにしたことを特徴とする折り畳みテーブル。
(抽出例20)
椅子の回転および回転をロックさせることのできる理美容椅子等におけるロック装置において、椅子の上昇用電磁バルブおよび背凭れの起立用電磁バルブとを接続する接続点と椅子昇降用シリンダおよび背凭れ起伏用シリンダとの間に絞り弁を接続し、椅子の昇降あるいは背凭れの起伏を行わせるためのスイッチが操作されると椅子の回転がロックされるようにしたことを特徴とする理美容椅子等におけるロック装置。



Claims (17)

  1. 特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示装置において、
    電子データ化された特許明細書における特許請求の範囲の記載から抽出された文字列から格成分を抽出する抽出手段を備え、
    上記抽出手段は、以下の形態素Z(場合に、〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で)のいずれかを含む節を検出した場合には、A、Bが名詞又は名詞節とした場合に、
    「AがBを(動詞)+Z」という記載で、且つAが当該記載よりも上段で既に定義されている場合には、当該記載をまとめて1格成分として抽出し、Aが当該記載よりも上段で未だ定義されていない場合には、Aと、Bとを互いに別々の格成分として抽出すること
    を特徴とする特許明細書分析表示装置。
  2. 上記抽出手段は、
    「A(を、が、に)+(動詞)+Z」という記載の場合には、Aを一の格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項1記載の特許明細書分析表示装置。
  3. 上記抽出手段は、抽出した記載中に主語と動詞の関係が含まれていた場合であって、その主語に相当する文言が、上段で既に定義されている場合には、上記動詞が受動態である場合のみ当該主語に相当する文言を格成分として抽出する一方で、上記動詞が能動態である場合には当該主語に相当する文言を格成分として抽出せず、その主語に相当する文言が、上段で未だ定義されていない場合には、いかなる場合も当該主語に相当する文言を格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項1記載の特許明細書分析表示装置。
  4. 抽出した格成分の総和のみをその特許請求の範囲の格成分数として表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
  5. 上記抽出手段は、抽出した記載中に、動詞に係りうけする副詞があった場合、又は名詞に係り受けする形容詞があった場合には、その副詞、形容詞を格成分に含めないように制御されること
    を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
  6. 上記抽出手段は、抽出した記載中に「(動詞)+ように+(動詞)」のパターンの記載があった場合には、これらを格成分に含めないように制御されること
    を特徴とする請求項5記載の特許明細書分析表示装置。
  7. 上記抽出手段は、名詞+Z(ここでZは、司る、行う、実行する、の何れかの動詞)で構成される文言を抽出した場合、上記名詞を格成分に含めないように制御されること
    を特徴とする請求項1〜6のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
  8. 上記抽出手段は、A、Bは名詞又は名詞句とする、以下の何れかの節を抽出した場合には、それぞれ、A、Bを互いに独立した格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
    「Aに用いるB」、「Aを示すB」、「AのためのB」、「Aを含むB」、「AとのB」、「AからのB」、「AからなるB」「Aに伴うB」
  9. 上記抽出手段は、A、Bは名詞又は名詞句とする、以下の何れかの節を抽出した場合には、それぞれ、A、Bを互いに独立した格成分として抽出せず、A、Bをともに合わせて1格成分数として抽出すること
    を特徴とする請求項1〜8のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
    「Aに係るB」、「Aに関するB」、「AにおけるB」、「AとなるB」、「AであるB」、「AでのB」、「Aのうち(の)B」、「AとしてのB」、「Aに係るB」
  10. 上記抽出手段は、互いに異なる名詞又は名詞句であるA、Bの論理積(AND条件)で定義されていた場合には、A、Bをそれぞれ独立した格成分として抽出し、A、Bの論理和(OR条件)で定義されていた場合には、A、Bを互いに独立した格成分として抽出せず、A、Bをともに合わせて1格成分数として抽出すること
    を特徴とする請求項1〜9のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示装置。
  11. 抽出した特許請求の範囲の記載上に、上記抽出手段によって抽出された格成分が画面上 で視覚的に把握できるような表示を施す手段を更に備えること
    を特徴とする請求項1〜10のうち何れか1項記載の特許明細書分析表示装置。
  12. 特許明細書に記載された情報を抽出してこれを表示するための特許明細書分析表示プログラムにおいて、
    電子データ化された特許明細書における特許請求の範囲の記載から抽出された文字列から格成分を抽出する抽出ステップとを有し、
    上記抽出ステップでは、以下の形態素Z(場合に、〜ときに、〜時に、〜間に、〜か否か、〜都度、〜際に、〜毎に、〜では、〜ほど、〜中、〜状態で、〜すれば、〜ければ、〜態様で)のいずれかを含む節を検出した場合には、A、Bが名詞又は名詞節とした場合に、
    「AがBを(動詞)+Z」という記載で、且つAが当該記載よりも上段で既に定義されている場合には、当該記載をまとめて1格成分として抽出し、Aが当該記載よりも上段で未だ定義されていない場合には、Aと、Bとを互いに別々の格成分として抽出すること
    をコンピュータに実行させることを特徴とする特許明細書分析表示プログラム。
  13. 上記抽出ステップでは、
    「A(を、が、に)+(動詞)+Z」という記載の場合には、Aを一の格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項12記載の特許明細書分析表示プログラム。
  14. 上記抽出ステップでは、抽出した記載中に主語と動詞の関係が含まれていた場合であって、その主語に相当する文言が、上段で既に定義されている場合には、上記動詞が受動態である場合のみ当該主語に相当する文言を格成分として抽出する一方で、上記動詞が能動態である場合には当該主語に相当する文言を格成分として抽出せず、その主語に相当する文言が、上段で未だ定義されていない場合には、いかなる場合も当該主語に相当する文言を格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項12記載の特許明細書分析表示プログラム。
  15. 上記抽出ステップでは、A、Bは名詞又は名詞句とする、以下の何れかの節を抽出した場合には、それぞれ、A、Bを互いに独立した格成分として抽出すること
    を特徴とする請求項12〜14のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示プログラム。
    「Aに用いるB」、「Aを示すB」、「AのためのB」、「Aを含むB」、「AとのB」、「AからのB」、「AからなるB」「Aに伴うB」
  16. 上記抽出ステップでは、A、Bは名詞又は名詞句とする、以下の何れかの節を抽出した場合には、それぞれ、A、Bを互いに独立した格成分として抽出せず、A、Bをともに合わせて1格成分数として抽出すること
    を特徴とする請求項12〜15のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示プログラム。
    「Aに係るB」、「Aに関するB」、「AにおけるB」、「AとなるB」、「AであるB」、「AでのB」、「Aのうち(の)B」、「AとしてのB」、「Aに係るB」
  17. 上記抽出ステップでは、互いに異なる名詞又は名詞句であるA、Bの論理積(AND条件)で定義されていた場合には、A、Bをそれぞれ独立した格成分として抽出し、A、Bの論理和(OR条件)で定義されていた場合には、A、Bを互いに独立した格成分として抽出せず、A、Bをともに合わせて1格成分数として抽出すること
    を特徴とする請求項12〜16のうち何れか1項に記載の特許明細書分析表示プログラム。
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