JP6006010B2 - 化合物及び有機電界発光素子並びに該有機電界発光素子を用いた発光装置、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Description
本発明が解決しようとする課題は、発光効率、駆動電圧および駆動耐久性が良好であり、かつ、これらの性能の膜厚依存性が小さい有機電界発光素子を提供することにある。
[1] 基板と、該基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかの層に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
[2] [1]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)中、−Ar1−Ar2で表される基が、下記群(b)に含まれる基から選ばれる基であることが好ましい。
[3] [1]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
[4] [3]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
[5] [4]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
[6] [5]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
[7] [4]に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記発光層と前記陰極の間に少なくとも一層の電子輸送層を有し、
前記一般式(1)で表される化合物が該電子輸送層に含有されることが好ましい。
[9] [8]に記載の有機電界発光素子は、前記電子輸送層が、さらにn型ドーパントを含有することが好ましい。
[10] [1]〜[9]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記発光層が発光材料として下記一般式(EM−1)で表される化合物を含有することが好ましい。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記発光層がホスト材料として下記一般式(HO−1)で表される化合物を含有することが好ましい。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記発光層に、燐光発光材料として下記一般式(E−1)で表されるIr錯体を用いることが好ましい。
[13] [1]〜[12]のいずれか一項に記載の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層が、前記発光層と隣接していることが好ましい。
[14] [1]〜[13]のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた発光装置。
[15] [1]〜[13]のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた表示装置。
[16] [1]〜[13]のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた照明装置。
[17] 下記一般式(5)で表されることを特徴とする化合物。
[18] 下記一般式(6)で表されることを特徴とする化合物。
本発明の有機電界発光素子は、基板と、該基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極と、該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかの層に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
特に、本発明の有機電界発光素子は、有機電界発光素子を構成する有機層が下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。前記一般式(1)で表される化合物は、有機電界発光素子用材料として好ましく用いることができる。
本発明において、前記一般式(1)の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、またさらに置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、「置換基」というとき、その置換基はさらに置換されていてもよい。例えば、本発明で「アルキル基」と言う時、フッ素原子で置換されたアルキル基(例えばトリフルオロメチル基)やアリール基で置換されたアルキル基(例えばトリフェニルメチル基)なども含むが、「炭素数1〜6のアルキル基」と言うとき、置換されたものも含めた全ての基として炭素数が1〜6であることを示す。
RBで表されるアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖、分岐、環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であることがさらに好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基であることがさらに好ましい。
RBで表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基(ナフタセニル基)、トリフェニレニル基、ペリレニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾアントリル基、フルオレニル基であることがより好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基であることがさらに好ましい。
RBで表されるヘテロアリール基としては、炭素数3〜20であり、ヘテロ原子としてN、OおよびSのいずれかを少なくとも1つ含むヘテロアリール基であることが好ましく、ピロリル基、チエニル基、フリル基、インドリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、インダゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基、ナフチリジニル基であることがより好ましく、チエニル基、フリル基、カルバゾリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリル基であることがさらに好ましく、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ピリジル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基であることがさらに好ましい。
RBとしては、炭素数6〜14のアリール基または炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基であることが好ましい。
RBはさらに置換基を有していてもよく、置換基としては下記置換基群Aが挙げられる。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(ヘテロアリール基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレノフェニル、テルロフェニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよく、更なる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。また、置換基に置換した置換基に置換した置換基は更に置換されてもよく、さらなる置換基としては、以上に説明した置換基群Aから選択される基を挙げることができる。
Lで表されるアリーレンとしては、炭素数6〜60のアリーレンが好ましく、炭素数6〜40のアリーレンがより好ましく、炭素数6〜20のアリーレンがさらに好ましい。
Lで表される縮環構造を有していてもよいビフェニレン基としては特に制限はない。Lで表される縮環構造を有していてもよいビフェニレン基は、置換または無置換のビフェニレン基または9H−フルオレンの2箇所が結合手である2価の基であることが好ましい。
Lで表されるアリーレン基または縮環構造を有していてもよいビフェニレン基としては、下記から選ばれるものであることがさらに好ましい。なお、前記Lが縮環構造を有していてもよいビフェニレン基である場合は、下記の中でも、4,4’−ビフェニレン基または9H−フルオレンの2位と7位が結合手である2価の基がさらにより特に好ましい。
前記Lで表される連結基が9H−フルオレン構造を有する基であるときは、9,9−ジメチル−9H−フルオレン構造を有する基であることが好ましい。
Ar1で表される縮合芳香族骨格としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、ベンゾアントラセン、ジベンゾアントラセン、テトラベンゾアントラセン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、テトラセン、ペンタセンなどが挙げられ、好ましくはナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、フルオレンであり、より好ましくはナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンであり、さらに好ましくはナフタレン、アントラセン、ピレンであり、特に好ましくはナフタレン、アントラセンである。
Ar2で表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基(ナフタセニル基)、トリフェニレニル基、ペリレニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾアントリル基、フルオレニル基であることがより好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基であることがさらに好ましい。
Ar2としては、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましい。
Ar2はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
A1〜A4の内、一つまたは二つが窒素原子であることが好ましく、一つが窒素原子であることがより好ましい。
A1〜A4の内一つが窒素原子である場合、A1またはA3が窒素原子であることが好ましく、A1が窒素原子であることが最も好ましい。
A1〜A4の内二つが窒素原子である場合、A1およびA4が窒素原子であること、またはA1およびA3が窒素原子であることが好ましく、A1およびA4が窒素原子であることが最も好ましい。
R’は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、シリル基またはフッ素原子を表す。
Ar2はそれぞれ独立にアリール基またはヘテロアリール基を表す。
R'はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
(一般式(2)中、RBはアルキル基、アリール基またはヘテロアリール基を表す。Lはアリーレン基、ヘテロアリーレン基を表す。基または縮環構造を有していてもよいビフェニレン基を表す。R21〜R23はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、シアノ基、シリル基、アミノ基またはフッ素原子を表す。但し、一般式(2)で表される化合物は、イミダゾール環と芳香族6員環の縮合環を分子中に1つのみ有する。−Ar1−Ar2で表される基は、下記群(b)に含まれる基から選ばれる基を表す。
R21〜R23は互いに結合して縮環構造を形成していてもよいが、互いに結合して縮環構造を形成しない方が好ましい。
R''はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
但し、一般式(4)におけるR'はAr2が置換しているアントラセン骨格の置換可能なすべての炭素原子上に8個存在することが好ましい。8個のR'中、水素原子以外の置換基の個数は0〜3個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましい。
但し、一般式(5)におけるR'はAr2が置換しているアントラセン骨格の置換可能なすべての炭素原子上に7個存在する。7個のR'中、水素原子以外の置換基の個数は0〜3個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましい。
Ar51およびAr52で表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基(ナフタセニル基)、トリフェニレニル基、ペリレニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾアントリル基、フルオレニル基であることがより好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基であることがさらに好ましい。
Ar51およびAr52はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
但し、一般式(6)におけるR'はAr2が置換しているアントラセン骨格の置換可能なすべての炭素原子上に8個存在する。8個のR'中、水素原子以外の置換基の個数は0〜3個であることが好ましく、0〜2個であることがより好ましく、0または1個であることが特に好ましい。
Ar61で表されるアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラセニル基(ナフタセニル基)、トリフェニレニル基、ペリレニル基、ベンゾアントリル基、ジベンゾアントリル基、フルオレニル基であることがより好ましく、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、ピレニル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基であることがさらに好ましく、フェニル基、ナフチル基であることがさらに好ましい。
Ar61はさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
本発明の有機電界発光素子は、発光層と陰極との間に少なくとも一層の電子輸送層を有することが好ましく、前記一般式(1)で表される化合物を含む少なくとも一層の有機層が、前記電子輸送層であることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、基板を有する。
本発明で使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
本発明の有機電界発光素子は、前記基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極を有する。
発光素子の性質上、一対の電極である陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
本発明の有機電界発光素子は、前記電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層を有し、前記少なくとも一層の有機層のいずれかの層に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
前記有機層は、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記半透明電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記半透明電極上の全面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の有機電界発光素子における、有機層の構成、有機層の形成方法、有機層を構成する各層の好ましい態様および各層に使用される材料について順に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、前記有機層が少なくとも一層の発光層を有する。前記陽極と発光層の間に少なくとも一層の正孔輸送層を有することが好ましい。前記正孔輸送層の内、陽極に隣接するものを正孔注入層、発光層に隣接するものを電子ブロック層と呼称することがある。また前記陰極と発光層の間に少なくとも一層の電子輸送層を有することが好ましい。前記電子輸送層の内、陰極に隣接するものを電子注入層、発光層に隣接するものを正孔ブロック層と呼称することがある。また、電子ブロック層や正孔ブロック層はその役割により励起子ブロック層と呼称することもある。
但し、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、前記一般式(1)で表される化合物は本発明の有機電界発光素子のその他の有機層に含有されていてもよい。前記一般式(1)で表される化合物を含有してもよい電子輸送層以外の有機層としては、正孔輸送層、発光層を挙げることができ、好ましくは発光層である。
本発明の有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法、バーコート法等の湿式製膜法(溶液塗布法)のいずれによっても好適に形成することができる。本発明の有機電界発光素子は、前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層が真空蒸着プロセスにて形成されてなることが好ましい。
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。但し、本発明における発光層は、このようなメカニズムによる発光に必ずしも限定されるものではない。
本発明において用いられる発光材料は、燐光発光材料、蛍光発光材料のいずれであってもよい。また、本発明における発光層は、色純度を向上させたり、発光波長領域を広げたり、耐久性を向上させたり、駆動電圧を低減させるために、2種類以上の発光材料を含有することができる。
一般式(EM−1)中、PAは炭素数10〜40の縮合芳香族骨格を表す。PAとしては例えば、ナフタレン、フェナントレン、フルオランテン、アントラセン、ピレン、ペリレン、コロネン、クリセン、ピセン、フルオレン、トリフェニレン、ルビセン、ベンゾアントラセン、ベンゾアントラセン、ジベンゾアントラセン、テトラベンゾアントラセン、ベンゾピレン、ジベンゾピレンが挙げられ、ピレン、クリセン、アントラセン、テトラベンゾアントラセンが好ましい。
PAは置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
ArE1、ArE2は直接またはそれぞれの置換基同士が結合して環を形成していてもよい。
nEは1〜4の整数を表す。nEとして好ましくは1〜3であり、より好ましくは1〜2である。
本発明の有機電界発光素子に用いられるホスト材料としては、公知の化合物を用いることが出来る。例えば、アミン誘導体、含窒素ヘテロ環誘導体、縮合芳香環化合物(ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、フルオレンなど)、アルミニウム、亜鉛などの金属錯体などが挙げられる。本発明で用いられる蛍光発光材料としては、下記一般式(HO−1)で表される化合物が好ましい。
一般式(HO−1)中、ArH1およびArH2はそれぞれ独立に、アリール基を表す。
RHで表されるアミノ基としては、ジアリールアミノ基が好ましい。
RHはさらに置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aが挙げられる。
正孔輸送層は、陽極または陽極側に隣接する有機層から正孔を受け取り、発光層または陰極側に隣接する有機層に正孔を輸送する機能を有する層である。
本発明の有機電界発光素子に用いられる正孔輸送材料としては、公知の化合物を用いることが出来る。例えば、芳香族第三級アミン化合物(アリールアミン誘導体)、カルバゾール誘導体、ポルフィリン、フタロシアニン誘導体、ポリチオフェンなどの導電性高分子などが好適に用いられる。
電子輸送層は、陰極または陰極側に隣接する有機層から電子を受け取り、発光層または陽極側に隣接する有機層に電子を輸送する機能を有する層である。
本発明の有機電界発光素子に用いられる電子輸送材料としては、前記一般式(1)で表される化合物の他、公知の化合物を用いることができる。例えば、含窒素ヘテロ環誘導体(イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、ピリジン誘導体など)、アルミニウム、亜鉛などの金属錯体などが好適に用いられる。
本発明において、有機電界素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。なお、保護層の材料は無機物であっても、有機物であってもよい。
本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、発光装置、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
本発明の発光装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図2を参照して本発明の発光装置について説明する。
本発明の発光装置は、前記有機電界発光素子を用いてなる。
図2は、本発明の発光装置の一例を概略的に示した断面図である。図2の発光装置20は、透明基板(支持基板)2、有機電界発光素子10、封止容器16等により構成されている。
ここで、接着層14としては、エポキシ樹脂等の光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤を用いることができ、例えば熱硬化性の接着シートを用いることもできる。
本発明の照明装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図3を参照して本発明の照明装置について説明する。
図3は、本発明の照明装置の一例を概略的に示した断面図である。本発明の照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
本発明の表示装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
本発明の表示装置としては、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることなどを挙げることができる。
本発明の照明装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
次に、図3を参照して本発明の照明装置について説明する。
図3は、本発明の照明装置の一例を概略的に示した断面図である。本発明の照明装置40は、図3に示すように、前述した有機EL素子10と、光散乱部材30とを備えている。より具体的には、照明装置40は、有機EL素子10の基板2と光散乱部材30とが接触するように構成されている。
光散乱部材30は、光を散乱できるものであれば特に制限されないが、図3においては、透明基板31に微粒子32が分散した部材とされている。透明基板31としては、例えば、ガラス基板を好適に挙げることができる。微粒子32としては、透明樹脂微粒子を好適に挙げることができる。ガラス基板及び透明樹脂微粒子としては、いずれも、公知のものを使用できる。このような照明装置40は、有機電界発光素子10からの発光が散乱部材30の光入射面30Aに入射されると、入射光を光散乱部材30により散乱させ、散乱光を光出射面30Bから照明光として出射するものである。
本発明の表示装置は、本発明の有機電界発光素子を含むことを特徴とする。
本発明の表示装置としては、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電子ペーパ等の表示装置とすることなどを挙げることができる。
(1)素子作成
厚み0.5mm、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に、真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1層:HTM−1(膜厚60nm)
第2層:NPD(膜厚20nm)
第3層:ホスト材料BH−1および発光材料BD−1(重量比95:5)(膜厚40nm)
第4層:下記表1に記載の電子輸送材料(膜厚20nm)
この上に、フッ化リチウム1nm及び金属アルミニウム120nmをこの順に蒸着し陰極とした。なお、フッ化リチウムの層上に、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、金属アルミニウムを蒸着した。
この得られた積層体を、大気に触れさせることなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、下記表1に記載の有機電界発光素子を得た。
上記にて得られた下記表1に記載の有機電界発光素子について、以下の評価を行った。その結果を下記表1に記載する。
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、一定電流密度(25mA/cm2)にて直流電圧を有機電界発光素子に印加し発光させ、その輝度を、トプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に外部量子効率を輝度換算法により算出した。外部量子効率は数字が大きいほど好ましい。
有機電界発光素子を(株)島津製作所製の発光スペクトル測定システム(ELS1500)にセットし、一定電流密度(25mA/cm2)にて発光させ、印加電圧を測定した。駆動電圧は低いほど好ましい。
有機電界発光素子を、一定電流密度にて輝度が5000cd/m2になるように直流電圧を印加し、該電流密度にて継続して発光させ、輝度が2500cd/m2になるまでの時間を測定し、比較素子1−1の時間を100とした時の相対値として示した。数値が大きいほど耐久性が高く好ましい。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表2に記載の有機電界発光素子を作成した。
第1層:HTM−1(膜厚60nm)
第2層:NPD(膜厚20nm)
第3層:ホスト材料BH−1および発光材料BD−1(重量比95:5)(膜厚40nm)
第4層:下記表2に記載の電子輸送材料(膜厚: 下記表2に記載)
上記にて得られた下記表2に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子2−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表2に記載する。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表3に記載の有機電界発光素子を作成した。
第1層:HAT−CN(膜厚5nm)
第2層:HTM−2(膜厚40nm)
第3層:下記表3に記載のホスト材料および発光材料(重量比95:5)(膜厚40nm)
第4層:下記表3に記載の電子輸送材料(膜厚:30nm)
上記にて得られた下記表3に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子3−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表3に記載する。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表4に記載の有機電界発光素子を作成した。
第1層:2−TNATA(膜厚60nm)
第2層:NPD(膜厚20nm)
第3層:下記表4に記載のホスト材料および発光材料(重量比97:2)(膜厚30nm)
第4層:下記表4に記載の電子輸送材料(膜厚:30nm)
上記にて得られた下記表4に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子4−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表4に記載する。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表5に記載の燐光発光の有機電界発光素子を作成した。
第1層:NPD(膜厚50nm)
第2層:CBPおよびIr(ppy)3(重量比94.2:5.8)(膜厚20nm)
第3層:下記表5に記載の電子輸送材料(膜厚:25nm)
上記にて得られた下記表5に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子5−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表5に記載する。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表6に記載の有機電界発光素子を作成した。
第1層:NPD(膜厚40nm)
第2層:BAlqおよびRPD−1(重量比90:10)(膜厚30nm)
第3層:下記表6に記載の電子輸送材料(膜厚:25nm)
上記にて得られた下記表5に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子5−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表6に記載する。
(1)素子作成
素子構成を下記の構成にする以外は、実施例1と同様にして、下記表7に記載の燐光発光の有機電界発光素子を作成した。
第1層:m−MTDATA(膜厚60nm)
第2層:NPD(膜厚30nm)
第3層:Zn(BTZ)2およびIr(piq)3(重量比90:10)(膜厚30nm)
第4層:下記表7に記載の電子輸送材料およびn型ドーパントとしてLiq(重量比1:1)(膜厚:37nm)
上記にて得られた下記表7に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子7−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表7に記載する。
(1)素子作成
実施例1と同様に洗浄、UV−オゾン処理を行ったITOガラス基板上に、下記構造式で表されるPTPDES−2(ケミプロ化成製、Tg=205℃)2質量部をシクロヘキサノン98質量部に溶解し、スピンコート(2,000rpm、20秒間、)した後、120℃で30分間乾燥と160℃で10分間アニール処理することで、第1層の正孔注入層(膜厚40nm)を成膜した。
この正孔注入層上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第2層:NPD(膜厚30nm)
第3層:AlqおよびC545T(重量比97:3)(膜厚40nm)
第4層:下記表8に記載の電子輸送材料(膜厚30nm)
この上に、フッ化リチウム1nm及び金属アルミニウム120nmをこの順に蒸着し陰極とした。なお、フッ化リチウムの層上に、パターニングしたマスク(発光領域が2mm×2mmとなるマスク)を設置し、金属アルミニウムを蒸着した。
この得られた積層体を、大気に触れさせることなく、窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、下記表8に記載の有機電界発光素子を得た。
上記にて得られた下記表8に記載の有機電界発光素子について、実施例1と同様に評価を行った。尚、駆動耐久性については、比較素子8−1の時間を100とした場合の相対値として示した。結果を下記表8に記載する。
(合成例1)例示化合物1の合成
以下のスキームにしたがって例示化合物1を合成した。
2L三口フラスコに2−クロロ−3−ニトロピリジン(50g)、アニリン(29.3g)および炭酸ナトリウム(67.8g)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを500mL加えた。180℃で3時間撹拌した後、放冷してから2Lの水中に反応液を注ぎ、1時間撹拌した。析出した固体を濾過し、目的物aを60g得た。
2L三口フラスコに還元鉄52g、塩化アンモニウム2.5g、純水23mL、酢酸2.5mL、イソプロピルアルコール230mLを加えて窒素雰囲気下加熱撹拌した。加熱還流下、a(50g)のジメチルアセトアミド溶液(200mL)をゆっくりと滴下した。滴下後、セライト濾過により還元鉄残渣や無機塩を濾別し、濾液を大量の水中へ注いだ。析出した固体を濾取し、目的物bを41.5g得た。
2L三口フラスコにb(20g)、2,6−ルチジン(53g)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを280mL加えて、窒素雰囲気下、氷浴中で撹拌した。攪拌下、p−ブロモベンゾイルクロライド21.8gを添加した後、室温で5時間撹拌した。反応終了後、反応液を大量の氷水中に注ぎ、得られた固体を濾取し、目的物cを39g得た。
1L三口フラスコにc(39g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(2g)およびキシレン280mLを加えて、窒素雰囲気下、5時間加熱還流させた。反応液を大量の水中へ注ぎ、析出した固体を濾取し、目的物dを34.9g得た。
500mL三口フラスコにd(20g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(17.5g)、酢酸カリウム(16.8g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジク
ロリド(2.34g)およびジメチルアセトアミド120 mLを加えて、窒素雰囲気下、80℃で3時間反応させた。放冷後、反応液を水中へ注ぎ、析出物を濾取した。得られた固体をトルエンに完溶させ、セライト濾過とシリカゲルカラムクロマトフラフィーにより精製し、得られた結晶を減圧乾燥することで目的物eを13.2g得た。
500mLの三口フラスコに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.09g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.27g)、りん酸カリウム(1.39g)および1,2−ジメトキシエタン、水、2−ブロモ−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(2.0g)、e(1.14g)を入れ、窒素雰囲気下90℃で8時間加熱攪拌した。放冷後、反応液を水中へ注ぎ、析出した固体を濾取し、再結晶により精製し、例示化合物1を1.9g得た。
なお、得られた化合物1の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。その結果を図4に示す。
(合成例2)例示化合物2の合成
以下のスキームにしたがって例示化合物2を合成した。
500ML三口フラスコに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.77g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(1.38g)、りん酸カリウム(10.7g)および1,2−ジメトキシエタン、水、9−ブロモ−10−(2−ナフチル)アントラセン(3.2g)、化合物e(8.0g)を加え、窒素雰囲気下に4時間90℃で過熱攪拌した。放冷後反応液を水中に注ぎ、析出した固体を濾取した。得られた固体を再結晶により精製し、例示化合物2を3.69g得た。
なお、得られた化合物2の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。その結果を図5に示す。
(合成例3)例示化合物12の合成
以下のスキームにしたがって例示化合物12を合成した。
1L三口フラスコに4−クロロ−3−ニトロピリジン(35g)、4−ブロモアニリン(38g)および炭酸ナトリウム(46.6g)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(350mL)を加えた。180℃で3時間撹拌した後、放冷してから1Lの水中に反応液を注ぎ、1時間撹拌した。析出した固体を濾取し、目的物fを54g得た。
2L三口フラスコに還元鉄41g、塩化アンモニウム 2.0gおよび純水18mL、酢酸2.0mL、イソプロピルアルコール190mLを加え、加熱還流させた。還流下、f(54g)のジメチルアセトアミド溶液(400mL)を滴下した。滴下後、セライト濾過により還元鉄残渣や無機塩を除去し、濾液を水中へ注ぎ、析出した固体を濾取して目的物gを23.4g得た。
1L三口フラスコにg(23.4g)、2,6−ルチジン(43g)および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(230mL)を加えて窒素雰囲気下、氷浴中で撹拌した。攪拌下、ベンゾイルクロライド9.3mLを滴下した後、室温で5時間さらに撹拌した。反応終了後、反応液を氷水中に注ぎ、固体を濾取し、目的物hを29.8g得た。
1L三口フラスコにh(29.8g)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(1.6g)およびキシレン230mLを加えて、窒素雰囲気下、5時間加熱還流させた。放冷後、得られた固体を濾取し。目的物iを21g得た。
500mL三口フラスコにi(12g)、ビス(ピナコラート)ジボロン(10.5g)、酢酸カリウム(10.1g)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジク
ロリド(1.4g)およびジメチルアセトアミド70mLを加えて、窒素雰囲気下、80℃で3時間加熱攪拌した。放冷後、反応液を水へ注ぎ、酢酸エチルを加えて有機層を抽出し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥させた後、溶媒を留去した。得られた固体にエタノールを加えて晶析し、析出した固体を濾取して目的物jを5.3g得た。
500mL三口フラスコに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.23g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(0.69g)、りん酸カリウム(3.57g)および1,2−ジメトキシエタン、水、2−ブロモ−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(4.23g)とj(4.0g)を加え、窒素雰囲気下90℃で6時間加熱攪拌した。反応させた。放冷後、反応液を2Lの水中へ注ぎ、析出した固体を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで例示化合物12を4.66g得た。
なお、得られた化合物12の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。その結果を図6に示す。
(合成例4)例示化合物15の合成
以下のスキームにしたがって例示化合物15を合成した。
なお、得られた化合物15の同定は元素分析、NMR及びMASSスペクトルにより行った。その結果を図7に示す。
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子
11・・・有機層
12・・・保護層
14・・・接着層
16・・・封止容器
20・・・発光装置
30・・・光散乱部材
31・・・透明基板
30A・・光入射面
30B・・光出射面
32・・・微粒子
40・・・照明装置
Claims (22)
- 基板と、
該基板上に配置され、陽極及び陰極を含む一対の電極と、
該電極間に配置され、発光層を含む少なくとも一層の有機層とを有し、
前記少なくとも一層の有機層のいずれかの層に、少なくとも一種の下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)中、−Ar1−Ar2で表される基が、下記群(b)に含まれる基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(2)で表される化合物が、下記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(4)で表される化合物が、下記一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(3)で表される化合物が、下記一般式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層と前記陰極の間に少なくとも一層の電子輸送層を有し、
前記一般式(1)で表される化合物が該電子輸送層に含有されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。 - 前記電子輸送層が、さらにn型ドーパントを含有することを特徴とする請求項8に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層が発光材料として下記一般式(EM−1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層がホスト材料として下記一般式(HO−1)で表される化合物を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層に、燐光発光材料として下記一般式(E−1)で表されるIr錯体を用いることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)で表される化合物を含有する有機層が、前記発光層と隣接していることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の有機電界発光素子。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた発光装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた表示装置。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載された有機電界発光素子を用いた照明装置。
- 下記一般式(5)で表されることを特徴とする化合物。
- 下記一般式(6)で表されることを特徴とする化合物。
- 下記一般式(1)で表されることを特徴とする化合物。
- 下記一般式(2)で表されることを特徴とする化合物。
- 下記一般式(3)で表されることを特徴とする化合物。
- 下記一般式(4)で表されることを特徴とする化合物。
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