JP6005489B2 - 油圧ショベルの異常検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベルの油圧経路における異常を検出する異常検出方法に関する。
油圧ショベルでは、油圧ポンプで加圧した作動油を油圧回路を介して油圧アクチュエータに供給することで油圧アクチュエータを作動させる。油圧ショベルの油圧回路において、油圧アクチュエータである油圧シリンダを駆動する際に、油圧ポンプから油圧シリンダに流れるべき作動油の流量(期待流量)と、実際に油圧シリンダに流れた作動油の流量(実測流量)とを比較して、油圧回路における作動油漏れ等の異常を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−205141号公報
特許文献1に開示されているように油圧シリンダに流れる作動油の流量を測定するための流量計は比較的高価な流量計であり、油圧ショベルのコストアップに繋がる。また、流量計は作動油の温度や粘度等の影響を受けやすく、測定流量値に含まれる誤差が大きいという問題がある。さらに、流量計は比較的大きな圧力損失を有しており、油圧ショベルのレバー操作があってから実際に油圧アクチュエータに作動油が流れるまでに遅延が生じることがある。このような遅延は、油圧ショベルの操作性に悪影響を及ぼすおそれがある。
そこで、本発明は、流量計を用いずに油圧回路の作動油漏れ等の異常を検出することのできる異常検出方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、油圧シリンダの動作から、該油圧シリンダが該動作を行なうのに必要な作動油の流量をシリンダ供給流量として算出し、油圧ポンプの電流値及び吐出圧力から、該油圧ポンプから吐出される作動油の流量をポンプ吐出流量として算出し、前記シリンダ供給流量と前記ポンプ吐出流量とを比較し、比較結果に基づいて前記油圧シリンダ及び前記油圧シリンダに係る油圧回路の異常を検出する油圧ショベルの異常検出方法が提供される。
本発明によれば、流量計を用いずに油圧回路の作動油漏れ等の異常を検出することができる。
本発明の一実施形態による異常検出方法を行なう油圧ショベルを示す側面図である。 図1に示す油圧ショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。 図1に示す油圧ショベルの油圧システムの回路構成を示すブロック図である。 メインポンプからブームシリンダまでの油圧回路を概略的に示す油圧回路図である。 ブーム操作レバーを中立位置から最大レバー操作位置まで倒したときの、各絞り弁の開口度を示すグラフである。 作動油漏れ検出処理のフローチャートである。 流量差の平均値を求める方法を説明するための図である。 流量差の平均値を時間の経過に沿ってプロットして得られたグラフである。 流量差の平均値の移動平均値を時間の経過に沿ってプロットして得られたグラフである。
次に、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出方法を行なう油圧ショベルを示す側面図である。
油圧ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられている。ブーム4の先端に、アーム5が取り付けられ、アーム5の先端にバケット6が取り付けられている。ブーム4,アーム5及びバケット6は、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つエンジン等の動力源が搭載される。
図2は、図1に示す油圧ショベルの駆動系の構成を示すブロック図である。図2において、機械的動力系は二重線、高圧油圧ラインは実線、パイロットラインは破線、電気駆動・制御系は実線でそれぞれ示されている。
機械式駆動部としてのエンジン11は、油圧ポンプとしてメインポンプ14及びパイロットポンプ15に接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。なお、後述のように、油圧アクチュエータに油圧を供給する油圧回路は2系統設けられることがあり、その場合には油圧ポンプとしてのメインポンプ14は2つの油圧ポンプ14,28を含む。
コントロールバルブ17は、ショベルにおける油圧系の制御を行う制御装置である。下部走行体1用の走行油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9は、高圧油圧ラインを介してコントロールバルブ17に接続される。
また、旋回機構2を駆動するための旋回油圧モータ21がコントロールバルブ17に接続される。旋回油圧モータ21は、旋回制御装置の油圧回路を介してコントロールバルブ17に接続されるが、図2には旋回制御装置の油圧回路は示されていない。旋回油圧装置に関しては後で説明する。
パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。 操作装置26は、レバー26A、レバー26B、ペダル26Cを含む。レバー26A、レバー26B、及びペダル26Cは、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及び圧力センサ29にそれぞれ接続される。圧力センサ29は、電気系の駆動制御を行うコントローラ30に接続されている。本実施形態では、レバー26Aが旋回操作レバーとして機能し、レバー26Bがブーム操作レバーとして機能する。
コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う主制御部としての制御装置である。コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPUが内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
次に、油圧ショベルの油圧システムについて、図3を参照しながら説明する。図3は図1に示す油圧ショベルの油圧システムの回路構成を示すブロック図である。図3において、機械的動力系が二重線、油圧ラインが実線、電気系が太線、制御系が破線でそれぞれ示されている。
本実施形態による油圧ショベルは、2系統の油圧回路を有している。内燃機関よりなるエンジン11には、可変容量式油圧ポンプ28(以下、第1の油圧ポンプ28と称する)及び可変容量式油圧ポンプ14(以下、第2の油圧ポンプ14と称する)が機械的に接続される。
第1の油圧ポンプ28は、例えば可変斜板式油圧ポンプであり、斜板の角度を変更することでポンプ出力を変更することができる。すなわち、第1の油圧ポンプ28への制御電流を変更することにより斜板の角度を調整し、これにより第1の油圧ポンプ28の出力を変更することができる。第1の油圧ポンプ28は、エンジン11の出力により駆動されて高圧の作動油を吐出する。
第2の油圧ポンプ14は、例えば可変斜板式油圧ポンプであり、斜板の角度を変更することでポンプ出力を変更することができる。すなわち、第2の油圧ポンプ14への制御電流を変更することにより斜板の角度を調整し、これにより第2の油圧ポンプ14の出力を変更することができる。第2の油圧ポンプ14は、エンジン11の出力により駆動されて高圧の作動油を吐出する。
第1の油圧ポンプ28及び第2の油圧ポンプ14は、コントロールバルブ17を介して、それぞれ対応付けられた各種アクチュエータに油圧回路で接続される。図3に示す例では、各種アクチュエータは、油圧ショベルの右側車輪を駆動するための走行右モータ1A、同左側車輪を駆動するための走行左モータ1B、旋回機構2を駆動するための旋回モータ21、ブーム4の上げ・下げ駆動するためのブームシリンダ7、アーム5を開閉駆動するためのアームシリンダ8、及びバケット6を駆動するためのバケットシリンダ9である。
コントロールバルブ17は、複数の切換バルブ171−178を備える。複数の切換バルブ171−178は、第1の油圧ポンプ28の吐出側とリザーバタンク40を繋ぐ第1油路42に設けられる切換バルブ171−174の集合と、第2の油圧ポンプ14の吐出側とリザーバタンク40を繋ぐ第2油路44に設けられる切換バルブ175−178の集合とからなる。
切換バルブ171は、走行左モータ1Bによる走行動作を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ172は、旋回モータ21による旋回動作を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ173は、ブームシリンダ7によるブーム上げ動作(2速)を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ174は、アームシリンダ8によるアーム開閉動作(1速)を実現するための作動油の供給状態を切り換える。
切換バルブ175は、走行右モータ1Aによる走行動作を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ175は、バケットシリンダ9によるバケット開閉動作を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ176は、ブームシリンダ7によるブーム上げ・下げ動作(1速)を実現するための作動油の供給状態を切り換える。切換バルブ177は、アームシリンダ8によるアーム開閉動作(2速)を実現するための作動油の供給状態を切り換える。
第1の油圧ポンプ28側の第1油路42において、切換バルブ174より下流側とリザーバタンク40との間には、ネガコン絞り46(負帰還用の絞り)が挿入され、ネガコン圧(ネガコン絞り46の上流側圧力)Pn1がレギュレータ54に負帰還される。第1油路42には、第1油路42のリリーフ圧を調整する可変リリーフ弁50が接続されている。コントローラ30及びレギュレータ54は、ネガコン圧Pn1に基づいて、リザーバタンク40に戻る第1の油圧ポンプ28の吐出流量の損失を低減する態様で、第1の油圧ポンプ28を制御する(いわゆるネガコン制御を行う)。
同様に、第2の油圧ポンプ14の第2油路44において、切換バルブ178より下流側とリザーバタンク40との間には、ネガコン絞り48(負帰還用の絞り)が挿入され、ネガコン圧(ネガコン絞り48の上流側圧力)Pn2がレギュレータ56に負帰還される。第2油路44には、第2油路44のリリーフ圧を調整する可変リリーフ弁52が接続されている。コントローラ30及びレギュレータ56は、ネガコン圧Pn2に基づいて、リザーバタンク40に戻る第2の油圧ポンプ14の吐出流量の損失を低減する態様で、第2の油圧ポンプ14を制御する(いわゆるネガコン制御を行う)。このように、第1の油圧ポンプ28と第2の油圧ポンプ14とは機械的に分離されている。
また、第1油路42及び第2油路44には、油圧回路の最高圧を制限するリリーフ弁60が接続されている。リリーフ弁60は、油圧回路内の圧力が所定の設定圧を超えると作動し、リザーバタンク62に油圧回路を連通させる。
なお、本実施形態において、各油圧シリンダに対して油圧回路を必ずしも2系統設ける必要はなく、例えば、第1の油圧ポンプ14に係る油圧回路のみで各油圧シリンダを駆動することとしてもよい。以下の説明では、第1の油圧ポンプ及びそれに係る油圧回路のみで、各油圧シリンダを駆動するものとする。
上述のような構成の油圧ショベルにおいて、本実施形態による異常検出方法により、油圧ポンプであるメインポンプ14から各油圧シリンダまでの油圧回路での作動油漏れを検出する。以下に、メインポンプ14からブームシリンダ7までの油圧回路を例にとって、作動油漏れ検出方法について説明する。作動油漏れは油圧回路における異常に相当し、作動油漏れ検出方法は異常検出方法の一例である。
なお、作動油漏れは、油圧ポンプから油圧アクチュエータまでの間の油圧回路における任意の部位で発生する。ただし、配管の途中や接続部であるいは制御弁等で作動油漏れが発生する可能性は低く、油圧アクチュエータにおいて作動油漏れが発生する可能性が大きい。例えば、油圧シリンダの場合、ピストンとシリンダの間のシール部分が損傷して作動油漏れが発生することが多い。
図4はメインポンプ14からブームシリンダ7までの油圧回路を概略的に示す油圧回路図である。図4において、メインポンプ14が吐出する高圧の作動油はコントロールバルブ17に供給される。コントロールバルブ17には、メインポンプ14から供給された作動油をタンク40に戻すためのPT油圧ライン70と、メインポンプ14から供給された作動油をブームシリンダ7のボトム側ポート7Bに供給するためのPC油圧ライン80とが接続されている。
PT油圧ライン70は、コントロールバルブ17内のPT絞り弁72に接続されている。PT絞り弁72は可変絞り弁であり、ブーム操作レバーの操作に基づいて、コントロールバルブ17からPT油圧ライン70に流れる作動油の流量を制御する。PT油圧ライン70に流れた作動油は、ネガコン制御を行なうネガコン絞り74を通過して、タンク40に戻される。
PC油圧ライン80は、コントロールバルブ17内のPC絞り弁82に接続されている。PC絞り弁82は可変絞り弁であり、ブーム操作レバーの操作に基づいて、コントロールバルブ17からPC油圧ライン80に流れる作動油の流量を制御する。PC油圧ライン70に流れた作動油は、ブームシリンダ7のボトム側ポート7Bに供給される。
ここで、ブーム4が操作されずに作動油をブームシリンダ7に供給する必要が無いときには、PC絞り弁82が閉じ且つPT絞り弁72が開いて、メインポンプ14からの作動油はPT油圧ライン70に流れる。すなわち、高圧の作動油はブームシリンダ7には供給されず、タンク40にそのまま戻される。
一方、ブーム4を上げるためにブーム操作レバーが操作されると、PT絞り弁72が閉じ且つPC絞り弁82が開いて、メインポンプ14からの高圧の作動油はPC油圧ライン80に流れる。これにより、高圧の作動油がブームシリンダ7のボトム側に供給され、シリンダ内のピストンがロッド側に移動する。
このとき、ブームシリンダ7のロッド側に溜まっていた作動油がピストンにより押し出されるため、作動油をタンク40に戻すためのCT油圧ライン90がブームシリンダ7のロッド側ポート7Rに接続されている。CT油圧ライン90には、CT絞り弁92が設けられている。CT絞り弁92は可変絞り弁であり、ブーム操作レバーの操作に基づいて、ブームシリンダ7のロッド側ポート7Rから排出されてタンク40に戻される作動油の流量を制御する。したがって、ブーム4を上げるためにPT絞り弁72が閉じ且つPC絞り弁82が開くときには、CT絞り弁92も開くように制御される。
なお、図4は、ブーム4を上昇させるためにブームシリンダ7に作動油を供給する動作に係る油圧回路及び回路構成を示したものであり、ブーム4を下降させるための動作に係る油圧回路及び回路構成は図4には示されていない。また、アームシリンダ8及びバケットシリンダ9等の他の油圧アクチュエータの動作に係る油圧回路及び回路構成も図4には示されていない。
ここで、ブーム4を上昇させるためにブーム操作レバーが操作された際の、上述の絞り弁72,82,92の開閉制御について、図5を参照しながら説明する。図5はブーム操作レバーを中立位置から最大レバー操作位置まで倒したときの、各絞り弁の開口度を示すグラフである。
PT絞り弁72について見ると、ブーム操作レバーが中立位置にあるときには、PT絞り弁72はほぼ最大に開いた状態にある。ブーム操作レバーが操作されると、PT絞り弁72は急激に閉じられるが、完全に閉じた状態とはならず、その後徐々に閉じていき、ブーム操作レバーが最大操作位置近傍になった時点で完全に閉じた状態となる。すなわち、ブーム4を駆動するときは、メインポンプ14からの作動油がブームシリンダ7に供給されるように、PT絞り弁72は閉じられる。
一方、PC絞り弁82は、ブーム操作レバーが中立位置にあるときには、閉じた状態にある。ブーム操作レバーが操作されると、PC絞り弁82は一定の速度で開いていき、最大開度の40%程度に開いてから、開く速度が大きくなる。ブーム操作レバーが最大操作位置となる僅かに手前で、全開状態となる。すなわち、ブーム4を駆動するときは、PT絞り弁72がほぼ閉じられた状態から、PC絞り弁82が開き始め、メインポンプ14からの作動油はPC油圧ライン80を流れてブームシリンダ7に供給される。
ブームシリンダ7のボトム側に作動油を供給する際には、ブームシリンダ7のロッド側に溜まっている作動油を逃がさなければならない。そのため、CT油圧ライン90に設けられているCT絞り弁92は、PC絞り弁82とほぼ同時に開き初め、PC絞り弁と同様な開き速度で開いていき、最終的にブーム操作レバーが最大操作位置となる僅か手前で前開状態となる。
次に、本実施形態による異常検出方法の一例である作動油漏れ検出方法について、図6を参照しながら説明する。図6は本実施形態による作動油漏れ検出処理のフローチャートである。図6に示す作動油漏れ検出処理は、ブームシリンダ7に係る油圧回路における作動油漏れを検出する処理であるが、同様な処理を、アームシリンダ8やバケットシリンダ等の他の油圧アクチュエータに係る油圧回路における作動油漏れの検出のために行なうこともできる。なお、本実施形態では、作動油漏れ検出処理はコントローラ30が行なうものとするが、コントローラ30と同様なコンピュータによる制御部を設け、この制御部により作動油漏れ検出処理を行なうこととしてもよい。
作動油漏れ検出処理が開始されると、まず、ステップS1において、コントローラ30は、ブーム操作レバーが操作されたか否かを判定する(ステップS1)。ブーム操作レバーが操作されたと判定すると(ステップS1のYES)、処理はステップS2に進む。ステップS2では、コントローラ30は、ブーム操作レバーのみが操作され(単独レバーON)、且つブーム操作レバーが最大操作位置まで操作された(フルレバー操作された)か否かを判定する。
ステップS2において、単独レバーONでは無い、あるいはフルレバー操作では無いと判定されると(ステップS2のNO)、処理はステップS1に処理はステップS1に戻り、コントローラ30は再び異常検出処理を行なう。すなわち、単独レバーONで且つフルレバー操作という条件が揃わないと、異常検出処理を継続せずに、ステップS1に戻る。単独レバーONでは無い場合は、ブームシリンダ7以外の油圧アクチュエータが駆動されている状態であることを意味する。この状態では、メインポンプ14から吐出される作動油の一部が他の油圧アクチュエータに流れているため、実際にブームシリンダ7に流れる作動油の流量を算出することができない。また、フルレバー操作では無い場合は、PT絞り弁72が完全に閉じておらず、メインポンプ14から吐出される作動油の一部がタンク40に戻っているため、実際にブームシリンダ7に流れる作動油の流量を算出することができない。このように、メインポンプ14から吐出される作動油の全てがブームシリンダ7に流れるための条件として、単独レバーONであり且つフルレバー操作であるという条件に合致するか否かを判定している。
ステップS2において、単独レバーONで且つフルレバー操作であると判定されると(ステップS2のYES)、処理はステップS3に進む。ステップS3では、コントローラ30は、ポンプ流量Qp及びシリンダPC流量Qiを演算により求める。
ここで、ポンプ流量Qpは、メインポンプ14のポンプ吐出量Vにポンプ回転速度(回転数)Npを乗じることで算出することができる。ポンプ吐出量Vは、メインポンプ14のポンプ吐出圧力Piとポンプ制御電流IとからPQ線図を用いて求められる。吐出圧力Piとしては、油圧センサにより実測された値が用いられる。ポンプ流量Qpを求めるときは、ブーム操作レバーが最大操作位置まで操作されているときである。したがって、ポンプ流量Qpを算出する際には、ネガコン制御は働いておらず、ネガコン制御吐出量を考慮する必要は無い。
一方、シリンダPC流量Qiは、ブームシリンダ7のピストン(ロッド)の移動速度Vと、ボトム側におけるピストンの受圧面積Aとを乗じることで演算により求めることができる。
続いて、ステップS4において、コントローラ30は、ポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiとの流量差ΔQ=(Qp−Qi)を演算により求める。次に、ステップS5において、コントローラ30は、流量差ΔQ=(Qp−Qi)が閾値Th以上であるか否かを判定する。
ポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差ΔQが、予め定められた閾値Th以上である場合は、メインポンプ14が吐出した作動油の流量より、ピストン(ロッド)の速度から求めた作動油の流量が小さいということを意味する。このような状態となるのは、メインポンプ14の吐出口からブームシリンダ7のピストンまでの間の油路において、作動油漏れが発生しているからである。したがって、ポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差(Qp−Qi)が、予め定められた閾値Th以上である場合は、ステップS6において、コントローラ30は、油圧回路に異常が発生したと判定し、ブームシリンダ7に係る油圧回路に異常が発生したという情報を出力する。
なお、ステップS5において、ポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差ΔQ=(Qp−Qi)が、予め定められた閾値Th以上では無いと判定された場合は、処理はステップS1に戻り、コントローラ30は再び異常検出処理を行なう。
以上の作動油漏れ検出処理では、ある時点におけるポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差ΔQに基づいて作動油漏れ判定を行なっている。ところが、ポンプ流量Qpの算出値及びシリンダPC流量Qiの算出値がそれぞれ誤差を含んでいると、精度の良い作動油漏れ判定を行なうことができない。そこで、以下に説明するように、ポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差ΔQの積算値の平均値の変化を見ることで、誤差の影響を排除してより精度の高い作動油漏れ判定を行なうことができる。
図7に示すように、まず、図6に示すポンプ流量QpとシリンダPC流量Qiの流量差ΔQ=(Qp−Qi)の演算を、一回のフルレバー操作の間に複数回行なう(サンプリング)ことで、各収集サンプル区間での流量差ΔQの平均値ΔQを以下の式で演算する。
Figure 0006005489


ここで、Sは各収集サンプル区間での収集サンプル数である。図8は平均値ΔQを時間の経過に沿ってプロットして得られたグラフである。
そして、連続してN回取得した流量差ΔQの平均値を移動平均して移動平均値QAVを求める。
Figure 0006005489


図9は移動平均値QAVを時間の経過に沿ってプロットして求めたグラフである。図9における移動平均値QAVは、図8に示す過去10回の流量差ΔQの平均値ΔQを移動平均した値である。図8における時間t0からt10までの間の流量差ΔQの平均値ΔQを移動平均した値が、図9の時間t10における移動平均値QAVに相当する。
油圧ショベルの運転時間の経過に伴い、例えばブームシリンダ7のシール部分での作動油漏れが大きくなると、図9における移動平均値QAVは徐々に大きくなっていく。そこで、警告判定閾値Thalmを予め定めておき、移動平均値QAVが警告判定閾値Thalmを越えたら、異常の警告を発令することとしてもよい。また、異常判定閾値Thabnを予め定めておき、移動平均値QAVが異常判定閾値Thabnを越えたら、メンテナンスが必要であることを通知するメンテナンス警告を発令することとしてもよい。
1 下部走行体
1A,1B 走行油圧モータ
2 旋回機構
3 上部旋回体
4 ブーム
5 アーム
6 バケット
7 ブームシリンダ
8 アームシリンダ
9 バケットシリンダ
10 キャビン
11 エンジン
14 メインポンプ
15 パイロットポンプ
16 高圧油圧ライン
17 コントロールバルブ
21 旋回油圧モータ
25 パイロットライン
26 操作装置
26A 旋回操作レバー
26B レバー
26C ペダル
27 油圧ライン
28 油圧ライン
29 圧力センサ
30 コントローラ
40,62 タンク
42,44 吐出油路
46,48 ネガコン絞り
50,52 可変リリーフ弁
54,56 レギュレータ
171−178 切換バルブ
70 PT油圧ライン
72 PT絞り弁
74 ネガコン絞り
80 PC油圧ライン
82 PC絞り弁
90 CT油圧ライン
92 CT絞り弁

Claims (7)

  1. 所定の時間において、油圧シリンダの動作から、該油圧シリンダが該動作を行なうのに必要な作動油の流量を複数回、シリンダ供給流量として算出し、
    前記所定の時間において、油圧ポンプの電流値及び吐出圧力から、該油圧ポンプから吐出される作動油の流量を複数回、ポンプ吐出流量として算出し、
    前記シリンダ供給流量と前記ポンプ吐出流量とを比較するため、複数回の前記シリンダ供給流量と複数回の前記ポンプ吐出流量の前記所定の時間における平均値を算出し、該算出した平均値に基づいて前記油圧シリンダ及び前記油圧シリンダに係る油圧回路の異常を検出する油圧ショベルの異常検出方法。
  2. 請求項1記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記シリンダ供給流量は、前記油圧シリンダ中で移動するピストンの移動速度と、該ピストンの受圧面積とより算出される油圧ショベルの異常検出方法。
  3. 請求項記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記比較は、前所定の時間において複数回求めた前記シリンダ供給流量と前記ポンプ吐出流量との流量差の平均値をさらに移動平均して得られた移動平均値に基づいて行なわれる油圧ショベルの異常検出方法。
  4. 請求項3記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記流量差は、前記油圧シリンダを操作するための操作レバーの操作量が最大のときに求められる油圧ショベルの異常検出方法。
  5. 請求項1乃至のうちいずれか一項記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記比較は、複数の操作レバーのうち、一つのみが操作されている時に行なわれる油圧ショベルの異常検出方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記油圧ポンプが吐出する作動油は、PC絞り弁を通って前記油圧シリンダに流れ、且つ、PT絞り弁を通ってタンクに流れ、
    前記PC絞り弁及び前記PT絞り弁のそれぞれの開口度は、前記油圧シリンダを操作するための操作レバーの操作量に応じて決まる油圧ショベルの異常検出方法。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の油圧ショベルの異常検出方法であって、
    前記油圧ポンプは、第1の油圧ポンプと第2の油圧ポンプで構成され、前記第1の油圧ポンプが吐出する作動油は第1の切換バルブを通って前記油圧シリンダに供給され、前記第2の油圧ポンプが吐出する作動油は第2の切換バルブを通って前記油圧シリンダに供給される油圧ショベルの異常検出方法。
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