JP6002970B2 - 音響分散性要素の濃度分布の決定 - Google Patents

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Description

本発明は、被験体内での音響分散性要素の分布の決定に、詳細には医療撮像を使った該分布の決定に関する。
オブジェクトまたは組織の微小構造を知る、理解することが技術的または医学的に有益であることがある。たとえば、特定の体積または断面内での粒子または血管の数を知ることは、構造を記述する情報を与えることがあり、病理の診断において支援する際に有用であることさえある。
特許文献1では、縦波を使って単一の周波数でヤング率を測定するために、磁気共鳴エラストグラフィーが使われる。
非特許文献1では、磁気共鳴撮像を使って剪断粘性率および剪断弾性係数を測定する技法が記載される。
国際公開第00/70362号
Sinkus et al., "Viscoelastic shear properties of in vivo breast lesions measured by MR elastography", Magnetic Resonance Imaging 23 (2005), 159-165 Rump et al., "Fractional Encoding of Harmonic Modtions in MR Elastography", Magnetic Resonance in Medicine, 57: 388-395 (2007) Teixeira, J. Small-angle scattering by fractal systems, J. Appl. Cryst 21, 781-785 (1988) Gradshteyn, I.S. & Ryzhik, I.M. Table of Integrals, Series, and Products, Academic Press, Burlington, MA, 2007, 7th ed.
本発明は、独立請求項において医療装置、コンピュータ・プログラム・プロダクトおよび方法を提供する。実施形態は従属請求項において与えられる。
当業者は理解するであろうが、本発明の諸側面は装置、方法またはコンピュータ・プログラム・プロダクトとして具現されうる。よって、本発明の諸側面は完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)または本稿でみな一般に「回路」「モジュール」または「システム」として言及されうるソフトウェアおよびハードウェア側面を組み合わせた実施形態の形を取ることができる。さらに、本願の諸側面は、コンピュータ実行可能なコードが具現されている一つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現されるコンピュータ・プログラム・プロダクトの形を取ることができる。
一つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体はコンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体でありうる。本稿で使われるところの「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティング装置のプロセッサによって実行可能な命令を記憶しうる任意の有体の記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読な非一時的な記憶媒体と称されることもある。コンピュータ可読記憶媒体は、有体なコンピュータ可読媒体と称されることもある。いくつかの実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティング装置のプロセッサによってアクセスされることができるデータを記憶できてもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、固体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスクおよびプロセッサのレジスタ・ファイルを含むがこれに限られない。光ディスクの例は、コンパクトディスク(CD)およびデジタル多用途ディスク(DVD)、たとえばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RWまたはDVD-Rディスクを含む。コンピュータ可読記憶媒体の用語は、ネットワークまたは通信リンクを介してコンピュータ装置によってアクセスされることのできるさまざまな型の記録媒体をも指す。たとえば、データはモデムを通じて、インターネットを通じてまたはローカル・エリア・ネットワークを通じて取得されてもよい。コンピュータ可読媒体上に具現されるコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなどを含むがそれに限られない任意の適切な媒体または上記の任意の好適な組み合わせを使って伝送されうる。
コンピュータ可読信号媒体は、たとえばベースバンドにおいてまたは搬送波の一部としてコンピュータ実行可能コードが具現されている伝搬されるデータ信号を含みうる。そのような伝搬される信号は、電磁、光またはその任意の好適な組み合わせを含むがそれに限られない多様な形の任意のものを取りうる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置またはデバイスによってまたは命令実行システム、装置またはデバイスとの関連で使用されるためのプログラムを通信する、伝搬させるまたは転送することができる任意のコンピュータ可読媒体でありうる。
「コンピュータ・メモリ」または「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の例である。コンピュータ・メモリは、プロセッサにとって直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶」または「記憶」はコンピュータ可読記憶媒体のさらなる例である。コンピュータ記憶は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。いくつかの実施形態では、コンピュータ記憶はコンピュータ・メモリであってもよいし、逆にコンピュータ・メモリがコンピュータ記憶であってもよい。
本稿で用いるところの「プロセッサ」は、プログラムまたは機械実行可能な命令またはコンピュータ実行可能コードを実行できる電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を有するコンピューティング装置への言及は、二つ以上のプロセッサまたは処理コアを含む可能性があると解釈されるべきである。プロセッサはたとえば、マルチコア・プロセッサであってもよい。プロセッサはまた、単一コンピュータ・システム内のまたは複数のコンピュータ・システムの間に分散されたプロセッサの集まりを指すこともある。コンピューティング装置という用語は、それぞれが単数または複数のプロセッサを有するコンピューティング装置の集合またはネットワークを指す可能性もあると解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、同じコンピューティング装置内にあってもよく、または複数のコンピューティング装置の間に分散されていてもよい複数のプロセッサによって実行されてもよい。
コンピュータ実行可能コードは、プロセッサに本発明のある側面を実行させる機械実行可能な命令またはプログラムを含んでいてもよい。本発明の側面のための動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、ジャバ、スモールトーク、C++などといったオブジェクト指向プログラミング言語および「C」プログラミング言語といった従来型の手続き型プログラミング言語または同様のプログラミング言語を含む、一つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよく、機械実行可能な命令にコンパイルされてもよい。いくつかの事例では、コンピュータ実行可能コードは高水準言語の形であっても、あるいは事前コンパイルされた形であってもよく、オンザフライで機械実行可能な命令を生成するインタープリターとの関連で使われてもよい。
コンピュータ実行可能コードは、完全にユーザーのコンピュータ上で、部分的にユーザーのコンピュータ上で、スタンドアローンのソフトウェア・パッケージとして、部分的にはユーザーのコンピュータ上で部分的にはリモート・コンピュータ上で、あるいは完全にリモート・コンピュータまたはサーバー上で実行されうる。この最後のシナリオでは、リモート・コンピュータはユーザーのコンピュータに、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の型のネットワークを通じて接続されてもよく、あるいは(たとえばインターネット・サービス・プロバイダーを使ってインターネットを通じて)外部コンピュータに接続がされてもよい。
本発明の諸側面は、本発明の実施形態に基づく方法、装置(システム)およびコンピュータ・プログラム・プロダクトのフローチャート図および/またはブロック図を参照して記述される。フローチャート、図および/またはブロック図の各ブロックまたはブロックの一部は、適用可能な場合にはコンピュータ実行可能コードの形のコンピュータ・プログラム命令によって実装されることができることは理解されるであろう。さらに、背反でない場合には、異なるフローチャート、図および/またはブロック図におけるブロックの組み合わせが組み合わされてもよいことが理解される。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられて、該コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される該命令が前記フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックにおいて特定されている機能/工程を実装する手段を作り出すよう、機械を生成してもよい。
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスが特定の仕方で機能するよう指令することができるコンピュータ可読媒体に記憶され、それにより、該コンピュータ可読媒体に記憶される命令は、前記フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックにおいて特定されている機能/工程を実装する命令を含む製造物を作り出してもよい。
コンピュータ・プログラム命令はコンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置または他のデバイスにロードされて、該コンピュータ、他のプログラム可能な装置または他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、前記コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される前記命令が前記フローチャートおよび/またはブロック図の単数または複数のブロックにおいて特定されている機能/工程を実装するためのプロセスを提供するようなコンピュータ実装されたプロセスを作り出してもよい。
本稿で用いるところの「ユーザー・インターフェース」は、ユーザーまたは操作者がコンピュータまたはコンピュータ・システムと対話することを許容するインターフェースである。「ユーザー・インターフェース」はまた、「ヒューマン・インターフェース装置」と称されてもよい。ユーザー・インターフェースは情報またはデータを操作者に提供し、および/または情報またはデータを操作者から受け取ってもよい。ユーザー・インターフェースは操作者からの入力がコンピュータによって受け取れるようにしてもよく、コンピュータからユーザーに出力を提供してもよい。換言すれば、ユーザー・インターフェースは操作者がコンピュータを制御もしくは操作することを許容してもよく、該インターフェースはコンピュータが操作者の制御または操作の効果を示すことを許容してもよい。データまたは情報のディスプレイまたはグラフィカル・ユーザー・インターフェース上への表示は、情報を操作者に提供することの例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティング・スティック、グラフィック・タブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ギア・スティック、ハンドル、ペダル、ワイヤードグローブ、ダンス・パッド、リモコンおよび加速度計を通じたデータの受領はみな、操作者からの情報またはデータの受領を可能にするユーザー・インターフェース・コンポーネントの例である。
本稿で用いるところの「ハードウェア・インターフェース」は、コンピュータ・システムのプロセッサが外部のコンピューティング装置および/または装置と対話するおよび/またはこれを制御することを可能にするインターフェースを包含する。ハードウェア・インターフェースは、プロセッサが、制御信号または命令を外部のコンピューティング装置および/または装置に送ることを許容してもよい。ハードウェア・インターフェースは、プロセッサが、外部のコンピューティング装置および/または装置とデータを交換することを可能にしてもよい。ハードウェア・インターフェースの例は、これに限られないが、ユニバーサル・シリアル・バス、IEEE1394ポート、パラレル・ポート、IEEE1284ポート、シリアル・ポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、ブルートゥース接続、無線ローカル・エリア・ネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット(登録商標)接続、制御電圧インターフェース、MIDIインターフェース、アナログ入力インターフェースおよびデジタル入力インターフェースを含む。
本稿で用いるところの「ディスプレイ」または「表示装置」は、画像またはデータを表示するよう適応された出力装置またはユーザー・インターフェースを包含する。ディスプレイは視覚的、聴覚的または触覚的データを出力してもよい。ディスプレイの例は、コンピュータ・モニタ、テレビジョン画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字画面、陰極線管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクター・ディスプレイ、フラットパネル・ディスプレイ、真空蛍光(vacuum fluorescent)ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エネクトロルミネッセント・ディスプレイ(ELD: Electroluminescent display)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード・ディスプレイ(OLED)、プロジェクターおよびヘッドマウント・ディスプレイを含むがこれに限られない。
本稿で用いるところの「超音波窓」は、超音波波動または超音波エネルギーを透過させることのできる窓を包含する。典型的には、薄いフィルムまたは薄膜が超音波窓として使われる。超音波窓はたとえば、BoPET(Biaxially-oriented polyethylene terephthalate[二軸延伸ポリエチレンテレフタラート])の薄膜でできていてもよい。
医療画像データは本稿では、医療撮像スキャナを使って取得された二次元または三次元データとして定義される。医療撮像スキャナは本稿では、患者の物理的な構造についての情報を取得し、二次元または三次元医療画像データのセットを構築するよう適応された装置として定義される。医療画像データは、医師による診断のために有用な視覚化を構築するために使用されることができる。この視覚化はコンピュータを使って実行できる。
磁気共鳴(MR)データは本稿では、磁気共鳴撮像スキャンの間に、原子スピンによって放出された電波周波数信号を磁気共鳴装置のアンテナによって記録した測定として定義される。磁気共鳴撮像(MRI)画像は本稿では、磁気共鳴撮像データ内に含まれる解剖学的データの再構成された二次元または三次元の視覚化として定義される。この視覚化はコンピュータを使って実行されることができる。
磁気共鳴エラストグラフィー・データは、磁気共鳴エラストグラフィーを実行する過程で取得された磁気共鳴データである。
ある側面では、本発明は、被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置を提供する。本稿で用いるところの音響分散性要素(sonically dispersive element)は、音響波の分散(dispersion)を引き起こすほど周囲の媒質から十分に異なる音響インピーダンスを有する、被験体内の粒子または構造を包含する。
本医療装置は、機械実行可能命令を記憶するメモリと、該機械実行可能命令を実行するプロセッサとを有する。前記命令の実行は、前記プロセッサに、少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を記述する剪断波データを受領させる。剪断波データは種々の形を取りうるが、少なくとも、剪断波の伝搬を、時間および該剪断波についての少なくとも二つの異なる伝搬周波数または生成周波数において記述するものである。前記命令の実行はさらに前記プロセッサに、前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定させる。本稿で用いるところの機械的属性は、剪断波の伝搬から導出されることのできる機械的属性である。機械的属性は、空間依存性を有していてもよい。剪断波データは、空間記述性(spatially descriptive)であってもよい。
前記命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定させる。本稿で用いるところの冪乗則関係は、通常の数学的用法である。本質的には、機械的属性は周波数を冪乗したものに対して依存性をもつ。前記命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定させる。この実施形態は、被験体内の音響分散性要素の微小構造または本質的には濃度が、被験体内の剪断波の伝搬のみによって決定できるので、有益でありうる。単一の型の分散性要素の濃度についての情報も、サイズの分布をもつ分散性要素についての情報も決定されることができる。これは、異なる型の分散性要素の混合物を含むこともできる。微小構造は、分散性要素のいくつかのサイズの濃度を記述する粒径分布を用いて特徴付けられてもよい。
これは、基質内での粒子の濃度を検出するといったさまざまな用途をもちうる。またさらには、被験体内での血管または他のオブジェクトの密度を検出するといった医療上の応用をももちうる。分散性要素の性質についての情報を推定するためにも有用でありうる。たとえば、血管のサイズおよび密度は、被験体内での特定の分布から得られる。この情報を知ることは、診断または研究目的のために有用でありうる。
較正データは種々の形を取りうる。たとえば、較正データは、既知の濃度内の被験体に対する経験的な測定を行なうことによって決定されてもよいし、あるいは理論的に散乱(scattering)を研究するまたは音響分散性要素からの剪断波の散乱をモデル化することで決定されてもよい。
もう一つの実施形態では、本医療装置はさらに、剪断波データを測定するための医療撮像システムを有する。前記機械実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、前記医療撮像システムを使って前記剪断波データを取得させる。本稿で用いるところの医療撮像システムは、被験体内の剪断波の進行を非侵襲的に検出できる任意の撮像システムである。例は超音波システムおよび磁気共鳴撮像システムを含むであろう。
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは超音波システムである。超音波システムは超音波データを取得するよう動作可能である。超音波システムは、超音波データにおけるスペックル・パターンを追跡することによって剪断波を決定するよう動作可能である。スペックル・パターンは、多様な波面からの相互干渉によって生成される超音波画像中の強度パターンである。よって、スペックル・パターンは被験体の内部構造に依存する。被験体が剪断波のために内部で動くとき、画像中のスペックル・パターンが動く。スペックル・パターンの位置のこの追跡により、被験体の内部動きの決定ができる。これは、被験体の中を通る剪断波面の進行のマッピングを生成するために使用できる。このようにして、剪断波データは、超音波データから直接的に導出できる。この実施形態は、超音波が非侵襲的であり、被験体へのいかなる損傷もなしに剪断波データの測定を可能にするので、有益でありうる。
もう一つの実施形態では、前記医療撮像システムは磁気共鳴撮像システムである。磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴エラストグラフィー・データを取得するよう動作可能である。磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴エラストグラフィー・データを使って剪断波データを決定するよう動作可能である。磁気共鳴エラストグラフィーは非特許文献2において詳細に説明されている。この論文に記載される端数MRE技法は本発明に適用可能である。
この実施形態は、磁気共鳴撮像が被験体の内部構造の調和的な動きを非常に正確に測定できるので、有益でありうる。これは、被験体の種々の部分の剪断波伝搬の、時間の関数としての測定を可能にする。
もう一つの実施形態では、本医療装置はさらに、被験体内に剪断波を誘起するよう動作可能な振動システムを有する。前記機械実行可能命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記振動システムを使って被験体内に剪断波を引き起こさせる。剪断波データは振動システムによって生成された剪断波を記述する。この実施形態は、本医療装置が自動的に被験体内に剪断波を生成し、剪断波データを取得することができるので、特に有利である。
もう一つの実施形態では、前記振動システムは超音波トランスデューサまたは機械的アクチュエータである。
もう一つの実施形態では、前記振動システムは高密度焦点式超音波(high-intensity focused ultrasound)システムである。高密度焦点式超音波システムは、音の放射力(sonic radiation force)を使って剪断波を誘起するよう動作可能である。高密度焦点式超音波システムが動作する周波数は、直接的に剪断波を生成するために使われるには高すぎることがありうる。しかしながら、高密度焦点式超音波システムの焦点に合焦された超音波はパルス化または変調されてもよい。このパルス化または変調は、時間的に変化する音の放射力を生成する。この実施形態は、被験体内の特定の点で発する剪断波が選択的に生成されることができるので、特に有益でありうる。これは、被験体のある部分を内部的に調査したい場合に特に有用でありうる。
もう一つの実施形態では、前記振動システムは、10Hzから1000Hzの間の周波数で剪断波を生成するよう動作可能である。これは剪断波が組織内で生成されうる周波数なので、この実施形態は、特に貴重でありうる。
もう一つの実施形態では、剪断波データ、機械的属性、冪乗則関係および音響分散性要素の濃度分布は、二次元的な空間依存性または三次元的な空間依存性をもつ。被験体内での音響分散性要素の二次元または三次元分布を知ることが有用でありうるので、この実施形態は、有利でありうる。
もう一つの実施形態では、前記機械実行可能命令の実行はさらに前記プロセッサに、次のうちの任意のものを実行させる:音響分散性要素の濃度分布をメモリに記憶する、音響分散性要素の濃度分布をディスプレイに表示する、音響分散性要素の濃度分布をコンピュータ・ネットワークを介してコンピュータ・システムに送る、およびそれらの組み合わせ。
いくつかの実施形態では、音響分散性要素の濃度分布は、医療画像または磁気共鳴撮像システムもしくは診断超音波システムを使って取得された画像のような他のグラフィック情報と一緒に表示されてもよい。
もう一つの実施形態では、前記機械実行可能命令の実行は前記プロセッサにさらに、音響分散性要素による剪断波の散乱を剪断波周波数の関数としてモデル化することによって較正データを生成させる。前記モデルにおいて、音響分散性要素のサイズも変えられてもよい。数値モデルでは、モデル化を実行するときにサイズの分布および/または濃度の分布を選ぶことも容易である。よって、解析は、上記の代わりに分散性要素がサイズの分布をもつ場合に拡張できる。
本質的には、機械的属性は、系をモデル化することによって周波数の関数として決定できる。これはたとえば、多様な異なる仕方で達成されうる。たとえば、周囲の基質内の分散性要素を含む有限差分モデルが使用されてもよい。もう一つの実施形態では、機械的属性についての冪乗則の周波数依存性を予測するために常微分方程式において使われるフラクタル次元を決定するために、ボックス計数(box counting)アルゴリズムが使用されてもよい。
もう一つの実施形態では、機械的属性は次のうちの任意のものである:弾性率、粘性率、伝搬または伝搬速度、剪断波の減衰および剪断波の分散関係。
もう一つの側面では、本発明は、医療装置を制御するプロセッサによる実行のための機械実行可能命令を有するコンピュータ・プログラム・プロダクトを提供する。前記医療装置は、被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定するよう動作可能である。前記命令の実行は前記プロセッサに、少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を記述する剪断波データを受領させる。前記命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定させる。前記命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定させる。前記命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定させる。
もう一つの側面では、本発明は、被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する方法を提供する。本方法は、少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を記述する剪断波データを受領する段階を含む。本方法はさらに、前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定する段階を含む。本方法はさらに、前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定する段階を含む。本方法はさらに、前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する段階を含む。
もう一つの実施形態では、本方法はさらに、複数の周波数についての較正冪乗則関係を、分散性要素の濃度分布の関数として測定する段階を含む。よって、本質的には、剪断波を生成する種々の周波数において、分散性要素の種々の濃度または分散性要素の種々の濃度分布を含む被験体またはファントムを使うことによって、冪乗則関係が経験的に決定されることができる。本方法はさらに、較正冪乗則関係を使って経験的に較正データを決定する段階を含む。分散性要素の濃度分布およびそのサイズが先験的に既知であれば、これらの測定がされることができ、経験的に較正データを直接決定するために使用されることができる。
組み合わされる実施形態が排他的でない限り、本発明の上述した実施形態の一つまたは複数が組み合わされてもよいことが理解される。
以下では、本発明の好ましい実施形態について単に例として、図面を参照して述べる。
本発明のある実施形態に基づく方法を示すフローチャートである。 医療装置の例を示す図である。 医療装置のさらなる例を示す図である。 医療装置のさらなる例を示す図である。 医療装置のさらなる例を示す図である。 音響分散性要素の濃度分布を決定する方法の一部を示すために使われる一連の画像である。 音響分散性要素の濃度分布を決定する方法の一部を示すために使われる一連の画像である。 微粒子濃度の計算に対する複数の解法を示す図である。 どのように正しい解が決定されることができるかを示す流れ図である。 微粒子が埋め込まれたコロイド・ゲル試料の光学顕微鏡画像を示す図である。 実験的なセットアップを示す図である。 実験データのプロットを示す図である。 実験データのさらなるプロットを示す図である。 固定粒子サイズの種々の密度についてのボックス計数結果を示す図である。 濃度の関数としてのフラクタル次元dfの例を示す図である。 D=2でのρ-1/Dの関数としての特徴的長さζ(ここではピクセル=μmの単位で)を示す図である。 全遅延時間分布a(t)について二つの寄与の概略的な描画を示す図である。
これらの図面における同様の番号を付された要素は、等価な要素であるか同じ機能を実行する。先に論じた要素は、機能が等価であれば、必ずしものちの図面では論じられない。
図1は、本発明のある実施形態に基づく方法を示すフローチャートを示している。まず、ステップ100において、少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を記述する弾性波データが受領される。次に、ステップ102において、前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性が決定される。次いで、ステップ104では、前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係が決定される。次いで、ステップ106では、前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布が決定される。たとえば、音響分散性要素の濃度分布の関数としてさまざまな冪乗則関係についてのエントリーを含むルックアップテーブルが生成されることができる。
いくつかの事例では、被験体内の音響分散性要素のサイズまたは近似的なサイズについての先験的な知識を使うことが有益であることがある。いくつかの場合には、音響分散性要素のサイズはよく知られていることがある。たとえば、音響分散性要素が血管である場合、被験体内の血管の平均的なまたは典型的なサイズは事前に知られていることがあり、較正データとの関連でも有用であることがある。たとえば、較正データは、分散性要素の特定の型または分布についてのものであることがある。
図2は、医療装置200の例を示している。医療装置200はコンピュータ202を有する。コンピュータ202はプロセッサ206に接続されたハードウェア・インターフェース204を有する。プロセッサ206はユーザー・インターフェース208およびコンピュータ記憶210およびコンピュータ・メモリ212にも接続されている。コンピュータ記憶210内に剪断波データ214が記憶される。剪断波データ214は機械的属性216を導出するために使われ、該機械的属性216もコンピュータ記憶210に記憶される。コンピュータ記憶210は、機械的属性216から導出または計算される冪乗則関係218をも含む。コンピュータ記憶210は、冪乗則関係218を較正データ222と比較することによって冪乗則関係218を使って計算された音響分散性要素の濃度220を含むものとしても示されている。較正データ222もコンピュータ記憶210に記憶されるものとして示されている。剪断波データ214、機械的属性216、冪乗則関係218および音響分散性要素の濃度220または音響分散性要素の濃度分布は空間依存性を有していてもよい。
コンピュータ・メモリ212は制御モジュール224を含むものとして示されている。制御モジュール224はプロセッサ206が医療装置200の動作および機能を制御できるようにする。機械的アクチュエータまたは剪断波を生成するシステムまたは医療撮像システムのような追加的なコンポーネントが医療装置200に加えられる場合、プロセッサ206は制御モジュール224によって、ハードウェア・インターフェース204を介してそれらを制御できるようにされてもよい。コンピュータ・メモリ212はさらに、剪断波データ処理モジュール226を含むものとして示されている。剪断波データ処理モジュール226は、プロセッサ206が剪断波データ214から機械的属性216を決定できるようにするコンピュータ実行可能コードを含む。
コンピュータ・メモリ212はさらに、冪乗則決定モジュール228を含むものとして示されている。冪乗則決定モジュール228は、プロセッサが機械的属性216から冪乗則関係を決定できるようにするコンピュータ実行可能コードを含んでいる。コンピュータ・メモリ212はさらに、濃度決定モジュール230を含むものとして示されている。濃度決定モジュール230は、プロセッサが、冪乗則関係218および較正データ222を使って音響分散性要素の濃度220または音響分散性要素の濃度分布を決定できるようにする。
最後に、コンピュータ・メモリ212は、較正データ生成モジュール232を含むものとして示されている。較正データ生成モジュール232は、いくつかの実施形態では較正データ222を理論的に計算するために使われる任意的なモジュールである。他の実施形態では、較正データ生成モジュールは経験的な測定を使って較正データ222を導出または計算してもよい。
図3は、医療撮像システム300のさらなる例を示している。図3の医療撮像システムは図2に示したものと同様であるが、追加的に、医療撮像システム302および機械的アクチュエータ310も含まれているものとして示されている。医療撮像システム302は代表的であることが意図されており、被験体306内を進行する剪断波を検出できるいかなる医療撮像システムであってもよい。医療撮像システムは特に、磁気共鳴撮像システムまたは超音波システムを表わしていてもよい。部分的に撮像ゾーン304内にある被験体台308上に安置されているものとして示されている被験体306がある。
被験体306に接触している機械的アクチュエータ310があり、これが剪断波314を生成する。いくつかの事例では、剪断波をローカルに生成するために開口中に挿入されたカテーテルまたはオブジェクトもあってもよい。機械的アクチュエータ310は、機械的アクチュエータ310を動かすための電力または他の作動力を供給する機械的アクチュエータ・コントローラ312に接続されている。磁気共鳴撮像システムの場合、機械的アクチュエータ・コントローラ312はたとえば、機械的アクチュエータ310に空気パワーを提供してもよく、あるいは非磁性棒を動かしてもよい。医療撮像システム302および機械的アクチュエータ・コントローラ312はハードウェア・インターフェース204に接続されているものとして示されている。これは、プロセッサ206が医療撮像システム300のさまざまなコンポーネントの動作および機能を制御できるようにする。
コンピュータ記憶210は、医療撮像システム302を使って取得された医療画像データ316を含むものとして示されている。コンピュータ・メモリ212はさらに画像プロセッサ・モジュール318を含むものとして示されている。撮像処理モジュール318は、プロセッサ206が医療画像データ316から剪断波データ214を生成できるようにする。
図4は、医療装置400のさらなる例を示している。この例では、医療撮像システムは磁気共鳴撮像システム402である。磁気共鳴撮像システムは磁石404を有する。磁石404は円筒型超伝導磁石であり、その中心を貫いてボア406がある。
この磁石は超伝導コイルをもつ液体ヘリウム冷却クライオスタットを有する。永久磁石または抵抗性磁石を使うことも可能である。異なる型の磁石を使うことも可能である。たとえば、分割円筒型磁石およびいわゆる開放型磁石の両方を使うことも可能である。分割円筒型磁石は標準的な円筒型磁石と同様であるが、磁石のアイソ面(iso-plane)へのアクセスを許容するために、クライオスタットが二つのセクションに分割されている。そのような磁石はたとえば、荷電粒子ビーム療法との関連で使用されることがある。開放型磁石は一方が他方の上にある二つの磁石セクションをもち、その間の空間は被験体を受け入れるのに十分大きい。二つのセクションの配置はヘルムホルツ・コイルと同様である。開放型磁石は、被験者がそれほど閉じ込められないので人気がある。円筒型磁石のクライオスタット内部には、超伝導コイルの集合がある。円筒型磁石のボア406内には、磁場が磁気共鳴撮像を実行するために十分強くかつ一様である撮像ゾーン408がある。機械的アクチュエータ310が、磁石のボア406内にあるものとして示されている。
磁石のボア406内にはまた、磁石404の撮像ゾーン408内の磁気スピンを空間エンコードするよう磁気共鳴データの取得のために使われる一組の傾斜磁場コイル〔磁場勾配コイル〕410もある。傾斜磁場コイルは傾斜磁場コイル電源412に接続されている。傾斜磁場コイル410は代表的であることが意図されている。典型的には、傾斜磁場コイルは、三つの直交する空間方向における空間エンコードのために、三つの別個の組のコイルを含む。傾斜磁場電源412は傾斜磁場コイル410に電流を供給する。磁場コイルに供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ状またはパルス状にされてもよい。
撮像ゾーン408に隣接して、撮像ゾーン408内の磁気スピンの配向を操作するためおよびやはり撮像ゾーン内のスピンからの電波送信を受信するための高周波コイル414がある。高周波コイルは複数のコイル要素を含んでいてもよい。高周波コイルはチャネルまたはアンテナと称されてもよい。高周波コイル414は高周波トランシーバ416に接続される。高周波コイル414および高周波トランシーバ416は、別個の送信および受信コイルならびに別個の送信機および受信機によって置き換えられてもよい。高周波コイル414および高周波トランシーバ416は代表的であることは理解される。高周波コイル414は専用の送信アンテナおよび専用の受信アンテナをも代表することが意図されている。同様に、トランシーバ416は別個の送信機および受信機を表していてもよい。
機械的アクチュエータ・コントローラ312、トランシーバ416および傾斜磁場コイル電源412はコンピュータ202のハードウェア・インターフェース204に接続されているものとして示されている。
この例では、医療画像データは磁気共鳴データである。コンピュータ記憶210はさらに、パルス・シーケンス420を含むものとして示されている。パルス・シーケンス420は、磁気共鳴データ316を取得するために磁気共鳴撮像システム402を制御するためのコマンドのセットを導出するために使われてもよい。たとえば、制御モジュール224は、パルス・シーケンス420を使って、磁気共鳴データ316を取得してもよい。
図5は、図4に示した実施形態と類似した医療機器500を示している。しかしながら、図5では、機械的アクチュエータの代わりに高密度焦点式超音波システム506が使われる。高密度焦点式超音波システム506は超音波を点522に合焦する。超音波をオンまたはオフしてスイッチングするまたは超音波を変調することにより、被験体306内に剪断波が生成されることができる。剪断波314は、焦点522から外向きに放射するものとして示されることができる。
被験体306が被験体台308上に安置されているものとして示されている。医療装置200は高密度焦点式超音波システム506を有する。高密度焦点式超音波システム506は流体充満チャンバ508を有する。流体充満チャンバ508内に超音波トランスデューサ510がある。この図では示していないが、超音波トランスデューサ510はそれぞれが超音波の個別ビームを生成することができる複数の超音波トランスデューサ素子を有する。これは、超音波トランスデューサ素子のそれぞれまたはグループに供給される交流電流の位相および/または振幅を制御することによって電子的に焦点522の位置を操縦するために使用されてもよい。点522は、医療装置500の調整可能な焦点を表わす。
超音波トランスデューサ510は、超音波トランスデューサ510が機械的に位置決めし直されることを許容する機構512に接続されている。機構512は、機構512を作動させるよう適応された機械的アクチュエータ514に接続されている。機械的アクチュエータ512は、超音波トランスデューサ510に電力を供給するための電源をも代表している。いくつかの実施形態では、電源は、個々の超音波トランスデューサ素子への電力の位相および/または振幅を制御しうる。
超音波トランスデューサ510は、経路516をたどるものとして示される超音波を生成する。超音波516は流体充満チャンバ508を通り、超音波窓518を通る。この実施形態では、超音波は次いでゲル・パッド520を通過する。ゲル・パッド520はすべての実施形態において必ず存在するわけではないが、この実施形態ではゲル・パッド520を受け入れるための凹部が被験体台308にある。ゲル・パッド520はトランスデューサ510と被験体306との間で超音波パワーを結合するのを助ける。ゲル・パッド520を通過後、超音波516は照射体積522または標的ゾーンに合焦される。
照射体積522は、超音波トランスデューサ510を機械的に位置決めすることと照射体積522の位置を電子的に操縦することとの組み合わせを通じて動かされてもよい。焦点522に合焦された超音波の強度を変調またはパルス化することによって、被験体において剪断波314が誘起されることができる。
図6は、音響分散性要素の濃度分布を決定する方法の一部を示すために使われる一連の画像である。第一の画像600は、多様な微粒子606で満たされた基質〔マトリクス〕604と接触しているトランスデューサまたは機械的アクチュエータ602を示している。超音波トランスデューサ602は、微粒子606によって部分的に分散される剪断波(shear wave)を誘起することができる。次の画像608は、基質604を通る剪断波の輸送を表わす剪断波画像608または剪断波データを示す。剪断波撮像システムは剪断波伝搬を取得または位置合わせすることを許容する。
画像610は機器的属性を決定するために使われる再構成された画像を表わす。専用のソフトウェアが、波伝搬の理論から機械的属性の再構成を許容する。これは、弾性率、粘性率、伝搬、減衰および波の分散関係を含みうるが、それに限られない。次の画像613は、周波数の対数614対機械的属性の対数616の二つのプロットを示す。画像610ではローカル体積612が示されている。ローカル体積612が調べられ、この周波数についてのその特定の点における機械的属性が決定される。これが第一のプロット上のプロットされた値618である。これは次いで複数の周波数において繰り返され、複数のプロット値が620として示されている。機械的属性の周波数依存性を得るために、実験は異なる周波数で繰り返される。
次に、図7は、再び画像613の一部を示している。複数の値620がプロットされ、破線で示される冪乗則当てはめが実行される。アルファの値はこの直線702の傾きであり、冪乗則当てはめを表わす。冪乗則指数アルファ702の抽出が、機械的属性の周波数依存性を特徴付ける。画像704は、アルファ702を用いて微粒子密度を解釈するために使われてもよい一つの理論的モデルを示している。このプロットは、空間的スケールに対する、基質内に分散した微粒子の理論的表現について計算された充填因子(filling factor)を示している。調べている体積または領域を特徴付けるために、ボックス計数アルゴリズムが使われる。空間的スケール上には、通常のフラクタル充填領域712と通常のユークリッド充填領域714との間の遷移を特徴付ける値710がある。たとえば空間内の血管または粒子であってもよい障害物の分布は、空間的スケール、すなわちマイクロメートル、ミリメートルまたはセンチメートル・スケールのいずれで見ているのかの関数として解析されることができる。たとえば画像704において、障害物が古典的な幾何学的充填とフラクタル充填空間との間で変化するところの充填空間が示されることができる。異常部分は指数またはアルファの傾きに結びつけられる。この部分は物質の微小構造によって定義されるので、アルファ702の値から微小構造の詳細を推定することが可能である。これは、剪断波の波長がフラクタル充填領域712を感知するのに十分小さい場合にのみ実現可能である。
図8は、微粒子密度に対する複数の解がありうることを示している。再び画像613がアルファの計算を表わすために使われる。プロット800では、濃度分布対アルファの値が示されている。アルファの特定の測定された値について二つの解802がありうる。この値は、剪断波の分散(dispersion)属性の理論的な導出を使って導出された。
Figure 0006002970
Dispは、測定がフラクタル領域内かユークリッド領域内かの指標であり、dfはフラクタル次元であり、dは次元であり、ωは調査されている周波数であり、t0は微粒子の半径と等価な特徴的時間である。Dispが1よりずっと大きいときは、フラクタル効果があり、Dispが1よりずっと小さいときは、フラクタル効果がない。この上記の式の理論の手短かな概要が下記の付録に含まれる。特に、付録において式(9)の「一般的重み」とラベル付けされた部分を参照。
図9は、正しい解を決定する方法を示している。ステップ900において、データ取得およびαmpの値の抽出が決定される。ここで、αmpは機械的属性mpについての冪乗則関係である。次に、ステップ902において、観察される病理に基づく障害物サイズおよび濃度または濃度分布の推定が決定される。次に、ステップ904において、フラクタル効果公式(上記で示したDisp)における微粒子のサイズ範囲rOEおよび濃度範囲CEの注入が実行される。rOEおよびCEの選択は、微小構造の何らかの先験的知識を付与し、解を決定することを可能にする。
Dispの値が1よりずっと小さければ、分枝906が選択される。この場合にはフラクタル効果はなく(908)、濃度を抽出することはできない(910)。この場合、周波数が変更され(914)、方法はステップ900に戻る。Dispが1よりずっと大きい場合(912)には、フラクタル効果がある(924)。CEがCmin(下限最小濃度解)よりずっと小さければ、低い濃度918が選択される。濃度が最小920であれば、一つの解しかなく、解はわかる。CEがCminより大きければ、高い濃度が選択される(926)。式Dispの使用は必要ではない。αmpと濃度の間の関係を決定するために、実験または数値シミュレーションが実行されることができる。
磁気共鳴エラストグラフィー(MRE)は、組織の機械的属性を非侵襲的に評価することができる技法である。これらの属性の評価は、組織を横切る低周波数の機械的剪断波の測定を介して間接的になされる。(見かけの拡散係数につながる効果と同様の)微小な障害物の存在が伝搬する剪断波の分散関係(dispersion relation)を変え、よって媒質の巨視的なスケールでの見かけの機械的属性に影響しうることが仮定されることができる。拡散強調撮像(DWI: diffusion weighted imaging)では、乱れた媒質は二つの効果につながりうる:見かけの拡散係数につながる典型的な拡散長の短縮および/またはもはや時間に比例せず1に等しくない時間の端数冪に比例する平均平方変位(いわゆる異常拡散)である。DWIでは、撮像ボクセル内で行なわれる大規模な平均化のために、微小構造情報は失われ、異なるb値を使って組織を調べるときに明らかにできるだけである。同様に、ここで、機械的波動の伝搬が多重散乱効果のために拡散性の領域にはいるところでは、機械的属性の周波数依存性はサブボクセルの微小構造の評価を許容できる。この研究において、我々は、散乱粒子の正確に制御されたサイズ分布を含む較正されたファントムにおける剪断波の伝搬を調べ、剪断波が巨視的なスケールにおいて物質の隠れていた微小構造属性を明らかにすることができることを初めて実証する。
これを実験的に試験するため、80°Cでの水浴において調製された15g/Lのアガロース溶液(BRL、型番5510UB)を使ってゲル・ファントムが作成された。よく定義された散乱粒子サイズ分布を作り出すために、固化の前に、正確に知られた直径(1μm、5μm、10μm、30μmおよび150μmの直径、シグマ・アルドリッチ)および濃度をもつポリスチレン微小球のコロイド懸濁液がゲルに加えられた。これは図10に示されている。
図10は、埋め込まれた微粒子1002をもつコロイド・ゲル試料1004の光学顕微鏡画像1000を示している。この画像はライカ顕微鏡を使って50倍の倍率で撮影された。明らかに、異なるサイズの粒子が識別できる。それにより測定された体積当たりの直径分布は、期待される理論値に対応し、ゲルの所望される微小構造属性を確証する。
ねらいは、すべての調製されたゲルについて球の8%の濃度(組織における血管の体積分率と同様)を維持することであった。ポリスチレン微小球は、きわめて高められた剪断弾性係数(〜MPa)をもち、よって柔らかいゲル(〜kPa)中で微視的な散乱体としてはたらくことができる。種々の試料が調製された:参照用の球なしのゲル、一つの型の球のみをもつゲル(いわゆるモノサイズ・ゲル)および冪乗則に従う粒子サイズ分布を、よってフラクタル属性をもつゲルである。冪乗則粒子サイズ分布(dが粒子直径であるとして#〜dγ)の種々の指数が作成された(γ=−2、−1、0)。γの値0は、平坦な分布、つまり小さな粒子も大きな粒子も同数存在することを示す。MREが水平7T撮像スキャナ(ファルマスキャン、ブルーカー、ドイツ国エルランゲン)で実行された。円形伝搬を誘起するために試料の中心に置かれた爪楊枝によって機械的振動が生成された。MRスキャナの外部に位置された電磁シェーカーが、柔軟なカーボン・ファイバー棒を介して爪楊枝に機械的振動を伝達するために使われた。これは図11に示されている。
図11は、使用された実験セットアップの概略を示している。ゲルは、MREセットアップ上に取り付けられた挿入部に充填される。図11は実験セットアップの例を示している。カーボン棒1102に接続された電磁シェーカー1100がある。電磁シェーカー1100はカーボン棒1102を矢印1104で示される方向に動かす。カーボン棒1102はクレードル1106に接続されている。クレードル1106は棒1104の動きを矢印1108によって示される異なる動きに変換する。1108は1104を横切る向きである。爪楊枝1110はクレードル1106に取り付けられている。爪楊枝1110は、ゲル1114で満たされた容器1112に挿入され、パラフィルム1116でシーリングされる。爪楊枝1110は上下に振動して、ゲル1114内に剪断波1118を誘起する。
爪楊枝1110のまわりに置かれた試料は自家製の支持部により常に同じ高さであった。表面受信機コイルが、最適な信号対雑音を保証するためにゲルの水準面で試料のまわりに置かれた。各ファントムについて、定常状態MREシーケンスが、150から300Hzの範囲の機械的励起周波数および以下のシーケンス・パラメータをもって適用された:8ダイナミクス、7個の連続的横断スライス、スライス厚さ0.4mm、視野=25mm×25mm、マトリクス・サイズ=256×256、TE/TR=27-17/427-353ms、取得時間は励起周波数および動きエンコード勾配周期の数に依存して6から10minの範囲。ファントム内部の3Dの伝搬する機械的波動の体積画像を得るために、MREシーケンスは、動きの三つの空間的方向について取得された。取得時間全体(300分に及ぶこともある!)の間のゲルの潜在的な時間発展を考慮に入れるために、最初の実験は取得時間の最後に繰り返された。これは、潜在的に乾燥する効果について補正することを許容した。等方的再構成技法を用いてデータは再構成された。
実験結果を調べる際、各ファントムの複素剪断弾性係数(G*)は、エージング効果のため、複数周波数MRE実験の最初と最後の間で最大10%増大した。図2に呈示されるように、結果は、巨視的な剪断弾性係数は四つの調査された試料について周波数依存性であり、|G*(ω)|=α・ωz0の冪乗則に従うことを示している。図12および図13に示されるように、微小球の10μmモノサイズ分布をもつゲルの冪係数z0は参照ゲルのz0に比べてほとんど変わらない。
図12は、実験データのプロットを示している。図12は、ヘルツ単位の周波数1200に対する規格化された複素剪断弾性係数1202のプロットを示している。+印の点1204は10μmのゲルについての測定である。線1206はデータ1204に対する冪乗則当てはめである。xの印の点1208は参照ゲルについて取られている。線1210は1208に対する冪乗則当てはめである。
図13はさらなる実験データを示している。1304または+でラベル付けされた点はガンマ=0のフラクタルに対応する。線1306はデータ1304に対する冪乗則当てはめである。xで印されたデータ1308は参照ゲルである。線1310はデータ1308に対する冪乗則当てはめである。
しかしながら、微小球のフラクタル分布の存在においては、z0は参照ゲルに比べて、因子2.2により有意に増大する。他のすべてのフラクタル・ゲルも同様にz0における有意な増大を示した。
実験的試験は、機械的な剪断波拡散の周波数依存性が、散乱構造のサブボクセル分布を探査することを許容し、結果として本来的にMR撮像感度に頼る空間解像度限界を克服できることを示した。これらの実験結果は理論的および数値的にFEMシミュレーションを介して確認された(図示せず)。しかしながら、この研究では、ゲルの機械的属性は作成プロセスに決定的に依拠しており、異なるゲルの相対的な傾きのみが比較された。コロイド・ゲルの固化プロセスが改善される必要があり、フラクタル・フロック(floc)中に微小球の凝集を誘起すると思われるゲルの固化後のファントム中の微小球分布を画像化するために、CTスキャンのような追加的な撮像モダリティが関わるべきである。さらに、調べたゲルは、粒子が背景よりも約1000倍硬いという、非常に簡略化された二相構造構成からなるものであった。生物組織はずっと複雑な構成を呈し、サイズのみではなく硬さコントラストおよび長さ分布にも多様性がある。複数サイズの分布および複数の弾性属性示す微小球をもつファントムのほうが本物の組織をよりよくシミュレートするであろう。ここに観察された効果は、微視的な組織構成要素の、エラストグラフィー技法によって測定される機械的属性に対する影響を理解する上で重要な役割を果たしうる。MREによっては直接検出可能ではない小さな転移または新血管形成のような微小な包含物をエラストグラフィー・データから検出し、記述する視点を開く。
本発明について図面および上記の記述において詳細に図示し、記述してきたが、そのような図示および記述は、制約ではなく、例解または例示するものと考えられるものである。本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。
図面、本開示および付属の請求項を吟味することにより、開示された実施形態に対する他の変形が特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。請求項において「有する/含む」の語は他の要素やステップを排除するものではなく、単数形の表現は複数を排除するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットが請求項に記載されるいくつかの項目の機能を充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる従属請求項において記載されているというだけの事実がそのような施策の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータ・プログラムは、他のハードウェアと一緒にまたは他のハードウェアの一部として供給される、光学式記憶媒体または半導体媒体のような好適な媒体上で記憶/頒布されてもよいが、インターネットまたは他の有線もしくは無線の遠隔通信システムを介するなどして、他の形で頒布されてもよい。請求項に参照符号があったとしても範囲を限定するものと解釈すべきではない。
付録
ボックス計数による物質の幾何学的な特徴付け:対相関関数(pair-correlation function)
固定サイズの非常に硬い粒子で満たされた単純な均質な弾性媒質(粘性なし)をいかにして特徴付けるかを考察する。その目的のために、図14に示されるボックス計数法を使う。図14は、異なる密度および固定した粒子直径10μmについてのボックス計数結果を示している。この直径はx軸上で1=log(10)に対応する。
この型の複合物質について二つの相異なる領域を識別できる。それらの領域は特徴的長さζで分けられ、
N(r)〜rdf<ζ (1)
N(r)〜rD<ζ (2)
となる。ここで、フラクタル次元としてdfを導入した。ここではこれがその定義と考えられ、よってdfはある帯域幅内の冪乗則の指数を表わす。
低密度については、df≒1を観察する一方、より高い密度についてはdfは2Dシミュレーションについては2に近づく(図15参照)。図15はフラクタル次元df(すなわち、図14における非ユークリッド部分の傾き)を濃度の関数として示している。
この依存性は、第一原理から導出されるのではない。それは単に実験結果である。しかしながら、物質はいかなる複雑な凝集体も形成しないので、特徴的長さζはこれらの条件の下では単純な幾何学的関係
ζ∝ρ-1/D (3)
に従う必要がある。ここで、ρは均質な背景に埋められている粒子の密度である。この関係は図16に示される。
距離rにおいて粒子を見出す確率を評価するために(すなわち、いわゆる対相関関数を探索している)、Teixeiraのアプローチに従う。非特許文献3参照。原点から半径r以内の粒子数は次のように書ける。
Figure 0006002970
式(2)および(4)の微分により確率密度関数について次式が得られる。
P(r)〜rdf-D (5)
明らかに、df≡Dのユークリッド分布の場合には、P(r)〜r0となり、よって、期待されるとおりN(r)〜rDとなる。
物質の背景を一定かつ等方的であると考えると、この確率密度は、距離rのところに別の障害物を見出す可能性がどのくらいかを記述するので、物質についての遅延時間(lag-time)分布を表わす。これが、このフラクタル部分をODA理論につなぐための主要な発想である。図16は、特徴的な長さζ(ここではピクセル=μm単位)をここではD=2としてρ-1/Dの関数として示している。
よって、図14ないし図16の結果は、濃度ρを%で表わすとして、次のパラメータ化を与える。
Figure 0006002970
この知識を用いて、今、遅延時間分布を構築することができる。それが、伝搬βの分散属性を計算するためにODAにおける必要な式を解析的に解くことを許容してくれる。よって、遅延時間分布a(t)は、フラクタル部分を記述する一つの項と、古典的なユークリッド部分を記述する項の二つの項から構成される。フラクタル部分の有効性の限界は特徴的長さζによって与えられ、これは時間領域ではτF=ζ/c0と呼ばれる。ここで、c0は背景物質中の波の速度である。方程式を解析的にするために、抑制(suppression)のための指数関数を使う。よって、ユークリッド部分は小さな距離については1−e-t/τFによって抑制される。無限の値の遅延時間を防ぐために、ユークリッド部分はさらに、τF<τDである特徴的な時定数τDをもつ指数関数によって抑制される。これは次の遅延時間分布を与える(図17参照)。
a(t)=tdf-D-1e-t/τF+t-1(1−e-t/τF)e-t/τD (8)
ここで、追加1/rを導入したのは、1Dで作用するODA理論についての次元Dについて開発された確率密度を使いたいからである!
図17は、全遅延時間分布a(t)についての二つの寄与の概略を示している。有限の粒子サイズは解析をt>t0〜r0/c0に制限する。
遅延時間分布のβについての分散関係への変換は、a(l)のフーリエ・サイヌス変換(Fourier sinus transform)を計算することを必要とする。すなわち、特性方程式(characteristic equation)を計算する必要がある(非特許文献4、p.498、eq.2参照)。
Figure 0006002970
明らかに、df→Dについて、フーリエ・サイヌス積分は0を与える。よって、分布のユークリッド部分からの多重反射はβに寄与しない。よって、式(8)の二つの異なる項は、波の伝搬について次式を与える。
Figure 0006002970
ここで、αは直接ビームについてのスケール因子(これはτFのオーダー)である。
Figure 0006002970
200 医療装置
202 コンピュータ
204 ハードウェア・インターフェース
206 プロセッサ
208 ユーザー・インターフェース
210 コンピュータ記憶
212 コンピュータ・メモリ
214 剪断波データ
216 機械的属性
218 冪乗則関係
220 音響分散性要素の濃度分布
222 較正データ
224 制御モジュール
226 剪断波データ処理モジュール
228 冪乗則決定モジュール
230 濃度決定モジュール
232 較正データ生成モジュール
300 医療装置
302 医療撮像システム
304 撮像ゾーン
306 被験体
308 被験体台
310 機械的アクチュエータ
312 機械的アクチュエータ・コントローラ
314 剪断波
316 医療画像データ
318 画像処理モジュール
400 医療装置
402 磁気共鳴撮像システム
404 磁石
406 磁石のボア
408 撮像ゾーン
410 傾斜磁場コイル
412 傾斜磁場コイル電源
414 高周波コイル
416 トランシーバ
420 パルス・シーケンス
500 医療装置
506 高密度焦点式超音波システム
508 流体充満チャンバ
510 超音波トランスデューサ
512 機構
514 機械的アクチュエータ/電源
516 超音波の経路
518 超音波窓
520 ゲル・パッド
522 焦点
600 励起段階
602 超音波トランスデューサ
604 基質
606 微粒子
608 剪断波撮像
610 再構成された画像
612 ローカルな値
613 機械的パラメータ対周波数のプロット
614 周波数の対数
616 機械的属性の対数
618 値
620 複数の値
700 冪乗則当てはめ
702 アルファ
704 プロット
706 空間的スケール
708 充填因子
710 濃度の屈曲
712 異常なフラクタル充填
714 正常なユークリッド充填
800 プロット
802 二つの解
1000 画像
1002 微粒子
1004 ゲル
1100 電磁シェーカー
1102 カーボン棒
1104 棒の機械的な動き
1106 クレードル
1108 クレードルの動き
1110 爪楊枝
1112 容器
1114 ゲル
1116 カバー
1118 剪断波
1200 周波数Hz
1202 規格化された複素剪断弾性係数
1204 10μmの微小球をもつゲル
1206 1204への冪乗則当てはめ
1208 参照ゲル
1210 1208への冪乗則当てはめ
1304 ガンマ=0をもつフラクタル
1306 1304への冪乗則当てはめ
1308 参照ゲル
1310 1308への冪乗則当てはめ
いくつかの態様を記載しておく。
〔態様1〕
被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置であって、当該医療装置は:
・機械実行可能命令を記憶するメモリと;
・該機械実行可能命令を実行するプロセッサとを有しており、前記命令の実行は、前記プロセッサに、
・少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領し、
・前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定し、
・前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定し、
・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定することをさせる、
医療装置。
〔態様2〕
当該医療装置がさらに前記剪断波データを測定するための医療撮像システムを有しており、前記機械実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、前記医療撮像システムを使って前記剪断波データを取得させる、態様1記載の医療装置。
〔態様3〕
前記医療撮像システムが超音波システムであり、前記超音波システムは超音波データを取得するよう動作可能であり、前記超音波システムは、前記超音波データにおけるスペックル・パターンを追跡することによって前記剪断波データを決定するよう動作可能である、態様2記載の医療装置。
〔態様4〕
前記医療撮像システムが磁気共鳴撮像システムであり、前記磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴エラストグラフィー・データを取得するよう動作可能であり、前記磁気共鳴撮像システムは、前記磁気共鳴エラストグラフィー・データを使って前記剪断波データを決定するよう動作可能である、態様2記載の医療装置。
〔態様5〕
当該医療装置はさらに、被験体内に前記剪断波を誘起するよう動作可能な振動システムを有し、前記機械実行可能命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記振動システムを使って被験体内に剪断波を引き起こさせ、前記剪断波データはその剪断波を表わす、態様2ないし4のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様6〕
前記振動システムは超音波トランスデューサまたは機械的アクチュエータを含む、態様5記載の医療装置。
〔態様7〕
前記振動システムは高密度焦点式超音波システムを含み、前記高密度焦点式超音波システムは、音の放射力を使って剪断波を誘起するよう動作可能である、態様5記載の医療装置。
〔態様8〕
前記振動システムは、10Hzから1000Hzの周波数をもつ剪断波を生成するよう動作可能である、態様5、6、7のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様9〕
前記剪断波データ、前記機械的属性、前記冪乗則関係および前記音響分散性要素の濃度分布が、二次元的な空間依存性または三次元的な空間依存性をもつ、態様1ないし8のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様10〕
前記機械実行可能命令の実行はさらに前記プロセッサに:前記音響分散性要素の濃度分布を前記メモリに記憶すること、前記音響分散性要素の濃度分布をディスプレイに表示すること、前記音響分散性要素の濃度分布をコンピュータ・ネットワークを介してコンピュータ・システムに送ること、およびそれらの組み合わせのうちの任意のものを実行させる、態様1ないし9のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様11〕
前記機械実行可能命令の実行は前記プロセッサにさらに、前記音響分散性要素による剪断波の散乱を剪断波周波数および/または音響分散性要素サイズの関数としてモデル化することによって前記較正データを生成させる、態様1ないし10のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様12〕
前記機械的属性が:弾性、粘性、伝搬、減衰および分散関係のうちの任意のものである、態様1ないし11のうちいずれか一項記載の医療装置。
〔態様13〕
被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置を制御するプロセッサによる実行のための機械実行可能命令を有するコンピュータ・プログラムであって、前記命令の実行は前記プロセッサに、
・少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領し、
・前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定し、
・前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定し、
・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定することをさせる、
コンピュータ・プログラム。
〔態様14〕
被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する方法であって:
・少なくとも二つの周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領する段階と;
・前記少なくとも二つの周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定する段階と;
・前記少なくとも二つの周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定する段階と;
・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する段階とを含む、
方法。
〔態様15〕
当該方法がさらに:
・複数の周波数についての較正冪乗則関係を、分散性要素の濃度分布の関数として測定する段階と;
・前記較正冪乗則関係を使って経験的に前記較正データを決定する段階とをさらに含む、
態様14記載の方法。

Claims (15)

  1. 被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置であって、当該医療装置は:
    ・機械実行可能命令を記憶するメモリと;
    ・該機械実行可能命令を実行するプロセッサとを有しており、前記命令の実行は、前記プロセッサに、
    ・少なくとも二つの剪断波周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領し、
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定し、
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定し、
    ・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定することをさせる、
    医療装置。
  2. 当該医療装置がさらに前記剪断波データを測定するための医療撮像システムを有しており、前記機械実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、前記医療撮像システムを使って前記剪断波データを取得させる、請求項1記載の医療装置。
  3. 前記医療撮像システムが超音波システムであり、前記超音波システムは超音波データを取得するよう動作可能であり、前記超音波システムは、前記超音波データにおけるスペックル・パターンを追跡することによって前記剪断波データを決定するよう動作可能である、請求項2記載の医療装置。
  4. 前記医療撮像システムが磁気共鳴撮像システムであり、前記磁気共鳴撮像システムは、磁気共鳴エラストグラフィー・データを取得するよう動作可能であり、前記磁気共鳴撮像システムは、前記磁気共鳴エラストグラフィー・データを使って前記剪断波データを決定するよう動作可能である、請求項2記載の医療装置。
  5. 当該医療装置はさらに、被験体内に前記剪断波を誘起するよう動作可能な振動システムを有し、前記機械実行可能命令の実行はさらに、前記プロセッサに、前記振動システムを使って被験体内に剪断波を引き起こさせ、前記剪断波データはその剪断波を表わす、請求項2ないし4のうちいずれか一項記載の医療装置。
  6. 前記振動システムは超音波トランスデューサまたは機械的アクチュエータを含む、請求項5記載の医療装置。
  7. 前記振動システムは高密度焦点式超音波システムを含み、前記高密度焦点式超音波システムは、音の放射力を使って剪断波を誘起するよう動作可能である、請求項5記載の医療装置。
  8. 前記振動システムは、10Hzから1000Hzの剪断波周波数をもつ剪断波を生成するよう動作可能である、請求項5、6、7のうちいずれか一項記載の医療装置。
  9. 前記剪断波データ、前記機械的属性、前記冪乗則関係および前記音響分散性要素の濃度分布が、二次元的な空間依存性または三次元的な空間依存性をもつ、請求項1ないし8のうちいずれか一項記載の医療装置。
  10. 前記機械実行可能命令の実行はさらに前記プロセッサに:前記音響分散性要素の濃度分布を前記メモリに記憶すること、前記音響分散性要素の濃度分布をディスプレイに表示すること、前記音響分散性要素の濃度分布をコンピュータ・ネットワークを介してコンピュータ・システムに送ることのうちの一つまたは複数を実行させる、請求項1ないし9のうちいずれか一項記載の医療装置。
  11. 前記機械実行可能命令の実行は前記プロセッサにさらに、前記音響分散性要素による剪断波の散乱を剪断波周波数および/または音響分散性要素サイズの関数としてモデル化することによって前記較正データを生成させる、請求項1ないし10のうちいずれか一項記載の医療装置。
  12. 前記機械的属性が:弾性、粘性、被験体内を進行する剪断波の伝搬速度被験体内を進行する剪断波を減衰させる性質および被験体内を進行する剪断波の分散関係のうちの一つである、請求項1ないし11のうちいずれか一項記載の医療装置。
  13. 被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置を制御するプロセッサによる実行のための機械実行可能命令を有するコンピュータ・プログラムであって、前記命令の実行は前記プロセッサに、
    ・少なくとも二つの剪断波周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領し、
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定し、
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定し、
    ・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定することをさせる、
    コンピュータ・プログラム。
  14. 被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する医療装置の作動方法であって、前記医療装置のプロセッサが
    ・少なくとも二つの剪断波周波数について、被験体内の剪断波の伝搬を表わす剪断波データを受領する段階と;
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数のそれぞれにおいて前記剪断波データを使って被験体の機械的属性を決定する段階と;
    ・前記少なくとも二つの剪断波周波数と前記機械的属性との間の冪乗則関係を決定する段階と;
    ・前記冪乗則関係および較正データを使って被験体内の音響分散性要素の濃度分布を決定する段階とを含む、
    方法。
  15. 前記較正データが、複数の冪乗則関係を複数の濃度分布と関係付けるものである、請求項14記載の方法。
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