JP6002467B2 - レジストパターン形成方法、レジスト組成物 - Google Patents
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Description
前記レジスト材料はポジ型とネガ型とに分けられ、露光した部分の現像液に対する溶解性が増大するレジスト材料をポジ型、露光した部分の現像液に対する溶解性が低下するレジスト材料をネガ型という。
前記現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液(アルカリ現像液)が用いられている。また、芳香族系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤、アルコール系溶剤等の有機溶剤を現像液として用いることも行われている(たとえば特許文献1、2参照)。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEB(電子線)、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として化学増幅型レジストが知られている。
化学増幅型レジストとしては、一般的に、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する組成物が用いられている。たとえば現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、基材成分として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられている。
従来、化学増幅型レジスト組成物の基材成分としては主に樹脂(ベース樹脂)が用いられている。現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主流である。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
該ベース樹脂は、一般的に、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を含有している。たとえば、酸発生剤から発生した酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる酸分解性基を有する構成単位とともに、ラクトン構造を有する構成単位、水酸基等の極性基を有する構成単位等が用いられている(たとえば特許文献3参照)。ベース樹脂がアクリル系樹脂である場合、前記酸分解性基としては、一般的に、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基を第三級アルキル基、アセタール基等の酸解離性基で保護したものが用いられている。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を応用して行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光は、あらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
また、レジスト膜を形成後、該レジスト膜に対して露光を2回以上行い、現像してレジストパターンを形成する二重露光法も提案されている(たとえば特許文献4参照)。この二重露光法によれば、上述したダブルパターニングプロセスと同様、高解像性のレジストパターンを形成することが可能であり、また、ダブルパターニングに比べて工程数が少ないという利点がある。
たとえば、微細パターン(孤立トレンチパターン、微細かつ密集したコンタクトホールパターン等)の形成においては、特に膜厚方向で光学強度の弱い領域が生じてレジストパターンの解像性が低下しやすい。
上記のような微細パターン形成には、光学強度の弱い領域が選択的に溶解除去されて形成するレジストパターン(ネガ型パターン)形成方法が有用である。主流であるポジ型現像プロセスで用いられる化学増幅型レジスト組成物を用いてネガ型パターンを形成する方法としては、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)と組み合わせたネガ型現像プロセスが知られている。しかしながら、当該ネガ型現像プロセスは、環境面、装置・コスト面で、アルカリ現像液と組み合わせたポジ型現像プロセスに比べて劣る。これに対し、リソグラフィー特性に優れたネガ型パターンを形成できる新規なレジストパターン形成方法が求められる。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様のレジストパターン形成方法の、前記工程(1)で用いられることを特徴とするレジスト組成物である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「ヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部または全部が水酸基で置換された基である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明のレジストパターン形成方法は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)と、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)とを含有するレジスト組成物を、支持体上に塗布してレジスト膜を形成する工程(1)と、前記レジスト膜を露光する工程(2)と、前記工程(2)の後にベークを行い、前記レジスト膜の未露光部において、前記酸性化合物成分(J)の作用により、前記基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる工程(3)と、前記レジスト膜をアルカリ現像し、前記レジスト膜の未露光部が溶解除去されたネガ型レジストパターンを形成する工程(4)と、を含む。
「ネガ型レジストパターン」は、レジスト膜の未露光部がアルカリ現像液により溶解除去されて、露光部がパターンとして残るレジストパターンである。
「酸性化合物」は、その成分自体が酸性を有する化合物、すなわちプロトン供与体として作用する化合物を意味する。
酸性化合物が分解して酸性度が低下するとは、当該酸性化合物の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し、酸性度、すなわちプロトン供与性が低下することをいう。酸性度は例えばpKa値の大小により比較することができる。本発明におけるpKaは、酸解離定数であって、対象物質の酸強度を示す指標として一般的に用いられているものをいう。後述する酸性化合物成分(J)や酸性化合物成分(J)成分の分解生成物のpKa値は常法により測定して求めることができる。また、「ACD/Labs」(商品名、Advanced Chemistry Development社製)等の公知のソフトウェアを用いた計算により推定することもできる。
本実施形態では、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)と、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)とを含有するレジスト組成物が用いられている。
まず、図1(a)に示すように、当該レジスト組成物を、支持体1上に塗布してレジスト膜2を形成する(工程(1);図1(a))。
次に、前記で形成されたレジスト膜2を、図1(b)に示すように、所定のパターンが形成されたフォトマスク3を介して露光する。これにより、レジスト膜2のうち、露光された領域(露光部)では、露光により酸性化合物成分の酸性度が低下し、プロトン供与能が低下する又は失われる(工程(2);図1(b))。
露光の後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を行う。このベークにより、レジスト膜2のうち、未露光部2bでは、レジスト膜中の酸性化合物成分(J)の酸性度が低下していないため、該酸性化合物成分(J)の作用により、基材成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。一方、露光部2aでは、酸性化合物成分(J)の酸性度が低下しているため、基材成分のアルカリ現像液に対する溶解性は変化しないか、変化してもその変化量がわずかである。これにより、露光部2aと未露光部2bとの間にアルカリ現像液に対する溶解速度の差(溶解コントラスト)が生じる(工程(3);図1(c))。
その後、アルカリ現像液による現像を行う。これにより、レジスト膜2の露光部2aが残留し、未露光部2bがアルカリ現像液に溶解除去され、その結果、図1(d)に示すように、支持体1上に、露光部2aから構成されるレジストパターンが形成される(工程(4);図1(d))。
本実施形態では、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)と、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)と、を含有するレジスト組成物を、支持体1上に塗布してレジスト膜2を形成する。
該レジスト組成物の具体例については後で詳しく説明する。
また、支持体1としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよく、有機系の膜が設けられたものが好ましい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層膜が挙げられる。特に、有機膜が設けられていると、基板上に、高アスペクト比のパターンを容易に形成でき、半導体の製造等において有用である。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層膜)と、少なくとも一層のレジスト膜とを設け、上層のレジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。多層レジスト法には、基本的に、上層のレジスト膜と下層膜との二層構造とする方法と、これらのレジスト膜と下層膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法と、に分けられる。多層レジスト法によれば、下層膜により所要の厚みを確保することにより、レジスト膜を薄膜化し、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。このとき用いられる有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、該感受性を有するものであってもよく、有さないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、レジストパターンを用いて有機膜をエッチングすることにより、レジストパターンを有機膜へ転写し、有機膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、ブリューワサイエンス社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
たとえば、レジスト組成物を、スピンコート、スピンナーを用いる等の従来公知の方法により支持体1上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、レジスト膜2を形成できる。
塗膜の乾燥方法としては、塗膜に含まれる有機溶剤(レジスト溶剤)を揮発させることができればよく、たとえばプレベーク(PAB)する方法、クーリングプレート上等で常温で乾燥させる方法、等が挙げられる。
プレベーク温度は、70〜140℃が好ましく、70〜130℃がより好ましく、70〜120℃がさらに好ましい。
プレベーク時間は、40〜120秒間が好ましく、60〜90秒間がより好ましい。
プレベークの有無については、用いるレジスト組成物の材料や、形成するパターンのターゲットから、上記利点等を鑑みて、適宜決定することができる。
また、本発明において、塗布後のレジスト膜の全面に存在する酸性化合物成分(J)は、基材成分(A)のアルカリ性現像液に対する溶解性を変化させ得るものであるため、塗布後、露光するまでの間に酸性化合物成分(J)の作用によって基材成分(A)の溶解性を変化させないことが好ましい。熱を加えることにより、酸(酸性化合物成分(J))による基材成分(A)の溶解性変化は促進され得るため、プレベークを行わないことにより、レジスト膜2の露光部2aと未露光部2bとのコントラストを向上させ、解像性の高いネガ型パターンを形成することができる。
また、プレベークを行わない場合であれば、工程(1)で形成されるレジスト膜2の膜厚は、300nm以下であることが好ましく、200nm以下であることがより好ましく、50〜150nm以下であることが特に好ましい。レジスト膜2の膜厚が300nm以下であれば、プレベークを行わなくても、常温下でスピンコート等による塗布方法によって、有機溶剤が残存しにくく乾燥しやすくなり、レジスト膜2の支持体1面内均一性が高まる。
本実施形態では、前記工程(1)で形成されたレジスト膜2を、フォトマスク3を介して選択的に露光する。これにより、露光部2aでは、露光により酸性化合物成分(J)の酸性度が低下し、プロトン供与能が低下する又は失われる。
露光量は、露光部2aに存在する酸性化合物成分(J)が分解して酸性度が低下し、露光部2aと未露光部2bとのコントラストが得られる程度であればよい。
露光に用いる波長は、特に限定されず、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。微細なレジストパターンを形成しやすいことから、ArFエキシマレーザー、EUV、又はEBが好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。
フォトマスク3としては、特に限定されず、公知のものを利用でき、たとえば、遮光部の透過率が0%のバイナリーマスク(Binary−Mask)や、遮光部の透過率が6%のハーフトーン型位相シフトマスク(HT−Mask)を用いることができる。なお、ハーフトーン型位相シフトマスクにより選択的に未露光部を形成してもよい。
バイナリーマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてクロム膜、酸化クロム膜等が形成されたものが用いられる。
位相シフトマスクは、光の位相を変化させる部分(シフタ)が設けられたフォトマスクである。そのため、位相シフトマスクを用いることにより、未露光部への光の入射を抑制でき、未露光部と露光部との間の対アルカリ現像液溶解コントラストが向上する。位相シフトマスクとしては、ハーフトーン型位相シフトマスクの他に、レベンソン型位相シフトマスク等も挙げられる。これらの位相シフトマスクはそれぞれ市販のものが利用できる。ハーフトーン型位相シフトマスクとして、具体的には、一般的には石英ガラス基板上に、透過率が数〜10%程度(一般的には6%)の遮光部(シフタ膜)としてMoSi(モリブデン・シリサイド)膜、クロム膜、酸化クロム膜、酸窒化シリコン膜等が形成されたものが挙げられる。
なお、本実施形態では、フォトマスク3を介して露光を行っているが、本発明はこれに限定されず、フォトマスクを介さない露光、たとえばEB等の描画により選択的露光を行ってもよい。
具体的には、本工程(2)での露光により、露光部2aでは、酸性化合物成分(J)の酸性度が低下し、且つ、露光により塩基を発生する成分から塩基が発生する。これにより、露光部2aにおいて、酸性度が低下した分解後の酸性化合物や未分解の酸性化合物成分(J)と、露光により塩基を発生する成分から発生した塩基との中和反応が進行し、基材成分のアルカリ現像液に対する溶解性の変化が小さいか、変化してもその変化量がわずかとなる。一方で、未露光部2bでは、酸性化合物成分(J)の酸性度は低下せず、且つ露光により塩基を発生する成分からの塩基の発生もない。これにより、露光部2aと、未露光部2bとのアルカリ現像液に対する溶解速度に差(溶解コントラスト)を生じさせることができる。
露光により塩基を発生する成分についての詳細は後述する。
液浸露光では、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズと支持体1上のレジスト膜2との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜2と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のフォトマスク3を介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜2の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、レジスト膜2の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体を、簡便な方法で除去できることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物として具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
「潜像」とは、レジスト膜の、フォトマスクの透過部を透過した放射線が照射された領域(露光部)を意味する。
上記のような操作を行うと、レジスト膜2に、第一のラインアンドスペースパターンのライン状の潜像と第二のラインアンドスペースパターンのライン状の潜像とが交差した格子状の潜像が形成される。このレジスト膜2に対し、後述の工程(3)、工程(4)の操作を行うと、潜像が形成されていない領域(未露光部)が溶解除去される一方、露光部は除去されずに残膜し、その結果、微細かつ密集したホールパターンが形成される。
本実施形態では、前記工程(2)の後にベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を行う。
ベークは、温度条件が好ましくは50〜200℃程度、より好ましくは80〜150℃程度、さらに好ましくは90〜130℃程度;ベーク時間が好ましくは10〜300秒間、より好ましくは40〜120秒間、さらに好ましくは60〜90秒間で行うことが好ましい。
このように、レジスト膜2を露光後にベークを行うと、未露光部2bでは酸性度の低下していない未分解の酸性化合物成分(J)の作用により、基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。一方、露光部2aでは、露光により酸性化合物成分(J)の酸性度が低下しているため十分な反応が進行せず、基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性が変化しないか、変化してもその変化量がわずかとなる。これにより、露光部2aと未露光部2bとのアルカリ現像液に対する溶解速度に差(溶解コントラスト)が生じる。
このように溶解コントラストが生じることで、後の工程(4)でアルカリ現像した際に、高解像のネガ型レジストパターンが形成される。
本実施形態では、前記工程(3)の後、アルカリ現像を行うことにより、レジスト膜2の未露光部2bが溶解除去され、露光部2aが残膜してネガ型レジストパターンが形成される。
アルカリ現像液として具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二級アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三級アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類などのアルカリ性水溶液を使用することができる。
なかでも、アルカリ現像液としては、第一級アミン類、第二級アミン類、第三級アミン類および第四級アンモニウム塩から成る群より選ばれる少なくとも1種類を含むアルカリ性水溶液が好ましく、これらの中でもテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の水溶液を用いることが特に好ましい。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加したものを使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度(現像液中の無機アルカリ、第四級アンモニウム塩又はアミン化合物の濃度、現像液の全質量を基準として)は、通常0.01〜20質量%である。
アルカリ現像処理は、公知の方法により実施できる。
上記アルカリ現像の後、純水等によるリンス処理を行ってもよい。
また、上記アルカリ現像の後、さらに、ベーク(ポストベーク)を行ってもよい。ポストベークは(アルカリ現像やリンス処理後の水分を除去する目的で行われるため)通常100℃程度の条件で行われ、ベーク時間は、好ましくは30〜90秒間である。
たとえば上述した実施形態においては、未露光部2bにおいて上記PEB等のベーク処理を行ったときの酸の濃度が高まることから、酸性化合物成分(J)と共に、酸増殖剤成分を併用してもよい。
エッチングには公知の方法が利用できる。たとえば支持体1が基板上に有機膜を有するものである場合、該有機膜のエッチングは、ドライエッチングが好ましい。特に、生産効率等の点から、酸素プラズマエッチング、またはCF4ガスもしくはCHF3ガスを用いたエッチングが好ましく、中でも酸素プラズマエッチングがより好ましい。
基板のエッチングは、ハロゲンガスを用いたエッチングが好ましく、フッ化炭素系ガスを用いたエッチングがより好ましく、CF4ガス又はCHF3ガスを用いたエッチングが特に好ましい。
そのため、本発明のレジストパターン形成方法によれば、膜厚方向で光学強度の弱い領域が生じやすいレジストパターン(孤立トレンチパターン、微細かつ密集したコンタクトホールパターン等)を高い解像性で形成できる。
また、本発明のレジストパターン形成方法によれば、該レジストパターンの高密度化も可能であり、たとえばホール間の距離が30〜50nm程度であるような、個々のホールが近接したコンタクトホールパターンを良好な形状で形成できる。
また、本発明のレジストパターン形成方法は、既存の露光装置を用いて実施できる。
本発明の第二の態様のレジスト組成物は、前記レジストパターン形成方法の、前記工程(1)で用いられるレジスト組成物であって、少なくとも、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)(以下「(A)成分」ということがある。)と、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)(以下「(J)成分」ということがある。)と、を含有する。
本発明のレジスト組成物は、さらに、露光により塩基を発生する成分を含有していてもよい。その場合、前記(A)成分が、露光により塩基を発生し、且つ酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分であってもよく、さらに、光塩基発生剤成分(C)を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である。
「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。本明細書および特許請求の範囲において「樹脂」という場合、分子量が1000以上の重合体を示す。
重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
本発明において(A0)成分を用いた場合、(A0)成分は工程(3)でのベーク前後で未露光部の極性が変化するため、アルカリ現像により、良好な現像コントラストを得ることができる。
該(A0)成分は、酸の作用により極性が増大する樹脂成分であってもよく、酸の作用により極性が増大する低分子化合物成分であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。
(A0)成分としては、酸の作用により極性が増大する樹脂成分であることが好ましく、特に、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有する高分子化合物(A1)(以下「(A1)成分」という。)を含有するものが好ましい。
(A1)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、さらに、−SO2−含有環式基を含む構成単位(a0)及びラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)からなる群から選択される少なくとも一種の構成単位を有するものが好ましい。
また、(A1)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、又は、前記構成単位(a0)及び構成単位(a2)からなる群から選択される少なくとも一種の構成単位と前記構成単位(a1)とに加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(a3)を有するものが好ましい。
また(A1)成分としては、さらに、露光により塩基を発生する構成単位(a5)を有するものも好ましい。
構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SO3H)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’のアルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
酸分解性基を含む置換基としては、上記で説明した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基が好ましいものとして挙げられる。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、水酸基で置換した基が挙げられる。該ヒドロキシアルキル基における水酸基の数は、1〜5が好ましく、1が最も好ましい。
α置換アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に、水酸基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。それらのなかでも、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいヒドロキシスチレンのベンゼン環に結合してもよい、水酸基以外の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、−COOXe(Xeは水素原子または有機基である。)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。それらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子を有機基で置換したもの、α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基が結合したもの、等が挙げられる。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ビニル安息香のα位の水素原子を置換する置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。それらのなかでも、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
α位の水素原子が置換基に置換されていてもよいビニル安息香酸のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
X1は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
前記Y2における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記Y2における2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
ヘテロ原子を含む二価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−C(=O)−O−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい二価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
Y2が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アリール基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
前記Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でY2における「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
R1’、R2’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
なかでも、下記一般式(a1−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−13)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−14)で表される構成単位、および下記一般式(a1−0−15)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
式(a1−0−11)中、R21のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
R22が、当該R22が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR22としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
各式中、hは、1〜4の整数であり、1または2が好ましい。
R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
R25の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a1−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−2)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−13)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)または(a1−1−2)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−35)、(a1−1−36)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−15)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−4)〜(a1−1−6)、(a1−1−34)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のY2が前記−Y21−O−Y22−または−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基であるものが好ましい。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
R14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
eは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
Y2’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
Y2”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
b’は前記と同じであり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
tは1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、LWR等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a0)は、−SO2−含有環式基を含む構成単位である。
構成単位(a0)は、−SO2−含有環式基を含むことにより、(A1)成分を含有するレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の基板への密着性を高める。また、感度、解像性、露光余裕度(ELマージン)、LWR(ラインワイズラフネス)、LER(ラインエッジラフネス)、マスク再現性等のリソグラフィー特性の向上に寄与する。
ここで「−SO2−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO2−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO2−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。
−SO2−含有環式基においては、その環骨格中に−SO2−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
−SO2−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO2−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO2−を含む環式基、すなわち−O−SO2−中の−O−S−が環式基の環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環であることが好ましい。
−SO2−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることが好ましく、4〜15であることがより好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO2−含有環式基は、−SO2−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO2−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO2−含有脂肪族環式基である。
−SO2−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO2−または−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH2−が−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH2−CH2−が−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であることが好ましい。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO2−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR6はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R6におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
構成単位(a0)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって−SO2−含有環式基を含む構成単位が好ましい。
構成単位(a0)の例として、より具体的には、下記一般式(a0−0)で表される構成単位が挙げられる。
前記式(a0−0)中、R39は、−O−、又は、−NH−である。
前記式(a0−0)中、R30は、前記で挙げた−SO2−含有環式基と同様である。
R29’における2価の連結基としては、上述した構成単位(a1)の説明の中で挙げた一般式(a1−0−2)中のY2における2価の連結基として挙げたものと同様のものが挙げられる。なかでも、アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)を含むものがより好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記Y2における脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R20−C(=O)−O−[式中、R20は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a0)は、下記一般式(a0−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
R20の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
該直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記のR29’で好ましいものとして挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−または−C(CH3)2CH2−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前記の式−Y21−O−Y22−、式−[Y21−C(=O)−O]m’− Y22−または式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21、Y22、m’は、それぞれ前記と同じである。
なかでも、式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基が好ましく、式−(CH2)c−O−C(=O)−(CH2)d−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。dは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
式(a0−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a0−0−12a)または(a0−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
(A1)成分中の構成単位(a0)の割合は、当該(A1)成分を含有するレジスト組成物を用いて形成されるレジストパターン形状が良好となり、ELマージン、LWR、マスク再現性等のリソグラフィー特性にも優れることから、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜60モル%であることが好ましく、5〜55モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましく、15〜45モル%が最も好ましい。
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含む構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(=O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン含有環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液(特にアルカリ現像プロセスの場合)との親和性を高めたりする上で有効なものである。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位が好ましい。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
R’のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”(R”は前記同様)と同様のものが挙げられる。
A”としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R29は単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、前記一般式(a1−0−2)中のY2で説明した2価の連結基と同様であり、それらの中でも、アルキレン基、エステル結合(−C(=O)−O−)、もしくはそれらの組み合わせであることが好ましい。R29における2価の連結基としてのアルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。具体的には、前記Y2における脂肪族炭化水素基で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
s”は1〜2の整数が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例をそれぞれ例示する。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)および(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位(ただし、上述した構成単位(a1)、(a0)、(a2)に該当するものを除く)である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、環状の脂肪族炭化水素基(環式基)が挙げられる。該環式基としては、単環式基でも多環式基でもよく、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該環式基としては多環式基であることが好ましく、炭素数は7〜30であることがより好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって極性基含有脂肪族炭化水素基を含む構成単位が好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記の式(a3−1)で表される構成単位、式(a3−2)で表される構成単位、式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
jは1であることが好ましく、特に、水酸基が、アダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a5)は、露光により塩基を発生する構成単位である。
構成単位(a5)は、露光により塩基を発生し得る部位を有するものであればよく、カルバメート基(ウレタン結合)含有のもの、アシルオキシイミノ基含有のもの、イオン系のもの(アニオン−カチオン複合体)、カルバモイルオキシイミノ基含有のもの等が挙げられる。
また、構成単位内に環構造を有しているものが好ましく、当該環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、キサントン、チオキサントン、アントラキノン、フルオレン等の環骨格を有するものが挙げられる。
ここで、「エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位」とは、エチレン性二重結合を有する化合物におけるエチレン性二重結合が開裂して単結合となった構造の構成単位を意味する。
エチレン性二重結合を有する化合物としては、たとえば、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物、シクロオレフィンまたはその誘導体、ビニルスルホン酸エステル等が挙げられる。また、カルバミン酸またはそのエステルの−NH2の水素原子がビニル基等で置換された化合物等も挙げられる。
これらの中でも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物が好ましい。
アクリルアミドまたはその誘導体のα位の炭素原子に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方を置換する置換基としては、有機基が好ましい。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物としては、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステル中のα位の炭素原子に結合した−C(=O)−O−を、−C(=O)−N(Rb)−[式中、Rbは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]で置換した化合物が挙げられる。
式中、Rbにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
ビニル芳香族化合物のα位の炭素原子(ビニル基の炭素原子のうち、芳香環に結合した炭素原子)に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されビニル芳香族化合物を(α置換)ビニル芳香族化合物ということがある。
ヒドロキシスチレンは、ベンゼン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ベンゼン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ベンゼン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。水酸基の数が1つである場合は、ビニル基の結合位置のパラ4位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニル安息香酸は、安息香酸のベンゼン環に1つのビニル基が結合した化合物である。ベンゼン環におけるビニル基の結合位置は特に限定されない。
スチレンまたはその誘導体のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニルナフタレンまたはその誘導体のナフタレン環に結合してもよい置換基としては、前記(α置換)スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
「カルバミン酸またはそのエステルの−NH2の水素原子がビニル基等で置換された化合物」としては、N−ビニルカルバミン酸もしくはそのエステル、またはN−アリルカルバミン酸もしくはそのエステル等の化合物が挙げられる。これらの化合物のCH2=CH−基について、置換基側(−NH−又は−CH2−NH−が結合している側)の炭素原子に結合した水素原子は、他のエチレン性二重結合を有する化合物と同様、置換基で置換されていてもよい。以下、ビニルカルバミン酸またはビニルカルバミン酸誘導体と、前記の置換基側の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたものと、を包括してそれぞれ「(置換)ビニルカルバミン酸」または「(置換)ビニルカルバミン酸誘導体」ということがある。
(α置換)アクリルアミドまたはその誘導体から誘導される構成単位から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−2)で表される構成単位が挙げられる。
(α置換)ビニル芳香族化合物のうち、(α置換)スチレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−3)で表される構成単位が挙げられる。また、(α置換)ビニルナフタレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−4)で表される構成単位が挙げられる。
(置換)ビニルカルバミン酸誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−5)で表される構成単位が挙げられる。
構成単位(a5)としては、たとえば、下記一般式(U−1)〜(U−4)でそれぞれ表される構成単位中に、露光により塩基を発生し得る部位を有するもの、または下記一般式(U−5)で表される構成単位が挙げられる。
前記式(a5−1)中、R1は単結合又は2価の連結基である。
R1の2価の連結基としては特に限定されないが、前記式(a1−0−2)中のY2と同様のものが挙げられる。なかでも、R1としては、単結合、メチレン基、エチレン基、フェニレン基、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又は前記式−C(=O)−O−Y22−で表される基が好ましく、単結合、式−C(=O)−O−Y22−で表される基がより好ましい。
R2のアルキル基、アリール基は、前記Y2の2価の炭化水素基についての説明の中で例示した「炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;炭素数6〜10のアリール基」と同様のものが挙げられる。
R2のアルキル基、アリール基は、それぞれ置換基を有していてもよい。このR2における置換基は、前記Y2の2価の炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基)が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
該環の具体例としては、前記R1が式−C(=O)−O−Y22−で表される基であって該Y22とR2とが結合してこれらが結合する窒素原子と共に形成される環、前記R1が式−C(=O)−O−Y23−O−C(=O)−Y22−で表される基であって該Y22とR2とが結合してこれらが結合する窒素原子と共に形成される環などが挙げられる。
Y23における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
Y23における脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−C(CH3)2C(CH3)2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−、−CH2−CH(C2H5)−、−CH2−CH(C3H7)−、−CH2−CH(C4H9)−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
該脂肪族炭化水素基における水素原子(−H)を1価の基で置換する場合、この1価の基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基、ヒドロキシ基(−OH)、芳香環、メルカプト基(−SH)、アミノ基(−NH2)、複素環、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環から水素原子1個を除いた基などが挙げられる。複素環としては、1価の環状脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された脂肪族複素環(たとえばNを含む5員環、Nを含む6員環など)、前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環(たとえばピリジン環、チオフェン環など)が挙げられる。
該脂肪族炭化水素基におけるメチレン基(−CH2−)を2価の基で置換する場合、この2価の基としては、酸素原子(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)、−NH−等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基の水素原子を置換する置換基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基の水素原子を置換する置換基におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基の水素原子を置換する置換基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基の水素原子を置換する置換基におけるハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
Y23における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
R3、R4、R5のアルキル基、アリール基は、前記Y2の2価の炭化水素基についての説明の中で例示した「炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;炭素数6〜14のアリール基」と同様のものが挙げられる。
R3、R4、R5のアルキル基は、それぞれ置換基を有していてもよい。このR3、R4、R5における置換基は、前記Y2の2価の炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基)が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
また、R3、R4、R5のアリール基は、それぞれ置換基を有していてもよい。このR3、R4、R5における置換基としては、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基、ハロゲン原子、シアノ基又はトリフルオロメチル基が挙げられる。
なかでも、R3、R4、R5としては、これら3つのうちの少なくとも1つが、置換基を有していてもよい炭素数6〜14のアリール基であることが好ましい。
以下の各式中、Rα、R、R1、R2、R3、R4、R5は前記と同様である。
(A1)成分中、構成単位(a5)の割合は、該(A1)成分を構成する全構成単位に対して1〜50モル%であることが好ましく、1〜30モル%がより好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。
構成単位(a5)の割合が下限値以上であることにより、レジスト膜の露光部の残膜性がより良好となり、形成されるレジストパターンの解像性、形状がより良好となる。一方、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。また、レジスト膜としたときの透明性が良好となる。
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記の構成単位(a1)、構成単位(a0)、構成単位(a2)及び構成単位(a3)以外のその他の構成単位を有してもよい。
かかるその他の構成単位は、上述の構成単位に分類されない構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
かかるその他の構成単位としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位(a4)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位(a5)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位(a6)等が挙げられる。
構成単位(a4)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位である。
構成単位(a4)において、該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示した多環式基と同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)で表される構造のものを例示することができる。
構成単位(a6)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位を意味する。
ヒドロキシスチレンのα位の水素原子を置換してもよい置換基としては、前記構成単位(a1)の説明で、アクリル酸エステルのα位の水素原子を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。具体的には、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられ、それらの中でも、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
ヒドロキシスチレンのベンゼン環には、水酸基以外の置換基が結合していてもよい。該置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。該置換基としては、それらの中でも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
かかる構成単位(a6)を(A1)成分に含有させる際には、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a6)を50〜90モル%含有させることが好ましく、55〜85モル%含有させることがより好ましく、60〜80モル%含有させることがさらに好ましい。
構成単位(a7)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位である。
「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンのエチレン性二重結合が開裂して形成される構成単位を意味する。
スチレンのα位の水素原子を置換してもよい置換基としては、前記構成単位(a1)の説明で、アクリル酸エステルのα位の水素原子を置換してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。それらの中でも、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
スチレンのベンゼン環には、置換基が結合していてもよい。該置換基としては、前記構成単位(a6)の説明で、ヒドロキシスチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。それらの中でも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
かかる構成単位(a7)を(A1)成分に含有させる際には、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a7)を10〜50モル%含有させることが好ましく、15〜45モル%含有させることがより好ましく、20〜40モル%含有させることがさらに好ましい。
(A1)成分として具体的には、構成単位(a1)及び構成単位(a2)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)及び構成単位(a0)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)、構成単位(a2)及び構成単位(a3)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)、構成単位(a2)及び構成単位(a5)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)、構成単位(a0)及び構成単位(a5)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)、構成単位(a0)及び構成単位(a3)の繰返し構造からなる共重合体;構成単位(a1)、構成単位(a0)、構成単位(a2)及び構成単位(a3);構成単位(a1)、構成単位(a0)、構成単位(a2)、構成単位(a3)及び構成単位(a5)の繰返し構造からなる共重合体等が例示できる。
分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%がより好ましく、75質量%がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、MEF、真円性(Circularity)、ラフネス低減等のリソグラフィー特性がより向上する。
(A2)成分としては、分子量が500以上4000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性基と、親水性基とを有する低分子化合物などが挙げられる。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部または全部が上記酸解離性基で置換されたものが挙げられる。
該低分子化合物としては、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
該低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2〜6核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。特には、トリフェニルメタン骨格を2〜6個有するフェノール化合物が、解像性、ラインエッジラフネス(LWR)に優れることから好ましい。該酸解離性基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)を含有する。
(J)成分は、露光前は(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る酸強度を有するものであって、工程(2)の露光後に露光エネルギーにより分解して酸性度が低下するものである。露光部において酸性度が低下することにより、(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させることができなくなるか、或いは(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性をわずかに増大させるのみとなる。これにより、露光部と未露光部とで良好な溶解コントラストを得ることができる。
「基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る酸強度を有するもの」とは、たとえば前記構成単位(a1)を有する高分子化合物(A1)を用いた場合、前記工程(3)でベーク(PEB)を施すことにより、構成単位(a1)中の酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合を開裂させることができる酸を包含する。
一方で、該化合物に対して露光を行うことにより脱炭酸を伴う分解反応が進行して、式中の窒素原子と、カルボニル基の炭素原子との間の結合が切断される。その結果として、分解物由来のアンモニウム塩(NH2 +(X2)−X1−Y−O−A−C(Q1)(Q2)−SO3 −)と、二酸化炭素と、分解物由来の残基(置換基としてR1を有していてもよい式中の芳香環に、−NO及び−C(Rx)=Oが結合した化合物)と、対カチオン由来のアミン(WH)とが生成する。該分解物由来のアンモニウム塩は、生成直後に、該分子内又は該分子間において酸性部位のプロトンがWHよりpKaが大きい光励起分解によって新たに生成した塩基性部位にトラップされるため、分解前のアンモニウム塩の化合物(J1)に比して、酸性度が低下する。
R1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R1の直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基に、酸素原子(−O−)が結合した基が挙げられる。なかでも、メトキシ基又はエトキシ基が好ましい。
R1の炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、ニトロ基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子としては、R1のアルコキシ基、ハロゲン原子と同様のものが挙げられる、
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基としては、芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基とそれぞれ同様である。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
該アルキレン基として具体的には、たとえば、メチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
式(J1)中、nは0〜3の整数である。nが0とは、式中の芳香環がベンゼン環であることを意味する。なかでも、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることが好ましく、0であることが最も好ましい。
Rxの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、前記R1の置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、鎖状の脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6の鎖状のアルキル基、又はニトロ基を有していてもよい芳香族炭化水素基がより好ましく、メチル基、又はニトロ基で置換されたフェニル基(特に好ましくはオルト位が置換)が最も好ましい。
X1の2価の連結基としては特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基、−X11−CH[N(X2’)X1’−Y’−O−A’−C(Q1’)(Q2’)−SO3 −]−X12−、又は、−X11−CH[O−A’−C(Q1’)(Q2’)−SO3 −]−X12−が好ましい。
置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、前記式(a1−0−2)中のY2と同様のものが挙げられる。
前記X12は単結合又は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であって、2価の炭化水素基としては前記X11の2価の炭化水素基と同様である。なかでもX12としては単結合が好ましい。
前記X1’、X2’、Y’、A’、Q1’、Q2’は、上述した又は後述するX1、X2、Y、A、Q1、Q2とそれぞれ同じである。
X1が−X11−CH[N(X2’)X1’−Y’−O−A’−C(Q1’)(Q2’)−SO3 −]−X12−、又は、−X11−CH[O−A’−C(Q1’)(Q2’)−SO3 −]−X12−を有することにより、化合物(J1)のアニオン部の酸性度を高いものとすることができる。
なかでも、X2としては、水素原子又は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
また、式中のAがカルボニル基を有しない場合、Yがカルボニル基であることが好ましい。
なかでもAとしては、メチレン基又はカルボニル基が好ましい。
フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
式(J1)中のW+としては、上記pKaを満たすものであれば特に限定されるものではなく、式(J1)中のアニオン部の種類やpKa、分解物由来のアンモニウム塩の種類やpKa等に応じて適宜決定することができるが、具体的にはpKaが1〜6であることが好ましい。pKaを6以下とすることにより、カチオンの塩基性を充分に弱いものとすることができ、露光前の(J)成分自体を酸性化合物とすることができる上、上記分解物由来のアンモニウム塩よりもpKaを小さいものとすることができる。また、pKaを1以上とすることにより、露光前において対アニオンとより塩を形成しやすく、(J)成分の酸性度を適度なものとすることができる。
R101d’〜R101g’のアルキル基としては、上述したR1のアルキル基と同様のものが挙げられ、その炭素数は1〜10であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が特に好ましい。
R101d’〜R101g’のアルケニル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
R101d’〜R101g’のオキソアルキル基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、2−オキソシクロペンチル基、2−オキソシクロヘキシル基等が挙げられる。
R101d’〜R101g’のオキソアルケニル基としては、オキソ−4−シクロヘキセニル基、2−オキソ−4−プロペニル基等が挙げられる。
R101d’〜R101g’のアリール基としては、上述したR1の芳香族炭化水素基におけるアリール基と同様のものが挙げられ、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。
R101d’〜R101g’のアラルキル基、アリールオキソアルキル基としては、それぞれ、ベンジル基、フェニルエチル基、フェネチル基等;、2−フェニル−2−オキソエチル基、2−(1−ナフチル)−2−オキソエチル基、2−(2−ナフチル)−2−オキソエチル基等が挙げられる。
また、該環骨格中に酸素原子を含んでもよく、オキサゾール環、イソオキサゾール環が好適に挙げられる。
式(J1c−13)〜(J1c−14)中、Rng4〜Rng8は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または芳香族炭化水素基であり、式(J1c−1)におけるR101d、R101e、R101f、R101gについての説明で例示した炭素数1〜5のアルキル基、アリール基と同様である。
式(J1c−12)〜(J1c−13)中、n15、n16は0〜4の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(J1c−12)〜(J1c−13)中、Rg1、Rg2は、それぞれ独立に炭化水素基であり、炭素数1〜12のアルキル基又はアルケニル基が好ましい。アルキル基、アルケニル基としては、上記式(J1c−1)中で説明したものと同様である。
n15、n16が2以上の場合、複数のRg1、Rg2はそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、n15、n16が2以上の場合、隣接する炭素原子の水素原子を置換する複数のRg1、Rg2は、結合して環を形成していてもよい。形成する環としては、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。即ち、式(J1c−12)〜(J1c−13)のいずれかで表される化合物は、2以上の環が縮合して形成された縮合環化合物であってもよい。
2価のアンモニウムカチオンとして具体的には、下記式(J1c−2)で表されるものが挙げられる。
レジスト組成物中の(J)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、2〜15質量部がさらに好ましい。(J)成分の含有量が上記範囲であることにより、保存安定性、及びリソグラフィー特性に優れる。
(1)末端にハロゲン原子又は脱離能を有する官能基Lを有する下記化合物(1−1)と、末端に水酸基を有する下記化合物(1−2)とを反応させ、化合物(i1)を得た後、必要に応じて塩交換を行い、化合物(J1)を製造する方法。
(2)末端に水酸基を有する下記化合物(2−1)と、末端に水酸基を有する下記化合物(2−2)とを反応させ、化合物(i1)を得た後、必要に応じて塩交換を行い、化合物(J1)を製造する方法。
(3)末端に水酸基を有する下記化合物(3−1)と、末端にハロゲン原子又は脱離能を有する官能基Lを有する下記化合物(3−2)とを反応させ、化合物(i1)を得た後、必要に応じて塩交換を行い、化合物(J1)を製造する方法。
Lはハロゲン原子又は脱離能を有する官能基であって、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、脱離能を有する官能基としてはトシル基等が挙げられる。
Z+は金属カチオン又はオニウムカチオンであり、アルカリ金属イオン、有機アンモニウムイオン、その他の有機カチオン等が挙げられる。
有機アンモニウムイオンとしては、例えば、前記式(J1)中のW+と同様のものが挙げられる。
有機アンモニウムイオン以外の有機カチオンとしては、例えば、通常化学増幅型レジスト組成物のオニウム塩系酸発生剤のカチオン部として用いられる有機カチオンが挙げられる。
2種の化合物を、ピリジン等の適当な有機溶剤に溶解し、そこへジイソプロピルカルボジイミド等の脱水縮合剤を必要に応じて滴下し、攪拌することにより反応を行うことができる。反応温度は、10〜30℃とすることが好ましく、18〜25℃とすることがより好ましい。反応時間は6〜100時間が好ましく、20〜80時間がより好ましい。
本発明のレジスト組成物は、前記(A)成分及び(J)成分に該当しない成分として、(C)成分を含有していてもよい。(C)成分が工程(2)での露光エネルギーにより分解して塩基を発生することで、良好な溶解コントラストを得ることができる。
(C)成分は、上記(A)成分及び(J)成分に該当せず、放射線の照射により分解して塩基を発生し得るものであればよく、カルバメート基(ウレタン結合)含有のもの、アシルオキシイミノ基含有のもの、イオン系のもの(アニオン−カチオン複合体)、カルバモイルオキシイミノ基含有のもの等が挙げられ、カルバメート基(ウレタン結合)含有のもの、アシルオキシイミノ基含有のもの、イオン系のもの(アニオン−カチオン複合体)が好ましい。
また、分子内に環構造を有しているものが好ましく、当該環構造としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、キサントン、チオキサントン、アントラキノン、フルオレン等の環骨格を有するものが挙げられる。
該炭化水素基は、芳香族炭化水素基でも脂肪族炭化水素基でもよく、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
R01、R02における芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
該芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基;などが挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
また、該芳香族炭化水素基が、芳香環に結合した脂肪族炭化水素基を有する場合、該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む2価の連結基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。該脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、この後に示す、R01、R02における脂肪族炭化水素基の説明で挙げる脂肪族炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の芳香環に結合した水素原子を置換する置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”、シアノ基、ニトロ基、−NR”2、−R9’−N(R10’)−C(=O)−O−R5’、含窒素複素環式基等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
−NR”2における2つのR”は、同じであっても異なっていてもよい。
−R9’−N(R10’)−C(=O)−O−R5’中、R9’はヘテロ原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基であり、R10’は水素原子またはヘテロ原子を含んでいてもよい1価の炭化水素基であり、R5’は脂肪族環または芳香族環を有する1価の有機基である。
R9’における炭化水素基としては、たとえば、式(C1)中のR01における炭化水素基から水素原子を1個除いた基が挙げられる。
R10’、R5’はそれぞれ、式(C1)中のR2、R3と同様のものが挙げられる。
−R9’−N(R10’)−C(=O)−O−R5’中、R10’は、R9’に結合して環を形成していてもよい。
式(C1)中のR01、R02のうち、たとえばR01が置換基として−R9’−N(R10’)−C(=O)−O−R5’を有する場合、該式中のR10’が、式(C1)中のR2に結合して環を形成していてもよい。
式(C1)中のR01、R02のうち、R01が置換基として−R9’−N(R10’)−C(=O)−O−R5’を有する場合、式(C1)で表される化合物としては、次の一般式:R5’−O−C(=O)−N(R10’)−R4−N(R2)−C(=O)−O−R3[式中、R2〜R3、R10’、R5’はそれぞれ前記と同じであり、R4は2価の脂肪族炭化水素基である。]で表される化合物が好ましい。
R4の2価の脂肪族炭化水素基としては、たとえばこの後に示す、R01、R02における脂肪族炭化水素基から水素原子を1個除いた基が挙げられる。
含窒素複素環式化合物は、芳香族であってもよく、脂肪族であってもよい。また、脂肪族である場合、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、含窒素複素環式化合物は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
含窒素複素環式化合物の炭素数は、3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましい。
単環式の含窒素複素環式化合物の具体例としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、テトラゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン等が挙げられる。
多環式の含窒素複素環式化合物の具体例としては、キノリン、イソキノリン、インドール、ピロロ[2,3−b]ピリジン、インダゾール、ベンゾイミダゾール(ベンズイミダゾール)、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、アクリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
該含窒素複素環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえば、前記芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R01、R02における脂肪族炭化水素基は、飽和(アルキル基)であってもよく、不飽和であってもよい。通常は飽和であることが好ましい。また、該脂肪族炭化水素基は、それぞれ、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。該組み合わせとして、たとえば、環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基、などが挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
直鎖状のアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基として具体的には、例えば、1−メチルエチル基(iso−プロピル基)、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、tert−ブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状のアルキル基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基として、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、ポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基として、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基において、ヘテロ原子としては、前記芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部を置換するヘテロ原子として挙げたものと同様のものが挙げられる。ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、たとえば、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−NH−、−NR04−(R04はアルキル基、アシル基等の置換基である。)、−NH−C(=O)−、=N−等の、ヘテロ原子を含む2価の非炭化水素基が挙げられる。また、これらの「ヘテロ原子を含む2価の非炭化水素基」と2価の脂肪族炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。2価の脂肪族炭化水素基としては、上述した脂肪族炭化水素基から水素原子を1個除いた基が挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
後者の例における脂肪族炭化水素基の置換基としては、たとえば、前記芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
該環式基は、芳香族環式基であってもよく、脂肪族環式基であってもよい。脂肪族環式基である場合、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。通常、飽和であることが好ましい。
該環式基は、その環骨格に、R01およびR02が結合した窒素原子以外の窒素原子を有していてもよい。また、環骨格に、炭素原子および窒素原子以外のヘテロ原子(たとえば酸素原子、硫黄原子等)を有していてもよい。
該環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
単環式である場合、該環式基の骨格を構成する原子の数は、4〜7が好ましく、5〜6がより好ましい。すなわち、該環式基は、4〜7員環が好ましく、5〜6員環がより好ましい。単環式の環式基の具体例としては、ピペリジン、ピロリジン、モルホリン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、ピペラジン等の、環構造中に−NH−を有する複素単環式化合物の該−NH−から水素原子を除いた基が挙げられる。
多環式である場合、該環式基は、二環式、三環式または四環式であることが好ましく、また、該環式基の骨格を構成する原子の数は、7〜12が好ましく、7〜10がより好ましい。多環式の含窒素複素環式基の具体例としては、インドール、イソインドール、カルバゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、ベンゾトリアゾール等の、環構造中に−NH−を有する複素多環式化合物の該−NH−から水素原子を除いた基が挙げられる。
該環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえば、前記芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R01およびR02が相互に結合して隣接する窒素原子とともに形成する環式基としては、特に、下記一般式(II)で表される基が好ましい。
R07において、炭素原子が酸素原子または窒素原子で置換されていてもよいアルキレン基としては、たとえば、−CH2−、−CH2−O−、−CH2−NH−、−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2−NH−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2−CH2−O−CH2−、−CH2−CH2−NH−CH2−等が挙げられる。
該アルキレン基の水素原子を置換する置換基としては、前記芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。該置換基で置換される水素原子は、炭素原子に結合した水素原子であってもよく、窒素原子に結合した水素原子であってもよい。
ここでいう「光官能基」とは、工程(2)で行う露光の露光エネルギーを吸収する基のことをいう。
当該光官能基としては、環含有基が好ましく、炭化水素環であってもよく複素環であってもよく、好ましくは上記R01およびR02について説明した環構造を有する基、その他芳香族環を有する基が挙げられる。環含有基の環骨格として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、インデン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、キサントン、チオキサントン、アントラキノン等が好ましいものとして挙げられる。
また、これらの環骨格は置換基を有していてもよく、置換基としては、塩基発生効率の点から、ニトロ基が特に好ましい。
R1a、R2aとしては、それぞれ、炭素数5〜10のシクロアルキル基であることが、発生する塩基の拡散長制御の点で好ましい。
m”は1が好ましい。n”は0〜2が好ましい。p”は0または1が好ましい。
(C2)成分は、工程(2)での露光により露光エネルギーを吸収した後、(−CH=CH−C(=O)−)部分がシス体へと異性化し、さらに加熱によって環化し、塩基(NHR1R2)を生成する。
(C2)成分は、塩基の発生とともに、工程(4)でアルカリ現像液に対する難溶化効果が得られやすいことから好ましい。
R3’における芳香族環式基は、上記式(C1)におけるR03で例示した芳香族環を有する基と同様のものが挙げられ、その環骨格としてはベンゼン、ビフェニル、インデン、ナフタレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレンが好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
R3’の芳香族環式基は、オルト位の水酸基以外にも置換基を有していてもよく、該置換基としてはハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、その他アルキル基等の1価の有機基が挙げられる。
(C3)成分は、工程(2)での露光により露光エネルギーを吸収した後、脱炭酸し、その後、水と反応してアミン(塩基)を生じるものである。
Raの置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基としては、前記式(J1)のR1において、置換基を有していてもよい炭化水素基として説明したもののうち、炭素数1〜30のものと同様である。
具体的には、(結合した炭素原子も環の一部と見なして)上述したRaにおける環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)のうち、炭素数5〜30の脂肪族環式基が挙げられる。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)で表される基等が好ましい。
置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましい。
前記式(C3)中のRbにおける、脂肪族環式基としては、前記式(C3)中のRaにおける、脂肪族環式基と同様である。Rbにおける脂肪族環式基として、好ましくは脂肪族多環式基であり、より好ましくはポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であり、特に好ましくはアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基である。
Rbの芳香族炭化水素基や脂肪族環式基が有していてもよい置換基としては、前記式(C3)中のRaにおいて挙げた置換基と同様のものが挙げられる。
前記式(C3)中のRdは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)で表される基等が好ましい。
前記式(C3)中のRdは、置換基を有していてもよいナフチル基または置換基を有していてもよいフェニル基がより好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基が最も好ましい。
具体的には、前記式(C3)中でRaおよびRdが結合した炭素原子も当該形成された環の一部であると見なして、上述したRaにおける環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)のうち、炭素数5〜30の脂肪族環式基が挙げられる。
このような光塩基発生剤としては、イオン系のもの(アニオン−カチオン複合体)、トリフェニルスルホニウム化合物、トリフェニルメタノール;ベンジルカルバメートおよびベンゾインカルバメート等の光活性なカルバメート;o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、アロマティックスルホンアミド、アルファーラクタムおよびN−(2−アリルエチニル)アミド等のアミド;オキシムエステル、α−アミノアセトフェノン、コバルト錯体など;特開2007−279493号公報に記載されているもの等が挙げられる。
上記のなかでも、(C)成分としては、(C1)成分がより好ましく、前記の一般式(C1−11)又は(C1−12)のいずれかで表される化合物から選ばれる1種以上がさらに好ましい。
レジスト組成物中、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.05〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましく、5〜20質量部が特に好ましい。(C)成分の含有量が下限値以上であることにより、レジスト膜の露光部の残膜性がより良好となり、本発明の効果がより向上する。他方、(C)成分の含有量が上限値以下であることにより、レジスト膜の透明性を維持することができる。
本発明のレジスト組成物は、さらに、上記(A)成分、(J)成分及び(C)成分に該当しない酸性化合物成分(G)を含有していてもよい。
本発明において(G)成分としては、上記(A)、(J)及び(C)成分に該当しないものであれば特に限定されるものではないが、
基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る酸強度を有する、酸性の塩であって、露光により分解して酸強度が低下しないもの(以下「(G1)成分」という)、又は、
酸性の塩以外の酸であって、露光により分解して酸強度が低下しないもの(塩を形成していないもの、イオン性でないもの;以下「(G2)成分」という)を用いることができる。
(G1)成分は、含窒素カチオンと対アニオンとからなるイオン性化合物(塩化合物)が挙げられる。(G1)成分は、塩を形成した状態であっても(G1)成分自体が酸性を有し、プロトン供与体として作用する。
以下、(G1)成分のカチオン部とアニオン部とをそれぞれ説明する。
(G1)成分のカチオン部は、窒素原子を含有するものであれば特に限定されず、例えば前記式(J1)中のカチオン部として説明したものと同様のものを用いることができる。
(G1)成分のアニオン部は、特に限定されるものではなく、通常、レジスト組成物に用いられる塩のアニオン部のうち、露光により分解して酸性度が低下しないものを適宜選択して使用することができる。
なかでも(G1)成分のアニオン部としては、カチオン部と塩を形成して(G1)成分となった際、該(G1)成分が上記(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得るものであることが好ましい。
即ち、(G1)のアニオン部は、強酸性であることが好ましい。具体的には、アニオン部のpKaが0以下であることがより好ましく、pKa−15〜−1であることがさらに好ましく、−13〜−3であることが特に好ましい。アニオン部のpKaが0以下であることにより、pKa7以下のカチオンに対してアニオンの酸性度を充分に強いものとすることができ、(G1)成分自体を酸性化合物とすることができる。一方、アニオン部のpKaを−15以上とすることにより、(G1)成分が過度に酸性であることによる保存安定性の劣化を防ぐことができる。
具体的には、たとえば、一般式「R4”SO3 −(R4”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。)」で表されるアニオンが挙げられる。
前記R4”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
R4”がアルキル基の場合の「R4”SO3 −」としては、例えば、メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R4”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
R4”における置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
Q’は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。当該組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO2−)が連結されていてもよい。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−、−SO2−O−R94−O−C(=O)−、−R95−SO2−O−R94−O−C(=O)−(式中、R91〜R95はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
R91〜R95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q’としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
なかでも、X3は、置換基を有していてもよい直鎖状のアルキル基、又は、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記式(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)のいずれかで表される基などが好ましい。
置換基としてX3−Q’−を有する場合、R4”としては、X3−Q’−Y3−[式中、Q’およびX3は前記と同じであり、Y3は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
X3−Q’−Y3−で表される基において、Y3のアルキレン基としては、前記Q’で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y3として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
R7に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
式(G1a−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
レジスト組成物において、(G)成分中の(G1)成分の含有割合は、40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、100質量%でもよい。(G1)成分の含有割合が前記範囲の下限値以上であることにより、保存安定性、及びリソグラフィー特性に優れる。
また、レジスト組成物中の(G1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましく、2〜15質量部がさらに好ましい。(G1)成分の含有量が上記範囲であることにより、リソグラフィー特性に優れる。
(G2)成分は、上記(G1)成分に該当せず、該(G2)成分自体が酸性を有し、プロトン供与体として作用するものである。このような(G2)成分としては、塩を形成していない非イオン性の酸が挙げられる。
(G2)成分としては、基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させ得る酸強度を有する酸であって、露光により分解して酸強度が低下しないものであれば特に限定されるものではないが、(G2)成分のなかで好適なものとしては、たとえば基材成分の酸解離性基との反応性や、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性が増大しやすいことから、イミン系の酸またはスルホン酸系の化合物が好ましく、スルホニルイミド、ビス(アルキルスルホニル)イミド、トリス(アルキルスルホニル)メチド、又はこれらのフッ素原子を有するもの等が挙げられる。
特に、下記一般式(G2−1)〜(G2−3)のいずれかで表される化合物(中でも一般式(G2−2)で表される化合物が好ましい)、前述の一般式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンの「−SO3 −」が「−SO3H」になった化合物、前述の一般式(G1a−3)または(G1a−4)で表されるアニオンの「N−」が「NH」になった化合物、カンファースルホン酸等が好ましい。その他、フッ素化アルキル基含有カルボン酸、高級脂肪酸、高級アルキルスルホン酸、高級アルキルアリールスルホン酸等の酸成分が挙げられる。
当該アルキル基中の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
前記式(G2−2)で表される化合物としては、たとえば下記化学式(G2−21)で表される化合物が挙げられる。
前記式(G2−3)で表される化合物としては、たとえば下記化学式(G2−31)で表される化合物が挙げられる。
高級脂肪酸としては、炭素数8〜20のアルキル基を有する高級脂肪酸が挙げられ、具体的には、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸等が挙げられる。
上記炭素数8〜20のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、その鎖中にフェニレン基又は酸素原子等が介在していてもよいし、アルキル基中の水素原子の一部が水酸基やカルボキシ基で置換されていてもよい。
高級アルキルアリールスルホン酸としては、平均炭素数が好ましくは6〜18、より好ましくは9〜15のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸等が挙げられ、具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、デシルナフタレンスルホン酸が挙げられる。
その他の酸成分としては、平均炭素数が好ましくは6〜18、より好ましくは9〜15のアルキル基を有するアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸が挙げられ、具体的には、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸等が挙げられる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、当該炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
また、レジスト組成物が(G2)成分を含有する場合、レジスト組成物中の(G2)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。(G2)成分の含有量が下限値以上であることにより、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性が増大しやすくなる。他方、(G2)成分の含有量が上限値以下であることにより、良好な感度が得られやすくなる。
本発明のレジストパターン形成方法に用いるレジスト組成物には、前述した成分以外の成分、たとえば酸増殖剤成分、含フッ素化合物または含ケイ素化合物、アミン等を配合してもよい。
本発明のレジストパターン形成方法において、(H)成分は酸によって分解されて遊離酸が生成し、この遊離酸によって(H)成分はさらに分解されて遊離酸を生成する。このようにして、酸の作用により、(H)成分は連鎖的に分解し、多数の遊離酸分子を生成する。
ここで、「架橋炭素環骨格構造を有する化合物」とは、その分子内に複数の炭素環同士の橋かけ結合による構造(以下単に「架橋炭素環」ということがある。)を有する化合物を示す。
該架橋炭素環骨格構造を有する化合物は、橋かけ結合を有していることにより、分子が剛直化され、該化合物の熱安定性が向上する。
炭素環の個数としては、2〜6個が好ましく、より好ましくは2〜3個である。
架橋炭素環は、その水素原子の一部又は全部が、アルキル基、アルコキシ基等で置換されていてもよい。当該アルキル基としては、炭素数1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。当該アルコキシ基としては、炭素数1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、具体的にはメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。また、架橋炭素環は、二重結合等の不飽和結合を有していてもよい。
R0において、脂肪族基としては、たとえば鎖状もしくは環状のアルキル基またはアルケニル基が挙げられ、炭素数は1〜12が好ましく、より好ましくは1〜10である。
芳香族基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、具体的には、たとえばアリール基等が挙げられる。
複素環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、従来公知の各種の複素環式化合物から誘導されるものが挙げられる。
上記の脂肪族基、芳香族基及び複素環式基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記脂肪族基及び前記芳香族基として具体的には、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アシル基、ヘキシル基、ビニル基、プロピレン基、アリル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ビシクロ炭化水素基、トリシクロ炭化水素基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチル基、ナフチルメチル基又はそれらの置換体等が挙げられる。
前記複素環式基としては、各種の複素環式化合物、たとえばフラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、チオナフテン、インドール、カルバゾール等の1つのヘテロ原子を含む五員環化合物又はその縮合環化合物;オキサゾール、チアゾール、ピラゾール等の2つのヘテロ原子を含む五員環化合物又はその縮合環化合物;ピラン、ピロン、クマリン、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン等の1つのヘテロ原子を含む六員環化合物又はその縮合環化合物;ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、フタルジン等の2つのヘテロ原子を含む六員環化合物又はその縮合環化合物等から誘導された各種のものが挙げられる。
このように、一回の反応で1つの酸が増えて、そして、反応の進行に伴って加速的に反応が進み、(H)成分は連鎖的に分解する。
かかる場合において、発生する酸の強度は、酸解離定数(pKa)として3以下であることが好ましく、2以下であることが特に好ましい。pKaが3以下であれば、発生した酸自体が自己分解をより誘起しやすくなる。逆に、これより弱い酸であると、自己分解を引き起こしにくくなる。
上記反応によって遊離される酸(R0SO3H)としては、たとえばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、p−ブロモベンゼンスルホン酸、p−ニトロベンゼンスルホン酸、2−チオフェンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等が挙げられる。
前記一般式(H1)〜(H4)中、R52は、脂肪族基、芳香族基又は複素環式基を示し、上記R0と同様のものが挙げられる。R52は、なかでも脂肪族基又は芳香族基が好ましく、脂肪族基がより好ましい。
したがって、化合物(H1)〜(H4)において、そのシクロヘキサン環のコンホーメーション変化は高度に抑制され、その環構造は剛直性を示す。
レジスト組成物中、(H)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜20質量部であることがより好ましい。(H)成分の含有量が下限値以上であることにより、解像性がより向上する。他方、(H)成分の含有量が上限値以下であることにより、感度がより良好となる。
本発明のレジストパターン形成方法においては、レジスト組成物に、レジスト膜に撥水性を付与するため、含フッ素化合物または含ケイ素化合物(以下「(F)成分」という。)を配合できる。
(F)成分としては、フッ素原子またはケイ素原子を含有する樹脂成分(F1)(以下「(F1)成分」という。)であってもよく、フッ素原子またはケイ素原子を含有する低分子化合物成分であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。なかでも、本発明の(F)成分としては、(F1)成分であることが好ましい。
なかでもRとしては、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
式(f1−1)中、vは0又は1である。本発明においてvが0とは、式中の−C(=O)−A−が単結合となることを意味する。
X0の2価の連結基としては例えば、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられ、それぞれ前記Y2の置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。X0の2価の連結基は、その構造中に酸解離性基を有していてもよく、有していなくてもよい。酸解離性基としては前記構成単位(a1)で挙げたものと同様のものが挙げられる。
さらに具体的には、vが0の場合のX0の2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基と、−O−C(=O)−を含む2価の連結基との組合せが好ましく;置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基からさらに水素原子を1つ除いた基と−O−C(=O)−との組合せ、又はこれらと直鎖状のアルキレン基との組合せが特に好ましい。
また、vが1の場合のX0の2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と、−C(=O)−O−を含む2価の連結基との組合せが好ましく;置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基と−C(=O)−O−との組合せがより好ましい。また、これらとエーテル結合(−O−)との組合せも好ましい。
X0が2価の連結基である場合、X0はフッ素原子またはケイ素原子を有していてもよく、有していなくてもよい。X0が単結合の場合、又は、X0の2価の連結基がフッ素原子またはケイ素原子を有しない場合は、後述するRf0の有機基がフッ素原子を有するものとする。
Rf0の有機基は、フッ素原子またはケイ素原子を有する有機基であっても、フッ素原子またはケイ素原子を有しない有機基であってもよいが、上記X0が単結合の場合、又はX0の2価の連結基がフッ素原子またはケイ素原子を有しない場合は、Rf0の有機基がフッ素原子またはケイ素原子を有する。ここで、「フッ素原子またはケイ素原子を有する有機基」とは、有機基における水素原子の一部または全部がフッ素原子またはケイ素原子で置換された基をいう。
Rf0の有機基としては、たとえば、フッ素原子またはケイ素原子を有していてもよい炭化水素基が好ましく挙げられる。該フッ素原子またはケイ素原子を有していてもよい炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜15であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが最も好ましい。
環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがより好ましく、炭素数6〜10であることがさらに好ましく、炭素数5〜7であることが最も好ましい。
また、これらのアルキル基や芳香族炭化水素基は、フッ素原子またはケイ素原子以外の置換基で置換されていてもよい。フッ素原子またはケイ素原子以外の置換基としては、水酸基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基等が挙げられる。また、環状のアルキル基や芳香族炭化水素基は、炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい。炭素数1〜5のアルキル基としては、上述したα位の置換基としての炭素数1〜5のアルキル基と同様である。
式(f1−12)中、Aは前記同様である。Rf2はフッ素原子を有する有機基であって、フッ素原子を有する環状のアルキル基又はフッ素原子を有する芳香族炭化水素基が好ましい。フッ素原子を有する環状のアルキル基、芳香族炭化水素基としては、上記Rf0の環状のアルキル基、芳香族炭化水素基の一部又は全部の水素原子がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。
なかでもX01としては、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基が好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基又はナフチル基からさらに水素原子を1つ除いた基が特に好ましい。
置換基としてはフッ素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。X01がフッ素原子を有しない場合、Rf3がフッ素原子を有する。
なかでもX02としては、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、エーテル結合(−O−)、またはこれらの組合せが好ましい。
置換基としてはフッ素原子、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。X02がフッ素原子を有しない場合、Rf4がフッ素原子を有する。
式(f1−14)中、Rf4はフッ素原子を有していてもよい有機基であって、上記Rf3と同様である。
本発明において「塩基解離性基」とは、アルカリ現像液の作用により分解性を示す(−O−Rf4が解離する)基である。「アルカリ現像液に対して分解性を示す」とは、アルカリ現像液の作用により分解し(好ましくは、23℃において、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液の作用で分解し)、アルカリ現像液に対する溶解性が増大することを意味する。これは、塩基(アルカリ現像液)の作用によりエステル結合[−C(=O)−O−Rf4]が分解(加水分解)し、親水基[−C(=O)−OH]が生成する(−O−Rf4が解離する)ことによる。このように構成単位(f1)が現像前後で疎水性から親水性に変化することにより、浸漬露光時のスキャン追従性が向上し、且つ、露光後のディフェクトがさらに低減される。
トリアルキルシリル基としては、たとえば、−Si(R74)(R75)(R76)で表される基が挙げられる。式中、R74〜R76は、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等が好ましく、メチル基が特に好ましい。
トリアルキルシリル基として具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。
トリアルキルシリル基を含む有機基は、トリアルキルシリル基のみから構成されてもよく、n個(nは1以上の整数)のトリアルキルシリル基が(n+1)価の連結基に結合したものであってもよい。(n+1)価の連結基のうち、nが1の場合の連結基、つまり2価の連結基としては、前記Y2の2価の連結基の説明で挙げたものと同様のものが挙げられ、エーテル結合またはエステル結合が挿入されていてもよい直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。nが2以上の場合の連結基としては、該2価の連結基の連結基からさらに水素原子を(n−1)個除いた基が挙げられる。
シロキサン結合(Si−O−Si)を含む有機基としては、たとえば、ケイ素原子に炭化水素基が結合した環状シロキサン、ケイ素原子に炭化水素基が結合したかご型シルセスキオキサン、鎖状または環状のアルキル基の炭素鎖の一部を−Si−O−Si−で置換した基等が挙げられる。環状シロキサンまたはかご型シルセスキオキサンのケイ素原子に結合する炭化水素基は、脂肪族炭化水素基でも芳香族基でもよい。好ましくは脂肪族基であり、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
なかでも、式(f1−1)中のvが1であり、且つX0が2価の連結基であるもの、又は、vが0であり、且つX0が単結合であるものが好ましい。
(F)成分は、構成単位(f1)のみからなるものであってもよく、構成単位(f1)に加えてその他の構成単位を有するものであってもよい。
(F)成分として具体的には、構成単位(f1)のみからなる重合体(ホモポリマー;構成単位(f1)と、前記構成単位(a1)との共重合体;構成単位(f1)と、アクリル酸又はメタクリル酸から誘導される構成単位と、前記構成単位(a1)との共重合体が挙げられる。なかでも(F)成分としては、構成単位(f1)のホモポリマーであることが好ましい。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
本発明のレジスト組成物が(F)成分を含有する場合、(F)成分の含有割合は、(A)成分100質量部に対して1.0質量部以上であることが好ましく、1.0〜15質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることがさらに好ましく、1〜5質量部であることが特に好ましい。1.0質量部以上とすることにより、レジスト膜の後退角を高いものとすることができ、溶出及びディフェクトの発生を効果的に低減することが可能となる。また、5質量部以下とすることにより、他の成分とのバランスを取ることができる。
本発明のレジストパターン形成方法においては、レジスト組成物に、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を配合できる。
本発明のレジスト組成物は少なくとも酸性の(J)を含有するため、レジスト組成物の液中で、該(J)成分や、任意に配合される(G)成分によって(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増加してしまうおそれがある。この現象の発生は(J)成分等の酸性度を適度なものに調整することにより抑制することも可能であるが、(D)成分を添加し、レジスト組成物液中の(J)成分の酸性度を低下させることによっても抑制することが可能となる。(D)成分を用いる場合であれば、(J)成分等の材料選択の自由度が高まり、好ましい。
加えて、レジスト組成物の保存中に、(D)成分が存在することにより、レジスト組成物液調製後の保存安定性が高まる。また、工程(3)における中和前にレジスト膜から(D)成分が除去されることにより、工程(3)における(J)成分による(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性増大を、(D)成分が妨げることがないため、特に良好なリソグラフィー特性やパターン形状を得ることができる。
また、(J)成分として前記化合物(J1)のようなアンモニウム塩を用いる場合や、(G1)成分を用いる場合は、化合物(J1)のカチオンや(G1)成分のカチオンと、(D)成分とが塩交換を起さないようにするため、(J1)のカチオンや(G1)成分のカチオンのpKaと同等又はそれ以下であることがさらに好ましい。
(G2)成分を含有する場合は、(G2)成分の酸性度を極端に低下させないよう、(D)成分の塩基性が低い方が好ましく、そのpKaは7以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。
かかる沸点を充足する(D)成分としては、沸点が130℃以下のアミンが好ましく、100℃以下のアミンがより好ましく、90℃以下のアミンが特に好ましい。
上記pKa及び沸点を充足する(D)成分の具体例として、
トリフルオロエチルアミン(2,2,2−トリフルオロエチルアミン)、ペンタフルオロプロピルアミン(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン)、ヘプタフルオロブチルアミン(1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン)、ノナフルオロペンチルアミン(1H,1H−ノナフルオロペンチルアミン)、ウンデカフルオロヘキシルアミン(1H,1H−ウンデカフルオロヘキシルアミン)、
ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン、等のフッ素化アルキル基を有する脂肪族アミン化合物;
ピリジン、ペンタフルオロピリジン等のピリジン系化合物;オキサゾール、イソオキサゾール等のオキサゾール系化合物などが挙げられる。
本発明のレジスト組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の割合は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜20.0質量部であることが好ましく、1〜15質量部がより好ましく、2〜10質量部が特に好ましい。上記範囲とすることにより、保存安定性を向上させることができ、得られるリソグラフィー特性やレジストパターン形状も向上する。
塩基増殖剤は、塩基の作用により連鎖反応的に分解し、少量の塩基により多量の塩基を発生するものである。このため、塩基増殖剤の配合により、レジスト組成物の感度を向上させることができる。塩基増殖剤としては、たとえば特開2000−330270号公報や、特開2008−174515号公報に記載されるものを用いることができる。
本発明に用いるレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ともいう)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
なお、本実施例において、NMRによる分析において、1H−NMRの化学シフト基準物質はテトラメチルシラン(TMS)であり、19F−NMRの化学シフト基準物質はトリクロロフルオロメタンである(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
窒素雰囲気下、(i)−1(30.8g)、(i)−2(20.3g)、及びピリジン(250g)を添加した。そこへジイソプロピルカルボジイミド(16.41g)をゆっくりと滴下した。その後室温で24時間攪拌し、純水(500g)を添加して反応を終了させた。反応溶液中に析出したジイソプロピル尿素をろ別により除去し、ろ液に1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン塩酸塩(26g)を添加し室温で1時間攪拌した後、析出物をろ別により分取した。得られた粉体を減圧下にて乾燥することにより、淡褐色の結晶として52.7gの化合物(J)−1を得た。
得られた化合物はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=8.79(3H,NH3),8.09(1H,ArF),7.81(1H,ArH),7.65(2H,ArH),5.41(2H,CH2Ar),4.61(2H,CH2CF2),4.02(2H,CH2NH3),3.91(2H,Piperidine),3.01(2H.Piperidine),2.71(1H,Piperidine),1.89(2H,Piperidine),1.53(2H,Piperidine).
19F−NMR(376MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=−77.5,−111.4,−114.3,−124.6.
[実施例1〜4、比較例1〜2]
表1に示す各成分を混合して溶解することにより、レジスト組成物を調製した。
(A)−1:下記化学式(A)−1で表される共重合体[Mw=7000、Mw/Mn=1.73。l/m/n=45/45/10(共重合組成比(モル比))。]
(A)−2:下記化学式(A)−2で表される共重合体[Mw=7000、Mw/Mn=1.70。l/m=50/50(共重合組成比(モル比))。]
(J)−1:前記化合物(J)−1。
(C)−1:下記化学式(C)−1で表される化合物。
(G1)−1:下記化学式(G1)−1で表される化合物[カチオンpKa=5.89、アニオンpKa=−11.55]。
(D)−1:1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン[pKa=5.89]。
(D)−2:ピリミジン[pKa=1.78]。
(F)−1:下記化学式(F)−1で表される化合物[Mw=20000、Mw/Mn=1.8。l=100(モル比)。]
(S)−1:PGMEA/PGME=8/2(質量比)の混合溶剤。
・工程(1)
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリューワサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
各例のレジスト組成物をそれぞれ、上記反射防止膜上にスピンナーを用いて塗布し、クーリングプレート上で60秒間静置することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
・工程(2)
次に、前記レジスト膜に対し、液浸用ArF露光装置NSR−S609B[ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Crosspole(in/out=0.78/0.97),液浸媒体:水]により、フォトマスクを介して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
・工程(3)
その後、90℃で60秒間のPEB処理を行った。
・工程(4)
次いで、23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液(商品名:NMD−W、東京応化工業株式会社製)で20秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。続いて、ホットプレート上で100℃、60秒間のポストベークを行った。
その結果、いずれの例においても、直径60nmのホールがピッチ120nmで等間隔に配置されたコンタクトホールパターン(以下、CHパターン)が形成された。
上記で得られたターゲットサイズのCHパターンについて、CHパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧500V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により上から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定した。その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU」として表2に示す。
このようにして求められる3σは、その値が小さいほど、当該レジスト膜に形成された複数のホールの寸法(CD)均一性が高いことを意味する。
同実装条件において直径50nm(ピッチ100nm)のCHパターンを形成した。形成されたCHパターン中の25個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧500V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により上から観察し、25個のホールが全て形成されている場合には○、ホールが1つでも塞がっている場合には×として解像性の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例5、6、比較例3)
表3に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
(A)−1:上記化学式(A)−1で表される共重合体。
(A)−2:上記化学式(A)−2で表される共重合体。
(A)−3: 下記化学式(A)−3で表される共重合体[Mw=7600、Mw/Mn=1.72。l/m/n=45/45/10(共重合組成比(モル比))。]
(G1)−2:下記化学式(G1)−2で表される化合物。
(D)−1:1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン[pKa=5.89]。
(F)−2:下記化学式(F)−2で表される重合体。Mw24000,Mw/Mn1.38。該化学式中、構成単位( )の右下の数値はその構成単位の割合(モル比)を示す。
(S)−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=8/2(質量比)の混合溶剤。
・工程(1)
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリューワサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
各例のレジスト組成物をそれぞれ、上記反射防止膜上にスピンナーを用いて塗布し、クーリングプレート上(23℃)で60秒間静置することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
・工程(2)
次に、前記レジスト膜に対し、液浸用ArF露光装置NSR−S609B[ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Crosspole(in/out=0.78/0.97),液浸媒体:水]により、フォトマスク(6%ハーフトーン)を介して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。
・工程(3)
その後、90℃で60秒間のPEB処理を行った。
・工程(4)
次いで、23℃にて2.38質量%のTMAH水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業株式会社製)で20秒間アルカリ現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、直径60nmのホールがピッチ120nmで等間隔に配置されたコンタクトホールパターン(以下「CHパターン」という)が形成された。
上記で得られたターゲットサイズのCHパターンについて、CHパターン中の100個のホールを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧500V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)によりパターン上空から観察し、各ホールのホール直径(nm)を測定した。その測定結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を求めた。その結果を「CDU」として表4に示す。
特に、(A)成分として、重合性基からアミン部位までの距離が長い共重合体を用いた実施例6のレジスト組成物では、ホールの寸法(CD)均一性がより高いことが確認できる。
本発明を適用した実施例6においては、共重合体の重合性基からアミン部位までの距離が長いことにより、共重合体のガラス転移温度が低下するため、露光部での塩基の拡散性が実施例5の場合よりも高い。このため、レジスト膜の露光部において、実施例6は実施例5よりも、酸との作用が強まることで、露光部のアルカリ現像液に対する残膜性が高まり、ホールの寸法(CD)均一性がより高くなっている、と考えられる。
化合物(51−0)(25.6g)とジクロロメタン(250g)とを三口フラスコに加え、10℃以下まで冷却した後、4−ジメチルアミノピリジン(2.0g)を添加して攪拌した。次いで、ヒドロキシエチルメタクリレート(11.9g)をジクロロメタン(105g)に溶解させ、10℃以下を保持したまま前記三口フラスコに滴下した。その後、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(18.6g)を添加して10分間攪拌した後、23℃にて30時間攪拌した。反応終了後、純水(350g)で3回洗浄した後、減圧下で溶媒を留去することにより、粘性液体として化合物(51)27gを得た。
得られた化合物(51)はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
1H−NMR(400MHz,dmso−d6):δ(ppm)=8.08(d,1H,ArH),7.79(m,1H,ArH),7.64(m,2H,ArH),6.03(s,1H,HC=C),5.69(s,1H,HC=C),5.37(s,2H,OCOCH2Ar),4.32(m,4H,COOCH2CH2OCO),3.90(m,2H,piperidine),2.85−3.10(m,2H,piperidine),2.58−2.64(m,1H,piperidine),1.82−1.94(m,5H,piperidine+C=CCH3),1.47−1.49(m,2H,piperidine)
温度計、還流管及び窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコ内で、21.43g(81.66mmol)の化合物(11)を、29.03gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させて80℃に加熱した。この溶液に、13.00g(76.40mmol)の化合物(21)と、7.22g(17.17mmol)の化合物(51)と、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)26.28mmolとを、53.51gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解させた溶液を、窒素雰囲気下、4時間かけて滴下した。
滴下終了後、反応液を1時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノールにて洗浄して乾燥することにより目的物である共重合体(A)−3を27.3g得た。
この共重合体(A)−3についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は7600、分散度(Mw/Mn)は1.72であった。また、13C−NMRにより求められた共重合体の組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n=45/45/10であった。
Claims (5)
- 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A)と、露光により分解して酸性度が低下する酸性化合物成分(J)とを含有するレジスト組成物を、支持体上に塗布してレジスト膜を形成する工程(1)と、
前記レジスト膜を露光する工程(2)と、
前記工程(2)の後にベークを行い、前記レジスト膜の未露光部において、前記酸性化合物成分(J)の作用により、前記基材成分(A)のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる工程(3)と、
前記レジスト膜をアルカリ現像し、前記レジスト膜の未露光部が溶解除去されたネガ型レジストパターンを形成する工程(4)と、
を含むレジストパターン形成方法。 - 前記基材成分(A)が、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有する樹脂成分(A1)を含有する請求項1に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記樹脂成分(A1)が、さらに、ラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)を有する請求項2に記載のレジストパターン形成方法。
- 前記酸性化合物成分(J)、及び、露光により前記酸性化合物成分(J)から発生した分解物が、アンモニウム塩である請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法の、前記工程(1)で用いられるレジスト組成物であって、
前記酸性化合物成分(J)は、下記一般式(J1)で表されるアンモニウム塩化合物を含むことを特徴とするレジスト組成物。
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