JP6001914B2 - 目標位置特定装置、目標位置特定システム、および目標位置特定方法 - Google Patents

目標位置特定装置、目標位置特定システム、および目標位置特定方法 Download PDF

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Description

本発明は、空中から撮影した目標の位置を正確に特定するために用いられる目標位置特定装置、目標位置特定システム、および目標位置特定方法に関し、特に目標物が複数存在する場合であっても、効率的な位置特定が可能な目標位置特定装置、目標位置特定システム、および目標位置特定方法に関する。
従来から、災害対策、遭難救援、報道等の分野において、ヘリコプタ等の航空機によって空中から地上を撮影し、地上に所在する目標の位置を正確に特定することを目的とする技術が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、例えば災害等が発生したときに、空中から地表面の目標物の位置を特定することができる位置特定方法等が開示されている。この位置特定方法では、まず、空中における撮影位置を三次元的に特定し、撮影位置に対する目標物の方向を計測する。そして、地表面の起伏についての高度情報を含む三次元地勢データから目標物の存在する地表面を求め、さらに、地表面と、撮影位置から目標物の方向に延びる直線との交点位置として、目標物の位置を特定している。
また、特許文献2には、起伏にとんだ地勢で目標の捜索を行う際に、目標位置を特定することができる捜索目標位置特定装置等が開示されている。この捜索目標位置特定装置は、航空機から目標物をカメラで撮影する際に、当該目標物の撮像情報、方位情報、およびカメラの視野角を示す角度情報を検出する。そして、演算手段により、これら撮像情報、方位情報および角度情報、カメラの位置情報、地表面の起伏についての高度情報を含む三次元地勢データに加え、予め設定したランドマークの高度情報を記録した3次元地図情報を利用することで目標物の位置特定の精度を向上している。
特許第2695393号公報 特開2011−112556号公報
ところで、特に災害対策あるいは遭難救援等の分野では、地上に所在する目標物は、狭い範囲に少数でまとまって存在するわけではなく、比較的広範囲に多数存在することも多い。この場合、複数の目標物の位置を迅速かつ高精度に特定することが求められる。
前述した特許文献1に開示される技術は、カメラの画面中央付近で撮影している目標の位置を特定する場合には有効である。しかしながら、分散した複数の目標の位置を高精度に特定する場合には、各目標物一つ一つにカメラを正確に向けて撮影する必要があり、全ての目標物の位置を特定するまでに時間を要することになる。
また、前述した特許文献2に開示される技術では、地表面の目標物を精度良く測定するために、予め正確な位置が判明しているランドマークが複数必要となる。それゆえ、ランドマーク情報が無い地域、あるいは、災害等の発生によりランドマークが消失した場合等では、目標物の位置特定の精度が低下することになる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、航空機等から地上を撮影して目標の位置を特定する際に、複数の目標が分散して存在する場合であっても、それぞれの目標の位置を迅速かつ高精度で特定可能とすることを目的とする。
本発明に係る目標位置特定装置は、前記の課題を解決するために、高所に設置され、任意の方向に旋回し指向することが可能な支持機構により支持されており、地上に所在する複数の目標を撮影するカメラと、前記支持機構の設置位置および設置姿勢、並びに前記支持機構の回転角度から、前記カメラの撮影方向を示す視軸を計測する視軸計測部と、前記カメラで撮影されている地表面または海上面までの距離である撮影距離を計測可能とする撮影距離計測部と、計測された前記視軸、前記撮影距離計測部により計測された前記撮影距離、から、前記視軸と前記地表面または海上面との交点座標である画面中心座標を算出する画面中心座標算出部と、複数の前記目標のそれぞれについて、算出された前記画面中心座標からの前後左右方向の距離である中心基準距離を算出するとともに、前記画面中心座標に対して、算出された前記中心基準距離を加算することにより、前記目標のそれぞれの位置座標を特定する目標座標特定部と、を備えている構成である。
前記構成によれば、個々の目標をカメラで撮影して目標の位置(位置座標)を特定するのではなく、カメラの視軸を基準として画面中心座標を決定し、当該画面中心座標を基準として目標の位置座標を特定している。それゆえ、複数の目標をカメラでまとめて撮影する状態で、それぞれの目標について絶対座標系の位置座標を迅速に特定することができる。そのため、複数の目標が分散して存在する場合であっても、それぞれの目標の位置を迅速かつ高精度で特定することができるとともに、無線通信によって地上局等と情報共有させることも容易となる。
前記構成の目標位置特定装置においては、前記カメラが、前記支持機構の設置姿勢の変化の影響を受けることなく、その撮影方向を維持した状態で、複数の前記目標を一定時間継続的に撮影しているときに、その撮影時間を計測可能とする計時部と、前記カメラで撮影されている複数の前記目標のうち、撮影中に移動した移動目標が存在する場合に、当該移動目標の移動距離と前記撮影時間とから、移動速度を算出する目標速度計測部と、をさらに備えている構成であってもよい。
前記構成によれば、目標位置だけでなく目標速度も迅速かつ高精度で計測することができるので、例えば、目標の移動予測等への応用が可能となる。また、得られる目標速度は絶対速度であるので、無線通信によって地上局等と情報共有させることも容易となる。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記カメラの画素数および視野角から、当該カメラの1画素当たりの角度を算出する画素角度算出部をさらに備え、前記目標座標特定部は、撮影された複数の前記目標のそれぞれについて、前記画面基準点からの縦横の画素数を計数することで、各目標の撮影画面上の位置を特定し、計数された前記画素数と算出された前記1画素当たりの角度とから、前記視軸を基準とした前記目標の水平方向および上下方向の角度差を算出し、これら角度差を距離に換算することにより、前記中心基準距離を算出する構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記目標速度計測部は、前記移動目標の移動後における画面上の位置を、当該移動目標の移動前における画面上の位置からの縦横の画素数を計数することで特定し、計数された前記画素数と算出された前記1画素当たりの角度とから、前記移動目標の移動前を基準とした、移動後の前記目標の水平方向および上下方向の角度差を算出し、これら角度差を距離に換算することにより、前記移動目標の移動距離を算出する構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、地上の三次元地形データを少なくとも記憶する記憶部をさらに備え、計測された前記視軸、前記撮影距離計測部により計測された前記撮影距離、および前記三次元地形データから、前記視軸と前記地表面または前記海上面との交点座標である画面中心座標を算出する構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記撮影距離計測部が、前記カメラの視軸方向にある前記地表面または前記海上面をレーザ照射することにより撮影距離を計測するレーザ測距部である構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記カメラで撮影された全体画像から、前記目標の候補となる画像領域を抽出する目標候補抽出部を、さらに備えている構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記カメラで撮影された画像を表示する表示部と、入力部とをさらに備え、前記入力部は、前記表示部で表示される全体画像に含まれる特定の画像領域を、前記目標の候補として選択可能に構成されてもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記カメラは、前記支持機構により旋回させ、異なる角度で撮影された複数画像を単一の広範囲撮影画像として結合し、当該広範囲画像を撮影画像として出力するよう構成されてもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記表示部は、前記カメラで撮影された画像に、算出された前記目標の位置座標を重畳表示可能とするよう構成されてもよい。
また、前記構成の目標位置特定装置においては、前記目標の位置座標、または、前記目標の位置座標および前記目標の移動速度を通信可能とする通信部をさらに備えている構成であってもよい。
本発明に係る目標位置特定システムは、前記の課題を解決するために、前記構成の目標位置特定装置、並びに、自己位置計測装置および自己姿勢計測装置を備えている航空機と、前記目標位置特定装置の通信部との間で通信可能に構成される地上局と、から少なくとも構成されている構成である。
前記構成の目標位置特定システムにおいては、前記航空機がヘリコプタである構成であってもよい。
また、前記構成の目標位置特定システムにおいては、前記地上局が、建築物に設置される情報処理装置、自動車に設置されて移動可能に構成される情報処理装置、および、持ち運び可能な携帯型の情報処理装置の少なくともいずれかである構成であってもよい。
本発明に係る目標位置特定方法は、前記の課題を解決するために、高所に設置され、任意の方向に旋回し指向することが可能な支持機構により支持されているカメラによって、地上に所在する複数の目標を撮影し、前記支持機構の設置位置および設置姿勢、並びに前記支持機構の回転角度から、前記カメラの撮影方向を示す視軸を計測し、前記カメラで撮影されている地表面または海上面までの距離である撮影距離を計測し、計測された前記視軸、計測された前記撮影距離、および予め記憶されている地上の三次元地形データから、前記視軸と前記地表面または前記海上面との交点座標である画面中心座標を算出し、複数の前記目標のそれぞれについて、算出された前記画面中心座標からの前後左右方向の距離を中心基準距離として算出し、前記画面中心座標に対して、算出された前記中心基準距離を加算することにより、前記目標のそれぞれの位置座標を特定する構成である。
前記構成の目標位置特定方法においては、前記カメラが、前記支持機構の設置姿勢の変化の影響を受けることなく、その撮影方向を維持した状態で、複数の前記目標を一定時間継続的に撮影しているときに、その撮影時間を計測し、前記カメラで撮影されている複数の前記目標のうち、撮影中に移動した移動目標が存在する場合に、当該移動目標の移動前後の移動距離と前記撮影時間とから、移動速度を算出する構成であってもよい。
本発明では、以上の構成により、航空機から地上を撮影して目標の位置を特定する際に、複数の目標が分散して存在する場合であっても、それぞれの目標の位置を迅速かつ高精度で特定することができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る目標位置特定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図1に示す目標位置特定装置を搭載するヘリコプタによる、地上の目標の位置を特定する状態を模式的に示す斜視図である。 (a),(b)は、図2に示す位置特定の具体的な手順の一例を示す模式図である。 図3(a),(b)に示す位置特定の具体的な手順の続きを示す模式図である。 図1に示す目標位置特定装置による目標位置特定方法の具体的な一例を示すフローチャートである。 図5に示すフローチャートにおける目標撮影・準備測処理の具体的な一例を示すフローチャートである。 (a)は、図6に示すフローチャートにおける目標候補抽出処理の具体的な一例を示すフローチャートであり、(b)は、図6に示すフローチャートにおける画素角度算出処理の一例を示すフローチャートである。 図5に示すフローチャートにおける目標座標特定処理の具体的な一例を示すフローチャートである。 (a)は、実施の形態1および比較の形態に係る目標位置特定方法において、位置特定のための所要時間を対比したグラフであり、(b)は、位置特定の精度を対比したグラフである。 本発明の実施の形態2に係る目標位置特定装置の構成の一例を示すブロック図である。 図10に示す目標位置特定装置による位置特定の具体的な手順の一例を示す模式図である。 図10に示す目標位置特定装置による目標位置特定方法の具体的な一例を示すフローチャートである。 図12に示すフローチャートにおける目標座標特定処理の具体的な一例を示すフローチャートである。 図12に示すフローチャートにおける目標速度計測処理の具体的な一例を示すフローチャートである。 (a)は、実施の形態2および比較の形態に係る目標位置特定方法において、位置特定および速度計測のための所要時間を対比したグラフであり、(b)は、算出速度の精度を対比したグラフである。 本発明の実施の形態3に係る目標位置特定システムの構成の一例を示す模式図である。 図16に示す目標位置特定システムによる目標位置特定方法の具体的な一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[目標位置特定装置の構成]
まず、本発明の実施の形態1に係る目標位置特定装置の構成の一例について図1を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る目標位置特定装置10Aは、カメラ11、ジンバル機構12、レーザ測距部13、表示部14、入力部15、通信部16、入出力制御部21、記憶部22、視軸計測部31、画面中心座標算出部32、画素角度算出部33、目標候補抽出部34、および目標座標特定部35を備えている。
カメラ11はヘリコプタ40に搭載されており、ジンバル機構12により支持され、ヘリコプタ40の外部を撮影する。
ジンバル機構12は、カメラ11の撮影方向を制御可能とし、また空間安定状態で支持することを可能とするものである。ジンバル機構12は、カメラ11の撮影方向を安定して保持するとともに、撮影方向であるジンバル角度を後述する視軸計測部31に出力する。ここでいう空間安定状態とは、カメラ11の中心軸(視軸)がヘリコプタ40の姿勢変化に影響を受けることなく、一定方向を指し続ける状態を指す。
カメラ11およびジンバル機構12は、目標位置特定装置10Aの「撮影部」を構成しており、この撮影部は、地上を撮影可能であればヘリコプタ40のどのような位置に設けられてもよい。また、撮影部には、カメラ11およびジンバル機構12以外の構成が含まれても良い。
レーザ測距部13は、後述するように、カメラ11の視軸方向の距離(撮影距離)を計測するためのものであり、地上に向けてレーザを照射し、反射されたレーザを受光することにより距離を計測する。レーザ測距部13は、後述するようにカメラ11の視軸を計測するため、カメラ11とともにジンバル機構12に支持されている。したがって、レーザ測距部13も撮影部に含まれるとみなすことができる。
表示部14は、各種画像を表示可能としており、本実施の形態では、カメラ11で撮影した画像を表示可能とするとともに、画面中心座標、目標の位置座標、目標位置特定装置10Aの操作用情報、制御用情報等が表示可能となっている。
入力部15は、目標位置特定装置10Aに対して種々の情報を入力するためのものである。その具体的な構成は特に限定されず、公知のキーボードであってもよいし、表示部14と一体化されたタッチパネルであってもよい。
通信部16は、目標位置特定装置10Aと他の通信機器とを通信させるものであり、特に本実施の形態では、目標の位置座標を通信可能に構成されている。
入出力制御部21は、前述したカメラ11、ジンバル機構12、レーザ測距部13表示部14、入力部15、通信部16等の動作を制御するものであり、具体的には、入力部15からの操作指令あるいは入力情報に基づいて、カメラ11、ジンバル機構12、レーザ測距部13、表示部14、入力部15、通信部16を動作させる。また、カメラ11からの撮影データ(画像データ)を表示部14に表示させ、さらには、目標座標特定部35により特定された目標の位置座標を、カメラ11により撮影された画像に重畳させる。その具体的な構成は特に限定されず、公知のマイクロコントローラ等を好適に用いることができる。
記憶部22は、入出力制御部21による制御に用いられる各種データ、並びに、後述する目標の位置座標の特定に用いられる各種データを記憶する。特に本実施の形態では、カメラ11が撮影する地上に対応する三次元地形(地勢)データを記憶している。記憶部22の具体的な構成は特に限定されず、入出力制御部21として用いられるマイクロコントローラの内部メモリとして構成されてもよいし、独立したメモリとして構成されてもよい。
視軸計測部31は、ヘリコプタ40の位置および姿勢、並びにジンバル機構12のジンバル角度から、カメラ11の視軸を計測し、画面中心座標算出部32および目標座標特定部35に出力する。ここでいう視軸とは、カメラ11の画面上での基準となる点(画面基準点)の撮影方向を示す基準軸である。本実施の形態では、画面基準点として画面中心点を設定しているが、画面基準点はこれに限定されず、諸条件に応じて画面上の他の点を画面基準点として設定することができる。ヘリコプタ40の位置は、当該ヘリコプタ40に搭載されるGPS受信機41で受信したGPSデータにより検出することができ、ヘリコプタ40の姿勢は、当該ヘリコプタ40に搭載されている慣性航法装置42で計測された計測データにより検出することができる。
画面中心座標算出部32は、視軸計測部31で計測された視軸、レーザ測距部13により計測された撮影距離、および記憶部22に記憶されている三次元地形データから画面中心座標を算出し、目標座標特定部35に出力する。ここで、画面中心座標は、視軸と地表面との交点座標である。
画素角度算出部33は、カメラ11の画素数および視野角から、当該カメラ11の1画素当たりの角度(以下、説明の便宜上、適宜「画素角度」と略す。)を算出し、目標座標特定部35に出力する。目標候補抽出部34は、カメラ11で撮影された全体画像から、目標の候補となる画像領域を自動的に抽出し、目標座標特定部35に出力する。
目標座標特定部35は、カメラ11で撮影され、目標候補抽出部34で抽出された複数の目標の位置を、記憶部22に記憶されている三次元地形データ上の位置座標として特定し、入出力制御部21に出力する。
具体的には、本実施の形態では、目標座標特定部35は、まず、複数の目標のそれぞれについて、算出された画面中心座標を基準とした前後左右方向の距離(後述する中心基準距離)として算出し、次に、画面中心座標に中心基準距離を加算する。これにより、それぞれの目標の位置座標が、三次元地形データ上の座標として特定される。本実施の形態では、中心基準距離の算出には、後述するようにカメラ11の画素が利用される。
前述した視軸計測部31、画面中心座標算出部32、画素角度算出部33、目標候補抽出部34、および目標座標特定部35の具体的な構成は特に限定されず、公知のマイクロコントローラ等を好適に用いることができる。
[目標位置特定の手順]
次に、本実施の形態に係る目標位置特定装置10Aによる目標位置特定の手順について、図2、図3(a),(b)および図4を参照して具体的に説明する。
図2に示すように、ヘリコプタ40がホバリングした状態で、カメラ11が地上を撮影しているとする。このとき、カメラ11で撮影されている地上の撮影領域111には、2つの目標100が所在している。したがって、カメラ11は2つの目標100を撮影していることになり、ヘリコプタ40の撮影画面112(表示部14で表示される。)には、目標画像114が2つ表示されている。また、撮影画面112の画面中心点113は、カメラ11の視軸Axに対応する。
ここで、それぞれの目標100とカメラ11とを結ぶ線(図2では一点鎖線で示す。)は、視軸Axとの間で角度差Dfを形成する。目標座標特定部35は、この角度差Dfからそれぞれの目標100の位置座標を特定するが、本実施の形態では、撮影画面112上で画面中心点113(視軸Axに相当)を基準とした上下左右の画素数を計数し、この画素数と画素角度算出部33で算出される画素角度(1画素当たりの角度)とを利用して、角度差Dfを算出する。
より具体的には、図3(a)に示すように、カメラ11による目標100の撮影に伴って、カメラ11の視軸Axの方向にある地表面、すなわち、撮影画像の画面中心点に対応する画面中心座標131に向かって図中L0で示すようにレーザ測距部13からレーザを照射し、カメラ11から画面中心座標131までの距離(撮影距離)を計測する。図3(a)に示す例では、撮影領域111内には4つの目標100が含まれているので、撮影画面112には、4つの目標100に対応する目標画像114a〜114dが表示されている。
これら目標画像114a〜114dは、全て位置特定の対象としてもよいし、必要に応じて選択してもよい。例えば図3(a)に示すように、抽出された目標画像114a〜114dのうち、目標画像114a,114b,114dを選択して、目標画像114cを選択しないこともできる。なお、図3(a)では、選択された目標画像114a,114b,114dは網掛け表示としている。
そして、目標位置特定装置10Aは、角度差Dfを算出するための画素数を計数するが、この画素数の計数は、図3(b)に示すように、水平方向(左右方向)および上下方向について行う。図3(b)では、目標画像114dに対応する目標100dを例に挙げて説明する。なお、図3(b)では、目標画像114dに対応する目標100dは黒く塗りつぶして表示しており、撮影画面112上では、目標画像114dは、図中向かって右下の画面領域に位置している。
目標座標特定部35は、まず、撮影画面112上において、画面中心点113から目標画像114dまでの左右方向の画素数(図3(b)における向かって左下の撮影画面112参照)を計数することにより、目標100dのアジマス方向の距離AZを求める(図3(b)における向かって左上の模式図参照)。同様に、上下方向の画素数(図3(b)における向かって右下の撮影画面112)を計数することにより、目標100dのエレベーション方向の距離ELを求める(図3(b)における向かって右上の模式図参照)。
次に、目標座標特定部35は、画素角度算出部33で算出された画素角度により、目標100dのアジマス方向の距離AZを、視軸Axを基準とする角度差Df−AZに換算する(図3(b)における向かって左上の模式図参照)。同様に、目標100dのエレベーション方向の距離ELを、視軸Axを基準とする角度差Df−ELに換算する(図3(b)における向かって右上の模式図参照)。
そして、目標座標特定部35は、アジマス方向の角度差Df−AZから、目標100dの左右方向の距離を特定するとともに、エレベーション方向の角度差Df−ELから、目標100dの前後方向の距離を特定する。具体的には、三次元地形データから得られる高度情報および傾斜情報を有した地表面データを用いて、視軸Axを基準に方向軸が角度差Df−AZおよびDf−ELだけ変化したときの、方向軸と地表面データの交点座標の変化量を求める。当該変化量が目標100dの左右方向および前後方向の距離となる。
このように、目標100dについて前後左右の距離が特定されれば、図4に示すように、画面中心座標131を中心とする目標100dの距離Csが算出される。図4では、図3(a),(b)に示す各目標画像114a〜114dにそれぞれ対応する目標100a〜100dの位置と、画面中心座標131からの距離Csとを図示している。なお、説明の便宜上、距離Csを、画面中心座標131を基準とした前後左右方向の距離である「中心基準距離Cs」と称する。
図4に示す例では、目標100a(目標画像114aに対応)が最も手前側(ヘリコプタ40側)に位置し、目標100c(目標画像114cに対応)、目標100b(目標画像114bに対応)および目標100d(目標画像114dに対応)の順で奥側に位置している。
地表面における画面中心座標131(撮影画面112の画面中心点113に対応)は、画面中心座標算出部32により、視軸Axと地表面との交点座標として算出される。すなわち、画面中心座標算出部32は、図4に示すように、三次元地形データ221と撮影距離Dsとから視軸Axと地表面との交点となる画面中心座標131を算出する。したがって、画面中心座標131は三次元地形データ221上での絶対座標として算出されることになる。
ここで、前述したように、目標100a,100b,100dは、画面中心座標131から中心基準距離Csだけ離れて位置している。そこで、画面中心座標131に対して中心基準距離Csを加算すれば、各目標100についての位置座標(目標座標)を算出することができる。
このように、目標座標特定部35により算出される目標座標(目標位置)は、ヘリコプタ40から見た相対的な座標データではなく、三次元地形データ221上の絶対座標系のデータとして取得される。それゆえ、各目標100(目標画像114a,114b,114d)の三次元地形(地図)上での位置座標を容易に特定することができる。また、地上局が三次元地形データ221を有していれば、通信部16によって目標座標を地上局に送信することによって、ヘリコプタ40側と地上局側とで目標位置を容易に共有することができる。
このように、本実施の形態では、目標座標特定部35は、撮影された複数の目標100のそれぞれについて、画面中心点(もしくは他の画面基準点)から縦横の画素数を計数することで、各目標100の撮影画面112上の位置を特定する。次に、計数された画素数と、画素角度算出部33で算出された画素角度とから、視軸Axを基準として目標100の水平方向および上下方向の角度差Dfを算出する。そして、これら角度差Dfを距離に換算することにより、中心基準距離Csを算出し、画面中心座標131に中心基準距離Csを加算することにより、それぞれの目標100の三次元地形データ221上の位置座標(すなわち目標位置)を特定することができる。
[目標位置特定の詳細]
次に、前述した目標位置特定の手順をより具体化した目標位置特定方法の一例について、図5ないし図9を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る目標位置特定方法は、図5に示すように、6ステップで構成されている。まず、本実施の形態に係る目標位置特定装置10Aを搭載したヘリコプタ40は、機体を空中でホバリングさせた状態で、機体の位置(GPSデータ)、機体の姿勢(慣性航法装置の計測データ)、さらには機体の高度(慣性航法装置の計測データ)等を取得して、視軸計測部31に出力する(ステップS11)。
次に、目標100が撮影画面112に収まるように、カメラ11の視野方向および視野角を調整する(ステップS12)。そして、後述する「目標撮影・準備処理」を実行(ステップS13)する。この処理では、目標100の撮影に加えて、ジンバル角度の計測、撮影距離の計測、視軸Axの算出、画面中心座標131の算出、画素角度の算出、および目標候補の抽出という、目標座標特定のための準備処理が行われる。
次に、計測または算出された各種データに基づいて「目標座標特定処理」が実行される(ステップS14)。その後、表示部14の表示画面の地図上に、目標座標に基づく目標位置が重畳表示され(ステップS15)、さらに、通信部16の通信により、地上局に目標位置が伝達される(ステップS16)。
前述した「目標撮影・準備処理」は、図6に示すように7ステップで構成されている。まず、カメラ11の視野方向および視野角が調整された後(ステップS12)、カメラ11を空間安定状態に設定し、地上の目標100の撮影を開始する(ステップS131)。このときの撮影方法は特に限定されず、1コマのみを撮影してもよいし、カメラ11を速やかに左右旋回させて連続的なパノラマで撮影してもよい。また、カメラ11の空間安定状態の設定は、目標位置特定装置10Aの操作者が手動で行ってもよいし、入出力制御部21により自動設定されてもよい。
次に、ジンバル機構12のジンバル角度が計測され(ステップS132)、このジンバル角度と、機体の位置および姿勢(ステップS11で取得)とにより、視軸Axが計測される(ステップS133)。
また、ジンバル角度の計測および視軸Axの計測に並行して、レーザ測距部13により撮影距離(カメラ11から画面中心座標131までの距離)が計測され(ステップS134)、この撮影距離と計測された視軸Ax(ステップS133で取得)と三次元地形データ221とから、画面中心座標131が算出される(ステップS135)。
さらに、撮影距離の計測(ステップS134)の後には、画面中心座標131の算出(ステップS135)に並行して、図7(a)に示す「目標候補抽出処理」(ステップS136)が実行される。また、撮影開始から視軸Axの計測、画面中心座標131の算出、並びに目標候補抽出処理(ステップS131〜S136)に並行して、図7(b)に示す「画素角度算出処理」が実行される(ステップS137)。
「目標候補抽出処理」は、図7(a)に示すように3ステップで構成されている。まず、レーザ測距部13により撮影距離が計測された後に(ステップS134)、目標候補抽出部34は、撮影された全体画像から画像処理により目標候補を自動抽出する(ステップS1361)。次に、抽出された目標候補から任意に目標候補を選択したい場合には(ステップS1362でYES)、入力部15により特定の目標候補を指定して選択すればよい(ステップS1363)。任意に目標候補を選択する必要がない場合(ステップS1363でNO)、あるいは、特定の目標候補を選択した後(ステップS1362)であれば、目標候補すなわち位置特定したい目標100の画像データの抽出が完了したことになる。
また、「画素角度算出処理」は、図7(b)に示すように2ステップで構成されている。まず、カメラ11の視野方向および視野角が調整されれば(ステップS12)、画素角度算出部33は、カメラ11の視野角を取得し(ステップS1371)、予め判明しているカメラ11の画素数と取得した視野角とから、1画素当たりの角度すなわち画素角度を算出する(ステップS1372)。このとき、カメラ11の画素数は入力部15から随時入力されてもよいし、予め記憶部22に記憶されてもよい。
これら計測および算出処理によって各種データが得られた後、目標座標特定部35により「目標座標特定処理」(ステップS14)が実行され、得られた各種データが目標100の位置座標の特定のために用いられる。
「目標座標特定処理」は、図8に示すように5ステップで構成されている。まず、目標座標特定部35は、目標候補抽出部34で抽出された目標100の画像データについて、画面中心113からの上下左右方向の画素数を計数する(ステップS141)。その後、画素数を計数すべき目標100が存在するか否かを判定し(ステップS142)、存在する場合には(ステップS142でYES)、当該目標100の画素数を計数し(ステップS141に戻る)、全ての目標100について画素数を計数するまで、この処理を繰り返す。
一方、画素数を計数する目標100が存在しない場合、すなわち全ての目標100について画素数が計数された場合には(ステップS142でNO)、計数された画素数、並びに、画素角度算出部33で算出された画素角度(ステップS137で算出)から、目標100の上下左右方向(アジマス方向およびエレベーション方向)の角度差Dfを算出する(ステップS143)。
次に算出された角度差Dfについて、視軸計測部31で計測された視軸Ax(ステップS133で計測)、並びに、記憶部22に記憶されている三次元地形データ221を用いて、上下左右方向の角度差Dfを前後左右方向の距離(中心基準距離Cs)に換算する(ステップS144)。そして、撮影画面112の画面中心座標131に中心基準距離Csを加算することで(ステップS145)、相対的に特定された目標100の位置座標を三次元地形データ221上の位置座標に換算することができ、その結果、目標100の位置座標を特定することができる。その後は、前述したように、表示部14の表示画面の地図上に、目標座標に基づく目標位置を重畳表示すればよい(ステップS15)。
このように、本実施の形態によれば、個々の目標100をカメラ11で撮影して、当該目標100の位置(位置座標)を特定するのではなく、カメラ11の視軸Axを基準として画面中心座標131を決定し、当該画面中心座標を基準として目標100の位置座標を特定している。それゆえ、複数の目標100をカメラ11でまとめて撮影する状態で、それぞれの目標100について位置座標を迅速に特定することができるので、複数の目標100が分散して存在する場合であっても、それぞれの目標100の位置を迅速かつ高精度で特定することができる。
しかも、得られる目標座標が絶対座標であるため、当該目標座標を三次元地形データ221へ重畳させることが容易となり、また、無線通信によって地上局等と情報共有させることも容易となる。その結果、例えば災害で多くの被災者が発生したり、山岳地の複数人で構成されるパーティが遭難したりする場合等、目標100となる人数が多い条件であっても、迅速に被災者または遭難者の位置特定が可能となる。
なお、個々の目標100をカメラ11で撮影して、当該目標100の位置(位置座標)を特定する一般的な構成を「比較の形態」の目標位置特定方法として、本実施の形態に係る目標位置特定方法(および目標位置特定装置10A)と比較すると、図9(a)、(b)に示すように、位置特定に要する所要時間を大幅に短縮できるとともに、位置特定に伴う誤差量も大幅に低減することができる。
例えば、5つの目標A〜Eについて位置特定を行う場合には、比較の形態であれば、目標Aをカメラで撮影して位置特定処理を行い、目標B〜Eについても、それぞれカメラで撮影して位置特定処理を行う必要がある。これに対して、本実施の形態では、位置特定に際してはカメラ11で目標A〜E全てが画面内に収まるように撮影すればよいので、各目標A〜Eについて個別に撮影を行う必要がなく、大幅に所要時間を短縮することができる。
また、位置特定に伴う誤差量については、左右方向の誤差量は本実施の形態も比較の形態も同程度であるが、前後方向の誤差量は、特にレーザ測距部13を用いて撮影距離をレーザ測距することで、その誤差を低減することができる。例えば「比較の形態」としては、撮影距離を使用することなく座標を算出することが可能な方法もあるが、ヘリコプタの高度が低い状態で遠方の目標の位置特定を行う場合には、撮影距離を用いなければ、上下方向の視軸計算に伴う誤差が、前後方向の位置についての大きな誤差に変換されてしまう。
これに対して、本実施の形態では、ヘリコプタ40の高度が低く、目標が遠方に位置する状況であったとしても、前述したように、レーザ測距部13による撮影距離と、記憶部22に記憶されている三次元地形データ221から画面中心座標131を特定するので、目標の前後方向の位置を補正することが可能となる。それゆえ、位置特定に関する誤差量をより低減することができる。
なお、図9(a),(b)における所要時間の長さおよび誤差量の大きさは、本実施の形態における効果を説明する上での模式的な長さまたは誤差量であり、本発明はこの模式的なグラフに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、カメラ11は、ヘリコプタ40等のような航空機に搭載され、ジンバル機構12により支持されているが、本発明はこれに限定されず、カメラ11は高所に設置され、任意の方向に旋回し指向することが可能な支持機構により支持されていればよい。したがって、カメラ11は、例えば高層建築物に設置することが可能であり、また、ジンバル機構12以外の公知の他の支持機構に支持されてもよい。
また、本実施の形態では、カメラ11がヘリコプタ40等の航空機に搭載されているので、カメラ11を支持する支持機構(ジンバル機構12)の設置位置および設置姿勢は、GPS受信機41および慣性航法装置42により得られるが、支持機構の設置位置および設置姿勢を得る構成はこれらに限定されず、公知の他の自己位置計測装置および自己姿勢計測装置であってもよい。
また、本実施の形態では、カメラ11は地表面を撮影しているが、もちろん海上面を撮影することも可能である。
さらに、本実施の形態では、カメラ11は、複数の目標全てが画面内に収まるように撮影するよう構成されていればよく、その撮影手法そのものは特に限定されない。すなわち、カメラ11は、単一画像内に複数の目標が全て収まるような撮影手法であってもよいし、ジンバル機構12を旋回させて、異なる角度で撮影された複数画像を単一の広範囲撮影画像として結合し、当該広範囲画像を撮影画像として出力するよう構成されてもよい。
(実施の形態2)
前記実施の形態1に係る目標位置特定装置10Aは、目標100の位置座標を特定する構成であるが、本実施の形態に係る目標位置特定装置は、目標100が移動している場合には、当該目標100の位置座標に加えて、その移動速度も算出可能としている。まず、本実施の形態2に係る目標位置特定装置10Bの構成の一例について、図10を参照して具体的に説明する。
図10に示すように、本実施の形態に係る目標位置特定装置10Bは、基本的には前記実施の形態1に係る目標位置特定装置10Aと基本的に同様の構成であるが、さらに計時部23と目標速度計測部36とを備えている点が異なっている。
計時部23は、カメラ11が、その撮影方向を維持した状態で、複数の目標100を一定時間継続的に撮影しているときに、その撮影時間を計測可能としている。その具体的な構成は特に限定されず、公知のタイマー回路等を好適に用いることができる。
目標速度計測部36は、カメラ11で撮影されている複数の目標100のうち、撮影中に移動した移動目標が存在する場合に、当該移動目標の移動距離と撮影時間とから、移動速度を算出するものである。目標速度計測部36の具体的な構成は特に限定されず、公知のマイクロコントローラ等を好適に用いることができる。
目標速度計測部36における移動距離の取得方法は特に限定されないが、本実施の形態では、まず、移動目標の移動後における画面上の位置を、当該移動目標の移動前における画面上の位置からの縦横の画素数を計数することで特定する。次に、計数された画素数と算出された1画素当たりの角度とから、移動目標の移動前を基準とした、移動後の前記目標の水平方向および上下方向の角度差を算出し、これら角度差を視軸Axおよび三次元地形データ221を用いて目標座標特定部35と同様の計算処理により距離に換算する。これによって、目標速度計測部36は、移動目標の移動距離を算出する。
前記実施の形態1では、目標座標特定部35が撮影画面112の画素数を利用して目標100の位置を特定しており、本実施の形態でもこの点は同様である。そこで、目標速度計測部36は、画素数を利用して目標100の移動距離を算出する。そして、目標速度計測部36は、目標座標特定部35により特定された移動前の位置を基準として、移動後の位置の画素数を計測することにより移動距離を算出する。
例えば図11に示すように、前記実施の形態1と同様、撮影領域111内には4つの目標100a〜100dが含まれ、撮影画面112には、これら目標100a〜100dにそれぞれ対応する目標画像114a〜114dが表示されており、さらに、目標画像114dに対応する目標100dが移動目標であるとする。なお、位置特定の対象である目標100a,100b,100dの位置座標の特定手順は前記実施の形態1と同様である。
このとき、目標速度計測部36は、まず、移動目標である目標100dについて、移動前における撮影画面112上の目標画像114dの位置を基準として、移動後の位置における縦横の画素数を計数する。例えば、図11では、移動目標の画像である目標画像114dは、撮影画面112における向かって右下の領域から右上の領域に斜め左方向に移動しているが、このとき目標速度計測部36は、移動前の位置(図中点線で示す)から移動後の位置までの縦の画素数と横の画素数とをそれぞれ計数する。
続いて目標速度計測部36は、計数された画素数と画素角度算出部33により算出された画素角度とから、画面中心座標131を基準とした移動目標の水平方向および上下方向の角度差Dfを算出する。この角度差Dfを前述したように距離に換算することによって移動目標の移動距離Dmを算出する。
このように、目標速度計測部36は、目標座標特定部35と同様に、撮影画面112を利用して移動目標の移動距離Dmを算出することになる。したがって、抽出された目標100毎に目標座標特定部35が計数した画素数は、当該目標座標特定部35における角度差Dfの算出処理に利用されるだけでなく、目標速度計測部36における移動速度の算出にも利用できる。すなわち目標速度計測部36は、移動目標が移動する前の位置を目標座標特定部35から得ることができるので、移動後の位置のみを特定する、すなわち移動前の位置からの移動後の位置までの縦横の画素を計数すればよいことになる。
目標座標特定部35は、算出された移動距離Dmを、移動時に要した時間(移動時間)によって除算し、移動速度を算出する。このときの移動時間は、ヘリコプタ40がホバリングしながら目標100を撮影し続けている時間(概ね10秒以下)の待機時間に相当する。そこで、計時部23は、この待機時間を計測し、目標速度計測部36に出力することになる。
次に、前述した目標速度計測の手順をより具体化した目標位置特定方法の一例について、図12ないし図15を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る目標位置特定方法は、図12に示すように7ステップで構成されている。これらステップのうち、ステップS21〜S24およびステップS26,S27は、前記実施の形態1に係る目標位置特定方法のステップS11〜16と同様であるが、目標速度を算出する「目標速度計測処理」(ステップS25)を有する点が異なっている。なお、ステップS21〜S23,S26,S27の具体的な説明は省略する。
本実施の形態に係る目標位置特定方法の「目標速度計測処理」(ステップS25)は、「目標撮影・準備処理」(ステップS23)で得られた視軸Axおよび画素角度と、「目標座標特定処理」(ステップS24)で得られた目標100の画面上の位置を示す画素数の計数値とを利用して移動速度を算出する。具体的には、図14に示すように、「目標速度計測処理」は8ステップで構成されている。
なお、図13に示すように、「目標座標特定処理」(ステップS24)は5ステップで構成され(ステップS241〜S245)、基本的に前記実施の形態1における「目標座標特定処理」(ステップS141〜S145、図8参照)と同様である。ただし、前記の通り、「目標速度計測処理」は、「目標座標特定処理」で得られた画素数の計数値を利用するので、以下の説明では、図13を参照して「目標座標特定処理」についても要部を簡単に説明する。
まず、図13に示すように、目標座標特定部35は、「目標撮影・準備処理」(ステップS23)にて抽出された目標100の画像データについて画素数を計数する(ステップS241)。その後、画素数を計数すべき目標100が存在するか否かを判定し(ステップS242)、存在する場合には(ステップS242でYES)、当該目標100の画素数を計数し(ステップS241に戻る)、全ての目標100について画素数を計数するまで、この処理を繰り返す。
一方、画素数を計数する目標100が存在しない場合(ステップS242でNO)には、計数された画素数、並びに、「目標撮影・準備処理」(ステップS23)で算出された画素角度から、目標100の上下左右方向(アジマス方向およびエレベーション方向)の角度差Dfを算出する(ステップS243)。なお、その後の中心基準距離Csへの換算(ステップS244)、および、画面中心座標131への中心基準距離Csの加算による位置座標の算出(ステップS245)は、前記実施の形態1と同様であるため、その説明は省略する。
また、目標速度計測部36は、前述した目標座標特定部35による処理(ステップS241,S242)と並行して、図14に示すように、「目標撮影・準備処理」(ステップS23)の後に、ヘリコプタ40が一時待機(数秒程度)すると、計時部23はその待機時間を計測する(ステップS251)。この待機時間は、後述する移動時間に相当する。
そして、目標速度計測部36は、待機時間の計測(ステップS251)の後であって、かつ、目標座標特定部35により全ての目標100について画素数が計数された後(ステップS242でNO、図13および図14では図中「P」でフローのつながりを図示している。)には、カメラ11により目標100を再度撮影し(ステップS252)、「目標候補抽出処理」(ステップS253、図7(a)参照)を行う。
その後、目標速度計測部36は、任意の目標100について、移動前を基準として移動後における画面中心113からの上下左右方向の画素数を計数する(ステップS254)。さらにその後、画素数を計数すべき目標100が存在するか否かを判定し(ステップS255)、存在する場合には(ステップS255でYES)、当該目標100の画素数を計数し(ステップS254に戻る)、全ての目標100について画素数を計数するまで、この処理を繰り返す。
一方、画素数を計数する目標100が存在しない場合、すなわち全ての目標100について画素数が計数された場合には(ステップS255でNO)、計数された画素数、並びに、「目標撮影・準備処理」(ステップS23)で算出された画素角度から、移動前を基準として、移動後の目標100の上下左右方向(アジマス方向およびエレベーション方向)の角度差Dfを算出する(ステップS256)。
次に算出された角度差Dfについて、視軸計測部31で計測された視軸Ax、並びに、記憶部22に記憶されている三次元地形データ221を用いて、上下左右方向の角度差Dfを前後左右方向の距離(中心基準距離Cs)に換算する(ステップS257)。その後、換算した距離、並びに、計時部23により計測された移動時間(ステップS251で計測)から、移動目標の移動速度(目標速度)を算出する(ステップS258)。
そして、図12にも示すように、表示部14の表示画面の地図上に、目標座標に基づく目標位置と、目標速度に基づく移動情報を重畳表示する(ステップS25)。その後は、通信部16の通信により、地上局に目標位置および移動情報が伝達される(ステップS26)。
このような「目標速度計測処理」では、得られる目標速度は、ヘリコプタ40から見た相対的な速度情報ではなく、目標位置と同様に絶対座標系における移動データ(すなわち絶対速度)として取得することができる。その結果、三次元地形データ221に対して目標位置とともに速度情報も重畳させやすくなり、また、地上局が三次元地形データ221を有していれば、通信部16によって目標座標とともに速度情報も地上局に送信することによって、ヘリコプタ40側と地上局側とで目標位置および目標速度を容易に共有することができる。
前記実施の形態1と同様に、比較の形態の目標位置特定方法と、本実施の形態に係る目標位置特定方法(および目標位置特定装置10B)とを比較すると、図15(a)、(b)に示すように、位置特定および速度計測に要する所要時間を大幅に短縮できるとともに、速度計測に伴う誤差量も大幅に低減することができる。
図15(a)に示す位置特定および速度計測に要する所要時間については、前記実施の形態1で説明した図9(a)と同様であり、本実施の形態では、位置特定および速度計測に際してはカメラ11で目標A〜E全てを撮影すればよいので、各目標A〜Eについて個別に撮影を行う必要がなく、大幅に所要時間を短縮することができる。
また、速度計測に伴う誤差量については、自機移動すなわちヘリコプタ40の移動による誤差量は本実施の形態も比較の形態も同程度であり、位置換算時(目標100の位置を画素数から換算する際)の誤差量も概ね同程度である。そして、比較の形態では機体の動揺による誤差量が生じており、本実施の形態では、ジンバル機構12のドリフトによる誤差量が生じている。しかしながら、機体の動揺による誤差量に比べて、ジンバル機構12のドリフトによる誤差量は相対的に小さく、それゆえ、速度計測に伴う誤差量を有意に低減することができる。この誤差量の低減について、より具体的に説明する。
速度計測では、一般に、空中から目標の座標を特定し(先の座標特定)、その後一定時間(概ね10秒以下)待機し、再び目標の座標を特定し(後の座標特定)、先に特定された目標の座標と後で特定された目標の座標との差分となる距離を待機時間で除算することになる。
比較の形態では、「先の座標特定」および「後の座標特定」のいずれにおいても目標を画面中央付近で撮影するため、毎回の撮影でジンバル機構を旋回させて視軸を計算することになる。ここで、「待機」中のヘリコプタは必然的に動揺するため、機体の姿勢は必ず変化する。したがって、1つの目標について速度を計測する際には、「先の座標特定」において慣性航法装置により機体の姿勢を計測し、その後、「待機」を経て、「後の座標特定」で慣性航法装置により機体の姿勢を計測することになる。このように「待機」の前後で姿勢を2回計測するということは、姿勢の計測誤差の影響を大きくしてしまう。
一方、本実施の形態では、ジンバル機構12はカメラ11を空間安定状態とすることができるので、「後の座標特定」における目標の撮影では視軸を計算することが不要となるか、もしくはヘリコプタ40の移動距離だけ視軸Axを平行移動させる計算を行うだけでよい。そのため、「待機」中にヘリコプタ40が動揺しても、姿勢の計測誤差の影響を受けることが回避される。これにより、目標100の速度計測に伴う誤差量を低減することができる。
なお、空間安定状態では、ジンバル機構12のジャイロがドリフトすることで待機時間の長さに比例したドリフト誤差が発生するが、本実施の形態では、前述したように待機時間は概ね10秒以下であるので、姿勢の計測誤差による影響に比べて十分小さい値となる。
なお、図15(a),(b)における所要時間の長さおよび誤差量の大きさも、本実施の形態における効果を説明する上での模式的な長さまたは誤差量であり、本発明はこの模式的なグラフに限定されるものではない。
このように、本実施の形態では、目標座標を迅速かつ高精度に特定できるだけでなく、目標座標の特定に伴って目標100の移動速度も高精度に算出することができ、例えば、目標100の移動予測等への応用が可能となる。しかも、得られる目標座標が絶対座標であり、移動速度も絶対速度であるため、これら目標位置および移動情報を三次元地形データ221へ重畳させることが容易となり、また、無線通信によって地上局等と情報共有させることも容易となる。
(実施の形態3)
前記実施の形態1および2では、ヘリコプタ40に搭載される目標位置特定装置10Aまたは10Bを例に挙げて説明したが、本実施の形態では、目標位置特定装置を含む目標位置特定システムの一例について、図16および図17を参照して具体的に説明する。
図16に示すように、本実施の形態3に係る目標位置特定システム10Cは、複数のヘリコプタ40と少なくとも一つの地上局から構成されている。複数のヘリコプタ40は、いずれも、前記実施の形態2に係る目標位置特定装置10B、GPS受信機41、および慣性航法装置42等を搭載している。なお、図16では中央のヘリコプタ40のみ目標位置特定装置10B等の搭載を模式的に図示している。
地上局は、目標位置特定装置10Bの通信部16との間で通信可能に構成されており、図16に示す例では、地上局が設置される形態の代表例として、指揮本部51、指揮通信車52、および地上要員53を例示している。
指揮本部51には、本部建物内に地上局としての情報処理装置50Aが設置されており、指揮通信車52には、自動車内に情報処理装置50Bが設置され、自動車を運転することによって災害現場等に移動可能となっている。地上要員53は、持ち運び可能な携帯型の情報処理装置50Cを装備しており、災害現場等において当該情報処理装置50Cを確認しながら救援活動等を行うことができる。
目標位置特定システム10Cを構成する地上局は、これらの少なくともいずれかであればよく、全ての種類の地上局を含んでいてもよいし、これら以外の形態の地上局を含んでいてもよい。さらには、図16では、ヘリコプタ40も複数機含まれており、それぞれに目標位置特定装置10Bが搭載されているので、目標位置特定装置10B同士の間でも通信が可能であり、かつ、情報の共有が可能となっている。
次に、本実施の形態に係る目標位置特定システム10Dにおける目標位置特定方法の一例について、図17を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る目標位置特定方法は、図17に示すように8ステップで構成されている。これらステップのうち、ステップS31〜S35およびステップS37,S38は、前記実施の形態2に係る目標位置特定方法のステップS21〜27と同様であり、通信部16により他のヘリコプタ40から目標位置および移動情報等を取得可能としている点(ステップS36)のみが異なっている。
まず、目標位置特定装置10Cを搭載したヘリコプタ40は、機体を空中でホバリングさせた状態で、前記実施の形態1で説明したように、機体の位置、機体の姿勢等を取得して、視軸計測部31に出力する(ステップS31)。次に、目標100が撮影画面112に収まるように、カメラ11の視野方向および視野角を調整する(ステップS32)。そして、「目標撮影・準備処理」を実行(ステップS33)し、目標100を撮影するとともに、撮影距離の計測、視軸Axの計測等の目標座標特定のための準備処理が行われる。
この準備処理の後に「目標座標特定処理」(ステップS34)および「目標速度計測処理」(ステップS35)が実行され、その後、通信部16により他のヘリコプタ40から目標位置、移動情報あるいは他の情報を取得する(ステップS36)。なお、他機からの情報の取得は必要に応じて行えばよい。このようにして得られた各種情報は、表示部14の表示画面の地図上に重畳表示され(ステップS37)、さらに、通信部16の通信により、地上局または他のヘリコプタ40もしくは双方に伝達される(ステップS38)。
このように、本実施の形態では、複数のヘリコプタ40と複数の地上局とで目標位置特定システム10Cが構成されているため、これらの間で各種情報の共有を図ることができる。特に、本実施の形態では、前記実施の形態1および2で説明したように、得られる目標座標が絶対座標であり、移動速度も絶対速度であるため、三次元地形データ221への重畳が容易となり、無線通信によって他機または地上局等と情報共有させることも容易となる。その結果、目標100となる被災者または遭難者が多い条件であっても、複数のヘリコプタ40で捜索することで、より一層迅速に被災者または遭難者の位置特定を可能とすることができる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、ヘリコプタ等により高所から地上の複数の目標について位置特定を行う用途に広く好適に用いることができ、さらに、複数の目標の移動速度についても迅速に計測可能であるため、目標位置および目標速度の双方を取得する分野に特に好適に用いることができる。
10A 目標位置特定装置
10B 目標位置特定装置
10C 目標位置特定システム
11 カメラ
12 ジンバル機構(支持機構)
13 レーザ測距部(撮影距離計測部)
14 表示部
15 入力部
16 通信部
22 記憶部
23 計時部
31 視軸計測部
32 画面中心座標算出部
33 画素角度算出部
34 目標候補抽出部
35 目標座標特定部
36 目標速度計測部
40 ヘリコプタ(航空機)
41 GPS受信機(自己位置計測装置)
42 慣性航法装置(自己姿勢計測装置)
50A 情報処理装置
50B 情報処理装置
50C 情報処理装置
51 指揮本部(地上局)
52 指揮通信車(地上局)
53 地上要員(地上局)
100 目標
100a 目標
100b 目標
100c 目標
100d 目標
113 画面中心点(画面基準点)
131 画面中心座標
221 三次元地形データ
Ax 視軸
Cs 中心基準距離
Df 角度差
Ds 撮影距離
Dm 移動距離

Claims (15)

  1. 高所に設置され、任意の方向に旋回し指向することが可能な支持機構により支持されており、地上に所在する複数の目標を撮影するカメラと、
    前記支持機構の設置位置および設置姿勢、並びに前記支持機構の回転角度から、前記カメラの撮影方向を示す視軸を計測する視軸計測部と、
    前記カメラで撮影されている地表面または海上面までの距離である撮影距離を計測する撮影距離計測部と、
    地上の三次元地形データを少なくとも記憶する記憶部と、
    計測された前記視軸、前記撮影距離計測部により計測された前記撮影距離、および前記三次元地形データから、前記カメラで撮影される撮影画像の画面中心点に対応する座標であって、前記視軸と前記地表面または海上面との交点座標である画面中心座標を、前記三次元地形データ上での絶対座標として算出する画面中心座標算出部と、
    複数の前記目標のそれぞれについて、算出された前記画面中心座標からの前後左右方向の距離である中心基準距離を算出するとともに、前記画面中心座標に対して、算出された前記中心基準距離を加算することにより、前記目標のそれぞれの位置座標を、前記三次元地形データ上の絶対座標として特定する目標座標特定部と、
    を備え
    前記目標座標特定部は、前記目標と前記カメラとを結ぶ線を方向軸としたときに、前記三次元地形データから得られる高度情報および傾斜情報を有した地表面データを用いて、前記視軸を基準として、前記方向軸がアジマス方向およびエレベーション方向に変化したときの、当該方向軸と前記地表面データとの交点座標の変化量を、前記中心基準距離として算出していることを特徴とする、
    目標位置特定装置。
  2. 前記カメラが、前記支持機構の設置姿勢の変化の影響を受けることなく、その撮影方向を維持した状態で、複数の前記目標を一定時間継続的に撮影しているときに、その撮影時間を計測する計時部と、
    前記カメラで撮影されている複数の前記目標のうち、撮影中に移動した移動目標が存在する場合に、当該移動目標の移動距離と前記撮影時間とから、移動速度を算出する目標速度計測部と、
    をさらに備えていることを特徴とする、
    請求項1に記載の目標位置特定装置。
  3. 前記カメラの画素数および視野角から、当該カメラの1画素当たりの角度を算出する画素角度算出部をさらに備え、
    前記目標座標特定部は、撮影された複数の前記目標のそれぞれについて、前記画面中心点からの縦横の画素数を計数することで、各目標の撮影画面上の位置を特定し、
    計数された前記画素数と算出された前記1画素当たりの角度とから、前記視軸を基準とした前記目標の水平方向および上下方向の角度差を算出し、
    これら角度差を距離に換算することにより、前記中心基準距離を算出することを特徴とする、
    請求項2に記載の目標位置特定装置。
  4. 前記目標速度計測部は、前記移動目標の移動後における画面上の位置を、当該移動目標の移動前における画面上の位置からの縦横の画素数を計数することで特定し、
    計数された前記画素数と算出された前記1画素当たりの角度とから、前記移動目標の移動前を基準とした、移動後の前記目標の水平方向および上下方向の角度差を算出し、
    これら角度差を距離に換算することにより、前記移動目標の移動距離を算出することを特徴とする、
    請求項3に記載の目標位置特定装置。
  5. 前記撮影距離計測部が、前記カメラの視軸方向にある前記地表面または前記海上面をレーザ照射することにより撮影距離を計測するレーザ測距部であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の目標位置特定装置。
  6. 前記カメラで撮影された全体画像から、前記目標の候補となる画像領域を抽出する目標候補抽出部を、さらに備えていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の目標位置特定装置。
  7. 前記カメラで撮影された画像を表示する表示部と、
    入力部とをさらに備え、
    前記入力部は、前記表示部で表示される全体画像に含まれる特定の画像領域を、前記目標の候補として選択可能に構成されていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の目標位置特定装置。
  8. 前記カメラは、前記支持機構により旋回させ、異なる角度で撮影された複数画像を単一の広範囲撮影画像として結合し、当該広範囲画像を撮影画像として出力するよう構成されていることを特徴とする、
    請求項6または7に記載の目標位置特定装置。
  9. 前記表示部は、前記カメラで撮影された画像に、算出された前記目標の位置座標を重畳表示するよう構成されていることを特徴とする、
    請求項7に記載の目標位置特定装置。
  10. 前記目標の位置座標、または、前記目標の位置座標および前記目標の移動速度を通信する通信部をさらに備えていることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の目標位置特定装置。
  11. 請求項10に記載の目標位置特定装置、並びに、自己位置計測装置および自己姿勢計測装置を備えている航空機と、
    前記目標位置特定装置の通信部との間で通信可能に構成される地上局と、
    から少なくとも構成されていることを特徴とする、
    目標位置特定システム。
  12. 前記航空機がヘリコプタであることを特徴とする、
    請求項11に記載の目標位置特定システム。
  13. 前記地上局が、建築物に設置される情報処理装置、自動車に設置されて移動可能に構成される情報処理装置、および、持ち運び可能な携帯型の情報処理装置の少なくともいずれかであることを特徴とする、
    請求項11に記載の目標位置特定システム。
  14. 高所に設置され、任意の方向に旋回し指向することが可能な支持機構により支持されているカメラによって、地上に所在する複数の目標を撮影し、
    前記支持機構の設置位置および設置姿勢、並びに前記支持機構の回転角度から、前記カメラの撮影方向を示す視軸を計測し、
    前記カメラで撮影されている地表面または海上面までの距離である撮影距離を計測し、
    計測された前記視軸、計測された前記撮影距離、および予め記憶されている地上の三次元地形データから、前記カメラで撮影される撮影画像の画面中心点に対応する座標であって、前記視軸と前記地表面または前記海上面との交点座標である画面中心座標を、前記三次元地形データ上での絶対座標として算出し、
    複数の前記目標のそれぞれについて、算出された前記画面中心座標からの前後左右方向の距離である中心基準距離として、前記目標と前記カメラとを結ぶ線を方向軸としたときに、前記三次元地形データから得られる高度情報および傾斜情報を有した地表面データを用いて、前記視軸を基準として、前記方向軸がアジマス方向およびエレベーション方向に変化したときの、当該方向軸と前記地表面データとの交点座標の変化量を、算出し、
    前記画面中心座標に対して、算出された前記中心基準距離を加算することにより、前記目標のそれぞれの位置座標を、前記三次元地形データ上の絶対座標として特定することを特徴とする、
    目標位置特定方法。
  15. 前記カメラが、前記支持機構の設置姿勢の変化の影響を受けることなく、その撮影方向を維持した状態で、複数の前記目標を一定時間継続的に撮影しているときに、その撮影時間を計測し、
    前記カメラで撮影されている複数の前記目標のうち、撮影中に移動した移動目標が存在する場合に、当該移動目標の移動前後の移動距離と前記撮影時間とから、移動速度を算出することを特徴とする、
    請求項14に記載の目標位置特定方法。
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