以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図3は、本発明の実施形態1における光ディスクのフォーマットを説明する図である。光ディスクは、リードインゾーン10、データゾーン11、リードアウトゾーン12を含んでいる。図4は、本発明の実施形態1におけるデータゾーン11のフォーマットを説明する図である。データゾーン11は、内周スペアエリア20、データエリア21、外周スペアエリア22を含んでいる。内周スペアエリア20は、トラックの記録再生方向において、データエリア21よりも先頭側に位置するスペアエリアの一例である。外周スペアエリア22は、トラックの記録再生方向において、データエリア21よりも後尾側に位置するスペアエリアの一例である。
リードインゾーン10には、光ディスク製造時やドライブでの記録時にテストを行なうためのテストエリアや、データゾーン11のフォーマットに関する管理情報を記録する管理エリア等が含まれる。データゾーン11には、ユーザデータが記録される。リードアウトゾーン12にも、リードインゾーン10と同様に、光ディスク製造時やドライブでの記録時にテストを行なうためのテストエリア等が含まれる。
交替記録に対応した光ディスクの場合、データゾーン11は、さらに、内周スペアエリア20、データエリア21、外周データエリア22に分割される。例えば、内周スペアエリア20は物理セクタ番号0x030000〜0x031FFFのセクタに割り当てられる。データエリア21は物理セクタ番号0x032000〜0x25E53Fのセクタに割り当てられる。外周スペアエリア22は物理セクタ番号0x25E540〜0x26053Fのセクタに割り当てられる。
ユーザデータはデータエリア21に記録される。一般的には、データエリア21の先頭から順に、0x000000から始まる論理セクタ番号が割り当てられる。これらの割り当ては管理情報に含まれており、リードインゾーン10内の管理情報エリアに記録される。
データエリア21への記録が失敗した場合、記録に失敗したデータは内周スペアエリア20もしくは外周スペアエリア22へ交替記録される。例えば、論理セクタ番号0x001000に割り当てられている物理セクタ番号0x033000のセクタへの記録が失敗したとき、内周スペアエリア20から未使用の物理セクタ番号のセクタ(例えば0x030000)が選択され、論理セクタ番号0x001000に割り当てられたデータは物理セクタ番号0x030000のセクタへ記録される。さらに、物理セクタ番号0x033000のセクタへ記録されるべきデータが物理セクタ番号0x030000のセクタへ交替記録されていることが、リードインゾーン10内に管理情報として記録される。
交替記録は、記録に失敗したとき以外に行なってもよい。例えば、記録直後に記録部分の読み出しを行ない、正しく読み出せない場合に行なってもよい。また、記録部分の読み出し時に所定数以上のエラーが含まれる場合や、記録品質を測定してその値が所定値よりも悪い場合に交替記録を行なってもよい。
次に、本発明の実施形態1における光ディスクアレイ装置について図5を用いて説明する。図5は本発明の実施形態1における光ディスクアレイ装置35の構成を示すブロック図である。光ディスクアレイ装置35は、コントローラ30と、ドライブ31〜34とを備える。ドライブ31〜34には、光ディスク36〜39が装着される。光ディスク36〜39の集合体を光ディスクアレイと呼ぶ。
光ディスクアレイ装置35は、コントローラ30を介して外部装置(図示せず)に接続され、全体でRAID4として機能する。コントローラ30は、外部装置から入力される記録データについて、論理アドレスを基に記録すべきドライブおよび論理セクタ番号を決定し、記録命令を該当するドライブ31〜33に対して発行する。さらに、外部装置から入力される記録データから生成したパリティデータの記録命令をドライブ34に対して発行する。ドライブ31〜34は、コントローラ30からの記録命令に従い、記録データおよびパリティデータを装着された光ディスク36〜39に記録する。
また、ドライブ31〜34は、装着された光ディスク36〜39に初めて記録が実施される前に光ディスクをフォーマットして、内周スペアエリア20、データエリア21、外周スペアエリア22を割り当てる。コントローラ30は、フォーマットに先立って、ドライブ31〜34のそれぞれに、異なる内周スペアエリア20のサイズを指定する。
図6を用いてその一例を説明する。図6は、本発明の実施形態1における内周スペアエリア20の割り付けを示す図である。コントローラ30の指示に従って、ドライブ31は、図6(a)のように、光ディスク36の物理セクタ番号0x030000〜0x031FFFのセクタを、内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ32は、図6(b)のように、光ディスク37の物理セクタ番号0x030000〜0x031DFFのセクタを、内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ33は、図6(c)のように、光ディスク38の物理セクタ番号0x030000〜0x031BFFのセクタを、内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ34は、図6(d)のように、光ディスク39の物理セクタ番号0x030000〜0x0319FFのセクタを、内周スペアエリア20として割り当てる。
このように、光ディスク36〜39のそれぞれのスペアエリアには、それぞれ異なるサイズが割り付けられる。
また、図6のように、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、光ディスク36〜39のそれぞれにおいて、互いに異なる物理セクタ番号に割り当てられる。
すなわち、光ディスク36では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x032000に割り当てられる。光ディスク37では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x031E00に割り当てられる。光ディスク38では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x031C00に割り当てられる。光ディスク39では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x031A00に割り当てられる。
次に、図7を用いて、ストライプの構成と、論理アドレスおよび論理セクタ番号の割り当てについて説明する。ここで、ストライプとは、冗長度を持たせてデータを復元できる単位である。RAID1では、ストライプは、同一データが独立に記録再生できる最小構成単位である。RAID4やRAID5では、ストライプは、独立に記録再生できるデータ群とそのパリティからなる最小構成単位である。
図7(a)および(b)は、本発明の実施形態1におけるストライプの構成と、論理アドレスおよび論理セクタ番号の割り当てを示す図である。光ディスクアレイの論理アドレス0x000000〜0x00000Eへの記録データD1〜D15が、外部装置よりコントローラ30へ入力される。コントローラ30は、D1〜D3よりパリティP1を生成し、D4〜D6よりパリティP2を生成し、D7〜D9よりパリティP3を生成し、D10〜D12よりパリティP4を生成し、D13〜D15よりパリティP5を生成する。これにより、5つのストライプ(D1〜D3、P1)、(D4〜D6、P2)、(D7〜D9、P3)、(D10〜D12、P4)、(D13〜D15、P5)が構成される。
コントローラ30は、同一ストライプを構成する各データが互いに異なる光ディスクに記録されるように、記録データD1〜D15およびパリティデータP1〜P5を、光ディスク36〜39の論理セクタ番号に割り当て、ドライブ31〜34へ記録命令を発行する。光ディスク36の論理セクタ番号0x000000〜0x000004へ記録データD1、D4、D7、D10、D13を割り当て、ドライブ31へ転送する。光ディスク37の論理セクタ番号0x000000〜0x000004へ記録データD2、D5、D8、D11、D14を割り当て、ドライブ32へ転送する。光ディスク38の論理セクタ番号0x000000〜0x000004へ記録データD3、D6、D9、D12、D15を割り当て、ドライブ33へ転送する。光ディスク39の論理セクタ番号0x000000〜0x000004へパリティデータP1、P2、P3、P4、P5を割り当て、ドライブ34へ転送する。
記録データおよびパリティデータに割り付けられた論理セクタ番号と、実際にそれらのデータが記録される物理セクタ番号の関係を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態1における論理セクタ番号と物理セクタ番号の割り当て図である。
記録データD1は光ディスク36の物理セクタ番号0x032000のセクタに記録される。記録データD2は光ディスク37の物理セクタ番号0x031E00のセクタに記録される。記録データD3は光ディスク38の物理セクタ番号0x031C00のセクタに記録される。記録データD4は光ディスク36の物理セクタ番号0x032001のセクタに記録される。記録データD5は光ディスク37の物理セクタ番号0x031E01のセクタに記録される。記録データD6は光ディスク38の物理セクタ番号0x031C01のセクタに記録される。記録データD7は光ディスク36の物理セクタ番号0x032002のセクタに記録される。記録データD8は光ディスク37の物理セクタ番号0x031E02のセクタに記録される。記録データD9は光ディスク38の物理セクタ番号0x031C02のセクタに記録される。記録データD10は光ディスク36の物理セクタ番号0x032003のセクタに記録される。記録データD11は光ディスク37の物理セクタ番号0x031E03のセクタに記録される。記録データD12は光ディスク38の物理セクタ番号0x031C03のセクタに記録される。記録データD13は光ディスク36の物理セクタ番号0x032004のセクタに記録される。記録データD14は光ディスク37の物理セクタ番号0x031E04のセクタに記録される。記録データD15は光ディスク38の物理セクタ番号0x031C04のセクタに記録される。パリティデータP1は光ディスク39の物理セクタ番号0x031A00のセクタに記録される。パリティデータP2は光ディスク39の物理セクタ番号0x031A01のセクタに記録される。パリティデータP3は光ディスク39の物理セクタ番号0x031A02のセクタに記録される。パリティデータP4は光ディスク39の物理セクタ番号0x031A03のセクタに記録される。パリティデータP5は光ディスク39の物理セクタ番号0x031A04のセクタに記録される。
このように記録された記録データはRAID4を構成しているため、同一ストライプの中で1つの記録データが読み出し不可能となっても、そのストライプの他の記録データとパリティデータから復元することができる。例えば、D3が読み出し不可能となった場合、D3が含まれるストライプの他の記録データとパリティデータ(D1、D2、P1)から、D3を演算により求め復元することができる。
以上のように、本実施形態の光ディスクアレイ装置は、光ディスクにデータを記録および再生する記録再生装置(ドライブ)を複数備える。また、本実施形態の光ディスクアレイ装置は、割り当て部(コントローラ30)を備える。このとき、割り当て部は、記録再生装置の各々に装着された光ディスクにおいて、光ディスクのそれぞれの最も小さい論理セクタ番号を互いに異なる物理セクタ番号に割り当てる。
さらに、本実施形態においては、光ディスクは、データエリアとスペアエリアを備えていてもよい。このとき、光ディスクアレイ装置の割り当て部は、光ディスクのそれぞれのデータエリアの先頭側に位置するスペアエリア(内周スペアエリア)に、互いに異なるサイズを割り付けてもよい。
光ディスクアレイを構成する各光ディスクの内周スペアエリア20のサイズをそれぞれ異ならせることにより、図9に示すように、同一ストライプに属するデータが、それぞれの光ディスクの互いに異なる物理セクタ番号のセクタに記録されることとなる。これにより、隣接する案内溝の干渉や案内溝の形成不良によるリードエラーの発生確率を平準化し、リードエラーの最大の確率を小さく抑えることができる。
なお、内周スペアエリア20のサイズは、コントローラ30が前もってドライブ31〜34に指示するとして説明したが、ドライブ31〜34自体がそれぞれ異なる所定のサイズを決めていてもよい。すなわち、本実施形態では、割り当て部はコントローラ30として説明したが、ドライブ31〜34自体がそれぞれ割り当て部を備えていてもよい。
なお、光ディスクのフォーマットは外部装置から光ディスクアレイの初期化命令が来た場合に実行してもよい。
なお、本実施形態では、一例として、光ディスク36〜39の全てにおいて、最も小さい論理セクタ番号を、それぞれ異なる物理セクタ番号に割り当てるとした。また、一例として、光ディスク36〜39の全てにおいて、データエリアの先頭側に位置するスペアエリア(内周スペアエリア)に、それぞれ異なるサイズを割り付けるとした。しかし、本実施形態の構成は、これに限られるものではない。
例えば、複数のドライブのうちの1つである所定のドライブに装着される光ディスクの最も小さい論理セクタ番号のみを、所定のドライブ以外のドライブに装着された他の光ディスクの最も小さい論理セクタ番号が割り当てられる物理セクタ番号とは異なる物理セクタ番号に、割り当ててもよい。
また、同様に、複数のドライブのうちの1つである所定のドライブに装着される光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)に対してのみに、所定のドライブ以外のドライブに装着された他の光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズとは異なるサイズを、割り付けてもよい。
これは、この1つのドライブの光ディスクのみの場合に限られない。すなわち、光ディスクアレイ装置にN個(2≦Nである整数)のドライブが備えられている場合に、そのN個のドライブのうちのM個(1≦M≦Nである整数)のドライブに装着される光ディスクにおいて、それぞれの最も小さい論理セクタ番号が、他のドライブに装着された他の光ディスクの最も小さい論理セクタ番号が割り当てられる物理セクタ番号とは異なる物理セクタ番号に、割り当てられていればよい。
また、同様に、M個のドライブに装着される光ディスクにおいて、それぞれのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)に、他のドライブに装着された他の光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズとは異なるサイズを、割り付けていればよい。
ただし、Nが3≦Nであり、かつ、Mが1≦M<Nである場合には、N個のドライブに装着される光ディスクの中で、最も小さい論理セクタ番号が、互いに同じ物理セクタ番号に割り当てられる光ディスクの組合せが生じ得る。また、同様に、N個のドライブに装着される光ディスクの中で、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズが、互いに同じサイズに割り付けられる光ディスクの組合せが生じ得る。
しかし、この場合であっても、このN個のドライブのうちの少なくとも1つのドライブに装着される光ディスクにおいては、同一ストライプのデータを異なる物理セクタ番号のセクタへ記録することができる。
このため、複数の光ディスクの全てにおいて、同一ストライプのデータが同じ物理セクタ番号のセクタへ記録される構成と比較して、本発明では、上述した再生エラーの確率変動の増大を低減することができる。すなわち、データの信頼性をより高めることができる。
なお、本実施形態において主に説明したように、全てのドライブに装着される光ディスク(すなわち、M=Nの場合)において、最も小さい論理セクタ番号が、互いに異なる物理セクタ番号に割り当てられることが好ましい。
また、同様に、全てのドライブに装着される光ディスク(すなわち、M=Nの場合)において、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズが、互いに異なるサイズに割り付けられることが好ましい。
これにより、複数のドライブに装着される光ディスクの全てにおいて、同一ストライプのデータを異なる物理セクタ番号のセクタへ記録することができる。したがって、上述した再生エラーの確率変動の増大を最も大きく低減することができる。すなわち、データの信頼性をより高めることができる。
(実施形態2)
上述した実施形態1の構成において、光ディスク36と光ディスク37がA社製の同一ロット、光ディスク38と光ディスク39がB社製の同一ロットの場合について説明する。
コントローラ30は外部装置から光ディスクアレイの初期化命令を受け取ると、ドライブ36〜39へディスク情報取得命令を発行し、光ディスク36〜39の製造者番号とリビジョン番号を取得する。コントローラ30は取得した製造者番号とリビジョン番号に基づき、ドライブ31〜34へ光ディスク36〜39の内周スペアエリア20のサイズを指定する。ドライブ31〜34は、内周スペアエリア20のサイズをコントローラ30から指定されたサイズとして、光ディスク36〜39をフォーマットする。
ここで、光ディスク36と光ディスク37は同一の製造者番号およびリビジョン番号であるとし、光ディスク38と光ディスク39は光ディスク36とは異なる同一の製造者番号およびリビジョン番号であるとする。コントローラ30は、製造者番号およびリビジョン番号が一致する光ディスク36と光ディスク37を同一ロットの光ディスク(すなわち、同一スタンパで製造された光ディスク)と判断し、ドライブ31とドライブ32へそれぞれ異なる内周スペアエリア20のサイズを指定する。また、製造者番号およびリビジョン番号が一致する光ディスク38と光ディスク39についても、同一ロットの光ディスク(すなわち、同一スタンパで製造された光ディスク)と判断し、ドライブ33とドライブ34へそれぞれ異なる内周スペアエリア20のサイズを指定する。
図10を用いてその一例を説明する。図10は、本発明の実施形態2における内周スペアエリア20の割り付け図である。コントローラ30の指示に従って、ドライブ31は図10(a)のように光ディスク36の物理セクタ番号0x030000〜0x031FFFのセクタを内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ32は図10(b)のように光ディスク37の物理セクタ番号0x030000〜0x031DFFのセクタを内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ33は図10(c)のように光ディスク38の物理セクタ番号0x030000〜0x031FFFのセクタを内周スペアエリア20として割り当てる。ドライブ34は図10(d)のように光ディスク39の物理セクタ番号0x030000〜0x0321FFのセクタを内周スペアエリア20として割り当てる。
このように、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク36と37のそれぞれのスペアエリアには、それぞれ異なるサイズが割り付けられる。また、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク38と39のそれぞれのスペアエリアには、それぞれ異なるサイズが割り付けられる。
また、図10のように、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク36と37のそれぞれにおいて、異なる物理セクタ番号に割り当てられる。また、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク38と39のそれぞれにおいて、異なる物理セクタ番号に割り当てられる。
すなわち、光ディスク36では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x032000に割り当てられる。光ディスク37では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x031E00に割り当てられる。
また、光ディスク38では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x032000に割り当てられる。光ディスク39では、最も小さい論理セクタ番号である論理セクタ番号0x000000は、物理セクタ番号0x032200に割り当てられる。
ここで、光ディスク36と光ディスク38は内周スペアエリア20のサイズが同じになされているが、光ディスク36と光ディスク38はその製造者番号もしくはリビジョン番号により、製造の際に用いられたスタンパが異なることがわかっているため、同一のストライブに属するデータが同じ物理セクタ番号に配置されても、データの信頼性上の問題はない。
以上のように、本実施形態の光ディスクアレイ装置は、光ディスクにデータを記録および再生する記録再生装置(ドライブ)を複数備える。また、本実施形態の光ディスクアレイ装置は、判別部および割り当て部(コントローラ30)を備える。このとき、判別部は、記録再生装置の各々に装着された光ディスクにおいて、光ディスクのそれぞれのスタンパを判別する。また、割り当て部は、スタンパが同一の光ディスクに対して、光ディスクのそれぞれの最も小さい論理セクタ番号を異なる物理セクタ番号に割り当てる。
コントローラ30が光ディスク36〜39の製造者番号およびリビジョン番号よりスタンパが同一かどうかを判断し、製造の際に用いられたスタンパが同一の光ディスクに対してはそれぞれの内周スペアエリア20のサイズを異なるものとする。このことにより、同一ストライプに属するデータが、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクにおいて、それぞれの光ディスクの異なる物理セクタ番号のセクタに記録されることとなる。これにより、隣接する案内溝の干渉や案内溝の形成不良によるリードエラーの発生確率を平準化し、リードエラーの最大の確率を小さく抑えることができる。また、光ディスク36〜39の内周スペアエリア20のサイズ差を最小限にとどめることができ、交替記録時のアクセス速度低下を最小限に抑えることができる。
なお、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの判定には、製造者番号およびリビジョン番号以外の情報を用いてもよい。光ディスクからの再生情報を用いて同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの判定をする場合、案内溝の蛇行形状やプリピット位置により記録されている情報を用いればよい。案内溝の蛇行形状やプリピット位置により記録されている情報が一部でも異なっていれば、それらの光ディスクは異なるスタンパにより製造された光ディスクであると判断できる。例えば、記録のためのパラメータ情報等も同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの判定に適用可能である。その他にも、光ディスクの反射率等の物理的特性により同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの判定を行なってもよい。
なお、本発明の実施形態1もしくは2において、外周スペアエリア22のサイズは、内周スペアエリア20と外周スペアエリア22のサイズの合計が、光ディスク36〜39でそれぞれ同じとなるように選択してもよい。
すなわち、実施形態1もしくは2の光ディスクアレイ装置の割り当て部は、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズとデータエリアの後尾側のスペアエリア(外周スペアエリア)のサイズの合計が、複数の光ディスクにおいて互いに等しくなるように割り付けてもよい。
この場合、光ディスク36〜39のデータエリア21のサイズが等しくなるため、データゾーン11に無駄な領域を作ることなく、最大限に使用することができる。
なお、本実施形態では、一例として、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク36と37(または、光ディスク38と39)において、最も小さい論理セクタ番号を、それぞれ異なる物理セクタ番号に割り当てるとした。また、一例として、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスク36と37(または、光ディスク38と39)において、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)に、それぞれ異なるサイズを割り付けるとした。しかし、本実施形態の構成は、これに限られるものではない。
例えば、光ディスク36〜39のうち、光ディスク39以外の光ディスク36〜38が、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクであったとする。この場合、光ディスク36〜38の全てにおいて、それらの最も小さい論理セクタ番号が、互いに異なる物理セクタ番号に割り当てられてもよい。また、光ディスク36〜38の全てにおいて、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズが、互いに異なるサイズに割り付けられてもよい。
さらに、光ディスク39以外の光ディスク36〜38が、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクである場合に、光ディスク36〜38のうちの1枚の光ディスクの最も小さい論理セクタ番号のみを、他の同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの最も小さい論理セクタ番号が割り当てられる物理セクタ番号とは異なる物理セクタ番号に、割り当ててもよい。
また、同様に、光ディスク36〜38のうちの1枚の光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のみに、他の同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズとは異なるサイズを、割り付けてもよい。
これは、この1枚の光ディスクのみの場合に限られない。すなわち、光ディスクアレイ装置が備える複数のドライブのうち、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクが装着されているドライブがn個(2≦nである整数)である場合に、そのn個のドライブのうちのm個(1≦m≦nである整数)のドライブに装着されている光ディスクにおいて、それぞれの最も小さい論理セクタ番号が、m個のドライブのうちの他のドライブに装着されている光ディスクの最も小さい論理セクタ番号が割り当てられる物理セクタ番号とは異なる物理セクタ番号に、割り当てられていればよい。
また、同様に、m個のドライブに装着されている光ディスクにおいて、それぞれのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)に、他のドライブに装着されている光ディスクのデータエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズとは異なるサイズを、割り付けていればよい。
ただし、nが3≦nであり、かつ、mが1≦m<nである場合には、n個のドライブに装着されている光ディスクの中で、最も小さい論理セクタ番号が、互いに同じ物理セクタ番号に割り当てられる光ディスクの組合せが生じ得る。また、同様に、n個のドライブに装着されている光ディスクの中で、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズが、互いに同じサイズに割り付けられる光ディスクの組合せが生じ得る。
しかし、この場合であっても、このn個のドライブのうちの少なくとも1つのドライブに装着されている光ディスクにおいては、同一ストライプのデータを異なる物理セクタ番号のセクタへ記録することができる。
このため、複数の光ディスクの全てにおいて、同一ストライプのデータが同じ物理セクタ番号のセクタへ記録される構成と比較して、本発明では、上述した再生エラーの確率変動の増大を低減することができる。すなわち、データの信頼性をより高めることができる。
なお、本実施形態において、主に説明したように、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの全ての光ディスク(すなわち、m=nの場合)において、最も小さい論理セクタ番号が、互いに異なる物理セクタ番号に割り当てられることが好ましい。同様に、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの全ての光ディスク(すなわち、m=nの場合)において、データエリアの先頭側のスペアエリア(内周スペアエリア)のサイズが、互いに異なるサイズに割り付けられることが好ましい。
これにより、同一ロット(同一スタンパ)の光ディスクの全てにおいて、同一ストライプのデータを異なる物理セクタ番号のセクタへ記録することができる。したがって、上述した再生エラーの確率変動の増大を最も大きく低減することができる。すなわち、データの信頼性をより高めることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3について、図11を用いて説明する。図11は本発明の実施形態3における光ディスクアレイ装置65の構成を示すブロック図である。光ディスクアレイ装置65は、コントローラ60と、ドライブ61〜64とを備える。ドライブ61〜64には、光ディスク66〜69が装着される。光ディスク66〜69の集合体を光ディスクアレイと呼ぶ。
光ディスクアレイ装置65は、コントローラ60を介して外部装置(図示せず)に接続され、全体でRAID4として機能する。コントローラ60は、外部装置から入力される記録データについて、論理アドレスを基に記録すべきドライブおよび論理セクタ番号を決定し、記録命令を該当するドライブ61〜63に対して発行する。さらに、外部装置から入力される記録データから生成したパリティデータの記録命令をドライブ64に対して発行する。ドライブ61〜64は、コントローラ60からの記録命令に従い、記録データおよびパリティデータを装着された光ディスク66〜69に記録する。
また、ドライブ61〜64は、装着された光ディスク66〜69に初めて記録が実施される前に光ディスクをフォーマットして、論理セクタ番号0x000000を物理セクタ番号に割り当てる。フォーマットに先立って、コントローラ60は、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号として、ドライブ61〜64のそれぞれに互いに異なる物理セクタ番号を指定する。
図12を用いてその一例を説明する。図12は、本発明の実施形態3における論理セクタ番号0x000000と物理セクタ番号の割り付けを示す図である。コントローラ60の指示に従って、ドライブ61は、図12(a)のように、光ディスク66の物理セクタ番号0x032000のセクタへ論理セクタ番号0x000000を割り当てる。ドライブ62は、図12(b)のように、光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD150のセクタへ論理セクタ番号0x000000を割り当てる。ドライブ63は、図12(c)のように、光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A0のセクタへ論理セクタ番号0x000000を割り当てる。ドライブ64は、図12(d)のように、光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F0のセクタへ論理セクタ番号0x000000を割り当てる。
ストライプの構成と論理セクタ番号の割り当てについては、本発明の実施形態1における光ディスク36〜39への割り当てと同様に行なえばよいので、ここでは説明を省略する。
記録データおよびパリティデータに割り付けられた論理セクタ番号と、実際にそれらのデータが記録される物理セクタ番号の関係を、図13を用いて説明する。
図13は、本発明の実施形態3における論理セクタ番号と物理セクタ番号の割り当てを示す図である。記録データD1は光ディスク66の物理セクタ番号0x032000のセクタに記録される。記録データD2は光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD150のセクタに記録される。記録データD3は光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A0のセクタに記録される。記録データD4は光ディスク66の物理セクタ番号0x032001のセクタに記録される。記録データD5は光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD151のセクタに記録される。記録データD6は光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A1のセクタに記録される。記録データD7は光ディスク66の物理セクタ番号0x032002のセクタに記録される。記録データD8は光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD152のセクタに記録される。記録データD9は光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A2のセクタに記録される。記録データD10は光ディスク66の物理セクタ番号0x032003のセクタに記録される。記録データD11は光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD153のセクタに記録される。記録データD12は光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A3のセクタに記録される。記録データD13は光ディスク66の物理セクタ番号0x032004のセクタに記録される。記録データD14は光ディスク67の物理セクタ番号0x0BD154のセクタに記録される。記録データD15は光ディスク68の物理セクタ番号0x1482A4のセクタに記録される。パリティデータP1は光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F0のセクタに記録される。パリティデータP2は光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F1のセクタに記録される。パリティデータP3は光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F2のセクタに記録される。パリティデータP4は光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F3のセクタに記録される。パリティデータP5は光ディスク69の物理セクタ番号0x1D33F4のセクタに記録される。
このように記録された記録データはRAID4を構成しているため、同一ストライプの中で1つの記録データが読み出し不可能となっても、そのストライプの他の記録データとパリティデータから復元することができる。例えば、D3が読み出し不可能となった場合、D3が含まれるストライプの他の記録データとパリティデータ(D1、D2、P1)から、D3を演算により求め復元することができる。
光ディスクアレイを構成する各ディスクの論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号をそれぞれ異ならせることにより、図14に示すように、同一ストライプに属するデータが、それぞれの光ディスクの異なる物理セクタ番号のセクタに記録されることとなる。これにより、隣接する案内溝の干渉や案内溝の形成不良によるリードエラーの発生確率を平準化し、リードエラーの最大の確率を小さく抑えることができる。
なお、論理セクタ番号0x000000をデータエリアの先頭の物理セクタ番号以外に割り当てた光ディスクについては、データエリアの最終物理セクタ番号に割り当てられた論理セクタ番号の次の論理セクタ番号を、データエリアの先頭の物理セクタ番号に割り当ててもよい。
例えば、図12の光ディスク67では、データエリアの最終物理セクタ番号0x25E53Fに割り当てられた論理セクタ番号0x1A13EFの次の論理セクタ番号0x1A13F0が、データエリアの先頭の物理セクタ番号0x032000へ割り当てられている。光ディスク68では、データエリアの最終物理セクタ番号0x25E53Fに割り当てられた論理セクタ番号0x11629Fの次の論理セクタ番号0x1162A0が、データエリアの先頭の物理セクタ番号0x032000へ割り当てられている。光ディスク69では、データエリアの最終物理セクタ番号0x25E53Fに割り当てられた論理セクタ番号0x08B14Fの次の論理セクタ番号0x08B150が、データエリアの先頭の物理セクタ番号0x032000へ割り当てられている。
以上のように、本実施形態においては、光ディスクは、データエリアを備えている。このとき、光ディスクアレイ装置の割り当て部は、データエリアの先頭でない物理セクタ番号に最も小さい論理セクタ番号が割り当てられた光ディスクにおいては、データエリアの先頭の物理セクタ番号に、データエリア終端の物理セクタ番号に割り当てた論理セクタ番号の次の論理セクタ番号を割り当てる。
これにより、光ディスク66〜69の論理セクタ番号0x000000〜0x22C53Fが全ていずれかの物理セクタ番号に割り当てられ、データエリアを無駄なく使用することができる。
なお、本実施形態3の上記の構成は、上述した実施形態1および2の構成と組み合わせてもよい。
なお、内周スペアエリアおよび外周スペアエリアのサイズを0x2000セクタとして説明したが、これ以外のサイズとしてもよいし、内周スペアエリアと外周スペアエリアのサイズが異なっていてもよい。また、内周スペアエリアと外周スペアエリアのサイズが、光ディスク66〜69において互いに異なっていてもよい。サイズを0としてスペアエリアを設けなくてもよい。
なお、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号は、コントローラ60が前もってドライブ61〜64に指示するとして説明したが、ドライブ61〜64自体がそれぞれ異なる所定の物理セクタ番号を決めいていてもよい。すなわち、本実施形態では、割り当て部はコントローラ60として説明したが、ドライブ61〜64自体がそれぞれ割り当て部を備えていてもよい。
なお、光ディスクのフォーマットは外部装置から光ディスクアレイの初期化命令が来た場合に実行してもよい。
なお、使用する光ディスクは、複数の記録層を持つものでもよい。例えば4つの記録層を持つ光ディスクを用いる場合、論理アドレスの先頭をそれぞれ異なる記録層のデータエリアの先頭に割り当ててもよい。
なお、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号は、各光ディスク間でなるべく大きく異なるようにすると、スタンパの欠陥に対する影響をより小さくできる。たとえば、光ディスクアレイ装置を構成するドライブの台数でデータエリアを等分したサイズずつ、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号を異ならせてもよい。また、データエリアの先頭の半径位置からデータエリア終端の半径位置までを等分した長さずつ、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号を異ならせてもよい。
なお、線速度一定でフォーマットされている光ディスクに角速度一定で記録を行なう場合には、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号は、各ディスク間でなるべく大きく異ならないようにするのがよい。角速度一定での記録は、内周になるほど記録転送レートが低下するため、各ドライブで論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号を均等にずらしていると、常に内周側に記録しているドライブが存在し、この記録速度に律速されてしまい、全体での記録速度を低下させることとなる。隣接する案内溝の干渉については、数トラック分程度ずらしておけば、リードエラーの発生確率を平準化できる。
なお、本発明の実施形態2と同様に、同一ロットの光ディスクに対してのみ、論理セクタ番号0x000000を割り当てる物理セクタ番号をそれぞれ異ならせるようにしてもよい。特に線速度一定でフォーマットされている光ディスクに角速度一定で記録を行なう場合には、全体での記録速度を最小限に抑えることができる。また、連続記録でデータエリア終端からデータエリア始端まで移動する時間分の記録データバッファを少なく抑えることができる。
なお、本発明の実施形態1〜3においては、ドライブ4台で構成するRAID4を例としたが、ドライブの数を増減させてもよいし、RAID1、RAID5、RAID6等の他のRAID構成に対しても本発明は適用できる。
なお、本発明の実施形態1〜3において用いる光ディスクは、書換型の光ディスクを用いてもよいし、追記型の光ディスクを用いてもよい。
なお、本発明の実施形態1〜3において交替記録を行なう場合、交替記録先の選択は、同一ストライプのデータが同じ物理セクタ番号とならないように選択すればよい。
なお、セクタの代わりに、誤り訂正符号の単位であるブロックを用いてもよい。この場合、論理セクタ番号と物理セクタ番号は、それぞれ、論理ブロック番号と物理ブロック番号に置き換えればよい。
なお、本発明の実施形態1〜3において、管理情報はリードインゾーン10以外の場所に記録してもよいし、別の記憶装置に記録してもよい。
なお、本発明の実施形態1〜3における光ディスクアレイ装置の処理はソフトウェアにより実現してもよい。この場合、CPUをコントローラとすればよく、いわゆるソフトウェアRAIDと呼ばれるものとなる。CPUは、内部または外部の記憶媒体に記憶されたプログラムに従って動作することにより、上述した処理を実行することができる。
(実施形態4)
図15は、本発明の実施形態4における情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100を示すブロック図である。
図15において、アレイコントローラ101は情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106を制御してアレイ構成を実現するコントローラである。アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106から読み出したデータを一時保持するためと、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106へ記録するデータを一時保持するためにキャッシュメモリ102を使用する。情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106は、それぞれが記録再生装置107〜110と収納体111〜114、搬送体115〜118で構成されている。記録再生装置107〜110は装着されている情報記憶媒体のデータ再生/記録を行う装置であり、収納体111〜114は複数枚の情報記憶媒体を収納する。搬送体115〜118は、記録再生装置107〜110と収納体111〜114との間で情報記憶媒体を搬送する。この例では、情報記憶媒体は光ディスクである。
実施形態4においては、記録再生装置107〜110に装着されている記録層が複数存在する情報記憶媒体4枚でRAID5を構成する。
図16は、実施形態4における情報記憶媒体のユーザデータ領域に記録されるデータ配置を示す図である。図16における情報記憶媒体は4層の記録層から構成されている。
図16において、媒体1〜4はそれぞれ記録再生装置107〜110に装着されている光ディスクであり、媒体2〜4の先頭にはそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設ける。媒体2の先頭の未使用領域201のサイズをsとすると、媒体3の先頭の未使用領域201は2s、媒体4の先頭の未使用領域201は3sとする。媒体1〜3の終端にもそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設ける。媒体1の終端の未使用領域201は3s、媒体2の終端の未使用領域201は2s、媒体3の終端の未使用領域201はsとする。サイズsとしては、再生する記録層の切り替えに必要な時間を目安にストライプサイズの1以上の整数倍で選択する。ここでストライプサイズはストライプを構成する領域の情報記憶媒体1枚あたりのサイズである。図16では、説明の便宜上、サイズsをストライプサイズの2倍とする。
図16において、媒体1のA1と媒体2のB1と媒体3のC1と媒体4のP1とでストライプを構成する。同様に、媒体1のA2と媒体2のB2と媒体3のP2と媒体4のC2とでストライプを構成する。後続の領域も同様にストライプを構成していき、媒体1のPzと媒体2のAzと媒体3のBzと媒体4のCzとが最後のストライプとなる。但し、Pで始まるブロックはパリティブロックである。
情報記憶媒体のデータ再生ができない箇所があった場合は、ストライプを構成する他の情報記憶媒体のデータを使用して復元する。例えば、図16において媒体2のB2が再生できなかった場合は、媒体1のA2と媒体3のP2と媒体4のC2のデータを使用して、A2、P2、C2の同じバイト位置のデータの排他的論理和を算出することで、媒体2のB2のデータを復元する。
このように、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。このストライプの冗長性を用いることで、再生エラーの復旧が可能となる。
図16の情報記憶媒体において記録層の切り替わり目付近のストライプの状態を示したものが図17である。
図17において、媒体1のAiと媒体2のBiと媒体3のCiと媒体4のPiとでストライプを構成している。同様に、媒体1のAjと媒体2のBjと媒体3のPjと媒体4のCjとでストライプを構成している。媒体1のAkと媒体2のPkと媒体3のBkと媒体4のCkとでストライプを構成している。媒体1のPlと媒体2のAlと媒体3のBlと媒体4のClとでストライプを構成している。
情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100が図17に示す情報記憶媒体の記録層の切り替わり目付近のデータを再生するときの動作を説明する。
アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置106に対して、図17における媒体4の記録層が切り替わった直後に位置するPiとCjのデータ再生を抑制する。記録層が切り替わった直後の位置とは、データエリアのうちの、切り替え後に最初にアクセスされる位置である。すなわち、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置106がPiとCjのデータ再生を行わないように、情報記憶媒体ライブラリ装置106を制御する。この間に、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体1のAiと媒体2のBiと媒体3のCiを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体4のPiのデータを復元し、同じく情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体1のAjと媒体2のBjと媒体3のPjを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体4のCjを復元する。このとき、媒体4のPiとCjのデータ再生を抑制してデータを復元している間に、情報記憶媒体ライブラリ装置106は再生する記録層の切り替えとCjの後続領域であるCkを再生する準備を行う。同様に、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置105、104、103に対し、それぞれ、図17における媒体3の記録層が切り替わった直後に位置するBkとBl、媒体2の記録層が切り替わった直後に位置するBmとBn、媒体1の記録層が切り替わった直後に位置するAoとPpのデータ再生を抑制して、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の中で残りの3つが同じストライプを構成する他の情報記憶媒体を再生したデータから、アレイコントローラ101は再生を抑制したデータを復元する。
このように、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、他の記録層の切り替わり目についても同様に情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後のデータ再生を抑制して、他の情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑制したデータを復元し、データ再生を抑制してデータを復元している間に記録層の切り替えと再生を抑制した領域の後続を再生する準備を行うことで、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
以上のように、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、複数の記録再生装置を備える。このとき、記録再生装置の各々に、複数の記録層を有する情報記憶媒体が装着される。そして、記録再生装置の各々に装着された情報記憶媒体によりディスクアレイが構成される。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。このとき、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、配置される。これにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり時期を、記録再生装置で互いに異ならせる。そして、記録再生装置の各々は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制する。そして、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、データ再生を抑制した記録再生装置を除く、残りの記録再生装置によって再生したデータから、所定範囲の領域のデータを復元する。
この構成により、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
また、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、所定範囲の領域のデータを復元する間に、データ再生を抑制した記録再生装置において、情報記憶媒体の再生する記録層の切り替えとデータ再生を抑制した領域の後続領域のデータを再生する準備を行ってもよい。
なお、データの再生を抑制した領域がパリティブロックであった場合は、他の情報記憶媒体を再生したデータからデータを復元しなくもよい。例えば、図17における媒体4のPiや媒体1のPpは復元しなくてもよい。
図19は、実施形態4における情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100の再生動作を示したフローチャートである。
ステップ501とステップ506との間のステップを、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対して繰り返す。
ステップ502では、アレイコントローラ101は、これから再生しようとしている領域が記録層切り替え直後の再生抑制領域211かを判定し、再生抑制領域211でなければステップ503へ進み、再生抑制領域211であればステップ504へ進む。領域の判定は、例えば、アレイコントローラ101に要求されている再生命令の論理セクタ番号からその論理セクタ番号に対応する物理セクタ番号を求めることにより行うことができる。あるいは、アレイコントローラ101に要求された再生命令の後続領域を先読みキャッシュする場合には、再生命令の論理セクタ番号に後続する論理セクタ番号からその論理セクタ番号に対応する物理セクタ番号を求めることにより領域の判定を行うことができる。
ステップ503では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対してREADコマンドを発行して、ステップ501〜506の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ504では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して再生抑制領域211の後続へのSEEKコマンドを既に発行しているかを判定し、発行済みでなければステップ505へ進み、発行済みであればステップ501〜506の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ505では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して再生抑制領域211の後続へのSEEKを指示するコマンドを発行する。このSEEKコマンドにより情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に含まれる記録再生装置(107〜110の中の1つ)が再生する記録層の切り替えと再生を抑制した領域の後続付近への記録再生ヘッドの移動が行われる。これにより、再生抑制領域211のデータ再生は行われない。SEEKコマンドを発行したらステップ501〜506の繰り返し終了判定へ進む。
情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対する処理が完了したらステップ507へ進む。
ステップ507では、アレイコントローラ101は、ステップ503で発行したREADコマンドの完了待ちを行う。ステップ503で発行したREADコマンドが全て完了したらステップ508へ進む。
ステップ508では、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106のいずれかに対して再生抑制を行った領域があったかを判定し、再生抑制領域211が含まれていればステップ509へ進み、再生抑制領域211が含まれていなければ処理を終了する。ここで、先ほど述べたように、再生抑制領域211であっても、パリティブロックであるなら、ステップ509へ進まなくてもよい。
ステップ509では、アレイコントローラ101は、再生を抑制した領域のデータを他の情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の残り3つ)からの再生データを使用して復元し、処理を終了する。
以上のステップにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、記録層が切り替わった直後の領域に対する再生を抑制して他の情報記憶媒体ライブラリ装置からの再生データを使用して再生を抑制した領域のデータを復元することが可能である。
以上のように、本実施形態の再生制御方法の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置においては、複数の記録層を有する複数枚の情報記憶媒体によりディスクアレイが構成されている。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。そして、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、記録されている。このとき、本実施形態の再生制御方法は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制するステップと、データ再生を抑制した情報記憶媒体を除く残りの情報記憶媒体を再生したデータから所定範囲の領域のデータを復元するステップと、を含む。
この構成により、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
実施形態4において、再生する記録層の切り替えに必要な時間を目安にストライプサイズの倍数サイズで各情報記憶媒体のデータ配置がずれるように情報記憶媒体の先頭と終端に未使用領域201を設けた場合について説明したが、望ましくは再生する記録層の切り替えとデータ再生を抑制した領域の後続を再生する準備に必要な時間を合わせた時間分のデータ再生に所要するストライプサイズの倍数サイズとするのがよい。このサイズのデータ再生に所要する時間は、ディスク回転数から決まるディスクデータ転送レートから求めてもよいし、動画や音声などのストリームを扱う場合であれば、ストリームデータ転送レートから求めてもよい。
なお、実施形態4において、各情報記憶媒体の先頭と終端に設けた未使用領域201に対してもストライプを構成して記録することにより、全領域を使用するようにもできる。
さらに、情報記憶媒体の先頭と終端にスペア領域221が存在しスペア領域221の比率が変更できる情報記憶媒体であれば、図18に示すように各情報記憶媒体で先頭と終端に位置するスペア領域221の比率を変えることによりユーザデータ領域に未使用領域201を設けなくても同様に実施することが可能である。
以上のように、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置においては、情報記憶媒体は先頭と終端にスペア領域221を有していてもよい。このとき、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、ディスクアレイを構成する情報記憶媒体の各々において、先頭と終端のスペア領域221の比率を変更することにより、1つのストライプを構成するデータを、情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、配置してもよい。
(実施形態5)
実施形態5においては、複数枚の情報記憶媒体を一まとめにした情報記憶媒体セットを収納体111〜114にそれぞれ収納し、情報記憶媒体セットの中の1枚の情報記憶媒体を搬送体115〜118によって記録再生装置107〜110に搬送する。記録再生装置107〜110に装着されうる情報記憶媒体セットの4セットによってRAID5を構成する。
図20は、実施形態5における情報記憶媒体セットに記録されるユーザデータ領域のデータ配置を示す図である。
図20において、媒体セット1Aは記録再生装置107に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット2Aは記録再生装置108に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット3Aは記録再生装置109に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット4Aは記録再生装置110に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。
媒体セット2A〜4Aにおける各々のセットの最初の情報記憶媒体の先頭にはそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設ける。媒体セット2Aの最初の情報記憶媒体の先頭の未使用領域201のサイズをtとすると媒体セット3Aの最初の情報記憶媒体の先頭の未使用領域201のサイズは2t、媒体セット4Aの最初の情報記憶媒体の先頭の未使用領域201のサイズは3tとする。媒体セット1A〜3Aにおける各々のセットの最後の情報記憶媒体の終端にもそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設ける。媒体セット1Aの最後の情報記憶媒体の終端の未使用領域201のサイズは3t、媒体セット2Aの最後の情報記憶媒体の終端の未使用領域201のサイズは2t、媒体セット3Aの最後の情報記憶媒体の終端の未使用領域201のサイズはtとする。サイズtとしては、再生する情報記憶媒体の交換に必要な時間を目安にストライプサイズの1以上の整数倍で選択する。図20では、説明の便宜上、サイズtをストライプサイズの2倍とする。
図20において、媒体セット1AのG1と媒体セット2AのH1と媒体セット3AのI1と媒体セット4AのP1とでストライプを構成する。同様に、媒体セット1AのG2と媒体セット2AのH2と媒体セット3AのP2と媒体セット4AのI2とでストライプを構成する。後続の領域も同様にストライプを構成していき、各情報記憶媒体セットの最後の情報記憶媒体の最後の使用領域、すなわち、媒体セット1AのPzと媒体セット2AのGzと媒体セット3AのHzと媒体セット4AのIzとが最後のストライプとなる。但し、Pで始まるブロックはパリティブロックである。
情報記憶媒体セットの情報記憶媒体にデータ再生ができない箇所があった場合は、ストライプを構成する他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体のデータを使用して復元する。例えば、図20において媒体セット2AのH2が再生できなかった場合は、媒体セット1AのG2と媒体セット3AのP2と媒体セット4AのI2のデータを使用して、G2、P2、I2の同じバイト位置のデータの排他的論理和を算出することで、媒体セット2AのH2のデータを復元する。
図20の情報記憶媒体セットにおいて情報記憶媒体の交換付近のストライプの状態を示したものが図21である。
図21において、媒体セット1AのGiと媒体セット2AのHiと媒体セット3AのIiと媒体セット4AのPiとでストライプを構成している。同様に、媒体セット1AのGjと媒体セット2AのHjと媒体セット3AのPjと媒体セット4AのIjとでストライプを、媒体セット1AのGkと媒体セット2AのPkと媒体セット3AのHkと媒体セット4AのIkとでストライプを、媒体セット1AのPlと媒体セット2AのGlと媒体セット3AのHlと媒体セット4AのIlとでストライプを構成している。
情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100が図21に示す情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換付近のデータを再生するときの動作を説明する。
アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置106に対して、図21における媒体セット4Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するPiとIjのデータ再生を抑制する。情報記憶媒体が交換された直後の位置とは、データエリアのうちの、交換後に最初にアクセスされる位置である。この間に、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのGiと媒体セット2AのHiと媒体セット3AのIiを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのPiのデータを復元し、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのGjと媒体セット2AのHjと媒体セット3AのPjを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのIjを復元する。このとき、媒体セット4AのPiとIjのデータ再生を抑制してデータを復元している間に、情報記憶媒体ライブラリ装置106は媒体セット4Aの再生する情報記憶媒体を交換してIkを再生する準備を行う。同様に、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置105、104、103に対し、それぞれ、図21における媒体セット3Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するHkとHl、媒体セット2Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するHmとHn、媒体セット1Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するGoとPpのデータ再生を抑制して、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の中で残りの3つが同じストライプを構成する他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから、アレイコントローラ101は再生を抑制したデータを復元する。
このように、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、他の情報記憶媒体の交換時についても同様に情報記憶媒体を交換した直後のデータ再生を抑制して、他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑制したデータを復元し、データ再生を抑制してデータを復元している間に情報記憶媒体の交換と再生を抑制した領域の後続を再生する準備を行うことで、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
以上のように、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、記録再生装置と収納体と搬送体を有する複数の情報記憶媒体ライブラリ装置を備える。このとき、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々の収納体に、複数枚の情報記憶媒体を一まとめにした情報記憶媒体セットが収納される。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々は、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を搬送体により収納体と記録再生装置の間で搬送して、記録再生装置によりデータ再生を行う。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々の収納体に収納された情報記憶媒体セットによりディスクアレイが構成される。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体セットの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。このとき、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、配置される。これにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換時期を、情報記憶媒体ライブラリ装置で互いに異ならせる。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々は、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制する。そして、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、データ再生を抑制した情報記憶媒体ライブラリ装置を除く、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置によって再生したデータから、所定範囲の領域のデータを復元する。
この構成により、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
また、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、所定範囲の領域のデータを復元する間に、データ再生を抑制した情報記憶媒体ライブラリ装置において、情報記憶媒体セットの再生する情報記憶媒体の交換を行ってもよい。
なお、データの再生を抑制した領域がパリティブロックであった場合は、他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑制したデータを復元しなくてもよい。例えば、図21における媒体セット4AのPiと媒体セット1AのPpは復元しなくてもよい。
図22は、実施形態5における情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100の再生動作を示したフローチャートである。
ステップ801とステップ806との間のステップを、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対して繰り返す。
ステップ802では、アレイコントローラ101は、これから再生しようとしている領域が、情報記憶媒体交換直後の再生抑制領域211かを判定し、再生抑制領域211でなければステップ803へ進み、再生抑制領域211であればステップ804へ進む。領域の判定は、例えば、アレイコントローラ101に要求されている再生命令の論理セクタ番号からその論理セクタ番号に対応する情報記憶媒体および物理セクタ番号を求めることにより行うことができる。あるいは、アレイコントローラ101に要求された再生命令の後続領域を先読みキャッシュする場合には、再生命令の論理セクタ番号に後続する論理セクタ番号からその論理セクタ番号に対応する情報記憶媒体および物理セクタ番号を求めることにより領域の判定を行うことができる。
ステップ803では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対してREADコマンドを発行して、ステップ801〜806の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ804では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して情報記憶媒体の交換を指示するコマンドを既に発行しているかを判定し、発行済みでなければステップ805へ進み、発行済みであればステップ801〜806の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ805では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して情報記憶媒体の交換を指示するコマンドを発行し、ステップ801〜806の繰り返し終了判定へ進む。なお、情報記憶媒体の交換後、再生抑制領域211のデータ再生は行わない。
情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対する処理が完了したらステップ807へ進む。
ステップ807では、アレイコントローラ101は、ステップ803で発行したREADコマンドの完了待ちを行う。ステップ803で発行したREADコマンドが全て完了したらステップ808へ進む。
ステップ808では、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106のいずれかに対して再生抑制を行った領域があったかを判定し、再生抑制領域211が含まれていればステップ809へ進み、再生抑制領域211が含まれていなければ処理を終了する。ここで、先ほど述べたように、再生抑制領域211であっても、パリティブロックであるなら、ステップ809へ進まなくてもよい。
ステップ809では、アレイコントローラ101は、再生を抑制した領域のデータを他の情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の残り3つ)からの再生データを使用して復元し、処理を終了する。
以上のステップにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、情報記憶媒体が交換された直後の領域に対する再生を抑制して他の情報記憶媒体ライブラリ装置からの再生データを使用して再生を抑制した領域のデータを復元することが可能である。
以上のように、本実施形態の再生制御方法の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置においては、複数セットの複数枚の情報記憶媒体を一まとめにした情報記憶媒体セットによりディスクアレイが構成されている。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体セットの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。そして、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、記録されている。このとき、本実施形態の再生制御方法は、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制するステップと、データ再生を抑制した情報記憶媒体セットを除く残りの情報記憶媒体セットを再生したデータから所定範囲の領域のデータを復元するステップと、を含む。
この構成により、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
なお、実施形態5において媒体セット2A〜4Aの最初の情報記憶媒体の先頭に未使用領域201を設けるとしたが、媒体セット2A〜4Aの最初の情報記憶媒体の終端に設けてもよい。必要条件は、媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体の各々において未使用領域201の総和の差がサイズtであればよい。例えば、媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体の未使用領域201が分散配置され、その総和が、それぞれ、2t、3t、4t、5tであってもよい。同様に媒体セット1A〜3Aの最後の情報記憶媒体の終端に未使用領域201を設けるとしたが、媒体セット1A〜3Aの最後の情報記憶媒体の先頭に未使用領域201を設けてもよい。必要条件は、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体の各々において未使用領域201の総和の差がサイズtであればよい。例えば、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体の未使用領域201が分散配置され、その総和が、それぞれ、5t、4t、3t、2tであってもよい。
さらに、スペア領域221を有する情報記憶媒体であれば、ユーザデータ領域に未使用領域201を設けるのではなく、媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体に存在するスペア領域221のサイズに各々サイズtずつの差をつけることによりユーザデータ領域のサイズに各々サイズtずつの差が生じるようにしてもよい。同様に、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体に存在するスペア領域221のサイズに各々サイズtずつの差をつけることによりユーザデータ領域のサイズに各々サイズtずつの差が生じるようにしてもよい。例えば、媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体のスペア領域221のサイズを、それぞれ、α、α+t、α+2t、α+3tとし、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体のスペア領域221のサイズを、それぞれ、α+3t、α+2t、α+t、αとしてもよい。ここでαは任意のサイズである。
(実施形態6)
実施形態6においては、記録層が複数存在する情報記憶媒体を複数枚一まとめにした情報記憶媒体セットを収納体111〜114にそれぞれ格納し、その情報記憶媒体セットの中の1枚の情報記憶媒体を搬送体115〜118によって記録再生装置107〜110に搬送する。記録再生装置107〜110に装着されうる情報記憶媒体セットの4セットによってRAID5を構成する。
図23は、実施形態6における情報記憶媒体セットの記録層の切り替わり目、および、情報記憶媒体の交換付近のストライプの状態を示したものである。
図23において、媒体セット1Aは記録再生装置107に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット2Aは記録再生装置108に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット3Aは記録再生装置109に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。媒体セット4Aは記録再生装置110に装着されうる複数枚の情報記憶媒体からなるセットである。実施形態6においては、実施形態5と同様に、媒体セット2A〜4Aにおける各々のセットの最初の情報記憶媒体の先頭にはそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設け、媒体セット1A〜3Aにおける各々のセットの最後の情報記憶媒体の終端にもそれぞれ異なるサイズの未使用領域201を設ける。
図23において、媒体セット1AのJiと媒体セット2AのKiと媒体セット3AのLiと媒体セット4AのPiとでストライプを構成している。同様に、媒体セット1AのJjと媒体セット2AのKjと媒体セット3AのPjと媒体セット4AのLjとでストライプを構成している。媒体セット1AのJkと媒体セット2AのPkと媒体セット3AのKkと媒体セット4AのLkとでストライプを構成している。媒体セット1AのPlと媒体セット2AのJlと媒体セット3AのKlと媒体セット4AのLlとでストライプを構成している。また、媒体セット1AのJqと媒体セット2AのKqと媒体セット3AのLqと媒体セット4AのPqとでストライプを構成している。同様に、媒体セット1AのJrと媒体セット2AのKrと媒体セット3AのPrと媒体セット4AのLrとでストライプを構成している。媒体セット1AのJsと媒体セット2AのPsと媒体セット3AのKsと媒体セット4AのLsとでストライプを構成している。媒体セット1AのPtと媒体セット2AのJtと媒体セット3AのKtと媒体セット4AのLtとでストライプを構成している。
情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100が図23に示す情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の記録層の切り替わり目付近のデータを再生するときの動作を説明する。
アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置106に対して、図23における媒体セット4Aの情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後に位置するPiとLjのデータ再生を抑制する。この間に、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのJiと媒体セット2AのKiと媒体セット3AのLiを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのPiのデータを復元し、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのJjと媒体セット2AのKjと媒体セット3AのPjを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのLjのデータを復元する。このとき、媒体セット4AのPiとLjのデータ再生を抑制してデータを復元している間に、情報記憶媒体ライブラリ装置106は再生する記録層の切り替えとLjの後続領域のLkを再生する準備を行う。同様に、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置105、104、103に対し、それぞれ、図23における媒体セット3Aの情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後に位置するKkとKl、媒体セット2Aの情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後に位置するKmとKn、媒体セット1Aの情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後に位置するJoとPpのデータ再生を抑制して、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の中で残りの3つが同じストライプを構成する他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから、アレイコントローラ101は再生を抑制したデータを復元する。
このように、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、他の記録層の切り替わり目についても同様に情報記憶媒体の記録層が切り替わった直後のデータ再生を抑制して他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータからデータを復元し、データ再生を抑制してデータを復元している間に記録層の切り替えと再生を抑制した領域の後続を再生する準備を行うことで、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
なお、データの再生を抑制した領域がパリティブロックであった場合は、他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑制したデータを復元しなくてもよい。例えば、図23における媒体セット4AのPiと媒体セット1AのPpは復元しなくてもよい。
次に、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100が図23に示す情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換付近のデータを再生するときの動作を説明する。
アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置106に対して、図23における媒体セット4Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するPqとLrのデータ再生を抑制する。この間に、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのJqと媒体セット2AのKqと媒体セット3AのLqを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのPqのデータを復元し、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜105が媒体セット1AのJrと媒体セット2AのKrと媒体セット3AのPrを再生したデータから、アレイコントローラ101は媒体セット4AのLrのデータを復元する。このとき、媒体セット4AのPqとLrのデータ再生を抑制してデータを復元している間に、情報記憶媒体ライブラリ装置106は媒体セット4Aの再生する情報記憶媒体を交換してLrの後続領域であるLsを再生する準備を行う。同様に、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置105、104、103に対し、それぞれ、図23における媒体セット3Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するKsとKt、媒体セット2Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するKuとKv、媒体セット1Aの情報記憶媒体が交換された直後に位置するJwとPxのデータ再生を抑制して、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の中で残りの3つが同じストライプの他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから、アレイコントローラ101は再生を抑制したデータを復元する。
このように、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、他の情報記憶媒体の交換時においても同様に情報記憶媒体を交換した直後のデータ再生を抑制して他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑止したデータを復元し、データ再生を抑制してデータを復元している間に情報記憶媒体の交換と再生を抑制した領域の後続を再生する準備を行うことで、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。
以上のように、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、記録再生装置と収納体と搬送体を有する複数の情報記憶媒体ライブラリ装置を備える。このとき、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々の収納体に、複数の記録層を有する情報記憶媒体の複数枚を一まとめにした情報記憶媒体セットが収納される。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々は、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を搬送体により収納体と記録再生装置の間で搬送して、記録再生装置によりデータ再生を行う。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々の収納体に収納された情報記憶媒体セットによりディスクアレイが構成される。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体セットのデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。このとき、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、配置される。これにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり時期、および、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換時期を、情報記憶媒体ライブラリ装置で互いに異ならせる。そして、情報記憶媒体ライブラリ装置の各々は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり直後の所定範囲の領域、および、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制する。そして、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、データ再生を抑制した情報記憶媒体ライブラリ装置を除く、残りの情報記憶媒体ライブラリ装置によって再生したデータから、所定範囲の領域のデータを復元する。
この構成により、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。さらに、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生も可能になる。
また、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、所定範囲の領域のデータを復元する間に、データ再生を抑制した情報記憶媒体ライブラリ装置において、情報記憶媒体の再生する記録層の切り替えとデータ再生を抑制した領域の後続領域のデータを再生する準備を行ってもよい。
また、本実施形態の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置は、所定範囲の領域のデータを復元する間に、データ再生を抑制した情報記憶媒体ライブラリ装置において、情報記憶媒体セットの再生する情報記憶媒体の交換を行ってもよい。
なお、データの再生を抑制した領域がパリティブロックであった場合は、他の情報記憶媒体セットの情報記憶媒体を再生したデータから再生を抑制したデータを復元しなくてもよい。例えば、図23における媒体セット4AのPqと媒体セット1AのPxは復元しなくてもよい。
図24は、実施形態6における情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100の再生動作を示したフローチャートである。
ステップ1001とステップ1009との間のステップを、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対して繰り返す。
ステップ1002では、アレイコントローラ101は、これから再生しようとしている領域が、情報記憶媒体交換直後の再生抑制領域211かを判定し、再生抑制領域211でなければステップ1003へ進み、再生抑制領域211であればステップ1005へ進む。
ステップ1003では、アレイコントローラ101は、これから再生しようとしている領域が、記録層切り替え直後の再生抑制領域211かを判定し、再生抑制領域211でなければステップ1004へ進み、再生抑制領域211であればステップ1007へ進む。
ステップ1004では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対してREADコマンドを発行して、ステップ1001〜1009の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ1005では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して情報記憶媒体の交換を指示するコマンドを既に発行しているかを判定し、発行済みでなければステップ1006へ進み、発行済みであればステップ1001〜1009の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ1006では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して情報記憶媒体の交換を指示するコマンドを発行し、ステップ1001〜1009の繰り返し終了判定へ進む。なお、交換後、再生抑制領域211のデータ再生は行わない。
ステップ1007では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して再生抑制領域211の後続へのSEEKコマンドを既に発行しているかを判定し、発行済みでなければステップ1008へ進み、発行済みであればステップ1001〜1009の繰り返し終了判定へ進む。
ステップ1008では、アレイコントローラ101は、対象としている情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の1つ)に対して再生抑制領域211の後続へのSEEKを指示するコマンドを発行して、ステップ1001〜1009の繰り返し終了判定へ進む。これにより、再生抑制領域211のデータ再生は行われない。
情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106の各々に対する処理が完了したらステップ1010へ進む。
ステップ1010では、アレイコントローラ101は、ステップ1004で発行したREADコマンドの完了待ちを行う。ステップ1004で発行したREADコマンドが全て完了したらステップ1011へ進む。
ステップ1011では、アレイコントローラ101は、情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106のいずれかに対して再生抑制を行った領域があったかを判定し、再生抑制領域211が含まれていればステップ1012へ進み、再生抑制領域211が含まれていなければ処理を終了する。ここで、先ほど述べたように、再生抑制領域211であっても、パリティブロックであるなら、ステップ1012へ進まなくてもよい。
ステップ1012では、アレイコントローラ101は、再生を抑制した領域のデータを他の情報記憶媒体ライブラリ装置(103〜106の中の残り3つ)からの再生データを使用して復元し、処理を終了する。
以上のステップにより、情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100は、記録層が切り替わった直後と情報記憶媒体を交換した直後の領域に対する再生を抑制して他の情報記憶媒体ライブラリ装置からの再生データを使用して再生を抑制した領域のデータを復元することが可能である。
以上のように、本実施形態の再生制御方法の情報記憶媒体ライブラリアレイ装置においては、複数セットの複数の記録層を有する情報記憶媒体の複数枚を一まとめにした情報記憶媒体セットによりディスクアレイが構成されている。ディスクアレイにはストライプが複数形成される。そして、ストライプを構成する少なくとも1つの情報記憶媒体セットの情報記憶媒体のデータが再生できなくともデータの復元が可能な冗長性を有する。そして、1つのストライプを構成するデータは、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の物理的に異なる位置に、記録されている。このとき、本実施形態の再生制御方法は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制するステップと、情報記憶媒体セットの情報記憶媒体の交換直後の所定範囲の領域のデータ再生を抑制するステップと、データ再生を抑制した情報記憶媒体セットを除く残りの情報記憶媒体セットを再生したデータから所定範囲の領域のデータを復元するステップと、を含む。
この構成により、記録層の切り替わり目においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生が可能になる。さらに、情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続したデータ再生も可能になる。
実施形態6において、情報記憶媒体の記録層の切り替えとデータ再生を抑制した領域の後続を再生する準備に必要な時間が情報記憶媒体の交換とデータ再生を抑制した領域の後続を再生する準備に必要な時間よりも短い場合は、情報記憶媒体の記録層の切り替わり目直後のデータ再生を抑制するストライプ数を情報記憶媒体の交換直後のデータ再生を抑制するストライプ数よりも少なくしてもよい。すなわち、情報記憶媒体の交換直後のデータ再生を抑制するストライプ数を実施形態5で説明したサイズtに相当するストライプ数とし、情報記憶媒体の記録層の切り替え直後のデータ再生を抑制するストライプ数をサイズtよりも少ないサイズに相当するストライプ数にしてもよい。
なお、実施形態6において媒体セット2A〜4Aの最初の情報記憶媒体の先頭に未使用領域201を設けるとしたが、媒体セット2A〜4Aの最初の情報記憶媒体の先頭と終端に分散して未使用領域201を設けてもよい。同様に、媒体セット1A〜3Aの最後の情報記憶媒体の終端に未使用領域201を設けるとしたが、媒体セット1A〜3Aの最後の情報記憶媒体の先頭と終端に分散して未使用領域201を設けてもよい。
さらに、スペア領域221を有する情報記憶媒体であれば、ユーザデータ領域に未使用領域201を設けるのではなく、スペア領域221のサイズを調整することにより媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体のユーザデータ領域のサイズにサイズ2uずつの差が生じるようにしてもよい。ここでサイズ2uは実施形態5で説明したサイズtに相当するストライプ数である。同様に、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体のユーザデータ領域のサイズにサイズ2uずつの差が生じるようにしてもよい。図25を用いて一例を説明する。図25において、媒体セット1A〜4Aの最初の情報記憶媒体のスペア領域221のサイズが、それぞれ、β、β+2u、β+4u、β+6uとなるように情報記憶媒体の先頭、層境界、終端に分散して配置している。ここでβは任意のサイズとする。また、媒体セット1A〜4Aの最後の情報記憶媒体のスペア領域221のサイズが、それぞれ、γ+6u、γ+4u、γ+2u、γとなるように情報記憶媒体の先頭、層境界、終端に分散して配置している。ここでγは任意のサイズで、βと同じ値を設定してもよい。媒体セット1A〜4Aの最初と最後を除いた残りの情報記憶媒体のスペア領域221のサイズは全て同じでδである。ここでδは任意のサイズで、βやγと同じ値を設定してもよい。媒体セット1A〜4Aの最初と最後の情報記憶媒体においてはストライプを構成するブロックがuずつずれており、残りの情報記憶媒体においてはストライプを構成するブロックが2uずつずれている。記録層の切り替わり直後のデータ再生を抑制する領域をuとし、情報記憶媒体の交換直後のデータ再生を抑制する領域を2uとすることで、実施形態6で説明したように実施することにより、記録層の切り替わり目や情報記憶媒体の交換時においてもデータ再生を待たせることなく連続してデータを再生することが可能である。
ところで、これまでの説明は、再生エラーがない場合について説明してきたが、再生エラーがあった場合について、補足説明しておく。記録層切り替わり付近や情報記憶媒体の交換付近での再生を抑制する領域を含んでいるストライプにおいて再生エラーが発生した場合、再生を抑制した領域からデータを再生することで、ストライプの冗長性を再生エラーの復旧に用いることができる。もちろん、連続的なデータの再生が途切れてしまうので、再生するデータの属性(リアルタイム属性か否か)によって、再生エラーのまま継続するか、時間をかけて再生エラーのデータを復元するかを判断するのが望ましい。再生を抑制する領域を含んでいないストライプの場合、データ再生の連続性を犠牲にすることなく、ストライプの冗長性を用いて再生エラーを復旧できることは、明白である。
これまで情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100の再生動作について説明してきたが、記録時の動作について説明する。
図15において、アレイコントローラ101は記録するデータをキャッシュメモリ102に一時保持し、キャッシュメモリ102に保持したデータを情報記憶媒体ライブラリ装置103〜106に記録要求することで情報記憶媒体に記録する。
リアルタイム性が要求されるデータの記録時においては、一般に情報記憶媒体ライブラリアレイ装置100への記録データのレートは情報記憶媒体ライブラリアレイ装置の定常時における情報記憶媒体への記録レートよりも低くなる。そのため、リアルタイム性が要求されるデータの記録中に複数の記録層を有する情報記憶媒体の記録層の切り替わりや情報記憶媒体の交換が発生しても、記録層の切り替えや情報記憶媒体の交換に必要な時間に到着する記録データを保持するのに十分な容量のキャッシュメモリ102を設けておけば、情報記憶媒体ライブラリ装置100への記録データを待たせることなく連続してデータを記録することが可能である。
これまで説明してきた本実施形態では記録再生装置が4つの場合を例に説明したが、記録再生装置が3つ以上であれば同様に実施が可能である。また、使用するRAIDレベルとしてRAID5以外にRAID4やRAID6を使用しても同様に実施が可能である。
以上、本発明の特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が本発明に含まれることは明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の実施形態に限定されず、請求項によってのみ限定され得る。