以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態における情報処理システムの構成例について説明する。図1は、本発明の一実施形態を示すメール受信サーバ及び携帯情報端末装置について、システムの構成例を示す図である。
メール受信サーバ100は、メール受信部101と、位置情報解析部102と、位置情報保存部103と、メール保存部104と、データベース部105とを備える。メール受信サーバ100は、外部メールサーバ等の外部装置とネットワークを介して通信可能に接続されている。メール受信部101は、外部メールサーバから送信されてきた電子メールを受信する。
位置情報解析部102は、メール受信部101が受信したメールに対して言語処理解析を行って、電子メール文書から位置情報に関する表現を抽出し、位置情報保存部103或いは外部の位置情報提供サービス等と連携して、抽出した位置情報表現を経度緯度情報に変換する。
位置情報保存部103は、位置情報解析部102の解析結果を保存する。位置情報解析処理を実施した電子メールは、メール保存部104に解析結果を付与して保存される。データベース部105は、位置情報解析部102で利用する変換データの管理や保存等を行う。
携帯端末装置110は、現在地測位部111と、メール取得部112と、距離情報算出部113と、評価履歴保存部114と、メール表示部115とを備える。メール取得部112は、メール受信サーバ100のメール保存部104にアクセスして電子メールを取得する。
距離情報算出部113は、取得した電子メールに付与された位置情報解析結果、及び現在地測位部111で測位した現在地情報を参照して距離情報を算出する。算出した距離情報は評価されて評価履歴保存部114に保存される。
携帯端末装置110の利用者がメール一覧を表示する際には、メール表示部115が、距離情報算出部113及び評価履歴保存部114を参照して、現在地において最も効果的なメールを提示する。
尚、図1は説明をわかりやすくするためにメール受信処理に限定して説明しているが、通常のメールサーバ及び携帯情報端末においては、メール送信処理や削除処理等の様々な電子メール制御処理も行われていることは言うまでもない。以上が図1の、本発明の実施形態におけるシステムの構成例についての説明である。
次に図2を参照して、本発明の実施形態における各種装置のハードウェア構成について説明する。図2は、本発明の実施形態における各種装置のハードウェア構成を示す図である。
CPU201は、システムバス204に接続される後述の各デバイスやコントローラを統括的に制御する。また、ROM203あるいは外部メモリ211には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、メール受信サーバ100、携帯端末装置110に後述する各種の処理を実行させるために必要な各種プログラムやデータ等が記憶されている。RAM202は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM202にロードして、プログラムを実行することで後述する各種処理を実現するものである。また、入力コントローラ(入力C)205は、入力装置209からの入力を制御する。
入力装置209は、例えばメカニカルキーボードやソフトウェアキーボード、タッチパネル等で構成される。ビデオコントローラ(VC)206は、表示装置210への表示を制御する。表示装置210は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される。
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やソリッドステートディスク(SSD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるフラッシュメモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
位置情報測位器212は、携帯端末装置110の現在位置を測位するものである。例えば、GPSや電子コンパス装置等から構成される。或いは、通信I/FC208を介して、近隣の無線LANのアクセスポイント情報の電波強度とSSID情報を元にして、おおよその現在位置を測位する等が可能である。当該位置情報測位器212は、メール受信サーバ100には必ずしも必要ではない。
なお、CPU201は、例えばRAM202内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、表示装置210上での表示を可能としている。尚、後述する各種の処理を実行可能であれば、必ずしも図2に記載のハードウェア構成を有していなくとも構わないことは言うまでもない。以上が図2の、本発明の実施形態における携帯端末装置110のハードウェア構成についての説明である。
次に、メール受信サーバ100におけるメール受信処理について、図3から図11を用いて説明する。まず図3を参照して、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100のメール受信処理について説明する。図3は、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100のメール受信処理を示すフローチャートである。
尚、ここでは、図3の処理はメール受信サーバ100のCPU201が行っているものとしているが、携帯端末装置110のCPU201が、携帯端末装置110内で行うようにしてもよい。
図3のステップS301において、メール受信部101が外部のメールサーバから電子メールを受信すると、メール受信サーバ100のCPU201は、位置情報リストの初期化を実施する(ステップS301)。位置情報リストは、後述する受信メール解析処理において抽出した位置情報に関する記述の一時保存と集約処理のための領域である。
続くステップS302において、メール受信サーバ100のCPU201は、受信した電子メールの解析処理を実施する(ステップS302)。ステップS302の受信メール解析処理については、図4を用いて後述する。
ここで図4を参照して、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100の受信メール解析処理の一例について説明する。図4は、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100の受信メール解析処理を示すフローチャートである。
尚、ここでは、図4の処理はメール受信サーバ100のCPU201が行っているものとしているが、携帯端末装置110のCPU201が、携帯端末装置110内で行うようにしてもよい。
図4のステップS401において、メール受信サーバ100のCPU201は、電子メールのヘッダ部に記述されているメールアドレスの解析処理を実施する(ステップS401)。ステップS401のメールアドレス解析処理については、図5を用いて後述する。
ここで図5を参照して、本発明の実施形態におけるメールアドレス解析処理の一例について説明する。図5は、本発明の実施形態におけるメールアドレス解析処理を示すフローチャートである。
尚、ここでは、図5の処理はメール受信サーバ100のCPU201が行っているものとしているが、携帯端末装置110のCPU201が、携帯端末装置110内で行うようにしてもよい。
尚、電子メールのヘッダ部に記述されているメールアドレスは、主に、送信者を表すFrom部、及び受信者を表すTo部或いはCc部に存在する。メール受信サーバ100のCPU201は、図5のステップS501において、これら電子メールのヘッダ部に記述されているすべてのメールアドレスについて、メールアドレス解析処理を実施する(ステップS501)。
メールアドレスの記述形式は、メールアドレスそのものである場合に加えて、「“氏名”<メールアドレス>」という形式で記述することもできる。この場合、「氏名」と「メールアドレス」を関連付けることができる。
メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS502において、当該メールアドレス記述に「氏名」を含むかを判断する(ステップS502)。ステップS502で「はい」の場合、即ち当該メールアドレス記述に氏名情報を含む場合、ステップS503に進む。
ステップS503において、データベース部105に当該メールアドレスが登録されているかを検索する(ステップS503)。当該メールアドレスが登録されていない場合(ステップS503で「いいえ」の場合)、ステップS504に進み、データベース部105に当該メールアドレスと当該氏名を紐付けて登録し(ステップS504)、ステップS505に進む。
氏名情報を含まないメールアドレス記述である場合(ステップS502で「いいえ」の場合)、及びデータベース部105に登録済みのメールアドレスである場合(ステップS503で「はい」の場合)、ステップS505に進む。
続くステップS505において、当該メールアドレス記述がFrom部の記述であるかどうかを判断する(ステップS505)。ステップS505で「はい」の場合、即ち、当該メールアドレス記述が送信者である場合、ステップS507に進み、前記位置情報リストに送信者情報として当該メールアドレスを追加する(ステップS507)。位置情報リストの詳細については、図9を参照して後述する。
ここで図9を参照して、本発明の実施形態における位置情報リストの一例について説明する。図9は、本発明の実施形態における位置情報リストの一例を示す図である。
位置情報リスト900は、本説明においては、メール受信サーバ100の外部メモリ211に記憶されるが、携帯端末装置110の外部メモリ211に記憶されていてもよいものとする。位置情報リスト900は、図9に示す通り、抽出文字列901、抽出箇所902、状態903、キー904、経度緯度情報905から構成されている。
抽出文字列901は、当該電子メールから抽出した記述であり、例えば、前述したメールアドレス記述であれば、図9に示すように、メールアドレスが保存される。
抽出箇所902は、前記抽出文字列901が抽出された箇所を示すものであり、例えば、前述したメールアドレス記述であれば、送信者情報である場合は、図9に示すように、Fromヘッダが保存される。
状態903は、位置情報集約処理で利用するものである。前述したメールアドレス記述であれば、状態メールアドレスが保存される。位置情報集約処理については、図6を用いて、後述する。
キー904は、文書中からキーワードを用いて前記抽出文字列901を抽出するためのものである。メールアドレスや住所文字列といった明確な抽出文字列以外を文書中から抽出するために使用する。キー904について、図10を参照して後述する。
ここで図10を参照して、本発明の実施形態における位置情報集約のためのキーワード集合の一例について説明する。図10は、本発明の実施形態における位置情報集約のためのキーワード集合の一例を示す図である。
図10に示す通り、位置情報集約のためのキーワード集合1000は、キーワード1001、属性1002から構成されている。
キーワード集合1000は、メール受信サーバ100の外部メモリ211に記憶されていても良いし、携帯端末装置110の外部メモリ211に記憶されていてもよい。ここでは、キーワード集合1000は、メール受信サーバ100の外部メモリ211に記憶されているものとする。
本説明において、前記位置情報集約のためのキーワード集合は、それ自体では場所を示す言葉ではない、或いは状況によって場所を示す先が異なる、というように、当該電子メールの他の情報と合わせることで場所を明確に指示できるキーワードを意味する。
例えば、図10において、キーワード「弊社」の場合、その言葉だけではどこの組織か特定できないが、当該電子メールの送信者情報と合わせて、キーワード「弊社」が示す組織を特定することができる。従って、キーワード「弊社」の場合は、属性1002で送信者を示す「from」が定義される。同様に、キーワード「御社」の場合は、属性1002で受信者を示す「to」が定義される。
キーワード「弊社」を用いた実施例の一例を示す。電子メール本文中に「打合せを弊社会議室で行います」があった場合、キーワード「弊社」をパターンマッチングで見つけることができ、さらに属性1002を参照して送信者情報である、と判断できる。
この場合、「弊社」というキーワードから特定される位置情報は、当該メールの署名に含まれる、前記メールの送信元の会社の住所の示す位置情報であると判断される。なお、当該文字列から抽出文字列「弊社会議室で」を得るための抽出方法については、図7を用いて、後述する。
以上が図10の、本発明の実施形態における位置情報集約のためのキーワード集合の一例についての説明である。
図9の説明に戻る。経度緯度情報905は、抽出文字列901が示す場所の経度緯度を数値化して保存する。抽出文字列901から経度緯度情報905への変換処理については、図6を用いて、後述する。
以上が図9の、本発明の実施形態における位置情報リストの一例についての説明である。
図5の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS505において「いいえ」の場合、即ち、当該メールアドレス記述がTo部或いはCc部等である場合、ステップS506に進み、前記位置情報リストに受信者情報として当該メールアドレスを追加する(ステップS506)。
以上のように、ステップS501からステップS508の処理によって、ヘッダ部に記述されたすべてのメールアドレス記述を前記位置情報リストに追加する。以上が図5の、本発明の実施形態におけるメールアドレス解析処理の一例についての説明である。
図4の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、処理をステップS402に進め、当該電子メールのボディ部がマルチパート形式であるかどうかを判断する(ステップS402)。マルチパート形式である場合(ステップS402で「はい」の場合)、ステップS403に進む。
ステップS403からステップS410にかけて、すべてのパートについて個別に解析処理を実施する。ステップS404に進んで、当該パートがマルチパートの第一パート、即ち、メール本文部であるかどうかを調べる(ステップS404)。第一パートである場合(ステップS404で「はい」の場合)、ステップS405に進み、本文解析処理を実施する(ステップS405)。
本文解析処理とは、電子メールのテキストを解析して得られる情報を、前述した位置情報リスト900へ追加する処理のことである。本文解析処理については、図8の説明にて後述する。本文解析処理の後、ステップS410からステップS403に戻って、次のパートの解析処理を開始する。
第二パート以降はすべてステップS404で「いいえ」となるため、メール受信サーバ100のCPU201は、処理をステップS406に進め、当該パートからテキスト抽出が可能かどうかを判断する(ステップS406)。判断基準は、当該パートのContent−Type部に記述されたデータ形式である。
例えば、当該パートのContent−Type部に「image/jpeg」が含まれる場合、画像ファイルが添付されていることがわかる。ここで、当該画像ファイルに対してOCR解析処理を実施して有効なテキスト情報が抽出できるような場合(ステップS406で「はい」)は、ステップS407に進む。或いは、画像ファイルが添付されている場合は必ずテキスト抽出できないと判断して(ステップS406で「いいえ」)、ステップS410へ進むこともできる。
このような当該パートのContent−Type部のデータ形式に応じたテキスト抽出の可否判断は、メール受信サーバ100の設定或いは当該データ形式に対応したテキスト抽出用ライブラリプログラムの有無によって選択できる構成が望ましい。
有効なテキスト情報が抽出できるような場合(ステップS406で「はい」の場合)、メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS407に進んで当該パートのテキスト抽出処理を実施する(ステップS407)。前述したように、各種テキスト抽出用ライブラリプログラムを使用してテキスト情報を抽出し、ステップS408に進む。なお、当該データ形式がテキスト形式であれば何もせずに、ステップS408に進む。
メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS408において、抽出した前記テキスト情報に対してテキスト解析処理を実施する(ステップS408)。テキスト解析処理は、テキストから位置情報に関連する記述を抽出する処理であり、例えば、住所そのものを示す文字列(以下、住所文字列)、或いは組織名、店名、駅名、公共施設名等のように場所を特定できるキーワード(以下、場所キーワード)、或いは言語処理による解析結果で場所を示すと推定できる箇所(以下、言語処理推定)、を抽出する。
前記住所文字列、或いは前記場所キーワードに関しては、前記データベース部105に予め登録することによって、簡易なパターンマッチングで抽出することもできるし、もしくは、後述する言語処理における形態素解析の結果の属性情報を参照して当該文字列を抽出する、或いは係り受け解析結果から当該文字列を抽出する、こともできる。
前記言語処理推定では、テキストに対して形態素解析を実施して形態素列を得る。現在の一般的な形態素解析プログラムでは、品詞情報の他に様々な属性情報が付加されており、例えば、当該形態素に氏名の属性情報や、地名の属性情報等が付加されている。このような属性情報を参照して、例えば、地名属性を持つ形態素列について住所を表す文字列として判断する、或いは氏名属性を持つ形態素列について氏名を表す文字列として判断する、こと等が可能である。この場合、氏名属性を持つ形態素列から直接位置情報を特定する処理は行わないものとする。例えば、Aさん=A県とは判断しないということである。
また、構文解析を実施することで文章の係り受け構造を得ることができ、より正確に場所に関する情報を抽出することが可能となる。例えば、「打合せを弊社会議室で行います」という文章から得られる係り受け解析結果を図7に示す。
ここで図7を参照して、本発明の実施形態における係り受け解析の結果の一例について説明する。図7は、本発明の実施形態における係り受け解析の結果の一例を示す図である。係り受け構造とは構文解析の結果の1つであり、文章中のいずれの文字列がいずれの文字列に係っているか、文章内の修飾関係の構造のことを示す。
図7においては、例えば、文字列701「打合せを」が文字列705「行います」に係る構造を持つことを示している。また、文字列704「室で」の部分形態素である「室」が、形態素の属性情報として場所属性を持つ。従って、文字列704「室で」に係る部分を辿ることにより、場所に関する文字列を抽出することが可能である。文字列704「室で」から文字列703「会議」及び文字列702「弊社」を辿ることができ、文字列「弊社会議室で」を抽出する、ことが可能である。
また、当該係り受け解析の結果、抽出した文字列に係る文字列の中に、日時を示す情報である時間情報が確認された場合、当該時間情報を、位置情報リスト900に対応付けて、メール受信サーバ100の外部メモリ211に記憶する。以上が図7の、本発明の実施形態における係り受け解析の結果の一例についての説明である。
図4の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS408における解析の結果得られた前記住所文字列、或いは前記場所キーワード、或いは前記言語処理推定を用いて場所に関する記述をテキストから抽出し、続くステップS409において、当該抽出文字列を抽出した箇所と合わせて前記位置情報リストへ追加する(ステップS409)。
メール受信サーバ100のCPU201は、処理をステップS410に進め、すべてのパートについて解析を終了していなければステップS403に戻り、次のパートの解析を開始する。すべてのパートの解析を終了していれば、受信メール解析処理を終了する。
なお、ステップS402で「いいえ」の場合、マルチパートでない電子メールであるので、本文解析(ステップS411)のみ実施する。以上が図4の、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100の受信メール解析処理の一例についての説明である。
次に、図8を参照して、本発明の実施形態における本文解析処理の流れについて説明する。図8は、本発明の実施形態における本文解析処理を示すフローチャートである。尚、本図における説明は、図4のステップS405、ステップS411の詳述にあたる。
また、ここでは、図8の処理はメール受信サーバ100のCPU201が行っているものとしているが、携帯端末装置110のCPU201が、携帯端末装置110内で行うようにしてもよい。
メール受信サーバ100のCPU201は、本文解析の対象となる電子メールが、任意のメールに対する返信メールであるか、或いは任意のメールを転送するための転送メールであるか、を判断する(ステップS801)。返信メール、或いは転送メールでない場合(ステップS801で「いいえ」の場合)、ステップS803に進む。返信メール、或いは転送メールである場合(ステップS801で「はい」の場合)、ステップS802に進み、当該箇所を本文解析対象としないために返信・転送部を除去する(ステップS802)。
続くステップS803において、電子メールのテキスト解析を実行する(ステップS803)。尚、ステップS803のテキスト解析は、前述した図4におけるテキスト解析(ステップS408)と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
続くステップS804において、メール受信サーバ100のCPU201は、署名欄判定処理を行う(ステップS804)。署名欄判定処理は、メール本文において末尾に記載されている署名部分の抽出を行う。
前述したように図4のステップS401において、メールアドレス解析処理が実施済みであるため、署名欄判定処理の開始時点では、少なくとも送信者のメールアドレスは判別しており、前記位置情報リスト内に格納されている。従って、署名欄判定処理では、前記位置情報リストに格納されている送信者属性を持つメールアドレス、或いは当該メールアドレスをキーとしてデータベース部105を検索して得られた氏名情報から、メール本文の末尾部分にある署名情報を抽出することが可能である。
なお、抽出対象となる署名領域を制限する場合は、メール受信サーバ100が持つ設定情報において任意の行数で制限する場合や、メール本文の構文解析結果として文構造を持たない最終部分を署名領域として指定することが可能である。
続いて、メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS805において、図4のステップS409と同様に、テキスト解析により得た情報を位置情報リストへ追加する(ステップ
S805)。このとき、前述したステップS803の解析結果とステップS804の署名欄判定結果を参照して、当該抽出文字列を抽出した箇所が署名部分に含まれる場合は、抽出場所を「署名」に変更して前記位置情報リストに追加する。
以上の受信メール解析処理によって、当該電子メールに書かれた場所に関する記述が前記位置情報リストに格納される。以上が図8の、本発明の実施形態における本文解析処理の流れについての説明である。
図3の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、ステップS302で電子メールを解析し、位置情報リストを集約する(ステップS303)。
ここで、図6を参照して、本発明の実施形態における位置情報集約処理の状態遷移について説明する。図6は、本発明の実施形態における位置情報集約処理の状態遷移を示す図である。
位置情報は経度及び緯度から構成される、と定義する。集約手法の状態遷移を示す図6において、最終状態として位置情報607を置く。図6における状態遷移図の使用目的は、電子メールから抽出された様々な情報を、図6を用いて、位置情報607へ可能な限り遷移させて、経度緯度情報を取得することにある。
例えば、電子メールから住所を記述した文章を抽出すると、図6において、住所605に状態が設定され、状態遷移図に従って位置情報607を得ることができる。なお、住所605から位置情報607を得ることが容易であることは想像に難くないが、例えば、ジオコーディングサービスと呼ばれるような、住所から経度緯度情報への変換データベースが必要であることは明らかである。
このような変換データベースは、前述したジオコーディングサービスを利用してもよいし、メール受信サーバ100上のデータベース部105或いはネットワーク内の別のサーバ上で提供することも可能である。
次に、電子メールの送信者について説明する。電子メールの送信者は、メールアドレスとして電子メールのヘッダ部に記述されている。電子メールからメールアドレスを抽出すると、図6において、メールアドレス601に状態が設定される。
メールアドレス601からは、メールアドレスのドメイン名を参照することで組織名603への遷移と、メールアドレス601に紐づけられた氏名602への遷移が定義されている。
例えば、メール受信サーバ100の外部メモリ211等に設置されたデータベースに抽出したメールアドレスが登録済であった場合、当該メールアドレスから当該メールアドレスに対応する氏名602、組織名603を特定可能である。
また、当該氏名602、組織名603のそれぞれに対応して外部メモリ211のアドレス帳等に登録されている住所を取得して住所605に状態として設定し、位置情報607を取得することが可能である。
更に、メールより抽出したキーワード(例えばミーティングの開催場所の記載等)から場所の情報を取得し場所606に状態として設定することで、住所605を経由して、位置情報607を取得可能である。同様に、キーワードより氏名602、組織名603を特定し、位置情報607を取得することも可能である。
また、例えば、“弊社”というキーワード604から“株式会社A”という組織名603が特定された場合で、電子メールの署名欄に“株式会社A ××県○○市”という住所が記載されている場合、当該キーワード604“弊社”の示す位置情報607を、電子メールより抽出した住所605を経由して特定することも可能である。以上が図6の、本発明の実施形態における位置情報集約処理の状態遷移についての説明である。
図3の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、電子メールの拡張ヘッダに位置情報を書き込む(ステップS304)。また、前述したテキスト解析などにより、電子メールの時間情報が特定されている場合、同じく、当該時間情報を電子メールの拡張ヘッダに書き込む。拡張ヘッダの詳細については、図11を参照して後述する。
ここで図11を参照して、本発明の実施形態における拡張ヘッダの一例について説明する。図11は、本発明の実施形態における拡張ヘッダの一例を示す図である。
拡張ヘッダ1100は図11に示す通り、拡張ヘッダ名「X−GPS−Priority」と、その値として、前述した位置情報集約処理で算出した経度緯度情報、及び抽出箇所を示す一意の数値から構成される。前記経度緯度情報は、図9で示した経度緯度情報905である。また、前記抽出箇所を示す一意の数値は、図9で示した抽出箇所902を数値で表したものである。
前記拡張ヘッダ1100は携帯端末装置110の位置情報評価処理で参照される。位置情報評価処理については、図13を用いて詳しく後述する。以上が図11の、本発明の実施形態における拡張ヘッダの一例についての説明である。
図3の説明に戻る。メール受信サーバ100のCPU201は、当該電子メールを外部メモリ211等に保存・記憶する(ステップS305)。
尚、ステップS303の位置情報集約処理により複数の位置情報が特定、集約された場合、ステップS304の拡張ヘッダ書き込み時に、ステップS303で特定、集約された複数の位置情報を、前記拡張ヘッダに書き込むようにしてもよい。
また、当該複数の位置情報のそれぞれが、いずれの状態903、抽出箇所902に基づいて特定・集約された位置情報かを示すような文字列を、前記拡張ヘッダ内に組み込むことで、前記複数の位置情報の内のいずれの位置情報を用いて、後述する評価情報を算出すべきかを、携帯端末装置に判断させるようにしてもよい。
また、集約した位置情報の内、いずれの状態903、抽出箇所902に基づいて特定・集約された位置情報を優先して拡張ヘッダ1100に書き込むか、を示す優先順位を記したテーブルである、不図示の優先順位テーブル等を設けることで、前記拡張ヘッダ1100に、いずれの位置情報を書き込むかを決定するようにしてもよい。
当該優先順位テーブルとは、例えば、状態903と抽出箇所902との組み合わせと、優先順位の対応付けがされたテーブルである。つまり、ステップS303の位置情報集約処理で、送信元のメールアドレスに基づいて集約された位置情報と、キーワードに基づいて集約された位置情報があり、2つの位置情報が異なる場合であって、当該優先順位テーブルが、“抽出箇所=本文”と“状態=キーワード”の組み合わせの優先順位が“1”を示し、“抽出箇所=Fromヘッダ”と“状態=メールアドレス”の組み合わせの優先順位が“2”を示す場合、前記拡張ヘッダに書き込む位置情報は、キーワードに基づいて集約された位置情報となる。
以上が図3の、本発明の実施形態におけるメール受信サーバ100のメール受信処理についての説明である。
次に図12を参照して、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール取得処理について説明する。図12は、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール取得処理を示すフローチャートである。
尚、ここでは、図12の処理は携帯端末装置110のCPU201が行っているものとしているが、メール受信サーバ100のCPU201が、メール受信サーバ100内で行うようにしてもよい。
携帯端末装置110のCPU201は、利用者の指示によってメール受信サーバ100に未読メールを取得する場合や、或いは携帯端末装置110内で稼動するプログラムによって一定時間間隔で自動的にメール受信サーバ100に未読メールを取得する場合がある。
メール取得処理では、ステップS1201において、携帯端末装置110のCPU201は、前記メール受信サーバ100に未読メールが存在するかを問い合わせる(ステップS1201)。未読メールがない場合(ステップS1201で「いいえ」の場合)、ステップS1203に進む。
未読メールがある場合(ステップS1201で「はい」の場合)、ステップS1202に進み、携帯端末装置110のCPU201は、メール取得部112で、メール受信サーバ100のメール保存部104(外部メモリ211等)から利用者の未読メールを獲得して(ステップS1202)、ステップS1203に進む。
ステップS1203からステップS1205において、ステップS1202で新規に取得した未読メール及びメール取得処理を通して取得したが利用者によって未だに閲覧されていないすべての未読メールについて、ステップS1204で位置情報評価処理を行う。尚、ここでは未読メールについて位置情報の評価を行うよう記載しているが、既読メールに対しても位置情報評価処理を行うようにしてもよい。以下、未読メールについて記載している個所についても、例えば、既読メールにのみ処理を適用するようにしてもよいし、既読メール、及び未読メールの両方に対して処理を適用するようにしてもよい。
ここで、図13を参照して、本発明の実施形態における携帯端末装置110の位置情報評価処理について説明する。図13は、本発明の実施形態における携帯端末装置110の位置情報評価処理を示すフローチャートである。
尚、ここでは、図12の処理は携帯端末装置110のCPU201が行っているものとしているが、メール受信サーバ100のCPU201が、メール受信サーバ100内で行うようにしてもよい。
位置情報評価処理は、図3のステップS304において拡張ヘッダに記述した位置情報に対して、携帯端末装置110の現在地測位部111が測位した位置情報の結果を比較評価するものである。
ステップS1301において、位置情報評価処理対象であるメールに拡張ヘッダが付与されているかを調べる(ステップS1301)。拡張ヘッダが付与されていない場合(ステップS1301で「いいえ」の場合)、位置情報評価処理を終了する。
拡張ヘッダが付与されている場合(ステップS1301で「はい」の場合)、ステップS1302に進み、現在地測位部111が現在地の位置情報を測位・取得する(ステップS1302)。現在地測位部111はGPS機能を利用して高精度に測位してもよいし、周辺の無線LANのアクセスポイントと電波強度等からおおよその位置を測位してもよい。
図13の示す処理の主体がメール受信サーバ100である場合、ステップS1302において、メール受信サーバ100のCPU201は、携帯端末装置110から携帯端末装置110の現在の位置情報を受信し、取得する。
続くステップS1303において、ステップS1302で測位した前記現在地情報について、前回測位した時点から移動がなかったかを確認する(ステップS1303)。即ち、前回位置情報評価処理を実施してから現在地の移動がなければ(ステップS1303で「はい」の場合)、位置情報評価処理を終了する。現在地の移動が行われていれば(ステップS1303で「いいえ」の場合)、ステップS1304に進む。
続くステップS1305からステップS1308にかけて、前記位置情報評価対象メールに付与されたすべての拡張ヘッダについて、位置情報評価を実施する(ステップS1304)。
ステップS1305に進んで、ひとつの拡張ヘッダに記述されている位置情報とステップS1302で測位した位置情報との差異を評価情報として算出する(ステップS1305)。ここでいう評価情報とは、例えば、2つの位置情報の示す場所の間の距離の情報である。
評価情報の算出方式は、2つの経度緯度から直線的な距離を算出する方式(直線的距離方式)や、或いは2つの経度緯度に対してそれぞれの最寄り駅を抽出して最寄り駅間の移動時間を算出する方式(公共機関距離方式)や、或いは2つの経度緯度に対して道路情報を参照して地図上の移動時間を算出する方式(地図的距離方式)、がある。
前記直線的距離方式は、公開されている算出方式が利用できる。前記公共機関距離方式と前記地図的距離方式は、携帯端末装置110内にプログラムやデータを搭載することで算出も可能であるし、或いは外部サーバに経度緯度情報を送信して移動時間を算出する方式も可能である。
尚、拡張ヘッダに記された位置情報が複数ある場合には、当該位置情報のうちで、携帯端末装置110の位置と最も近い、拡張ヘッダ中の位置情報と、前記の携帯端末装置110の位置情報とを用いて、前記評価情報を算出するようにしてもよい。
また、前記拡張ヘッダ中の位置情報のそれぞれが、いずれの状態903、また抽出箇所902に基づいて集約、特定されたかを特定可能な場合、ステップS303の説明にて前述した不図示の優先順位テーブル等に基づいて、前記拡張ヘッダ中の位置情報のいずれを用いて、前記評価情報を算出するかを決定するようにしてもよい。
続くステップS1306において、評価情報履歴の保存数が制限値以内であるかを確認する(ステップS1306)。算出した前記評価情報は携帯端末装置110内に保存するが、その保存数には制限があり、後述するメール表示処理において、その保存履歴を用いたメール表示手法を開示している。
評価情報履歴の保存数が制限値内である場合(ステップS1306で「はい」の場合)、ステップS1308に進み、算出した前記評価情報を保存する(ステップS1308)。前記評価情報は拡張ヘッダごとに保存される。評価情報履歴の保存数が制限値内でない場合(ステップS1306で「いいえ」の場合)、ステップS1307に進み、最も古い評価情報を必要数削除してから(ステップS1307)、ステップS1308に進み、前記評価情報を保存する(ステップS1308)。
続くステップS1309に進み、すべての拡張ヘッダから評価情報を算出するまで、ステップS1305からステップS1308を繰り返す。
すべての拡張ヘッダの評価が完了すると、ステップS1310に進み、代表評価情報を選出する(ステップS1310)。代表評価情報とは、ステップS1305からステップS1308で算出した評価情報で最も評価がよいもの、即ち、現在地と当該メールの位置情報の中で最も近いと判断している位置情報を示す。
尚、当該代表評価情報とは、前述した不図示の優先順位テーブルにおける、位置情報を代表評価情報として採用する優先順位に従って決定されるようにしてもよい。以上が図13の、本発明の実施形態における携帯端末装置110の位置情報評価処理についての説明である。
図12の説明に戻る。すべての未読メールの位置情報評価処理が終了すれば、メール取得処理を終了する(ステップS1205)。以上が図12の、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール取得処理についての説明である。
次に、図14を用いて、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール表示処理について説明する。図14は、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール表示処理を示すフローチャートである。メール表示処理は、携帯端末装置110の利用者が、未読メールを中心にメール閲覧を実施す際の処理である。
尚、ここでは、図14の処理は携帯端末装置110のCPU201が行っているものとしているが、メール受信サーバ100のCPU201が、メール受信サーバ100内で行うようにしてもよい。この場合、ステップS1409の表示処理のみ表示画面を備えた携帯端末装置110のCPU201が実行し、ステップS1401〜ステップS1408までの処理は、メール受信サーバ100のCPU201が実行するものとする。
携帯端末装置110のCPU201は、ステップS1401において、携帯端末装置110のメール表示モードを確認する(ステップS1401)。メール表示モードが位置情報優先表示モードでない場合(ステップS1401において「いいえ」の場合)、ステップS1408に進み、通常のメール表示を実施することを決定する(ステップS1408)。
携帯端末装置110のCPU201は、ステップS1409で、ステップS1408の決定に従って通常表示処理を実行する。通常表示処理では、一般的なメールプログラムと同様の表示動作、例えば、当該メールの送信時刻順に並べる等、を行う。
位置情報優先表示モードである場合(ステップS1401において「はい」の場合)、ステップS1402に進み、すべての未読メールについて、ステップS1403からステップS1407の処理を実施する(ステップS1402)。つまり、未読メールの中から1つのメールを取得し、当該1つのメールに対してステップS1403からステップS1407の処理を行い、未読メールが0になると処理をステップS1409にすすめる。
ステップS1403において、前述した位置情報評価処理(図13を参照)を実施する(ステップS1403)。図12におけるメール取得処理を実施した時点と図14におけるメール表示処理を実施した時点で、現在地に差異があれば、位置情報評価処理が実施される(図13のステップS1303で判断)。
続くステップS1404において、前述した位置情報評価処理で算出した評価情報について履歴があるかを確認する(ステップS1404)。履歴がない場合(ステップS1404で「いいえ」の場合)、ステップS1407に進む。
ステップS1407の位置情報優先表示では、メール一覧表示においてステップS1408で示したような通常表示ではなく、位置情報評価処理で得た代表評価情報に基づいて、メール一覧表示を実施すべく、当該表示の優先順を決定する(ステップS1407)。
例えば、未読メールについて、代表評価情報が良い順(即ち、現在地に近い順)にメール一覧を表示し、且つ一覧表示の際に代表評価情報によって表示していることがわかるようにアイコン表示を併用する、或いは他のメールと異なる色や文字装飾を用いて表示する、等の装飾表示が望ましい。
ここでは、電子メールを代表評価情報が良い順(即ち、現在地に近い順)にメール一覧に表示すべく、ソート処理を実行するものとする。ソート後の順番をソート順という。ソート順の決定(優先表示順決定)については図15の説明にて後述する。
ここで図15を参照して、本発明の実施形態における、優先表示順決定処理の詳細について説明する。図15は、本発明の実施形態における、優先表示順決定処理の詳細を示すフローチャートである。
携帯端末装置110のCPU201は、携帯端末装置110に搭載された時計機能等を用いて、現在の時間情報を取得する。時間情報とは、日時を示す情報である(ステップS1501)。そして、図14のステップS1402で取得した未読メールのうちの1つのメールから時間情報を取得可能か否かを判定する(ステップS1502)つまり、拡張ヘッダ1100に時間情報が含まれているか否かを判定する。
時間情報を取得可能であると判定した場合(ステップS1502でYES)、当該時間情報を当該電子メールの時間情報として取得し(ステップS1503)、当該電子メールの時間情報が、ステップS1501で取得した現在の時間情報より後の時間を示しているかを判定する(ステップS1504)。
携帯端末装置110のCPU201は、当該電子メールの時間情報が、ステップS1501で取得した現在の時間情報より後の時間を示していると判定した場合(ステップS1504でYES)、当該電子メールを、図13のステップS1310で選出された代表評価情報を用いて、ソートする(ステップS1505)。例えば、現在の位置から近い位置を示す位置情報を有する電子メールから順に電子メールの表示をすべく、当該電子メールを、当該電子メールの位置情報と現在地との距離より遠い距離の情報(評価情報)を有する電子メールに対して優先して表示すべく、電子メールのソートを行う。“優先して表示する”とは、例えば、当該電子メールを他の電子メールよりも上部に表示することを言う。
当該電子メールの時間情報が、ステップS1501で取得した現在の時間情報以前の時間を示していると判定した場合(ステップS1504でNO)、当該電子メールを、受信時間を基準としてソートする(ステップS1507)。例えば、受信時間が近い順に電子メールを表示すべく、電子メールのソートを行う。
ここでは、ステップS1505でソートした電子メールと、ステップS1507でソートした電子メールとは別の電子メールのグループとして扱う。例えば、ステップS1505でソートした電子メールのリストはソートグループ1、ステップS1507でソートした電子メールのリストはソートグループ2に属する電子メールとして区別し、携帯端末装置110の外部記憶メモリ211等の記憶領域に一時記憶する。
携帯端末装置110のCPU201は、全ての未読メールのソート処理が終了したか否かを判定し(ステップS1506)、終了していないと判定した場合には(ステップS1506でNO)、処理を図14のステップS1402に戻す。終了したと判定した場合(ステップS1506でYES)、処理をステップS1508に移行し、前述したソートグループ1の電子メールを、ソートグループ2の電子メールに対して、優先して表示すべくソートを行い(ステップS1508)、メール表示順として決定する(ステップS1509)。
例えば、電子メール本文中に「15:00より、打合せを弊社会議室で行います」があった場合、“弊社”というキー904から、“弊社”の示す会社の位置情報であって、当該電子メールの送信元の会社の位置情報を、署名欄に記載された住所、乃至、アドレス帳内の当該電子メールの送信者のメールアドレスに対応した住所から特定する。
加えて、当該本文中より、“15:00”という時間を示す情報を時間情報として特定する。更に、現在の時間情報と、携帯端末装置110の現在の位置情報とを取得し、現在の時間情報以降、乃至、現在の時間情報の後の時間情報の特定元である電子メールであって、前記携帯端末装置110の現在の位置情報に最も近い位置情報の特定元である電子メールを、他のメールに優先して表示画面に表示すべく制御する。
つまり、例えば、携帯端末装置110の現在の位置から100mの位置情報を有する電子メールAと、200mの位置情報を有する電子メールBがあった場合に、本発明において、通常は電子メールA、電子メールBの順に表示画面に表示されるが、電子メールAから特定した時間情報(例:打ち合わせの開始時刻)が現在時刻を過ぎてしまっている場合であって、当該時間情報と前記100mという位置情報が受け係りのような関連性を持つ場合、当該電子メールAは電子メールBに対して優先的に表示されるべきメールとは判断されず、表示画面には、電子メールB、電子メールAの順でメールが表示されることとなる。
こうすることで、電子メールの要件が過去のことに関することである場合等、優先的に表示する必要のない電子メールを特定することができる。以上が図15の、本発明の実施形態における、優先表示順決定処理の詳細についての説明である。尚、本実施例の説明においては、上述した通り、過去のことに関する電子メール(現在時刻よりも前の時間情報を有する電子メール)については、位置情報、距離に基づくソートを行わないものとして説明したが、例えば、図15のステップS1501〜ステップS1504、ステップS1507、ステップS1508の処理を行わず、ステップS1505において電子メールのソート、表示順の決定を行うようにしてもよい。つまり、時間情報を用いず、位置情報、距離の情報を用いて電子メールのソートを行うようにしてもよい。また、反対に、位置情報、距離情報を用いずに、電子メールより特定される時間情報(例えば、ステップS304で拡張ヘッダに書き込まれた時間情報)を用いて、電子メールのソート、表示順の決定を行うようにしてもよい。
また、電子メールから特定した時間情報が一定以上先の時間を示している場合、例えば、24時間以上先を示している場合、電子メールから特定した位置情報が携帯端末装置110の現在の位置から、他のメールの位置情報に比べて近い位置を示していたとしても、他のメールに対して優先的に表示する必要のない電子メールであると判断するようにしてもよい。
ここでいう一定以上先の時間は、外部メモリ211等に時間情報に基づいた表示の優先順位のテーブルである時間優先順位テーブル等を設け、当該時間優先順位テーブルに記憶させるものとする。(図17の時間優先順位テーブル1700を参照)。
この場合、時間優先順位テーブルが記憶される外部メモリ211は、メール受信サーバ100の外部メモリ211であってもよいし、携帯端末装置110の外部メモリ211であってもよい。
時間優先順位テーブルには、例えば、携帯端末装置110と電子メールから特定された位置との差である“距離”と、現在位置現在の時間と電子メールから特定された時間との差異である“時間差”と、表示の優先度を決める“優先順位”との組み合せ条件(表示組み合せ条件)が登録されているものとする。(図17の時間優先順位テーブル1700における距離1701、時間差1703、優先順位1704に該当)。
ここで図17を参照して、本発明の実施形態における、時間優先順位テーブルの構成の一例について説明する。図17は、本発明の実施形態における、時間優先順位テーブルの構成の一例を示す図である。当該時間優先順位テーブル1700は、予め設定されているものとする。また、当該時間優先順位テーブル1700の各値は、表示画面を介したユーザからの指示等に応じて、任意に設定可能であるものとする。
図17に示す通り、時間優先順位テーブル1700は距離1701、時間関係1702、時間差1703、優先順位1704等から構成されている。図17の時間優先順位テーブル1700は、距離1701、時間関係1702、時間差1703を組み合わせた組み合わせ条件を有し、それぞれの条件に合致する電子メールの表示の優先順位を決定するためのルールを設定したデータである。距離1701は、上述した通り、携帯端末装置110の位置と電子メールから特定された位置との差である距離である。
時間関係1702は、電子メールから取得した時間情報が、現在時間より後(after)を示すか、現在時間以前(before)を示すかを示している。時間差1703は、上述した通り、現在の時間と電子メールから特定された時間との差異である時間差を示す。優先順位1704は、上述した通り、距離1701、時間関係1702、時間差1703の条件を満たす電子メールの表示の優先度を決める優先順位を示す。
各項、条件として使用しない場合はnullの値が設定される。例えば、距離1701のみを基準として電子メールのソートを行う場合には、時間関係1702、時間差1703にはnullの値が設定される。尚、本実施形態において、当該優先順位テーブル1700に設定されてる条件に合致しない電子メールは、当該優先順位テーブル1700に設定されてる条件に合致する電子メールの後に、受信日時が近い順に表示するものとする。
また、本実施形態においては、距離1701=1km以内の未読の電子メールが2つ以上あった場合、距離が短い順に電子メールをソートするものとする。また、時間差1703=24h以内の電子メールが2つ以上あった場合、時間差が短い順に電子メールをソートするものとする。これは距離1701、時間差1703の値が上記とは別の値であったしても同じである。
例えば、時間優先順位テーブルに“距離=1km以内”+“時間差=現在以後1日以内”+“優先順位=1”という条件と、“距離=1km以内”“時間差=現在以前3日以内”+“優先順位=2”と、登録されている場合、現在位置から1km以内の距離にある位置情報の特定元の電子メールの中でも、現在時刻以降1日(24h)以内の時間情報の特定元の電子メールが、現在時刻以前3日(72h)以内の時間情報の取得元の電子メールに対し、優先的に表示するべくソートされる。
この場合、当該時間優先順位テーブルに登録された組み合せ条件に合致しないメールは、前記時間優先順位テーブルに登録された組み合せ条件に合致するメール以降に表示すべくソートされるものとする。以上が図17の、本発明の実施形態における時間優先順位テーブルの構成の一例についての説明である。尚、位置情報、距離情報を用いずに、電子メールより特定される時間情報(例えば、ステップS304で拡張ヘッダに書き込まれた時間情報)を用いて、電子メールのソート、表示順の決定を行うにあたり、例えば、図17の時間優先順位テーブル1700に「距離1701=null、時間関係1702=after、時間差1703=24h、優先順位1704=1」と「距離1701=null、時間関係1702=before、時間差1703=72h、優先順位1704=2」が設定されている場合、現在時刻よりも後の時間情報を有する電子メールであって、当該時間情報が現在時刻から24時間以内の電子メールを優先して表示し、その次に、現在時刻以前の時間情報を有する電子メールであって、当該時間情報が現在時刻から72時間以内の電子メールを優先して表示する。この場合、例えば、図15のステップS1504、S1507、S1508の処理を行わず、現ステップS1505の代わりに、電子メールから特定される時間情報と現在時刻との時間差が短い順に電子メールをソートする処理を実行する。
図14の説明に戻る。携帯端末装置110のCPU201は、ステップS1403で評価した電子メールに、直前の位置情報評価とは別の位置情報評価の履歴がある場合(ステップS1404で「はい」の場合)、即ち、未読メールを本メール表示処理で閲覧しようとする以前(直前に行われた、図12のステップS1204による位置情報評価処理以前)に、図12のステップS1204で位置情報評価処理が実施されている場合、ステップS1405に進む。
ステップS1405の強調表示処理は、基本的な動作はステップS1407で示した位置情報優先表示と同様である。このとき、複数の評価情報を持つ未読メールについて、即ち、利用者の移動に伴う評価情報の変化について強調表示を実施して未読メールを表示することを決定する(ステップS1405)。
例えば、当該メールの任意の評価情報における評価値が、メール表示時とその直前の位置情報評価処理で代表評価情報として選出されており、且つメール表示時の方がより良い評価値を持つ場合、即ち、現時点の方が評価対象となった拡張ヘッダに記載された位置情報に対して、より近くに移動してきたことがわかるため、前述したような装飾表示(強調表示)をさらに強調して表示することを決定する。
前述したとおり、強調表示には、例えば、電子メールの色を変えて表示したり、電子メールを強調すべくアイコンを表示したりする等の方法が考えられる。メールの表示方法、表示画面の一例については、図16の説明にて後述する。
ここで図16を参照して、本発明の実施形態における、メールを表示画面の構成の一例について説明する。図16は、本発明の実施形態における、メールを表示画面の構成の一例を示す図である。
図16に示す通り、メール表示画面1600は、電子メール1601、差出人1602、件名1603、場所1604、日時1605、受信日時1606、強調表示部1607、電子メール1608、電子メール1609、電子メール1610等から構成されている。
電子メール1601、電子メール1608〜1610は、未読の電子メールである。差出人1602は電子メールの差出人を示す。件名1603は電子メールの件名を示す。場所1604は、当該電子メールの位置情報を示す場所を示す。例えば、当該電子メール1601の代表評価情報の取得元となった文字列を表示するようにする。当該文字列は、メール受信サーバ100のCPU201が、予め電子メールの拡張ヘッダ1100に書き込んでおき、携帯端末装置110のCPU201が、これを取得することにより、表示可能である。尚、場所1604と共に表示される距離(代表評価情報)、例えば“(500m)”は、前記電子メールの位置情報と携帯端末装置110との間の距離を示している。
日時1605は、当該電子メール1601から特定された時間情報であり、拡張ヘッダ1100に書き込まれた時間情報である。受信日時1606は、当該電子メール1601の受信日時である。強調表示部1607は、電子メール1601を強調表示するアイコンを表示する表示部である。図16の強調表示部1607は、携帯端末が、当該電子メール1601の位置情報の示す位置、つまり、A株式会社に近づいていることを示すアイコンを表示している。
当該メール表示画面1600における電子メールの表示順について、時間優先順位テーブル1700を用いて説明する。尚、現在の日時は「2012年3月30日10:15:00」であるものとする。
電子メール1601、電子メール1608は、優先順位1704=1に該当するため、即ち、携帯端末装置110との距離が1km以内であり、電メールの時間情報(日時1605)が現在時刻後24時間以内の時間を示すメールであるため、電子メール1609、電子メール1610に優先して表示されている。また、電子メール1601の位置情報が示す位置と携帯端末装置110との距離の方が、電子メール1608との距離よりも近いため、電子メール1601は、電子メール1608に優先して表示されている。
電子メール1609は、優先順位=2に該当するため、即ち、携帯端末装置110との距離が1km以内であり、電メールの時間情報(日時1605)が現在時刻以前72時間以内の時間を示すメールであるため、電子メール1610に優先して表示されている。
電子メール1610は、優先順位1704=3に該当するため、即ち、携帯端末装置110との距離が2km以内であるため、携帯端末装置110との距離が2kmを超える他の電子メールに対して優先して表示されている。以上が図16の、本発明の実施形態における、メールを表示画面の構成の一例についての説明である。
尚、当該時間優先順位テーブル1700は、本実施例においては1つであるものとして説明しているが、複数あってもよいものとする。例えば、組み合せ条件が複数設定され、それぞれの条件に合致する電子メールの表示の優先順位が異なる時間優先順位テーブル1700を複数設け、それらのルール(時間優先順位テーブル1700)を表示画面などでユーザに選択させることにより、ユーザにより選択されたルール(時間優先順位テーブル1700)に従った電子メールの表示順の切り替えを行うようにしてもよい。これにより、例えば、仕事用のルールとして“距離が近い位置情報を有する電子メールを優先して表示するルール”と、行楽用のルールとして、“距離が遠い位置情報を有する電子メールを優先して表示するルール”とを使い分けることが出来る。つまり、目的や用途に応じて、ルール、表示順の使い分けが出来る。
例えば、表示画面1600にルールの選択ボタンのようなものを設け、当該ボタンの押下指示を受け付けることで、当該ボタンに対応したルール(時間優先順位テーブル1700)を用いて、ステップS1401〜S1409の電子メールのソート、表示処理を再実行し、電子メールの表示順を変更するようにしてもよい。つまり、不図示のルールA(時間優先順位テーブル1700−A)が位置情報のみに基づいて電子メールの表示順の決定を行うルールであり、不図示のルールB(時間優先順位テーブル1700−B)が時間情報のみに基づいて電子メールの表示順の決定を行うルールである場合、表示画面1600においてルールAに対応するボタンの押下を受け付けると、携帯端末装置110のCPU201は、位置情報のみを用いてステップS1401〜S1409、ステップS1505〜S1509の処理を再実行し、表示順を切り替える。表示画面1600においてルールBに対応するボタンの押下を受け付けると、携帯端末装置110のCPU201は、時間情報のみを用いてステップS1401〜S1409、ステップS1501〜S1509の処理を行い表示を切り替える。
また、メール表示時とその直前の位置情報評価処理で代表評価情報の選出対象が異なるような場合も考えられる。例えば、当該メールの署名欄に書かれた位置情報に対してメール取得時は近くにいたが、利用者の移動後にメール表示を実施したときには、当該メール本文中から抽出した位置情報の方が近くになっているような場合である。このような場合、より近くなったことを強調表示すると共に、遠くなった代表評価情報が存在することを併記するような強調表示を実施することを決定する。
また、ステップS1405の強調表示処理、及びステップS1407の位置情報優先表示とも、任意の閾値を参照して閾値を超える評価情報しか持たないメール、即ち、現在地から非常に遠い位置情報しか持たないメールについては、位置情報を利用したメール表示は実施しないことが望ましい。
また、例えば、当該メールの任意の評価情報における評価値が、メール表示時とその直前の位置情報評価処理で代表評価情報として選出されており、且つメール表示時の方がより良い評価値を持つ電子メール、即ち、現時点の方が評価対象となった拡張ヘッダに記載された位置情報に対して、より近くに移動してきたと判定された位置情報の特定元の電子メールの内、その移動距離が大きい順(距離が近くなった順)に電子メールを表示すべく、ソート処理を実行するようにしてもよい。
つまり、図14のステップS1404で、少なくとも2回以上評価情報が履歴に記憶されていると判定された電子メールについて、直前の評価情報と最新の評価情報を取得し、その距離が縮まったか否かを判定する。そして、距離が縮まったと判定した場合、当該縮まった距離(携帯端末装置110が電子メールの位置情報が示す位置に近づいた距離)を取得する。これらの処理を全ての未読メールに対して実行し、前記縮まった距離が大きい順に電子メールをソートする。こうすることで、携帯端末装置110が移動する先に近い位置情報を有する電子メールを、他の電子メールに対して優先して表示することが出来る。携帯端末装置110を所持し、移動しているユーザは、自らの移動先に存在するであろう場所、位置に係る内容を記した電子メールを確認することが出来る。
また、例えば、前記縮まった距離を算出するにあたり、直前の評価情報が算出された際の携帯端末装置110の位置から現在の端末装置の位置まで移動距離の情報と、前記移動距離が前記直前の評価情報の示す距離とを用いて、前記携帯端末装置110が、前記電子メールの位置情報が示す位置に近づいているか否かを判定し、近づいている距離が大きい順に電子メールをソートするようにしてもよい。
つまり、直前の評価情報が“2km”を示し、前記直前の評価情報が算出された位置から現在地までの距離(移動距離)が3kmであり、最新の(現在の)評価情報が“1km”を指している電子メールXと、直前の評価情報が“5km”を示し、前記直前の評価情報が算出された位置から現在地までの距離(移動距離)が3kmであり、最新の(現在の)評価情報が“2km”を指している電子メールYがあった場合、携帯端末110は、電子メールXの示す位置は既に通過しているものと判断し、表示の優先度を下げ、電子メールYの示す位置には近づいているものと判断し、優先順位を上げる制御を行う。
具体的には、電子メールX:2km(直前の評価情報)−3km(移動距離)=−1km(最新の評価情報)、電子メールY:5km(直前の評価情報)−3km(移動距離)=+2km(最新の評価情報)であり、解がプラスになった電子メールYを、解がマイナスになった電子メールXに対して優先して表示するようにする。こうすることで、携帯端末110が向かう先の位置の位置情報を有する電子メールを、優先的に表示させることが出来る。また、ここで記載している距離の算出方法の他に、例えば、携帯端末装置110のGPS機能等を用いて、直前の評価情報が算出された時点での携帯端末の位置情報と、現在の位置情報と、電子メールの示す位置を用いて、携帯端末装置110が電子メールの示す位置に近づいているか否かを判断するようにしてもよい。尚、複数の電子メールについて、算出された移動距離が同じである場合、最新の評価情報(携帯端末装置110と電子メールの示す位置との距離)が小さい順に電子メールをソートするものとする。
携帯端末装置110のCPU201は、全ての未読メールに対してステップS1404以下の処理を実行した場合は、前記ステップS1405、乃至、ステップS1407の処理による決定に基づいて、電子メール(メール表示画面1600)を表示画面に表示し(ステップS1409)処理を終了する。全ての未読メールに対してステップS1404以下の処理を実行していない場合は、ステップS1402に戻る。以上が図14の、本発明の実施形態における携帯端末装置110のメール表示処理についての説明である。
尚、本実施例においては、メール受信サーバ100においてメールから位置情報を特定して、拡張ヘッダとしてメールと対応付けて保存し、携帯端末装置110において、携帯端末装置110の位置情報と前記拡張ヘッダの位置情報とを用いて前記評価情報を算出したが、例えば、前述の処理を全て携帯端末装置110で行うようにしてもよい。
また、例えば、メール受信サーバ100において、メールから位置情報を特定して拡張ヘッダとしてメールと対応付けて保存し、携帯端末装置110から取得した携帯端末装置110の位置情報と前記拡張ヘッダの位置情報とを用いて前記評価情報を算出し、前記評価情報に基づいて表示すべきメールを決定し、携帯端末装置110に送信するようにしてもよい。
また、本実施例においては、メール受信サーバ100のCPU201、携帯端末装置110のCPU201は、メールから特定される位置情報のみを用いて電子メールの表示の優先順位を決定したが、優先順位の決定において、位置情報と時間情報を組み合わせて用いてもよい。
以上、説明したように、本発明によれば、電子メールから取得した情報を用いて効率歴なメールの提示を可能にする撮像装置、その制御方法、及びプログクラムを提供することができる。
また、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を取ることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成するシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な内容で構成されることは言うまでもない。
また、本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システム或いは装置に読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステム或いは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態及びその変形例を組み合わせた構成もすべて本発明に含まれるものである。
以下、明細書中のいずれの記載が、請求項中のいずれの記載に該当するかについて説明する。携帯端末装置110は表示装置210に表示画面を表示するための機能を有する(表示制御手段)。尚、当該表示制御手段を備える主体は、必ずしも携帯端末装置110でなくともよい。例えば、不図示のPC等のクライアント端末でもよい。
メール受信サーバ100のCPU201は、電子メールに含まれるメールアドレス、文字列を抽出して、位置情報を特定する(ステップS303/第1の位置情報特定手段)。尚、第1の位置情報特定手段に該当する構成・機能は、携帯端末装置110に搭載されていてもよい。
携帯端末装置110のCPU201は、GPS機能等により、携帯端末装置110の現在の位置情報を特定し(ステップS1302/第2の位置情報特定手段)、当該メールの文字列等から特定された位置情報と、携帯端末装置110の位置情報とに基づいて、前記電子メールの内、いずれの電子メールを優先的に表示するかを決定する(ステップS1405、ステップS1407/決定手段)。
尚、当該決定手段に該当するステップS1405、ステップS1407の処理は、メール受信サーバ100が備え、実行するものであってもよい。ステップS1302の携帯端末装置110の位置情報の取得を、携帯端末装置110から受信することでメール受信サーバ100側で実行し、ステップS1405、ステップS1407、ステップS1408の処理をメール受信サーバ側で実行することで、携帯端末装置110のCPU201の処理を、メール受信サーバ100側で決定された電子メールの表示順、表示方法の決定結果を受信する受信処理、及び、当該決定結果に従ってステップS1409の表示処理の2つにとどめることが出来る。
メール受信サーバ100のCPU201は、電子メールから前記第1の位置情報を特定するにあたり、電子メール内の文字情報を抽出する(ステップS407、ステップS504、ステップS506、ステップS507、ステップS801/抽出手段)。尚、当該抽出手段は、携帯端末装置110が備えるものであってもよい。
メール受信サーバ100のCPU201は、抽出した文字列が“住所”のような、位置情報そのものを示す文字列である場合(文字列判定手段)、当該文字列を図6の住所605に設定し、位置情報607(第1の位置情報)を取得する(請求項6の第1の位置情報特定手段)。尚、当該文字列判定手段は、携帯端末装置110が備え、判定するものであってもよい。
メール受信サーバ100のCPU201は、抽出した文字列が“住所”のような、位置情報そのものを示す文字列でない場合(文字列判定手段)、例えば、“弊社”という文字列であるキーワード604が抽出された場合、前記“弊社”に関連する、位置情報を示す情報を取得する(ステップS409、図6のキーワード604から氏名602、組織名603、住所605、場所606)。文字列判定手段は、携帯端末装置110が備え、実行するものであってもよい。ステップS409の処理は、携帯端末装置110のCPU201が携帯端末装置110内で実行するようにしてもよい。
つまり、キーワード604“弊社”から、“株式会社A”という組織名603が特定された場合で、電子メールの署名欄に“株式会社A ××県○○市”という住所が記載されている場合、当該キーワード604“弊社”の示す位置情報607を、電子メールより抽出した署名欄の住所605を取得し(文字列取得手段)、経由して特定する(請求項2の第1の位置情報特定手段)ことも可能である。
尚、当該文字列にはメールアドレスや、メール本文、署名欄、電子メールに添付された添付ファイルを読み出すことで得られる文字列をも含む。抽出した文字列がメールアドレスである場合、メール受信サーバ100のCPU201は、メール受信サーバ100、又は携帯端末装置110の外部メモリ211に記憶されたアドレス帳に登録されている前記抽出したアドレス、又は、抽出したアドレスのドメインと一致するアドレスの、住所の情報を参照して、前記第1の位置情報を特定する(対応位置情報記憶手段、請求項5の第1の位置情報特定手段)。尚、対応位置情報記憶手段は、携帯端末装置110のCPU201が備える者であってもよい。
また、当該抽出手段で抽出した文字列が、いずれの他の文字列に関連しているかは、図7に示す係り受け解析にて特定する(関連文字列特定手段、係り受け特定手段)。本実施例においては、当該関連文字列特定手段、係り受け特定手段は、メール受信サーバ100が備え、処理を実行するものであるが、携帯端末装置110が備え、実行するようにしてもよい。
携帯端末装置110のCPU201は、当該第1の位置情報と、携帯端末装置110の位置を示す第2の位置情報との間の距離を算出し(ステップS1305/距離算出手段)、当該距離の小さい順に電子メールをソートして、当該ソートした順に、前記電子メールを携帯端末装置110の表示画面に表示することを決定する(ステップS1407/請求項7の決定手段)。尚、当該距離算出手段、決定手段は、メール受信サーバ100に備えるようにしてもよい。
また、電子メールから複数の第1の位置情報を特定した場合、各第1の位置情報の特定元である文字列、文字列の属するグループとしての抽出箇所902や状態903が、メール受信サーバ100乃至携帯端末装置110の外部メモリ211に記憶された不図示の優先順位テーブル(条件記憶手段)に設定された文字列である文字列条件と、抽出箇所902、状態903であるグループ条件と合致するか否かを判定する(条件合致判定手段)。尚、条件合致判定手段は、携帯端末装置110が備えても良いし、メール受信サーバ100が備えてもよい。
そして、携帯端末装置110のCPU201は、条件に合致した各文字列、グループの内、最も優先順位の高い文字列条件、グループ条件に合致した文字列、グループから特定された位置情報607を前記距離算出手段において距離情報を算出するために用いる第1の位置情報(代表評価情報)として選出、特定する(ステップS1310/第3の位置情報特定手段)。当該第3の位置情報特定手段は、メール受信サーバ100に備えられていてもよい。
また、例えば携帯端末装置110の位置が移動し、前記第1の位置情報と、前記第2の位置情報との間の距離に変化が生じた場合、携帯端末装置110のCPU201は、当該移動距離を算出し、当該移動距離の大きさの順に電子メールをソートして、表示画面に表示させるべく制御することを決定する(ステップS1405/移動距離算出手段、請求項11の決定手段)。尚、移動距離算出手段、請求項11の決定手段は、メール受信サーバ100に備えるようにしてもよい。
この場合、例えば、前記第1の位置情報と前記第の2位置情報の距離が近づいた前記移動距離であって、当該移動距離が大きい順にソートする(請求項12の決定手段)。こうすることで、携帯端末装置110を持つユーザが近づいている位置の情報をもつ電子メールを優先的に表示画面に表示できる。
更に、メール受信サーバ100のCPU201は、電子メールから時間情報を特定する(第1の時間情報特定手段)。例えば前記電子メールに記載されている“打ち合わせ”の開始時間を示す時間情報を特定する。そして、メール受信サーバ100のCPU201は、現在時刻を取得し(第2の時間情報特定手段)、打ち合わせの開始時間が現在時刻以降の時間かを判定し、打ち合わせの開始時間が現在時刻以降の時間である場合に、当該打ち合わせの開始時間の特定元の電子メールを他のメールに優先して表示画面に表示させるべきメールとして決定する(請求項8、請求項11の決定手段)。
尚、第1の時間情報特定手段、第2の時間情報特定手段、請求項8、請求項11の決定手段は、携帯端末装置110に備えるようにしてもよい。
この場合、電子メールの表示の優先順位は、メール受信サーバ100乃至携帯端末装置110の外部メモリ211等に記憶された、時間情報に基づいた表示の優先順位のテーブルである時間優先順位テーブルに記憶させるものとする(時間順優先順位記憶手段)。
携帯端末装置110のCPU201は、前記第1の時間情報と第2の時間情報の差の時間を算出し(時間差算出手段)、当該時間優先順位テーブルに設定された、当該差の時間である時間条件と、当該時間条件に対応する優先順位との組み合せを参照して、合致判定を行う(表示条件合致判定手段)。尚、表示条件合致判定手段は、メール受信サーバ100に備えられていてもよい。
そして、条件に合致した差の時間の特定元である第1の時間情報に対応した電子メールを、他のメールに対して優先的に表示する電子メールとして決定する(請求項10の決定手段)。
上述した処理、手段の全てを携帯端末装置110で行うことによって、メール受信サーバ100の処理を介することなく、携帯端末装置110単体で、本発明を実現することが出来る。
また、本発明における図1〜図13の全ての処理と、図14のステップS1409の表示処理以外の処理をメール受信サーバ100で行うことで、携帯端末装置110の行う処理を、メール受信サーバ100で決定した電子メールの表示の優先順位と、当該優先順位に沿った表示の実行処理のみにとどめることが出来る。
以上が、明細書中のいずれの記載が、請求項中のいずれの記載に該当するかについての説明である。