JP5997527B2 - 微量液体吐出装置および微量液体吐出方法 - Google Patents
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Description
LEDの製造工程においては、例えばシリコーン樹脂よりなる液状の主剤と液状の硬化剤とを適切に配分し、そこに蛍光体材料の粉末を混入させて混練した後にLEDチップに充填するという工程が存在する。このとき、各液体材料および粉末材料の配分率は、厳密な精度を要求され、例えばmgレベルでの各材料の計量が必要となっている。例えば、上記の工程においては、各々例えば0.1gから20gの量の材料を、例えばおよそ0.3mg以下の精度で定量することが必要とされている。
当該容積回転式一軸偏心ねじポンプは、吐出口を有する吐出部と、当該吐出部の吐出口に一定量の粘性液体を移送するポンプ部とを有し、当該吐出部は、前記粘性液体に対して高圧気体を噴射して前記吐出口より当該粘性液体を放出させる高圧気体噴射手段を具えており、
当該高圧気体噴射手段は、前記吐出部において先端が当該吐出部の吐出口の開口端縁より外方に突出し、当該吐出口に対する位置が固定された状態で配置された、当該吐出口の開口径より小径の高圧気体噴射用ノズルにより構成されており、
前記ポンプ部が、吐出動作および当該吐出動作より粘性液体の移送量が少ない条件に設定された吸引動作が連続して行われるよう、駆動されることにより、前記吐出部の吐出口に皮膜状の粘性液体が当該ポンプ部内の粘性液体と非連続な状態で供給されることを特徴とする。
前記ポンプ部を、吐出動作および当該吐出動作より粘性液体の搬送量が少ない条件に設定された吸引動作が連続して行われるよう、駆動させることによって、前記吐出部における吐出口に皮膜状の粘性液体を当該ポンプ部内の粘性液体と非連続な状態で供給することを特徴とする。
前記吸引動作時においては、当該ステッピングモータを吐出動作時より少ないステップパルス数で動作させることが好ましい。
図1は、本発明の微量液体吐出装置におけるポンプの一構成例を概略的に示す図、図2は、図1に示すポンプの要部を概略的に示す、(a)(b)におけるA−A線端面図、(b)ステータの中心軸に沿った断面図である。
この微量液体吐出装置は、吐出動作および吸引動作が切替自在に構成されたポンプ10を具えている。ポンプ10は、例えば容積回転式一軸偏心ねじポンプにより構成されており、円柱状のポンプ部20と、このポンプ部20の一端に連続する吸込部30と、この吸込部30の一端に連続する駆動部40と、ポンプ部20の他端に連続する吐出部50とを有する。
ステータ22には、開口断面が長円形の雌ねじ孔23がケーシング21の長手方向に連続して形成されている。
そして、ステータ22の雌ねじ孔23内には、円形断面で雌ねじ孔23の1/2のピッチを有する雄ねじ状の金属よりなるロータ25が、回動自在に嵌挿されており、これにより、ステータ22の雌ねじ孔23の内周面と、ロータ25との外周面との間にキャビティCが形成されている。
そして、ケーシング31内には、ユニバーサルジョイントよりなる連結器35が、その連結軸(図示せず)がケーシング31の中心軸線に沿って延びるよう配置されている。連結器35の連結軸の一端は、駆動部40を構成する駆動源の駆動軸に連結されており、連結軸の他端は、ロータ25の一端に連結されている。
吐出ヘッド51は、一端(基端)がポンプ部20に連続して軸方向に延びる円筒状の軸部52と、当該軸部52の他端(先端)に連続する、先端に向かうに従って小径となるテーパ部53とを有し、軸部52の周面に高圧気体導入部54が設けられている。
高圧気体噴射手段は、吐出ヘッド51の内部に配置された高圧気体噴射用ノズル55を具えている。この例における高圧気体噴射用ノズル55は、例えば先端が吐出ヘッド51の吐出口51Aの開口端縁より軸方向外方に突出する状態で吐出ヘッド51の中心軸に沿って延び、基端部が径方向に屈曲されて吐出ヘッド51の軸部52を気密に貫通して高圧気体導入部54に接続された状態で、設けられている。高圧気体噴射用ノズル55は、適宜のチューブを介して高圧気体供給源(図示せず)に連結されている。
この例のように、高圧気体噴射用ノズル55の先端が吐出ヘッド51の吐出口51Aの開口端縁より突出した状態で配置される場合には、高圧気体噴射用ノズル55の、吐出ヘッド51の吐出口51Aの開口端縁より突出する部分の長さは、例えば2mm以下とされることが好ましい。高圧気体噴射用ノズル55は、その先端が吐出ヘッド51の吐出口51Aの開口端縁より突出した状態で配置される必要はなく、その先端面の位置が吐出ヘッド51の吐出口51Aの開口端縁の位置に対して−0.5〜2mmの範囲内に位置された構成とされていればよい。これにより、後述するように、微少量の粘性液体を吐出するに際して、ポンプ部20より供給される皮膜状の粘性液体を確実に吐出することができる。
この微量液体吐出装置は、例えばポンプ10が吐出部50が下方に位置される状態で鉛直方向に延びる姿勢で用いられる。
ポンプ10におけるロータ25をステータ22内で所定方向に回転させると、ステータ22の軸方向の各断面において、ロータ25はその中心Mrのまわりを回転しながら、ステータ22の長円形の雌ねじ孔23内を往復運動し、これにより、粘性液体が連続して定量的に移送されることとなる。
然るに、上記の微量液体吐出装置においては、例えば微少量の粘性液体の吐出にあっては、吐出動作および当該吐出動作より粘性液体の移送量が少ない条件に設定された吸引動作が連続して行われるようポンプ部20が駆動されることにより、吐出ヘッド51における吐出口51Aに皮膜状の粘性液体が供給される。
すなわち、先ず、ロータ25を正転方向にステップパルス数aで回転駆動させることにより、図3(a)に示すように、粘性液体Vfが吸込部30から吐出ヘッド51に移送され(吐出動作)、ポンプ部20の出口より液滴として吐出ヘッド51に供給される。次いで、ロータ25を逆転方向にステップパルス数b(<a)で回転駆動させることにより、粘性液体Vfが吐出ヘッド51から吸込部30に向かって移送され(吸引動作)、これにより、図3(b)に示すように、ステップパルス数の差(a−b)に応じた所定量の粘性液体Vfが、高圧気体噴射用ノズル55の先端開口を含む、吐出ヘッド51の吐出口51Aに、皮膜を形成するよう残留する。このとき、粘性液体Vfは、表面張力の作用によって、吐出ヘッド51の吐出口51Aより放出されることはなく、また、空隙Sの存在によって、吐出ヘッド51の空間内およびポンプ内の粘性液体と非連続な状態とされる。
高圧気体の噴射条件は、例えば、高圧気体噴射用ノズル55の外径を例えば1〜2mm、穴径(内径)を例えば0.5〜1mm、吐出ヘッド51の吐出口51Aの内径を例えば2〜5mmとすると、噴射される気体(高圧空気)の圧力が例えば0.1〜0.5MPa程度であり、噴射時間が例えば0.1秒〜5秒間である。
なお、この微量液体吐出装置においては、高圧気体噴射手段を作動させることなく、通常のポンプ動作、すなわち、制御された回転数でのロータ25の正転駆動により、例えばグラムレベルの多量の粘性液体を吐出することもできる。
また、微少量の吐出に際してポンプ自体を小型・小容量のものとする必要がないので、例えばグラムレベルの多量の吐出は、通常のポンプ動作により行うことができ、従って、装置を複雑化、大型化することなく、微少量の吐出から多量の吐出まで対応することができる。
20 ポンプ部
21 ケーシング
22 ステータ
23 雌ねじ孔
25 ロータ
30 吸込部
31 ケーシング
32 粘性液体導入部
35 連結器
40 駆動部
41 ステッピングモータ
50 吐出部
51 吐出ヘッド
51A 吐出口
52 軸部
53 テーパ部
54 高圧気体導入部
55 高圧気体噴射用ノズル
C キャビティ
Mr ロータの断面中心
Mrh ロータの回転中心(偏心中心)
Ms ステータの中心
e 偏心量
Vf 粘性液体
S 空隙
Claims (6)
- 吐出動作および吸引動作が切替自在に構成された、容積回転式一軸偏心ねじポンプを具えてなり、
当該容積回転式一軸偏心ねじポンプは、吐出口を有する吐出部と、当該吐出部の吐出口に一定量の粘性液体を移送するポンプ部とを有し、当該吐出部は、前記粘性液体に対して高圧気体を噴射して前記吐出口より当該粘性液体を放出させる高圧気体噴射手段を具えており、
当該高圧気体噴射手段は、前記吐出部において先端が当該吐出部の吐出口の開口端縁より外方に突出し、当該吐出口に対する位置が固定された状態で配置された、当該吐出口の開口径より小径の高圧気体噴射用ノズルにより構成されており、
前記ポンプ部が、吐出動作および当該吐出動作より粘性液体の移送量が少ない条件に設定された吸引動作が連続して行われるよう、駆動されることにより、前記吐出部の吐出口に皮膜状の粘性液体が当該ポンプ部内の粘性液体と非連続な状態で供給されることを特徴とする微量液体吐出装置。 - 前記ポンプ部を駆動する駆動源としてステッピングモータを具えており、前記吸引動作時においては、当該ステッピングモータが吐出動作時より少ないステップパルス数で動作されることを特徴とする請求項1に記載の微量液体吐出装置。
- 前記高圧気体噴射用ノズルの、前記吐出部の吐出口の開口端縁より突出する部分の長さが2mm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微量液体吐出装置。
- 吐出口を有する吐出部および当該吐出部に一定量の粘性液体を移送するポンプ部を有し、前記吐出部が、先端が当該吐出口の開口端縁より外方に突出し、当該吐出口に対する位置が固定された状態で配置された、当該吐出口の開口径より小径の高圧気体噴射用ノズルにより構成された高圧気体噴射手段を具えてなり、吐出動作および吸引動作が切替自在に構成された容積回転式一軸偏心ねじポンプを用い、前記ポンプ部より前記吐出部に移送された粘性液体に対して前記高圧気体噴射手段によって高圧気体を噴射することにより当該粘性液体を放出させる微量液体吐出方法であって、
前記ポンプ部を、吐出動作および当該吐出動作より粘性液体の搬送量が少ない条件に設定された吸引動作が連続して行われるよう、駆動させることによって、前記吐出部における吐出口に皮膜状の粘性液体を当該ポンプ部内の粘性液体と非連続な状態で供給することを特徴とする微量液体吐出方法。 - 前記容積回転式一軸偏心ねじポンプを駆動させる駆動源としてステッピングモータが用いられ、
前記吸引動作時においては、当該ステッピングモータを吐出動作時より少ないステップパルス数で動作させることを特徴とする請求項4に記載の微量液体吐出方法。 - 高圧気体の、前記皮膜状の粘性液体に対する噴射を、当該高圧気体噴射用ノズルの、前記吐出部の吐出口の開口端縁より突出する部分の長さが2mm以下となる状態において、行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の微量液体吐出方法。
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