以下の詳細な記載を通して、同様の参照符号は、全ての図面で同等の要素を指す。
本発明は、感光性要素から印刷版を形成する方法、特に、感光性要素から凸版印刷版を形成する方法に関する。いくつかの実施形態において、得られた印刷版は、特に、フレキソ印刷版および活版印刷版としての使用を含む凸版印刷に適するレリーフパターンを含む。凸版印刷は、印刷版が像領域から印刷し、印刷版の像領域は凸状であり、そして非像領域は凹状である印刷方法である。いくつかの実施形態において、印刷版は、グラビアまたはグラビア様印刷に適切である。グラビア印刷は、印刷版が像領域から印刷し、像領域は凹状であり、かつインクまたは印刷材料を含有する小さい凹状カップまたは孔からなり、そして非像領域はフォームの表面である印刷方法である。グラビア様印刷は、凸版印刷版が使用され、像領域は凹状であり、かつ印刷間に転移するインクを搬送する凹状領域を形成する孔からなることを除き、グラビア印刷と同様である。本発明は、いずれかの目的のために、層の少なくとも一部分を溶融、軟化または液化して、液化材料の部分を除去するために十分な温度まで、部分的に液化可能な組成物の層を有する感光性要素を熱処理するための方法および装置も考える。特に、本方法および装置は、コア部材と現像媒体との間に配置された圧縮可能なカラーを有するコア部材によって担持される現像媒体を使用して、要素を熱現像する。
感光性要素の熱処理の間、コア部材と現像媒体との間に挿入される、本明細書に記載される特定の特性を有する圧縮可能なカラーの存在は、システムの操作、ならびに得られる印刷版にいくつかの利点を提供する。圧縮可能なカラーの存在は、凹状領域において感光性要素から未硬化(すなわち、未照射)材料の除去を促進する。カラーの圧縮性は、感光性要素に形成するレリーフ表面に、特に後期の加熱および接触のサイクルの間、印刷版の最も深いレリーフ深さが達成される時に、改善された適合を提供する。現像媒体の背面(すなわち、感光性要素と接触する現像媒体の側面の反対)に配置される圧縮可能なカラーによって、一般に、(以前の熱現像システムと比較して)未硬化材料を除去するために、コア部材によってニップにおいて適用されることが必要とされる力の程度を低下させる。要素の背面下のドラム表面上のエラストマー層の代わりに、感光性要素の前面(すなわち外部表面)と相互作用する圧縮可能なカラーによって熱現像システムの圧縮性を有することによって、要素のベース支持体を平面に維持することができ、すなわち、熱現像のサイクルを通して、撓曲または屈曲を回避する。これはまた、ドラム表面からエラストマー層の除去を可能にし、感光性要素のベース支持体は、非断熱性表面または任意選択的に冷却されたドラム表面と完全に接触することができる。次いで、組成物層が未照射組成物を溶融するために十分な温度まで加熱されながら、ベース支持体が歪曲および/または収縮する温度(ガラス転移温度および/または焼なまし温度)未満の温度にベース支持体をより良好に維持することができる。ニップにおいて現像媒体とコア部材との間で配置される圧縮可能なカラーの存在は、現像媒体(およびその線形輸送速度)とプロセスニップ(ならびにドラムおよびコア部材であるニップを形成するロールの表面速度)との間の移動速度の像依存性の不適当な組合せを回避または低下させる。本方法および装置は、感光性要素のベース支持体の変形、歪曲および/または収縮が低下または排除され、ならびに/あるいは得られた印刷版の波および/または折り目が低下または排除される印刷版を提供する。
熱処理(熱現像と記載されてよい)によって感光性要素は現像温度まで加熱され、それによって、組成物層の未照射、すなわち、未硬化部分は、液化、すなわち、溶融、軟化または流動し、そして現像媒体との接触によって運搬されるか、または除去される。現像媒体は本明細書中で、現像材料、吸収性材料、吸収性ウェブ、現像ウェブおよびウェブとして記載されてもよい。感光性層の照射部分(すなわち硬化部分)は、未照射部分(すなわち未硬化部分)よりも高い溶融または軟化または液化温度を有し、したがって、熱現像温度で溶融、軟化または流動しない。フレキソ印刷版を形成するための感光性要素の熱現像は、米国特許第5,015,556号明細書、米国特許第5,175,072号明細書、米国特許第5,215,859号明細書、および国際公開第98/13730号パンフレットに記載される。感光性要素は、部分的に液化可能である光重合性組成物の層、および、ほとんどの実施形態において、光重合性層に隣接するベース支持体(または単に支持体)を含む。感光性要素は、ベース支持体の反対側の側面に外部表面を有する。
本方法は、感光性要素の外部表面に隣接するコア部材によって現像媒体を担持することを含む。コア部材は、装置での媒体の輸送の間、感光性要素に隣接するその経路上で現像媒体を担持し、そして熱現像の間に関しては、感光性要素の外部表面と接触して現像媒体を担持する。コア部材は、限定されないが、例えば、楕円形、凸面および凹状表面を含む円弧形、ドーム形、円筒形、半円筒形、ウェッジ形および長方形を含むことができる断面形状を有する。米国特許出願公開第2006/0027113A1号明細書に開示される非円筒形の支持体部材は、コア部材の別の実施形態としての使用のために適切である。コア部材の形状は、対称形または非対称であることが可能である。コア部材は固体であってもよく、キャビティ(図示せず)を含んでもよい。キャビティは、支持体部材の熱供給源、または加熱された流体の循環供給源を収容するために使用することができる。コア部材は、温度変化に対するより迅速な応答を有するように、または望ましくない位置で熱損失を最小化するように、その重量を最小化するため、そして/またはその熱容量を最小化するためにキャビティを有することもできる。コア部材を構成する材料は、限定されないが、鋼、板金、鋳造金属、機械加工された金属、合金、ポリマー複合材料、熱可塑性材料、熱硬化性材料およびそれらの組み合わせが含まれる。コア部材のために選択される材料は、熱プロセスに関連する温度における熱歪曲に耐性を示し、かつプロセスの操作力下で、転移、すなわち、屈曲および捻転に抵抗することが可能でなければならない。
ほとんどの実施形態において、コア部材は円形断面形状を有し、すなわち、コア部材は円筒形状を有し、そしてローラーと同様または実質的に同様にその縦方向の軸の周囲を完全に回転する。別の実施形態において、コア部材は、感光性要素への現像媒体の接触の間、ある程度、しかし、回転を完了するほど多くない程度、すなわち、数度で移動することによって、その縦方向の軸に沿って部分的に回転してもよいか、または回転せずに固定したままであってもよい。
約0.4未満のポアソン比を有する独立気泡フォームの圧縮可能なカラーは、コア部材と現像媒体との間で配置される。ほとんどの実施形態において、感光性要素と接触するように現像媒体を支持するために、カラーとコア部材との組み合わせが一体となって作用するように、圧縮可能なカラーはコア部材と一体である。いくつかの実施形態において、圧縮可能なカラーは、使用中の変化に適合するように圧縮可能なカラーの置換を促進するため、コア部材から除去可能である。いくつかの他の実施形態において、圧縮可能なカラーはコア部材に積層される。コア部材および圧縮可能なカラーは、一緒に、圧縮可能なカラーを有するコア部材と感光性要素を運搬するドラムとの間のニップにおいて、感光性要素の外部表面への現像媒体の圧力接触を提供する。圧縮可能なカラーは、コア部材の最外部表面の全体または一部においてカバーを提供することができる。感光性要素への現像媒体の接触の間、コア部材の移動の範囲、すなわち、全回転、部分的回転、または固定を通して、圧縮可能なカラーがコア部材と現像媒体との間で配置されるように、圧縮可能なカラーは十分にコア部材の最外部表面をカバーする。コア部材が円筒形であって、回転する実施形態において、圧縮可能なカラーは、コア部材の円周表面をカバーするか、または取り囲む。圧縮可能なカラーは、感光性要素の外部表面と接触する現像媒体の前面の反対側である、現像媒体の背面と接触する外部表面を有する。単純さのため、そして特記されない限り、コア部材の別の形状、コア部材の完全に満たない回転または無回転、および圧縮可能なカラーによる部分的なカバー率が考えられる場合であっても、コア部材およびコア部材上またはコア部材に隣接する圧縮可能なカラーはローラーと呼ばれる。コア部材および圧縮可能なカラーから構成されるローラーは、圧力ローラー、ホットローラー、ニップローラーとして本明細書に記載されてもよい。コア部材および圧縮可能なカラーは、支持体部材と呼ばれてもよく、つまり、ニップへと現像媒体を支持する部材を形成するために組み合わせられる構成部分である。
カラーは圧縮可能であり、すなわち、力の適用時に体積低下が可能である。力は、感光性要素を運搬するドラムと、圧縮可能なカラー上または圧縮可能なカラーに隣接して現像媒体を支持するコア部材との間でのニップにおいて現像媒体と感光性要素との間の接触時に適用される。コア部材と現像媒体との間で配置される独立気泡フォームの圧縮可能なカラーは、熱現像によるエラストマー感光性要素からの未硬化材料の除去のために適切な特性のバランスを提供する。圧縮可能なカラーは、未硬化材料の現像媒体による除去を促進するために要素において形成するレリーフ構造の深さおよび形状に適合するために十分な程度まで、そして形成するレリーフ構造の歪曲または変形および/またはベース支持体のしわもしくは折り目を回避または低下させる圧力および残留時間で、ニップにおいて圧縮可能である。フォームは、0.4未満のポアソン比によって決定される所望の圧縮性をカラーに提供するが、フォームの細孔は、フォームが崩壊することなく25%の圧縮力撓みによって決定されるように、力の適用時に内部強度を提供する独立気泡である。いくつかの場合、独立気泡フォームは、産業において独立気泡スポンジとして言及されてもよい。一般に、フォームは、固体中に気体のポケットを捕捉することによって形成される物質である。独立気泡フォームにおいて、気体は、それぞれが固体材料のフィルムによって完全に包囲された分離したポケットを形成し、すなわち、ポケットは、その壁によって完全に封じ込められた気泡であり、そして他の気泡と相互に連結しない。
ポアソン比は、相対的な伸長歪み(または適用された負荷の方向における軸方向歪み)で割られる相対的な収縮歪み(または適用された負荷に垂直である横方向歪み)の比率である。材料の試料を一方向で引き伸ばした場合、材料は、その他の2方向で収縮する(または、まれに膨張する)傾向がある。反対に、材料の試料が一方向で圧縮される場合、材料は、他の2方向で膨張する(または、まれに収縮する)傾向がある。ポアソン比(ν)は、材料が、それぞれ、他の1つの寸法で圧縮または引き伸ばされる時に、材料が2つの寸法において膨張(または収縮)する傾向の基準である。本例において、ポアソン比は、フォームが他の寸法で、すなわち軸方向で圧縮される場合に、圧縮可能な独立気泡フォームが2つの寸法において、すなわち横方向で膨張する傾向の基準である。特に要素の加熱および接触させる後期のサイクルの間未硬化材料が徹底的に除去されるように、圧縮可能なカラーは圧縮して、現像媒体を感光性要素の凹状部分と接触させる。
本発明に関して、ポアソン比は以下の試験方法によって決定される。
試料調製
圧縮可能な独立気泡フォームは、フォームから、適用された負荷に垂直の1.0平方インチの公称断面積を有する直角の四角形のプリズム(公称、長さ1.0インチ×幅1.0インチの正方形)に試験片を切断することによって、試験用に調製される。試験片の厚さはフォームの厚さと考えられる。試験片を切断するためにカミソリを使用する。フォームから複数の試験片が切断されて試験されてもよく、その結果は平均化される。寸法は、1.0ミルまたはそれより良好な解像度を有するカリパスで測定される。
試験準備
それぞれの試験片を圧縮するために、MTS TestWorks4を備えたInstron Corp.(Massachusetts,USA)からInstron Model 1125によって提供される定速伸長(CRE)負荷フレームを使用する。Precision−groundプラテンは、負荷をフォーム試験片に導入するために使用され、そして試験の間に試験片全体で接触を確実にするためにも調節される。配列は+/−1.0ミルである。クロスヘッド速度は0.125インチ/分である。ポアソン比の測定は負荷に依存しないが、試験のために使用される負荷環境は試験されるフォームに基づき調節されてもよい。いくつかのフォームに関して、200ポンド力(lbf)フルスケール負荷セルが使用され、そして他のフォームに関して、10,000lbfスケールが使用される。フォーム試験片は2つのプラテン間に配置され、そして試験は開始される。試験片の変形は、試験片上の負荷が増加すると、特定の軸方向歪み%で得られ、それによって試験片上で横方向歪みおよび軸方向歪みがもたらされる。軸方向歪みは適用された負荷の方向にあり、そして横方向の歪みは適用された負荷に対して垂直である。
試験測定
横方向および軸方向歪みを測定するために、光学的技術が使用されることが好ましい。負荷を適用する時に2つのプラテンの間で試験片の横断面の像を得るため、カメラ(100mmプライムレンズを備えたCanon 10D)を配置する。試験片の一連の静止画像は、0、10、20、30、40、50%の軸方向歪みで得られる。その後、それぞれの軸方向歪みにおける試験片の変形した形状を分析するために、これらの像をソフトウェアプログラム、WinROOF、Version 5.7.2(三谷商事株式会社、日本)にインポートする。ソフトウェアは、得られた像上の位置を空間的な測定に翻訳する機能を有し、試験片の幾何学を定義するために使用される一組のx−y座標対として示される。それぞれの軸方向歪みパーセントで、ソフトウェアは、圧縮したフォームの得られた像から、変形した試験片を表し、x−y座標対によって表される一組の点を含有する処理された像を生じる。それぞれの軸方向歪み%における圧縮試験片(すなわち変形した試験片)の処理された像の幾何学は、0(ゼロ)軸方向%における試験片の処理された像の幾何学と比較され、そして圧縮試験片の軸方向および横方向の変形は測定されて、パーセントとして記録される。
ポアソン比の計算
圧縮試験片の軸方向歪み(パーセント)および横方向歪み(パーセント)を、x−y散乱プロット上でプロットする。これは処理された画像データからの最大歪み値として解釈される。線形回帰適合は、0から最大%軸方向歪みまでのデータを通して描かれ、それは線形または実質的に線形関係を表し、すなわち、曲線形状の前に非線形であり、そして方程式が得られる。ほとんどの実施形態において、線形回帰適合は、0から約30%の軸方向歪みまでのデータを通して描かれ(約30%の軸方向歪みを越えるデータは無視される)、そしてそれがポアソン比のための基礎となる。他の実施形態において、線形回帰適合は、0から約20%の軸方向歪みまでのデータを通して描かれ(そして約20%の軸方向歪みを越えるデータは無視される)、そしてそれがポアソン比のための基礎となる。なお他の実施形態において、線形回帰適合は、0から約40%の軸方向歪みまでのデータを通して描かれ、(そして約40%の軸方向歪みを越えるデータは無視される)、そしてそれがポアソン比のための基礎となる。回帰式からの適合の勾配は、このフォーム試験片に関して負のポアソン比である。
圧縮可能なカラーは、以下の値のいずれかの2つの間であって、任意選択的にその値を含むポアソン比を有する:0.40、0.39、0.38、0.37、0.36、0.35、0.34、0.33、0.32、0.31、0.30、0.29、0.28、0.27、0.26、0.25、0.24、0.23、0.22、0.21、0.20、0.19、0.18、0.17、0.16、0.15、0.14、0.13、0.12、0.11、0.10、0.09、0.08、0.07、0.06および0.05。ほとんどの実施形態において、圧縮可能なカラーは、約0.40〜約0.10のポアソン比を有する。いくつかの実施形態において、圧縮可能なカラーは、約0.40〜約0.20のポアソン比を有する。他の実施形態において、圧縮可能なカラーは、約0.35〜約0.15のポアソン比を有する。なお他の実施形態において、圧縮可能なカラーは、約0.35〜約0.11のポアソン比を有する。さらに他の実施形態において、圧縮可能なカラーは、約0.33〜約0.15のポアソン比を有する。
独立気泡フォームの圧縮可能なカラーは、試験方法ASTM D−1056によって決定されるように、25%の撓みで約25〜約85ポンド/平方インチ(psi)の圧縮力撓み(CFD)を有する。いくつかの実施形態において、圧縮可能なカラーの圧縮力撓みは、25%の撓みで約35〜約70psiである。いくつかの他の実施形態において、圧縮可能なカラーの圧縮力撓みは、25%の撓みで約50〜約70psiである。圧縮力撓みは、試料の全表面積が圧縮される時の材料の試料の圧縮に対する抵抗の決定である。本例において、25%の撓みまで独立気泡フォームの規格化された径の試料を圧縮する力が測定される。25%の撓みで25〜85psiの圧縮力撓みは、未硬化材料の除去のためにカラーがプレートの凹状部分に現像媒体を移動するために十分であるが、レリーフ構造の微細な凸状部分、例えば、細線および孤立ドットを極端に屈曲または破損するほど大きくない力を有するように、圧縮力と強度とのバランスを有する圧縮可能なカラーを提供する。独立気泡フォームが25%の撓みで約25psi未満である圧縮力撓みを有する場合、圧縮可能なカラーは、感光性要素の形成するレリーフ表面に十分に適合し得ず、そして、レリーフのクリーンアウト((すなわち未硬化材料で徹底的な除去)が低くなる結果となる。独立気泡フォームが25%の撓みで約85psiを超える圧縮力撓みを有する場合、圧縮可能なカラーは非常に固くなり得、そして感光性要素上のレリーフとして形成する細線およびハイライトドットの屈曲が生じる。圧縮可能なカラーは、25%の撓みで以下の値のいずれかの2つの間であって、任意選択的にその値を含む圧縮力撓みを有する:25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80および85。
独立気泡フォームの圧縮可能なカラーは、約15〜約80ポンド/立方フィート(pcf)の密度を有する。いくつかの実施形態において、フォームの密度は約25〜70pcfであり、そして他の実施形態において、約40〜75pcfである。密度は重量/単位体積であって、いずれかの試料径から得ることができる。
時間の経過とともに所望の特性を損失することなく、熱現像のための高温で連続的な操作または実質的に連続的な操作に耐えることができ、かつ独立気泡フォームを形成することができる材料は、独立気泡フォームの圧縮可能なカラーとしての使用のために適切である。いくつかの実施形態において、圧縮可能なカラーのために適切な材料は、限定されないが、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)を含む。ほとんどの実施形態において、シリコーンおよびフルオロシリコーンゴムは、加熱および化学薬品に対して所望の耐久性および抵抗を有する圧縮可能なカラーを提供する。シリコーンは、感光性要素の熱現像のために適切な温度を包含する少なくとも約450°F(232.2℃)までの温度で劣化または分解しない。他の実施形態において、ニトリルゴム、クロロプレンゴムおよびブチルゴムは圧縮可能なカラーとしての使用のために適切である。シリコーンおよびシリコーンフォームは、Rogers Corporation(USA)、Saint−Gobain Performance Plastics Corporation(USA)、Silicone Engineering(UK)、Silaflex High Performance Products(USA)、Reiss Manufacturing(USA)、Wacker Chemical Corp(USA)、Momentive(USA)およびDow Corning Corp. (USA)によって製造および/または販売される。
最も商業的に入手可能な独立気泡シリコーンフォームは、25%の撓みで約22psi未満、そして典型的に25%の撓みで5〜22psiの圧縮力撓みを有する。最も商業的に入手可能な固体(すなわち、非フォーム状)シリコーンは、25%の撓みで50psiから400psiより高い、そして典型的に25%の撓みで100psiより高い圧縮力撓みを有する。シリコーン独立気泡フォームまたはスポンジは、典型的に、予め加硫されたシリコーンゴムに化学発泡剤を添加することによって製造される。シリコーン加硫プロセスの間、適用された熱は発泡剤を分解させ、それによってシリコーンに気体の泡が生じ、閉じ込められる。閉じ込められた気体の泡は、フォーム中で独立気泡を形成する。発泡剤の量および膨張体積比(すなわち、供給された固体シリコーンの体積に対するモールドのキャビティの体積)を変化することによって、フォームの密度(すなわち重量/単位体積)を変更することができる。同一の開始シリコーン化合物の場合、より高密度であるフォームは、より高い圧縮撓み力を有する。シリコーンフォーム製造の当業者には、商業的に入手可能な独立気泡シリコーンフォームのCFDより高い圧縮力撓み(CFD)を有する独立気泡シリコーンフォームを製造する方法、特に、25%の撓みで約25〜約85ポンド/平方インチ(psi)のCFDを有する独立気泡シリコーンフォームを製造する方法は周知である。25%の撓みでより高いCFD、すなわち、約25〜約85psiのCFDを有する独立気泡シリコーンフォームを製造する適切な方法の一例は、適切に高い圧縮力撓みを有する固体シリコーン化合物で開始し、そして発泡剤および/または膨張体積比の量を変化し、所望の圧縮力撓みを有する高密度独立気泡フォームを製造することによる。(現在商業的に入手可能なシリコーンフォームよりも)高いCFDを有する得られた独立気泡シリコーンフォームは、中程度のCFDを有する商業的に入手可能な独立気泡フォームの密度と開始固体シリコーンの密度との間の密度を有する。
現在、出願者は、上記の所望の圧縮力撓みを有する購入可能な連続気泡フォームを知らない。しかしながら、所望の圧縮力撓み(およびポアソン比)を有する連続気泡フォームが商業的に入手可能である場合、連続気泡フォームは圧縮可能なカラーとしての使用のために適切であることが考えられる。
圧縮可能なカラーは、特に限定されない厚さを有する。ほとんどの実施形態において、圧縮可能なカラーは、圧縮時に、光重合性層の凹状部分の最深の深さから現像媒体による未硬化材料の除去を促進し続けることができる十分な厚さを有する。いくつかの実施形態において、光重合性層の凹状部分で最深の深さは、特定の感光性要素の光重合性層の厚さの約半分である。薄すぎる圧縮可能なカラーは、初期のサイクルでいくらかの未硬化材料を除去するために圧縮するが、サイクルの終了付近または終了時にレリーフの凹状領域の完全な深さまで適合することが不可能であり得る。ほとんどの実施形態において、圧縮可能なカラーの厚さは、0.05〜0.80インチ(0.13〜2.03cm)であることができる。いくつかの他の実施形態において、圧縮可能なカラーの厚さは、0.12〜0.55インチ(0.31〜1.4cm)であることができる。なお他の実施形態において、圧縮可能なカラーの厚さは、0.15〜0.35インチ(0.38〜0.89cm)であることができる。
コア部材上で、またはコア部材に隣接して圧縮可能なカラーのローラーを調製する方法は限定されず、調製のためのコンパウンディングおよび部品製造技術の当業者の範囲内である。一実施形態またはローラーの調製は、そしてそれは未硬化フォーム組成物をコンパウンディングすること、組成物を回転させることによってシートを形成すること、コア部材に適合するようにシートを切断すること、シートをコア部材に巻きつけること、巻きつけられたシートの端部の間に形成されたシームをブレンドすること、そしてフォームシートの欠陥を充填すること、加温されたモールドに未硬化フォームロールカバーを有するコア部材を配置し、次いでこれをオーブン中に配置すること、フォームを硬化するために適切な高温まで焼成すること、オーブンからモールドを除去すること、それに取り付けられた硬化したフォーム層を有するコア部材からモールドを分離すること、そして硬化したフォームを有するコア部材を冷却することを含む圧縮成形が関与する。もう1つの実施形態またはコア部材上もしくはコア部材に隣接する圧縮可能なカラーのローラーの調製は、コア部材の最外部表面を処理すること、および/またはプライマー層もしくは接着剤層もしくは結合材料を適用すること、硬化したフォームの層をコア部材に巻きつけること、ならびに巻きつけられたシートの端部の間に形成されたシームをブレンドすること、そしてフォームシートの欠陥を充填することを含む。任意選択的に、コア部材のフォーム層の外部表面は、所望の直径を達成するために、旋盤で粉砕されてもよい。あるいは圧縮可能なカラーは、コア部材上へ締着されても、または別の方法で据え付けられてもよい。
任意選択的に、熱伝導性固体、すなわち、非フォーム状のエラストマーを、圧縮可能なカラーの最外部表面と現像媒体との間に配置することができる。ほとんどの実施形態において、熱伝導性固体層は、圧縮可能なカラーの最外部表面上またはそれに隣接している。コア部材に対して外部の熱伝導性層は、ローラー(すなわち、コア部材および圧縮可能なカラー)が、現像媒体を通して感光性要素の外部表面に熱を伝導する能力を有するホットローラーとして使用されることを可能にする。熱伝導性材料の任意選択の層は、時間の経過とともに使用によって圧縮可能なカラーがコア部材から離層する可能性のあるような程度までコア部材を加熱する必要を防ぐことができる。またフォームの圧縮可能なカラーは断熱体として機能することができるため、コア部材は、圧縮可能なカラーを通して十分な熱を伝導するために極端に加熱される必要があり得る。熱伝導性固体層は、いくつかの実施形態において、約1.0〜約2.0ワット/メーター−ケルビン(W/m−K)、他の実施形態において、約1.3〜約1.8W/m−Kの熱伝導率を有する。
圧縮可能な層の反対側の表面である熱伝導性固体層の外部表面を、1つまたはそれ以上のラジエントヒーターで加熱する。1つまたはそれ以上のラジエントヒーターは、ローラーに現像媒体が到着する前は最外部表面に向けられ、そして現像媒体を通して熱を伝導し、感光性要素の組成物層の未照射部分が溶融するために十分な温度まで熱伝導性層の最外部表面の温度を上げる。1つまたはそれ以上のラジエントヒーターは、それぞれ、フレームに連結された端部支持体に据え付けられた1つまたはそれ以上の管状赤外線加熱バルブを含む。1つまたはそれ以上の反射器は、ドラムの反対側のバルブの側面に隣接して存在することができる。反射器は、ローラーの最外部表面に放射線の焦点を合わせ、向けるために機能する。
熱伝導性固体材料としての使用のために適切な材料は、いくつかの実施形態において、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)であり、そして他の実施形態において、ニトリルゴム、クロロプレンゴムおよびブチルゴムである。シリコーンおよびフルオロシリコーンは、感光性要素の熱現像のために適切な温度を包含する少なくとも約450°F(232.2℃)までの温度で劣化または分解しない。熱伝導性固体層の組成物は、熱伝導率を材料に提供するために、1種またはそれ以上の充填剤を含む。充填剤は、熱伝導性層を形成するエラストマー材料と相溶性であり、限定されないが、アルミナ(酸化アルミニウム)、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄およびカーボンブラックを含む。
熱伝導性固体層は、約40〜約90のショアAのジュロメーター硬度を有する。いくつかの実施形態において、熱伝導性層は、約65〜約85のショアAジュロメーターの硬度を有する。ショアAジュロメーターによって表される熱伝導性層の硬度は、その下の圧縮可能なカラーの機能性を無効にしない。コア部材および圧縮可能なカラーから構成される支持体部材に熱を提供することに加えて、熱伝導性固体層は、未硬化材料と接触することにおいて圧縮可能なカラーを補助することができる。いくつかの場合、圧縮可能なカラーより上に配置された固体熱伝導性層の存在は、材料を除去するために、逆領域において、およびドットの周囲でなどの要素の小さい凹状(未硬化)部分への現像媒体との接触を導入することおよび/または十分な接触を維持することにおいて圧縮可能なカラーを補助する。他の例では、圧縮可能なカラーより上に配置された固体エラストマー層は、要素の小さい凹状部分が現像媒体と接触することができ、除去されることができるように、小さい凸状部分をわずかに撓むことができる。
任意選択の熱伝導性固体エラストマー層は、固体層の任意選択の存在によって、その下の独立気泡シリコーンフォーム層の圧縮性および他の所望の特性が阻害されないか、または実質的に阻害されないような厚さを有する。熱伝導性固体層は、圧縮可能な独立気泡フォーム状の層と比較して、相対的に薄く、そしていくつかの実施形態において、フォーム状の層の厚さの約10分の1である。ほとんどの実施形態において、任意選択の固体層は、約0.015〜約0.045インチ(0.038〜0.114cm)の厚さを有する。他の実施形態において、任意選択の固体層の厚さは、約0.020〜約0.035インチ(0.051〜0.089cm)である。
任意選択的に、圧縮可能なカラーの外部表面は、熱伝導性固体層の接着を補助するため、処理されてもよく、そして/またはプライマー層または接着剤層または結合材料を有する。あるいは熱伝導性固体層および圧縮可能なカラーは、コア部材上に一緒に、または個々に締着されてもよく、あるいは別の方法で据え付けられてもよい。
いくつかの実施形態において、圧縮可能なカラーは、コア部材と一体化される。圧縮可能なカラーは、0.10〜0.40のポアソン比および25%の撓みで25〜85lb/平方インチの圧縮力撓みを有する独立気泡フォームシリコーンまたはフルオロシリコーンから構成される。
他の実施形態において、圧縮可能なカラーは、コア部材と、コア部材の反対側の圧縮可能なカラー上またはそれに隣接する外部表面で熱伝導性固体エラストマー層と一体化される。圧縮可能なカラーは、0.05〜0.8インチ(0.13〜2.03cm)の厚さで、0.10〜0.40のポアソン比および25%の撓みで25〜85lb/平方インチの圧縮力撓みを有する独立気泡フォームシリコーンまたはフルオロシリコーンから構成される。熱伝導性固体エラストマー層は、0.015〜0.45インチ(0.038〜1.14cm)の厚さおよび40〜90のショアAのジュロメーター、ならびに1〜2ワット/メートル−ケルビンの熱伝導率を有するシリコーンまたはフルオロシリコーンから構成される。熱伝導性固体エラストマー層から形成される外部表面を有する圧縮可能なカラーのほとんどの実施形態において、圧縮可能なカラーの特性、すなわち、ポアソン比、25%の撓みの圧縮力撓みおよび密度は、熱伝導性固体エラストマー層を含まず圧縮可能なカラーを形成する材料のみから決定される。いくつかの実施形態において、熱伝導性固体エラストマー層は圧縮可能なカラーと比較して相対的に薄く、そして有意に結果に影響しないため、25%の撓みの圧縮力撓みなどの圧縮可能なカラーのいくつかの特性は、存在する固体エラストマー層によって決定することができる。
この方法は、層の一部分、すなわち、未照射領域、または未硬化もしくは未重合部分が液化し、液化された材料を形成するために十分な温度まで、感光性要素の外部表面を加熱することを含む。「溶融」という用語は、軟化して、粘度が低下し、現像媒体による除去が可能である、高温にされた組成物層の未照射部分の挙動を説明するために使用される。組成物層の溶融可能な部分の材料は、通常、固体および液体の間で急激な転移のない粘弾性材料であり、そのため、このプロセスは、現像媒体中の吸収性材料の吸収のための閾値よりいくらか高いいずれかの温度で加熱された組成物層を除去するために機能する。したがって、組成物層の未照射部分は、高温度にされた時に軟化するか、または液化する。しかしながら、本明細書を通して、「溶融」、「軟化」および「液化」という用語は、組成物が固体状態と液体状態との間で鋭い転移温度を有しても、または有さなくても関係なく、組成物層の加熱された未照射の部分の挙動を説明するために使用されてもよい。本発明の目的に関して、組成物層を「溶融する」または「液化する」ために、広範囲の温度範囲が利用されてもよい。現像媒体にひょる除去は、吸収性材料と考えることができる現像媒体による吸収を包含する。除去は、プロセスの良好な操作の間、より低い温度ではより遅くあり得、そしてより高い温度ではより速くあり得る。
少なくとも1つの感光性層、すなわち光重合性層を加熱するための手段は、未硬化部分の溶解を生じさせるために十分であるが、層の硬化部分の歪曲を生じるほどは高くない温度まで、層を加熱する伝導、対流、放射線または他の加熱方法によるものであることが可能である。組成物層より上に配置される1つまたはそれ以上である追加的な層は、同様に、軟化または溶融または流動し得、そして現像媒体によって除去され得る。組成物層の未硬化部分の溶解または流動を生じさせるために、感光性要素は、約40℃より高い、好ましくは約40℃〜約230℃(104〜446°F)の表面温度まで加熱される。
感光性要素の外部表面は、熱現像装置の1つまたはそれ以上の供給源によって加熱することができる。独立して、またはいずれかの組み合わせで、熱源は、組成物層の一部分を少なくとも部分的に液化させるために十分な温度まで感光性要素の外部表面を加熱することが可能である。それぞれの供給源を加熱するための方法は限定されないが、例えば、組成物層の一部分を溶融するために外部表面の温度を維持するか、または高めるために十分な温度を提供することができる電気コアヒーター、電気加熱ブランケット、蒸気、油、熱気および様々な他の熱源を含むことができる。
一実施形態において、感光性要素の加熱は、要素の外部表面に向けられたラジエントヒーターによる。別の実施形態において、感光性要素の加熱は、要素の外部表面に向けられた熱気のノズルによる。いくつかの実施形態において、ラジエントヒーターまたは熱気ノズルによる感光性要素の加熱によって、要素の外部表面を予熱し、そして要素の加熱は、コア部材および圧縮可能なカラーから形成される支持体部材(すなわち、ローラー)を加熱するための供給源による。
この装置は、感光性要素の外部表面に向けられた、焦点を合わせたラジエントヒーターである熱源を含むことができる。ラジエントヒーターは、組成物層の未照射部分を溶融し、層の一部を液化させるために十分に組成物層の外部表面の温度を上げるため、組成物層の外部表面に必要である熱の全てまたは一部を適用することができる。ヒーターは、バルブに電気的な接続を提供する端部支持体に据え付けられた1つまたは複数の管状赤外線加熱バルブを含むことができる。ヒーターは、ローラーの最外部表面に放射線の焦点を合わせ、向けるために機能する、バルブに隣接する反射器を含むこともできる。
この装置は、感光性要素の外部表面に向けられた熱気のノズルである熱源を含むことができる。熱気ノズルは、組成物層の未照射部分を溶融し、層の一部を液化させるために十分に組成物層の外部表面に必要である熱の全てまたは一部を適用することができる。熱気ノズルを有する熱プロセッサーは、同時出願の特許出願、挿入される米国特許番号または公開番号[代理人整理番号IM−1365]に記載される。
上記で説明される、ほとんどの実施形態において、支持体部材またはローラーは、最外部層として、圧縮可能な層と現像媒体との間で配置された熱伝導性層を含むことができる。熱伝導性層の最外部表面は、支持体部材に現像媒体が到着する前は支持体部材に向けられた、1つまたはそれ以上の赤外線ヒーターによって加熱される。熱は、接触時に、伝導によって熱伝導性層から現像媒体を通して要素の外部表面へと移動し、要素の温度を上げ、要素の組成物層の未硬化部分を現像媒体中に溶融、軟化または流動させる。
支持体部材は、要素に現像媒体を供給しながら、組成物層の外部表面を加熱するための熱源を含むことができるが、支持体部材を加熱するこの方法は、特に本発明のために適切ではない。接触時に、コア部材から圧縮可能な層を通して、要素の外部表面への現像媒体への伝導による熱の移動は、要素の温度を上げ、そして要素の組成物層の未硬化部分を現像媒体中に溶融、軟化または流動させるために有効ではない。感光性要素を加熱するために、圧縮可能な層を通して十分な熱を伝導するコア部材を維持する温度は、典型的に、コア部材上の材料の耐久性および/または層間剥離に関する課題を生じる。
なお他の実施形態において、熱源は、熱現像の間に感光性要素を担持するドラムと関係することができる。ドラムは、感光性要素を取り囲む環境から独立して安定した開始温度に保持するために提供されるブランケットヒーターなどのヒーターを備えていてもよい。ドラムは、感光性要素が経験する熱条件を管理するために役立つ、ドラムの温度を制御するための手段を含んでもよい。特に、温度を制御するための手段は、感光性要素の支持体側面の温度を維持するために使用されることができる。ドラム温度を制御するための手段は、加熱のための手段、冷却するための手段およびそれらの組み合わせを含むことができる。ヒーターの電力容量が、ドラムの外部表面において選択された表面温度を一定に維持するために十分である限り、いずれのドラムを加熱するための手段も容認できる。通常の操作環境が一定温度であるように慎重に制御される場合、ヒーターを停止することができるか、装置から省略することができる。米国特許第6,797,454B1号明細書に開示されるように、ドラムを、空気の流れを感光性要素およびドラムの表面に向ける送風装置などの冷却手段によって、そして/または要素を冷却するためにドラムの表面下で冷却液の循環することによって冷却することができる。水などの流体がベース部材の表面の下で循環されてもよいことも考えられる。
この方法は、組成物層上の少なくとも一部分の液化された材料を現像媒体によって除去するために、感光性要素を現像媒体と接触させる工程を含む。支持体部材として機能する圧縮可能なカラーを有するコア部材は、現像媒体が接触することができて、要素から未重合または未硬化材料を吸い取ることができるか、除去することができるように、感光性要素の外部表面に隣接して現像媒体を担持する。現像媒体と感光性要素との接触時、熱現像が徹底的に未硬化材料を除去するために進行すると、圧縮可能なカラーは圧縮して、容易にレリーフ表面に適合し、現像媒体を移動させて密接に接触させる。支持体部材による圧縮は、未硬化材料を除去するため、感光性要素および/またはベース支持体の屈曲または撓曲を回避することができるか、最小化することができる。現像媒体と、未硬化領域で溶融する組成物層との密接な接触を維持することによって、現像媒体への光重合性層からの未硬化感光材料、すなわち、部分的に液化された部分の移動が生じる。光重合性層への現像媒体の密接な接触は、層および現像媒体を一緒にプレスすることによって維持されてもよい。感光性要素を加熱する工程、および要素の外部表面に現像媒体を接触させる工程を含む熱現像または熱処理は同時に、または連続して実行することができるが、ただし、現像媒体との接触時に光重合性層の未硬化部分がなお軟質または溶融状態であることを条件とする。
感光性要素から現像媒体への液化された部分の除去または移動は、吸収とも呼ばれる。しかしながら、吸収という用語の使用は、現像媒体と溶融した未硬化高分子組成物との間の相対的な物理的特性を定義する際に、特定の吸収現象に限定されるようには意図されない。吸収性材料に使用される繊維、フィラメントまたは粒子の本体に、溶融した組成物が浸透する必要はない。現像材料のバルクへの吸収は、内部バルクの表面湿潤のみによるものであってもよい。現像媒体の吸収領域への溶融したエラストマー組成物の移動のための推進力は、表面張力、電気的な力、極性親和力またはフィリシティ(philicity)(すなわち、親和性)の促進を補助することが知られている他の物理的な力、材料の吸着または吸収の1つまたはそれ以上であってもよい。推進力は、多孔性媒体に流れを推進する圧力を含んでもよい。
感光性要素および現像媒体は、支持体部材(すなわちコア部材および圧縮可能なカラー)とドラムとの間での相対的な移動によって互いに接触する。米国特許第5,279,697号明細書および米国特許第6,797,454号明細書はそれぞれ、ドラムとホットローラー(すなわち支持体部材)との間での相対的な移動を記載する。要素を現像媒体と接触させために、熱現像装置においてベース部材と支持体部材との間での相対的な移動を提供することは、当業者の範囲内である。ベース部材と支持体部材との間の相対的な移動は、要素を現像媒体と接触させるための手段である。支持体部材および/またはドラムを互いの方へ移動すると、(ドラムで担持される)感光性要素と、支持体部材との間でニップが形成し、現像媒体は要素と支持体部材との間にある。ニップは、支持体部材がドラムに対して係合位置にある位置にある。
現像媒体を運搬する支持体部材は、感光性要素に対して、少なくとも接触して、そしていくつかの実施形態において、圧力によって接触して係合される。いくつかの実施形態において、均一または実質的に均一な圧力は、プロセスの間、要素の幅に渡ってニップで適用される。この均一な圧力は、ニップに渡って像が均一であると仮定し、当業者は、像要素がニップを通して、適用される圧力が局所的に変化することを認識するであろう。圧力は、現像媒体を感光性要素と密接に接触するために適用される。一般に本発明に関して、支持体部材とドラムとの間のニップで適用される圧力は、商標的に入手可能な熱プロセッサーで使用されるものより低い。ニップの圧力は、限定されないが、支持体部材の半径、ドラムの半径、独立気泡フォームの厚さおよび圧縮力撓みなどの支持体部材の圧縮可能なカラーの特徴、ならびに適用される負荷を含むいくつかの要因次第である。一実施形態において、現像媒体を感光性要素と密接に接触させるための圧力を適用する負荷は、約20〜約160ポンド力/線形インチ(pli)である。他の実施形態において、適切なニップ圧力を適用する負荷は、約350〜約100pliである。
感光性要素のサイクル(または、パス)は、要素を加熱すること、未硬化部分を除去するために要素を現像媒体と接触させること、および現像媒体を要素から分離することから構成される熱プロセッサーで、本質的にドラムの1回転である。
現像媒体は、放射線硬化性組成物の未照射または未硬化部分の溶融、軟化または液化温度より高い溶融温度を有し、そして同動作温度で良好な引き裂き抵抗を有するように選択される。選択された材料は、加熱の間、感光性要素を処理するために必要とされる温度に耐える。現像媒体が、ウェブまたはシートの形態であることができる。いくつかの実施形態において、現像媒体は、吸収性材料から構成される。現像媒体の吸収性材料は、現像媒体の平方センチメートルあたり吸収されることが可能なエラストマー組成物のミリグラムで測定される、溶融したエラストマー組成物に対する高い吸収性(すなわち、ポリマー除去効率)を有さなければならない。他の実施形態において、現像媒体は、一方は不織材料であり他方は支持体フィルムである少なくとも2つの材料の組み合わせから構成され、これによって、熱プロセスの過酷さに耐え、そして/または吸収性材料からその下の支持体部材まで溶融物の移動を防止するか、もしくは最小化するように改善された機械的特性を提供することができる。現像媒体として適切な材料としては、限定されないが、吸収性材料、例えば、不織材料、製紙原料、繊維織物材料、連続気泡フォーム材料、多孔性材料であって、いくぶん空隙体積としてそれらの含まれる体積の実質的なフラクションを含有するものが含まれる。現像媒体のための支持体フィルムとして適切な材料は、限定されないが、ポリマーフィルム、紙、金属、羽布、不織布およびそれらの組み合わせから選択することができる。適切な組み合わせの例には、金属化されたポリマーフィルムおよび不織布が含まれる。支持体は、プロセス条件を通して非反応性であり、安定したままであるフィルムを形成する、ほとんどいずれのポリマー材料であることもできる。適切なフィルム支持体の例には、セルロースフィルム、ならびにポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリエステルなどの熱可塑性材料が含まれる。ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートのフィルムが好ましい。吸収性材料として、および支持体として機能するために適切な特徴を有し得る入手可能な材料が多いため、吸収性材料としての適切な材料、および支持体としての適切な材料には、紙、布および不織物などのいくつかの重複があることが可能である。
装置
図1は、レリーフ印刷版としての使用に適切である感光性要素を熱処理するための装置である、熱現像システム20の一実施形態を示す。熱現像システム20は、完成した印刷版を生じるための他の機械とともに使用される。熱現像システム20でのプロセスの前に、要素22は最初に化学線に露光され、そして光重合性層の重合を通して要素22の露光部分は硬化し、不溶性となる。要素22は、リード部分24、テール部分26および外部表面28を含んでなる。像様露光の後、感光性要素の未硬化部分(すなわち、未露光部分)は熱処理によって除去され、印刷に適切な表面を形成する。図1に示す装置は、露光された感光性要素の熱処理のために適切な一実施形態である。
熱現像システム20は、要素22を加熱することによって、感光性要素22から未露光のポリマーを除去し、それによって要素22の未露光部分を液化する。次いで、要素22の未露光部分を含んでなる溶融ポリマーを吸収するために、不織ウェブなどの現像媒体32を要素22と接触させる。次いで、ウェブ32は、要素22から離れて巻き取られ(後でさらに詳細に記載される)、それによって、要素から未露光の材料を除去する。未露光の部分が要素22から除去されたら、要素22は熱現像システム20から除去され、そして印刷版としての使用の準備が整う。
示される実施形態において、熱現像システム20は、ウェブサブシステム34、ホイルサブシステム36、廃物サブシステム38および印刷版サブシステム40を含む。それぞれサブシステムは、以下にさらに詳細に記載される。
ウェブサブシステム34は、熱現像システム20を通して、連続的に現像媒体のウェブ32を供給する。そのウェブ32は、光重合性層の未露光部分を感光性要素から移動させることが可能ないずれかの材料から構成されていてもよいことは認識されるであろう。このウェブの目的は、熱プロセスの間、要素22と接触して、感光性要素の溶融した未露光部分を除去することである。ウェブサブシステム36は、好ましくは、供給ロール42、ならびにローラー44、46、48および50を含む。吸収性ウェブ32は供給ロール42からほどかれて、そして曲がった経路でロール44、46、48および50の間を通過する。以下にさらに記載される通り、次いで、ウェブ32は、コア部材51および圧縮可能なカラー53から構成されるローラー52上に導かれ、そこで、ホイルサブシステム36から供給されるホイル54と組み合わせられ、そして印刷版サブシステム40のドラム56に巻きつけけられた要素22と接触する。
示される実施形態において、イルサブシステム36は、要素22と組み合わせるために、ホイルを供給する。ホイル54の1つの目的は、要素22の溶融した未重合部分から熱現像システム20の一部分を保護することである。ウェブ32は要素22の溶融部分の多くを吸収するが、ホイル54が存在しなくても、溶融材料がウェブ32に浸透し、圧力ローラー52および廃物サブシステム38内の他のロール上に堆積物を生じさせることが可能である。ホイル54は、これらの堆積物の生成を防ぎ、そしてさらに熱現像システム20の部品上での揮発性物質の濃縮を防ぐ。ホイル54はいずれかの適切な材料であることができるが、ホイルは、最も好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムある。示される実施形態において、ホイルサブシステム36は、供給ロール48、ならびにローラー60、62および64を含む。ホイル54は供給ロール58からほどかれて、そして曲がった経路でロール60、62および64の間を通過する。次いで、ホイル54はローラー52上に導かれ、そこで、ホイル54がウェブ32に対してプレスされるように、吸収性ウェブ32と組み合わせられ、そしてそれは要素22に対してプレスされる。
廃物サブシステム38は、使用されたウェブ32およびホイル54を回収するためである。廃物サブシステム38は、好ましくは、ローラー66、68、70、72、74および76を含む。ローラー66、68、70、72、74および76は巻取りローラーであり、それらが印刷版サブシステムにおいて互いに対してプレスされた後、ウェブおよびホイルに曲がった経路を提供する。ローラー66は、ニップからローラー66までの現像媒体における張力を測定するロードセルロールであってもよい。ローラー76は、ウェブ32およびホイル54が回収される廃物巻取りローラーである。
ロール44、46、48、50、66、68、70、72、74、ならびに巻取りロール76の1つまたはそれ以上がウェブ32を動かしてもよい。ロール60、62、64、66、68、70、72、74、ならびに巻取りロール76の1つまたはそれ以上がホイル54を動かしてもよい。ロール44、46、48、50、60、62、64、66、68、70、72、74、またはさらに供給ロール42および58の1つまたはそれ以上が、その輸送経路でウェブ32およびホイル54の張力を維持するためのブレーキメカニズムを含んでもよい。ブレーキは、当該技術で既知の種類の電子制御ブレーキであってもよい。さらに、ウェブおよびホイルのローラーおよび経路の数は例証として示され、そしてローラーおよび経路のいずれの数も使用することができる。
図1および図2で示すように、印刷版サブシステム40の一実施形態は、ドラム56、冷却システム78、外部ヒーター80、赤外線ヒーター82、アーム84およびニップ86を含む。印刷版サブシステム40は、外部表面に現像媒体を担持するための手段である支持体部材52を含む。ほとんどの実施形態において、支持体部材52はローラーのような形状をしている。図3に示すように、支持体部材52またはローラー52の一実施形態は、コア部材51および圧縮可能なカラー53から構成される。コア部材51、圧縮可能なカラー53および熱伝導性層55から構成される支持体部材52またはローラー52の別の実施形態は、図4に示される。支持体部材52またはローラー52は、その容量で支持体部材が機能する特定の実施形態の場合、圧力ロール52またはニップロール52またはホットロール52と呼ばれてもよい。単純さのために、ローラー52としての支持体部材の実施形態は、この装置の印刷版サブシステムの記載のために使用される。ドラム56は、熱現像プロセスの間の要素22の接着点である。ドラム56は、未露光の溶融ポリマーが除去されるように、ウェブ32に対して要素22を回転させるために使用される。ドラム56は一般に円筒形状を有し、外部表面88を含む。ドラム56は、固定支持体フレーム(図示せず)上に回転のために据え付けられる。本実施形態において、矢印56aによって示されるように、ドラム56は逆時計回り方向に回転する。ドラム56が時計回りの方向で回転するように熱現像システム20を構成することができることは、当業者にとって明らかであろう。ドラム56が熱現像プロセスの間に有意に形状を変化させないように、ドラム56は非可撓性または実質的に非可撓性である。ドラム56は、ドラムに除去可能な表面部材98を据え付けることによって形成することができる外部表面88を有するか、または表面部材98は、ドラムと一体化されていることができる。ほとんどの実施形態において、ドラム56の外部表面88は、表面およびドラムの腐食を防止するか、または最小化するために、処理された、例えば、陽極処理されたか、または塗布された金属表面である。
ほとんどの実施形態において、ドラムは、ドラムの最外部表面層を形成するエラストマー層または弾性層または圧縮可能な層またはクッション層または粘着付与層を含まない。これらの実施形態において、感光性要素は、典型的に金属から構成されるドラムの外部表面上に直接存在し、ドラム上の感光性要素の密接な接触の向上を提供する。ドラム上表面層を形成するエラストマー層または弾性層または圧縮可能な層またはクッション層または粘着付与層は、ドラムに組み込まれてもよい冷却(または加熱)効果から感光性要素を断熱する。ドラムへの感光性要素の密接な接触は、ドラム表面上の挿入されたエラストマー層(または弾性層または圧縮可能な層またはクッション層または粘着付与層)の断熱効果がない場合、ドラムと感光性要素との間の熱伝導率を改善し、歪曲または収縮しないように、そのガラス転移温度および/またはその焼なまし温度以下での感光性要素のベース支持体の温度の維持を促進する。エラストマー層または弾性層または圧縮可能な層またはクッション層または粘着付与層を含まないか、またはそれらから形成されないが、防腐カバーを任意選択的に含むことができるドラムの外部表面は、不撓性外部表面と考えられ、そして非断熱性の外部表面または圧縮できない外部表面と考えられることもできる。ドラムの不撓性外部表面は十分に剛性であり、未硬化材料の除去の間に感光性要素および/またはベース支持体の屈曲または撓曲を回避または最小化する圧縮可能なカラーを貢献し、かつ、熱現像が徹底的に未硬化材料を除去するために進行すると、要素のレリーフ表面に適合し、そして供給された現像媒体を密接に接触させる圧縮可能なカラーによる圧縮を促進する。この実施形態は、ドラムを冷却することによって、歪曲または収縮するおそれのある温度以下でのベース支持体に維持において、さらに補助されることが可能である。
一実施形態において、ドラム56は冷却システム78をさらに含む。冷却システム78は好ましくは水冷システムであって、ドラム56に接触しながら、要素22の背面または支持体の温度を維持するために、冷水がドラム内で循環している。一実施形態において、感光性要素の支持体は、要素のための支持体のガラス転移温度未満の温度で、すなわち、約150°F未満(65.6℃)で維持される。もう1つの実施形態において、感光性要素の支持体は、要素のための支持体の焼なまし温度未満の温度で、すなわち、約130°F(54.4℃)で維持される。いくつかの実施形態において、水冷システムはドラムの内部を、約40°F〜約110°F(約4〜43.3の℃)の温度に、そしていくつかの他の実施形態において、約50°F〜75°F(約10〜23.9の℃)の温度に冷却する。これによって、プロセスの間にドラムの外部表面88の温度を冷却して、維持することが可能である。感光性要素22の支持体と、ドラムの冷却された非断熱性表面88との密接な接触または実質的に密接な接触は、要素の支持体をそのガラス転移温度および/またはその焼なまし温度未満で維持する。ドラムを冷却することは、支持体が歪曲または収縮せず、かつ要素22がその形状を保持することを確実にすることを促進する。米国特許第6,797,454B1号明細書に開示されるように、要素22およびドラム56の表面に空気の流れを向ける送風装置(図示せず)などの別の冷却装置でドラムを冷却することも可能でもある。
あるいは、ドラム56はドラムヒーター(図示せず)を備えていてもよい。ドラムヒーター(図示せず)は、印刷版の未現像の部分が溶融状態であり、ウェブ32によって吸収することができるように、熱現像の間に要素22を、周囲環境から独立して、安定した開始温度に保持するために使用されてもよい。ドラムヒーター(図示せず)は、巻線ブランケットなどの電気的加熱ブランケットであってもよい。しかしながら、ヒーターの電力容量が、ドラム56の外部表面88において選択された表面温度を一定に維持するために十分である限り、ドラム56を加熱するいずれの手段も容認できる。水などの加熱流体をドラム56の表面下で循環させてもよいことも考えられる。
示される実施形態で、ドラムの外部表面88の温度は、約50〜150°F(10〜65.6℃)、好ましくは、75〜95°F(23.9〜35℃)である。これらのパラメーターは例であり、そして特定の適用に適合させるために、パラメーターを調節することができる。通常の操作環境が比較的一定温度であるように慎重に制御される場合、ヒーターを止めることができるか、または装置から省略することができる。
一実施形態において、印刷版サブシステム40は、外部ヒーター80をさらに含む。外部ヒーター80は、ドラム56に隣接して位置し、そして例示される実施形態において、スロット噴射強制空気ヒーターであり、送風装置は要素22の外部表面28に向けられている。外部ヒーター80は、要素22の未露光の部分を溶融または軟化して、ウェブ32によって除去することができるように一部の層を液化させるために十分な温度まで、要素22の表面28の温度を上げる。外部ヒーター80は、要素22の外部表面28に加熱空気を送風することによって機能する。例示される実施形態において、外部ヒーター80は、要素22を加熱するために、圧縮空気を含んで配置される。
別の実施形態(図示せず)において、外部ヒーター80は、要素22の外部表面28を加熱する複数の管状赤外線加熱バルブを含んでもよい。赤外線加熱バルブは、バルブに電気的な接続を提供する端部支持体に据え付けることができる。この別の実施形態は、感光性要素22の外部表面28に放射線の焦点を合わせ、向けるために機能する、バルブの一側面に隣接して位置する反射器をさらに含んでなる。もう1つの別の実施形態(図示せず)において、外部ヒーター80は、反射器と一緒に端部支持体に据え付けられた1つの管状赤外線加熱バルブを使用する。
印刷版サブシステム40は、ドラム56とローラー52との間での相対的な運動のための手段を提供するアーム84をさらに含む。アーム84は、感光性要素22および現像媒体のウェブ32を互いに接触させることができるように機能し、要素を現像媒体と接触させるための手段である。相対的な運動を提供するための手段は、例えば、ローラー52(および/またはドラム56)を、ローラー52を移動する2位置空気ロール装填シリンダー83に取り付けられたアーム84上に据え付けることによって達成することができる。別の実施形態において、ローラー52の相対的な運動は、ステッピングモーターまたはサーボモーターで作動させてもよい。ドラム56、ローラー52およびヒーター80における要素の加熱を制御する目的で、温度を監視するために、熱現像システム20の中に温度センサーが据え付けられてもよい。
ニップ86、またはローラー52とドラム56との間の距離は、圧力ローラー52が本実施形態に関して係合位置にある場合、好ましくは、0センチメートルである。プロセスの間、実質的に均一な圧力が版22の外部表面28のニップ86に適用されるように、距離を設定することが望ましい。圧力は、吸収性ウェブを強制的に要素22と密接に接触させるために適用される。ニップ86を、いずれかの特定の適用に適切であるように様々なパラメーターに調節することができることは明らかであろう。一実施形態において、現像媒体と感光性要素との密接な接触のために圧力を適用するために使用される負荷は、約20〜約150ポンド力/線形インチ(pli)である。他の実施形態において、圧力を適用するために使用される負荷は、約35〜約100pliである。
感光性要素22の外部表面28を加熱するための手段は、熱現像装置における1つまたはそれ以上の供給源によるものであることが可能であり、ローラー52による加熱および要素の外部表面の誘導加熱を含む。独立して、またはいずれかの組み合わせで、熱源は、組成物層の一部分を少なくとも部分的に液化するために十分な温度まで、感光性要素の外部表面を加熱することが可能である。熱源は、組成物層の一部分を溶融するために、外部表面の温度を維持するか、または上げるために十分な温度を提供することができる。第1の加熱手段として機能する外部ヒーター80、および第2の加熱手段として機能するローラー52は、独立して、またはいずれかの組み合わせで、組成物層の一部分、すなわち未露光の部分を液化するために十分な温度まで、感光性要素22の外部表面28を加熱することが可能である。要素22を加熱する追加的な別の方法も可能であり、そして本システムおよび方法に含まれるものは、当業者の範囲内である。熱プロセスの間に印刷版がその形状を保持することを確実にするため、要素22の背面表面、例えば、支持体を冷却するために冷却システム78が機能する。
印刷版サブシステム40は、感光性要素22に現像媒体32を供給するためのローラー52を含み、ローラー52は、要素22を加熱するための、もう1つの手段を提供することができる。ローラー52またはホットローラー52は、要素22の外部表面28の温度を維持するか、またはさらに上げ、それによって、ウェブ32との接触時に印刷版の未現像部分が液体状態であることが確実となる。ローラー52は、赤外線ヒーターなどのラジエントヒーター82で、またはカートリッジヒーターなどの他の加熱手段で加熱することができる。一実施形態において、ローラー52の外部表面は、ラジエントヒーター82で加熱される熱伝導性層55を含む(図1には3つのラジエントヒーター82が示され、そして単純さのために、図2には1つのラジエントヒーター82のみが示される)。ローラー52は、要素22を運搬するドラム56に隣接して配置される。ローラー52は、外部ヒーター80にも隣接する。
ローラー52は、ウェブ32およびホイル54を要素22の外部表面28と接触させる手段としても機能する。ウェブ32およびホイル54が、それぞれ、ウェブサブシステム34およびホイルサブシステム36を通過した後、ウェブ32およびホイル54は、曲がった経路に沿ってローラー52の周囲を通過することによって接合する。ウェブ32およびホイル54が圧力ローラー52を通過すると、ウェブ32は要素22の外部表面28に対してプレスされ、それによって、要素22の溶融した未露光部分を吸収する。
使用のプロセス
感光性要素22を熱現像するプロセスのための装置の操作は、図1および図2に関して記載される。熱現像システム20はホームポジションにあり、ドラム56は固定されて、供給トレイ96に隣接している。支持体部材98は、ドラム56上にあらかじめ据え付けられた。あるいは、ドラム56は、ドラム56に必要不可欠である支持体部材98で構成される。支持体部材98は、外部表面88を含む。操作者は、要素22を供給トレイ96に配置する。次いで、操作者は、要素22のリード部分24をドラム56でピンバー92に係合する。ドラム56を予熱するために、ヒーター80および/または任意選択のドラムヒーター(図示せず)が使用されてもよい。ドラム56を冷却するために、冷却システム78も使用されてよい。図4に示すように、ローラー52は、圧縮可能なカラー53によって包囲されたコア部材51、および圧縮可能なカラー53を包囲する熱伝導性層55から構成される。ローラーを予熱するため、特にローラーの熱伝導性層55を加熱するために、ローラー52に隣接する1つまたはそれ以上の赤外線ヒーター82を使用する。ドラム56が回転を開始し、それによって、要素のテール部分26が、第2のピンバー94を有する回転可能な部材90に隣接するまで、要素が支持体部材98に隣接するように、感光性要素22を運搬する。要素22のテール部分26は、第2のピンバー94と係合する。ドラム56および回転可能な部材90は、一緒に回転するか、または実質的に一緒に回転し、熱現像の間、すなわち、要素がヒーター80およびローラー52によって循環すると、要素22とドラム56の外部表面88との接触を保持する。ヒーター80は、要素22がヒーター80を達成する前に予熱されてもよく、次いで、要素22の組成物層を溶融、軟化または液化するための所望の温度を達成するための操作設定に切り替えられる。要素22のリード部分24が、ローラー52がドラム56と接触する位置を通過した後、空気ロール装填シリンダー83は、ローラー52に取り付けられたアーム84を移動し、それによって、要素22に対して現像媒体ウェブ32およびホイル54を運搬する。感光性印刷版組成物層は、現像媒体と接触する間、最も好ましくは、40〜230℃(104〜392°F)まで加熱される。(これらのパラメーターは実例である)。現像ウェブ32は、要素22の外部表面28と接触し、そして組成物層の未露光の部分から、ポリマーの液化された部分を吸収し、印刷版としての使用のために適切なレリーフパターンまたは表面を形成する。現像媒体32と、未硬化領域で溶融する要素22とのいくぶん密接な接触を維持することによって、要素22から現像ウェブ32への未硬化感光材料の移動が生じる。なお加熱された条件で、現像ウェブ32は硬化された要素22から分離され、レリーフ構造が現れる。
要素22のトレイル部分がローラー22−ドラム56接触点、すなわち、ニップ86を通過すると、ヒーター80は冷却されるか、または停止されてもよく、空気ロール装填シリンダー83はローラー52を格納し、そしてウェブ32およびホイル54の移動を停止する。加熱および接触させるもう1つのサイクルを開始するために、ドラム56は要素22のリード部分24をホームポジションに戻してもよい。外部表面28を液化するために要素22を加熱する工程と、溶融部分を現像媒体と接触させる工程のサイクルを、必未硬化材料を十分に除去して、十分なレリーフ深さを生じさせるために必要なだけ何回も繰り返することができる。しかしながら、適切なシステム効率のためにサイクルの数を最小化することが望ましく、そして典型的に光重合性印刷版は、5〜15回のサイクルで熱処理される。(未硬化部分が溶融または液化している間の)組成物層への現像材料の密接な接触は、層および現像材料を一緒にプレスすることによって維持されてもよい。
感光性要素
本発明は、熱処理される要素の種類に限定されない。一実施形態において、感光性要素は、可撓性基材と、基材上に据え付けられた組成物層とを含む。組成物層は、部分的に液化可能な基材上の少なくとも1つの層である。一実施形態において、感光性要素は、フレキソ印刷版としての使用に適切なエラストマー印刷要素である。もう1つの実施形態において、感光性要素は、活版印刷に適切な凸版印刷版である。もう1つの実施形態において、感光性要素は、グラビア様印刷に適切な凸版印刷版である。基材上の少なくとも1つの層は、好ましくは感光性層、そして最も好ましくは、エラストマー組成物の光重合性層であり、感光性層は化学線によって選択的に硬化することができる。本明細書に使用される場合、「光重合性」という用語は、光重合性、光架橋性または両方である系を包含する。組成物層が可撓性基材上に2つ以上の感光性層を含んでなる場合、各感光性層の組成物は、他の感光性層と同一であるか、または異なることができる。
感光性組成物の層は、熱現像時に部分的に液化することが可能である。すなわち、熱現像の間、未硬化組成物は、適切なプロセスまたは現像温度で軟化または溶融しなければならない。組成物層の少なくとも外部表面は、層の一部分を液化、軟化または溶融するために十分な温度まで加熱される。
感光性層は、少なくとも1種のモノマーおよび光重合開始剤、ならびに任意選択的に結合剤を含む。少なくとも1種のモノマーは、少なくとも1個の末端エチレン基を有する、付加重合性エチレン系不飽和化合物である。感光性層で使用可能なモノマーは当該技術において周知であり、そして単官能基アクリレートおよびメタクリレート、多官能基アクリレートおよびメタクリレート、ならびにポリアクリロイルオリゴマーが含まれる。モノマーのさらなる例は、米国特許第4,323,636号明細書、同第4,753,865号明細書および同第4,726,877号明細書に見ることができる。モノマーの混合物が使用されてもよい。
光重合開始剤は、化学線への露光時にフリーラジカルを発生する化合物である。既知の種類のいずれの光重合開始剤、特にフリーラジカル光重合開始剤が使用されてもよい。あるいは、光重合開始剤は、その1種が、放射線によって活性化された感光剤によって生じるフリーラジカルを提供する化合物の混合物でもよい。
任意選択の結合剤は、予め形成されたポリマーであり、露光前のモノマーおよび光重合開始剤のためのマトリックスとして役に立ち、そして露光前および露光後のフォトポリマーの物理的特性の要因である。一実施形態において、任意選択の結合剤はエラストマーである。エラストマー結合剤の非限定的な例は、Aが非エラストマーブロック、好ましくはビニルポリマー、最も好ましくはポリスチレンを表し、そしてBがエラストマーブロック、好ましくはポリブタジエンまたはポリイソプレンを表す、A−B−A型ブロックコポリマーである。使用されてもよい他の適切な感光性エラストマーとしては、米国特許第5,015,556号明細書および同第5,175,072号明細書に記載されるものなどのポリウレタンエラストマーが含まれる。モノマーまたはモノマーの混合物は、透明で曇りのない感光性層が生じる程度に結合剤と親和性がなければならない。
感光性層への追加の添加剤は、着色剤、加工助剤、酸化防止剤および抗オゾン化剤が含まれる。
感光性要素は、基材の反対側の感光性層側に1つまたはそれ以上の追加の層を含んでもよい。追加の層の例には、限定されないが、剥離層、キャッピング層、エラストマー層、レーザー放射感応性層、化学線不透明層、バリア層およびそれらの組み合わせが含まれる。1つまたはそれ以上の追加の層は、好ましくは、使用される感光性要素のための容認できる現像温度の範囲で、現像媒体との接触によって、全体または一部分で除去可能である。1つまたはそれ以上の追加の他の層は、感光性組成物層をカバーすることができるか、または部分的にのみカバーすることができる。感光性組成物層を部分的にのみカバーする追加の層の例は、像様適用、例えば、化学線ブロック材料またはインクのインクジェット適用によって形成されるマスキング層である。
本発明の感光性要素は、感光性要素の最上層上に一時的カバーシートをさらに含んでもよい。カバーシートの1つの目的は、貯蔵および取り扱いの間に感光性要素の最上層を保護することである。最終用途次第で、カバーシートは画像形成の前に除去されても、または除去されなくてもよいが、現像の前に除去される。カバーシートのための適切な材料は、当該技術において周知である。
基材は耐引裂き性であるように選択され、そして、例えば、基材上で形成される組成物層の液化温度より高い、非常に高い融点を有さなければならない。基材のための材料は限定されないが、そして、ポリマーフィルム、フォーム、布、ならびにアルミニウムおよび鋼などの金属から選択することができる。基材は、非反応性であり、プロセス条件を通して安定したままであるフィルムを形成する、ほとんどいずれのポリマー材料であることが可能である。適切なフィルム支持体の例には、セルロースフィルム、ならびにポリオレフィン、ポリカーボネートおよびポリエステルなどの熱可塑性材料が含まれる。支持体の形状は限定されない。支持体は、シートの形態、またはスリーブなどの円筒状の形態でもよい。スリーブは、単層または複数の層の可撓性材料から形成されてもよい。ポリマーフィルム製の可撓性スリーブは、紫外線放射に典型的に透明であり、それによって、円筒状印刷要素の床を構築するためのバックフラッシュ露光に適合するため、好ましい。複数層状スリーブも容認でき、そして可撓性材料の層の間に接着剤層またはテープを含んでもよい。スリーブは、ニッケルまたはガラスエポキシなどの非透明の化学線ブロック材料から製造されてもよい。スリーブは、典型的に、4〜80ミル(0.010〜0.203cm)以上の壁厚を有する。円筒の形態のための好ましい壁厚は、10〜40ミル(0.025〜0.10cm)である。感光性要素の基材は、約0.01mm〜約0.38mmの厚さを有する。放射線硬化性組成物層の厚さは約0.35mm〜約7.6mmであり、好ましい厚さは約0.5mm〜3.9mm(20〜155ミル)である。
感光性要素は、要素を化学線に像様露光することによって、熱現像のために調製される。像様露光の後、感光性要素は、放射線硬化性組成物層の露光された領域で硬化部分を含有し、そして放射線硬化性組成物層の未露光の領域の未硬化部分を含有する。像様露光は、画像保持マスクを通して感光性要素を露光することによって実行される。画像保持マスクは、印刷される対象を含有する白黒の透明ポジまたはネガであってよいか、または組成物層上でレーザー放射感応性層によって形成されるその場マスク、または当該技術で既知の他の手段であってよい。像様露光は、真空フレームで実行することができるか、または大気酸素の存在下で実行されてもよく、または不活性気体および大気酸素未満の酸素の濃度を有する制御された環境で実行されてもよい。露光時に、マスクの透明領域は付加重合または架橋を生じさせ、化学線不透明領域は非架橋のままにする。露光は、支持体または背面露光層(床)まで露光された領域を架橋するために十分な期間である。像様露光時間はバックフラッシュ時間より非常に長く、そして数分から何十分の範囲に及ぶ。米国特許第5,262,275号明細書、米国特許第5,719,009号明細書、米国特許第5,607,814号明細書、米国特許第5,506,086号明細書、米国特許第5,766,819号明細書、米国特許第5,840,463号明細書および欧州特許出願公開第0741330A1号明細書に開示されるようなダイレクト−トウ−プレート(direct−to−plate)画像形成に関して、画像保持マスクは、赤外線レーザー露光エンジンを使用するレーザー放射感応性層によってその場で形成される。
化学線源は、紫外線、可視および赤外線波長領域を包含する。特定の化学線源の適合性は、感光性要素からフレキソ印刷版を調製する際に使用される開始剤および少なくとも1種のモノマーの感光性によって決定される。ほとんどの共通のフレキソ印刷版の好ましい感光性は、それらがより良好な室内灯安定性を与えるため、UVおよび深可視領域のスペクトルにある。放射線に露光した組成物層の部分は、化学的に架橋および硬化する。未照射(未露光)の組成物層の部分は硬化せず、硬化された照射部分よりも低い溶融または液化温度を有する。次いで、像様露光された感光性要素は、吸収性材料によって容易に熱現像されて、レリーフパターンを形成する。
全背面露光、いわゆるバックフラッシュ露光は、支持体に隣接するフォトポリマー層の予め定められた厚さを重合させるために、像様露光の前または後に実行されてもよい。フォトポリマー層のこの重合部分は、床と示される。床厚さは、露光時間、露光源などで変化する。この露光は、拡散して行われるか、または直接的であってもよい。像様露光のために適切な全ての放射線源が使用されてもよい。露光は、一般に、10秒〜30分である。
マスクを通してのUV放射線への全露光の後に、感光性印刷要素は上記の通り、熱現像され、光重合性層の未重合領域を除去し、それによって、レリーフ像が形成される。熱現像工程は、光重合性層の化学線に露光されなかった領域、すなわち、未露光領域または未硬化領域において少なくとも光重合性層を除去する。エラストマーキャッピング層を除き、典型的に光重合性層上に存在してもよい追加の層も、熱現像の間、光重合性層の重合領域から除去されるか、または実質的に除去される。熱現像の後、光重合を完了し、そしてフレキソ印刷版の表面に粘着防止化するためのいずれかの順序で、フレキソ印刷版は、後露光および/または化学的もしくは物理的に後処理されてもよい。
本方法によって調製される印刷版(すなわち、暴露されて、処理された光重合性要素)は、約40〜70ショアAのジュロメーターを有することができる。本明細書に記載される光重合性層を有する感光性要素、および得られた印刷版は、比較的圧縮不可能なエラストマー層を有する。ジュロメーターは、材料の硬度を示すいくつかの方法の1つであり、そして永続的なくぼみに対する材料の抵抗として定義される。ジュロメーターは、規格化された押えの上で与えられた力による、材料(典型的に、0.25インチの厚さを有するように指定される)のくぼみの深さを測定する。ジュロメーターにはいくつかのスケールがあり、ショアAスケールは軟質プラスチックのために典型的に使用される。各スケールは0〜100の値をもたらし、より高い値ほど、より硬質の材料を示す。またショアAジュロメーターは、典型的に、エラストマー印刷前駆体および印刷版を特徴づけるために使用される。しかしながら、いくつかの場合、印刷版は、ショアAジュロメーター測定のために使用される0.25インチ(0.64cm)の指定された厚さで入手可能でない。したがって、ショアAジュロメーターの測定は、しばしば、67ミル(0.067インチ)(0.17cm)の厚さ(すなわち、光重合性層および支持体の厚さ)を有する容易に入手可能な印刷版で行われる。いくつかの実施形態において、印刷版(67ミルの光重合性層および支持体の全体の厚さを有する)は、約50〜80ショアAのジュロメーターを有する。いくつかの実施形態において、67ミルの厚さを有する印刷版のジュロメーターは、50〜65ショアAである。他の実施形態において、印刷版のジュロメーターは65および80ショアAである。ショアAジュロメーターは、例えば、The Shore Instrument & Manufacturing Company,Inc.(Jamaica,New York,USA)製のShore Durometer Hardness Gauge Type“A−2”を使用して測定することができる。ショアAジュロメーターを測定するための他の機器は容易に入手可能であり、当業者に周知である。
以下の実施例において、全てのパーセントは、特記されない限り、重量による。CYREL(登録商標)光重合性印刷版、CYREL(登録商標)デジタルイメージャー、CYREL(登録商標)露光ユニットおよびCYREL(登録商標)プロセッサーは、全て、The DuPont Company(Wilmington,DE)から入手可能である。
機器類
印刷版のレリーフ表面の様々な特徴の品質および/または程度を決定するために、顕微鏡または光学デバイスなどの共通の像成形技術が使用されてよい。適切な光学デバイスの一例は、Beta Industries(Carlstadt,NJ)からのBetaflexフレキソ分析器ユニットであり、それはドット面積、スクリーンルーリングおよびドット品質などのレリーフ特徴の測定および分析のため、像としてレリーフ印刷版の凸状構造をとらえる。
凹状領域のクリーンアウト、すなわち深さおよびプレートの凸状領域に示される他の特徴を測定するために、Hirox 3D Digital Microscopeを使用した。
実施例1
以下の実施例は、0.4未満のポアソン比を有する圧縮可能なカラーを有するホットローラーおよびエラストマー層を含まずにアルミニウム上で陽極処理された層を有するドラムを有する熱現像ユニットにおける感光性要素の熱プロセスによって、折り目またはしわなどの欠陥がなく、印刷に適切なレリーフ表面を有する凸版印刷版が製造されることを実証する。
使用される感光性要素は、支持体;エラストマー結合剤、エチレン系不飽和化合物、光重合開始剤および他の添加剤から構成される、支持体に隣接する光重合性組成物の層;支持体の反対側で光重合性層に隣接して、赤外線のレーザー放射によって前駆体から切除可能であった、化学線不透明な材料および結合剤を有する組成物の層;ならびに切除可能な層に隣接するカバーシートを含むCYREL(登録商標)フレキソ印刷前駆体であった。全ての感光性要素は、50インチ×80インチの径を有した。いくつかの異なる種類の感光性要素が使用され、これは数(支持体および光重合性層の全体の厚さをミルで表す)および文字(製品の種類を表す)の組み合わせによって識別され、下記の表に示されるように、プレート1〜5として参照符をつけられる。それぞれの感光性要素の化学線不透明な層は、CYREL(登録商標)デジタルイメージャーで赤外線レーザー放射によってレーザー切除され、その場マスクを形成し、次いで、背面露光に関しては12.5mWatts/cm2、そして主露光に関しては14.4mWatts/cm2のエネルギー密度で、熱現像前に下記に示される時間で、その場マスクを通して、CYREL(登録商標)3000ETL露光ユニット上で支持体を通して365nm紫外線放射に露光されて床を形成した。
感光性要素は、熱現像の間に要素を担持するための支持体ドラム、要素の外部表面と接触して多層ウェブを担持することが可能な加熱されたニップローラー、すなわち、ホットローラー、およびその空気出口が、ホットローラーによる現像媒体とのニップの接触の前に、要素の外部表面に衝突するように向きを定められたノズル送風装置アセンブリを有する実質的に図1に示す熱現像装置で処理された。ホットローラーは、0.4未満のポアソン比、25%の撓みで60ポンド/平方インチの圧縮力撓みを有する独立気泡シリコーンフォームの圧縮可能なカラー、および圧縮可能なカラーの最外部層として熱伝導性固体のシリコーンエラストマー薄層を含んだ。ドラムは、陽極処理されたコーティング層を含む外部表面を有したが、エラストマーまたは固体シリコーン層を含まず、そのため、ドラムの外部表面は、なめらかな金属表面であると考えられた。多層ウェブは、吸収性材料としてポリエステル不織布、および支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルム(0.5ミル)から構成され、それらはホットローラーに個々に供給された。それぞれ2つの材料のウェブは、支持体が吸収性材料に隣接し、そして感光性要素の外部表面の反対側になり、かつ不織布は感光性要素の外部表面と接触するようにホットローラーで接触し、ニップで現像媒体を提供した。その後、多層ウェブ(または現像媒体)は1つのウェブとして巻取りまたは廃物ロールまで移動した。
それぞれの要素は、要素の外部表面(すなわち、ベース支持体の反対側の表面)が空気ノズル、および現像媒体を運搬するホットローラーに面するように、張力下で支持体ドラムに配置され、固定された。要素は、以下の通りに記載される全てのパスのプロセス条件で熱処理された。空気ノズルの出口は、要素の外部表面に向けられた複数の穴の線形配列であった。ホットローラーは、赤外線のバルブを加熱することによって、示される温度まで外部的に加熱された。実施例のプレート要素に関して、熱プロセッサーの感光性要素の現像サイクルは、要素の外部表面を加熱すること、要素を現像媒体のウェブと接触させ、未重合の部分を除去すること、および現像媒体を要素から分離することから構成される。実施例のプレート要素は、全て、ノズル出口から放出する空気によって予熱され、ホットローラーで担持された現像媒体と接触し、そして溶融した光重合性材料の部分(すなわち、光重合性層の未露光の部分)を運搬除去する現像媒体から分離された。徹底的に材料を除去する現像のための最後のサイクルの後、プレートの表面は、接触させずに空気噴射を通過したプレートを回転させること、すなわち、研磨サイクルによって、現像媒体で研磨された。
研磨サイクルを含む示された数のサイクルの後、プレートのレリーフ構造の品質を評価し、そして以下の表に記録した。
この結果は、現像媒体を供給し、感光性要素を加熱するための独立気泡フォームエラストマーの圧縮可能なカラーを有するホットローラー、および感光性要素を運搬するなめらかな金属表面を有するドラムの組み合わせを有するプロセッサーの熱現像によって、波または折り目のない、印刷するために適切なレリーフ表面を有するプレートが製造されることを明白に示した。プレートは、ジュロメーターで示されるように異なる硬度を有し、そして、折り目、波またはしわを形成せずに首尾よく熱処理された。
比較1
以下の試験は、固体シリコーン層を有するホットローラーおよびとエラストマーカバー層を有さないドラムを有する熱現像ユニットにおけるプロセスによって、感光性要素に折り目および/またはしわが形成されることを実証した。
米国特許第6,797,454号明細書の図6に記載の装置と同一であるか、または非常に類似したCYREL(登録商標)FAST TD1000熱現像ユニットのプロトタイプを試験に使用した。この熱現像ユニットは、粘着付与層として作用するDow236分散液が塗布され、かつエラストマーまたは固体シリコーン層を含まない外部表面を有し、処理される印刷要素の背面で対応性を提供するドラムと;約50のショアA硬度を有する固体シリコーンゴムから形成された外部表面を有するホットローラーとを含んだ。感光性要素の加熱を補助するために赤外線ランプを使用し、そして下記の条件のIRの値は、フルパワーのパーセントを示す。このプロセスによってドラムを加熱し、そして示される温度でドラムを維持するために冷却装置を使用し、その外部表面の近く、そして印刷要素が据え付けられる所の近くでドラムの端部に温度を決定するためのセンサーを配置した。速度は、インチ/分のドラムの表面速度である。下記の条件で、「プレス」値は、各サイクルに適用される2.25psi/プレート幅の線形インチのパーセントである(100は、プレート幅の線形インチあたり、2.25psiに等しい)。
使用される感光性要素は、CYREL(登録商標)フレキソ印刷要素、FD1(67ミル)であり、30インチ×46インチの径を有した。印刷要素は、床を形成するために支持体を通して、そして像様露光のために試験標的を通して354nmでUV放射線に露光された。
フレキソ印刷に適切なレリーフ表面を形成するために、感光性要素は、以下に示される条件で上記の熱現像ユニットで処理された。圧力は、プレート幅1インチあたり2.25psiであった。これは、圧力ロールを作動させる空気シリンダーに適用された圧力であった。熱プロセッサーの印刷要素のパスは、要素を加熱すること、要素を不織物の現像媒体のウェブと接触させ、未重合の部分を除去すること、および現像媒体を要素から分離することから構成された。
それぞれドラム上で異なる構成である4つの印刷要素、試験1〜4の試験の結果は以下の通りである。
比較1の結果は、現像媒体を供給するため、および感光性要素を加熱するための固体シリコーン外部層を有するホットローラーと、感光性要素を運搬する硬質金属表面を有するドラムとの組み合わせを有するプロセッサーでの熱現像によって、折り目およびしわを有するプレートが製造されたことを明白に示した。ニップの圧力を低下させ、操作の容認できないモードと考えられる場合でも、しわはプレートに一時的に形成された。
実施例1および比較1の熱現像プロセッサー間の差異にもかかわらず、得られたプレートの比較によって、ニップホットローラーにおける材料の対応する特性は、印刷要素の品質、特に折り目およびしわの形成に非常に影響した。実施例1および比較1の印刷要素は、両方ともドラムの対応しない表面、すなわち、単に塗布されたか、または陽極処理されただけの金属表面上にあり、したがって、印刷要素のニップホットローラーの対応性の影響は直接的な比較であった。比較1に関して、固体シリコーン(ジュロメーター50ショアAを有する)の層を有するホットローラーは、ドラムの粘着付与表面上に存在する印刷要素にしわおよび/または折り目を誘導した。実施例1に関して、独立気泡エラストマーフォーム(0.4未満のポアソン比および25%の撓みで60psiの圧縮力撓みを有する)の圧縮可能なカラーを有する加熱されたニップローラーは、印刷に望ましいレリーフ表面を提供し、そして陽極処理された金属ドラム表面上に存在する印刷要素にしわおよび/または折り目を誘導しなかった。
実施例3
本実施例は、0.4未満のポアソン比および25%の撓みで異なる圧縮力撓みを有する独立気泡フォームの圧縮可能なカラーを有するコア部材の使用による感光性要素の熱現像を実証する。
使用される感光性要素は、CYREL(登録商標)フレキソ印刷前駆体、タイプDFH(ベース支持体および光重合性層の全体の厚さが45ミルであった)であり、これは、支持体;エラストマー結合剤、エチレン系不飽和化合物、光重合開始剤および他の添加剤から構成される、支持体に隣接する光重合性組成物の層;支持体の反対側で光重合性層に隣接して、赤外線のレーザー放射によって前駆体から切除可能であった、化学線不透明な材料および結合剤を有する組成物の層;ならびに切除可能な層に隣接するカバーシートを含んだ。前駆体は、その場マスクを形成するためにレーザー放射に露光され、熱現像の前に支持体を通して、そしてその場マスクを通してUV放射線に暴露された。感光性要素は、熱現像プロセスのための径に切断された。
感光性要素は、熱現像の間に要素を担持するための支持体ドラム、要素の外部表面と接触して多層ウェブを担持することが可能な加熱されたニップローラー、およびその空気出口が、要素の外部表面に衝突するように向きを定められたノズル送風装置アセンブリを有する実質的に図1に示す熱現像試験ベッド装置で処理された。感光性要素を試験した試験ベッド装置は、幅約6インチであった。試験ごとに、試験ベッド装置を、以下に示されるように独立気泡フォームの圧縮可能なカラーを有する異なる加熱ニップローラーを含むように変更した。それぞれのホットロールは、熱伝導性固体シリコーン層、タイプThermo Cool TC100(Saint−Gobain,Aurora,Ohio,USA)も含んだ。
多層ウェブは、吸収性材料としてポリエステル不織布、および支持体としてポリエチレンテレフタレートフィルム(0.5ミル)から構成され、それらはホットローラーに個々に供給された。それぞれ2つの材料のウェブは、支持体が吸収性材料に隣接し、そして感光性要素の外部表面の反対側になり、かつ不織布は感光性要素の外部表面と接触するようにホットローラーで接触し、ニップで現像媒体を提供した。その後、多層ウェブ(または現像媒体)は1つのウェブとして巻取りまたは廃物ロールまで移動した。
それぞれ要素は、要素の外部表面(すなわち、ベース支持体の反対側表面)が空気ノズルに面し、そしてホットローラーが現像媒体を運搬するように支持体ドラムに配置され、固定された。要素は、表1に記載される全てのパスのプロセス条件で熱処理された。要素を運搬するドラムは、60インチ/分で回転した。ホットローラーは、赤外線の加熱バルブによって、表1に示される温度まで外部的に加熱された。熱プロセッサーの感光性要素のサイクルは、要素の外部表面を加熱すること、要素を現像媒体のウェブと接触させ、未重合部分を除去すること、および現像媒体を要素から分離することから構成された。実施例の感光性要素は全て、ノズル出口から放出する空気によって予熱され、ホットローラーで担持された現像媒体と接触し、そして溶融した光重合性材料の部分(すなわち、光重合性層の未露光の部分)を運搬除去する現像媒体から分離された。
示された数のサイクルの後、プレート上のいくつかの位置でHirox 3Dデジタル顕微鏡によってレリーフ深さを測定し、そしてクリーンアウト品質を示す各プレートのレリーフ深さを表2に記録した。
この結果は、独立気泡エラストマーフォームの圧縮可能なカラーの25%の撓みでの圧縮力撓みが増加すると、レリーフ表面のクリーンアウトは増加、すなわち、改善されたことを示した。全てのニップロールは、圧縮可能なカラー上に同一の熱伝導性固体シリコーンの層を有した。試験された特定の感光性要素に関して未硬化材料の最も高いクリーンアウト、すなわち、最も高い除去によって決定されるように、25%の撓みで60psiの圧縮力撓みを有する圧縮可能なカラー層を有するニップロールが最良に機能した。
実施例4
試験ベッド装置が、以下に示される独立気泡フォームの圧縮可能なカラーを有する加熱されたニップロールを含むように変更されたことを除き、実施例3を繰り返した。ホットロールは、熱伝導性固体シリコーン層(タイプThermoCool TC100)を含んだ。試験された感光性要素は、45DFHであった。試験の条件は、実施例3の試験4で使用されたものと同一であった。
得られたプレート試料のクリーンアウト品質は非常に良好だった。しかしながら、ハイライトドットおよび線などの微細な凸状要素のわずかな屈曲または歪曲が観察された。この結果は、25%の撓みで70psiの圧縮力撓みを有する独立気泡フォームの圧縮可能なカラーを有する加熱されたニップロールは、大部分の感光性要素のために適切である可能性があるが、上限に近いと考えられることを示す。
本発明は以下の実施の態様を含むものである。
1.外部表面を有し、かつ部分的に液化可能な光重合性組成物の層を含んでなる感光性要素から凸版印刷版を調製する方法であって、a)前記外部表面に隣接してコア部材と共に現像媒体を担持する工程と、b)層の一部が液化し、液化材料を形成するために十分な温度まで前記外部表面を加熱する工程と、および、c)前記感光性要素を前記現像媒体と接触させ、前記現像媒体によって前記液化材料を除去する工程と、を含んでなり、0.4未満のポアソン比を有する独立気泡フォームを含んでなる圧縮可能なカラーが、前記コア部材と前記現像媒体との間に配置される、方法。
2.前記独立気泡フォームが、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)から選択される、1に記載の方法。
3.前記圧縮可能なカラーが、0.10〜0.40のポアソン比を有する、1に記載の方法。
4.前記圧縮可能なカラーが、25%の撓みで25〜約85ポンド/平方インチ(psi)の圧縮力撓みを有する、1に記載の方法。
5.前記圧縮可能なカラーが、0.05〜0.80インチの厚さを有する、1に記載の方法。
6.前記カラーと前記現像媒体との間に配置される熱伝導性エラストマーの層をさらに含んでなる、1に記載の方法。
7.前記熱伝導性エラストマーが、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)から選択される固体エラストマーである、6に記載の方法。
8.接触工程c)の前に、前記熱伝導性シリコーン層の外部表面を放射エネルギーで加熱する工程をさらに含んでなる、6に記載の方法。
9.前記熱伝導性エラストマー層が、1.0〜2.0ワット/メーター−ケルビンの熱伝導率を有する、6に記載の方法。
10.前記コア部材が、圧縮可能なカラーと、前記圧縮可能なカラー上で最外部層を形成する熱伝導性固体エラストマーとを含んでなる、1に記載の方法。
11.不撓性外部表面を有する支持体部材上に前記感光性要素を担持することをさらに含んでなる、1に記載の方法。
12.外部表面を有し、かつ部分的に液化可能な光重合性組成物の層を含んでなる感光性要素から、凸版印刷版を調製するための装置であって、a)前記外部表面に隣接してコア部材と共に現像媒体を担持する手段と、b)層の一部を液化し、液化材料を形成するために十分な温度まで前記外部表面を加熱するための手段と、および、c)前記感光性要素を前記現像媒体と接触させ、前記現像媒体によって前記液化材料を除去するための手段と、を含んでなり、前記担持するための手段が、コア部材と現像媒体との間で圧縮可能なカラーを含んでなり、前記圧縮可能なカラーが、0.4未満のポアソン比を有する独立気泡フォームを含んでなる、装置。
13.前記独立気泡フォームが、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)から選択される、12に記載の装置。
14.前記圧縮可能なカラーが、0.10〜0.40のポアソン比を有する、12に記載の装置。
15.前記圧縮可能なカラーが、25%の撓みで25〜85ポンド/平方インチ(psi)の圧縮力撓みを有する、12に記載の装置。
16.前記圧縮可能なカラーが、0.05〜0.80インチの厚さを有する、12に記載の装置。
17.前記担持するための手段が、前記カラーと前記現像媒体との間に配置される熱伝導性エラストマーの層をさらに含んでなる、12に記載の装置。
18.前記固体エラストマーが、シリコーン、フルオロシリコーンゴム、フルオロカーボンゴムまたはエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)から選択される、17に記載の装置。
19.前記熱伝導性固体エラストマー層を放射エネルギーで加熱するための手段をさらに含んでなる、17に記載の装置。
20.前記熱伝導性固体エラストマー層が、1.0〜2.0ワット/メーター−ケルビンの熱伝導率を有する、17に記載の装置。
21.前記コア部材がローラーであり、前記圧縮可能なカラーが前記ローラーに固定され、0.10〜0.40のポアソン比および25%の撓みで35〜70の圧縮力撓みを有する独立気泡シリコーンフォームを含んでなり、かつ1.0〜2.0ワット/メーター−ケルビンの熱伝導率を有し、前記現像媒体に隣接し、前記コア部材の反対側の前記圧縮可能なカラーの側面に固定される熱伝導性固体シリコーン層をさらに含んでなる、12に記載の装置。
22.不撓性外部表面を有する支持体部材上に前記感光性要素を担持するための手段をさらに含んでなる、12に記載の装置。