JP5996153B1 - 劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム - Google Patents

劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム Download PDF

Info

Publication number
JP5996153B1
JP5996153B1 JP2016536258A JP2016536258A JP5996153B1 JP 5996153 B1 JP5996153 B1 JP 5996153B1 JP 2016536258 A JP2016536258 A JP 2016536258A JP 2016536258 A JP2016536258 A JP 2016536258A JP 5996153 B1 JP5996153 B1 JP 5996153B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deterioration
degradation
location
distribution
intensity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016536258A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017098601A1 (ja
Inventor
阿部 芳春
芳春 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5996153B1 publication Critical patent/JP5996153B1/ja
Publication of JPWO2017098601A1 publication Critical patent/JPWO2017098601A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01HMEASUREMENT OF MECHANICAL VIBRATIONS OR ULTRASONIC, SONIC OR INFRASONIC WAVES
    • G01H17/00Measuring mechanical vibrations or ultrasonic, sonic or infrasonic waves, not provided for in the preceding groups

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

検査対象機器から収集した収集データの周波数分析を行い、強度の時間周波数分布を求める時間周波数分析部(102)と、強度の時間周波数分布と、予め蓄積した検査対象機器が正常動作している際の強度の時間周波数分布のパラメータとに基づいて、劣化度の時間周波数分布を推定する劣化度分布推定部(103)と、劣化度の時間周波数分布に基づいて、少なくとも検査対象機器の劣化個所を判定する劣化個所判定部(105)とを備える。

Description

この発明は、機器から発生する音や振動データに基づいて、機器の劣化個所を推定する技術に関するものである。
従来より、機器の異常を検知し、劣化個所を推定する技術が種々開示されている。例えば、特許文献1に開示されたエレベータの異常診断装置では、振動加速度センサの振幅値をウェーブレット変換し、生成したウェーブレットスペクトラムデータ中の許容基準値を超える振動の振幅値を、異常部位データベースと照合して異常な振動の原因となる部位を判定している。
特開2006−056635号公報
しかし、上述した特許文献1では、検査対象機器から発生する振動は、検査対象機器の周囲の温度および検査対象機器の走行回数など、検査対象機器の動作時の環境により変動する点が考慮されておらず、検査対象機器の振動が異常であるか判断するための精度が低下するという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、検査対象機器の動作時の環境の変動を考慮して検査対象機器の異常を判断し、劣化個所の推定を行うことを目的とする。
この発明に係る劣化個所推定装置は、検査対象機器から収集した音または振動からなる収集データの周波数分析を行い、強度の時間周波数分布を求める時間周波数分析部と、時間周波数分析部が求めた強度の時間周波数分布と、予め蓄積した検査対象機器が正常動作している際の強度の時間周波数分布の各時間周波数領域ごとに独立したパラメータとに基づいて、各時間周波数領域ごとの変動成分を除去した劣化度からなる劣化度の時間周波数分布を推定する劣化度分布推定部と、劣化度分布推定部が推定した劣化度の時間周波数分布に基づいて、少なくとも検査対象機器の劣化個所を判定する劣化個所判定部とを備えるものである。
この発明によれば、検査対象機器の動作時の環境に応じて異常を判断することができ、劣化個所の推定精度を向上させることができる。
実施の形態1に係る劣化個所推定装置の概要を示す説明図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の正常観測データ蓄積部の蓄積データを示す図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の動作を示すフローチャートである。 図6Aおよび図6Bは、実施の形態1に係る劣化個所推定装置の強度分布パラメータの推定を示す説明図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の正常観測データ時間周波数分析部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の観測データ入力部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の時間周波数分析部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の劣化度分布推定部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の劣化度の推定を示す説明図である。 実施の形態1に係る劣化個所推定装置の劣化個所判定部の動作を示すフローチャートである。 図13A,図13B,図13Cおよび図13Dは、実施の形態1に係る劣化個所推定装置の劣化判定を示す説明図である。 実施の形態2に係る劣化個所推定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る劣化個所推定装置の観測データ蓄積部の蓄積データを示す図である。 実施の形態2に係る劣化個所推定装置の劣化判定器パラメータの一例を示す図である。 実施の形態2に係る劣化個所推定装置の劣化判定器パラメータの推定動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る劣化個所推定装置の劣化個所判定部の動作を示すフローチャートである。 実施の形態3に係る劣化個所推定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る劣化個所推定装置の観測データ入力部の動作を示すフローチャートである。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係る劣化個所推定装置100は、検査対象機器から発生する音を診断し、診断音から検査対象機器の劣化個所を推定する。劣化個所推定装置100は、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称する)上のソフトウェアとして実装される。PCは、USB端子とLAN端子を備え、USB端子にはマイクがオーディオインタフェース回路を介して接続され、LAN端子には検査対象機器がLANケーブルを介して接続される。検査対象機器は、PCから入力される指示に基づいて所定の運転動作を行うように構成さている。検査対象機器は、例えば、エレベータおよび車両などの複数の稼働部品からなる機器である。
図1は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100をエレベータに適用して移動体の診断システムを構成した場合の概要を示す図である。
図1の例では、劣化個所推定装置100は、検査対象機器であるエレベータAの乗車カゴBの外部且つ上部に搭載されている。また、図1の例では音センサ200がエレベータAの乗車カゴBの外部且つ上部に搭載され、乗車カゴBが往復運転する際にエレベータAの各稼働部品から発生する音を、当該音センサ200が集音する。
図2は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の構成を示すブロック図である。
劣化個所推定装置100は、観測データ入力部101、時間周波数分析部102、劣化度分布推定部103、強度分布パラメータ記憶部104および劣化個所判定部105で構成されている。
観測データ入力部101は、音センサ200が集音した集音データとしての音信号の波形をサンプリングし、デジタル化して観測データとして出力する。時間周波数分析部102は、観測データを分析し、強度の時間周波数分布を求める。劣化度分布推定部103は、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された強度の時間周波数分布のパラメータ(以下、強度分布パラメータと称する)を参照し、強度の時間周波数分布から劣化度の時間周波数分布を推定する。強度分布パラメータ記憶部104は、検査対象機器が正常に動作している際に取得された正常観測データから推定された強度分布パラメータを記憶する。劣化個所判定部105は、推定された劣化度の時間周波数分布をニューラルネットワーク(以下、NNと称する)へ入力し、NNからの出力を用いて検査対象機器が劣化しているかの推定および劣化個所の判定を行う。なお、劣化個所の判定では、劣化個所に加えて、当該劣化個所の劣化の度合を示す劣化度合または当該劣化個所が故障する割合を示す故障率を合わせて判定し、判定結果として出力するように構成してもよい。
図3は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100のハードウェア構成を示すブロック図である。
劣化個所推定装置100のハードウェアは、プロセッサ110a、メモリ110bおよび入出力インタフェース110cで構成される。観測データ入力部101、時間周波数分析部102、劣化度分布推定部103、劣化個所判定部105は、プロセッサ110aがメモリ110bに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。また、強度分布パラメータ記憶部104は、メモリ110b内に記憶されているものとする。上述のように劣化個所推定装置100をソフトウェアとして実装したPCからの指示は、入出力インタフェース110cを介してエレベータAに入力される。
図2に戻り、説明を行う。図2には、劣化個所推定装置100の強度分布パラメータ記憶部104に記憶するための強度分布パラメータを推定する強度分布パラメータ推定装置300の構成も示している。
強度分布パラメータ推定装置300は、劣化個所推定装置100が劣化個所推定処理を開始する前に、検査対象機器が正常に動作している際に取得した正常観測データを用いて強度分布パラメータを推定する。
強度分布パラメータ推定装置300は、正常観測データ蓄積部301、正常観測データ時間周波数分析部302および強度分布パラメータ推定部303を備える。正常観測データ蓄積部301は、検査対象機器が正常に動作している際に取得された正常観測データを蓄積する格納領域である。正常観測データ蓄積部301に蓄積される正常観測データの一例を図4に示す。
図4に示した正常観測データは、「個体名」、「観測データファイル名」、「故障種別C(v)」、「劣化S/N」、「故障率」で構成されている。正常観測データは、劣化個所推定装置100の観測データ入力部101から入力するように構成してもよい。
個体名は、観測データを取得したエレベータの個体を表す識別名である。観測データファイル名は、観測データ入力部101が取得した観測データを特定するためのファイル名称であり、観測した観測データである音信号を格納したファイルが特定される。故障種別C(v)は、検査対象機器が正常に動作しているか、故障しているかの種別を示す情報である。なお、図4に示した正常観測データは、検査対象機器が正常に動作している際の観測データであることから、全て「正常」を示す情報が書き込まれている。
劣化S/Nは、観測データである音信号のS/N比を示す情報であり、検査対象機器から劣化または故障に起因する音の大きさを示す値である。なお、正常観測データは、検査対象機器が正常に動作している際の観測データであり、劣化または故障に起因する音は含まれていないことから、劣化S/Nは全て検出限界以下であることを示す「−∞」が書き込まれている。故障率は、故障種別C(v)に対応した部位(劣化個所)が故障する割合である故障率を示す情報である。なお、正常観測データベースは、検査対象機器が正常に動作している場合の観測データであることから、全て数値「0.00」が書き込まれている。
上述した正常観測データは、1つの検査対象機器から収集した複数の観測データで構成されている。劣化個所推定装置が推定する検査対象機器に合わせた正常観測データが正常観測データ蓄積部301に蓄積されている。
図2に戻り、強度分布パラメータ推定装置300の各構成の説明に戻る。正常観測データ時間周波数分析部302は、正常観測データ蓄積部301に蓄積された正常動作時の観測データを分析し、強度の時間周波数分布を求める。強度分布パラメータ推定部303は、正常観測データ時間周波数分析部302が求めた強度の時間周波数分布から強度分布パラメータを推定する。強度分布パラメータ推定部303は、推定した強度分布パラメータを、劣化個所推定装置100の強度分布パラメータ記憶部104に格納する。
次に、劣化個所推定装置100が検査対象機器の劣化個所を推定するための動作について説明する。動作は、事前に強度分布パラメータ推定装置300が強度分布パラメータを推定する処理と、劣化個所推定装置100が検査対象機器の劣化個所を推定する処理とに分けて説明する。
まず、事前に強度分布パラメータ推定装置300が強度分布パラメータを推定する処理について説明する。以下の説明では、時間長を正規化された強度x(t,f)の時間周波数分布のパターンを「強度分布」、強度分布x(t,f)のインデックスtを単に「時間」、強度分布x(t,f)のインデックスfを単に「周波数」と称する。
図5は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100が参照する強度分布パラメータを推定する強度分布パラメータ推定装置300の処理動作を示すフローチャートである。 正常観測データ時間周波数分析部302は、正常観測データ蓄積部301から検査対象機器である個体名に関するN個の観測データを読み出す(ステップST1)。なお、ステップST1において読み出す観測データの個数N(例えば、N=5)は予め決められているものとする。以下では、N個の観測データを観測データn(n=0,1,2,・・・N−1)と表す。
正常観測データ時間周波数分析部302は、ステップST1で読み出した、個体名に関するN個の各観測データに対して時間周波数分析を行い、強度の時間周波数分布x(t,f,n,m)を取得する(ステップST2)。さらに正常観測データ時間周波数分析部302は、ステップST2で求めた強度の時間周波数分布xから、時間tおよび周波数fの時間周波数領域の強度に関して平均μ(t,f)および分散σ(t,f)を算出する(ステップST3)。強度分布パラメータ推定部303は、ステップST3で求めた時間tおよび周波数fの時間周波数領域の強度の平均μ(t,f)および分散σ(t,f)を強度分布パラメータとして強度分布パラメータ記憶部104に格納し(ステップST4)、処理を終了する。なお、ステップST3で算出した強度の分散σは、データの標本分散σの平方根である標準偏差σを「分散σ」として用いている。
上述した図5のフローチャートで示した強度分布パラメータ推定装置300の処理を図6Aおよび図6Bの説明図を参照しながら説明する。図6Aおよび図6Bは、強度分布パラメータ推定装置300の強度分布パラメータの推定を示す説明図である。
図6Aは、強度分布パラメータ推定装置300の正常観測データ時間周波数分析部302がステップST1として、3個の観測データを読み出した場合を示している。正常観測データ時間周波数分析部302は、ステップST2として、読み出した3個の観測データそれぞれに対応する強度の時間周波数領域X,X,X(図6Aでは、X,Xは不図示)において、強度の時間周波数分析を行い、強度の時間周波数分布x(t,f),x(t,f),x(t,f)を取得する。
強度分布パラメータ推定装置300は、ステップST3として、強度の時間周波数分布x(t,f),x(t,f),x(t,f)から時間tおよび周波数fの時間周波数領域の強度に関して平均μ(t,f)および分散σ(t,f)を算出し、強度分布パラメータとして強度分布パラメータ記憶部104に格納する。なお、図6Bに示した強度分布Yは、時間tおよび周波数fの時間周波数領域の強度に関して得られた平均μ(t,f)および分散σ(t,f)に基づいた正規分布である。
次に、図5のフローチャートに従って蓄積された強度分布パラメータを用いて、検査対象機器の劣化個所を推定する劣化個所推定装置100の各構成の動作について説明する。
まず、図7は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100全体の動作を示すフローチャートである。
検査対象機器の運転が開始されると(ステップST11)、観測データ入力部101は音センサ200が集音した集音データである音信号の波形データから観測データを取得する(ステップST12)。時間周波数分析部102は、ステップST12で取得された観測データから、固定長の強度の時間周波数分布x(t,f)を取得する(ステップST13)。劣化度分布推定部103は、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された強度分布パラメータと、ステップST13で取得された強度の時間周波数分布x(t,f)とに基づいて、劣化度の時間周波数分布を推定する(ステップST14)。劣化個所判定部105は、ステップST14で取得された劣化度の時間周波数分布をNNへの入力とし、NNの出力から検査対象機器が劣化しているか否かの推定および劣化個所の判定を行い、判定結果を出力する(ステップST15)。以上で、劣化個所推定装置100の処理動作が終了する。
次に、図7のフローチャートのステップST12で示した処理を、図8のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図8は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の観測データ入力部101の動作を示すフローチャートである。
音センサ200が集音した集音データである音信号が入力されると(ステップST21)、観測データ入力部101は入力された集音データである音信号のA/D変換を行い(ステップST22)、集音データである音信号の波形データのブロックを取得する(ステップST23)。観測データ入力部101は、検査対象機器の運転が終了したか否か判定を行う(ステップST24)。検査対象機器の運転が終了していない場合(ステップST24;NO)、ステップST21の処理に戻る。一方、検査対象機器の運転が終了した場合(ステップST24;YES)、観測データ入力部101はステップST23で取得した波形データのブロックを連結し、観測データとして時間周波数分析部102に出力する(ステップST25)。以上で、観測データ入力部101の処理動作が終了する。
なお、ステップST25で得られる観測データは、検査対象機器の動作と同期して検査対象機器から発生する音であって、例えばサンプリング周波数48kHzの16ビットリニアPCM(pulse code modulation)のデジタル信号で構成される。
次に、図7のフローチャートのステップST13で示した処理を、図9のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図9は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の時間周波数分析部102の動作を示すフローチャートである。
時間周波数分析部102は、観測データ入力部101から観測データが入力されると(ステップST31)、入力された観測データからフレームの切り出しを行い、切り出した各フレームに対してFFT演算を行い、周波数スペクトルの時系列y(i,j)を算出する(ステップST32)。
ステップST32で示したフレームの切り出し処理について詳細に説明する。時間周波数分析部102は、観測データに対して長さNFFT点の時間窓を所定の時間長の間隔で時間方向にずらしながらフレームの切り出しを行う。この実施の形態1では、例えばNFFT=1024の時間窓を16ミリ秒の間隔で時間方向にずらしながらフレームを切り出す。周波数スペクトルの時系列y(i,j)において、iはフレームを示すインデックス、jは周波数を示すインデックスである。なお、フレームのインデックスiおよび周波数のインデックスjは、それぞれ、0≦i<I,0≦j≦Jを満たす整数である。ここで、Iは周波数スペクトルの時系列のフレーム数、JはFFT演算におけるナイキスト周波数に相当するNFFTの2分の1の数J=NFFT/2(この実施の形態1ではJ=1024/2=512)である。
図9のフローチャートに戻り、説明を行う。
時間周波数分析部102は、ステップST32で得られた周波数スペクトルの時系列y(i,j)から、0.5kHz,1kHz,2kHz,4kHz,8kHzを中心周波数として、それぞれ1オクターブ幅の帯域からなる各周波数帯域fについて、各周波数帯域に含まれる周波数成分の和としてパワーを求め、パワーの常用対数の10倍を強度として算出し、強度の時系列s(i,j)を算出する(ステップST33)。なお、時間周波数分析部102が算出する強度は対数強度であり、単位はデシベルdBである。ステップST33において、各周波数帯域fは、0≦f<Fを満たす整数である。Fは帯域数であり、この実施の形態ではF=5とする。
次に、時間周波数分析部102は、ステップST33で得られた強度の時系列s(i,j)を、ハニング窓を用いた移動平均により時間方向に平滑化する(ステップST34)。さらに、時間周波数分析部102は、平滑化された各帯域の時系列全体のフレーム数Tを時間方向にL等分する点の座標を実数τ(t)として、実数τ(t)における強度時系列中の値を線形補間により求め、固定長の強度の時間周波数分布x(t,f)を取得する(ステップST35)。ステップST35において、時間tは、0≦t<Tを満たす整数、Tは時間軸全体を等分する数である(この実施の形態1では、T=64とする)。時間周波数分析部102は、取得した強度の時間周波数分布x(t,f)を劣化度分布推定部103に出力し(ステップST36)、処理を終了する。
ステップST35の処理における実数τ(t)は、以下の式(1)で与えられる。
τ(t)=(I−1)t/(T−1) (1)
また、実数τ(t)における線形補間で補間した値x(t,f)は以下の式(2)で与えられる。
x(t,f)=s(trunc(τ(t)),f)(1−w(t))+
s(trunc(τ(t))+1,f)w(t) (2)
上述した式(2)において、w(t)は、w(t)=τ(t)−trunc(τ(t))なる荷重であり、trunc(r)は実数rの整数部分を返す打切り関数である。
次に、図7のフローチャートのステップST14で示した処理を、図10のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図10は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の劣化度分布推定部103の動作を示すフローチャートである。
劣化度分布推定部103は、時間周波数分析部102から強度の時間周波数分布x(t,f)が入力されると(ステップST41)、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された強度分布パラメータを参照し、時間t、周波数fの時間周波数領域における劣化度を推定する(ステップST42)。ステップST42で推定した劣化度を、劣化度の時間周波数分布として出力し(ステップST43)、処理を終了する。
上述したステップST42の処理を詳細に説明すると、時間t、周波数fの時間周波数領域における強度をx(t,f)、劣化度をa(t,f)とすると、劣化度の分布a(t,f)は、以下の式(3)により求められる。式(3)に示すように、劣化度の分布a(t,f)は、強度x(t,f)から強度分布パラメータ内の平均値μ(t,f)を減算した後、強度分布パラメータ内の分散σ(t,f)で除すことで得られる。
a(t,f)=[x(t,f)−μ(t,f)]/σ(t,f) (3)
このように、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100は、劣化度a(t,f)を推定する際に、分散σ(t,f)を用いるので、環境の変化を考慮して劣化箇所を推定することができる。
図11は、上述した図10のフローチャートで示した劣化度分布推定部103の処理を示す説明図である。
図11において、強度x(t,f)は、時間周波数分析部102から入力される強度の時間周波数分布である。また、強度分布Yは、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された時間周波数領域の強度分布を示している。強度分布Yの強度分布パラメータは、平均μ(t,f)および分散σ(t,f)である。劣化度分布推定部103は、時間周波数分析部102から時間t、周波数fの時間周波数領域における強度x(t,f)が入力されると、強度分布Yの強度分布パラメータから上述した式(3)に基づいて劣化度の分布a(t,f)が算出される。すなわち、劣化度の分布a(t,f)を算出するための強度x(t,f)は、観測データ入力部101が取得した診断時のデータから取得され、強度分布の平均μ(t,f)および分散σ(t,f)は正常観測データから推定されるデータである。
図11に示した例のように、強度x(t,f)の強度値が平均μ(t,f)の強度値より大きい場合、平均μ(t,f)からの乖離の度合いx(t,f)−μ(t,f)を分散σ(t,f)で除した値が劣化度の分布a(t,f)となる。一方、図11には示していないが、強度x(t,f)の強度値が平均μ(t,f)の強度値より小さい場合、劣化度の分布a(t,f)は負の値となり、劣化度は小さい値となる。上述のように、劣化度の分布a(t,f)を計算する際に算出する強度分布パラメータの平均μ(t,f)および分散σ(t,f)の値は、時間tおよび周波数fごとに独立して推定され、強度分布パラメータ記憶部104に記憶されている。この結果、時間周波数毎に、強度の平均的な大きさ、および強度の変動の大きさを考慮し、劣化度の分布a(t,f)の分布パターンを推定することができる。
次に、図7のフローチャートのステップST15で示した処理を、図12のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図12は、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の劣化個所判定部105の動作を示すフローチャートである。
劣化個所判定部105は、劣化度分布推定部103から劣化度の時間周波数分布が入力されると(ステップST51)、入力された劣化度の時間周波数分布を行ベクトルに変換する(ステップST52)。さらに劣化個所判定部105は、ステップST52で変換した行ベクトルを1行L列の入力データ行列に変換する(ステップST53)。劣化個所判定部105は、ステップST53で変換された入力データ行列をNNの入力データとして与える(ステップST54)。劣化個所判定部105は、NNが出力する出力行列を、所定の形式に変換し、判定結果として出力し(ステップST55)、処理を終了する。
ステップST53で示した入力データ行列U(0,l)への変換は、以下の式(4)に基づいて行われる。
U(0,l)=a(t,f) (4)
l=t+f*T
(t=0,1,2,…,T−1,
f=0,1,2,…,F−1)
上述した式(4)において、a(t,f)は劣化度の時間周波数分布であり、入力データ行列U(0,l)は1行L列のデータである。
また、ステップST55で示した、NNの出力行列から判定結果への変換は、例えば判定結果として「故障種別」を出力する場合、以下のように行われる。NNからの出力行列をV(0,k)とし、判定結果における故障種別をkmaxとすると、故障種別kmaxは、以下の式(5)で示される。
kmax=argmax_k{V(0,k)} (5)
(k=0,1,2,…,K)
式(5)においてargmax_k{f(k)}は{ }中のインデックスkに関する値f(k)を最大にするインデックスkを返す演算子である。
なお、NNからの出力行列V(0,k)は、各故障種別kの推定確率を示し、全ての故障種別の確率の総和を「1」とするため、NNの出力層のタイプは、出力層に対する入力信号の荷重和に対してsoftmax関数による非線形変換した結果を出力するタイプを選択すると、このタスクに対して高精度が得られる。
また、上述したように、NNは、劣化度の分布を表す1行L列の入力データ行列U(0,1)から、判定結果を示す1行K列の出力行列V(0,k)を求めるための関数F:U⇒Vとみなすことができる。関数Fの形は、データベース(不図示)に蓄積された観測データとそのラベルから求められた学習データを用いたNNの訓練によって決定される。学習データは、例えば後述のように入力データ行列X(m,l)と出力データ行列Y(m,k)である。
入力データと出力データ間の写像を推定し、未知の観測データに対する判定結果を推定する技術は、一般的なパターン認識の技術に属する技術であり、上記の説明のようなNNに限らず、公知のパターン認識技術を適用可能である。従って、劣化個所判定部105としてNNを用いる以外にも、その他の公知のパターン認識技術を適用可能である。
例えば、劣化個所判定部105として、サポートベクターマシン(以下、SVMと称する)を用いてもよい。SVMを用いる場合、NNを用いる場合と同様に、学習セットから入力データ行列X(m,l)と出力データ行列Y(m,k)を作成し、X(m,l)とY(m,k)の関係を学習する。診断時も、NNを用いる場合と同様に、入力データ行列U(0,l)を作成してSVMに入力し、SVMからの出力行列V(0,k)を取得し、取得した出力行列を判定結果に変換すればよい。
同様に、劣化個所判定部105として、混合正規分布モデル、参照ベクトルとの照合技術などを適用して構成してもよい。
図13A、図13B、図13Cおよび図13Dを参照しながら、劣化個所判定部105に参照ベクトルとの照合技術を適用した場合について説明する。図13Aは、劣化度の時間周波数分布全体を示す図である。図13Bは、時間周波数領域のベクトルへの変換を示す説明図である。図13Cは、変換されたベクトルを示す図である。図13Dは、入力ベクトルと参照ベクトルとを用いた劣化判定を示す説明図である。
以下では、入力された観測データの劣化度分布を表すベクトルを入力ベクトルと称し、劣化判定を行うために参照する、予め設定された劣化度分布を表すベクトルを参照ベクトルと称する。参照ベクトルは、検査対象機器のある箇所が劣化した場合に得られる劣化度分布を表すベクトルであり、記憶領域(不図示)などに予め蓄積しておく。
まず、図13Aにおいて劣化個所判定部105は、劣化度分布推定部103から入力された劣化度の時間周波数領域Zを含む観測データ全体をベクトル変換するために、各周波数fの行を連結する。即ち、劣化度の時間周波数領域分布(図13Aにおける時間周波数領域Zを含む観測データ全体)をT行F列の行列a(t,f)(劣化度の分布a)、変換後のベクトルをL次元(L=T*F)のベクトルU(l)とすると、ベクトルU(l)は以下の式(6)により与えられる。ここで、L次元とは多次元であることを示す。
U(l)=a(t,f) (6)
l=t+f*T
(t=0,1,2,…,T−1,
f=0,1,2,…,F−1)
図13Cを参照しながら、各周波数fの行の連結について説明すると、行列a(t,f)の周波数f1の行方向を連結して入力ベクトルU1に変換し、周波数f2の行方向を連結して入力ベクトルU2に変換する。行列a(t,f)の全ての周波数fについて得られた入力ベクトルから入力ベクトルU(l)が得られる。得られた入力ベクトルU(l)をL次元空間で表すと、図13Bのように示される。
劣化個所判定部105は、図13Dに示すように、入力ベクトルU(l)と、予め蓄積された参照ベクトルU(m1)および参照ベクトルU(m2)とを照合する。ここで参照ベクトルU(m1)は、検査対象装置の箇所m1が劣化した場合に得られるベクトルであり、参照ベクトルU(m2)は、検査対象装置の箇所m2が劣化した場合に得られるベクトルである。図13Dは、2本の参照ベクトルと照合する例を示したが、照合に用いるベクトルは2本以上であってもよい。劣化個所判定部105は、照合結果を参照し、類似度がより高い参照ベクトルが示す劣化個所に基づいて劣化個所の判定を行う。図13Dに示した例では、入力ベクトルU(l)は、参照ベクトルU(m2)との類似度が高いことから、劣化個所判定部105は、検査対象装置の箇所m2が劣化していると判定を行う。
以上のように、この実施の形態1によれば、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された強度分布パラメータを参照し、時間周波数分析部102が求めた強度の時間周波数分布から劣化度の時間周波数分布を推定する劣化度分布推定部103と、推定された劣化度の時間周波数分布から、検査対象機器の劣化個所を判定する劣化個所判定部105とを備えるように構成したので、各時間周波数領域で独立した強度分布パラメータに基づいて、強度の変動を除去した劣化度に基づいて劣化個所を判定することができ、検査対象機器の劣化個所を精度良く推定することができる。
また、検査対象機器周辺の温度および検査対象機器の運転回数などの動作時の環境により変動する動作音などの観測データから、各時間周波数領域ごとの変動成分を除去した劣化度の時間周波数分布を得ることができる。
実施の形態2.
この実施の形態2では、劣化個所判定部が劣化個所に加え、劣化度合または故障率を含む判定結果を出力する構成を示す。
図14は、実施の形態2に係る劣化個所推定装置100aおよび劣化判定器パラメータ推定装置400の構成を示すブロック図である。
劣化個所推定装置100aは、実施の形態1の劣化個所推定装置100に劣化判定器パラメータ記憶部106を追加して設け、劣化個所判定部105に替えて劣化個所判定部105aを設けて構成している。
以下では、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
劣化個所判定部105aは、劣化判定器パラメータ記憶部106に記憶された劣化判定器パラメータを参照し、劣化度の時間周波数分布から、検査対象機器の劣化個所に加えて、劣化度合または故障率を判定する。劣化判定器パラメータ記憶部106は、検査対象機器が正常動作および非正常動作を行っている際に取得された観測データおよび音属性データを用いて推定された劣化判定器パラメータを記憶する記憶領域である。
図14には、劣化個所推定装置100aの劣化判定器パラメータ記憶部106に記憶するための劣化判定器パラメータを推定する劣化判定器パラメータ推定装置400の構成も示している。
劣化判定器パラメータ推定装置400は、劣化個所推定装置100aが劣化個所推定処理を開始する前に、観測データを用いて劣化判定器パラメータを推定する。劣化判定器パラメータ推定装置400は、観測データ蓄積部401、劣化度分布推定部402および劣化判定器パラメータ推定部403を備える。
観測データ蓄積部401は、観測データと音属性データとを蓄積する格納領域である。観測データ蓄積部401に蓄積される観測データの一例を図15に示す。
図15に示した観測データは、「個体名」、「観測データファイル名」、「故障種別C(v)」、「劣化S/N」、「故障率」で構成されている。
個体名は、観測データを取得したエレベータの個体を表す識別名である。観測データファイル名は、観測データ入力部101が取得した観測データを特定するためのファイル名称であり、観測した観測データである音信号を格納したファイルが特定される。故障種別C(v)は、検査対象機器が正常に動作しているか、故障しているかの種別を示す情報である。なお、図15に示した観測データは、検査対象機器が正常に動作している場合と検査対象機器に異常が発生している場合の動作とを示した観測データであることから、「正常」を示す情報と、「頂部異常」および「中間階異常」など異常を示す情報とが書き込まれている。異常を示す情報である場合、異常の種別と異常発生個所を示す情報とが合わせて書き込まれている。
劣化S/Nは、観測データである音信号のS/N比を示す情報であり、検査対象機器から劣化または故障に起因する音が検出されたか否かおよび検出された音の大きさを示す値である。故障種別C(v)が「正常」である場合、劣化または故障に起因する音は含まれていないことから、劣化S/Nは検出限界以下であることを示す「−∞」が書き込まれている。一方、故障種別C(v)が「頂部異常」である場合、当該頂部異常に起因する音が「6dB」であることを示している。故障率は、故障種別C(v)に対応した劣化個所の故障率を示す情報である。故障種別C(v)が「正常」である場合には数値「0.00」が書き込まれ、故障種別C(v)に異常が示されている場合には、劣化S/Nに対応した故障率の数値が書き込まれている。
上述した観測データは、検査対象機器と同一機種または類似機種の異なる複数の機器から収集したデータで構成されている。劣化個所推定装置100aが推定する検査対象機器の機種に合わせた観測データが観測データ蓄積部401に蓄積されている。なお、検査対象機器と同一機種または類似機種の機器を、以下では機器と称して説明する。
観測データ蓄積部401に蓄積されたデータのうち、観測データファイル名により特定されるファイル名に格納された音信号が、観測データとして劣化度分布推定部402に入力される。一方、観測データ蓄積部401に蓄積された故障種別C(v)、劣化S/Nおよび故障率は、音属性データとして劣化判定器パラメータ推定部403に入力される。このように、劣化判定器パラメータの推定では、検査対象機器に異常が発生している場合の音属性データに加えて、検査対象機器が正常に動作している場合の音属性データも用いる。
図14に戻り、劣化判定器パラメータ推定装置400の各構成の説明に戻る。劣化度分布推定部402は、観測データ蓄積部401から観測データを取得し、取得した観測データが示す観測データファイル名により特定される音データを読み込み、読み込んだ音データから劣化度の時間周波数分布を取得する。劣化度分布推定部402は、実施の形態1で示した劣化度分布推定部103と同一の処理を行い、劣化度の時間周波数分布を取得する。
劣化判定器パラメータ推定部403は、劣化度分布推定部402が求めた劣化度の時間周波数分布から、NNの入力データ行列を構成する。また、劣化判定器パラメータ推定部404は、観測データ蓄積部401から取得した音属性データからNNの出力データ行列を構成する。劣化判定器パラメータ推定部403は、入力データ行列を入力とし、出力データ行列を出力として、NNのパラメータの訓練を行い、訓練後のNNのパラメータを劣化判定器パラメータ記憶部106に格納する。
上述したNNは階層型であり、1つの入力層と1つまたは複数の中間層と、出力層とかなる。各階層は複数のユニットを有し、同一階層のユニット間は結合されていないが、異なる階層のユニット間は荷重係数で結合されている。劣化判定器パラメータ推定部403が推定する階層型NNのパラメータは荷重係数とバイアスとからなる。例えば3層のNNである場合、NNのパラメータは3層の各階層の荷重係数(行列)とバイアス(ベクトル)となる。図16に、3層のNNのパラメータの一例を示す。図16に示した劣化判定器パラメータは、1層が入力層、3層が出力層に対応する。
階層型のNNの訓練は、機械学習の分野で、Deep Learningとして知られる学習方法が適用可能である。当該学習方法により、良好な性能が安定して得られることが知られている。この実施の形態2では、Deep Belief Networks(DBN)として知られるNNの構成法と学習方法を適用した場合を示している。当該学習は、事前学習(Pre−training)のフェーズと、詳細学習(Fine Tuning)のフェーズとの2つのフェーズで構成される。まず、事前学習のフェーズで、教師無しの学習を行い、入力層から中間層に渡るパラメータを推定する。次に、詳細学習のフェーズで、事前学習で推定されたパラメータを初期パラメータとして、教師有りの学習を行い、入力層から出力層にかけて全階層のパラメータを調整する。
次に、劣化個所推定装置100aが検査対象機器の劣化個所、劣化度合または故障率を判定するための動作について説明する。動作は、事前に劣化判定器パラメータ推定装置400が劣化判定器パラメータを推定する処理と、劣化個所推定装置100aが検査対象機器の劣化個所、劣化度合または故障率を推定する処理とに分けて説明する。
まず、劣化個所推定装置100aが劣化個所推定処理を行う前に、劣化判定器パラメータ推定装置400が劣化判定器パラメータを推定する処理について説明する。以下の説明では、観測データ蓄積部401は、観測データファイル名と当該ファイルの音データとから構成される観測データと、故障種別C(v)、劣化S/Nおよび故障率で構成される音属性データとを学習セットとして蓄積しているものとする。
図17は、実施の形態2に係る劣化個所推定装置100aが参照する劣化判定器パラメータを推定する劣化判定器パラメータ推定装置400の処理動作を示すフローチャートである。
劣化度分布推定部402は、学習セットの観測データが入力されると(ステップST61)、観測データの音データを読み出し、読み出した音データの劣化度の時間周波数分布を取得する(ステップST62)。劣化判定器パラメータ推定部403は、ステップST62で取得された劣化度の時間周波数分布を行ベクトルに変換する(ステップST63)。さらに劣化判定器パラメータ推定部403は、ステップST63で変換した行ベクトルを行方向に積み重ねて入力データ行列を構成する(ステップST64)。
ステップST64において構成される入力データ行列をX(m,l)、学習セット中のm番目の劣化度の時間周波数分布をa(t,f,m)をとすると、入力データ行列X(m,l)はM行L列(ただしL=T*F)の行列であり、各要素は以下の式(7)によって与えられる。
X(m,l)=a(t,f,m) (7)
ただし、 l=t+f*T
(m=0,1,2,…,M−1,
t=0,1,2,…,T−1,
f=0,1,2,…,F−1)
もう一方の処理として、劣化判定器パラメータ推定部403は、学習セットの音属性データが入力されると(ステップST65)、音属性データを行ベクトルに変換し(ステップST66)、ステップST66で変換した行ベクトルを行方向に積み重ねてNNの教師有学習に用いる出力データ行列を構成する(ステップST67)。ステップST67において構成される出力データ行列をY(m,k)とし、故障の種類数をK、音属性データをC(m,v)すると、出力データ行列Y(m,k)はM行K列の行列であり、各要素は以下の式(8)で与えられる。
Y(m,k)=δ(C(m,0),k) (8)
(k=0,1,2,…,K−1)
式(8)において、C(m,0)は学習セット中のm番目のデータ(以下、「データm」と称する)の故障種別である。また式(8)において、δ(x,y)は引数xと引数yが同じとき1を返し、それ以外で0を返すクロネッカーのデルタ関数である。
劣化判定器パラメータ推定部403は、ステップST64で構成した入力データ行列を入力とし、ステップST67で構成した出力データ行列を出力としてNNのパラメータの訓練を行う(ステップST68)。劣化判定器パラメータ推定部403は、ステップST68で訓練を行った後のNNのパラメータを劣化判定器パラメータ記憶部106に格納し(ステップST69)、処理を終了する。
上述した式(8)は、データmの故障種別C(m,0)を用いており、音属性データとして劣化個所を用いた。音属性データとして劣化S/Nを用いて、劣化度合を出力するようにNNのパラメータの訓練を行ってもよい。音属性データとして劣化S/Nを用いる場合、NNの訓練に用いる入力データ行列X(m,l)は上述した説明と同一であるが、出力データ行列Y(m、k)の各要素は、以下の式(9)で与えられる。
Y(m,k)=δ(C(m,0),k)*C(m,1) (9)
(k=0,1,2,…,K−1)
式(9)において、C(m,1)はデータmの劣化S/Nである。
なお、劣化S/Nは連続量であるため、NNの出力層のタイプは、出力層に対する入力信号の荷重和に対し線形変換した結果を出力するものとすると、このタスクに対して高精度が得られる。
また、上述した説明では、劣化個所ごとに劣化S/Nを出力するようにしたが、故障種別によらず、劣化S/Nだけを出力するように構成してもよい。故障種別によらずに劣化S/Nを出力する場合、NNの訓練に用いる出力データ行列Y(m,k)はm行1列の行列となり、各要素は以下の式(10)で与えられる。
Y(m,0)=C(m,1) (10)
式(10)において、C(m,1)はデータmの劣化S/Nである。
同様に、音属性データとして故障率を用いて、劣化度合を出力するようにNNのパラメータの訓練を行ってもよい。音属性データとして故障率を用いる場合、NNの訓練に用いる入力データ行列X(m,l)は上述した説明と同一であるが、出力データ行列Y(m、k)の各要素は、以下の式(11)で与えられる。
Y(m,k)=δ(C(m,0),k)*C(m,2) (11)
(k=0,1,2,…,K−1)
式(11)において、C(m,2)はデータmの故障率である。
なお、故障率は連続量であるため、NNの出力層のタイプは、出力層に対する入力信号の荷重和に対し線形変換した結果を出力するものとすると、このタスクに対して高精度が得られる。
また、上述した説明では、劣化個所ごとに故障率を出力するようにしたが、劣化個所によらず、故障率だけを出力するように構成してもよい。故障種別によらずに故障率を出力する場合、NNの訓練に用いる出力データ行列Y(m,k)はm行1列の行列となり、各要素は、以下の式(12)で与えられる。
Y(m,0)=C(m,2) (12)
式(12)において、C(m,2)はデータmの故障率である。
上述のように、NNは劣化度の分布を表す1行L列の入力データ行列U(0,1)から、判定結果を表す1行K列の出力行列V(0,k)を求めるための関数F:U⇒Vとみなすことができる。関数Fの形は、観測データ蓄積部401に蓄積された観測データと当該観測データの音属性データ(劣化個所、劣化S/N、故障率など)から求められた、入力データ行列X(m,l)および出力データ行列Y(m,k)を用いたNNの訓練によって決定される。入力データと出力データ間の写像を推定し、未知の観測データに対する判定結果を推定する技術は、一般的なパターン認識の技術に属する技術であり、上述したNNに限らず、公知のパターン認識技術を適用することができる。
例えば、劣化個所判定部105aとして、サポートベクターマシン(SVM)を用いた場合、NNを用いる場合と同様に、学習セットから入力データ行列X(m,k)と出力データ行列Y(m,k)を作成し、X(m,k)とY(m,k)の関係を学習する。診断時も、NNを用いる場合と同様に、入力データ行列U(0,l)を作成してSVMに入力し、その出力行列V(0,k)を取得して、出力行列を判定結果に変換する。
同様に、そのほかの公知のパターン認識技術、例えば、混合正規分布モデル、参照ベクトルとの照合技術などを用いて構成してもよい。
次に、図17のフローチャートに従って蓄積された劣化判定器パラメータを用いて、検査対象機器の劣化個所、劣化度合または故障率を推定する劣化個所推定装置100aの各構成の動作について説明する。
まず、実施の形態2に係る劣化個所推定装置100a全体の動作を示すフローチャートは実施の形態1で示した図7の処理動作と同一であることから、説明を省略する。
図7のフローチャートのステップST15で示した処理を、図18のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。なお、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100と同一のステップには、図12で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
ステップST51からステップST53の処理により、劣化度の時間周波数分布が1行L列の入力データ行列に変換すると、劣化個所判定部105aは劣化判定器パラメータ記憶部106を参照し、入力データ行列に基づいてNNのパラメータを設定する(ステップST71)。劣化個所判定部105aは、ステップST71でパラメータを設定したNNの入力データとしてステップST53で変換した入力データ行列を与える(ステップST72)。劣化個所判定部105aは、NNが出力する出力行列を、所定の形式に変換し、判定結果として出力し(ステップST73)、処理を終了する。
なお、判定結果は、少なくとも劣化個所が含まれていればよく、当該劣化個所、劣化度合または故障率を適宜組み合わせて判定結果を出力する。
また、判定結果として、劣化個所および劣化度合または故障率と、当該劣化度合または故障率の尤度、即ち推定した劣化度合または故障率の正しさの程度を示す確率、信頼度を合わせて出力するように構成してもよい。
以上のように、この実施の形態2によれば、劣化判定器パラメータ記憶部106に記憶された劣化判定器パラメータを参照し、劣化度の時間周波数分布から、検査対象機器の劣化判定に加えて劣化度合および故障率を判定する劣化個所判定部105aを備えるように構成したので、劣化度の時間周波数分布に基づいて、劣化個所を判定することができ、劣化が発生している個所、劣化度合、故障率を精度よく推定することができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1および実施の形態2では、劣化個所推定装置100,100aの観測データ入力部101に集音データを入力させる構成を示したが、この実施の形態3では、検査対象機器の振動データを用いて劣化個所を推定する構成を示す。
図19は、実施の形態3に係る劣化個所推定装置100bの構成を示すブロック図である。図19では、実施の形態1に係る劣化個所推定装置100に振動データを適用した場合を示している。
劣化個所推定装置100bには、音センサ200から集音データが入力されると共に、振動センサ500から振動データが入力される。振動センサ500は、図1で示した検査対象機器であるエレベータAの乗車カゴBに、音センサ200と共に搭載される。エレベータAの乗車用の乗車カゴBが往復運転する際にエレベータAの各稼働部品から発生する振動を検知し、振動データを収集する。
劣化個所推定装置100bは、実施の形態1の観測データ入力部101および時間周波数分析部102に替えて観測データ入力部101aおよび時間周波数分析部102aを設けて構成している。
観測データ入力部101aは、音センサ200が集音した集音データである音信号の波形をサンプリングし、デジタル化して観測データとして出力する。さらに、観測データ入力部101aは、振動センサ500が収集した振動データをサンプリングし、デジタル化して観測データとして出力する。時間周波数分析部102aは、音センサ200の観測データおよび振動センサ500の振動データを分析し、強度の時間周波数分布を求める。劣化度分布推定部103および劣化個所判定部105は実施の形態1および実施の形態2と同一の処理動作を行う。
図20は、実施の形態3に係る劣化個所推定装置100bの動作を示すフローチャートである。
音センサ200が集音した集音データである音信号、および振動センサ500が収集した振動データである振動信号が入力されると(ステップST81)、観測データ入力部101aは入力された集音データである音信号および振動データである振動信号のA/D変換を行い(ステップST82)、集音データである音信号および振動データである振動信号の波形データのブロックを取得する(ステップST83)。観測データ入力部101aは、検査対象機器の運転が終了したか否か判定を行う(ステップST84)。検査対象機器の運転が終了していない場合(ステップST84;NO)、ステップST81の処理に戻る。一方、検査対象機器の運転が終了した場合(ステップST84;YES)、観測データ入力部101はステップST83で取得した波形データのブロックを連結し、観測データとして時間周波数分析部102aに出力する(ステップST85)。
なお、劣化個所推定装置100bのその他の動作は実施の形態1と同一であることから、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態3によれば、音センサが集音した集音データである音信号に加えて、振動センサが収集した振動データである振動信号から観測データを生成する観測データ入力部101aと、音センサ200が集音した集音データである音信号および振動センサ500が収集した振動データである振動信号から求めた強度の時間周波数分布と、強度分布パラメータ記憶部104に記憶された強度分布パラメータとを参照し、劣化度の時間周波数分布を推定する劣化度分布推定部103と、推定された劣化度の時間周波数分布から、検査対象機器の劣化個所を判定する劣化個所判定部105とを備えるように構成したので、集音データである音信号に加えて振動データである振動信号の観測データに基づいて算出した劣化度の時間周波数分布から検査対象機器の劣化個所を判定することができ、検査対象機器の動作環境に影響を受けることなく精度よく劣化個所を判定することができる。
なお、上述した実施の形態3では、実施の形態1で示した劣化個所判定装置100に振動データを追加して入力する構成を示したが、実施の形態2で示した劣化個所推定装置100aに振動データを適用する構成としてもよい。
また、実施の形態1および実施の形態2で示した劣化箇所推定装置100,100aは、集音データに基づき劣化箇所を推定するものとしたが、この集音データに替えて、振動データに基づいて劣化箇所を推定してもよい。
上述した実施の形態1から実施の形態3において、集音データまたは振動データを収集データと呼ぶ。
なお、上述した実施の形態1から実施の形態3では、特定の時間周波数領域の強度分布を正規分布と仮定し、強度分布パラメータとして平均と分散を用いたが、例えばガンマ分布、ベータ分布など他の公知の分布を仮定し、当該分布のパラメータを記憶し、記憶した分布のずれから劣化度の分布を求めるように構成してもよい。
なお、上述した実施の形態1から実施の形態3では、図1で示したようにエレベータAの乗車カゴを往復運転させ、往復運転の区間全体の観測データから、劣化度の分布a(t,f)を求め、劣化度の分布a(t,f)に基づいて劣化個所を判断する構成を示したが、エレベータの各稼働部品から発生する音は、乗車カゴの上昇時と下降時とで異なる傾向がみられることから、観測データを乗車カゴの上昇区間と下降区間とに分割し、上昇区間および下降区間に対して、劣化度の分布a(t,f,UP)およびa(t,f,DOWN)を求め、劣化個所を判定するように構成してもよい。これにより、どの区間でエレベータに劣化が発生しているかを検出することができる。
また、上述した実施の形態1から実施の形態3では、検査対象機器としてエレベータを例に説明を行ったが、鉄道車両などの車両に適用してもよい。具体的には、劣化個所推定装置は、車両に搭載したセンサから車両が診断対象とする所定区間の軌道上を走行するときの動作音を観測データとして取得し、取得した観測データに基づいて、劣化箇所の判定をするように構成することにより、本願発明の目的を達成することができる。
また、上述した実施の形態1から実施の形態3では、強度分布パラメータ記憶部104を劣化個所推定装置100,100a,100bの内部に設ける構成を示したが、外部の記憶領域として劣化個所推定装置100,100a,100bと接続するように構成してもよい。同様に、実施の形態2で示した劣化判定器パラメータ記憶部106を外部の記憶領域に記憶させ、劣化個所推定装置100aと接続するように構成してもよい。
上記以外にも、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
この発明に係る劣化個所推定装置は、検査対象機器の動作環境に影響を受けることなく、検査対象機器の劣化箇所の推定を行うことができ、エレベータおよび車両などの移動体の、診断システム、遠隔診断システム、保守計画システムなどに適用することができる。
100,100a,100b 劣化個所推定装置、101,101a 観測データ入力部、102,102a 周波数分析部、103,402 劣化度分布推定部、104 強度分布パラメータ記憶部、105,105a劣化個所判定部、106 劣化判定器パラメータ記憶部、200 音センサ、110a プロセッサ、110b メモリ、110c 入出力インタフェース、300 強度分布パラメータ推定装置、301 正常観測データ蓄積部、302 正常観測データ時間周波数分析部、303 強度分布パラメータ推定部、400 劣化判定器パラメータ推定装置、401 観測データ蓄積部、403 劣化判定器パラメータ推定部、500 振動センサ。

Claims (18)

  1. 検査対象機器から収集した音または振動からなる収集データの周波数分析を行い、強度の時間周波数分布を求める時間周波数分析部と、
    前記時間周波数分析部が求めた前記強度の時間周波数分布と、予め蓄積した検査対象機器が正常動作している際の強度の時間周波数分布の各時間周波数領域ごとに独立したパラメータとに基づいて、各時間周波数領域ごとの変動成分を除去した劣化度からなる劣化度の時間周波数分布を推定する劣化度分布推定部と、
    前記劣化度分布推定部が推定した劣化度の時間周波数分布に基づいて、少なくとも前記検査対象機器の劣化個所を判定する劣化個所判定部とを備えた劣化個所推定装置。
  2. 前記劣化個所判定部は、予め蓄積した機器が正常動作および劣化度合の異なる異常状態で動作している際のパターン認識のパラメータである劣化判定器パラメータに基づいて、少なくとも前記検査対象機器の劣化個所を判定することを特徴とする請求項1記載の劣化個所推定装置。
  3. 前記検査対象機器が正常動作している際の観測データの周波数分析を行って得られた強度の時間周波数分布から推定された、前記強度の時間周波数分布の各時間周波数領域ごとに独立したパラメータを蓄積する強度分布パラメータ記憶部を備えたことを特徴とする請求項1記載の劣化個所推定装置。
  4. 前記劣化個所判定部は、前記検査対象機器の劣化個所に加えて、前記劣化個所の連続量である劣化度合または前記劣化個所の連続量である故障率を判定することを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  5. 前記強度の時間周波数分布のパラメータは、各時間周波数領域において、強度の分布が各時間周波数領域ごとに独立した固有の正規分布に従うと推定される確率分布の平均および分散であり、
    前記劣化度の時間周波数分布は、前記各時間周波数領域の強度から、前記分散を考慮して算出されることを特徴とする請求項1記載の劣化個所推定装置。
  6. 前記検査対象機器が正常動作している際の観測データの周波数分析を行って得られた強度の時間周波数分布から推定された、前記強度の時間周波数分布の各時間周波数領域ごとに独立したパラメータを蓄積する強度分布パラメータ記憶部と、
    前記機器が正常動作および劣化度合の異なる異常状態で動作している際の観測データの劣化度の時間周波数分布と、前記機器の前記観測データの音属性データとを用いて訓練して得られる前記劣化判定器パラメータを蓄積する劣化判定器パラメータ記憶部とを備えたことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  7. 前記劣化個所判定部は、前記パターン認識として、前記検査対象機器の劣化個所および前記劣化個所の連続量である劣化度合または前記劣化個所の連続量である故障率を出力するニューラルネットワークを適用したことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  8. 前記劣化個所判定部は、前記パターン認識として、前記検査対象機器の劣化個所および前記劣化個所の連続量である劣化度合または前記劣化個所の連続量である故障率を出力するサポートベクターマシンを適用したことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  9. 前記劣化個所判定部は、前記パターン認識として、前記検査対象機器の劣化個所および前記劣化個所の連続量である劣化度合または前記劣化個所の連続量である故障率を出力する、混合正規分布モデルに基づく照合手段を適用したことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  10. 前記劣化個所判定部は、前記パターン認識として、前記検査対象機器の劣化個所および前記劣化個所の連続量である劣化度合または前記劣化個所の連続量である故障率を出力する、多次元空間上の参照ベクトルとの照合手段を適用したことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  11. 前記強度の時間周波数分布のパラメータは、1つの前記検査対象機器から収集した複数の観測データを用いて推定されたことを特徴とする請求項1記載の劣化個所推定装置。
  12. 前記劣化判定器パラメータは、複数の前記機器から収集した観測データを用いたパターン認識により得られたことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  13. 前記劣化判定器パラメータは、前記検査対象機器と同一機種または類似機種の異なる前記機器から収集した複数の観測データを用いたパターン認識により得られたことを特徴とする請求項2記載の劣化個所推定装置。
  14. 前記劣化個所判定部は、前記機器の前記観測データの音属性データとして、前記観測データの音信号の連続量であるS/N比を示す情報を用いて、前記検査対象機器の連続量である劣化度合を判定することを特徴とする請求項6記載の劣化個所推定装置。
  15. 前記劣化個所判定部は、前記機器の前記観測データの音属性データとして、前記観測データの前記機器の故障する割合を示す故障率を示す情報を用いて、前記検査対象機器の故障する割合を示す故障率を判定することを特徴とする請求項6記載の劣化個所推定装置。
  16. 前記時間周波数分析部は、前記検査対象機器から集音した集音データ、または前記検査対象機器から収集した振動データ、または前記検査対象機器から集音した集音データおよび収集した振動データの周波数分析を行うことを特徴とする請求項1記載の劣化個所推定装置。
  17. 時間周波数分析部が、検査対象機器から収集した音または振動からなる収集データの周波数分析を行い、強度の時間周波数分布を求めるステップと、
    劣化度分布推定部が、前記強度の時間周波数分布と、予め蓄積した前記検査対象機器が正常動作している際の強度の時間周波数分布の各時間周波数領域ごとに独立したパラメータとに基づいて、各時間周波数領域ごとの変動成分を除去した劣化度からなる劣化度の時間周波数分布を推定するステップと、
    劣化個所判定部が、前記劣化度の時間周波数分布に基づいて、少なくとも前記検査対象機器の劣化個所を判定するステップとを備えた劣化個所推定方法。
  18. 移動体である検査対象機器から収集データを収集するセンサと、
    請求項1記載の劣化個所推定装置とを備えた移動体の診断システム。
JP2016536258A 2015-12-09 2015-12-09 劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム Active JP5996153B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2015/084521 WO2017098601A1 (ja) 2015-12-09 2015-12-09 劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5996153B1 true JP5996153B1 (ja) 2016-09-21
JPWO2017098601A1 JPWO2017098601A1 (ja) 2017-12-07

Family

ID=56960870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016536258A Active JP5996153B1 (ja) 2015-12-09 2015-12-09 劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP5996153B1 (ja)
CN (1) CN108291837B (ja)
TW (1) TW201720743A (ja)
WO (1) WO2017098601A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6173649B1 (ja) * 2016-11-22 2017-08-02 三菱電機株式会社 劣化個所推定装置、劣化個所推定システム及び劣化個所推定方法
CN109205426A (zh) * 2017-07-07 2019-01-15 奥的斯电梯公司 电梯健康监测系统
CN111480196A (zh) * 2017-12-22 2020-07-31 三菱电机株式会社 声音计测系统和参数生成装置

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6809250B2 (ja) 2017-01-23 2021-01-06 株式会社リコー 情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
JP6629779B2 (ja) * 2017-03-21 2020-01-15 Kddi株式会社 ゲートウェイ装置及びその制御方法、並びにプログラム
JP7134051B2 (ja) * 2018-10-01 2022-09-09 三菱電機株式会社 劣化検知システム
CN111942973B (zh) * 2019-05-16 2023-04-11 株式会社日立制作所 电梯控制装置、机器人故障预兆诊断系统及其方法
WO2020245970A1 (ja) * 2019-06-06 2020-12-10 三菱電機ビルテクノサービス株式会社 分析装置
JP7327274B2 (ja) * 2020-05-20 2023-08-16 トヨタ自動車株式会社 異音の発生箇所特定方法、異音の発生箇所特定システム、異音の発生箇所特定装置、異音の発生箇所通知装置、および車載装置
CN112225026B (zh) * 2020-10-30 2022-05-24 江苏蒙哥马利电梯有限公司 一种基于声信号的电梯按需维保方法
JP7492443B2 (ja) 2020-11-20 2024-05-29 株式会社日立ビルシステム パターン分類装置、昇降機音診断システム、及びパターン分類方法昇降機音の診断装置、及び昇降機音診断方法
JP7472012B2 (ja) 2020-12-29 2024-04-22 株式会社日立製作所 異常信号抽出装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09257651A (ja) * 1996-03-21 1997-10-03 Matsushita Electric Works Ltd 軸受の傷検出方法
JPH11241945A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Mitsubishi Electric Corp 異音検査装置
JP2006161677A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機検査装置
JP2007327885A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Matsushita Electric Works Ltd 異常判定方法および異常判定装置
JP2009294147A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 移動体の異常検出方法
JP2013200144A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Mitsubishi Electric Corp 異常音診断装置
JP2015081768A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 株式会社日立ハイテクノロジーズ 異常検出装置、異常検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060101402A1 (en) * 2004-10-15 2006-05-11 Miller William L Method and systems for anomaly detection
JP5194083B2 (ja) * 2010-09-22 2013-05-08 山洋電気株式会社 電気機器の永久磁石の劣化判定方法及び装置
CN101972143A (zh) * 2010-11-16 2011-02-16 电子科技大学 基于盲源提取的房颤监测方法
JP5783808B2 (ja) * 2011-06-02 2015-09-24 三菱電機株式会社 異常音診断装置
JP5998603B2 (ja) * 2012-04-18 2016-09-28 ソニー株式会社 音検出装置、音検出方法、音特徴量検出装置、音特徴量検出方法、音区間検出装置、音区間検出方法およびプログラム
CN102778358A (zh) * 2012-06-04 2012-11-14 上海东锐风电技术有限公司 故障预测模型建立方法及系统、风机监测预警系统及方法
US9267378B2 (en) * 2012-06-27 2016-02-23 General Electric Company Turbomachine monitoring system and method
JP5743996B2 (ja) * 2012-11-06 2015-07-01 ジヤトコ株式会社 自動変速機の異常判定装置および異常判定方法
JP6011875B2 (ja) * 2013-07-08 2016-10-19 Smc株式会社 アクチュエータの異常検出システム
CN103822793B (zh) * 2014-01-20 2016-05-11 北京邮电大学 一种复杂设备声学故障识别定位方法
CN104266747B (zh) * 2014-06-09 2017-10-24 中能电力科技开发有限公司 一种基于振动信号阶次分析的故障诊断方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09257651A (ja) * 1996-03-21 1997-10-03 Matsushita Electric Works Ltd 軸受の傷検出方法
JPH11241945A (ja) * 1998-02-25 1999-09-07 Mitsubishi Electric Corp 異音検査装置
JP2006161677A (ja) * 2004-12-07 2006-06-22 Mitsubishi Electric Corp 圧縮機検査装置
JP2007327885A (ja) * 2006-06-08 2007-12-20 Matsushita Electric Works Ltd 異常判定方法および異常判定装置
JP2009294147A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Tokyu Car Corp 移動体の異常検出方法
JP2013200144A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Mitsubishi Electric Corp 異常音診断装置
JP2015081768A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 株式会社日立ハイテクノロジーズ 異常検出装置、異常検出方法、及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6173649B1 (ja) * 2016-11-22 2017-08-02 三菱電機株式会社 劣化個所推定装置、劣化個所推定システム及び劣化個所推定方法
WO2018096582A1 (ja) * 2016-11-22 2018-05-31 三菱電機株式会社 劣化個所推定装置、劣化個所推定システム及び劣化個所推定方法
CN109983311A (zh) * 2016-11-22 2019-07-05 三菱电机株式会社 劣化部位估计装置、劣化部位估计系统和劣化部位估计方法
CN109205426A (zh) * 2017-07-07 2019-01-15 奥的斯电梯公司 电梯健康监测系统
CN109205426B (zh) * 2017-07-07 2020-10-09 奥的斯电梯公司 电梯健康监测系统
CN111480196A (zh) * 2017-12-22 2020-07-31 三菱电机株式会社 声音计测系统和参数生成装置
CN111480196B (zh) * 2017-12-22 2023-08-25 三菱电机株式会社 声音计测系统和参数生成装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017098601A1 (ja) 2017-06-15
TW201720743A (zh) 2017-06-16
CN108291837B (zh) 2020-02-14
JPWO2017098601A1 (ja) 2017-12-07
CN108291837A (zh) 2018-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5996153B1 (ja) 劣化個所推定装置、劣化個所推定方法および移動体の診断システム
KR100800367B1 (ko) 음성 인식 시스템의 작동 방법, 컴퓨터 시스템 및 프로그램을 갖춘 컴퓨터 판독 가능 저장 매체
KR102178787B1 (ko) 진동 신호를 이용하여 설비 또는 부품의 잔여 수명을 예측하는 딥러닝 기반의 분석 장치 및 방법
CN107209509B (zh) 异常声音诊断装置、异常声音诊断系统、异常声音诊断方法以及异常声音诊断程序
JP5145417B2 (ja) 信号判定方法、信号判定装置、プログラム、信号判定システム
KR20190109121A (ko) 시계열 데이터의 분석 및 예측을 위한 통합적인 딥러닝 시스템
JP6475426B2 (ja) 意図推定装置、及び、モデルの学習方法
US20220180894A1 (en) Voice Activity Detection Method and System Based on Joint Deep Neural Network
JP7367862B2 (ja) ニューラルネットワークベース信号処理装置、ニューラルネットワークベース信号処理方法、及びプログラム
Flah et al. Localization and classification of structural damage using deep learning single-channel signal-based measurement
CN113314144A (zh) 声音识别及电力设备故障预警方法、系统、终端及介质
Son et al. Unsupervised learning for anomaly detection of electric motors
CN116976857A (zh) 一种基于深度学习的铁路电力设备预测性维护方法及系统
CN106992000A (zh) 一种基于预测的多特征融合的老人语音情感识别方法
Finotti et al. Novelty detection using sparse auto-encoders to characterize structural vibration responses
JPWO2019215904A1 (ja) 予測モデル作成装置、予測モデル作成方法、および予測モデル作成プログラム
Zeng et al. Rail break prediction and cause analysis using imbalanced in-service train data
CN113077812A (zh) 语音信号生成模型训练方法、回声消除方法和装置及设备
CN116824495A (zh) 危险行为识别方法、系统、存储介质及计算机设备
Narges et al. A hybrid fault diagnosis scheme for railway point machines by motor current signal analysis
KR102325137B1 (ko) 미세먼지 예측 정확도 향상을 위한 하이브리드 딥러닝 모델 생성 장치 및 방법
JP2017067929A (ja) 学習装置、識別装置、その方法、およびプログラム
US11995150B2 (en) Information processing method and information processing system
WO2018096582A1 (ja) 劣化個所推定装置、劣化個所推定システム及び劣化個所推定方法
CN111796173A (zh) 局部放电模式识别方法、计算机设备和存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160823

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5996153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250