JP5993801B2 - 興味分析システムとその興味分析装置、方法及びプログラム - Google Patents
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[一実施形態]
<構成>
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る興味分析装置を備えたシステムの全体構成図である。このシステムは、興味分析装置100を備え、この興味分析装置100に対しネットワーク300を介してクライアント端末200を接続可能としたものである。ネットワーク300は、例えばインターネットに代表されるIP(Internet Protocol)網と、このIP網に対しアクセスするための複数のアクセス網とから構成される。アクセス網としては、例えば3G又は4G等の規格の下で動作する携帯電話網や、無線LAN(Local Area Network)等が用いられる。
(2)クライアント端末200
クライアント端末200は、例えばクライアント(ユーザ)が使用する固定設置型のパーソナル・コンピュータ、携帯電話機やスマートフォン、タブレット型端末等の携帯端末からなり、ブラウザ又はそれに代わるアプリケーションを備える。そして、この発明に係る特徴的な機能として、興味スコア提示要求部210と、ユーザ興味スコア表示部220と、ユーザ興味スコア修正要求部230を有している。なお、これらの機能は図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)に実行させることにより実現される。
興味分析装置100は、例えばサーバコンピュータからなる。そして、既存の興味分析処理機能に加え、この発明の一実施形態に係る興味スコアの修正処理を実現するための機能として、興味スコア提示要求受付部110と、ユーザ興味スコア送信部120と、概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130と、ユーザ興味スコア修正要求受付部140と、設定ファイル記憶部150と、仮想特徴スコア計算部160と、子概念特定部170と、スコア更新部180を備えている。なお、これらの機能は図示しないプログラムメモリに格納されたプログラムを上記サーバコンピュータに実行させることにより実現される。
図3は、興味分析装置100による既存の興味分析処理の概要を示したものである。
履歴情報の受信処理では、クライアント端末200からの一覧閲覧コンテンツリスト及び詳細閲覧コンテンツリストをネットワーク300を介して受信する処理が行われる。
概念体系のグラフに含まれるノードは概念を表し、リンクは概念間の関係を表す。ユーザ興味スコアは、概念体系における各概念に対応するノードの値として保持する。概念体系において、上位に位置するノードほど抽象的な概念を表し、下位に位置するノードほど具体的な概念を表す。概念体系及び概念ID(ノード毎に付与される識別子)は、サービス運用者等が事前に設計し定義するものとする。
概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130には、ルート概念ノードIDと、概念体系テーブルと、ユーザ興味スコアテーブルが記憶される。図4はその一例を示すものである。ルート概念ノードIDとは、概念体系構造において最上位にある概念ノードIDであり、システム内に1つだけ存在する。
設定ファイル記憶部150には、後述する仮想特徴スコアの計算に使用する重みWが予め記憶されている。
興味スコア提示要求受付部110は、上記クライアント端末200に対しWebページを送信して表示させ、この状態でクライアント端末200から興味スコア提示要求が送られた場合に、当該興味スコア提示要求を受信しその内容をユーザ興味スコア送信部120に通知する。
ユーザ興味スコア送信部120は、上記興味スコア提示要求受付部110から興味スコア提示要求の内容が通知された場合に、そのユーザIDをキーとして概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130から該当するユーザに関する概念とその興味スコアを読み出し、そのリストを生成する。このとき、概念とその興味スコアはスコア値が予め設定した閾値以上のものを選択して読み出してもよいし、スコア値が大きいものから一定数(例えば100件)だけを選択して読み出してもよい。さらに、スコア値が大きい順又は小さい順に並べ替え(ソート)を行ってもよい。そして、この生成された概念とその興味スコアのリストを要求元のクライアント装置200へ返送する。
ユーザ興味スコア修正要求受付部140は、クライアント端末200から興味スコア修正要求が送られた場合に、当該修正要求に含まれるユーザID、修正対象の概念をもとに、概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130から修正前の興味スコアTotalZ、X、Yを読み出す。そして、この読み出された修正前の興味スコアTotalZ、X、Yと、上記修正要求に含まれる興味スコア修正値を、仮想特徴スコア計算部160に渡す。
仮想特徴スコア計算部160は、上記ユーザ興味スコア修正要求受付部140から渡された興味スコアTotalZの修正値、修正前の興味スコアTotalZ、X、Y、及び設定ファイル記憶部150に予め格納された重みWを用いて、仮想的な特徴スコアZ、X、Yを計算する。その計算式には、各概念に対する興味スコアの更新を行う際に使用する既存の更新式が用いられる。具体的な計算式とその計算処理の一例については後述する。
子概念特定部170は、上記修正対象の概念に直接又は間接的に繋がる子概念を、上記概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130に記憶された概念体系をもとに特定する機能を有する。
スコア更新部180は、上記修正対象の概念について計算された仮想特徴スコアZと、上記特定された子概念の修正前の興味スコアTotalZ値、X値、Y値をもとに、当該子概念の興味スコアTotalZ値、X値、Y値を計算し直す。そして、この計算された子概念の興味スコア、X値、Y値と、上記仮想特徴スコア計算部160により計算された修正対象の概念に対する仮想特徴スコアZと共に、概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130に保存させる。保存の方式として、同一の概念の旧いデータに対し上書きする方式が用いられる。
(1)興味分析処理の概要
(1−1)履歴情報の取得
図5は、履歴情報の取得処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。ステップS11では、例えばコンテンツサーバから、ネットワークを介してクライアント端末ID(もしくはユーザID)、一覧閲覧コンテンツリスト及び詳細閲覧コンテンツリストが受信される。
図6は、特徴スコアの算出処理の手順と処理手順を示すフローチャートである。
先ずステップS12では、出現概念の抽出処理が行われる。
詳細閲覧コンテンツリスト内の各コンテンツに出現する概念IDは、図示しないコンテンツデータベースから抽出される。具体的には、詳細閲覧コンテンツリストにおいて、各コンテンツIDに紐付けされている「概念ID」がコンテンツデータベースのコンテンツテーブルから検索され、クラスタデータ{クラスタID,一覧閲覧コンテンツリスト,詳細閲覧コンテンツリスト}と、コンテンツID/概念ID関連づけリスト{{コンテンツID,{関連づいている概念ID,…}},…}と、出現概念リスト{概念ID}が生成される。「コンテンツID/概念ID関連付けリスト」とは、コンテンツIDをもとに検索された概念IDのリストである。「出現概念リスト」とは、一覧閲覧コンテンツリスト、及び詳細閲覧コンテンツリストに含まれる各コンテンツに出現する概念の概念IDを全て列挙したものである。
上位概念は、「出現概念リスト」の各概念IDを用いて、図4に示した概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130から抽出される。そして、この抽出された上位概念の概念IDは、「出現概念リスト」及び「コンテンツID/概念ID関連づけリスト」に追加される。
分析パラメータは、「出現概念リスト」の各概念について出現数を算出することにより抽出される。この抽出された分析パラメータによりリストが生成される。
図7に、分析パラメータリストのデータ構成例を示す。分析パラメータリストには、クラスタIDごとに、一覧閲覧コンテンツリストのコンテンツ総数S(第1の総数)、詳細閲覧コンテンツリストのコンテンツ総数a(第2の総数)、クラスタIDに紐づいた出現概念リスト内の概念IDごとに算出するNとnがある。N(第1の出現数)は、一覧閲覧コンテンツリストにおいて当該概念IDが付与されているコンテンツ数とする。n(第2の出現数)は、詳細閲覧コンテンツリストにおける当該概念IDが付与されているコンテンツ数とする。なお、ステップS13にて追加した上位概念も含めて出現概念リスト内の概念IDすべてについて、Nとnが算出される。
特徴スコアZは、上記分析パラメータS,a,N,nを利用して概念IDごとに算出される。図9に特徴スコア算出処理の詳細を示す。
図9において、iは概念の識別子、jは、クラスタIDを示す。H1(第1の確率)は、一覧閲覧コンテンツリストに含まれる一覧閲覧コンテンツの総数S、一覧閲覧コンテンツのうち概念iが出現するコンテンツ数Nのとき、詳細閲覧コンテンツをa個ランダム選択して閲覧した場合に、概念iが出現する詳細閲覧コンテンツの数がn以上となる累積確率である。H2(第2の確率)は、一覧閲覧コンテンツリストに含まれる一覧閲覧コンテンツの総数S、一覧閲覧コンテンツのうち概念iが出現するコンテンツ数Nのとき、詳細閲覧コンテンツをa個ランダム選択して閲覧した場合に、概念iが出現する詳細閲覧コンテンツの数がn以下となる累積確率である。
なお、本実施形態では、累積確率H1及びH2を超幾何分布により求めているが、この手法に限定されるものではない。他の分布の例としては、二項分布や、正規分布が存在する。
図10は、概念体系の更新処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。
先ずステップS16では、概念ノード値の更新処理が行われる。ここでは、「更新対象概念リスト」の各概念IDのノード値が更新される。
図11に概念体系更新処理の詳細を示す。概念体系の更新処理では、コンテンツに出現した概念(出現概念)、及びこの出現概念の上位概念の概念IDについて、図11に示す各概念iに対するユーザ興味スコア更新式を用いて、ユーザ興味スコアTotalZin,及びXi(n-1),Yi(n-1)の値が算出される。そして、図4の概念体系/ユーザ興味スコアデータベース130のユーザ興味スコアテーブルに格納されている各値が、上記算出されたユーザ興味スコアTotalZin,及びXi(n-1),Yi(n-1)の値に更新される。上記ユーザ興味スコアテーブルに格納されている各値は、クラスタIDに対応する図6のステップS12に入力されたユーザID(クライアント端末ID)のカラムに対応する。
減衰の計算式の例を示す。例えば、kを減衰率(例えばk=0・8)と設定し、以下のように算出することができる。
TotalZ(減衰後)=k×TotalZ(現在)
X(減衰後)=k2×X(現在)
Y(減衰後)=k2×Y(現在)
概念体系の更新処理では、「更新対象概念リスト」の各概念ID(出現概念及び上位概念)の下位概念が抽出され、この抽出された下位概念のノード値が更新される。下位概念の抽出処理では、「更新対象概念リスト」の各概念IDについて、図4に示した概念体系/興味度データベース130の概念体系テーブルを参照し、子概念IDリストから概念IDのリストを抽出し、さらに各子概念IDリストの概念IDについて概念体系テーブルを参照して子概念リストを抽出する処理が繰り返される。
この提示動作に係るクライアント端末200及び興味分析装置100の処理を、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
クライアント端末200において、興味分析装置100からWebページがダウンロードされている状態で、ユーザが興味分析結果の取得操作を行ったとする。そうすると、ステップS21において、興味スコア提示要求部210の制御の下、当該ユーザのIDを含む興味スコア提示要求が生成され、この興味スコア提示要求が興味分析装置100へ送信される。
そして、この生成された概念とその興味スコアの提示リストは、ユーザ興味スコア送信部120の制御の下、要求元のクライアント装置200へ向け返送される。
この興味スコアの修正に係るクライアント端末200及び興味分析装置100の一連の処理についても、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
上記提示リストが表示された状態で、ユーザが当該表示されたリスト中の任意の概念の興味スコアを修正するための操作を行ったとする。例えば、図13に示すように概念「ワイン」の興味スコアを“0.72”から“0.3”増加させて“1.02”にする修正操作を行ったとする。そうすると、ステップS25からステップS26に移行し、ユーザ興味スコア修正要求部230により興味スコア修正要求が生成されて興味分析装置100へ送信される。このとき興味スコア修正要求には、ユーザID、修正対象の概念を指定する情報(「ワイン」)、興味スコアの修正後の値(“1.02”)が含まれる。
すなわち、図11にも記載したように興味スコアTotalZ、X、Yの更新式は、
この結果、仮想的なZin,Xin,Yin(i=ワイン)が、以下のように計算される。
Zin≒0.93
Xin≒6+12=7
Yin≒1.77+1×0.93=2.7
TotalZin,Xin,Yin(i=赤ワイン)≒(1.07,8,2.83)
TotalZin,Xin,Yin(i=白ワイン)≒(0.86,8,2.44)
TotalZin,Xin,Yin(i=ロゼ)≒(0.86,8,2.44)
となる。
例えば、上記修正に伴う更新処理により、概念「ワイン」のTotalZ,X,Yは(1.02,7,2.7)に更新され、また子概念「赤ワイン」、「白ワイン」、「ロゼ」の各TotalZ,X,Yはそれぞれ(1.02,7,2.7),(0.86,8,2.44),(0.86,8,2.44)に更新されている。このため、この更新後の概念「ワイン」及び子概念「赤ワイン」、「白ワイン」、「ロゼ」をスコア値TotalZの大きい順にソートすると、例えば図15の右側に示すリストが生成される。
そして、この修正及び更新後の概念とその興味スコアのリストは、要求元のクライアント装置200へ向け返送される。
なお、上記再修正操作が行われなければ、クライアント端末200及び興味分析装置100の処理は終了となる。
以上詳述したようにこの実施形態では、クライアント端末200において、提示された興味分析結果のリスト中の任意の概念についてユーザが興味スコアTotalZの修正操作を行った場合に、興味分析装置100において当該修正対象の概念の特徴スコアZin,Xin,Yinを計算し直し、さらに当該概念に繋がる子概念を特定して、その興味スコアTotalZ,X,Yを上記修正後の特徴スコアZin,Xin,Yinに応じて更新するようにしている。そして、上記修正及び更新後の概念とその興味スコアをもとに提示リストを作成し直し、この作成し直されたリストをクライアント端末200に送って表示するようにしている。
前記実施形態では、概念「ワイン」に直接繋がる子概念「赤ワイン」、「白ワイン」、「ロゼ」に対してのみ、概念「ワイン」に対し行った修正を反映させる処理を行ったが、子概念「赤ワイン」、「白ワイン」、「ロゼ」に対しさらにその子概念(孫概念)が接続されている場合には、この孫概念に対しても上記修正を反映させるようにしてもよい。
Claims (7)
- ユーザ端末と、当該ユーザ端末との間でネットワークを介して通信が可能で、かつユーザによる情報の閲覧履歴をもとに当該ユーザの前記情報に対する興味を分析する機能を有する興味分析装置とを具備する興味分析システムであって、
前記ユーザ端末は、
前記興味分析装置に対し興味分析結果の提示要求を送信する手段と、
前記提示要求に応答して前記興味分析装置から該当するユーザの興味分析結果を表す情報が返送された場合に、当該情報を受信し前記ユーザに提示する手段と、
前記提示された興味分析結果の情報に含まれる概念に対するユーザによる修正情報の入力を受け付け、当該受付けた修正情報を含む修正要求を前記興味分析装置へ送信する手段と
を備え、
前記興味分析装置は、
前記提示要求を受信した場合に、当該提示要求に応答して該当するユーザの興味分析結果を表す情報をデータベースから読み出し、この読み出された興味分析結果を表す情報を要求元のユーザ端末に向け返送する手段と、
前記修正要求を受信した場合に、当該受信された修正要求に含まれる修正情報に基づいて、修正対象の概念が1回選択されたものと見なして当該修正対象の概念に係る仮想的なスコア情報を計算する手段と、
前記データベースに記憶された修正対象の概念に係るスコア情報を、前記計算された仮想的なスコア情報をもとに更新する手段と
を備えることを特徴とする興味分析システム。 - 前記興味分析装置は、
前記修正対象の概念に直接又は間接的に繋がる子概念を特定し、この特定された子概念に係るスコア情報を前記仮想的なスコア情報をもとに更新する手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1記載の興味分析システム。 - ユーザ端末との間でネットワークを介して通信が可能で、かつユーザによる情報の閲覧履歴をもとに当該ユーザの前記情報に対する興味を分析する機能を有する興味分析装置であって、
前記ユーザ端末から提示要求を受信した場合に、当該提示要求に応答して該当するユーザの興味分析結果を表す情報をデータベースから読み出し、この読み出された興味分析結果を表す情報を要求元のユーザ端末に向け返送する手段と、
前記ユーザ端末から修正要求を受信した場合に、当該受信された修正要求に含まれる修正情報に基づいて、修正対象の概念が1回選択されたものと見なして当該修正対象の概念に係る仮想的なスコア情報を計算する手段と、
前記データベースに記憶された修正対象の概念に係るスコア情報を、前記計算された仮想的なスコア情報をもとに更新する手段と
を具備することを特徴とする興味分析装置。 - 前記修正対象の概念に直接又は間接的に繋がる子概念を特定し、この特定された子概念に係るスコア情報を前記仮想的なスコア情報をもとに更新する手段を、さらに具備することを特徴とする請求項3記載の興味分析装置。
- ユーザ端末との間でネットワークを介して通信が可能で、かつユーザによる情報の閲覧履歴をもとに当該ユーザの前記情報に対する興味を分析する機能を有する興味分析装置が実行する興味分析方法であって、
前記ユーザ端末から提示要求を受信した場合に、当該提示要求に応答して該当するユーザの興味分析結果を表す情報をデータベースから読み出し、この読み出された興味分析結果を表す情報を要求元のユーザ端末に向け返送する過程と、
前記ユーザ端末から修正要求を受信した場合に、当該受信された修正要求に含まれる修正情報に基づいて、修正対象の概念が1回選択されたものと見なして当該修正対象の概念に係る仮想的なスコア情報を計算する過程と、
前記データベースに記憶された修正対象の概念に係るスコア情報を、前記計算された仮想的なスコア情報をもとに更新する過程と
を具備することを特徴とする興味分析方法。 - 前記修正対象の概念に直接又は間接的に繋がる子概念を特定し、この特定された子概念に係るスコア情報を前記仮想的なスコア情報をもとに更新する過程を、さらに具備することを特徴とする請求項5記載の興味分析方法。
- 請求項3又は4記載の興味分析装置が具備する手段が行う処理を、当該興味分析装置が備えるコンピュータに実行させるプログラム。
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