JP5993781B2 - 計測方法および計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は計測方法および計測装置に関するものである。
一般的に半導体製品は,動作に必要な回路パターンを形成するために複数回の露光工程が必要である。例えば,複数層の回路パターンを備えて構成される半導体製品の製造では,各層の回路パターンを形成するための露光工程のほか,各層を接続するホールを形成するための露光工程が必要となる。また,近年では微細な回路パターンを密度高く形成するためにダブルパターニングが行われている。
半導体製造においては,複数回の露光工程により形成される回路パターンの位置を許容される範囲内に合わせることが重要となる。許容範囲内に収まらない場合,適切な電気特性が得られず,歩留まりが低下する。そのため,露光間の回路パターンの合わせずれ(オーバーレイ)を計測し,露光装置にフィードバックすることが行われている。
走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてチップ内の回路パターンの画像を撮像し,オーバーレイを計測する手法がJaehyoung Oh, et. al(2013)(非特許文献1)に記載されている。非特許文献1では,SEMによって撮像された計測対象の回路パターンを含む画像(被計測画像)と,計測対象の回路パターンを含み,基準とする回路パターンを含む画像(基準画像)とをテンプレートマッチングによってマッチングさせ,層ごとにパターンのずれ量を計測することでオーバーレイを計測することが開示されている。
Jaehyoung Oh, Gwangmin Kwon, Daiyoung Mun, et. al: In-die overlay metrology method using review-SEM images: Proc. SPIE 2013 (2013) INTERNATIONAL TECHNOLOGY ROADMAP FOR SEMICONDUCTORS2011 EDITION LITHOGRAPHY
半導体製造において,リソグラフィーにおける露光量やフォーカス変動,エッチング条件などによってパターン太りやパターン細りが起こり,計測対象である回路パターンの寸法がばらつく場合がある。非特許文献1に記載のオーバーレイ計測手法によっては,被計測画像の回路パターンが基準画像の回路パターンと比較して寸法差がある場合,基準画像と被計測画像の回路パターンのマッチングが難しく,計測の精度が低下するといった課題があった。
以上のように,先行技術ではパターン寸法がばらつく回路パターンに対してオーバーレイを高精度に計測することが困難である。そこで本発明は,寸法変動がある回路パターンを計測対象とした際に高精度にオーバーレイを計測する手法および装置について提供する。
本発明は、半導体デバイスの異なる露光により形成された回路パターンの一以上の座標について被計測画像を撮像する第一の画像撮像ステップと,前記第一の画像撮像ステップにて撮像された該被計測画像から基準画像を選択する第一の選択ステップと,前記第一の選択ステップにて選択された該基準画像をパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する単位に領域分割する第一の領域分割ステップと,前記第一の選択ステップにて選択された該基準画像と前記第一の画像撮像ステップにて撮像された該被計測画像との差異を定量化する差異定量化ステップと,前記差異定量化ステップにて定量化した差異をもとに該被計測画像と該基準画像との位置ずれ量を算出する位置ずれ算出ステップと、を有する計測方法である。
本発明によれば,計測精度の高い計測装置および計測方法を提供することができる。
上記した以外の課題,構成及び効果は,以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る計測装置の構成図である。 本発明に係る計測装置の制御部および記憶部,演算部の構成図である。 チップ座標系とウェハ座標系を表した図である。 計測するオーバーレイに関する説明図である。 回路パターンの寸法変動の例を示した図である。 回路パターンが寸法変動した場合のオーバーレイ計測に関する説明図である。 回路パターンが寸法変動した場合のオーバーレイ計測に関する説明図である。 オーバーレイ計測対象の画像と断面構造の例を表した図である。 オーバーレイ計測のための回路パターン寸法変動の中心及び中心軸の算出例を示した図である。 画像から回路パターン領域を認識する処理フローである。 画像のヒストグラムの例である。 回路パターン領域認識が難しい場合の寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する方法に関する説明図である。 回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位で領域分割および中心点あるいは中心軸算出を行うためのGUIの一例を表した図である。 オーバーレイ計測処理のフローを表した図である。 画像撮像処理のフローを表した図である。 実施例1における画像差異定量化部とオーバーレイ算出部の構成を表した図である。 実施例1における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。 被計測画像の回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域分割する手法及び中心点あるいは中心軸の算出手法に関する説明図である。 回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を比較しパターン形成位置の差異を算出する手法の説明図である。 実施例2における画像差異定量化部とオーバーレイ算出部の構成を表した図である。 実施例2における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。 オーバーレイ計測対象の画像例である。 実施例2における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理の途中結果を表した図である。 回路パターンの寸法変動率を設定する軸を算出するGUIの一部を示した図である。 実施例3における画像差異定量化部とオーバーレイ算出部の構成を表した図である。 実施例3における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。 異なる露光により形成された回路パターンの中心点あるいは中心軸の距離を算出する手法の説明図である。
以下に,本発明に係る計測装置について説明する。本実施例では走査型電子顕微鏡(SEM)を備えた撮像装置で撮像した画像を用いてオーバーレイ計測を行う場合を対象に説明するが,本発明に係る撮像装置はSEM以外でも良く,イオンなどの荷電粒子線を用いた撮像装置でも良い。
図1は本発明に係る計測装置の構成図である。
画像の撮像を行うSEM101と,全体の制御を行う制御部102,磁気ディスクや半導体メモリなどに情報を記憶する記憶部103,プログラムに従い演算を行う演算部104,装置に接続された外部の記憶媒体との情報の入出力を行う外部記憶媒体入出力部105,ユーザとの情報の入出力を制御するユーザインターフェース部106,ネットワークを介して他の装置などと通信を行うネットワークインターフェース部107を備えて構成される。
また,ユーザインターフェース部106には,キーボードやマウス,ディスプレイなどにより構成される入出力端末113が接続されている。
SEM101は,試料ウェハ108を搭載する可動ステージ109,試料ウェハ108に電子ビームを照射するため電子源110,試料ウェハから発生した2次電子や反射電子などを検出する検出器111の他,電子ビームを試料上に収束させる電子レンズ(図示せず)や,電子ビームを試料ウェハ上で走査するための偏向器(図示せず)や,検出器111からの信号をデジタル変換してデジタル画像を生成する画像生成部112等から構成される。なお,これらはバス114を介して接続され,相互に情報をやり取りすることが可能である。
図2は、本発明に係る計測装置の制御部102,記憶部103,演算部104の構成図である。
制御部はウェハの搬送を制御するウェハ搬送制御部201,ステージの制御を行うステージ制御部202,電子ビームの照射位置を制御するビームシフト制御部203,電子ビームの走査を制御するビームスキャン制御部204を備えて構成される。
記憶部103は,取得された画像データを記憶する画像記憶部205,撮像条件(例えば,加速電圧やプローブ電流,加算フレーム数,撮像視野サイズなど)や処理パラメータなどを記憶するレシピ記憶部206,計測する箇所の座標を記憶する計測座標記憶部207を備えて構成される。
演算部104は撮像画像をもとに基準画像を合成する基準画像合成部208,基準画像と被計測画像の差異を定量化する画像差異定量化部209,オーバーレイを算出するオーバーレイ算出210,回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域に分割する領域分割部211,回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出するパターン中心算出部212を備えて構成される。
回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する領域の詳細については後述する。なお,208〜212は各演算を行うように設計されたハードウェアとして構成されても良いほか,ソフトウェアとして実装され汎用的な演算装置(例えばCPUやGPUなど)を用いて実行されるように構成しても良い。
ここで、指定された座標の画像を取得するための方法を説明する。まず,計測対象となるウェハ108は,ウェハ搬送制御部201の制御によりロボットアームによりステージ109の上に設置される。つぎに,撮像視野がビーム照射範囲内に含まれるようにステージ制御部202によりステージ109が移動される。この時,ステージの移動誤差を吸収するため,ステージ位置の計測が行われ,ビームシフト制御部203により移動誤差を打ち消す様にビーム照射位置の調整が行われる。電子ビームは電子源110から照射され,ビームスキャン制御部204により撮像視野内において走査される。ビームの照射によりウェハから生じる2次電子や反射電子は検出器111により検出され,画像生成部112を通してデジタル画像化される。撮像された画像は撮像条件や撮像日時などの付帯情報とともに画像記憶部205に記憶される。
ここで,本発明によるオーバーレイ計測の入力のひとつとなる計測座標について説明する。
図3はチップ座標系とウェハ座標系を表した図で、半導体ウェハ上のチップ301とウェハ302を表したものである。チップ座標系とはチップ上の一点を原点とした座標系であり,ウェハ座標系とはウェハ上の一点を原点とした座標系である。通常,ウェハにはチップが複数レイアウトされており,位置(u,v)にあるチップにおける,チップ座標(cx,cy)とウェハ座標(x,y)の関係は(数1)で表され,相互の変換は容易に行える。ただし,W,Hは1チップの幅と高さ,o,oはオフセットを表す。そのため,ユーザはオーバーレイ計測対象のチップ座標と,計測対象チップを指定すれば良い。例えば,チップ座標をn点,計測対象チップをm箇所指定した場合,計測座標はn×m点得られる。本実施例に係るオーバーレイ計測手法は同一のチップ座標をもつ画像を1グループとして扱う。画像をグルーピングするため,画像撮像時において画像の付帯情報としてチップ座標ごとに割り当てた位置IDを付与する(先ほどの例で言えば,位置ID:1〜n)
Figure 0005993781
つぎに,本発明で計測するオーバーレイについて図4を用いて説明する。
図4は、計測するオーバーレイに関する説明図である。401は402に示す断面形状を持つ回路パターンを撮像したSEM画像の模式図である。本例の回路パターンは下地403の上に第1の露光により回路パターン404が形成された後,第2の露光により回路パターン405が形成されている。SEM画像406はSEM画像401と同じレイアウトの異なる場所を撮像したものである。同様に,下地408の上に第1の露光により回路パターン409が形成された後,第2の露光により回路パターン410が形成されている。ただし,SEM画像406を撮像した箇所においては,SEM画像401を撮像した箇所と比較し,第2の露光により形成される回路パターン410がx方向にdx(412)ずれている様子を表している。本実施例に係る手法では,任意の画像(例えばSEM画像401)を基準画像とし,被計測画像(例えばSEM画像406)におけるx方向の回路パターンの形成位置と,基準画像におけるx方向の回路パターンの形成位置の差異を,各露光により形成される回路パターンごとに独立に定量化することによりx方向のオーバーレイを計測する。オーバーレイは各露光における回路パターンの形成位置の差異の差分で算出できる。算出の具体的な計算式は後述する。y方向についても同じように,被計測画像における回路パターンのy方向の形成位置と,基準画像における回路パターンのy方向の形成位置の差異を,各露光により形成される回路パターンごとに独立に定量化することにより,y方向のオーバーレイを計測可能である。図4は,第1の露光により形成された回路パターンを基準パターンとして第2の露光におけるオーバーレイを計測した例を表しているが,第2の露光により形成された回路パターンを基準パターンとしても良い。ずれ量の大きさは変わらないが,算出される値の正負の符号が反転する。なお,第nの露光とはn回目の露光とは限らず,単に露光工程の違いを表すインデックスであり,以降nを露光インデックスと記載する。また,「露光により形成される回路パターン」とは,露光工程のみにより形成される回路パターンに限定されるわけではなく,露光工程後のエッチング工程や成膜工程なども含めて形成される回路パターンを指す。
以降のSEM画像の表記では,下層の回路パターンほど暗い領域で示している。しかしながら,この表記は説明を簡易にするためであり,下層ほど濃淡値が低くなるとは限らず,濃淡値の違いは単純に露光によって形成される回路パターンの違いを示している。また,例外として,回路パターンによっては,パターン高さは同じだが異なる露光によって形成されたパターンが存在する場合もあり,その場合は図の説明の際に表記の仕方も一緒に説明する。 図4では基準画像と被計測画像の回路パターンに寸法差がない場合(回路パターンの位置ずれのみ)について示した。しかし,現実的にはリソグラフィーにおける露光量やフォーカス変動,エッチング条件の変動などによってパターン太りやパターン細りが起こり,被計測画像の回路パターンの寸法にばらつきが発生することがある。パターン太りや細りでは、パターンエッジがパターンエッジの法線方向に対して外側あるいは内側にシフトする。図5を用いてパターン太りにより寸法が変化した例を示す。図5(a)のSEM画像502はSEM画像501と同じレイアウトの異なる場所を撮像したものであり,502の回路パターン503は,基準画像501のパターン504と比較してパターン太りによって矢印505の方向に画像上の同じ位置でパターンが変形し,寸法が変化している様子を示している。半導体製造におけるパターン太りは,501の様な画像外にパターンが続いているラインパターンの例だと,パターン504のy方向のパターンの中心線(中心軸)507を中心としてパターン外の方向(x方向)にパターンが膨張している。また,点線506は502の回路パターン503のエッジを示している。y方向にもパターン太りが起こっていると考えられるが,画像外のためx方向の中心軸を定義することはできない。なお,中心軸はパターンの中心線に限定せず,パターンの骨組みを決定する線のことを示す。504のパターンでは507の様な線とする。以下それぞれの例のパターンについて中心軸を示す。
図5(b)のSEM画像512の回路パターンは,SEM画像511で示す様な画像外にパターンが続いていない点対称な回路パターン514が画像上の同じ位置でパターン太りによって変形し,寸法が変化した例を示している。514の様なパターンの場合は,パターンの中心点513を中心として,パターンの外側に広がるようにパターンが変化する。
図5(c)のSEM画像522の回路パターンは,SEM画像521で示す様に回路パターン524が画像外にも続いている例を示している。SEM画像522の回路パターンは,524のパターンが画像上の同じ位置でパターン太りによって変形し,寸法が変化した例を示しており,パターンの中心軸523を中心としてパターンの外側に広がるように変化する。y方向にもパターン太りが起こっているが,画像上側にどこまでパターンが続いているか不明であり,画像521および522からx方向の中心軸を定義することはできない。
図5(d)のSEM画像531では,x,y方向に伸びたラインパターンが交差しているような形状の回路パターン535がx,y両方向の画像外に続いている例を示している。SEM画像532の回路パターンは,535のパターンが画像上の同じ位置でパターン太りによって変形し,寸法が変化した例を示している。531の様な回路パターンでは2つのパターンの中心軸533及び534を定義でき,532はこれらの中心軸を中心として,パターンの外側に広がるように変化している。なお,531の様なパターンでは中心軸の交点を寸法変動の中心点として定義することもできる。
図5(e)のSEM画像541は,x,y方向に伸びたパターンが交差しているような形状の回路パターン545を示しており,SEM画像542は,回路パターン545が画像上の同じ位置でパターン太りによって変形し,寸法が変化した例を示している。545の様な回路パターンでは543及び544の様な中心軸を定義すれば良い。541の様なパターンでは,実際には寸法変動の中心点ではないが,中心軸の交点を寸法変動の中心点の代わりの基準点として定義する。
図5(f)のSEM画像551は,x,y方向に伸びたパターンが交差しているような形状の回路パターン555を示しており,SEM画像552は,回路パターン555が画像上の同じ位置でパターン太りによって変形し,寸法が変化した例を示している。555の様な回路パターンではパターン535と同様,2つのパターンの中心軸553及び554を定義でき,552はこれらの中心軸を中心として,パターンの外側に広がるように変化している。なお,551の様なパターンでは,実際には寸法変動の中心点ではないが,中心軸の交点を寸法変動の中心点の代わりの基準点として定義する。
なお,ここでは説明のためパターン太りの例のみを示したが,パターン細りの場合はパターン太りの矢印505と逆方向にパターンが変形する。図5の例では,エッジの法線方向に均一に寸法変動した例を示したが,実際には製造プロセスやパターンのレイアウトにより,寸法変動のしかたは方向によって変化することもある。
このようにパターン太りや細りなどによって基準画像のパターンと比較して寸法が変化した被検査画像のパターンの形成位置の差異を計測する場合,図4で示したようなパターンエッジのずれを計測する方法では形成位置の差異を正しく計測することができない。図5で示したように,パターンの寸法変動が起こった場合,寸法変動の中心である中心軸507,523,533,534,553及び中心点513を中心に寸法が変化するが,中心点や中心軸は寸法変動に影響されない。そのため,これら中心点や中心軸を露光によって形成されるパターンの代表位置として扱うことができる。よって,形成位置の差異の計測対象のパターンが寸法変動を起こしている場合,パターン寸法変動の中心軸や中心点の座標のずれ量を計測することで形成位置の差異を正しく計測することができる。中心点及び中心軸の求め方の詳細については後述する。
図6は回路パターンが寸法変動した場合のオーバーレイ計測に関する説明図である。図6を用いて,計測対象を点対称のパターンとして,変形によって寸法差が発生した場合の形成位置の差異計測について説明する。SEM画像406はSEM画像401と同じレイアウトの異なる場所を撮像したものであり,602の断面形状をもつ回路パターンを撮像したものである。同様に,下地603の上に第1の露光により回路パターン604が形成された後,第2の露光により回路パターン605が形成されている。ただし,SEM画像406を撮像した個所においては,SEM画像401を撮像した個所と比較し,第2の露光により形成される回路パターン605が,比較対象の回路パターン405に比べてx方向にずれており,かつパターン太りによって太いパターンとなっている様子を示している。
ここで,SEM画像401を基準画像,SEM画像601被計測画像とした際,前述のとおり,第2の露光におけるx方向の座標のずれ量を回路パターン405の中心点606と回路パターン605の中心点607のx方向の形成位置の差異とすれば良い。中心点の求め方及び形成位置の差異の算出方法の詳細については後述する。y方向についてもx方向と同様,中心点のy座標のずれ量をパターン形成位置の差として算出することができる。また,画像内でパターンが斜めに配置されている場合もパターンの中心軸が求まれば,同様の処理で計測が可能である。また,パターンが斜めに配置されている場合は,画像を回転させて処理しても良い。中心軸の求め方については後述する。
なお,図5(a)の501や,(c)の521様な例では,中心軸のx座標は求まるが,回路パターンがy方向の画像外まで続いており,画像外のパターン形状は不明であるため,中心軸のy座標を特定することができない。そのため,x方向の形成位置の差異を計測することは可能だが,y方向の形成位置の差異を計測することはできない。つまりは,パターンが続いている方向の法線方向(501ではx方向)の形成位置の差異は計測が可能だが,パターンが続いている方向(501ではy方向)についての形成位置の差異を計測することができない。このような場合,計測対象のy方向のパターンのエッジが確認できる別の領域で画像を撮像し,その撮像位置の関係からy方向のパターン形成位置の差異を算出しても良い。
図7は回路パターンが寸法変動した場合のオーバーレイ計測に関する説明図である。図7を用いて,図5に示したラインパターン以外の代表的な例について,変形によって寸法差が発生した場合の形成位置の差異計測に関して説明する。
図7(a)のSEM画像702はSEM画像701と同じレイアウトの異なる場所を撮像したものであり,702の回路パターン705は,701の回路パターン704がパターン太りによって寸法変動しているのに加え,704に比べてx方向及びy方向にずれている例を示している。前述のとおり,704,705の様に中心点が求まるようなパターンの形成位置の差異を計測する場合は,各パターンの中心点706及び707のずれ量を計測すればよい。基準画像を701,被計測画像を702とすると,x方向の形成位置の差異は706と707のx方向ずれ量である703で計測され,y方向の形成位置の差異は706と707のy方向ずれ量である708で計測される。
図7(b)のSEM画像712はSEM画像711と同じレイアウトの異なる場所を撮像したものであり,712の回路パターン715は,711の画像外の上方向にもパターンが続いている回路パターン714がパターン太りによって寸法変動していることに加え,714に比べてx方向及びy方向にずれている例を示している。前述のとおり,714,715の様なパターンの形成位置の差異を計測する場合は,各パターンの中心軸716及び717のずれ量を計測すればよい。基準画像を711,被計測画像を712とすると,x方向の形成位置の差異は716と717のx方向ずれ量である713で計測できる。y方向については,図6の例と異なり,y方向のエッジが画像内にあるため,714と715のy方向エッジの端のずれ量718をy方向形成位置の差異として計測する方法がある。
ただし,この手法では,y方向の寸法変動による誤差が含まれているため,寸法変動量を推定し,718から引いた値をy方向形成位置の差異としても良い。寸法変動量の推定には,例えばパターン寸法変動の変動量が全方向に一定と仮定し,714及び715のx方向の寸法差の1/2を寸法変動量と推定すればよい。また,寸法変動量が方向によって異なる場合はその方向ごとの寸法変動率からy方向の寸法変動量を推定すればよい。寸法変動率は他のウェハで事前に計測した情報から算出した値を用いても良いし,712が撮像された付近における図5(b)511で示したパターンのような,寸法変動とパターン形成位置の差異が明確に切り分けられる回路パターンの画像から算出しても良い。
また,回路パターン714,715は画像上方に(y方向)続いている例のみを説明したが,パターンが画像の下方向やx方向(左右方向),斜め方向に続いている場合でもパターンの中心軸が求まれば,同様の処理で形成位置の差異を計測可能である。
なお,基準画像と被計測画像の撮像位置が大きくずれており,基準画像では画像内に全方向にエッジが見えていて中心点が算出可能(701の様な例)だが,被計測画像では一部のパターンエッジが画像外となり,中心点が算出できず,中心軸しか算出できない(711の様な例)場合がある。その場合は,中心軸の最短距離をパターン形成位置の差異とすれば良い。また,この場合,被計測画像で中心軸が算出できない方向のパターン形成位置の差異については,711と同様,パターンのエッジから算出するなどすれば良い。
図6及び図7から,パターンのエッジが画像内に存在する方向の形成位置の差異は計測可能といえる。ただし,712のy方向の様に,パターンの対称になるエッジ(対になるエッジ)が画像内にない場合,パターン寸法変動と形成位置の差異の切り分けが難しく,計測値に寸法変動による誤差が含まれている可能性があり,計測値に対する信頼性が低いと言える。エッジが画像内に,計測ができない場合には信頼性を0.0,片側のエッジのみが画像内にある場合には信頼性0.5,対になるエッジが画像内にある場合は信頼性1.0など,計測の信頼性を定量化し,パターン形成値の差異の計測値と共に出力しても良い。また,信頼性は対になるエッジの面積などに応じて値を与えれば良い。計測の信頼性はx,yやパターンの長手方向など方向毎に算出しても良い。信頼性を算出することで,信頼性が低いパターンについては正しい値が得られないとし,周辺の信頼性の高いオーバーレイの値で補間した値を出力することや,正しい値が得られていない可能性が高いなどのエラーを表示することができる。
また,対になるエッジの存在する領域を撮像し,撮像位置からパターン形成位置の差異を算出しても良い。これにより,信頼性が高いオーバーレイを算出することができる。
また,パターン寸法変動の変動値や変動率をパターン形成位置の差異と共に出力しても良い。変動率はx,yやパターンの長手方向などの方向ごとに算出しても良い。オーバーレイと切り分けたパターン変動率を出力し,ユーザに提示することで,ユーザは寸法変動に対する歩留まり向上のための対策をすることが可能となる。
なお,半導体パターン形成のメカニズム上,パターンの寸法が変動しても,近傍領域については同じ露光で形成されたパターン同士の位置関係は変化しない。そのため,複数のパターンが基準画像や被計測画像内に存在し,各パターンの寸法変動の中心あるいは中心軸が複数ある場合,それぞれのパターンについてパターン形成位置の差異は同じになる。そこで,それぞれのパターンについてパターン形成位置の差異を計測して平均を画像のパターン形成位置の代表としても良い。
各パターンで算出された形成位置の差異を複数のパターンで平均化することによって計測精度が向上する。
図8はオーバーレイ計測対象の画像と断面構造の例を表した図である。801〜805,821はSEM画像と断面構造を模式的に表したものである。
図8(a)の801は第1の露光により形成された回路パターン806と,第2の露光により形成された回路パターン807が積層されている様子を表している。
図8(b)の802も同様に,第1の露光により形成された回路パターン808と,第2の露光により形成された回路パターン809が積層されている様子を表している。
また,図8(c)の803は第1の露光により形成された回路パターン810の上に膜811と,第2の露光により形成された回路パターン812が積層されている様子を表している。
このように第1の露光により形成された回路パターンの上に膜が積層されている場合においてもSEMの加速電圧を調整することで第1の露光により形成された回路パターン810の形状を観察することが可能である。
図8(d)の804はダブルパターニングにより形成された回路パターンを表している。ダブルパターニングは第1の露光により回路パターン813を形成し,第2の露光により回路パターン814を形成することで回路パターンを密度高く形成する技術である。
図8(e)の805はホール工程の画像を表しており,第2の露光により形成された回路パターン816の開口部から,第1の露光により形成された回路パターン815が観察されている様子を表している。図8の以上の例ではパターンの中心あるいは中心軸がパターン形成位置の差異算出の基準となる。
図8(f)の821は第1の露光により形成された回路パターン822の上に,マルチパターニングの1種であるSpacer Double Patterning(SDP)によって形成されたパターン823が積層されている様子を示している。
SDPのプロセスの詳細は非特許文献2に示されており,まずは第2の露光が行われ,パターン間824の部分にパターンが形成される。そのパターンを成膜し,エッチングすると,824の部分にあったパターンがエッチングされ,824の両側の部分がパターンとして残り,その残ったパターンが823となる。そのため,821の例では,第2の露光のパターン形成位置の差異を算出するには,パターン間824の中心軸を算出の基準とすればよい。
なお,本手法はSDPへの適用に限定せず,他のマルチパターニング手法SATP(Self−Aligned Triple Patterning)やSAQP(Self−Aligned Quad Patterning)によって形成されたパターンにおいても,露光によって形成されたパターン間やパターンの中心軸及び中心点をパターン形成位置の差異の算出の基準とすることで適用可能である。
いずれの場合においても,第1の露光により形成される回路パターンと,第2の露光により形成される回路パターンのオーバーレイ計測が重要である。なお,本実施例によってオーバーレイ計測可能となる回路パターンの構造はこれらに限ったものではない。例えば,計3回の露光により形成される回路パターンが観察される画像においては,各露光間におけるオーバーレイを計測することが可能である。
回路パターンの寸法変動の中心点や中心軸の精度はパターン形成位置の差異の精度に影響し,最終的にはオーバーレイ計測の精度に影響する。寸法変動の中心点及び中心軸は回路パターン領域認識処理などにより得られた回路パターンの形状から求めることができる。回路パターン領域認識処理とは,各回路パターンに対応する領域を抽出する処理である。回路パターン領域認識処理の一例として,上層の回路パターンほど領域内の濃淡値が高いことを利用して,画像の濃淡値ヒストグラムから濃淡値に対してしきい値処理を行い,各回路パターンに対応する濃淡値が近い領域を抽出する方法などが考えられる。回路パターン領域認識についての詳細は図10,図11を用いて後述する。
例えば,図5の501及び521の様な左右に線対称なパターンでは,各y座標において,左右のパターンエッジへの距離が最短かつ同じになるようなx座標を算出し,それらの座標を連結することでパターンの中心軸を得る方法も考えられるし,回路パターン領域に対して細線化処理を実行することで中心軸を算出しても良い。
また,511の様な点対称なパターンでは,パターンの重心位置を算出することで寸法変動の中心点を求めることができる。前述のとおり,寸法形状の中心点及び中心軸はパターン形状より求めるため,寸法変動の中心あるいは中心軸を算出する単位で正確に得ることが,パターン寸法変動の中心点及び中心軸の算出精度向上のポイントとなる。
図9はオーバーレイ計測のための回路パターン寸法変動の中心及び中心軸の算出例を示した図である。図9を用いて,本発明に係る回路パターン寸法変動の中心点及び中心軸を算出する単位の回路パターンを取得する方法について説明する。
図9(a)のSEM画像901は第一の露光によって形成されたパターン903の上に第二の露光によって形成されたパターン904と905が形成されており,第二の露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心点を求める例を示している。901に対して,前述の濃淡値ヒストグラムを利用した回路パターン領域認識処理によって,第二の露光によって形成されたパターン領域を抽出した認識結果を902に示す。904及び905の回路パターン領域の認識結果が906及び907で示されている。901の例では,認識された領域906及び907が得られている。この例では図5及び図7で説明したとおり,906及び907でそれぞれ回路パターン寸法変動の中心点を算出すれば良い。以下,これら中心点や中心軸を算出する領域を回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域と呼ぶ。ラベリングなどの処理によってそれぞれ906および907で示す様なこれらの領域を得ることができる。ラベリングされた領域(906及び907)ごとに領域の重心を算出することでパターン形状の中心点908及び909を精度よく算出することができる。
図9(b)のSEM画像911は第一の露光によって形成されたパターン913の上に第二の露光によって形成されたパターン914と915が形成されており,第二の露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心軸を求める例を示している。912は914及び915の回路パターン領域認識結果916及び917を示しており,901の例と同様,認識された領域916及び917がそれぞれ回路パターン寸法変動の中心軸を算出する単位の領域が分割されて得られており,ラベリングなどの処理によってそれぞれの領域を個別に得ることができる。ラベリングされた領域(916及び917)ごとに領域の前述の手法などを用いて中心軸を算出することでパターン形状の中心軸918及び919を精度よく算出することができる。
図9(c)のSEM画像921はダブルパターニングによって第一の露光によって形成されたパターン923と第二の露光によって形成されたパターン924が接続する様に形成されており,第一及び第二の露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心軸を求める例を示している。なお,回路パターン923と924は説明のため領域内の色を変えて表記してあるが同じ層に形成され,同じ高さを持つ場合の例を示しており,923と924のパターン内の濃淡値はほぼ同じであるとする。922は921の回路パターン領域認識結果を示しており,領域927は回路パターン923及び924の認識領域を示している。921の例では第一の露光で形成されたパターンである923と第二の露光で形成されたパターン924が接続しておりかつ,濃淡値が近いため,923と924の領域が接続し,一つの領域として認識される。そのため,あらかじめ921をパターン寸法変動の中心軸を算出する単位の領域に分割しておく。回路パターン923に対して分割領域925,回路パターン924に対して分割領域926が与えられれば,それぞれの領域内の回路パターン領域認識結果から中心軸928及び929を算出することが可能となる。パターン寸法変動の中心軸を算出する単位の領域に分割する方法についての詳細は後述する。
分割される領域は少なくとも中心軸を算出するパターン領域を含んでおり,算出する軸に対して垂直方向にパターンのエッジが存在する必要がある(921ではx方向のエッジ)。また,前述したとおり,分割領域内に対になるパターンのエッジを含む様に分割することで高精度に(信頼性の高い)中心軸を求めることができる。921ではパターン寸法変動の中心軸を求める例について示したが,パターン寸法変動の中心点を求める場合でも同様にパターン寸法変動の中心点を算出する単位の領域に分割する手法で求めることができる。
図9(d)のSEM画像931は第一の露光によって形成されたパターン933上に第二の露光によって形成されたパターン934が積層されており,第一の露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心点を求める例を示している。932は931の第一の露光の回路パターン領域認識結果を示しており,領域936は回路パターン933の認識領域を示している。931の例では,第二の露光で形成されたパターン934が第一の露光で形成されたパターンである933の上に積層されていることにより,SEM画像の見かけ上933のパターン及び933の領域認識結果936が正しく認識できず,断片化されている。
パターン寸法変動の中心点はこれら断片化されたパターンをひとまとまりとし,パターン寸法変動の中心を求める単位のパターンとして取扱い,中心点を算出する必要がある。そのためには,923の例と同様に,あらかじめ931をパターン寸法変動の中心点を算出する単位の領域に分割しておく。回路パターン933に対して分割領域935が与えられれば,それぞれの領域内の断片化された回路パターン領域認識結果を一つのグループとしてグルーピングでき,グルーピングされた領域の重心を算出するなどの方法によって,中心点937を算出することが可能となる。パターン寸法変動の中心点を算出する単位に領域分割する方法についての詳細は後述する。
分割される領域には少なくとも中心点を算出するパターン領域及びパターンのエッジを含む必要がある。また,前述したとおり,分割領域内に中心点に対し,対になるパターンのエッジを含む様に領域分割することで高精度に(信頼性の高い)中心点を求めることができる。931では積層されたパターンによって中心点を算出するパターンがSEM画像上で断片化された場合についてパターン寸法変動の中心点を求める例について示したが,パターン寸法変動の中心軸を求める場合でも同様にパターン寸法変動の中心軸を算出する単位に領域分割し,断片化されたパターンをグルーピングする手法で中心軸を求めることができる。
図9(e)のSEM画像941は図8の821で示したものと同じ構造を有するパターンを撮像した画像であり,第一の露光によって形成されたパターン943上にSDP(第二の露光プロセスを含む)によって形成されたパターン944が形成されており,第二の露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心軸を求める例を示している。SDPによって形成されたパターン944は前述のとおり,第二の露光によって形成されたパターンの両側に成膜によって生成されたパターンである。なお,第二の露光によって形成されたパターンはエッチングされ,消失している。942は941の回路パターン認識領域を示しており,領域946は回路パターン944の認識領域を示している。前述のとおり,回路パターン944が前述のSDPなどによって形成されており,パターン946のパターン寸法変動の中心を944の間とする必要がある場合,領域946の情報のみから中心軸を算出するのは難しい。そのため,そのため,あらかじめ941をパターン寸法変動の中心軸を算出する単位の領域に分割しておく。回路パターン944に対して分割領域945及び,パターン間が中心軸となる情報が与えられれば,領域内の回路パターン領域認識結果から中心軸947を算出することが可能となる。分割される領域は少なくとも中心軸を算出するパターン間領域を含んでおり,算出する軸に対して垂直方向にパターンのエッジが存在する必要がある(941ではx方向のエッジ)。また,前述したとおり,分割領域内に対になるパターンのエッジを含む様に分割することで高精度に(信頼性の高い)中心軸を求めることができる。
なお,パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域の中心位置をそのまま中心点としても良い。また,寸法変動中心点や中心軸が既知の円,楕円,長方形,正方形,L字型などの回路パターンのモデルを用意しておき,モデルをパターン領域認識結果とテンプレートマッチングなどによって位置合せし,中心点及び中心軸を算出しても良い。特に図9(d)の様に対象のパターンが断片化されている場合には,グルーピングされた複数の回路パターン領域認識結果のグループごとに中心点あるいは中心軸を算出する。例えば,分断化された複数のパターン領域を,円形や楕円形,矩形,L字型などのモデルパターンと対応づけることで,中心点あるいは中心軸を高精度に算出することが可能である。また,この際,上層のパターンによって観察できない(回路パターン領域が認識できない)パターン領域が存在する場合,そのパターン領域のエッジにより算出されるパターン形成位置の差異の信頼性を低く設定することで,オーバーレイ算出の精度低下を防ぐことができる。
回路パターン領域認識処理について説明する。半導体製造工程は多数の工程から成り立っており,工程や製品の違いにより取得される画像の外観は様々である。回路パターン領域を認識するにあたり,最も処理が容易なのは,回路パターン領域の濃淡値が回路パターンを形成した露光工程ごとに異なる場合である。例えば第1の露光により形成される回路パターンと第2の露光により形成される回路パターンの材料が異なる場合,発生する2次電子数や反射電子数が異なるため濃淡値に違いが生じる。また,第2の露光により形成される回路パターンが第1の露光により形成される回路パターンの上に積層されている場合などは,発生した2次電子や反射電子の検出率の違いにより濃淡値に違いが生じる場合がある。
図10は画像から回路パターン領域を認識する処理フロー、図11は画像のヒストグラムの例である。図10では、回路パターン領域の濃淡値が回路パターンを形成した露光工程ごとに異なる画像を対象とした認識処理のフローを示す。
まず,画像に対してノイズ除去などの前処理を行う(S1001)。
次に,画像のヒストグラムを作成する(S1002)。
作成したヒストグラムにおいては図11に示すように,露光インデックスに応じた複数の分布が混在して観察される。このヒストグラムから各分布を分離するしきい値を算出する(S1003)。
次に,画像中の各画素について濃淡しきい値を適用し,画素ごとに露光インデックスを認識する(S1004)。
各画素に独立にしきい値を適用した後では,ノイズなどの影響により微小な誤認識領域が発生する場合がある。そこで,膨張・縮退処理などを行い,領域を整形する(S1005)。なお,回路パターン領域の認識手法は図10に示した方法に限らない。例えば,画像からエッジを検出し,エッジで囲まれた閉じた領域について外観特徴を定量化し,外観特徴からそれぞれ閉じた領域の露光インデックスを認識しても良い。
図9では回路パターン領域の認識結果からパターン寸法変動中心及び中心軸の算出法について述べたが、以下では,濃淡プロファイルを利用して回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する方法に関する方法について,図12を用いて説明する。図12は、濃淡プロファイルを利用して回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する方法に関する説明図である。
SEM画像401は図4で説明したものと同じものであり,図下は画像上A〜Bのラインの濃淡値のプロファイルを示している。なお,第2の露光における回路パターンの寸法変動の中心点を算出する単位で分割した領域1201が与えられているとし,プロファイル上の1201の範囲を1209とする。濃淡プロファイルは,1209の範囲内で第2の露光における寸法変動の中心点606を中心として対象の波形となっている。この波形の対象性を利用して,寸法変動の中心点を求めれば良い。第1の露光についても同様の手法で中心点を求めることができる。寸法変動の中心軸も同様に,濃淡プロファイルが対象になる座標が中心軸の座標となることを利用して求めれば良い。
また,x方向の濃淡プロファイルから各方向の中心軸を求める方法を示したが,濃淡値プロファイルはx方向に限定せず,y方向や斜めの方向の濃淡プロファイルから中心点及び中心軸を算出しても良い。
また,回路パターン領域認識が可能な場合と同様,寸法変動中心点や中心軸が既知の円,楕円,長方形,正方形,L字型などの回路パターンのモデルを用意しておき,モデルをパターン領域の濃淡画像とテンプレートマッチングなどによって位置合せし,中心点及び中心軸を算出しても良い。
なお,図12の例では,回路パターンの寸法変動の中心点を算出する単位で分割した領域1201を与えなくても中心点の算出は可能であるが,1201を与えることによって,この範囲を限定して対になるエッジを探索することが可能となり,ノイズ等に対するロバスト性が向上する。
濃淡プロファイルを利用することによって,回路パターンの濃淡値が隣接するパターン領域の値に近く,前述のパターンの濃淡値の差を利用する認識手法などでは領域の認識が難しい場合において,寸法変動の中心点及び中心軸を正確に求めることが可能となる。特に低い高さのパターンや下地に埋め込まれているパターンについては濃淡値が下地の濃淡値に近くなりやすく,下地との分離が難しいことから本手法による効果が高い。
以下では,回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域分割する方法について説明する。
図13は回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位で領域分割および中心点あるいは中心軸算出を行うためのGUIの一例を表した図である。 基準画像1301は第一の露光にて回路パターン1302を形成し,その上に第二の露光にて回路パターン1303を積層して形成したパターンの領域を撮像したSEM画像である。ユーザは範囲の指定や基準画像1301の表示を拡大縮小することができるような領域指定用のツールボックス1304を用いて基準画像1301上で基準画像における回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域の範囲1305をマウスやキーボードなどの入力手段によって入力する。設計データの情報がある場合は,設計データから寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域の範囲1305を決定し,入力しても良い。また,前工程の同じ位置の画像が存在する場合,その画像の情報を利用して1305を決定しても良い。例えば,図13の例では,1303の露光によるパターン形成がされる前の工程の画像が存在する場合,パターン1302の回路パターンは見かけ上で断片化せず,回路パターン領域認識処理及びラベリングによって寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域が一意に決定する。その情報を用いて1305を決定すれば良い。入力された情報から,基準画像を回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域分割する。
コンボボックス1306によって,中心点あるいは中心軸を計算する対象の回路パターンを形成した露光の番号を指定可能である。また,ラジオボタン1307は中心点あるいは中心軸を計算する対象を指定可能である。
通常の回路パターンの様に回路パターンが周辺に比べて濃淡値が高い場合,1307で回路パターンを選択することで,中心あるいは中心軸を回路パターン領域認識の中心とできる。また,中心点あるいは中心軸を計算する対象が,図8(c)で示したようなSDPで形成されたパターンなどの様にパターンの間や穴など,濃淡値が周辺より低い領域の場合,1307でパターン間,穴を選択することで,回路パターン認識の領域外をから中心点,あるいは中心軸を算出できる。
ボタン1308を押すことで,1306及び1307で指定した条件で回路パターン領域認識処理及び中心点1310あるいは中心軸(図示せず)を算出した結果を1309に表示する。
回路パターン領域の認識が難しい場合は,前述の手法で中心点及び中心軸を算出し,基準画像1301と共に1308に表示すればよい。回路パターン領域認識が可能かどうかの判定は,領域1305内の濃淡値ヒストグラムから指定されたパターン領域が認識可能か否かを判定しても良いし,GUI上のチェックボックス(図示せず)などでユーザにより指定させても良い。
ユーザは得られたパターン寸法変動の中心点1310あるいは中心軸が適切であることを確認し,ボタン1311を押すことによって,1309に表示された中心点あるいは中心軸を以降の処理で用いるよう設定する。
半導体製造においてメモリデバイスの様に,近傍領域で同じ様な繰り返しパターンを生成する場合がある。これらのパターンの領域をひとつひとつ設定するのは手間がかかるため,図13の領域1305が一か所入力された際,基準画像上領域1305の部分をテンプレートとしてテンプレートマッチングを行い,マッチングされた領域を回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位として分割しても良い。
他の回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域分割する方法として,回路パターンの寸法変動の中心点付近の座標や中心軸付近のラインをユーザが入力し,その中心付近の情報入力として領域分割を行う方法が考えられる。入力された中心点あるいは中心軸付近の回路パターン領域認識結果を入力された座標やラインと結び付け,その結び付けられた認識領域の範囲を回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位とする。指定された入力座標ごとに,その点やラインと結び付けられた認識領域の範囲を含む領域に分割し,分割した領域から前述の方法にて回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する。ユーザ入力には基準画像上をマウスによってクリックする,座標をキーボードやマウスで指定するなどの方法が考えられる。
また,寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する回路パターンの領域上をペンツールなどによって線で結ぶ様なユーザ入力によって結ばれた回路パターン領域を回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位としても良い。領域分割と中心点あるいは中心軸の算出は前述の手法を用いれば良い。
また,上記オーバーレイ計測の対象とする回路パターンを形成する複数の露光に対して露光ごとにそれぞれ領域1302や中心点を与えていたが,複数の露光に対して一括で領域1302や中心点を指定しても良い。その場合は,それら複数の露光に対して同じ領域1302を入力することになる。
本発明では,以下で説明するオーバーレイの計測フローによって,図13のGUIによる入力は基準画像に対してのみ行えば良く,被計測画像ごとに入力作業が発生するわけではない。
図14は本発明に係るオーバーレイ計測のフロー図である。まず,計測箇所の画像(被計測画像)を図15に示したフローに従って取得する(S1401)。
被計測画像の取得後,位置IDごとに処理を行うため,同一の位置IDをもつ画像を抽出する(S1402)。なお,位置IDごとの処理順序は任意に設定されても良いし,ユーザが指定した位置IDの画像のみについて処理するようにしても良い。抽出された画像はチップ座標が同じため,同様の回路パターンが撮像されている。
次に,オーバーレイ計測に用いる基準画像を選択する(S1403)。基準画像は被計測画像の中からユーザが選択しても良いし,基準画像合成部208を用いて被計測画像から基準画像を合成したものを選択しても良い。合成する方法としては例えば,画像の位置合わせをした後,対応する画素の平均濃淡値を合成画像の濃淡値とすれば良い。また,露光ごとに形成された回路パターン領域を合成しても良い。また,基準画像選択時に,基準パターンの露光インデックスを指定しても良い。
次に,オーバーレイの計測対象とする露光ごとに,基準画像を対象とする露光で形成された回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域に分割し(S1404),分割された領域ごとに寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する(S1405)。
S1404及びS1405は対象とするパターンを形成する露光ごとに行われる(S1406)。例えば第一の露光と第二の露光のオーバーレイを計測したい場合は,第一の露光で形成された回路パターンに対してS1404及びS1405を実行し,続いて第二の露光によって形成された回路パターンに対してS1404及びS1405を実行すればよい。処理する露光の順番は任意であり,どの露光を対象とするかはユーザ入力やあらかじめ定義されたファイルを読み込むことによって入力されれば良い。今回は第一と第二の露光についてオーバーレイを計測する例を示したが,対象とする露光が3以上でも適用可能である。また,対象とする露光が3以上の場合は,全ての露光の組み合わせに対してオーバーレイを計測しても良い。
S1404及びS1405の処理は図13で説明したGUIを用いて行えばよく,S1404の処理は領域分割部211,S1405の処理はパターン中心算出部212を用いて行われる。なお,S1403〜1405で設定済みの基準画像と同じレイアウトの回路パターンにおけるオーバーレイを計測する場合は,ここで設定した情報を流用することで,S1403〜S1405のステップを省略することができる。
基準画像設定後,被計測画像と基準画像の差異を定量化し(S1407),定量化結果をもとにオーバーレイを算出する(S1408)。この際,被計測画像に基準画像を含んでいても良い。
以上の処理S1407〜S1408をすべての抽出画像について完了するまで繰り返し行う(S14909)。
そして,処理S1402〜S1409を対象の位置IDについて完了するまで繰り返し行う(S1410)。
以降において処理S1401,S1407〜S1408の詳細について説明する。 図15は画像撮像処理のフローを表した図である。図15を用いて被計測画像の取得処理(S1401)について説明する。
まず,計測対象のウェハ108をステージ109上にロードし(S1501),ウェハに対応したレシピをレシピ記憶部206から読み込む(S1502)。
次に,計測座標を計測座標記憶部207から読み込む(S1503)。
座標読み込み後(もしくは並行して),ウェハアライメントを行う(S1504)。
ウェハアライメント後,前述の方法によりSEM101を制御し,指定した座標の画像を撮像する(S1505)。この時,撮像した画像には位置IDを付帯情報として付与する。
全ての撮像が完了するまで繰り返し行い(S1506),最後にウェハをアンロード(S1507)する。
次に,被計測画像と基準画像の差異を定量化する処理(S1407)について説明する。本処理は画像差異定量化部209を用いて行われる。
図16は実施例1における画像差異定量化部209とオーバーレイ算出部210の構成を表した図である。図16の1701は本実施例に係る画像差異定量化部209の構成を示したものである。
また,図17は実施例1における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。
図16の例では第pの露光と第q(q<p)の露光によって形成されたオーバーレイを計測する例を示す。p,qは任意の数値であり,ユーザ入力あるいはあらかじめ定義されたファイルを読み込むことで入力されれば良い。
本処理では、基準画像と,S1403で得られた基準画像の回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域及び中心点あるいは中心軸を入力1702,被計測画像を入力1703とする。以降,説明のための画像例として図18(a)に示した基準画像1901と被計測画像1902を用いる。
図18は被計測画像の回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域分割する手法及び中心点あるいは中心軸の算出手法に関する説明図である。
図18の例では,露光pについての処理例を示すが,露光qについても同様の処理を行えばよい。1903はS1403で得られた基準画像1901の寸法変動の中心あるいは中心軸を算出する単位領域,1904及び1905は算出された中心点及び中心軸である。
まず,テンプレートマッチング部1705に基準画像1705および被計測画像1703を入力し,テンプレートマッチングによって大まかな位置合せを行い,被計測画像と基準画像のパターン撮像位置のずれを計測する(S1801)。図18(b)にテンプレートマッチングを行った結果を示す。基準画像1901の回路パターンを実線,被計測画像1902の回路パターンを点線で示す。パターン寸法の変動に加え,オーバーレイによる露光間の位置ずれがあるため完全に一致はしないが,大まかに位置合せすることができる。この例ではy方向にずれ1911があり,この値を出力する。
次にテンプレートマッチング部1705で計測した被計測画像と基準画像のずれ量1706と,被計測画像1703をパターン中心算出部1707に入力し,被計測画像における各露光のパターン寸法変動の中心あるいは中心軸を算出する。1707ではまず,基準画像と被計測画像の大まかなずれから,被計測画像を回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位領域に分割する(S1802)。基準画像では分割された領域が設定されているため,基準画像と被計測画像のずれ1911の分だけずらして被計測画像の分割領域を設定すれば良い。なお,基準画像と同様,設計データの情報や前の工程の画像の情報を用いて,被計測画像を回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位領域に分割しても良い。
続いて,被計測画像の分割領域ごとに寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する(S1803)。S1802にて分割領域が設定されているので,各分割領域にて前述の手法を用いて寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出できる。図18(c)に被計測画像1902分割領域1911を設定し,寸法変動の中心点1912及び中心軸1913を決定した例を示す。この際,パターン寸法変動やオーバーレイのずれ量が大きい場合,テンプレートマッチングの精度が低くなり,被計測画像のパターンが領域1911の外にはみ出してしまう場合がある。その場合は,被計測画像に領域1911を設定する際,領域を拡大して設定するなどの方法がある。範囲拡張の基準として,領域1911の内パターンを検出し,パターンが領域1911外に続いている場合に領域を拡大するなどすれば良い。S1802の処理はオーバーレイ計測の対象である第pの露光及び第qの露光に対してそれぞれ行う。
次に,第pの露光における基準画像の回路パターン寸法変動の中心点及び中心軸とその分割領域1708と,1707によって得られた第pの露光における被計測画像の寸法変動中心点及び中心軸とその分割領域1709と,第pの露光における被計測画像と基準画像のずれ量1706をパターン中心マッチング部1710に入力し,基準画像と被計測画像のパターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を比較することで,x,y方向のパターン形成位置の差異dux(1714),duy(1715)を算出する(S1804)。パターン形成位置の差異の算出方法の詳細については後述する。
第qの露光についても同様に,第qの露光における基準画像の回路パターン寸法変動の中心点及び中心軸とその分割領域1711と,1707によって得られた第qの露光における被計測画像の寸法変動中心点及び中心軸とその分割領域1711と,被計測画像と基準画像のずれ量1712をパターン中心マッチング部1710に入力し,第qの露光における基準画像と被計測画像のパターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を比較することで,x,y方向のパターン形成位置の差異dlx(1716),dly(1717)を算出する(S1805)。
以上は,第p及び第qの露光に対してパターン形成位置の差異を算出する方法を述べたが,第1〜mの露光パターンについて独立に基準画像と被計測画像間でのパターン形成位置の差異を算出しても良い。
次に,オーバーレイ算出処理(S1408)について説明する。本処理はオーバーレイ算出部210を用いて行われる。図16の1713は本実施例に係るオーバーレイ算出部の構成を示したものである。本処理の入力は画像差異定量化部の出力である第pの露光により形成された回路パターンの形成位置の差異(dux,duy)と,第qの露光により形成された回路パターンの形成位置の差異(dlx,dly)である。本処理では減算部1718を用いて(数2)によりx方向のオーバーレイdx(1720)を算出し,(数3)によりy方向のオーバーレイdy(1721)を算出する。
なお,以上は第qの露光により形成される回路パターンを基準パターンとした場合の計算方法であり,第pの露光により形成される回路パターンを基準パターンとする場合には,(数2)(数3)により算出された値の正負を反転させれば良い。
また,本発明の手法は基準画像に対して相対的なオーバーレイを計測する手法であるため,基準画像のパターンに初めからオーバーレイのオフセットがある場合,そのオフセット分だけ計測値がずれる。その場合は,ユーザ入力やあらかじめ用意されたテキストファイルなどからオフセットの値を読み取り,dx及びdyの値から引くことで正しいオーバーレイを計測することができる。

(数2)
dx=dux−dlx
(数3)
dy=duy−dly

テンプレートマッチング部1705における処理について説明する。本処理では2枚の画像のずれ量を変化させながら,2画像の重複領域における画像濃淡の一致度を評価し,画像の一致度が最大となった時のずれ量を出力する。一致度の評価値としては正規化相互相関値を用いても良いし,差の二乗和などを用いても良い。
パターン中心マッチング部1710における処理について説明する。本処理では,基準画像と被計測画像のパターン寸法変動の中心点及び中心軸を比較し,x及びy方向における回路パターンの形成位置の差異を算出する。ここでは,第pの露光におけるy方向の回路パターンの形成位置の差異(duy)を算出する方法を例にして図19を用いて説明する。
図19は回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を比較しパターン形成位置の差異を算出する手法の説明図である。
2001を基準画像,2002を被計測画像とし,基準画像及び被計測画像のパターン寸法変動の中心点(2004,2008)及び中心軸(2005,2007)が算出済みとする。2003と2006は基準画像及び被計測画像のパターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域とする。基準画像と被計測画像の中心点及び中心軸のy座標を対応するものどうしで比較し,ずれ量を算出する。
図19の例では,中心軸2005のy座標と2007のy座標のずれ量2010及び,中心点2004のy座標と2008のy座標のずれ量2009を算出する。2005と2007の様な中心軸どうしあるいは中心軸と中心点のy座標のずれを算出する場合,局所的なパターン変形によって中心軸のy座標に幅がある場合がある。その場合は,中心軸を算出した領域内の中心軸のy座標の平均を代表的なy座標として用いれば良い。
対応する中心点及び中心軸は,テンプレートマッチング部1705で算出した基準画像と被計測画像の大まかな画像ずれ量1706で補正した座標上で最も近い座標の中心軸及び中心点を対応づければ良い。また,1706で補正した位置で基準画像と被計測画像を重ね合せた際,基準画像及び被計測画像のパターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域から,それぞれが領域内の中心軸及び中心点を対応づけるなどの方法も考えられる。
なお,撮像位置のずれによって対応する中心点及び中心軸が画像外にある場合もあるため,必ずしもすべての中心点及び中心軸を対応付けなければならないわけではない。ただし,対応づけできなかった中心点及び中心軸からはy座標のずれを計算できない。対応付けができた中心軸及び中心点が1セットであるならば,そのy座標のずれをパターンの形成位置の差異(duy)として出力すれば良い。対応付けができた中心軸及び中心点が複数セットあるならばその平均値を形成位置の差異(duy)として出力する方法もあるし,前述の中心点及び中心軸ごとに算出される信頼性から,信頼性の高い中心点及び中心軸のy座標ずれ量に重みをつけて平均化するなどの方法も考えられる。ここではy方向の回路パターンの形成位置の差異(duy)を算出する例を示したが,同様の方法でx方向の回路パターンの形成位置の差異(dux)も算出可能である。
第qの露光における回路パターンの形成位置の差異(dlx,dly)も同様の手法で求めることができる。
なお,図19の例では,第qの露光における回路パターンのx方向の形成位置の差異(dlx)は,第qの回路パターンのx方向エッジが画像内にないため算出できない。この場合は,x方向オーバーレイ(dx)も算出ができなく,この場合は算出ができない情報を出力する。また,第qの露光におけるx方向の形成位置の差異(dlx)が算出できないといったエラー情報を出力しても良いし,各露光,各方向における信頼性を出力しても良い。
また,チップ座標とウェハ座標に対して得られたdxおよびdyをウェハマップとして表示しても良い。dxおよびdyは矢印や数字,色などで表現すれば良い。また,信頼性が低い結果や算出できない方向の結果については周辺のウェハ座標やチップ座標の結果を用いて補間した結果を表示しても良いし,エラーを表示しても良い。
非特許文献1では,パターン寸法がばらつく回路パターンに対してオーバーレイを高精度に計測することが困難であった。以上説明したように,本発明では,基準画像と被計測画像間における回路パターンのオーバーレイを,各露光により形成される回路パターンごとに寸法変動の中心及び中心軸を算出する単位に領域分割し,その領域から中心点及び中心軸を算出してそれらの座標を比較することでパターン寸法がばらついた回路パターンに対しても高精度なオーバーレイ計測が可能となる。
実施例2では,基準画像のパターンを領域毎に中心点及び中心軸を基準として拡大・縮小し,被計測画像のパターンと濃淡画像ベースでマッチングさせることでずれ量を算出することでオーバーレイを計測する手法について述べる。
本実施例に係る装置構成は実施例1で示した図1および図2と同様である。また,計測フローも図14と同様である。また,インターフェースに関しても図13と同様のものを備える。異なるのは,画像差異定量化部209の構成と,画像差異定量化処理のフローである。以降においては実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
前述のように実施例2に係るオーバーレイ計測手法は基準画像と被計測画像の差異を定量化する方法が実施例1と異なる。実施例2に係る画像差異定量化部209の構成を図20に,処理のフローを図21に示す。
図20は実施例2における画像差異定量化部とオーバーレイ算出部の構成を表した図、図21は実施例2における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。
本処理は画像差異定量化部209を用いて行われる。図20の2101は本実施例に係る画像差異定量化部の構成を示したものである。また,図21は画像差異定量化部209を用いた処理のフローである。
本処理では,基準画像を入力2102,被計測画像を入力2103,基準画像における回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域と中心点及び中心軸を入力2111とする。以降,説明のための画像例として図22に示した基準画像2301と被計測画像2302を用い,第pの露光及び第q(q<p)の露光によって形成された回路パターンのオーバーレイ計測を行う例を示す。
図22はオーバーレイ計測対象の画像例、図23は実施例2における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理の途中結果を表した図である。
2303は基準画像における第qの露光の回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域,2304は領域2303における第qの露光における寸法変動の中心点を示している。ここで,qはp未満の任意のインデックスとする。
まず,回路パターン領域認識部2104を用いて,基準画像を対象に各露光により形成される回路パターン領域を認識する(S2201)。
次に,濃淡値抽出部2105を用いて,回路パターン領域の認識結果をもとに,基準画像から第p以降の露光により形成される回路パターン領域の濃淡値を抽出した画像BU(2106)を作成し(S2202),基準画像から第(p−1)以前の露光により形成される回路パターン領域の濃淡値を抽出した画像BL(2107)を作成する(S2203)。画像BUと画像BLの例を図23のそれぞれ画像2401と画像2402に示す。
被計測画像についても同様に回路パターン領域の認識を行い(S2204),被計測画像から第p以降の露光により形成される回路パターン領域の濃淡値を抽出した画像TU(2108)を作成し(S2205),被計測画像から第(p−1)以前の露光により形成される回路パターン領域の濃淡値を抽出した画像TL(2109)を作成する(S2206)。画像TUと画像TLの例をそれぞれ図23の画像2403と画像2404に示す。
次に,拡大・縮小テンプレートマッチング部2110を用いて,画像TU(2108)に含まれるパターンの画像BU(2106)寸法変動率を推定する(S2207)。寸法変動率の推定には,基準画像のパターン変動の中心点2405を基準として,BUの領域2406内を拡大・縮小処理を行い,拡大・縮小した画像をテンプレートとして,TUと正規化相関などでマッチングさせ,高い相関値となったテンプレートの拡大・縮小率を寸法変動率とすれば良い。拡大・縮小処理はバイリニア補間やバイキュービック補間などの手法で行えば良い。また,ここでいう拡大・縮小処理とは,単に回路パターンの画像を画像処理で拡大・縮小する方法だけに限定せず,パターンエッジをエッジ法線方向の外側あるいは内側にシフトさせてパターンを変形させる方法なども含む。
なお,BUの領域2406を拡大・縮小した画像とTUのマッチング位置と領域2406における中心点の座標から,TUのパターンの寸法変動の中心を求めることが可能である。また,パターン寸法変動の中心点の位置関係は寸法変動により変化しないことと,近傍の寸法変動率は同じと仮定すると,領域2406が複数ある場合は,各領域の中心点を基準に拡大縮小を行い,パターンの寸法変動の中心点の相対関係を維持して拡大・縮小した画像を生成し,マッチングを行えば良い。
得られた寸法変動率を用いて画像BU内の領域2406内を寸法変動の中心点2405を中心として拡大・縮小処理を行い,画像BUEを生成する(S2207)。なお,領域2406が複数ある場合は,各領域の中心点を基準に拡大縮小を行い,パターンの寸法変動の中心点の相対関係を維持して拡大・縮小した画像をBUEとすれば良い。
また,x,yや後述する寸法変動の軸方向などの方向によって異なる寸法変動率で拡大・縮小処理を行っても良い。画像BU及び画像BLのパターンの拡大・縮小の際に方向によって寸法変動率を変更する方法では,回路パターンの長手方向を第1軸その垂直方向を第2軸として,それぞれの軸に対して寸法変動率をそれぞれ設定すればよい。軸の設定方法については,図24を用いて説明する。図24は,回路パターンの寸法変動率を設定する軸を算出するGUIの一部を示した図である。第1軸及び第2軸を表示するGUIの一部が示されている。画像2501は第qの露光によって形成された回路パターンの上に第pの露光によって形成された回路パターンが積層している場所を撮像した基準画像である。領域2503は基準画像における第qの露光によって形成されたパターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域である。図12で説明したような手法で2つの中心軸を算出すれば,回路パターンの長手方向(第1軸)やその垂直方向(第2軸)が算出できる。算出された軸は2502で示す様に,画像2501上に矢印2504及び2505を描画するなどして表示すれば良い。なお,ここでは第1軸及び第2軸を算出し,表示する方法について述べたが軸の数は3以上であっても良い。
画像BUEと画像TU(2108)の位置合わせを行い,x方向の回路パターンの形成位置の差異dux(1714)と,y方向の形成位置の差異duy(1715)を出力する(S2208)。x,y方向及び寸法変動率の3次元のマッチングにより,x,y方向の形成位置の差異の算出と寸法変動率の推定を一緒に行っても良い。
なお,基準画像の領域2406が複数存在する場合,画BUEと画像TUの位置合せを,領域ごとに行っても良い。パターン形成位置の差異は,それら領域の単純平均や,前述の信頼性による重み付き平均などによって代表値を出力すれば良い。同様に,画像TL(2109)の画像BL(2107)に対する寸法変動率を推定し,画像BL(2107)のパターンを得られた寸法変動率で拡大・縮小した画像BLEを生成する(S2209)。
画像BLEと画像TLを位置合せすることでx方向の回路パターンの形成位置の差異dlx(1716)とy方向の形成位置の差異dly(1717)を出力する(S2210)。
また,回路パターンが上層であるほど,領域内の濃淡値が高くなるため,回路パターン領域の認識が容易である。そのため,上層の回路パターンを形成する露光(第pの露光)の場合は,実施例1の手法を用いてパターン形成位置の差異dux(1714),duy(1715)を算出しても良い。
なお,メモリセル部のように同じ形状の回路パターンが繰り返し形成されている場合においては,マッチングする箇所が複数存在する。そのため,画像BUEと画像TUのテンプレートマッチングと,画像BLEと画像TLのテンプレートマッチングを独立に行うと不整合が発生する場合がある。この問題を解決するためには,テンプレートマッチング部2119を用いて基準画像と被計測画像を大まかに位置合わせしておき,そのマッチング位置2120の周辺のみをテンプレートマッチングをすることで高精度なマッチングが可能となる。
以上では,pを基準に回路パターン領域を2グループに分割する方法を示したが,第1〜mの露光パターンについて独立に基準画像と被計測画像間での位置ずれ量を算出しても良い。
以上説明した方法および装置構成によれば,パターン寸法がばらついた回路パターンでかつ第qの露光により形成された回路パターンの領域認識が難しい場合でも,第qの露光による回路パターンのパターン形成位置の差異を高精度に求めることが可能となる。
(上層,下層パターンの中心位置を計測)
実施例3では,基準画像及び被計測画像のそれぞれで対象とする露光によって形成された回路パターンの寸法変動の中心位置の距離を算出し,基準画像及び被計測画像で算出した距離の差分をとることでオーバーレイを計測する手法について述べる。
本実施例に係る装置構成は実施例1で示した図1および図2と同様である。また,計測フローも図14と同様である。また,インターフェースに関しても図13と同様のものを備える。異なるのは,画像差異定量化部209の構成と,画像差異定量化処理のフローである。以降においては実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
前述のように実施例3に係るオーバーレイ計測手法は基準画像と被計測画像の差異を定量化する方法が実施例1と異なる。実施例3に係る画像差異定量化部209の構成を図25に,処理のフローを図26に示す。
図25は実施例3における画像差異定量化部とオーバーレイ算出部の構成を表した図、図26は実施例3における基準画像と被計測画像の差異を定量化する処理フローである。
実施例1と同じ構成およびフローについては同じ番号が振ってあり,ここでは詳しく説明しない。
図25の例では第pの露光と第q(q<p)の露光によって形成されたオーバーレイを計測する例を示す。p,qは任意の数値であり,ユーザ入力あるいはあらかじめ定義されたファイルを読み込むことで入力されれば良い。本処理では基準画像と,S1403で得られた基準画像の回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域及び中心点あるいは中心軸を入力1702,被計測画像を入力1703とする。
まず,テンプレートマッチング部1705に基準画像1705および被計測画像1703を入力し,テンプレートマッチングによって大まかな位置合せを行い,被計測画像と基準画像のパターン撮像位置のずれを計測する(S1801)。
次にテンプレートマッチング部1705で計測した被計測画像と基準画像のずれ量1706と,被計測画像1703をパターン中心算出部1707に入力し,被計測画像における各露光のパターン寸法変動の中心あるいは中心軸を算出する。1707ではまず,基準画像と被計測画像の大まかなずれから,被計測画像を回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位領域に分割する(S1802)。S1802の処理はオーバーレイ計測の対象である第pの露光及び第qの露光に対してそれぞれ行う。
次に,第p及び第qの露光における基準画像の回路パターン寸法変動の中心点及び中心軸とその分割領域2602と,被計測画像と基準画像のずれ量1706をパターン中心間距離算出部2604に入力し,基準画像について異なる露光(たとえば第p及び第qの露光)で形成したパターンの寸法変動中心点あるいは中心軸をペアして対応付け,対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離bx(2606),by(2607)を算出する(S2701)。なお,対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離bx(2606),by(2607)はそれぞれ対応付けしたペアの数だけ存在する。ペアは最も近い距離のパターン変動中心点あるいは中心軸としても良いし,全ての組み合わせについて対応付けしても良い。
図27を用いてS2701の処理について説明する。
図27は異なる露光により形成された回路パターンの中心点あるいは中心軸の距離を算出する手法の説明図である。2801は基準画像あるいは被計測画像であり,第qの露光で形成された回路パターン2802及び2803の上に露光pによって形成された回路パターン2804が積層している図である。なお,各露光で形成されたパターンに対してパターン寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位の領域を2805〜2807,対応する中心点を2808〜2810とする。図27の例にて,異なる露光における一番近い寸法変動の中心点は2809(第qの露光)と2810(第pの露光)である。この二つの中心点をペアとして対応づけた場合,対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離bx(2606),by(2607)は図示された距離となる。また,異なる露光における寸法変動の中心点の全組み合わせをペアとする場合,2809(第qの露光)と2810(第pの露光)ペアの他に2808(第qの露光)2810(第pの露光)の2つのペアができる。
続いて,同様に第p及び第qの露光における被計測画像の回路パターン寸法変動の中心点及び中心軸とその分割領域2603と,被計測画像と基準画像のずれ量1706をパターン中心間距離算出部2604に入力し,被計測画像について異なる露光(たとえば第p及び第qの露光)で形成したパターンの寸法変動中心点あるいは中心軸をペアして対応付け,対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離tx(2608),ty(2609)を算出する(S2702)。なお,以上ではbx,by,tx,tyを座標間の距離としたが,中心点あるいは中心軸間の座標の差分としても良く,その場合は負の値もとり得る。
また,bx,byおよびtx,tyの情報をペアごとにそれぞれ出力し表示しても良いし,bx,byおよびtx,tyの平均値を出力して表示しても良い。
次に,オーバーレイ算出処理(S1409)について説明する。本実施例では入力される情報が異なることから,実施例1と処理の内容が異なる。本処理はオーバーレイ算出部210を用いて行われる。図25の2607は本実施例に係るオーバーレイ算出部の構成を示したものである。本処理の入力は画像差異定量化部の出力である,基準画像において対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離bx(2606),by(2607)及び対応点の座標と,被計測画像において対応付けしたパターン中心点及び中心軸のx,y方向の距離tx(2608),ty(2609)である。本処理では減算部2610を用いて(数4)によりx方向のオーバーレイdx(1720)を算出し,(数5)によりy方向のオーバーレイdy(1721)を算出する。対応付けしたパターン中心点及び中心軸が複数ペア存在する場合は,ペアの座標情報から最も近いものについてdx,dyを算出し,それらを平均化して代表値とすれば良い。

(数4)
dx=tx−bx
(数5)
dy=ty−by

なお,以上実施例3では実施例1をベースに説明したが,基準画像及び被計測画像の各露光で形成されたパターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸が求まっていれば,実施例2にも適用可能である。
以上説明した方法および装置構成によれば,実施例1及び2と同様,パターン寸法がばらついた回路パターンを対象として高精度にオーバーレイ計測を行うことが可能となる。
1401・・・被計測画像を取得するステップ,1402・・・対象位置IDを持つ画像を抽出するステップ,1403・・・基準画像を選択するステップ,1404・・・基準画像を回路パターンの寸法変動の中心点あるいは中心軸を算出する単位に領域分割するステップ,1405・・・寸法変動の中心点及び中心軸を算出するステップ,1406・・・オーバーレイ計測の対象とする露光ごとのくり返し,1407・・・被計測画像と基準画像の差異を定量化するステップ,1408・・・オーバーレイを算出するステップ,1409・・・抽出画像について処理が完了したかを判定するステップ,1410・・対象位置IDについて処理が完了したかを判定するステップ

Claims (13)

  1. 半導体デバイスの異なる露光により形成された回路パターンの一以上の座標について被計測画像を撮像する第一の画像撮像ステップと、
    前記第一の画像撮像ステップにて撮像された該被計測画像から基準画像を選択する第一の選択ステップと、
    前記第一の選択ステップにて選択された該基準画像をパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する単位に領域分割する第一の領域分割ステップと、
    前記第一の領域分割ステップにより領域分割された領域ごとにパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する第一の中心算出ステップと、
    前記第一の中心算出ステップにて算出した該基準画像の中心点または中心軸の情報を用いて、前記第一の選択ステップにて選択された該基準画像と前記第一の画像撮像ステップにて撮像された該被計測画像との差異を定量化する差異定量化ステップと、
    前記差異定量化ステップにて定量化した差異をもとに該被計測画像と該基準画像との位置ずれ量を算出する位置ずれ算出ステップと、を有する計測方法。
  2. 前記第一の中心算出ステップにより算出された中心点または中心軸を表示する第一の表示ステップと、を有することを特徴とする請求項1記載の計測方法。
  3. 前記第一の領域分割ステップでは、一の回路パターンよりも該半導体デバイスの表面に近い側に設けられた回路パターンである上層の回路パターンによって見かけ上断片化した複数の回路パターン一の単位として領域分割することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の計測方法。
  4. 前記第一の領域分割ステップでは、指定された範囲またはパターン中心付近の座標のユーザによる入力により分割領域を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の計測方法。
  5. 前記第一の領域分割ステップは、濃淡値または特徴量に基づき複数の分割領域に分割する複数領域分割ステップと、前記複数領域分割ステップにより分割された複数分割領域をグルーピングするグルーピングステップと、を含み、
    前記算出ステップは、前記グルーピングステップによりグルーピングされた該複数の分割領域ごとに中心点あるいは中心軸を算出することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の計測方法。
  6. 前記差異定量化ステップは、前記第一の画像撮像ステップにて撮像された該被計測画像をパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する単位に領域分割する第二の領域分割ステップと、前記第二の領域分割ステップにより領域分割された領域ごとに該被計測画像のパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する第二の中心算出ステップと、前記第一の中心算出ステップにて算出した該基準画像の中心点または中心軸と前記第二の中心算出ステップにて算出した該被計測画像の中心点または中心軸との差異を算出する差異算出ステップと、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測方法。
  7. 前記差異定量化ステップは、該基準画像の回路パターンに対する該被計測画像の回路パターンの寸法変動率を推定する寸法変動率推定ステップと、前記寸法変動率推定ステップにより推定された寸法変動率によって、前記第一の中心算出ステップにて算出した該基準画像の中心点または中心軸を基準として該基準画像に対応するパターンを拡大または縮小し、該被計測画像のパターンと位置合わせすることで差異を算出する差異算出ステップと、を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測方法。
  8. 前記差異定量化ステップは、該基準画像に対して異なる露光により形成された2つの回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸間の距離を算出する第一の2回路中心算出ステップと、該被計測画像に対して異なる露光によって形成された2つの回路パターン寸法変動の中心点あるいは中心軸間の距離を算出する第二の2回路中心算出ステップと、を有することを特徴する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測方法。
  9. 前記差異算出ステップは、前記第一の領域分割ステップにより領域分割された単位の領域ごとに実行されることを特徴とする請求項7記載の計測方法。
  10. 前記第一の中心算出ステップは、前記第一の領域分割ステップにより領域分割された単位の領域に含まれる回路パターンの対になるエッジの有無から計測の信頼性を分割された領域ごとに算出する信頼性算出ステップを含むことを特徴とした請求項1乃至5のいずれか1項に記載の計測方法。
  11. さらに、前記位置ずれ算出ステップにて算出された位置ずれ量を表示する第二の表示ステップを有し、
    前記第二の表示ステップでは,前記信頼性算出ステップにて算出した信頼性が所定の値よりも低い、または、前記位置ずれ算出ステップにより位置ずれ量を算出できない計測点については、該計測点の周辺の計測点の位置ずれ量に基づき算出した値を表示することを特徴とする請求項10記載の計測方法。
  12. 前記第一の領域分割ステップは、該ユーザにより入力された範囲またはパターン中心付近の座標周辺領域をテンプレートとして該基準画像をマッチングし、類似した範囲を分割領域として分割することを特徴とする請求項4記載の計測方法。
  13. 半導体デバイスの異なる露光により形成された回路パターンの一以上の座標について被計測画像を撮像する第一の画像撮像部と、
    前記第一の画像撮像部にて撮像された該被計測画像から基準画像を選択する第一の選択部と、
    前記第一の選択部にて選択された該基準画像をパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する単位に領域分割する第一の領域分割部と、
    前記第一の領域分割部により領域分割された領域ごとにパターン寸法変動の中心点または中心軸を算出する第一のパターン中心算出部と、
    前記第一の中心算出部にて算出した該基準画像の中心点または中心軸の情報を用いて、前記第一の選択部にて選択された該基準画像と前記第一の画像撮像部にて撮像された該被計測画像との差異を定量化する差異定量化部と、
    前記差異定量化部にて定量化した差異をもとに該被計測画像と該基準画像との位置ずれ量を算出する位置ずれ算出部と、を有する計測装置。
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