JP5993016B2 - 歩行修正または歩行保存のための靴底 - Google Patents

歩行修正または歩行保存のための靴底 Download PDF

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Description

本発明は、靴製品に適した靴底に関する。
典型的には、このような靴底は、後ろから前へ順に、靴底に沿って踵部、中足部、母子球部および前足部を含む。踵部、中足部および母子球部はそれぞれ、この靴底を装着している足のアーチの下のアーチ領域に隣接して設けられる。
このような靴底の使用により、主にランニングまたは歩行時における地面からの衝撃を減衰させるために足用クッション要素を靴底の踵部、中足部、母子球部および前足部の一部または全体に設けることおよび/または(主に足を安定化させることおよびランニング方向または歩行方向(長さ方向)を横断する方向における足の傾きを抑止または少なくとも最小化するために)支持要素を靴底の下面全体に分散させることにより、使用者の快適性が向上する。
このような靴底を備えた靴を長時間装着した場合、これらの靴の装着者は、積極的に正しい歩き方をしなくなる。最終的には、このような装着者の多くは、自然な、すなわち「正しい」歩き方を忘れてしまう。不自然な、すなわち「不正確な」歩行を長期間続けた場合、全身への悪影響(例えば、膝、臀部および背中の問題)が発生し得ることが分かっている。一方、自然な歩き方を「再発見」することができれば、装着者の身体における多数の問題を軽減し、さらには取り除くことができることがわかっている。
(短距離走の場合を除き)全ての人にとって実際に自然な、すなわち「正しい」歩き方は以下の順に行われることが判明している。
−先ず、第1の足が踵で地面と接触し、あるいは踵と中足部で同時に地面と接触する。 −次に、第1の足は、若干の足変形を伴って(理想的には滑り無しに)地面をロールし始め、第1の足の靴底が、踵部または中足部、母子球部および前足部の順序で地面と接触する。
−この第1の足のロール動作の最後に、第1の足が地面から浮き上がるのと同時に、第2足が先ず踵で地面と接触し、あるいは踵と中足部で同時に地面と接触する。
−次に、第2の足は、若干の足変形を伴って(理想的には滑り無しに)地面をロールし始め、第2の足の靴底が、踵部または中足部、母子球部および前足部の順序で地面と接触する。
−第2の足のロール動作の最後に、第2の足が地面から浮き上がるのと同時に、第1の足が再度先ず踵で地面と接触し、あるいは踵と中足部で同時に地面と接触し、この順序が継続する。
上記のように足が地面と交互に接触する中で、狭いにしろ広いにしろ不鮮明な地面接触線が各足の靴底上に描かれる。健康な骨、腱、筋肉および神経を有し、自然な歩行を行う人の場合、この最適な地面接触線は典型的には、各足の靴底においてほぼS字形状の線であり、踵部から開始し、中足部および母子球部を経て、(典型的には第1中足骨および第2中足骨ならびに第1つま先および第2つま先の領域中の前足部の内側において)前足部まで伸びている。
本発明の目的は、歩行時およびランニング時に、この最適な地面接触線を描くことを支援することにある。
本発明により提供される靴底は、靴製品に適している。靴底は、地面接触面において後ろから前へ順に靴底に沿って、踵部、中足部、母子球部および前足部を含み、踵部、中足部および母子球部はそれぞれ、靴底の装着時に足のアーチの下側のアーチ領域に隣接し、靴底は、歩行またはランニング時に最適な地面接触の略S字状の線に沿って延びる第1靴底部分を含み、線は踵部から開始し、中足部および母子球部に沿って延び、前足部で終端する。靴底は、略S字状の線の両側に沿って延びる第2靴底部を含む。第1靴底部分の局所的厚さおよび/または局所的硬度は、第1靴底部分に隣接する第2靴底部の局所的厚さおよび/または局所的硬度よりも大きい。本発明によれば、靴底は、インソールを含む。インソールは、足接触面に固定されるか、または、靴底の足接触面の直下に埋設される。インソールは、靴底よりも狭い幅延長部を有し、略S字状の線に沿って延びる。
インソールは、靴底の足接触面またはその近隣に設けられているため、本発明による靴底を備えた靴を装着している歩行者またはランナーにおいて、インソールと自身の足の下面との間の圧力が増加または集中する。その結果、歩行者またはランナーは、略S字状の線を自身の足の下面における圧力線として感じる。
最適な地面接触の略S字状の線に沿った局所的長さ方向または接線方向を横断する断面方向における靴底のこの厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルに起因して、各足において良好に固定された本発明の靴底を装着した人は、この線の外部に配置された点以外のこの線(第1靴底部分)上に配置された点(すなわち、この線から外れた点(第2靴底部)からより多くの「圧力」または「支持」を感じるため、歩行またはランニング時に、最適な地面接触線から逸脱した場合、必ず「瞬時のフィードバック」および「感触」を経験する。
「圧力」または「支持」または「圧力」または「支持力」という表現は、本文中において類義語として用いられ、全て、単位面積あたりの平均的な測定力として定義される。この力は、画定された領域を有する水平方向の平面力受容表面を有する垂直方向に感知する力計測器を用いて測定される。「圧力」または「支持」または「圧力」または「支持力」の値は、「力受容面上に作用する測定垂直力を力受容面の面積で除算した値」として計算される。典型的な支持力値は、起立時に測定される静的支持力または歩行時に測定される瞬時の動的支持力(より詳細には、地面上における足のロール動作時における靴底の地面接触領域内における局所的に作用する反作用力(地面力))に関連し得る。 最適な地面接触線を通過する各足ロール動作の時の静的重量および動的力に起因する動的力ベクトルの方向にある限り、足を横方向に(外方向に)傾けさせるかまたは中間方向に(内方向に)(すなわち、脛骨に対する歩行方向またはランニング方向を横断する方向に)傾けさせる傾き動作はゼロであるかまたは少なくともほとんど発生しない。
しかし、各足のロール動作時における静的重量および動的力に起因する動的力ベクトルの方向が最適な地面接触線を通過しない場合、一定の傾き動作が足に発生して、足を横方向に(すなわち、脛骨に対して歩行方向またはランニング方向を横断する方向に)傾けさせる。このような脛骨に対する足の横方向または中間方向の傾きは、容易に人に検出/知覚/感知されるため、本発明の靴底を装着している歩行者またはランナーへ上記したフィードバックが提供される。
その結果、良好に固定された本発明の靴底を各足に装着している人は、最適な地面接触線から逸脱する度に、自身の全身を若干再配置することができる(姿勢の変更およびよって歩行の変更=歩行修正)。その結果、当該人物は、ロール動作時に、靴底硬度および/または靴底厚さによって画定された対応する最適な地面接触線上の各足により、意識的に積極的なかつ動的な「バランスをとる行動」をより多くまたは少なくとることができる。このような各足の動的なバランスをとるまたはフィードバック制御されるロール動作において、身体の多数の部分(すなわち、足関節、膝関節、臀部関節、脊柱ならびに関連付けられた腱、筋肉、神経)が用いられ、全身上に有利な影響が得られる。
略S字状の線に沿って延び足に接触するインソールにより、歩行者またはランナーに対する上記したフィードバックが得られる。よって、歩行者またはランナーは、歩行またはランニング時に自身の足または他方の上記した身体部分がその理想的位置および動きから逸脱するのを検出することができる。(固有受容)。好適には、インソールは、インソールの周囲の靴底材料の硬度よりも高い硬度の材料から構成される。
このようなより高硬度のインソールを用いることにより、歩行者のまたはランナーの固有受容がさらに向上する。加えて、靴底の構造的安定性(形状安定性)も向上するため、靴底の摩耗または全体的剛性の早期損失が防止される。
上記した第1インソールに加えて、第2インソールを好適には他方に設け、靴底の厚さ方向に沿って間隔を空けて配置するとよい。硬度が類似するかまたは異なる2つのインソールを用いることにより、靴底の構造的安定性の調節が可能になる。1つまたは2つのインソールに代えて、あるいはこれに加えて、ダンピングインソール(インサート)が靴底内に埋設され得る。このようなダンピングインソールは、発泡材料から構成され得、ダンピング流体を含み得る。
本発明による靴底の第1実施形態において、第1靴底部分(すなわち、最適な地面接触の略S字状の線上に配置された部分または「線上の」部分)の局所的厚さは、第1靴底部分に隣接する第2靴底部(すなわち、最適な地面接触の略S字状の線に隣接する部分または「線から外れた」部分)の局所的厚さよりも大きく、第1靴底部分および第2靴底部は、同じ硬度を有してもよい。その結果、第1靴底部分および第2靴底部を1種類の材料によって(例えば、1種類の材料を1つの型で射出成形することにより)構成することが可能になる。もちろん、第1(線上の)部分および1つまたは2つの第2(線から外れた)部分(典型的には略S字状の線の各側にあるもの)からなる各横断「組」について、特定の硬度を有する特定の材料を用いることが可能である。このようにして、略S字状の線に沿って縦様態で位置合わせされた全ての横断組により、異なる硬度値を有する硬度プロファイルを略S字状の線に沿って画定することができる(すなわち、「線に沿った」硬度プロファイル)。よって、異なる材料による組を用いることによって構成され、異なる形状を有し、「線に沿って」整列された個別化された靴底得ることができる。整列された後、これらの個々の組を相互に取り付けることにより永久接合し、かつ/または、共通靴底部分(例えば、中間靴底)へ接着または溶接によって永久接合することができる。この第1実施形態において、靴底全体が、1つの硬度値を有する1種類の材料から形成されてもよい。その結果、靴底全体(すなわち、全ての組)は、1つの成形プロセス(例えば、射出成形)のみを用いて構成されるように、線に沿って位置合わせされ、間隔を空けて配置される。
好適には、この第1実施形態において、靴底は、隆起部を含む。この隆起部は、地面に対向する下面から突出し、少なくとも略S字状の線の部分に沿って延びる。その結果、各足にこの靴底を着用している人は、突出線(第2靴底部)から離れた点よりもこの突出線(第1靴底部分)上に配置された点において、より大きな圧力/支持を感じる。人が各足のロール動作時における静的重量および動的力に起因する自身の動的力ベクトルを移動させることでこの動的ベクトルがこの突出線を通過しなくなると、当該人物は、この最適な地面接触の突出線から逸脱する度に、歩行またはランニング時に上記した「瞬時のフィードバック」を経験および「感じる」。
この隆起部は、異なる断面形状(すなわち、異なる厚さプロファイル)を有してもよい。このような異なる断面形状により、歩行またはランニング時にこの線上において動的にバランスをとるために、異なるレベルの技術が必要とされてもよい。
第1実施形態の第1変形例において、隆起部は、略S字状の線に直交する面において台形断面(台形厚さプロファイル)を有してもよい。第1台形基線により、靴底表面の台地状(plateau-like)領域が画定され、第2台形基線により、台形隆起部と靴底のバルク(残り)との間において傾き付き遷移領域が画定され、第2台形基線は、第1台形基線よりも長い。動的力ベクトルが台地状領域(より厚い領域)を通過する限り、当該人物は、靴底からの強い支持を感じる。動的力ベクトルが傾き付き遷移領域(厚さ低減領域)の1つを通過すると、台地状領域上のいずれかの側の支持が弱くなり、当該人物は、若干の支持低下を足関節の若干の傾きと共に感じる。 第1実施形態の第2変形例において、隆起部は、略S字状の線に直交する面において矩形断面(矩形厚さプロファイル)有してもよく、第1矩形基線により、靴底表面の台地状領域が画定され、第2矩形基線により、急速遷移領域(すなわち、極めてきつい傾き)が矩形隆起部と靴底のバルク(残り)との間に画定され、第2矩形基線は、第1矩形基線と同じ長さを有する。この場合も、動的力ベクトルが台地状領域(より厚い領域)を通過する限り、当該人物は、靴底から強い支持を感じる。動的力ベクトルが台地状領域のいずれかの側部のより弱い支持と共に急速遷移領域のうちの1つを通過するかまたはこれらの領域を超えた直後、当該人物は、足関節のおそらくはより強い傾き(台形断面の場合よりもより強い傾き)と共により強い支持低下を感じる。
台形厚さプロファイルを用いた第1変形例および矩形厚さプロファイルを用いた第2変形例により、靴底表面の台地状領域が画定される。この台地状領域の表面は好適には平面であり、足が載置されている靴底の実質的に平面の上面に対して略平行であり得る。
しかし、第1変形例および第2変形例の双方において、好適にはこの台地状領域の平面表面は、足が載置されている靴底の実質的な平面上面に対して傾き得る。換言すれば、その後、隆起部は、上記の台形または矩形プロファイルのうちの1つではなく非台形または非矩形厚さプロファイルを有する。台地状領域の表面と上面との間の角度は、靴底の厚さが外側(「足の外側」)から内側(「足の内側」)へと低減する(またはその逆が成立する)ような角度である。その結果、歩行またはランニング時にこのような靴底を装着している場合、歩行またはランニング時における当該人物の動的バランスをとる行動に起因して、足の靴底が地面上に載置された状態または靴底が地面上に載置された状態の足の各ロール動作時に、足および脛骨の内傾または足および脛骨の外傾が発生する。外側に傾いた(外側により肉薄の)台地状領域を備えた靴底は、O脚の人の歩行修正に用いることができ、内側に傾いた(内側により肉薄の)台地状領域を備えた靴底は、X脚の人の歩行修正に用いることができる。
好適には、靴底の実質的に平面の上面に対して傾いたこれらの台地状地面接触領域は、少なくとも中足部において設けられるが、好適には、靴底の中足部、母子球部および前足部内のみに設けられる。
また、台地状領域は、少なくとも底部靴底表面の縦部分において(好適には中足部において)、靴底の外側境界線までずっと延び得る。加えて、踵部の部分内および/または母子球部の部分内において、台地状領域は、靴底の外側境界線までずっと延び得る。
第1実施形態の第3変形例において、隆起部は、略S字状の線に直交する面において曲凸状断面(曲凸状の厚さプロファイル)を有してもよく、曲線状の線により、靴底表面のビーズ状またはレンズ状の領域が画定され、基線により、曲凸状の隆起部と、靴底のバルク(残り)との間の遷移領域が画定される。この曲凸状断面厚さプロファイルにより、矩形厚さプロファイルの場合よりも、強い支持線上において動的にバランスをとることがより困難になる。この理由は、この隆起部に作用する動的力ベクトル(人の「静的+動的重量」)に起因する曲凸状のプロファイル隆起部の変形(局所的圧縮)に起因して、台形または矩形断面厚さプロファイルの場合のような前の台地状領域が存在せず、狭い後の台地状領域しか存在しないからである。動的力ベクトルの方向が狭い後の台地状領域を通過するこの「支持方向」からごくわずかに逸脱した場合であっても、おそらくは足関節における(矩形断面の場合よりも強い)ずっと強い傾きにより、当該人物は、支持の大幅な低下を感じる。材料の硬度を増加させることにより、この動的バランスをとる行動がより困難であり、挑戦的なものとなる。これは、張り渡されたロープの場合に歩行者が1本の張り渡されたロープ上を歩く場合と同様であると考えることができる。
第1実施形態の第4変形例において、隆起部は、略S字状の線に直交する面において、曲線状の凹部分を凸断面内(局所的に曲線状の凹厚さプロファイル部分を備えた大域的な凸厚さプロファイル)に有してもよい。この種の厚さプロファイルは、「カンチレバープロファイル」または「ブリッジプロファイル」と呼ばれることが多い。このプロファイルは、靴底表面の隆起部内においてトラフ状または溝状領域を画定する(すなわち、トラフ状または溝状領域が、厚さプロファイルの1つの側部(内側)の第1隆起リッジ状領域および厚さプロファイルの他方の側部(外側)の第2隆起リッジ状領域によって包囲される)。加えて、隆起部は、一方側のリッジ状領域のうちの少なくとも1つと、他方側の靴底のバルク(残り)との間において厚さが低減する遷移領域を有してもよい。この「カンチレバー」または「ブリッジ」厚さプロファイルにより、対応する曲凸状の厚さプロファイルまたは矩形厚さプロファイルまたはさらには台形厚さプロファイルの場合よりも、強い支持線上において動的にバランスをとることがより容易になり、よってより困難でなくなる。この場合も、台形または矩形断面厚さプロファイルの場合と同様に、前の台地状領域は存在しないが、隆起部のトラフ状または溝状部分の両側の隆起部の隆起リッジ状部分それぞれの相対的に強い局所的圧縮と、隆起部の凹トラフ状または溝状部分全てにおける相対的に弱い局所的圧縮または無圧縮とに起因して、広い後の台地状領域が形成される。上記した簡単な曲凸状断面厚さプロファイルの場合と対照的に、矩形厚さプロファイルまたはさらには台形厚さプロファイルの場合、より集中的に圧縮されたリッジ状部分により、より分散してまたは無圧縮のトラフ状または溝状部分の場合よりも、より強い支持が得られる。よって、この隆起部に作用する動的力ベクトル(人の「静的+動的重量」)がより分散してまたは無圧縮の隆起部領域を通過する「支持方向」からより集中的に圧縮されたリッジ状部分のうちの1つへ向かって逸脱すると、当該人物は、支持の大幅な増加を感じ、動的力ベクトルをリッジ状部分間において保持することが容易になり、その結果、カンチレバーまたはブリッジ厚さプロファイルを用いたこの変形可能な隆起部における歩行保持がずっと容易になる(すなわち、動的バランスをとる行動がより容易になる)。
リッジ状領域間の厚さと靴底のバルク(残り)の厚さとが同じである特殊な場合に、このカンチレバーまたはブリッジ厚さプロファイルを、隣接する2つの曲凸状断面厚さプロファイルとみなすことができる(すなわち、略S字状の線に沿ってそれぞれ配置されているため、相互に平行である2つのビーズ状またはリッジ状隆起部)。この場合も、このように動的バランスをとる行動がより容易になることは、張り渡されたロープにおいて歩行者が2本の狭い間隔を空けて配置された平行に張り渡されたロープ上を歩行している場合と同様の効果を与えるものとみなすことができる。
断面形状(すなわち、略S字状の線に対する異なる横断厚さプロファイル)と無関係に、隆起部は、略S字状の線に沿った一部に沿って測定された、不均一な縦厚さプロファイルを有してもよい。
好適には、隆起部の踵部は、隆起部の中足部よりも厚さが薄くても、あるいはその逆でもよい。
好適には、隆起部の踵部の厚さは、中足部および隆起部の母子球部よりも薄くても、あるいはその逆でもよい。
異なる断面形状(すなわち、異なる横断厚さプロファイル)と組み合わせることにより、隆起部の不均一な縦厚さプロファイルを用いて、歩行またはランニング時にこの画定された厚さ線上において動的にバランスをとるために、異なるレベルのスキルを微調整することができる。
本発明に係る靴底の第2実施形態において、第1靴底部の局所的硬度は、第1靴底部に隣接する第2靴底部の局所的硬度よりも高い。第1靴底部および第2靴底部は、同じ厚さである。この場合、各「組」の第1靴底部および第2靴底部は、異なる材料から構成される。これらの横断「組」はそれぞれ、第1(線上の)部分と、その1つまたは2つの第2(線から外れた)部分(典型的には、略S字状の線の両側に1つずつ設けられた部分)を有し、より高硬度の材料は、線上の部分に用いられる第1硬度を有し、第1硬度よりも低い第2硬度を有するより軟質の材料が、線から外れた部分それぞれに用いられる。この場合も、第1実施形態と同様に、これらの横断組は全て、略S字状の線に沿って長さ方向に位置合わせされ、異なる硬度値を用いた硬度プロファイルを略S字状の線に沿って画定し得る(すなわち、「線に沿った」硬度プロファイル)。よって、異なる材料から構成され、異なる形状を有し、「線に沿って」整列された組を用いて、個別化された靴底を構成することができる。この場合も、整列後、これらの個々の組を相互に取り付け、および/または共通靴底部分(例えば、中間靴底)へ接着または溶接によって取り付けることにより、これらの個々の組を永久接合することができる。
この第2実施形態において、靴底全体は、「通常の」靴と実質的に同じ厚さを有し、「通常の」靴と同様の靴底を有してもよい。
好適には、この第2実施形態において、靴底は、硬質領域を含む。この硬質領域は、靴底の周囲の軟質領域よりも高い硬度を有し、少なくとも略S字状の線の部分に沿って延びる。その結果、この靴底を各足に装着している人は、より多くの圧力/支持を、(より高硬度の材料線(第2靴底部)から離れた点からよりも)このより高硬度材料線(第1靴底部分)上に配置された点から感じる。当該人物が(静的重量および各足のロール動作時における動的力に起因して)自身の動的力ベクトルを移動させるたびに、この動的ベクトルは、このより高硬度の材料線を通過しなくなり、当該人物は、歩行またはランニング時に最適な地面接触のこのより高硬度の材料線から逸脱するたびに、上記した「瞬時のフィードバック」を再度経験し、「感じる」。
このより高硬度の材料線は、異なる断面硬度プロファイルを有してもよいため、歩行またはランニング時にこの線上において動的にバランスをとるために、異なるレベルのスキルが必要とされてもよい。
第2実施形態の第1変形例において、硬質領域は、略S字状の線に直交する面において台形硬度プロファイルを有する。この台形硬度プロファイルは、最大硬度コア領域と、コア領域の両側の硬度低下遷移領域とを画定する。硬度は、最大硬度からより低硬度の軟質領域に向かって低下する。動的力ベクトルが最大硬度コア領域(より高硬度の領域)を通過する限り、当該人物は、強い支持を靴底から感じる。最大硬度コア領域のいずれかの側のより弱い支持を有する硬度低下遷移領域のうちの1つを動的力ベクトルが通過した直後、当該人物は、おそらくは足関節の若干の傾きにより、若干の支持低下をこの場合も感じる。
第2実施形態の第2変形例において、硬質領域は、略S字状の線に直交する面において矩形硬度プロファイルを有する。この矩形硬度プロファイルは、最大硬度コア領域を画定し、より低硬度の軟質領域を有する領域をコア領域の両側に画定する。この場合も、動的力ベクトルが最大硬度コア領域(より高硬度の領域)を通過する限り、当該人物は、強い支持を靴底から感じる。動的力ベクトルが急速遷移領域の1つを通過するかまたは最大硬度コア領域のいずれかの側のより弱い支持を含むこれらの領域を超えた直後、当該人物は、この場合も、おそらくはより強い傾き(台形断面の場合よりも強い傾き)による支持低下を足関節において感じる。
台形硬度プロファイルを用いた第1変形例および矩形硬度プロファイルを用いた第2変形例双方において、靴底表面の最大硬度コア領域が画定される。硬度プロファイル(すなわち、このコア領域内における断面硬度分布)は好適には、足が載置されている靴底の実質的に平面の上面に対して略平行な直線である。
しかし、第1変形例および第2変形例双方において、このコア領域内における硬度プロファイルの直線は好適には、足が載置されている靴底の実質的に平面の上面に対して傾けるとよい。換言すれば、次に、断面硬度分布は、(上記の台形または矩形プロファイルのうちの1つではなく)非台形または非矩形の硬度プロファイルを有する。コア領域内の硬度プロファイルの直線と、上面との間の角度は、靴底の硬度値が横側(「足の外側」)から中間側(「足の内側」)へ向かって低減するかまたその逆も成り立つ角度である。この場合も、その結果、歩行またはランニング時にこのような靴底を装着している場合、歩行またはランニング時に当該人物の動的バランスをとる行動に起因して、足の靴底が地面に載置されているときまたは靴底が地面に載置されている状態での足の各ロール動作時に、足および脛骨の内傾または足および脛骨の外傾が発生する。コア領域内の硬度値が外側に向かって低減する(外側に向かうほどより軟質の)靴底を用いて、O脚の人の歩行修正を行うことができ、コア領域内の硬度値が内側に向かって低減する(内側に向かうほどより軟質の)靴底を用いて、X脚の人の歩行修正を行うことができる。
好適には、直線状の硬度プロファイルが靴底の実質的に平面の上面に対して傾いたこれらの硬質コア地面接触領域は、少なくとも中足部内に設けられるが、好適には靴底の中足部、母子球部および前足部内のみに設けられる。
また、直線硬度値分布を含むコア領域は、少なくとも底部靴底表面の縦部分(好適には中足部)において、靴底の外側境界線までずっと延び得る。加えて、踵部の部分内および/または母子球部の部分内において、直線硬度値分布を含むコア領域はまた、靴底の外側境界線までずっと延び得る。
第2実施形態の第3変形例において、硬質領域は、略S字状の線に直交する面において、曲凸状の硬度プロファイルを有してもよい。この曲凸状の硬度プロファイルは、硬度最大を画定し、硬度最大の両側において硬度低下遷移領域を画定する。硬度は、硬度最大からより低硬度の軟質領域へ向かって低下する。この場合も、この場合、矩形硬度プロファイルの場合よりも、強い支持線上において動的にバランスをとることがさらに困難になる。この理由は、台形または矩形断面硬度プロファイルの場合のような前の最大硬度コア領域が無く、その代わりに、この曲凸状の硬度プロファイル上に作用する動的力ベクトル(人の「静的+動的重量」)に起因する曲凸状の硬度プロファイルの変形(局所的圧縮)に起因する狭く後の最大硬度コア領域のみがあるからである。動的力ベクトルの方向が狭く後の最大硬度コア領域を通過するこの「支持方向」からごくわずかに逸脱した場合でも、当該人物は、足関節におけるおそらくは(矩形断面の場合よりも)ずっと強い傾きにより、この場合も支持の大幅低下を感じる。材料の全体的硬度を増加させることにより、この動的バランスをとる行動がさらに困難となり、挑戦的なものとなる。この場合も、張り渡されたロープの場合に歩行者が1つの単一の張り渡されたロープを歩行している場合として上記をみなすことができる。
第1実施形態の第4変形例において、硬質領域は、曲線状の凹硬度プロファイル部分を凸断面硬度プロファイル内(大域的に凸の硬度プロファイルおよび局所的に曲線状の凹硬度プロファイル部分)に略S字状の線に直交する面内に有してもよい。この種の硬度プロファイルは、「カンチレバープロファイル」または「ブリッジプロファイル」とも呼ばれる。このプロファイルは、比較的軟質の材料の局所的トラフまたは溝(局所的に凹硬度プロファイル)を靴底表面の硬質コア領域全体(大域的に凸硬度プロファイル)内に画定する(すなわち、比較的軟質の材料のトラフ状または溝状部分が、硬度プロファイルの1つの側部(内側)上の比較的硬質の材料の第1領域と、硬度プロファイルの他方の側(外側)の比較的硬質の材料の第2領域とによって包囲される)。加えて、硬質の全体的硬質コア領域は、2つの比較的硬質の領域の一方の少なくとも1つと、他方の靴底のバルク(残り)との間において硬度が低下する遷移領域有してもよい。この「カンチレバー」または「ブリッジ」硬度プロファイルにより、対応する曲凸状の厚さプロファイルまたは矩形厚さプロファイルまたはさらには台形厚さプロファイルの場合よりも、強い支持線上において動的にバランスをとることがより容易になりおよびよってより困難でなくなる。この場合も、台形または矩形断面厚さプロファイルの場合と同様に、前の硬質コア領域は存在しないが、全体的硬質コア領域の比較的軟質の材料のトラフ状または溝状部分の両側の全体的硬質コア領域の比較的硬質の材料の2つの領域それぞれの比較的強い局所的圧縮と、全体的硬質コア領域の比較的軟質の材料のトラフ状または溝状部分全てにおける比較的弱い局所的圧縮または無圧縮とに起因して、広い後の硬質コア領域が形成される。上記した曲線のみを用いた凸断面硬度プロファイル、矩形硬度プロファイルまたはさらには台形硬度プロファイルの場合と対照的に、比較的硬質の材料のより集中的に圧縮された2つの領域により、比較的軟質の材料のより分散してまたは無圧縮のトラフ状または溝状部分の場合よりも高い支持が得られる。よって、この全体的硬質コア領域上に作用する動的力ベクトル(人の「静的+動的重量」)が(より分散してまたは無圧縮の全体的硬質コア領域を通じて比較的硬質の材料のより集中的に圧縮された領域のうちの1つに向かって延びる)「支持方向」から逸脱した場合、当該人物は、支持の急上昇を感じ、比較的硬質の材料の2つの領域間において動的力ベクトルを保持することがより容易になり、よって、カンチレバーまたはブリッジ硬度プロファイルを用いたこの変形可能な全体的硬質コア領域上における歩行保持がずっと容易になる(すなわち、動的バランスをとる行動がより容易になる)。
比較的硬質の材料の2つの領域間の厚さと、靴底のバルク(残り)の硬度とが同一である特殊な例において、このカンチレバーまたはブリッジ硬度プロファイルは、相互に隣接する2つの曲凸状断面硬度プロファイルとみなすこともできる(すなわち、2つの長さ方向に延びる硬質コア領域それぞれが、略S字状の線に沿っておよびよって相互に平行に配列されたもの)。このように動的バランスをとる行動がより容易になることは、張り渡されたロープの場合に歩行者が間隔を空けて配置された平行に張り渡された2本のロープ上を歩く場合と同様にみなすことができる。
断面硬度プロファイル(すなわち、略S字状の線に対する異なる横断硬度プロファイル)と無関係に、硬質コア領域は、略S字状の線に追随する部分に沿って測定された不均一な縦硬度プロファイルも有してもよい。
好適には、硬質領域の踵部は、硬質領域の中足部よりも硬度が低くても、あるいはその逆でもよい。
好適には、硬質領域の踵部は、硬質領域の中足部および母子球部よりも硬度が低くても、あるいはその逆でもよい。
異なる断面硬度プロファイル(すなわち、異なる横断硬度プロファイル)と組み合わせることにより、硬質領域の不均一な縦硬度プロファイルを用いて、この画定された硬度の線上において歩行またはランニング時に動的にバランスをとるために、異なるレベルのスキルを微調整することが可能になる。
好適には、第1靴底部分と、第1靴底部分に隣接する第2靴底部との間の局所的厚さおよび/または局所的硬度の差は、踵部と母子球部との間に延びる中足部において最大になる。その結果、足が中間方向に(内側に向かって(すなわち、他方の足に向かって))傾く傾向の人または足が横方向に(外側に向かって(すなわち、両足から離隔方向に))傾く傾向の人は、各足ロール動作段階において、動的バランスをとる際に特定の問題を経験する。この足ロール動作段階においては、この段階時におけるほとんどの支持を提供しつつ、靴底の中足部が地面と接触する。
好適には、略S字状の線の画定のために横断厚さプロファイル(第1実施形態)および/または横断硬度プロファイル(第2実施形態)が用いられるかに関係無く、略S字状の線上の第1靴底部および/または略S字状の線の両側の第2靴底部は、複数の横断スリットまたは「切り込み」を含み得る。これらのスリットまたは「切り込み」は、靴底の上記長さ方向において、略S字状の線に沿って間隔を空けて配置され、略S字状の線上において靴底の横断方向に延びる。これらの横断スリットまたは切り込みにより、各足のロール動作時における靴底のさらなる屈曲および捻れ可撓性が得られる。
第1実施形態の異なる変形例の特徴(すなわち、画定された横断厚さプロファイルを用いたS字形状の線に沿った隆起部)は、第2実施形態の異なる変形例の特徴(すなわち、画定された横断硬度プロファイルを用いたS字形状の線に沿った硬質領域)と独立的に組み合わせることが可能である。
好適には、これらの横断スリットの縦間隔は1mm〜10mmであり、最も好適には2mm〜6mmである。
好適には、これらのスリットの長さ(すなわち、第1横断寸法)は、隆起部の幅全体にわたっておよび/または硬質領域または(全体的)硬質コア領域の幅全体にわたって延びる。
好適にはこれらのスリットの深さ(すなわち、第2横断寸法)は、隆起部の厚さ全体の1/3〜2/3および/または硬質領域または(全体的)硬質コア領域の厚さ全体の1/3〜2/3にわたって延びる。
好適には、靴底の隆起部の最小厚さは、約2mmである。靴底の隆起部の好適な厚さ範囲は2mm〜50mmであり、好適には4mm〜30mmである。
エラストマー製の靴底の硬度の画定および測定を行う場合、好適な弾性/硬度スケールは、ショア硬度スケールである。
好適には、最小硬度(すなわち、靴底の最も軟質の領域の硬度値)は約30ショアである。靴底の好適な硬度範囲は、40ショア〜80ショアである。
好適な実施形態において、本発明に係る靴底は、いくつかの異なるコンポーネントによって構成される。これらのコンポーネントはそれぞれ、コンポーネント特有の材料を用いて独立的に作製される。好適には、靴底は、アウトソール部分およびインソール部分を含む。
アウトソール部分は、後ろから前へ順に、靴底に沿って踵部、中足部、母子球部および前足部を含み得る。これら4つの地面接触にする靴底部分は共に、靴底の地面接触領域を構成する。この地面接触領域は、歩行またはランニング時に、最適な地面接触の略S字状の線を含む。
これらの4つの部分全てまたはいくつかは、適切なエラストマーから一体形成され得る。好適には、4つの部分全ては、1つのピースにおいて1つまたはいくつかの幅狭の接続部分と共に形成される。これらの接続部分は、踵部と中足部との間、中足部と母子球部との間、母子球部と前足部との間に設けられる。その結果、アウトソールの相互接続部分間における高い可撓性が保証される。
あるいは、これらの4つの部分全てを適切なエラストマーからそれぞれ個々のピースとして形成してもよい。その結果、この場合も、アウトソールの部分間における高い可撓性が保証され、個々の特性を有する適切な材料から各部分を構成することができる。好適には、踵部を構成するピースは、中足部および母子球部を構成するピースよりもより軟質のエラストマー材料から構成される。
アウトソール部分は、適切なエラストマーによって構成された基部本体を含み得る。この基部本体に対し、上記した踵部、中足部、母子球部および前足部が例えば溶接、接着または加硫によって接続される。4つの部分のうち1つ以上(例えば、踵部)は、基部本体と同じ硬度でもよいため、例えば射出成形によって第1硬度を有する第1エラストマーから一体形成することができる。4つの部分のうち他方の部分(例えば、中足、球状および前足部)は、例えば射出成形によって(好適には第1エラストマーの第1硬度よりも高い)第2硬度を有する第2エラストマーから形成した後、基部本体へ例えば溶接、接着または加硫によって接続することができる。
加えて、(好適には基部本体の硬度を上回る)第3硬度を有する第3エラストマーによって構成された任意選択の第1または下側インソール部分を、基部本体と、地面接触領域の4つの部分との間に設けることができる。好適には、この下側インソール部分は層状形状であり、基部本体と地面接触部分との間に配置される。最も好適には、隆起部領域によって画定された最適な地面接触の略S字状の線および/または下側インソール部分の直下の地面接触部分内の硬質コア領域を包含および支持できるような充分な長さおよび幅となるように、この下側インソール部分をシート材料からカットアウトするとよい。好適には、下側インソール部分は肉薄層であり、厚さが1mm〜5mm、より好適には2mm〜4mmである。よって、下側インソール材料が基部本体材料よりも高硬度である場合でも、下側インソール材料は、肉薄形状に起因して高い可撓性を保持できる。
加えて、(好適には基部本体の硬度よりも高い)第4硬度を有する第4エラストマーによって構成された任意選択の第2または上側インソール部分を、足が載置される基部本体の上側側部へ設けることができる。好適には、この上側インソール部分も層状層であり、基部本体の上側側部に設けられる。最も好適には、この上側インソール部分をシート材料からカットアウトする際、隆起部領域によって画定された最適な地面接触の略S字状の線および/または基部本体の直下および/または下側インソール部分の直下の地面接触部分内の硬質コア領域を包含および支持できるような充分な長さおよび幅を有するようにカットアウトを行う。好適には、上側インソール部分は肉薄層であり、厚さが1mm〜5mmであり、より好適には2mm〜4mmである。よって、上側インソールは、肉薄形状に起因して極めて可撓性が高い。
好適には、上側インソール部分および下側インソール部分のカットアウトの外形は同一である。よって、下側および上側の任意選択のインソール部分はどちらとも、同じ製造装置によって形成することができる。
上記した複数の横断スリットまたは「切り込み」は、靴底の長さ方向において略S字状の線に沿って間隔を空けて配置され、靴底の横断方向に延びる。これらのスリットまたは「切り込み」は、地面接触部分、下側インソール部分および上側インソール部分のうち任意の1つに設けることができる。好適には、靴底の可撓性が増加する横断スリットは、下側インソール部分および/または上側インソール部分のみの内部に「埋設スリット」として設けられる。
好適な実施形態において、靴底母子球部は、第1、第2、第3、第4および第5中足部を靴底の内側Mと外側Lとの間に有し、以下の条件は、母子球部の横断厚さおよび/または硬度プロファイルに適用される。
−第1中足部の厚さおよび/または硬度は、第2中足部の厚さおよび/または硬度よりも高い。
−第3中足部の厚さおよび/または硬度は、第4中足部の厚さおよび/または硬度よりも小さい。
−第4中足部の厚さおよび/または硬度は、第5中足部の厚さおよび/または硬度よりも小さい。
その結果、足が踵部、中足部、母子球部および前足部の順序で地面に接触して足が地面上をロールすると、上記の母子球部における厚さおよび/または硬度条件により、足が回内する(すなわち、足にかかる重量が、靴底の外側Lにおける中足部内の初期位置から内側Mにおける母子球部内の後続位置へと移動する)。換言すれば、足の母子球部および靴底が地面上をロールしている間、足が強制的に回内される。足が地面上においてロールする第1段階において、中足部の外側上に作用した後に母子球部の外側上に作用する重量は、母子球部の外側から母子球部の内側へと移動し、足が地面上においてロールする第2段階において、その後、重量は、母子球部の内側に作用した後、前足部の内側(すなわち、母趾)に作用する。
好適には、第2中足部の厚さおよび/または硬度は、第3中足部、第4中足部および第5中足部のいずれかの厚さおよび/または硬度よりも小さい。その結果、足にかかる重量の外側から内側への移動がさらに向上する。
靴底の母子球部内における第1中足部、第2中足部、第3中足部、第4中足部および第5中足部のこれらの条件に起因して、足ロール動作時における重量は、外側Lから内側Mへと移動する。
より詳細には、重量が外側Lに配置された状態で中足部が地面をロールした(バランスをとる行動)後、母子球部が地面をロールすると、重量は母子球部の外側Lから母子球部の内側Mへと移動し、最終的には前足部が地面上をロールし、重量は内側Mに配置される。母子球部内におけるこの移動動作の開始時に、母子球部の第5中足部による支持は、母子球部の隣接する第4および第3中足部による支持を上回る。母子球部内におけるこの移動動作の終了時に、母子球部の第1中足部による支持は、母子球部の第2中足部による支持を上回る。換言すれば、外側Lの第5中足部に起因して足が回内し、内側Mの第1中足部により、足の過度の回内が抑止される。
よって、靴底の母子球部内における第1中足部、第2中足部、第3中足部、第4中足部および第5中足部のこれらの条件は、2本の連続する傾き曲線を略S字状の線に沿って設けた場合に得られる効果と同様の効果を与える。これらの条件を用いて、右足の略S字状の線に沿ったロール動作時に、右足は先ず傾き曲線を通過した後、外側Lにおいて左に曲がり、その後傾き曲線を通じて内側Mにおいて右に曲がる。同様に、左足の略S字状の線に沿ったロール動作時に、左足は先ず傾き曲線を通過した後、外側Lにおいて右に曲がり、その後傾き曲線を通じて内側Mにおいて左に曲がる。
靴底のさらなる好適な実施形態において、中足部の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の第1靴底部のS字形状の線上において測定された幅は、踵部の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の第1靴底部のS字形状の線上において測定された幅よりも小さい。
その結果、ランニングまたは歩行時に踵によって靴底が地面と接触して足が地面に着地すると、踵部のより幅広の第1靴底部により、安全な着地および安全な踵の位置決めが得られる。本記載の導入において画定されたような各足の動的バランスをとることまたはフィードバック制御されるロール動作は、足のロール動作がより幅狭の中足部に到達するまで開始しない。
好適には、中足部の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の第1靴底部のS字形状の線にわたって測定された幅は、S字形状の線、母子球部の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の第1靴底部のS字形状の線にわたって測定された幅よりも小さい。
その結果、ランニングまたは歩行時に、各足の動的バランスをとることまたはフィードバック制御されるロール動作は、中足部が地面と接触しているときに主に必要となる。
靴底のさらに好適な実施形態において、踵部の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の第1靴底部の局所的厚さTおよび/または局所的硬度Hは、内側Mから靴底の外側Lに向かって低減する。好適には、踵部の厚さTは、第1靴底部の幅Wに沿って低減する(すなわち、踵部の地面接触のためのより高硬度のおよび/またはより厚い部分)は、内側Mから外側Lに向かって量ΔTだけ低減し、これにより、踵部の第1靴底部の地面接触面の傾きを靴底が載置される水平方向平面地面表面に対して測定した場合、平均傾き(グレード)は2%〜20%である。傾き(グレード)は、厚さの差ΔTと踵部の第1靴底部の幅Wとの間の比ΔT/Wとして画定される。この幅Wは、踵部傾きの勾配線に沿って測定された幅である点に留意されたい。上記した幅Wが約50mmである典型的なミディアムサイズの靴の靴底の場合、これは、厚さ差1mm〜10mmに対応する。好適には、踵部の傾いた地面接触面は、平面表面であるか、または、少なくとも80%が平面である表面である。その結果、残りにおける靴底の踵部と、水平方向平面地面表面との間にくさび形状の隙間が形成される。
その結果、ランニングまたは歩行時に靴底が踵で地面に接触して足が地面に着地すると、踵部の第1靴底部の局所的厚さTおよび/または局所的硬度Hの低下により、誘導的および/または強制的に足が若干回外する。すなわち、足にかかる重量は、着地時における初期の中立または実質的中央位置から靴底の外側Lへと移動する。よって、重量は、靴底の外側Lにある中足部へと誘導される。上記した好適な傾きの平面状の地面接触面の場合、踵部を誘導する間、踵部と平面地面表面との間のくさび形状隙間は閉鎖される。
よって、靴底の踵部のこれらの条件は、1つの道路側部が他方の道路側部よりも高い実質的に直線状であり、傾いた道路表面に類似する効果を持つ。これらの条件を用いて、略S字状の線に沿ったロール動作の開始時における足着地の後、足は、外側Lに向かって若干傾き、幅狭の中足部へ円滑に誘導される。幅狭の中足部は、靴底の外側Lに近接して靴底の外側Lに沿って延びる。
さらなる好適な実施形態において、上記されたように後ろから前へ順に踵部、中足部、母子球部または中足部および前足部またはつま先部分を靴底基部本体の底部側部において含む靴底は、特殊な横断厚さおよび/または硬度プロファイルを母子球部において有する。母子球部または中足部において、第2中足骨(M2)と関連付けられたかまたは第2中足骨(M2)の直下に設けられた靴底の領域は、第1中足骨、第3中足骨、第4中足骨および第5中足骨のうちいずれかと関連付けられたかまたは第1中足骨、第3中足骨、第4中足骨および第5中足骨のうちいずれかの直下の靴底領域よりも厚さおよび/または硬度が低い。加えて、同じ条件が、母子球部に隣接する靴底の前足部またはつま先部分のうち少なくとも一部に適用され得る(すなわち、第2つま先(T2)と関連付けられたかまたは第2つま先(T2)の直下の靴底領域は、第1つま先、第3つま先、第4つま先および第5つま先のいずれかと関連付けられたかまたは第1つま先、第3つま先、第4つま先および第5つま先の直下の靴底領域よりも厚さおよび/または硬度が低い)。好適には、これは、母子球部に隣接する前足またはつま先部分の部分に適用される。母子球部のM2部分内のこの凹(「カンチレバー」)ならびに/あるいは軟質領域および任意選択的に隣接する前足部のT2部分により、第2中足骨のための一定の圧力除去が得られる。
つまり、局所的支持の量(すなわち、本発明に係る靴底の靴の靴底上において下側から作用する局所的支持力)は、靴底の全体的厚さおよび/または硬度プロファイルによって決定される点に留意されたい。少なくとも基部本体および基部本体と接続された地面接触部分は、その局所的硬度および局所的ジオメトリ(例えば、局所的厚さ分布および可能なスリットの分布)により、得られる局所的支持量に貢献する。加えて、下側インソール部分および/または上側インソール部分を設けることができ、これにより、得られる局所的支持量へさらに貢献することができる。靴底の地面接触部分(踵部、中足部、母子球部および前足部)ならびに任意選択のインソール部分(下側インソール部分および/または上側インソール部分)は全て、略S字状の線に沿って延びる隆起部および/または硬質コア領域に貢献する。
当業者にとって、本発明による靴底の好適な実施形態を示す添付図面と共に本明細書中を参照すれば、本発明のさらなる理解および本発明のさらなる特徴が明らかである。
本発明に係る靴底の実施形態の内側を示す側面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の外側を示す側面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の地面接触領域を示す底面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の足接触領域を示す上面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の第1コンポーネント(基部本体)の斜視底面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の第2コンポーネント(地面接触部分)の底面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の第1コンポーネント(基部本体)の上面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の第3または第4コンポーネント(下側または上側インソール)の上面図である。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の方向a)からみた場合の図3または図4の面M−Lに沿った第1の好適な断面を示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の方向a)からみた場合の図3または図4の面M−Lに沿った第2の好適な断面を示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の方向a)からみた場合の図3または図4の面M−Lに沿った第3の好適な断面を示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第1の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第2の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第3の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第4の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第5の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第6の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第7の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第8の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。 本発明に係る靴底の実施形態の、図3または図4の面M−Lに沿った第9の好適な厚さプロファイルまたは硬度プロファイルを示す。
図1および図2において、本発明に係る右足用靴底1の内側(足アーチの側部)および外側がそれぞれ、右足最終部2と共に図示されている。靴底1は、後ろから前へ順に、踵部3と、中足部4と、母子球部5と、前足部6とを靴底基部本体7の底部側部に含む。これを図5(斜視底面図)および図7(上面図)中により明確に示す。また、基部本体7の傾き領域7cおよび上側縁部7eが図示される。基部本体7の傾き領域7cは、靴底1の踵部3、中足部4、母子球部5および前足部6の下面によって画定された(図3中に最良に示すような)比較的幅狭の地面接触領域と、上側側部7fの足接触表面および靴底1の上側足接触台地状部の上側インソール8によって画定された(図4から最もよくわかるように)ずっと幅広の足接触領域との間に遷移領域を構成する。前足部6は、前方接合部分66を含む。前方接合部分66は、上方に延びて、基部本体7の前部分を部分的に被覆し、いくつかのつま先部分61,62,63,64,65を接合する(図3および図6)。
図3において、本発明に係る靴底1の地面接触領域の底面図が図示される。靴底1の踵部3、中足部4、母子球部5および前足部6の下面によって画定された地面接触領域は、歩行またはランニング時に最適な地面接触の略S字状の線Gを含む。この線Gは、踵部3から開始し、中足部4および母子球部5に沿って延びて、前足部6で終端する。典型的には、線Gは、母子球部5のいずれかの場所において1つの湾曲点PIを有する。より詳細には、靴底1の前足部6は、母趾部分61と、第2つま先部分62と、第3つま先部分63と、第4つま先部分64と、第5つま先部分65とを含む。地面接触領域の部分3,4,5,61,62,63,64,65のうち全てまたはいくつかは、基部本体7に接続され、基部本体7の下側縁部7bによって少なくとも部分的に包囲または「フレーム」される。地面接触領域の内側および外側双方において、傾き領域7cは、下側縁部7bから靴底1の上側足接触台地状部のずっと幅広の足接触領域へと延びる。内側Mにおいて、この傾き領域7cは、下側縁部7bから上側足接触台地状部の下側側部7dへと延びる。外側Lにおいて、この傾き領域7cは、下側縁部7bからステップ領域7d′へと延びる。外側Lにおいて、傾き7cは、内側Mにおけるよりも急傾きである。靴底のアーチ領域は、このステップ領域7d′と、上側足接触台地状部の下側側部7dの残りとを含む。このステップ領域7d′において、靴底1は、内側Mおよび外側Lの下側側部7dの残りよりも肉厚である。ステップ領域7d′のこの余分な厚さにより、靴底1の基部本体7の安定性が増す。
図4において、本発明に係る靴底1の実施形態の足接触領域の上面図が図示されている。足接触領域は、上側側部7fの足接触表面と、靴底1の上側足接触台地状部の上側インソール8とによって画定され、この場合も、歩行またはランニング時に最適な地面接触の略S字状の線Gを含む。上側インソール8の形状は、内側Mおよび(踵部3から開始する線Gの)外側L双方から延びて、典型的には(母子球部5のいずれかの位置にある)1つの湾曲点PIと共に前足部6までずっと延びるような形状である。上側側部7fおよび上側インソール8によって画定された足接触領域は、上側縁部7eによって包囲または「フレーム」される。上側インソール8は、上側足接触表面内の相補的凹部内に配置される。
つまり、図1、図2、図3および図4に示す靴底1の好適な実施形態は、第1基部本体7(図5、図7)と、基部本体7の底部側部に配置された第2地面接触領域であって、第2地面接触領域は、踵部3、中足部4、母子球部5および前足部6(図6)の下面によって画定される、第2地面接触領域と、足接触領域内の凹部内に配置された上側インソール8(図8)とを含む。加えて、下側インソール(図示せず)は好適には、上側インソール8と同じ形状を有し、基部本体7と地面接触領域との間に挿入され得る。
図5において、本発明に係る靴底1の基部本体7の斜視底面図が図示されている。基部本体7のいくつかの部分は、図1、図2および図3中において既に図示および記載されており、図5中により良く図示されている。基部本体7の底部側部の構成は、図6に示す踵部3、中足部4、母子球部5および前足部6によって画定された地面接触領域の外形に対して相補的である。より詳細には、基部本体7は、下側縁部7bによって包囲または「フレーム」された下側凹面7aを有する。下側凹面の主要部分7aは、上側インソール8と同じ外形を有する下側インソールを受容する上側足接触表面内の凹部と同じ外形を有する。下側インソール(図示せず)および上側インソール8は、図4および図8中に最良に図示され、同じ形状(すなわち同じ外形および同じ厚さ)を有してもよく、好適には基部本体7の材料よりもより高硬度の同じ材料によって構成され得る。基部本体7の下側凹面のより小型の部分7a1,7a2,7a3,7a4,7a5は、靴底1の前足部6に対応し、基部本体7の下側縁部7bによって分離される。これらのより小型の部分7a1,7a2,7a3,7a4,7a5の外形は、つま先部分61,62,63,64,65の外形に対してそれぞれ相補的である。よって、踵部3、中足部4および母子球部5は、下側凹面の主要部分7a内に受容され得、前足部6のつま先部分61,62,63,64,65は、下側凹面のより小型の部分7a1,7a2,7a3,7a4,7a5内に受容され得る。外側Lにおいて、下側縁部7bから上側足接触台地状部の下側側部7dへと延びる傾き領域7cも、長さ方向において下側凹面7aのより小型の部分7a5から踵部3へと延びる。内側Lにおいて、下側縁部7bからステップ領域7d′へと延びる傾き領域7cも、長さ方向において母子球部5から踵部3へと延びる。外側Lにおいて、傾き7cは、足アーチが配置された内側Lよりも急傾きである。
図6において、本発明に係る靴底1の地面接触部分3,4,5,6の底面図が図示されている。外側Lに向かう横断方向において、踵部3、中足部4、母子球部5および前足部6は全て、横(L)の靴底1の外側外形線まで(すなわち、横(L)の基部本体7の外側外形線まで)ほとんどずっと延びる。内側Mに向かう横断方向おいて、踵部3の後部分、母子球部5の前部分および前足部6全体が、靴底1の中間(M)外側外形線まで(すなわち、中間(M)の基部本体7の外側外形線まで)ほとんどずっと延び、踵部3の中間部分および前部分、中足部4全体および母子球部5の後部分は、中間(M)において途中の靴底1の外側外形線まで(すなわち、中間(M)の基部本体7の外側外形線まで)延びる。前足部6において、母趾部分61、第2つま先部分62、第3つま先部分63、第4つま先部分64および第5つま先部分65は、下側縁部7bのパターンに対応するスリットにより、相互に分離される。前足部6の前部分において、個々のつま先部分61,62,63,64,65は、接合部分66により接合される。(例えば、接着または溶接による)組立時に、地面接触部分3,4,5,6は、下側凹面7aへ挿入される。より詳細には、地面接触部分3,4,5は、下側凹面の主要部分7aへ挿入され、地面接触するつま先部分61,62,63,64,65は、下側凹面のより小型の部分7a1,7a2,7a3,7a4,7a5へそれぞれ挿入される。
図7において、本発明に係る靴底1の基部本体7の上面図が図示されている。上側側部7fは、上側インソール8を受容する上側凹面7gを有する。また、上側側部7f全体および前足部6の接合部分66の周りの上側縁部7eは、基部本体7の部分を部分的に被覆する基部本体7の前端において上方方向に延びる。
図8において、本発明に係る靴底1の下側または上側インソール8の上面図が図示されている。下側および上側インソールは同じ外形を有するが、異なる材料からなる場合もありかつ/または異なる厚さからなる場合もある。好適には、下側インソール8および/または上側インソール(図示せず)は、横断方向(すなわち、最適な地面接触の略S字状の線に対して直交方向に延びる方向)において厚さプロファイルを有する。加えて、下側インソール8および/または上側インソール(図示せず)は、横断方向または最適な地面接触の略S字状の線に対して直交する方向に延びるスリットを有する。
つまり、本発明に係る靴底1の全体的横断厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイル(すなわち、略S字状の線Gに対して直交または垂直な方向に延びる断面における厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイル)は、基部本体7の横断厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、地面接触部分3,4,5,6それぞれの横断厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、また、上側インソール8の横断厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、また、下側インソール(図示せず)の横断厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって任意選択的に決定され得る。
同様に、本発明に係る靴1の全体的縦厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイル(すなわち、略S字状の線Gに対して平行方向または接線方向に延びる断面における厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイル)は、基部本体7の縦厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、地面接触部分3,4,5,6それぞれの縦厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、上側インソール8の縦厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって決定され得、また、下側インソール(図示せず)の縦厚さプロファイルおよび/または硬度プロファイルによって任意選択的に決定され得る。
加えて、本発明に係る縦軸周囲における全体的可撓性(および特に靴底1のねじり可撓性)(すなわち、略S字状の線Gに対して平行方向または接線方向の軸周囲における可撓性)は、略S字状の線を横断する方向に延びた、長さ方向に間隔を空けて配置されたスリットによって決定され得る。これらのスリットは、基部本体7内に設けてもよいし、地面接触部分3,4,5,6のうちいずれか1つまたは全てに設けてもよいし、上側インソール8に設けてもよいし、また、任意選択的に下側インソール(図示せず)に設けてもよい。
図9A、図9Bおよび図9Cにおいて、本発明による靴底1の図3または図4の方向a)においてみた場合の図3または図4の面M−Lに沿った好適な中足部断面が図示されており、面M−Lに沿った点PMおよびPLは、図3および図4および図9A中の対応する位置を示す。簡潔にするため、好適な複合材料または多層構造(基部本体7、地面接触部分3,4,5,6、上側インソール8、下側インソール)に起因して視認可能となる断面における構造的差は、これらの断面において図示していない。
図9Aに示す横断断面の(一定硬度の)横断厚さTプロファイルは、横断厚さTプロファイルであり、比較的幅狭の地面接触台地状領域11を有する。この台地状領域11は、最適な地面接触の略S字状の線Gを含み、および内側Mに向かって厚さが低減する第1傾き領域12と、外側Lに向かって厚さが低減する第2傾き領域13とを有する。これは、少なくとも略S字状の線Gの縦部分に沿って延びる視認可能な隆起部11,12,13の一例である。
図9Bに示す横断断面の横断厚さTプロファイルは、横断厚さTプロファイルであり、比較的幅広でありかつ比較的厚い地面接触台地状領域11′を有する。この地面接触台地状領域11′は、最適な地面接触の略S字状の線Gを含み、同様に、内側Mに向かって厚さが低減する第1傾き領域12′と、外側Lに向かって厚さが低減する第2傾き領域13′とを有する。第1材料の横断厚さプロファイルに加えて、この断面は、第1材料の硬度よりも低い硬度を有する第2材料の横断厚さプロファイルを有する。これは、少なくとも略S字状の線Gの縦部分に沿って延びる視認不可能な硬質コア領域11′,12′,13′の一例である。
図9Cに示す横断断面の横断硬度Hプロファイル(すなわち、(一定厚さの)硬度Hの曲線)は、横断硬度Hプロファイルであり、比較的幅狭の硬質コア領域11″を有する。硬質コア領域11″は、最適な地面接触の略S字状の線Gを含み、硬度曲線において内側Mに向かって硬度が低減する第1傾き領域12″と、硬度曲線において外側Lに向かって硬度が低減する第2硬度傾き領域13″とを有する。これは、少なくとも略S字状の線Gの縦部分に沿って延びる視認不可能な硬質コア領域11″,12″,13″の別の例である。
図10A、図10B、図10C、図10D、図10E、図10Fおよび図10Gにおいて、本発明による靴底1の図3または図4の面M−Lに沿った好適な横断厚さプロファイル(隆起部)および/または硬度プロファイル(硬質コア領域)が図示されており、この場合も、面M−Lに沿った点PMおよびPLは、図3および図4および図9A中の対応する位置を示す。この場合も、簡潔にするため、好適な複合材料または多層構造に起因してこれらの断面において視認可能となる断面の任意の構造的差(基部本体7、地面接触部分3,4,5,6、上側インソール8、下側インソール)は、これら断面中に図示していない。
図10Aにおいて、台形プロファイルが図示される。
図10Bにおいて、矩形プロファイルが図示される。
図10Cにおいて、曲凸状のプロファイルが図示される。
図10Dにおいて、曲線状の凹底部線を用いた改変された台形プロファイル(「カンチレバー台形プロファイル」)が図示される。
図10Eにおいて、曲線状の凹底部線を用いた改変された矩形プロファイル(「カンチレバー矩形プロファイル」)が図示される。
図10Fにおいて、横方向に傾いた直線底部線を用いた(外側に向かって厚さおよび/または硬度が低減する)プロファイルが図示される。
図10Gにおいて、中間に傾いた直線底部線を用いた(内側向かって厚さおよび/または硬度が低減する)プロファイルが図示される。
図10Hにおいて、横方向に傾いた曲凸状のプロファイルを用いた(両側に向かって厚さおよび/または硬度が低減し、外側に向かって厚さおよび/または硬度がより低減する)プロファイルが図示される。
図10Iにおいて、中間方向に傾いた曲凸状のプロファイルを用いた(両側に向かって厚さおよび/または硬度が低減し、および内側に向かって厚さおよび/または硬度がより低減する)プロファイルが図示される。
好適には、これらのプロファイルは中足部4において用いられる。しかし、これらのプロファイルのうちいくつかを中足部4以外のインソール部分(例えば、踵部3または母子球部5内のもの)において用いてもよい。詳細には、図10Fに示すプロファイルは、踵部3において用いられ得る。
カンチレバープロファイル(例えば、図10Dまたは図10Eに示すもの)は、靴底1の母子球部5および前足部6に設けられ得る。第2中足骨(M2)と関連付けられた靴底1の領域は、他方の中足骨と関連付けられた靴底の領域よりも厚さが小さくかつ/または硬度が小さい。加えて、少なくとも前足部6の部分または母子球部5に隣接する靴底のつま先部分(すなわち、第2つま先(T2)と関連付けられた靴底1の領域)は、他方のつま先と関連付けられた靴底の領域よりも厚さが小さくかつ/または硬度が小さい。好適には、これは、前足部6のつま先部分62へ適用される。この設計により、第2中足骨(M2)への圧力が低減し、また、歩行時における第2中足骨(M2)と第2つま先(T2)との間における関節に対する一定の解放も得られる。
加えて、以下の条件は、靴底1の内側Mと外側Lとの間に第1中足骨部M1、第2中足骨部M2、第3中足骨部M3、第4中足骨部M4および第5中足骨部M5を有する母子球部5の横断厚さおよび/または硬度プロファイルに適用され得る。
a)M2の厚さおよび/または硬度は、M1,M2,M3,M4のうちいずれかの厚さおよび/または硬度よりも低く、好適にはM1,M3,M4,M5は全て、同じ厚さおよび/または硬度を有する。
(「M2<M1,M3,M4,M5および好適にはM1=M3=M4=M5」)
b)M1の厚さおよび/または硬度は、M2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、M3,M4,M5全ての厚さおよび/または硬度は、M1,M2の厚さおよび/または硬度間に収まる。
(「M2<M3,M4,M5<M1」)
c)M1の厚さおよび/または硬度は、M2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、M3,M4,M5全ての厚さおよび/または硬度は、M1の厚さおよび/または硬度よりも高い。
(「M2<M1<M3,M4,M5」)
d)M1の厚さおよび/または硬度は、M2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、M3の厚さおよび/または硬度は、M4の厚さおよび/または硬度よりも大きく、M4の厚さおよび/または硬度は、M5の厚さおよび/またはM5の硬度よりも高い。
(「M2<M1およびM3>M4>M5」)
e)M1の厚さおよび/または硬度は、M2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、M3の厚さおよび/または硬度は、M4の厚さおよび/または硬度よりも低く、M4の厚さおよび/または硬度は、M5の厚さおよび/または硬度よりも低く、好適にはM2の厚さおよび/または硬度は、M3,M4,M5のいずれかの厚さおよび/または硬度よりも低い。条件e)は、最も好適な条件である。
(「M2<M1およびM3<M4およびM4<M5」および好適にはM2<M3,M4,M5))
好適には、M1の厚さおよび/または硬度は、M5の厚さおよび/または硬度よりも高い。
靴底1の母子球部5における第1中足骨部M1、第2中足骨部M2、第3中足骨部M3、第4中足骨部M4および第5中足骨部M5のこれらの条件に起因して、足のロール動作時における重量は、外側Lから内側Mへと移動する。
より詳細には、重量が外側Lに配置された状態で踵部3が地面に接触し、中足部4が地面上においてロール動作した後(動的バランスをとる行動)、母子球部5は地面上においてロールし、その結果、重量は母子球部5の外側Lから母子球部5の内側Mへ移動し、最終的には前足部6は地面上をロールし、重量は内側Mに配置される。母子球部5内におけるこの移動作用の開始時に、母子球部5の第5中足骨部M5は、母子球部5の隣接する第4中足骨部M4および第3中足骨部M3よりも高い支持を提供する。母子球部5内におけるこの移動作用の終了時に、母子球部5の第1中足骨部M1は、母子球部5の第2中足骨部M2よりも高い支持を提供する。よって、外側Lの第5中足骨部M5に起因して足が回内し、内側Mの第1中足骨部M1により、過度の足回内が抑止される。
加えて、第1つま先部T1(=61)、第2つま先部T2(=62)、第3つま先部T3(=63)、第4つま先部T4(=64)および第5つま先部T5(=65)を靴底1の内側Mおよび外側L間に有する前足部6の横断厚さおよび/または硬度プロファイルへ類似の条件を適用することができる。
a)T1の厚さおよび/または硬度は、T2,T3,T4,T5のうちいずれかの厚さおよび/または硬度よりも大きく、好適には、T2,T3,T4,T5は全て、同じ厚さおよび/または硬度を有する。
(「T1>T2,T3,T4,T5および好適にはT2=T3=T4=T5」)
b)T1の厚さおよび/または硬度は、T2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、T2の厚さおよび/または硬度は、T3の厚さおよび/または硬度よりも大きく、T3の厚さおよび/または硬度は、T4の厚さおよび/または硬度よりも大きく、T4の厚さおよび/または硬度は、T5の厚さおよび/または硬度よりも高い。
(「T1>T2>T3>T4>T5」)
c)T1の厚さおよび/または硬度は、T2,T3,T4,T5のうちのいずれかの厚さおよび/または硬度よりも低く、好適には、T2,T3,T4,T5は全て同じ厚さおよび/または硬度を有する。
(「T1<T2,T3,T4,T5および好適にはT2=T3=T4=T5」)
d)T1の厚さおよび/または硬度は、T2の厚さおよび/または硬度よりも低く、T2の厚さおよび/または硬度は、T3の厚さおよび/または硬度よりも低く、T3の厚さおよび/または硬度は、T4の厚さおよび/または硬度よりも低く、T4の厚さおよび/または硬度は、T5の厚さおよび/または硬度よりも低い。
(「T1<T2<T3<T4<T5」)
e)T1の厚さおよび/または硬度は、T2の厚さおよび/または硬度よりも大きく、T2は、T3と同じ厚さおよび/または硬度を有し、T3の厚さおよび/または硬度は、T4の厚さおよび/または硬度よりも低く、T4の厚さおよび/または硬度は、T5の厚さおよび/または硬度以下である。
(「T1>T2およびT2=T3およびT3<T4およびT4≦T5」)
上記の横断プロファイルにおいて、厚さおよび/または硬度部分M1,M2,M3,M4,M5およびT1,T2,T3,T4,T5それぞれの間の遷移は、段階的であってもよいし、あるいは平滑な遷移であってもよい。
加えて、以下の条件は、踵部3の横断厚さおよび/または硬度プロファイルへ適用され得る。
f)中足部4の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の靴底部分の全ての幅W4の最大幅W4および平均は、踵部3の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の靴底部分の最大幅W3および全ての幅W3の平均よりもそれぞれ低い。
(「W4<W3」)
g)踵部3の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の靴底部分の局所的厚さTおよび/または局所的硬度Hは、例えば図10Fに示すように、内側Mから靴底1の外側Lへ向かって低減する。踵部のこの地面接触面の平均傾き量は、水平方向に対して2%〜20%である。(図9A、図9Bおよび図9C中の参照符号11,11′,11″にそれぞれ対応する)踵部3の第1靴底部分の地面接触面の傾きは、2%〜20%の平均または一定の傾きを有し、傾きは、厚さ差ΔTと踵部3の第1靴底部分の勾配線幅Wとの間の比ΔT/Wとして画定される。この幅Wは、踵部3の傾きの勾配線に沿って測定された幅である点に留意されたい。そのため、Wは最大幅W3と同じ場合があるが、W3とは異なる可能性が高い。
h)中足部4の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の靴底部分の全ての幅W4の最大幅W4および平均は、母子球部5の局所的により厚いおよび/またはより高硬度の靴底部分の最大幅W5および全ての幅W5の平均よりもそれぞれ低い。
(「W4<W5」)
最大幅W3、W4およびW5は、踵部3、中足部4および母子球部5それぞれにおけるS字形状の線Gに対して垂直な方向において測定された点に留意されたい。
また、上記の幅W3、W4およびW5の平均は、踵部3、中足部4および母子球部5それぞれにおけるS字形状の線Gに沿った全ての(典型的には異なる)幅の平均である点に留意されたい。
好適には、少なくとも条件f)およびg)は、本発明に係る靴底1において組み合わされる。その結果、踵部3の地面上への着地後に足が回外し、また、踵部3から中足部4への円滑な遷移も得られる。
最も好適には、母子球部5についての条件e)およびh)と、踵および中足部3および4についての条件f)と、踵部3についての条件g)とが組み合わされる。
これらの条件を組み合わせることにより、各足は、地面上におけるロール動作時に、以下の3つの段階を経験する。
1)第1段階または強制回外段階において、地面へ着地した後、踵部3により足が強制的に回外される。換言すれば、靴底1は制御をとり、外側Lに強制的に誘導する。
2)第2段階または動的バランスをとる段階において、足は、リッジ状中足部4において動的にバランスをとらなければならない。換言すれば、靴底1は制御をとらず、強制誘導も提供しない。すなわち、歩行者またはランナーは、例えば、インソール8から足靴底へと伝送される圧力と、足関節における任意の若干の傾きからのフィードバックとに依存しなければならない。
3)第3段階または強制回内段階において、足は、母子球部5により強制的に回内される。換言すれば、靴底1が制御を取り戻し、内側Mに強制的に誘導する。
地面上における足のロール動作全体において、歩行者またはランナーは、歩行またはランニングにおいて、最適な地面接触の略S字状の線を感じる。換言すれば、インソール8の効果により、歩行またはランニングにおいて固有受容が向上する。靴底1の足接触面またはその近隣におけるインソール8による圧力と、靴底1の地面接触面におけるS字形状の線のTおよび/またはHプロファイルによる圧力とに基づいた全体的固有受容は、中足部4における動的バランスをとる(歩行者またはランナーへのフィードバックが得られる)段階において最も強くなる。

Claims (20)

  1. 靴製品に適した靴底あって、
    地面接触面において後ろから前へ順に前記靴底に沿って踵部中足部母子球部前足部を含み、
    前記踵部、前記中足部および前記母子球部はそれぞれ、前記靴底装着時に足アーチの下側のアーチ領域に隣接し、
    前記靴底は、
    略S字状の適正歩行接地線に沿って延びる第1靴底部
    前記適正歩行接地線の両側沿って延びる第2靴底部を含み、
    前記適正歩行接地線は、前記踵部から開始し、外側中足部を経て前記母子球部の中央部を通って内側前足部まで延び、
    前記第1靴底部局所的厚さTおよび/または局所的硬度Hは、前記第1靴底部に隣接する前記第2靴底部局所的厚さTおよび/または局所的硬度Hよりも大きく、
    前記靴底は、足接触面に固定されるかまたは前記靴底部の前記足接触面の直下に埋設されるインソールを含み、前記インソールは、前記靴底よりもより幅が短く、前記適正歩行接地線に沿って延び、前記インソールの周りの靴底材料よりも硬度が高い材料から形成されることを特徴とする靴底。
  2. 前記第1靴底部局所的厚さは、前記第2靴底部局所的厚さよりも大きく、前記第1靴底部および前記第2靴底部、同じ硬度でもよい、ことを特徴とする請求項に記載の靴底。
  3. 前記靴底全体が1つの硬度値を有する1種類の材料からなる、ことを特徴とする請求項に記載の靴底。
  4. 前記靴底は隆起部含み、前記隆起部、その地面に対向する下面から突出し、少なくとも前記適正歩行接地線に沿って延びることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の靴底。
  5. 前記隆起部は、前記適正歩行接地線に直交する面において台形断面(台形厚さプロファイル)を有し、第1台形基線により、前記靴底表面の台地状領域が画定され、第2台形基線により、前記隆起部と前記靴底のバルク(残り)との間の遷移領域が画定され、前記第2台形基線は、前記第1台形基線よりも長いことを特徴とする請求項に記載の靴底。
  6. 前記隆起部は、前記適正歩行接地線に直交する面において矩形断面(矩形厚さプロファイル)を有し、第1矩形基線により、前記靴底表面の台地状領域が画定され、第2矩形基線により、前記隆起部と前記靴底のバルク(残り)との間に遷移領域が画定され、前記第2矩形基線は、前記第1矩形基線と同じ長さを有することを特徴とする請求項に記載の靴底。
  7. 前記隆起部は、前記適正歩行接地線に直交する面において曲凸状断面(曲凸状の厚さプロファイル)を有し、曲線により、前記靴底表面のビーズ状またはレンズ状の領域が画定され、基線により、前記曲凸状の隆起部と前記靴底のバルク(残り)との間の遷移領域が画定されることを特徴とする請求項に記載の靴底。
  8. 前記第1靴底部の局所的硬度は、前記第2靴底部の局所的硬度よりも高く、前記第1靴底部および前記第2靴底部は、同じ厚さを有することを特徴とする請求項に記載の靴底。
  9. 前記靴底全体が実質的に同じ厚さを有することを特徴とする請求項8に記載の靴底。
  10. 前記靴底は硬質領域を含み、前記硬質領域は、前記靴底の周囲の軟質領域よりも硬度が大きく、少なくとも前記適正歩行接地線の部分に沿って延びることを特徴とする請求項1、8または9に記載の靴底。
  11. 前記硬質領域は、前記適正歩行接地線に直交する面において台形硬度プロファイルを有し、前記台形硬度プロファイルは、最大硬度コア領域を画定し、前記最大硬度コア領域の両側の硬度低下遷移領域を画定し、前記最大硬度コア領域から前記硬度低下遷移領域に向けて硬度が徐々に低減することを特徴とする請求項10に記載の靴底。
  12. 前記硬質領域は、前記適正歩行接地線に直交する面において矩形硬度プロファイルを有し、前記矩形硬度プロファイルは、最大硬度コア領域を画定し、前記最大硬度コア領域の両側により低硬度の前記軟質領域を有する領域を画定することを特徴とする請求項10に記載の靴底。
  13. 前記硬質領域は、前記適正歩行接地線に直交する面において曲凸状の硬度プロファイルを有し、前記曲凸状の硬度プロファイルは、最大硬度部を画定し、前記最大硬度部の両側において硬度低下遷移領域を画定し、硬度は、前記最大硬度部からより低硬度の前記軟質領域へと徐々に低減することを特徴とする請求項10に記載の靴底。
  14. 前記第1靴底部と前記第2靴底部と局所的厚さおよび/または局所的硬度の差は、前記踵部前記母子球部の間にある前記中足部おいて最大となることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の靴底。
  15. 前記適正歩行接地線上の前記第1靴底部よび/または前記適正歩行接地線の両側の前記第2靴底部、複数のスリットを含み、前記複数のスリットは、前記靴底長さ方向において前記適正歩行接地線に沿って間隔を空けて配置され、前記適正歩行接地線を跨いで前記靴底の横断方向に延びることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の靴底。
  16. 前記母子球部、第1中足骨部第2中足骨部第3中足骨部第4中足骨部第5中足骨部を前記靴底内側Mおよび外側L間に有し、
    −前記第1中足骨部厚さおよび/または硬度は、前記第2中足骨部厚さおよび/または硬度よりも大きく、
    −前記第3中足骨部厚さおよび/または硬度は、前記第4中足骨部厚さおよび/または硬度よりも小さい、
    −前記第4中足骨部厚さおよび/または硬度は、前記第5中足骨部厚さおよび/または硬度よりも小さいことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の靴底。
  17. 前記第2中足骨部厚さおよび/または硬度は、前記第3、第4および第5中足骨部いずれの厚さおよび/または硬度よりも小さいことを特徴とする請求項16に記載の靴底。
  18. 前記中足部おける局所的に厚くおよび/または硬い第1靴底部前記適正歩行接地線を跨いで測定された幅は、前記踵部局所的に厚くおよび/または硬い第1靴底部の前記適正歩行接地線上において測定された幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の靴底。
  19. 前記中足部の局所的に厚くおよび/または硬い第1靴底部分の適正歩行接地線上において測定された幅は、前記母子球部局所的に厚くおよび/または硬い第1靴底部分の前記適正歩行接地線上において測定された幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の靴底。
  20. 前記踵部前記局所的に厚くおよび/または硬い第1靴底部分局所的厚さTおよび/または前記局所的硬度Hは、前記靴底内側から外側向かって低減する、ことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の靴底。
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