JP5992860B2 - マーチャントバラン - Google Patents

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Description

本発明は、高周波電気信号を扱う回路技術、特にマーチャントバランに関するものである。
高周波回路において、差動増幅器やギルバートミキサ等の、180度位相差の信号を用いた回路構成(差動対)は頻繁に用いられる。差動対を用いる上で重要となる基本回路として、180度位相差信号生成回路(バラン)がある。特に、集積回路内部に製作可能なバランは、小型化、低コスト化が可能であり、重要である。
従来の集積回路型のバランとして、ラットレースカプラ(非特許文献1)が知られている。ラットレースカプラは、使用周波数の1/4波長の長さを持つ3つの線路と、使用周波数の3/4波長の長さを持つ1つの線路とを組み合わせた構成のバランであるが、比帯域が小さいという問題がある。
また、コプレーナ―スロット変換回路(非特許文献2)もバランとして知られている。コプレーナ―スロット変換回路は、不平衡線路であるコプレーナ線路と平衡線路であるスロット線路とをエアブリッジで接続し、バランとして用いるものであるが、スロット線路を用いるため、回路規模が大きくなるという問題、また、スロット線路の伝搬損失が大きいため、過剰損失が大きくなるという問題がある。
比帯域が大きく低損失なバランとして、結合線路を用いたマーチャントバラン(非特許文献3)が挙げられる。マーチャントバランの回路図を図19に示す。マーチャントバランの単相入力端子をI/O1とし、差動出力端子をI/O2,I/O3とする。ここで、I/O2,I/O3は、以下に述べるように、2つの結合線路の端子であるが、端子I/O1を有する側の結合線路の端子をI/O2とする。マーチャントバランは、使用周波数の1/4波長の長さの第1の伝送線路C1aおよび同じ長さの第2の伝送線路C1bから成る第1の結合線路C1と、使用周波数の1/4波長の長さの第3の伝送線路C2aおよび同じ長さの第4の伝送線路C2bから成る第2の結合線路C2とから成っている。
第1の伝送線路C1aの一方の端子1a1は、マーチャントバランの単相入力端子I/O1に接続されている。第1の伝送線路C1aの他方の端子1a2と第3の伝送線路C2aの一方の端子2a1とが接続されている。第3の伝送線路C2aの他方の端子2a2は、開放されている。第2の伝送線路C1bは、単相入力端子I/O1に近い方の端子1b1が接地されており、単相入力端子I/O1から遠い方の端子1b2が正相側の差動出力端子I/O2に接続されている。第4の伝送線路C2bは、端子2a1に近い方の端子2b1が逆相側の差動出力端子I/O3に接続され、差動出力端子I/O3から遠い方の端子2b2が接地されている。
図19のマーチャントバランの動作原理を簡単に説明する。今、差動出力端子I/O2,I/O3に完全に180度位相差の信号、例えば正弦波が入力されているとする。この場合に、単相信号が単相入力端子I/O1から出力されることを説明する。すなわち、マーチャントバランの、180度位相差信号を単相信号に変換する動作の原理を説明する。端子I/O2の信号位相を180度、端子I/O3の信号位相を0度とする。マーチャントバランは、2つの結合線路C1,C2より成る。両結合線路ともに、1つの端子は接地されている。
このような結合線路においては、図20に示すように、伝送線路C20bの端子20b2から入力された信号は伝送線路C20aの両端の端子20a1,20a2から出力されるが、その際に、端子20a1は端子20b2に対して位相が90度進み、端子20a2には端子20b2と同位相の信号が出力されるという特徴を持つ。したがって、結合線路C1においては、端子I/O2に位相180度の信号が入力されると、端子1a1から位相270度の信号が出力され、端子1a2から位相180度の信号が出力される。同様に、結合線路C2においては、端子I/O3に位相0度の信号が入力されると、端子2a2から位相90度の信号が出力され、端子2a1から位相0度の信号が出力される。これらの信号が重ね合わされた結果として、単相入力端子I/O1にどのような信号が出力されるかを考える。
まず、互いに接続されている端子1a2,2a1からは180度位相差の信号が出力されることになるから、ここでは信号が互いに打ち消しあう。ゆえに、端子1a1に出力される位相0度の信号と端子2a2に出力される位相90度の信号との重ね合わせを考えればよい。今、結合線路C1,C2を構成する伝送線路C1a,C2aが使用周波数の4分の1波長に相当する長さを有することに着目すれば、端子I/O3に位相0度で入力されて、端子2a2において90度の位相を有していた信号は、端子1a1に届くまでに2つの伝送線路C2a,C1aを通過するから、合計で180度位相が回転することが判る。したがって、端子2a2から端子1a1に届いた信号は、90度+180度で270度の位相を持つことが判る。この位相は、端子I/O2から入力されて端子1a1に出現する信号と同位相である。このため、信号の強め合いが生じて、結果として端子I/O1には単相信号が現れる。以上より、端子I/O2,I/O3に入力された180度位相差の信号が電力損失無く端子I/O1から単相信号として取り出されることが判る。以上がマーチャントバランの簡単な動作原理である。
マーチャントバランの特徴として、結合線路を用いた90度移相器を用いていることが挙げられる。一般に、結合線路を用いた90度移相器は4分の1波長線路を用いた通常の90度移相器よりも広帯域な特性を有するから、マーチャントバランの特性は、前記のラットレースカプラよりも広帯域なものとなる。また、スロット線路を用いないために、前記のコプレーナ―スロット変換回路よりも過剰損失が少ない。
Reed J.,Wheeleer G.J.,"A Method of Analysis of Symmetrical Four-Port Networks",IEEE Trans.Microwave Theory Tech.,vol.MTT-4,pp.246-252,June 1956 T.Hirota,Y.Tarusawa,and H.Ogawa,"Uniplanar MMIC hybrids-A proposed New MMIC structure",IEEE Trans.Microwave Theory Tech.,vol.MTT-35,pp.576-581,June 1987 J.-X.Liu,C.-Y.Hsu,H.-R.Chuang,and C.-Y.Chen,"A 60-GHz Millimeter-wave CMOS Marchand Balun",2007 Radio Frequency Integrated Circuits Symposium,pp.445-448,June 2007
しかしながら、マーチャントバランを実際に集積回路として用いる場合には、以下の問題点が生じる。原理的には第1の結合線路C1と第2の結合線路C2とは、端子1a2,2a1を介して距離0で接続されているが、現実にはこのような回路を作成することは難しい。なぜなら、差動出力端子I/O2,I/O3は有限の線路幅、線路間隔を持つ線路であって、これらを隣接して配置するためには、端子I/O2,I/O3間の間隔を少なくとも出力線路2本分の長さだけ確保することが必要となるからである。この場合、図21に示すように、結合線路C1,C2の間には、最低でも出力線路2本分の長さを有する線路M1を挿入する必要が生じる。特に、出力信号を互いに電磁気結合した差動信号としてではなく、電磁気的に独立した180度位相差信号として取り出す場合には、出力信号の間隔を広く確保する必要があるため、線路M1の長さを十分に長くとる必要が生じる。
使用周波数が低い場合には、線路M1の長さを信号波長よりも十分小さくできるため、線路M1での信号の位相回転は問題にならないが、ミリ波帯以上の周波数帯においては、線路M1での信号の位相回転が無視できなくなり、端子I/O2,I/O3から出力される信号の等振幅および180度位相差が維持できなくなる。また、マーチャントバランは、端子I/O2,I/O3から出力される信号が180度位相差である時にインピーダンス整合が取れる回路構成であるから、上記180度位相差からのずれにより、マーチャントバランの反射特性も劣化し、比帯域が減少する。
以上の観点から、マーチャントバランを良好な180度位相差分配器として用いるためには、現実にマーチャントバランを製作する際に生じる中間線路の影響を考慮した設計が必要となる。このような設計は、設計周波数が高くなる、ミリ波・テラヘルツ波領域における回路や、高ボーレート(Baud-rate)の光通信用回路を製作する際に重要となる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、中間線路の付加に伴うマーチャントバランの性能劣化を補償し、良好な特性で動作する現実に即した形態のマーチャントバランを提供することを目的とする。
本発明のマーチャントバランは、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、前記第2の伝送線路と接地との間に挿入された付加線路とを備え、前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、前記付加線路は、前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子と接地との間に挿入され、前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子は、接地されていることを特徴とするものである。
また、本発明のマーチャントバランは、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、前記第4の伝送線路と接地との間に挿入された付加線路とを備え、前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子は、接地され、前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、前記付加線路は、前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子と接地との間に挿入されていることを特徴とするものである。
また、本発明のマーチャントバランの1構成例において、前記付加線路の長さは、前記正相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数と前記逆相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数とが同程度となるように、設定される。
また、本発明のマーチャントバランは、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、前記第2の伝送線路と接地との間に挿入された第1の付加線路と、前記第4の伝送線路と接地との間に挿入された第2の付加線路とを備え、前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、前記第1の付加線路は、前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子と接地との間に挿入され、前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、前記第2の付加線路は、前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子と接地との間に挿入され、前記第1、第2の付加線路の長さは、前記正相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数と前記逆相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数とが同程度となるように、設定されることを特徴とするものである
本発明によれば、マーチャントバランの通常接地される端子を、付加線路を介して接地することにより、中間線路の付加に伴うマーチャントバランの性能劣化を補償することができる。その結果、本発明では、良好な特性で動作する現実に即した形態のマーチャントバランを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図である。 図19の従来のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 図21の従来のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 図19の従来のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 図21の従来のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 図19の従来のマーチャントバランに付加線路を追加した場合の小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 図19の従来のマーチャントバランに付加線路を追加した場合の小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの比帯域を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの出力信号の振幅誤差を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの出力信号の位相誤差を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を示す図である。 従来のマーチャントバランの構成を示す図である。 1端子を接地した結合線路の動作原理を説明する図である。 中間線路を有するマーチャントバランの構成を示す図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図である。従来と同様に、単相信号が入力される端子をI/O1とし、180度位相差信号が出力される端子をI/O2,I/O3とする。マーチャントバランは、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路C1a,C1bからなる第1の結合線路C1と、使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路C2a,C2bからなる第2の結合線路C2とを備えている。
第1の伝送線路C1aの一方の端子1a1は、マーチャントバランの単相入力端子I/O1に接続されている。第1の伝送線路C1aの他方の端子1a2と第3の伝送線路C2aの一方の端子2a1との間には、中間線路M1が挿入されている。第3の伝送線路C2aの他方の端子2a2は、開放されている。第2の伝送線路C1bの2つの端子1b1,1b2のうち、単相入力端子I/O1に近い方の端子1b1は付加線路Lb1を介して接地されており、単相入力端子I/O1から遠い方の端子1b2は、正相側の差動出力端子I/O2に接続されている。第4の伝送線路C2bの2つの端子2b1,2b2のうち、端子2a1に近い方の端子2b1は逆相側の差動出力端子I/O3に接続され、差動出力端子I/O3から遠い方の端子2b2は接地されている。
なお、本発明において、線路の長さとは、信号伝送方向に沿った寸法のことを言う。例えば線路C1a,C1b,C2a,C2b,M1であれば、図1の左右方向の寸法が長さであり、線路Lb1であれば、図1の上下方向の寸法が長さである。
図21に示した従来のマーチャントバランでは、中間線路M1で生じる信号の位相回転により、差動出力端子I/O2,I/O3に現れる出力信号の振幅誤差と180度からの位相誤差とが生じ、比帯域も減少することが問題であった。
本実施の形態では、この問題を解決する方法を提供する。以下の説明では、簡単のために結合線路C1,C2は同じ物理的寸法を持つと仮定するが、原理的には結合線路C1,C2の物理的寸法が異なっていても同様の議論が成立する。また、本発明は、広帯域特性を得るために結合線路部分を多段構成にしたマーチャントバラン(文献「G.Y.Chen,J.S.Sun,“Stepped Coupled Lines for Bandwidth Enhanced Balun Design”,2005 International Symposium on Antenna and Propagation (2005 ISAP),Seoul,Korea,pp.825-828,Aug.2005」参照)にも適用できるものである。
また、入出力端子I/O1,I/O2,I/O3に接続されるインピーダンスは、必ずしも50Ωに限られなくともよい。マーチャントバランの入出力端子I/O1,I/O2,I/O3に接続される回路のインピーダンスに整合が取れるようにマーチャントバランの回路寸法を調整することは通常可能であり、そのような場合においても、本発明を適用することは可能である。
本実施の形態の動作原理を説明する。以下の議論では、図1において、基板厚300μm、特性インピーダンス120Ω、線路長425μmのマイクロストリップ線路を用いた4個のマーチャントバランにおいて説明を行うが、原理的にはコプレーナ線路等、どのような線路形態を用いても、同様の議論が成り立つ。
単相入力端子I/O1をポート1、差動出力端子I/O2をポート2、差動出力端子I/O3をポート3として小信号解析を行った場合の、ポート1からポート2へのSパラメータS21、ポート1からポート3へのSパラメータS31の絶対値の周波数特性に着目する。図19の従来のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を図2に示し、特性インピーダンス90Ω、線路長60μmの中間線路M1を有する図21の従来のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を図3に示す。また、図19の従来のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を図4に示し、特性インピーダンス90Ω、線路長60μmの中間線路M1を有する図21の従来のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を図5に示す。
図2より、元来、マーチャントバランでは、S21の絶対値の方がS31の絶対値よりも、高周波側のカットオフ周波数が低い傾向にあることが判る。中間線路M1を付加すると、図3を見れば判るように、S21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数をさらに下げる効果が働き、比帯域が狭くなる。また、従来のマーチャントバランでは、S21の絶対値がカットオフになる周波数よりも少し高い周波数である、105GHz付近で、180度位相差の関係も崩れることが図4より判るが、中間線路M1の付加に伴い、位相関係が崩れ始める周波数も100GHz程度まで低下することが図5より判る。
マーチャントバランは差動出力端子I/O2,I/O3に180度位相差で信号が出力されるときに50Ω整合が取れる回路であるから、位相差が180度からずれると、必然的に反射特性S11も悪化する。反射特性S11が悪化する理由は、中間線路M1での位相回転により、本来同位相であるべき端子1a2の信号位相と端子2a1の信号位相の関係が崩れることに起因する。
本実施の形態では、中間線路M1の位相回転による比帯域の減少効果を打ち消す作用をマーチャントバランに付加することで、マーチャントバランの特性を改善することを動作原理としている。具体的には、従来のマーチャントバランでは接地端子であった端子1b1を、付加線路Lb1を介して接地することで、信号位相に対する中間線路M1の影響を相殺する。付加線路Lb1の相殺動作を説明するに当たり、まず、中間線路M1が無い従来のマーチャントバランに付加線路Lb1を追加した場合に、どのような特性変化をもたらすかを述べ、その特性変化が中間線路M1の付加と逆特性の効果をマーチャントバランに与えることを示す。
図19の従来のマーチャントバランにおいて端子1b1を付加線路Lb1を介して接地した場合の小信号振幅周波数特性の計算結果を図6に示し、小信号位相周波数特性の計算結果を図7に示す。ここで、付加線路Lb1は、特性インピーダンスを61Ω、長さを40μmとする。図6を見れば判るように、図2に示した従来のマーチャントバランの特性よりもS21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数が高くなっていることが判る。このカットオフ周波数の上昇に伴い、マーチャントバランの高周波側での振幅ずれが解消され、マーチャントバランそのものが広帯域になっていることが判る。
また、従来のマーチャントバランにおけるS21,S31の位相関係をみると、S21の絶対値がカットオフになる周波数付近において、信号の位相回転が正常に行われなくなり、結果として差動出力端子I/O2,I/O3間の180度位相差の関係も崩れていることが図4より判る。
これに対して、付加線路Lb1を用いた場合には、図7に示すように、位相回転が正常に行われなくなる周波数が、より高周波側にシフトするので、差動出力端子I/O2,I/O3間の180度位相差の関係が、より広帯域で維持されることが判る。このように、付加線路Lb1の付加は、マーチャントバランの動作帯域内の高周波側での振幅ずれ、および位相の180度からのずれを補償し、マーチャントバランそのものを広帯域化する効果があることが判る。
前記のように、中間線路M1の付加は、S21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数を下げる働きを持つから、上記の付加線路Lb1の効果(S21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数を上げる働き)とは逆の働きをマーチャントバランに付与することが判る。したがって、マーチャントバランに中間線路M1がある場合でも、付加線路Lb1を用いれば、動作を補償することができる。中間線路M1の長さが60μm、付加線路Lb1の長さが40μmの場合の本実施の形態のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を図8に示し、本実施の形態のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を図9に示す。上記原理に基づき、本実施の形態では、マーチャントバランの差動出力端子I/O2,I/O3に現れる出力信号の振幅誤差と180度からの位相誤差とが改善されていることが判る。
次に、本実施の形態の効果を、比帯域、振幅誤差、位相誤差の観点から説明する。図10に、本実施の形態のマーチャントバランの比帯域を示す。横軸は中間線路M1の長さである。図10の100は付加線路Lb1の長さが0μmの場合の比帯域、101は付加線路Lb1の長さが40μmの場合の比帯域、102は付加線路Lb1の長さが60μmの場合の比帯域を示している。なお、付加線路Lb1の長さが0μmの場合は図21に示した従来のマーチャントバランと同じ構成となる。ここで、比帯域は、マーチャントバランの単相入力端子I/O1における反射成分S11が−10dB以下になる周波数範囲を、中心周波数で規格化したものとして定義した。
図10から判るように、付加線路Lb1の長さが0μmの従来のマーチャントバランでは、中間線路M1の長さが大きくなるにしたがって、比帯域が悪化することが判る。一方、本実施の形態では、中間線路M1の長さに応じて付加線路Lb1の長さを適切に選べば、比帯域の悪化を抑制することができ、広帯域を維持できることが判る。例えば、中間線路M1の長さが60μmの場合には、付加線路Lb1の長さを40μmにすれば、比帯域を改善することができる。
図11に、本実施の形態のマーチャントバランの出力信号の振幅誤差を示す。図11の110は付加線路Lb1の長さが0μmの場合の振幅誤差、111は付加線路Lb1の長さが40μmの場合の振幅誤差、102は付加線路Lb1の長さが60μmの場合の振幅誤差を示している。ここで、振幅誤差は、単相入力端子I/O1に信号を入力した場合に、差動出力端子I/O2から出力される信号の振幅と差動出力端子I/O3から出力される信号の振幅との比として定義した。振幅誤差を計算した帯域は、単相入力端子I/O1における反射成分S11が−10dB以下になる帯域内である。図11は、この帯域内での最大の振幅変化を示している。
図11から、比帯域の場合と同様に、中間線路M1の長さに応じて付加線路Lb1の長さを適切に選べば、出力信号の振幅誤差も低減できることが判る。上記同様に、中間線路M1の長さが60μmの場合には、付加線路Lb1の長さを40μmにすれば、出力信号の振幅誤差を低減することができる。
図12に、本実施の形態のマーチャントバランの出力信号の位相誤差を示す。図12の120は付加線路Lb1の長さが0μmの場合の位相誤差、121は付加線路Lb1の長さが40μmの場合の位相誤差、122は付加線路Lb1の長さが60μmの場合の位相誤差を示している。ここで、位相誤差は、単相入力端子I/O1に信号を入力した場合に、差動出力端子I/O2から出力される信号と差動出力端子I/O3から出力される信号との位相差の、180度からのずれ量として定義した。位相誤差を計算した帯域は、単相入力端子I/O1における反射成分S11が−10dB以下になる帯域内である。図12は、この帯域内において、差動出力端子I/O2,I/O3に現れる出力信号の位相差の180度からのずれ量の最大値を示している。
図12から、比帯域の場合と同様に、中間線路M1の長さに応じて付加線路Lb1の長さを適切に選べば、出力信号の位相誤差も低減できることが判る。上記同様に、中間線路M1の長さが60μmの場合には、付加線路Lb1の長さを40μmにすれば、出力信号の位相誤差を低減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、マーチャントバラン動作帯域の高周波側でのS21の絶対値の低下をピーキングすることで、帯域端での出力位相差を180度に保ち、マーチャントバランの比帯域を維持できることを説明した。第1の実施の形態で説明したとおり、動作帯域の高周波側でS21の絶対値とS31の絶対値を等しくすることがマーチャントバランの振幅誤差、位相誤差およびリターンロスの低減に有効である。すなわち、第1の実施の形態では、S21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数をS31の絶対値の高周波側のカットオフ周波数と同程度まで高めることを特徴としている。
一方、本実施の形態では、第1の実施の形態とは逆に、S31の絶対値の高周波側のカットオフ周波数をS21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数と同程度まで落として、マーチャントバランの特性を改善する例を示す。図13は、本実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、第2の伝送線路C1bの端子1b1を接地し、第4の伝送線路C2bの端子2b2を、付加線路Lb2を介して接地している。これにより、S31の絶対値の高周波側のカットオフ周波数を低くすることができる。
本実施の形態の効果も、第1の実施の形態と同様に、マーチャントバランの小信号特性解析を行うことで確認できる。中間線路M1の長さが60μm、付加線路Lb2の長さが100μmの場合の本実施の形態のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を図14に示し、本実施の形態のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を図15に示す。
図14によれば、図21の従来のマーチャントバランの振幅周波数特性(図3)と比較して、80GHzの振幅誤差が大幅に低減されていることが判る。振幅誤差が大幅に減った理由は、S31の絶対値の高周波側のカットオフ周波数をS21の絶対値の高周波側のカットオフ周波数と同程度まで低下させて、これらのカットオフ周波数の不一致を改善したからである。マーチャントバランの出力信号の位相誤差についても、図21の従来のマーチャントバランと比較して、改善されていることが図15より判る。
本実施の形態の場合、出力信号の振幅誤差、位相誤差を改善することができるが、比帯域については第1の実施の形態と比較して、やや少なくなる。その理由は、もともと高い値を有する、S31の絶対値のカットオフ周波数を、低い方のS21の絶対値のカットオフ周波数と同じレベルまで落として、これらのカットオフ周波数の誤差を少なくしたからである。しかし、本実施の形態は、中間線路M1で負の位相回転が起こる場合には有効である。すなわち、中間線路M1として左手系の線路を用いることがあれば、本実施の形態により、第1の実施の形態と同様の広帯域化を実現することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、上記第1、第2の実施の形態を組み合わせて使用する形態を説明する。図16は、本実施の形態に係るマーチャントバランの構成を示す図であり、図1、図13と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第2の伝送線路C1bの端子1b1を、付加線路Lb1を介して接地し、第2の実施の形態と同様に第4の伝送線路C2bの端子2b2を、付加線路Lb2を介して接地している。本実施の形態は、第1、第2の実施の形態よりも変数の自由度が増えるため、振幅誤差、位相誤差、および比帯域を第1、第2の実施の形態よりも大きく改善することが可能となる実用度が高い構成である。
本実施の形態は、第1の実施の形態および第2の実施の形態を併用できることに特徴がある。第1の実施の形態の特徴は、第2の伝送線路C1bの端子1b1に設けた付加線路Lb1により、S21の高周波側の振幅特性を改善することで、中間線路M1の影響を相殺することにあった。また、第2の実施の形態の特徴は、第4の伝送線路C2bの端子2b2に設けた付加線路Lb2により、S31の高周波側の振幅特性をS21と同程度まで劣化させて、中間線路M1の影響を相殺することにあった。
これに対して、本実施の形態は、上記のとおり第1、第2の実施の形態を併用する形態である。第1の実施の形態では、付加線路Lb1によってS21の特性をS31に近づけ、第2の実施の形態では、付加線路Lb2によってS31の特性をS21に近づけることにより、中間線路M1の影響を相殺しているが、これに伴い、反射特性S11の絶対値が最小になる周波数も、帯域の中心からずれることが判る。
例えば図8は第1の実施の形態のマーチャントバランの振幅周波数特性を示しているが、反射特性S11の絶対値が最小になる周波数は85GHzとなっている。また、図14は第2の実施の形態のマーチャントバランの振幅周波数特性を示しているが、反射特性S11の絶対値が最小になる周波数は50GHzとなっている。図2に示した従来のマーチャントバランの振幅周波数特性では、反射特性S11の絶対値が最小になる周波数が60GHzである。したがって、第1の実施の形態では、反射特性S11の絶対値が最小となる周波数が高域に移動し、第2の実施の形態では、反射特性S11の絶対値が最小となる周波数が低域に移動していることになる。すなわち、反射特性S11に着目すれば、第1、第2の実施の形態では、マーチャントバランの中心周波数が変化しているといえる。
一方、本実施の形態では、第1、第2の実施の形態の効果を重ね合わせることで、反射特性S11の絶対値が最小となる周波数を変化させずに、中間線路M1の影響を相殺することができる。中間線路M1の長さが60μm、付加線路Lb1の長さが60μm、付加線路Lb2の長さが20μmの場合の本実施の形態のマーチャントバランの小信号振幅周波数特性の計算結果を図17に示し、本実施の形態のマーチャントバランの小信号位相周波数特性の計算結果を図18に示す。
図17によれば、反射特性S11の絶対値が最小となる周波数は65GHzとなっており、中間線路M1および付加線路Lb1,Lb2を備えていない従来のマーチャントバランと、ほぼ同じS11の特性を持っていることが判る。また、本実施の形態では、第1、第2の実施の形態と比較して変数の自由度が増えるため、S21の絶対値とS31の絶対値の不一致を、より高精度に改善できていることも判る。マーチャントバランの出力信号の位相誤差についても、大幅に改善されていることが図18より判る。
本発明は、差動増幅器やバランス型ミキサを広帯域に動作させる場合に重要である。特に、高周波信号(RF(Radio Frequency)信号)と中間周波信号(IF(Intermediate Frequency)信号)の周波数差を十分大きくしてバランス型ミキサを使用する場合には、大きな比帯域で動作するマーチャントバランが必要となる。なぜなら、局発信号(LO(Local Oscillator)信号)の周波数を固定した場合には、RF信号の帯域幅とIF信号の帯域幅は変化しないが、RF信号のIF信号の中心周波数が大きく変化するため、IF信号のカバーする比帯域が非常に大きくなってしまうからである。
このような比帯域の広いIF信号帯をカバーするような180度位相差分配器としては、マーチャントバランが有効であり、本発明を応用することができる。LO信号をRF信号と同じ帯域幅だけ掃引すれば、IF信号の周波数を固定することができるため、IF信号のカバーする比帯域が非常に大きくなってしまうという問題は回避できる。しかしながら、100GHz以上の周波数帯においては、十分大きな信号強度を持ち、かつ位相誤差が少なく、掃引可能なLO信号源は実現が非常に難しいという問題が有る。したがって、本発明は、特に100GHz以上のRF信号を扱うバランスミキサにおいて、IF信号用の180度位相差合波器として有力である。
また、上記のような高周波における高性能な掃引可能LO信号源が発明された場合においても、LO信号の周波数はRF信号の周波数より通常低く、その比帯域はRF信号よりも広くなるため、LO信号をバランスさせてバランスミキサを構成する場合には、広帯域動作する180度位相差分波器が重要となる。また、一般に、測定器、スペクトル分析器には広帯域動作が求められる。特に、100GHz以上の信号を測定する場合、測定は導波管ベースで行われるが、スペクトラムアナライザは、ある導波管の帯域をすべてカバーすることが望まれる。
したがって、測定器のフロントエンドを構成するダウンコンバージョンミキサにおいて、RF信号をバランス構成にする場合、RF信号に対する広帯域な180度位相差分配器も重要となる。たとえば、F帯(90GHz−140GHz)全域をカバーする場合、比帯域43%で動作する180度位相差分配器が必要となり、ここでも本発明を利用することができる。特に、このような高い周波数帯においては、伝送線路内波長が数百μm程度まで短くなるため、中間線路が短くとも、発生する位相回転は無視しえなくなってくる。このような場合において、本実施の形態は非常に有効である。
本発明は、高周波電気信号を扱う回路技術に適用することができる。
I/O1…単相入力端子、I/O2,I/O3…差動出力端子、C1,C2…結合線路、C1a,C1b,C2a,C2b…伝送線路、1a1,1a2,1b1,1b2,2a1,2a2,2b1,2b2…端子、M1…中間線路、Lb1,Lb2…付加線路。

Claims (4)

  1. 使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、
    使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、
    前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、
    前記第2の伝送線路と接地との間に挿入された付加線路とを備え、
    前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、
    前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、
    前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、
    前記付加線路は、前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子と接地との間に挿入され、
    前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、
    前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、
    前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子は、接地されていることを特徴とするマーチャントバラン。
  2. 使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、
    使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、
    前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、
    前記第4の伝送線路と接地との間に挿入された付加線路とを備え、
    前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、
    前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、
    前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、
    前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子は、接地され、
    前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、
    前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、
    前記付加線路は、前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子と接地との間に挿入されていることを特徴とするマーチャントバラン。
  3. 使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第1、第2の伝送線路からなる第1の結合線路と、
    使用周波数の1/4波長の長さの互いに平行に配置された第3、第4の伝送線路からなる第2の結合線路と、
    前記第1の伝送線路と前記第3の伝送線路との間に挿入された中間線路と、
    前記第2の伝送線路と接地との間に挿入された第1の付加線路と、
    前記第4の伝送線路と接地との間に挿入された第2の付加線路とを備え、
    前記第1の伝送線路の一端の第1の端子は、マーチャントバランの単相入力端子に接続され、
    前記中間線路は、前記第1の伝送線路の他端の第2の端子と前記第3の伝送線路の一端の第1の端子との間に挿入され、
    前記第3の伝送線路の他端の第2の端子は、開放され、
    前記第1の付加線路は、前記単相入力端子に近い方にある前記第2の伝送線路の第1の端子と接地との間に挿入され、
    前記単相入力端子から遠い方にある前記第2の伝送線路の第2の端子は、マーチャントバランの正相側の差動出力端子に接続され、
    前記第3の伝送線路の第1の端子に近い方にある前記第4の伝送線路の第1の端子は、マーチャントバランの逆相側の差動出力端子に接続され、
    前記第2の付加線路は、前記第3の伝送線路の第1の端子から遠い方にある前記第4の伝送線路の第2の端子と接地との間に挿入され
    前記第1、第2の付加線路の長さは、前記正相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数と前記逆相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数とが同程度となるように、設定されることを特徴とするマーチャントバラン。
  4. 請求項1または2記載のマーチャントバランにおいて、
    前記付加線路の長さは、前記正相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数と前記逆相側の差動出力端子から前記単相入力端子へのSパラメータの絶対値の高周波側のカットオフ周波数とが同程度となるように、設定されることを特徴とするマーチャントバラン。
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