JP5991769B1 - 爪先用シューズインナー - Google Patents
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Abstract
【課題】靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内側部分(爪先に当接する部分)を清潔に保つための爪先用シューズインナーを提供すること。【解決手段】スニーカーや革靴等の先端部内側を清潔に保つために、スニーカーや革靴等の爪先に当接する部分に設置する爪先用シューズインナー10であって、爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料(発泡プラスチック素材)からなり、少なくとも爪先全体を連続的に覆うことができる爪先被覆部を備えた爪先用シューズインナー10とした。【選択図】図3
Description
本発明は、スニーカーや皮靴の中に設置する爪先用シューズインナーに関する。さらに言えば、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)を清潔に保つための爪先用シューズインナーに関する。
靴の中は、湿度・温度・そして雑菌が繁殖するための栄養分が揃っているため、雑菌等の宝庫とも言われている。爪先部分は人体において最も汗を掻きやすい部位であり、夏場は勿論、冬場であってもブーツ等の密閉度の高い靴内部は高温多湿になっていること(雑菌は温度30℃、湿度70%以上で特に繁殖力が増大する)、そして、雑菌が繁殖するための栄養分(垢や角質等)も豊富にあるというわけである。このように雑菌の繁殖条件が整っている靴の中は、雑菌の養殖場と言ってもおかしくない環境にあるとも言える。
ところで、一般的な靴は構造上、爪先に当接する部分は、足から出た垢や角質等が集まりやすい場所であると言えるし、汗を掻きやすい箇所でもある。要するに、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所は、爪先に当接する部分であると言える。足の他の部分(土踏まず、踵等)に比べると、爪先に当接する部分は、何千倍も雑菌が繁殖しやすい場所であるとも言われている。靴下を履いたとしても、靴下自体が足の汗を吸収し、垢や角質等も繊維の中に入り込み、靴同様に雑菌が繁殖しやすい環境になってしまうし、繊維の中に入り込んだ垢や角質等の一部は、繁殖した雑菌を含みながら靴下を通過して靴の中の爪先に当接する部分付近に溜ってしまうことになる。
靴の中に雑菌を繁殖させないためには、一度履いた靴は綺麗に掃除をして、しかも、溜まった湿気を取り除き、さらに、除菌をする必要がある。ところが、靴の中の爪先に当接する部分は、靴の最も奥にあり、爪先に当接する部分を清潔に保つための掃除は、靴の構造上、先端部に向かうにつれて場所的に狭くなっており困難であるという欠点があった。要するに、靴の中の先端部分(爪先に当接する部分)まで掃除することは困難であり、特に、革靴のように水洗いできない場合は雑菌の繁殖を完全に防ぐことができなかった。
上記技術に関連する文献として、「従来、足の裏や足の指は、靴等により通風性の悪い状態に長時間あるため細菌が繁殖しやすく、水虫やヘルペスなどの皮膚疾患に罹る人も多いにも関わらず、不特定多数がスリッパを履く公共の場所や病院は病院での院内感染の危険性がありながら放置しスリッパの使い回しをしている状態が多くみられたため、不衛生で印象も悪かった(特許文献1:課題)。」という課題を解決するために、「本発明は、スリッパの内側にすっぽりと入るスリッパ型の使い捨て中敷きシートを使用する事により、足のどの部分もスリッパに直接触れる事がなく、紙製で使い捨てのため取り替える事により、使い捨てなので常にスリッパ内を清潔な状態に保てる様にした(特許文献1:解決手段)。」が開示されていた。
特許文献1に係る「スリッパの内側にいれる使い捨て中敷きシート(特許文献1:発明の名称)」は、不特定多数がスリッパを履く公共の場所や病院は病院での院内感染の危険性がありながら放置しスリッパの使い回しをしている状態が多くみられたため、スリッパの内側にすっぽりと入るスリッパ型の使い捨て中敷きシートを使用する事により、足のどの部分もスリッパに直接触れる事がないようにすることで、水虫やヘルペス等の足における皮膚疾患の感染を大幅に削減する(特許文献1:段落0004参照)ことを目的とした発明である。要するに、既にスリッパの内側に雑菌が繁殖していることを前提としており、本発明のように靴の中に雑菌を繁殖させないという課題は全く考慮されていないものである。出願人らは、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)を清潔に保つためにはどうすべきか鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
本発明の目的は、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)を清潔に保つための爪先用シューズインナーを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、スニーカーや革靴の先端部内側を清潔に保つために、スニーカーや革靴の爪先に当接する部分に設置する爪先用シューズインナーであって、爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料からなり、爪先の上面部と下面部を連続的に覆っている一方、側面部は開放されており、足指と足指の隙間に貫入できるように、少なくとも1つの指先セパレート部を備えており、前記側面部において、前記セパレート部の高さよりも広く開放されている部分を有する爪先被覆部を備えることを特徴とする爪先用シューズインナーであることを特徴とするものである。
本願請求項1に係る発明によれば、スニーカーや革靴等の爪先に当接する部分である爪先の上面部と下面部を連続的に覆った爪先被覆部を備えている。このため、足の指先の汚れ、足から出る角質等が、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)に到達することが無い。即ち、一般的な靴において、最も足から出た垢や角質等が集まりやすく、それゆえ雑菌が発生しやすい場所に、垢や角質が集まらないようになっている。しかも、爪先被覆部は、爪先の上面部と下面部を連続的に覆っているものの、側面部は解放されているので爪先が完全に密閉された状態になることは無い。即ち、靴の中の湿度の上昇を抑えることができる。そして、本発明に係る爪先用シューズインナーは、爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料で形成されている。そのため靴の中で足先にピッタリとフィットするので、靴を履いて歩く際も歩き難いことは無い。
本発明によれば、爪先被覆部は、足指と足指の隙間に貫入できるように少なくとも1つの指先セパレート部(最大で4つ)を備えている。指先セパレート部があることにより、汗や湿気が溜まりやすい箇所である、足指と足指の間が分離されることにより汗を掻き難くなっている。指先セパレート部は、主に5本指ソックスを履いた状態、及び素足で靴を履くような場面で雑菌を発生させず、その結果、臭いを発生させないという効果がある。即ち、それぞれの足指を分離させることで、指と指が隣り合う部分の汗が出にくく、結果的に雑菌等を発生させることが無くなった。
本発明によれば、爪先被覆部は、爪先に溜った垢や角質等は通過させないが、汗等の湿気は通過できるので、足の指先の汚れ、足から出る角質等が、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)に到達することが無いのみではなく、汗は通過して蒸発させることができる。例えば、不織布のように繊維の隙間から湿気を通過させるが、足から出る角質等は、通過できないようになっているので、雑菌が発生しやすい場所に、垢や角質が集まらないようになっている一方で、汗が籠らない様になっている。
<爪先用シューズインナーの構造>
以下、本発明に係る爪先用シューズインナー10の一実施形態について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る爪先用シューズインナーの内側から見た全体図である。図1(a)は、指先セパレート部30を備えていない爪先用シューズインナー10、図1(b)は、指先セパレート部30を備えた爪先用シューズインナー10である。
以下、本発明に係る爪先用シューズインナー10の一実施形態について、図1〜図3に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る爪先用シューズインナーの内側から見た全体図である。図1(a)は、指先セパレート部30を備えていない爪先用シューズインナー10、図1(b)は、指先セパレート部30を備えた爪先用シューズインナー10である。
本発明に係る爪先用シューズインナー10は、図1(a)に記載したように、爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料を素材とし、爪先の上面部と下面部を連続的に覆っている一方、側面部は解放されている爪先被覆部20を備えている。
また、本発明に係る爪先用シューズインナー10は、図1(b)に記載したように、爪先被覆部は、足指と足指の隙間に貫入できるように指先セパレート部30を備えている。図1(b)では、5本の足指の全ての隙間に対応できるように4つの指先セパレート部30を備えている。
図2は、爪先用シューズインナー10の側面図である。図2(a)は、指先セパレート部30を備えていない爪先用シューズインナー10、図2(b)は、指先セパレート部30を備えた爪先用シューズインナー10である。図2から解るように、爪先被覆部20は、爪先に溜った垢や角質等は通過させない(要するに、靴の先端内側に溜らない)構造になっている。一方、爪先被覆部20は、汗等の湿気は通過する素材から構成されている。
かかる機能を有する素材として具体的には、本発明に係る爪先用シューズインナー10は、発泡プラスチック素材を使用している。発砲プラスチックは、その製法、原料と添加剤の配合比の違い等により、気泡が独立して個々に内在する独立気泡型と、気泡同士がお互いに繋がっている連続気泡型に分けられる。本発明においては、靴の中の湿気を除去するという観点から連続気泡型であることが好ましい。
本発明に使用することができる発泡プラスチックの主な原料合成樹脂としては、ポリウレタン (PUR)、ポリスチレン (PS)、ポリオレフィン(主にポリエチレン (PE)やポリプロピレン (PP))であり、これらは「三大発泡プラスチック」と呼ばれる。この他にも、フェノール樹脂 (PF)、ポリ塩化ビニル (PVC)、ユリア樹脂 (UF)、シリコーン (SI)、ポリイミド (PI)、メラミン樹脂 (MF)等を使用することができる。
<爪先用シューズインナーの使用方法>
図3は、本発明に係る爪先用シューズインナー10の使用方法を説明するための全体図である。図2に記載したように、まず、爪先被覆部20を靴の中の先端内側部分(爪先に当接する部分)に設置し、それから足を靴の中に入れる。五本指靴下を履いた場合、或いは、裸足の場合は、爪先被覆部20を靴の中の先端内側部分(爪先に当接する部分)に設置し、指先セパレート部30(最大で4箇所)にそれぞれの足指を入れながら足を靴の中に入れる。
図3は、本発明に係る爪先用シューズインナー10の使用方法を説明するための全体図である。図2に記載したように、まず、爪先被覆部20を靴の中の先端内側部分(爪先に当接する部分)に設置し、それから足を靴の中に入れる。五本指靴下を履いた場合、或いは、裸足の場合は、爪先被覆部20を靴の中の先端内側部分(爪先に当接する部分)に設置し、指先セパレート部30(最大で4箇所)にそれぞれの足指を入れながら足を靴の中に入れる。
<爪先用シューズインナーによる効果>
本発明の基本的な考え方は、雑菌を繁殖させるには、「温度」「湿度」「栄養(垢や角質等)」の条件が必要であり、この中で、雑菌の繁殖する条件の一つである栄養(垢や角質等)を取り除けば、かなり雑菌の繁殖を抑えることができる、即ち悪臭の発生を抑えることできるということを基本の考え方としている。
本発明の基本的な考え方は、雑菌を繁殖させるには、「温度」「湿度」「栄養(垢や角質等)」の条件が必要であり、この中で、雑菌の繁殖する条件の一つである栄養(垢や角質等)を取り除けば、かなり雑菌の繁殖を抑えることができる、即ち悪臭の発生を抑えることできるということを基本の考え方としている。
本発明に係る爪先用シューズインナー10は、スニーカーや革靴等の爪先に当接する部分である爪先の上面部と下面部を連続的に覆っており、側面部は解放されている爪先被覆部20を備えている。このため、足の指先の汚れ、足から出る角質等が、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)に到達することが無い。即ち、一般的な靴において、最も足から出た垢や角質等が集まりやすく、雑菌が発生しやすい場所に、垢や角質が溜らないようすることで、雑菌を繁殖させる条件の一つである栄養(垢や角質等)を取り除いている。
そして、爪先被覆部20は、爪先の上面部と下面部を連続的に覆っているものの、側面部は解放されているので完全な密閉された状態になることは無い。即ち、靴の中の湿度の上昇を抑えることができる。しかも、本発明に係る爪先用シューズインナー10は、爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料を素材としている。そのため靴の中で足先にピッタリとフィットするので歩き難いことは無い。
さらに、爪先被覆部20は、足指と足指の隙間に貫入できるように少なくとも1つの指先セパレート部30(最大で4つ)を備えることもできる。指先セパレート部30があることにより、汗や湿気が溜まりやすい箇所である、足指と足指の間が分離されることにより汗を掻き難くなっている。指先セパレート部30は、主に5本指ソックスを履いた状態、及び素足で靴を履くような場面で雑菌を発生させず、臭いを発生させないという効果がある。即ち、それぞれの足指を分離させることで、指と指が隣り合う部分の汗が出にくく、結果的に雑菌等を発生させることが無くなった。
爪先被覆部20に使用する素材は、爪先に溜った垢や角質等は通過させないが、汗等の湿気は通過できる素材を使用しているので、足の指先の汚れ、足から出る角質等が、靴の中で最も雑菌が繁殖しやすい場所である先端内部(爪先に当接する部分)に到達することが無い一方、汗は通過して最終的に蒸発させることができる。
<爪先用シューズインナーの変更例>
本発明に係る爪先用シューズインナー10は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、爪先被覆部20、指先セパレート部30等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、爪先用シューズインナー10の素材として、繊維の隙間から空気は通過させることができるが、垢や角質はシャットアウトできる不織布を使用しても良い。
本発明に係る爪先用シューズインナー10は、上記した各実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、爪先被覆部20、指先セパレート部30等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、必要に応じて適宜変更することができる。例えば、爪先用シューズインナー10の素材として、繊維の隙間から空気は通過させることができるが、垢や角質はシャットアウトできる不織布を使用しても良い。
本発明に係る爪先用シューズインナーは、上記の如く優れた効果を奏するものであるので、靴用中敷き等の分野で好適に用いることができる。
10・・爪先用シューズインナー
20・・爪先被覆部
30・・指先セパレート部
20・・爪先被覆部
30・・指先セパレート部
Claims (1)
- スニーカーや革靴の先端部内側を清潔に保つために、スニーカーや革靴の爪先に当接する部分に設置する爪先用シューズインナーであって、
爪先の形状に合わせて変形することができる可撓性材料からなり、
爪先の上面部と下面部を連続的に覆っている一方、側面部は開放されており、
足指と足指の隙間に貫入できるように、少なくとも1つの指先セパレート部を備えており、前記側面部において、前記セパレート部の高さよりも広く開放されている部分を有する爪先被覆部を備えることを特徴とする爪先用シューズインナー。
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