JP5991126B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機に代表される遊技機に関するものである。
従来より、従来、主制御手段から副制御手段に対して制御信号を送信して制御を実行させることで、制御負荷を分散させることが可能な遊技機が提案されている。
特開2010−279559号公報
この種のパチンコ機において、特定の制御手段に制御が集中してしまうという不具合があった。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、制御負荷を軽減することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号を受信可能に構成された第1副制御手段および第2副制御手段と、を有し、前記主制御手段は、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段どちらか一方に前記制御信号を出力するように切り替える切替手段を有し、前記第1副制御手段および前記第2副制御手段それぞれが前記制御信号を受信した場合に共通の制御処理を実行する共通制御実行手段を有し、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段とのいずれか一方が有する前記共通制御実行手段により実行された前記共通の制御処理の内容を、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のいずれか他方へと出力可能に構成されているものである。
請求項2記載の遊技機は、請求項1載の遊技機において、前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段少なくとも一方の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、前記制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記制御量判別手段により前記許容制御量以上の制御量であると判別されていない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替えるものである
請求項3記載の遊技機は、請求項1または2記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記遊技の状態を判別可能な遊技状態判別手段を有し、前記遊技状態判別手段による判別の結果が所定の判別結果であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記所定の判別結果が示す前記遊技の状態において制御量が少ない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替えるものである。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記切替手段は、所定の周期に基づいて前記制御信号の出力先を切替可能なものである。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記第1副制御手段および前記第2副制御手段は、前記共通制御実行手段とは別に専用の制御処理を実行する専用制御実行手段を有しており、前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段に出力する制御信号として、前記共通制御実行手段により制御処理が実行可能な第1制御信号と、前記専用制御実行手段により制御処理が実行可能な第2制御信号とを有するものである。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技の制御を実行する主制御手段と、その主制御手段からの制御信号を受信可能に構成された第1副制御手段および第2副制御手段と、を有し、前記主制御手段は、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のどちらか一方に前記制御信号を出力するように切り替える切替手段を有し、前記第1副制御手段および前記第2副制御手段は、それぞれが前記制御信号を受信した場合に共通の制御処理を実行する共通制御実行手段を有し、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段とのいずれか一方が有する前記共通制御実行手段により実行された前記共通の制御処理の内容を、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のいずれか他方へと出力可能に構成されている。これにより、第1副制御手段と第2副制御手段とを切り替えながら制御を実行することができる。よって、一方に制御が集中してしまう不具合を抑制することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段の少なくとも一方の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、前記制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記制御量判別手段により前記許容制御量以上の制御量であると判別されていない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替える。これにより、制御量によって制御を実行させる副制御手段を切り替えることができる。よって、一方に制御が集中してしまう不具合を抑制することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1または2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記主制御手段は、前記遊技の状態を判別可能な遊技状態判別手段を有し、前記遊技状態判別手段による判別の結果が所定の判別結果であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記所定の判別結果が示す前記遊技の状態において制御量が少ない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替える。これにより、遊技状態に応じて出力先を切り替えることができる。よって、一方に制御が集中してしまう不具合を抑制することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記切替手段は、所定の周期に基づいて前記制御信号の出力先を切替可能なものである。これにより、所定の周期で出力先を切り替えることができる。よって、一方に制御が集中してしまう不具合を抑制することができ、制御負荷を軽減することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記第1副制御手段および前記第2副制御手段は、前記共通制御実行手段とは別に専用の制御処理を実行する専用制御実行手段を有しており、前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段に出力する制御信号として、前記共通制御実行手段により制御処理が実行可能な第1制御信号と、前記専用制御実行手段により制御処理が実行可能な第2制御信号とを有する。これにより、共通制御実行手段の制御負荷を軽減することができるという効果がある。
第1の実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 (a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図あり、(b)は、実際の表示画面を例示した図である。 (a)〜(b)は、駆動役物が動作して、第3図柄表示装置の表示態様と関連した演出が実行される駆動演出を模式的に示した模式図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 各種カウンタの概要を示す図である。 (a)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(b)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置の音源LSIの詳細を示したブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置のROMに設けられた変動パターンテーブルの内容の一例を模式的に示した模式図である。 音声ランプ制御装置のROMに設けられたサブ変動パターンテーブルの内容の一例を模式的に示した模式図である。 主制御装置内のMPUにより実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される特別図柄変動開始処理を示したフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される普通図柄変動処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるスルーゲート通過処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。 主制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される音データ判定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される変動表示設定処理を示したフローチャートである。 音声ランプ制御装置内のMPUにより実行される音声制御処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 (a)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド割込処理を示したフローチャートであり、(b)は、表示制御装置内のMPUにより実行されるV割込処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるエラーコマンド処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される表示設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される音声コマンド設定処理を示したフローチャートである。 表示制御装置内のMPUにより実行される描画処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における、表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第2実施形態における、主制御装置内のMPUにより実行される始動入賞処理2を示すフローチャートである。 第2実施形態における、主制御装置内のMPUにより実行される先読処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における、音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される音データ判定処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される変動パターンコマンド処理2を示したフローチャートである。 第2実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される一発告知抽選処理を示したフローチャートである。 第2実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行されるポインタ更新処理2を示したフローチャートである。 第3実施形態における、表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第3実施形態における、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における、音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される音データ判定処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理3を示したフローチャートである。 第3実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される補正処理を示したフローチャートである。 第4実施形態における、パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第4実施形態における、表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 第4実施形態における、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるメイン処理を示したフローチャートである。 第4実施形態における、音声ランプ制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理4を示したフローチャートである。 第4実施形態における、音声ランプ制御処置内のMPUにより実行される音データ判定処理4を示したフローチャートである。 第4実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される表示タイマ割込処理を示したフローチャートである。 第4実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される表示コマンド判定処理を示したフローチャートである。 第4実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行される表示V割込処理を示したフローチャートである。 第4実施形態における、表示制御装置内のMPUにより実行されるコマンド判定処理4を示したフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1の実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図6参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
一方、第3図柄表示装置81には、ノーマルリーチ演出が開始された場合に、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展させるときは、ノーマルリーチ中にスーパーリーチの演出態様の選択画面が表示されるように構成されており、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に操作されると、スーパーリーチ時の演出内容が変更される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64へ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が第2入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が5回(5ラウンド)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりC」の3種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、これらの大当たり種別に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。
また、特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、11秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球すると、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。尚、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると開閉される特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられている。よって、特別遊技状態中は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64にも球が多く入球する。従って、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
一方、第2入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物が開放され、第1入球口64へ球が入球し易い状態になる。つまり、普通図柄の当たりになると、球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が第2入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、第2入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」、「大当たりB」の2種類が設けられている。
「大当たりA」、「大当たりB」になるといずれも、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16R大当たり)となる、その後、「大当たりA」では、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後から特別図柄の抽選が次に大当たりとなるまでの間はパチンコ機10が特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。「大当たりB」は、大当たり終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は普通図柄の当たり確率がアップする。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる特別図柄の確率状態(特別図柄の確変中)をいい、換言すれば、特別遊技状態(16R大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の時短中)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄が大当たりとなるまでの間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間、即ち、大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまでの間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に関わらず大当たり時のラウンド数と、特別図柄の確変期間とを共通とし、その大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えている。これに対して、大当たりの種別に応じてラウンド数を変えても良いし、大当たりの種別の一部のみラウンド数を変えても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)を開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり終了後に、「特別図柄の高確率状態」および「普通図柄の時短状態」となるが、「特別図柄の高確率状態」が終了した後に、「普通図柄の時短状態」となるように構成しても良い。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。
尚、「特別図柄の高確率状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりAになると、「特別図柄の高確率状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から特別図柄が大当たりとなるまで継続される。
また、特別図柄の大当たりになって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その特別図柄の大当たり終了後から特別図柄の抽選が所定回数(100回)終了するまで継続される。一方、特別図柄の大当たりになった後、所定回数分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。
そして、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな特別図柄の大当たり終了後から、その新たな大当たり種別に対応する回数分の特別図柄の抽選が終了するまで継続される。例えば、「大当たりA」になって「普通図柄の時短状態」に移行した後、10回目の特別図柄の抽選で「大当たりB」になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回行われるまで継続される。即ち、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに特別図柄の大当たりになると、その度に、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が更新される。
その結果、本実施形態では、「普通図柄の時短状態」の継続期間中に新たに特別図柄の大当たりになると、新たな大当たりになるまでに残っていた普通図柄の時短期間が無効となる。例えば、「特別図柄の大当たりB」になって、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行すると、その状態は、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続されることになる。しかし、その後直ぐに、「特別図柄の大当たりB」になると、それまでの普通図柄の時短期間が無効になり、「普通図柄の通常状態」は、その「大当たりB」終了後から特別図柄の抽選が100回終了するまで継続されることになる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図6参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が「大当たりA」であれば、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、「大当たりB」であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示すものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が第2入球口67を通過する毎に、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第1入球口64に球が入り易い状態となるように構成されている。球が第2入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67における球の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(5ラウンドの大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、5回(5ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図6参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図6参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<主制御装置110の電気的構成>
次に、図6を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図6は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。
<主制御装置110に各種抽選を行うための電気的構成>
ここで、図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図21参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄大当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この特別図柄大当たり乱数テーブルは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。尚、特別図柄の高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)と、特別図柄の低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。
ここで、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、特別図柄保留球格納エリア203aに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は3個あり、その乱数値である「7,107,282」は、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が3なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は30個あり、その値である「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」は、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が30なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
尚、本実施形態では、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている大当たりとなる乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たりとなる乱数値を設定している。ここで、大当たりとなる乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その乱数値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなるおそれがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態か、特別図柄の低確率状態かに応じて)、大当たりとなる乱数値を変えることで、特別図柄の大当たりとなる乱数値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図8(a)に示すように、この第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜59」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」となる。また、値が「60〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、2種類の当たり種別(大当たりA、大当たりB)が決定されるように構成されている。尚、第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、特別図柄の大当たり種別を決定するための乱数値は、特別図柄大当たり種別テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)の2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。停止種別選択カウンタC3は、リーチ外れ時に停止する図柄(前後外れか否か)を決定するためのカウンタである。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図21参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブルには、例えば、外れ用の変動パターンとして、「外れ」、「ノーマルリーチ外れ」各種、「スーパーリーチ外れ」各種、「スペシャルリーチ外れ」各種が規定され、大当たりA用の変動パターンとして、「確変大当たりノーマルリーチ」各種、「確変大当たりスーパーリーチ」各種、「確変大当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりB用の変動パターンとして、「通常大当たりノーマルリーチ」各種、「通常大当たりスーパーリーチ」各種、「通常大当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。そして、変動パターンテーブルに規定された各種変動パターンから、予測された抽選結果や、予測された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に応じて変動パターンが選定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される普通図柄当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、普通図柄当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この普通図柄当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図8(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その範囲は「5〜28」となっている。これら乱数値は、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が第2入球口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。尚、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら第1入球口64が「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×3回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図21参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図6に戻り、説明を続ける。RAM203は、図7に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図21参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図20参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図19参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図6に示すように、特別図柄保留球格納エリア203aと、普通図柄保留球格納エリア203bと、特別図柄保留球数カウンタ203cと、普通図柄保留球数カウンタ203dと、時短中カウンタ203eとを有している。
特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
普通図柄保留球格納エリア203bは、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの第2入球口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄保留球格納エリア203aの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄保留球数カウンタ203cは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄保留球数カウンタ203cは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図16のS404参照)。一方、特別図柄保留球数カウンタ203cは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図14のS205参照)。
この特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図14のS206、図20のS405参照)。保留球数コマンドは、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄保留球数カウンタ203cの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
普通図柄保留球数カウンタ203dは、第2入球口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、球が第2入球口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図14のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図13のS605参照)。
球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203bに記憶される(図14のS705)。一方、球が左右何れかの第2入球口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203dの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203bには新たに何も記憶されない(図14のS703:No)。
MPU201によって特別図柄変動開始処理(図15参照)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理では、遊技状態が高確率状態であるか判別され、高確率遊技状態であれば、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、低確率遊技状態であれば、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、特別図柄の抽選が行われる(図15のS303,S304参照)。
時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、特別図柄の大当たりと判定される度に、その大当たり種別に応じた値が設定される。即ち、特別図柄の大当たりになった場合には、時短中カウンタ203eの値が幾つであるかに関わらず、大当たり種別に応じた値が新たに設定される。
具体的には、大当たりB」であると判定されると100に設定される(図14のS214参照)。その後、時短中カウンタ203eの値が0になるまで、特別図柄の変動演出が終了する毎に1が減算される(図14のS217)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203eの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図13のS610,S611参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
<音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置であるスピーカ226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、スピーカ226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、スピーカ226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
音声ランプ制御装置113のROM222には、サブ変動パターンテーブル222aが格納されている。
音声ランプ制御装置113のRAM223には、特別図柄保留球数カウンタ223aと、変動開始フラグ223bと、停止種別選択フラグ223cと、変動パターン記憶エリア223dとが少なくとも設けられている。
特別図柄保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている主制御装置110のRAM203の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する(図30のS1408参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223aに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223bは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図24のS1402参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図21のS1602参照)。変動開始フラグ223bがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図23参照)のコマンド出力処理(S1302)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223cは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図24のS1406参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図21のS1606参照)。停止種別選択フラグ223cがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別をそのまま設定される。
変動パターン記憶エリア223dは、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づいた変動パターンの種別の情報が記憶される。ここで、記憶される情報は、変動パターンテーブル202aで設定されている変動態様に対応した情報が記憶される。この変動パターン記憶エリア223cは、新たに主制御装置110より変動パターンコマンドを受信すると、記憶エリアに上書きして記憶される記憶エリアであり、変動表示中(動的表示中)の変動パターンの情報が記憶されるように構成されている。
変動パターン記憶エリア223dは、主制御装置110から出力される変動パターン(動的表示態様)の種別が記憶されるエリアである。この変動パターン記憶エリア223dは、主制御装置110より新たな変動パターンコマンドを受信する毎に、その受信した変動パターンコマンドに基づく変動パターンの種別が記憶される。なお、この変動パターンの種別は、図12に示すように、当否判定結果、変動態様がそれぞれ判別できるように構成されている。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶したり、その他のデータを記憶するその他記憶エリア223zを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図24参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
<駆動役物800の電気的構成について>
次に、音声ランプ制御装置113により駆動制御される駆動役物800について、図5を参照して説明する。図5に示すように、駆動役物800は、大砲を模した形状で構成されており、第3図柄表示装置81の前面側の表示領域と重なった駆動位置と、第3図柄表示装置81の正面右側に起立した状態で表示領域と重ならない位置である原点位置との間を駆動可能に構成されている。
この駆動役物800は、第3図柄表示装置81の正面右側の下方において、下部を軸支されて取り付けられており、背面側には、図示しないステッピングモータである駆動モータ244により回動可能に構成されている。また、駆動位置と原点位置とに駆動したことをそれぞれ検出する光学センサで構成された駆動センサ245が設けられている。この駆動モータ244は、音声ランプ制御装置113のMPU221からの駆動信号(コマンド)により所定のステップ数、速度で駆動するように構成されている。また、駆動役物800の位置を駆動センサ245により音声ランプ制御装置113のMPU221は認識可能に構成されている。
なお、この駆動役物800は、図11に示すように、変動パターンの種別により駆動されるか否かが設定されている。具体的に一例をあげると、確変大当たりスーパーリーチの変動パターンが選択されると、その変動パターンに設定されたタイミングにより所定の動作(本実施形態では、所定のタイミングで、駆動役物800が駆動位置まで回動して、その位置で所定期間(本実施形態では4s)停止した後、原点位置まで回動する動作)が実行される。なお、この駆動役物800が回動されているのに合わせて、効果音として、スピーカ226より図5(a)に示すような「ドッドッドッ」という音が出力される。なお、詳細は後述するが、この駆動役物800の効果音は、音声ランプ制御装置113のMPU221が音声出力のコマンドを直接、音源LSI240に対して実行する。
これにより、遊技者は、駆動役物800が動作するのに合わせたタイミングで、臨場感を感じ取れる音声がスピーカ226より出力されるので、駆動役物800の動作を見落とすことがなく、演出を見損なう不具合を防止できる。また、動作に合わせてタイミング良く効果音が出力されることで、駆動役物800の演出に対し迫力を遊技者に感じさせることができる。また、駆動役物800の効果音を出力する制御を音声ランプ制御装置113のMPU221が直接行うので、駆動役物800の駆動タイミングと効果音の出力タイミングをより正確に合わせることができる。
<音源出力LSIの構成>
次に、音声ランプ制御装置113には、音声ランプ制御装置113のMPU221から音声をスピーカ226に対して出力するように制御指示される音声LSI240が設けられている。
音声LSI240は、図9に示すように、MPU I/F251と、シーケンサ252と、ROM I/F253と、クロック制御部254と、ボリューム設定部255と、アンプ256と、DAC257と、データバス258と、を備えており、MPU221より送信されるデータ(コマンド)に従って、スピーカ226より音を出力するための制御を実行する。
MPU I/F91は、双方向通信に構成されたMPU221との信号ラインを介してMPU221との間で、音源LSI240が通信を行うためのインターフェースである。このMPU I/F251とMPU221とを接続される信号ラインは8本の信号ラインで構成されている。よって、音源LSI240は、MPU221と8ビットの構成で相互通信が実行される。
シーケンサ252は、音源ROM253の音データに基づいて、音の出力を行う上で、利用可能なように音デジタルデータを生成する機能を有している。シーケンサ252によって生成された音デジタルデータは、データバス258を介してDAC257に出力されてアナログデータに変換される。
ROM I/F254は、双方向通信に構成された音源ROM241との信号ラインを介して音源ROM241から音データを読み出すように通信を行うためのインターフェースである。クロック制御部254がCLK(クロック)242から入力されるクロック信号に基づいて、音源ROM241からのデータを読み出している。
ボリューム設定部255は、ボリュームスイッチ243から入力される設定値(抵抗値)に基づいて、アンプ256に対して、増幅して出力される音アナログデータのボリュームを設定している。アンプが増幅する音アナログデータの増幅率を可変させている。
DAC257は、デジタル/アナログコンバータである。DAC257では、シーケンサ252にて作成された音デジタルデータ又は合成音デジタルデータをアナログ信号に変換したものを音アナログデータとしてアンプ256を介してスピーカ226に出力する機能を有している。
音声ランプ制御装置113に設けられた音源ROM241は、遊技に使用される音声のデータである音データが記憶されている。音源ROM241に記憶されている音データは、変動パターン等に対応してそれぞれ一連のデータとして設定されており、音声ランプ制御装置113のMPU221からのコマンドに基づいて、対応する音データが音源LSI240により読み出される構成となっている。
CLK(クロック)242は、一定周期毎にパルスを出力することが可能なクロック手段である。パチンコ機10に電源が投入されると音源LSI240に対して、パルス信号を出力する構成となっている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)の制御や変動表示に関する音声を出力するためのコマンドを音声制御装置113に対して出力するものである。この表示制御装置114の詳細については、図10を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<表示制御装置114の電気的構成>
次に、図10を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図10は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、表示MPU231と、ワークRAM233と、画像用ROM234と、VDP237と、入出力ポート238と、バスライン240とを有している。
入出力ポート238を介して、音声ランプ制御装置113と表示MPU231、ワークRAM233、画像用ROM234、VDP237がバスライン240を介して接続されている。また、VDP237には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示MPU231では、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、所定期間における表示演出の内容を決定して、その決定した表示内容に応じた内部コマンドをVDP237に対して定期的に送信する。また、表示内容に対応した音声をスピーカ226から音声ランプ制御装置113に出力させるための表示出力音声コマンドを所定のタイミングに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力する。
VDP237では、表示MPU231から受信したコマンドに応じて、画像用ROM234から必要な画像データを読み出して、その読み出した画像データを利用して各画像の更新タイミングにおける描画データを作成する。その作成した画像データに基づいて、第3図柄表示装置81に各更新タイミングに対応した画像を表示させる。
詳細には、VDP237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサである。VDP237は、表示MPU231から送信される後述の描画リスト(図示せず)に基づき1フレーム分の画像を描画する。VDP237は、1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
VDP237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、表示MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。表示MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図36(b)参照)を実行し、VDP237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、VDP237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、表示MPU231は、VDP237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、VDP237に対して描画指示を行うので、VDP237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示を表示MPU231より受け取ることができる。よって、VDP237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ワークRAM233は、表示MPU231が所定のプログラム(図示せず)に基づいて、表示制御を行う場合に使用する各種フラグやカウンタ等が設定されるメモリ(記憶装置)である。ワークRAM233には、新規コマンドフラグ233a、確定表示フラグ233b、デモ表示フラグ233c、計時カウンタ233d、表示遅延フラグ233e、音声遅延カウンタ233f、表示遅延カウンタ233gがそれぞれ設定されている。
新規コマンドフラグ233aは、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信したことに基づいて表示制御装置114の表示MPU231が実行するコマンド判定処理(図30、S2101)のS2202において、オンに設定される。一方、表示設定処理(図33、S2102)のS2502の処理において、オフに設定される。新規コマンドフラグ233aは、電源投入時の初期状態では、オフに設定されるフラグである。
確定表示フラグ233bは、表示用変動パターンコマンド(即ち、主制御装置110のMPU201が決定した変動パターン)に基づく、変動時間が経過して、変動中の第3図柄を確定表示させるタイミングであることを示すフラグである。表示設定処理(図33、S2102)のS2514の処理でオンに設定される。一方、新たに第3図柄を変動開始させる処理を実行した後に実行される、変動パターンコマンド処理(図31、S2205)のS2307の処理でオフに設定される。初期状態においては、オフに設定されるフラグである。
デモ表示フラグ233cは、デモ画面を第3図柄表示装置81に表示させるためのデモ表示データテーブルが設定されていることを示すフラグである。確定表示フラグ233bがオンに設定されている場合に、表示設定処理(図33、S2102)のS2519の処理においてオンに設定される。一方、新たに第3図柄を変動開始させる処理を実行した後に実行される、変動パターンコマンド処理(図31、S2205)のS2307の処理でオフに設定される。初期状態においては、オフに設定されるフラグである。
計時カウンタ233dは、第3図柄の変動表示時間(動的表示時間)を計測するためのカウンタである。表示用変動パターンコマンドに基づいて選択した変動表示データテーブルに設定されている時間データが変動パターンコマンド処理(図31、S2304)の処理において設定される。一方、20ms毎に実行されるV割込み処理(図29(a)、S2100)の一処理である表示設定処理(図33、S2102)が実行される毎に、S2508の処理において1減算される。なお、この計時カウンタ233dに設定される時間データは、1減算されたことで20msが経過したことを示す時間データで設定されている。
表示遅延フラグ233eは、第3図柄表示装置81の前面側に駆動する駆動役物800と第3図柄表示装置81で表示される表示態様とが関連する演出内容において、駆動役物800の動作と表示態様とのタイミングが一致していないことを示すフラグである。詳細には、表示制御装置114のMPU231が駆動役物800と関連する表示態様の表示出力音声コマンドを出力するように音声ランプ制御装置113に対して出力した場合に、駆動役物800が所定の位置(本実施形態では、突出位置)で無いと音声ランプ制御装置113より表示制御装置114に対して出力される表示遅延コマンドを表示制御装置114が受信したと判別するとコマンド判定処理(図30、S2101)のS2209の処理でオンに設定される。一方、表示設定処理(図33、S2102)内の一処理である音声コマンド設定処理(図35(a)、S2507)のS2604の処理において遅延時間(本実施形態では、200ms)が経過したことに基づいて、オフに設定される。なお、初期状態では、オフに設定されるフラグである。
音声遅延カウンタ233fは、表示遅延フラグ233eがオンに設定されてからの音声コマンドを出力するまでの遅延時間を計測するためのカウンタである。音声コマンド設定処理(図35、S2507)のS2602の処理において、表示遅延フラグ233eがオンであることを条件に1ずつ加算されるカウンタ値である。1加算される毎に、20ms経過したことを示す。本実施形態では、音声遅延カウンタ233fの値が10となった場合(即ち、200ms)が経過した場合に遅延時間が経過したと判定されるように構成されている(図35、S2603:Yes)。なお、遅延時間(本実施形態では、200ms)が経過したと判定されたことに基づいて、S2604(図35参照)の処理において、初期値である0にリセットされる。
表示遅延カウンタ233gは、表示遅延フラグ233eがオンに設定されてから、駆動役物800に関連する表示態様を表示するタイミングを遅延させる遅延時間を計測するためのカウンタである。表示設定処理(図33、S2102)内の一処理であるポインタ更新処理(図34、S2505)のS2702の処理において、表示遅延フラグ233eがオンであることを条件に1ずつ加算される。1加算される毎に、20ms経過したことを示す。本実施形態では、表示遅延カウンタ233gの値が10となった場合(即ち、200ms)が経過した場合に遅延時間が経過したと判定されるように構成されている(図34、S2703:Yes)。なお、遅延時間(本実施形態では、200ms)が経過したと判定されたことに基づいて、S2704(図34参照)の処理において、初期値である0にリセットされる。
画像用ROM234には、第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定した表示データテーブルである、変動表示データテーブル234a、確定表示データテーブル234b、デモ表示データテーブル234c、警告画像フラグ234dがそれぞれ設定されている。
変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブル234aは、例えば、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
確定表示データテーブル234bは、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を確定表示させるための表示データが設定された表示データテーブルである。予め選択された確定図柄(外れ図柄、当たり図柄)に基づいて、確定表示される図柄がそれぞれ設定されている。
デモ表示データテーブル234cは、第3図柄表示装置81で、第3図柄の変動表示が所定時間以上行われない場合に表示されるデモ表示画面の表示データが設定された表示データテーブルである。
警告画像データテーブル234dは、第3図柄表示装置81で表示される各種エラー報知画像がそれぞれ設定された表示データテーブルである。音声ランプ制御装置113より出力されるエラーコマンドの種別に対応して1テーブルが設定されている。
それぞれの表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
<音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との通信方法>
音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いに相互通信が可能なように接続されている。詳細には、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して、コマンドを出力するための専用の信号線が8本、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、コマンドを出力するための専用の信号線が8本それぞれ接続されている。
また、変形例としては、互いにシリアル通信をする構成として、互いに、1本ずつの信号線で接続して、相互にコマンドを送信する構成としてもよい。
また、8本の信号線で接続して、コマンドの種類により、どちらの制御装置からの信号であるかを判別できるように構成してもよい。
また、音源ROM241は、音声ランプ制御装置113に設ける構成としたが、それに限らず、表示制御装置114に設けるように構成してもよい。このような構成では、表示制御装置114より、表示するタイミングと同期する音声出力の信号を送信すると共に、音源データも出力する。このような構成では、音源データを出力するための信号線を個別に設けて出力するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113を簡易に構成することができ、パチンコ機10のコストを抑えることができる。
<主制御装置110のMPU201で実行される各種処理について>
次に、図13から図21のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図14〜図16を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、第2入球口67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図17および図14を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図14を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図14は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S203)。次に、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0よりも大きいか否かを判別し(S204)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0であれば(S204:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が0でなければ(S204:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1減算し(S205)、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図21参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行する(S208)。なお、特別図柄変動開始処理については、図15を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S209)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S209:No)、本処理を終了する。
一方、S209の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S209:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S210)。停止図柄の設定は、図15を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S208)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理が実行されると、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりAとなるか、大当たりBとなるかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S210の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S211)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S211:Yes)、特別図柄の大当たり(大当たりA、大当たりB)のうち、大当たり種別が何であるかを判定し(S212)、大当たり種別が大当たりAであれば、16R確変大当たりに対応する大当たりを設定する(S213)。また、大当たり種別が大当たりBであれば、時短中カウンタ203eに100を設定し、16R通常大当たりに対応する大当たりを設定する(S214)。そして、特別図柄の大当たりの開始を設定し(S215)、本処理を終了する。
このように、本実施形態では、新たに特別図柄の大当たりになると、その新たな特別図柄の大当たり種別に応じて普通図柄の時短期間(「普通図柄の時短状態」の継続期間)が設定される。よって、「普通図柄の時短状態」の継続期間中に新たに特別図柄の大当たりになると、その新たな特別図柄の大当たり終了後からの普通図柄の時短期間が、新たな大当たり種別に応じて設定されるので、新たな大当たりになるまでに残っていた普通図柄の時短期間が無効となる。
S211の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S211:No)、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S216)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S216:Yes)、時短中カウンタ203eの値を1減算して(S217)、この処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S216:No)、S217の処理をスキップして、この処理を終了する。
次に、図15を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S208)について説明する。図15は、特別図柄変動開始処理(S208)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S208)は、タイマ割込処理(図13参照)の特別図柄変動処理(図14参照)の中で実行される処理であり、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、現在の遊技状態が高確率状態(確変中)であるかを判定する(S302)。高確率遊技状態中である場合は(S302:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブル(図示せず)に基づいて抽選結果が取得される(S303)。
S303の処理では、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている30の乱数値と1つ1つ比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「4,11,28,38,45,52,64,78,83,99,106,112,122,134,140,151,168,176,183,197,207,218,222,231,249,256,263,270,285,299」の30個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、遊技状態が低確率遊技状態(通常遊技状態)である場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに格納されている3の乱数値と1つ1つ比較する。特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「7,107,282」の3個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S306の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される(S306)。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA、大当たりB)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、図11に示す変動パターンテーブルより変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定する。なお、変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係は、この変動パターンテーブル202a(図11参照)により予め規定されている。
例えば、外れ用の変動パターンとしては、「外れ」、「ノーマルリーチ外れ」各種、「スーパーリーチ外れ」各種、「スペシャルリーチ外れ」各種が規定されている。大当たりA用の変動パターンとしては、「確変大当たりノーマルリーチ」各種、「確変大当たりスーパーリーチ」各種、「確変大当たりスペシャルリーチ」各種が規定され、大当たりB用の変動パターンとしては、「通常大当たりノーマルリーチ」各種、「通常大当たりスーパーリーチ」各種、「通常大当たりスペシャルリーチ」各種が規定されている。
S305の処理において、特別図柄の外れである判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定する。
次に、外れ時の変動パターンを図11に示す変動パターンテーブル202aより決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値を確認し、変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ等の図柄変動の変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。停止種別(大当たりのときの停止種別)を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S311)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図21)のS1001の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、停止種別コマンドをそのまま表示制御装置114へ送信する。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、説明の便宜上、まず始動入賞情報処理(S105)を説明し、その後、遅延先読み処理(S105)を説明する。まず、図20のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図20は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、特別図柄における抽選結果の先読みを実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を取得する(S402)。そして、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満でなければ(S403:No)、S415の処理へ移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)が4未満であれば(S403:Yes)、特別図柄保留球数カウンタ203cの値(N)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された特別図柄保留球数カウンタ203cの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図21参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから特別図柄保留球数カウンタ203cの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値を、RAM203の特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S406)。尚、S406の処理では、特別図柄保留球カウンタ203cの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図17を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図17は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う第2図柄の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、RAM203の時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定する(S608)。尚、時短中カウンタ203eは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203eの値が0であれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。
時短中カウンタ203eの値が1以上である場合は(S608:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S609)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S609:Yes)、S611の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、普通図柄の抽選が当たりとなりにくくなるように構成されている。これは、特別図柄の大当たり中(即ち、特別遊技状態中)は、遊技者が特別入賞口65aに入賞させようとして球を打つので、第1入球口64に付随する電動役物が開放されて、特別入賞口65aに入賞させようとした球が、第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するためである。尚、特別入賞口65aは、第1入球口64の直ぐ下に設けられているので、特別図柄の大当たり中に第1入球口64に球が入ることを抑制していても、第1入球口64には球が多く入球する。その結果、殆どの場合、パチンコ機10が特別遊技状態に移行している間に、第1入球口64についての保留球数は最大(4回)になる。
S609の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S609:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(b)参照)。
S608の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S608:No)、S611の処理へ移行する。S611の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S611)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図8(b)参照)。
次に、S610またはS611の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S612)、普通図柄の当たりであると判定された場合には(S612:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S614)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S614:Yes)、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S615)。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S615:Yes)、S617の処理に移行する。本実施形態では、特別図柄の大当たり中は、球が第1入球口64に入ることをできるだけ抑制するために、普通図柄の当たりになった場合でも、普通図柄の外れとなった場合と同様に、電動役物の開放回数および開放時間が設定される。
S615の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S615:No)、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中でなくて、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を1秒間に設定すると共に、その開放回数を2回に設定し(S616)、S619の処理へ移行する。S614の処理において、時短中カウンタ203eの値が0である場合は(S614:No)、S617の処理へ移行する。S617の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、第1入球口64に付随する電動役物の開放期間を0.2秒間に設定すると共に、その開放回数を1回に設定し(S617)、S619の処理へ移行する。
S612の処理において、普通図柄の外れであると判定された場合には(S612:No)、外れ時の表示態様を設定する(S618)。このS618の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定する。外れ時の表示態様の設定が終了したら、S619の処理へ移行する。
S619の処理では、時短中カウンタ203eの値が1以上であるかを判定し(S619)、時短中カウンタ203eの値が1以上であれば(S619:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S620)、本処理を終了する。一方、時短中カウンタ203eの値が0であれば(S619:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S621)、本処理を終了する。このように、特別図柄の大当たり中を除き、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、第1入球口64の解放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。
S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S622)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S620の処理またはS621の処理によって予め設定された時間である。
S622の処理において、変動時間が経過していなければ(S622:No)、本処理を終了する。一方、S622の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S622:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S623)。S623の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S618の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83にいおいて停止表示(点灯表示)されるように設定される。S623の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図21参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S624)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S624:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御開始を設定し(S625)、本処理を終了する。S625の処理によって、電動役物の開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図21参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物の開閉制御が開始され、S616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物の開閉制御が継続される。一方、S624の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S624:No)、S625の処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図18のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図18は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図13参照)の中で実行され、第2入球口67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が第2入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、第2入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が第2入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が第2入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が第2入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203dの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図19は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図20を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図20は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS912へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS912へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS912へ移行する。なお、図21のS1014の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S912の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S912)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S913,S914)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S913,S914)を実行する。RAMの初期化処理(S913,S914)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S913)、その後、RAM203の初期値を設定する(S914)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図21を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図21は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1007の各処理が実行され、その残余時間でS1010,S1011のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図13参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図13参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図14参照)や始動入賞処理(図16参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次に、第1入球口64に付随する電動役物の開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1005)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図17参照)のS625の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS616の処理またはS617の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1006)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図15参照)のS308の処理またはS310の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図15参照)のS308の処理またはS310の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図15参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図17参照)のS620の処理またはS621の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図17参照)のS623の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図17参照)のS613の処理またはS618の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1008)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1008:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1009)、既に所定時間が経過していれば(S1009:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1009:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1010,S1011)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1010)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1011)。
ここで、S1001〜S1007の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1008の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1008:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図24のNMI割込処理が実行されたということなので、S1012以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1012)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1013)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1014)、RAM203のアクセスを禁止して(S1015)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1008の処理は、S1001〜S1007で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1010とS1011の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
<音声ランプ制御装置113のMPU221で実行される制御処理>
次に、図22から図27を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図22参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図22は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1201)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1316の電源断処理(図23参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1202)。図23を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図23のS1313参照)、S1316の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1316の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1202:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1203)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1206の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1203:Yes)、S1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1203:No)、S1208へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1203:Yes)、S1204へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1203:No)、S1208へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1202:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1316の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1204へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1204の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1204)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1205:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1206)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1205:No)、RAM223の異常を報知して(S1207)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、スピーカ226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1208の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1208)。電源断フラグはS1316の電源断処理の実行時にオンされる(図23のS1315参照)。つまり、電源断フラグは、S1316の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1316の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1208:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1209)、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1208の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1208:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1209をスキップして、処理をS1210へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1210)、割込み許可を設定して(S1211)、メイン処理へ移行する。
なお、S1209のクリア処理をスキップするのは、S1204からS1206の処理を経由してS1208の処理へ至った場合には、S1204の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図23を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図23は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のS1301の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1301)、1m秒以上経過していなければ(S1301:No)、S1302〜S1310の処理を行わずにS1311の処理へ移行する。S1301の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1302〜S1310が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1311のコマンド判定処理や、S1312の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1311の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1311の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1301の処理で1ms以上経過していれば(S1301:Yes)、まず、S1303〜S1312の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1302)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1308の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1303)、その後電源投入報知処理を実行する(S1304)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知はスピーカ226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1305の処理へ移行する。
S1305の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1306)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1307)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1307の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S1308)、その後音編集・出力処理を実行する音声制御処理が実行される(S1309)。この音声制御処理については、詳細を図27を参照して説明する。
ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するようスピーカ226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じてスピーカ226から音が出力される。
S1309の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1310)、S1311の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1308のランプ編集処理が実行される。なお、S1309の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S1311の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1311)。このコマンド判定処理の詳細については、図24を参照して後述する。
S1312の処理では、変動表示設定処理が実行される(S1312)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理の詳細については、図26を参照して後述する。
S1312の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1313)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1313の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1313:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1315)、電源断処理を実行する(S1316)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1317)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、スピーカ226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S13153の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1313:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1314)、RAM223が破壊されていなければ(S1314:No)、S1301の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1314:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、スピーカ226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図24を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1311)について説明する。図24は、このコマンド判定処理(S1311)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1311)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図23参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1401)。変動パターンコマンドを受信した場合には(S1401:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bをオンし(S1402)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出する(S1403)。その後、抽出した変動パターンに基づいた音データをサブ変動パターンテーブル222aに設定されている音データより抽出して、処理対象音データとしてその他メモリエリア223zに設定されている処理対象音データ記憶エリアに記憶して、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図26参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。また、変動パターンに対応して設定される音データは、時系列的に変動パターンの変動表示中に音声ランプ制御装置113のMPU221が出力するタイミングを判別して出力させる音声の種類等が設定されている。
なお、音声ランプ制御装置113のMPU221が、出力のタイミングを判別して出力するように制御する音声は、音声ランプ制御装置113のMPU221が点灯制御するランプ(LED等)の点灯、駆動役物800の駆動(動作)、その他、音声ランプ制御装置113のMPU221により制御されるものに関連して出力される音声または効果音である。関連して出力されるとは、その動作タイミングに合わせて出力されたり、点灯タイミングに合わせて出力されたり、動作することを事前に報知したり、点灯することを事前に報知するなどの処理についてのことを示している。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1401:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S1405)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S1405:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223cをオンに設定し(S1406)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S1407)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図26参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(S1405:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(S1408:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aに格納する(S1409)。また、S1409の処理では、更新された特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S1409の処理の終了後は、メイン処理に戻る。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S1409の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203cの値に合わせることができる。尚、S1409の処理が実行されると、更新された特別図柄保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S1408の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(S1408:No)、次いで、表示制御装置114が出力する表示出力音声コマンドを受信しているか判別される(S1410)。この表示出力音声コマンドは、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113に対して、音声の出力を指示するためのコマンドである。その表示出力音声コマンドには、出力する音声または効果音が判別可能に構成されている。
S1410の処理において、表示制御装置114より表示出力音声コマンドを受信していると判別された場合には(S1410:Yes)、音データ判定処理が実行される(S1411)。音データ判定処理(S1411)については、図25を参照して詳細を後述するが、表示制御装置114から受信した表示出力音声コマンドについて、適切なタイミングで受信しているかを判別する処理が実行される。
一方、表示制御装置114より表示出力音声コマンドを受信していないと判別した場合には(S1412:No)、表示制御装置114より遅延音コマンドを受信したかが判別される(S1412)。この遅延音コマンドについては、詳細は後述するが、表示制御装置114が表示遅延コマンドを受信してから所定時間(本実施形態では、200ms)が経過したことに基づいて、表示制御装置114より出力されるコマンドである。
このように、音声ランプ制御装置113が、第3図柄表示装置81の表示タイミングにズレがあることを示す表示遅延コマンドを出力して、そのコマンドを表示制御装置114が受信してから所定時間経過した後に、遅延音コマンドを出力するので、この所定時間以内のズレであれば、音声の出力タイミングを調整することができる。特に、音声ランプ制御装置113のMPU221が制御する駆動役物800が駆動位置に駆動したタイミングで、第3図柄表示装置81から大砲の弾が発射されるような駆動役物800と表示態様とを関連(同期)させたような演出において、駆動役物800と表示態様とのズレがある場合にそのズレを補正して、出力する音声のタイミングを合わせることができる。よって、遊技者に、音声出力のタイミングが合っていない演出を見せて、違和感を感じさせてしまうことを防止できる。
S1412の処理において、遅延音コマンドを受信したと判別された場合には(S1412:Yes)、対応する音データ(本実施形態では、第3図柄表示装置81に表示される大砲が発射される「ドッカーン」という効果音の音データ)が処理対象音データ記憶エリアに設定される。なお、本実施形態では、駆動役物800と大砲の弾が発射される演出のみを例にして、音声が遅延される構成を説明したが、それに限らず、様々な表示制御装置114から出力される表示出力音声コマンドに対応する音声に対して、タイミングを判断して、タイミングに不具合があれば、遅延させて出力させる構成してよい。このような場合には、音声ランプ制御装置113が受信する遅延音コマンドには、遅延させて出力させる音声の種類が判別可能に構成されて、そのコマンドに基づく音声または効果音が出力されるように構成されればよい。
S1412の処理において、表示制御装置114より遅延コマンドを受信していないと判別された場合には(S1412:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される。音声ランプ制御装置113は、その他様々な制御に必要なコマンドを各制御装置より受信するがそのコマンドについての処理については、公知にものであるので、その説明を省略する。
次に、図25を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図24、S1311)の処理で実行される音データ判定処理(S1411)について説明する。図25は、この音データ判定処理(S1411)を示したフローチャートである。この音データ判定処理(S1411)では、表示制御装置114より表示出力音声コマンドを受信した場合に、そのコマンドが駆動役物800の駆動動作と関わり合いを持つ大砲発射の表示態様の効果音の出力を指示するものであれば、そのタイミングが正常であるかの判別を実行する。
音データ判定処理(図25、S1411)では、まず、表示制御装置114より受信した表示出力音声コマンドが示す出力を指示する音声は、駆動役物800の動作と関わり合いを持つ駆動演出の表示出力音声コマンド(本実施形態では、大砲が発射される効果音「ドッカーン」という音声)であるか判別される(S1501)。受信したコマンドが駆動演出の表示出力音声コマンドであると判別された場合には(S1501:Yes)、駆動役物800の位置は所定位置(本実施形態では、駆動位置)であるか判別される(S1502)。この駆動役物800の位置が駆動位置であるかの判別は、駆動センサ245が駆動位置であるかを検出しているかどうかによって判別される。
駆動役物800の位置が駆動位置でない場合には(S1502:No)、表示遅延コマンドが設定される。この表示遅延コマンドは、大砲発射の表示態様のタイミングが早い又は駆動役物800の駆動タイミングが遅い為に、駆動位置まで駆動役物800が移動していないことを表示制御装置114に対して示すものである。
なお、このように、駆動役物800と表示態様とのタイミングがズレてしまう原因としては、駆動役物800が駆動途中で構造的にギア等が噛んでしまい動作が遅れてしまったり、音声ランプ制御装置113のMPU221と表示制御装置114のMPU231とが計時する変動時間にズレが発生してしまったりする等の理由が考えられる。
一方、S1501の処理で、表示制御装置114より受信した表示出力音声コマンドが駆動演出の表示出力音声コマンドでないと判別された場合(S1501:No)、駆動役物800が駆動位置であると判別された場合には(S1502:Yes)、受信した表示出力音声コマンドに基づく音データが処理対象音データ記憶エリアに設定(記憶)される(S1504)。
なお、本実施形態では、駆動役物800と関連する表示出力音声コマンドが示す音声についてのみ、出力タイミングが正常であるか判別する処理を実行するように構成したが、それに限らず、その他の表示出力音声コマンドについても、出力タイミングが正常であるかを、音声ランプ制御装置113のMPU221が計測する変動時間等で判別するように構成してもよい。
また、本実施形態では、タイミングにズレがあることを示すコマンドとして、表示遅延コマンドを生成するように構成したが、それに限らず、どの程度の時間ズレているかを、判別して、その時間を示すコマンドを生成するように構成してもよい。このように構成することで、表示制御装置114のMPU231がそのズレの時間をコマンドより判別して、制御を補正する処理を実行できる。よって、表示制御装置114と音声ランプ制御装置113との処理タイミングを一致させることができ、互いにタイミング合わせる演出等を容易におこなうことができる。
次に、図26を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S1311)について説明する。図33は、この変動表示設定処理(S1312)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S1312)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図23参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223bがオンか否かを判別する(S1601)。そして、変動開始フラグ223bがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1601:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S1605の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223bがオンであると判別された場合(S1601:Yes)、変動開始フラグ223bをオフし(S1602)、次いで、コマンド判定処理(図24参照)のS1403の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S1603)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1604)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223cがオンか否かを判別する(S1705)。そして、停止種別選択フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S1605:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、停止種別選択フラグ223cがオンであると判別された場合(S1605:Yes)、停止種別選択フラグ223cをオフし(S1606)、次いで、コマンド判定処理(図24参照)のS1407の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S1607)。主制御装置110からの停止種別コマンドによって指示された停止種別をそのまま、第3図柄表示装置81における変動演出の停止種別として設定し(S1608)、設定された停止種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S1609)。
次に、図27を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図23)の一処理である音声制御処理(S1309)が実行される。図27は、この音声制御処理(S1309)を示すフローチャートである。音声制御処理(S1309)では、処理対象音データ記憶エリアに記憶されている音データに基づいて、スピーカ226より出力させる音データを生成する処理が実行される。
音声制御処理では、まず、処理対象音データ記憶エリアのデータを更新する。この更新は、次の実行タイミングの音データに実行すべきデータを移行させる処理が実行される。更新された後の処理処理対象音データ記憶エリアに、今回の処理タイミングで処理すべき処理対象となる音データがあるか判別される(S1702)。処理すべき音データがあると判別された場合には(S1702:Yes)、各出力チャンネル用の音データチャンネル記憶エリアに対象となる音データを設定させる(S1703)。
なお、音声ランプ制御装置113に設けられた音源LSI240のシーケンサ252には、同時に複数の異なる音を出力可能とするように複数の発音チャンネル機能を有しており、各出力チャンネル用の音データチャンネル記憶エリアが設定されている。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221からの指示に基づいて、音源ROM241より対象となる音データを読み出して音データをこの音データチャンネル記憶エリアに設定される。一方、処理対象音データ記憶エリアに処理対象となる音データがない場合には、S1704の処理へ移行する。
S1704の処理では、音デジタルデータの作成タイミングであるか判別される(S1704)。音デジタルデータの作成タイミングであると判別された場合には(S1705:Yes)、音データチャンネル記憶エリアに設定された音データに基づいて、各チャンネルに対応するデジタル音データが生成させる(S1705)。生成された各チャンネルに対応するデジタル音データに基づいて、合成音データを生成させる(S1706)。一方音デジタルデータの作成タイミングでないと判別された場合には(S1704:No)、S1707の処理を実行する。
S1707の処理では、音声の出力タイミングであるか判別される(S1707)。音声の出力タイミングであると判別された場合には(S1707:Yes)、生成した合成音データをDAC257へ出力させる。一方、音声の出力タイミングでないと判別した場合には(S1707:No)、S1709の処理を実行する。S1709の処理では、スピーカ226より音出力中であるかを判別する(S1709)。音出力中であると判別された場合には(S1709:Yes)、音出力中信号を表示制御装置114に対して出力する(S1710)。一方、音出力中でないと判別された場合には(S1709:No)、この処理を終了する。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113のMPU221が音源LSI240に対して、音声データの生成から出力させるまでの処理を実行させるように制御したが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のMPU221は、生成する音声の内容を指示するように構成して、その指示に基づいて、音源LSI240が自発的に音声出力までの制御を実行するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の制御付加を軽減させることができる。
<表示制御装置114のMPU231が実行する各制御処理>
次に、図28から図36を参照して、表示制御装置114の表示MPU231により実行される各制御について説明する。かかる表示MPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、VDP237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号を表示MPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。表示MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図28を参照して、表示制御装置114内の表示MPU231により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、表示MPU231は、そのハードウェア構成によって、表示MPU231内に設けられた命令ポインタを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。
S1801)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。そして、初期設定処理として、ワークRAM233の各エリアの初期化等の初期処理が実行され(S1801)、コマンド割込処理(図29(a)、S2000)、V割込処理(図29(b)、S2100)の割込を許可する割込許可設定(S1802)が実行された後、無限ループの処理が実行される。
次いで、図29(a)を参照して、表示制御装置114の表示MPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図29(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、表示MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2001)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図29(b)を参照して、表示制御装置114の表示MPU231で実行されるV割込処理について説明する。図29(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図示せず)を作成し、その描画リストをVDP237に送信することで、VDP237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、VDP237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、VDP237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、表示MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、VDP237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、VDP237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図29(b)に示すように、まず、コマンド判定処理(S2101)を実行し、次いで、表示設定処理(S2102)を実行する。
コマンド判定処理(S2101)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図30〜図32を参照して後述する。
表示設定処理(S2102)では、コマンド判定処理(S2101)などによって表示データテーブルバッファに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図33〜図35を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2103)。このタスク処理では、表示設定処理(S2102)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。なお、このタスク処理についての詳細については、すでに公知の内容であるので省略する。
次いで、描画処理を実行する(S2104)。この描画処理では、タスク処理(S2103)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ等から描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストをVDP237に対して送信する。これにより、VDP237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図36を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2105)。そして、V割込処理を終了する。S2105の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB等)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
次いで、図30〜図32を参照して、表示制御装置114の表示MPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2101)の詳細について説明する。まず、図30は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図30に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2201)、未処理の新規コマンドがなければ(S2201:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2102)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2204)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2205)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図31を参照して、変動パターンコマンド処理(S2205)の詳細について説明する。図31は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリアから読み出して、表示データテーブルバッファに設定する(S2301)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S2301の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2301の処理によって表示データテーブルバッファに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233dに設定する(S2304)。設定した変動表示データテーブルを基に、対応する音声テーブルを音声データバッファにに設定する。
ここで設定される音声テーブルは、変動表示データテーブルに対応してそれぞれ、画像用ROM234にそれぞれ記憶されており、変動表示される変動表示態様に合わせたタイミングで出力する音声に関するデータがそれぞれ記憶されている。音声に関するデータは、音声ランプ制御装置113に対して出力を指示する内容がそれぞれ設定されている。
ポインタを0に初期化する(S2306)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2307)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2306の処理によって初期化されたポインタを更新しながら、S2301の処理によって表示データテーブルバッファに設定された変動表示データテーブルから、ポインタに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定されるようにVDP237を制御する。
また、表示設定処理では、S2304の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233dを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図30の説明に戻る。S2204の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2206)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2206:Yes)、停止種別コマンドに基づいて停止図柄を設定する処理を実行して(S2207)、S2201の処理へ戻る。
図30に戻り、説明を続ける。S2206の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2206:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、音声ランプ制御装置113より出力された表示遅延コマンドがあるか判別される(S2208)。表示遅延コマンドがあると判別された場合には(S2208:Yes)、表示遅延フラグ233eをオンに設定する(S2209)。表示遅延フラグ223eがオンに設定されることにより、第3図柄表示装置81に表示させる大砲の弾が発射される表示態様と共に、その効果音を出力させる制御が所定時間(本実施形態では、200ms)の間、遅延される制御が実行される。
一方、S2208の処理において、表示遅延コマンドが未受信であると判別された場合には(S2208:No)、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2210)、エラーコマンドがあれば(S2210:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2211)、S2201の処理へ戻る。
ここで、図32を参照して、エラーコマンド処理(S2211)の詳細について説明する。図32は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理(S2211)では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2401)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2402)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2401の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2402の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2402に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図30の説明に戻る。S2210の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2210:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2212)、S2201の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2201の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2201:Yes)、再びS2202〜S2210の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2201〜S2210の処理が繰り返し実行され、S2201の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
次いで、図33〜図35を参照して、表示制御装置114の表示MPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2102)の詳細について説明する。図33は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図33に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2501)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2501:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2502〜S2504の処理をスキップし、S2505の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S2501:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2502)、S2503〜S2504の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2503の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S2503)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S2503:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S2504)。警告画像設定処理(S2504)については、図35(b)を参照して説明すると、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理が実行され(S2721)、エラー発生フラグがオフに設定される(S2731)。
ここで、図33の説明に戻る。警告画像設定処理(S2504)の後、又は、S2503の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2503:No)、次いで、S2505の処理へ移行する。
S2505では、ポインタ更新処理を実行する(S2505)。ここで、図34を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図34は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファに格納された表示データテーブルから、対応する描画内容の転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、表示遅延フラグ233eがオンに設定されているか判別する(S2701)。表示遅延フラグ233eがオンに設定されていると判別された場合には(S2701:Yes)、表示遅延カウンタ233gに1加算して更新される。なお、このポインタ更新処理(図34、S2505)は、V割込処理(図29、S2100)内で実行される表示設定処理(図33、S2102)の一処理である。よって、V割込処理(図29、S2100)の実行周期である20ms毎に、ポインタ更新処理(S2505)は実行されるので、表示遅延カウンタ233gが1加算される毎に20msが計時されていることとなる。
遅延時間(本実施形態では、200ms)が経過したかが判別される(S2703)。遅延時間が経過した、即ち、表示遅延カウンタ233gの値が10であると判別された場合には(S2703:Yes)、表示遅延カウンタの値を初期値である0にリセットする(S2704)。一方、遅延時間未満である、即ち、表示遅延カウンタ233gの値が10未満であると判別された場合には(S2703:No)、この処理を終了する。
このように、表示遅延フラグ233eがオンであり、音声ランプ制御装置113のMPU221が制御する駆動役物800との動作タイミングが合わないと判別されている場合には、ポインタの更新が行われないので、第3図柄表示装置81に表示される表示内容を遅延させることができる。
本実施形態では、ポインタ更新を行わずに、表示態様を遅延させるように構成したが、それに限らず、代替画像(例えば、キャラクタ等のカットイン画像等)を遅延時間の間、表示させるように構成した後、その後に、遅延した表示態様(大砲の弾が発射される画像)を表示させるように構成してもよい。このように構成することで、表示態様が遅延されても、遊技者には、通常の演出が表示されていると思わせることができ、不具合が起きていることを気づかせずに遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、表示態様を200ms遅延させる処理を行うが、変動表示データテーブルは、変動時間が経過する間際の、図柄確定前の時間を、停止図柄(第3図柄)を揺らして停止表示させる仮停止表示期間が数秒間設けられているので、その時間が短くなるのみで、特に演出としては、表示態様が途中で終了してしまうような不具合が発生しないように構成されている。
また、本実施形態では、遅延時間は200msとしたが、それに限られるものではなく、適宜、不具合のない範囲で設定すればよい。また、音声ランプ制御装置113のMPU221により、遅延させる時間を指定するように構成して、その時間を遅延または、代替の表示態様を表示させるように構成してもよい。このように構成することで、より正確に駆動役物800の動作タイミングと合わせて表示態様を表示させることができる。
S2701の処理において、表示遅延フラグ233eがオフであると判別された場合に(S2701:No)、または、S2704の処理が実行された後には、ポインタに1を加算する(S2705)。即ち、ポインタは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファに格納されるのに合わせてポインタの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2705の処理によって、ポインタの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2706)。その結果、End情報であれば(S2706:Yes)、表示データテーブルバッファに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブル234cであるか否かを判別して(S2707)、デモ表示データテーブル234cであれば(S2707:Yes)、表示データテーブルバッファに設定されているデモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233dに設定し(S2708)、ポインタを1に設定して初期化し(S2709)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ表示データテーブル234cの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2707の処理において、表示データテーブルバッファに格納されている表示データテーブルがデモ表示データテーブルでないと判別された場合は(S2707:No)、ポインタの値を1だけ減算して(S2710)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファにデモ表示データテーブル234c以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブル234aが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S2706の処理において、更新後のポインタで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S2706:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
このように、表示態様を遅延させる必要がある場合であることを示す表示遅延フラグ233eがオンに設定されていると、表示遅延カウンタ233gにより遅延時間が計測されて、予めされた遅延時間が経過するまでは、ポインタの更新がされない。よって、その間は、表示が進行せずに遅延させることができる。
図33に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタで示されるアドレスの描画内容を取得する(S2506)。次いで、音声コマンド設定処理が実行される(S2507)。
ここで、図35を参照して、音声コマンド設定処理(図35、S2507)について説明する。図35は、この音声コマンド設定処理(S2507)を示すフローチャートである。音声コマンド設定処理では、第3図柄表示装置81に表示させる表示態様に関連する音声を出力させるための表示出力音声コマンドを生成するための処理が実行される。
音声コマンド設定処理(図35、S2507)では、まず、表示遅延フラグ233eがオンであるか判別される(S2601)。表示遅延フラグ233eがオンであると判別された場合には(S2601:Yes)、音声遅延カウンタ233fの値に1加算して更新する。なお、この音声遅延カウンタ233fは、音声の遅延時間を計測するためのカウンタであり、先に述べた、表示遅延カウンタ233gと同様に、1加算されるとV割込処理(図29(b)、S2100)の実行周期である20msが経過したことを示している。
予め定められた遅延時間(本実施形態では、200ms)が経過したか(即ち、音声遅延カウンタ233fの値が10であるか)が判別される(S2603)。遅延時間が経過した、即ち、音声遅延カウンタ233fの値が10であると判別された場合には(S2603:Yes)、表示遅延フラグ233eをオフに設定して、音声遅延カウンタ233fの値を初期値である0にリセットして(S2605)、S2606の処理を実行する。一方、遅延時間が経過していない、即ち、音声遅延カウンタ233fの値が10未満であると判別された場合には(S2603:No)、この処理を終了する。
S2606の処理では、音声出力のタイミングであるか判別される(S2606)。音声出力のタイミングであるかどうかは、設定された変動表示データテーブル234a等により、音声出力のタイミングが予め設定されており、その出力タイミングを判別することができるように構成されている。
音声出力タイミングであると判別された場合には(S2606:Yes)、音声データバッファに設定されている音声テーブルに基づいて、表示出力音声コマンドが生成されて設定される。
このように、音声ランプ制御装置113のMPU221が駆動制御する駆動役物800との駆動タイミングと表示態様とが一致していないことを示す表示遅延フラグ233eがオンであれば、その表示態様が表示されるタイミングに合わせて出力される効果音も同じ時間遅延される。これにより、表示態様が表示されていないのに、音声のみがスピーカ226より出力されてしまう不具合を抑制できる。よって、遅延された表示態様に合わせて効果音も出力させることができるので、遊技者に臨場感のある演出を提供できる。
また、駆動演出に関わる表示態様に効果音を表示制御装置114のMPU231が出力の指示を行うように構成したので、表示態様を遅延させる場合にも、容易に効果音を遅延させることができる。よって、表示態様と効果音(音声)を容易に出力タイミングを合わせることができる。
本実施形態では、駆動役物800との動作のタイミングにズレがあると判別された場合には、遅延時間である200ms、その表示と音声の出力を遅延させるように構成したので、駆動役物800が200ms以内のズレで動作が遅れているいる場合には、その動作に合わせて表示制御を補正できる。
また、本実施形態では、一定した遅延時間である200msを遅延させるように構成したが、それに限らず、駆動役物800が駆動位置に到達されるまでの時間を音声ランプ制御装置113のMPU221が判別して、表示制御装置114に対して通知して、その時間を表示制御装置114のMPU231が表示態様と音声出力を遅延させるように構成しても当然よい。このように構成することで、より正確に駆動役物800の動作タイミングと表示態様の表示タイミングとを合わせることができる。
ここで、図33に戻って説明を続ける。音声コマンド設定処理(図35、S2507)が実行されるた後には、S2508の処理が実行される。S2508の処理では、計時カウンタ233dの値を1だけ減算し(S2508)、減算後の計時カウンタ233dの値が0以下であるか否かを判別する(S2509)。そして、計時カウンタ233dの値が1以上である場合は(S2509:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233dの値が0以下である場合は(S2509:Yes)、表示データテーブルバッファに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファに変動表示データテーブル234aが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S2510)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S2510:Yes)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブル234bを表示データテーブルバッファに設定し(S2511)、次いで、確定表示データテーブル234bの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233dに設定し(S2512)、更に、ポインタの値を0に初期化する(S2513)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S2514)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブル234bに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、表示MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
一方、S2510の処理において、確定表示フラグがオンではなくオフであれば(S2510:No)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2515)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S2515:Yes)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233dの値が0以下になったことを意味するので、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定し(S2516)、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233dに設定する(S2517)。そして、ポインタを0に初期化し(S2518)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2519)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンド、または、ファンファーレコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S2515の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S2515:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
次いで、図36を参照して、表示制御装置114の表示MPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2104)の詳細について説明する。図36は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理(図36、S2104)では、第3図柄表示装置81に表示させる表示内容のうちの1フレームに表示させる描画リストを生成する(S2801)。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファ情報とをVDP237へ送信する(S2802)。
VDP237は、表示MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
尚、VDP237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
S2802の処理が実行された後に、音声コマンド設定処理(図35(a)、S2507)のS2607の処理において、表示出力音声コマンドが生成されているか判別される(S2803)。S2803の処理において、表示出力音声コマンドが生成されていると判別された場合には(S2803:Yes)、生成されている音声コマンドとVDP237へ送信された表示内容とが対応するか判別される。ここでは、表示出力音声コマンドが示す音声の種類と、設定されている表示内容とが合致するものであるか判別される。具体的には、特定のキャラクタが登場する表示態様が設定されており、そのキャラクタの登場に基づいて出力される音声(例えば、「こんにちは」という音声)が予め変動表示テーブルに対応する音声テーブルで設定されている音声に対応するものであるかが判別される。
生成されている表示出力音声コマンドと表示内容が対応するものである(正常なものである)と判別された場合には(S2804:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して、表示出力音声コマンドを出力するように設定される。一方、生成されている表示出力音声コマンドと表示内容とが非対応のものである(異常のものである)と判別された場合には(S2804:No)、音声エラー表示(音声エラーの文字を第3図柄表示装置81に表示)が表示されるように設定される(S2806)。描画対象バッファフラグが更新されて(S2807)、この処理を終了する。
上記、第1実施形態で説明した構成では、スピーカ226より出力される音声または効果音について、音声ランプ制御装置113のMPU221により制御される音源LSI240により音データが生成されてスピーカ226より出力される構成であるが、音声を出力するタイミングの判別して指示するのは、音声ランプ制御装置113のMPU221と表示制御装置114のMPU231とによりそれぞれ、出力する音声または効果音により指示するように構成されている。具体的には、音声ランプ制御装置113のMPU221が制御する駆動役物800の駆動や、パチンコ機10に設けられた各種ランプ(LED)の点灯のタイミングに関わって出力される音声や効果音については、音声ランプ制御装置113のMPU221が出力のタイミング判別して制御する。また、表示制御装置114のMPU231が制御する第3図柄表示装置81の表示態様の表示(表示タイミング)に関連して出力される音声または効果音については、表示制御装置114のMPU231が出力のタイミングを判別して、音声ランプ制御装置113に対して、出力の指示を実行する。
このように構成することで、それぞれの制御動作に関連して出力される音声や効果音の出力タイミングを容易に合わせることができる。よって、音声の出力制御を行う制御装置と、その他の制御装置とが別に設けられている場合においても、その音声の出力タイミングを容易に合わせることができる。
また、本実施形態では、駆動役物800の駆動タイミングと第3図柄表示装置81に表示させる表示態様を表示させるタイミングを関連させる演出が行われるが、駆動役物800の駆動タイミングや、第3図柄表示装置81への表示タイミングが予め定めたタイミングと合わない場合にも、表示制御装置114から出力される音声の出力を指示するコマンドにより異常を判別することができ、そのタイミングを合わせる処理を行うように構成した。このように構成することで、駆動役物800の駆動動作に関わる表示演出を正規のタイミングでそれぞれ行うことができる。また、それに関わる音声もそのタイミングに合わせて出力タイミングが補正されるので、音声のみが表示態様と一致しないタイミングで出力されてしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、駆動役物800の駆動と表示態様とが関わり合って演出を行う駆動演出について、表示制御装置114より出力される表示出力音声コマンドを出力してよいタイミングであるかを判別するように構成したが、それに限らず、表示制御装置114が出力する表示出力音声コマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合には、その音声を出力するタイミングであるかを、変動時間の経過に基づいて判別して、表示制御装置114のMPU231の制御状態に異常がないかを判別するように構成してもよい。
このように構成することで、表示制御装置114のMPU221の制御状態を判別する機会を多くすることができ、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との制御タイミングの同期が正確にできる。また、表示制御装置114の異常を早期に判別して、それに対する対処(例えば、エラー報知であったり、処理タイミングを補正させるためのコマンドを表示制御装置114に対して出力する等)ができる。
<第2実施形態>
次に、図37〜図46を参照して、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、表示制御装置114のMPU221が表示に関わる音声の出力タイミングを音声ランプ制御装置113に対して指示するように構成する。音声ランプ制御装置113のMPU221では、表示制御装置113から指示された音声を出力すると不具合がないかを判別する構成について説明した。
これに対し、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、表示制御装置114より出力される表示出力音声コマンドに基づいて、表示制御装置114で判別している抽選結果が、音声ランプ制御装置113で判別している抽選結果と異なっていないかを判別する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図37および図38を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1の実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、主制御装置110のMPU201のRAM203に先読保留エリア203fが追加され、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223にサブ先読記憶エリア223dが追加され、表示制御装置114のワークRAM233の表示遅延フラグ233e、音声遅延カウンタ233f、表示遅延カウンタ233gが削除され、報知抽選カウンタ233h、表示用先読記憶エリア233iがそれぞれ追加されている。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
<第2実施形態における主制御装置110の電気的構成>
図37に示すように、第2実施形態における主制御装置110のMPU201のRAM203には、先読保留エリア203fが追加されている。先読保留エリア203fは、主制御装置110のMPU201が実行する始動入賞処理2(図39、S110)内の一処理である先読処理(図40、S410)により実行された当否判定結果を報知する特別図柄を動的表示する前に、先に当否判定結果の判別を実行した結果が記憶される記憶エリアである。詳細には、先読処理(図40、S410)のS412、S414の処理において、判別された抽選結果がそれぞれ記憶される。この先読保留記憶エリア203fは、特別図柄保留球数格納エリア203aと同様に、各保留に対応してそれぞれ記憶されるエリアを有しており、特別図柄の変動開始に基づいて、保留球の情報がシフトするのと同様にしてそれぞれシフトして記憶される。電源断が発生した場合にも、バックアップされる記憶領域であり、RAM203の初期化が実行された場合には、すべてのデータ初期化される。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成>
第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223には、サブ先読記憶エリア223eが追加されている。サブ先読記憶エリア223eは、主制御装置110の先読記憶エリア203fと同様に構成されており、主制御装置110より出力される入賞コマンドに基づいて、主制御装置110の先読記憶エリア203fと同様のデータが記憶される。主制御装置110より変動パターンを受信したことに基づいて、サブ先読記憶エリア203fの内容がシフトされて更新される。
<第2実施形態における表示制御装置114の電気的構成>
第2実施形態における表示制御装置114のワークRAM233は、表示遅延フラグ233e、音声遅延カウンタ233g、表示遅延カウンタ233gが削除され、報知抽選カウンタ233h、表示用先読記憶エリア233iがそれぞれ追加されている。
報知抽選カウンタ233hは、0から99までの範囲で更新されるカウンタ値であり、表示制御装置114にMPU231が実行するV割込処理(図29(b)、S2100)のS2105の処理において、1ずつ加算されて更新される。最大値である99まで更新された後に、さらに更新されると、初期値である0に更新される。また、電源投入時には、初期値である0に設定される。この、報知抽選カウンタ233hは、表示制御装置114のMPU231が実行する一発告知抽選処理(図45、S2231)の表示用先読記憶エリア233iに記憶した当否判定情報が当たりである場合に実行されるS2804の処理にて取得されて、取得されたタウンタ値の値が、7,77のいずれかである場合に、当たり(一発告知音を出力するか否かの抽選の当たり)と判定される。
表示用先読記憶エリア233iは、音声ランプ制御装置113より出力される表示用入賞コマンドに基づいて、主制御装置110のMPU201が実行する先読処理(図40、S410)で判別された当否判定情報が記憶されるエリアである。この表示用先読記憶エリア233iは、主制御装置110の先読保留エリア203fと音声ランプ制御装置113のサブ先読記憶エリアと同様の構成となっている。表示用変動パターンコマンドを受信したことに基づいて、それぞれ、保留に対応する当否判定情報が、保留の消化に合わせてシフトされて更新される。
<第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理>
次に、図39および図40を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が実行する制御処理について説明する。第2実施形態における主制御装置110のMPU201が実行する処理において、第1の実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込み処理の一処理である始動入賞処理2(図39、S110)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図39を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理の一処理である始動入賞処理2(S110)について説明する。図39は、この始動入賞処理2(S110)を示すフローチャートである。第2実施形態における始動入賞処理(図39、S110)は、第1実施形態における始動入賞処理(図16、S105)に対して、先読処理(S410)が追加されている。その他の処理については、第1実施形態における始動入賞処理(図16、S105)と同一であるのでその説明を省略する。
図40を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201に実行される始動入賞処理2(図39、S110)の一処理である先読処理(S410)について説明する。この先読処理(図40、S410)では、始動入賞処理2(図39、S110)のS406の処理において取得された各カウンタ値について、変動開始(動的表示開始)となる場合の遊技状態を判別して、変動開始となる前に、先読みして、その当否判定情報を判別する処理が実行される。
先読処理(図40、S410)では、まず、始動入賞処理2(図39、S110)のS406で取得した各カウンタ値が変動開始となる場合の遊技状態が高確率遊技状態であるかが判別される(S411)。この遊技状態の判別は、先読保留エリア203fに記憶されている当否判定情報に基づいて判別される。変動開始時の遊技状態が高確率遊技状態であると判別された場合には(S411:Yes)、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、始動入賞処理2(図39、S110)のS406の処理で取得された各カウンタに関する当否判定結果が判別され、その当否判定結果情報が先読保留エリア203fに記憶される(S412)。
一方、S411の処理において、変動開始時の遊技状態が低確率遊技状態であると判別された場合は(S411:No)、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルに基づいて、始動入賞処理2(図39、S110)のS406の処理で取得された各カウンタに関する当否判定結果が判別され、その当否判定結果情報が先読保留エリア203fに記憶される(S413)。その後、S412またはS413の処理で記憶された当否判定情報に基づいた、入賞コマンドが生成される。この入賞コマンドは、音声ランプ制御装置113に対して出力されるコマンドであり、S412またはS413で判別された当否判定情報を音声ランプ制御装置113に対して通知するものである。
なお、本実施形態では、新たに記憶した当否判定情報のみに基づいて入賞コマンドを生成したが、それに限らず、先読保留記憶エリア203fの当否判定情報すべてに基づいて、入賞コマンドを毎回生成するように構成してもよい。また、入賞コマンドを生成するタイミングも、新たに入賞が発生した場合としたが、それに限らず、毎回、タイマ割込処理が実行される毎に出力するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221は、サブ先読記憶エリア223eの当否判定情報を新たな情報に更新できる機会が増え、予期せぬ電源断や、RAMの初期化が実行された場合にも、早期にデータを復帰させることができる。また、ノイズ等で誤ったデータが記憶されている場合にも、早期にそのデータを正しいデータに書き換えることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理>
次に、図41および図42を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理について説明する。第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する処理において、第1の実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図23)の一処理であるコマンド判定処理2(図41、S1320)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図41を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理2(S1320)について説明する。図41は、このコマンド判定処理2(S1320)を示すフローチャートである。この第2実施形態のコマンド判定処理2(図41、S1320)は、第1実施形態のコマンド判定処理(図24、S1311)に対して、S1411〜S1413の各処理が削除され、S1414〜S1417の各処理がそれぞれ追加されている。第2実施形態におけるS1401〜S1410,S1420は第1実施形態におけるS1401〜S1410,S1420と同一の処理が実行される。同一の処理については、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図41、S1320)のS1410の処理において、表示出力音声コマンドを受信したと判別した場合には(S1410:Yes)、音データ判定処理2が実行される(S1414)。
ここで、図42を参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPう221により実行されるコマンド判定処理2(図41、S1320)の一処理である音データ判定処理(図42、S1414)について説明する。図42は、この音データ判定処理(S1414)を示すフローチャートである。
音データ判定処理(図42、S1414)では、まず、表示制御装置114より一発告知音コマンドを受信しているかが判別される(S1511)。ここで、一発告知報知音コマンドについては、詳細について後述するが、始動口64に入賞した抽選結果が当たりであったことを示す一発告知報知音(本実施形態では、「キュイーン」という効果音)を音声ランプ制御装置113に対して出力するように指示するためのコマンドである。
この一発告知報知音コマンドは、表示制御装置114のMPU231が表示用入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドが大当たりとなる表示用入賞コマンドであることを条件に、所定の抽選を実行して、その抽選に当選した場合に生成される。
一発告知音コマンドを受信していると判別された場合には(S1511:Yes)、サブ先読記憶エリア223eに大当たりが大当たりとなる当否判定情報が記憶されているか判別される(S1512)。サブ先読記憶エリアに大当たりとなる当否判定情報が記憶されていると判別された場合には(S1512:Yes)、受信した表示出力音声コマンドに基づく、音データを処理対象音データ記憶エリアに設定(記憶)させる(S1513)。この場合には、一発告知音である「キュイーン」という効果音に対応する音声データが設定される。
一方、S1512の処理において、サブ先読記憶エリア223eに大当たりとなる当否判定情報が記憶されていないと判別された場合には(S1512:No)、報知中止コマンドが生成される(S1514)。その後、S1515の処理に移行する。この報知中止コマンドは、表示制御装置114に対して出力されるコマンドである。表示制御装置114のMPU231は、この報知中止コマンドを受信したことに基づいて、設定されている始動口64に入賞したことに基づく抽選結果(保留された当否判定情報の抽選結果)が大当たりであったことを示す表示態様(本実施形態では、「予告 大当たりが発生します」の文字を表示)を第3図柄表示装置81に表示するための一発告知表示データが代替表示態様(本実施形態では、「チャンス!」の文字を表示)を表示させる代替表示データに差し替えて表示データテーブルバッファに設定される。
S1511の処理において、一発告知音コマンドを受信していないと判別された場合には(S1511:No)、S1515の処理が実行される。S1515の処理では、確定報知音コマンドを表示制御装置114より受信したか判別される(S1515)。ここで、確定報知音コマンドは、表示制御装置114が出力するコマンドである。この確定報知音コマンドは、表示制御装置114のMPU231が大当たりとなる表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、遊技者に特別図柄(第3図柄)が確定表示される前に大当たりとなることを報知する報知音(本実施形態では、「大当たり確定」という音声)を音声ランプ制御装置113に対して出力することを指示するコマンドである。
確定報知音コマンドを受信していると判別された場合には(S1515:Yes)、変動パターン記憶エリア223dに記憶されている変動パターンは大当たりとなる変動パターンであるか判別される(S1516)。記憶されている変動パターンが外れであると判別された場合には(S1516:No)、処理対象音データ記憶エリアに代替音(本実施形態では、「チャンス」という音声)を出力させるための代替音データが設定される(S1517)。一方、S1515の処理において、確定報知音コマンドを受信していないと判別された場合(S1515:No)、S1516の処理において、変動パターン記憶エリアに記憶されている変動パターンが大当たりであると判別された場合には(S1516:Yes)、S1513の処理が実行される。
このように、表示制御装置114より、第3図柄表示装置81で表示される表示態様の表示タイミングに合わせて出力される音声に対する出力指示のコマンドを受信した場合にも、その音声(効果音)が遊技の当否判定を遊技者に報知するものであれば、音声ランプ制御装置113で記憶されている当否判定情報と照合を行うように構成されることで、照合が不一致となった場合には、その音声の出力を行わないように制御できる。よって、遊技者に誤った情報を報知してしまう不具合を防止できる。
また、表示制御装置114が判別した当否判定情報の基となっている情報に基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221は、照合を行うように構成したので、より正確な照合を行うことができる。
また、照合結果が一致しない場合には、代替音声を出力するように構成したので、何も音声が出力されず、演出が間抜けしてしまう不具合を防止できる。
なお、本実施形態では、当否判定に関わる報知音のみ、音声ランプ制御装置113のMPU221により照合を行うように構成したが、それに限らず、所定の契機毎(例えば、200ms毎や、表示出力音声コマンドを100回受信する毎等)に受信した表示出力音声コマンドが正しい内容であり、正しいタイミングに出力されているかを判別するように構成してもよい。このように構成することで、定期的に表示制御装置114の制御状態に異常がないかを確認できる。
<第2実施形態における表示制御装置114で実行される制御処理>
次に、図43〜図46を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。第2実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行する処理において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理(図29、S2100)の一処理であるコマンド判定処理2(図43、S2110)と、表示設定処理(図33、2102)内の一処理であるポインタ更新処理2(図46、S2540)、音声コマンド設定処理2(図45(b)、S2530)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図43を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理の一処理であるコマンド判定処理2(S2110)について説明する。図43は、このコマンド判定処理2(S2110)を示すフローチャートである。第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図43、S2110)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)に対して、変動パターンコマンド処理(図31、S2205)が変動パターンコマンド処理2(図44、S2220)に変更され、S2208〜S2209の処理が削除され、S2230〜S2233までの各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)と同一であるのでその説明を省略する。
第2実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理2(図43、S2110)のS2204の処理において、表示用変動パターンコマンドを受信していると判別された場合には(S2204:Yes)、変動パターンコマンド処理2が実行される(S2220)。
ここで、図44を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理2(図43、S2110)の一処理である変動パターンコマンド処理2(S2220)について説明する。図44は、この変動パターンコマンド処理2(S2220)を示すフローチャートである。第2実施形態における変動パターンコマンド処理2(S2220)は、第1実施形態における変動パターンコマンド処理(図31、S2205)に対して、S2308〜S2311までの各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態における変動パターンコマンド処理2(図44、S2220)のS2307が実行された後に、S2308の処理が実行される。S2308の処理では、受信した表示用変動パターンコマンドが示す当否判定結果は大当たりであるか判別される(S2308)。受信した表示用変動パターンコマンドが示す当否判定結果が大当たりであると判別された場合には(S2308:Yes)、報知抽選カウンタ233hの値を取得する(S2309)。取得した報知抽選カウンタ233hの値は、「7,77」のいずれか(即ち、当たり)であるか判別される(S2310)。取得した報知抽選カウンタ233hの値が大当たりであると判別された場合には(S2310:Yes)、確定報知音コマンドを設定(生成)する(S2311)。
一方、S2308の処理において、受信した表示用変動パターンコマンドが示す当否判定結果が外れである場合(S2308:No)、S2310の処理において、取得した報知抽選カウンタ233hの値が外れである場合には(S2310:No)、この処理を終了する。
このように、大当たりとなる表示用変動パターンを受信した場合に、抽選により、抽選結果を報知するかを決定することで、ランダムな契機で大当たりが遊技者の予想するタイミングと異なるタイミングで報知されるので、遊技者に意外性を与えることができる。よって、遊技者は、特別図柄(第3図柄)が確定表示される前のタイミングでも、大当たりとなる報知がされないかと期待するようになり、遊技に対する興味を増加させることができる。
なお、本実施形態では、確定報知音コマンドを設定するようにのみ構成したが、第3図柄表示装置81に大当たりすることを事前に報知する表示態様(例えば、「大当たりだよ」という文字を表示)を表示するように構成しても当然よい。このように構成することで、より分かり易く遊技者に報知することができる。また、表示制御装置114がこの表示態様に関連する音声(本実施形態では、確定報知音)を出力するように指示するので、表示のタイミングと音声の出力タイミングとを容易に合わせる(同期させる)ことができる。
図43に戻って、説明を続ける。S2208の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別した場合には(S2208:No)、表示用入賞コマンドを受信しているか判別される(S2230)。表示用入賞コマンドを受信していると判別した場合には(S2230:Yes)、一発告知抽選処理が実行される(S2231)。
ここで、一発告知抽選処理(S2231)について、図45(a)を参照して説明する。図45(a)は、この一発告知抽選処理(S2231)を示すフローチャートである。まず、この一発告知抽選処理(図45(a)、S2231)では、まず、表示用先読記憶エリア233iに大当たりの当否判定情報が記憶されているか判別される(S2801)。大当たりの当否判定情報が記憶されていると判別した場合には(S2801:Yes)、受信した表示用入賞コマンドが示す当否判定情報を表示用先読記憶エリア233iの対応する保留球の記憶エリアに記憶する(S2802)。その後、この処理を終了する。このように、表示用先読記憶エリア223iにすでに大当たりの情報が報知されている場合には、一発告知演出を重複して実行してしまうことを防止できる。
一方、S2801の処理において、表示用先読記憶エリアに大当たりの当否判定情報が記憶されていないと判別された場合には(S2801:No)、受信した表示用入賞コマンドが示す当否判定情報を表示用先読記憶エリア233iの対応する保留球の記憶エリアに記憶する(S2803)。記憶した当否判定情報が大当たりの当否判定情報であるかを判別する(S2804)。
記憶した当否判定情報が大当たりの当否判定情報であると判別された場合には(S2804:Yes)、報知抽選カウンタ233hの値を取得して(S2805)、その値が当たりと判定されるカウンタ値(本実施形態では、7,77)であるか判別される(S2806)。取得した報知抽選カウンタ233hの値が当たりであると判別された場合には(S2806:Yes)、一発告知音データを音声データバッファに設定し(S2807)、一発告知表示データを表示データテーブルバッファに設定する(S2808)。ここで、一発告知表示データによって表示される表示態様は、「予告 大当たりが発生します」という文字が第3図柄表示装置81に表示される表示態様である。
このように、大当たりとなる表示用入賞コマンドを受信した場合に、一発告知音(本実施形態では、キュイーンという効果音)を出力させるように構成することで、始動口64に遊技球が入球したタイミングに基づいて、大当たりとなる報知が事前にされるので、遊技者に意外性を与えることができる。また、表示制御装置114より一発告知音を出力するように音声ランプ制御装置114に対して指示することで、第3図柄表示装置81に表示される一発告知の表示態様が音声と同時のタイミングで容易に報知できる。よって、表示または音声のどちらか一方が先に報知されてしまい、どちらか一方の報知が意味の無いもの(既に、遊技者が結果をした後で、報知されることによる)になってしまうことを防止できる。従って、遊技者をより演出により興奮させることができる。
次に、図45(b)を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される表示設定処理(図33、S2102)の一処理である音声コマンド設定処理2(図45(b)、S2530)について説明する。図45(b)は、この音声コマンド設定処理を示すフローチャートである(S2530)。第2実施形態における音声コマンド設定処理2(図45(b)、S2530)は、第1実施形態における音声コマンド設定処理(図35、S2507)に対して、S2601〜S2605の処理が削除されている。第2実施形態におけるS2531〜S2532は、第1実施形態におけるS2606〜S2607の処理と同一である。よって、その詳細な説明を省略する。
次に、図46を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU221により実行される表示設定処理(図33、S2102)内の一処理であるポインタ更新処理2(S2540)について説明する。図46は、このポインタ更新処理2(S2540)を示すフローチャートである。第2実施形態におけるポインタ更新処理2(図46、S2540)は、第1実施形態におけるポインタ更新処理(図34、S2505)に対して、S2701〜S2704の処理が削除されている。第2実施形態におけるS2711〜S2716までの各処理は、第1実施形態におけるS2706〜S2710までの各処理と同一である。よって、この詳細な説明については、省略する。
このように、第2実施形態の構成では、表示制御装置114が各演出(一発告知演出や確定報知演出)の抽選を実行するので、主制御装置110のMPU201、音声ランプ制御装置113のMPU221はその抽選をする処理をする必要がなく、制御負荷を軽減することができる。
また、表示制御装置114のMPU231が表示態様を表示するタイミングに合わせて、その表示態様に関わる音声または効果音を音声ランプ制御装置113に対して出力させるように構成したので、その出力タイミングを容易に表示態様に表示タイミングと合わせることができる。
また、表示制御装置114が当否に関わる判定情報を遊技者に報知するか否かを抽選によって決定する場合にも、遊技者に報知する前に、音声ランプ制御装置113のMPU221により、その報知内容に異常がないかを出力を指示している音声により判別するように構成したので、誤った当否が遊技者に報知されてしまうかを事前に判別できる。よって、判別結果が誤っている場合には、その音声出力を取り消す、表示制御装置114に対して、誤っている事を通知して、表示による報知もしないように補正することで、誤った情報が遊技者に報知されて、遊技者を混乱させる不具合を防止できる。
また、報知内容に異常があると判別された場合には、「チャンス!」等のどちらの当否(当たり、ハズレ)にも限定しない代替報知をすることで、出力するはずの音声が出力されないことで、無音声になってしまい間が抜けた演出となってしまうことを防止できる。よって、遊技者に不具合が発生したことを気づかれ難くすることができる。従って、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
<第3実施形態>
次に、図47〜図51を参照して、第3実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、表示制御装置114のMPU221が表示に関わる音声の出力タイミングを音声ランプ制御装置113に対して指示するように構成する。音声ランプ制御装置113のMPU221では、表示制御装置113から指示された音声を出力すると不具合がないかを判別する構成について説明した。
これに対し、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、表示制御装置114より出力される表示出力音声コマンドが正常なタイミングで出力されているかを音声ランプ制御装置113が変動時間の経過より判別して、異常であると判別された場合には、その補正を表示制御装置114に対して指示する点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図47を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第3実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、表示制御装置114のMPU231のワークRAM233の表示遅延フラグ233e、音声遅延カウンタ233f、表示遅延カウンタ233gがそれぞれ削除されている。よって、その他の同一部分については、その説明を省略する。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理>
次に、図48および図49を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理について説明する。第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する処理において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図23)の一処理であるコマンド判定処理3(図48、S1330)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図48を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(S1330)について説明する。図48は、このコマンド判定処理3(S1330)を示すフローチャートである。第3実施形態におけるコマンド判定処理3(図48、S1330)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図24、S1311)に対して、音データ判定処理(S1411)が音データ判定処理3(図49、S1418)に変更されている。また、S1412〜S1413までの各処理が削除されている。第3実施形態におけるS1401〜S1410,S1420までの各処理は、第1実施形態におけるS1401〜S1410,S1420までの各処理と同一の処理が実行される。よって、その詳細な説明については省略する。
第3実施形態における音声ランプ制御装置113にMPU221により実行されるコマンド判定処理3(図48、S1330)のS1410の処理において、表示出力音声コマンドを受信していると判別した場合には(S1410:Yes)、音データ判定処理3が実行される(S1418)。その後、S1420の処理が実行される。
ここで、図49を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理3(図48、S1330)内の一処理である音データ判定処理3(図49、S1418)について説明する。図49は、この音データ判定処理3(図49、S1418)を示すフローチャートである。
音データ判定処理3(図49、S1418)では、まず、受信した表示出力音声コマンドは正規の(正常な)タイミングで受信しているか判別する(S1521)。表示出力音声コマンドが正規のタイミングで出力されているか否かの判別は、選択されている変動パターンに基づいて、その変動パターンに設定されている時間(変動時間)に定められた音声を出力するコマンドを受信しているかによって判別される。
受信した表示出力音声コマンドを正規のタイミングで受信していると判別された場合には(S1521:Yes)、受信した表示出力音声コマンドに基づく音データを処理対象音データ記憶エリアに設定する(S1522)。一方、S1521の処理において、受信している表示出力音声コマンドを正規のタイミングで受信していないと判別された場合には(S1521:No)、現在の変動時間に基づいて、受信した表示出力音声コマンドの正規のタイミングとの誤差を算出して、その誤差に基づいて、補正用コマンドを生成する(S1523)。
このように、表示制御装置114より受信した表示出力音声コマンドに基づいて、表示制御装置114の制御状態を判別して、その異常を表示制御装置114に対して通知できる。よって、表示制御装置114の異常を早期に判別して、その対応をすることができる。
また、受信した表示出力音声コマンドについて判別を行うことで、誤った音声を出力してしまう不具合を防止できる。これにより、遊技者が誤った遊技情報で混乱してしまうのを防止できる。
なお、本実施形態では、すべての表示出力音声コマンドに対して判別を行う構成としたが、それに限らず、検査用の表示出力音声コマンドを設定しておき、決められたタイミングで表示制御装置114より出力するように構成しておき、そのコマンドを受信した場合にのみ、判別を行うように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の制御負荷を軽減させることができる。また、音声ランプ制御装置113のMPU221が所定の抽選に当選した場合や予め定められたタイミング、所定数の表示出力音声コマンドを受信する毎等に判別を行うように構成しても当然よい。
<第3実施形態における表示制御装置114で実行される制御処理>
次に、図50〜図51を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。第3実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行する処理において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理(図29、S2100)の一処理であるコマンド判定処理3(図50、S2130)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図43を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理の一処理であるコマンド判定処理2(S2110)について説明する。図43は、このコマンド判定処理2(S2110)を示すフローチャートである。第2実施形態におけるコマンド判定処理2(図43、S2110)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)に対して、変動パターンコマンド処理(図31、S2205)が変動パターンコマンド処理2(図44、S2220)に変更され、S2208〜S2209の処理が削除され、S2230〜S2233までの各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)と同一であるのでその説明を省略する。
図50を参照して、第3実施形態における、表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理3(S2130)について説明する。図50は、このコマンド判定処理3(S2130)を示すフローチャートである。第3実施形態のコマンド判定処理3(図50、S2130)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)に対して、S2208〜S2209までの各処理が削除されており、S2240〜S2241までの各処理が追加されている。第3実施形態におけるS2201〜S2207,S2210〜S2212までの各処理は、第1実施形態におけるS2201〜S2207,S2210〜S2212までの各処理と同じ処理が実行される。
第3実施形態における、表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理3(図50、S2130)のS2210の処理において、エラーコマンドを受信していないと判別された場合には(S2210:No)、補正用コマンドを受信しているか判別される(S2240)。補正用コマンドを受信していると判別された場合には(S2240:Yes)、補正処理が実行される(S2241)。一方、補正用コマンドを受信していないと判別された場合には(S2240:No)、S2212の処理が実行される。
ここで、図51を参照して、第3実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるコマンド判定処理3(図50、S2130)内の一処理である補正処理(S2241)について説明する。図51は、この補正処理(S2241)を示すフローチャートである。
補正処理(図51、S2241)では、まず、補正コマンドが示す変動時間に基づいて、正常なポインタ値を設定する(S2251)。表示態様に異常が発生してい為に補正処理が行われたことを遊技者に報知する表示態様(本実施形態では、「表示エラー修復中」の文字)を表示させるための表示態様データが表示データテーブルバッファに設定される(S2252)。
このように、音声ランプ制御装置113より受信した補正コマンドに基づいて、ポインタの値が正常な位置に補正されるので、正規の変動表示時間に対応した表示内容に補正できる。
また、補正したことを示す表示態様が表示されるので、遊技者が突然、表示態様が変化しても、不具合が修復されたことを容易に判別でき、安心して遊技を行うことができる。
<第4実施形態>
次に、図52〜図60を参照して、第4実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、主制御装置110は音声ランプ制御装置113に対して各種制御コマンドを出力して、音声ランプ制御装置113が表示制御装置114に対して、各種制御コマンドを送信するように構成した。そして、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との間で、音声出力に関わる制御コマンドを相互に通信する構成について説明した。
これに対し、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とに対して、それぞれ制御コマンドを出力する。そして、表示制御装置114は音声ランプ制御装置113に対して、各種抽選等をしたことに基づく制御信号を出力して、音声ランプ制御装置113のMPU221は、その受信した制御信号が正しい当否判定結果に基づいて、抽選が行われているかの判別を行うように構成した点で第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。
その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
<第4実施形態における電気的構成>
次に、図52〜図53を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。第4実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、主制御装置110より表示制御装置114に対してコマンドを送信可能なように信号線で接続されている。音声制御装置113のMPU221のRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223a、変動開始フラグ223b、停止種別選択フラグ223cが削除されている。表示制御装置114のMPU231に制御用ROM700と制御用RAM710とがそれぞれ追加されている。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
<第4実施形態における主制御装置110の電気的構成>
次に、図52を参照して、第4実施形態における主制御装置110の電気的構成について説明する。第4実施形態では、主制御装置110から表示制御装置114に対して、コマンドを出力可能なように、信号線が接続されている。この信号線は、8ビットの信号を送信可能に構成されている。よって、第4実施形態では、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114に対して、それぞれ直接コマンドを一方向に送信可能なように構成されている。詳細については、後述するが、このように構成することで、主制御装置110より出力されたコマンドを音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とがそれぞれ受信して記憶しておくことで、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とで相互通信して制御を行う場合に、受信したコマンドの整合性を判別することができる。本実施形態では、表示制御装置114の方が表示に関わる制御を行う為、処理速度の速いMPU231で構成されているので、表示制御装置114において、遊技の演出等に必要な制御を実行させて、表示制御装置114より音声ランプ制御装置113に対して、制御に必要なコマンドやデータを出力するように構成した。そして、そのコマンドやデータの整合性を主制御装置110より受信したコマンドに基づいて判別して、異常がある場合には、異常を表示制御装置114に対して通知する。
これにより、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減できる。また、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とで相互通信を行うことで、制御処理の異常等を早期に判別できる。よって、早期に異常を修復して、遊技における支障を低減できる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113の電気的構成>
図52を参照して、音声ランプ制御装置113における電気的構成について説明する。音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223は、特別図柄保留球数カウンタ223a、変動開始フラグ223b、停止種別選択フラグ223cが削除されている。これは、第4実施形態では、表示制御装置114が遊技の演出における主な抽選等の処理を実行して、音声ランプ制御装置114は、表示制御装置114より受信したコマンドやデータの整合性を受信している変動パターンコマンドの当否判定結果より判別するためである。このように構成することで、音声ランプ制御装置113の制御負荷を軽減でき、RAM223の容量等を小さくすることができ、よりコストを低減させることができる。
<第4実施形態における表示制御装置114の電気的構成について>
図53を参照して、第4実施形態における表示制御装置114の電気的構成について説明する。第4実施形態における表示制御装置114には、制御用ROM700と制御用RAM710がそれぞれ追加されている。
制御用ROM700には、サブ変動パターンテーブル700aが追加されている。このサブ変動パターンテーブル700aは、図12に示すサブ変動パターンテーブルと同様の構成である。このサブ変動パターンテーブル700aには、変動パターンに対応して、設定すべき変動表示データテーブル234aが設定されている。
制御用RAM710には、特別図柄保留球数カウンタ710a、変動開始フラグ710b、停止種別選択フラグ710c、変動パターン記憶エリア710d、その他記憶エリア710eがそれぞれ設定されている。なお、この特別図柄保留球数カウンタ710a、変動開始フラグ710b、停止種別選択フラグ710c、変動パターン記憶エリア710dについては、第1実施形態の音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223a、変動開始フラグ223b、停止種別選択フラグ223c、変動パターン記憶エリア223dと表示制御装置114に設けられたこと以外は、同様の構成であるのでその詳細な説明は省略する。なお、その他記憶エリア710eには、遊技の制御に必要なその他フラグや各種データ等が記憶される記憶エリアである。
<第4実施形態における主制御装置110で実行される制御処理>
第4実施形態における主制御装置110のMPU201は、第1実施形態と同一の処理が実行されるが、第1実施形態では音声ランプ制御装置113および払出制御装置111に対してのみコマンドを出力するように構成していたが、第4実施形態では、表示制御装置114に対してもコマンドが出力される。なお、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114に対して出力されるコマンドは同一のコマンドが出力されて、出力された側の制御装置が必要なコマンドのみを受信してそのコマンドに基づく制御処理を実行するように構成されている。
なお、本実施形態では、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とに対して同じコマンドを出力するように構成したが、それに限らず、それぞれに対して、専用のコマンドを出力するように構成してもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とに不要なコマンドが出力されるのを抑制できる。よって、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とのコマンドを受信する制御負荷を軽減することができる。
また、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との制御負荷を主制御装置110のMPU201が判別して、出力する制御装置を切り替えることが可能なように構成してもよい。音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、同じコマンドに対して、同様の制御処理を実行することが可能に構成しておき、主制御装置110よりコマンドを受信したことに基づいて、そのコマンドに基づく演出の抽選等の処理を実行するように構成してもよい。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との制御処理能力を無駄なく使用することができる。よって、一方の制御装置に制御負荷が集中することを考慮して、高価な処理能力の高い制御装置を構成する必要を抑制できる。よって、パチンコ機10のコストを低減できる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置113で実行される制御処理>
次に、図54〜図56を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理について説明する。第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する処理において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図54)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図54を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図54)について説明する。図54は、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。第4実施形態における音声ランプ制御装置113でのメイン処理(図54)は、第1実施形態における音声ランプ制御装置113でのメイン処理(図23)に対して、S1305〜S1308,S1310,S1312までの各処理が削除されている。また、コマンド判定処理(図24、S1311)がコマンド判定処理4(図55、S1340)に変更されている。
図55を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図54)内の一処理であるコマンド判定処理4(S1340)について説明する。図55は、コマンド判定処理4(S1340)を示すフローチャートである。第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図55、S1340)では、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図24、S1311)に対してS1402,S1405〜S1409の各処理が削除されている。また、S1430〜S1431の各処理が追加され、音データ判定処理(図25、S1411)が音データ判定処理4(図56、S1440)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態における各処理と同一である。よって、同一の処理については、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図55、S1340)のS1401の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合には(S1401:No)、表示制御装置114よりランプ点灯コマンドを受信したか判別される(S1430)。ランプ点灯コマンドを受信していると判別した場合には(S1430:Yes)、受信したランプ点灯コマンドに基づいて、各ランプの点灯データを生成する(S1431)。ここで、ランプ点灯コマンドは、各ランプに対しての点灯データを示している。音声ランプ制御装置113のMPU221は、そのコマンドに対応した点灯データをそれぞれ生成する処理を実行する。
なお、本実施形態では、表示制御装置114より各ランプに対する点灯データを出力する構成としたが、それに限らず、各点灯パターン毎の点灯データを音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222に設定しておき、表示制御装置114より出力されるランプ点灯コマンドに基づいて、音声ランプ制御装置113のMPU221がLEDドライバー等に予め定められた一連の点灯データを自動的に出力させるように構成しても当然良い。このように構成することで、より表示制御装置114と音声ランプ制御装置113との制御負荷を軽減出来る。また、表示制御装置114が音声ランプ制御装置113に対して出力するコマンド数を削減できる。
一方、S1430の処理において、ランプ点灯コマンドを受信していないと判別された場合には(S1430:No)、表示出力音声コマンドを受信したか判別される(S1410)。表示出力音声コマンドを受信していると判別された場合には(S1410:Yes)、音データ判定処理4が実行される(S1440)。
次に、図56を参照して、第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるコマンド判定処理4(図55、S1340)内の一処理である音データ判定処理4(図56、S1440)について説明する。図56は、この音データ判定処理4(S1440)を示すフローチャートである。
音データ判定処理4(図56、S1440)では、まず、駆動役物800の動作に関連して表示される駆動演出の表示出力音声コマンド(本実施形態では、「ドッカーン」という効果音を出力させるコマンド)であるか判別される(S1531)。駆動演出の表示出力音声コマンドを受信していると判別された場合には(S1531:Yes)、駆動役物800は所定位置(本実施形態では、駆動位置)であるか判別される(S1532)。ここで、駆動役物800の位置が駆動位置であるかの判別は、駆動位置に配置された駆動センサ245が駆動役物800を検知しているか判別する。
駆動役物800が駆動位置以外の位置であると判別した場合には(S1532:No)、表示遅延コマンドを設定する。表示遅延コマンドは、第1実施形態における表示遅延コマンドと同様のコマンドである。
一方、S1531の処理において、駆動演出以外の表示出力音声コマンドであると判別された場合には(S1531:No)、表示出力音声コマンドが示す音声コマンドが音声ランプ制御装置113の変動パターン記憶エリア223dに記憶されている変動パターンが示す当否判定結果の抽選結果と一致するか判別される(S1534)。ここで、表示出力音声コマンドが示す音声(効果音)が特に、抽選結果に関わらず出力される音声である場合には、一致すると判別される。また、表示出力音声コマンドが特定の抽選結果である場合にの選択される音声(例えば、大当たりしたときにキャラクタが発する演出で使用されう「やったね」という音声)等である場合には、大当たりとなる変動パターンが変動パターン記憶エリア223dに記憶されているか判別される。
S1534の処理において、受信している表示出力音声コマンドの音声内容が抽選結果に一致すると判別された場合には(S1534:Yes)、受信した表示出力音声コマンドに基づく、音データを処理対象音データ記憶エリアに記憶する(S1535)。これにより、遊技者に正しい音声を出力することができる。よって、遊技者が誤った音声が報知される事により、混乱してしまう不具合を抑制できる。
一方、S1534の処理において、表示出力音声コマンドが示す音声内容が抽選結果に不一致であると判別されて場合には(S1534:No)、変動内容異常コマンドを設定して(S1536)、代替ランプデータを設定する(S1537)。
変動内容異常コマンドは、表示制御装置114が選択している変動パターンや演出の抽選処理等に異常があることを表示制御装置114に対して通知するためのコマンドである。代替ランプデータは、表示制御装置114から受信しているランプ点灯コマンドに基づいて設定されたランプ点灯データを代替えの点灯態様(本実施形態では、大当たり等を報知するランプ等の点灯を禁止(非点灯に設定)して、所定の点滅(3s間隔でその他の演出用のランプを点灯させる)で点灯)で点灯させる点灯データである。
これにより、ランプ等の点灯で大当たりを報知する演出(例えば、大当たりを報知する専用のランプの点灯)が設定されている場合にも、その点灯を中止できる。よって、遊技者に誤った報知がされてしまう不具合を防止できる。また、ランプが所定の点灯態様で点灯されるので、ランプが何も点灯されないで遊技者を不安にさせる不具合を防止できる。
また、表示制御装置114に対して、異常を通知することができるので、その異常に対応した処理を実行することができる。よって、表示制御装置114により表示している表示態様を代替の表示態様に切り替える等の処理を行うことで、遊技者に誤った表示態様で当否判定結果等が報知されてしまうのを防止できる。また、エラー表示や、外部端子等にエラー信号を出力することで、パチンコ機10で異常が発生していることを早期に遊技店側に通知できる。
<第4実施形態における表示制御装置114で実行される制御処理>
次に、図57〜図60を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の表示制御装置114のMPU231が実行する制御処理について説明する。第4実施形態における表示制御装置114のMPU231が実行する処理において、第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分は、表示制御装置114のMPU231が実行する表示タイマ割込み処理(図57、S2800)、V割込処理(図29、S2100)の一処理であるコマンド判定処理3(図50、S2130)である。よって、ここでは第1実施形態におけるパチンコ機10と異なる部分についてのみ説明し、その他の同一部分については、その説明を省略する。
図57参照して、第4実施形態で実行される表示制御装置114のMPU221により実行される表示タイマ割込処理(S2800)について説明する。図57は、この表示タイマ割込処理(S2800)を示すフローチャートである。この表示タイマ割込処理(図57、S2800)は、1ms毎の実行周期で実行される割込処理である。
第4実施形態における表示制御装置114にMPU231で実行される表示タイマ割込処理(図57、S2800)のコマンド出力処理(S2801)、電源投入報知処理(S2803)、客待ち演出処理(S2804)、保留個数表示更新処理(S2805)、枠ボタン入力監視・演出処理(S2806)、ランプ編集処理(S2807)、液晶演出実行管理処理(S2808)は、第1実施形態において音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図23)のコマンド出力処理(S1302)、電源投入報知処理(S1304)、客待ち演出処理(S1305)、保留個数表示更新処理(S1306)、枠ボタン入力監視・演出処理(S1307)、ランプ編集処理(S1308)、液晶演出実行管理処理(S1310)の各処理と同一の処理が実行される。なお。コマンド出力処理(S2801)では、音声ランプ制御装置113に対してコマンドを出力する点で異なる。よって、これらの詳細な説明は省略する。
第4実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される表示タイマ割込処理(図57、S2800)のS2801の処理が実行されると、その後、表示コマンド判定処理が実行される(S2802)。
図58を参照して、第4実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行される表示コマンド判定処理(S2802)について説明する。図58は、この表示コマンド判定処理(S2802)を示すフローチャートである。表示コマンド判定処理(図58、S2802)では、主制御装置110より受信したコマンドを判別して、その受信したコマンドそれぞれに対応した処理が実行される。なお、主制御装置110より受信したコマンドがすべて処理されるまで繰り返し実行されるように設定されている。
第4実施形態における表示制御装置114のMPU221により実行される表示タイマ割込処理(図57、S2800)内の一処理である表示コマンド判定処理(図58、S2802)では、まず、変動パターンコマンドを受信しているか判別される(S2901)。変動パターンコマンドを受信していると判別された場合には(S2901:Yes)、変動パターンコマンド処理が実行される(S2205)。この変動パターンコマンド処理は、第1実施形態における変動パターンコマンド処理(図31、S2205)と表示用変動パターンコマンドが変動コマンドに変わるのみで、その他は同様の処理が実行される。よって、その詳細な説明は省略する。
一方、S2901の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S2901:No)、停止種別コマンドを受信したか判別される(S2903)。停止種別コマンドを受信したと判別した場合には(S2903:Yes)、その停止種別に基づいて、停止図柄(第3図柄の停止図柄)を設定する(S2904)。
一方、S2903の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合には(S2903:No)、保留球数コマンドを受信しているか判別される(S2905)。保留球数コマンドを受信していると判別された場合には(S2905:Yes)、受信したコマンドから保留球数を抽出して、特別図柄保留球数カウンタ710aに格納する(S2906)。
一方、S2905の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合には(S2905:No)、その他のコマンドに応じた処理が実行される。
なお、本実施形態では、図示を省略したが、変動パターンコマンドを受信するとその変動パターンコマンドが示す当否判定結果に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される予告図柄の表示態様(例えば、特定の当否判定を報知するキャラクタの表示態様)が決定される。このような、演出に関わる抽選が表示制御装置114のMPU231により実行される。また、その予告等の演出表示態様の表示タイミングに合わせて出力される音声の出力を音声ランプ制御装置113に対して指示するための表示出力音声コマンドが設定される。
なお、本実施形態で実行する、表示タイマ割込処理(図57、S2800)は1ms周期の割込処理としたが、それに限らず、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図23)のように、ループ型の処理で構成してもよい。そして例えば、1msが経過する毎に割込み許可の設定、禁止の設定をすることで、V割込処理も実行させることができる。
次に図59を参照して、第4実施形態における表示制御装置114のMPU231により実行されるV割込処理(S2100)について説明する。第4実施形態におけるV割込処理(図59、S2100)では、第1実施形態におけるV割込処理(図29(b)、S2100)に対して、コマンド判定処理(図30、S2101)がコマンド判定処理4(図60、S2140)に変更されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理であるので、その詳細な説明は省略する。
図60を参照して、第4実施形態において、表示制御装置114のMPU231が実行するV割込処理(図59、S2100)内の一処理であるコマンド判定処理4(図60、S2140)について説明する。図60は、このコマンド判定処理4(図60、S2140)を示すフローチャートである。第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図60、S2140)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図30、S2101)に対して、S2204〜S2207までの各処理が削除され、S2260〜S2261の各処理が追加されている。その他の処理については、第1実施形態と同一の処理が実行されるので、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態におけるコマンド判定処理4(図60、S2140)では、S2208の処理において、表示遅延コマンドを受信していないと判別された場合には(S2208:No)、音声ランプ制御装置113より変動内容異常コマンドを受信しているか判別される(S2260)。変動内容異常コマンドを受信していると判別された場合には(S2260:Yes)、代替変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファに設定する(S2261)。この代替変動表示データテーブルは、画像用ROM234に設定されているデータテーブルであり、第3図柄が一定の速度で変動し続けた後に、変動時間が経過すると「115」等の定められたハズレ図柄で停止するように設定される。ここで、このハズレ図柄は、代替変動表示データテーブルが設定されると、停止図柄として設定される。
このように、選択されいる変動パターンに関わらず、ハズレの変動態様を表示するように差し替えることで、誤った変動パターンで当たりが報知されたにも関わらず、大当たり遊技が行われないことによるトラブルを防止できる。また、特定の停止図柄で停止させることで、表示制御装置114で不具合が発生していることを、店員やメンテナンスを行う者が容易に判別できる。よって、不具合箇所を早期に判別でき、容易に補修することができる。
第1〜第4実施形態の構成では、表示制御装置114が制御する表示態様に合わせて出力される音声の出力タイミングの指示は、表示制御装置114のMPU231が実行する。また、駆動役物800のように音声ランプ制御装置113が直接制御する動作に関連して出力される音声制御については、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するように構成したので、より音声の出力タイミングを連動する対象物の動作に合わせることができる。よって、遊技者に音声の出力タイミングが各対象物の動作(演出)に合うことで、迫力のある演出を行うことができる。
また、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とで音声出力の制御について相互に通信を行うのではなく、表示制御装置114が出力するコマンドに基づいて、そのコマンドが適切なものであるか判別するように構成したので、表示制御装置114の不具合を早期に判別できる。
また、第4実施形態の構成のように、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とでそれぞれ、演出の決定や抽選処理を実行する制御とその制御が正しく行われたかを判別する制御とをそれぞれの制御装置で分担することで、より制御負荷を軽減出来る。また、より正確な報知態様を遊技者に報知できる。
第1から第4実施形態の変形例として、本実施形態では、表示制御装置114が表示する表示態様のタイミングと駆動役物800の駆動タイミングが合わない場合には、表示態様のタイミングを変更することによりタイミングを合わせるように構成したが、それに限られるものではなく、駆動役物800の動作スピードを可変させる等の処理を実行してもよい。
第4実施形態の変形例として、主制御装置110は、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とに出力するコマンドを切り替える構成とする。どちらに振分けるかの判別は、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114との制御負荷を判別して切り替える。制御負荷の判別としては、遊技状態により判別する方法が考えられる。例えば、大当たり中は、表示制御装置114の制御負荷が低いので、音声ランプ制御装置113に対してコマンドを出力し、確変遊技状態中は、表示制御装置114の制御負荷が高くなるので、音声ランプ制御装置113に対して出力する。また、交互に切り替えるように構成してもよい。また、所定の抽選により切り替えてもよい。また、所定周期毎(例えば、100ms毎)に切り替えるように構成してもよい。
このように構成することで、一方の制御装置に制御負荷が偏ってしまう不具合を抑制できる。よって、高価な制御装置を構成することを抑制でき、パチンコ機10のコストを低減できる。
また、表示制御装置114が演出に関わる制御を主に制御する構成としたが、それに限るものでなく、表示制御装置114のMPU231の制御量により、制御の一部または全部を音声ランプ制御装置113のMPU221に対して行わせて、その制御結果を表示制御装置113に対して出力させるように構成してもよい。
このように構成することで、一時的に表示制御装置114のMPU231の制御負荷が高くなった場合にも、制御量を減らすことができる。
なお、第1から第4実施形態では、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、音声を出力するコマンドを出力して、そのコマンドを音声ランプ制御装置113のMPU221が異常があるか判別して、異常のない場合に出力する構成としたが、それに限らず、表示制御装置114から音声ランプ制御装置113に対して、強制的に音声を出力させるコマンドも備えるように構成してもよい。このように構成することで、エラー時等の音声を強制的に出力させて、エラーや不正をより確実に報知できる。
また、第1から第4実施形態では、第3図柄表示装置81の表示態様と音声、駆動役物800と音声との作動タイミングについて、同期をとることを例に説明したがそれに限るものではない。例えば、音声ランプ制御装置113が制御するランプの点灯態様と駆動役物800、表示制御装置114が制御する表示態様と音声ランプ制御装置113が制御するランプの点灯態様との作動タイミングを合わせるために第1〜第4実施形態の構成を適用してもよい。複数の制御基板間で、作動手段(音声、ランプ、駆動役物等)の作動タイミングを合わせる構成では、上記説明したような構成が適用できる。
また、第1から第4実施形態の一部または全部をそれぞれ組み合わせても当然よい。
また、本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、スロットマシンやパチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>
<課題>
従来、主制御手段から副制御手段に対して制御信号を送信して制御を実行させることで、制御負荷を分散させることが可能な遊技機が提案されている。このような遊技機においては、主制御手段は副制御手段の状態に関わらず一方的に制御信号を出力することで、副制御手段の異常により、主制御手段に意図する制御とは異なる制御が副制御手段で実行されてしまう不具合があった。
<手段>
第1制御手段と、その第1制御手段からの制御信号を受信して遊技の制御を実行する第2制御手段と、を有した遊技機において、前記第2制御手段は、前記第1制御手段からの制御信号に基づいて、前記第1制御手段に対して出力する前記第2制御手段の状態を確認することが可能な状態確認信号を生成する状態確認信号生成手段を有し、前記第1制御手段は、前記第2制御手段からの状態確認信号を受信した場合に、その状態確認信号を判別する状態判別手段と、その状態判別手段が前記第2制御手段の異常を判別したことに基づいて、その異常に対応する異常処理を実行する異常処理実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1制御手段からの制御信号を受信して遊技の制御が第2制御手段により実行される。第2制御手段では、第1制御手段からの制御制御信号に基づいて、第1制御手段に対して出力する第2制御手段の状態を確認することが可能な状態確認信号が状態確認信号生成手段により生成される。また、第1制御手段では、第2制御手段からの状態確認信号を受信した場合に、その状態確認信号が状態判別手段により判別される。その状態判別手段が第2制御手段の異常を判別したことに基づいて、その異常に対応する異常処理が異常処理実行手段により実行される。これにより、第2制御手段の異常を第1制御手段が容易に判別できる。よって、第2制御手段の異常を早期に判別できる。従って、第1制御手段が意図する制御とは異なる制御が第2制御手段により実行されてしまうのを防止できる。
遊技機A1において、前記異常処理実行手段が実行する異常処理は、前記第2制御手段に対して異常を通知する異常信号を生成するものであり、前記第2制御手段は、前記異常信号を受信したことに基づいて、副異常処理を実行する副異常処理実行手段を有しているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、異常処理実行手段が実行する異常処理により異常信号が生成される。第2制御手段では、異常信号を受信したことに基づいて、副異常処理が副異常処理実行手段により実行される。これにより、第2制御手段が異常を判別することができる。よって、その異常に対応した副異常処理を実行することで、異常に対する処理を実行できる。
遊技機A2において、前記副異常処理実行手段が実行する副異常処理は、前記第2制御手段が前記第1制御手段からの制御信号に基づいて実行する制御処理を予め定められた代替制御処理に切り替えて実行するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、副異常処理では、制御信号に基づいて実行する制御処理が予め定められた代替制御処理に切り替えられて実行される。これにより、第2制御手段に異常が発生している状態で、遊技者を混乱させるような制御を行う不具合を抑制できる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第1制御手段は、遊技の抽選結果に基づいて、遊技者にその抽選結果の報知に関わる主演出を実行する演出実行手段と、その主演出に関連して動作する主作動手段を作動させる主作動実行手段と、を有し、前記第2制御手段は、前記第1制御手段から出力される遊技の抽選結果を識別可能な制御信号を受信したことに基づいて、その抽選結果の報知に関わる副出演を実行する副演出実行手段と、その副演出に関連して前記主作動手段を作動させための副作動信号を前記第1制御手段に対して出力する副作動実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1制御手段では、遊技の抽選結果に基づいて、遊技差yにその抽選結果の報知に関わる主演出が演出実行手段により実行される。その主演出に関連して動作する主作動手段が主作動実行手段により作動される。また、第2制御手段では、第1制御手段から出力される遊技の抽選結果を識別可能な制御信号を受信したことに基づいて、その抽選結果の報知に関わる副演出が副演出実行手段により実行される。その副演出に関連して主作動手段を作動させるための副作動信号が第1制御手段に対して副作動実行手段により出力される。これにより、主演出に関連して作動される主作動手段の作動は、第1制御手段の主作動実行手段により制御され、副演出に関連して作動される主作動手段の作動は、第2制御手段の副作動実行手段が出力する副作動信号に基づいて制御されるように構成したので、それぞれの作動タイミングを容易に合わせることができる。よって、主演出とそれに関連する主作動手段の動作がずれてしまったり、副演出とそれに関連する副作動手段の動作がずれてしまう不具合を抑制できる。
遊技機A4において、前記副作動信号は、前記状態確認信号のうちの少なくとも1つであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、状態確認信号にうちの少なくとも1つとして副作動信号が設定されているので、専用の状態確認信号のみで構成する場合と比較してコマンドの種類を少なく構成できる。
遊技機A4またはA5において、遊技の抽選結果に基づいて、その抽選結果を報知するための演出態様を複数の演出態様より決定する演出態様決定手段を有し、その演出態様決定手段が決定した演出態様のうちの少なくとも1つには、前記主演出と副演出とが互いにそれぞれ定められたタイミングで実行されることにより、1つの演出となる融合演出が実行される融合演出態様が含まれており、前記第1制御手段は、前記融合演出態様が決定された場合に、前記第2制御手段が出力する副作動信号に基づいて前記主演出の状態を判別する主演出状態判別手段と、その主演出状態判別手段により、前記主演出と前記副演出とが予め定められたタイミングで実行されていないと判別された場合に、そのタイミングを変更させる切替手段と、を有しているものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4またはA5の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、遊技の抽選結果に基づいて、その抽選結果を報知するための演出態様が複数の演出態様のうちから演出態様決定手段により決定される。その演出態様決定手段が決定した演出態様にうちの少なくとも1つには、主演出と副演出とが互いにそれぞれ定められたタイミングで実行されることにより、1つの演出となる融合演出が実行される融合演出態様が含まれる。第1制御手段では、融合演出が決定された場合に、第2制御手段が出力する副作動信号に基づいて主演出の状態が主演出状態判別手段により判別される。その主演出状態判別手段により、主演出と副演出とが予め定められたタイミングで実行されていないと派別された場合に、そのタイミングを切替手段が変更させる。これにより、予め定められたタイミングでそれぞれ実行されずに、正規の融合演出を遊技者に対して演出できないという不具合を抑制できる。切替手段によりタイミングを変更させることにより、タイミングを再度合わせることが可能となる。よって、正規の融合演出を安定して実行することができる。
遊技機A6において、前記切替手段は、前記第2制御手段に対して、前記主演出と前記副演出とのタイミングが予め定められたタイミングとは異なることを通知する切替信号を生成するものであり、前記第2制御手段は、前記切替信号を受信したことに基づいて、前記副演出の実行タイミングを変更する副タイミング変更手段を有するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1制御手段の切替手段では、第2制御手段に対して、主演出と副演出とのタイミングが予め定められたタイミングを通知する切替信号が生成される。そして、第2制御手段では、切替信号を受信したことに基づいて、副演出の実行タイミングが副タイミング変更手段により変更される。これにより、副演出の実行タイミングが変更されることにより、主演出のタイミングと再度、合わせることができる。
<特徴B群>
<課題>
液晶表示の制御において、液晶表示で表示されている内容を音声制御装置が把握できないために、音声制御装置が出力する音声と液晶表示の内容とが一致せず、ズレてしまうという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、液晶表示の内容と出力される音声とのズレを抑制した遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
第1制御手段と、第2制御手段と、前記第1制御手段から出力される第1作動信号を受信して作動する共通作動手段と、を有した遊技機において、前記第2制御手段は、前記第2制御手段が制御する副作動手段の作動に関連した作動を前記共通作動手段にさせる第1作動信号を前記第1制御手段より出力させる作動関連信号を生成する作動関連信号生成手段を有し、前記第1制御手段は、第1制御手段が制御する主作動手段の作動に関連した作動と前記第2制御手段から出力された作動関連信号が示す作動とをそれぞれ前記共通作動手段に作動させる前記第1作動信号を生成する第1作動信号生成手段を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、第1制御手段から出力される第1作動信号を受信することにより共通作動手段が作動する。そして、第2制御手段では、第2制御手段が制御する副作動手段の作動に関連した作動を共通作動手段にさせる第1作動信号を第1制御手段より出力させる作動関連信号が作動関連信号生成手段により生成される。第1制御手段では、第1制御手段が制御する主作動手段の作動に関連した作動と第2制御手段から出力された作動関連信号が示す作動とをそれぞれ共通作動手段手段に作動させる第1作動信号が第1作動信号生成手段により生成される。これにより、制御手段が制御する作動手段に関連して作動する共通作動手段の作動タイミングを合わせることができる。よって、複数の作動手段の作動が一体となった迫力のある作動をさせることができる。従って、それぞれの制御手段の制御タイミングのズレを抑制できる。
遊技機B1において、前記共通作動手段は、遊技に関する音声を出力可能な音声出力手段で構成されていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、それぞれの制御手段に作動される作動手段の作動に合わせたタイミングの音声を出力できる。
遊技機B2において、前記第1制御手段は、所定の契機に基づいて実行された遊技の抽選結果に基づいて、前記第2制御手段に対して、前記抽選結果を識別可能な抽選制御信号を出力するものであり、前記第2制御手段は、前記抽選制御信号を受信したことに基づいて、その抽選結果を遊技者に報知するか否かを決定する報知決定手段と、その報知決定手段により抽選結果を報知すると決定された場合に、抽選結果を遊技者に報知する音声を第1制御手段により前記共通作動手段から出力させる当否音声信号を生成する当否音声信号生成手段と、を有し、前記第1制御手段は、前記当否音声信号を受信した場合には、前記遊技の抽選結果とその当否音声信号が示す抽選結果とを照合する照合手段と、その照合手段により、照合結果が不一致であると判別された場合に、前記当否音声信号が指示する音声の出力を禁止する禁止手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1制御手段では、所定の契機に基づいて実行された遊技の抽選結果に基づいて、第2制御手段に対して、抽選結果を識別可能な抽選制御信号が出力される。第2制御手段では、抽選制御信号を受信したことに基づいて、その抽選結果を遊技者に報知するか否かが報知決定手段により決定される。その報知決定手段により抽選結果を報知すると決定された場合に、抽選結果を遊技者に報知する音声を第1制御手段により前記音声出力手段から出力させる当否音声信号が当否音声信号生成手段により生成される。第1制御手段では、当否音声信号を受信した場合には、遊技の抽選結果とその当否音声信号が示す抽選結果とが照合手段により照合される。その照合手段により、照合結果が不一致であると判別された場合に、当否音声信号が指示する音声の出力が禁止手段により禁止される。これにより、誤った抽選結果により決定された音声が出力される不具合を防止できる。よって、より正確な報知を遊技者に行うことができる。
遊技機B2またはB3において、前記第1制御手段の禁止手段は、前記当否音声信号が指示する音声とは異なる予め定められた代替音声と切替えて設定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技にB2またはB3の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1制御手段では、当否音声信号が指示する音声とは異なる予め定められた代替音声に禁止手段により切替えて設定される。よって、代わりの音声が報知されることで、演出が間抜けてしまう不具合を防止できる。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第2制御手段は、前記副作動手段として、前記抽選制御信号が示す抽選結果を示す識別情報を表示可能な表示手段と、前記報知決定手段により抽選結果を報知すると決定された場合に、報知される音声の出力タイミングと前記表示手段に表示される識別情報が表示されるタイミングとを所定のタイミングに設定するタイミング設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかの奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第2制御手段では、副作動手段として、抽選制御信号が示す抽選結果を示す識別情報が表示手段に表示される。報知決定手段により抽選結果を報知すると決定された場合に、報知される音声の出力タイミングと表示手段に表示される識別情報が表示されるタイミングとが所定のタイミングにタイミング設定手段により設定される。これにより、音声と表示とのタイミングを容易に合わせることができる。よって、表示と音声とが一致するタイミングで報知したい場合にも容易に制御できる。
遊技機B5において、前記第1制御手段は、前記第1制御手段の前記照合手段が不一致であると判別した場合には、前記照合結果が不一致であったことを第2制御手段に対して通知する不一致信号を生成する不一致信号生成手段を有し、前記第2制御手段は、前記不一致信号を受信したことに基づいて、前記表示手段に表示する抽選結果を示す前記識別情報を予め定められた代替識別情報に切替える代替表示手段とを有するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1制御手段では、前記照合手段が不一致であると判別した場合には、照合結果が不一致であったことを第2制御手段に対して通知する不一致信号が不一致信号生成手段により生成される。一方、第2制御手段では、不一致信号を受信したことに基づいて、表示手段に表示する抽選結果を示す識別情報が予め定められた代替識別情報に代替表示手段により切り替えられる。これにより、誤った当否判定情報を示す識別情報が表示されてしまう不具合を防止できる。よって、遊技者を誤った識別情報で混乱させてしまう不具合を抑制できる。
<特徴C群>
遊技の制御を実行する主制御手段と、前記主制御手段からの制御信号をそれぞれ受信して、遊技の制御を実行する第1副制御手段および第2副制御手段と、を有した遊技機において、前記主制御手段は、遊技の抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段の抽選結果に基づいて、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段とに対して出力する前記抽選結果を識別可能な当否制御信号を生成する制御信号生成手段と、を有し、前記第2副制御手段は、前記当否制御信号に基づいて、遊技に関する演出内容を決定する演出決定手段と、その演出決定手段が決定した演出内容を前記第1副制御手段に対して通知する演出通知信号を生成する演出通知信号生成手段と、を有し、前記第1副制御手段は、前記演出通知信号を受信した場合に、前記主制御手段より受信している前記当否制御信号が示す当否判定結果に基づいて、前記演出通知信号が示す演出内容について正常であるかを判別する演出判別手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、主制御手段からの制御信号をそれぞれ受信して、遊技の制御が第1副制御手段と第2副制御手段とにより実行される。主制御手段では、遊技の抽選を実行する抽選手段の抽選結果に基づいて、第1副制御手段と第2副制御手段とに対して出力する抽選結果を識別可能な当否制御信号が制御信号生成手段により生成される。第2副制御手段では、当否制御信号に基づいて、遊技に関する演出内容が演出決定手段により決定される。その決定された演出内容を第1副制御手段に対して通知する演出通知信号が演出通知信号生成手段により生成される。第1副制御手段では、演出通知内容を受信した場合に、当否制御信号が示す当否判定結果に基づいて、演出通知信号が示す演出内容について正常であるかが演出判別手段により判別される。これにより、ノイズ等の影響により実際の当否判定結果と異なる抽選結果に基づいて、演出内容が選択された場合にも、その異常の判別を他の制御手段により行うことができる。よって、異常を早期に判別できる。従って、複数の制御手段間で遊技の制御を行う場合の不具合を抑制することができる。
遊技機C1において、前記第1副制御手段から出力される音声信号を受信して外部に音声を出力する音声出力手段を有し、前記第2副制御手段は、前記第2副制御手段が制御する第2副作動手段の作動に関連した音声を前記音声出力手段より前記主制御手段に出力させる音声出力信号を生成する音声出力信号生成手段を有し、前記第1副制御手段は、前記第1副制御手段が制御する第1副作動手段の作動に関連した音声と前記第2副制御手段から出力された音声出力信号が示す音声とをそれぞれ前記音声出力手段に出力させる音声信号を生成する音声信号生成手段を有するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第1副制御手段から出力される音声信号を受信して外部に音声が音声出力手段により出力される。第2副制御手段では、第2副制御手段が制御する第2副作動手段の作動に関連した音声を音声出力手段より主制御手段に出力させる音声出力信号が音声出力信号生成手段により生成される。第1副制御手段では、第1副制御手段が制御する第1副作動手段の作動に関連した音声と第2副制御手段から出力された音声出力信号が示す音声とをそれぞれ音声出力手段に出力させる音声信号が音声信号生成手段により生成される。これにより、制御手段が制御する作動手段に関連する音声を出力するタイミングをそれぞれの制御手段が指示できるので、より容易に作動手段の作動タイミングと音声の出力タイミングとを容易に正規のタイミングに合わせることができる。よって、音声と作動とが一体となった迫力のある作動をさせることができる。従って、それぞれの制御手段の制御タイミングのズレを抑制できる。
遊技機C1またはC2において、前記第2副制御手段は、所定の条件が成立したことを契機に、前記主制御手段からの制御信号に基づいて前記第2副制御手段が実行する遊技の制御の少なくとも一部である臨時制御処理を第1副制御手段に対して実行するように指示する臨時信号を生成する臨時信号生成手段を有し、前記第1副制御手段は、前記臨時信号を受信したことに基づいて、前記臨時制御処理を実行した後、その実行結果を通知する臨時制御結果信号を生成する臨時制御結果信号生成手段を有するものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1または遊技機C2の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第2副制御手段は、所定の条件が成立したことを契機に、主制御手段からの制御信号に基づいて第2副制御手段が実行する遊技の制御の少なくとも一部である臨時制御処理を第1副制御手段に対して実行するように指示する臨時信号が臨時信号生成手段により生成される。第1副制御手段では、臨時信号を受信したことに基づいて、臨時制御処理を実行した後、その実行結果を通知する臨時制御結果信号が臨時制御結果信号生成手段により生成される。これにより、所定の条件が成立した場合には、第2副制御手段の制御の一部を第1副制御手段に実行させることができ、第1副制御手段の制御負荷を軽減できる。よって、第1副制御手段と第2副制御手段との両方を有効に活用できる。
遊技機C3において、前記第2副制御手段は、実行している又は未実行の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、前記臨時信号生成手段は、その制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量を判別したことに基づいて、前記所定の条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、第2副制御手段は、実行している又は未実行の制御量が制御量判別手段により判別される。制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量を判別したことに基づいて、所定の条件が成立したと臨時信号生成手段により判別される。これにより、第2副制御手段の制御量により第2副制御手段の制御量を第1副制御手段に対して割り振ることができ、第2副制御手段の制御負荷を軽減できる。よって、第2副制御手段の制御量が一定量以上になることを抑制できる。従って、第2副制御手段の構成が過度にコストが高くなることを防止できる。
遊技機C3において、臨時信号生成手段は、一定周期毎に前記臨時信号を生成するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、一定周期毎に前記臨時信号が臨時信号生成手段により生成されるので、定期的に第2副制御手段の制御量を第1副制御手段に振分けることができ、第3副制御手段の制御負荷が高くなるのを抑制できる。
<特徴D群>
遊技の制御を実行する主制御手段と、前記主制御手段からの制御信号を受信可能に構成された第1副制御手段および第2副制御手段と、を有した遊技機において、前記主制御手段は、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段とのどちらか一方に前記制御信号を出力するように切り替える切替手段を有し、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段とは、前記制御信号を受信したことに基づいて、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段との双方に必要な遊技の制御処理をそれぞれ実行する相互制御実行手段を有し、その相互制御実行手段により生成された前記第1または第2副制御手段に対して出力する遊技の制御を実行するための従制御信号を互いに送受信可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、第1副制御手段および第2副制御手段とは主制御手段からの制御信号を受信可能に構成されている。主制御手段では、所定の条件が成立したことに基づいて、第1副制御手段と第2副制御手段とのどちらか一方に制御信号が出力するように切替手段により切り替えられる。第1副制御手段と第2副制御手段とは、制御信号を受信したことに基づいて、第1副制御手段と第2副制御手段との双方に必要な遊技の制御処理が相互制御実行手段によりそれぞれ実行される。その相互制御実行手段により生成された第1または第2副制御手段に対して出力する遊技の制御を実行するための従制御信号を互いに送受信可能に構成されている。これにより、第1副制御手段と第2副制御手段とを切替えながら制御を実行することができ、一方に制御が集中してしまう不具合を抑制できる。よって、制御負荷を軽減することができる。
遊技機D1において、前記主制御手段は、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段との少なくとも一方の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、前記切替手段は、前記制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、切替え処理を実行するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加えて次の効果を奏する。即ち、主制御手段では、第1副制御手段と第2副制御手段との少なくとも一方の制御量が制御量判別手段により判別される。制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、切替え処理が切替手段により実行される。これにより、制御量によって制御を実行させる制御手段を切り替えることができるので、制御負荷を軽減してより敏速に制御を行うことができる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された入賞口に入賞(又は入賞口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記各遊技機は、スロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記各遊技機は、パチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
従来より、従来、主制御手段から副制御手段に対して制御信号を送信して制御を実行させることで、制御負荷を分散させることが可能な遊技機が提案されている(例えば、特許文献1:特開2010−279559号公報)。
この種のパチンコ機において、主制御手段は副制御手段の状態に関わらず一方的に制御信号を出力することで、副制御手段の異常により、主制御手段の意図する制御とは異なる制御が副制御手段で実行されてしまう不具合があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、複数の制御手段間で遊技の制御を行う場合の不具合を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、遊技の制御を実行する主制御手段と、前記主制御手段からの制御信号を受信可能に構成された第1副制御手段および第2副制御手段と、を有した遊技機において、前記主制御手段は、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段とのどちらか一方に前記制御信号を出力するように切り替える切替手段を有し、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段とは、前記制御信号を受信したことに基づいて、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段との双方に必要な遊技の制御処理をそれぞれ実行する相互制御実行手段を有し、その相互制御実行手段により生成された前記第1または第2副制御手段に対して出力する遊技の制御を実行するための従制御信号を互いに送受信可能に構成されているものである。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1に記載の遊技機において、前記主制御手段は、前記第1副制御手段と前記第2副制御手段との少なくとも一方の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、前記切替手段は、前記制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、切替え処理を実行するものである。
<効果>
複数の制御手段間で遊技の制御を行う場合の不具合を抑制することができる。
10 パチンコ機(遊技機)
110 主制御装置(主制御手段、制御量判別手段
113 音声ランプ制御装置(第1副制御手段)
114 表示制御装置(第2副制御手段)

Claims (5)

  1. 遊技の制御を実行する主制御手段と、
    その主制御手段からの制御信号を受信可能に構成された第1副制御手段および第2副制御手段と、を有した遊技機において、
    前記主制御手段は、所定の条件が成立したことに基づいて、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段どちらか一方に前記制御信号を出力するように切り替える切替手段を有し、
    前記第1副制御手段および前記第2副制御手段それぞれが前記制御信号を受信した場合に共通の制御処理を実行する共通制御実行手段を有し、
    前記第1副制御手段または前記第2副制御手段とのいずれか一方が有する前記共通制御実行手段により実行された前記共通の制御処理の内容を、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のいずれか他方へと出力可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機。
  2. 前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段少なくとも一方の制御量を判別可能な制御量判別手段を有し、
    前記制御量判別手段が予め定められた許容制御量以上の制御量であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、
    前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記制御量判別手段により前記許容制御量以上の制御量であると判別されていない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替えるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記主制御手段は、前記遊技の状態を判別可能な遊技状態判別手段を有し、
    前記遊技状態判別手段による判別の結果が所定の判別結果であると判別したことを契機に、前記所定条件が成立するものであり、
    前記切替手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段のうち、前記所定の判別結果が示す前記遊技の状態において制御量が少ない側に前記制御信号を出力するように出力先を切り替えるものであることを特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
  4. 前記切替手段は、所定の周期に基づいて前記制御信号の出力先を切替可能なものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記第1副制御手段および前記第2副制御手段は、前記共通制御実行手段とは別に専用の制御処理を実行する専用制御実行手段を有しており、
    前記主制御手段は、前記第1副制御手段または前記第2副制御手段に出力する制御信号として、前記共通制御実行手段により制御処理が実行可能な第1制御信号と、前記専用制御実行手段により制御処理が実行可能な第2制御信号とを有するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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