JP5991093B2 - 無線通信システム、無線基地局及び通信制御方法 - Google Patents
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Description
また、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)を拡張したHSPA(High Speed Packet Access)などにより、約10Mbps以上の無線通信が実現されるようになった。
なお、無線通信に関する既存の技術として、例えば、下記特許文献1には、基地局が、バックホールリンクの通信速度との速度差が小さくなるように無線リンクの通信速度を制御することで、干渉抑制及び転送遅延の短縮を図る方法が記載されている。
このような無線通信システムにおいて、無線端末とコンテンツサーバなどの通信装置との間で通信を行なう場合、無線基地局と無線端末との間の無線伝搬路において、データ誤り(以下、単に無線誤りともいう)やデータ消失が生じることがある。
しかしながら、データの再送制御に伴う遅延により、無線レイヤよりも上位のレイヤ(以下、単に上位レイヤともいう)でのスループットが大幅に低下することがあるが、上記の特許文献1及び2では、このような状態が考慮されていない。
また、無線リソースを効率的に利用することを他の目的の1つとする。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の1つとして位置付けることができる。
また、無線リソースを効率的に利用することが可能となる。
〔1〕一実施形態
(1.1)無線通信システムの構成例
図1は一実施形態に係る無線通信システムの構成の一例を示す図である。
また、無線基地局3は、セルやセクタなどの無線エリアを提供し、当該無線エリアを介して無線端末4と無線通信を行なう機能を有する。
さらに、EPC4は、C−Plane(Control Plane)及びU−Plane(User Plane)を制御する機能を有する。
コンテンツサーバ7は、例えば、動画,音声,WEBデータなどのコンテンツを提供する。コンテンツサーバ7から送信されたコンテンツは、ルータ6−2,6−1,インターネット5,EPC4及び無線基地局3を介して、無線端末2へ配信される。
ここで、無線通信システム1におけるデータ通信の一例を図2に示す。
そして、無線端末2は、データa,データb,データcを正常に受信できた場合に、データa,データb,データcをそれぞれ正常受信できたことを示すACK(ACKnowledgement)a,ACKb,ACKcをUL(Up Link)方向へ返信する。
図2に示す例では、コンテンツサーバ7におけるデータa,データb,データcの各送信タイミングからACKa,ACKb,ACKcの各受信タイミングまでの時間(往復遅延時間(RTT:Round Trip Time))は、4msとなっている。
データaが無線端末2で受信されない場合、無線基地局3は、無線端末2からデータaに対応するACKaを受信できない。
そこで、無線基地局3は、データaを送信後、所定の再送周期(RTO:Retransmission Time Out)が経過してもデータaに対応するACKaを受信できない場合、データaを無線端末2に対して再送する。
ここで、RTTが12msである場合、無線端末2とコンテンツサーバ7との間のTCPスループットの上限値は、前述の式(1)により約42.67Mbpsと算出される。
ところが、無線誤りによるデータの再送が発生した場合、上述したようなTCPウィンドウ制御のフリーズにより、期待される伝送速度の117Mbpsよりも60%程度も低い約42.67MbpsのTCPスループットが得られるに留まることになる。
具体的には例えば、無線誤りによるデータの再送が発生した場合に、無線通信速度と無線誤り率とから期待される通信速度(無線レイヤでのスループット)と、より上位レイヤでのスループットとに基づいて、無線誤り率を抑制する制御を行なう。
(1.2)無線端末2の構成例
図4は無線端末2の構成の一例を示す図である。
アンテナ201は、自局2が在圏するセルなどの無線エリアを提供する無線基地局3との間で無線信号の送受信を行なう。なお、アンテナ201は、自局2が在圏するセルなどの無線エリアを提供する無線基地局3とは異なる他の無線基地局3との間で、無線信号を中継するリピータなどを介して、間接的に無線信号の送受信を行なうこともできる。
アンテナ共用部202は、アンテナ201での送受信機能を切り替える装置である。なお、無線端末2が、アンテナ201に代えて、送信用アンテナと受信用アンテナとを個別に有する場合、アンテナ共用部202は省略される。
送信処理部205は、アンテナ201で送信する無線信号について所定の無線送信処理を施す。当該無線送信処理には、例えば、送信データのD/A(ディジタル/アナログ)変換、無線周波数への周波数変換(アップコンバージョン)、電力増幅などの処理が含まれる。
(1.3)無線基地局3の構成例
図5は無線基地局3の構成の一例を示す図である。
即ち、アンテナ301は、無線端末2と無線通信を行なう無線部の一例として機能し得る。
PHY受信部303は、アンテナ301で受信したULの無線信号について所定の無線(レイヤ1(PHY:Physical Layer))受信処理を施す。当該無線受信処理には、例えば、受信無線信号の低雑音増幅、ベースバンド周波数への周波数変換(ダウンコンバージョン)、A/D変換、復号、復調などの処理が含まれる。PHY受信部303によって所定の無線受信処理を施された信号は、UL MAC処理部304へ送出される。
UL TCP処理部305は、UL MAC処理部304によって所定のMAC処理を施された信号について、所定のレイヤ3(TCP)処理を施す。UL TCP処理部305によって所定のTCP処理を施された信号は、上位網側のEPC4やインターネット5などへ送出される。
UL PHYスループット算出部307は、PHY受信部303によって正常に復調された信号の情報量と、その受信期間とに基づいて、ULでの無線スループット(UL PHYスループット)を算出する。ここで、ULでの無線誤り率がn(0≦n≦100)%のときのUL PHYスループットは、ULでの無線誤り率が0%である場合のUL PHYスループットに、(100−n)%を乗じた値となる。UL PHYスループット算出部307によって算出されたUL PHYスループットは、制御部308へ通知される。
DL TCPスループット算出部310は、DL TCP処理部311によって正常に復元されたIPパケットなどのレイヤ3信号の情報量と、その受信期間とに基づいて、上位網側からのTCP信号のスループット(DL TCPスループット)を算出する。DL TCPスループット算出部310によって算出されたDL TCPスループットは、制御部308へ通知される。
PHY送信部313は、アンテナ301で送信するDLの無線信号について所定の無線(レイヤ1(PHY))送信処理を施す。当該無線送信処理には、例えば、送信データのD/A変換、無線周波数への周波数変換(アップコンバージョン)、電力増幅などの処理、符号化、変調などの処理が含まれる。また、PHY送信部313は、アンテナ301から送信した無線信号が、無線端末2において正常に受信されたかの送達確認を行なう。
DL PHYスループット算出部315は、PHY送信部313によって送信された無線信号のうち、無線端末2で正常に復調された信号の情報量と、その送信期間とに基づいて、DLでの無線スループット(DL PHYスループット)を算出する。ここで、DLでの無線誤り率がm(0≦m≦100)%のときのDL PHYスループットは、DLでの無線誤り率が0%である場合のDL PHYスループットに、(100−m)%を乗じた値となる。DL PHYスループット算出部315によって算出されたDL PHYスループットは、制御部308へ通知される。
また、制御部308は、UL及びDLでの各無線通信について、各種パラメータを変更する制御を行なうことができる。なお、各種パラメータには、例えば、無線端末2での送信電力,UL無線信号の符号化方式,UL無線信号の変調方式,自局3での送信電力,DL無線信号の符号化方式及びDL無線信号の変調方式などが含まれる。ここで、無線端末2での送信電力,UL無線信号の符号化方式及びUL無線信号の変調方式については、無線基地局3が、無線端末2に対して制御信号を送信することにより、変更することができる。
具体的には例えば、無線基地局3は、DLでの無線誤り率,DL PHYスループットなどの無線側の品質を測定するとともに、DL TCPスループットなどの有線側の品質を収集し、下位レイヤである無線側での無線誤りの影響が、上位レイヤ側でのTCPスループットに多大な影響を及ぼしていないかどうかを判定し、当該判定結果に基づいて上記の各種パラメータの変更制御を実施することで、DL TCPスループットの低下を効率的に抑制することができる。
(1.4)無線通信システム1の動作例
図6は無線通信システム1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、一例として、DL方向に着目した処理について説明するが、UL方向についても同様の処理を実施可能であることは言うまでもない。
そして、無線基地局3は、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかを判定する(ステップS12)。なお、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかは、例えば、RTOのタイムアウトや、NACKの受信や、DLでの無線誤り率あるいはULでの無線誤り率などに基づいて判定することができる。
ここで、TCPスループットがPHYスループットよりも小さいと判定された場合(ステップS13のYesルート)、無線基地局3は、自局3の送信電力を増加可能かどうかについて判定する(ステップS14)。
なお、上記ステップS11〜S15の処理は、無線基地局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していないと判定されるか(ステップS12のNoルート)、TCPスループットがPHYスループット以上であると判定されるか(ステップS13のNoルート)、リソースに余裕がなく無線基地局3の送信電力を増加できないと判定される(ステップS14のNoルート)まで、無線基地局3によって繰り返し実施される。
この図7に例示するように、例えば、初期状態では、無線基地局3の送信電力が10dBm、無線誤り率が15%、DLでの無線誤り率を基に算出されるPHYスループットが111Mbps、所定の受信期間内に生じた再送による遅延時間が1.56ms、DL TCPスループットが92.1Mbpsである。
〔2〕第1変形例
上述した一実施形態では、無線基地局3が無線誤り率を低下させるべく、自局3の送信電力を増加させる制御を行なったが、無線基地局3は、データの符号化率及び変調方式の少なくともいずれかを変更することにより、無線誤り率を低下させてもよい。
この図8に例示するように、定期あるいは不定期に処理が開始されると(ステップS20)、まず、無線基地局3は、DL PHYスループット,DLでの無線誤り率及びDL TCPスループットの各値を取得する(ステップS21)。
自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していると判定された場合(ステップS22のYesルート)、無線基地局3は、TCPスループットがPHYスループットよりも小さいかどうかを判定する(ステップS23)。なお、ステップS23において、無線基地局3は、TCPヘッダの処理に要する時間などを考慮し、ヘッダマージン×TCPスループットがPHYスループットよりも小さいかどうかを判定してもよい。
ここで、TCPスループットがPHYスループットよりも小さいと判定された場合(ステップS23のYesルート)、無線基地局3は、より誤り耐性の高い符号化率または変調方式を利用可能かどうかについて判定する(ステップS24)。なお、符号化率と変調方式との組み合わせを示すMCS(Modulation and Coding Scheme)について、より誤り耐性の高い組み合わせのMCSを利用可能かどうかについて判定してもよい。
なお、上記ステップS21〜S25の処理は、無線基地局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していないと判定されるか(ステップS22のNoルート)、TCPスループットがPHYスループット以上であると判定されるか(ステップS23のNoルート)、より誤り耐性の高い符号化率、変調方式を利用できないと判定される(ステップS24のNoルート)まで、無線基地局3によって繰り返し実施される。
この図9に例示するように、例えば、初期状態では、無線基地局3でのMCSが「変調方式=64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、且つ、符号化率(R)=0.75」、無線誤り率が20%、DLでの無線誤り率を基に算出されるPHYスループットが112Mbps、所定の受信期間内に生じた再送による遅延時間が2.24ms、DL TCPスループットが82.1Mbpsである。なお、符号化率(R)は、符号化前のデータ長/符号化後のデータ長を表している。
本例によれば、上述した一実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
また、上記第1変形例において、無線誤り率を0%にしたときのTCPスループットよりも、無線誤りが発生している状況でのTCPスループットの方が大きい値となることがある。この場合、TCPスループットが最大値を示すように、各種パラメータを制御するのが望ましい。
図10は無線通信システム1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、一例として、DL方向に着目した処理について説明するが、UL方向についても同様の処理を実施可能であることは言うまでもない。
そして、無線基地局3は、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかを判定する(ステップS32)。なお、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかは、例えば、DLでの無線誤り率あるいはULでの無線誤り率に基づいて判定することができる。
ここで、TCPスループットがPHYスループットよりも小さいと判定された場合(ステップS33のYesルート)、無線基地局3は、より誤り耐性の高い符号化率、変調方式を利用可能かどうかについて判定する(ステップS34)。なお、符号化率と変調方式との組み合わせを示すMCSについて、より誤り耐性の高い組み合わせのMCSを利用可能かどうかについて判定してもよい。
なお、上記ステップS31〜S35の処理は、無線基地局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していないと判定されるか(ステップS32のNoルート)、TCPスループットがPHYスループット以上であると判定されるか(ステップS33のNoルート)、より誤り耐性の高い符号化率、変調方式を利用できないと判定される(ステップS34のNoルート)まで、無線基地局3によって繰り返し実施される。
以上のように、本例によれば、TCPスループットを確実に最大化することが可能となる。
また、例えば、上述した一実施形態に係る処理と第1変形例に係る処理とを組み合わせて実施してもよい。
図11は無線通信システム1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下では、一例として、DL方向に着目した処理について説明するが、UL方向についても同様の処理を実施可能であることは言うまでもない。
そして、無線基地局3は、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかを判定する(ステップS42)。なお、自局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生しているかどうかは、例えば、DLでの無線誤り率あるいはULでの無線誤り率に基づいて判定することができる。
ここで、TCPスループットがPHYスループットよりも小さいと判定された場合(ステップS43のYesルート)、無線基地局3は、自局3の送信電力を増加可能かどうかについて判定する(ステップS44)。
なお、上記ステップS41〜S45の処理は、無線基地局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していないと判定されるか(ステップS42のNoルート)、TCPスループットがPHYスループット以上であると判定されるか(ステップS43のNoルート)、リソースに余裕がなく無線基地局3の送信電力を増加できないと判定される(ステップS44のNoルート)まで、無線基地局3によって繰り返し実施される。
一方、リソースに余裕がなく無線基地局3の送信電力を増加できないと判定された場合(ステップS44のNoルート)、無線基地局3は、より誤り耐性の高い符号化率、変調方式を利用可能かどうかについて判定する(ステップS46)。なお、符号化率と変調方式との組み合わせを示すMCSについて、より誤り耐性の高い組み合わせのMCSを利用可能かどうかについて判定してもよい。
なお、上記ステップS46〜S47の処理は、無線基地局3と無線端末2との間の無線通信経路において無線誤りが発生していないと判定されるか(ステップS42のNoルート)、TCPスループットがPHYスループット以上であると判定されるか(ステップS43のNoルート)、より誤り耐性の高い符号化率、変調方式を利用できないと判定される(ステップS46のNoルート)まで、無線基地局3によって繰り返し実施される。
また、例えば、上述した一実施形態に係る処理と第2変形例に係る処理とを組み合わせて実施してもよい。
この場合、無線基地局3は、上記ステップS48に代えて、TCPスループットが最大値を示す送信電力、符号化率、変調方式を選択することができるので、TCPスループットを確実に最大化することが可能となる。
上述した一実施形態及び各変形例では、無線基地局3が、上位網側のTCPスループットを、正常に復元されたIPパケットなどのレイヤ3信号の情報量と、その受信期間または送信期間とに基づいて、TCPスループットを算出したが、上位網側におけるRTT及び無線側におけるRTTに基づいてTCPスループットを計算するようにしてもよい。
この図12に例示するように、まず、無線端末2から無線基地局3´に対して接続要求が送信されると(ステップS50)、無線基地局3´は、当該接続要求をEPC4へ転送する。
そして、EPC4は、無線基地局3´から転送されてきた接続要求をコンテンツサーバ7へ送信し(ステップS51)、接続要求を受信したコンテンツサーバ7は、当該接続要求に対する応答(接続要求応答)を返信する(ステップS52)。
そして、無線基地局3´によって、接続要求応答が無線端末2へ転送されることにより、無線端末2とコンテンツサーバ7との間において通信経路が確立されて、無線端末2とコンテンツサーバ7との間での通信が可能となる(ステップS54)。
このように、無線基地局3´と無線端末2との間の無線伝搬路での遅延時間は、無線誤り率に応じて定まる。例えば、無線端末2がネットワークを占有している状況を想定した場合、図13のテーブルに例示する関係が導かれる。
コンテンツサーバ7は、無線基地局3´からの呼びかけに応じて、応答を返信する(ステップS57)。
無線基地局3´は、上記ステップS56において応答型のシグナリングを実施したタイミングと、コンテンツサーバ7からEPC4を介して応答を受信したタイミングとに基づいて、上位網側のRTTを算出する(ステップS58)。なお、上記ステップS55の処理と、上記ステップS56〜S58の各処理とは、無線端末2とコンテンツサーバ7との間の通信が確立された後であれば、いずれを先に実施してもよい。
この図14に示す無線基地局3´は、例示的に、アンテナ301と、アンテナ共用部302と、PHY受信部303と、UL MAC処理部304と、UL TCP処理部305と、UL 無線誤り率算出部306と、UL PHYスループット算出部307と、制御部308´とをそなえる。また、図14に示す無線基地局3´は、例示的に、DL TCP処理部311と、DL MAC処理部312と、PHY送信部313と、DL 無線誤り率算出部314と、DL PHYスループット算出部315と、上位網側遅延測定部316とをそなえる。なお、図13において図5と同一の符号を付した構成要素については、図5に示す構成要素と同様の機能を有するため、その説明を省略する。
また、制御部308´は、UL及びDLでの各無線通信について、無線端末2での送信電力,UL無線信号の符号化方式,UL無線信号の変調方式,自局3での送信電力,DL無線信号の符号化方式及びDL無線信号の変調方式などの各種パラメータを変更する制御を行なうことができる。なお、無線端末2での送信電力,UL無線信号の符号化方式及びUL無線信号の変調方式については、無線端末2に対して制御信号を送信することにより、変更することができる。
また、制御部308´は、上記の式(2)に基づいて、無線側での遅延時間を算出することができる。
即ち、制御部308´は、自局3´と無線端末2との間における往復遅延時間と、自局3´と無線端末2の通信相手7との間における往復遅延時間とに基づいて、上位のレイヤでのスループットを算出する算出部の一例として機能し得る。
この図15に例示するように、定期あるいは不定期に処理が開始されると(ステップS60)、まず、無線基地局3´は、上記の式(2)を用いて、無線側でのRTTを算出する(ステップS61)。
そして、無線基地局3´は、DL PHYスループット及びDLでの無線誤り率の各値を取得する(ステップS63)。
そして、無線基地局3´は、上記ステップS63及びS64で取得した各値を用いて、図6,図8,図10及び図11を用いて説明した各制御を実施する(ステップS65)。
〔6〕ハードウェア構成例
ここで、図16に無線端末2のハードウェア構成の一例を示す。
プロセッサ206は、データを処理する装置であり、例えば、CPU(Central Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor),LSI(Large Scale Integration),FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む。
無線IF208は、無線基地局3,3´と無線通信を行なうためのインタフェース装置である。
なお、図4に例示する無線端末2の各構成と図16に例示する無線端末2の各構成との対応関係は、例えば次の通りである。
また、図17に無線基地局3,3´のハードウェア構成の一例を示す。
この図17に示すように、無線基地局3,3´は、例示的に、プロセッサ317と、記憶装置318と、有線インタフェース(IF)319と、無線IF320と、無線処理回路321と、ベースバンド処理回路322とをそなえる。
記憶装置318は、データを記憶する装置であり、例えば、ROM,RAM,磁気ディスク,光ディスク,フラッシュメモリ等を含む。
有線IF319は、EPC4や上位網側のネットワーク(いわゆるバックホールネットワーク)と有線通信を行なうためのインタフェース装置である。
無線処理回路321は、無線IF320で受信した無線信号について、低雑音増幅、ベースバンド周波数への周波数変換(ダウンコンバージョン)、A/D変換などの処理を行なう一方、無線IF320で送信する無線信号について、送信データのD/A変換、無線周波数への周波数変換(アップコンバージョン)、電力増幅などの処理を行なう回路である。
なお、図5に例示する無線基地局3の各構成と図17に例示する無線基地局3の各構成との対応関係は、例えば次の通りである。
無線IF320は、例えば、アンテナ301及びアンテナ共用部302に対応し、無線処理回路321は、例えば、PHY受信部303及びPHY送信部313に対応し、有線IF319は、例えば、UL TCP処理部305及びDL TCP処理部311に対応する。
無線IF320は、例えば、アンテナ301及びアンテナ共用部302に対応し、無線処理回路321は、例えば、PHY受信部303及びPHY送信部313に対応し、有線IF319は、例えば、UL TCP処理部305及びDL TCP処理部311に対応する。
なお、上述した実施形態における無線端末2,無線基地局3,3´の各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択してもよいし、適宜組み合わせて用いてもよい。即ち、本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能を取捨選択したり、適宜組み合わせて用いたりしてもよい。
また、無線基地局3,3´のUL 無線誤り率算出部306,UL PHYスループット算出部307,制御部308,308´,UL TCPスループット算出部309,DL TCPスループット算出部310,DL 無線誤り率算出部314及びDL PHYスループット算出部315の各機能は、無線端末2が有していてもよい。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
無線端末と、前記無線端末と無線通信を行なう無線基地局とを有する無線通信システムにおいて、
前記無線基地局は、
前記無線端末と無線通信を行なう無線部と、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行なう処理部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線通信システム。
前記上位のレイヤは、前記無線端末との間でデータの再送制御を管理するレイヤを含む、
ことを特徴とする、付記1記載の無線通信システム。
(付記3)
前記制御は、前記無線通信における送信電力を増加させる制御を含む、
ことを特徴とする、付記1又は2に記載の無線通信システム。
前記制御は、前記無線通信における符号化率をより誤り耐性の高い符号化率に変更する制御を含む、
ことを特徴とする、付記1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記5)
前記制御は、前記無線通信における変調方式をより誤り耐性の高い変調方式に変更する制御を含む、
ことを特徴とする、付記1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記処理部は、
前記無線通信において無線誤りが発生しなくなるか、前記上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される無線レイヤでのスループット以上となるまで、前記制御を繰り返し行なう、
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記処理部は、
前記上位のレイヤでのスループットが最大となるように前記制御を行なう、
ことを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。
(付記8)
前記無線基地局は、
自局と前記無線端末との間における往復遅延時間と、自局と前記無線端末の通信相手との間における往復遅延時間とに基づいて、前記上位のレイヤでのスループットを算出する算出部をさらにそなえる、
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
前記処理部は、
前記無線通信において無線誤りが発生しておらず、または、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループット以上である場合に、前記無線誤りの発生率を維持する制御を行なう、
ことを特徴とする、付記1記載の無線通信システム。
無線端末と無線通信を行なう無線部と、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行なう処理部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線基地局。
無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行なう無線基地局と無線通信を行なう無線部と、
前記無線基地局での前記制御に応じて前記無線部を制御する制御部と、をそなえる、
ことを特徴とする、無線端末。
無線端末と、前記無線端末と無線通信を行なう無線基地局とを有する無線通信システムの通信制御方法において、
前記無線基地局は、
前記無線端末と無線通信を行ない、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットが前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行なう、
ことを特徴とする、通信制御方法。
2 無線端末
3,3´ 無線基地局
4 EPC
5 インターネット
6−1,6−2 ルータ
7 コンテンツサーバ
201 アンテナ
202 アンテナ共用部
203 受信処理部
204 制御部
205 送信処理部
206 プロセッサ
207 記憶装置
208 無線IF
209 無線処理回路
210 入出力IF
301 アンテナ
302 アンテナ共用部
303 PHY受信部
304 UL MAC処理部
305 UL TCP処理部
306 UL 無線誤り率算出部
307 UL PHYスループット算出部
308,308´ 制御部
309 UL TCPスループット算出部
310 DL TCPスループット算出部
311 DL TCP処理部
312 DL MAC処理部
313 PHY送信部
314 DL 無線誤り率算出部
315 DL PHYスループット算出部
316 上位網側遅延測定部
317 プロセッサ
318 記憶装置
319 有線IF
320 無線IF
321 無線処理回路
322 ベースバンド処理回路
Claims (9)
- 無線端末と、前記無線端末と無線通信を行なう無線基地局とを有する無線通信システムにおいて、
前記無線基地局は、
前記無線端末と無線通信を行なう無線部と、
処理部と、をそなえ、
前記処理部は、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットに1よりも大きい所定の係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行ない、且つ、
前記無線通信において無線誤りが発生しておらず、または、前記上位のレイヤでのスループットに前記係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループット以上である場合に、前記無線誤りの発生率を維持する制御を行なう、
ことを特徴とする、無線通信システム。 - 前記上位のレイヤは、前記無線端末との間でデータの再送制御を管理するレイヤを含む、
ことを特徴とする、請求項1記載の無線通信システム。 - 前記制御は、前記無線通信における送信電力を増加させる制御を含む、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の無線通信システム。 - 前記制御は、前記無線通信における符号化率をより誤り耐性の高い符号化率に変更する制御を含む、
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記制御は、前記無線通信における変調方式をより誤り耐性の高い変調方式に変更する制御を含む、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記処理部は、
前記上位のレイヤでのスループットが最大となるように前記制御を行なう、
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記無線基地局は、
自局と前記無線端末との間における往復遅延時間と、自局と前記無線端末の通信相手との間における往復遅延時間とに基づいて、前記上位のレイヤでのスループットを算出する算出部をさらにそなえる、
ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 無線端末と無線通信を行なう無線部と、
処理部と、をそなえ、
前記処理部は、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットに1よりも大きい所定の係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行ない、且つ、
前記無線通信において無線誤りが発生しておらず、または、前記上位のレイヤでのスループットに前記係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループット以上である場合に、前記無線誤りの発生率を維持する制御を行なう、
ことを特徴とする、無線基地局。 - 無線端末と、前記無線端末と無線通信を行なう無線基地局とを有する無線通信システムの通信制御方法において、
前記無線基地局は、
前記無線端末と無線通信を行ない、
前記無線通信において無線誤りが発生しており、且つ、無線レイヤより上位のレイヤでのスループットに1よりも大きい所定の係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループットよりも小さい場合に、前記無線誤りの発生率を低下させる制御を行ない、且つ、
前記無線通信において無線誤りが発生しておらず、または、前記上位のレイヤでのスループットに前記係数を乗じた値が前記無線誤りの発生率に基づいて算出される前記無線レイヤでのスループット以上である場合に、前記無線誤りの発生率を維持する制御を行なう、
ことを特徴とする、通信制御方法。
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