JP5990453B2 - 自律移動ロボット - Google Patents

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本発明は、侵入者等の移動物体に追従飛行して侵入者等の移動物体の証拠画像を取得する自律移動ロボットに関する。
従来、自律的に移動して監視領域に侵入した侵入者の画像を取得する自律移動ロボットが提案されている。例えば、特許文献1には、検出したセンサの方向に自ら回転することによって侵入者を撮像したり、撮像画像から検出した顔領域の画像上における位置に基づいて侵入者を認識して、認識した方向に自ら回転することによって、侵入者を追尾し、撮像する自律移動ロボットが開示されている。
特開2006−024128号公報
しかしながら、上記の従来技術では、侵入者を撮影できる方向に自らの向きを回転するだけであるため、侵入者を特定の方向(例えば正面方向)からしか撮像できない。侵入者の証拠画像を取得するにあたっては、侵入者の様々な身体的特徴を把握して後になって侵入者が誰であるかを識別できるよう、侵入者の正面、背面、側面等の様々な方向から撮影できることが望ましい。そこで、本発明は、侵入者を様々な方向から撮影できるように自律移動ロボットを移動させて証拠画像を取得することにより、侵入者の様々な身体特徴を把握できるようにすることを目的とする。
かかる課題を解決するために、撮像部にて移動物体の撮像画像を取得する自律移動ロボットにおいて、前記移動物体の移動物体位置と自律移動ロボットの自己位置及び姿勢とを推定する処理を行う位置推定手段と、前記自律移動ロボットの移動経路を算出する処理を行う経路探索手段と、前記移動経路に沿って移動するよう制御し、かつ、前記撮像部が前記移動物体位置の方向を向くよう前記姿勢を制御する処理を行う移動制御手段と、を有し、前記各処理を逐次繰り返すことによって移動するものであって、
前記経路探索手段は、前記移動物体の正面方向を推定し、前記自己位置と前記移動物体位置とを用いて該正面方向を基準として該移動物体を撮像した方向を記憶する被撮像方向記憶手段と、前記移動物体位置の周囲の位置に複数の移動候補位置を設定する移動候補位置設定手段と、前記各移動候補位置を評価して該移動候補位置の中の一つを移動目標位置に設定するものであって、撮像されていない方向に位置する移動候補位置が該移動目標位置として選択され易いよう評価する移動目標位置設定手段と、前記自己位置から該移動目標位置へ移動するよう前記移動経路を算出する移動経路算出手段と、を具備することを特徴とする自律移動ロボットを提供する。
かかる構成により、本発明の被撮像方向記憶手段により移動物体を撮像した方向を記憶し、移動目標位置設定手段により当該撮像した方向以外の方向に存在する移動候補位置が移動目標位置として選択され易いよう評価し、移動経路算出手段により自己位置(自律飛行ロボットの現在位置)から当該移動目標位置に至る移動経路を算出し、移動制御手段にて当該移動経路に沿って移動するよう制御する。これにより、自律移動ロボットは、移動物体を撮像していない方向にある位置を移動目標位置として設定し易くなり、ひいては当該位置に向かって移動し易くなるため、移動物体を様々な方向から撮像することができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記被撮像方向記憶手段は、前記自己位置が前記移動物体位置から予め定めた記憶開始距離の範囲内にあるときのみ前記撮像した方向を記憶するものとする。
かかる構成により、移動物体の現在位置である移動物体位置から記憶開始距離以上離れた位置に自律移動ロボットが位置しているときについては撮像された方向(撮像済みの方向)として記憶されることはない。したがって、移動物体が小さく映るような遠距離の位置から撮像している場合、(たとえ当該方向からは撮像済みではあったとしても、撮像されていないとみなして)以後の処理においても当該方向に自律移動ロボットが移動し易くなるように制御される。これにより、移動物体を様々な方向から撮像した撮像画像の品質を一定の水準に保つことができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記被撮像方向記憶手段は、前記撮像画像に移動物体の特徴部位が存在しているか否かを画像認識し、前記移動目標位置設定手段は、前記被撮像方向記憶手段にて前記撮像画像に前記特徴部位が存在していないと認識されたとき、予め設定された該特徴部位が存在する方向に位置する移動候補位置が前記移動目標位置として選択され易いよう評価するものとする。
かかる構成により、取得した撮像画像に移動物体の特徴部位(例えば移動物体が人物であれば顔)が存在していないとき、予め設定された特徴部位が存在する方向(例えば正面方向)の位置に自律移動ロボットが移動し易くなるよう制御されるため、特徴部位が撮像された証拠能力の高い撮像画像を取得しやすくすることができる。
また、本発明の好ましい態様として、前記移動候補位置設定手段は、前記移動物体位置から予め定めた離間距離だけ離れた周囲の位置に前記移動候補位置を設定するものとする。
かかる構成により、移動物体と所定の離間距離を保ちながら当該移動物体の動きに追従移動し、当該移動物体を様々な方向から撮像することができる。この際、移動物体が接近してきた場合も、離間距離を保つよう追従移動できるため、移動物体からの攻撃を回避することもできる。
また、本発明の好ましい態様として、前記自律移動ロボットは、所定の空間内を自由に飛行する自律飛行ロボットであるものとする。
上記のように、本発明の自律移動ロボットは、移動物体を撮像していない方向の位置に向かって移動し易くなるよう移動制御されるため、移動物体を様々な方向から撮像することができる。
自律飛行ロボットの概観図 自律飛行ロボットの機能ブロック図 被撮像方向の説明図 被撮像方向情報の一例を表す図 経路探索手段の機能ブロック図 被撮像方向更新処理のフローチャート 被撮像方向更新処理の説明図 移動候補位置の設定についての説明図 移動目標位置の設定についての説明図 移動経路の生成におけるグラフ構造の説明図 ローカル目標算出の説明図
以下、移動物体である人物に対して所定の相対距離を保ちながら追従飛行し、当該移動物体の画像を撮像する自律移動ロボット(以下、「自律飛行ロボット」という)についての実施形態について添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明でいう自律移動ロボットは、前記のような自律飛行ロボットに限らず、移動物体に対して追従走行する自律走行ロボットも含まれる。また、本発明の自律移動ロボットは、自動車等の人物以外の様々な移動物体についても同様に適用することができる。
図1に本実施形態で利用する自律飛行ロボット1の概観図を表す。また、図2に本実施形態で利用する自律飛行ロボット1の機能ブロック図を表す。図1に表すように、本実施形態で利用する自律飛行ロボット1は、符号2a〜2dに示す4枚のロータ2(プロペラ)が一平面上に存在し、各ロータ2が図示しないバッテリ(二次電池)により駆動するモータ6によって回転することによって飛行するクアッドロータ型の小型無人ヘリコプタである。一般的に、シングルロータ型のヘリコプタでは、メインロータによって発生する反トルクをテールロータが生み出すモーメントで相殺することによって方位角を保っている。一方、本実施形態で利用する自律飛行ロボット1のようなクアッドロータ型のヘリコプタでは、前後・左右で異なる方向に回転するロータ2を用いることで反トルクの相殺を行っている。そして、例えば、機体をヨー方向に回転させたいときは、符号fa〜fdの矢印で示すように前後のロータ2a、2cと左右ロータ2d、2bの回転数に差を与える。このように、各ロータ2の回転数を制御することにより、様々な機体の移動や姿勢の調節を行うことができる。
撮像部3は、例えばレンズなどの光学系および所定画素(例えば640×480画素)のCCDやCMOSなどの2次元アレイ素子を有する二次元イメージセンサで構成され、飛行空間の撮像画像を所定の時間間隔で取得するいわゆるカラーカメラである。本実施形態では、撮像部3は、その光軸が自律飛行ロボット1の正面方向を撮像するよう筐体部分に設置され、かつ、水平面(XY平面)から予め定めた俯角θにより斜め下方の空間を撮像するよう設置されている。取得した撮像画像は後述する制御部7に出力され、制御部7により記憶部8に記憶されたり、後述する通信部9を介して図示しない外部装置に送信されたりする。
通信部9は外部装置との間で、例えば無線LANや携帯電話回線等により無線通信するための通信モジュールである。本実施形態では、撮像部3によって取得した撮像画像を図示しない警備センタに設置されたPCに送信することにより、警備員等が遠隔から侵入者を監視することを可能にする。
距離検出センサ4は、自律飛行ロボット1の周囲に存在する障害物と距離検出センサ4との間の距離を検出し、センサ検出範囲内に存在する障害物の相対的な位置を取得するセンサである。本実施形態では、距離検出センサ4としてレーザスキャナを備えている。レーザスキャナは、一定の角度サンプル間隔の角度毎に二次元スキャンすることによって、地面(又は床面)から一定の高さの水平面における周囲に存在する物体(障害物)との距離情報を極座標値として取得することができるものである。ここで、レーザスキャナにおける二次元スキャンとは、予め設定された検知エリアを走査するように、放射状にレーザ光である探査信号を送信し、検知エリア内の物体に反射して戻ってきた探査信号を受信して、送信と受信の時間差から物体までの距離を算出し、その探査信号を送信した方向と算出した距離を求めることをいう。本実施形態では、角度サンプル間隔を0.25°、検出角度範囲を360°、センサ検出範囲を30mとして自律飛行ロボットの周囲の障害物との距離を測定可能なレーザセンサを用いている。なお、レーザスキャナから照射されるレーザの一部をミラー5で地面方向に反射させて計測された距離情報を利用して飛行高度を推測することにも利用している。
記憶部8は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の情報記憶装置である。記憶部8は、各種プログラムや各種データを記憶し、制御部との間でこれらの情報を入出力する。各種データには、2Dポイント情報81、ボクセル情報82、離間距離83、被撮像方向情報84、記憶開始距離85の他、制御部7の各処理に用いられる設定値、閾値等の各種パラメータ86や、各センサ等からの出力値、撮像画像等が含まれる。
2Dポイント情報81は、後述する位置推定手段71にて自律飛行ロボットの現在の飛行位置(以下、「自己位置」という)を推定するために利用する情報であり、グローバル座標と呼ばれる水平面における二次元の絶対座標上に表され、飛行空間における建造物等の障害物の外形を表す点集合の座標情報である。本実施形態では、飛行高度毎に設定された複数の点集合を2Dポイント情報として予め記憶部8に記憶していることとし、自律飛行ロボットの飛行高度によって対応する飛行高度の点集合を記憶部8から読み出して利用するものとする。
ボクセル情報82は、飛行空間をボクセル空間として複数のボクセルに分割して飛行空間の障害物の構造等を表した情報であり、予め管理者等によって設定され記憶部8に記憶される情報である。本実施形態では、飛行空間を所定の大きさ(例えば15cm×15cm)に分割し、建造物等の障害物に位置するボクセルを「占有ボクセル」と定義して、自律飛行ロボット1が移動できない空間とした。そして、占有ボクセルの近くに存在する空間に位置するボクセルを「近接ボクセル」、それ以外の自由に飛行可能なエリアに位置するボクセルを「自由ボクセル」として定義した。そして、各ボクセルには、後述する移動経路生成手段にて移動経路を生成する際に利用できるよう、占有度を示すボクセルコスト値を持たせた。占有ボクセルのボクセルコスト値は最大値をとり、距離が大きくなるほどボクセルコスト値が小さくなるように、(ボクセルコスト値)=exp{−λ・(占有ボクセルからの距離)}の計算式からボクセルコスト値を算出した。ここでλは実験によって求めたパラメータである。そして、予め定めた閾値以上のボクセルコスト値を有するボクセルを「近接ボクセル」とした。また、ボクセルコスト値が当該閾値よりも小さいボクセルを「自由ボクセル」とし、自由ボクセルとみなされたボクセルのボクセルコスト値を0と再設定した。なお、自律飛行ロボット1が飛行空間における予め定めた移動可能空間の外に出ないようにするため、移動可能空間とその外部との境界となるボクセルを占有ボクセルと設定した。
離間距離83は、移動物体を追従飛行するにあたって、自律飛行ロボット1と移動物体との水平面における維持すべき相対距離であり、自律飛行ロボット1の管理者等によって予め設定される値である。自律飛行ロボット1を用いて所定の移動物体を監視する場合、移動物体に近づき、より詳細な撮像画像を取得できる必要がある。しかし、侵入者などの敵対する移動物体から攻撃を受けないようにするためには一定距離以上離間する必要がある。そのため、本実施形態の自律飛行ロボット1は、移動物体の詳細な撮像画像を取得でき、かつ、当該移動物体から攻撃を受け難い距離に離間距離83を予め定めておき、当該離間距離を保ちつつ追従飛行するようにする。本実施形態では離間距離83を3mとして設定されているものとする。
被撮像方向情報84は、移動物体の正面方向を基準としたときに撮像部3が当該移動物体を撮像した方向(以下、「被撮像方向」という)を表す情報であり、後述する被撮像方向記憶手段734にて設定・更新される情報である。図3は被撮像方向を説明する図であり、飛行空間の一部を真上から見下ろしたときの図である。図3において符号Mは移動物体(侵入者)であり、当該移動物体Mの正面方向を矢印dであるとする。ここで、当該正面方向を0°の基準角度とし、60°の角度範囲毎に6つの被撮像方向の角度範囲を定義する。すなわち、基準角度0°から±30°の角度範囲を前面方向E1、30°〜90°の角度範囲を右前面方向E2、90°〜150°の角度範囲を右背面方向E3、150°〜210°の角度範囲を背面方向E4、210°〜270°の角度範囲を左背面方向E5、270°〜330°の角度範囲を左前面方向E6として定義する。図4は、被撮像方向情報84の一例を表す図である。図4に表すように、定義した被撮像方向毎に撮像されたか否かを表す撮像済フラグが更新される。例えば、図3に表すように自律飛行ロボット1が右前面方向E2から移動物体Mを撮像したとき、図4に表すように右前面方向E2に対応する撮像済フラグがON(○)と更新される。なお、被撮像方向情報84の初期値は、移動物体Mのいずれの方向からも撮像していないため、全ての被撮像方向の撮像済フラグがOFF(−)として記憶されていることとする。なお、本実施形態では上記のように60°の角度範囲毎に6つの被撮像方向の角度範囲を定義しているが、これに限らず、様々な値の角度範囲を用いて被撮像方向を定義してよい。
記憶開始距離85は、被撮像方向情報84を更新するか否かを判定するために利用する移動物体M(の重心位置)からの距離範囲を表す情報であり、管理者等により予め設定される情報である。後述するように、自律飛行ロボット1が移動物体Mから記憶開始距離85に設定された距離範囲内に位置していたとき、被撮像方向情報84が更新されるよう処理される。一方、自律飛行ロボット1が移動物体Mから記憶開始距離85に設定された距離範囲内に位置していないとき、たとえある方向から移動物体Mを撮像したとしても被撮像方向情報84が更新されることはない。なお、本実施形態では記憶開始距離85を5mとして設定されているものとする。
制御部7は、CPU等を備えたコンピュータで構成され、位置推定処理(自己位置推定処理、移動物体位置推定処理)、速度推定処理、経路探索処理、経路追従制御処理を行う一連の処理として、位置推定手段71、速度推定手段72、経路探索手段73、飛行制御手段74を含んでいる。
位置推定手段71は、距離検出センサ4及び撮像部3の出力に基づいて、飛行空間における自律飛行ロボット1の現在位置(自己位置)を推定する自己位置推定処理と、移動物体の現在位置(以下、「移動物体位置」という)とを推定する移動物体位置推定処理とを行う。
自己位置推定処理では、距離検出センサ4の出力と記憶部8に記憶された2Dポイント情報81とを用いて、自己位置として、水平面(XY平面)における位置x,yと、飛行高度zと、Z軸に対する回転角であるヨー角ψとを推定する処理を行う。
自己位置推定処理では、まず、レーザスキャナから照射されるレーザの一部をミラー5で地面方向に反射させて計測された距離情報を利用して、自己位置の飛行高度zを算出する。レーザスキャナによって計測された距離情報は、地面には建造物以外の物体(例えば荷物や乗り物など)が存在するため、必ずしも地面までの距離として正確に計測されるとは限らない。したがって、本実施形態では、これらの建造物以外の障害物の影響を受け難いようレーザスキャナによって計測された距離情報に対して拡張カルマンフィルタを適用することにより飛行高度を推定する。
次に、自己位置推定処理では、自己位置のx,y,ヨー角ψを推定する。自己位置のx,y,ヨー角ψを推定にあたり、まず、記憶部に記憶された2Dポイント情報81から飛行高度zに対応した飛行空間の二次元地図としての点集合を読み出す。そして、求めた点集合とレーザスキャナの出力とを用いて、ICP(Iterative Closest Point)アルゴリズムを利用した既知のスキャンマッチングにより自己位置のx,y,ヨー角ψを推定する。ICPアルゴリズムは、2つの点集合A,Bにおいてユークリッド距離が最小となる組合せを求めることによりマッチング処理するものである。すなわち、2Dポイント情報81の点集合と、自律飛行ロボット1に搭載されているレーザスキャナから取得したスキャンデータである入力点集合とをマッチングさせ位置誤差を修正することによって、グローバル座標における自己位置のx,y,ヨー角ψを推定することができる。
移動物体位置推定処理では、撮像部3の出力である撮像画像を画像処理して、移動物体位置を推定する処理を行う。移動物体位置推定処理では、まず、撮像画像の各フレームを画像処理して移動物体の画像領域を抽出する処理を行う。本実施形態では、既知の従来技術(例えば、特開2006−146551号公報を参照)であるオプティカルフロー法を用いて移動物体の画像領域を抽出する。しかし、これに限らず、既知の従来技術であるブースティング学習(例えば、Haar−like特徴を用いているAdaBoostベース識別器による顔検出手法)による識別器を用いて、移動物体である人物領域が含まれるか否かを識別し、人物領域として識別された当該画像領域を抽出してもよい。また、上記の各技術を組み合わせて用いてもよい。次に、移動物体位置推定処理では、当該抽出された移動物体の画像領域の位置に基づいて移動物体と自律飛行ロボット1との距離を推定する。具体的には、抽出した移動物体の画像領域の頭頂部の(撮像画像における)y座標位置と距離との対応表を予め飛行高度毎に作成しておき、現在の飛行高度及び移動物体の頭頂部のy座標位置を当該対応表に照らし合わせて移動体との距離を推定する。しかし、これに限らず、抽出した移動物体の頭部の大きさから距離を算出してもよい。すなわち、頭部の大きさと距離との対応表を予め作成しておき、抽出された移動物体の頭部の大きさを当該対応表に照らし合わせて移動物体との距離を推定してもよい。なお、撮像画像から抽出した移動物体の画像領域は、時間的に画像追跡されていることとする。
なお、位置推定手段71は、移動物体位置推定処理にて移動物体位置が算出すると、当該移動物体位置に基づいてボクセル情報82を更新する処理を行う。具体的には、記憶部8のボクセル情報82に基づいたボクセル空間に、算出された移動物体位置を中心として監視対象の移動物体として予め定めた移動物体の大きさと略同じ大きさの円柱モデル(例えば、監視対象の移動物体を侵入者であるとしたとき、底面の半径0.3m、高さ1.7mの円柱モデル)を配置し、当該円柱モデルと干渉するボクセルを占有ボクセルとして設定することによりボクセル情報82を更新する。後述するように、自律飛行ロボット1は、占有ボクセルには移動しないように飛行制御されるが、上記のように移動物体位置に基づいてボクセル情報82を更新することにより、自律飛行ロボット1と移動物体との接触を回避することができる。
速度推定手段72は、後述する飛行制御手段74における経路追従制御で利用するため、自律飛行ロボット1の現在の飛行速度(vx,vy,vz,vyaw)を推定する処理を行う。本実施形態では、位置推定手段71にて推定した自己位置(x,y,z,yaw)の時間変化から飛行速度を求めた。この際、測定誤差等の影響を考慮して拡張カルマンフィルタを利用して飛行速度を推定した。
経路探索手段73は、位置推定手段71で算出した自己位置及び移動物体位置と、記憶部8に記憶された各種情報とを用いて自律飛行ロボット1の移動経路を算出する処理を行う。図5に経路探索手段73の機能ブロック図を表す。経路探索手段73は、図5に表すように、被撮像方向情報84を更新する被撮像方向記憶手段734と、移動候補位置を設定する移動候補位置設定手段731と、複数の移動候補位置を評価してその中から一つの移動目標位置を設定する移動目標位置設定手段732と、自己位置から移動目標位置に至る移動経路を生成する移動経路生成手段733とにより構成される。以下、経路探索手段73を構成する各手段における処理の詳細について説明する。
被撮像方向記憶手段734は、移動物体の正面方向を推定し、位置推定手段71にて求めた自己位置と移動物体位置とを用いて正面方向を基準とした被撮像方向を特定し、被撮像方向情報84を更新する被撮像方向更新処理を行う。図6は、被撮像方向更新処理を示すフローチャートであり、以下、同図を用いて被撮像方向更新処理の詳細について説明する。なお、被撮像方向更新処理は、位置推定手段71にて自己位置及び移動物体位置が推定されるたびに実行されるものとする。
被撮像方向更新処理では、まず、移動物体位置から記憶開始距離85の距離範囲内に自己位置が存在しているか否かを判定する(ST10)。本実施形態では、自己位置の水平面における座標値(x、y座標)が、移動物体位置を中心とした半径R(=記憶開始距離85)の範囲内にあるか否かを判定することにより、記憶開始距離85の距離範囲内に自己位置が存在しているか否かを判定する。図7は、被撮像方向更新処理の説明するための例図であり、飛行空間の一部を真上から見下ろしたときの図である。図7(a)は、時刻tにおける移動物体M0と自律飛行ロボット1aとの位置関係を表しており、図7(b)は、時刻t+1における移動物体M1と自律飛行ロボット1bとの位置関係を表している。なお、図7(b)では、(a)との移動関係をわかり易く明示するために時刻tにおける移動物体M0と自律飛行ロボット1aとを併せて表している。図7(a)の時刻tのとき、自律飛行ロボット1は移動物体位置を中心とした半径R(=記憶開始距離85)の範囲内に存在していないと判定され(ST10−No)、被撮像方向更新処理を終了する。一方、図7(b)の時刻t+1のとき、自律飛行ロボット1は移動物体位置を中心とした半径R(=記憶開始距離85)の範囲内に存在していると判定され(ST10−Yes)、処理をST11に進める。
続いて、ST11では、移動物体の正面方向を推定する処理を行う。本実施形態では、移動物体位置の時間変化から移動物体Mの移動方向を求め、当該移動方向を正面方向と推定している。図7(b)の例では、移動物体MはM0の位置からM1の位置に移動したことから、現在時刻(時刻t+1)における当該移動物体Mの移動方向は符号mvで表す方向となる。そのため、現在時刻では、当該移動方向mvを移動物体Mの正面方向と推定する。
続いて、ST12では、現在時刻における被撮像方向を判定する処理を行う。本実施形態では、前述したように、ST11で推定した正面方向を基準として、自己位置が6つの定義した被撮像方向のうちのいずれの方向に位置しているかによって、現在時刻における被撮像方向を判定する。図7(b)の例では、現在時刻(t+1)において自律飛行ロボット1bが右前面方向E2の位置に存在しているため、現在時刻(t+1)における被撮像方向をE2であると判定される。なお、後述するように自律飛行ロボット1の撮像部3の光軸は、常に移動物体位置を向くように飛行制御されているため、上記のように正面方向と自己位置及び移動物体位置とから被撮像方向を判定することができる。
続いて、ST13では、記憶部8から被撮像方向情報84を読出し、ST12にて判定した被撮像方向から、現在時刻よりも前の時刻で移動物体Mを撮像したか否かを判定する。被撮像方向情報84の対応する被撮像方向に撮像済フラグが記されていて(○)、現在時刻よりも前の時刻で当該被撮像方向から移動物体Mを撮像したと判定したとき(ST13−Yes)、被撮像方向更新処理を終了する。一方、被撮像方向情報84の対応する被撮像方向に撮像済フラグが記されておらず(−)、現在時刻よりも前の時刻で当該被撮像方向から移動物体Mを撮像していないと判定したとき(ST13−No)、処理をST14に進める。
続いて、ST14では、撮像部3にて取得した複数フレームの撮像画像の中から現在時刻に最も近くに取得した1枚の撮像画像(静止画像)を選択し、当該撮像画像の中に移動物体Mの特徴部位を表す画像領域が存在しているか否かを判定する。ここで、特徴部位とは、移動物体Mを識別するにあたって特徴的な部位であって、移動物体Mを撮像したときに証拠能力の高い撮像画像を得られる移動物体の部位である。例えば、移動物体Mが人物であるとき特徴部位は顔であり、移動物体が自動車であるときは特徴部位はナンバープレート部分である。本実施形態では、移動物体Mが侵入者であるとしていることから、静止画像から特徴部位である顔を検出するよう画像処理する。静止画像から特徴部位(例えば人物の顔)を検出する手法は様々あるが、本実施形態では、既知の従来技術であるブースティング学習(Haar−like特徴を用いているAdaBoostベース識別器による検出手法)による識別器を用いた手法を用いている。しかし、これに限らず、顔の形状特徴(楕円形)、色特徴(肌色)、目・鼻・口の位置特徴などを用いてこれらの画像特徴に合致する画像領域を顔領域として検出する従来技術(テンプレートマッチング)を用いてもよい。なお、本実施形態では、現在時刻に最も近くに取得した1枚の撮像画像(静止画像)についてのみ特徴部位を表す画像領域が存在しているか否かを判定しているが、これに限らず、前回実施した被撮像方向更新処理の以降に取得した全ての撮像画像(複数フレームの撮像画像)について特徴部位を表す画像領域が存在しているか否かを判定してもよい。撮像画像の中に移動物体Mの特徴部位を表す画像領域が存在していないと判定されたとき(ST14−No)、処理をST16に進める。
一方、ST14にて撮像画像に移動物体の特徴部位を表す画像領域が存在していると判定されたとき(ST14−Yes)、当該撮像画像(静止画像)を特徴部位画像として記憶部8に記憶する処理を行う(ST15)。なお、本処理で記憶した特徴部位画像を、後に管理者等により読み出したり、通信部9を介して外部装置に送信することにより、移動物体(侵入者)を識別する効果的な証拠画像として活用することができる。
続いて、ST16では、ST12にて判定された現在時刻における被撮像方向に基づいて、被撮像方向情報84を更新する処理を行い、その後、被撮像方向更新処理を終了する。例えば、図7(b)に表すように、現在時刻(t+1)における被撮像方向が右前面方向E2であると判定されたとき、被撮像方向情報84のE2に対応する撮像済フラグをON(○)と変更するように更新する。これにより、以降の処理において、当該被撮像方向は、既に撮像済みであるとみなすことができる。
被撮像方向記憶手段734にて被撮像方向更新処理を終えると、移動候補位置設定手段731は、移動物体Mの周囲の位置に複数の移動候補位置を設定する処理を行う。本実施形態では、移動候補位置を、移動物体Mを中心とし記憶部8に記憶された離間距離83(=L)を半径とした円状の位置で、かつ、管理者等により予め定めた目標飛行高度(例えば2m)の位置に、それぞれ等間隔になるように設定する。図8は移動候補位置の設定についての説明図であり、ボクセルで表示した飛行空間の一部を真上から見下ろしたときの図である。同図において、符号Boで表した黒塗りされたボクセルは占有ボクセルであり、符号Bnで表した平行斜線(ハッチング)で塗られたボクセルは近接ボクセルであり、符号Bfで表した白色のボクセルは自由ボクセルである。図8に表すように、移動物体Mの重心位置Mgを中心として半径Lの円周上に複数個の移動候補位置Pcを等間隔に設置する。なお、本実施形態では、移動物体Mの周囲の位置に5°おきに72個の移動候補位置Pcを設置することとする。
移動候補位置設定手段731にて移動候補位置Pcの設定を終えると、移動目標位置設定手段732は設定された複数の移動候補位置Pcを評価し、その中の一つを移動目標位置として設定する移動目標位置設定処理を行う。図9は移動目標位置の設定についての説明図であり、図8と同じようにボクセルで表示した飛行空間の一部を真上から見下ろしたときの図である。移動目標位置設定処理では、まず、自律飛行ロボット1が障害物に接触することを防止するため障害物と干渉する位置にある移動候補位置Pcを除外し、また、障害物に接近するのも接触の危険性が増すことから障害物の近くに存在する移動候補位置Pcを除外する処理を行う。具体的には、図9に表すように、自由ボクセルBf以外のボクセル(占有ボクセルBo、近接ボクセルBn)と干渉する位置にある移動候補位置Pcが移動目標位置として設定されないよう、以下で説明する評価の対象から除外する。図9に表した移動候補位置Pcは、図8で表した移動候補位置Pcから近接ボクセルBnと干渉している移動候補位置Pcを除外した後のものであり、評価対象となっている移動候補位置Pcとなるものである。なお、近接ボクセルBnは移動目標位置に設定できないものの移動経路とすることはできるものとする。一方、占有ボクセルBoは移動目標位置に設定することができないだけでなく移動経路とすることもできない。
次に移動目標位置設定処理では、評価対象から除外されていない各移動候補位置Pcを評価して移動目標位置を設定する処理を行う。本実施形態では、評価対象となっている各移動候補位置Pcの評価値を求め、当該評価値が最も大きい移動候補位置を移動目標位置として設定するように評価する。この際、まず、自律飛行ロボット1の現在位置から各移動候補位置までの距離が小さいほど評価値が高くなるようにする。また、前回設定した移動目標位置からの移動候補位置までの距離が小さいほど評価値が高くなるようにする。本実施形態における評価値Vを求める具体的な評価式を数1で表す。
Figure 0005990453
ここで、r=(x,y,z)は自律飛行ロボット1の現在の自己位置、Pprev=(xprev,yprev,zprev)は前回設定した移動目標位置を示し、α、β、σは距離に応じて減衰する値を調整するためのパラメータである。
そして、移動目標位置設定処理では、撮像済みでない被撮像方向であるほど評価値が高くなるように、数1で求めた評価値Vを補正する処理を行う。具体的には、記憶部8より被撮像方向情報84を読出し、撮像済みでない被撮像方向を識別し、当該被撮像方向に位置する移動候補位置Pcであるほど評価値Vが高くなるよう所定の重み係数(例えば1.5)を乗じる。図9の例では、現在時刻において撮像済みの被撮像方向が右前面方向E2のみであるとき、右前面方向E2以外の被撮像方向に位置する移動候補位置Pc(図9において白丸で表した移動候補位置)については、数1で算出した評価値Vに対して重み係数を乗じる。これにより、撮像済みでない被撮像方向にある移動候補位置Pcが移動目標位置として設定され易くなる。したがって、自律飛行ロボット1は撮像済みでない被撮像方向に位置し易くなるため、移動物体Mの様々な方向から見たときの撮像画像を取得しながら移動物体Mに追従飛行することができ、侵入者等の移動物体の様々な身体特徴を把握することができる。なお、本実施形態では、撮像済みでない被撮像方向に位置する移動候補位置Pcに対して一定値の重み係数を乗じているが、より好適には、撮像済みでない被撮像方向毎に中心角度近くに位置する移動候補位置Pcであるほど大きい値の重み係数を乗じるのがよい。すなわち、撮像済みでない被撮像方向が、前面方向E1であれば0°、右前面方向E2であれば60°、右背面方向E3であれば120°、背面方向E4であれば180°、左背面方向E5であれば240°、左前面方向E6であれば300°に近い位置に位置する移動候補位置Pcほど、より大きい値の重み係数を乗じる。これにより、より好適な撮像画像を取得することができる。
さらに、移動目標位置設定処理では、被撮像方向記憶手段734にて撮像画像に特徴部位が存在していないと認識されたか否かを判定し、撮像画像に特徴部位が存在していないと認識されたとき、前面方向E1にある移動候補位置Pcの評価値が高くなるように数1で求めた評価値Vを補正する処理を行う。具体的には、記憶部8に特徴部位画像が記憶されているか否かを判定し、特徴部位画像が記憶されていないとき、当該前面方向E1に位置する移動候補位置Pcであるほど評価値Vが高くなるよう所定の重み係数(例えば2)を乗じる。このようにして求めた新たな評価値Vを用いて移動目標位置を設定することにより、各移動候補位置Pcの中から移動物体Mの前面方向E1に位置する移動候補位置Pcが移動目標位置として設定され易くなる。したがって、自律飛行ロボット1は移動物体Mの前面方向E1へ移動し易くなるため、移動物体Mである侵入者の顔画像(特徴部位を表す撮像画像)を取得し易くすることができ、証拠能力の高い撮像画像を取得しながら移動物体Mに追従飛行することができる。なお、本実施形態では移動物体Mが侵入者であるとしているため、侵入者の特徴部位である顔の撮像画像を取得しやすいよう、移動物体の前面方向E1に移動し易いように評価値を補正している。しかし、移動物体Mの種類に応じて特徴部位が存在する被撮像方向が異なる。例えば、移動物体Mを自動車とした場合、特徴部位が存在している方向は前面方向E1及び背面方向E4の2つの方向となる。したがって、予め記憶部8に移動物体Mの種類に応じて特徴部位が存在する方向を設定しておき、追従飛行する移動物体Mの種類に応じてどの方向に特徴部位が存在しているのかを読み出すのが望ましい。
以上のようにして、移動目標位置設定処理では評価値Vを求め、評価値Vが最大となる移動候補位置Pcを移動目標位置Poとして設定する。図9の例では、点線で囲んだ移動候補位置Pcが移動目標位置Poとして設定されたことを表している。このように、移動目標位置Poが設定されると、後述するように設定された移動目標位置Poに向かうように移動経路が生成され、自律飛行ロボット1は当該移動目標位置Poに向かって移動していくこととなる。
移動経路生成手段は、記憶部に記憶されたボクセル情報と、移動目標位置設定手段にて算出した移動目標位置と、位置推定手段にて算出した自己位置とを用いて自律飛行ロボットの移動経路を算出する移動経路生成処理を行う。具体的には、経路生成処理では、まず、記憶部からボクセル情報82を読出し、分割した移動可能な空間である自由ボクセルBf及び近接ボクセルBnの各ボクセルの中心をノードとし、当該ノードに隣接するノード間を連結した線分をエッジとしてグラフ構造を生成する。図10はグラフ構造を説明する図であり、飛行空間における移動可能なボクセル(自由ボクセルBf又は近接ボクセルBn)の一部(27個)を切り欠いたものである。図10において符号Bで表す個々の立方体は自由ボクセルBf又は近接ボクセルBnを表すものである。また、これらのボクセルBの中心にある黒又はハッチングにて塗りつぶした球はノードであり、ノード間を連結する点線で表示する線分はエッジである。このようにボクセル情報82に基づいて全ての移動可能なボクセルについてグラフ構造を生成した後、自律飛行ロボット1が存在しているボクセルのノードから移動目標位置Poが存在しているボクセルのノードまでの移動経路を生成する。移動経路の生成方法については、さまざまな経路生成方法が適用可能であるが、本実施形態ではA*(エースター)経路探索法を用いて移動経路を探索する。この際、ボクセル情報82として記憶されたボクセルコストをA*経路探索法における移動コストとして利用する。経路探索手段73で生成された生成された移動経路のデータは、経由点(x,y,z)の集合データであり、この情報は記憶部8に一時的に記憶される。
飛行制御手段74は、経路探索手段73にて算出した移動経路情報と位置推定手段71にて推定した自己位置と速度推定手段72で推定した飛行速度とを用いて、各時刻での飛行制御値である速度指令値を求め、当該速度指令値に基づいてモータ6を制御し、ロータ2の回転数を制御することにより、自律飛行ロボット1が経路探索手段73で算出した移動経路に沿って飛行させる経路追従制御処理を行う。なお、本発明における「移動制御手段」は、本実施形態における飛行制御手段74に対応する。
経路追従制御処理では、まず、各時刻での自律飛行ロボットが目標とすべき直近の位置(以下、「ローカル目標」と呼ぶ)を算出する処理を行う。図11はローカル目標の算出を説明する図である。ローカル目標の算出にあたり、飛行制御手段74は、経路探索手段73で生成された移動経路を記憶部8から読出し、自律飛行ロボットが現在時刻で目指している経由点Wp1と前回通過済みである経由点Wp0との2点間を繋げた直線Wを求める。そして、飛行制御手段は、求めた直線Wと自律飛行ロボット1の自己位置を中心とした球Sとの交点Lp’、Lpを算出し、目指している経由点Wp1に近い交点Lpをローカル目標として求める。このように、各時刻においてローカル目標を目指して自律飛行ロボット1が移動するよう飛行制御することで、常にローカル目標も移動経路上を移動目標位置Poに向かって移動していき、自律飛行ロボット1は移動経路に沿って飛行していくことになる。
次に、経路追従制御処理では、算出したローカル目標に向かって飛行するようX、Y、Z、ヨー角ψの各方向毎に速度指令値ux,uy,uz,uψを算出する処理を行う。この際、現在の自己位置とローカル目標の位置との差異が小さくなるような速度指令値を求める。具体的には、XYZ軸方向の速度指令値u=(ux,uy,uz)は、位置推定手段で求めた自己位置r=(x,y,z)と速度推定手段で推定した速度v=(vx,vy,vz)とを利用し、PID制御により求める。XYZ軸方向の各速度指令値をu=(ux,uy,uz)、ローカル目標をr’=(x,y,z)としたとき、速度指令値は、u=Kp(r’−r)+Kd・v+Ki・eの式で算出される。ここで、Kp、Kd、KiはそれぞれPID制御のゲインのことであり、e=(ex,ey,ez)は誤差の積分値である。一方、ヨー角方向の速度指令値uψは、ψ'を目標角度、ψを位置推定手段71にて推定した自律飛行ロボット1の姿勢(角度)、vyawを速度推定手段72で推定した角速度とすると、uψ=Kp(ψ’−ψ)+Kd・vψの式のようなPD制御により求める。なお、本実施形態では、目標角度ψ'を移動物体Mの方向、すなわち、移動物体位置の方向を向く角度とした。
このように、制御部7は、上述した位置推定手段71、速度推定手段72、経路探索手段73、飛行制御手段74における各処理を逐次繰り返す。これにより、本実施形態の自律飛行ロボット1は、移動物体Mと離間距離の位置に対して移動目標位置を逐次更新し、その都度移動経路についても逐次更新していくことによって、当該移動物体と所定の離間距離を保ちつつ追従飛行することができる。また、被撮像方向記憶手段734にて被撮像方向情報84を逐次記憶し、移動目標位置設定手段732にて撮像済みでない被撮像方向にある移動候補位置Pcが移動目標位置として設定され易くすることにより、自律飛行ロボット1は撮像済みでない被撮像方向に向かって移動し易くなるため、移動物体Mを様々な方向から撮像した撮像画像を取得することができる。また、被撮像方向記憶手段734にて記憶開始距離85よりも移動物体Mに近づた位置にて撮像しなければ、被撮像方向情報84の更新を行わないようにしている。これにより、自律飛行ロボット1が遠くの位置から移動物体Mに接近しているときに取得した証拠能力に乏しい(例えば移動物体Mが小さく写っているような)撮像画像をもって、当該被撮像方向で撮像済みであると判断しないことから、全ての被撮像方向からの撮像画像の品質を一定の水準に保つことができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で、更に種々の異なる実施形態で実施されてもよいものである。また、実施形態に記載した効果は、これに限定されるものではない。
上記実施形態では、被撮像方向記憶手段734にて移動物体Mの正面方向を移動物体Mの移動方向を用いて推定している。しかしこれに限らず、撮像部3にて取得した撮像画像から移動物体Mの向きを推定し、正面方向を推定してもよい。例えば、移動物体Mが人物である場合は、特開2006−146551号公報や特開2007−229814号公報に開示されている従来技術を用いて顔の向きを推定し、当該方向を正面方向と推定してもよい。あるいは、特開2008−234404号公報に開示されている従来技術を用いて、認識した関節位置に基づき移動物体Mの向きを推定してもよい。
上記実施形態では、飛行制御手段74にて速度指令値を算出するために、速度推定手段72にて自己速度を算出している。しかし、これに限らず、速度推定手段72を省略して自己速度を算出せずに速度指令値を算出してもよい。この場合、移動物体Mへの追従性能が劣るもの簡易的な処理で追従飛行することが可能となる。また、上記実施形態では、速度推定手段72にて自己位置に基づいて自己速度を算出している。しかし、これに限らず、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測ユニット)などのセンサを利用したり、自律飛行ロボット1の真下方向を撮像するカメラを設置し、カメラからの撮像画像に基づいて既知のオプティカルフロー法を用いて自己速度を算出してもよい。
上記実施形態では、距離検出センサ4としてレーザスキャナを用いて当該レーザセンサの出力から位置推定手段71にて自己位置を推定している。しかし、これに限らず、レーザスキャナの代わりとしてGPS、ジャイロセンサ、電子コンパス、気圧センサ等の他のセンサを用いて既知の従来技術により自己位置を推定してもよい。
上記実施形態では、撮像部3で取得した撮像画像を画像解析することにより、移動物体位置を推定している。しかし、これに限らず、撮像部3に別途距離画像センサを搭載して、当該距離画像センサから取得した距離画像を用いて、既知の移動物体抽出技術により移動物体を抽出して、抽出した移動物体と自律飛行ロボット1との距離値から移動物体位置を推定してもよい。また、距離検出センサ4として搭載したレーザスキャナを用いて移動物体位置を推定してもよい。また、別途地面や壁面等に設置した固定型のレーザスキャナを用いて移動物体位置を検知し、通信部9を介して自律飛行ロボット1に対して移動物体位置を通知してもよい。
上記実施形態では、制御部7において位置推定処理(自己位置推定処理、移動物体位置推定処理)、速度推定処理、経路探索処理、経路追従制御処理の一連の処理を行っている。しかし、これに限らず、図示しない制御用のPCを用意し、当該PCにこれらの一連の処理を実施させてもよい。すなわち、自律飛行ロボット1は、距離検出センサ4のレーザスキャナの出力及び撮像部3で取得した撮像画像を通信部9を介して無線通信により当該PCに送信する。そして、PCは、位置推定処理、速度推定処理、経路探索処理、経路追従制御処理を実施し、経路追従制御処理にて求めた速度指令値を無線通信により自律飛行ロボット1に送信する。そして、自律飛行ロボット1は、通信部9を介して受信した速度指令値に基づいてモータ6の回転数を制御することにより、目的の位置に飛行する。このように、上記の一連の処理を外部PCを用いて分担することにより、自律飛行ロボット1のCPU処理負荷を低減することができ、ひいてはバッテリの消耗も抑えることができる。
1・・・自律飛行ロボット
2・・・ロータ
3・・・撮像部
4・・・距離検出センサ
5・・・ミラー
6・・・モータ
7・・・制御部
8・・・記憶部
81・・・2Dポイント情報
82・・・ボクセル情報
83・・・離間距離
84・・・被撮像方向情報
85・・・記憶開始距離
86・・・各種パラメータ
71・・・位置推定手段
72・・・速度推定手段
73・・・経路探索手段
731・・・移動候補位置設定手段
732・・・移動目標位置設定手段
733・・・移動経路生成手段
734・・・被撮像方向記憶手段
74・・・飛行制御手段
9・・・通信部
M・・・移動物体
Mg・・・移動物体の重心
G・・・地面
Bo・・・占有ボクセル
Bn・・・近接ボクセル
Bf・・・自由ボクセル
Pc・・・移動候補位置
Po・・・移動目標位置


Claims (5)

  1. 撮像部にて移動物体の撮像画像を取得する自律移動ロボットにおいて、
    前記移動物体の移動物体位置と自律移動ロボットの自己位置及び姿勢とを推定する処理を行う位置推定手段と、
    前記自律移動ロボットの移動経路を算出する処理を行う経路探索手段と、
    前記移動経路に沿って移動するよう制御し、かつ、前記撮像部が前記移動物体位置の方向を向くよう前記姿勢を制御する処理を行う移動制御手段と、を有し、
    前記各処理を逐次繰り返すことによって移動するものであって、
    前記経路探索手段は、
    前記移動物体の正面方向を推定し、前記自己位置と前記移動物体位置とを用いて該正面方向を基準として該移動物体を撮像した方向を記憶する被撮像方向記憶手段と、
    前記移動物体位置の周囲の位置に複数の移動候補位置を設定する移動候補位置設定手段と、
    前記各移動候補位置を評価して該移動候補位置の中の一つを移動目標位置に設定するものであって、撮像されていない方向に位置する移動候補位置が該移動目標位置として選択され易いよう評価する移動目標位置設定手段と、
    前記自己位置から該移動目標位置へ移動するよう前記移動経路を算出する移動経路算出手段と、を具備することを特徴とする自律移動ロボット。
  2. 前記被撮像方向記憶手段は、前記自己位置が前記移動物体位置から予め定めた記憶開始距離の範囲内にあるときのみ前記撮像した方向を記憶する請求項1に記載の自律移動ロボット。
  3. 前記被撮像方向記憶手段は、前記撮像画像に移動物体の特徴部位が存在しているか否かを画像認識し、
    前記移動目標位置設定手段は、前記被撮像方向記憶手段にて前記撮像画像に前記特徴部位が存在していないと認識されたとき、予め設定された該特徴部位が存在する方向に位置する移動候補位置が前記移動目標位置として選択され易いよう評価する請求項1又は請求項2に記載の自律移動ロボット。
  4. 前記移動候補位置設定手段は、前記移動物体位置から予め定めた離間距離だけ離れた周囲の位置に前記移動候補位置を設定する請求項1から請求項3の何れか一項に記載の自律移動ロボット。
  5. 前記自律移動ロボットは、所定の空間内を自由に飛行する自律飛行ロボットであることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の自律移動ロボット。


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