JP5989595B2 - 避雷装置の取替目安決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、避雷装置の取替目安決定方法に関する。
例えば、電力線に印加されるサージ電圧を放電するための避雷素子が収容されている絶縁性の本体と、この本体を取り囲むように複数設けられている絶縁性の外皮片と、を有する避雷装置が知られている(例えば特許文献1)。
特開2011−58957号公報
例えば、特許文献1の避雷装置においては、外皮片が鳥に啄ばまれて欠損することがある。外皮片が欠損した場合、サージ電圧が避雷装置に印加されたときに発生する電流を遮断する避雷装置の遮断性能が低下し、前述の電流を遮断できずに例えば地絡事故が引き起こされる虞がある。このため、外皮片の欠損枚数に応じて避雷装置を取り替える必要があるが、外皮片の欠損枚数に対する遮断性能が明らかとなっていないために、避雷装置を取り替えることを、外皮片の欠損枚数に基づいて判断するのが困難となることがある。
前述した課題を解決する主たる本発明は、電力線に印加されるサージ電圧を放電するための避雷素子が収容されており長尺形状を呈する絶縁性の筐体と、前記筐体の長手方向において複数設けられており前記筐体を取り囲む形状を呈する絶縁性の外皮片と、を有する避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の欠損枚数を決定する取替目安決定方法であって、第1塩分濃度の第1水溶液が前記避雷装置に塗布されているときの、前記外皮片の欠損枚数と前記サージ電圧が前記避雷装置に印加されたときに発生する電流を遮断する前記避雷装置の遮断性能との関係を示す第1情報と、前記第1塩分濃度とは異なる第2塩分濃度の第2水溶液が前記避雷装置に塗布されているときの、前記外皮片の欠損枚数と前記電流を遮断する前記避雷装置の遮断性能との関係を示す第2情報とに基づいて、前記避雷装置に塗布される水溶液の塩分濃度と前記電流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す第3情報を算出する第1ステップと、前記避雷装置に付着していると推定される塩分量を示す情報と前記第3情報とに基づいて、前記避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の欠損枚数を決定する第2ステップと、を含むことを特徴とする避雷装置の取替目安決定方法である。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
本発明によれば、避雷装置を取り替える目安としての外皮片の欠損枚数を決定することができる。
本発明の実施形態における避雷装置を示す図である。 本発明の実施形態における避雷器を示す斜視図である。 本発明の実施形態における基準決定装置を示すブロック図である。 本発明の実施形態における試験情報を示す図である。 本発明の実施形態における避雷器の続流遮断性能に関する試験を行うための試験回路を示す回路図である。 本発明の実施形態における汚損区分情報を示す図である。 本発明の実施形態における第1遮断領域情報を示す図である。 本発明の実施形態における第2遮断領域情報を示す図である。 本発明の実施形態における基準決定装置の動作を示すフローチャートである。
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
===避雷装置===
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態における避雷装置について説明する。図1は、本実施形態における避雷装置を示す図である。尚、基準決定装置5は、見えない状態となっているが、説明の便宜上、点線で示されている。図1は、本実施形態における避雷器を示す図である。図2は、本実施形態における避雷器を示す斜視図である。
<避雷装置>
避雷装置200は、例えば落雷等に基づいて送電線13(電力線)に供給される高電圧(サージ電圧)を大地に放電させて、例えば送電線13及び送電線13に接続されている電力装置等の落雷に基づく損傷を防止する装置である。
避雷装置200は、地面100に建てられている送電用鉄塔10の金属製のアーム11に設けられる。避雷装置200は、碍子12の近傍に設けられ、アーム11に接続されている。尚、碍子12は、送電線13を支持するための例えば250mm懸垂碍子である。碍子12の一端はアーム11の先端に固定され、碍子12の他端には、送電線13が固定されている。
避雷装置200は、避雷器2(避雷装置)、第2電極202を有する。
避雷器2(図2)は、本体部20(筺体)、例えば15枚のひだ部21乃至35(外皮片)、第1電極201を有する。尚、ひだ部21乃至35は、説明の便宜上、15枚としているが15枚以外の枚数だけ設けられることとしてもよい。
本体部20は、例えば円柱形状の長尺形状を呈している絶縁性の本体部である。本体部20の内部には、例えば酸化亜鉛素子(不図示)(避雷素子)が設けられる。尚、酸化亜鉛素子は、比較的高い電圧が印加されたときに抵抗値が小さくなり、比較的高い電圧が印加されないときに抵抗値が大きくなる性質を有する。
ひだ部21乃至35は、避雷器2の続流を遮断するための絶縁性の部材である。避雷器2に設けられているひだ部の枚数は、続流を確実に遮断できる程度の枚数とされる。尚、続流については、後述する。ひだ部21乃至35は、本体部20を取り囲むように本体部20の外周面に取り付けられている。ひだ部21乃至35は、本体部20の外周面から突出している。ひだ部21乃至35は相互に同様な形状を呈している。ひだ部21乃至35は、例えば略円盤形状を呈している。ひだ部21乃至35は、例えばシリコーン製の絶縁材等によって形成されている。ひだ部21乃至35は、本体部20の長手方向において例えば等間隔に並べられた状態で、本体部20に固定されている。尚、ひだ部21乃至35は、例えば本体部20と一体的に形成されていることとしてもよい。
第1電極201は、例えば円柱形状を呈している棒状電極であり、本体部20の一方の端部211に設けられる。第1電極201は、本体部20の内部に設けられている酸化亜鉛素子に接続されている。尚、本体部20の一方の端部211とは反対側の他方の端部211は、アーム11に接続されている。
第2電極202(図1)は、第1電極201との間に直列ギャップ203が形成されるように、第1電極201から離れた位置に設けられる。直列ギャップ203は、例えば続流を遮断するための第2電極202と第1電極201との間の隙間である。第2電極202と第1電極201とは、直列ギャップ203の基づく長さ(「直列ギャップ長」とも称する)だけ離れた状態で互いに向かいあっている。
<高電圧の放電>
例えば、送電線13への落雷に基づいて第2電極202に対して所定電圧以上の高電圧(サージ電圧)が印加された場合、この高電圧に基づく電流は、直列ギャップ203、酸化亜鉛素子、アーム11、送電用鉄塔10を介して地面100(グランド)供給されることになる。この後、第2電極202に印加されている電圧が所定電圧以下となった場合、例えば酸化亜鉛素子の抵抗値が上昇し、高電圧に基づく電流が遮断されることになる。尚、所定電圧は、避雷装置200の仕様等に基づいて予め定められている電圧である。
ここで、第2電極202から供給される高電圧に基づく電流は、避雷器2の内部、及び避雷器2の外面(表面)を伝ってアーム11に供給されることになる。例えば、避雷器2に設けられているひだ部21乃至35のうちの何れかが例えば鳥の啄ばみ等により欠損すると、避雷器2の沿面距離が比較的短くなり、避雷器2の抵抗値が低下することになる。この場合、第2電極202に対して所定電圧以上の高電圧が印加された後、第2電極202に印加されている電圧が所定電圧以下となっているにも関わらず、高電圧に基づく電流が、避雷装置2、送電用鉄塔10等を介して地面に供給され続けて、地絡事故が引き起こされることがある。尚、第2電極202に対して所定電圧以上の高電圧が印加された後、第2電極202に印加されている電圧が所定電圧以下となっているにも関わらず、流れる続ける高電圧に基づく電流を、続流とも称する。
続流が遮断されないことに基づく地絡事故の発生を防止するために、例えば、ひだ部21乃至35が欠損した場合、避雷器2を新たな避雷器に取り替える必要がある。
===基準決定装置===
以下、図3を参照して、本実施形態における基準決定装置について説明する。図3は、本実施形態における基準決定装置を示すブロック図である。
基準決定装置5は、避雷器2を新たな避雷器と取り替えるための基準を決定する装置であり、例えば営業所501に設けられる。基準決定装置5は、避雷器2を新たな避雷器に取り替えるための基準(目安)となるひだ部21乃至35の欠損枚数(「取替基準枚数」とも称する)を決定する。基準決定装置5は、入力部51、出力部52、表示部53、記憶部54、演算部55、制御部56を有する。
入力部51は、基準決定装置5に対して情報を入力するための例えばキーボードである。入力部51からは、少なくとも、例えば、避雷器2の続流を遮断する能力(「続流遮断性能」とも称する)に関する試験に基づく試験情報T1(図4)(第1情報、第2情報)、避雷器2が設けられる地域(位置)を塩分濃度に基づいて区分するための汚染区分情報T2(図6)が入力される。
出力部52は、基準決定装置5から情報を出力するための例えばプリンタである。
表示部53は、基準決定装置5に対して入力された情報等を表示するための例えばディスプレイである。
記憶部54は、例えば、第1の領域541、第2の領域542を有する。
第1の領域541には、例えば、基準決定装置5を動作させるための制御プログラムが記憶されている。第2の領域542には、例えば、入力部51から入力された情報、第1遮断領域情報700(図7)等が記憶される。尚、第1遮断領域情報700については、後述する。
演算部55は、入力部51から入力された情報等に基づいて、取替基準枚数を決定する。
制御部56は、制御プログラムに基づいて、基準決定装置5を制御する。
===試験情報===
以下、図4を参照して、本実施形態における試験情報について説明する。図4は、本実施形態における試験情報を示す図である。
試験情報T1においては、避雷器2の続流遮断性能に関する試験に関する情報である。試験情報T1においては、目標汚損度に対して、投入塩分量、塩分付着密度、塩分濃度、導電率、抵抗値、遮断不能欠損枚数が対応付けられている。
目標汚損度、投入塩分量、塩分付着密度、塩分濃度、導電率、抵抗値は、続流遮断性能に関する試験の試験条件に対応する情報である。
目標汚損度は、続流遮断性能に関する試験の際に汚損される避雷器2の汚損の度合いを示している。目標汚損度は、避雷器2の近傍に設けられている碍子12(図1)を汚損させる度合いに応じて定められる。尚、汚損とは、塩が付着することである。
投入塩分量は、目標汚損度に対応する汚損水(水溶液)を作成する際に水1リットルに投入される塩分量を示している。尚、汚損水は、例えば、水1リットルに対して投入塩分量に応じた量の塩、所定量のとのこが混ぜられて作製されている。目標汚損度に対応する汚損水とは、例えば、この目標汚損度に対応する汚損水が碍子12に所定時間(30秒)スプレー塗付された後に、碍子12に対して目標汚損度に応じた量の塩分を付着させるような汚損水のことである。
塩分付着密度は、汚損水によって汚損された避雷器2に付着している塩の量を示している。塩分付着密度は、続流遮断性能に関する試験の際に実測された結果に基づく情報である。塩分濃度は、汚損水における塩の濃度である。塩分濃度は、投入塩分量等に基づいて定まる。導電率は、塩分濃度に対応する導電率である。導電率は、例えば、導電率と塩分濃度とが予め対応付けられている情報等に基づいて算出されることとする。抵抗値は、導電率の逆数に応じて定まる、塩分濃度に対応する抵抗値である。
遮断不能欠損枚数は、続流遮断性能に関する試験の結果に対応する情報である。
例えば、目標汚損度A1乃至A3のうち、目標汚損度A1が最も小さく(少なく)、目標汚損度A3が最も大きく(多く)、目標汚損度A2は、目標汚損度A1、A3の間の値に設定されていることとする。
投入塩分量、塩分濃度、導電率は、目標汚損度に応じて定まるので、目標汚損度と同様な関係となる。つまり、投入塩分量B1乃至B3のうち、投入塩分量B1が最も小さく、投入塩分量B3が最も大きく、投入塩分量B2は、投入塩分量B1、B3の間の値となる。又、塩分濃度F1乃至F3のうち、塩分濃度F1が最も小さく、塩分濃F3が最も大きく、塩分濃度F2は、塩分濃度F1、F3の間の値となる。又、導電率H1乃至H3のうち、導電率H1が最も小さく、導電率H3が最も大きく、導電率H2は、導電率H1、H3の間の値となる。抵抗値は、導電率の逆数なので、抵抗値R1乃至R3のうち、抵抗値R1が最も大きく、抵抗値R3が最も小さく、抵抗値R2は、抵抗値R1、R3の間の値となる。
又、塩分付着密度E1乃至E3については、塩分付着密度E1乃至E3のうち、塩分付着密度E1が最も小さく、塩分付着密度E3が最も大きく、塩分付着密度E2は、塩分付着密度E1、E3の間の値となっていることとする。
又、遮断不能欠損枚数U1は7枚、遮断不能欠損枚数U2は4枚、遮断不能欠損枚数U1は2枚となっていることとする。つまり、試験情報T1においては、抵抗値が大きくなるにつれて、遮断不能欠損枚数が増加していることが示されている。
===避雷器の続流遮断性能に関する試験===
以下、図5を参照して、本実施形態における避雷器の続流遮断性能に関する試験について説明する。図5は、本実施形態における避雷器の続流遮断性能に関する試験を行うための試験回路を示す回路図である。
<試験内容>
続流遮断性能に関する試験では、ひだ部21乃至35の欠損枚数に対する続流遮断性能の確認が行われる。続流遮断性能に関する試験では、例えば、ひだ部21乃至35の欠損枚数を1枚ずつ増加させ、欠損枚数が増加する毎に、続流を遮断できるか否かの確認が行われる。この試験では、続流を遮断できないときの欠損枚数の最小値である遮断不能欠損枚数が、試験結果とされる。尚、この試験では、目標汚損度を適宜変更して、例えば、第1の場合(図4)、第2の場合、第3の場合夫々において、上述の試験が行われる。
<試験回路>
試験回路600は、続流遮断性能に関する試験を行うための試験回路である。試験回路600は、交流電源装置61、パルス装置62、コンデンサC0、試験対象としての避雷器2を有する。
交流電源装置61は、避雷器2の定格電圧に応じた例えば、69KV、60Hzの電圧を出力する装置である。
パルス重畳回路62は、例えば落雷に基づいて第2電極202に印加される高電圧に対応する振幅(例えば、900KV)のパルス(サージ電圧)(例えば、パルス幅は、0.4μS)を、交流電源装置61から出力される電圧に重畳させる装置である。パルス重畳回路62は、例えば、交流電圧において最大振幅のときに正のパルスを重畳させ、交流電圧において最小振幅のときに負のパルスを重畳させることとする。
交流電源装置61の両端には、パルス重畳回路62及びコンデンサC0が互いに直列に接続されている直列接続体が接続される。避雷器2は、端部212が交流電源装置61の一端及びコンデンサC0の一方の電極の双方に接続され、第1電極201が開放されている。尚、第1端子201と端子64との間に設けられているギャップ63は、直列ギャップ203に対応するギャップである。端子64は、避雷装置200の第2電極202に対応する例えばアークホーンである。
<試験>
試験情報T1における第3の場合の試験について説明する。
まず、目標汚損度A3に対応する汚損水が避雷器2に所定時間(例えば30秒)スプレー塗付される。
この後、避雷器2の欠損枚数を0枚としたときに、避雷器2が続流を遮断できるか否かを確認する。尚、欠損枚数を0枚とするとは、避雷器2においてひだ部21乃至35が全て存在している状態である。例えば、交流電圧に対してパルスを重畳させて、端子64からギャップ63を介して第1端子201に、パルスに基づく電流を供給する。この後、避雷器2がパルスに基づく電流(続流)を遮断できるか否かを確認する。続流を遮断できるか否かの確認は、例えば、試験回路600の電圧波形の確認、ギャップ63のビデオ撮影、端子64からギャップ63を介して避雷器2側に供給される電流の測定等に基づいて行われることとする。例えば、避雷器2の欠損枚数を0枚としたときに、続流が遮断されたことが確認されたこととする。
この場合、避雷器2の欠損枚数を1つ増加させて、同様な確認を行う。つまり、避雷器2のひだ部21乃至35のうち、例えばひだ部21の一枚を取り除いた状態で、この避雷器2が続流を遮断できるか否かを確認する。例えば、避雷器2の欠損枚数を1枚としたときに、続流が遮断されたことが確認されたこととする。
この場合、避雷器2の欠損枚数を更に1つ増加させて、同様な確認を行う。つまり、避雷器2のひだ部21乃至35のうち、例えばひだ部21、22の2枚を取り除いた状態で、この避雷器2が続流を遮断できるか否かを確認する。例えば、避雷器2の欠損枚数を2枚としたときに、続流が遮断されないことが確認されたこととする。このとき、第3の場合における試験結果を示す遮断不能欠損枚数U3は、2枚とされる。尚、第3の場合においては、避雷器2の欠損枚数を3枚乃至15枚としたときも、続流が遮断されないことが確認されたこととする。
尚、試験情報T1における第1の場合の試験及び第2の場合の試験は、第3の場合の試験と同様である。第1の場合の試験では、目標汚損度A1に対応する汚損水がスプレー塗布された避雷器2において、欠損枚数が0枚乃至6枚のとき、続流が遮断されたことが確認され、欠損枚数が7枚のとき、続流が遮断されないことが確認されることになる。第1の場合においては、避雷器2の欠損枚数を8枚乃至15枚としたときも、続流が遮断されないことが確認されたこととする。第2の場合の試験では、目標汚損度A2に対応する汚損水がスプレー塗布された避雷器2において、欠損枚数が0枚乃至3枚のとき、続流が遮断されたことが確認され、欠損枚数が4枚のとき、続流が遮断されないことが確認されることになる。尚、第2の場合においては、避雷器2の欠損枚数を5枚乃至15枚としたときも、続流が遮断されないことが確認されたこととする。
===汚損区分情報===
以下、図6を参照して、本実施形態における汚損区分情報について説明する。図6は、本実施形態における汚損区分情報を示す図である。
汚損区分情報T2は、避雷器2が設けられる地域(位置)を塩分濃度に基づいて区分するための情報である。汚損区分情報T2においては、避雷器2が設けられる地域の海からの距離に応じて、避雷器2の設けられる地域が区分されている。汚損区分情報T2においては、汚損区分に対して、最大等価塩分付着量、塩分濃度、導電率、抵抗値が対応付けられている。つまり、汚損区分情報T2は、避雷器2に付着していると推定される塩分量を示す情報でもある。
汚損区分は、避雷器2の設けられる地域を区分するための情報である。汚損区分は、避雷器2が設けられる地域の海からの距離に応じて定められる。汚損区分K2は、海からの距離が10キロメートル以内のであることを示していることとする。汚損区分K1は、海からの距離が10キロメートル以上20キロメートル以内のであることを示していることとする。つまり、汚損区分K1の海からの距離は、汚損区分K2の海からの距離よりも遠いことが示されていることになる。
例えば、避雷器2の設けられる地域A(不図示)の海からの距離が13キロメートル以上15キロメートル以内である場合、地域Aの汚損区分は、汚損区分K1となる。又、例えば、避雷器2の設けられる地域B(不図示)の海からの距離が3キロメートル以上5キロメートル以内である場合、地域Bの汚損区分は、汚損区分K2となる。
最大等価塩分付着量は、試験情報T1の目標汚損度に対応した情報である。最大等価塩分付着量は、対応付けられている汚損区分における海からの距離が最長の位置に設けられる碍子12(「距離が最長の碍子12」とも称する)の汚損の度合いが定められている。例えば、汚損区分K1の最大等価塩分付着量K1は、汚損区分K2の最大等価塩分付着量K1よりも少なくなる。
塩分濃度は、試験情報T1の目標汚損度に対応した情報である。塩分濃度は、最大等価塩分付着量に応じた量の塩分を碍子12に付着させるための汚損水の塩の濃度である。例えば、この塩分濃度の汚損水が碍子12に所定時間(30秒)スプレー塗付された後に、碍子12に対して付着している塩分の量は、最大等価塩分付着量に応じた量になることとする。例えば、汚損区分K1の塩分濃度F11は、汚損区分K2の塩分濃度F12よりも低くなる。尚、塩分濃度F11は、試験情報T1の第1の場合における塩分濃度F1よりも高く、第2の場合における塩分濃度F2よりも低くなっていることとする。又、塩分濃度F12は、試験情報T1の第2の場合における塩分濃度F2よりも高く、第2の場合における塩分濃度F3よりも低くなっていることとする。
導電率は、塩分濃度に対応する導電率である。導電率は、例えば、導電率と塩分濃度とが予め対応付けられている情報等に基づいて算出されることとする。例えば、汚損区分K1の導電率H11は、汚損区分K2の導電率H12よりも小さくなる。そして、導電率H11は、試験情報T1の第1の場合における導電率H1よりも高く、第2の場合における導電率H2よりも低くなる。又、導電率H12は、試験情報T1の第2の場合における導電率H2よりも高く、第3の場合における導電率H3よりも低くなる。
抵抗値は、導電率の逆数に応じて定まる、塩分濃度に対応する抵抗値である。例えば、例えば、汚損区分K1の抵抗値R11は、汚損区分K2の抵抗値R12よりも大きくなる。
そして、抵抗値R11は、試験情報T1の第1の場合におけるR1よりも小さく、第2の場合における抵抗値R2よりも大きくなる。又、抵抗値R12は、試験情報T1の第2の場合における抵抗値R2よりも小さく、第3の場合における抵抗値R3よりも大きくなる。
===演算部===
以下、図7及び図8を参照して、本実施形態における演算部について説明する。図7は、本実施形態における第1遮断領域情報を示す図である。図8は、本実施形態における第2遮断領域情報を示す図である。尚、図8における図7と同様な構成には、同様な符号が付されている。
図7では、第1遮断領域情報700を示すグラフが示されている。
図7におけるX1軸は、避雷器2の沿面距離を示している。尚、避雷器2の沿面距離とは、一方の端部211(図2)から他方の端部212までの、避雷器2の長手方向において避雷器2の外面(表面)に沿った最短距離である。この避雷器2の沿面距離は、避雷器2の仕様等に基づいて定まる。避雷器2の沿面距離は、避雷器2におけるひだ部の欠損枚数に応じて定まる。例えば、ひだ部の欠損枚数が増加するにつれて、避雷器2の沿面距離は短くなる。沿面距離D0乃至D15は夫々、ひだ部の欠損枚数が0枚乃至15枚となったときの避雷器2の沿面距離に対応している。沿面距離D0乃至D15のうち、沿面距離D15が最短であり、沿面距離D0が最長となっている。
図7におけるY1軸は、抵抗値と沿面距離との積を示している。ここでの抵抗値は、試験情報T1に示されている抵抗値、汚損区分情報T2に示されている抵抗値を示している。沿面距離は、X1の沿面距離と同様である。
演算部55は、前述したように、入力部51から入力された情報等に基づいて、取替基準枚数を決定する。具体的には、演算部55は、第1遮断領域情報700及び第2遮断領域情報701を生成した後、各汚染区分における取替基準枚数を決定する。
<第1遮断領域情報の生成>
第1遮断領域情報700は、第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713、第1基準直線71、第2基準直線72(第3情報)夫々を示す情報を有する。
=第1乃至第3汚損度直線=
第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713は、試験情報T1における続流遮断性能に関する試験の試験条件に応じた情報である。第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713は夫々、試験情報T1の第1の場合、第2の場合、第3の場合に対応している。例えば、第1汚損度直線711は、沿面距離に対する、抵抗値R1と沿面距離との積を示している。第1汚損度直線711の傾きは、抵抗値R1に対応している。例えば、第2汚損度直線712は、沿面距離に対する、抵抗値R2と沿面距離との積を示している。第2汚損度直線712の傾きは、抵抗値R2に対応している。例えば、第3汚損度直線713は、沿面距離に対する、抵抗値R3と沿面距離との積を示している。第3汚損度直線713の傾きは、抵抗値R3に対応している。
演算部55は、試験情報T1及び避雷器2に関する情報等に基づいて、第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713を生成する。尚、避雷器2に関する情報は、例えば、演算部55が、避雷器2の沿面距離、ひだ部の欠損枚数に対する当該沿面距離を算出するための情報であることとする。避雷器2に関する情報は、例えば、第2の領域542に記憶されており、本体部20の長手方向における避雷器2の沿面距離とひだ部の欠損枚数との関係を示す情報を含んでいることとする。
=第1基準直線=
第1基準直線71は、避雷器2の定格電圧に応じた電圧に基づいて、第1遮断領域情報700に示される領域を遮断可能領域と、遮断不可能領域とに区分けするための情報である。尚、第1遮断領域情報700を示すグラフ(図7)における第1基準直線71よりも紙面右側の第1領域73が、遮断可能領域(「第1基準での遮断可能領域」とも称する)に対応している。又、第1遮断領域情報700を示すグラフ(図7)における第1基準直線71よりも紙面左の第2領域74及び第3領域75が、遮断不可能領域(「第1基準での遮断不可能領域」とも称する)に対応している。尚、第2領域74は、第1基準直線71と第2基準直線72との間の領域である。第3領域75は、第3基準直線75よりも紙面左側の領域である。
演算部55は、試験情報T1における遮断不能欠損枚数と、上述の第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713とに基づいて、第1基準直線71を生成する。
演算部55は、第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713上における、第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713夫々の遮断不能欠損枚数に対応する枚数だけひだ部が欠損したときの避雷器2の沿面距離を算出する。
例えば、演算部55は、遮断不能欠損枚数U1は7枚とされているので、避雷器2からひだ部が7枚欠損したときの避雷器2の沿面距離D7と、当該沿面距離D7と抵抗値R1との積R11とを示す点P11に対応する情報を算出する。又、例えば、演算部55は、遮断不能欠損枚数U2は4枚とされているので、避雷器2からひだ部が4枚欠損したときの避雷器2の沿面距離D4と、当該沿面距離D4と抵抗値R2との積R12とを示す点P12に対応する情報を算出する。又、例えば、演算部55は、遮断不能欠損枚数U3は2枚とされているので、避雷器2からひだ部が2枚欠損したときの避雷器2の沿面距離D3と、当該沿面距離D2と抵抗値R3との積R13とを示す点P13に対応する情報を算出する。
この後、演算部55は、点P11乃至P13を示す情報に基づいて、第1基準直線71を示す情報を算出する。演算部55は、例えば、第1遮断領域情報700を示すグラフにおいて点P11乃至P3を直線で結んだものを第1基準直線71とする。尚、例えば、演算部55は、例えば、所定の近似式等を用いて第1基準直線71を示す情報を算出することとしてもよい。第1基準直線71は、避雷器2に塗布される汚損水の塩分濃度と避雷器2の続流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す情報でもある。第1基準直線71は、避雷器2に塗布される汚損水の塩分濃度と避雷器2の続流が遮断されるものと推定される最短の沿面距離との関係を示す情報でもある。
=第2基準直線=
第2基準直線72は、避雷器2の定格電圧(第1交流電圧)よりも低い電線13の対地電圧(第2交流電圧)に応じた電圧に基づいて、第1遮断領域情報700に示される領域を遮断可能領域と、遮断不可能領域とに区分けするための情報である。尚、第1遮断領域情報700を示すグラフ(図7)における第2基準直線72よりも紙面右側の第1領域73及び第2領域74が、遮断可能領域(「第2基準での遮断可能領域」とも称する)に対応している。又、第1遮断領域情報700を示すグラフ(図7)における第2基準直線72よりも紙面左の第3領域75が、遮断不可能領域(「第2基準での遮断不可能領域」とも称する)に対応している。
演算部55は、避雷器2の定格電圧の値と電線13の対地電圧の値との比率と、第1基準直線71を示す情報とに基づいて、第2基準直線72を示す情報を算出する。演算部55は、第1基準直線71における所定の沿面距離における当該沿面距離と抵抗値との積と、第2基準直線72における所定の沿面距離における当該沿面距離と抵抗値との積との比率が、避雷器2の定格電圧の値と電線13の対地電圧の値との比率となるように、第2基準直線72を示す情報を算出する。
例えば、演算部55は、沿面距離と抵抗値との積R13と、沿面距離と抵抗値との積R23との比率、沿面距離と抵抗値との積R12と、沿面距離と抵抗値との積R22との比率沿面距離と抵抗値との積R11と、沿面距離と抵抗値との積R21との比率が夫々、避雷器2の定格電圧の値と電線13の対地電圧の値との比率となるように、第2基準直線72を示す情報を算出する。第2基準直線72は、避雷器2に塗布される汚損水の塩分濃度と避雷器2の続流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す情報でもある。第2基準直線72は、避雷器2に塗布される汚損水の塩分濃度と避雷器2の続流が遮断されるものと推定される最短の沿面距離との関係を示す情報でもある。
<第2遮断領域情報の生成>
第2遮断領域情報701は、第1汚損度直線711、第2汚損度直線712、第3汚損度直線713、第1基準直線71、第2基準直線72、第1汚損区分直線811、第2汚損区分直線812を示す情報を有する。
第1汚損区分直線811、第2汚損区分直線812は夫々、汚損区分情報T2における汚損区分K1、汚損区分K2に対応する情報である。例えば、第1汚損区分情報811は、沿面距離に対する、抵抗値R11と沿面距離との積を示している。第1汚損区分直線811の傾きは、抵抗値R11に対応している。例えば、第2汚損区分情報812は、沿面距離に対する、抵抗値R12と沿面距離との積を示している。第2汚損区分直線812の傾きは、抵抗値R12に対応している。
演算部55は、汚損区分情報T2及び第2遮断領域情報701に基づいて、第1汚損区分直線811、第2汚損区分直線812を生成する。
<取替基準枚数の決定>
演算部55は、第2遮断領域情報701に基づいて、取替基準枚数を決定する。演算部55は、汚損区分情報T2に示されている汚損区分毎に、取替基準枚数を決定する。演算部55は、避雷器2の定格電圧に基づく第1取替基準枚数と、電線13の対地電圧に基づく第2取替基準枚数とを決定する。
=第1取替基準枚数=
演算部55は、第1汚損区分直線811、第2汚損区分直線812夫々における、第1基準での遮断可能領域内の最大の欠損枚数を第1取替基準枚数とする。
例えば、第1汚損区分直線811と、第1基準直線71との交点P81に対応する沿面距離は、沿面距離D81となっている。演算部55は、欠損枚数に基づく沿面距離D0乃至D15の内、沿面距離D81よりも長い沿面距離であり、且つ、沿面距離D81に最も近い沿面距離D5を選択する。演算部55は、選択された沿面距離D5に対応する5枚を、汚損区分K1における第1取替基準枚数とする。
例えば、第2汚損区分直線812と、第1基準直線71との交点P82に対応する沿面距離は、沿面距離D82となっている。演算部55は、欠損枚数に基づく沿面距離D0乃至D15の内、沿面距離D82よりも長い沿面距離であり、且つ、沿面距離D82に最も近い沿面距離D3を選択する。演算部55は、選択された沿面距離D3に対応する3枚を、汚損区分K2における第1取替基準枚数とする。
=第2取替基準枚数=
演算部55は、第1汚損区分直線811、第2汚損区分直線812夫々における、第2基準での遮断可能領域内の最大の欠損枚数を第2取替基準枚数とする。
例えば、第1汚損区分直線811と、第2基準直線72との交点P83に対応する沿面距離は、沿面距離D83となっている。演算部55は、欠損枚数に基づく沿面距離D0乃至D15の内、沿面距離D83よりも長い沿面距離であり、且つ、沿面距離D83に最も近い沿面距離D9を選択する。演算部55は、選択された沿面距離D9に対応する9枚を、汚損区分K1における第2取替基準枚数とする。
例えば、第2汚損区分直線812と、第2基準直線72との交点P84に対応する沿面距離は、沿面距離D84となっている。演算部55は、欠損枚数に基づく沿面距離D0乃至D15の内、沿面距離D84よりも長い沿面距離であり、且つ、沿面距離D84に最も近い沿面距離D5を選択する。演算部55は、選択された沿面距離D5に対応する5枚を、汚損区分K2における第2取替基準枚数とする。
===基準決定装置の動作===
以下、図9を参照して、本実施形態における基準決定装置の動作について説明する。図9は、本実施形態における基準決定装置の動作を示すフローチャートである。
例えば、制御プログラムの実行が開始されて、制御部56が基準決定装置5の動作の制御を開始したところ説明する。
基準決定装置5は、試験情報T1及び汚染区分情報T2を受付ける(ステップS1)基準決定装置5は、試験情報T1及び汚染区分情報T2に基づいて、第1遮断領域情報700(図7)を算出し、その後、第2遮断領域情報701(図8)を算出する(ステップS2)。基準決定装置5は、例えば、汚染区分K1における第1及び第2取替基準枚数、汚染区分K2における第1及び第2取替基準枚数を決定する(ステップS3)。基準決定装置5は、この後、汚染区分K1における第1及び第2取替基準枚数を示す情報、汚染区分K2における第1及び第2取替基準枚数を示す情報を、出力部52から出力したり、表示部53に表示したりする。
尚、例えば、避雷器2を含む電力装置の管理者は、汚染区分K1における第1及び第2取替基準枚数を示す情報、地域Aの避雷器2のひだ部の実際の欠損枚数に基づいて、地域Aの避雷器2の取替えを行うか否かを判断することができる。又、上述の管理者は、汚染区分K2における第1及び第2取替基準枚数を示す情報、地域Bの避雷器2のひだ部の実際の欠損枚数に基づいて、地域Bの避雷器2の取替えを行うか否かを判断することができる。
前述したように、基準決定装置5は、送電線13に印加されるサージ電圧を放電するための避雷素子が収容されており長尺形状を呈する絶縁性の本体部20と、本体部20の長手方向において複数設けられており本体部20を取り囲む形状を呈する絶縁性のひだ部21乃至35と、を有する避雷器2を取り替える目安としてのひだ部の欠損枚数を決定する。基準決定装置5は、第1塩分濃度の第1汚損水が避雷器2に塗布されているときの、ひだ部の欠損枚数とサージ電圧が避雷器2に印加されたときに発生する続流を遮断する避雷器2の続流遮断性能との関係を示す情報と、前述の第1塩分濃度とは異なる第2塩分濃度の第2汚損水が避雷器2に塗布されているときの、ひだ部の欠損枚数と続流を遮断する避雷器2の続流遮断性能との関係を示す情報と、が含まれている試験情報T1に基づいて、避雷器2に塗布される汚損水の塩分濃度と続流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す第1基準直線71、第2基準直線72を算出する。基準決定装置5は、第1基準直線71及び第2基準直線72と、汚損区分情報T2とに基づいて、第1及び第2取替基準枚数を決定する。従って、基準決定装置5は、避雷器2を取り替える目安としてのひだ部の欠損枚数として第1及び第2取替基準枚数を決定することができる。例えば、第1及び第2取替基準枚数に基づいて避雷器2を取り替えることにより、避雷器2の続流遮断性能を避雷器2の続流を遮断できる程度に維持し、避雷器2を含む電力系統の信頼度を向上させることができる。又、例えば、避雷器2の続流遮断性能が避雷器2の続流を遮断できる程度に十分に維持されているにも関わらず避雷器2が取り替えられるのを防止して、避雷器2を取り替えるためのコストを抑えることができる。
又、試験情報T1は、避雷器2の定格電圧に重畳されたサージ電圧が印加された際の情報である。基準決定装置5は、第1基準直線71を算出する。その後、基準決定装置5は、避雷器2の定格電圧の振幅(第1振幅)と異なる振幅(第2振幅)を有する電線13の対地電圧の振幅に応じた値と避雷器2の定格電圧の振幅に応じた値との比率と、第1基準直線71に基づいて、第2基準直線72を算出する。これらの構成により、避雷器2を取り替えるための目安を第1基準直線71、第2基準直線72の2つ提供することができる。よって、例えば、避雷器2の運用状態に応じて、避雷器2の取り替えを適切に判断することが可能となる。又、第2基準直線72は、第1基準直線71に基づいて算出されているために、第2基準直線72を求めるための実験が不要となる。従って、第2基準直線72を求めるための実験を省略することにより、雷器2を取り替えるための目安としての第1基準直線71、第2基準直線72の決定が比較的容易となる。
又、第1基準直線71は、避雷器2の定格電圧に応じた情報であり、第2基準直線72は、送電線13に供給される電圧に応じた情報である。従って、避雷器2の定格電圧、及び、送電線13に供給される電圧を、第1基準直線71、第2基準直線72に反映させることができる。よって、避雷器2の仕様、避雷器2が設けられている環境に基づいて、避雷器2を取り替える目安を決定することができる。
又、基準決定装置5は、試験情報T1と、第2の領域542に記憶されている避雷器2に関する情報とに基づいて、第1基準直線71、第2基準直線72を算出する。尚、第1基準直線71、第2基準直線72は、避雷器2に塗布される汚損水(水溶液)の塩分濃度と電流が遮断されるものと推定される最短の沿面距離との関係を示す情報でもある。従って、例えば、避雷器2の沿面距離に基づいて、避雷器2を取り替える目安を決定することが可能となる。
尚、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
上記実施形態においては、基準決定装置5が、避雷器2の定格電圧に基づく第1取替基準枚数と、電線13の対地電圧に基づく第2取替基準枚数とを、決定することについて説明したが、これに限定されるものではない。基準決定装置5が、例えば、電線13の定格電圧よりも高い第1電圧に基づく第3取替基準枚数、電線13の対地電圧よりも低い第2電圧に基づく第4取替基準枚数を更に決定することとしてもよい。
2 避雷器
5 基準決定装置
10 送電用鉄塔
13 送電線
20 本体部
21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35 ひだ部

Claims (4)

  1. 電力線に印加されるサージ電圧を放電するための避雷素子が収容されており長尺形状を呈する絶縁性の筐体と、前記筐体の長手方向において複数設けられており前記筐体を取り囲む形状を呈する絶縁性の外皮片と、を有する避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の欠損枚数を決定する取替目安決定方法であって、
    第1塩分濃度の第1水溶液が前記避雷装置に塗布されているときの、前記外皮片の欠損枚数と前記サージ電圧が前記避雷装置に印加されたときに発生する電流を遮断する前記避雷装置の遮断性能との関係を示す第1情報と、前記第1塩分濃度とは異なる第2塩分濃度の第2水溶液が前記避雷装置に塗布されているときの、前記外皮片の欠損枚数と前記電流を遮断する前記避雷装置の遮断性能との関係を示す第2情報とに基づいて、前記避雷装置に塗布される水溶液の塩分濃度と前記電流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す第3情報を算出する第1ステップと、
    前記避雷装置に付着していると推定される塩分量を示す情報と前記第3情報とに基づいて、前記避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の欠損枚数を決定する第2ステップと、を含む
    ことを特徴とする避雷装置の取替目安決定方法。
  2. 前記第1及び第2情報は、第1振幅を有する第1交流電圧に重畳された前記サージ電圧が印加された際の情報であり、
    前記第1ステップは、
    前記第1交流電圧に重畳された前記サージ電圧が印加された際の、前記避雷装置に塗布される水溶液の塩分濃度と前記電流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す情報を前記第3情報として算出する第3ステップと、
    前記第1振幅と異なる第2振幅を有する第2交流電圧の前記第2振幅に応じた値と前記第1振幅に応じた値との比率と、前記第3ステップでの演算結果とに基づいて、前記第2交流電圧に重畳された前記サージ電圧が印加された際の、前記避雷装置に塗布される水溶液の塩分濃度と前記電流が遮断されるものと推定される最大の欠損枚数との関係を示す情報を前記第3情報として算出する第4ステップと、を有し、
    前記第2ステップは、
    前記第3ステップでの演算結果に基づいて、前記避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の第1欠損枚数を決定する第5ステップと、
    前記第4ステップでの演算結果に基づいて、前記避雷装置を取り替える目安としての前記外皮片の前記第1欠損枚数とは異なる第2欠損枚数を決定する第6ステップと、を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の避雷装置の取替目安決定方法。
  3. 前記第1交流電圧は、前記避雷装置の定格電圧に応じた電圧であり、
    前記第2交流電圧は、前記電力線に供給される電圧に応じた電圧である
    ことを特徴とする請求項2に記載の避雷装置の取替目安決定方法。
  4. 前記第1ステップは、前記第1及び第2情報と、記憶装置に記憶されており前記筐体の長手方向における前記避雷装置の沿面距離と前記外皮片の欠損枚数との関係を示す情報とに基づいて、前記避雷装置に塗布される水溶液の塩分濃度と前記電流が遮断されるものと推定される最短の前記沿面距離との関係を示す情報を、前記第3情報として算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の避雷装置の取替目安決定方法。
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