JP5989008B2 - 同期式マルチユーザマルチキャリア通信においてスペクトル効率を改善し漏話雑音をプロファイリングするシステムおよび方法 - Google Patents

同期式マルチユーザマルチキャリア通信においてスペクトル効率を改善し漏話雑音をプロファイリングするシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5989008B2
JP5989008B2 JP2013553514A JP2013553514A JP5989008B2 JP 5989008 B2 JP5989008 B2 JP 5989008B2 JP 2013553514 A JP2013553514 A JP 2013553514A JP 2013553514 A JP2013553514 A JP 2013553514A JP 5989008 B2 JP5989008 B2 JP 5989008B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
noise
carrier
processors
receiver
communication
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013553514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014506760A (ja
Inventor
ポンズ、ジュリアン
アローイン、ローレン
ピエールグース、ローレン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ikanos Communications Inc
Original Assignee
Ikanos Communications Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ikanos Communications Inc filed Critical Ikanos Communications Inc
Publication of JP2014506760A publication Critical patent/JP2014506760A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5989008B2 publication Critical patent/JP5989008B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B17/00Monitoring; Testing
    • H04B17/30Monitoring; Testing of propagation channels
    • H04B17/309Measuring or estimating channel quality parameters
    • H04B17/345Interference values
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/46Monitoring; Testing
    • H04B3/487Testing crosstalk effects

Description

関連出願の相互参照
本願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている、2011年2月8日に出願した米国特許仮出願第61/440,489号、名称「METHOD FOR IMPROVING SPECTRAL EFFICIENCY OF CROSSTALK NOISE IMPAIRED USERS IN SYNCHRONIZED MULTI WIRE SYSTEMS」の優先権を主張するものである。
本開示の態様は、一般に、通信システムに関し、より詳細には、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信において、スペクトル効率を改善し、漏話雑音によって損なわれた通信チャネルの漏話雑音ソースをプロファイリングするシステムと方法とに関する。
同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信技術(たとえば、高速ワイヤレスまたはディジタル加入者回線(xDSL))は、近年、高速インターネットアクセスの需要に応じて開発されてきた。たとえば、有線通信システムでは、xDLS技術は、先在する電話システムの通信媒体を利用する。したがって、旧来の電話システム(plain old telephone system:POTS)とxDLSシステムの両方が、xDSL互換顧客構内について共通の回線を共有する。xDSLシステム(たとえば、Very High Speed DSLシステムすなわちVDSLシステム)は、複数の銅線対によって形成されるケーブルバンドルを介するマルチキャリア伝送を用い、各対は、通常、異なる顧客にサービスする。
同様に、ワイヤレス通信システムは、情報を有する複数の搬送波がそれを介して送信される複数の通信チャネルを含む。ワイヤレスチャネルでは(有線チャネルのケーブルバンドルと同様に)、電磁現象が、通常、ユーザ間の干渉を生じ、その中で、遠端漏話(FEXT)は、システム性能を大きく損なう可能性がある。対象のユーザ(犠牲者ユーザと称する)によって見られるFEXT雑音は、他のユーザ(妨害者と称する)のそれぞれのために送信された信号ならびに犠牲者ユーザのデータと妨害者のデータとを搬送する隣接するチャネルおよび/またはケーブル対の間の電磁結合に依存する。
伝統的に、高速のワイヤレスシステムと有線システム(たとえば、xDSL)とは、FEXT雑音結合と妨害者変調との情報を考慮に入れていない。というのは、通信システムのスペクトル効率を判定する際に考慮される唯一の情報が、雑音が正規分布であるという仮定の下で集計雑音(aggregate noise)の分散の測定から導出される信号対雑音比(SNR)であるからである。具体的に言うと、従来のワイヤレスシステムと有線システム(たとえば、xDSL)とは、測定されたSNRの逆数に比例する分散を有する加法性白色ガウス雑音(AWGN:Additive White Gaussian Noise)モデルに基づいてビットローディング(bit loading)メトリックスを計算する。しかし、AWGNモデルへのそのような過度の依存は、ビットローディングおよび/またはSNRマージンの不正確な計算につながる可能性がある。この準最適計算は、複数のユーザが同期化される有線xDSLシステムで観察されるだけではなく、有線通信システムであれワイヤレス通信システムであれ、同期化された妨害者からの自己FEXT雑音に悩むすべての同期化されたマルチユーザマルチキャリアシステムで観察される。
したがって、求められていることは、AWGNモデルだけに頼るのではなく、FEXT雑音と妨害者変調との影響を考慮に入れた、通信システムの特性を表す、より正確な雑音モデルである。
同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信のシステムと、方法と、その命令を有するコンピュータ可読媒体とを提供する。たとえば、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、送信器と、複数のユーザに関連する複数の通信チャネルを介して送信器に通信的に結合された受信器と、送信器および受信器のうちの少なくとも1つに結合され、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスとを含む。1つまたは複数のプロセッサは、複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手し、複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、雑音サンプルおよび判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、雑音モデルをメモリデバイスに格納するように構成されている。
たとえば、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスを備える同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムの雑音特性に基づいてスペクトル効率を最適化する方法が提供される。この方法は、コンピューティングデバイス内の1つまたは複数のプロセッサを使用して、複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手することと、コンピューティングデバイス内の1つまたは複数のプロセッサを使用して、複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定することと、コンピューティングデバイス内の1つまたは複数のプロセッサを使用して、雑音サンプルおよび判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定することと、判定された雑音モデルをメモリデバイスに格納することとを含む。
たとえば、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信の1つまたは複数のコンピュータ可読命令を有する有形のコンピュータ可読記憶媒体が提供される。命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、1つまたは複数のプロセッサに、複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手させ、複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定させ、雑音サンプルおよび判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定させ、雑音モデルを1つまたは複数のプロセッサに結合されたメモリデバイスに格納させる。
たとえば、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム通信システム内の送信器が提供される。この送信器は、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを有するコンピューティングデバイスであって、1つまたは複数のプロセッサは、複数の通信チャネルの雑音サンプルを受信器から入手し、複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、雑音サンプルおよび判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、送信器の出力端子で情報を有する搬送波信号の送信のスペクトル効率を最適化するのに雑音モデルを使用するように構成されている、コンピューティングデバイスを含む。
たとえば、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム内の受信器は、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスを含む。1つまたは複数のプロセッサは、受信器の入力端子で複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手し、複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、雑音サンプルおよび判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、受信器の入力端子で受信される搬送波内のビットの個数を計算するのに雑音モデルを使用するように構成されている。
一実施形態によれば、用語「FEXT雑音」は、送信器端から離れた端の受信器によって見られる遠端漏話雑音を包含することが意図されているものとすることができる。
一実施形態によれば、用語「犠牲者」は、1つまたは複数の他のチャネルまたは有線によって影響される任意の単一のチャネルまたは有線を包含することが意図されているものとすることができる。
一実施形態によれば、用語「妨害者」は、少なくとも別のチャネルまたはケーブルバンドル内の有線ケーブルの通信メトリックスに影響する任意の通信経路または有線を包含することが意図されているものとすることができる。
一実施形態が実施される環境またはシステムを示す図。 一実施形態による例示的なシステムモデルを示す図。 一実施形態による、搬送波トーンまたは搬送波周波数における例示的な二(2)点二位相シフトキーイング変調(binary phase shift keying modulation:BPSK)に関する、ガウス雑音の確率密度関数(PDF)、単一の妨害者に関するFEXT雑音、およびガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、搬送波トーンにおける例示的な無限の複数レベル位相シフトキーイング変調(multiple level phase shift keying modulation:MPSK)に関する、ガウス雑音の確率密度関数(PDF)、単一の妨害者に関するFEXT雑音、およびガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、搬送波トーンにおける4−QAM(直角位相振幅変調)を用いる2妨害者の例に関する、ガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計の確率密度関数(PDF)を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、搬送波トーンにおける二点QPSKを用いる2妨害者の例に関する、ガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計の確率密度関数(PDF)を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、搬送波トーンにおける一点QPSKを用いる2妨害者の例に関する、ガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計の確率密度関数(PDF)を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、SNRとさまざまなFEXT対AGWN雑音比(FAR)との関数としての誤り確率を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、異なるFEXTコンステレーションの下の10-7のBERでの二位相シフトキーイング(BPSK)ビットをロードする訂正利得を示す例示的なグラフ。 一実施形態による、スライサ誤りを入手するための高速フーリエ変換(FFT)出力でのトーンごとの受信器方式を示す図。 一実施形態による、FEXT雑音と妨害者変調との影響を分析するプロセスを示す図。
図面のインデックス「n」が、対応する要素の整数を指し、nが、当業者によって企図される1から任意の整数値まで変化し得ることに留意されたい。
図1Aに、同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム100の高水準の非限定的な例を示す。例のみとして、システム100は、イーサネット(登録商標)、xDSL、ボンデッドxDSL(bonded xDSL)、同軸、銅線、光、または他のタイプの有線通信システムを含むことができる。代替案では、システム100は、ワイヤレスチャネルを含むことができ、したがって、ワイヤレス通信システムとすることができる。システム100は、一端で複数のソースS(1)〜S(n)に、他端でたとえば通信経路L(1)〜L(n)を介して通信媒体またはチャネル102に電磁的に、電気的に、および/または光学的に結合される中央局CO(central office)をも含むことができる。たとえば、通信経路を、ワイヤレス経路(たとえば、空気)または有線経路(たとえば、ケーブルワイヤ)とすることができるが、通信経路L(1)〜L(n)は、当業者に既知の他の通信経路(たとえば、光学経路)を含むことができ、漏話と妨害者変調との影響は、通信媒体102またはチャネル内の経路ごとに存在する。受信された通信信号は、処理され、中央局CO送信器T(1)〜T(N)からエンドユーザまたは受信器R(1)〜R(n)に送信され、このエンドユーザまたは受信器R(1)〜R(n)のうちの1つのユーザが、雑音特性がさまざまな実施形態に従って分析される犠牲者ユーザとして選択される。
限定ではなく例としてのみ、送信器T(1)〜T(n)は、当業者に既知のように、アンテナを介する衛星通信、データソースからの同軸ケーブル、光ケーブルを介する光送信器、ケーブルバンドル内のDSL送信器と他の有線送信器と、マルチユーザマルチパスチャネルを介するワイヤレス送信器を含むことができる。エンドユーザまたは受信器R(1)〜R(n)は、標準電話機ユーザ、携帯電話機ユーザ、ケーブルモデム、DSLモデム、受動光ネットワーク(PON)受信器、または当業者に既知の他のタイプの受信器を含むことができる。一実施形態では、システム100は、同期化されたマルチキャリアマルチユーザシステムである。たとえば、通信媒体102の一部は、ワイヤレス媒体、光媒体、有線媒体、および類似物など、異なる媒体を表すことができる。
中央局COは、外部ソースS(1)〜S(n)からの受信された信号を送信のために処理するように構成されたハードウェアデバイスを含む。そのようなハードウェアデバイスは、プロセッサと、前置増幅器と、フィルタと、クロックと、他の電子回路網とを含むことができる。一実施形態では、ソースS(1)〜S(n)は、オプションであり、中央局CO自体を、情報またはデータのソースとすることができる。たとえば、中央局COは、1つまたは複数のクロックCによって刻時され、有線またはケーブルL(1)〜L(n)を介してデータ信号を送信するように構成された送信器T(1)〜T(n)と、雑音特性を分析し、その結果をその中の1つまたは複数のメモリデバイスに格納するように構成された1つまたは複数のプロセッサを有するコンピューティングシステム106とを含む。一実施形態では、同様に、図1Aに示されているように、コンピューティングシステム106内のコンポーネントに似ているが受信された信号とデータとを処理するコンポーネントを有するコンピューティングシステム108を、受信器R(1)〜R(n)と同一の位置に配置し、またはこれに個別に接続することができる。一実施形態では、コンピューティングシステム108を、1つまたは複数の受信器R(1)〜R(n)に接続することができる。限定ではなく例としてのみ、有線L(1)〜L(n)を、当業者に既知の、それぞれが対にされたケーブルとして形成される標準電話ケーブルとすることができる。
一実施形態では、送信器T(1)〜T(n)を、顧客構内側(「CPE」と称する)に配置することができ、受信器R(1)〜R(n)を、中央局CO側で同一位置に配置することができることに留意されたい。また、送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)との両方を、両方向伝送のために両側に配置することができ、ここで、中央局COからCPEに向かう方向を、概してダウンストリーム方向と称し、CPEからCOに向かう方向を、概してアップストリーム方向と称することに留意されたい。
たとえば、DSL展開では、サービス要求に従う電話ケーブル内のワイヤ対の割当は、通常、実際の構成の少数の正確な記録を用いる対利用のランダム分布をもたらす。通信経路L(1)〜L(n)の物理的近接(たとえば、バンドルされたケーブルまたは近くのワイヤレス経路内、ケーブル内の対撚りの存在下、ならびにケーブル分岐、ケーブルスプライシング、および類似物のゆえに)に起因して、隣接する回線またはチャネルL(1)〜L(n)間の電磁干渉によって引き起こされる漏話は、しばしば、システム100の伝送環境内の重大な雑音ソースである。さらに、漏話は、対撚りにもかかわらず、ケーブル分岐またはケーブルスプライシングが行われ得るケーブル内で発生する可能性があり、ワイヤ対(たとえば、ケーブルL(1))が、対の長さに沿った異なる部分にまたがって多数の異なる対に非常に近接する場合がある。たとえば、中央局COなどの電話中央局では、非常に近接する対が、特にかなり異なる長さの対に関して信号レベルと受信器感度とのかなりの差を有する、さまざまな変調方式を使用する多様なタイプのサービスを搬送する可能性がある。
システム100では、概して、特徴を表される2タイプの漏話機構があり、その一方はFEXTであり、他方は近端漏話(NEXT)である。FEXTは、妨害される対(たとえば、L(1))の受信器(たとえば、R(1))が、通信回線の、妨害する対の送信器から遠い端に配置されるときに発生する電磁結合を指す。自己誘導された遠端漏話(自己FEXT)は、概して、影響される回線すなわち「犠牲者回線」と同一タイプのサービスのために提供される隣接する回線によって引き起こされる干渉を指す。
対照的に、NEXTは、ワイヤ対(たとえば、L(1))の一端に接続された、妨害する送信器と同一の端でメッセージチャネル内の干渉を引き起こす妨害するソースから生じる。中央局COでVDSLシステムを同期化することによって、周波数複信変調システムでのNEXT妨害を除去することができ、その結果、自己FEXTが、主要な漏話雑音として残る。犠牲者ユーザ(たとえば、受信器R(1)のユーザ)によって見られるFEXT雑音は、他のユーザ(妨害者と称する)のそれぞれのために送信された信号ならびに犠牲者のデータと妨害者のデータとを搬送するチャネルL(1)〜L(n)の対間の電磁結合に依存する。
一実施形態では、同期化されたマルチキャリアマルチユーザ通信システムであるxDSLシステムは、VDSLシステムとして構成されるとき、情報が周波数領域で独立のトーンにまたがって変調されるように、離散マルチトーン(DMT)変調を使用する。各トーン「q」は、たとえば、4kHzまたは8kHzシンボルレートで直角位相振幅(QAM)で変調され、1トーンあたり1から15個のビットコンステレーション上で符号化された独立の情報を搬送するが、当業者によって企図され得るように、他のタイプの変調と、ビットコンステレーション形状と、コンステレーションサイズと、コンステレーションエネルギとを、他のxDSLシステムについて使用することができる。
一実施形態では、送信器T(1)〜T(n)を使用する送信のスペクトル効率は、アップストリーム方向とダウンストリーム方向との両方に沿った送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)とのトレーニングフェーズ中に導出されるビットローディングアルゴリズムを介して最大化される。送信器T(1)〜T(n)からの実際の送信中にリアルタイムでまたは他のときにFEXT雑音特性を分折することによって、スペクトル効率を最大化することもできることを了解されたい。用語「アップストリーム」は、信号が受信端から(たとえば、受信器R(1)〜R(n)から)送信端へ(たとえば、送信器T(1)〜T(n)へ)伝播する方向と定義される。そのようなアップストリーム信号は、フィードバック信号またはビットローディングアルゴリズムを調整する他の信号を搬送することができる。同様に、用語「ダウンストリーム」は、信号が送信端から(たとえば、送信器T(1)〜T(n)から)受信端へ(たとえば、受信器R(1)〜R(n)へ)伝播する方向と定義される。
送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)との間のトレーニングフェーズ中に、従来の通信システムは、通常、トーンまたは搬送波周波数のそれぞれで実数方向と虚数方向とに等しく分布するAWGNとして雑音を仮定する。対照的に、本開示の一実施形態では、雑音の真の雑音特性(たとえば、確率密度関数すなわちPDF)が計算される。搬送波トーンqごとの計算された雑音特性判定から、最適化された容量が、たとえば10-7のビット誤り率(BER)を達成するために、アップストリーム方向でコンピューティングシステム106および/またはダウンストリーム方向でコンピューティングシステム108を使用して導出されまたは計算されるが、他の値のBERを、システム100が使用され得る特定の応用に応じて選択することができる。各トーンqは、独立に処理され、次の説明では1つのトーンだけが説明されるが、本プロセスを、アップストリームであれダウンストリームであれ、通信経路L(1)〜L(n)上でそれぞれの搬送波トーンによってサービスされるユーザのそれぞれについて個別に、ケーブルL(1)〜L(n)上の所与のデータストリームの各トーンに一般化することができる。
雑音のプロパティと分析
たとえば一実施形態ではxDSL通信システムなどの例示的な同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムでは、中央局COで同一位置に配置される送信器T(1)〜T(n)は、概して、周波数において同期化され、すべてが、時間において整列され、1つまたは複数のクロックCによって提供される4kHzまたは8kHzで動作するシンボルクロックを有する。独立だが同期式の送信器T(1)〜T(n)が、そのシンボルクロックを時間において整列されるとき、マルチユーザマルチキャリアDMT変調方式は、すべての独立の送信器T(1)〜T(n)のすべてのトーンが、隣接する周波数上で変調されるときに、そのようなトーンのエネルギが周波数において効果的に部分的にオーバーラップする可能性がある場合であっても、直交のままになることを保証する。同一の周波数で変調される、独立だが同期式の送信器のトーンだけが、制限された形でお互いに干渉する可能性がある。
図1Bを参照すると、システム100の雑音特性を分析するトーンごとのシステムモデル150が示されている。モデル150では、犠牲者送信器(たとえば、犠牲者受信器R(1)に関連する送信器T(1))は、所与の周波数で、トーンq上で情報xを変調し、これによって、チャネルH(たとえば、通信経路L(1)〜L(n)を備える)を介する大きさと位相との変化を経験する。チャネルHの出力では、同期式で位相整列された妨害者xfのFEXT成分と一緒にAWGN雑音wが追加され、この妨害者xfは、FEXT結合チャネルパラメータcを介する大きさと位相との変化を経験する。周波数領域では、妨害者ごとに単一のトーンだけが、同期化された送信器T(1)〜T(n)によって送信された搬送波の直交プロパティに起因して、任意の犠牲者回線の対応するトーンと干渉する。この直交プロパティは、犠牲者回線によって知覚される自己FEXT雑音の特定の構造につながる。その結果、システム100の複数の通信経路L(1)〜L(n)(たとえば、ケーブルバンドル内のケーブル対)内の特定の通信形路上の出力yを、行列方程式(1)を使用して、
と表すことができる。ここで、
は、副搬送波qのそれぞれ送信信号と受信信号とを含むM次元列ベクトルであり、Mは、通信経路L(1)〜L(n)の個数以下の整数であり、
は、M次元AWGNであり、各要素
は、標準偏差
を有し、H[q]は、副搬送波qのMxMチャネル行列である。DSL媒体の特性を利用すると、H[q]は、通常、行列方程式(2)〜(4)に分解される。
ここで、IMは、MxM単位行列であり、Λ[q]は、H[q]の、
と表される対角要素を含む対角行列である。回線jでの回線i(j≠i)の寄与は、非対角行列C[q]に含まれる。C[q]の各要素
は、第q副搬送波帯での回線iと回線jとの間の結合の特徴を表す。単一の犠牲者回線iについて、式(1)の行列の形を、式(3)に還元することができる。
ここで、
は、第i回線と第j回線との間の結合を示す。式(3)の合計は、FEXT雑音寄与を定量化する。以下では、表記を単純にするために、副搬送波インデックスqが、式内で使用されない。それでも、本開示のすべての導出が、副搬送波ごとの基礎で行われることに留意されたい。さらに、チャネル行列H[q]の要素(または、同様に、
および
と)が既知である、すなわち、システム100によって正確に推定され得ると仮定することができる。
図2に、上で展開された式による、所与のトーンにおける例示的な二(2)点二位相シフトキーイング変調(BPSK)に関する、ガウス雑音の確率密度関数(PDF)、単一の妨害者に関するFEXT雑音、およびガウス雑音PDFとFEXT雑音PDFとの集計との例示的なプロットを示す。図2は、単一の支配的妨害者FEXT雑音と背景AWGNとによって形成される加法性雑音を有する副搬送波チャネルを介する送信の1次元モデルとしてモデル150を示すが、モデル150を、一方ではxDSLシステム(たとえば、システム100)内の副搬送波が2次元(QAM)信号を搬送でき、他方ではFEXT雑音が複数の妨害者によって引き起こされ得るという点で、システム100の実際の雑音条件の単純化された例示とすることができる。それでも、本開示に鑑みて、当業者は、より複雑で現実的なシステムの研究を単純化するための対応する結果をもたらすためにモデル100を拡張することができる。
単一の支配的な妨害者FEXT雑音の仮定を考慮して、(3)を
と書き直すことができ、ここで、iは、犠牲者回線のインデックスであり、jは、回線iに関する最も支配的な妨害者のインデックスである。表記をさらに単純化するために、λiとμijとを、それぞれλとμとに改名する。成分μxjを、支配的FEXT雑音と称する。複数FEXT妨害者環境(すなわち、M>2)では、本開示の範囲から逸脱せずに、非支配的妨害者の寄与が背景雑音wiに含まれると仮定することができる。
上で注記したように、システム100が、無FEXT雑音ではないとき、同期化されたxDSL犠牲者(たとえば、受信器R(1))への1つのxDSL妨害者(たとえば、通信経路L(1)上)によって誘導される雑音の確率密度関数(PDF)は、正規分布ではない。そうではなく、PDFは、妨害者回線の変調が制限されたサポートのコンステレーションサイズ(たとえば、QAM−4コンステレーション)を有するQAMなので、離散的な性質を有するが、誘導される雑音のそのような離散的性質は、他のタイプの変調方式を用いるシステム(たとえば、振幅シフトキーイングすなわちASKおよび類似物)に存在する。この例では、妨害者トーンのコンステレーションサポートは、通常、妨害者の変調の性質に固有に起因して、有限の振幅を有する方形形状またはクロス形状である可能性がある。その特定の周波数での妨害者信号の離散レベルは、送信コンステレーションのさまざまな点に対応し、この送信コンステレーションは、例としてのみ、サイズにおいて1ビットから15ビットまでの範囲にわたる可能性がある。さらに、本開示では、1次元PDFに言及するが、本開示を読む当業者は、1次元PDFをより高次元のPDF(たとえば、2次元PDF)に拡張することができる。
図2を参照すると、1つの方向に沿った、所与の犠牲者トーンにおける周波数領域で現れるときの、AWGN成分202の見積の例と、ASK変調されたトーンの1つの妨害者FEXT雑音成分204の見積の例とが示されている。さらに、図2は、AWGN成分202と同等のAGWNから作られる集計された雑音成分206の確率密度関数(PDF)の見積と、FEXT成分204と同等のFEXT成分のPDFの見積とが示されている。図から分かるように、集計された雑音成分206のPDFは、もはや性質において正規分布であるのではなく、ASK妨害者の2つの離散点の1方向での見積をそれぞれ中心とする2つの正規分布曲線に見える。集計された雑音成分206の結果のPDFは、AWGN成分202のPDFとFEXT成分204のPDFとを一方向で一緒に畳み込むことによって得ることができる。
図3Aを参照すると、一方向に沿った複数レベルASK変調されたトーンの、AWGN成分302のPDFの例と、1つの妨害者のFEXT妨害者雑音成分304のPDFの例とが示されている。妨害者コンステレーション内の点の個数が、コンステレーションのサイズに伴って増加するので、FEXT妨害者雑音成分304の見積は、性質において事実上連続的に見え、変調のレベルの数が増えるとき、妨害者のコンステレーションの制限されたサポートにわたって均一に分布する。
さらに、図3Aは、AWGN成分とFEXT妨害者雑音成分との両方からなる、集計雑音成分306のPDFを示す。集計雑音成分306の結果のPDFは、やはり、AWGN成分302とFEXT妨害者雑音成分304との2つの雑音のPDFを畳み込むことによって入手することができる。FEXT雑音成分304のPDFは、均一であり、AWGN成分302のPDFは正規分布なので、得られる集計雑音成分306の結果のPDFは、もはや性質において正規分布ではない。
図2および図3を、妨害者のコンステレーションが2次元QAMコンステレーションである場合であっても、犠牲者のトーンの複素平面の2つの次元の1つ(XまたはY)に沿った妨害者雑音とAWGN雑音とのPDFと解釈することもできることに留意されたい。具体的には、犠牲者トーンへの妨害者の結合が0度、90度、180度、または270度であるとき、必ず、PDFのそのようなパターンを観察することができる。その場合に、図2のPDF204は、犠牲者トーンのX次元またはY次元のいずれかでの4‐QAM妨害者コンステレーションの見積を表す。同様に、図3AのPDF304は、0度、90度、180度、または270度の可能な回転を伴って犠牲者トーンに結合する、多数ビット/ビン(たとえば、15)妨害者のコンステレーションの見積を表してもよい。実際に、任意の所与のトーン上で犠牲者回線によって知覚されるFEXT雑音成分204と304との実際のPDFは、妨害者の2次元変調方式のPDFプロパティだけではなく、位相と大きさとの両方での特定の周波数でのFEXT結合にも依存する。結果のPDFは、この3つのパラメータに基づいて変化する。したがって、図2〜3Aは、ASKに関連するPDFを示すが、当業者が、本開示に鑑みて、この分析を他の形の変調に拡張することを企図できることに留意されたい。限定ではなく例としてのみ、他のタイプの変調方式、たとえばBPSKおよびASK、QAMに関する雑音分析が、その全体が参照によって本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/440,489号で実行され、単に繰返しを避けるために、他のタイプの変調方式に関するそのような分析は、本明細書では説明しない。
自己FEXTシナリオすなわち、通信経路または単一の有線内での自己結合について、妨害者変調のPDFプロパティを、妨害者自体がそのビットローディングと先験的な既知のコンステレーション形状とに基づいて、1ビットから15ビットまでを有するQAMシンボルをトーンごとに送信するxDSL回線であると期待されるとき、犠牲者によって知ることができるが、上で注記したように、代替案では、妨害者は、本開示を読んだ後に当業者が企図し得るように、他の変調特性を有することができる。犠牲者受信器(たとえば、R(1))が、各妨害者のビットローディングの知識を有し、コンステレーションの形状を仮定できる場合には、犠牲者受信器は、犠牲者への各妨害者のFEXT結合が位相と大きさとの両方で既知であるならば、どの周波数においても妨害者変調のPDFを正確に判定することができる。犠牲者受信器(たとえば、R(1))が、各妨害者のビットローディングの知識を有しない場合には、妨害者のデータに関する連続変調または方形コンステレーションを介するQAM−15ビットの考慮を、ワーストケースPDFを導出するためのよい近似とすることができるが、そのような変調方式は、限定ではなく例としてのみ説明されるものである。同期化されるxDSLシステム、たとえばシステム100では、送信器T(1)〜T(n)は、そのデータストリーム内の明確に定義されたタイムスロットに、同期化シンボルまたは「sync」シンボルと称する既知のQPSKシンボルパターンを周期的に同時に挿入もする。これらのタイムスロット中に、コンステレーション形状は、犠牲者受信器によって知られる。したがって、犠牲者トーンによって同期シンボル中に見られる妨害者雑音の実際のPDFは、位相と大きさとの両方でのFEXT結合の知識を有する場合にのみ構成することができる。しかし、データシンボルにおいて、妨害者の変調プロパティの導出または知識は、それでも、これらのシンボル中に妨害者の雑音の実際のPDFを導出するのに必要である。
FEXTチャネル結合は、受信器R(1)〜R(n)の側では、性質において決定的かつ静止と考えることができ、異なる技法を使用して十分にまたは部分的に推定され得る。例としてのみ、完全な結合(振幅と位相とにおける)または部分的結合(大きさのみにおける)をどのように推定できるのかを、下で異なる例を使用して説明する。これらの例が、排他的ではないことに留意されたい。
一例では、送信通信経路L(1)〜L(n)(たとえば有線)間の直交シーケンスの使用は、ケーブルL(1)〜L(n)内の妨害者ごとのFEXT結合の推定を可能にする。この技法は、たとえば、G.993.5VDSLベクトリングシステムで使用されている。G.993.5VDSLベクトリングシステムは、当業者に既知なので、本明細書では説明しない。同期式ベクトリングシステム(たとえば、システム100)の各同期送信器T(1)〜T(n)の基準同期化シンボルを変調する特定の直交シーケンスを割り当てることによって、受信器R(1)〜R(n)での同期化シンボルの受信中の仮定されたまたは既知の送信直交シーケンスを用いる受信器R(1)〜R(n)の1つでの犠牲者回線の受信信号の相関を介する各妨害者/犠牲者対に関連するFEXT結合係数の正確な識別を実行することが可能になる。複数の送信器T(1)〜T(n)にまたがる直交シーケンスの使用は、通信経路L(1)〜L(n)(たとえば、ケーブル)上での複数の妨害者について独立のFEXT結合の推定を実行することを可能にし、単一のFEXT妨害者の場合の拡張を形成し、ここで、1つの単一の同期FEXT妨害者のFEXT結合を、システム100などのxDSLシステム内の「同期化シンボル」としても知られるデータモードでの妨害者の既知の送信パイロットシーケンスとの犠牲者回線(たとえば、この例ではケーブルとすることができる通信経路L(1))における受信信号の相関を実行することによって判定することができる。
中央局COから送信器T(1)〜T(n)によって別々に送信される個々の対の受信されたまたは推定された送信信号へのアクセスをすべてが有する同一位置に配置された受信器R(1)〜R(n)を有する複数の対を使用するボンデッドxDSLシステムの場合に、漏話チャネル識別を、送信パイロットシーケンスの使用を伴ってまたは伴わずに実行することができる。というのは、受信器R(1)〜R(n)が、ケーブルL(1)〜L(n)内のある対から別の対へとFEXT結合を推定するのに、この共通情報(すなわち、すべての対の受信されたまたは推定された送信信号)を使用できるからである。通信経路L(1)〜L(n)のすべての他の対の受信された送信信号または推定された送信信号のいずれかとの犠牲者対で受信された信号の相互相関を実行することによって、FEXTチャネル結合を、位相と大きさとの両方において推定することができる。FEXT結合が通信経路L(1)〜L(n)内の妨害者ごとに推定され、すべての妨害者送信器T(1)〜T(n)の変調信号のPDFプロパティが知られたか近似された後に、犠牲者回線上の背景雑音と一緒のすべての妨害者の集計FEXT雑音PDF(たとえば、PDF206および/またはPDF306)を、たとえば受信器R(1)〜R(n)の同一位置に配置されたコンピューティングシステム108を使用して、解析的に判定することができる。
図2および図3Aに示されているように、それぞれ集計された雑音206と306との結果のPDFを、すべての雑音ソースと、背景雑音と、各妨害者からの雑音との実際のPDFを畳み込むことによって計算することができる。たとえば、実際のPDFは、漏話係数の推定と、すべての妨害者の変調パラメータの識別との後に計算される。上の議論が、有線xDSLシステムに関して実行されるが、同一の論理を、本明細書の式を使用してマルチユーザマルチキャリアワイヤレスシステムに適用できることに留意されたい。
代替案では、独立の漏話係数および/または犠牲者回線上のすべての妨害者の変調パラメータの知識がない場合に、その情報を、図6に関して下で議論するように、すべての周波数で犠牲者回線の1つまたは複数のスライサ606の出力で入手される観察された集計雑音PDF206および/または306から試験的に導出することができる。
図6に、1つまたは複数の受信器R(1)〜R(n)で実施される、スライサ誤りを判定するためのトーンごとの受信器方式を示す。この方式は、高速フーリエ変換(FFT)モジュール602と、周波数等化器モジュール604と、スライサ606とを使用する。例としてのみ、FFTモジュール602を、コンピューティングシステム106に類似するプロセッサとメモリとを有するが受信器R(1)〜R(n)と同一位置に配置されるコンピューティングシステム108を使用して実施することができる。FFTモジュール602の出力は、トーンごとの周波数等化器(FEQ)モジュール604に結合可能に供給される。FEQモジュール604は、位相と振幅との両方で犠牲者のチャネル減衰を補償するように構成されている。FEQモジュール604の出力は、1つまたは複数のスライサ606に供給される。1つまたは複数のスライサ606は、データモード中に指示された判断またはsyncシンボル中に監督された判断に基づいて、トーンごとの誤りを入手するのに使用される。この例では、実際の誤りサンプルデータ収集(雑音サンプルを含む)に基づいて、スライサ出力の1つでの誤りのヒストグラムを、シンボルの大きいセットにわたって構成することができ、図2と図3Aとに表されたものに似た雑音PDFを、1つまたは2つの方向で見積もることができる。
代替案では、たとえば送信器T(1)によって、犠牲者回線上で送信されたシンボルが全くない場合に、クワイエットモード(quiet mode)で、ヒストグラムと雑音PDFとを、スライサ出力606ではなく、トーンごとの基礎でFEQ出力データ604またはFFT出力データ602に基づいて生成することができる。犠牲者送信データを復調することを全く試みずに、犠牲者回線送信器、たとえば送信器T(1)が、クワイエットモードであり、犠牲者回線受信器、たとえばR(1)が、リスニングモードであるときに必ず、そのような方式は可能である。
このモードでは、受信器R(1)は、犠牲者回線上で妨害者の雑音を感知し、トーンごとの基礎でFEQ出力データ604またはFFT出力データ602のいずれかに基づいてその統計を導出することを、同期式に試みる。この受信器構成を、追加の受信器(たとえば、受信器R(2))によって採用することもでき、この追加の受信器は、「スニッファ」モードで回線の使用される対またはユーザ通信経路(たとえば、通信経路L(1))に接続されるはずである。このスニッファモードでは、追加の受信器は、送信器T(1)と受信器R(1)とが結合される犠牲者回線または犠牲者通信経路(たとえば、通信経路L(1))上で妨害者の雑音を同期式に復調し、R(1)受信器のデータではなく、それ自体のFEQ出力データ604またはFFT出力データ602のいずれかに基づいて、トーンごとの基礎で統計を導出することを試みるはずである。
クワイエット回線モードまたはデータモード状況での雑音サンプルの収集手段にかかわりなく、本開示を読んだ後に当業者が企図し得るように、この実際の測定されたPDFを、異なる既知の技法を介して、モデル化されたPDFと照合することができる。また、この実際の測定されたPDFまたはモデル化されたPDFから、次で説明するように、集計雑音の実際の構成の導出を入手することができる。たとえば、通信経路L(1)〜L(n)において制限された個数の妨害者を有する自己FEXT環境では、背景雑音レベルと一緒に、妨害者の個数と、それぞれの妨害者のFEXT結合値とを判定するのに使用することができる。
ここで図3Bを参照して、提案される妨害者識別技法の例を説明する。図3Bに、一方向に沿った特定のトーンのスライサ606の出力で収集される誤りの実際に測定されたPDFを示す。データの振幅(X軸)は、この例では−1と1とにスライスされる、犠牲者受信信号をスライスするためにスライサによって使用される判断グリッドに関連する。両方とも4QAMコンステレーションを有する2つの自己FEXT妨害者が、2つの異なるFEXT結合チャネル係数を用いて結合し、背景AWGN雑音レベルと一緒に見積もられる。別個のピークの個数は、自己FEXT妨害者の個数ならびに犠牲者回線への妨害者のそれぞれの結合の位相を示す。
この例では、図示された8つのピークP1〜P8(4つのピークの2つのパケット)は、受信器が2つの妨害者に直面することを示す。QAM−4妨害者の場合に、見積ごとの妨害者ごとの4つのピークが、通常は期待される。しかし、結合の位相が0度(modulo90度)であり、妨害者変調が方形QAM−4であるとき、確率密度関数は、入手される2倍の確率を有するので以前の4つのピークP1〜P4より2倍大きい、2つのピークだけからなる。その結果、2つの4QAM妨害者が存在する間に4つのピークのうちの2つのパケットだけ(すなわち、ピークP1〜P4を有する第1のパケットとピークP5〜P8を有する第2のパケットと)が観察されるという事実は、第1の妨害者の一方の結合する位相が、0modulo90度であるが、第2の妨害者の他方の位相結合が、判定されたままになることを示す。各ピーク中心またはピークP1〜P4とP5〜P8との各グループの中心の相対位置は、犠牲者回線への各妨害者の結合係数の大きさと位相とを示す。最後に、ピークP1〜P8のそれぞれの幅は、背景AWGN雑音レベルの分散を表す。
この例では、収集されたPDFの分析に基づいて、実際の背景雑音レベルσ2を、ピークP1〜P8のそれぞれに関連する分布の標準偏差を測定することによって導出することができる。図3Bに表された第1の妨害者FEXT結合の位相および振幅に関して、ピークP1とP2またはP3とP4との間の差(デルタ1またはデルタ2)ならびに中点の間の差または2つのピーク間の分離(デルタ3)を計算することができる。第1の妨害者(「妨害者1」)FEXT結合の位相modulo90度のコサインは、デルタ1とデルタ3との間の差に直接に関係する。その一方で、妨害者回線上の送信信号の電力が未知なので、FEXT結合の大きさをPDFから直接に判定することはできない。それでも、図3Bから、受信器によって見られる、妨害者1のFEXTの電力と犠牲者回線上の送信信号の電力との比を導出することができる。これをρ2と表し、ρは、デルタ3の半分にすぎない。量デルタ1とデルタ2とデルタ3とのすべてを、収集された生のPDFを処理することによって、簡単に直接に測定し、計算し、または推定することができる。
この例の第2の妨害者(「妨害者2」)に関して、妨害者2は、結合する位相が0度modulo90度であるピークの個数から既に知られているものとすることができる。犠牲者送信信号の電力に対する相対的なFEXT妨害者2の振幅を、図3Bのデルタ4というラベルを付けられた量から計算することができる。振幅は、デルタ4の半分であり、デルタ4は、4つのピークP1〜P4とP5〜P8との2つのパケットの平均点の間の差である。最も支配的な妨害者と最も非支配的な妨害者とを、2つの近似された振幅を比較することよって単純に判定することができる。犠牲者への妨害者の結合係数の位相と大きさとに基づくPDF形状の実際の依存は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/440,489号に詳細に説明されているように実際に導出される。3つ以上の妨害者の振幅と位相との導出は、ピーク(たとえば、ピークP1〜P8)のグループまたはクラスタの識別と、再帰的な形で適用される、図3Bの例について上で説明したものと同一のルールまたは類似するルールの適用との後に、再帰的に入手することができる。最後に、本開示を読んだ後に当業者が企図し得るように、ピークがオーバーラップするとき、2つの妨害者のうちの1つについて図3Bで検討されたものとは異なって両方の位相が0とは異なるとき、または2つの妨害者の剰余が振幅において近く、これによって、検出でき区別でき、したがって解において考慮に入れることのできる複数のピークの完全なまたは部分的なオーバーラップにつながる場合に、他の技法を使用して、それぞれの結合の大きさと位相とを判定できることに留意されたい。
図3Cに、さらに、誤りサンプルのPDFが、同期化されたマルチユーザマルチキャリアベクトル化されたVDSLシステム、たとえばシステム100内の、変調されたsyncシンボルの送信中に収集される実用的な事例を示す。この事例では、2つの相対的な妨害者の振幅および結合の導出を、次の形で実行することができる。図3Cは、1方向(たとえば、ダウンストリーム)に沿った特定のトーンのスライサ606の出力で収集される誤りの実際のPDFを示す。両方のQPSKコンステレーションを有する2つの自己FEXT妨害者は、2つの異なるFEXT結合チャネル係数を用いて結合し、背景AWGN雑音レベルと一緒に見積もられる。
まず、ピークのそれぞれの幅は、背景AWGN雑音レベルの分散を表す。この例では、軸の1つで収集されたPDFの分析に基づいて、実際の背景雑音レベルσ2を、ピークのそれぞれに関連するPDFの標準偏差を測定することによって導出することができる。図3Bに関して前に議論したように、別個のピークの個数は、自己FEXT妨害者の個数ならびに犠牲者回線への各妨害者の結合の位相を示す。この例では、4つのピークP9〜P12(すなわち、それぞれ2つのピークP9とP10ならびにP11とP12の2つのパケット)を有することは、2つの妨害者に直面していることを示す。第1の妨害者の振幅と位相とのモジュラスを判定するために、X軸とY軸との両方での見積を測定して、曖昧さを活用することができる。両方の軸のピークP9とP10との間の差(デルタ1)ならびにP11とP12との間の差(デルタ2)を測定することができる。受信器によって見られる、FEXT妨害者1の電力と犠牲者回線上の送信信号の電力との比は、
であり、ここで、位相(θ)は、modulo180度であり、
である。第2の妨害者について、結合の振幅と位相とを、図3Cに関して定義されるように、値デルタ1およびデルタ2をデルタ3およびデルタ4に置換することによって、式5および式6で合同で計算することができる。この例では、第2の妨害者のFEXT結合の位相は、ここでは0度または180度と等しい。最も支配的な妨害者と最も非支配的な妨害者とを、2つの近似された振幅を比較することよって単純に判定することができる。犠牲者への妨害者の結合係数の位相と大きさとに基づくPDF形状の実際の依存は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/440,489号に詳細に説明されているように実際に導出される。3つ以上の妨害者の振幅と位相との導出は、1つまたは2つのピークのグループまたはクラスタの識別と、再帰的な形で適用される、図3Cの例に関して議論されるものと同一のルールまたは類似するルールの適用との後に、再帰的に入手することができる。最後に、たとえば、ピークがオーバーラップするとき、2つの妨害者のうちの1つについて図3Cで検討されたものとは異なって両方の位相が0とは異なるとき、または2つの妨害者の剰余が振幅において近く、これによって、複数のピークの完全なまたは部分的なオーバーラップにつながる場合に、他の技法を使用して、それぞれの結合のモジュールと位相とを判定できることに留意されたい。
誤りサンプルが、変調されないsyncシンボル(たとえば、同期化されたマルチユーザのベクトル化されないVDSLシステムでの)の送信中に収集されるとき、本開示を読んだ後に当業者が企図し得るように、妨害者FEXT結合の振幅と位相とを導出するために、他の技法を適用する必要がある場合がある。
図3Dに、2つのX方向とY方向とに沿った特定の搬送波トーンのスライサ606の出力で収集された誤りの実際のPDFを示す。1つの一定のQPSK基準点コンステレーションを有する1つの自己FEXT妨害者が、結合し、背景AWGN雑音レベルと一緒に見積もられる。結合の振幅と位相とを、図3Cに提示された前のQPSKの例ならびに式(5)および式(6)のように判定することができる。図3Cに関して前に議論したように、ピークのそれぞれの幅は、チャネルL(1)〜L(n)内のチャネル(たとえば、ケーブルバンドル内のケーブル)内に妨害者が存在しない場合の雑音のレベルを表す背景AWGN雑音レベルの分散を表す。複数の妨害者が結合するとき、方向あたり1つのピークだけが存在するので、問題は、退化する。2つの妨害者の2つの変調されないsyncシンボルの建設的影響または破壊的影響が、2つの異なる結合係数の少なくとも2セット以上に関して、同一のPDFにつながる可能性があるので、個々の妨害者の大きさと位相とを、観察されたPDFから別々に判定することはできない。したがって、犠牲者回線に影響する妨害者の個数を判定することはできない。しかし、妨害者がない場合に犠牲者ユーザに影響する背景雑音の分散を、PDF内で入手される単一のピークの分散を導出することによって計算することができる。
各周波数で受信器R(1)〜R(n)の中の犠牲者受信器に影響する雑音PDFの特性の正確な判定を、実際の測定を介して実行し、かつ/または回線L(1)〜L(n)上の妨害者の漏話結合および変調パラメータの知識を基礎とするモデル化を介して近似することができる。この情報を、暗黙のうちに入手することができ、あるいは、実際のPDFに適用される照合技法プロセスによって測定しまたは推論することができる。
上のPDF照合プロセスを介して得られる知識を適用して、下で詳細に説明するように、通信経路L(1)〜L(n)内の犠牲者経路上で使用される伝送方式の効率、性能、または頑健さを高めることができる。
スペクトル効率の最大化
上で注記したように、現在のマルチキャリア受信器は、概して、1つまたは複数の受信器R(1)〜R(n)によって経験される加法性雑音のガウシアン性質を仮定する。その結果、すべての他のモーメントが、雑音が正規分布であるという仮定の下で0と等しいと仮定されるので、雑音の分散(二次モーメント)だけが、伝送の効率を判定する際に使用される。しかし、2つのPDFの標準偏差が同一である場合であっても、測定されたPDFが制限されたサポートを有するように見えるので、集計雑音成分306の測定されたPDFの標準偏差と一致する近似された真の正規分布PDFが、悲観的モデルになるはずであることを理解されたい。効果的に、集計雑音に関する正規分布PDFの仮定が、受信器R(1)〜R(n)内の受信器アルゴリズムによって使用される場合には、これが、通信経路L(1)〜L(n)を介する送信のスペクトル効率の非最適推定につながるはずである。
変調プロパティの識別とFEXT結合の完全なまたは部分的な推定とを介する雑音PDFの完全なまたは部分的な知識は、送信方式のスペクトル効率ならびに受信器判断の正確さを最大にすることを目指す、たとえば受信器R(1)〜R(n)のコンピューティングデバイスを使用して実施される受信器アルゴリズムを改善する。例としてのみ、通信経路L(1)〜L(n)上の犠牲者トーンのそれぞれについて、BERを最小にし、SNRと、マージンと、ビットローディングとを最大にすることによって、スペクトル効率を最大にすることができる。例としてのみ、単一の支配的FEXT雑音環境内で受信器R(1)〜R(n)の中のBPSK(1ビットQAM)受信器に適用されるアルゴリズムを説明するが、下の分析を、他の形のコヒーレント検出方式または非コヒーレント検出方式(たとえば、ASK、M−ary QAM、および類似物)に適用することができる。妨害者のFEXT結合および変調が、トーンごとの基礎で1つまたは複数の受信器R(1)〜R(n)によって知られるとき、雑音PDFを導出することができ、したがって、スペクトル効率を最大化し、所与の雑音マージンと共にあるビット誤り率(BER)を達成するために、雑音PDFを使用して、ビットローディングアルゴリズムを調整することができる。代替案では、固定されたビットローディングについて、真の雑音マージンを、あるBERについて導出することができる。
受信器R(1)〜R(n)の中のBPSK受信器について、対ごとの誤り確率は、送信器T(1)〜T(n)からの2進送信に関する送信信号の誤った判断の確率と定義され、概して、符号化されない送信と符号化された送信とに関する、語誤り確率、シンボル誤り確率、ビット誤り確率などのより複雑な誤り確率を導出するのに使用される。判断しきい値αを与えられて、離散n QPSKコンステレーションの対ごとの誤り確率を、
と表すことができる。
式(5)の導出は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/440,489号で説明され、したがって、繰返しを避けるために、本明細書では詳細には説明しない。
式(7)は、pn(α)が、判断しきい値αだけではなく、結合値cと、妨害者変調Anと、AWGN雑音標準偏差σとにも依存することを示す。システムには未知であるが、σを、すべてが測定可能と仮定される、結合μ(たとえば、式(3)および(4)に示された)と、チャネル減衰Hと、副搬送波ごとの信号対雑音比(SNR)γ(すなわち、総雑音電力に対する信号電力の比)とを知ることによって、計算することができる。AWGN分散の例示的な式は、
によって与えられる。
例としてのみ、対ごとの誤り確率を、FEXT対AWGN電力比(FAR)との関係を分析することによって理解することができる。図4を参照すると、SNRと−10dBから40dBまで変化するさまざまなFARとの関数としてのα=1を有する対ごとの誤り確率の例が示されている。図4では、誤り確率は、FARが増えるときに減る。非常に小さいFARでは、FEXT雑音は、AWGNと比較して無視できるようになる。逆に、大きいFARでは、AWGNの寄与が、無視できるようになる。漸近的に、C>>σのとき、雑音PDFは、有限のサポートを有し、したがって、送信は、hnサポートを超える判断しきい値について誤りなしになる可能性がある。さらに、図4は、pnと妨害者変調サイズn(図1の要素に関して使用されるインデックス(n)とは異なる)との間の強い依存を示す。固定されたFARと誤り確率とに対応するSNRは、nに伴って増加し、純ガウス雑音仮定(Q(σ-1)によって示される1点鎖線)に対する相対的な潜在的により小さいSNRギャップが残される。より小さいサイズn=1(BPSK)とより大きいサイズn=∞(連続ASK)との間のギャップは、FARに伴って増加し、この特定の例では、大きいFARで4.77dBを達成することができる。これは、従来のAWGNのみの雑音モデルと比較したときの、妨害者によって使用される変調方式の知識がもたらす差を示す。一実施形態では、妨害者変調が未知である可能性があるとき、保守的な仮定は、妨害者に関する連続変調(n=∞)を仮定することである。それでも、そのような仮定は、目標誤り確率を達成するのに必要なSNRローディングしきい値を4.77dBまで過大に推定することにつながる可能性がある。
当業者が企図し得るように、本明細書で提示される説明を考慮すると、実数部と虚数部とが独立に考慮されるので、上で展開されたBPSK分析の結果を、QAM変調に拡張することができる。すべてのそのような定性的観察を、任意の犠牲者/妨害者変調組合せに一般化することもでき、コンピューティングシステム106および/または108を使用してそれぞれ送信器T(1)〜T(n)および/または受信器R(1)〜R(n)で計算することができる。マルチキャリアシステムのケーブルL(1)〜L(n)上の副搬送波あたりのローディング容量は、セットされた目標未満の誤り確率を保証しながらケーブルL(1)〜L(n)上の第q副搬送波に使用できる最大のコンステレーションサイズ(ビット単位)に対応する。たとえば、VDSLシステムでは、セットされた目標は、10-7のビット誤り率(BER)である。副搬送波あたりのローディング容量を判定する例示的な正確な形は、可能なコンステレーションごとに、適当な(目標値に従って対ごと、語、またはビット)誤り確率対SNR性能を計算し、目標誤り確率に対応するSNR値を判定することである。後者の判定されるSNR値は、それ未満のローディングが目標誤り確率制約に違反しなければ不可能であるローディングしきい値を構成する。
コンステレーションサイズn(ビット単位)ごとのSNRローディングしきい値を、たとえば、コンピューティングシステム108のメモリデバイス内の離散ローディングテーブルに格納することができる。副搬送波ごとの測定されたSNR γ[q]を与えられて、トーンごとの容量を最大にする例示的なプロセスは、容量より小さい最大のローディングしきい値につながるコンステレーションサイズnを選択することを含む。伝統的なxDSLまたは有線システムは、FEXT結合および妨害者変調の知識を持たず、使用可能な唯一の情報は、AWGNモデルの下のSNRである。伝統的なシステムから使用可能なそのような制限された情報を考慮すると、ローディングしきい値は、雑音が測定されたSNRの逆数に比例する分散を有する正規分布であると仮定して計算される。そのような仮定の下では、対ごとの誤り確率は、
によって与えられる。
しかし、FEXTとAWGNとの組合せ環境(たとえば、システム100の環境)での対ごとの誤り確率は、SNRだけではなく、FEXT結合値ならびに妨害者変調にも依存する。そのような情報を考慮して、ローディングしきい値の計算を、式(7)を式(5)に変更することによって洗練することができる。
図5を参照すると、類似する定量化プロセスを他の変調方式について対応して実行することができるので、限定ではなく例のみとして、10-7のBERに関するFARと単一のFEXT妨害者との関数としての式(9)を使用するQPSKローディングしきい値間の差が定量化されている。この例では、強力な単一の支配的FEXT環境で、伝統的なAWGN仮定を介して推定されたローディングしきい値は、14.3dBまで過大に推定される可能性がある。AWGNほどに強力になるFEXT雑音(たとえば、0dB FAR)について、0.9dBから1.7dBまでのローディング利益を達成することができ、これは、システム100などのxDSLシステムにとって重大である。妨害者変調の知識が、貴重である可能性があるが、標準xDSLシステムまたはEFXT結合問題と妨害者変調問題とが存在する他の有線システムまたはワイヤレスシステム(たとえば、イーサネットシステムまたはマルチユーザマルチキャリアワイヤレスシステム)で必須ではないことを了解されたい。上で注記したように、使用可能ではない場合に、保守的な仮定は、妨害者に関して連続変調を考慮することを含む。しかし、これは、特に小さいコンステレーションを変調する妨害者について、最適容量の達成を妨げる可能性がある。同様の結論を、本開示を読んだ後に当業者が企図し得るように、他の犠牲者コンステレーションおよび/またはより支配的なFEXT雑音について引き出すことができる。
図7を参照して、スペクトル効率と他の伝送特性とを最大にするためにFEXT結合および妨害者変調を分析するプロセス700を、一実施形態に従って説明する。プロセス700は、ブロック702で開始され、ここで、ケーブルL(1)〜L(n)を介して送信器T(1)〜T(n)によって送信された信号が、受信器R(1)〜R(n)で受信される。上で議論したように、ケーブルL(1)〜L(n)内の対応するケーブル対に結合された受信器R(1)〜R(n)のうちの1つまたは複数を、隣接するケーブルからのFEXT雑音と妨害者変調とによって影響される犠牲者受信器とすることができる。一実施形態では、受信信号を、基準シンボルまたは基準ビットを備えるテスト信号とすることができる。たとえば、送信パイロット信号(VDSLシステムでの古典的な変調されない同期化シンボルまたはベクトリングVDSLシステムでの変調される同期化シンボル)を使用することができる。その代わりにまたはそれに加えて、受信信号を、データシンボル、データ語、もしくはデータビット上で変調された実際のユーザデータ、または、ボンディングシステム受信器、マルチトランシーバが2つのより対線を介する3つの異なる伝送を確立することができる銅線対上のxDSL受信器の1タイプであるファントム受信器、もしくは多入力多出力(multiple input multiple output:MIMO)受信器システムなどの複数回線受信器の場合に実際に送信されたデータおよび/もしくは受信されたデータを有する、リモート送信器、たとえば中央局COまたはCPEによって送信された実際のリアルタイムデータ信号とすることができる。
ブロック704では、コンピューティングシステム108を使用して、受信器R(1)〜R(n)の中の犠牲者受信器(1つまたは複数)が、上の式を使用してFEXT結合雑音を判定する。そのような判定の結果を、後の使用のため、たとえば雑音についてシステムモデル150を更新するために、コンピューティングシステム108内のメモリ(図示せず)に格納することができる。
ブロック706では、コンピューティングシステム108を使用して、妨害者変調を、上の式を使用して、および/または提供される明示的な妨害者情報を使用して、受信信号のPDFから判定する。代替案では、妨害者変調特性を、使用可能でないとき、使用される通信システムのタイプに基づいて仮定することができる。そのような判定の結果は、コンピューティングシステム108のメモリに格納される。一実施形態では、妨害者変調の先験的知識が使用可能であるとき、コンピューティングシステム108は、妨害者変調を判定するのに先験的知識を使用することができる。代替案では、妨害者変調の知識が受信器R(1)〜R(n)で使用可能ではないとき、コンピューティングシステム108は、妨害者変調方式を仮定し、プロセス700を実行するのに仮定された方式を使用することができる。たとえば、上で議論したように、ケーブルL(1)〜L(n)内の妨害者に関する連続変調方式を仮定することができる。ブロック704と706とが、逆の順序でまたは合同で同時に発生する場合があることに留意されたい。
ブロック708では、コンピューティングシステム108を使用して、SNRマージンのしきい値を、ブロック704と706とで実行された計算に基づいて調整する。たとえば、伝統的なxDSLシステムで使用される、ガウス雑音モデルの初期仮定は、式(1)〜(7)に関して上で議論し、図1Bのシステムモデル150によって表されるように、FEXT結合および妨害者変調の知識を組み込むように変更される。
ブロック710では、コンピューティングシステム108を使用して、更新されたSNRマージンと雑音モデルとを、最適送信判断特性または最適受信判断特性の判定と称するさまざまな目的に使用することができる。たとえば、受信判断特性の最適化に基づく、送信器T(1)〜T(n)からの送信のスペクトル効率を最適化する適当なビットローディングアルゴリズムの選択である。更新された雑音モデルを使用して、より多数のビットをロードすることができるので、従来のxDSLまたは他の同期化されたマルチユーザマルチキャリアの有線またはワイヤレスのシステム(たとえば、イーサネットシステム)で使用される伝統的な有線ガウス雑音モデルと比較して、より多くの情報を送信することができる。
プロセス700が、受信器R(1)〜R(n)の展望から説明されているが、FEXT結合および妨害者変調を判定する類似する計算を、中央局COで送信器T(1)〜T(n)と同一位置に配置されたコンピューティングシステム106を使用して送信器T(1)〜T(n)の展望から実行することができることに留意されたい。たとえば、FEXT結合および妨害者変調の識別を、コンピューティングシステム106を使用して、式(1)〜(9)に関連するさまざまなパラメータを実行することによって判定することができる。
計算されたFEXT結合および/または妨害者変調に基づいて、コンピューティングシステム106は、雑音モデル(たとえば、システムモデル150)を更新し、または新しい雑音モデルを作成することができる。更新された雑音モデルまたは新しい雑音モデルを使用して、搬送波ごとの基礎での最適化された送信とビットローディングとのSNRマージンを、コンピューティングシステム106を使用して送信器T(1)〜T(n)によって計算することができる。計算されたパラメータは、その後、より正確な更新されたSNRマージンと雑音モデルとを使用して各搬送波上にビットをロードすることによってスペクトル効率を高めるのに使用される。
一実施形態では、送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)とは、それぞれコンピューティングシステム106と108とを使用して、有効なビットローディングアルゴリズムを独立に判定することができる。送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)とは、その後、それぞれの端で実行される計算をさらに洗練するために、お互いと通信することができる。当業者は、本明細書で開示されるさまざまな実施形態が、コンピューティングシステム106と108との物理位置または有線システムでのFEXT結合および妨害者変調を考慮するための式(1)〜(9)に対応する計算がどこで実行されるのかによって制限されないことを了解するであろう。そうではなく、当業者によって了解されるように、そのような計算を、雑音に関してシステムモデル150を更新するために、AWGNに加えてFEXT結合および/または妨害者変調を判定することが可能である、システム100内の任意の点で実行することができる。たとえば、FEXT結合および妨害者変調を、ケーブルL(1)〜L(n)においてプローブを挿入することによって送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)との間で実行し、その後、プロセス700に似たプロセスを使用して計算を実行することができる。これを、たとえば、コンピューティングデバイス106と108とに構造と機能とにおいて類似する、プローブに接続されまたはこれの内部のコンピューティングデバイスを使用して、雑音モデルを更新するために、送信器T(1)〜T(n)と受信器R(1)〜R(n)との間のプローブを使用し、結合と妨害者変調のタイプの識別とを判定するために雑音サンプルを収集することによって、実行することができる。
限定ではなく例としてのみ、上で説明したスペクトル効率の最大化は、雑音PDFの判定が行われた後に、システム100内の犠牲者伝送方式の性能と頑健さとを高めるために追求することのできる複数の利点の1つである。他の関連する目的は、送信器T(1)〜T(n)と同一位置に配置されたコンピューティングシステム106を使用する、送信器T(1)〜T(n)で適用されるビットローディングに関するより正確なSNRマージンの計算、または実際のビットローディングとコンピューティングシステム106および/もしくは108のいずれかを使用して推定される真のSNRとを用いるより正確なBER測定とすることができる。
上の詳細な説明は、開示される技術の実施形態を例示する添付図面に言及する。本開示の趣旨と範囲とから逸脱せずに、他の実施形態が可能であり、実施形態に対する変更を行うことができる。したがって、この詳細な説明は、本開示を限定することを意図されたものではない。そうではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
当業者には、下で説明される実施形態を、ソフトウェアとファームウェアとハードウェアとの多数の異なる実施形態で、図面に示されたエンティティ内で実施できることが、明白であろう。開示される技術のプロセスと方法とを実施するのに使用される実際のソフトウェアコードまたは特殊化された制御ハードウェアは、限定的ではない。したがって、諸実施形態の動作と挙動とは、実際のソフトウェアコードまたは特殊化されたハードウェアコンポーネントへの特定の言及を伴わずに説明される。そのような特定の言及の不在は、当業者が本明細書の説明に基づいて本開示の実施形態を実施するためにソフトウェアと制御ハードウェアとを設計できるはずであることが明瞭に理解されるので、実現可能である。
さらに、提示される実施形態に関連するプロセスを、たとえばコンピュータシステム(不揮発性)メモリ、光ディスク、磁気テープ、磁気ディスク、または、1つもしくは複数のプロセッサによって実行されたとき上で開示されたさまざまな実施形態で説明された特徴と機能性とを実行する命令が常駐する他の固定の有形のコンピュータ可読媒体などの任意のストレージデバイスに格納することができる。さらに、プロセスを、コンピュータシステムが製造されるとき、またはコンピュータ可読媒体を介して後日に、プログラムすることができる。そのような媒体は、ストレージデバイスに関して上でリストされた例示的な形態のいずれをも含むことができ、さらに、たとえば、図1Aに示されたコンピューティングシステム106および108などのコンピュータ内のハードウェアおよび/またはソフトウェアによって読み取られ、復調/復号され、実行されることが可能な命令を伝えるために変調されまたは他の形で操作された搬送波を含むことができる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムであって、
送信器と、
複数のユーザに関連する複数の通信チャネルを介して前記送信器に通信的に結合された受信器と、
前記送信器および前記受信器のうちの少なくとも1つに結合され、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手し、
前記複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、
前記雑音サンプルおよび前記判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、
前記雑音モデルを前記メモリデバイスに格納する
ように構成されている、コンピューティングデバイスと、
を備える、システム。
[2] 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記搬送波以外の1つまたは複数の搬送波が前記搬送波に対する妨害者として識別されるように、前記複数の搬送波に存在する変調タイプを判定するようにさらに構成され、
前記雑音モデルは、前記判定された変調タイプに基づいて判定される、[1]に記載のシステム。
[3] 前記変調タイプは、当該同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムのスペクトル効率を判定するのに使用される、[2]に記載のシステム。
[4] 前記1つまたは複数のプロセッサは、ビットローディング情報と搬送波ごとの信号対雑音(SNR)比とのうちの少なくとも1つを使用して前記スペクトル効率を判定するように構成されている、[3]に記載のシステム。
[5] 前記雑音モデルは、前記判定された結合と、前記変調タイプと、前記通信システム内に存在するガウス雑音に対する結合を示す結合対雑音比とのうちの少なくとも1つに基づいて更新される、[2]に記載のシステム。
[6] 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記変調タイプに基づいて前記搬送波上にロードされたビットの個数を判定するように構成され、
前記搬送波は、離散マルチトーン(DMT)変調を有する、[2]に記載のシステム。
[7] 前記1つまたは複数のプロセッサは、コンステレーション形状と、コンステレーションサイズと、前記DMT変調を有する前記搬送波によって搬送されるデータを変調するのに使用されるエネルギとのうちの少なくとも1つを判定するようにさらに構成されている、[6]に記載のシステム。
[8] 前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記雑音レベルに基づいて前記搬送波上にロードされるべきビットの個数を判定するようにさらに構成されている、[1]に記載のシステム。
[9] 前記雑音モデルは、判定された雑音確率密度関数(PDF)を含む、[1]に記載のシステム。
[10] 前記雑音PDFは、ガウス雑音PDFを含む、[9]に記載のシステム。
[11] 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記搬送波を搬送するチャネルの自己結合を判定するようにさらに構成され、
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記自己結合が前記自己結合に基づいて前記雑音モデルを判定するのに使用されるように構成されている、[1]に記載のシステム。
[12] 有線ディジタル加入者回線(xDSL)システムである、[1]に記載のシステム。
[13] 前記xDSLシステムは、超高速ディジタル加入者リンクシステム(very high speed digital subscriber link system:VDSL)システムである、[12]に記載のシステム。
[14] 前記xDSLシステムは、ボンデッドxDSLシステムである、[12]に記載のシステム。
[15] 前記複数の通信チャネルは、ワイヤレス通信チャネルである、[1]に記載のシステム。
[16] 前記1つまたは複数のプロセッサは、
誤り確率密度関数(PDF)に基づいてヒストグラムを導出することと、
前記導出された誤りPDFに基づいて雑音PDFの照合モデルを導出することと、
前記搬送波の妨害者の個数を判定することと、
によって前記雑音モデルを判定するように構成されている、[1]に記載のシステム。
[17] 前記結合は、遠端漏話(FEXT)結合である、[1]に記載のシステム。
[18] 1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスを備える同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムの雑音特性に基づいてスペクトル効率を最適化する方法であって、
前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用して、複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手することと、
前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用して、前記複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定することと、
前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用して、前記雑音サンプルおよび前記判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定することと、
前記判定された雑音モデルを前記メモリデバイスに格納することと、
を含む方法。
[19] 前記搬送波上にロードされたビットの個数を判定するために、前記コンピューティングデバイスから、前記コンピューティングデバイスに結合された送信器または受信器に前記判定された雑音モデルを提供すること
をさらに含む、[18]に記載の方法。
[20] 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信の1つまたは複数のコンピュータ可読命令を有する有形のコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手させ、
前記複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定させ、
前記雑音サンプルおよび前記判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定させ、
前記雑音モデルを前記1つまたは複数のプロセッサに結合されたメモリデバイスに格納させる
有形のコンピュータ可読記憶媒体。
[21] 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム通信システム内の送信器であって、
1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
複数の通信チャネルの雑音サンプルを受信器から入手し、
前記複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、
前記雑音サンプルおよび前記判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、
前記送信器の出力端子で、情報を有する搬送波信号の送信のスペクトル効率を最適化するのに前記雑音モデルを使用する
ように構成されている、コンピューティングデバイス
を備える送信器。
[22] 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム内の受信器であって、
1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記受信器の入力端子で複数の通信チャネルの雑音サンプルを入手し、
前記複数の通信チャネル上の搬送波間の結合を判定し、
前記雑音サンプルおよび前記判定された結合に基づいて搬送波の雑音モデルを判定し、
前記受信器の前記入力端子で受信される前記搬送波内のビットの個数を計算するのに前記雑音モデルを使用する
ように構成されている、コンピューティングデバイス
を備える受信器。
[23] 前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記搬送波以外の1つまたは複数の搬送波が前記搬送波に対する妨害者として識別されるように、前記複数の搬送波に存在する変調タイプを判定するようにさらに構成され、前記雑音モデルは、前記判定された変調タイプに基づいて判定される、[22]に記載の受信器。
[24] 変調タイプは、少なくとも、ビットローディングの既知のレベルに関するビット誤り率(BER)、信号対雑音比(SNR)マージン、またはその組合せに基づいて、前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムのスペクトル効率を最適化するのに使用される、[23]に記載の受信器。
[25] 前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記搬送波以外の1つまたは複数の妨害者搬送波がない、前記受信器で受信された同期化シンボル上の背景加法性白色ガウス雑音(AWGN)レベルを判定するようにさらに構成されている、[22]に記載の受信器。
[26] 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、同期式非G.993.5超高速ディジタル加入者リンク(VDSL)システムである、[22]に記載の受信器。
[27] 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、同期式G.993.5VDSLシステムである、[22]に記載の受信器。
[28] 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、ワイヤレス通信システムである、[22]に記載の受信器。
[29] 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記雑音サンプルを入手し、前記結合を判定し、前記雑音モデルを判定し、アップストリーム通信経路とダウンストリーム通信経路とに関して前記雑音モデルを使用するように構成されている、[22]に記載の受信器。
[30] 前記判定された雑音モデルは、前記搬送波上のビットローディングを最適化するために少なくとも1つの送信器に提供される、[22]に記載の受信器。

Claims (28)

  1. 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムにおいて
    送信器と、
    複数のユーザに関連する複数の通信チャネルを介して前記送信器に通信的に結合された受信器と、
    前記送信器および前記受信器のうちの少なくとも1つに関連する犠牲チャネルに結合され、1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
    数の搬送波に対する雑音サンプルを入手し、
    前記入手した雑音サンプルを使用して、前記犠牲チャネルと前記複数の通信チャネルのうちの他のチャネルとの間の結合を判定し、
    前記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおいて使用される変調タイプを判定し、
    前記搬送波を独立に処理して、前記判定された変調タイプと前記判定された結合に基づいて、前記搬送波のうちのある1つの搬送波に対する雑音モデルを判定し、
    前記雑音モデルを前記メモリデバイスに格納する
    ように構成されているコンピューティングデバイスとを具備するシステム。
  2. 前記変調タイプは、当該同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムのスペクトル効率を判定するのに使用される請求項記載のシステム。
  3. 前記1つまたは複数のプロセッサは、ビットローディング情報と搬送波ごとの信号対雑音比(SNR)とのうちの少なくとも1つを使用して前記スペクトル効率を判定するように構成されている請求項記載のシステム。
  4. 前記雑音モデルは、前記判定された結合と、前記変調タイプと、前記通信システム内に存在するガウス雑音に対する結合を示す結合対雑音比とのうちの少なくとも1つに基づいて更新される請求項記載のシステム。
  5. 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記変調タイプに基づいて前記搬送波上にロードされたビットの個数を判定するように構成され、
    前記搬送波は、離散マルチトーン(DMT)変調を有する請求項記載のシステム。
  6. 前記1つまたは複数のプロセッサは、コンステレーション形状と、コンステレーションサイズと、前記DMT変調を有する前記搬送波によって搬送されるデータを変調するのに使用されるエネルギとのうちの少なくとも1つを判定するようにさらに構成されている請求項記載のシステム。
  7. 前記1つまたは複数のプロセッサは、
    前記雑音レベルに基づいて前記搬送波上にロードされるべきビットの個数を判定するようにさらに構成されている請求項記載のシステム。
  8. 前記雑音モデルは、判定された雑音確率密度関数(PDF)を含む請求項記載のシステム。
  9. 前記雑音PDFは、ガウス雑音PDFを含む請求項記載のシステム。
  10. 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記搬送波を搬送するチャネルの自己結合を判定するようにさらに構成され、
    前記1つまたは複数のプロセッサは、前記自己結合が前記自己結合に基づいて前記雑音モデルを判定するのに使用されるように構成されている請求項記載のシステム。
  11. 前記通信システムは、有線ディジタル加入者回線(xDSL)システムである請求項記載のシステム。
  12. 前記xDSLシステムは、超高速ディジタル加入者リンクシステム(very high speed digital subscriber link system:VDSL)システムである請求項11記載のシステム。
  13. 前記xDSLシステムは、ボンデッドxDSLシステムである請求項11記載のシステム。
  14. 前記複数の通信チャネルは、ワイヤレス通信チャネルである請求項記載のシステム。
  15. 前記1つまたは複数のプロセッサは、
    誤り確率密度関数(PDF)に基づいてヒストグラムを導出することと、
    前記導出された誤りPDFに基づいて雑音PDFの照合モデルを導出することと、
    前記搬送波の妨害者の個数を判定することと、
    によって前記雑音モデルを判定するように構成されている請求項記載のシステム。
  16. 前記結合は、遠端漏話(FEXT)結合である請求項記載のシステム。
  17. 1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスを具備する同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムの雑音特性に基づいてスペクトル効率を最適化する方法において
    前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用して、複数の搬送波に対する雑音サンプルを入手することと、
    前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用し、前記入手した雑音サンプルを使用して、犠牲チャネルと複数の通信チャネルのうちの他のチャネルとの間の結合を判定することと、
    前記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおいて使用される変調タイプを判定することと、
    前記コンピューティングデバイス内の前記1つまたは複数のプロセッサを使用して、前記搬送波を独立に処理して、前記判定された変調タイプと前記判定された結合に基づいて、前記搬送波のうちのある1つの搬送波に対する雑音モデルを判定することと、
    前記判定された雑音モデルを前記メモリデバイスに格納することとを含む方法。
  18. 前記搬送波上にロードされたビットの個数を判定するために、前記コンピューティングデバイスから、前記コンピューティングデバイスに結合された送信器または受信器に前記判定された雑音モデルを提供することをさらに含む請求項17記載の方法。
  19. 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信の1つまたは複数のコンピュータ可読命令を有する有形のコンピュータ可読記憶媒体において
    前記コンピュータ可読命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つまたは複数のプロセッサに、
    複数の搬送波に対する雑音サンプルを入手させ、
    前記入手した雑音サンプルを使用して、犠牲チャネルと複数の通信チャネルのうちの他のチャネルとの間の結合を判定させ、
    前記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおいて使用される変調タイプを判定させ、
    前記搬送波を独立に処理させて、前記判定された変調タイプと前記判定された結合に基づいて、前記搬送波のうちのある1つの搬送波に対する雑音モデルを判定させ、
    前記雑音モデルを前記1つまたは複数のプロセッサに結合されたメモリデバイスに格納させる有形のコンピュータ可読記憶媒体。
  20. 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム通信システム内の送信器において
    1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
    複数の搬送波に対する雑音サンプルを受信器から入手し、
    前記入手した雑音サンプルを使用して、犠牲チャネルと複数の通信チャネルのうちの他のチャネルとの間の結合を判定し、
    前記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおいて使用される変調タイプを判定し、
    前記搬送波を独立に処理して、前記判定された変調タイプと前記判定された結合に基づいて、前記搬送波のうちのある1つの搬送波に対する雑音モデルを判定し、
    前記送信器の出力端子で、情報を有する搬送波信号の送信のスペクトル効率を最適化するのに前記雑音モデルを使用する
    ように構成されている、コンピューティングデバイスを具備する送信器。
  21. 同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システム内の受信器において
    1つまたは複数のプロセッサと通信するメモリデバイスを備えるコンピューティングデバイスであって、前記1つまたは複数のプロセッサは、
    前記受信器の入力端子で複数の搬送波に対する雑音サンプルを入手し、
    前記入手した雑音サンプルを使用して、犠牲チャネルと複数の通信チャネルのうちの他のチャネルとの間の結合を判定し、
    前記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおいて使用される変調タイプを判定し、
    前記搬送波を独立に処理して、前記判定された変調タイプと前記判定された結合に基づいて、前記搬送波のうちのある1つの搬送波に対する雑音モデルを判定し、
    前記受信器の前記入力端子で受信される前記搬送波内のビットの個数を計算するのに前記雑音モデルを使用する
    ように構成されているコンピューティングデバイスを具備する受信器。
  22. 変調タイプは、少なくとも、ビットローディングの既知のレベルに関するビット誤り率(BER)、信号対雑音比(SNR)マージン、またはその組合せに基づいて、前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムのスペクトル効率を最適化するのに使用される請求項21記載の受信器。
  23. 前記1つまたは複数のプロセッサは、
    前記犠牲チャネル以外の1つまたは複数の妨害者チャネルがない、前記受信器で受信された同期化シンボル上の背景加法性白色ガウス雑音(AWGN)レベルを判定するようにさらに構成されている請求項21記載の受信器。
  24. 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、同期式非G.993.5超高速ディジタル加入者リンク(VDSL)システムである請求項21記載の受信器。
  25. 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、同期式G.993.5VDSLシステムである請求項21記載の受信器。
  26. 前記同期化されたマルチユーザマルチキャリア通信システムは、ワイヤレス通信システムである請求項21記載の受信器。
  27. 前記1つまたは複数のプロセッサは、前記雑音サンプルを入手し、前記結合を判定し、前記雑音モデルを判定し、アップストリーム通信経路とダウンストリーム通信経路とに関して前記雑音モデルを使用するように構成されている請求項21記載の受信器。
  28. 前記判定された雑音モデルは、前記搬送波上のビットローディングを最適化するために少なくとも1つの送信器に提供される請求項21記載の受信器。
JP2013553514A 2011-02-08 2012-02-08 同期式マルチユーザマルチキャリア通信においてスペクトル効率を改善し漏話雑音をプロファイリングするシステムおよび方法 Expired - Fee Related JP5989008B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161440489P 2011-02-08 2011-02-08
US61/440,489 2011-02-08
PCT/US2012/024291 WO2012109327A1 (en) 2011-02-08 2012-02-08 System and method for improving spectral efficiency and profiling of crosstalk noise in synchronized multi-user multi-carrier communications

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014506760A JP2014506760A (ja) 2014-03-17
JP5989008B2 true JP5989008B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=46600608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013553514A Expired - Fee Related JP5989008B2 (ja) 2011-02-08 2012-02-08 同期式マルチユーザマルチキャリア通信においてスペクトル効率を改善し漏話雑音をプロファイリングするシステムおよび方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8891638B2 (ja)
EP (1) EP2673886A4 (ja)
JP (1) JP5989008B2 (ja)
KR (1) KR20140064720A (ja)
CN (1) CN103460609B (ja)
WO (1) WO2012109327A1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105846857B (zh) 2012-03-12 2019-07-12 英特尔公司 确定电气互连的信号质量
FR2993119B1 (fr) * 2012-07-05 2014-08-08 Sigfox Wireless Procede de recherche d'un signal utile dans une bande de multiplexage
US9148199B2 (en) * 2013-04-01 2015-09-29 Fluke Corporation Prequalification of vectoring before implementation
US20160344445A1 (en) * 2015-05-22 2016-11-24 Qualcomm Incorporated Coefficient determination for digital subscriber line vectoring
EP3399653B1 (en) 2015-10-06 2020-11-25 Alcatel Lucent Targeted rectangular conditioning
EP3457636B1 (en) 2016-05-11 2021-12-22 KT Corporation Network management device, customer premises equipment registration method therefor, and method for providing internet service to customer premises equipment
CN113193925B (zh) * 2021-02-09 2023-08-11 中国人民解放军战略支援部队信息工程大学 一种通信系统的优化处理方法、装置及电子设备

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0930752A3 (en) * 1998-01-14 1999-10-20 Motorola, Inc. Method for allocating data and power in a discrete multitone communication system
AU2001268122A1 (en) * 2000-06-02 2001-12-17 Teradyne, Inc. Method and apparatus for measuring internet router traffic
US7184713B2 (en) * 2002-06-20 2007-02-27 Qualcomm, Incorporated Rate control for multi-channel communication systems
CN1327623C (zh) * 2003-12-03 2007-07-18 电子科技大学 多载波通信系统中相噪的逐符号探测和抑制方法
US7649959B2 (en) * 2004-09-27 2010-01-19 Nokia Corporation Transmission format indication and feedback in multi-carrier wireless communication systems
DE602005021518D1 (de) 2005-12-08 2010-07-08 Alcatel Lucent Verfahren und Vorrichtung zur Identifikation von Übersprecherquellen
US8369426B2 (en) * 2007-05-04 2013-02-05 Ikanos Communications, Inc. Reducing the effect of noise in a multi-channel telecommunication receiver
US7835368B2 (en) 2007-11-12 2010-11-16 Ikanos Communications, Inc. Systems and methods for mitigating the effects of upstream far-end cross talk
JP5406315B2 (ja) * 2009-02-27 2014-02-05 イカノス テクノロジー リミテッド 自己誘導遠端クロストークを緩和するためのシステムおよび方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN103460609A (zh) 2013-12-18
CN103460609B (zh) 2016-06-29
EP2673886A4 (en) 2017-07-26
WO2012109327A1 (en) 2012-08-16
US8891638B2 (en) 2014-11-18
US20120201286A1 (en) 2012-08-09
KR20140064720A (ko) 2014-05-28
EP2673886A1 (en) 2013-12-18
JP2014506760A (ja) 2014-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5989008B2 (ja) 同期式マルチユーザマルチキャリア通信においてスペクトル効率を改善し漏話雑音をプロファイリングするシステムおよび方法
JP5788986B2 (ja) Dslシステムで干渉を制御する方法および装置
KR101364327B1 (ko) xDSL 시스템에서의 MIMO 프리코딩을 위한 시스템 및 방법
US8243578B2 (en) Simultaneous estimation of multiple channel coefficients using a common probing sequence
US8270311B2 (en) Method for determining automatically a FEXT/NEXT transfer-function
US9819430B2 (en) Selective channel estimation
US20060193390A1 (en) Methods and apparatuses for canceling correlated noise in a multi-carrier communication system
JP6286043B2 (ja) デマッピングエラーの検出
US20080187077A1 (en) Method for estimating crosstalk interferences in a communication network
EP2366223A1 (en) A method and a system for management of transmission resources in digital communication systems
Dai et al. Crosstalk mitigation in DMT VDSL with impulse noise
Maes et al. Pilot-based crosstalk channel estimation for vector-enabled VDSL systems
US9042498B2 (en) DM-CM diversity receiver for a wireline communication system
Pierrugues et al. SIMO-NAR NEXT canceller for DMT DSL-CPE: a stochastic shannon capacity perspective
Boukabou An Adaptive Recursive Noise Compensator for

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160229

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160809

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5989008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees