JP5988878B2 - パルス燃焼装置、および溶射装置 - Google Patents

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本発明は、燃焼筒内に燃料と酸素とを供給して、間欠的に爆発燃焼させるパルス燃焼装置、および溶射装置に関するものである。
パルス燃焼装置では、燃焼性ガスの充填、燃焼、および既燃ガスの排気を1サイクルとする燃焼サイクルが繰り返し行われる。上記パルス燃焼装置をデトネーションモード(最も激しい爆発の際の燃焼モード)で作動させるためには、十分な量の燃焼性ガスを燃焼器に充填してから点火することが必要である。ところが、新たに充填される燃焼性ガスが前サイクルの高温既燃ガスに触れて自着火すると、燃焼性ガスが十分に充填されないうちに燃焼し始めることになる。このような自着火を防止する技術として、既燃ガス排出過程の後半で不燃性ガスを燃焼器内に吹き込み、残っている高温既燃ガスを燃焼器から追い出した(パージした)後に、新しい燃焼性ガスを燃焼器内に充填する技術が知られている。
上記のような不燃性ガスの供給タイミングの制御がバルブによって行われる場合、そのようなバルブは、通常、開閉に要する時間が数ms程度以上であり応答性が低いため、パルス燃焼装置の運転周波数の上限が数10Hz程度になり、パルス燃焼装置を小型大出力化することが困難である。
そこで、不燃性ガス等の供給バルブを開放したままにし、燃料ガス、酸素ガス及びアルゴンガス等の不活性ガスの流量と供給圧の調整及び点火時期の調整により運転周波数の調整が行われるようにして、運転周波数を高くする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−12645号公報
しかしながら、上記のように、運転周波数を高くするために燃料ガス等の流量と供給圧、および点火時期を調整することは、運転条件等によっては、必ずしも容易にできるとは限らない。
また、上記のように不燃性ガスの供給バルブを開放したままにする場合、燃焼性ガスに不燃性ガスが不可避的に混入するため、例えば、より純酸素燃焼に近いデトネーション起爆性の高い燃焼を行わせることが困難になる場合がある。
本発明は、上記の点に鑑み、パルス燃焼装置に、高い周波数で起爆性の高い燃焼を行わせることを容易に可能にすることを目的としている。
第1の発明は、
一端が閉塞され他端が開口された燃焼筒と、
上記燃焼筒の閉塞端部近傍に供給された燃料および酸素に所定の運転周波数で点火する点火手段と、
を有するパルス燃焼装置であって、
さらに、上記燃焼筒内に、上記燃焼筒内で蒸発し得る液体を噴射する噴射手段を有し、
上記噴射手段は、前の燃焼サイクルにおける燃焼後、後の燃焼サイクルにおける酸素の供給前に、上記液体の噴射を行うように構成されていることを特徴とする。
これにより、上記液体は、燃焼筒内に噴射されると気化する。この気化に伴う潜熱によって既燃ガスが冷却されるとともに、気化して体積が増大した気体により既燃ガスが燃焼筒から追い出される。そこで、例えば燃焼筒内に次の燃焼サイクルの燃料と酸素が供給されても、前の燃焼サイクルの既燃ガスが冷却されるとともに排出されているので、供給された燃料と酸素の混合気が高温の既燃ガスに接触して自着火することが防止される。また、上記のような液体の噴射は、気体の供給をバルブの開閉によって制御する場合に比べて、高速、かつ高精度に制御することが容易にできる。さらに、不活性ガスの混入等は生じないので、起爆性の高い燃焼を行わせることができる。それゆえ、高い周波数で起爆性の高い燃焼を行わせることが容易に可能になる。
第2の発明は、
第1の発明のパルス燃焼装置であって、
上記液体は、不燃性の液体であることを特徴とする。
これにより、例えば水等の取り扱いが容易な液体を用いて、装置の構成を簡素化したり運転コストを低減したりすることが容易にできる。
第3の発明は、
第1の発明および第2の発明のうち何れか1つのパルス燃焼装置であって、
上記燃焼筒内への燃料および酸素の供給が、上記燃焼筒内の圧力が所定以下に低下したときに行われるように構成されていることを特徴とする。
これにより、開閉バルブ等を用いることなく、燃料および酸素の供給を自動的に制御することができる。
第4の発明は、
第1の発明のパルス燃焼装置であって、
上記液体は、燃料であることを特徴とする。
これにより、上記のような液体の噴射と燃料の供給とを兼ねることができるので、装置の簡素化を図ることが容易にできる。
第5の発明は、
溶射装置であって、
第1の発明から第4の発明のうち何れか1つのパルス燃焼装置と、
上記燃焼筒における上記点火手段の下流側に配置されて、溶射用の粉体を供給する粉体供給手段と、
を備えたことを特徴とする。
これにより、高い周波数で起爆性の高い燃焼を行わせて、高温下での溶射を行わせることなどが容易にできる。
本発明によれば、パルス燃焼装置に、高い周波数で起爆性の高い燃焼を行わせることが容易にできる。
本発明の実施形態に係るパルス燃焼装置の構成概要を示す断面図である。 図1のパルス燃焼装置の作動状態を示す説明図である。 図1のパルス燃焼装置の燃焼筒内の圧力および供給物の量を模式的に示すグラフである。 図1のパルス燃焼装置が溶射装置に用いられる例を示す模式図である。 本発明のパルス燃焼装置の変形例を示す模式図である。 本発明のパルス燃焼装置の他の変形例を示す模式図である。
《実施形態1》
以下、本発明の実施形態1として、パルス燃焼装置の例について、図面に基づいて説明する。
(パルス燃焼装置10の構成)
図1は、実施形態1に係るパルス燃焼装置10の構成概要を示す断面図である。このパルス燃焼装置10は、同図に示すように、一端が閉塞され、他端にガス排出口11aが開口された燃焼筒11を有している。上記燃焼筒11の閉塞端部には、燃料ガス供給部12と、酸素ガス供給部13と、液体噴射部14(噴射手段)とが設けられている。また、上記燃料ガス供給部12等が設けられている位置よりも下流側(ガス排出口11a側)には、燃料ガスと酸素ガスの混合気に所定の運転周波数で点火する少なくとも1つの点火プラグ15(点火手段)が設けられている。
上記燃料ガス供給部12、および酸素ガス供給部13には、それぞれ、供給される燃料ガスまたは酸素ガスの流量を調整する燃料流量調整器12a、および酸素流量調整器13aが設けられている。また、燃料ガス供給部12および酸素ガス供給部13の上流にはそれぞれの供給圧力を個別に調節する圧力調節器が設けられており、それらの圧力調節器によって、燃焼筒11内の圧力が所定以下に低下したときに、燃焼筒11内への燃料および酸素の供給が行われるようになっている。なお、さらに、燃焼筒11への燃料や酸素の供給/停止や供給流量を調整するバルブなどが設けられてもよい。
また、上記液体噴射部14は、インジェクター14aと噴射ノズル14bとを有し、燃焼筒11内に水等の不燃性の液体を噴射するようになっている。より詳しくは、点火プラグ15による着火によって燃料の燃焼が行われた後、次の燃焼サイクルのために燃料および酸素が供給される前に、不燃性の液体が噴射されることにより、次の燃焼サイクルにおける燃料の自着火が防止されるようになっている。上記のような液体を噴射するインジェクター14aは、例えば0.1ms程度の応答性が実現されているなど、気体の供給、停止を制御するバルブに比べて格段に制御性が良く、それゆえ、後述するように高い運転周波数での燃焼を行わせることが容易に可能になる。また、液体を噴霧する向きは、燃料と酸素を供給するポートの周辺に微粒化された液体が供給されればよく、必ずしもガス排出口11aの方向を向いている必要はない。また、噴霧される液滴の大きさは、概して、小さいほど蒸発が促進されやすいので、より好ましい。
ここで、上記パルス燃焼装置10に用いられる燃料としては、例えば、水素ガス、プロパンガス、エチレンガス等を使用することができる。また、酸素は、燃料の燃焼を行うための酸素を含有する酸化剤であればよく、例えば、純酸素ガス、空気を使用することができる。なお、燃料と酸素を別個に供給せずに混合気として供給してもよい。また、液体噴射部14から噴霧される液体は、燃焼筒11内に注入されたときに蒸発して既燃ガスの排出を促進し、および/または既燃ガスと新たに供給される混合気とを分離して混合気の自着火を防止し得る程度の蒸発性を有する不燃性の液体であれば、必ずしも水である必要はなく種々のものを用い得るが、概して、蒸発性が高いものや気化する際の潜熱が大きいものほど、より好ましい。
(パルス燃焼装置10の動作)
上記のように構成されたパルス燃焼装置10の作動の例を図2に基づいて説明する。
(a) まず、説明の便宜上、前の燃焼サイクルにおける燃焼が終了した状態から説明すると、燃焼によって生じた高温高圧の既燃ガスは燃焼筒11のガス排出口11aから噴出し、燃焼筒11内には比較的高温低圧の既燃ガスが充満している状態となる。
(b) 既燃ガス排出過程の後半で、常温の液体である水が液体噴射部14から燃焼筒11内に噴霧される。
(c) 噴霧された水が気化して水蒸気になると、(1)水が気化する際の相転移に伴う潜熱によって既燃ガスが冷却されるとともに、(2)水が気化する際の相転移に伴って体積が増大した水蒸気により既燃ガスが燃焼筒11から追い出される。
(d) そこで、燃焼筒11内に燃料と酸素が供給され、これらの混合気が燃焼筒11内に充満する。ここで、前の燃焼サイクルの既燃ガスは、上記のように燃料と酸素の供給に先立って水が注入されることにより、冷却されるとともに排出されるので、供給された燃料と酸素の混合気が高温の既燃ガスに接触して自着火することが容易に防止される。やがて、十分な量の燃料と酸素が供給されると、点火プラグ15をスパークさせることによって爆発燃焼が伝播し、既燃ガスがガス排出口11aから噴出し、以下、同様の作動が繰り返される。
上記のような作動が行われる場合、燃焼筒11内の圧力と、燃料等の供給量は、例えば図3(a)に示すように変化する。まず、爆発的燃焼が行われた瞬間は、燃焼筒11内の圧力は急上昇するとともに、多くの既燃ガスが排出される。その後、既燃ガス排出過程の後半、例えば燃焼器内圧力が一度爆発的に数10気圧まで上昇した後、燃焼器内圧力が10気圧を下回ったくらいのタイミングで、水が燃焼筒11内に注入される。なお、同図に示す水の注入タイミングや注入時間は模式的に例示するもので、爆発的燃焼の後、次の燃焼サイクルのための燃料および酸素が供給されるまでの範囲内で種々設定されればよい。より詳しくは、インジェクターの性能等に応じて、燃料と酸素が燃焼筒11内に入り始める前に所定の量(新しい燃焼性ガスの自着火を防止し得る量)の水を供給できるようにすればよい。やがて、燃焼筒11内の圧力が徐々に低下して、燃料および酸素の供給圧以下に低下すると、燃料および酸素が燃焼筒11内に供給される。そこで、十分な量の燃料と酸素が供給され、点火プラグ15によって着火されると、再度爆発的燃焼が行われる。
ここで、例えば特開2012−12645号公報に示されるように不活性ガスが燃料および酸素より高い供給圧で供給される場合には、参考例として図3(b)に示すように、爆発的燃焼の後に、まず不活性ガスの供給が開始される。これによって、本実施形態のパルス燃焼装置10と類似したメカニズムで混合気の自着火が防止され得るが、このような不活性ガスの供給が行われる場合、その不活性ガスが混合気中に混入することになる。これに対して、本実施形態のパルス燃焼装置10では、そのような不活性ガスの混入は生じにくいので、起爆性の高い燃焼を行わせることが容易にできる。しかも、アルゴンガス等の不活性ガスを供給する必要がないので、運転コストや装置の小型化、設置スペースの低減などを図ることも容易にできる。
(実験例)
以下、上記のようなパルス燃焼装置10のより具体的な実験例について説明する。
この実験例では、燃料にエチレン、酸化剤に純酸素、噴霧液体に水を用いた。自着火防止のための水の噴霧には、自動車エンジン用燃料インジェクター(駆動圧力はゲージ圧で2〜4MPa)を用いた。燃焼筒11は片端を閉じた円筒管であり、閉管端から27.5mmの位置に圧力センサーを取り付けた。また、閉管端から147.5mmの位置から30mm間隔で3つのイオンセンサーを設置した。このイオンセンサーは燃焼波が到達すると反応し、設置位置による反応遅れ時間から燃焼波の速度を求めた。デトネーション発生の成否は、測定された燃焼波の伝播速度がエチレン−酸素混合気(当量比が1、すなわちC+3O)のデトネーション伝播速度(2375.8m/s)の90%を超えた場合を成功とした。エチレンおよび純酸素は供給圧0.4MPa(ゲージ圧)で燃焼筒11内に供給した(すなわち、燃焼筒11内の圧力が上記供給圧よりも低い場合に、エチレンおよび純酸素が供給される。)。水は、燃焼筒11内の圧力がエチレンおよび純酸素の供給圧0.4MPa(ゲージ圧)に低下する0.15ms前から供給を開始した。燃焼筒11内の圧力がエチレンおよび純酸素の供給圧0.4MPa(ゲージ圧)まで低下すると、燃料ガス供給部12および酸素ガス供給部13からは、まずこれらに逆流していた既燃ガスが排出され、その後エチレンまたは純酸素が供給される。実験は、200Hzの運転周波数、20サイクルの運転サイクル数で行い、運転が安定した後半の10サイクルでデトネーション発生の成否を判断した。デトネーションモードでの運転の可否は1サイクルあたりに供給する水の量で決まり、本実験条件の場合、1サイクルあたり30mg以上の水を供給することで運転可能となった。
(変形例)
不燃性の液体の噴射は、上記のように単一の噴射ノズル14bからガス排出口11aに向けた1方向に噴射されるのに限らず、液体の供給タイミングや供給量などの設定に応じて、噴射口数や噴霧角度等を種々に設定することができる。
具体的には、例えば図4に示すように、燃料ガス供給部12、および酸素ガス供給部13による燃料および酸素の供給方向(白矢印)と対向する方向(実線矢印)にも噴射されるようにしてもよい。この場合には、燃料ガス供給部12、および酸素ガス供給部13の配管内に逆流した高温既燃ガスを冷却する効果も得ることができる。なお、同図では、燃料および酸素の供給方向が燃焼筒11の閉塞端側に向くように燃料ガス供給部12および酸素ガス供給部13が配設されている例を示しているが、これに限らず、図1と同様に燃焼筒11の長手方向と直行する方向に配設されてもよい。
また、例えば図5に示すように、燃料ガス供給部12および酸素ガス供給部13における燃焼筒11近傍の燃料または酸素流路に屈曲部を設け、その屈曲部から燃焼筒11に向けて液体を噴射する噴射ノズル14bも設けてもよい。この場合には、やはり、燃料ガス供給部12、および酸素ガス供給部13の配管内に逆流した高温既燃ガスを冷却するとともに、燃焼筒11内に押し戻すことも容易にできる。
さらに、上記のような噴射口または噴射ノズル14bのうちの一部だけを設けたりしてもよい。
また、燃焼筒11内に注入する液体として液体燃料等の可燃性の液体を用いることもできる。すなわち、酸素が供給されない状態であれば、例えば液体燃料が噴射されても燃焼は進まないので、その液体燃料が気化することによって、上記不燃性の液体が噴射されるのと同様の作用によって既燃ガスの冷却および排出を行わせることができる。より詳しくは、例えば、気化した燃料が燃焼器のほぼ全体を占めた時点で燃焼器内に側面から複数の供給ポートを使って酸素を供給し、それに着火することでデトネーションとして燃焼させることができる。また、燃焼器内のデトネーションは通常通り気体燃料と酸素で行わせ、パージに使った気化した燃料は、燃焼器下流のノズル部分で酸素を供給して通常の燃焼モードで燃焼させることもできる。この燃焼により、出力アップに貢献させることができる。また、出力アップに全く貢献しない水を用いる場合に比べて軽量化できることになるので、特に航空宇宙機に搭載するのに適している。
なお、上記のように可燃性の液体が噴射される場合にも、不燃性の液体について説明したのと同様に、蒸発性が高いものや気化する際の潜熱が大きいものほど、より好ましく、例えば蒸発性の点では灯油よりもアルコールやガソリンの方がより好ましい。
《実施形態2》
次に、本発明の実施形態2として、上記のようなパルス燃焼装置10が用いられた溶射装置の例について説明する。
溶射装置は、例えば図6に示すように、パルス燃焼装置10とチャンバ20とが設けられて構成されている。チャンバ20には、換気口20aが形成されるとともに、パルス燃焼装置10における燃焼筒11のガス排出口11a近傍に、例えば表面がブラスト処理されたSS400鋼板などの被溶射部材30が配置されるようになっている。
パルス燃焼装置10の燃焼筒11には、溶射に使用される所要の粉体を所定の流量で燃焼筒11内に供給する1つ以上の粉体供給部16が設けられている。溶射用の粉体の供給には、アルゴンガス等のキャリアガスを使用することができる。
このような溶射装置では、パルス燃焼装置10の燃焼筒11から既燃ガスとともに排出された粉体によって、被溶射部材30に溶射皮膜が形成される。このとき、パルス燃焼装置10においては、前記のように純酸素燃焼に近い燃焼などによって燃焼温度の上昇や既燃ガスの流速の増大を図ることができるので、例えば高融点物質を使用して高品質な被膜を形成することなどが容易にできる。それゆえ、溶射装置を例えば、航空・発電用ガスタービン動静翼における遮熱層の形成、さらには、半導体製造部品の絶縁皮膜形成、貫通気孔をなくすとともに原料粉末の酸化を防止することが要求される環境遮蔽型の耐食性合金皮膜の形成等に利用することができる。
なお、パルス燃焼装置10は、上記のような溶射装置に限らず、タービンエンジンに適用することもでき、この場合には、例えば水の噴射によって直接的な水冷が可能となるので、間接的な水冷(外壁からの水冷)による例えば30%程度などの損失を軽減することもできる。また、推進用エンジンに適用することもでき、前記のように液体燃料を噴射する場合には、運転周波数の増加によって高出力化を図ることが容易にできるとともに、液滴燃料が気化されるので予熱機構を排除することなども可能になる。
以上説明したように、本発明は、燃焼筒内に燃料と酸素とを供給して、間欠的に爆発燃焼させるパルス燃焼装置等として有用である。
10 パルス燃焼装置
11 燃焼筒
11a ガス排出口
12 燃料ガス供給部
12a 燃料流量調整器
13 酸素ガス供給部
13a 酸素流量調整器
14 液体噴射部
14a インジェクター
14b 噴射ノズル
15 点火プラグ
16 粉体供給部
20 チャンバ
20a 換気口
30 被溶射部材

Claims (5)

  1. 一端が閉塞され他端が開口された燃焼筒と、
    上記燃焼筒の閉塞端部近傍に供給された燃料および酸素に所定の運転周波数で点火する点火手段と、
    を有するパルス燃焼装置であって、
    さらに、上記燃焼筒内に、上記燃焼筒内で蒸発し得る液体を噴射する噴射手段を有し、
    上記噴射手段は、前の燃焼サイクルにおける燃焼後、後の燃焼サイクルにおける酸素の供給前に、上記液体の噴射を行うように構成されていることを特徴とするパルス燃焼装置。
  2. 請求項1のパルス燃焼装置であって、
    上記液体は、不燃性の液体であることを特徴とするパルス燃焼装置。
  3. 請求項1および請求項2のうち何れか1項のパルス燃焼装置であって、
    上記燃焼筒内への燃料および酸素の供給が、上記燃焼筒内の圧力が所定以下に低下したときに行われるように構成されていることを特徴とするパルス燃焼装置。
  4. 請求項1のパルス燃焼装置であって、
    上記液体は、燃料であることを特徴とするパルス燃焼装置。
  5. 請求項1から請求項4のうち何れか1項のパルス燃焼装置と、
    上記燃焼筒における上記点火手段の下流側に配置されて、溶射用の粉体を供給する粉体供給手段と、
    を備えたことを特徴とする溶射装置。
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