JP5988834B2 - 手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機 - Google Patents
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Description
このストッパは、電力を駆動源とするソレノイドにより駆動されて後退動作するので、震災等の災害時に停電するとソレノイドが作動せず、自動販売機から商品を取り出すことができなくなる。
通常、自動販売機は、ストッパ側にフック部を設け、このフック部をソレノイドのプランジャの下端部に引っ掛けてソレノイドからの駆動力を受けて上動するようになっていることから、特許文献1では、ワイヤーをこのフック部に引掛けながら巻き回し、ワイヤーの他端部に設けられた摘み部を引張り下げると、フック部を持ち上げられるように工夫されている。
然るに、扉の内面側には金銭が収納された金銭収容部が備えられており、扉を開いたままにしておくのは防犯上好ましくない。
この自動販売機1は、既存の自動販売機に後付けで部品を取り付けて手動式商品搬出機構を備えさせたものである。
先ず、自動販売機1の全体構成と商品搬出動作を説明する。
図1に示すように、符号3は本体キャビネットを示し、この本体キャビネット3はボックス状を為し、前面が開口している。この本体キャビネット3には上下方向に延びる商品収容通路5が左右前後方向に複数設けられており、各商品収容通路5には商品、この実施の形態では飲料缶Cが横倒され、上下方向に一列に積み重ねられて収容されている。この商品収容通路5の上方が飲料缶Cの商品補充部7になっている。また、商品収容通路5の下端には隙間をあけて商品排出シュート9が連設されている。
商品取出口15の上側には、硬貨投入口、硬貨返却口、紙幣挿入口等に対応して貨幣や紙幣が収納された金銭収容部16が設けられている。
符号17は後方から見て縦長矩形状の基板であり、図1に示すように、商品収容通路5の後面側の下部に配置されて商品収容通路5の一部を構成している。この基板17には矩形状の大きな開口部19が形成されている。
この基板17の後面の上部側に電気的駆動源としてのソレノイド21が取り付けられている。このソレノイド21のフレーム23は矩形状をしており、このフレーム23の内方にコイル部25が設けられ、そこからプランジャ27が昇降自在に伸びている。このプランジャ27の下端側には掛止用穴29が形成されている。上記ソレノイド21は、コイル部25への通電による励磁によりプランジャ27が上方に吸引されるようになっている。
符号39はリンク部材を示し、このリンク部材39は全体として縦長の薄板状をしており、この上部は前側に折り曲げられてフック部41となっている。このフック部41がソレノイド21のプランジャ27に形成された掛止用穴29に後側から差し込まれて連結されている。また、リンク部材39の左右両側縁は後側に折曲げられて立ち上がった突出部が設けられており、そこに形成された穴にリンク軸31、33が通されている。
上記した構成により、非通電時には、リンク軸31、33は、スプリング37の下方への弾性付勢力により下方の位置にあり、通電時には、リンク軸31、33はリンク部材39の引き上げにより上方の位置にくる。そして、通電が終了すると、弾性的に復元されて下方の位置に戻る。
また、下側ストッパ49側では、この下側ストッパ49が支持軸51を支点として回動するようになっている。下側ストッパ49に連結したストッパ側リンク片53が支持軸側リンク片55とリンクピン57によって係合しており、支持軸側リンク片55が支持軸35を中心として回動可能なっているので、リンク軸33の上動により、予め設けられている退避方向への付勢手段に抗して、リンク片53、55どうしが開き、これに伴って下側ストッパ49が、予め設けられている突出方向への付勢手段が開放されて前方に突出する。
そして、販売時には、ソレノイド21のコイル25部に通電されて、リンク軸31の上動により、上側ストッパ47は前方の商品収容通路5に突出して、最下段の飲料缶Cとその上の飲料缶Cとの間に入り込んで、その上の飲料缶Cの下方への移動を規制する。一方、リンク軸33の上動により、下側ストッパ49は係合支持が解除され、その上に載った飲料缶Cの自重に負けて後退する。そして、その飲料缶Cは下方に移動して搬出される。
その飲料缶Cの排出が終了すると、下側ストッパ49は前方に再び突出しその位置で維持されると共に、上側ストッパ47が後退して、その上に載っていた飲料缶Cが下側ストッパ49まで落下してその上に載って待機状態となる。
このようにして、飲料缶Cは下段側から1つずつ排出される。
手動操作式商品排出機構は、上記した電気駆動式排出機構の構成部品を一部借りて構成されている。
図2において符号59は1本の長い這い廻し用ワイヤーを示し、この這い廻し用ワイヤー59の一端側は2本の剛性の金属製パイプ61R,61Lに摺動自在に収容され、他端側は2本の軟性の合成樹脂製パイプ63R,63Lに摺動自在に収容されている。この合成樹脂製パイプ63は上記した金属製パイプ61よりも大径であり、中間部では合成樹脂製パイプ63Lの端部が金属製パイプ61Rの端部に被さっている。
ソレノイド21のフレーム23の四隅にはネジ孔67、67、69、69が作られており、後方からフレーム23のコの字状に相似した若干小さい固定板(図示省略)が当てられ、後側からネジ孔67、69にネジ(図示省略)が螺合され締付けられる。
それにより、這い廻し用ワイヤー59はフレーム23側ではネジをガイドとして上記した軌道に保持されており、金属製パイプ61R、L間では露出したU字状垂下部59Aだけが垂みから緊張へ、またはその逆へと可逆的に変えられるようになっている。
符号73は引出し用ワイヤーを示し、この引出し用ワイヤー73の一端部も折り返されて折返し部73Aになっており、同様にこの折返し部73Aにも圧着スリープ71によりループ状に結束されている。
引出し用ワイヤー73の他端側は合成樹脂製パイプ63Rに通されており、更にその先端側では掴み部65が取り付けられている。
這い廻し用ワイヤー59と引出し用ワイヤー73のそれぞれの折返し部59B、73Aには継手75に掛けられ連結されて、1本のワイヤーラインになっている。
また、右側板77bにも6つの丸孔83が形成され、これらの丸孔83も等間隔に並んで配置されている。丸孔79と丸孔83は、同じサイズで、且つ一対一対応で対向している。側板77a、77bは通し孔部であり、そこに形成された丸孔79、83が通し孔となっている。これらがガイド部77の底板77c、前側板77d、後側板77eを介して隔てられている。
従って、それぞれの折返し部59B、73Aはガイド部内にある。なお、這い廻し用ワイヤー59側と引出し用ワイヤー73側の合成樹脂製パイプ63はそれぞれガイド部77の外側にあり、その外径は丸孔79、83よりも大きいので、ガイド部77内に入ってくることはない。
上記したワイヤーライン、ガイド部77、及びバネ85によってワイヤー引き戻し手段が構成されている。
図5で符号89はボックスを示し、このボックス89は丸孔87を囲むように横付けされている。ボックス89の底面には丸孔87と同軸状に同じ大きさの開口91が形成されており、その開口91から引き出し用ワイヤー73が引き出されている。図6に示すように、ボックス89には扉93が開閉自在に取り付けられており、扉93にはロック機構95と鍵穴97が形成されている。従って、鍵99が鍵穴97に差し込まれて所定の方向に回転されるとロック機構95が働いてロックされる。
ソレノイド21による電気駆動により、リンク部材39が上下動するが、図2に示すように、リンク部材39が下方の待機位置にあるときには、這い廻し用ワイヤー59のU字状垂下部59Aは軽く弛んだ状態でフック部41に軽く引掛けられている。そして、リンク部材39が上動するときには、U字状垂下部59Aはフック部41の上動に干渉しない。
図7に示すように、飲料缶Cを落下させて取り出すときに、U字状垂下部59Aがフック部41から外れて弛みが大きくなるが、上記したように、フック部41に向かって付勢されているので、プランジャ27と基板17との間の隙間に回り込むことはない。そのため、回り込みによるワイヤーの摩耗や手動動作の故障の心配が無い。そして、リンク部材39が下動すると、這い廻し用ワイヤー59のU字状垂下部59Aは再びフック部41に軽く引掛けられた状態となる。また、角隅部6では、合成樹脂製パイプ63Lは若干弛んでいる。
図8に示すように、ガイド部77内ではバネ85は伸張していない。
図6に示すように、ボックス89の鍵穴97に鍵99を差し込んで回し、ロックを解除する。次に、扉93を開けると、図5に示すように、本体キャビネット3内から掴み部65が露出しているので、それを指で掴んで引張ると、這い廻し用ワイヤー59は合成樹脂製パイプ63と金属製パイプ61の間を摺動して引き出される。それと共に、U字状垂下部59Aが緊張してフック部41を引き上げる。このフック部41の引き上げにより、後は電気駆動式商品搬出機構と同様にして飲料缶Cが取り出される。
このとき、手動操作式商品搬出機構は図10に示すように伸張したバネ85には弾性付勢力が蓄積されているので、掴み部65を離すと、図11に示すように、合成樹脂製パイプ63Lが角隅部6で方向が変更されていても、バネ85からの引き戻し力が這い廻し用ワイヤー59に付与され、矢印に示す方向に勢いが付き、角隅部6側で方向が変更されても、スプリング37とバネ85の二方向からの引き戻し力を得て、這い廻し用ワイヤー59もスムーズに引き戻される。従って、リンク部材39も待機時の下方位置へ確実に戻り、再び電気駆動による商品取り出しができる。
例えば、本実施の形態ではボックス89の扉93を鍵99でロックしているが、扉93をロックできるものであれば、どのようなものでもよく、例えば南京錠でもよい。
3‥‥本体キャビネット 5‥‥商品収容通路
6‥‥(商品収容通路の)角隅部
7‥‥商品補充部 9‥‥商品排出シュート
11‥‥内扉 13‥‥外扉
15‥‥商品取出口 17‥‥基板
19‥‥開口部 21‥‥ソレノイド
23‥‥フレーム 25‥‥コイル部
27‥‥プランジャ 29‥‥掛止用穴
31、33‥‥リンク軸 35‥‥支持軸
37‥‥スプリング 39‥‥リンク部材
41‥‥フック部 43‥‥支持リンク
45‥‥支持軸 47‥‥上側ストッパ
49‥‥下側ストッパ 51‥‥支持軸
53‥‥ストッパ側リンク片 55‥‥支持軸側リンク片
57‥‥リンクピン 59‥‥這い廻し用ワイヤー
59A‥‥(ワイヤーの)U字状垂下部 59B‥‥(ワイヤーの)折返し部
61‥‥金属製パイプ 63‥‥合成樹脂製パイプ
65‥‥掴み部
67、69‥‥ネジ孔 71‥‥圧着スリープ
73‥‥引出し用ワイヤー 73A‥‥(ワイヤーの)折返し部
75‥‥継手 77‥‥ガイド部
77a‥‥左側板 77b‥‥右側板
77c‥‥底板 77d‥‥前側板
77e‥‥後側板 79‥‥丸孔
81‥‥小孔 83‥‥丸孔
85‥‥バネ 87‥‥(本体キャビネットの)丸孔
89‥‥ボックス 91‥‥開口
93‥‥扉 95‥‥ロック機構
97‥‥鍵穴 99‥‥鍵
C‥‥飲料缶
Claims (5)
- 前面に開口を有する本体キャビネットと、前記本体キャビネットの開口を開閉自在に閉鎖する扉部とを有し、前記本体キャビネット内に、プランジャを下方に向けたソレノイドと、前記プランジャにフック部が掛止され、前記プランジャの上動に連動して弾性的に復元可能に上動するリンク部材と、前記フック部の上動により商品収容通路から退避動作するストッパとでなる電動式商品排出機構を有する自動販売機において、
手動操作式商品搬出機構として、前記本体キャビネットの内部の隙間を利用して、一端側が固定され、中間部がU字状に垂下して前記フック部に引掛けられ、他端側が再び垂下し、更に方向を変えて前記本体キャビネットを横切るよう這い廻された上で、外に引き出されたワイヤーラインと、
前記ワイヤーラインの横切っている部分に介装され、前記ワイヤーラインが外に引き出された側から引張られると、前記ワイヤーラインに引き戻し力を付与するワイヤー引き戻し手段を備えることを特徴とする手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機。 - 請求項1に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ワイヤー引き戻し手段は、一端側がワイヤーラインに連結され、他端側が本体キャビネット側に固定された状態で前記ワイヤーラインに並列したバネによって構成されており、前記ワイヤーラインが引張られると、前記バネが伸長して前記ワイヤーラインに引き戻し力を付与することを特徴とする自動販売機。 - 請求項2に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
両端側に複数の通し孔が互いに対向した状態で形成された通し孔部を備えたガイド部が本体キャビネット内に取り付けられており、
複数のワイヤーラインが前記ガイド部の対向する通し孔にそれぞれ通されると共に、それぞれのワイヤーラインの一対一対応で相方となるバネが前記ガイド部内に配され、各バネの一端側が相方のワイヤーラインに連結され、他端側が前記ガイド部に固定されていることを特徴とする自動販売機。 - 請求項3に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ワイヤーラインは前記ガイド部で分断され、それぞれの分断側にあるワイヤーの折返し部が継手を介して連結されており、バネの一端側がこの折返し部に共に結束されることで固定されていることを特徴とする自動販売機。 - 請求項1から4のいずれかに記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
本体キャビネットの側面に開閉可能な扉を有するボックスが横付けされ、さらに前記扉をロックするロック手段が備えられており、前記本体キャビネットから引き出されたワイヤーラインの他端部側は前記ボックス内に収容されていることを特徴とする自動販売機。
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