JP5988529B2 - 無線送信システム - Google Patents
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Description
図6は局間の無線伝送を行う無線送信システム構成図である。
図6に示すように、統括局510と中継局520,530の局間は無線C511,C512を使用して接続する。局間の見通し距離は既知であるため、無線伝送で発生する遅延時間も既知となり、システム内で最大の遅延時間となるタイミングに各局が合わせることにより、局間の同期を実現する。
しかしながら、放送にて使用する無線機と別に局間伝送用の無線設備を準備する必要があり、システム全体が高価なものとなる。
また、地上に近い場所での伝送となるため、鳥獣等による伝送障害が発生する可能性がある。
一般に、通信会社や自治体が所有する光ファイバ回線の内、ダークファイバと呼ばれるものは、使用料が安価である反面、統括局610と中継局620,630の局間の遅延時間については、最大遅延時間の保証しかしておらず、また、伝送経路の変更が使用者側への通知なく行われる可能性もあり、正確かつ安定な遅延時間を保証することができない。
そのため、局間での正確な同期を実現するためには、専用の直通回線を敷設して管理する必要があるが、新たに回線敷設の工事費用や管理費用が発生してしまうため、放送事業者の負担が大きくなる。
GPSの時間情報を各局が取得して、これを絶対時間とし、これをもとに同期をとる方法である。
GPSで使用する人工衛星は周回衛星であり、かつ複数の衛星を使用しなければならないことから、GPS受信機が受信する衛星が切り替わる際に、時刻の不連続性(誤差)が発生し、抽出する時間情報にはジッタが発生する。
このため、局にて使用するGPSの受信回路には、高精度・高安定なPLL(Phase Locked Loop)回路が必須となる。
本発明の目的は、安価な光ファイバ回線でのIP伝送を使用して、簡略化した回路構成にて中継局間の同期をとり、単一周波数ネットワークシステムを実現することにある。
図1において、無線送信システムは、システム全体を制御する統括局110と、放送波C122,C132を送信する中継局120,130に衛星放送受信装置111,121,131が具備されている。
放送データは、統括局110から中継局120,130に、光ファイバ回線161〜171や中継スイッチ141〜146を介して伝送されうる。つまり、統括局110から中継局120等へ少なくとも一方向の伝送ができればよく、ネットワークのトポロジは任意である。中継局や光ファイバ回線、中継スイッチの数は例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
衛星放送用静止衛星170は、赤道上の静止軌道で、テレビ等の衛星放送に供される衛星であり、この衛星から発信されるデータ171〜173は、テレビ放送等のデータであればMPEG-2 TSの形式である。
衛星放送受信装置123,133は、衛星170からのデータ171〜173を受信し、TS信号を取り出す機能を有する。衛星放送受信装置123等には、民生用のパラボラアンテナやチューナを転用できるが、処理遅延等の条件を揃えるために、ハードウェア等の構成は互いに同じであることが望ましい。
図2(A)は衛星放送用静止衛星170から発信されたデータ171〜173を統括局110および中継局120,130が受信した時のPCRカウンタのタイミング図である。統括局110と中継局120,130は、地理的に距離が離れているため、図2(A)に示すように、衛星放送用静止衛星170のデータ171〜173を受信して再生されたPCRカウンタの値には、差異が生じる。別の言い方では、同じ信号を受信する上で、時間差が生じている。
しかしながら、この受信時間の差異は、固定値とみなせ、統括局110および中継局120,130の局設置時に、衛星170との距離に基づいて算出するか或いは他の高精度時計を基準にした計測により求めることができる。
図2(B)には、この固定値(補正情報)を用いて受信タイミングを補正した後の、PCRカウンタのタイミング図である。補正は、受信信号から再生されたままのPCRカウンタの値に、固定値を加算することで、PCRのクロックの単位で行うことができ、その結果、誤差は1クロック(1 / 27 MHz = 37ns)以下に補正できる。
DVB-ASI(Digital Video Broadcasting - Asynchronous Serial Interface)インタフェース301は、同軸ケーブルを介して入力されたTS信号を受信し、その際、再生した270MHzのビットクロックとTS信号を、送信タイミング発生部302と多重化部(MUX)303にそれぞれ出力する。DVB-ASIの送信側で用いられるクロックは通常、TS多重化器で用いられるクロックと同期している。TS多重化器が、タイムスタンプをしながら、固定ビットレート(つまりヌルパケットのパディングによるレート調整を要しない)のTSを生成している場合、非同期I/Fであってもクロックの再生が可能になる。
送信タイミング発生部は、DVB-ASIインタフェースで再生したクロックを分周するなどして、オンエア時のOFDMシンボル周期(例えば1134μs)の信号を生成する。
一方、衛星放送受信アンテナ112で受信した衛星放送の信号が、衛星放送受信部312に入力される。
衛星放送受信部312は、所定の放送チャンネルに同調して、その復調、復号処理を行い、得られたTS信号を多重分離し、少なくともAdaptation Field にPCRタイムスタンプを含むTSパケットを抽出して、出力する。或いは、最近の1チップ化された復調・デコーダLSIでは、それ自体で再生した27MHzクロックを出力する機能を有しており、そのクロックを一緒に用いてもよい。
異常検知部316は、受信PCRカウンタ部314と自走PCRカウンタ部315の、カウント値を比較し、一致しない時に不一致信号(カウント値の差分)を出力する。
光伝送送信部304は、光通信用のフレームを、光ネットワークに送信するもので、例えば終端装置或いはONU(Optical Network Unit)と呼ばれる。
光ファイバ回線401で伝送されてくる放送データや制御データは、光伝送受信部402に入力される。
光伝送受信部402は、OTNのデフレーム処理等を行い、放送データであるTS信号と制御データを抽出し、バッファ部403、カウンタ制御部416にそれぞれ正しい順序で出力する。なお、TS信号が、中継局毎に異ならせる必要のあるID等を含む場合、光伝送受信部402からの出力後に、そのID等の置換処理を行う。
送信制御部404は、OFDM変調器(励振器)送信であり、変調された無線信号を生成する。このとき、無線信号のOFDMシンボルのタイミングが、タイミング発生部419からの指示に応じたタイミングとなるように、無線送信部405に出力する。例えば、所定のサンプルレート(512/63 = 8.12698MHz)で動作するIFFT処理を開始を、指示されたタイミングに一致させ、指示がない時はそのサンプルレートで自走する。即ち、放送用の送信制御部404は、オーブン補償水晶発振器(OCXO)等の高精度の原振を内蔵するとともに外部入力からの更に高精度の発振源などを基準にして、既に安定に動作しているため、OFDMシンボルを一致させるために周波数制御等は行わない。なお、外部入力の1つとして、衛星放送から再生した27MHzクロックを用いることは妨げない。
無線送信部405は、無線信号を電力増幅し、送信アンテナ406はその信号を空間に放射する。
つまり、衛星放送受信部412は、所定の放送チャンネルに同調して、その復調、復号処理を行い、得られたTS信号を多重分離し、少なくともAdaptation Field にPCRタイムスタンプを含むTSパケットを抽出して、出力する。
受信PCRカウンタ部414は、PLL部414からの再生クロックを計数する。再同期時はタイムスタンプの値が直接、受信PCRカウンタ部414に反映される。
自走PCRカウンタ部415は、PLL部414からの再生クロックを計数する。従って、受信PCRカウンタ部413と同じ速さで進む。
また、その後受信PCRカウンタ部の値が安定したところで、統括局110からの切替指示に従って、自走PCRカウンタ部415の値を受信PCRカウンタ部413の値に一致させる(リロードさせる)とともに、統括局110から伝達された新たな基準カウンタ値の情報を、送信タイミング発生部419に設定し、その後、再度受信PCRカウンタ部413側を選択部417で選択するための選択信号を選択部417に与える。
送信タイミング発生部418は、統括局110より送られてくる制御データ451(送信タイミングの制御信号と基準カウンタ値)に応じて、送信タイミング信号を生成する。送信タイミング発生部418は例えば、選択部417で選択されたカウンタの値を設定値と比較し、一致したときにパルスを発生する回路や、OFDMシンボル周期に対応する計数値を加算することで次の設定値を設定する回路や、基準カウンタ値の入力があった時に次の設定値にその基準カウンタ値を加算する回路や、送信タイミングの制御データの入力があった時にその送信タイミングの制御データと上記シンボル周期計数値とを加算した値を次の設定値を設定する回路等で構成される。
送信タイミング発生部419は、統括局110より送られてくる制御データ451の中から送信タイミング決定の基準となるカウンタ値に応じて、送信制御部404に送信タイミング信号を送る。
PLL発振器420は、再生した27MHzのクロックから、基準信号として一般的な10MHzを生成し、送信制御部404に提供する。PLL発振器420は、本例に必須ではない。
統括局110は中継局120,130に対して、衛星放送用静止衛星170のデータ171〜173であるPCRカウンタがどの値を基準に無線送信のタイミングを合わせるのかを光ファイバ回線を使用して通知する。
統括局110は、PCRカウンタ値を常時監視し、放送番組切れ目等でPCRカウンタ値が急激に変化しても、図5に示すように新たに基準とすべきカウンタ値を速やかに、中継局120,130に伝達する。
また、中継局120,130は、局設置時の固定値と、統括局110から伝達される新たに基準とすべきカウンタ値との情報から、自局の送信タイミングを決定することにより、同期をとることが可能となる。
Claims (4)
- 統括局と複数の中継局を光ファイバ回線で接続する無線送信システムにおいて、
前記統括局と複数の前記中継局はそれぞれ、衛星放送用静止衛星から送信される衛星放送電波を受信して、衛星放送のTS信号を取得する衛星放送受信装置と、該衛星放送のTS信号が含むPCRタイムスタンプから、PCRクロック及びPCRカウントを再生する位相ロックループとを備え、
前記統括局は、前記中継局からオンエアされるべき放送データと、送信タイミングを指し示すPCRカウントを含む制御データとを、前記複数の前記中継局に送出し、
複数の前記中継局は、前記光ファイバ回線を介して該放送データ及び該制御データを受信し、該制御データから得たPCRカウントと、該中継局で再生したPCRカウントと、予め設定される遅延補正値と、に基づいて該放送データの送信タイミングを定め、該送信タイミングに従ってオンエアされる該放送データの同期を互いにとることを特徴とする無線送信システム。 - 請求項1に記載の無線送信システムおいて、
前記中継局が前記放送データをオンエアする際の変調方式はOFDMで、搬送周波数は同一であり、
前記送信タイミングは、OFDMシンボル周期であり、
前記統括局と複数の前記中継局はそれぞれ、位相ロックループの制御化にあり衛星放送のPCRを忠実に再現する受信PCRカウンタと、位相ロックループからは該再生したクロックのみが提供されて自走する自走PCRカウンタと、を有することを特徴とする無線送信システム。 - 前記統括局は、少なくとも起動時に初期的に該該制御データを送信するとともに、該衛星放送から再生したPCRカウントに不連続が生じているときに、前記受信PCRカウンタ及び前記自走PCRカウンタのカウント差分を含む切替指示の制御データ、若しくは前記送信タイミングの制御データを、前記複数の前記中継局に送出し、
複数の前記中継局は、該制御データからのPCRカウントに、該OFDMシンボル周期に相当するカウント値を加算して、次のOFDMシンボルの送信タイミングを定めるとともに、該衛星放送から再生したPCRカウントに不連続が生じているときに、前記自走PCRカウンタの該PCRカウントを用いて該送信タイミングを定め、その後該切替指示の制御データ若しくは該送信タイミングの制御データを受信すると、受信PCRカウンタのPCRカウントを用いて、受信した該カウント差分若しくは該送信タイミングによって該不連続が解消された送信タイミングを定めることを特徴とする請求項2記載の無線送信システム。 - 該再生したクロックは27MHzのn倍(nは自然数)であり、前記PCRカウントは、該再生したクロックのn進カウント値と、9ビット以上の27MHzのカウント値とをカウントすることを特徴とする請求項2記載の無線送信システム。
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JP2004188193A (ja) * | 1997-07-10 | 2004-07-08 | Sony Computer Entertainment Inc | エンタテインメントシステム、画像表示装置、情報処理装置、及び同期制御方法 |
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- 2015-02-17 JP JP2016510123A patent/JP5988529B2/ja active Active
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