JP5988255B2 - 機械式クロックムーブメント用の音叉共振器 - Google Patents

機械式クロックムーブメント用の音叉共振器 Download PDF

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Description

[0001]本発明は、音叉型振動子を備える、自由脱進機を有する機械式クロックムーブメント用の音叉機械共振器に関し、音叉型振動子の少なくとも1つの第1の振動プロングは、第1の軸線を中心に振動するものであり、アンクル組立体の少なくとも1つの第1のフォーク歯と関連付けられた少なくとも1つの第1のピンを支持して、アンクル組立体を第1の角度位置と第2の角度位置との間で枢動させて、がんぎ車を交互に係止させ解放させる。
[0002]既知の方法では、そのような機構は、機械エネルギー源と併せて、音叉である振動子の振動を持続させること、したがって共振器を形成することを可能にする。
[0003]音叉などの振動子の高いQ値、すなわち従来のひげぜんまい振動子の約10〜50倍という高いQ値は、測時学の応用例にとって振動子を魅力的なものにしている。
[0004]さらに、本発明は、そのような共振器を装着したクロックムーブメント、および、特に、限定するものではないが、かかるクロックムーブメントを装着した腕時計型の計時器にも関する。
従来技術
[0005]音叉を振動子として備える多くの測時装置が、従来技術で既に開示されている。
[0006]例として、1866年に提出された出願に基づいてLouis-Frangois-Clement Breguetの名義で付与された仏国特許第73414(A)号明細書は、機械的振動子が音叉になっている振り子クロックを記述している。この音叉の第1のプロングは、がんぎ車を交互に係止させ解放させるために、がんぎ車と協働するように設計された2つのアームを有するアンクル組立体を支持する。したがって、アンクル組立体は、通常の場合のように、クロックムーブメントのフレーム上では枢動しないが、アンクル組立体を支持する音叉の端部と同じ振動運動を呈する。したがって、設計される脱進機は自由脱進機型ではない。なぜなら、一方ではアンクル組立体ががんぎ車と永久的に接触しており、他方ではピンがアンクル組立体を音叉のプロングに固定し、したがってアンクル組立体から出ることはないからである。したがって、この種の脱進機には対応する欠点がある。すなわち、特に摩耗およびクロノメータの外乱が共に自由脱進機の場合よりも大きくなる。
[0007]より具体的には腕時計に関する限り、Max Hetzelは、音叉を振動子として使用することに関する非常に多くの特許発明に関与しており、これらの特許発明は、Bulova Swiss SA社によって販売されているAccutron(登録商標)腕時計の生産につながっている。
[0008]しかしながら、Accutron時計は、対応する音叉の各プロングが、時計のフレーム上に固定して取り付けられた電磁石と関連付けられた永久磁石を支持するとすれば、電子共振器を備えることになる。各電磁石の動作は、音叉が支持する磁石によって音叉の振動に従属し、その結果、音叉の振動は、電磁石から永久磁石に周期的な磁気インパルスを伝達することによって持続される。音叉のプロングの一方は、時計の歯車列の車を回転させることを可能にするつめを操作する。この構造は、音叉の振動を持続させるためのつめの使用には役立たない。
[0009]例えば、1957年にさかのぼる出願に由来する米国特許第2,971,323号明細書はそのような機構を記述しているが、この機構は、純粋に機械的な時計、すなわち電子回路を有していない時計を作るために使用することができない。実際、市場では、既知の計時器よりも高い精度で動く純粋に機械的な計時器が実際に必要とされている。
[0010]Accutronの計時器は、Bulova Swiss SA社によって現在も販売されていることが指摘されるべきである。
[0011]1972年にさかのぼる出願に由来するスイス国特許第594201号明細書は、二重振動子の共振器システムを記述している。音叉の振動の周波数安定性は、磁気相互作用により、従来の形のてんぷ(balance)の振動を安定させ、したがって音叉より低いQ値を有するように利用される。この目的のために、一方では音叉のプロング、他方ではてんぷが、互いに協働するように設計された永久磁石を支持する。対応する相互作用は、音叉の振動を持続させるとともに、てんぷの振動を周波数に関して安定させることを可能にする。
[0012]しかしながら、このことは、その特許において明確には分からないが、この機構は、てんぷの周期的な振動を歯車列の車を駆動できる一方向の運動に変換するために、機械式脱進機に連結されなければならないことが明らかである。したがって、てんぷは、てんぷの振動を持続させるように設計された従来の機械式脱進機に連結される可能性が高い。その結果、その文献に記載されている機構は、てんぷの振動の周波数安定性の向上を可能にするが、たった1つの振動子を有する従来の機構に比べて複雑性および嵩高性がはるかに高くなる。さらに、音叉の高いQ値は、提示されている解決法では一部しか使用されない。というのは、最終的に分析すると、歯車列の運動を制御するのは、従来のシステムの動作と同様に、てんぷであるからである。
[0013]腕時計の構造に特有の空間的な制約に適した他の解決法も開示されている。具体的には、1962年にさかのぼる出願に由来する米国特許第3,208,287号明細書は、磁気相互作用によってがんぎ車に連結された音叉を備える共振器を記述している。より具体的には、音叉はがんぎ車と協働する永久磁石を支持し、がんぎ車は磁気伝導性材料製である。がんぎ車は、機械的なものでもモータの形をとってもよいエネルギー源に力学的に接続される一方で、がんぎ車は、がんぎ車の厚み部分に開口部を有していて、回転駆動されたときに、音叉によって支持された磁石に対して可変磁気抵抗の磁気回路を形成する。
[0014]したがって、磁気ロックとみなされうる相当な強さの永久的な相互作用が、音叉とがんぎ車との間に生じ、したがって、そうした構造は非自由脱進機からなる。音叉の振動を持続させるためのがんぎ車から音叉へのエネルギーの供給は、たとえ小さくても連続的に行われ、これらの振動の等時性の観点から重要でない妨害源を構成する。同様に、がんぎ車は音叉によって連続的に案内される。
[0015]したがって、この構造に使用される相互作用のタイプは接触と同様であり、このことは精密動作の観点から好ましくない。
[0016]Louis-Frangois-Clement Breguetの振り子クロックはさておき、これらの機構はすべて、磁気相互作用を使用しており、どの機構も、純粋に機械的な計時器、すなわち電子回路も磁気相互作用も含んでいない計時器の製作に役立たない。
[0017]本発明の主な目的は、機械的計時器用、特に腕時計用の高いQ値および高度の等時性を有する共振器、および自由脱進機型の脱進機を提供することにより、従来技術から知られている音叉共振器の欠点を軽減することである。
[0018]自由脱進機に関連する時計、特に腕時計に音叉型の振動子を使用したときに生じるいくつかの技術的問題がある。
[0019]音叉の振動周波数は、ひげぜんまいの振動数よりはるかに高い。例として、前述したAccutronは、最新の機械式時計のひげぜんまいの4Hzと比べて、360Hzの周波数で振動する音叉を有する。したがって、従来の自由脱進機が音叉と連動して作動できるように従来の自由脱進機を適合させることは、明白な仕事ではない。さらに、音叉の振動周波数が高くなるほど、ひげぜんまいの場合よりエネルギーの消費および構成要素の摩耗が増大するはずである。
[0020]測時音叉の振動振幅は小さい。例として、Accutron内の音叉の振動振幅は、ひげぜんまいシステムのてんぷのピンの振動振幅の2mm程度に比べて、0.036mmである。
[0021]このような小さい振幅は、脱進機の構成要素の製造を、ひげぜんまいを使用する場合に比べてさらに困難なものにする。
[0022]加えて、高い動作周波数および小さい振幅は、対応する脱進機が音叉の振動のより大きい部分にわたって作用する必要があるはずであり、したがって脱進機による摂動が従来の場合よりも増大するはずであることを意味する。
[0023]追加の問題は、音叉の脚またはプロングの振動運動がてんぷの円運動に比べてほとんど直線的であるという点にある。したがって、音叉のプロングの先端の軸線方向の移動は非常に小さい。
[0024]この直線運動は、特に、ピンがアンクル組立体のフォークに対してどのように出入りするかという事柄が問題になるため、脱進機の構成要素に修正を加える必要があることを意味する。
[0025]さらに、音叉プロングの横方向の振動振幅、すなわちプロングの方向に対して実質的に垂直な方向の振幅は、Max Hetzelによる平均値に対して最大で50%と大きく変化しやすいことに留意されたい。この変化により、ピンは、平均より長い追加の円弧にわたって妨げられないようにするために、すなわち、振動子が追加の円弧の間に自由に振動できるようにするために、フォークから出ることができる必要があり、このことは自由脱進機の製造に必要な条件である。したがって、ピンがアンクル組立体のフォークに対して出入りするという、組み合わされた問題に関連する難題を克服する必要がある。
[0026]最後に、腕時計に音叉を使用するとサイズの観点から問題が生じることも明らかにされうる。実際、Accutronモデルに使用されている音叉の長さは、てんぷの一般的な直径が10mm程度であるのに比べて、25mmである。
[0027]動作周波数およびエネルギー消費に関して上述したタイプの共振器の実現可能性を調査した後で、出願人は、考慮されるべき音叉のプロングの小さい振動振幅を可能にする共振器の構造に存在する問題を解決しようと努めてきた。
[0028]具体的には、出願人によって行われた計算は、例えば、周波数50Hzおよび振幅0.07mmで振動する音叉が従来のひげぜんまいと同等水準のエネルギーを消費するという結論につながった。さらに、この種の音叉の場合、音叉の脚の振動振幅の50%超しか作動しない脱進機は、クロノメータの誤差の33%の増大にしかつながらず、したがってこの種のシステムの実現可能性を裏付けている。
[0029]本明細書において上述した全体的な技術的問題に対処する目的で、本発明は、より詳細には本明細書において上述したタイプの共振器に関していることが明らかになり、上記の共振器は、第1のピンに固着される変換部材を備えており、
アンクル組立体が枢動するときに第1のフォーク歯が第1のピンの実質的に第1の軸線方向の運動振幅より大きい軸線方向の運動振幅、すなわち実質的に第1の軸線方向の運動振幅を有するように、変換部材は、
一方では、第1のインパルスをアンクル組立体に伝達することにより、振動子の第1のプロングの振動をアンクル組立体の回転運動に変換するように、
他方では、アンクル組立体からの機械エネルギーをインパルスの形で振動子の第1のプロングに伝達するように設計されていることを特徴としている。
[0030]具体的には、従来の振動子−アンクル組立体−脱進機システムでは、振動子に固着されがんぎ車との係合を解除するようにアンクル組立体を操作するインパルスピンは、ここでアンクル組立体がてんぷの軸線方向に向けられたときのアンクル組立体の軸線を考えると、アンクル組立体の軸線方向の運動振幅より大きい軸線方向の運動振幅を有することが、前述の幾何形状条件から明らかになる。次に、振動子が音叉である場合、振動子の脚の端部の軸線方向の運動振幅は、ピンがアンクル組立体のフォークに入るようにする、またはピンがアンクル組立体のフォークから出るようにするには十分でないことが分かっている。
[0031]したがって、本発明は、アンクル組立体フォークの歯の軸線方向の運動振幅をピンの軸線方向の運動振幅より大きくするために、これらの要素の間の適正な協働を確実にし、最終的に自由脱進機が正確に動作できるようにするための変換部材を提供する。
[0032]変換部材は、本発明の範囲から逸脱することなく様々な形態で製造されうる。
[0033]第1の実施形態によれば、変換部材は、クロックムーブメントのフレーム要素に枢着されかつ振動子の第1のプロングに対して枢動できるように第1のピンに固着されることを目的としたレバーを備え、レバーは、アンクル組立体を枢動させるために、フォークの第1のフォーク歯および第2のフォーク歯と協働することを目的とした第2のピンを支持することが規定されうる。
[0034]好ましい代替実施形態によれば、変換部材は、振動子の第1のプロングに配置されかつ第1のピンおよび第2のピンを支持する支持体を備え、第1のピンおよび第2のピンは、第1のフォーク歯および第2のフォーク歯と交互にそれぞれ協働するものであり、第1のフォーク歯と第2のフォーク歯との間の相対距離よりわずかに小さい相対距離で配置される。
[0035]これらの特徴により、本発明は、自由脱進機と関連付けられた音叉を備える計時器用の機械共振器を使用することを可能にする。
[0036]好適には、アンクル組立体は、第1のフォーク歯および前記第2のフォーク歯をそれぞれ支持する第1のアームおよび第2のアームを有するフレームを備える。
[0037]好ましい代替形態では、アンクル組立体は、アンクル組立体をクロックムーブメントに取り付けることを可能にすることを目的としたアンクル組立体スタフ(staff)に固着され、第1のアームおよび第2のアームは実質的にアンクル組立体スタフから延びる。
[0038]特に嵩高性の観点から注視されなければならない制約に応じて、様々な代替実施形態が考えられる。したがって、アンクル組立体は、がんぎ車と交互に協働することを目的とした第1の追加アームおよび第2の追加アームを備え、これらの一方の第1および第2のアームならびに他方の第1および第2の追加アームはすべて、1つの同一平面内または2つの異なる平面内に配置される。
[0039]さらに、機械共振器は、同じアンクル組立体か、振動子の第2のプロングと協働するように設計された追加のアンクル組立体のどちらかと協働するように設計された第2のがんぎ車を備えることも規定されうる。
[0040]本発明のさらなる特徴および利点は、いくつかの好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明を読むことでより明瞭に明らかになり、詳細な説明は、非限定的な例として与えられる添付図面を参照して行われる。
図1aは、本発明を実施するときに考慮されるべき制約の説明図である。 図1bは、本発明を実施するときに考慮されるべき制約の別の説明図である。 図2は、本発明の第1の実施形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。 図3は、図2の共振器の第1の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。 図4は、図2の共振器の第2の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。 図5は、図2の共振器の第3の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。 図6aは、図2の共振器の連続動作のうち第1の動作の詳細図である。 図6bは、連続的な構成での図2の共振器の連続動作のうち第2の動作の詳細図である。 図6cは、連続的な構成での図2の共振器の連続動作のうち第3の動作の詳細図である。 図6dは、連続的な構成での図2の共振器の連続動作のうち第4の動作の詳細図である。 図6eは、連続的な構成での図2の共振器の連続動作のうち第5の動作の詳細図である。 図7は、本発明の第2の実施形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。
[0048]図1aおよび図1bは、本発明を実施するときに考慮されるべき制約の説明図であり、より具体的には、音叉のプロングと脱進機のアンクル組立体フォークとの間の正確な協働を確実にするために留意されるべき幾何形状に関する説明図である。
[0049]図1aは、第1の半径および第2の半径との間でアンクル組立体がカバーする回転角度とアンクル組立体の先端の第2の半径方向の運動、すなわち実質的に音叉プロングの軸線に沿った運動との間にどのような関係があるのかを評価するために、アンクル組立体の半径Rの運動を概略的に示す。
[0050]太線201および202は、細線203および204で概略的に示されている音叉プロングによって伝達されたインパルスに応答してアンクル組立体が枢動するときに、アンクル組立体がとることができる第1の位置および第2の位置を示している。
[0051]より具体的には、アンクル組立体が線201の位置にあるとき、音叉プロング(線203)は、アンクル組立体の第1のフォーク歯を第1のフォーク歯に接触せずに通過できる必要があるのに対して、アンクル組立体が線202の位置にあるときは、アンクル組立体は、音叉の振動を持続させるために、アンクル組立体のフォークの別の歯を使用して音叉プロング(線204)にインパルスを伝達できる必要がある。
[0052]アンクル組立体の先端の軸線方向運動、すなわち音叉プロングの方向の運動は、次式で与えられる。
Figure 0005988255
[0053]アンクル組立体の軸線方向運動は、アンクル組立体の回転角度よりも1桁小さいものであることが、上式から明らかである。
[0054]従来の形状のアンクル組立体の大きさが通常程度である場合、すなわち、平行歯を有していて、長さが2.1mm程度であり、アンクル組立体の枢動が5度である場合、上記式は、アンクル組立体の先端の約0.008mm、すなわち1ミリメートルの百分の1未満の軸線方向運動を与える。
[0055]一般に、係止解除段階は、アンクル組立体の約2度の枢動に対応する。したがって、音叉プロングがフォークの第1の歯を押した後で第1の歯から出たときに、アンクル組立体にはまだ3度の枢動が残っており、その間に、別の歯は、音叉のプロングにインパルスを伝達できるほど遠くへ軸線方向に移動する必要がある。この3度の角度は、0.005mmの軸線方向運動に対応する。
[0056]30度の角度を表すリフト段階を有する従来のインパルスピンの場合を考えると、リフトは、15度程度の角度で始まり、9度程度の角度で終わる。その場合、ピンの軸線方向運動は、一般に0.046mm程度(半径0.7mmのピン経路に対して)であるので、ピンとアンクル組立体の対応するフォーク歯との間に0.05mm程度の軸線方向の相対運動を与える。
[0057]歯とピンとの間の重複が係止解除の終わりに約0.025mmであると認められると、歯とピンとの間にまだ0.025mmの隙間があり、ピンがフォークに入るのが可能になる。このような寸法は非常に小さく、実際の製造の限度である。
[0058]この理由で、フォークは、ピンが入りやすくするために、明確に規定された幅を有している。
[0059]図1bは、幅2Sのフォークの運動を概略的に示す。
[0060]フォークの幅2Sは、フォークの幅2Sが角度aと同程度であるため、前述した軸線方向運動に寄与することによりピンがフォークに入りやすくする。すなわち、長さSの水平アームの角度aまでの回転が、−S・sin(a)の垂直運動、すなわち約−S・aの垂直運動を与える。したがって、フォークが軸線方向の高さRを有し、フォークの歯のそれぞれの壁が軸線からの距離Sである場合、角度aまでの小回転で、Rによって引き起こされる軸線方向運動は約R・aであり、Sによる運動は約S・aである。
[0061]例えば、フォーク壁をフォーク壁のアンクル組立体の軸線から0.25mm(従来のてんぷ式脱進機に関して従来程度の大きさである)に配置することにより、壁の軸線方向運動は、0.25・(sin(5°)−sin(3°))、すなわち0.009だけ増大し、これにより通路寸法を0.025mmから0.03mmに増大することが可能になる。
[0062]音叉の場合、状況はさらに複雑である。というのは、音叉のプロングまたは脚の運動は事実上直線的であるのに対して、てんぷを用いるとインパルスピンは回転運動を有するからである。
[0063]例えば、長さRの垂直プロングが振幅Aで振動する場合、垂直運動は次式となり、
Figure 0005988255

上式は、プロングの回転角度a=arctan(A/R)、すなわち約A/Rに留意すると、同じ計算になる。
[0064]例として、長さが20mmであるが、その長さの3分の2しか明白に円運動しないプロング、および0.036mmの振幅を有するAccutronの場合、垂直運動は−0.00005mmであり、したがってここで対象の応用例にとってごくわずかである。
[0065]同様に、長さ20mm、振幅0.07mmを有する音叉、および1度〜0度で係止解除する2.1mmのアンクル組立体の場合、上記計算は、音叉プロングの0.0001mmの垂直運動およびアンクル組立体の0.0003mmの垂直運動、すなわち0.0004mmの差という計算結果となり、この計算結果は受け入れられない。
[0066]したがって、ピンがフォークに入ることを可能にするさらに大きい幅のフォークを考慮する必要がある。
[0067]例えば、アンクル組立体の軸線から距離Sを置いて壁を有するフォークを考えてみる。しがたって、1度〜0度の軸線に平行な方向の運動は、S・sin(1°)、すなわち約0.017・Sである。S=2.5mmを置くことにより、上記式は0.44mmの軸線方向運動を与える。さらに、音叉上のピンも一定角度まで回転する。ピンは、長さ20mmの脚の3分の2が回転する場合に0.035mmの振幅でフォークに入り、これは0.002625=0.15度の角度を表し、軸線方向運動は0.0066mmであると計算できる。上記式は、0.045mmの相対運動、すなわち0.022mmの進入を与える。
[0068]したがって、この基本例では、フォークは、全長5mmの場合に、アンクル組立体の軸線を基準にして少なくとも2.5mmだけ離れた壁を有するべきである。
[0069]これらの計算は、音叉の振動がほぼ円形であるという前提に基づいている。実際には、この運動はさらに複雑であり、精度をさらに上げるために曲げ変形される棒の正確な挙動に言及されるべきである。ここに与えられる計算は指標として与えられ、したがって、実際には、フォークの正確な幾何形状は、音叉振動の正確な経路に適するようになされる必要がある。
[0070]上記考慮事項は、フォークの幾何形状、したがって従来のインパルスピンの幾何形状を見直すように出願人を導いてきた。
[0071]図2は、本発明の第1の実施形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図である。
[0072]この共振器は、音叉型の振動子1、この場合は実質的にU字形の振動子1を非限定的に備え、振動子1のベース2は、プロング3および4がベース2を基準にして振動できるように、周知の方法でクロックムーブメント(より明瞭にするために図示されていない)のフレーム要素に固着されるものである。
[0073]代替として、音叉は、別の形状、例えば好ましくは、米国特許第3,447,311号明細書に記述されかつ図示されている形状と同様の形状を有することができる。
[0074]前述のように、音叉の振動振幅は非常に小さので、単にひげぜんまいシステムを音叉に置き換えることによる従来の共振器の製作には適さないであろう。
[0075]したがって、出願人は、クロックムーブメント用の音叉を有する機械共振器を開発するために調査を行ってきており、この機械共振器は、変換部材を備えており、
アンクル組立体が枢動するときにアンクル組立体のフォーク歯が音叉プロングの先端の実質的に音叉プロングの軸線方向の運動振幅より大きい軸線方向の運動振幅、すなわち実質的に音叉プロングの軸線方向の運動振幅を有するように、変換部材は、
一方では、第1のインパルスをアンクル組立体に伝達することにより、音叉プロングの運動をアンクル組立体の回転運動に変換するように、
他方では、アンクル組立体からの機械エネルギーをインパルスの形で音叉のプロングに伝達するように設計されている。
[0076]図2は、本発明の例示的な一例による共振器の一実施形態を示す。
[0077]音叉の第1のプロング3の自由端または先端5には、図6a〜図6eの詳細な説明から明らかになるように、従来のシステムにおいてインパルスピンの機能を果たす第1のピン7および第2のピン8を支持する支持体6が設けられる。
[0078]支持体6は、第1のプロング3の方向に対して実質的に垂直な方向の細長い形状を有していて、支持体6の中央付近で第1のプロング3に固定され、ピン7、8は支持体6のそれぞれの端部に配置される。
[0079]ピン7、8は、アンクル組立体10と、より詳細にはアンクル組立体のフォークを形成しているアンクル組立体の第1の歯11および第2の歯12と協働する。
[0080]アンクル組立体10は、アンクル組立体スタフ14によってクロックムーブメントのフレーム要素に枢着されることを目的としたフレームを備える。フレームは、アンクル組立体スタフから延びる第1のアーム15および第2のアーム16を有し、第1のアーム15および第2のアーム16はそれぞれ、第1のアーム15および第2のアーム16の自由端に歯11、12の一方を支持する。
[0081]フレームは、同様にアンクル組立体スタフ14から延びかつがんぎ車24の歯セットと実質的に従来の方式で協働するように設計された第1の歯止め(pallet)21および第2の歯止め22をそれぞれ支持する第1の追加アーム18および第2の追加アーム19も有する。したがって、アンクル組立体10は、アンクル組立体10の歯止め21、22の一方が回転に関してがんぎ車24を係止する第1の位置と他方の歯止めががんぎ車24を係止する第2の位置との間で枢動するものである。アンクル組立体が一方の位置と他方の位置との間で枢動すると、がんぎ車24は自由に回転できる。
[0082]ピン7とピン8との間の距離は、共振器が正確に動作するようにするために、歯11と歯12との間の距離よりわずかに小さい。
[0083]本発明による共振器は、特に振動子が1つのピンではなく2つのピン7および8を支持することにより、それにアンクル組立体のフォークの特別な幾何形状により、従来の共振器の動作と同様の動作を可能にすることが、図2から明らかである。非限定的な指標として示されている解決法は、アンクル組立体ががんぎ車と正確に協働するのに十分な回転振幅を与えることをアンクル組立体に可能にさせるだけでなく、ピン7および8がそれぞれ順番にフォークに入りアンクル組立体を適切な方法で駆動できるようにするとともに、ピン7および8がフォークから対称的に出ることができるようにすることも可能にする。
[0084]もちろん、当業者なら、がんぎ車の歯の数またはアンクル組立体の様々なアームの間のレバーアームを当業者自身の要件に合うようにかつ本発明の範囲から逸脱せずに適合させることができるであろう。
[0085]特に、アンクル組立体のレバーアームは、アンクル組立体の幾何形状を要望に合うように適合させるために、一方ではアンクル組立体スタフとフォーク歯との間の距離を変え、他方ではアンクル組立体スタフと歯止めとの間の距離を変えることによって変えられうることに留意されたい。具体的には、フォークのレバーアームを減少させると、アンクル組立体の回転角度、したがって歯止めの運動振幅の増大が可能になる。
[0086]さらに、フォークのレバーアームを減少させると、それにより歯止めの係止領域および歯止めの幅が拡大することになるため、脱進機を構成しやすくなることにも留意されたい。アンクル組立体の回転角度を増大させると、アンクル組立体の軸線方向におけるフォークの運動を増大させて、1つまたは複数のピンがフォークに対して出入りしやすくなる。したがってフォークの幅は減少されうる。対照的に、エネルギー消費がこの場合は理論的に増大するが、当業者にとって、アンクル組立体およびアンクル組立体のフォークの寸法を当業者自身の要望に合わせるように適合させるのは特に困難ではないであろう。
[0087]図2に示されている実施形態では、アンクル組立体の第1および第2のアーム15、16、ならびに第1および第2の追加アーム18、19は、すべて1つの同一平面内に配置されることに留意されたい。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、特に、共振器の嵩高性の観点から注視されなければならない制約に応じて、他の構成も可能である。
[0088]図3は、図2の共振器の第1の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図を示す。
[0089]図3を理解しやすくするために、図2の参照番号と同じ参照番号が用いられる。
[0090]共振器は、アンクル組立体10の第1および第2の追加アーム18、19が第1および第2のアーム15、16を含む平面とは異なる第2の平面内に延びることを除いて、全体的に図2と同じである。さらに、図3の実施形態では、一方の第1および第2のアームの中線と他方の第1および第2の追加アームの中線とが、両中線の間に80度程度の角度を作る。
[0091]これらの特徴により、がんぎ車は、音叉の平面とは異なる平面内に、かつ、図2の実施形態の場合よりも音叉からさらに小さい離隔距離で配置されうる。
[0092]そのような構成は、音叉−脱進機組立体の嵩高性を低減することを可能にし、腕時計に組み込まれるのにより適している。
[0093]当業者なら、アンクル組立体の形状を、嵩高性に関して当業者自身の制約に合うように改変する際に特に困難に遭遇することはない。
[0094]図4は、図2の共振器の第2の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図を示す。この代替形態では、一方の第1および第2のアーム15、16の中線と他方の第1および第2の追加アーム18、19の中線とが、両中線の間に120度程度の角度を作る。
[0095]図5は、図2の共振器の第3の代替形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図を示す。この代替形態では、一方の第1および第2のアーム15、16の中線と他方の第1および第2の追加アーム18、19の中線とが、両中線の間に180度程度の角度を作る。
[0096]がんぎ車および音叉は、特に、上述したように音叉−脱進機組立体の嵩高性を低減するために、潜在的に少なくとも部分的に重ね合わされうることが、図4および図5から明らかである。
[0097]図6a、図6b、図6c、図6dおよび図6eは、第1のプロング3の振動の半周期にわたって連続的に生じる図2の共振器の動作の詳細図を示す。
[0098]図6aから始めると、音叉の第1のプロング3は、反対方向に戻る直前に、図6aの左への第1のプロング3の矢印の方向の行程を終える。
[0099]この状況では、アンクル組立体10の第1の歯止め21は、がんぎ車24の歯セットと協働してがんぎ車24の歯セットを回転に対して係止する。脱進機はここで静止する。
[00100]プロング3が図の右に向かって戻ると、図6bに示されているように、アンクル組立体の第2の歯12は第2のピン8の経路内にある。これらの2つの部品が接触すると、第2のピンによって伝達されるインパルスの影響を受けてアンクル組立体が図6bの時計回りの方向に回転することにより、係止解除段階が始まる。第1の歯止め21は、がんぎ車24から持ち上げられ、がんぎ車24を自由にする。
[00101]係止解除段階の間、第1の歯11は第1のピン7に向かってずりあがり、この状況は図6cに示されている。
[00102]次いで、図6dに示されているように、アンクル組立体から第1のピン7へのインパルス段階が生じて、音叉の第1のプロング3の振動が持続されるようにする。
[00103]同時に、図6eに示されているように、第2の歯止め22は、第2の歯止め22ががんぎ車24を再び係止するまでがんぎ車24に向かって下がる。
[00104]次いで、第2の半周期が始まり、同じ段階が従来の方法で同じ時間順にもう一度生じる。
[00105]したがって、アンクル組立体10ががんぎ車24と効率的に協働するためには、アンクル組立体10の歯11、12がとる種々の位置の間の最大距離は、とにかく、それ自体が上記に示されたように小さくかつ独力でアンクル組立体を満足に動かすのに十分ではない、音叉のプロング3の振動振幅の2倍より大きい必要があることが分かる。この最大距離は、係止解除段階中に第1および第2の歯が対応するピンからインパルスを受けていた後で第1および第2の歯がとるそれぞれの位置の間の距離である。
[00106]前述の図では、本発明による共振器は、アンクル組立体の十分な回転を確保するために離間される2つの歯11、12と関連付けられた2つのピン7、8を備える変換部材を備える。
[00107]しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく様々な形態の変換部材を製作することが考えられる。
[00108]図7は、同様の結果となりうる、本発明の第2の実施形態によるクロックムーブメント用の機械共振器の概略正面図を示す。
[00109]アンクル組立体100はこの場合、先の図に示されている幅を基準にして縮小された幅のフォーク101と共に、より一般的な形状を有している。
[00110]したがって、この実施形態に使用される変換部材は、レバーアームの原理を用いている。
[00111]この変換部材は、ピボット111を用いてクロックムーブメントのフレーム要素に枢着されることを目的としたレバー110を備える。
[00112]レバー110は、第1の端部に、音叉の第1のプロング3の自由端5に枢着される第1のピン112を備え、第2の端部に、フォーク101の歯の間に係合される第2のピン113を備えていて、このフォーク101と協働し、第1のプロング3が振動したときにアンクル組立体100を枢動させる。
[00113]この場合もまた、フォーク101の歯が占めることができる様々な位置の間の最大距離は、音叉のプロング3の振動振幅の2倍を超えることに留意されたい。しかしながら、変換部材の構造は、音叉の振動を持続させるためにアンクル組立体から音叉へのインパルスの良好な伝達を確保することを可能にするとともに、連係する脱進機の正確な動作を確保できる振幅でアンクル組立体を枢動させるために、音叉からアンクル組立体へのインパルスの良好な伝達を確保することも可能にする。具体的には、レバー110は、音叉の脚の振動振幅を増幅することを可能にする。より具体的には、図7では、使用されるレバーアームは、第2のピン113とピボット111との間の距離と、第1のピン112とピボット111との間の距離との比に等しい。この装置により、適切なアーム比が与えられるという条件で、従来のアンクル組立体が使用されうる。
[00114]この解決法は、第1の実施形態に比べて、構造が複雑になり、関与する構成要素のより急速な摩耗を受けるが、この解決法は、こうしたことにもかかわらず、本発明の特徴に適合する機械共振器の製作を可能にする。
[00115]前述の説明は、非限定的な例示として特定の諸実施形態を説明しようとしてきたが、本発明は、説明したばかりのいくつかの特定の特徴、例えば、音叉、がんぎ車またはアンクル組立体の具体的に図示され説明された形状などの実施に限定されるものではない。
[00116]例えば、上記特徴のサイズが従来のシステムのものよりも約1桁小さいため、歯止めの形状は歯止めを強化するために改変されるべきであることに留意されたい。特に、従来の歯止めの長方形断面は、従来の歯止めの幅が減少するにつれて脆弱となるので、台形断面が好ましいことがある。歯止めをさらに強化するために、歯止めの厚みが増大されてもよい。余分の幅には、もちろん、歯止めとがんぎ車の歯セットとの協働を考慮しなければならない。
[00117]歯止めをアンクル組立体のアームに通常の直角以外の一定角度で固着することにより、歯止めの引き込みを増大させることも考えられる。このような引き込みは、がんぎ車が歯止めに寄り掛かる段階で偶然に自由になる可能性を低減することにより安全対策を提供する。
[00118]当業者なら、当業者自身の目的に合うように本開示の内容を適合させる際に特に困難に遭遇することはなく、本発明の範囲から逸脱することなく、ここに記載されている諸実施形態による機械共振器とは異なるが、上述した自由脱進機を有する共振器を作ることを可能にする変換部材を備える機械共振器を製造するであろう。特に、本発明による共振器の正確な動作を確保するために、変換部材およびアンクル組立体は、アンクル組立体の歯の振動に十分な振幅を保証するように、音叉のピンとがんぎ車との間にレバーアームが作られるような態様で配置されることが好ましい。
[00119]本明細書において上述したように、本発明は、単一のがんぎ車または単一のアンクル組立体を備える共振器に限定されるものではないことにさらに留意されたい。具体的には、第2のがんぎ車が、アンクル組立体に関連付けられることができ、あるいは音叉の第2のプロングと協働する追加のアンクル組立体に関連付けられることもできる。
[00120]さらに、本発明による共振器の様々な構成要素の相対配置に対する制約が厳格であることに留意すべきであり、したがって、当業者は、本発明が具現化される方法を最適化する際に役立つと当業者が考える任意の適当な既知の手段、例えば、共振器の回転構成要素用、特にアンクル組立体用のフレキシブルな回転ガイドを使用できるであろう。
[00121]最後に、シリコン化合物の製作に使用される技術は、説明してきた要素の生産に特に良く役立つことに留意されたい。というのは、特に、この技術は優れた精密製造を保証するからであり、さらに、互いに接触するシリコン要素は、測時分野で一般的に使用される材料を基準にして低摩擦を示すからである。シリコンのこれらの特定の特徴は、音叉の高い振動周波数のために重要性を増す。

Claims (12)

  1. 自由脱進機を有する機械式クロックムーブメント用の音叉機械共振器であって、音叉型の振動子(1)を備え、該振動子(1)の少なくとも1つの第1のプロング(3)が、第1の軸線を中心に振動するものであり、アンクル組立体(10、100)の少なくとも1つの第1のフォーク歯と関連付けられた少なくとも1つの第1のピンを支持して、前記アンクル組立体(10、100)を第1の角度位置と第2の角度位置との間で枢動させて、がんぎ車(24)を交互に係止させ解放させる、音叉機械共振器において、
    前記第1のピンに固着される変換部材(6、7、8、15、16)を備えており、
    前記アンクル組立体が枢動するときに前記第1のフォーク歯が前記第1のピンの実質的に前記第1の軸線方向の運動振幅より大きい軸線方向の運動振幅、すなわち実質的に前記第1の軸線方向の運動振幅を有するように、前記変換部材が、
    一方では、第1のインパルスを前記アンクル組立体(10、100)に伝達することにより、前記振動子(1)の前記第1のプロング(3)の振動を前記アンクル組立体(10、100)の回転運動に変換するように、
    他方では、前記アンクル組立体(10、100)からの機械エネルギーをインパルスの形で前記振動子(1)の前記第1のプロング(3)に伝達するように設計されていることを特徴とする、音叉機械共振器。
  2. 前記変換部材が、前記クロックムーブメントのフレーム要素に枢着されることを目的としたレバー(110)を備え、前記レバー(110)の第1の端部が、前記振動子(1)の前記第1のプロング(3)に対して枢動できるように前記第1のピン(112)に固着され、前記レバーが、前記アンクル組立体(100)を枢動させるために、前記第1のフォーク歯および前記アンクル組立体(100)の第2のフォーク歯と協働することを目的とした第2のピン(113)を支持することを特徴とする、請求項1に記載の音叉機械共振器。
  3. 前記変換部材が、前記振動子(1)の前記第1のプロング(3)に配置されかつ前記第1のピン(7)および第2のピン(8)を支持する支持体(6)を備え、前記第1のピン(7)および前記第2のピン(8)が、前記第1のフォーク歯(11)および前記アンクル組立体(10)の第2のフォーク歯(12)と交互にそれぞれ協働するものであり、前記第1のフォーク歯と前記第2のフォーク歯との間の相対距離よりわずかに小さい相対距離で配置されることを特徴とする、請求項1に記載の音叉機械共振器。
  4. 前記アンクル組立体(10)が、前記第1のフォーク歯(11)および前記第2のフォーク歯(12)をそれぞれ支持する第1のアーム(15)および第2のアーム(16)を有するフレームを備えることを特徴とする、請求項3に記載の音叉機械共振器。
  5. 前記アンクル組立体(10)が、前記アンクル組立体(10)を前記クロックムーブメントに取り付けることを目的としたアンクル組立体スタフ(14)に固着され、前記第1のアーム(15)および前記第2のアーム(16)が実質的に前記アンクル組立体スタフ(14)から延びることを特徴とする、請求項4に記載の音叉機械共振器。
  6. 前記アンクル組立体(10)が、前記がんぎ車(24)と交互に協働することを目的とした第1の追加アーム(18)および第2の追加アーム(19)を備え、前記第1および第2のアーム(15、16)ならびに前記第1および第2の追加アーム(18、19)がすべて、1つの同一平面内に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の音叉機械共振器。
  7. 前記アンクル組立体が、前記がんぎ車(24)と交互に協働することを目的とした第1の追加アーム(18)および第2の追加アーム(19)を備え、一方の前記第1および第2のアーム(15、16)ならびに他方の前記第1および第2の追加アーム(18、19)が、それぞれ異なる第1の平面および第2の平面内に配置されることを特徴とする、請求項5に記載の音叉機械共振器。
  8. 前記アンクル組立体(10)と関連付けられた第2のがんぎ車を備えることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の音叉機械共振器。
  9. 前記振動子の第2のプロングと協働するように設計された追加のアンクル組立体と関連付けられた第2のがんぎ車を備えることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の音叉機械共振器。
  10. 前記振動子および/または前記アンクル組立体および/または前記がんぎ車がシリコン製であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の音叉機械共振器。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の音叉機械共振器を備えるクロックムーブメント。
  12. 請求項11に記載のクロックムーブメントを備える計時器。
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