<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aの詳細について図5を用いて説明する。図5(a)は電動役物34aが閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)である場合を示し、図5(b)は電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)である場合を示している。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
さらにまた、上記のとおり上作動口33と下作動口34とが並設されている、より具体的には上下に並設されているため、電動役物34aが開放状態となった場合には、作動口装置の上方に向けて流下してきた遊技球は、上作動口33及び下作動口34のいずれにも入賞し得る。換言すれば、電動役物34aが開放状態である場合には、後述する発射ハンドル54の操作態様によって、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とを狙い分けることが難しい構成となっている。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
音声ランプ制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図7に基づいて説明する。図7は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図7(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図7(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図8に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図9を用いて説明する。
当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。振分テーブルの内容について図10を用いて説明する。図10に示すように、振分テーブルとしては、図10(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図10(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図10(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持される大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードではそれまでのモードが維持される非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードがそれまでのモードに維持される。つまり、通常遊技状態において非明示2R確変大当たり結果となった場合には、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが低頻度サポートモードに維持される。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図10(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードはそれまでのモードが維持されるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図7の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<保留球格納エリア232の構成>
次に、保留球格納エリア232の構成を、図11を用いてより詳細に説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。また、第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を時系列的に格納するための保留エリアである。ここで、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、同一の構成となっているため、以下には、両保留エリアRa,Rbのうち第1結果表示部用保留エリアRaの構成について説明する。
第1結果表示部用保留エリアRaは、第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
C1記憶領域は2バイトで構成されており、0〜299のいずれかの大当たり乱数カウンタC1値が0〜8の下位9ビットを用いて格納されるようになっている。C1記憶領域のうち9〜15の上位7ビットは未使用領域となっている。
C2記憶領域は1バイトで構成されており、0〜29のいずれかの大当たり種別カウンタC2値が0〜4の下位5ビットを用いて格納されるようになっている。C2記憶領域のうち5〜7の上位2ビットは未使用領域となっている。
C3記憶領域は1バイトで構成されており、0〜238のいずれかのリーチ乱数カウンタC3値が0〜7の全8ビットを用いて格納されるようになっている。
保留数記憶領域は、記憶エリアの使用数、すなわち上作動口33に遊技球が入賞して保留された個数を記憶するための記憶領域である。保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜4のいずれかの値が0〜2の下位3ビットを用いて格納されるようになっている。保留数記憶領域のうち3〜7の上位5ビットは未使用領域となっている。
また、保留球格納エリア232には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける保留数と第2結果表示部用保留エリアRbにおける保留数との和の数の情報を記憶するための総保留数記憶領域が設けられている。総保留数記憶領域は1バイトで構成されており、0〜8のいずれかの値が0〜3の下位4ビットを用いて格納されるようになっている。総保留数記憶領域のうち4〜7の上位4ビットは未使用領域となっている。
図8に示す実行エリアAEは、各結果表示部AS,BSの変動表示を開始する際に、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納された各値を移動させるためのエリアである。実行エリアAEは、各結果表示部用保留エリアRa,Rbの1つ分の記憶エリアと同一構成、すなわち、2バイト構成のC1記憶領域と、1バイト構成のC2記憶領域と、1バイト構成のC3記憶領域とにより構成されている。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図12(a)は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。ここで、MPU202にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について、図12(b)を参照しながら入念的に説明する。主制御基板201には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路201aが設けられており、当該クロック回路201aはMPU202と電気的に接続されている。また、クロック回路201aとMPU202とを繋ぐ所定の信号経路上にはパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として分周回路201bが設けられている。
当該分周回路201bはタイマ割込み処理の起動タイミングをMPU202にて特定するためのパルス信号を出力するように設けられている。つまり、分周回路201bからMPU202に対して2msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。MPU202では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合に、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、MPU202における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから2.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから1.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路201bからのパルス信号の出力はMPU202における処理の経過内容に関係なく2msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は当該特定周期で起動される。さらにまた、MPU202の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理におけるステップS101では、図13に示す読み込み処理を実行する。読み込み処理では、図13のフローチャートに示すように、先ずステップS201にて、上作動口33に対応した検知センサからMPU202の入力ポート(入力部)に入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて上作動口33の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、上作動口33に対応した検知センサは、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる上作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの上作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS201では、上記上作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
上作動口33の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS202にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア234における上作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、上作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS203にて、上作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS209に進む。上作動口の検知済み状態とは、上作動口33への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、上作動口33の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS204にて、上作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。上作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について上作動口33への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS209に進む。
上作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS205にて、上作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS206では、上作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS209に進む。「0」となっている場合には、ステップS207にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納するとともに、ステップS208にて、上作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS209に進む。
ステップS209では、下作動口34に対応した検知センサからMPU202の入力ポートに入力されている情報を確認し、その入力されている情報に基づいて下作動口34の入賞信号を入力しているか否かを判定する。
具体的には、下作動口34に対応した検知センサは、上作動口33に対応した検知センサと同様に、遊技球を検知していない場合には非入賞信号としてのHIレベル信号を出力し、遊技球を検知している場合には入賞信号としてのLOWレベル信号を出力する構成であるが、主制御装置81には反転回路が設けられており、上記検知センサからHIレベル信号が出力されている場合には入力ポートの1ビットからなる下作動口用エリアには無しデータとしての「0」が格納され、上記検知センサからLOWレベル信号が出力されている場合には入力ポートの下作動口用エリアには有りデータとしての「1」が格納される。ステップS209では、上記下作動口用エリアに「1」が格納されているか否かを判定する。
下作動口34の入賞信号を入力していないと判定した場合には、ステップS210にて、主制御装置81のRAM204の各種カウンタエリア234における下作動口用カウンタエリアの情報を入賞基準回数情報に設定する。具体的には、下作動口用カウンタエリアの情報を「2」に設定する。その後、ステップS211にて、下作動口の検知済み状態を解除した後に、ステップS217に進む。下作動口の検知済み状態とは、下作動口34への1個の遊技球の入賞を確認した場合においてその入賞については既に確認済みであることをMPU202にて特定するための状態であり、例えばフラグの有無により検知済み状態であるか否かが判定される。
一方、下作動口34の入賞信号を入力していると判定した場合には、ステップS212にて、下作動口の検知済み状態であるか否かを判定する。下作動口の検知済み状態である場合には、今回入力している入賞信号について下作動口34への入賞発生に係る処理の実行が完了していることを意味するため、そのままステップS217に進む。
下作動口の検知済み状態ではない場合には、ステップS213にて、下作動口用カウンタエリアの情報を1減算する。続くステップS214では、下作動口用カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、そのままステップS217に進む。「0」となっている場合には、ステップS215にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグ(「1」の情報)を格納するとともに、ステップS216にて、下作動口の検知済み状態に設定した後に、ステップS217に進む。
ステップS217では、その他の読み込み処理として、一般入賞口31に対応した検知センサや、可変入賞装置32に対応した検知センサなどからの検知結果を確認し、その確認結果に応じた処理を実行する。
また、本実施の形態では、MPU202において上作動口33や下作動口34への入賞の有無を判定する場合、先ず入賞が発生していないことを示す信号を受信していることを確認し、次に入賞が発生していることを示す信号を受信していることを複数回、具体的には2回に亘って連続したか否かを確認する。この場合に、各確認はタイマ割込み処理の1回の処理回において1回ずつ行われる。つまり、上作動口33への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。また、同様に下作動口34への1個の入賞が発生したと確認してから次の入賞が発生したと確認するまでに、タイマ割込み処理が複数回、具体的には3回実行される必要がある。これにより、電気的なノイズ等の原因で入賞信号を単発的に入力したとしても、それに対して入賞の発生と特定してしまうことを抑制することができる。なお、上記入賞基準回数の具体的な値は「2」に限定されることはなく、複数であれば任意であり、例えば「3」又は「4」以上としてもよい。
但し、上作動口33と下作動口34とのそれぞれに対して個別に検知センサが設けられているとともに、上作動口33への入賞の監視に係る処理と下作動口34への入賞の監視に係る処理との両方が1回のタイマ割込み処理内にて行われるため、タイマ割込み処理の1回の処理回において両作動口33,34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。また、上作動口33への入賞の発生が確認された処理回に対して次の処理回で下作動口34への入賞の発生が確認される場合が生じ得る。
タイマ割込み処理(図12(a))の説明に戻り、ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、上作動口33への入賞に伴う上作動口用の入賞処理を実行し、その後ステップS105にて下作動口34への入賞に伴う下作動口用の入賞処理を実行する。続くステップS106にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
ステップS104における上作動口用の入賞処理、ステップS105における下作動口用の入賞処理及びステップS106におけるスルー用の入賞処理について以下に説明する。
<上作動口用の入賞処理>
先ず、上作動口用の入賞処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS301では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。具体的には、上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定し、上作動口入賞フラグが格納されている場合に遊技球が上作動口33に入賞していると判定する。
遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS302にて上作動口入賞フラグをクリアしてステップS303に進む。ステップS303では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS304では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS305では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。
続くステップS306では、上述したステップS305にてセットした第1始動保留記憶数RaNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。第1始動保留記憶数RaNが上限値である場合にはそのまま本入賞処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS307にて対応する結果表示部用保留エリアの第1始動保留記憶数RaNを1インクリメントするとともに、ステップS308にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS309では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS307にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第1始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS307にて1インクリメントした第1始動保留記憶数RaNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS310では、上作動口33への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、後述する保留予告を実行させるための処理である上作動口に係る保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理については、後に詳細に説明する。ステップS310の処理を実行したら、本上作動口用の入賞処理を終了する。
<下作動口用の入賞処理>
次に、下作動口用の入賞処理について図15のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを判定する。具体的には、下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定し、下作動口入賞フラグが格納されている場合に遊技球が下作動口34に入賞していると判定する。下作動口34に遊技球が入賞していない場合、そのまま本下作動口用の入賞処理を終了する。
遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS402にて下作動口入賞フラグを消去してステップS403に進む。ステップS403では、払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS404では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS405では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。
続くステップS406では、上述したステップS405にてセットした第2始動保留記憶数RbNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが上限値である場合にはそのまま本入賞処理を終了し上限値未満である場合には、ステップS407にて対応する結果表示部用保留エリアの第2始動保留記憶数RbNを1インクリメントするとともに、ステップS408にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS409では、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS407にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、第2始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS407にて1インクリメントした第2始動保留記憶数RbNと対応する記憶エリアに格納する。
続くステップS410では、下作動口34への入賞が発生したことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、後述する保留予告を実行させるための処理である下作動口に係る保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理については、後に詳細に説明する。ステップS410の処理を実行したら、本下作動口用の入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS303,S403にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S602にて払出制御装置97に対して送信される。また、ステップS310又はステップS410のそれぞれの処理により設定された保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(ステップS602)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、上作動口33への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。第1保留ランプ部45は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第1始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1保留ランプ部45が点灯され、第1始動保留記憶数RaNが4であれば全ての第1保留ランプ部45が点灯されるようになっている。また、下作動口34への入賞に基づき送信された保留コマンドを受信した場合には、第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。第2保留ランプ部46は左側から順次点灯されるようになっており、例えば第2始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第2保留ランプ部46が点灯され、第2始動保留記憶数RbNが4であれば全ての第2保留ランプ部46が点灯されるようになっている。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について図16のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS501では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には、ステップS502に進み、役物保留記憶数SNが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。
ステップS501でスルーゲート35に遊技球が入賞したと判定されなかった場合又はステップS502にて役物保留記憶数SNの値が上限値以上と判定された場合には電動役物開放カウンタC4の値を格納することなく、本入賞処理を終了する。
一方、遊技球がスルーゲート35に入賞し、且つ、役物保留記憶数SN<4であることを条件にステップS503に進み、役物保留記憶数SNを1インクリメントする。続く、ステップS504では、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値をRAM204の電役保留エリア233の空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、本入賞処理を終了する。
なお、スルー用の入賞処理では、第3保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。第3保留ランプ部47は左側から順次点灯されるようになっており、例えば役物保留記憶数SNが1であれば左端の第3保留ランプ部47が点灯され、役物保留記憶数SNが4であれば全ての第3保留ランプ部47が点灯されるようになっている。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS601〜S607の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS609,S610のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS601では、制限解除処理を実行する。制限解除処理については後述する。続くステップS602では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS603では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS604では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS605では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部AS,BSの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS606では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
ステップS607では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。
続くステップS608では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS609,S610)。つまり、ステップS609では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS610では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS601〜S607の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS605の遊技回制御処理を図18〜図23のフローチャートを参照して説明する。
図18に示す遊技回制御処理では、先ずステップS701にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS702以降の処理、すなわちステップS703〜ステップS706の遊技回開始用処理及びステップS707〜ステップS711の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS702にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS703〜ステップS706の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS703にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。始動保留球数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS704にて保留球格納エリア232の保留用エリアREに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS705にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。
その後、ステップS706にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動開始フラグ格納エリア(開始実行情報記憶手段)に変動開始フラグ(開始実行情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該変動開始フラグは、変動表示が開始された直後であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図17)のステップS601における制限解除処理にて消去される。
ここで、ステップS704のデータ設定処理及びステップS705の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS801にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS802〜ステップS807の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS808〜ステップS813の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS802にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS803では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS804では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS805にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS806では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS807では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である上側シフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含む上側シフト時コマンドを選定し、その選定した上側シフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS807にて設定された上側シフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS808にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS809では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS810では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS811にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS812では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS813では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声ランプ制御装置82に認識させるための情報である下側シフト時コマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含む下側シフト時コマンドを選定し、その選定した下側シフト時コマンドを音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS813にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留ランプ部46における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、変動開始処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS901にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。
当否判定処理では、図21のフローチャートに示すように、先ずステップS1001にて、実行エリアAEに格納された情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。続くステップS1002では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納されているか否かを判定する。高確率モードフラグは確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
低確率モードである場合には、ステップS1003にて、ROM203の当否テーブルとして設定された各種大当たり数値情報のうち、今回当否判定を行う上で参照する大当たり数値情報の数を設定すべく、確認個数を「1」に設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234には、確認個数記憶手段(又は当否判定用計測手段)として確認個数カウンタエリアが設けられており、ステップS1003では、当該確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1004にて、確認個数を「10」に設定する。具体的には、上記確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新する。
ステップS1003又はステップS1004の後は、ステップS1005にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「1」である場合には、当否テーブルにおいて「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」の情報を取得する。また、例えば、上記確認個数カウンタエリアの情報が「10」である場合には、当否テーブルにおいて「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」の情報を取得する。
続くステップS1006では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1001にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1005にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1007にて、ステップS1006にて比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1008にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1009にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1005に戻り、次の大当たり数値情報を参照して当否判定を行う。
つまり、当否抽選モードが高確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS1004にて確認個数として「10」を設定する。この場合においてステップS1001にて把握した大当たり判定用の情報が大当たり当選とならない情報である場合には、先ず「10」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「272」を参照して比較処理を行い、次に「9」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「241」を参照して比較処理を行い、さらに「8」〜「2」のそれぞれのアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行い、最後に「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報である「7」を参照して当否判定を行うように、ステップS1005〜ステップS1009の処理を繰り返し実行する。そして、「1」のアドレス情報に対応した大当たり数値情報を参照して比較処理を行った後に、本当否判定処理を終了する。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、既に説明したように、ステップS1003にて確認個数として「1」が設定されるため、比較処理の結果が不一致でありステップS1007にて否定判定をした場合には、ステップS1008にて確認個数を1減算することに伴って当該確認個数が「0」となり、ステップS1009にて否定判定されることで、ステップS1005〜ステップS1009の処理を繰り返すことなく、本当否判定処理を終了する。
一方、ステップS1001にて把握した大当たり判定用の情報がいずれかの大当たり数値情報と一致する場合には、かかる大当たり数値情報をステップS1005にて取得した場合に、ステップS1006における比較処理にて比較対象の両情報が一致し、ステップS1007にて肯定判定をする。この場合、ステップS1010にてMPU202のレジスタに大当たり情報を記憶する。その後、本当否判定処理を終了する。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS901にて当否判定処理を実行した後は、ステップS902にて、ステップS901における当否判定処理の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS903〜ステップS910において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS903では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS904にて第1結果表示部用の振分テーブル(図10(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS905にて第2結果表示部用の振分テーブル(図10(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS904又はステップS905の処理の後は、ステップS906にて、ステップS904又はステップS905において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS907にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。
確変大当たり用の停止結果設定処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101にて、ステップS904又はステップS905において振り分けた遊技結果が15R確変大当たり結果であるか否かを判定する。ここで、既に説明したように、第1結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果の複数種類の遊技結果が設定されているが、第2結果表示部用の振分テーブルには、確変大当たり結果として、15R確変大当たり結果の1種類のみが設定されている。したがって、今回の遊技回が上作動口33への遊技球の入賞に基づくものであり、第1結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS901にて否定判定をする場合もあれば、肯定判定をする場合もある。一方、今回の遊技回が下作動口34への遊技球の入賞に基づくものであり、第2結果表示部用の振分テーブルにおいて遊技結果の振分が行われた遊技回である場合には、ステップS1101にて必ず肯定判定をする。
ステップS1101にて、否定判定をした場合には、ステップS1102にて、上記振り分けた遊技結果が明示2R確変大当たり結果であるか否かを判定する。明示2R確変大当たり結果である場合には、ステップS1103にて、停止結果テーブル記憶エリア224における明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS1104にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS1105にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における明示2R確変フラグ格納エリア(明示高確率対応情報記憶手段)に明示2R確変フラグ(明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS1102にて否定判定をした場合には、ステップS1106にて、停止結果テーブル記憶エリア224における非明示2R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS1107にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS1108にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における非明示2R確変フラグ格納エリア(非明示高確率対応情報記憶手段)に非明示2R確変フラグ(非明示高確率対応情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
ステップS1101にて肯定判定をした場合には、ステップS1109にて、停止結果テーブル記憶エリア224における15R確変用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、ステップS1110にて、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS1111にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における15R確変フラグ格納エリア(高確率対応特別情報記憶手段)に15R確変フラグ(高確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS907の処理を実行した後は、ステップS911に進む。一方、ステップS904又はステップS905において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS906にて否定判定をし、ステップS908に進む。ステップS908では、停止結果テーブル記憶エリア224における通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS909にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における通常大当たりフラグ格納エリア(低確率対応特別情報記憶手段)に通常大当たりフラグ(低確率対応特別情報)を格納した後に、本停止結果設定処理を終了する。その後、ステップS911に進む。
また、ステップS902にて大当たり当選でない場合、ステップS910に進む。ステップS910では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。当該外れ時用の停止結果設定処理では、停止結果テーブル記憶エリア224における外れ時用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS911に進む。
ステップS911では、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。変動表示時間の設定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、先ずステップS1201にて、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得し、MPU202のレジスタに記憶する。
続くステップS1202では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に、いずれかの確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1202にて肯定判定をする。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS1202にて肯定判定をする。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS1202にて肯定判定をした場合には、ステップS1203にてROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、ステップS1204にて、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
一方、ステップS1202にて否定判定をした場合には、ステップS1205にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS1206にて、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、共通保留数CRNの数に依存しない構成としてもよく、共通保留数CRNの数が少ないほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合には、第1始動保留記憶数RaNの数が多いほど変動表示時間が短くなり、第2始動保留記憶数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留記憶数RbNの数が多いほど変動表示時間が長くなる又は各保留記憶数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、保留情報の数及び変動種別カウンタの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図20)の説明に戻り、ステップS911の後は、ステップS912にて、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS913にて、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が上作動口33への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS914にて、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が下作動口34への入賞に基づき取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれている。
ステップS913又はステップS914の処理を実行した後は、ステップS915にて種別コマンドを設定する。種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報などが含まれる。
ステップS913〜ステップS915にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、音声ランプ制御装置82では、その受信した変動用コマンド及び種別コマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS916にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。
遊技回制御処理(図18)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS707〜ステップS711の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS707にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図21)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図12(a))が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS708にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS709にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS907、ステップS908又はステップS910のいずれかの処理にてRAM204に記憶したアドレス情報を特定し、そのアドレス情報に対応した絵柄の態様が今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。
続くステップS710では、変動終了コマンドを設定する。ステップS710にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
その後、ステップS711にて、RAM204の各種フラグ格納エリア235における制限フラグ格納エリア(制限情報記憶手段)に制限フラグ(制限情報)を格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。当該制限フラグは、後述する保留予告用の確認処理の実行が制限される状況であることをMPU202において特定するためのフラグであり、通常処理(図17)のステップS601における制限解除処理にて消去される。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS606の遊技状態移行処理を図24及び図25のフローチャートを参照して説明する。
図24に示す遊技状態移行処理では、先ずステップS1301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS1302に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS1303にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS1304にて、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS1305では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1306にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「2」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS1307にて、第1ラウンドカウンタエリアRC1に、「15」をセットする。
ステップS1306又はステップS1307の処理を実行した後は、ステップS1308にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。また、当該オープニングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該オープニングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。ステップS1308の処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS1301にて肯定判定をし、ステップS1309にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大入賞口32aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部32cを駆動状態とすることで大入賞口32aを開放させる。また、大入賞口32aが開放中である場合には、当該大入賞口32aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部32cの駆動状態を停止し、大入賞口32aを閉鎖させる。なお、開放限度時間及び開放限度個数は、既に説明したように、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとで異なっている。
続くステップS1310では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS1311にてエンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。また、当該エンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該エンディングコマンドを受信することにより、今回の開閉実行モードに対応した表示を終了させる。
その後、ステップS1312では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1401にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1402にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1403にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1404にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
続くステップS1405では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ステップS1401にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1406にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1407にて、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されていない場合には、ステップS1408〜ステップS1410の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、ステップS1408では、上記フラグ消去処理を実行する。また、ステップS1409では、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、高確率モードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
また、ステップS1410では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
一方、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、ステップS1407にて肯定判定をし、ステップS1402〜ステップS1405の各処理を実行した後に、本移行処理を終了する。この場合、サポートモードが高頻度サポートモードとなるとともに、当該高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。
ステップS1406にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、通常大当たりフラグが格納されていることに基づいて今回の開閉実行モードが行われたことを意味する。この場合、ステップS1411〜ステップS1414の処理を実行する。つまり、ステップS1411にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1412にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1413にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。
続くステップS1414では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である高頻度サポートコマンド(高頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本移行処理を終了する。
ちなみに、ステップS1405又はステップS1414にて設定された高頻度サポートコマンド及びステップS1410にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は高頻度サポートコマンド及び低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、高頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが高頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。また、表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これらについては、後に詳細に説明する。
遊技状態移行処理(図24)の説明に戻り、ステップS1312の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS1313にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。
その後、ステップS1314にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<電役サポート用処理>
次に、ステップS607の電役サポート用処理を図26及び図27のフローチャートを参照して説明する。
図26に示すように、電役サポート用処理では先ずステップS1501にて、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート中フラグ格納エリアにサポート中フラグが格納されているか否かを判定する。サポート中フラグは、下作動口34の電動役物34aを開放状態とする場合に格納され、閉鎖状態に復帰される場合に消去されるフラグである。
サポート中フラグが格納されていない場合にはステップS1502に進み、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられたサポート当選フラグ格納エリアにサポート当選フラグが格納されているか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選において開放状態当選となった場合に格納され、サポート中フラグが格納される場合に消去されるフラグである。
サポート当選フラグが格納されていない場合にはステップS1503に進み、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1504にて、役物用表示部44における絵柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。変動表示の終了タイミングである場合には、ステップS1505にて、外れ表示を設定した後に、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。
第2タイマエリアT2の値が「0」であって変動表示の終了タイミングでない場合には、ステップS1506にて、役物保留記憶数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。役物保留記憶数SNの値が「0」である場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。役物保留記憶数SNの値が「0」より大きい場合には、ステップS1507にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1508にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1509にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。なお、第2タイマエリアT2はタイマ割込み処理が起動される度に1ディクリメントされる。
続くステップS1510では、ステップS1509の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、ステップS1511の処理を実行することなくステップS1512に進み、サポート当選である場合には、ステップS1511にてサポート当選フラグを格納するとともに、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットした後に、ステップS1512に進む。
ステップS1512では、当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1512にて否定判定をした場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。ステップS1512にて肯定判定をした場合には、ステップS1513にて遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1ディクリメントされる。遊技回数カウンタエリアが「0」でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。遊技回数カウンタエリアが「0」である場合には、ステップS1514にて高頻度サポートフラグを消去する。続くステップS1515では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報である低頻度サポートコマンド(低頻度サポート設定情報)を、音声ランプ制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1515にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82は低頻度サポートコマンドをそのまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1516にて開放抽選を行う。具体的には、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS1517では、ステップS1516の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS1518にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート当選フラグが格納されている場合には、ステップS1502にて肯定判定をし、ステップS1519に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、役物用表示部44における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合には、ステップS1520にて、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で役物用表示部44における絵柄の変動表示が終了される。続くステップS1521では、サポート中フラグを格納するとともに、サポート当選フラグを消去した後に、本電役サポート用処理を終了する。
サポート中フラグが格納されている場合には、ステップS1522に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉処理を実行した後に、本電役サポート用処理を終了する。電役開閉制御処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS1601にて電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かで判定する。電動役物34aが開放されている場合にはステップS1602に進み、第2タイマエリアT2の値が「0」か否かを判定する。
第2タイマエリアT2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2の値が「0」である場合にはステップS1603に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。
その後、ステップS1604では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1ディクリメントした後に、ステップS1605にて第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」か否かを判定する。第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了し、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」である場合には、サポート中フラグを消去した後に、本電役開閉処理を終了する。
一方、電動役物34aが開放中でない場合にはステップS1601にて否定判定をし、ステップS1607に進む。ステップS1607では、第2タイマエリアT2が「0」であるか否かを判定する。第2タイマエリアT2が「0」でない場合には、そのまま本電役開閉処理を終了する。第2タイマエリアT2が「0」である場合には、ステップS1608にて、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。
その後、ステップS1609にて開閉実行モード中か否かを判定するとともに、ステップS1610にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。開閉実行モードではなく且つ高頻度サポートモードである場合には、ステップS1611にて第2タイマエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。一方、開閉実行モードである場合又は高頻度サポートモードでない場合には、ステップS1612にて第2タイマエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットした後に、本電役開閉処理を終了する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232の第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて表示制御装置212にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図28のブロック図を参照して以下に説明する。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、既に説明した、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留ランプ部45,46及び前扉枠14に設けられた表示ランプ部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化された素子であるMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。なお、MPU252に対してプログラムROM253及びワークRAM254が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU252は、音声ランプ制御装置82を経由して主制御装置81から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。上記固定値データの一部は、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に予め記憶されている。かかるエリア261の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリア262〜263に記憶される。これらのエリア262〜263の詳細については、MPU252にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。キャラクタROM256には、上記データの一部として、図柄表示装置41の各保留表示領域Ga,Gbに表示させるための画像データが格納された保留用画像データ記憶エリア269が設定されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、各保留表示領域Ga,Gbに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、第1保留表示領域Gaにおける単位保留表示領域Ga1〜Ga4にそれぞれ1対1で対応するように、第1上単位エリア272、第2上単位エリア273、第3上単位エリア274、第4上単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaに対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。また、保留表示用エリア271には、第2保留表示領域Gaにおける単位保留表示領域Gb1〜Gb4にそれぞれ1対1で対応するように、第1下単位エリア276、第2下単位エリア277、第3下単位エリア278、第4下単位エリア279が設定されている。保留表示領域Gbに対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4では、各単位エリア276〜279に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜279に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面における背景画像が表示される。
<主制御装置81にて実行される保留予告に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告に係る処理について説明する。主制御装置81のMPU202における保留予告に係る処理として、上作動口に係る保留予告用の確認処理と、下作動口に係る保留予告用の確認処理と、保留コマンドの設定処理とが設定されている。
<上作動口に係る保留予告用の確認処理>
先ず、上作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。上作動口に係る保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図12(a))の一部の処理として設定された上作動口用の入賞処理(図14)のステップS310において実行される。
図29は、上作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステッップS1701では、高頻度サポートモードか否かを判定する。具体的には、高頻度サポートフラグが格納されているか否かを判定し、高頻度サポートフラグが格納されている場合に高頻度サポートモードであると判定する。ステップS1701にて高頻度サポートモードでない場合、ステップS1702に進む。ステップS1702では、下当否判定実行フラグが各種フラグ格納エリア235の下当否判定実行フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。下当否判定実行フラグは、後述する下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理(ステップS1804〜ステップS1814)が通常処理の1回の処理回にて既に実行されていることを示すものである。
ステップS1702にて、下当否判定実行フラグが格納されている場合、ステップS1703に進む。ステップS1703では、抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、高確率モードフラグが格納されているか否かを判定し、高確率モードフラグが格納されている場合に高確率モードであると判定する。
ステップS1703にて高確率モードである場合、ステップS1704に進む。ステップS1704では、上述した制限フラグ(遊技回制御処理におけるステップS711にて格納される)が制限フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。
ステップS1702にて、下当否判定実行フラグが格納されていない場合、ステップS1703にて高確率モードでない場合、ステップS1704にて制限フラグが格納されていない場合、ステップS1705〜ステップ1715の保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。
ステップS1705では、今回の入賞に基づきステップS309にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。その後、ステップS1706〜ステップS1713にて、当否判定処理(図21)におけるステップS1002〜ステップS1009と同一の処理を実行する。
すなわち、ステップS1706では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS1707にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」の情報に更新することで、確認個数を「1」に設定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS1708にて、RAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」の情報に更新することで、確認個数を「10」に設定する。
ステップS1707又はステップS1708の後は、ステップS1709にて、確認個数に対応したアドレスの大当たり数値情報を、当否テーブルとして設定された情報から取得する。続くステップS1710では、比較処理を実行する。具体的には、ステップS1705にて把握した大当たり判定用の情報と、ステップS1709にて取得した大当たり数値情報とを比較する。その後、ステップS1711にて、ステップS1710において比較処理を行った結果、両情報が一致しているか否かを判定する。
比較結果が一致していない場合には、ステップS1712にて、上記確認個数カウンタエリアの情報を1減算することで、確認個数を1減算する。その後、ステップS1713にて、上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より大きい情報であるか否かを判定する。「0」の情報より大きい情報である場合には、ステップS1709に戻り、次の大当たり数値情報を参照して比較処理を行う。
ステップS1711にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS1714にて一致保留コマンドを設定する。一方、ステップS1707又はステップS1708にて設定された確認個数に対応する大当たり数値情報のいずれとも一致しない場合には、最終的にステップS1713の処理にて否定判定をする。この場合、ステップS1715にて不一致保留コマンドを設定する。
ステップS1714又はステップS1715にて保留コマンドを設定したらステップS1716に進む。ステップS1716では、上当否判定実行フラグを各種フラグ格納エリア235に設けられた上当否判定実行フラグ格納エリアに格納する。上当否判定実行フラグは、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理(ステップS1705〜ステップS1715)が実行されたことを示すものであり、通常処理の1回の処理回において既にその上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されていることを示すものである。また、上当否判定実行フラグは、後述する制限解除処理が実行された場合に消去される。
続くステップS1717にて設定されている保留コマンドに上作動口用の情報を設定する。具体的には、既に設定されている保留コマンドにおける入賞対象の情報用のビットに対して、上作動口の情報、すなわち「1」を格納する。なお、当該ビットには初期値として「0」が格納されており、この場合、そのコマンドは下作動口34への入賞に係るものであることを意味する。ステップS1717の処理が実行されることにより、設定された保留コマンドが上作動口33への入賞に係るものであることを特定される。
一方、ステップS1701にて高頻度サポートモードである場合、又は、ステップS1704にて制限フラグが格納されている場合、ステップS1718に進む。ステップS1718では、ステップS1716と同様に不一致保留コマンドを設定する。その後ステップS1717に進み、上作動口用の情報をステップS1718にて設定した保留コマンドに設定して本上作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。
ステップS1714、ステップS1715又はステップS1718にて設定された保留コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
ステップS1701〜ステップS1704の処理が実行されることにより、高頻度サポートモードである場合(ステップS1701:YES)、又は、下当否判定実行フラグと制限フラグとが格納されており、高確率モードである場合(ステップS1702〜ステップS1704:YES)には、ステップS1705〜ステップS1715の保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。
上述したように、高頻度サポートモードである場合、下作動口34に遊技球が入賞する頻度が高くなる。また、下作動口34に遊技球が入賞した場合、その入賞に基づく変動表示が上作動口33への入賞に基づく変動表示よりも優先して実行される(データ設定処理(図19)におけるステップS801)。これにより、高頻度サポートモードにおいて、上作動口への入賞に基づく保留予告を行った場合、その保留予告の実行の契機となった入賞に基づく変動表示が実行のタイミングが遅くなる不具合の発生が考えられる。このため、高頻度サポートモードである場合に、上作動口33への入賞に基づく保留予告と下作動口34への入賞に基づく保留予告とでは、下作動口34への入賞に基づく保留予告を実行することが望ましい。この点、本パチンコ機10では、高頻度サポートモードにおいては、ステップS1705〜ステップS1715の保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限することにより、高頻度サポートモードにおいては下作動口34への入賞に基づく保留予告が実行されることとなる。よって、上記不具合が発生することを防止できる。
高頻度サポートモードでない場合でも、下当否判定実行フラグと制限フラグとが格納されており、高確率モードである場合には、ステップS1705〜ステップS1715の保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。下当否判定実行フラグ及び制限フラグのそれぞれが格納されている場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理及び変動開始処理のそれぞれにて当否判定処理が行われている。高確率モードである場合、大当たり数値情報の確認個数が多く、各当否判定処理の実行に係る時間が長くなる。この場合に、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理を実行すると、タイマ割込み処理及び通常処理のそれぞれの処理時間が長くなり、通常処理(図17)の1回の処理回が4msec周期にて実行できなくなる不具合が考えられる。下当否判定実行フラグ及び制限フラグのそれぞれが格納されている場合に上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理を実行しないことは、通常処理が所定周期で実行できなくなることを防止するための工夫である。
また、低確率モードである場合には、下当否判定実行フラグ及び制限フラグのそれぞれが格納されているか否かに関わらず、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するようにした。低確率モードである場合、高確率モードである場合に比べ、大当たり数値情報の確認個数が少ない。具体的には、高確率モードにおける大当たり数値情報の確認個数は「10」個であり、低確率モードにおける大当たり数値情報の確認個数は1個である。このため、低確率モードにおいては、変動開始処理及び各保留予告用の確認処理のそれぞれにて当否判定を行ったとしても確認する大当たり数値情報の個数は合計して「3」個となる。これは、高確率モードにて1回の当否判定処理が実行される場合の確認個数である「10」個よりも少ない。したがって、低確率モードである場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理及び変動開始処理のそれぞれにて当否判定処理が実行されているか否かに関わらず、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行したとしても、通常処理を所定周期にて実行できる。これにより、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行したとしても不具合が生じない場合に、その当否判定処理が実行されなくなることを防止できる。
<下作動口に係る保留予告用の確認処理>
次に、下作動口に係る保留予告用の確認処理について説明する。下作動口に係る保留予告用の確認処理は、タイマ割込み処理(図12(a))の一部の処理として設定された下作動口用の入賞処理(図15)のステップS410において実行される。
図30は、下作動口に係る保留予告用の確認処理を示すフローチャートである。先ずステップS1801では、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて上当否判定実行フラグが格納されているか否かを判定する。上当否判定実行フラグが格納されている場合、ステップS1802に進む。ステップS1802では、ステップS1704と同様に制限フラグが格納されているか否かを判定する。制限フラグが格納されている場合、ステップS1803に進む。ステップS1803では、ステップS1703と同様に高確率モードであるか否かを判定する。
ステップS1801にて上当否判定実行フラグが格納されていない場合、ステップS1802にて制限フラグが格納されていない場合、又は、ステップS1803にて高確率モードでない場合、ステップS1804〜ステップS1814の下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。ステップS1804〜ステップS1814の当否判定処理は、上述した上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理(ステップS1705〜ステップS1715)と同様のため、説明を省略する。
ステップS1813又はステップS1814にて保留コマンドを設定した場合、ステップS1815に進む。ステップS1815では、下当否判定実行フラグを下当否判定実行フラグ格納エリアに格納する。また、下当否判定実行フラグは、後述する制限解除処理が実行された場合に消去される。ステップS1815の処理を実行したら本下作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。
一方、ステップS1803にて、高確率モードである場合、ステップS1816に進む。ステップS1816では、不一致保留コマンドを設定する。不一致保留コマンドを設定したら本下作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。
ステップS1813、ステップS1814又はステップS1816にて設定された保留コマンドは、通常処理(図17)におけるステップS602にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、かかる保留コマンドを受信することにより、保留情報が増加したことを特定する。また、音声ランプ制御装置82では、保留コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した保留コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
ステップS1801〜ステップS1803の処理が実行されることにより、上当否判定実行フラグと制限フラグとが格納されており、高確率モードである場合(ステップS1801〜ステップS1803:YES)には、ステップS1804〜ステップS1814の保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。
上当否判定実行フラグ及び制限フラグのそれぞれが格納されている場合、上作動口に係る保留予告用の確認処理及び変動開始処理のそれぞれにて当否判定処理が行われている。高確率モードである場合、大当たり数値情報の確認個数が多く、各当否判定処理の実行に係る時間が長くなる。この場合に、下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理を実行すると、タイマ割込み処理及び通常処理のそれぞれの処理時間が長くなり、通常処理(図17)の1回の処理回が4msec周期にて実行できなくなる不具合が考えられる。上当否判定実行フラグ及び制限フラグのそれぞれが格納されている場合に下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理を実行しないことは、通常処理が所定周期で実行できなくなることを防止するための工夫である。
上述したように、高頻度サポートモードでは、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処が実行されない。このため、高頻度サポートモードでは、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理よりも優先して実行されているともいえる。
また、タイマ割込み処理(図12(a))では、上作動口用の入賞処理(図14)が下作動口(図15)への入賞処理よりも先に実行される。これにより、タイマ割込み処理の1回の処理回における読み込み処理にて上作動口入賞フラグ及び下作動口入賞フラグのそれぞれが格納された場合、上作動口に係る保留予告用の確認処理(図29)における当否判定処理が実行された後に下作動口に係る保留予告用の確認処理(図30)が実行される。このため、低頻度サポートモードかつ高確率モードである場合、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて上当否判定実行フラグが格納された後に、下作動口に係る保留予告用の確認処理が実行される。したがって、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理に実行が制限される(ステップS1802:YES)。
本構成であることにより、低頻度サポートモードかつ、高確率モードである状況において、1回の読み込み処理の処理回にて、上作動口入賞フラグ及び下作動口入賞フラグのそれぞれが格納された場合、各保留予告用の確認処理における当否判定処理のうち、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が優先して実行されることとなる。低頻度サポートモードにおいては、下作動口34への入賞が上作動口33への入賞に比べ発生しにくく、上作動口33への入賞に基づく変動表示が連続して実行されるものと考えられる。このため、下作動口34への入賞に基づいて複数の保留情報が取得されている状態にはなりにくく、上作動口33への入賞に基づいて複数の保留情報が取得されている状態にはなり易い。低頻度サポートモード及び高確率モードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞に基づく保留予告用の確認処理における当否判定の実行を優先したことにより、保留予告を良好に実行できる。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理を、図31,32のフローチャートを参照しながら説明する。保留予告制御処理は、MPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。なお、以下の説明では、図33(a),(b)を適宜参照する。図33(a),(b)は保留予告の様子を説明するための説明図である。
先ず、上作動口に対応した保留予告制御処理(図31)について説明する。上作動口に対応した保留予告制御処理では、先ずステップS1901にて、音声ランプ制御装置82から上作動口33への入賞に基づく保留コマンド(一致保留コマンド又は不一致保留コマンド)を受信したか否かを判定する。具体的には、受信した保留コマンドに上作動口用の情報が設定されているか否かを判定する。
上作動口に対応した保留コマンドを受信している場合には、ステップS1902にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている第1表示側保留記憶数SaNを1加算する。当該表示側保留記憶数SaNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、保留表示用エリア271における第1表示側保留記憶数SaNに対応した単位エリア272〜275に対して保留表示情報の設定が行われる。
続くステップS1903では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。具体的には、開閉実行モードが開始された場合、遊技状態移行処理(図24)にて設定されたオープニングコマンド(ステップS1308)を受信した場合に開閉実行フラグがワークRAM254に格納され、エンディングコマンド(ステップS1311)を受信した場合にその開閉実行フラグが消去される。開閉実行フラグが格納されている場合に開閉実行モード中であると判定される。
ステップS1903にて開閉実行モード中でない場合、ステップS1904に進む。ステップS1904では、今回受信した保留コマンドが一致保留コマンドであるか否かを判定する。一致保留コマンドである場合には、ステップS1905にて、保留予告を実行するか否かの抽選を行うための報知発生抽選処理を実行する。報知発生抽選処理では、先ず、ワークRAM254の抽選用カウンタエリア262から報知発生抽選用のカウンタ値を読み出す。
ここで、抽選用カウンタエリア262は「0〜99」のカウンタ値を格納可能に構成されており、例えば2msec周期といった所定の周期で1加算される構成となっているとともに、最大値に達した後「0」に初期化される構成となっている。そして、報知発生抽選処理では、プログラムROM253の抽選用テーブル記憶エリア261に記憶されている報知発生抽選用テーブルを参照して、上記読み出した報知発生抽選用のカウンタ値が報知発生当選に対応しているか否かを判定する。
報知発生当選となる確率は、任意であるが、本パチンコ機10では、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても1/5の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。ちなみに、主制御装置81は当否抽選モードが低確率モードから高確率モードに移行する場合に高確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信するとともに、高確率モードから低確率モードに移行する場合に低確移行コマンドを音声ランプ制御装置82に送信する構成であり、表示制御装置212では音声ランプ制御装置82を経由して受信する高確移行コマンド及び低確移行コマンドによって高確率モード及び低確率モードのいずれであるかを特定する。なお、報知発生抽選の当選確率は上記のものに限定されることはなく、低確率モードと高確率モードとで当選確率が異なっていてもよい。
ステップS1905にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS1906にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1907にて当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、保留表示用エリア271における上単位エリア272〜275のうち、上記ステップS1902にて1加算した第1表示側保留記憶数SaNに対応した単位エリアに対して報知情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
例えば、第1表示側保留記憶数SaNが「1」であれば、第1上単位エリア272に対して報知情報が格納されるように内部コマンドを出力し、第1表示側保留記憶数SaNが「4」であれば、第4上単位エリア275に対して報知情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに報知情報が格納されることにより、図33(a)に示すように、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「○」の画像が表示される。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となる期待度が高いことを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第1保留表示領域Gaにも注目することとなる。
一方、ステップS1906にて報知発生抽選処理にて報知発生当選とならなかった場合には、ステップS1908にて、外れ情報の設定処理を実行する。
具体的には、保留表示用エリア271における上単位エリア272〜エリア275のうち、上記ステップS1902にて1加算した第1表示側保留記憶数SaNに対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、図33(a)に示すように、第1保留表示領域Gaの対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4において「●」の画像が表示される。
ステップS1904にて一致保留コマンドを受信していない場合、ステップS1909に進む。ステップS1909では、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。具体的には、表示制御装置212は、高頻度モードとなった場合に音声ランプ制御装置82を介して主制御装置81から高頻度モードサポートとなったことを示すコマンドを受信する。また、低頻度サポートモードとなった場合に音声ランプ制御装置82を介して主制御装置81から低頻度サポートモードとなったことを示すコマンドを受信する。各コマンドを受信した場合に、高確率フラグ又は低確率フラグをワークRAM254に格納することにより、表示制御装置212にて抽選モードを把握できる。
高頻度サポートモードでない場合、ステップS1910に進む。ステップS1910では、ステップS1905と同様に報知発生抽選処理を実行する。但し、本報知発生抽選処理では、報知発生当選となる確率は、低確率モード及び高確率モードのいずれであっても1/50の確率で報知発生当選となるように報知発生抽選用テーブルが設定されている。これは、一致保留コマンドを受信した場合に実行される報知発生抽選処理(ステップS1905)にて報知発生当選となる確率よりも低くなっている。
その後、ステップS1911では報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であったか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS1912に進む。ステップS1912では、ステップS1907と同様に報知情報の設定処理を実行する。
ステップS1903にて開閉実行モードである場合、ステップS1909にて高頻度サポートモードである場合、又は、ステップS1911にて報知発生当選でない場合、ステップS1913に進み、ステップS1908と同様に外れ情報の設定処理を実行する。
ステップS1910〜ステップS1913の処理が実行されることにより、一致保留コマンドを受信しなくとも、保留予告が実行される。これにより、保留予告が実行された場合に、一義的に大当たり当選となることを防止できる。
上作動口に係る保留予告用の確認処理(図29)にて説明したように、高頻度サポートモードでは、上作動口への入賞に基づき一致保留コマンドが主制御装置81から出力されない。ステップS1909にて高頻度サポートモードか否かを判定し、高頻度サポートモードである場合に報知情報を設定しないことは、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されない状況において、不一致保留コマンドを受信した場合にのみ保留予告が実行されることを防止するための工夫である。
ステップS1901にて否定判定をした場合、ステップS1907、ステップS1908、ステップS1912、又はステップS1913の処理を実行した場合には、ステップS1914にて、音声ランプ制御装置82から上側シフト時コマンドを受信したか否かを判定する。上側シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
上側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS1915にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている第1表示側保留記憶数SaNを1減算する。続くステップS1916では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1上単位エリア272〜第4上単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
具体的には、第1上単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2上単位エリア273→第1上単位エリア272、第3上単位エリア274→第2上単位エリア273、第4上単位エリア275→第3上単位エリア274といった具合に各上単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
次に、下作動口に対応した保留予告制御処理(図32)について説明する。先ずステップS2001にて、音声ランプ制御装置82から下作動口34への入賞に基づく保留コマンド(一致保留コマンド又は不一致保留コマンド)を受信したか否かを判定する。具体的には、受信した保留コマンドに上作動口用の情報が設定されているか否かを判定し、上作動口用の情報が設定されていない場合に、下作動口34への入賞に基づく保留コマンドであると判定する。
下作動口に対応した保留コマンドを受信している場合には、ステップS2002にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている第2表示側保留記憶数SbNを1加算する。当該表示側保留記憶数SbNは、ビデオRAM257の保留表示用エリア271に対応しており、保留コマンドの受信に対して保留表示情報の設定を行う場合には、保留表示用エリア271における第1表示側保留記憶数SaNに対応した下単位エリア276〜279に対して保留表示情報の設定が行われる。
ステップS2002の処理を実行したらステップS2003に進む。ステップS2003では、ステップS1903と同様に開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合、ステップS2004に進み、受信した保留コマンドが一致保留コマンドであるか否かを判定する。受信した保留コマンドが一致保留コマンドである場合、ステップS2005に進む。ステップS2005では、ステップS1905と同様に報知発生抽選処理を実行する。
ステップS2005にて報知発生抽選処理を実行した後は、ステップS2006にて上記報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS2007にて当たり情報の設定処理を実行する。具体的には、保留表示用エリア271における下単位エリア276〜279のうち、上記ステップS2002にて1加算した第2表示側保留記憶数SbNに対応した単位エリアに対して報知情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
例えば、第2表示側保留記憶数SbNが「1」であれば、第1下単位エリア276に対して報知情報が格納されるように内部コマンドを出力し、第2表示側保留記憶数SbNが「4」であれば、第4下単位エリア279に対して報知情報が格納されるように内部コマンドを出力する。単位エリアに報知情報が格納されることにより、図33(b)に示すように、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「○」の画像が表示される。この場合、遊技者は、当該保留情報に対応した遊技回となった場合には、大当たり当選となる期待度が高いことを把握することができる。このように保留予告が行われることにより、遊技者にとっては、図柄表示装置41にて実行される各遊技回の変動表示だけでなく、第2保留表示領域Gbにも注目することとなる。
一方、ステップS2006にて報知発生抽選処理にて報知発生当選とならなかった場合には、ステップS2008にて、外れ情報の設定処理を実行する。
具体的には、保留表示用エリア271における下単位エリア276〜エリア279のうち、上記ステップS2002にて1加算した第2表示側保留記憶数SbNに対応した単位エリアに対して外れ情報が格納されるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。単位エリアに外れ情報が格納されることにより、図33(b)に示すように、第2保留表示領域Gbの対応する単位保留表示領域Gb1〜Gb4において「●」の画像が表示される。
ステップS2004にて一致保留コマンドを受信していない場合、ステップS2009に進み、ステップS1910と同様に報知発生抽選処理を実行する。つまり、本下作動口に対応した保留予告制御処理においても、一致保留コマンドを受信している場合の方が、不一致保留コマンドを受信している場合よりも、報知発生抽選処理に当選する確率が高くなっている。
その後、ステップS2010では報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であったか否かを判定する。報知発生当選である場合には、ステップS2011に進み、ステップS2007と同様に報知情報の設定処理を実行する。
ステップS2003にて開閉実行モード中である場合、ステップS2010にて報知発生当選でない場合、ステップS2012に進みステップS2008と同様に外れ情報の設定処理を実行する。
上述したように、下作動口に係る保留予告用の確認処理(図30)にて、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれの状態であっても当否判定処理が実行され、一致保留コマンドが出力され得る。このため、下作動口に対応した保留予告制御処理では、上作動口に対応した保留予告制御処理とは異なり、不一致保留コマンドを受信した場合、高頻度サポートモード及び低頻度サポートモードのいずれの場合においてもステップS2009の報知発生抽選処理が実行され得る。
ステップS2001にて否定判定をした場合、ステップS2007、ステップS2008、ステップS2011、又はステップS2012の処理を実行した場合には、ステップS2013にて、音声ランプ制御装置82から下側シフト時コマンドを受信したか否かを判定する。下側シフト時コマンドを受信していない場合にはそのまま本保留予告制御処理を終了する。
下側シフト時コマンドを受信している場合には、ステップS2014にて、ワークRAM254の保留カウンタエリア263に保留記憶されている第2表示側保留記憶数SbNを1減算する。続くステップS2015では、シフト処理を実行する。当該シフト処理は、保留表示用エリア271の第1下単位エリア276〜第4下単位エリア279に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。
具体的には、第1下単位エリア276の保留表示情報をクリアするとともに、第2下単位エリア277→第1下単位エリア276、第3下単位エリア278→第2下単位エリア277、第4下単位エリア279→第3下単位エリア278といった具合に各単位エリア276〜279内の保留表示情報がシフトされる。その後、本保留予告制御処理を終了する。
なお、各保留予告制御処理のそれぞれでは、開閉実行モードとなった場合、報知情報が設定されていたとしても、外れ情報に修正する。つまり、開閉実行モードとなる前には「○」が表示されていたとしても、開閉実行モードとなった場合には、その「○」が「●」に切り換えられる。これは、上作動口33への入賞に基づいて報知情報が設定されていた場合に、開閉実行モードとなり、その開閉実行モードが終了した後の高頻度サポートモードにおいて、その報知情報の設定が維持されることを防止するための工夫である。
また、本実施の形態では、例えば、第1下単位エリア276〜第4下単位エリア279のそれぞれに保留表示情報が設定されていない場合に、下作動口34への入賞に基づく保留コマンドを受信した場合、変動表示が開始されるまでの期間において(瞬間的に)第1下単位エリア276に保留表示情報が設定される。また、第1上単位エリア272〜第4上単位エリア275についても同様に、第1上単位エリア272〜第4上単位エリア275のそれぞれに保留表示情報が設定されていない場合に、上作動口33への入賞に基づく保留コマンドを受信した場合、変動表示が開始されるまで期間において第1上単位エリア276に保留表示情報が設定される。これは、複数の保留情報が取得されていない状態においても保留予告を実行するための工夫である。
ここで、通常処理(図17)におけるステップS601にて実行される制限解除処理について説明する。図34は制限解除処理のフローチャートを示す説明図である。
ステップS2101では、上当否判定実行フラグ及び下当否判定実行フラグをそれぞれ消去する。具体的には、上当否判定実行フラグ格納エリア及び下当否判定実行フラグ格納エリアのそれぞれをクリアする。なお、各当否判定実行フラグが格納されていない場合、その状態が維持される。
続く、ステップS2102では、変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。RAM204に変動開始フラグが格納されているか否かを判定する。変動開始フラグは、既に説明したように、主制御装置81のMPU202における遊技回制御処理(図18)にて、ステップS705において変動開始処理を実行した後に、ステップS706にて格納される。つまり、変動開始フラグは、任意の一の遊技回が開始される場合に常に格納される。
変動開始フラグが格納されていない場合には、そのまま本制限解除処理を終了する。変動開始フラグが格納されている場合には、ステップS2103にてRAM204から制限フラグを消去するとともに、ステップS2104にてRAM204から変動開始フラグを消去した後に、本制限解除処理を終了する。
ここで、遊技回制御処理(図18)は通常処理(図17)が1回実行される場合に1回実行される構成であるとともに、変動開始処理及び変動終了処理のうち変動終了処理を1回の遊技回制御処理にて実行した場合にはかかる処理回の遊技回制御処理にて変動開始処理が実行されることがない。また、1回の通常処理において制限解除処理は遊技回制御処理よりも早いタイミングで実行されるため、所定の処理回の通常処理における遊技回制御処理にて変動開始フラグが格納された場合、当該処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS2103が実行されることはなく、次の処理回の通常処理にて制限解除処理のステップS2103が実行される。
つまり、制限フラグは、任意の一の遊技回が終了される場合に常に格納されるとともに、かかる遊技回の終了処理が実行された処理回の通常処理よりも後の処理回の通常処理にて新たな遊技回の変動開始処理が実行され、さらに当該変動開始処理が実行された処理回の通常処理の次に実行される処理回の通常処理にて消去される。
ここで、通常処理(図17)の1回の処理回が開始されるタイミングで制限解除処理が実行され、ステップS2101にて各当否判定実行フラグが消去される。これにより、通常処理が開始されたタイミングにて既に当否判定実行フラグが格納されていることを防止できる。なお、本実施の形態では、通常処理(図17)におけるステップS608にて4msecが経過していると判定した場合に、制限解除処理が実行されるまでタイマ割込み処理が実行されることがないように、割り込み不許可状態が設定される。通常処理の1回が開始され、制限解除処理が実行される前にタイマ割込み処理が実行され各当否判定実行フラグが格納されたにも関わらず、その通常処理の処理回が終了する前に、各当否判定実行フラグが消去されることを防止するための工夫である。
保留予告用の確認処理にて当否判定処理の実行が制限される場合について図35のタイミングチャートを用いて説明する。
図35における(A)の範囲は、低頻度サポートモードかつ、高確率モードが設定されている。
ta1のタイミングで既に変動表示が開始されている場合の新たな通常処理の処理回が開始され、その後のta2のタイミングで変動表示時間が経過する場合、制限フラグが格納されるとともに遊技回が終了される。
ta3のタイミングで新たな通常処理の処理回が開始される。その後、ta4のタイミングで、タイマ割込み処理が実行され、上作動口33及び下作動口34の両方に遊技球が入賞し保留情報が取得されている場合、そのタイマ割込み処理では、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行され、下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理の実行が制限される。
ta5のタイミングにて変動開始処理が実行され、遊技回が開始される。その後、ta6のタイミングにて新たな通常処理の処理回が開始され、ta7のタイミングにて制限解除処理が実行され、制限フラグが消去される。
制限フラグが格納されていないta8のタイミングで、上作動口33及び下作動口34の両方に遊技球が入賞し保留情報が取得されている場合、そのタイマ割込み処理では、各保留予告用の確認処理にてそれぞれ当否判定処理が実行される。つまり、変動開始処理にて当否判定処理が行われない通常処理の処理回では、各保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されない。
その後、ta9のタイミングで新たな通常処理の処理回が開始され、ta10のタイミングで遊技回が終了され、制限フラグが格納される。続く、ta11のタイミングで新たな通常処理の処理回が開始される。
ta12のタイミングで、下作動口34への入賞に基づく保留情報が取得された場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行され、下当否判定実行フラグが格納される。その後、ta13のタイミングで新たなタイマ割込み処理が実行され、上作動口33の入賞に基づき保留情報が取得された場合、上作動口33に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される(ステップS1702〜ステップS1704:YES)。通常処理が1回実行される期間において、タイマ割込み処理は複数回実行され得る。ステップS1702〜ステップS1704の処理を実行することにより、既に、下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されている状態にて、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されることを防止できる。
図31における(B)の範囲は、高頻度サポートモードかつ高確率モードの状態を示している。
tb1のタイミングで既に変動表示が開始されている場合の新たな通常処理の処理回が開始され、その後のtb2のタイミングで変動表示時間が経過する場合、制限フラグが格納されるとともに遊技回が終了される。
tb3のタイミングで新たな通常処理の処理回が開始される。その後、tb4のタイミングでタイマ割込み処理が実行され、上作動口33及び下作動口34の両方に遊技球が入賞し保留情報が取得されている場合、そのタイマ割込み処理では、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理の実行が制限され、下作動口に係る保留予告用の確認処理に当否判定処理が実行される。
tb5のタイミングにて変動開始処理が実行され、遊技回が開始される。その後、tb6のタイミングにて新たな通常処理の処理回が開始され、tb7のタイミングにて制限解除処理が実行され、制限フラグが消去される。
tb8のタイミングで、新たな通常処理の処理回が開始され、その後、tb9のタイミングで遊技回が終了され、制限フラグが格納される。続く、tb10のタイミングで新たな通常処理の処理回が開始される。
tb11のタイミングでタイマ割込み処理が実行され、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されたとしても、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。その後、tb12のタイミングで新たなタイマ割込み処理の処理回が開始され、下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されていた場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。
以上より、当否抽選モードが高確率モードである状況では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは、各保留予告用の確認処理の両方にて当否判定処理が実行されることが制限される。
ここで、高確率モードである状況における変動開始処理の当否判定処理及び保留予告用の確認処理における当否判定処理では、大当たり数値情報の確認個数が「10」に設定され、少なくとも確認対象の情報が大当たり当選に対応していない場合には、高確率モード用に設定された大当たり数値情報の全てについて比較処理が実行される。
さらにまた、本パチンコ機10では、遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが並設されていて両作動口33,34への入賞が同時に発生し得るとともに、各作動口33,34への入賞が発生したか否かの判定及びそれぞれの入賞に対する情報取得処理がタイマ割込み処理にて実行される構成であるため、通常処理の1処理回において、上作動口33への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されるとともに、下作動口34への入賞に対する情報取得処理が実行される処理回のタイマ割込み処理が割り込んで起動されることがある。この場合に、当否抽選モードが高確率モードである状況において変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されない構成を想定すると、1処理回の通常処理が完了するまでの範囲内で大当たり数値情報との比較処理を30回行う必要が生じ得る。
上記想定した構成の場合、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることとなる。そうすると、遊技回の進行、遊技状態の移行、及び遊技球の発射制御などを良好に行えなくなってしまうことが懸念される。また、上記想定した構成の場合、本パチンコ機10では、通常処理においてステップS601〜ステップS608の処理の実行が終了したタイミングで4msecが経過している状態となることが起こり得る。そうすると、その処理回では乱数初期値カウンタCINIや変動種別カウンタCSの更新処理が実行されなくなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることが制限されるため、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じることが抑えられる。
ちなみに、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理の実行を担保する上では、通常処理において第1番目の処理が実行される周期を4msecよりも長くする構成も考えられるが、この場合、ステップS601〜ステップS608の各処理が実行される周期が遅くなり好ましくない。
また、上記処理時間を短くするという点では、高確率モードにおける大当たり数値情報の数を減らす構成も考えられるが、この場合、高確率モードにおける当選確率がそれだけ低くなり、高確率モードに滞在する期間が必要以上に長くなってしまい好ましくない。また、大当たり乱数カウンタC1の数値範囲を狭くすることで、高確率モードにおける当選確率を低下させることなく、上記処理時間を短くする構成も考えられるが、この場合、低確率モードにおける当選確率がそれに影響されてしまい、好ましくない。
さらにまた、各保留予告用の確認処理における当否判定処理を行った結果、大当たり当選に対応している場合には、保留情報に含まれる当否情報として「1」を格納し、大当たり当選に対応していない場合には、保留情報に含まれる当否情報として「0」を格納し、当否判定処理では、当否情報が「0」又は「1」のいずれであるかを判定する構成も考えられる。この場合、当否判定処理の処理時間を短縮することが可能となる。しかしながら、4個の保留情報が記憶されている状況においては、各保留情報に係る遊技回のリーチ発生の有無などによって4個目の保留情報が当否判定処理の対象となるまでに長時間を要することがある。そうすると、電気的なノイズなどの原因により「0」の当否情報が「1」に書き換えられてしまう可能性が高まり、書き換えられてしまうと大当たり当選が発生してしまうため、好ましくない。
上記のように例示した各構成に対して、本パチンコ機10では変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることを制限する構成であるため、上記のような不都合を生じさせることなく、1処理回の通常処理が完了するまでに要する時間が長時間化する現象が突発的に生じてしまうことが抑えられる。
ちなみに、1遊技回の平均消化時間は約10secとなっており、当該10secの間に4msec周期の通常処理が実行される回数は約2500回となる。つまり、1遊技回単位で見た場合に、2500回の処理回の通常処理のうち変動開始処理は1回の処理回の通常処理に対してのみ実行されるため、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されるのも2500回に1回となる。また、遊技ホールの1営業日単位で見た場合、本パチンコ機10の遊技を終日行ったとしても、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されるのは1,2回あるかないかといった程度となる。したがって、変動開始処理(当否判定処理を含む)が実行される処理回の通常処理が完了するまでは保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることを制限する構成としたとしても、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が実際に制限されることは稀であり、保留予告の演出に対する実質的な影響はないものと考えられる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている情報に基づいて保留予告が実行される。これにより、遊技者にとっては、複数の情報が各保留エリアに記憶されている場合には当否判定処理の対象となる順番が後の情報について当否判定処理の対象となった場合の結果を保留予告の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、通常処理の1処理回の範囲内で変動開始処理における当否判定処理が行われる場合には、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている情報の両方に対して各保留予告用の確認処理にて当否判定処理が行われることがないように、上作動口33及び下作動口34のうち、一方の作動口について各保留予告用の確認処理にて当否判定処理が行われないようにした。この結果、1回のタイマ割込み処理が実行される期間が極端に長くなることや、タイマ割込み処理が実行される期間が長くなることにより1回の通常処理が実行される期間が長くなることを防止できる。
ここで、低確率モード及び低頻度サポートモードにおいては、変動開始処理における当否判定処理と各保留予告用の確認処理における当否判定処理とが、1回の通常処理の範囲内にて行われる場合には、それぞれ当否判定処理を実行する構成とした。低確率モードでは確認する大当たり数値情報の個数が少ない。このため、それぞれ当否判定処理が行われるとしても、確認する大当たり数値情報の個数が少なく、各当否判定処理にかかる時間が短い。この結果、低確率モード及び低頻度サポートモードにおいては、特に保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限しなくとも不具合が生じない。以上より保留予告が実行される頻度を担保しつつ、通常処理の時間が極端に長くなることを防止できる。
高確率モード、かつ低頻度サポートモードにおいて、上当否判定実行フラグ及び制限フラグが格納されている場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されない構成とした。また、下当否判定実行フラグ及び制限フラグが格納されている場合、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されない構成とした。これにより、高確率モード、かつ低頻度サポートモードにおいて、変動開始処理及び各保留予告用の確認処理の全てにおいて当否判定処理が実行されることを防止できる。この結果、通常処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
また、1回のタイマ割込み処理にて上作動口入賞フラグ及び下作動口入賞フラグのそれぞれが格納された場合に、各保留予告用の確認処理における当否判定処理を制限する場合、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を制限する構成とした。低頻度サポートモードでは下作動口34に遊技球が入賞しにくい。これにより、下作動口34の入賞に基づいて複数の保留情報が取得されている頻度は低い。この点、本パチンコ機10では、低頻度サポートモードでは、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理及び下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理のうち、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を優先して実行する。この結果、低頻度サポートモードにおいて、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を優先して実行する構成に比べ、低頻度サポートモードにて保留予告が実行される機会を多くすることが可能となる。
下作動口34への入賞が発生し易くなる高頻度サポートモードである場合には、上作動口33への入賞に基づく保留情報について保留予告が実行されない構成とした。仮に、当否抽選に際して優先される側である下作動口34への入賞が発生し易い状況において上作動口33への入賞に基づく保留情報についての保留予告が所定の頻度で行われる構成を想定する。この場合、上作動口33への入賞に基づく保留情報について保留予告が行われたにも関わらず、当該保留情報が当否抽選の対象となるよりも前のタイミングで下作動口34への入賞が継続し、上記保留予告の実行の契機となった保留情報が当否抽選の対象となるタイミングが保留予告の実行タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。そうすると、例えば、保留予告がどの保留情報を対象としてなされたものか分かりづらくなる不具合が発生するおそれがある。
これに対して、高頻度サポートモードである場合には、上作動口33への入賞に基づく保留情報について保留予告が実行されないようにしたことで、上記不具合の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。また、高頻度サポートモードであっても、下作動口34への入賞に基づく保留情報について保留予告が実行されるようにした。これにより、高頻度サポートモードであっても保留予告が実行され得るようにすることができ、上記不具合の発生を抑えつつ、保留予告を通じた遊技の注目度の向上を高頻度サポートモード中であっても図ることができる。
遊技回を終了させる処理が実行された処理回の通常処理では当否判定処理が実行されることはなく、当該処理回よりも後の処理回にて当否判定処理が実行され得る構成において、遊技回を終了させる処理が実行された場合に制限が開始される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも先に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、変動開始処理にて当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限することができる。
変動開始処理における当否判定処理は、遊技者の利益に直結するものであるため、通常処理の1処理回の実行が完了するまでの処理時間に関係なく実行する必要があるのに対して、保留予告用の確認処理における当否判定処理は、保留予告という演出を行うための処理であるため、その実行が制限されたとしても遊技者の利益に影響を及ぼさない。このため、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限してとしても、遊技の進行に影響を及ぼさない。この結果、保留予告が実行されることによる遊技への注目度を高める効果を得つつ、保留予告を実行するために通常処理の1回の処理回の時間が極端に長くなることを防止できる。
また、上記制限フラグが格納された場合、変動開始処理における当否判定処理が実行された範囲内の通常処理の処理回よりも後の処理回の範囲内においてその制限フラグが消去される。これにより、通常処理の1処理回の範囲内で当否判定処理よりも後に保留予告用の確認処理が行われ得る構成であっても、変動開始処理における当否判定処理が行われる場合における通常処理の処理回の範囲内では、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限することができる。
主制御装置81から音声ランプ制御装置82に送信される保留コマンドに、大当たり乱数カウンタC1の値の情報や大当たり種別カウンタC2の値の情報が含まれている構成においては、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線(具体的には、複数の信号線の両端に共通のコネクタが設けられたコネクタユニット)を不正に外し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。また、かかる不正行為以外にも、主制御装置81と音声ランプ制御装置82とを電気的に接続する信号線に対して不正な基板を接続し、主制御装置81における現状の大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が行われることが想定される。このように、大当たり乱数カウンタC1の値や大当たり種別カウンタC2の値が取得されてしまうと、大当たり当選や15R確変大当たり結果となるタイミングで不正に始動入賞させる不正行為又は始動入賞が発生したと誤検知させる不正行為が行われてしまい、遊技ホールに多大な不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値をそのまま送信するのではなく、主制御装置81において特定した結果の情報を送信する構成とすることで、上記不正行為の発生を阻止することが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、主制御装置81において遊技を進行させるための処理構成が上記第1の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における処理構成について説明する。
図36は、主制御装置81のMPU202にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理はパチンコ機10の電源が立ち上げられた場合に実行される処理である。
先ずステップS2201では、電源投入に伴う立ち上げ処理を実行する。続くステップS2202では、RAM204のアクセスを許可する。その後、ステップS2203では、電源及び発射制御装置98に設けられたRAM消去スイッチがオンされているか否かを判定し、続くステップS2204ではRAM204に電断フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS2205ではRAM判定値を算出し、続くステップS2206では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
RAM消去スイッチがオンされておらず、さらに電断フラグが格納されているとともにRAM判定値が正常である場合には、ステップS2207にてRAM204から電断フラグを消去するとともに、ステップS2208にてRAM判定値を消去する。その後、ステップS2209にて割込み許可を設定し、ステップS2210にて乱数初期値カウンタCINIの更新を実行し、ステップS2211にて変動種別カウンタCSの更新を実行する。そして、ステップS2209〜ステップS2211の処理を実行した後は、ステップS2209に戻り、ステップS2209〜ステップS2211の処理を繰り返す。
なお、ステップS2209にて割込み許可の設定を行った直後に割込み禁止の設定を行う構成としてもよい。この場合、後述するタイマ割込み処理は、割込み禁止の設定が行われている状況において起動タイミングとなった場合には、次回の割込み許可の設定が行われるまでその実行が待機される構成としてもよい。
一方、RAM消去スイッチが押されていれば、ステップS2212〜ステップS2213の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS2212〜ステップS2213の処理に移行する。
ステップS2212では、RAM204の使用領域を「0」にクリアし(初期化し)、ステップS2213では、RAM204の初期設定を実行する。その後、ステップS2209〜ステップS2211の処理に移行する。
図37は、主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、ステップS2301〜ステップS2303にて、上記第1の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図12(a))のステップS101〜ステップS103と同様の処理を実行する。
その後、ステップS2304にてスルー用の入賞処理を実行し、ステップS2305にて上作動口用の入賞処理を行った後にステップS2306にて下作動口用の入賞処理を実行する。続くステップS2307にて、変動種別カウンタCSの更新処理を実行し、ステップS2308にて遊技回制御処理を実行し、ステップS2309にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2310にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2311にて外部出力処理を実行する。なお、ステップS2305及びステップS2306の各作動口用の入賞処理における各作動口に係る保留予告用の確認処理とステップS2308の遊技回制御処理とを除く各処理は、上記第1の実施の形態において対応する処理と同様である。その後ステップS2312にて、上当否判定実行フラグを消去する。具体的には、上記第1の実施の形態における制限解除処理(図34)のステップS2101と同様に上当否判定実行フラグ格納エリアをクリアする。
以下、図38のフローチャートを用いて本実施の形態における遊技回制御処理について説明する。
遊技回制御処理では、ステップS2401〜ステップS2405にて、上記第1の実施の形態における遊技回制御処理(図18)のステップS701〜ステップS705と同様の処理を実行する。そして、ステップS2405にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2406にてRAM204に制限フラグが格納されている場合には当該制限フラグを消去する。
また、ステップS2407〜ステップS2411では、上記第1の実施の形態における遊技回制御処理(図18)のステップS707〜ステップS711と同様の処理を実行する。したがって、ステップS2410にて変動終了コマンドを設定した後に、ステップS2411にてRAM204に制限フラグを格納する。
つまり、本実施の形態における遊技回制御処理では、制限フラグの格納タイミングは上記第1の実施の形態と同様となっているが、制限フラグの消去タイミングは異なっており、変動開始処理が実行された場合に制限フラグが消去される。
次に本実施の形態における上作動口に係る保留予告用の確認処理について図39のフローチャートを用いて説明する。先ず、ステップS2501では高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードでない場合、ステップS2502〜ステップS2514の処理を実行する。ステップS2502〜ステップS2514の処理は、上記第1の実施の形態における上作動口に係る保留予告用の確認処理(図29)のステップS1705〜ステップS1717と同様のため省略する。ステップS2501にて高頻度サポートモードである場合、ステップS2515に進み、不一致保留コマンドを設定してステップS2514に進む。このステップS2514では、ステップS2515に設定した不一致保留コマンドに上作動口用の情報を設定する。その後、本上作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。
本実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理は、ステップS1815にて下当否判定実行フラグを格納する処理を実行しない点を除き、上記第1の実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理(図30)と同様のため説明を省略する。
ここで、本実施の形態では、通常処理とそれに割り込んで起動されるタイマ割込み処理とのうち一方に遊技回制御処理が設定されているとともに他方に保留コマンドの設定処理が設定されているのではなく、通常処理及びタイマ割込み処理のうちいずれか一方、具体的にはタイマ割込み処理の一連の処理として、各作動口に係る保留予告用の確認処理と遊技回制御処理とが設定されている。また、1処理回のタイマ割込み処理において各作動口に係る保留予告の確認処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも先となっている。さらに、遊技回制御処理では、1処理回において変動終了処理が実行された場合には、保留情報が保留記憶されている場合であっても当該処理回において変動開始処理が実行されることはなく、当該保留情報に係る変動開始処理は次の処理回の遊技回制御処理にて実行される。そして、変動終了処理が実行された場合に制限フラグが格納され、当該制限フラグは変動開始処理が実行された場合に消去される。
上記構成であることにより、例えば、低頻度サポートモードにおいて1遊技回の変動終了処理が実行されて制限フラグが格納された場合には、少なくとも次の処理回のタイマ割込み処理において、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限され得る。
下作動口に係る保留予告用の確認処理は、上作動口に係る保留予告用の確認処理の後に実行される。このため、1処理回のタイマ割込み処理において上作動口に係る保留予告用の確認処理が実行される前に下作動口に係る保留予告用の確認処理が実行されることはない。したがって、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されているか否かを判定する必要がない。また、高頻度サポートモードにおいては上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が行われず、低頻度サポートモードにおいては上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が優先して実行されるため、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて高確率モード及び低確率モードのいずれの抽選モードかを判定する必要がなくなる。
そして、その後に変動開始処理が実行される場合には、当該変動開始処理が実行される処理回のタイマ割込み処理において保留予告用の確認処理の実行が制限された後に、制限フラグ及び上当否判定実行フラグのそれぞれが消去される。よって、1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において各保留予告用の確認処理と変動開始処理とのそれぞれにて当否判定処理が実行されてしまうことを防止することができる。
特に、定期的に起動されるタイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数のタイマ割込み処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、タイマ割込み処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記のように保留予告用の確認処理の実行が制限されることで、上記不都合の発生が抑えられる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、遊技回制御処理の処理構成が上記第2の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図40は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、先ずステップS2601にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS2602〜ステップS2607の遊技回進行用処理に進む。
遊技回進行用処理では、先ずステップS2602にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。変動表示時間が経過している場合には、ステップS2603にて変動終了処理を実行するとともにステップS2604にて変動終了コマンドを設定する。これらステップS2603及びステップS2604の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS709の処理及びステップS710の処理と同様である。
変動表示時間が経過しておらずステップS2602にて否定判定をした場合には、ステップS2605にて変動表示用処理を実行する。かかる処理は上記第1の実施の形態におけるステップS708の処理と同様である。続くステップS2606では、保留予告用の確認処理の制限開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、制限開始タイミングとは、実行されている遊技回について変動終了処理が実行されることとなる通常処理の処理回に対して制限開始回数分だけ前の処理回となっているタイミングのことである。本パチンコ機10では、上記制限開始回数が1回として設定されているが、これに限定されることはなく複数回として設定されていてもよい。但し、保留予告用の確認処理が制限される期間を極力抑える上では、上記制限開始回数を1回として設定することが好ましい。
また、制限開始タイミングを特定するための具体的な構成は任意であるが、本パチンコ機10では、遊技回の開始に際して遊技回の終了タイミングを特定するために変動表示時間情報が格納されることとなる変動表示時間カウンタエリアの情報が制限開始回数に対応した値となっているか否かを判定することにより行われる。
なお、変動表示時間カウンタエリアへの変動表示時間情報の格納に係る構成や減算に係る構成は上記第1の実施の形態と同様である。また、変動表示カウンタエリアの更新が減算式で行われるのではなく加算式で行われる構成においては、加算後の値が制限開始回数に対応した値であるか否かを判定する構成としてもよい。
制限開始タイミングでない場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。制限開始タイミングである場合には、ステップS2607にてRAM204に制限フラグを格納した後に、本遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS2601にて、メイン表示部43が変動表示中ではないと判定した場合、又はステップS2604の処理を実行した後は、ステップS2608〜ステップS2612の遊技回開始用処理に進む。
遊技回開始用処理では、先ずステップS2608にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中である場合にはそのまま本遊技回制御処理を終了する。開閉実行モード中でない場合には、ステップS2609にて、始動保留球数Nが「0」であるか否かを判定する。
始動保留球数Nが「0」である場合には、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留球数Nが「0」でない場合には、ステップS2610にてデータ設定処理を実行し、ステップS2611にて変動開始処理を実行し、さらにステップS2612にてRAM204から制限フラグを消去した後に、本遊技回制御処理を終了する。これらステップS2610〜ステップS2612の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS704〜ステップS706の処理と同様である。
以上のとおり本実施の形態における遊技回制御処理では、遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に、遊技回開始用処理が行われる。これにより、例えば、1遊技回が実行されている状況において保留情報が保留記憶されている場合には、当該遊技回の終了処理を実行した処理回の通常処理の範囲内で次の遊技回が開始されることとなるため、1遊技回の終了から次の遊技回が開始されるまでの期間の短縮化が図られる。
本実施の形態では、上記のとおり、遊技回制御処理の構成が上記第2の実施の形態と異なっているが、その他の処理構成は同一となっている。保留予告に係る処理について具体的には、タイマ割込み処理(図37)では、遊技回制御処理よりも前のタイミングで、各保留予告用の確認処理を含む保留コマンドの設定処理が実行される。また、保留コマンドの設定処理の処理構成や、表示制御装置212における保留予告制御処理の処理構成も上記第2の実施の形態における処理構成(すなわち、上記第1の実施の形態における処理構成)と同一となっている。
上記構成であることにより、遊技回制御処理において遊技回進行用処理が優先して行われ、遊技回進行用処理が行われない場合又は遊技回進行用処理が行われる場合であっても遊技回の終了に係る処理を実行した場合に同一の処理回の遊技回制御処理にて遊技回開始用処理が実行される構成であったとしても、1遊技回の終了に係る処理回よりも前の処理回のタイマ割込み処理にて制限フラグが格納され、当該制限フラグは次の遊技回の開始に係る処理回であって保留予告用の確認処理の実行が制限された後に消去される。したがって、高確率モードにおいて、タイマ割込み処理の1処理回が完了するまでの範囲内において、変動開始処理及び各保留予告用の確認処理の全てにおいて当否判定処理が実行されてしまうことを防止できる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、タイマ割込み処理の処理構成が上記第2の実施の形態と異なっている。そこで、以下に本実施の形態における構成について説明する。
図41は、本実施の形態におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理では、先ずステップS2701にて、上当否判定実行フラグ及び制限フラグをそれぞれ消去する。具体的には、上当否判定実行フラグ格納エリア及び制限フラグ格納エリアをそれぞれクリアする。なお、各フラグが格納されていない状態にて、ステップS2701の処理を実行した場合には、その状態が維持される。
続くステップS2702では遊技回制御処理を実行し、ステップS2703にて遊技状態移行処理を実行し、ステップS2704にて電役サポート用処理を実行し、ステップS2705にて読み込み処理を実行し、ステップS2706にて各種カウンタの更新処理を実行し、ステップS2707にてスルー用の入賞処理を実行する。続くステップS2708にて上作動口用の入賞処理(上作動口に係る保留予告用の確認処理)を実行した後に、ステップS2709にて下作動口用の入賞処理(下作動口に係る保留予告用の確認処理)を実行して本タイマ割込み処理を終了する。
図42は、本実施の形態における遊技回制御処理を示すフローチャートである。
遊技回制御処理では、ステップS2801〜ステップS2805にて、上記第1の実施の形態における遊技回制御処理(図18)のステップS701〜ステップS705と同様の処理を実行する。そして、ステップS2805にて変動開始処理を実行した後に、ステップS2806にてRAM204に制限フラグを格納する。また、ステップS2807〜ステップS2810では、上記第1の実施の形態における遊技回制御処理(図18)のステップS707〜ステップS710と同様の処理を実行する。
つまり、本実施の形態では、1処理回のタイマ割込み処理において各保留予告用の確認処理が実行される順番は、遊技回制御処理よりも後となっている。また、制限フラグは、変動開始処理が実行された場合に格納され、当該変動開始処理の実行に係る処理回よりも後、具体的には当該処理回の次の処理回のタイマ割込み処理において消去される。上当否判定実行フラグは、下作動口用の入賞処理(下作動口に係る保留予告用の確認処理)が実行される前に格納されるとともに、その次のタイマ割込み処理の処理回において、下作動口用の入賞処理が実行された前に消去される。
上記構成であることにより、例えば、制限フラグ及び上当否判定実行フラグが格納された場合には、その変動開始処理が実行された処理回に係るタイマ割込み処理では保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。よって、高確率モードにおいて1処理回のタイマ割込み処理の範囲内において、変動開始処理及び各作動口に係る保留予告用の確認処理の全てにおいて当否判定処理が実行されてしまうことを防止することができる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、タイマ割込み処理において保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるタイミングが上記第2の実施の形態とは異なっている。また、上記第2の実施の形態では、タイマ割込み処理の処理回にて取得された保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するものとしたが、本実施の形態では、既に取得されている保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。
具体的には、開閉実行モードが終了する場合又は終了した場合に保留予告を開始できるように、開閉実行モード中又は開閉実行モードが終了した場合に、既に記憶されている保留情報の少なくとも一部に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。詳細には、上作動口33に入賞して取得された保留情報よりも、下作動口34に入賞にして取得された保留情報に基づく図柄の変動表示が優先して実行されるため、下作動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。
本実施の形態では、開閉実行モードにおける最後のラウンドが終了し大入賞口32aが閉鎖された状態におけるタイマ割込み処理にて、記憶されている保留情報に対して順次保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。詳細には、1回のタイマ割込み処理にて、記憶されている一の保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。この場合、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となった保留情報を都度把握しておき、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されている場合に、その保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。より詳細には、下作動口34への入賞に基づいて記憶されている保留情報のうち、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されていないものに対して下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。
ここで、開閉実行モードにおける最後のラウンドが終了し大入賞口32aが閉鎖されている場合、開閉実行モードは終了しておらず変動開始処理における当否判定処理が行われないとしても、電役サポート用処理における抽選処理(ステップS1516)は実行される。電役サポート用処理における抽選処理と、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理と、のそれぞれを実行すると、1回のタイマ割込み処理の処理回が長くなることが考えられる。そこで、本構成では、電役サポート用処理にて抽選処理が行われるタイマ割込みの処理回では、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限する。これにより、開閉実行モードが終了する場合の1回のタイマ割込み処理の処理回が極端に長くなることを防止できる。
また、本実施の形態では、開閉実行モードにおける最後のラウンドが終了し大入賞口32aが閉鎖されてから開閉実行モードのエンディング表示が開始され所定期間が経過するまでに、下作動口34への入賞に基づく保留情報の全てに対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。そして、記憶されている保留情報が大当たり結果に対応しており、さらに報知発生抽選に当選した場合には、開閉実行モードのエンディング表示が行われている期間において、大当たり結果に対応した保留情報が記憶されていることに対応した演出が実行される。これにより、開閉実行モードが終了し所定遊技回数が経過するまで(本実施の形態では最大4遊技回が経過するまで)に大当たり結果となることを遊技者に教示することが可能となる。
以下、係る構成について図43〜48を用いて詳細に説明する。
<タイマ割込み処理>
図43は、本実施の形態における主制御装置81のMPU202にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
本タイマ割込み処理では、ステップS2901〜ステップS2904にて、上記第2の実施の形態におけるタイマ割込み処理(図37)のステップS2301〜ステップS2304の処理を実行する。
その後、ステップS2905及びステップS2906にて上作動口用の入賞処理及び下作動口用の入賞処理のそれぞれを実行する。上述したように本実施の形態では、保留予告用の確認処理における当否判定処理が、既に記憶されている保留情報に対して実行される。このため、本実施の形態における各入賞処理では、保留予告用の確認処理が実行されることがなく、保留情報が取得されていた場合には、不一致保留コマンドが設定されるようになっている。つまり、上作動口用の入賞処理(図14)におけるステップS310では、上作動口に係る保留予告用の確認処理が実行されず、上作動口33への入賞であることを示す上作動口用の情報が設定された不一致保留コマンドが設定される。また、下作動口用の入賞処理(図15)におけるステップS410では、下作動口に係る保留予告用の確認処理が実行されず、下作動口34への入賞に対応した不一致保留コマンドが設定される。続くステップS2907にて変動種別カウンタCSの更新処理を実行し、ステップS2908にて遊技回制御処理を実行する。ステップS2908にて遊技回制御処理を実行したらステップS2909に進み、遊技状態移行処理を実行する。
本実施の形態では、以上のように、作動口33,34のいずれかに遊技球が入賞した場合、取得された保留情報が大当たり情報に対応しているか否かに関わらず、不一致保留コマンドが設定される。このため、表示制御装置212では、上記各作動口に対応した保留予告制御処理において、報知発生抽選処理を実行することなく外れ情報の設定処理を実行するようになっている。つまり、本実施の形態では、開閉実行モードではない場合、保留予告が実行されることがないようになっている。
<遊技状態移行処理>
本実施の形態における遊技状態移行処理について図44のフローチャートを用いて説明する。なお、本遊技状態移行処理におけるステップS3001〜ステップS3008は、第1の実施の形態におけるステップS1301〜ステップS1308と同様のため説明を省略する。
ステップS3009では、上記第1の実施の形態と同様に(ステップS1309と同様に)大入賞口開閉処理を実行する。その後ステップS3010では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS3011に進む。
ステップS3011では、各種フラグ格納エリア235におけるエンディングコマンド設定フラグ格納エリアにエンディングコマンド設定フラグが格納されているか否かを判定する。エンディングコマンド設定フラグは、エンディングコマンドが設定された場合に格納される。
ステップS3011にてエンディングコマンド設定フラグが格納されていない場合、ステップS3012に進む。ステップS3012では、上記第1の実施の形態と同様に(ステップS1311と同様に)エンディングコマンドを設定する。続くステップS3013では、エンディングコマンド設定フラグ格納エリアにンディングコマンド設定フラグを格納する。
ここで、エンディングコマンドを設定した場合、主制御装置81では、各種カウンタエリア234に設けられた待機タイマカウンタエリアに所定の値(例えば、「7500」、すなわち15sec)をセットする。この値はタイマ割込み処理が実行される場合に減算されるようになっている。待機タイマカウンタエリアに値がセットされることにより、図柄表示装置41にて開閉実行モードを終了させる場合のエンディング表示が実行されている場合に、主制御装置81にて開閉実行モードを終了させる処理が実行されることを防止している。
ステップS3013の処理を実行したらステップS3014に進む。ステップS3014では、各種フラグ格納エリア235に設けられた保留予告実行フラグ格納エリアに保留予告実行フラグを格納する。保留予告実行フラグは、開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了し大入賞口32aが閉鎖されていることを把握するためのものであるとともに、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するタイミングであることを把握するためのものである。
ステップS3011にてエンディングコマンド設定フラグが格納されている場合、又はステップS3014にて保留予告実行フラグを格納した場合、ステップS3015に進む。ステップS3015では、エンディング表示が終了したか否かを判定する。具体的には、上述した待機タイマカウンタエリアの値が「0」であるか否かを判定し、「0」である場合にエンディング表示が終了したと判定する。エンディング表示が終了していない場合、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS3015にてエンディング表示が終了していると判定した場合、ステップS3016に進む。ステップS3016では、エンディングコマンド設定フラグを消去するとともに、保留予告に係る各種フラグを消去する。具体的には、保留予告に係る各種フラグとして、上述した保留予告実行フラグと、判定済みフラグ(後述するステップS3206にて格納されるフラグ)とを消去する。判定済みフラグは、記憶されている保留情報が保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行の対象となったか否かを判定するものであり、記憶されている保留情報のそれぞれに対して個別に格納される。なお、ステップS3016では、各種フラグが格納されているフラグ格納エリアをそれぞれクリアするものであり、各種フラグが格納されていない場合には各種フラグが格納されていない状態が維持される。
続くステップS3017では開閉実行モード終了時の移行処理を実行し、ステップS3018ではラウンド表示の終了処理を実行し、ステップS3019では開閉実行モードの終了処理を実行する。ステップS3017〜ステップS3019の処理は、上記第1の実施の形態と同様(ステップS1312〜ステップS1314と同様)であるため、説明を省略する。
タイマ割込み処理(図43)の説明に戻り、ステップS2909にて遊技状態移行処理を実行したらステップS2910に進む。ステップS2910では、電役サポート用処理を実行する。
<電役サポート用処理>
本実施の形態における電役サポート用処理について図45のフローチャートを用いて説明する。なお、ステップS3101〜ステップS3115は、上記第1の実施の形態におけるステップS1501〜ステップS1515と同様のため説明を省略する。また、ステップS3120〜ステップS3123の処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1519〜ステップS1522と同様のため説明を省略する。
ステップS3116では、上記第1の実施の形態と同様の処理(ステップS1516と同様の処理)を実行する。すなわち、役物保留球格納エリアに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC4の値が0〜190であった場合に、開放抽選に当選となる。また、開放抽選と同時に第2タイマエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。
続くステップS3117では、各種フラグ格納エリア235に設けられた開放抽選実行フラグ格納エリアに開放抽選実行フラグを格納する。開放抽選実行フラグは、電役サポート用処理にて開放抽選が実行された場合に格納されるものであり、そのタイマ割込み処理の処理回にて開放抽選が実行されていることを把握するためのものである。開放抽選実行フラグは、その開放抽選フラグが格納されたタイマ割込み処理の処理回が終了する場合に消去される。
その後ステップS3118では、ステップS3116の開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。サポート当選でない場合には、そのまま本電役サポート用処理を終了する。サポート当選である場合には、ステップS3119にてサポート当選フラグを格納するとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
タイマ割込み処理(図43)の説明に戻り、ステップS2910にて電役サポート用処理を実行した場合、ステップS2911に進む。ステップS2911では下作動口に係る保留予告用の確認処理を実行する。
<下作動口に係る保留予告用の確認処理>
本実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理について図46のフローチャートを用いて説明する。
ステップS3201では、保留予告実行フラグが保留予告実行フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。保留予告実行フラグが格納されている場合、ステップS3202に進む。ステップS3202では、開放抽選実行フラグが開放抽選実行フラグ格納エリアに格納されているか否かを判定する。開放抽選実行フラグが格納されていない場合、ステップS3203に進む。
ステップS3203では、未判定の保留情報の確認処理を実行する。具体的には、第2結果表示部用保留エリアRbにおける第1〜第4エリアのうち、保留情報が記憶されているエリアを把握する。そして、各種フラグ格納エリア235に設けられた判定済みフラグ格納エリアを参照して、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されているか否かを把握する。
判定済みフラグ格納エリアについて説明を補足する。判定済みフラグ格納エリアは、第2結果表示部用保留エリアRbにおける第1〜第4エリアに対応して各種フラグ格納エリア235にそれぞれ設けられている。判定済みフラグは、記憶されている保留情報が保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となった場合に格納される。例えば、第2結果表示部用保留エリアRbにおける第1エリアに記憶されている保留情報が保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となった場合、第1エリアに対応した判定済みフラグ格納エリアに判定済みフラグが格納される。ステップS3203では、保留情報の記憶の有無と、判定済みフラグの有無とをそれぞれ確認することにより、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されているか否かを確認している。
続くステップS3204では、ステップS3203の確認処理の結果、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されているか否かを判定する。その当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されている場合、ステップS3205〜ステップS3215の当否判定処理を実行する。
ステップS3205では、今回の処理にて保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1によって更新された情報から取得した情報を把握する。保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報は、ステップS3203にて確認した保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報のうち、先に記憶されていたものとなる。つまり、第1〜第4エリアのうち、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっておらず保留情報が記憶されており一番数字の小さいエリアに記憶されているものが保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる。
その後、ステップS3206では、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報に対応したエリアに判定済みフラグを格納する。例えば、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報が第2エリアに記憶されているものである場合、第2エリアに対応した判定済みフラグ格納エリアに判定済みフラグが格納される。
続くステップS3207では、今回の開閉実行モードが通常大当たり結果となったことに基づくものであるか否かを判定する。具体的には、15R確変フラグ、明示2R確変フラグ及び非明示2R確変フラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合、通常大当たり結果に基づく開閉実行モードではないと判定する。ステップS3207にて通常大当たり結果に基づく開閉実行モードであると判定した場合、その開閉実行モードが終了した場合に低確率モードが設定されるため、ステップS3208にてRAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「1」に更新する。ステップS3207にて通常大当たり結果に基づく開閉実行モードではないと判定した場合、ステップS3209にてRAM204の確認個数カウンタエリアの情報を「10」に更新する。つまり、ステップS3208及びステップS3209の処理のそれぞれは、上記第1の実施の形態における上作動口に係る保留予告用の確認処理におけるステップS1707及びステップS1708とそれぞれ同様のものとなっている。
ステップS3208又はステップS3209の処理を実行したら、ステップS3210〜ステップS3214の処理を実行する。ステップS3210〜ステップS3214の処理は、第1の実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理におけるステップS1808〜ステップS1812と同様のため、説明を省略する。
ステップS3212にて比較結果が一致していると判定した場合には、ステップS3215に進み、一致情報コマンドを設定して本下作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。この一致情報コマンドは、タイマ割込み処理(図43)における外部出力処理(ステップS2912)にて音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、一致情報コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、その受信した一致情報コマンドに基づいて保留予告用の処理を実行する。
一方、ステップS3201にて保留予告実行フラグが格納されていない場合、ステップS3202にて開放抽選実行フラグが格納されている場合、ステップS3204にて保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されていない場合、又は、ステップS3214にて上記確認個数カウンタエリアに記憶されている確認個数の情報が「0」の情報より小さい場合(すなわち、「0」である場合)には、そのまま本下作動口に係る保留予告用の確認処理を終了する。
本実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理では、大当たり結果となる保留情報が記憶されている場合に一致情報コマンドを音声ランプ制御装置82に出力し、大当たり結果に対応していない保留情報が記憶されている場合にはいずれのコマンドも出力されない。これは、保留情報が取得されたことを示すコマンドは各作動口用の入賞処理にて出力されるため、大当たり結果に対応していない保留情報が記憶されていることを別途音声ランプ制御装置82や表示制御装置212に把握させる必要がないためである。
ステップS3201にて保留予告実行フラグが格納されている場合にステップS3205〜ステップS3215の処理を実行する構成とした。これにより、開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了してから開閉実行モードが終了するまでの期間において保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることとなる。開閉実行モードにおいて保留予告用の確認処理を実行することにより、開閉実行モードが終了してから所定遊技回数(4遊技回数)が経過するまでに再び開閉実行モードとなるか否かを表示制御装置212に把握させることができる。
また、一致情報コマンドを出力する上で、開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了した場合に保留予告用の確認処理を実行するようにした。開閉実行モードにおいて大入賞口32aが開放されている場合、大入賞口32aに遊技球が入賞した数を把握する必要がある。このため、大入賞口32aが開放されている場合には大入賞口32aが閉鎖されている場合に比べ、タイマ割込み処理の1回の処理回が長くなることが考えられる。したがって、大入賞口32aが開放されている場合に保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行すると、タイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなり、タイマ割込み処理が所定周期で実行できないおそれがある。この点、本実施の形態では、大入賞口32aが閉鎖されている場合に、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行することにより、タイマ割込み処理の1回の処理回が長くなることを防止できる。
また、ステップS3202にて開放抽選フラグが格納されている場合、保留予告実行フラグが格納されているとしても、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限する構成とした。開放抽選フラグが格納されている場合、そのタイマ割込み処理の処理回における電役サポート用処理にて開放抽選が実行されている。開放抽選が実行されている場合、開閉抽選が実行されていない場合に比べ、タイマ割込み処理の1回の処理回が長くなることが考えられる。開放抽選フラグが格納されている場合に保留予告用の確認処理における当否判定処理を制限することで、タイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
タイマ割込み処理(図43)の説明に戻り、ステップS2911にて下作動口に係る保留予告用の確認処理を実行したらステップS2912に進み、外部出力処理を実行する。その後ステップS2913にて開放抽選実行フラグを消去して本タイマ割込み処理の1回の処理回を終了する。なお、ステップS2913では、開放抽選実行フラグ格納エリアをクリアするものであり、開放抽選実行フラグが格納されていない場合、その状態が維持される。
<表示制御装置212のMPU252にて実行される保留予告制御処理について>
次に、表示制御装置212のMPU252にて実行される開閉実行モードに対応した保留予告制御処理について図47のフローチャートを用いて説明する。本保留予告制御処理はMPU252において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
ステップS3301では、エンディング表示フラグがワークRAM254に格納されているか否かを判定する。エンディング表示フラグは、エンディングコマンドを受信した場合に格納されるものであり、エンディング表示が開始されていることを示すものである。
エンディング表示フラグが格納されていない場合、ステップS3302に進む。ステップS3302では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していない場合、そのまま本開閉実行モードに対応した保留予告制御処理を終了する。
ステップS3302にてエンディングコマンドを受信している場合、ステップS3303に進む。ステップS3303では、エンディング表示開始処理を実行する。具体的には、開閉実行モードが終了する場合の表示を開始するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、図柄表示装置41にて開閉実行モードが終了する場合の演出が開始される。
続くステップS3304では、ワークRAM254に設けられたエンディング表示カウンタに所定の値をセットする。具体的にはエンディング表示カウンタに「7500」(すなわち15sec)をセットする。エンディング表示カウンタの値は、本保留予告制御処理が起動される毎に減算される(ステップS3306にて減算される)ものであり、エンディング表示を終了するタイミングや、保留予告を実行するタイミングを把握するために用いられる。
ステップS3304にて値をセットしたらステップS3305に進む。ステップS3305では、エンディング表示フラグをワークRAM254に格納して本開閉実行モードに対応した保留予告制御処理を終了する。
一方、ステップS3301にてエンディング表示フラグが格納されている場合、既にエンディング表示が開始されていることを示す。この場合、ステップS3306に進む。ステップS3306ではエンディング表示カウンタ減算処理を実行する。具体的には、エンディング表示カウンタの値を1ディクリメントする。
続くステップS3307では、エンディング表示の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、エンディング表示カウンタの値が「0」か否かを判定し、「0」である場合にエンディング表示の終了タイミングであると判定する。
ステップS3307にてエンディング表示の終了タイミングでない場合、ステップS3308に進む。ステップS3308では、保留予告の実行タイミングであるか否かを判定する。具体的にはエンディング表示カウンタの値が「2500」であるか否かを判定し「2500」である場合に保留予告の実行タイミングであると判定する。つまり、エンディング表示が開始されてから10secが経過しているか否かを判定する。
ステップS3308にて保留予告の実行タイミングでないと判定した場合、ステップS3309に進む。ステップS3309では、一致情報コマンドを受信しているか否かを判定する。一致情報コマンドを受信している場合、ステップS3310に進み、一致情報フラグをワークRAM254に格納する。一致情報フラグは、一致情報コマンドを受信していることを特定するためのフラグである。ステップS3309にて一致情報コマンドを受信していない場合、又はステップS3310にて一致情報フラグを格納した場合、本開閉実行モードに対応した保留予告制御処理を終了する。
ステップS3308にて保留予告の実行タイミングである場合、ステップS3311に進む。ステップS3311で一致情報フラグが格納されているか否かを判定する。ステップS3311にて一致情報フラグが格納されている場合、ステップS3312に進む。ステップS3312では報知発生抽選処理を実行する。この報知発生抽選処理は、上記第1の実施の形態におけるステップS1905と同様のため説明を省略する。
続くステップS3313では、ステップS3312の報知発生抽選処理の結果が報知発生当選であるか否かを判定する。報知発生当選である場合、ステップS3314に進み、保留予告に対応したエンディング表示処理を実行する。具体的には、保留予告に対応したエンディング表示を実行するようVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、開閉実行モードが終了することに対応したメッセージとキャラクタとの画像が図柄表示装置41に表示される。
一方、ステップS3311にて一致情報フラグが格納されていない場合、又はステップS3313にて報知発生当選ではない場合、ステップS3315に進む。ステップS3315では保留予告に対応していないエンディング表示処理を実行する。具体的には保留予告に対応していないエンディング表示を実行するようにVDP255に対して内部コマンドを出力する。これにより、図柄表示装置41には、開閉実行モードが終了することに対応したメッセージの画像は表示されるが、キャラクタの画像が表示されない。
ステップS3314又はステップS3315の処理を実行したら本開閉実行モードに対応した保留予告制御処理を終了する。ステップS3314又はステップS3315の処理が実行されることにより、図柄表示装置41に上記キャラクタの画像が表示された場合には、大当たり結果に対応した保留情報が記憶されていることを遊技者は把握できる。
一方、ステップ3307にてエンディング表示の終了タイミングである場合、ステップS3316に進む。ステップS3316では、エンディング表示終了処理として開閉実行モードに対応した画像表示を終了する。続くステップS3317では、エンディング表示フラグ及び一致情報フラグを消去する。ステップS3317の処理を実行したら本開閉実行モードに対応した保留予告制御処理を終了する。なお、一致情報フラグが格納されていない場合、その状態が維持される。
ここで、上記のとおり第2結果表示部用保留エリアRbには第1〜第4エリアまで設けられている。タイマ割込み処理が2msec周期で実行され、第2結果表示部用保留エリアRbの第1〜第4エリアの全てに保留情報が記憶されているとしても、タイマ割込み処理が4回実行されれば、全ての保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行できる。本構成であることにより、2msec×4回=8msecにて当否判定処理を実行できる。
また、開閉実行モードにおける開放抽選は29.5sec周期にて実行される。つまり、開放抽選の実行周期が、全ての保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するための期間よりも長くなっている。このため、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される状況において(保留予告実行フラグが格納されている状況において)、開放抽選が実行されるために保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されることは、1回の開閉実行モードが終了する場合に多くとも1回である。これにより、長くとも約10msecにて記憶されている全ての保留情報に対する保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることとなる。
さらに、エンディング表示が開始されてから保留予告の実行タイミングとなるまでには10secかかる。このようにエンディング表示が開始されてから保留予告の実行タイミングとなるまでよりも、保留情報が上限まで記憶されている場合に全ての保留情報に対する保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるまでの期間の方が短いことにより、保留予告の実行タイミングとなるまでに開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了した場合に記憶されている保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が終了していないことを防止できる。
本実施の形態では、開閉実行モードにおいて、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。開閉実行モードでは変動開始処理における当否判定処理が実行されない。これにより、変動開始処理における当否判定処理と、保留予告用の確認処理における当否判定処理との両方が、タイマ割込み処理の1回の処理回で実行されることを防止できる。したがって、各当否判定処理がタイマ割込み処理の1回の処理回で実行されることに起因してタイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了した場合に、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される構成とした。開閉実行モードにおけるラウンドの実行中やラウンド間においては、大入賞口32aを開放させたり、閉鎖させたりする処理を実行する必要があり、処理負荷が大きくなることが考えられる。この点、本実施の形態では、開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了した場合に保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行することにより、処理負荷が小さいタイミングで保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行することができる。この結果、タイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止する効果を高めることができる。
ここで、開閉実行モードにおける最終ラウンドが終了してから開閉実行モードが終了するまでに下作動口34に遊技球が入賞し保留情報が取得されることが考えられる。この点、本実施の形態では、保留予告用の確認処理は開閉実行モードが終了するまで実行されるとともに、表示制御装置212では保留予告の実行タイミングとなるまで一致情報コマンドを受信しているか否かを判定する。これにより、保留予告の実行タイミングとなるまでの期間において取得された保留情報を保留予告の実行契機とすることが可能となる。この結果、保留予告が実行される機会を増やすことができる。
また、本実施の形態では、下作動口34のへの入賞に基づく保留情報については保留予告用の確認処理を実行するが、上作動口33への入賞に基づく保留情報については保留予告用の確認処理を実行しない構成とした。開閉実行モードが終了した場合、高頻度サポートモードが設定されるため、下作動口34への入賞に基づく変動表示が繰り返されることが考えられる。このため、開閉実行モードにおいて上作動口33への入賞に基づく保留情報について保留予告を実行した場合、その保留予告の契機となった保留情報に基づく変動表示の実行のタイミングが遅くなることが考えられる。この場合、遊技者がいずれの保留情報に基づいて保留予告が実行されたかを把握できなくなる不具合の発生が考えられる。この点、本実施の形態では、上作動口33への入賞に基づく保留情報に対して保留予告用の確認処理を実行することで、上記不具合が発生することを防止できる。
なお、開閉実行モードにおいて記憶されている保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報を変更してもよい。例えば、上作動口33への入賞に基づく保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行してもよいし、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づく保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されてもよい。つまり、各作動口33,34への入賞に基づく保留情報のうち、少なくとも一部のものに対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにすればよい。
また、開閉実行モードにおいて保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するタイミングを変更してもよい。例えば、開閉実行モードにおけるラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている状態において保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにしてもよい。ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている場合、大入賞口32aに開放限度個数の遊技球が入賞しているか等を判定する必要がない。このため、開閉実行モードにおけるラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている状態において保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにしても、タイマ割込み処理の1回の処理回が長くなることを防止できる。この場合、開閉実行モードが開始されてからエンディング表示が開始されるまでに随時保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行することが可能となる。この結果、処理負荷が大きくなるタイミングを適宜分散できる。かかる構成については、第6の実施の形態にて説明する。
保留予告用の確認処理にて一の保留情報について、当否判定処理を実行するものとしたが、1回の保留予告用の確認処理にて複数の保留情報に対して当否判定処理が実行されるようにしてもよい。つまり、1回の保留予告用の確認処理にて、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報の最大記憶数よりも少ない数を上限として、複数の保留情報に対して当否判定処理が実行されてもよい。この場合でも、複数記憶されている保留情報のうち、一部のものについて保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するようにすれば、記憶されている全ての保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を1回のタイマ割込み処理の処理回にて実行する構成に比べ、タイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
本実施の形態では、いずれの大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいても、その開閉実行モードが終了する場合に保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するものとしたが、いずれかの大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにしてもよい。つまり、複数設定されている大当たり結果のうち、一部の大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいて保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにしてもよい。
実行される保留予告の態様を任意に変更してもよい。例えば、第1〜第4の実施の形態のように保留予告が保留表示領域Ga,Gbにて実行されるようにしてもよい。
また、例えば、保留予告として、大当たり結果となることを遊技者に報知するのではなく、大当たり結果となる期待度を遊技者に報知するようにしてもよい。本構成においては、大当たり結果に対応した保留情報が記憶されていない場合にも保留予告が実行される。大当たり結果となる期待度を遊技者に報知する場合、大当たり結果となる保留情報が記憶されている期待度に応じたキャラクタが表示されたり、大当たり結果となる保留情報が記憶されている期待度に応じた色(背景色等)が表示されたりするようにすればよい。
また、例えば、保留予告が表示ランプ部63やスピーカ部64を用いて実行されるようにしてもよい。本構成においては、開閉実行モードにおけるエンディング表示が図柄表示装置41にて実行され、保留予告が表示ランプ部64やスピーカ部64にて実行される。このように、エンディング表示が実行される装置と、保留予告が実行される装置とが異なっていてもよい。
<第6の実施の形態>
本実施の形態では、上記第5の実施の形態と異なり、上作動口33及び下作動口34のうちいずれの作動口に入賞した場合であったとしても、取得された保留情報が区別なく記憶される。
本実施の形態では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて取得された保留情報が、いずれの作動口に入賞した場合であっても第1結果表示部用保留エリアRaに記憶される。このため、本実施の形態では、保留球格納エリア232に第2結果表示部用保留エリアRbが設けられていない。具体的には、本実施の形態では、下作動口用の入賞処理におけるステップS405〜ステップS407にて、上作動口用の入賞処理におけるステップS305〜ステップS307の処理を実行する。この結果、下作動口34に遊技球が入賞した場合に、その入賞に基づく保留情報が第1結果表示部保留エリアRaに記憶される。
本実施の形態では、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるタイミングが、上記第5の実施の形態とは異なっている。具体的には、開閉実行モードにおける各ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖状態となっている場合に、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。以下、かかる構成について説明する。
<遊技状態移行処理>
本実施の形態における遊技状態移行処理について図48のフローチャートを参照して説明する。なお、ステップS3401〜ステップS3408の処理については、上記第1の実施の形態における遊技状態移行処理のステップS1301〜ステップS1308と同様のため説明を省略する。
ステップS3401にて開閉実行モード中である場合、ステップS3409に進む。ステップS3409では、大入賞口開閉処理を実行する。本実施の形態における大入賞口開閉処理について図49のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS3501にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいて行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS3502にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS3503にて第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。
第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合又は第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でなく且つ第1タイマエリアT1の値が「0」である場合には、ステップS3504に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS3505では、保留予告実行フラグを消去する。本実施の形態では、開閉実行モードにおいて、大入賞口32aが閉鎖された場合に保留予告実行フラグが格納される。そして本ステップS3505にて、その格納された保留予告実行フラグが消去される。これにより、大入賞口32aが閉鎖されている状態において保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることとなる。
その後ステップS3506では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理では、高頻度入賞モードである場合には(すなわち、今回の開閉実行モードが通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードである場合には)、ステップS1502にて、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた第1タイマエリアT1に、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。また、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。その後、本設定処理を終了する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には(すなわち、今回の開閉実行モードが各2R確変大当たり結果のいずれかに基づく開閉実行モードである場合には)、第1タイマエリアT1に、「100」(すなわち0.2sec)をセットする。
各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS3507にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、タイマ割込み処理(図43)におけるステップS2912にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS3501にて大入賞口が開放中である場合にはステップS3508に進み、第1タイマエリアT1の値が「0」か否かを判定する。第1タイマエリアT1の値が「0」でない場合、ステップS3509にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS3510にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントした後にステップS3511にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS3508にて第1タイマエリアT1の値が「0」の場合、又はステップS3511にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS3512にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS3513では第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1ディクリメントし、ステップS3514にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS3514にて第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、ステップS3515に進む。ステップS3515では、高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、第1タイマエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、第1タイマエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS3518にて閉鎖コマンドを設定する。この設定された閉鎖コマンドは、タイマ割込み処理(図43)におけるステップS2912にて、音声ランプ制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。音声ランプ制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
その後、ステップS3519では、保留予告実行フラグを格納する。これにより、上記ステップS3505にて、格納された保留予告実行フラグが消去されるまで、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。保留予告実行フラグを格納したら本大入賞口開閉処理を終了する。
ここで、本実施の形態における保留予告用の確認処理について説明する。上述したように本実施の形態では、保留情報が取得された場合、その保留情報が上作動口33への入賞に基づくものであるか、又は下作動口34への入賞に基づくものであるかが区別されない。このため、本実施の形態では、上記第5の実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理におけるステップS3203にて未判定の保留情報の確認処理を実行する場合、第1結果表示部用保留エリアRaにおける第1〜第4エリアのうち、保留情報が記憶されているエリアを把握する。そして、各種フラグ格納エリア235に設けられた判定済みフラグ格納エリアを参照して、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となっていない保留情報が記憶されているか否かを把握する。
上記構成であることにより、本実施の形態では、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶されている保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。また、その当否判定処理が実行された場合には、第1結果表示部用保留エリアRaにおける第1エリア〜第4エリアに対応したエリアに判定済みフラグが格納される。
上記第5の実施の形態における下作動口に係る保留予告用の確認処理に代えて、各作動口に係る保留予告用の確認処理が実行される。具体的には、本実施の形態では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づき取得される保留情報に区別がない。
また、本実施の形態では、ステップS3212にて比較結果が一致している場合、一致情報フラグを各種フラグ格納エリア235における一致情報フラグ格納エリアに格納する。本実施の形態では、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行され、大当たり結果に対応した保留情報が記憶されていることが判定されたとしても、音声ランプ制御装置82(音声ランプ制御装置82を介して表示制御装置212)に一致情報コマンドが出力されないようになっている。
遊技状態移行処理(図48)の説明に戻り、ステップS3409にて大入賞口開閉処理を実行したらステップS3410に進む。ステップS3410では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」か否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」である場合には、ステップS3410に進む。ステップS3410では、一致情報フラグが各種フラグ格納エリア235に格納されているか否かを判定する。ステップS3411にて一致情報フラグが格納されている場合、ステップS3412に進む。ステップS3412では、保留予告に対応したエンディングコマンドを設定する。ステップS3411にて一致情報フラグが格納されていない場合、ステップS3413に進む。ステップS3413では、保留予告コマンドに対応していないエンディングコマンドを設定する。
ステップS3412又はステップS3413にて設定されたエンディングコマンドは、タイマ割込み処理(図43)のステップS2912にて音声ランプ制御装置82に出力される。また、これらのエンディングコマンドは、音声ランプ制御装置82から表示制御装置212に送信される。表示制御装置212は、保留予告に対応したエンディングコマンドを受信した場合、エンディング表示開始処理を実行するとともに、保留予告に対応したエンディング表示処理(ステップS3314)を実行する。また、表示制御装置212は、保留予告に対応していないエンディングコマンドを受信した場合、エンディング表示処理を開始するとともに、保留予告に対応したエンディング表示処理(ステップS3315)を実行する。このように、本実施の形態では、受信したエンディングコマンドの種別に応じて開閉実行モードが終了する場合の表示態様が異なるようになっている。
ステップS3412又はステップS3413にてエンディングコマンドを設定した場合、ステップS3414に進む。ステップS3414では、保留予告に係るフラグを消去する。具体的には、保留予告実行フラグと、判定済みフラグと、一致情報フラグとをそれぞれ消去する。なお、ステップS3414では、各種フラグが格納されているフラグ格納エリアをそれぞれクリアするものであり、各種フラグが格納されていない場合には各種フラグが格納されていない状態が維持される。
その後、開閉実行モード終了時の移行処理を実行し、ラウンド表示処理の終了処理を実行し、開閉実行モードの終了処理を実行したら本遊技状態移行処理を終了する。ステップS3415〜ステップS3417の各処理は、上記第1の実施の形態における遊技状態移行処理のステップS1312〜ステップS1314と同様のため説明を省略する。
上記第5の実施の形態では、開閉実行モードが終了し、エンディング表示が開始された場合に、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。そして、一致情報コマンドが出力されたことに基づいて、保留予告に対応したエンディング表示が実行される。このため、保留予告に対応したエンディング表示が実行されるためには、主制御装置82からエンディングコマンドと、一致情報コマンドとがそれぞれ出力される必要がある。この点、本実施の形態では、開閉実行モードにおいてエンディングコマンドを出力する前に、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する。そして、一致情報フラグが格納されていることに基づいて保留予告に対応したエンディングコマンドが出力され、保留予告に対応したエンディング表示が実行される。つまり、本実施の形態では、エンディングコマンドと一致情報コマンドとを個別に出力する必要がない。したがって、本実施の形態では、上記第5の実施の形態よりも、保留予告に対応したエンディング表示が実行されるために、主制御装置82から出力されるコマンドの数を少なくできる。この結果、主制御装置82にてコマンドを設定する場合の処理負荷を軽減できる。
本実施の形態では、ステップS3514にて第1ラウンドカウンタRC1の値が「0」でないと判定された場合に保留予告実行フラグが格納される。そして、その保留予告実行フラグは大入賞口32aが開放された場合に消去される。これらのため、開閉実行モードにおける各ラウンド間にて、大入賞口32aが閉鎖されている状態において保留予告実行フラグが格納される。本構成であることにより、開閉実行モードにおける各ラウンド間にて保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。大入賞口32aが開放されている場合、大入賞口32aを閉鎖する条件が成立したか否かの判定を行う必要があり(大入賞口開閉処理(図49)におけるステップS3508〜ステップS3511の処理を行う必要があり)、大入賞口32aが閉鎖されている場合に比べ、大入賞口開閉処理にかかる処理時間が長くなることが考えられる。
ここで、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行すると、タイマ割込み処理の1回の処理回の時間が極端に長くなり、タイマ割込み処理が所定周期にて実行できなくなる不具合が発生するおそれがある。この点、本実施の形態では、大入賞口32aが閉鎖されている場合に保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行することにより、タイマ割込み処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
本実施の形態では、開閉実行モードにおける最後のラウンドが開始された場合、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されない。このため、最後のラウンドが開始された後に取得された保留情報は、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象とはならない。ここで、保留予告に対応したエンディング表示は、表示制御装置212にて報知発生抽選に当選しなければ実行されない。これにより、大当たり当選に対応した保留情報が記憶されているとしても、必ず保留予告に対応したエンディング表示が実行されるわけではない。この結果、最後のラウンドが開始された場合に取得された保留情報に基づいて保留予告に対応したエンディング表示が実行されず、さらに、その保留情報が変動開始処理における当否判定処理の対象となった場合に大当たり当選となったとしても、遊技者が違和感を抱くことを防止できる。つまり、最後のラウンドが開始された後に取得された保留情報に基づいて保留予告に対応したエンディング表示が実行されないとしても何ら不具合が生じない。
上記第5の実施の形態では、下作動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるが、上作動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に対しては保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されない構成とした。開閉実行モードにおいては、電動役物34aが開放状態となる期間が短いため、下作動口34に遊技球が入賞しにくいことが考えられる。この場合、下作動口34への入賞に基づいて保留情報が記憶されていない状態にて開閉実行モードに移行された場合、その開閉実行モードにおいて下作動口34への遊技球の入賞が発生せず、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されないことが考えられる。特に、低頻度サポートモードにおいては下作動口34への入賞が発生しにくく、低頻度サポートモードにおいては下作動口34への入賞に基づく保留情報が記憶されていない状態にて開閉実行モードに移行し易い。
この点、本実施の形態では、いずれの作動口への入賞であるかを区別することなく、保留情報を記憶し、その保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行する構成とした。上作動口33には開閉実行モードにおいても入賞が発生することが考えられ、保留情報が記憶されていない状態にて開閉実行モードに移行したとしても、その開閉実行モードが終了するまでには保留情報が記憶されているものと考えられる。この結果、保留予告用の確認処理における当否判定処理の対象となる保留情報が記憶されていない状態にて開閉実行モードが終了することを抑制できる。以上より、本実施の形態では、上記第5の実施の形態に比べ、保留予告が実行される頻度を高めることが可能となる。
なお、各2R確変大当たり結果に基づく開閉実行モードにおいては、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行しないものとしてもよい。この場合、保留予告実行フラグを格納するタイミングを、大入賞口開閉処理(図49)におけるステップS3515にて、高頻度入賞モードであると判定した場合、ステップS3516の処理が実行される前に格納するとよい。
本第6の実施の形態において、保留予告が実行されるタイミングを変更してもよい。例えば、各ラウンドにおいて大入賞口32aが開放されている場合や、ラウンドが終了し大入賞口32aが閉鎖されている場合に、保留予告を実行することも可能となる。この場合、保留予告に対応した演出が図柄表示装置41、表示ランプ部64、スピーカ部64のいずれかにて実行されるようにすればよい。
<第7の実施の形態>
本実施の形態では、上記第5の実施の形態とは異なり、遊技回制御処理、遊技状態移行処理、電役サポート用処理、下作動口に係る保留予告用の確認処理、外部出力処理及び開放抽選実行フラグを消去する処理が上記第1の実施の形態にて説明した通常処理にて実行される。つまり、上記第5の実施の形態におけるステップS2908〜ステップS2913の処理が通常処理にて実行される。そして、上記第5の実施の形態におけるステップS2901〜ステップS2907の処理が、タイマ割込み処理にて実行される。
したがって、上記第5の実施の形態におけるステップS2908〜ステップS2913の処理が所定周期にて実行されており、上記第5の実施の形態におけるステップS2901〜ステップS2907の処理が、そのステップS2908〜ステップS2913の処理に割り込んで実行されることとなる。
上述したように、各作動口用の入賞処理が実行され、保留情報が記憶されたとしても、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されない。このため、開閉実行モードでない場合に、通常処理(ステップS2908〜ステップS2913の処理)に割り込んでタイマ割込み処理(ステップS2901〜ステップS2907の処理)が実行されるとしても、通常処理における1回の処理回が極端に長くなることがない。また、開閉実行モードにおいては、電役サポート用処理にて開放抽選が実行される場合には、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限される。この結果、開閉実行モードにおいて通常処理の1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
以上のように、本実施の形態における構成を適用したとしても、保留予告を実行しつつ、通常処理における1回の処理回が極端に長くなることを防止できる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、以下の各構成を、適用対象として例示した実施の形態以外の実施の形態に対して適用してもよい。
(1)第1〜第4の実施の形態において変動開始処理における当否判定処理が実行される場合に、制限される保留予告用の確認処理における当否判定処理を変更してもよい。例えば、常に下作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が優先して実行されるように、すなわち上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限され得るようにしてもよい。下作動口34への入賞に基づく変動表示は、上作動口33への入賞に基づく変動表示よりも優先して実行される。本構成においては、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を優先して実行することにより、保留予告が実行された場合に、保留予告の実行契機となった保留情報に基づく変動表示の実行タイミングが遅くなることを防止できる。
また、制限フラグが設けられていなくともよい。つまり、変動開始処理における当否判定処理が実行されるか否かに関わらず、各保留予告用の確認処理にて当否判定処理のうち一方のものが実行されないようにしてもよい。
(2)各保留予告用の確認処理における当否判定処理を制限する場合、当該当否判定処理を実行しないものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限されたとしても所定の条件を満たしている場合には、その制限に係る保留情報について後から保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるものが考えられる。具体的には、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限された後の処理回(第1の実施の形態における通常処理の処理回、第2〜第4の実施の形態におけるタイマ割込み処理の処理回)且つ、変動開始処理における当否判定処理が行われない処理回にて、上記制限に係る保留情報ついて保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるようにしてもよい。これにより、変動開始処理における当否判定処理が実行される処理回の処理(第1の実施の形態における通常処理、第2〜第4の実施の形態におけるタイマ割込み処理)が完了するまでは保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されることを制限しながら、各保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行される機会を上記各実施の形態よりも高められる。
本構成においては、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限された場合、その制限に係る保留情報について不一致保留コマンドが出力される。その後の処理回において、その保留情報について保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行され、大当たり数値情報に対応していると判定された場合にはそれに対応した修正結果が導出される。この修正結果が導出された場合に、対応した修正コマンドが出力され、その修正コマンドに対応した単位エリアの情報が外れ情報から報知情報に変更される。この結果、一旦は保留予告の実行が制限されたとしても、その後に保留予告を実行することが可能となり、保留予告が実行される機会が高められる。
なお、保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限された後であって、当該制限対象となった保留情報について保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される前のタイミングで保留情報が新たに取得された場合、当該制限対象となっている保留情報について保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されないようにしてもよい。これにより、保留予告用の確認処理をいずれの保留情報について行うべきかの特定を行うための処理が煩雑なものとなってしまうことを抑えながら、上記のような優れた効果を奏することができる。
また、例えば、各保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限する場合、所定の保留情報について大当たり数値情報の一部のみを参照して当否判定処理を実行する構成が考えられる。本構成においては、少なくとも一部の大当たり数値情報について当否判定処理が実行されるため、保留予告が全く行われなくなることを防止しつつ、第1,第7の実施の形態における通常処理や第2〜第6の実施の形態におけるタイマ割込み処理の1回の処理回にかかる時間が長くなることを防止できる。
(3)上作動口33への入賞に基づく保留情報と、下作動口34への入賞に基づく保留情報との両方が記憶されている場合、下作動口34への入賞に基づく保留情報について優先して変動表示が行われるものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、上作動口33への入賞に基づく変動表示が優先して実行されるようにしてもよい。この場合、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理よりも優先して実行するようにすればよい。
また、各作動口33,34へ入賞した順番通りに変動表示が行われるようにしてもよい。本構成では、各作動口33,34へ入賞した順番通りに変動表示が行われる場合、上作動口及び下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理のうち、予め定められたものを実行すればよい。また、第1の実施の形態のように、通常処理の1回の処理回にて一の保留予告用の確認処理における当否判定処理が複数回実行され得る構成においては、先に入賞が特定された作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行するようにすればよい。
(4)上記第1〜第5の実施の形態において、上作動口33への入賞に基づいて取得された保留情報と、下作動口34への入賞基づいて取得された保留情報とのそれぞれは、異なる領域に記憶されるものとしたが一の記憶領域に記憶されるようにしてもよい。つまり、上作動口33及び下作動口34のうち、いずれの作動口への入賞であったとしても保留情報に区別がなくともよい。この場合、各作動口への入賞が発生している場合に、いずれか一方への作動口への入賞に基づく保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行しないようにすればよい。
作動口が複数設けられている必要はなく、一の作動口が設けられている構成としてもよい。本構成においても、作動口に遊技球が入賞した後の通路構成や、第1の実施の形態における通常処理又は第2〜第4の実施の形態におけるタイマ割込み処理が実行される周期によって、各処理の1の処理回において複数回の遊技球の入賞が発生することが考えられる。本構成においても、複数回の入賞のうち、一部の入賞に基づく保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行を制限することにより、各処理の1の処理回が極端に長くなることを防止できる。
また、保留情報を格納可能なエリアを上作動口33と下作動口34との総保留個数分備えるとともに、各エリアには、上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアが設定された共通保留エリアを備える構成としてもよい。当該共通保留エリアの各エリアとしては、例えば、各エリアを1バイトなどの記憶領域として構成し、当該記憶領域の所定のビット部分を上作動口33及び下作動口34のいずれに対応しているかの情報を格納可能な部分エリアとして設定する構成が考えられる。この場合であっても、本パチンコ機10は、第1取得情報記憶手段と第2取得情報記憶手段を備えた構成となる。
(5)下作動口34を開放状態と閉鎖状態とで切り換える構成としては、電動役物34aによるものに限定されることはなく、下作動口34を遊技盤24から遊技領域に対して出没可能に設け、遊技領域に突出した状態では下作動口34に遊技球が入賞可能となり、遊技領域から没した状態では下作動口34への遊技球の入賞が困難となる構成としてもよい。
(6)上記各実施の形態では、保留予告の設定を行う上で、大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報のみが確認される構成としたが、これに限定されることはなく、大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報や、リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報も確認される構成としてもよい。また、大当たり当選となる遊技回においては、図柄表示装置41における図柄の変動表示パターンとして、リーチ表示が発生する構成とした場合には、保留情報が大当たり当選に対応しているか否かに関係なく当該保留情報にリーチ表示に対応した情報が含まれているか否かを確認し、保留予告ではリーチ発生の有無を報知する構成としてもよい。また、リーチ発生の有無だけでなく、変動表示時間の情報も、保留コマンドの設定処理にて確認する構成としてもよい。この場合、保留予告としてリーチ表示の種別などを報知することが可能となる。
上記各構成では、保留コマンドを設定する場合、保留情報が大当たり数値情報に対応しているか否かの確認だけでなく、保留情報がリーチ発生数値情報に対応しているか否かの確認や保留情報がいずれの変動表示時間に対応しているかの確認などを行う必要がある。そうすると、変動開始処理における当否判定処理と各保留予告用の確認処理における当否判定処理とが通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内で実行されると、当該進行用処理の処理時間が長時間化してしまう。これに対して、上記各実施の形態のように保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
(7)保留予告の実行を制限する場合、保留予告用の確認処理の当否判定処理の実行が制限されたが、保留予告用の確認処理自体が実行されないようにしてもよい。この場合、音声ランプ制御装置82に作動口33,34への入賞が発生したことを示すコマンドが送信されればよい。
(8)上記第1〜第4の実施の形態における開閉実行モードにおいて、各保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されないようにしてもよい。開閉実行モードでは保留予告が実行されない構成としたため、開閉実行モードにおいて各保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行しないとしても、保留予告が実行される頻度が変化しない。
また、保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいては行われないようにしたが、これに限定されることはなく、保留予告の設定や実行が、開閉実行モードにおいて行われ得る構成としてもよい。具体的には、開閉実行モードである場合と、開閉実行モードでない場合とで、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される又は優先して実行される作動口が異なるようにしてもよい。例えば、開閉実行モードにおいて下作動口34への入賞に基づく場合にのみ保留予告が実行され得るようにしてもよい。開閉実行モードにおいて第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報についての保留予告が実行されている状態にて高頻度サポートモードが開始されることとなる。
また、各保留表示領域Ga,Gbに報知情報が設定されていたとしても、開閉実行モードに移行した場合、外れ情報に修正されるものとしたが、開閉実行モードに移行したとしても、その報知情報の設定が維持されるようにしてもよい。
(9)保留予告用の確認処理における当否判定処理が、作動口33,34への入賞に基づき取得された情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納された後に、実行される構成としたが、これに限定されることはなく、保留予告用の確認処理が、作動口33,34への入賞に基づき情報が取得された後であって当該情報が保留情報として第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納される前に、実行される構成としてもよい。
(10)第1始動入球部としての上作動口33と、第2始動入球部としての下作動口34とが上下に並設された構成としたが、これに限定されることはなく、両者の位置関係が逆であってもよく、両者が左右に離間されていてもよい。
また、第1始動入球部と第2始動入球部とを同一態様(同一の回動量)で発射ハンドル54を操作した場合に、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞し得るようにこれら第1始動入球部及び第2始動入球部を並設したが、これに限定されることはなく、同一態様で発射ハンドル54を操作したとしても、第1始動入球部及び第2始動入球部のそれぞれに遊技球が入賞しづらいように、第1始動入球部と第2始動入球部との位置関係を設定してもよい。この場合、第1始動入球部への遊技球の入賞を狙った第1発射操作と、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙った第2発射操作とが個別に設定され、遊技者にとっては第1始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができるとともに、第2始動入球部への遊技球の入賞を狙って発射ハンドル54を操作することができる。
また、始動入球部の数は2個に限定されることはなく、例えば3個以上であってもよい。
(11)既に保留予告の実行の契機として設定されている保留情報が第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納されている場合には、その状況において作動口33,34への入賞に基づき取得された保留情報が新たに保留予告の実行の契機として設定されない構成としてもよい。
(12)上作動口33への入賞に基づき払い出される遊技球の数と下作動口34への入賞に基づき払い出される遊技球の数とを変更してもよく、例えば、各作動口33,34に入賞した場合に払い出される遊技球の数を同一とすることにより、上作動口33への入賞により遊技者に付与される特典と、下作動口34への入賞により遊技者に付与される特典とが同一となる構成としてもよい。
また、大当たり結果として、開閉実行モードが発生しないまま高確率モードや高頻度サポートモードに移行することとなる大当たり結果を設定してもよい。また、通常遊技状態よりも不利な遊技状態を設定するとともに、当否判定による結果として上記不利な遊技状態となる当否結果を設定してもよい。
(13)保留個数は、第1結果表示部用保留エリアRaが4個であり、第2結果表示部用保留エリアRbが4個である構成に限定されることはなく、各3個又は各5個以上であってもよく、両保留個数が異なる構成としてもよい。
(14)可変入賞装置32などへの遊技球の入賞に対する遊技球の付与の構成は遊技球を直接払い出す構成に限定されることはなく、仮想遊技媒体を記憶する機能を有する構成においては、当該仮想遊技媒体を付与する構成としてもよい。
また、上記各実施の形態において、図柄表示装置41が不具備であり、当否抽選などの抽選結果が可動式の装飾部材により教示される構成としてもよい。
また、上記各実施の形態において、下作動口34に設けられた電動役物34aのサポートモードとして、低頻度サポートモードの代わりに、電動役物34aが開放状態とならないサポート不可モードを設定してもよい。また、電動役物34aが閉鎖状態である状況であっても下作動口34への遊技球の入賞が発生し得る構成としてもよい。
(15)上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とで、大当たり乱数カウンタや大当たり種別カウンタについてそれぞれ異なるカウンタを用いる構成としてもよい。
(16)高確率モード用に設定される大当たり数値情報の数が10個以外でもよいことは言うまでもなく、低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数は高確率モード用に設定された大当たり数値情報の数よりも少ないのであればその数を任意に変更できることは言うまでもない。低確率モード用に設定される大当たり数値情報の数を増加させる場合、低頻度サポートモード、かつ、低確率モードにおいて各保留予告用の確認処理における当否判定処理の実行が制限され得るようにするとよい。この場合、低頻度サポートモードかつ、高確率モードの場合と同様に、上作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理が、下作動口に係る保留予告用の確認処理における当否判定処理よりも優先して実行されるようにするとよい。
(17)上記第1〜第4の実施の形態においては、保留予告用の確認処理を実行する場合、当該保留予告用の確認処理が実行される処理回にて取得された情報について当否判定を行うものとしたが、かかる構成に限定されない。
例えば、保留予告用の確認処理にて当否判定を行うための保留情報と、その保留予告用の確認処理が実行される処理回にて取得されていた保留情報と、が異なっていてもよい。この場合、作動口への入賞が発生した場合に既に記憶されている保留情報に対して保留予告用の確認処理にて当否判定処理を実行するようにすればよい。
また、例えば、保留予告用の確認処理における当否判定処理が、所定周期にて実行されるのではなく、予め定められたタイミングにて実行されるようにしてもよい。この場合、保留予告用の確認処理が実行される通常処理の処理回よりも以前に取得されていた保留情報に対して保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行される。本構成においては、その通常処理の処理回にて保留情報が取得されていたか否かとは無関係に、保留予告用の確認処理における当否判定処理が実行されるか否かが決定されることとなる。
(18)第1〜第4の実施の形態において各保留予告用の確認処理にて当否判定処理を制限するタイミングを変更してもよい。例えば、高頻度サポートモードにおいて、上作動口に係る保留予告用の確認処理にて当否判定処理が実行されるようにしてもよい。
(19)上記大当たり結果とは異なる遊技結果が設定されていてもよい。例えば、開閉実行モードには移行するが、開閉実行モードへの移行前の抽選モード及びサポートモードの状態が、その開閉実行モードへの移行後(終了後)に維持される特別外れ結果が設定されていてもよい。この特別外れ結果に基づく開閉実行モードの態様として、大入賞口32aが所定回数開放される、又は大入賞口32aに所定個数の遊技球が入賞した場合に開閉実行モードが終了するものが考えられる。この場合に、大入賞口32aが開放される回数及び開放期間を、非明示2R確変大当たり結果となったことに基づく開閉実行モードと同様にしておくとよい。これにより、開閉実行モードに移行した場合に、その開閉実行モードが、特別外れ結果に基づくものか、又は非明示2R確変大当たり結果に基づくものなのかを遊技者に推測させる遊技を追加できる。
(20)上記第1〜第4の実施の形態では、上作動口に係る保留予告用の確認処理及び下作動口に係る保留予告用の確認処理のそれぞれでは、取得されている保留情報の数に関わらず、当否判定処理を実行するものとしたが、取得されている保留情報の数に応じて当否判定処理を実行するか否かを決定するようにしてもよい。例えば、保留情報が取得されていない状態にて新たに保留情報が取得された場合、保留予告用の確認処理における当否判定処理を実行しないようにしてもよい。この場合、報知情報が設定されたとしても、その報知情報が表示されている時間が短く、保留予告を実行しないとしても問題が生じない。特に、保留情報が取得されていない状態にて新たに保留情報が取得された場合、単位エリアに報知情報及び外れ情報のいずれも設定されない構成に適用すると効果的である。
(21)読み込み処理がタイマ割込み処理の一部の処理として実行され、保留予告用の確認処理が通常処理の一部の処理として実行される構成としてもよい。本構成を第1〜第4の形態に適用した場合、保留予告用の確認処理の実行タイミングとなるまでに、上作動口33への入賞に基づき保留情報が取得されているとともに下作動口34への入賞に基づき保留情報が取得されている場合には、それぞれの保留情報に対して保留予告用の確認処理が実行されるようにすることで、各保留情報に対する保留予告用の設定処理を早期に実行することが可能となる。
但し、本構成において、通常処理の1処理回の範囲内において変動開始処理における当否判定処理と保留予告用の確認処理における当否判定処理とが共に実行されるとすると、当該通常処理の1処理回の処理時間が極端に長くなってしまうことが考えられる。したがって、かかる構成であっても、上記各実施の形態における制限の構成を適用することが好ましい。
(22)上記第1〜第4の実施の形態のように保留表示領域Ga,Gbといった個別表示領域にて保留予告を行う構成に限定されることはなく、図柄表示装置41にて図柄の変動表示が行われている状況において当該図柄の変動表示の態様やそれに付随して表示されるキャラクタ等の態様を保留予告用の態様とすることで、保留予告を行う構成としてもよい。
具体的には、表示制御装置212では保留予告用の確認処理にて確認対象となった保留情報が大当たり当選に対応していると判定されたことに基づいて、当該保留情報を保留予告の実行の契機として設定し、かかる実行の契機として設定された保留情報よりも前に実行される遊技回における図柄表示装置41での表示態様を保留予告用の表示態様とする構成が考えられる。そして、かかる保留予告用の表示態様としては、図柄の変動表示中に所定の報知画像を表示する構成や、図柄の変動表示の停止結果を保留予告に対応した停止結果とする構成が考えられる。
かかる構成においては、主制御装置81にて保留予告用の確認処理が実行され当該主制御装置81から一致保留コマンドが送信されることで、表示制御装置212にて当該一致保留コマンドの送信に係る保留情報を保留予告の実行の契機として設定するか否かの判定が行われ、実行の契機として設定する旨の決定が行われた場合に契機情報を記憶するようにする。そして、契機情報が記憶されている状況では、保留予告の実行の契機として設定された保留情報よりも前に当否判定の対象となった保留情報に係る遊技回にて保留予告用の表示態様を表示させる。
上記構成であっても、主制御装置81における通常処理又はタイマ割込み処理といった進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理と当否判定処理との両方が実行されることは好ましくない。したがって、上記各実施の形態のように、当否判定処理が実行される進行用処理の1処理回の範囲内においては保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とすることが好ましい。
なお、図柄表示装置41とは異なる報知用装置にて保留予告を行う構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41とは異なる表示装置にて保留予告を行う構成としてもよく、所定の音をスピーカ部64から出力することにより保留予告を行う構成としてもよく、所定の発光態様で発光部を発光させることで保留予告を行う構成としてもよい。
(23)主制御装置81は大当たり乱数カウンタC1から取得した情報をそのまま音声ランプ制御装置82や表示制御装置212といったサブ側の制御装置に送信し、サブ側の制御装置において保留予告用の確認処理を実行する構成としてもよい。この場合であっても、サブ側の制御装置において進行用処理の1処理回の範囲内で保留予告用の確認処理とその他の特別処理との両方が実行されるとすると、進行用処理の1処理回に要する処理時間の長時間化が懸念される。したがって、進行用処理の1処理回の範囲内において特別処理が実行される場合には保留予告用の確認処理の実行が制限され得る構成とする、又は進行用処理の1処理回の範囲内において保留予告用の確認処理が実行される場合には特別処理の実行が制限され得る構成とするとよい。なお、特別処理としては、例えば、サブ側の制御装置において1遊技回の演出内容を決定する処理、より具体的には図柄の変動表示態様を決定する処理が考えられる。
(24)上記各実施の形態では、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれる構成としたが、これに限定されることはなく、低確率モードにおける大当たり数値情報が高確率モードにおける大当たり数値情報に含まれない構成としてもよい。
(25)上記各実施の形態では、当否判定処理の処理プログラムにて参照すべき大当たり数値情報の数が指定される構成としたが、これに限定されることはなく、参照すべき大当たり数値情報の数を指定するための指定用テーブルが別途用意されていて、当否判定処理や保留コマンドの設定処理では指定用テーブルにおいて参照すべきアドレス情報が指定される構成としてもよい。この場合、当否判定処理では、指定用テーブルから読み出した大当たり数値情報の数だけ、参照して保留情報との比較処理を実行する。また、上記指定用テーブルが当否テーブルに含まれた構成としてもよい。
(26)保留予告が行われ得る状態と保留予告が不可となる状態との切り換えがなされる構成としてもよい。この場合、当該切り換えを行う主体は、主制御装置81、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212のうちのいずれであってもよい。また、切り換えの契機に関しては、所定の開始条件が成立した場合に保留予告が行われ得る状態となり、所定の終了条件が成立した場合に保留予告が不可となる状態となるのであれば任意であり、例えば、許可抽選と不可抽選とを設け、許可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が行われ得る状態となるとともに、不可抽選にて当選結果となった場合に保留予告が不可となる状態となるよう構成してもよい。
(27)各保留予告用の確認処理にて確認する大当たり数値情報の数を変更してもよい。例えば、設定されている大当たり数値情報のうち、一部のものを確認するようにしてもよい。具体的には、高確率モードと低確率モードとでのいずれであっても大当たり当選となる、すなわち各抽選モードにて重複して大当たり当選となる大当たり数値情報のみを参照して当否判定処理を実行するようにしてもよい。
(28)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益を上記各実施の形態のものから変更してもよい。このように有利な状態を設定する上では、例えば、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率を、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合の大当たり当選確率よりも高く設定する構成としてもよい。この場合、遊技状態に応じて大当たり当選確率が高くなる側の作動口への入賞に係る保留情報が変化するようにしてもよい。具体的には、低確率モードにおいては上作動口33への入賞に係る保留情報の方が下作動口34への入賞に係る保留情報よりも大当たり当選となる確率が高く、高確率モードにおいては、下作動口34への入賞に係る保留情報の方が下作動口34への入賞に係る保留情報よりも大当たり当選となる確率が高くなるものが考えられる。
また、例えば、各作動口33,34への入賞が発生した場合、大当たり結果の振分先が同一となっていてもよい。
また、上記各実施の形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。
(29)当否抽選モードが複数段階設定されているのではなく、単一の当否抽選モードのみが設定されており、さらに当該当否抽選モードについて複数種類の大当たり数値情報が設定された構成としてもよい。
(30)主制御装置81に大当たり当選に対応した保留情報が記憶されている場合であって、かかる保留情報について保留予告が実行されていない場合には、作動口33,34への新たな入賞に基づき取得された保留情報について保留予告が開始されない構成としてもよい。つまり、作動口33,34への新たな入賞に基づき保留情報が取得された場合に、既に記憶されている保留情報に大当たり当選に対応した保留情報が含まれているか否かを判定する手段と、大当たり当選に対応した保留情報が含まれていると判定された場合には新たな入賞に基づき取得された保留情報に対して保留予告が実行されないように規制する手段と、を備えた構成としてもよい。この場合、大当たり当選に対応した保留情報について保留予告が実行されていないにも関わらず、他の保留情報について保留予告が実行されてしまうことが規制され、保留予告への注目度を高めることが可能となる。
(31)上作動口33への入賞が発生しているか否かの判定や下作動口34への入賞が発生しているか否かの判定を行うための処理構成は、上記各実施の形態における構成に限定されることはなく、任意である。例えば、MPU202のレジスタ又はRAM204に、今回用エリア、前回用エリア、前々回用エリアを設け、検知センサからの信号の入力結果の3回分をそれらエリアに格納する。そして、それらエリアに格納されている情報を演算することにより、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されているか否かの特定を行うようにしてもよい。具体的には、非入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「0」の情報が格納され、入賞信号の入力が確認されたタイミングに対応したエリアには「1」の情報が格納されるようにする。そして、前々回用エリアに格納されている情報を反転した情報と、前回用エリアに格納されている情報と、今回用エリアに格納されている情報との論理積が「1」の場合に、非入賞信号が出力されている状況に続いて入賞信号が出力されている状況が複数回の確認タイミングに亘って継続されていると特定する構成としてもよい。
(32)上記各実施の形態では、保留情報が取得される条件を作動口33,34への入賞が発生することとしたが、これに限定されることはなく、他の入球部に入賞したことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。また、遊技領域を流下する遊技球が所定の入球部に入球したことに基づき保留情報が取得されるのではなく、遊技者により手動操作される操作部が操作されたことに基づき保留情報が取得される構成としてもよい。
(33)上記各実施の形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置81では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、変動表示時間の決定及び種別判定を行った場合に、変動時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら変動時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、変動時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置41において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(34)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(35)上記第1の実施の形態、通常処理にて4msecの残余期間内で行われる処理は、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新処理に限定されることはなく、遊技を進行させる上で実行される他の処理であってもよい。
(36)上記第1〜第4の実施の形態において、パチンコ機10の電源が投入されてから制限の解除条件が成立するまで保留予告用の確認処理といった制限対象の処理の実行が制限され得る構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が投入されてメイン処理が実行された場合に制限フラグが格納され、上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。また、パチンコ機10の電源遮断に際して制限フラグが格納され、バックアップ電力により電源遮断中も記憶保持されるとともに、パチンコ機10の電源投入後において上記各実施の形態にて示したような消去タイミングまで当該制限フラグが記憶保持される構成としてもよい。本構成は、当否抽選モードが低確率モードであっても保留予告用の確認処理における当否判定処理が制限される構成に対して適用すると有効である。
(37)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
(38)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
以上のような構成の遊技機において、遊技結果を決定するための情報を予め取得しておき、その情報に基づく遊技結果を前もって報知する場合に、本発明を適用すればその報知を行うための処理を良好に実行できる。
(39)上記各実施の形態の特徴的な構成や、上記他の実施の形態の構成を、遊技への注目度を良好に高めることができるという効果が生じるのであれば、任意の組み合わせで相互に適用してもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。下記発明群は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、大当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、抽選結果がいわゆる大当たり遊技状態への移行当選である場合には、1遊技回分の表示演出が実行された後などにおいて、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が実行され、可変入球装置への入球数に応じた遊技球の払出が実行される。また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり抽選が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される(例えば特許文献1参照)。上記構成の遊技機における遊技は、始動入球部への入球が発生するように遊技球を発射させるという遊技と、始動入球部への入球が発生した場合にその抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技とからなると言える。そして、前者の遊技に関しては、保留記憶の上限に至るまでは始動入球部への入球が発生するか否かに遊技者は注目するとともに、後者の遊技に関しては、絵柄の変動表示の態様が、大当たり遊技状態への移行当選に対応した停止結果となり易いものであるか否かに遊技者は注目する。ここで、遊技機においては、遊技の多様化を図ることで、遊技への注目度を高める必要がある。かかる遊技の多様化を図る上では、上記のように遊技球を発射させるという遊技においては遊技領域における遊技球の流下態様を多様化させる方法が考えられ、上記のように1遊技回毎に抽選結果が当たりか否かを確認するという遊技においては1遊技回毎に行われる表示演出の表示パターンを多様化する方法が考えられる。しかしながら、前者については遊技領域の広さは限られているため遊技の多様化を図ろうとしても限界があり、後者については1遊技回毎の表示パターンを多様化したとしても、遊技への注目度を高めるという点においてやはり限界がある。したがって、遊技への注目度を高める上で未だ改良の余地がある。但し、遊技機においては制御装置における処理負荷が増大化する傾向にある。そうすると、上記異なる要素に着目して遊技の多様化を図る上で、制御装置において処理が良好に行えなくなることは好ましくなく、これを考慮しつつ、上記異なる要素に着目して遊技の多様化を図る必要がある。本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技への注目度を良好に高めることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。」という背景技術及び技術的課題に基づきなされたものである。
特徴1.進行用処理(第1,第7の実施の形態における通常処理、第2〜第6の実施の形態におけるタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件(各作動口33,34への入球)が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理にて当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202による上作動口及び下作動口に係る保留予告用の確認処理をそれぞれ実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における各保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内において、複数の特別情報のうち少なくとも一部の特別情報についての前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1701〜ステップ1704、ステップS1801〜ステップS1803及びステップS3202の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴1によれば、付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には後に付与判定の対象となる特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内において、複数の特別情報のうち少なくとも一部の特別情報について先特定手段による特定の処理が実行されない。これにより、進行用処理の1回の処理回にて、先特定手段による特定の処理にかかる処理期間が極端に長くなってしまうことを抑制できる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴2.進行用処理(第1,第7の実施の形態における通常処理、第2〜第6の実施の形態におけるタイマ割込み処理)を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)と、
予め定められた取得条件(各作動口33,34への入球)が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理にて当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202による上作動口及び下作動口に係る保留予告用の確認処理をそれぞれ実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における各保留予告制御処理を実行する機能)と、
前記進行用処理の1処理回の範囲内で複数の特別情報に対して前記先特定手段による特定の処理を行うべき条件が成立した場合に、複数の特別情報のうち少なくとも一部の特別情報についての前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1701〜ステップ1704及びステップS1801〜ステップS1803及びステップS3202の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴2によれば、付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には後に付与判定の対象となる特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。これにより、遊技の注目度を高められる。
この場合に、進行用処理の1処理回の範囲内にて、複数の特別情報に対して先特定手段による特定の処理を行うべき条件が成立した場合に、これら複数の特別情報のうち一部の特別情報について先特定手段による特定の処理が実行されない。これにより、進行用処理の1回の処理回にて、先特定手段による特定の処理にかかる処理期間が極端に長くなってしまうことを抑制できる。つまり、本構成によれば、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行を通じた遊技の注目度の向上を図ることができる。
特徴3.前記先特定手段は、前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記特別情報が取得された場合に、当該処理回にて当該特別情報に対する特定の処理を実行するものであり、
前記制限手段は、前記進行用処理の1処理回にて取得された複数の特別情報のうち一部の特別情報について、当該処理回における前記先特定手段による特定の処理の実行を制限することを特徴とする特徴1又は2に記載の遊技機。
特徴3によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で特別情報が取得された場合、その進行用処理の1処理回の範囲内で先特定手段による特定の処理が実行される。これにより、取得された特別情報に対する特別報知を早いタイミングで実行することができる。ここで、特別情報の取得タイミングは任意に発生することが考えられる。この場合に進行用処理の1処理回にて取得された全ての特別情報に対して先特定手段による特定の処理を実行すると、進行用処理の1処理回が極端に長くなることが考えられる。この点、本特徴では、進行用処理の1処理回にて取得された複数の特別情報のうち一部の特別情報について先特定手段による特定の処理の実行を制限する。これにより、進行用処理の1処理回が極端に長くなることを抑制できる。
以上より、進行用処理の良好な実行を担保しつつ、特別報知の実行タイミングを早くすることが可能となる。
特徴4.前記制限手段は、前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合に前記制限を実行することを特徴とする特徴1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴4によれば、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定が行われる場合に制限手段による制限が実行される。付与判定が行われる処理回においては、付与判定が行われない処理回に比べ、1処理回が長くなることが考えられる。この点、本特徴によれば、進行用処理の1処理回が長くなるおそれがある場合に、先特定手段による特定の処理の実行を制限できる。また、本特徴によれば、付与判定が行われない場合には、特定の処理の制限が実行されないようにすることが可能となる。この結果、先特定手段による特定の処理が実行される頻度を高めることが可能となり、特別報知が実行される頻度を高くすることが可能となる。
特徴5.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
を備え、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、前記情報取得手段は、各始動入球部に遊技球が入球した場合、それぞれ前記特別情報を取得するものであり、
前記制限手段は、前記第1始動入球部への入球に基づいて取得された特別情報及び前記第2始動入球部への入球に基づいて取得された特別情報のうち一方の特別情報に対して、前記先特定手段による特定の処理の実行を制限することを特徴とする特徴1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
複数の始動入球部が設けられている構成においては、各始動入球部への入球が同時又はほぼ同時に発生し易いことが考えられる。この場合、進行用処理の1回の処理回にて複数の特別情報が取得されていることが発生し易いことが考えられる。この点、本特徴によれば、複数の始動入球部が設けられている構成において、進行用処理の1回の処理回にて各始動入球部への入球に基づいて特別情報が取得されているとしても、一方の始動入球部への入球に対する先特定手段による特定の処理が実行されることを抑制できる。これにより、進行用処理の1回の処理回にて複数の特別情報が取得されていることが発生し易いとしても、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑制できる。
特徴6.前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
さらに、複数の遊技状態が予め設定されており、
前記制限手段は、遊技状態に応じて、第1特別情報及び前記第2特別情報のうち、前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する特別情報を切り換えることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
特徴6によれば、遊技状態に応じて先特定手段による特定の処理の実行が制限される特別情報が切り換えられる。これにより、特別報知を良好に実行し易くなる効果が期待される。なぜなら、例えば一方の始動入球部に対して遊技球の入球が発生し易い遊技状態が設定されている場合、入球し易い側の始動入球部への入球に基づく特別情報に対する先特定手段による特定の処理を実行した方が特別報知の実行頻度を高めることが可能となるからである。つまり、遊技状態によって、第1始動入球部及び第2始動入球部における相対的な入球頻度や付与対応結果となる相対的な頻度の高低が変化する場合に、先特定手段による特定の処理が制限される特別情報を切り換えることにより、特別報知の実行頻度を設定し易くなる効果が期待される。
なお、前記第1特別情報と第2特別情報との少なくとも一方が付与判定の対象となる頻度が相違する、又は付与判定に際しての前記第1特別情報及び前記第2特別情報の取り扱いの態様が異なることとなる複数の遊技状態が設定されている構成としてもよい。
特徴7.前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであり、
前記取得情報記憶手段に前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている前記第2特別情報よりも早いタイミングで取得された前記第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記制限手段は、前記第1特別情報及び前記第2特別情報のいずれについても前記先特定手段による特定の処理を実行可能な状況で前記制限を実行する場合、前記第1特別情報に対する前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する第1制限手段(主制御装置81のMPU202における上作動口に係る保留予告用の確認処理におけるステップS1701の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴5又は6に記載の遊技機。
特徴7によれば、第2特別情報は、付与判定に際して、取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったりといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
第1特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成を想定すると、その第1特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記第1特別情報が移行判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。この場合、特別報知がいずれの特別情報に対して実行されているのか遊技者が理解できなくなる不都合の発生が考えられる。この点、本特徴では、第1特別情報に対する先特定手段による特定の処理の実行が制限される。これにより、上記不都合の発生を防止しつつ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑制できる。
特徴8.前記取得情報取得手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであり、
前記第2始動入球部を、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部を前記非受入状態と前記受入状態とで切り換える切換モードとして、第1切換モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切換モードよりも前記受入状態になり易い第2切換モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記制限手段は、前記第2切換モードにおいて前記制限を実行する場合、前記第1特別情報に対する前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する第2制限手段(主制御装置81のMPU202よるステップS1701の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴5乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴8によれば、第2制限手段による制限が実行される場合、第1特別情報に対する先特定手段による特定の処理の実行が制限される。第2切換モードでは、第2始動入球部に遊技球が入球し易く、第2特別情報に基づく特別報知が実行される頻度が高くなることが考えられる。本特徴では、第2切換モードを設定し、第2特別情報に基づく特別報知が実行される頻度を高めることが可能な構成にも関わらず、第2制限手段による制限が実行されることに起因した特別報知の実行頻度の低下が発生することを抑制できる。つまり、第1特別情報よりも第2特別情報に対する先特定手段による特定の処理を優先して実行することにより、特別報知を良好に実行できる。
特徴9.前記取得情報記憶手段に前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている前記第2特別情報よりも早いタイミングで取得された前記第1特別情報が前記取得情報記憶手段に記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(主制御装置81のMPU202におけるデータ設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴8に記載の遊技機。
特徴9によれば、第2特別情報は、付与判定に際して、取得タイミングに関係なく第1特別情報よりも優先される。これにより、遊技の状況などに応じて第1始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったり、第2始動入球部への入球を期待して発射操作を行ったりといった発射操作に対する期待の多様化が図られ、遊技の注目度を高められる。
第2特別情報の取得が発生しやすい状況において第1特別情報について特別報知が所定の頻度で行われる構成が想定される。この構成においては、当該所定の第1特別情報について特別報知が行われたにも関わらず、当該所定の第1特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングで第2始動入球部への入球が継続し、上記特別報知に係る所定の第1特別情報が付与判定の対象となるタイミングが特別報知の開始タイミングに対して遅くなってしまうことが想定される。特に、第2切換モードにおいては第2始動入球部に遊技球が入球し易く、第2特別情報に対する付与判定が連続し、第1特別情報が付与判定の対象となるタイミングが一層遅くなり得る。この場合、特別報知がいずれの特別情報に対して実行されているのか遊技者が理解できなくなる不都合の発生が考えられる。
この点、本特徴では、第1特別情報に対する先特定手段による特定の処理の実行が制限される。これにより、上記不都合の発生を防止しつつ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことを抑制できる。
特徴10.前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであり、
前記第2始動入球部を、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部を前記非受入状態と前記受入状態とで切り換える切換モードとして、第1切換モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切換モードよりも前記受入状態になり易い第2切換モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記第2制限手段は、前記第1切換モードにおいて前記制限を実行する場合、前記第2特別情報に対する前記先特定手段による特定の処理の実行を制限することを特徴とする特徴5乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴10によれば、第1切換モードにおいては第2特別情報に対する先特定手段による特定の処理の実行が制限される。第1切換モードでは、第1始動入球部に遊技球が入球し易く、第1特別情報に基づく特別報知が実行される頻度が高くなることが考えられる。つまり、入球が発生し易い第1始動入球部への入球に基づき取得された第1特別情報に対する先特定手段による特定の処理を優先して実行することにより特別報知が実行される頻度を高めることができる。
なお、特徴8又は特徴9の構成に、特徴10の構成を適用した場合、入球が発生し易い始動入球部が切り換わる第1切換モード及び第2切換モードのそれぞれにて、先特定手段による特定の処理を優先して実行する特別情報を切り換えることにより、複数の切換モードが設定されている構成において特別報知が実行される頻度を高めることができる。
特徴11.前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶するとともに、前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記第1特別情報及び前記第2特別情報のそれぞれに対して前記付与判定を行うものであり、
前記第2始動入球部を、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球しにくい又は入球が不可である非受入状態と、前記第1始動入球部よりも遊技球が入球し易い受入状態とに切り換え可能な受入制御手段(主制御装置81のMPU202における電役サポート用処理を実行する機能)を備え、
当該受入制御手段は、前記第2始動入球部を前記非受入状態と前記受入状態とで切り換える切換モードとして、第1切換モード(低頻度サポートモード)と、当該第1切換モードよりも前記受入状態になり易い第2切換モード(高頻度サポートモード)とを有しており、
前記付与判定手段は、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率付与判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1004の処理を実行する機能)と低確率付与判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1003の処理を実行する機能)とを備えており、
前記制限手段は、前記第1切換モード、且つ前記高確率付与判定手段による付与判定が行われる状態において前記制限を実行する場合、前記第2特別情報に対する前記先特定手段による特定の処理の実行を制限する高確率時制限手段(主制御装置81のMPU202によるステップS1803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴5乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴11によれば、付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率付与判定手段と低確率付与判定手段とが設けられている。ここで、高確率付与判定手段による付与判定が行われている場合、付与情報の数が多くなり、付与判定手段による付与判定や、先特定手段による特定処理の実行に係る時間が長くなる不都合が想定される。この点、本特徴では、高確率付与判定手段による付与判定が実行される場合において、進行用処理の1処理回の範囲内で付与判定手段による付与判定の処理が行われる場合には、第2特別情報に対する先特定手段による特定の処理の実行を制限することで、上記のような不都合の発生を抑えつつ、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなってしまうことが抑えられる。
また、第1切換モードにおいては第2始動入球部への入球は発生しにくく、第2特別情報は取得されにくい。この場合に、第2特別情報に基づいて特別報知を実行しなくとも、全体的な特別報知の実行頻度はさほど変化しないことが考えられる。このため、制限手段による制限が実行される場合、第1特別情報よりも第2特別情報に対する先特定手段による特定の処理を制限した方が望ましい。つまり、本特徴では、入球が発生しにくい側の始動入球部への入球に基づき取得された第2特別情報に対する先特定手段による特定の処理を制限したことにより、特別報知の実行を良好に行いつつ、進行用処理の1回の処理回が長くなることを抑制できる。
特徴12.前記付与判定手段は、前記付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率付与判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1004の処理を実行する機能)と低確率付与判定手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1003の処理を実行する機能)とを備えており、
前記制限手段は、前記高確率付与判定手段による付与判定が行われる状態において前記制限を実行する高確率時制限手段(主制御装置81のMPU202によるステップS1803の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴12によれば、付与対応結果となる確率が相対的に高低となる高確率付与判定手段と低確率付与判定手段とが設けられている。ここで、高確率付与判定手段による付与判定が行われている場合、付与情報の数が多くなり、付与判定手段による付与判定や、先特定手段による特定の処理の実行に係る時間が長くなる不都合が想定される。この点、本特徴では、高確率付与判定手段による付与判定が行われる状態において高確率時制限手段による制限が実行されることにより、先特定手段による特定の処理に時間がかかる場合に、複数回の始動入球部への入球に基づいて取得された複数の特別情報うち、一部の特別情報に対する先特定手段のよる特定の処理の実行を制限できる。これにより、上記不都合が発生することを抑制できる。
本特徴に特徴4を適用した場合、高確率付与判定手段による付与判定が行われる進行用処理の処理回において、高確率時制限手段による制限が実行される。先特定手段による特定の処理に加え、付与判定手段による付与判定が行われる処理回においては、進行用処理の1回の処理回が長くなるおそれが一層高くなる。本特徴に特徴4を適用した場合、進行用処理の1回の処理回が長くなるおそれが高い場合には高確率時制限手段による制限を実行しつつ、付与判定手段による付与判定が行われない場合には、先特定手段による特定の処理を実行することにより、特別報知が実行される頻度を高めることができる。
特徴13.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記進行用処理及び前記定期処理のうちの一方に前記付与判定手段による付与判定の処理が含まれているとともに、他方に前記先特定手段による特定の処理が含まれていることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴13によれば、進行用処理及び定期処理のうちの一方に付与判定の処理が含まれているとともに、他方に先特定の処理が含まれている構成において、上記特徴1等に記載した優れた効果を奏することができる。
なお、先特定手段による特定の処理が定期処理に含まれているとともに当該定期処理の周期が進行用処理の繰り返し周期に比べ短い場合には、進行用処理において付与判定の処理が実行されることとなる処理回の範囲内で、先特定手段による特定の処理が複数回行われることが想定される。そうすると、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長くなることが想定されるが、上記特徴1の構成を備えていることにより、かかる不都合の発生を抑えることができる。
特徴14.前記進行制御手段は、予め定められた所定の周期で前記進行用処理に割り込んで起動され、複数種の処理を含む定期処理を実行する定期処理実行手段(主制御装置81のMPU202におけるタイマ割込み処理を実行する機能)を備えており、
前記先特定手段は、前記定期処理の一部として前記特定の処理を実行するものであり、1回の前記定期処理にて、各始動入球部への入球に基づいて取得された所定の特別情報に対して前記特定の処理をそれぞれ実行することを特徴とする特徴1乃至13のいずれか1に記載の遊技機。
特徴14によれば、1回の定期処理にて各始動入球部への入球に基づいて取得された所定の特別情報に対して先特定手段による特定の処理がそれぞれ実行される。1回の定期処理にて先特定手段による特定の処理がそれぞれ実行されることにより、進行用処理の1処理回の範囲内にて、各始動入球部への入球に基づいて取得された特別情報に対して先特定手段による特定の処理が行われるか否かを特定し易くなる効果が期待される。
特徴15.前記付与判定手段による付与判定の処理及び前記先特定手段による特定の処理の両方が、前記進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれていることを特徴とする特徴1乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴15によれば、付与判定の処理及び先特定の処理の両方が、進行用処理として設定された複数種の処理における一部の処理として含まれている構成において、上記特徴1及び2等の優れた効果を奏することができる。
なお、進行用処理が定期的に起動される構成においては、進行用処理の1処理回が完了するまでの時間が極端に長時間化する状況が生じるとすると、複数の進行用処理が重複して起動されてしまうことを防止すべく、進行用処理が起動される周期を長くせざるをえなくなる。そうすると、遊技を進行させる上での処理速度が遅くなってしまい好ましくない。これに対して、上記特徴1及び2等の構成を備え、先特定手段による特定の処理の実行が制限され得ることで、上記不都合の発生が抑えられる。
特徴16.予め定められた取得条件(各作動口33,34への入球)が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81のMPU202における情報取得処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81のMPU202における変動開始処理にて当否判定処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81のMPU202における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81のMPU202による上作動口及び下作動口に係る保留予告用の確認処理をそれぞれ実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果を反映する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されるようにする特別報知制御手段(表示制御装置212のMPU252における各保留予告制御処理を実行する機能)と、
予め定められた状態において、前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限する制限手段(主制御装置81のMPU202におけるステップS1701〜ステップ1704、ステップS1801〜ステップS1803及びステップS3202の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記先特定手段は、前記制限手段による制限が実行されている状態にて前記情報取得手段により取得された前記特別情報に対して、前記特定の処理をその状態が終了した後に実行するものであることを特徴とする遊技機。
特徴16によれば、付与判定の対象となっていない所定の特別情報に応じた特別報知が、当該特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて報知手段にて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、特別情報が取得情報記憶手段に記憶されている場合には後に付与判定の対象となる特別情報について付与判定の対象となった場合の結果を特別報知の内容に応じて確認する又は予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。この結果、遊技者の遊技への注目度を高められる。
先特定手段による特定の処理が実行されない状態が設けられている。そして、その状態において記憶されていた取得情報に対して先特定手段による特定の処理が実行される。これにより、先特定手段による特定の処理が実行されると不具合が生じ易い状態では、先特定手段による特定の処理を制限できるとともに、その状態が終了した後には当該状態にて記憶されていた取得情報に対して特定の処理を実行できる。この結果、上記遊技者の遊技への注目度を高める効果を得つつ、先特定手段による特定の処理が実行されることによる不具合が生じることを抑制できる。
特徴17.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構51)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な大きさに形成された開口(大入賞口32a)を有するとともに、当該開口を開状態と閉状態とに切換可能に構成された可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置71のMPU92における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段の前記開口に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(払出装置77及び払出制御装置78)と、
を備え、
前記可変入球制御手段による前記可変入球制御が行われる特別遊技状態が設定されており、
前記制限手段は、前記特別遊技状態において、前記可変入球手段が前記開状態となっている場合に、前記先特定手段による特定の処理の実行を制限するものであり、
前記先特定手段は、前記特別遊技状態において、前記可変入球手段が前記開状態となった後に前記閉状態となっている場合に、当該閉状態となるまでに前記情報取得手段により取得された前記特別情報に対して前記特定の処理を実行するものであることを特徴とする特徴16に記載の遊技機。
特徴17によれば、特別遊技状態において可変入球手段が開状態となった後に閉状態となっている場合に、先特定手段による特定の処理が実行される。可変入球手段が開状態となっている場合、可変入球手段を閉状態に切り換えるための条件が成立したか否かを判定する等、可変入球手段が閉状態の場合に比べ、遊技機にかかる処理負荷が大きくなることが考えられる。この点、本特徴では、可変入球手段が開状態となっている場合には先特定手段による特定の処理の実行が制限される。したがって、処理負荷が大きくなることが想定される状態にて、先特定手段による特定の処理が実行され、遊技機に過度な処理負荷がかかることを抑制できる。また、可変入球手段が閉状態となった場合には、開状態にて取得されていた特別情報に対して先特定手段による特定の処理を実行できる。この結果、可変入球手段が開状態となっている場合に、先特定手段による特定の処理の実行が制限されるとしても、特別報知が実行される頻度が低下することを抑制できる。
特徴18.前記特別遊技状態では、最後の前記開状態(開閉実行モードにおける最終ラウンド)が終了した場合にそれに続く最後の前記閉状態を利用して終了用の演出(開閉実行モードにおけるエンディング表示)が実行される構成であり、
前記制限手段は、前記最後の開状態にて前記特別情報が新たに取得されていたとしても、前記最後の閉状態においてその新たに取得した特別情報に対して前記先特定手段による前記特定の処理が実行されることを制限するものであり、
前記特別報知制御手段は、前記終了用の演出が実行される場合に前記特別報知を実行するとともに、当該特別報知を実行する場合、前記最後の開状態となる前までにおける前記先特定手段による前記特定の処理の結果に応じた特別報知を、前記終了用の演出の開始時から開始するものであることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
特徴18によれば、最後の開状態において取得された特別情報に対して先特定手段による特定の処理が実行されない。そして、その最後の開状態より前までにおける先特定手段による特定の処理の結果に応じた特別報知が、終了用の演出の開始時から実行される。これにより、終了用の演出が開始された後に、先特定手段の特定結果に応じて、特定報知を実行するか否かを決定する必要がなくなる。この結果、終了用の演出が開始された後に、先特定手段の特定結果に応じて特定報知を実行するか否かを決定する構成に比べ、終了用の演出を実行する上で遊技機にかかる処理負荷を軽減できる。
本特徴では、最後の開状態となった後に記憶された特別情報に対して、先特定手段による特定の処理が実行されない。このため、先特定手段による特定の処理が実行されたとしてもその特定結果が反映されない。これにより、特別遊技状態において取得されていた特別情報に対して、特別報知に反映されるものと、特別報知に反映されないものとを設けることができる。この結果、特別報知の実行に不規則性を与え、特別報知の実行や、特別報知の内容の決定に抽選が行われているかのように遊技者に把握させることが可能となる。
特徴19.前記先特定手段を備えた第1制御手段(主制御装置81)と、
前記特別報知制御手段を備えた第2制御手段(表示制御装置212)と、
を備え、
前記特別遊技状態では、最後の前記開状態(開閉実行モードにおける最終ラウンド)が終了した場合にそれに続く最後の前記閉状態を利用して終了用の演出(開閉実行モードにおけるエンディング表示)が実行される構成であり、
前記第1制御手段は、前記特別遊技状態において前記最後の開状態が終了した場合に前記終了用の演出を実行することを支持する終了指示情報(エンディングコマンド)を前記第2制御手段に出力するものであり、当該第2制御手段は、前記終了指示情報を入力したことに基づいて前記終了用の演出を実行させるものであり、
前記終了指示情報には、当該終了指示情報の出力タイミングまでに実行された前記先特定手段による前記特定の処理の結果に対応した情報が含まれており、
前記特別報知制御手段は、前記終了用の演出が実行される場合に前記特別報知を実行するとともに、当該特別報知を前記終了指示情報の内容に基づき実行するものであることを特徴とする特徴17又は18に記載の遊技機。
特徴19によれば、第2制御手段は、終了指示情報を入力した場合に終了用の演出を実行する。また、終了指示情報には、先特定手段による特定結果に対応した情報が含まれている。これにより、第2制御手段は、終了指示情報を入力した場合に、先特定手段による特定結果を把握できる。この結果、終了報知を開始した後に第1制御手段から新たにコマンドを受信しなくとも、特別報知を実行できる。したがって、先特定手段の特定結果に対応した特別報知を実行する上で、第1制御手段から第2制御手段に出力するコマンドの数を少なくすることができる。これにより、第1制御手段から第2制御手段へのコマンドの出力にかかる処理負荷を軽減する効果が期待される。
特徴20.前記特別遊技状態では、最後の前記開状態(開閉実行モードにおける最終ラウンド)が終了した場合にそれに続く最後の前記閉状態を利用して終了用の演出(開閉実行モードにおけるエンディング表示)が実行される構成であり、
前記先特定手段は、前記最後の閉状態が開始された場合に前記最後の開状態において取得された前記特別情報に対して前記特定の処理を実行するものであり、
前記特別報知制御手段は、前記終了用の演出が実行される場合に前記特別報知を実行するとともに、前記最後の閉状態において実行された前記特定の処理の結果をその特別報知において反映させることができるように前記終了用の演出における途中のタイミングから前記特別報知を開始させるものであることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
特徴20によれば、最後の閉状態において取得された特別情報に対して特定の処理が実行される。また、終了用の演出における途中のタイミングから、先特定手段の特定結果に基づく特別報知が実行される。これにより、最後の閉状態において取得された特別情報に対する先特定手段による特定の処理の結果を判定した特別報知を実行できる。したがって、先特定手段の特定結果を反映可能な期間を長くすることが可能となり、特別報知が実行される頻度を高くすることができる。
特徴21.前記可変入球制御手段は、前記特別遊技状態において、前記可変入球手段を前記開状態とした後に前記閉状態に切り換える可変入球制御を複数回実行するものであり、
前記制限手段は、前記特別遊技状態が開始されてから、前記最後の開状態が終了するまでの期間において前記先特定手段による前記特定の処理の実行を制限するものであり、
前記先特定手段は、前記特別遊技状態中における前記特定の処理の対象となる特別情報が複数存在している場合に、それら特別情報に対する前記特定の処理を当該特別遊技状態における前記最後の閉状態において行う構成であることを特徴とする特徴20に記載の遊技機。
特徴21によれば、可変入球制御が繰り返し実行される期間においては、その期間が経過した以降に比べ、遊技機にかかる処理負荷が大きいことが想定される。この点、本特徴では、遊技機にかかる処理負荷が大きい期間が経過した後に先特定手段による特定の処理を実行する。この結果、可変入球制御手段による可変入球制御と、先特定手段のよる特定の処理とが同時に実行されることを抑制できる。したがって、先特定手段による特定の処理を実行する上で、遊技機の過度な処理負荷がかかることを抑制できる。
特徴22.予め定められた進行用周期(第5及び第6の実施の形態におけるタイマ割込み処理)で進行用処理を繰り返し実行することに基づいて遊技の進行を制御する進行制御手段(主制御装置81のMPU202)を備え、
前記先特定手段は、前記特定の処理の対象となる前記特別情報が前記取得情報記憶手段に複数記憶されている場合、前記進行用処理の1処理回にて、予め定められた数の特別情報を上限として前記特定の処理を実行するものであり、
前記特別情報とは異なる情報(役物保留球格納エリアに記憶された電動役物開放カウンタC4の値)を用いて遊技者に特典を付与するか否かの第2付与判定を行う第2付与判定手段(主制御装置81のMPU202によるステップS3116の処理を実行する機能)を備え、当該第2付与判定手段は、前記特別遊技状態において前記第2付与判定を実行するものであり、
前記制限手段は、前記進行用処理の1処理回の範囲内で前記第2付与判定手段による第2付与判定の処理が行われる場合に前記先特定手段による特定の処理の実行を制限するものであることを特徴とする特徴17乃至21のいずれか1に記載の遊技機。
特徴22によれば、第2付与判定手段により第2付与判定が実行される場合、先特定手段による特定の処理の実行が制限される。仮に、1回の進行用処理にて、第2付与判定手段による第2付与判定と、先特定手段による特定の処理とが実行される場合、遊技機にかかる処理負荷が大きくなり、進行用処理を予め定められた周期にて実行できなくなる不具合が発生するおそれがある。この不具合は、特別遊技状態において可変入球手段が閉状態であったとしても発生し得るものである。この点、本特徴では、1回の進行用処理にて、第2付与判定手段による第2付与判定と、先特定手段による特定の処理とが同時に実行されることを抑制できる。この結果、上記不具合が発生することを抑制できる。
特徴23.前記付与判定手段による付与判定が実行される通常遊技状態と、前記付与判定手段による付与判定が実行されない特別遊技状態と、が設定されており、
前記制限手段は、前記通常遊技状態において前記先特定手段による特定の処理の実行を制限することを特徴とする特徴16乃至22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴23によれば、付与判定手段による付与判定が行われる遊技状態では先特定手段による特定の処理が実行されない。付与判定による付与判定と、先特定手段による特定とが同時又は略同時に行われる場合、遊技機にかかる処理負荷が大きくなる不具合が発生することが考えられる。この点、本特徴によれば、付与判定手段による付与判定が行われない期間において、先特定手段による特定の処理が実行される。これにより、付与判定手段による付与判定と、先特定手段による特定と、が同時又は略同時に行われることを抑制できる。この結果、上記不具合が発生することを抑制できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。