JP5985503B2 - 定量的増幅のためのユニバーサルリファレンス色素 - Google Patents
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Description
本出願は、2010年12月16日出願の米国仮特許出願第61/423,932号;2011年1月21日出願の米国仮特許出願第61/435,209号;および2011年7月15日出願の米国仮特許出願第61/508,453号のそれぞれに対する優先権の恩典を主張するものであり、これらの出願の各々は、すべての目的のために参照により本明細書に組み入れられる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)時のDNA増幅のリアルタイム検出は、標的配列の濃度閾値(Ct)に到達するために必要なサーマルサイクリング中の温度サイクルの数を、PCR法の開始時に存在する標的DNAの量に関連づけることによって、増幅されたDNA標的配列の定量的データを提供する。したがって、存在する標的配列の量の正確かつ再現可能な測定は、正確なCt値を検出することによって行うことができる。正確なCt値を決定するための一つの側面は、ハイスループットマルチウェルアッセイ法での試料間のシグナルの正規化およびウェル間の光学的変動の補正のために、パッシブ内部リファレンス色素に、サーマルサイクリング中に生成された蛍光シグナルを関連づけることである(例えば、Real-time PCR, Julie Logan, Kristin Edwards, Nick Saunders編, 2009(非特許文献1); Wong, ML and Medrano, JF, Biotechniques, 39:75-85, 2005(非特許文献2)およびGehua et al. Can. J. Microbiol, 53:391-397, 2007(非特許文献3)を参照されたい)。励起光学はさまざまな機器プラットフォーム間で異なるため、パッシブリファレンス色素の最適濃度は特定のリアルタイムサーマルサイクラーに適合させる必要がある。
[本発明1001]
標的核酸のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅におけるシグナル正規化のための反応混合物であって、(a)該正規化のためにパッシブリファレンス色素の高濃度を用いるリアルタイムPCR増幅システムと、(b)該正規化のためにパッシブリファレンス色素の低濃度を用いるリアルタイムPCR増幅システムとの両方における使用に適合し、増幅反応とは無関係に蛍光シグナルを生成する複数のパッシブリファレンス色素を含有する、反応混合物。
[本発明1002]
ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、低濃度パッシブリファレンス色素正規化で使用するのに十分な濃度であり、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大とほぼ同じ発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と有意に異なる励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1001の混合物。
[本発明1003]
前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも約60nmのストークスシフトを有する、本発明1002の混合物。
[本発明1004]
前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、本発明1002の混合物。
[本発明1005]
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも約60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、約620nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1001または1002の混合物。
[本発明1006]
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも約60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、約590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1001または1002の混合物。
[本発明1007]
前記第2のパッシブリファレンス色素が550nmまたはそれ未満の励起波長極大を有する、本発明1001〜1006のいずれかの混合物。
[本発明1008]
前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素の濃度が100nM未満である、本発明1001〜1006のいずれかの混合物。
[本発明1009]
前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素の濃度が約10nMである、本発明1001〜1006のいずれかの混合物。
[本発明1010]
オリゴヌクレオチドプライマー、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびポリメラーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、本発明1001〜1009のいずれかの混合物。
[本発明1011]
DNAポリメラーゼを含む、本発明1010の混合物。
[本発明1012]
前記ポリメラーゼが抗体と複合体化される、本発明1011の混合物。
[本発明1013]
前記ポリメラーゼが、化学的に不活性化されるが加熱によって活性化される、本発明1011の混合物。
[本発明1014]
前記第2のパッシブ色素が蛍光ドットである、本発明1001〜1006のいずれかの混合物。
[本発明1015]
前記第2のパッシブリファレンス色素が、ある成分にコンジュゲートされている、本発明1001〜1006のいずれかの混合物。
[本発明1016]
本発明1001〜1015のいずれかの混合物を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する段階であって、該混合物が、標的核酸を含むと疑われる生物学的試料をさらに含む、段階
を含む、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応を実施する方法。
[本発明1017]
5-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化を用いない機器により、または5-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化を用いない増幅方法において前記PCRを実施する、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素と前記第2のパッシブリファレンス色素のいずれか一方または両方に由来するシグナルを検出する段階をさらに含む、本発明1016の方法。
[本発明1019]
正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度を用いる機器により、または正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度を用いる増幅方法において前記PCRを実施し、かつ前記第2のパッシブリファレンス色素に由来するか、または該第2のパッシブリファレンス色素と該5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素との両方に由来するシグナルを検出する段階をさらに含む、本発明1018の方法。
[本発明1020]
前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素と前記第2のパッシブリファレンス色素との両方に由来するシグナルを検出する、本発明1019の方法。
[本発明1021]
(a)前記第2のパッシブリファレンス色素に由来するか、または(b)該第2のパッシブリファレンス色素と前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素との両方に由来するシグナルを用いて、前記ポリメラーゼ連鎖反応における前記標的核酸のシグナルを正規化する段階を含む、本発明1019の方法。
[本発明1022]
正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の低濃度を用いる機器により、または正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の低濃度を用いる増幅方法において前記PCRを実施し、かつ、
該5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素を励起するが、前記第2のパッシブリファレンス色素を実質的に励起しない段階;ならびに
該5-カルボキシ-X-ローダミン色素由来および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素由来のシグナルを検出する段階
をさらに含む、本発明1018の方法。
[本発明1023]
前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素由来および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素由来でありかつ前記第2のパッシブリファレンス色素由来ではないシグナルを用いて、前記ポリメラーゼ連鎖反応における前記標的核酸の該シグナルを正規化する段階を含む、本発明1022の方法。
[本発明1024]
前記複数のパッシブリファレンス色素を混合し、それによって前記反応混合物を生成する段階を含む、本発明1001〜1015のいずれかの反応混合物を作製する方法。
[本発明1025]
前記混合物が、
ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大とほぼ同じ発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と有意に異なる励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1024の方法。
[本発明1026]
前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも約60nmのストークスシフトを有する、本発明1025の方法。
[本発明1027]
前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、本発明1025の方法。
[本発明1028]
前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体を含み、かつ、前記第2のパッシブリファレンス色素が、少なくとも約60nmのストークスシフトを有する蛍光色素であり、該第2のパッシブリファレンス色素が約620nmの発光波長極大を有する、本発明1025の方法。
[本発明1029]
前記混合物が、
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも約60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、約590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1025の方法。
[本発明1030]
1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、オリゴヌクレオチドプライマーの1つまたは複数、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびDNAポリメラーゼのうちの少なくとも1つまたは複数を、前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素と混合する段階をさらに含む、本発明1025の方法。
[本発明1031]
ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大とほぼ同じ発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と有意に異なる励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応を実施するためのキット。
[本発明1032]
前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも約60nmのストークスシフトを有する、本発明1031のキット。
[本発明1033]
前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、本発明1031のキット。
[本発明1034]
前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体を含み、かつ
前記第2のパッシブリファレンス色素が、少なくとも60nmのストークスシフトを有する蛍光色素であり、該第2のパッシブリファレンス色素が約620nmの発光波長極大を有する、
本発明1031のキット。
[本発明1035]
前記混合物が、
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも約60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、約590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、本発明1031のキット。
[本発明1036]
1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、オリゴヌクレオチドプライマーの1つまたは複数、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびDNAポリメラーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、本発明1031〜1035のいずれかのキット。
[本発明1037]
前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素を前記キット内の異なる容器に含む、本発明1031〜1035のいずれかのキット。
[本発明1038]
前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素を前記キット内の同じ容器に含む、本発明1031〜1035のいずれかのキット。
「パッシブリファレンス色素」とは、ポリメラーゼ連鎖反応の他の成分と相互作用しない蛍光色素またはドットを指す。例えば、パッシブリファレンス色素は、核酸の存在または非存在に基づいてそのシグナルを有意に変更することがなく、かつPCR反応混合物中の別の色素とのFRET相互作用において有意に相互作用することがない。パッシブリファレンス色素は、核酸に連結され得るが、多くの態様では、核酸に連結されない。パッシブリファレンス色素は、ストークスシフト、すなわち励起波長極大と発光極大とが異なるようなストークスシフトを有することができる。
I. 序論
本発明は、増幅機器または増幅方法がデータの正規化のためにパッシブリファレンス色素(例えば、5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素)の高濃度または低濃度を用いるかどうかに関わらず、あるいは該機器または該方法がパッシブリファレンス色素(例えば、5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素)正規化をまったく用いない場合にも、使用することができる定量的増幅予混合物(「プレミックス」)を提供する。したがって、本発明は、試験される試料およびいくつかの態様では使用されるプライマーを別にすれば、試薬をさらに添加することなく、どのようなタイプのリアルタイム機器またはリアルタイム増幅方法にも使用することができる、ユニバーサルプレミックスを提供する。歴史的に、正規化のためのパッシブリファレンス色素として5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度か低濃度かのいずれかの使用を採用する定量的PCR(qPCR)のためのさまざまなタイプの増幅機器および方法、ならびに、それに伴ってqPCRで使用するためのプレミックスは、そのプレミックスが低濃度か高濃度のいずれかの5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素を含んでいたため、「ユニバーサル」でなかった。5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度用機器を5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素の低濃度用プレミックスと共に使用したい場合には、そのプレミックスに追加の5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素を添加する必要があったが、それによって、追加の工程が加わり、かつエラーを引き起こす可能性があった。本発明は、試験試料自体および任意でプライマーを別にすれば、どのような試薬も添加することなく、どちらの機器にも使用することができる単一のミックスを提供する。
本発明は、増幅「プレミックス」、すなわち、試料のみを添加して、または試料およびプライマーおよび/もしくはプローブを添加して、ならびに任意で最小限の他の試薬を添加してもしくは添加せずに、増幅において使用するのに十分な試薬類の水性混合物または再構成混合物を提供する。上述したとおり、このプレミックスは、本明細書の他の箇所に記載されある濃度の長いストークスシフトを有する蛍光色素、ならびに低濃度のパッシブリファレンス色素(5-カルボキシ-X-ローダミン色素もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素または5-カルボキシ-X-ローダミン色素類似体もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素類似体を含むが、これらに限定されない)を含有する。
長ストークスシフト色素は、該色素が、パッシブリファレンス色素(例えば、5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素)と有意に異なる励起波長極大を有しかつ同じ検出チャネルにおいてパッシブリファレンス色素との組合せで検出できる発光波長極大を有する限り、いずれも本発明に従って使用することができる。したがって、励起(または吸収)ピーク波長極大は、5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素がパッシブリファレンス色素である場合に、約560nm未満でピークに達するべきである。いくつかの態様では、長ストークスシフト色素の発光ピーク波長極大は、一般的に590〜630nm、590〜610nm、または610〜630nm、例えば615〜625nmの範囲、例えば約620nmである。通常、色素は核酸に対して有意な親和性をもたないと考えられる。本発明において用いる「色素」とは、励起および発光波長極大を有する任意の蛍光剤を指す。色素は、例えば、水溶液中に完全にもしくは部分的に可溶性であっても、または水溶液中に均一に分布する不溶性の固体(例えば、蛍光粒子)であってもよい。
この色素はDY-510XL(Dyomics社, Jena, ドイツ)として市販されている。上記色素のさまざまな修飾型、例えば、カルボン酸(C29H34N207S; MW 554.67)、NHS-エステル(C33H37N309S; MW 651.74)、アミノ誘導体(C31H41N406SCI; MW 633,21)、マレイミド(C35H40N4O8S; MW 676.80)、およびdUTP (C41H48N5O20P3S*4Li; MW 1083.61)修飾型を含めて、(例えば、Dyomics社から)入手可能である。このような修飾色素ならびに他の修飾型は本発明に従って使用することができると考えられる。例えば、上記色素のカルボン酸修飾型は509nm/590nmに吸収/発光極大を有する。
現在市販されている多くのリアルタイム増幅システムは、パッシブリファレンス色素として5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素を用いている。したがって、多くの態様では、パッシブリファレンス色素は5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素であると考えられる。一般的に用いられる5-カルボキシ-X-ローダミン色素または6-カルボキシ-X-ローダミン色素は、ROXとして知られており、5-異性体、6-異性体、またはこれらの混合物として入手可能である。あるいは、5-または6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化に適する5-または6-カルボキシ-X-ローダミン色素類似体(すなわち、5-または6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化のための5-または6-カルボキシ-X-ローダミン色素を交換するのに5-または6-カルボキシ-X-ローダミン色素と十分同一である励起および発光特性を有する色素)を使用することができる。いくつかの5-カルボキシ-X-ローダミン色素類似体または6-カルボキシ-X-ローダミン色素類似体が、例えば米国特許第7,736,624号に記載されている。5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素は、正規化色素としてPCRで一般的に使用されることから、本発明を実証するために用いられるが、他のパッシブリファレンス色素もまた本発明での使用に適していることが理解されると考えられる。
上述したとおり、(1)結果を正規化するためにパッシブリファレンス色素の高濃度を用いるか、(2)結果を正規化するためにパッシブリファレンス色素の低濃度を用いるか、または(3)データを正規化するためにパッシブリファレンス色素を使用しない、増幅機器、方法およびシステムにおいて、本発明のプレミックスを使用することができる。したがって、どのような機器、方法またはシステムを用いようと、本発明のプレミックスは有効である。
本発明はまた、本明細書に記載されるプレミックスを作製または使用するためのキットを提供する。いくつかの態様において、前記キットは、パッシブリファレンス色素(例えば、5-カルボキシ-X-ローダミン色素もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体)および長ストークスシフト色素、ならびに任意で他の試薬を含む1つの容器を含む。他の試薬には、例えば、1つまたは複数の塩、1つまたは複数の緩衝液、1つまたは複数の核酸ポリメラーゼ、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、ならびに増幅反応を改善する他の試薬(サルコシンまたはヘパリンを含むが、これらに限定されない)のいずれかまたはすべてが含まれる。
高濃度のパッシブリファレンス色素を用いる機器および低濃度のパッシブリファレンス色素を用いる機器を含めてすべてのリアルタイム機器プラットフォームで使用することができる色素ベースqPCRミックスが開発された。本発明の混合物は、低濃度のパッシブリファレンス色素と混合された、長いストークスシフトを有する蛍光色素を含有する。開発された特定の態様において、長ストークスシフト色素であるChromeo 494は、フルオレセイン、SYBR Green色素、またはEvaGreen色素と類似した波長(例えば、約490nm)で励起され、かつパッシブリファレンス色素(例えば、約605nm)と類似した波長範囲(例えば、約628nm)の蛍光シグナルを発する。該ミックスがパッシブリファレンス色素正規化を用いない機器で使用される場合、長ストークスシフト色素およびパッシブリファレンス色素は、FAMチャネル内で検出されないので、干渉を引き起こすことはない。パッシブリファレンス色素の高濃度を用いかつ広範な励起スペクトルを有する機器で該ミックスが使用される場合、長ストークスシフト色素は励起されて、パッシブリファレンス色素チャネルまたはビン内でシグナルを発する。遊離パッシブリファレンス色素の存在もまた、パッシブリファレンス色素チャネル内で低レベルのシグナルを生成し、かつパッシブリファレンス色素チャネル内での両シグナルの組合せが正規化の間に使用される。チャネルごとに別々の励起および対応する検出フィルターを有する、パッシブリファレンス色素の低濃度を用いる機器において該ミックスを使用する場合、長ストークスシフト色素はシグナルを生成しないのに対して、低濃度のパッシブリファレンス色素の存在は、正規化に使用される適切なレベルのシグナルをパッシブリファレンス色素チャネル内で生成する。
パッシブリファレンス色素の高濃度を用いる機器を含めてすべてのリアルタイム機器プラットフォームで使用することができるプローブベースqPCRミックスが開発された。この混合物は、低濃度のパッシブリファレンス色素と混合された、長いストークスシフトを有する蛍光色素を含有する。開発された特定の態様において、長ストークスシフト色素であるDY510-XLは、フルオレセインと類似した波長で励起され、かつパッシブリファレンス色素ROX(例えば、約590nm)と類似した波長範囲(例えば、約628nm)の蛍光シグナルを発する。本実施例は、あらかじめ配合されたqPCRミックスと混合された、パッシブリファレンス色素(すなわち、Rox)と長ストークスシフト色素の組合せの使用が、Rox正規化を適用した場合の標準偏差の改善によって反映されるように、高Rox機器での反復qPCR反応の再現性を向上できることを実証する(表1参照)。96回の同一のqPCR反応は、パッシブリファレンス色素および長ストークスシフト色素の適切な量を、PCR増幅を支持する他のすべての必要な試薬とともに含有する、プレミックスを用いて、AB7900(高Rox機器)でセットアップされた。平均Ct値および標準偏差は、ソフトウェアのRox正規化機能をオフまたはオンにして、データを解析することによって決定された。標準偏差はRox正規化の使用により0.16サイクルから0.09サイクルに改善され、この場合には長いストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素にRox正規化が依存している。
Claims (41)
- 標的核酸のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅におけるシグナル正規化のための反応混合物であって、試験される試料および任意でプライマーを別にして、試薬をさらに添加することなく、(a)該正規化のためにパッシブリファレンス色素の高濃度を用いるリアルタイムPCR増幅システムと、(b)該正規化のためにパッシブリファレンス色素の低濃度を用いるリアルタイムPCR増幅システムとの両方における使用に適合し、増幅反応とは無関係に蛍光シグナルを生成する複数のパッシブリファレンス色素を含有し、
ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、低濃度パッシブリファレンス色素正規化で使用するのに十分な濃度であり、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大から30nm以内にある発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と少なくとも10nm離れた励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、反応混合物。 - 前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも60nmのストークスシフトを有する、請求項1記載の混合物。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、請求項1記載の混合物。
- 5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、620nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項1記載の混合物。 - 5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項1記載の混合物。 - 前記第2のパッシブリファレンス色素が550nmまたはそれ未満の励起波長極大を有する、請求項1〜5のいずれか一項記載の混合物。
- 前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素の濃度が100nM未満である、請求項3〜5のいずれか一項記載の混合物。
- 前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素の濃度が10nMである、請求項3〜5のいずれか一項記載の混合物。
- オリゴヌクレオチドプライマー、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびポリメラーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項記載の混合物。
- DNAポリメラーゼを含む、請求項9記載の混合物。
- 前記ポリメラーゼが抗体と複合体化されている、請求項10記載の混合物。
- 前記ポリメラーゼが、化学的に不活性化されるが加熱によって活性化される、請求項10記載の混合物。
- 前記第2のパッシブリファレンス色素が蛍光ドットである、請求項1〜5のいずれか一項記載の混合物。
- 前記第2のパッシブリファレンス色素が、ある成分にコンジュゲートされている、請求項1〜5のいずれか一項記載の混合物。
- 請求項1〜14のいずれか一項記載の混合物を用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施する段階であって、該混合物が、標的核酸を含むと疑われる生物学的試料をさらに含む、段階
を含む、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応を実施する方法。 - 5-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化を用いない機器により、または5-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素正規化を用いない増幅方法において前記PCRを実施する、請求項15記載の方法。
- 前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素と前記第2のパッシブリファレンス色素のいずれか一方または両方に由来するシグナルを検出する段階をさらに含む、請求項15記載の方法。
- 正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度を用いる機器により、または正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の高濃度を用いる増幅方法において前記PCRを実施し、かつ前記第2のパッシブリファレンス色素に由来するか、または該第2のパッシブリファレンス色素と該5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素との両方に由来するシグナルを検出する段階をさらに含む、請求項17記載の方法。
- 前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素と前記第2のパッシブリファレンス色素との両方に由来するシグナルを検出する、請求項18記載の方法。
- (a)前記第2のパッシブリファレンス色素に由来するか、または(b)該第2のパッシブリファレンス色素と前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素との両方に由来するシグナルを用いて、前記ポリメラーゼ連鎖反応における前記標的核酸のシグナルを正規化する段階を含む、請求項18記載の方法。
- 正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の低濃度を用いる機器により、または正規化のために遊離5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは遊離6-カルボキシ-X-ローダミン色素の低濃度を用いる増幅方法において前記PCRを実施し、かつ、
該5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素を励起するが、前記第2のパッシブリファレンス色素を実質的に励起しない段階;ならびに
該5-カルボキシ-X-ローダミン色素由来および/もしくは該6-カルボキシ-X-ローダミン色素由来のシグナルを検出する段階
をさらに含む、請求項17記載の方法。 - 前記5-カルボキシ-X-ローダミン色素由来および/または前記6-カルボキシ-X-ローダミン色素由来でありかつ前記第2のパッシブリファレンス色素由来ではないシグナルを用いて、前記ポリメラーゼ連鎖反応における前記標的核酸のシグナルを正規化する段階を含む、請求項21記載の方法。
- 前記複数のパッシブリファレンス色素を混合し、それによって前記反応混合物を生成する段階を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の反応混合物を作製する方法。
- 前記混合物が、
ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大とほぼ同じ発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と有意に異なる励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項23記載の方法。 - 前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも60nmのストークスシフトを有する、請求項24記載の方法。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、請求項24記載の方法。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体を含み、かつ、前記第2のパッシブリファレンス色素が、少なくとも60nmのストークスシフトを有する蛍光色素であり、該第2のパッシブリファレンス色素が620nmの発光波長極大を有する、請求項24記載の方法。
- 前記混合物が、
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項24記載の方法。 - 1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、オリゴヌクレオチドプライマーの1つまたは複数、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびDNAポリメラーゼのうちの少なくとも1つまたは複数を、前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素と混合する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
- ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有する、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大とほぼ同じ発光波長極大、および該第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大と有意に異なる励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、リアルタイム定量的ポリメラーゼ連鎖反応を実施するためのキット。 - 前記第2のパッシブリファレンス色素が少なくとも60nmのストークスシフトを有する、請求項30記載のキット。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミンおよび/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミンまたはそれらの類似体を含む、請求項30記載のキット。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素が5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体を含み、かつ
前記第2のパッシブリファレンス色素が、少なくとも60nmのストークスシフトを有する蛍光色素であり、該第2のパッシブリファレンス色素が620nmの発光波長極大を有する、
請求項30記載のキット。 - 前記混合物が、
5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/または6-カルボキシ-X-ローダミン色素;ならびに
少なくとも60nmのストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、590nmの発光波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項30記載のキット。 - 1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、オリゴヌクレオチドプライマーの1つまたは複数、1つまたは複数のデオキシヌクレオシド三リン酸、緩衝液、インターカレーティング色素、逆転写酵素、およびDNAポリメラーゼのうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項30〜34のいずれか一項記載のキット。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素を前記キット内の異なる容器に含む、請求項30〜34のいずれか一項記載のキット。
- 前記第1のパッシブリファレンス色素および前記第2のパッシブリファレンス色素を前記キット内の同じ容器に含む、請求項30〜34のいずれか一項記載のキット。
- 前記第2のパッシブリファレンス色素が前記第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大の30nm以内に発光波長極大を有する、請求項1記載の混合物。
- ストークスシフトを有する第1のパッシブリファレンス色素であって、低濃度パッシブリファレンス色素正規化で使用するのに十分な濃度であり、第1のパッシブリファレンス色素の励起波長極大および第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大を有し、かつ5-カルボキシ-X-ローダミン色素および/もしくは6-カルボキシ-X-ローダミン色素またはそれらの類似体を含む、第1のパッシブリファレンス色素;ならびに
該第1のパッシブリファレンス色素のストークスシフトより大きいストークスシフトを有する第2のパッシブリファレンス色素であって、該第1のパッシブリファレンス色素の発光波長極大の30nm以内にある発光波長極大、および550nm以下の励起波長極大を有する、第2のパッシブリファレンス色素
を含む、請求項1記載の混合物。 - 前記第2のパッシブリファレンス色素が590〜630nmの発光波長極大および470〜510nmの励起波長極大を有する、請求項39記載の混合物。
- 逆転写酵素をさらに含む、請求項1記載の混合物。
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