JP5984535B2 - ガスタービンの氷結防止方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、圧縮機から抽気された空気を圧縮機の吸気フィルタに噴射することによって吸気フィルタの凍結を防止する凍結防止装置が記載されている。この装置では、圧縮機から抽気された高温高圧空気は抽気管を介して圧縮機の入口側に導かれ、抽気管に設けられた抽気調節用弁で流量調節されて吸気フィルタに噴射されるようになっている。
一つは、高温高圧空気の圧縮機入口側への供給開始直後に、圧縮機からの抽気量の調節を適切に行うことが難しいことがある。特許文献1に記載されるように、圧縮機入口側の加温を目的として高温高圧空気を供給する場合、圧縮機入口側が所望の温度となるように抽気調節用弁の開度制御を行うことが考えられる。ところが、空気供給開始直後は抽気管の圧力が十分に上昇していないので、抽気調節用弁を開いても高温高圧空気の圧縮機入口側への供給量は不足しがちであり、抽気調節用弁の開度を急激に大きくすることになる。その結果、空気供給開始直後、圧縮機からの抽気量(圧縮機入口側への高温高圧空気の供給量)は大きく変動し、抽気調節用弁の開度制御を安定して行うことが難しい。
例えば、氷結防止動作の開始時にまずドレン弁を開くようにしたので、高温高圧流体が導入される前に流体供給管内に溜まっているドレンを排出でき、流体供給管内でのフラッシュの発生を防止できる。
また、均圧化ステップにて、予め流体供給管内における流量調節弁の上流側の部位の圧力を上昇させておくことで、氷結防止を目的とした流体供給ステップの開始直後における流量調節弁の開度制御を安定して行うことができる。
また、ウォーミングステップで、流体供給ステップの前に流体供給管を予め温めておくようにしたので、流体供給ステップにて流体を供給する際にドレンが発生することを抑制できる。さらにこのとき、遮断弁を閉状態から開状態に切り替える時点から均圧終了時点までの間にドレン弁を開くようにしたので、ドレンラインから排出される流体は、流体供給管への導入前の高温高圧の流体よりも低圧であり、排出流体が周囲に与える影響を小さくできる。
上記ガスタービンの氷結方法では、ドレン排出ステップの後、ドレン弁を開いた状態を維持したまま遮断弁を開くことによって、流体供給管内の圧力が上昇する前にウォーミングステップを行うようにしている。したがって、ウォーミングステップでドレンラインから排出される流体の圧力をより低い圧力として、排出流体が周囲に与える影響をより一層小さくできる。
上記ガスタービンに氷結方法によれば、ウォーミングステップでは最大開度における流量が比較的小さい第1遮断弁とドレン弁とを介した流体の流れを形成してウォーミングを行うようにしたので、ドレンラインからの排出流体の流量が少なくなり、排出流体が周囲に与える影響をより一層小さくできる。一方、氷結防止を目的とした流体供給ステップでは最大開度における流量が比較的大きい第2遮断弁を介して流体を流量調節弁側に供給するようにしたので、より多くの流体を氷結防止のために利用できるようになる。
図1はガスタービンの氷結防止システムを示す構成図である。
同図に示すように、ガスタービン1は、吸気した空気を圧縮する空気圧縮機2と、該圧縮機2が圧縮した空気(流体)と燃料供給系統から供給された燃料との混合気を燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器4と、燃焼器4から生成された燃焼ガスによって駆動されるタービン3とを有している。
なお、他の実施形態では、吸気室8内に設置された熱交換器において、空気供給管12を介して熱交換器に供給される圧縮空気との熱交換により圧縮機2の入口に導かれる吸気を加熱してもよい。この場合、熱交換器を通過した圧縮空気は圧縮機2に戻してもよい。
氷結防止動作の開始前には、空気供給弁22及び均圧弁24、流量調節弁26、ドレン弁32が全て閉じた状態となっている。
コントローラ35により各種入力信号に基づいて氷結防止動作の開始条件を満たしていると判断したら、氷結防止システム10を作動させて圧縮機2の氷結防止操作を開始する。少なくとも一実施形態において、圧縮機2の入口側(吸気室8)への高温高圧空気の供給を開始する前に、次のような準備動作を行う。
なお、均圧化終了の判断については、空気供給管12のうち均圧弁24の下流側の管路の圧力を検出し、検出された圧力が予め設定された圧力以上となったら均圧化終了と判断してもよいし、予め設定された時間が経過したら均圧化終了と判断してもよい。
この均圧化ステップの完了前に空気供給管12のウォーミングステップを行う。すなわち、均圧化ステップにおいて均圧弁24を閉状態から開状態に切り替える時点から均圧終了時点までの間に、均圧弁24が開いた状態でドレン弁32を開く。ウォーミングステップでは、均圧弁24及びドレン弁32の両方が開かれるため、圧縮機2の出口側からの圧縮空気は第1管路14を含む空気供給管12を流れた後、ドレンライン30から排出される圧縮空気の流れが形成される。こうして、冷たい外気に曝されて低温になっていた空気供給管12は、圧縮機2の出口側から供給される高温の圧縮空気によって加熱され、温度上昇する。
一方、低温の空気供給管12に導入された圧縮空気は、空気供給管12に熱を奪われて温度降下する際、ドレンを生じることがある。このようにウォーミングステップ中に生じたドレンは、ドレン弁32を介してドレンライン30から排出される。
なお、幾つかの実施形態では、ウォーミングステップは、図2に示すように、均圧化ステップ終了前に完了される。これにより、ドレンライン30から排出される圧縮空気の圧力は比較的低いから、排出空気が周囲に与える影響を小さくできる。
すなわち、均圧化ステップでは、予め空気供給管12内における流量調節弁26の上流側の部位の圧力を上昇させておくことで、氷結防止を目的とした空気供給ステップの開始直後における流量調節弁26の開度制御を安定して行うことができる。
また、ウォーミングステップでは、空気供給ステップの前に空気供給管12を予め温めておくようにしたので、空気供給ステップにて流体を供給する際にドレンが発生することを抑制できる。さらにこのとき、均圧弁24を閉状態から開状態に切り替える時点から均圧終了時点までの間にドレン弁32を開くようにしたので、ドレンライン30から排出される空気は、空気供給管12へ導入前の高温高圧空気よりも低圧にして、排出空気が周囲に与える影響を小さくできる。
次に第2実施形態に係る氷結防止の構成について説明する。本実施形態の氷結防止システムは、遮断弁の構成を変更したことを除けば、既に説明した第1実施形態と同様の構成である。したがって、ここでは、第1実施形態と共通する部材には同一の符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図4は第2実施形態に係るガスタービンの氷結防止システムを示す構成図で、図5は第2実施形態における各弁の動作を示すタイムチャートである。
遮断弁28は、空気供給管12のうち、空気供給管12とドレンライン30との接続部よりも上流側に設けられており、圧縮機2から抽気された圧縮空気の流れを遮断する。遮断弁28は、少なくとも一実施形態において、コントローラ35によってON/OFF制御される。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機2の入口側に供給する高温高圧流体として圧縮機2から抽気した高温の圧縮空気を用いる例について説明したが、本発明は、ガスタービン1の外部から供給される高温高圧流体を用いてもよい。例えば、コンバインドサイクル発電装置の場合、蒸気タービンから抽気又は排気した蒸気を高温高圧流体として用いることもできる。
また、上述の実施形態では、空気供給管12からの高温高圧流体を吸気室8又は吸気室8に設置した熱交換器に供給する例について説明したが、高温高圧流体は圧縮機2の入口側に供給される限り、具体的な供給位置については特に限定されない。例えば、空気供給管12からの高温高圧流体は、吸気フィルタ7に直接噴射されてもよいし、吸気ダクト6に導入されてもよい。
2 空気圧縮機
3 タービン
4 燃焼器
5 回転軸
6 吸気ダクト
7 吸気フィルタ
8 吸気室
10 氷結防止システム
12 空気供給管
14 第1管路
16 第2管路
20 遮断弁セット
22 空気供給弁(第2遮断弁)
24 均圧弁(第1遮断弁)
26 流量調節弁
28 遮断弁
30 ドレンライン
32 ドレン弁
35 コントローラ
Claims (6)
- ガスタービンの圧縮機入口側に流体供給管を介して高温高圧の流体を導いて、前記圧縮機の氷結を防止するガスタービンの圧縮機の氷結防止方法であって、
前記流体供給管の上流側から順に設けられる遮断弁、流量調節弁を閉じた状態で、前記遮断弁と前記流量調節弁との間において前記流体供給管に接続されるドレンラインに設けられるドレン弁を開いてドレンを排出するドレン排出ステップと、
前記遮断弁を閉状態から開状態に切り替えて前記流体を前記流体供給管内に導いて、前記流体供給管のうち前記流量調節弁の上流側の部位を均圧する均圧ステップと、
前記遮断弁を閉状態から開状態に切り替える時点から均圧終了時点までの間に前記ドレン弁を開いて、前記遮断弁及び前記ドレン弁を介した前記流体の流れを形成して前記流体供給管をウォーミングするウォーミングステップと、
前記流体供給管の前記部位の均圧終了後に、前記ドレン弁が閉じた状態で前記流量調節弁を開いて前記圧縮機入口へ前記流体を供給する流体供給ステップとを備えることを特徴とするガスタービンの氷結防止方法。 - 前記ドレン排出ステップにて前記ドレン弁を開いた状態を維持して、前記遮断弁を閉状態から開状態に切り替えて前記ウォーミングステップを開始することを特徴とする請求項1に記載のガスタービンの氷結防止方法。
- 前記遮断弁が、第1遮断弁と、該第1遮断弁より最大開度における流量が大きい第2遮断弁とを含み、
前記均圧ステップでは、前記第2遮断弁の閉状態で第1遮断弁を開いて、前記第1遮断弁を介して前記流体を前記流体供給管内に導き、
前記流体供給ステップでは、前記第2遮断弁を開いて、少なくとも前記第2遮断弁を介して前記流体を前記流量調節弁に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載のガスタービンの氷結防止方法。 - 前記流体は、前記圧縮機から抽気された圧縮空気であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスタービンの氷結防止方法。
- ガスタービンの圧縮機入口側に流体供給管を介して高温高圧の流体を導いて、前記圧縮機の氷結を防止するガスタービンの圧縮機の氷結防止システムであって、
前記流体供給管の上流側から順に設けられる遮断弁及び流量調節弁と、
前記遮断弁と前記流量調節弁との間において前記流体供給管に接続されるドレンラインと、
前記ドレンラインに設けられるドレン弁と、
前記遮断弁、前記流量調節弁及び前記ドレン弁を制御するためのコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
前記遮断弁及び前記流量調節弁を閉じた状態で前記ドレン弁を開いてドレンを排出し、
前記遮断弁を閉状態から開状態に切り替えて前記流体を前記流体供給管内に導いて、前記流体供給管のうち前記流量調節弁の上流側の部位を均圧にし、
前記遮断弁を閉状態から開状態に切り替える時点から均圧終了時点までの間に前記ドレン弁を開いて、前記遮断弁及び前記ドレン弁を介した前記流体の流れを形成して前記流体供給管をウォーミングし、
前記流体供給管の前記部位の均圧終了後に、前記ドレン弁が閉じた状態で前記流量調節弁を開いて前記圧縮機入口へ前記流体を供給する
ように構成されたことを特徴とするガスタービンの氷結防止システム。 - 圧縮機と、
前記圧縮機からの圧縮空気を用いて燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成するように構成された燃焼器と、
前記燃焼器からの前記燃焼ガスにより駆動されるタービンと、
前記圧縮機入口側に前記圧縮空気を導くことで前記圧縮機の氷結を防止するように構成された請求項5に記載の氷結防止システムと、
を備えることを特徴とするガスタービン設備。
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