JP5981356B2 - 化合物半導体単結晶、化合物半導体ウエハ、および化合物半導体単結晶の製造方法 - Google Patents
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Description
近年、一本の単結晶からの基板の取得数を増やして、製造コストを下げるために、単結晶の大型化が求められている。しかし、大型の単結晶を製造しようとすると、引き上げ時に単結晶が受ける熱応力の影響が小型のものに比べて大きくなり、育成された単結晶には更に多くの転位が生じることとなってしまう。また、このような転位の多い単結晶で基板を形成し、その基板の表面に薄膜層をエピタキシャル成長させると、基板の転位が薄膜層にも伝播し、薄膜層の転位も多くなってしまう。そして、素子中の転位が多くなる(転位密度が上がる)ことは、素子特性の劣化にも繋がってしまう。
つまり、温度勾配の大きい環境下で引き上げながら単結晶を育成する従来の方法では、大型の単結晶から特性の優れた素子を製造することは困難であった。
ここで、「TTV」とは、Total Thickness Variationの略である。
更に、この単結晶で形成した基板の表面に薄膜層をエピタキシャル成長させて素子を製造した場合に、薄膜層への転位の伝播を少なくすることができる。
従って、ガリウムアンチモンまたはインジウムアンチモンからなるIII−V族化合物半導体単結晶を基板とする素子において、優れた特性を有する素子を、大型の単結晶から一度に数多く製造することができる。
以下、本発明の第1実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明に係る化合物半導体単結晶であるガリウムアンチモン(GaSb)単結晶を製造する方法について説明する。本実施形態のGaSb単結晶のインゴットは、準備工程、昇温工程、結晶育成工程を経て製造される。
なお、単体Gaと単体Sbを原料とするのではなく、予め合成されたGaSbの多結晶や単結晶を原料として用いると、ガリウムの液化工程を省略しても、Sbの解離を抑制することができる。
しかしながら、前述したように、本実施形態では封止剤を用いていないので、酸化物である封止剤によってGaが酸化されることは無くなり、その結果、従来、LEC法の育成で課題とされてきた、融液表面と封止剤の界面に存在する酸化ガリウムから成るスカムの問題は発生しない。
また、容器成長法で封止剤を使用すると、封止剤が凝固した単結晶とるつぼとの隙間に入り込んでしまう。この状態で凝固した単結晶がるつぼ内で室温まで冷却されると、硬化した封止剤と単結晶との熱膨張率の差によって単結晶に大きな応力が作用し、転位の増大や、時には結晶の破壊(割れ、クラック)等の問題が発生してしまう虞がある。
また、本実施形態では封止剤を用いていないので、封止剤と単結晶との熱膨張率の差による応力が容器内のGaSb単結晶に作用することが無く、転位の増殖や、結晶の破壊等を抑制することができる。
次に、本実施形態の化合物半導体ウエハであるGaSbウエハの製造方法について説明する。本実施形態のGaSbウエハの製造方法は、円筒研削工程、スライシング工程、ラッピング工程、化学エッチング工程、鏡面研磨工程からなる。
円柱形のインゴットを削り出した後は、スライシング工程に移る。スライシング工程では、インゴットを、切断面が円形となるように複数の板状に切断する。
ウエハを切り出した後は、ラッピング工程に移る。ラッピング工程ではラッピング用の研磨材を用いてウエハの切断面を裏表両面とも研磨する。
ウエハの研磨面をエッチングした後は、鏡面研磨工程に移る。鏡面研磨工程では、鏡面研磨用の研磨材を用いてウエハの研磨面を更に研磨することにより、ウエハの研磨面を鏡面に仕上げる。
以上の各工程を経ることにより、主面が直径6インチ以上の円形となるGaSbウエハが製造される。ここで、シリコンやガリウム砒素などの半導体ウエハでは、通常、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute:半導体製造装置材料協会)によって、ウエハの口径や厚さなどの形状が標準化されており、シリコンやガリウム砒素、インジウムリンなどの基板で標準化されているウエハの口径と厚さ(直径6インチの場合は厚さ0.625mm、8インチの場合は厚さ0.725mm、12インチの場合は厚さ0.775mm)のウエハを製造し、その平坦度を示す各数値を計測したところ、何れもTTV(Total Thickness Variation)が5μm以下、反りが10μm以下、Warpが10μm以下となることが確認された。
また、この結晶で形成した基板の表面に薄膜層をエピタキシャル成長させて素子を製造した場合に、薄膜層への転位の伝播を少なくすることができる。
従って、III−V族化合物半導体単結晶を基板とする素子において、優れた特性を有する素子を、大型の単結晶から一度に数多く製造することができ、ひいては、素子の製造コストを下げることができる。
また、封止剤を用いないので、原料の溶融後に、酸化ガリウムからなるスカムの問題が生じないので、双晶や多結晶の発生を防止できる。また、単結晶成長後の降温時に、単結晶と封止剤の熱膨張率の差による転位の増大、単結晶の破壊(割れ、クラック)等の問題が発生することを防止でき、製品の歩留まりを高めることができる。
また、Sbの解離、蒸発を最小限に留めながら、安定して単結晶を成長させることができる。
このようにして製造すれば、原料が融解してから単結晶育成を開始するまでの融液の保持時間が短いので、GaSb融液から解離して蒸発するSbを少なくすることができる。
以下、本発明の第2実施形態について詳細に説明する。なお、InSb単結晶から本発明に係る化合物半導体ウエハであるInSbウエハを製造する方法については、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
ここでは、本発明に係る化合物半導体単結晶であるインジウムアンチモン(InSb)単結晶を製造する方法について説明する。本実施形態のInSb単結晶のインゴットは、第1実施形態と同様に、準備工程、昇温工程、結晶育成工程を経て製造される。
そして、原料および不純物を充填したるつぼを炉に設置し、不活性ガスによる炉内のパージングおよび炉内の加圧を第1実施形態と同様に行う。
融液が安定したら、第1実施形態と同様にして融液の温度が、下部から鉛直上方に向かって10℃/cm以下の割合で下がっていくように炉内の温度を制御する。
また、本実施形態の方法で製造した低転位密度のInSb単結晶を用いれば、加工変質層が入りにくくなり、主面の直径が6インチ以上と大型であっても、TTVが5μm以下、反りが10μm以下、Warpが10μm以下というように平坦性に優れたInSbウエハを製造することができる。
また、本実施形態では、融液の温度が、下部から上方に向かうにつれて低くなるようにしたが、InSb単結晶のように成分元素の蒸発をあまり考慮する必要の無い単結晶を製造する場合には、融液の表面からから下方に向かうにつれて低くなるようにして、るつぼの底部から上方に向けて結晶を育成するようにしても良い。
また、るつぼの形状は、後で直径6インチの円柱状に削り出すことが可能な大きさの単結晶を製造可能なものであれば角筒状等他の形状であっても良い。
Claims (15)
- ガリウムアンチモンからなり、
直径6インチ以上の円柱状に形成され、
平均転位密度が800cm−2以下であることを特徴とする化合物半導体単結晶。 - インジウムアンチモンからなり、
直径6インチ以上の円柱状に形成され、
平均転位密度が40cm −2 以下であることを特徴とする化合物半導体単結晶。 - n型不純物として、テルルまたはセレンが添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物半導体単結晶。
- 電子濃度が10 15 〜10 19 cm −3 であることを特徴とする請求項3に記載の化合物半導体単結晶。
- p型不純物として、カドミウムまたは亜鉛が添加されていることを特徴とする請求項1または2に記載の化合物半導体単結晶。
- 正孔濃度が10 15 〜10 19 cm −3 であることを特徴とする請求項5に記載の化合物半導体単結晶。
- ガリウムアンチモン単結晶からなり、
主面が直径6インチ以上の円形であり、
平均転位密度が800cm −2 以下であることを特徴とする化合物半導体ウエハ。 - インジウムアンチモン単結晶からなり、
主面が直径6インチ以上の円形であり、
平均転位密度が40cm −2 以下であることを特徴とする化合物半導体ウエハ。 - TTVが5μm以下であることを特徴とする請求項7または8に記載の化合物半導体ウエハ。
- 直径に対する厚さの割合が0.105mm/inch以下であり、
反りが10μm以下であることを特徴とする請求項7から9の何れか一項に記載の化合物半導体ウエハ。 - Warpが10μm以下であることを特徴とする請求項7から10の何れか一項に記載の化合物半導体ウエハ。
- ガリウムアンチモンからなる化合物半導体単結晶の製造方法であって、
内径6インチ超の円筒状の側壁を有する耐熱性の容器に原料を充填し、
前記容器を炉に設置し、
前記炉内を不活性ガスで所定圧力となるまで加圧し、
その後、アンチモンの蒸発を抑制するための封止剤を用いることなく前記炉内を加熱し、
前記炉内をガリウムのみが十分に溶融する温度とした状態で十分な時間維持し、ガリウムを液化させるとともに、アンチモンを液化したガリウムに十分に浸漬することでアンチモンの蒸発を抑制し、
その後、前記炉内を更に加熱し、ガリウムとアンチモンとからガリウムアンチモンを合成し、更に、合成されたガリウムアンチモンを融解させて融液とし、
前記融液の温度が、下部から鉛直上方に向かって10℃/cm以下の割合で下がっていくように前記炉内の温度を制御し、
前記融液を所定時間保持した後、前記容器内において、前記融液を、該融液の表面から下方に向かって1〜10mm/hの速度で凝固させていくことにより、単結晶を育成することを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。 - インジウムアンチモンからなる化合物半導体単結晶の製造方法であって、
内径6インチ超の円筒状の側壁を有する耐熱性の容器に原料を充填し、
前記容器を炉に設置し、
前記炉内を不活性ガスで所定圧力となるまで加圧し、
その後、アンチモンの蒸発を抑制するための封止剤を用いることなく前記炉内を加熱し、
前記炉内をインジウムのみが十分に溶融する温度とした状態で十分な時間維持し、インジウムを液化させるとともに、アンチモンを液化したインジウムに十分に浸漬することでアンチモンの蒸発を抑制し、
その後、前記炉内を更に加熱し、インジウムとアンチモンとからインジウムアンチモンを合成し、更に、合成されたインジウムアンチモンを融解させて融液とし、
前記融液の温度が、下部から鉛直上方に向かって10℃/cm以下の割合で下がっていくように前記炉内の温度を制御し、
前記融液を所定時間保持した後、前記容器内において、前記融液を、該融液の表面から下方に向かって1〜10mm/hの速度で凝固させていくことにより、単結晶を育成することを特徴とする化合物半導体単結晶の製造方法。 - 前記融液を保持するための所定時間が、30分以上3時間未満であることを特徴とする請求項12または13に記載の化合物半導体単結晶の製造方法。
- 前記融液を、キュロポーラス法、または垂直温度勾配凝固法で凝固させることを特徴とする請求項12から14の何れか一項に記載の化合物半導体単結晶の製造方法。
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