以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るメダル補給装置は、設置島に設置された複数の遊技機のそれぞれに対してメダルを供給及び回収可能なもので、図1〜16に示すように、設置島K1〜K3のそれぞれの内部に配設されたメダル供給搬送手段1及びメダル回収搬送手段2と、当該設置島K1〜K3のそれぞれの一端部に設置されたメダル補給手段3と、設置島K1の他端部に設置されたメダル計数機4とから主に構成されている。
設置島K1〜K3は、遊技場において複数(遊技場によって適宜の数)設置されるとともに、それぞれに複数の遊技機H(スロットマシンやコインゲーム機などメダルを投入して遊技するもの)が並んで設置されたもので、その内側上部における長手方向には、メダル供給搬送手段1が延設されるとともに、内側下部における長手方向には、メダル回収搬送手段2が配設されている。各設置島K1〜K3には、上方に向かって分配タワー27がそれぞれ形成されており、それぞれの分配タワー27間には搬送コンベア等から成る渡り手段28が配設されている。
本実施形態に係る各設置島K1〜K3には、互いに異なる外径の大径メダル(直径が30mmのメダル)及び小径メダル(直径が25mmのメダル)が使用される遊技機Hがそれぞれ設置されている。然るに、大径メダルが使用される遊技機Hからメダルの要求信号が発信されると、メダル補給手段3がその要求信号に基づいて、大径メダルを使用する遊技機Hか小径メダルを使用する遊技機Hかを識別して大径メダルをメダル供給搬送手段1に補給する一方、小径メダルが使用される遊技機Hからメダルの要求信号が発信されると、メダル補給手段3がその要求信号に基づいて、大径メダルを使用する遊技機Hか小径メダルを使用する遊技機Hかを識別して小径メダルをメダル供給搬送手段1に補給するよう構成されている。
各設置島(K1〜K3)に形成された分配タワー27は、設置島内のメダル(本実施形態においては、メダル供給搬送手段1で搬送されるメダル)を上方に揚送するとともに、そのメダルを渡り手段28を介して隣接する設置島に供給するためのものである。これにより、一の設置島から隣接する他の設置島にメダル(小径メダル又は大径メダル)を供給することができ、他の設置島におけるメダルの不足を回避することができる。尚、本実施形態においては、他の設置島で不足しそうなメダル(小径メダル又は大径メダル)の要求信号が発せられると、その要求信号を受信した一の設置島において、要求されるメダル(小径メダル又は大径メダル)がメダル供給搬送手段1に補給され、渡り手段28を介して他の設置島に当該メダルが供給されるよう構成されている。
メダル回収搬送手段2は、各設置島(K1〜K3)に設置された遊技機Hから排出されたメダル(小径メダル及び大径メダル)を回収し、メダル補給手段3まで搬送するためのもので、図2に示すように、一端(図中左端)をメダル補給手段3の筐体3a内に臨ませた回収用搬送コンベア2aを有している。かかる回収用搬送コンベア2aは、モータM1にて駆動可能な駆動ローラW1及び従動ローラW2に懸架された搬送ベルトを有して成り、各遊技機Hから排出されて落下したメダルを受けて、メダル補給手段3内まで搬送し得るよう構成されている。
メダル計数機4は、設置島K1に隣接して設けられたもので、内部に遊技者が獲得したメダル(小径メダル及び大径メダル)を投入すると、自動的に計数して出力可能とされたものである。かかるメダル計数機4内には、投入されたメダルを収容するための収容空間Uが形成されているとともに、当該収容空間U内のメダルをメダル計数機4外部に搬送するためのコンベアから成る搬送手段25が配設されている。そして、搬送手段25が駆動すると、収容空間U内のメダル(小径メダル及び大径メダル)が設置島K1のシュート26を介してメダル回収搬送手段2に至るよう構成されている。
メダル補給手段3は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダル(小径メダル及び大径メダル)を収容するとともに、メダル供給搬送手段1にメダル(小径メダル又は大径メダル)を補給するためのもので、図3〜6に示すように、主に、メダル選別手段5と、振分け手段6と、第1貯留タンク7と、第2貯留タンク8と、搬送コンベア21と、洗浄手段9と、リフタ15とが筐体3a内に配設されたものである。
メダル選別手段5は、メダル送出装置45、メダル通路16及び一対の検知手段S1、S2を有し、大径メダルと小径メダルとを選別するためのものである。メダル送出装置45は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを所定量収容するとともに、メダルを1枚ずつ切り分けて送り出し、メダル選別手段5による小径メダルと大径メダルとの選別を容易に行わせるためのものである。なお、本実施形態に係るメダル送出装置45は、構成及び機能が同一の2つの装置から成り、メダル補給手段3の筐体3a内の上部にそれぞれ設置されている。このメダル送出装置45は、図5に示すように、所定量のメダル(小径メダル及び大径メダル)を収容可能な収容部aと、1枚ずつ切り分けられたメダルをメダル通路16に送り出す送出し部bと、モータM2とを有したものである。
本実施形態に係るメダル送出装置45の送出し部b内には、複数のピン部材47が固定された円板状のディスク部材46が配設されている(同図においてはピン部材47の凸部47aが図示されている)。このディスク部材46は、中心部にモータM2の出力軸を取り付け可能な金属製部材から成り、モータM2を駆動させることにより、中心軸回りに回転可能とされている。また、ディスク部材46は、その周縁に略等間隔で複数の取付孔が形成されており、これら取付孔にそれぞれピン部材47が取り付けられている。
そして、モータM2が駆動してディスク部材46が回転すると、隣接するピン部材47における凸部47aの間に収容部a内のメダル(小径メダル及び大径メダル)が引っ掛かり、ディスク部材46の回転方向に1枚ずつ切り出される。このとき、ピン部材47は、メダルと衝突して衝撃が付与されるが、その衝撃は、例えば、緩衝部材の弾力によって吸収するようにしてもよい。このように、メダル送出装置45にて切り出されたメダルは、送出し部bからメダル通路16に送り出される。
送出し部bと連通したメダル通路16は、図5に示すように、その一部に小径メダルのみを落下させ得る形状及び寸法の切欠き16aが形成されており、メダル選別手段5の送出し部bから送り出されたメダルがメダル通路16を通過する過程で、大径メダルは、大径メダル通路29に至るとともに、小径メダルは、切欠き16aから落下して小径メダル通路30に至るようになっている。
更に、メダル通路16における切欠き16aより上流側には、小径メダル及び大径メダルを検知する検知手段S1が配設されるとともに、切欠き16aよりも下流側の大径メダル通路29にも大径メダルを検知する同様の検知手段S2が配設されている。そして、これら一対の検知手段S1、S2がそれぞれ通過するメダルを検知してカウントすることにより、メダル通路16を通過する小径メダル及び大径メダルの個数(N1)と、大径メダル通路29を通過する大径メダルの個数(N2)を把握することができる。これにより、N1からN2を減算した値が選別された小径メダルの個数であり、N2が選別された大径メダルの個数であるので、これら個数が補給制御手段24にて認識されるようになっている。
振分け手段6は、図6に示すように、大径メダル通路29の所定部位を開閉可能な開閉手段29aと、小径メダル通路30の所定部位を開閉可能な開閉手段30aと、揺動によってメダルの落下経路を選択可能な振分け部材34とから主に構成されている。尚、図中符号31は、開閉手段30aの開閉動作を行わせるソレノイド、符号33は、振分け部材34の揺動動作を行わせるソレノイドを示している。また、開閉手段29aは、図示しないソレノイド(ソレノイド31と同様のソレノイド)によって開閉動作が行われるよう構成されている。
然るに、開閉手段29a、30aが閉じた状態では、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルがそれぞれ小径メダル通路30及び大径メダル通路29を介してシュート17に至り、メダル供給搬送手段1の小径メダル搬送部36a、大径メダル搬送部36bにそれぞれ補給される。また、開閉手段29a又は30aが開いた状態では、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルがそれぞれ振分け部材34に至ることとなる。尚、図中符号32は、開閉手段30aが開いた状態のとき、小径メダルを振分け部材34まで案内するシュートを示している。
振分け部材34は、ソレノイド33を駆動させることにより、図中実線で示した状態と二点鎖線で示した状態とで揺動可能とされており、実線で示した状態では、大径メダルを大径メダル用ジョッキ18aに落下させて収容させ、小径メダルを小径メダル用ジョッキ18bに落下させて収容させるとともに、二点鎖線で示した状態では、大径メダルを第1貯留タンク7に落下させて収容させ、小径メダルを第2貯留タンク8に落下させて収容させるものである。尚、図中符号35は、振分け部材34で振り分けられた大径メダルを第1貯留タンク7まで案内する通路を示しており、これと同様の通路(図示せず)(小径メダルを第2貯留タンク8まで案内する通路)も第2貯留タンク8側に配設されている。
即ち、振分け手段6の動作によって、メダル選別手段5で選別された小径メダル及び大径メダルを、メダル供給搬送手段1の小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bにそれぞれ補給する経路と、小径メダル用ジョッキ18b及び大径メダル用ジョッキ18aにそれぞれ収容させる経路と、第1貯留タンク7及び第2貯留タンク8にそれぞれ収容させる経路とに切換可能とされているのである。
ここで、本実施形態に係るメダル補給装置のメダル補給手段3には、所定量のメダルを収容しつつ持ち運び可能なジョッキ(大径メダル用ジョッキ18a及び小径メダル用ジョッキ18b)を保持するジョッキ保持部49a、49bが形成されるとともに、当該ジョッキ保持部(49a、49b)に保持されたジョッキ(小径メダル用ジョッキ18b及び大径メダル用ジョッキ18a)に対して上方からメダルを落下させて所定量のメダルを収容させ、当該ジョッキをジョッキ保持部49a、49bから取り出して任意の遊技機にメダルを補給させ得るようになっている。
具体的には、ジョッキ保持部49aは、メダル補給手段3の所定部位に形成された凹部から成り、内部に大径メダル用ジョッキ18aを載置させて保持可能とされるとともに、振分け手段6により振り分けられた大径メダルを大径メダル用ジョッキ18aに向かって落下させ得るよう構成されている。また、ジョッキ保持部49bは、メダル補給手段3の所定部位(ジョッキ保持部49aと隣接した部位)に形成された凹部から成り、内部に小径メダル用ジョッキ18bを載置させて保持可能とされるとともに、振分け手段6により振り分けられた小径メダルを小径メダル用ジョッキ18aに向かって落下させ得るよう構成されている。
なお、本実施形態に適用されるジョッキ(大径メダル用ジョッキ18a及び小径メダル用ジョッキ18b)は、図11に示すように、把持部18aa、18baと、開口18ab、18bbとが形成されたもので、把持部18aa、18baをホール係等の作業者が握って任意の遊技機まで運搬し、内部に収容したメダルを当該遊技機に供給可能とされている。また、ジョッキ(大径メダル用ジョッキ18a及び小径メダル用ジョッキ18b)に対してメダルを受けて収容し又は排出させ得る開口18ab、18bbは、同図に示すように、先端側に向かって細くなる如き形状とされている。
一方、ジョッキ保持部49a、49bの上部には、複数の取付孔が形成された金属製部材から成る被取付部品50a、50bがそれぞれ取り付けられている。かかる被取付部品50a、50bには、中央に向かって傾斜した傾斜部50aa、50baがそれぞれ形成されているとともに、取付金具51a、51bを介してメダル案内部材48を取付可能とされている。すなわち、振分け手段6により振り分けられた大径メダル及び小径メダルは、左右一対の傾斜部50aa(又は50ba)の間を落下するよう構成されているのである。
取付金具51a(取付金具51bも同様)は、図9に示すように、ジョッキ保持部49a(或いはジョッキ保持部49b)の内側に向かって屈曲した金具から成り、メダル案内部材48を挟持しつつボルトBにて被取付部品50a、50bに固定されることにより、図10に示すように、当該被取付部品50a(50bも同様)に対してメダル案内部材48が取付可能とされている。
メダル案内部材48は、ジョッキ保持部49a、49bに配設され、所定形状に形成された軟質の樹脂(比較的柔らかく所望形状に撓み得るとともに元の形状に復元し易い樹脂)から成るもので、図8に示すように、左右一対の取付孔48aと、上方から落下するメダル(小径メダル又は大径メダル)をジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)の略中央に案内する案内部48bと、ジョッキ保持部49a、49bの外側と内側とを遮蔽し、上方から落下するメダルがジョッキ保持部49a、49bの外側に飛散するのを防止する飛散防止部48cとを有するものである。
取付孔48aは、メダル案内部材48を取付部材51a、51bと被取付部品51a、51bとでそれぞれ挟持してボルトBにて固定する際、当該ボルトBを挿通し得る孔から成るもので、取付金具51a、51bに形成された取付用の孔と対応した位置に形成されている。案内部48bは、メダル案内部材48の下部から下方に向かって突出した左右一対の突出部位から成る。また、本実施形態においては、案内部48bと飛散防止部48cとが一体形成されており、左右一対の案内部48の間に飛散防止部48cが位置している。
そして、ジョッキ保持部49a(49b)に小径メダル用ジョッキ18a(大径メダル用ジョッキ18b)を保持させると、一対の案内部48bは、図11に示すように、開口18ab(18bb)から小径メダル用ジョッキ18a(大径メダル用ジョッキ18b)内に巻き込まれる一方、飛散防止部48cが小径メダル用ジョッキ18a(大径メダル用ジョッキ18b)の上部に位置することとなる。これにより、上方から落下するメダルが小径メダル用ジョッキ18a(大径メダル用ジョッキ18b)の先端側の側方とジョッキ保持部49a、bの内周側壁面との間に生じた隙間に向かって落下するメダルは、案内部48bにて小径メダル用ジョッキ18a(大径メダル用ジョッキ18b)の略中央に案内されるとともに、飛散防止部48cにてジョッキ保持部49a(49b)の上部における外側と内側とを遮蔽し、上方から落下するメダルがジョッキ保持部49a(49b)の外側に飛散するのを防止することができる。
第1貯留タンク7は、メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルの一方を専ら貯留するためのもので、本実施形態においては、大径メダルを専ら貯留可能とされている。かかる第1貯留タンク7は、大径メダルを所定量貯留可能とされており、当該第1貯留タンク7内のメダル(大径メダル)が所定量に達したことを検知する第1検知手段7aが配設されている。この第1検知手段7aは、接触式センサ又は非接触式センサ等を用いることができる。
また、第1貯留タンク7は、その底面にメダルを自重にて落下させて吐出可能な吐出口7bが形成されるとともに、当該吐出口7bは、撹拌手段20の下端部にて塞がれている。この撹拌手段20は、螺旋状部材から成り、モータ19にて回転駆動可能とされてたもので、回転駆動によって第1貯留タンク7内のメダルを撹拌させつつ吐出口7bまで導き、当該吐出口7bから吐出可能とされている。
第2貯留タンク8は、メダル選別手段5で選別された小径メダル又は大径メダルの他方を貯留(本実施形態においては小径メダルを貯留)するとともに、当該小径メダル及び大径メダルを混合させて貯留可能なものである。即ち、第1貯留タンク7が大径メダルを専ら貯留するのに対し、第2貯留タンク8は、通常状態においては、小径メダルを収容するとともに、所定条件下で、小径メダルと大径メダルとを混合させて貯留可能とされているのである。
また、第2貯留タンク8には、当該第2貯留タンク8内のメダル(小径メダル)が所定量に達したことを検知する第2検知手段が配設されている。この第2検知手段8aは、第1検知手段7aと同様、接触式センサ又は非接触式センサ等を用いることができる。更に、第2貯留タンク8は、その底面にメダルを自重にて落下させて吐出可能な吐出口8bが形成されるとともに、当該吐出口8bは、撹拌手段20の下端部にて塞がれている。この撹拌手段20は、第1貯留タンク7内に配設されたものと同様、螺旋状部材から成り、モータ19にて回転駆動可能とされたもので、回転駆動によって第2貯留タンク8内のメダルを撹拌させつつ吐出口8bまで導き、当該吐出口8bから吐出可能とされている。
搬送コンベア21は、第1貯留タンク7の吐出口7b下方と第2貯留タンク8の吐出口8b下方とに亘って配設された搬送ベルト21aを有したもので、搬送方向を異ならせることが可能とされたものである。而して、搬送コンベア21の搬送方向を図3中左から右へ設定した場合、第1貯留タンク7の吐出口7b又は第2貯留タンク8の吐出口8bから吐出されたメダルが同図中右側へ搬送され、リフタ15の受け部23に至る一方、搬送コンベア21の搬送方向を同図中右から左へ設定した場合、第1貯留タンク7の吐出口7b又は第2貯留タンク8の吐出口8bから吐出されたメダルが同図中左側へ搬送され、受け通路22を介して受け部10に至るよう構成されている。
洗浄手段9は、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを洗浄するためのもので、整列コンベア11と、洗浄コンベア12、13とを有している。整列コンベア11は、受け部10で受けたメダル(小径メダル及び大径メダル)を整列させつつ搬送するものである。この整列コンベア11の終端側に洗浄コンベア12が配設されており、更に当該洗浄コンベア12の終端側に洗浄コンベア13が続いて配設されている。これら洗浄コンベア12は、所望の洗浄液で浸された部材をメダル表面及び裏面に押圧させることにより当該メダル表面と裏面とを払拭可能とされたものである。尚、洗浄コンベア13の終端側には、リフタ15の受け部14が形成されており、洗浄コンベア12、13にて洗浄されたメダルが受け部14を介してリフタ15に至るようになっている。
リフタ15は、メダル補給手段3の筐体3a内において上下に延設された搬送手段から成り、受け部23又は受け部14で受けたメダル(小径メダル及び大径メダル)を上方に搬送し、シュート15aを介してメダル選別手段5に至らせるためのものである。而して、搬送コンベア21にて受け部23に搬送されたメダル及び洗浄手段9にて洗浄されたメダルは、リフタ15によってメダル選別手段5まで搬送され、小径メダルと大径メダルとに選別されることとなる。
補給制御手段24は、例えばマイコン等を具備した制御盤から成るもので、各遊技機Hからメダルの要求信号を受けるとともに、当該要求信号に応じた動作を行わせ得るものである。例えば、補給制御手段24が遊技機H側から大径メダルの要求信号を受信すると、第1貯留タンク7内の撹拌手段20を動作させるとともに、搬送コンベア21を左向きの搬送方向にて駆動させる。このとき、振分け手段6の開閉手段29a、30aは閉じた状態とされる。これにより、第1貯留タンク7内の大径メダルは、洗浄手段9にて洗浄された後、リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給される。
また、補給制御手段24が遊技機H側から小径メダルの要求信号を受信すると、第2貯留タンク8内の撹拌手段20を動作させるとともに、搬送コンベア21を左向きの搬送方向にて駆動させる。このとき、振分け手段6の開閉手段29a、30aは閉じた状態とされる。これにより、第2貯留タンク8内の小径メダルは、洗浄手段9にて洗浄された後、リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給される。
尚、遊技機H側に急いでメダルを補給させる場合、搬送コンベア21を右向きの搬送方向にて駆動させる。この場合、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8内のメダルは、洗浄手段9を介さずリフタ15に至り、当該リフタ15にて搬送されるとともに、メダル選別手段5にて選別された後、メダル供給搬送手段1に補給されることとなる。而して、本実施形態によれば、第1貯留タンク7又は第2貯留タンク8で貯留された小径メダル又は大径メダルを任意選択的にメダル供給搬送手段1に補給可能とされている。
メダル供給搬送手段1は、メダル補給手段3から補給されたメダル(小径メダル及び大径メダル)をそれぞれの遊技機Hに対して搬送して供給するための搬送コンベアから成るもので、図12〜16に示すように、左右一対に配設された小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bと、これら小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bにおける長手方向に亘って所定位置に配設された供給手段A及びシュート38とから主に構成されている。
小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bは、その基端(図12、13中左端)がメダル補給手段3の筐体3a内に臨ませて配設されており、当該基端側の従動プーリR2、先端(図12、13中右端)側の駆動プーリR1に懸架された左右一対の搬送ベルトから成るものである。尚、本実施形態に係る小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bは、テンションプーリR3にて所定のテンションが付与されるとともに、駆動プーリR1は、モータM3の出力軸Maに連結されている。
一方、小径メダルを排出させるシュート17の下方には、小径メダル搬送部36aの基端部が位置するとともに、大径メダルを排出させるシュート17の下方には、大径メダル搬送部36bの基端部が位置している。而して、モータM3を駆動させることにより、小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bを動作させ、シュート17から排出された小径メダルを小径メダル搬送部36aにて搬送させるとともに、シュート17から排出された大径メダルを大径メダル搬送部36bにて搬送させるよう構成されている。
また、メダル供給搬送手段1は、図16に示すように、小径メダル搬送部36a及び大径メダル搬送部36bを配設するとともに、後述する供給手段A、シュート38及び閉塞部材44を取り付けるための本体1aを具備しており、かかる本体1aが設置島(K1〜K3)の長手方向に延設されている。この本体1aにおける遊技機Hの設置箇所に対応する部位には、開口1aaがそれぞれ形成されており、当該開口1aaの縁部(具体的には、左縁部、右縁部及び下縁部)には、シュート38或いは閉塞部材44を係止可能な係止部Mが一体形成されている。更に、本体1aにおける小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとの間には、隔壁1abが形成されており、当該隔壁1abによって、小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとが隔成されている。
シュート38は、本体1aにおける任意位置の係止部Mに係止可能とされたもので、当該係止部Mに係止された状態で、所定部位に開口1aaと通じる開口が形成されており、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bからのメダル(小径メダル又は大径メダル)を内部に至らせることが可能とされている。然るに、シュート38を小径メダル搬送部36a側の係止部M、又は大径メダル搬送部36b側の係止部Mに対して選択的に係止させることができ、任意位置での脱着が自在とされている。また、シュート38は、その下端の吐出口にフレキシブルチューブから成る補給管Tが連結されており、この補給管Tを介して各遊技機Hと連結されている。而して、シュート38内に至ったメダル(小径メダル又は大径メダル)は、補給管Tを介して遊技機Hに供給されるよう構成されている。
供給手段Aは、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダル(小径メダル又は大径メダル)を所望の位置に係止されたシュート38に対して選択的に供給可能なもので、本体1aにおける小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの上方の部位に脱着自在とされている。かかる供給手段Aは、フレーム39にて支持されたソレノイド40と、ソレノイド40により揺動可能な揺動部材43と、該揺動部材43に取り付けられたスクレーパ37とを有している。
より具体的に説明すると、ソレノイド40の作動軸40aには、アーム部42を介して揺動部材43が連結されているとともに、当該揺動部材43は、軸L1を中心として揺動可能とされている。そして、通常状態(ソレノイド40への通電がなされない状態)においては、揺動部材43はコイルスプリング41の付勢力により、図15中2点鎖線で示した状態とされており、スクレーパ37が小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bから離間した状態となっている。かかる状態では、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルは、スクレーパ37の下方を通過することとなる。
然るに、ソレノイド40への通電がなされると、作動軸40aがコイルスプリング41の付勢力に抗してアーム部42を引っ張り、軸L1を中心として揺動部材43を揺動させることによりスクレーパ37を小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに近接させる。かかる状態では、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bで搬送されるメダルは、スクレーパ37と干渉してその部位における開口1aa側に搬送の向きが変わることとなり、その開口1aaの係止部Mに取り付けられたシュート38内に至ることとなる。
ここで、供給手段A及びシュート38は、小径メダル搬送部36a側、又は大径メダル搬送部36b側に任意選択的に取り付けられることにより、遊技機Hに対応した任意位置に取り付け可能とされている。即ち、小径メダルを使用する遊技機Hに対しては、供給手段A及びシュート38を小径メダル搬送部36a側に取り付けるとともに、大径メダルを使用する遊技機Hに対しては、供給手段A及びシュート38を大径メダル搬送部36b側に取り付けることにより、適宜のメダルを供給可能とされているのである。
更に、本実施形態に係る供給手段Aは、スクレーパ37の向きを任意変更可能とされている。具体的には、スクレーパ37は、図14に示すように、揺動部材43に形成された軸L2を中心として回動自在とされるとともに、ネジnにて当該揺動部材43に対して固定可能とされている。尚、図中の符号43aは、スクレーパ37の回動時、ネジnの干渉を回避するべく弧状に形成された切欠きを示している。
而して、小径メダル搬送部36a側に取り付けられた供給手段Aを大径メダル搬送部36b側に取り付ける場合、或いは大径メダル搬送部36b側に取り付けられた供給手段Aを小径メダル搬送部36a側に取り付ける場合、ネジnを緩めてスクレーパ37を回動させてその向きを変更した後、ネジnを再び締めて当該スクレーパ37を固定させる。これにより、供給手段Aを小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの何れにも容易に取り付け可能とされている。また、本実施形態においては、切欠き43aの途中でネジnを締め付けることができることから、スクレーパ37の角度を任意に調整することができ、メダルの種類に応じたスクレーパ37の角度とすることができる。
一方、供給手段A及びシュート38が取り付けられた側と反対側の小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの開口1aaには、閉塞部材44が取り付けられる。かかる閉塞部材44は、側壁部44aと、蓋部44bとが一体的に形成された部材から成り、側壁部44aの縁部(具体的には、左縁部、右縁部及び下縁部)を係止部Mに係止させることにより、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bに取り付け可能とされている。
この閉塞部材44を取り付けた状態においては、側壁部44aが開口1aaを塞ぐとともに、蓋部44bが小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bの上部を覆うようになっている。これにより、小径メダル搬送部36a又は大径メダル搬送部36bにて搬送される過程において、小径メダル又は大径メダルが、供給手段A及びシュート38が取り付けられた側と反対側の開口1aaから意図せず溢れ落ちてしまうのを防止することができる。
また、本実施形態においては、図16に示すように、シュート38、供給手段A及び閉塞部材44がメダル供給搬送手段1の任意位置に脱着自在とされているため、遊技機Hに応じたメダルを適宜供給させることができる。また、小径メダル搬送部36aと大径メダル搬送部36bとが左右に並設されているため、複数の遊技機Hに対して、小径メダルの供給と大径メダルの供給とを同時に行わせることができ、メダルの供給を適宜且つスムーズに行わせることができる。
本実施形態に係るメダル補給装置によれば、ジョッキ保持部49a、49bに配設され、上方から落下するメダル(小径メダル又は大径メダル)をジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)の略中央に案内する案内部48bを有したメダル案内部材48が配設されたので、ジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)内に確実にメダルを落下させて収容させることができる。
また、本実施形態に係るメダル補給装置によれば、メダル案内部材48の案内部48bは、ジョッキ保持部49a、49bの外側と内側とを遮蔽し、上方から落下するメダルがジョッキ保持部49a、49bの外側に飛散するのを防止する飛散防止部48cが一体形成されたので、ジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)内に確実にメダルを落下させて収容し得る機能と、ジョッキ保持部49a、49bの外側にメダルが飛散するのを防止する機能とを兼ね備えることができる。
さらに、本実施形態に係るメダル補給装置によれば、メダル案内部材48は、軟質の樹脂から成るので、安価で且つ確実に落下するメダルをジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)の略中央に案内させることができ、ジョッキ内により確実にメダルを落下させて収容させることができる。すなわち、メダル案内部材48が軟質の樹脂から成るので、ジョッキ保持部49a、49bにジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)がない状態においては、取付金具51a、51bの屈曲に倣って垂れ下がった状態とされる(図7参照)とともに、ジョッキ保持部49a、49bにジョッキ(小径メダル用ジョッキ18a又は大径メダル用ジョッキ18b)を保持させた状態においては、案内部48bが撓んでジョッキ内に巻き込まれた形状(図11参照)とされ、当該ジョッキの先端側の側方の隙間に向かって落下するメダルを略中央に案内し得るのである。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばメダル案内部材は、軟質の樹脂から成るものに限定されず、所望形状に撓み得る種々の材質のものとしてもよい。さらに、本実施形態においては、小径メダル用ジョッキ18aと大径メダル用ジョッキ18bを具備し、それぞれ保持させるジョッキ保持部49a、49bが形成されているが、何れか一方のみのメダルを収容するジョッキを具備し、及びジョッキ保持部が形成されたものに適用してもよい。
なお、適用される島設備やそれに付随する構成は、何れの形態であってもよく、特に、メダル補給手段3に配設されるメダル送出装置45は、本実施形態の如く2つ並設させたものに限定されず、単独で配設させたもの或いは3つ以上並設させたものとしてもよい。メダル選別手段は、本実施形態のものに限定されず、メダル回収搬送手段2で回収されたメダルを小径メダルと大径メダルとに選別するものであれば他の形態のものであってもよい。