JP5978975B2 - 車両用熱管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両に用いられる熱管理システムに関する。
従来、車両に搭載された冷却対象機器を冷却水によって冷却する冷却回路において、冷却水漏れが発生した場合、冷却対象機器に冷却水を循環させることができなくなるので冷却対象機器がオーバーヒートして故障に至ることがある。
そこで、従来、特許文献1には、冷却水漏れを漏れ止め剤によって止める手法が提案されている。この従来技術では、漏れ止め剤の主剤にコルク粉末を用い、冷却回路で発生したピンホールやスリットをコルク粉末で塞ぐことによって冷却水漏れを止めようとしている。
特開平8−253762号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術によると、ピンホールやスリット等の破損部位をコルク粉末によって塞ぐので、塞ぐことのできる破損部位は比較的小さなものに限られてしまう。
また、近年普及しているハイブリッド自動車や電気自動車では、走行用モータを冷却する冷却水を循環させるポンプとして電動ウォータポンプを用いているため、このような冷却回路に特許文献1の従来技術を適用すると、コルク粉末が電動ウォータポンプの故障を引き起こす原因となり得る。
すなわち、電動ウォータポンプは、エンジンによって駆動される機械式ウォータポンプと比較して駆動力が小さいので、コルク粉末が電動ウォータポンプの軸受け部に混入すると電動ウォータポンプがロックして停止してしまう可能性が高い。
また、通路面積の小さな部分がある機器(熱交換器等)が冷却回路に配置されている場合、コルク粉末が通路面積の小さな部分を塞いでしまい、機器の機能を阻害するおそれがある。
本発明は上記点に鑑みて、破損部位からの冷却水漏れを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
熱媒体が循環する循環流路(12)に配置され、熱媒体を吸入・吐出するポンプ(11)と、
循環流路(12)に配置され、熱媒体が流通する熱媒体流通機器(16、17)と、
ポンプ(11)の作動中および停止中のうち少なくとも一方において、熱媒体流通機器(16、17)における熱媒体の圧力を大気圧以下にする圧力調整手段(14、15、20b、21、50、55)とを備えることを特徴とする。
これによると、熱媒体流通機器(16、17)における熱媒体の圧力が大気圧以下になるので、熱媒体流通機器(16、17)にピンホールやスリット等が発生しても冷却水漏れを抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、
圧力調整手段(14、15、20b、21、50、55)は、ポンプ(11)の作動中において、循環流路(12)のうちポンプ(11)の吐出側かつ熱媒体流通機器(16、17)の上流側における熱媒体の圧力を大気圧以下にするものであることを特徴とする。
これにより、ポンプ(11)の作動中において、熱媒体流通機器(16、17)における熱媒体の圧力を大気圧以下にすることができる。
請求項に記載の発明では
圧力調整手段は、循環流路(12)を大気に対して連通させる連通部(14)と、連通部(14)を開閉する開閉手段(15)とを有し、
開閉手段(15)は、ポンプ(11)が作動中の場合、連通部(14)を開け、ポンプ(11)が停止中の場合、連通部(14)を閉じることを特徴とする。
これにより、ポンプ(11)の停止中において、熱媒体流通機器(16、17)における熱媒体の圧力を大気圧以下にすることができる。さらに、ポンプ(11)が停止中の場合、連通部(14)を通じて循環流路(12)に空気が入るのを抑制できるので、冷却水漏れを効果的に抑制することができる。
すなわち、ピンホールやスリット等の破損が生じた場合、連通部(14)が閉じられていないと、破損部における熱媒体側の圧力は大気圧に加えて熱媒体の位置ヘッド分が加わるために熱媒体の表面張力では破損部における熱媒体側と大気側の圧力差に勝てずに熱媒体が漏れ出ることになる。
連通部(14)が閉じられていれば、ピンホールやスリット等の破損部の面積(穴の面積)が小さい限りは熱媒体の表面張力が十分に働くため、大気圧によって熱媒体を押さえつける力が働いて熱媒体が漏れ出ることはない。
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の発明において、
開閉手段は、循環流路(12)側の圧力と大気圧との圧力差によって連通部(14)を開閉する第1弁体(40)および第2弁体(41)を有し、
第1弁体(40)は、循環流路(12)のうちポンプ(11)の吐出側かつ熱媒体流通機器(16、17)の上流側に配置され、
第1弁体(40)は、循環流路(12)側の圧力が大気圧よりも低い場合、連通部(14)を開け、循環流路(12)側の圧力が大気圧よりも高い場合、連通部(14)を閉じるようになっており、
第2弁体(41)は、循環流路(12)側の圧力が大気圧よりも高い場合、連通部(14)を開け、循環流路(12)側の圧力が大気圧よりも低い場合、連通部(14)を閉じるようになっており、
さらに、開閉手段は、ポンプ(11)が停止中の場合、第1弁体(40)を閉弁位置で拘束する弁体拘束手段(44)を有していることを特徴とする。
これにより、ポンプ(11)の作動中および停止中の両方において、熱媒体流通機器(16、17)における熱媒体の圧力を大気圧以下にすることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
第1実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。 第1実施形態におけるエンジンの吸排気系を示す構成図である。 図1の圧力調整機構部の詳細を示す構成図であり、通常モードの状態を示している。 図1の圧力調整機構部の詳細を示す構成図であり、冷却水漏れ防止モードの状態を示している。 図1の圧力調整機構部の詳細を示す構成図であり、停止時モードの状態を示している。 第1実施形態における冷却水漏れ判定制御処理の概要を示すフローチャートである。 第2実施形態における冷却水漏れ判定制御処理の概要を示すフローチャートである。 第2実施形態における冷却水漏れ判定制御処理で用いられる制御マップである。 第3実施形態における車両用熱管理システムの全体構成図である。 第4実施形態における圧力調整機構部を示す構成図である。 第5実施形態における圧力調整機構部を示す構成図である。 第6実施形態における圧力調整機構部を示す構成図である。 第7実施形態におけるポンプ作動延長制御の概要を示すフローチャートである。 第8実施形態におけるポンプ作動延長制御の概要を示すフローチャートである。 第9実施形態におけるポンプ作動延長制御の概要を示すフローチャートである。 第10実施形態における圧力調整機構部の詳細を示す構成図である。 第11実施形態におけるエンジンの吸排気系を示す構成図である。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。本実施形態における車両用熱管理システム10は、車両が備える各種機器を適切な温度に管理するために用いられる。
本実施形態では、車両用熱管理システム10を、エンジン(内燃機関)および走行用モータから車両走行用の駆動力を得るハイブリッド自動車に適用している。
本実施形態のハイブリッド自動車は、車両停車時に外部電源(商用電源)から供給された電力を、車両に搭載された電池(車載バッテリ)に充電可能なプラグインハイブリッド自動車として構成されている。電池としては、例えばリチウムイオン電池を用いることができる。
エンジンから出力される駆動力は、車両走行用として用いられるのみならず、発電機を作動させるためにも用いられる。そして、発電機にて発電された電力および外部電源から供給された電力を電池に蓄えることができ、電池に蓄えられた電力は、走行用モータのみならず、熱管理システムを構成する電動式構成機器をはじめとする各種車載機器に供給される。
図1に示すように、車両用熱管理システム10は、ポンプ11および循環流路12を有する冷却水回路を備えている。ポンプ11は、冷却水を吸入して吐出する電動ポンプであり、電池13から電力が供給される。冷却水は、熱媒体としての流体である。本実施形態では、冷却水として、少なくともエチレングリコール、ジメチルポリシロキサンまたはナノ粒子を含む液体が用いられている。
ポンプ11は、同一の駆動力(作動)条件において、冷却水中の空気混入量が多くなった際に回転数が上昇する(いわゆる空回り)という特性を有している。この特性を利用することによって、冷却水の液量低下を検知することが可能である。
ポンプ11は循環流路12に配置されており、ポンプ11から吐出された冷却水は循環流路12を循環してポンプ11に吸入される。
循環流路12には、冷却水を溜めることや、冷却水回路の圧力を適正範囲に調整するためのリザーブタンク14が配置されている。
リザーブタンク14は、冷却水中に混入した気泡を気液分離する機能を有している。リザーブタンク14は、冷却水の温度変化に伴う膨張収縮による圧力の異常上昇・低下に対して適切な圧力を保持する機能を有している。リザーブタンク14に余剰冷却水を溜めておくことによって、循環流路12を循環する冷却水の液量の低下を抑制することができる。
リザーブタンク14には圧力調整機構部15が設けられている。リザーブタンク14および圧力調整機構部15は、冷却水の圧力を調整する圧力調整手段を構成している。圧力調整機構部15は、リザーブタンク14の内圧が所定範囲に維持されるように、リザーブタンク14の内部空間を大気と断続的に連通させる。本実施形態では、圧力調整機構部15は、リザーブタンク14のキャップ部(蓋の部分)に設けられている。
循環流路12においてリザーブタンク14よりも下流側(ポンプ11吸入側)にはラジエータ16およびインタークーラ17が配置されている。ラジエータ16およびインタークーラ17は、冷却水(熱媒体)が流通する冷却水流通機器(熱媒体流通機器)である。図1の例では、インタークーラ17がラジエータ16よりも下流側(ポンプ11吸入側)に配置されている。
ラジエータ16は、冷却水と車室外空気(以下、外気と言う。)とを熱交換することによって冷却水の熱を外気に放熱させる室外熱交換器(外気熱媒体熱交換器)である。ラジエータ16は、内部を冷却水が流れる多数本のチューブと、多数本のチューブ同士の間に配置されて外気との熱交換を促進するフィンとを有している。
ラジエータ16への外気の送風は室外送風機18によって行われる。ラジエータ16は車両の最前部に配置されているので、車両の走行時にはラジエータ16に走行風を当てることができる。
図1の例では、ラジエータ16と室外送風機18との間にはエンジンラジエータ19が配置されている。エンジンラジエータ19は、エンジン冷却水回路(図示せず)を循環するエンジン冷却水と外気とを熱交換することによってエンジン冷却水の熱を外気に放熱させる室外熱交換器である。
インタークーラ17は、エンジンの吸入空気(以下、吸気と言う。)を過給するターボチャージャ(過給機)で圧縮されて高温になった過給吸気と冷却水とを熱交換して過給吸気を冷却する吸気冷却器(吸気熱媒体熱交換器)である。過給吸気の温度が低いほど、エンジン内部の燃焼室への空気充填効率が高まることによるエンジン出力の向上効果が期待される。
ポンプ11および圧力調整機構部15の制御は制御装置20によって行われる。制御装置20は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続されたポンプ11、圧力調整機構部15のアクチュエータ21等の作動を制御する制御手段である。
制御装置20は、その出力側に接続された各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、それぞれの制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が、それぞれの制御対象機器の作動を制御する制御手段を構成している。
本実施形態では、特にポンプ11の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)をポンプ制御手段20aとする。もちろん、ポンプ制御手段を制御装置20に対して別体で構成してもよい。
本実施形態では、特に圧力調整機構部のアクチュエータ21の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を圧力調整機構部制御手段20bとする。もちろん、圧力調整機構部制御手段を制御装置20に対して別体で構成してもよい。
圧力調整機構部制御手段20bおよびアクチュエータ21は、冷却水の圧力を調整する圧力調整手段を構成している。
制御装置20の入力側には、圧力センサ22、水温センサ23、水位センサ24、回転数センサ25、外気温センサ26等の各種センサの検出信号が入力される。さらに、制御装置20は、車両故障診断装置27との間で信号を入出力可能になっている。
圧力センサ22は、リザーブタンク14の内部圧力を検出する圧力検出手段である。水温センサ23は、リザーブタンク14の冷却水出口近傍における冷却水温度を検出する温度検出手段である。水位センサ24は、リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位以上であるか否かを検出する水位検出手段である。
回転数センサ45は、ポンプ11のインペラ回転数を検出する回転数検出手段である。外気温センサ26は、外気の温度を検出する外気温度検出手段である。また、制御装置20には、ポンプ11からの出力信号が入力される。ポンプ11からの出力信号としては、ポンプ11のインペラ回転数を表す信号や、ポンプ11の状態を表す信号等が入力される。
図2は、エンジンの吸排気系におけるインタークーラ17の配置を示している。エンジン30の吸気が流れる吸気通路には、空気流れの上流側から下流側に向かってエアクリーナ31、ターボチャージャのコンプレッサホイール32、インタークーラ17、スロットルバルブ33がこの順番に配置されている。スロットルバルブ33は、エンジン30の吸気の流量を調整する吸気流量調整手段である。エンジン30の排気が流れる排気通路には、ターボチャージャの駆動側タービンホイール34が配置されている。
図3〜図5は、圧力調整機構部15の具体的構成を示している。圧力調整機構部15は、第1弁体40と第2弁体41とを有している。第1弁体40は、リザーブタンク14の内部圧力を上昇させるために用いられる弁である。第2弁体41は、リザーブタンク14の内部圧力を低下させるために用いられる弁である。
第1弁体40は、重力方向に移動可能になっており、リザーブタンク14の第1弁口14aを開閉する。第1弁体40は、リザーブタンク14の第1弁口14aの周縁部に重力方向下方側から当接することによってリザーブタンク14の第1弁口14aを閉じる。
第2弁体41は、重力方向に移動可能になっており、リザーブタンク14の第2弁口14bを開閉する。第2弁体41は、リザーブタンク14の第2弁口14bの周縁部に重力方向上方側から当接することによってリザーブタンク14の第2弁口14bを閉じる。
第1弁口14aおよび第2弁口14bは、連通路14cを介して大気と連通している。
したがって、第1弁体40が第1弁口14aを開けると、循環流路12がリザーブタンク14を介して大気と連通し、第1弁体40が第1弁口14aを閉じると、循環流路12およびリザーブタンク14の内部空間が大気に対して遮断される。同様に、第2弁体41が第2弁口14bを開けると、循環流路12がリザーブタンク14を介して大気と連通し、第2弁体41が第2弁口14bを閉じると、循環流路12およびリザーブタンク14の内部空間が大気に対して遮断される。
したがって、リザーブタンク14は、循環流路12を大気に対して連通させる連通部を構成し、第1弁体40および第2弁体41は、連通部を開閉する開閉手段を構成している。
第1弁体40は、リザーブタンク14のキャップ部14dに設けられた孔を貫通し、Oリングを介してキャップ部14dに支持されている。
第2弁体41は、コイルバネ42のバネ力によって重力方向下方側に付勢される。コイルバネ42は、第2弁体41と押圧部材43との間に配置されている。第2弁体41は、リザーブタンク14のキャップ部14dに設けられた孔を貫通し、押圧部材43およびOリングを介してキャップ部14dに支持されている。
押圧部材43は、切替レバー44の突出部44aによってコイルバネ42側に押し付けられる。これにより、コイルバネ42が押圧部材43と第2弁体41との間で圧縮され、第2弁体41を閉弁方向(図3では下方側)へ付勢する付勢力を発生する。したがって、コイルバネ42、押圧部材43および突出部44aは付勢力発生手段を構成している。
切替レバー44は、第1弁体40および第2弁体41の作動を切り替える切替手段であり、リザーブタンク14の外側に配置されている。切替レバー44は、第1弁体40と第2弁体41との並び方向(図3の左右方向)に延びており、第1弁体40および第2弁体41よりも重力方向上方側に配置されている。切替レバー44の突出部44aは重力方向下方側に突出している。
切替レバー44には、第1弁体40の屈曲部40aと重力方向に係合する係合部44b(係合手段)が形成されている。
切替レバー44は、ギヤ45によって、第1弁体40と第2弁体41との並び方向(図3の左右方向)に駆動されるようになっている。具体的には、切替レバー44には、ギヤ45と噛み合うラック44cが形成されている。そして、ギヤ45がアクチュエータ21によって回転駆動されることによって切替レバー44が直線的に駆動される。
図5に示すように、切替レバー44が駆動されて係合部44bが第1弁体40の屈曲部40aと係合すると、第1弁体40は第1弁口14aの閉塞位置で拘束される。したがって、切替レバー44は、第1弁体40を第1弁口14aの閉塞位置で拘束する弁体拘束手段を構成している。
切替レバー44が駆動されることによって、圧力調整機構部15の作動状態が、図3に示す通常モード、図4に示す冷却水漏れ防止モード、および図5に示す停止時モードに切り替えられる。
通常モードは、ポンプ11の作動時かつ冷却水漏れがない場合に切り替えられる作動モードである。冷却水漏れ防止モードは、ポンプ11の作動時かつ冷却水漏れがある場合に切り替えられる作動モードである。停止時モードは、ポンプ11の停止時に切り替えられる作動モードである。
図3に示す通常モードでは、切替レバー44の係合部44bが第1弁体40の屈曲部40aと係合せず、切替レバー44の突出部44aが押圧部材43をコイルバネ42側に押し付ける位置に駆動される。
この状態では、第1弁体40は、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)以上の場合は閉弁し、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)未満になると開弁する。第2弁体41は、リザーブタンク14の内部圧力が、大気圧よりも大きい設定圧(本例では108kPa)未満の場合は閉弁し、リザーブタンク14の内部圧力が設定圧以上になると開弁する。したがって、リザーブタンク14の内部圧力を大気圧以上、設定圧未満に維持することができる。
図4に示す冷却水漏れ防止モードでは、切替レバー44の係合部44bが第1弁体40の屈曲部40aと係合せず、切替レバー44の突出部44aが押圧部材43をコイルバネ42側に押し付けない位置に駆動される。
この状態では、第1弁体40は、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)以上の場合は閉弁し、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)未満になると開弁する。第2弁体41は、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)未満の場合は閉弁し、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)以上になると開弁する。したがって、リザーブタンク14の内部圧力を大気圧と同じにすることができる。
図5に示す停止時モードでは、切替レバー44の係合部44bが第1弁体40の屈曲部40aと係合し、切替レバー44の突出部44aが押圧部材43をコイルバネ42側に押し付けない位置に駆動される。
この状態では、第1弁体40は閉弁位置で拘束される。第2弁体41は、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)以上の場合は閉弁し、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧(所定の圧力)を上回ると開弁する。したがって、リザーブタンク14の内部圧力を大気圧以下に維持することができる。
上記構成における作動を説明する。ポンプ11が作動すると、冷却水が循環流路12を循環する。これにより、ラジエータ16で冷却された冷却水がインタークーラ17を流れるので、インタークーラ17でエンジン吸気(過給吸気)を冷却することができる。
このとき、制御装置20は、インタークーラ17等からの冷却水漏れがあるか否かを判定し、その判定結果に基づいて圧力調整機構部15の作動モードを切り替える。
本実施形態では、制御装置20のうち、冷却水漏れがあるか否かを判定制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を漏れ判定手段20cとする。もちろん、漏れ判定手段20cを制御装置20に対して別体で構成してもよい。
冷却水漏れ判定制御処理の概要を図6のフローチャートに示す。まずステップS100では、リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位以上であるか否かを、水位センサ24からの検出信号に基づいて判定する。リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位以上であると判定された場合、ステップS110へ進み、予め設定された時間の経過後、ステップS100へ戻る。
一方、リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位未満であると判定された場合、ステップS120へ進み、圧力調整機構部15の作動モードが冷却水漏れ防止モード(漏れ防止モード)であるか否かを判定する。
冷却水漏れ防止モードでないと判定された場合、冷却水漏れが発生したか、自然蒸発によって冷却水が減少したかのいずれかであると判断されるためステップS130へ進む。
ステップS130では、圧力調整機構部15の作動モードを冷却水漏れ防止モードに切り替える。さらに、ステップS140へ進み、冷却水不足警告灯(図示せず)を点灯するとともに、ステップS150へ進み、車両故障診断装置27に冷却水漏れ可能性の情報を書き込む。冷却水不足警告灯は、乗員に対して冷却水不足を警告する表示灯であり、車室内前部の計器盤付近に設けられている。
続くステップS160では、ステップS100と同様に、リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位以上であるか否かを、水位センサ24からの検出信号に基づいて判定する。リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位以上であると判定された場合、車両のユーザによって、規定された作業手順に従わずに冷却水が補充されたと判断されるためステップS110へ進む。
一方、リザーブタンク14内部における冷却水の水位が所定水位未満であると判定された場合、ステップS170へ進み、予め設定された時間の経過後、ステップS160へ戻る。
一方、ステップS120において冷却水漏れ防止モードであると判定された場合、冷却水漏れ防止モードでも冷却水漏れを防ぐことのできない冷却水漏れ(例えば冷却系統の甚大な損傷が発生した場合等)が発生したと判断されるためステップS180へ進み、冷却水漏れ警告灯を点灯する。冷却水漏れ警告灯は、乗員に対して冷却水漏れを警告する表示灯であり、車室内前部の計器盤付近に設けられている。さらにステップS190へ進み、車両故障診断装置27に冷却水漏れの情報を書き込んで、図6の制御処理を終了する。
これにより、整備工場などで冷却水漏れが修理されない限り、冷却水漏れ防止モードが維持される。
本実施形態によると、ポンプ11が作動中かつ冷却水漏れがあると判定された場合、圧力調整機構部15が冷却水漏れ防止モードに切り替えられる。これにより、リザーブタンク14の内部圧力は大気圧と同じになる。
ここで、インタークーラ17は、冷却水回路においてリザーブタンク14とポンプ11の吸入側との間に位置しているので、インタークーラ17での冷却水の圧力はリザーブタンク14の内部圧力よりも低くなる。
そのため、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧と同じになると、インタークーラ17では冷却水の圧力が大気圧未満になる。その結果、インタークーラ17からの冷却水漏れを抑制することができる。
また、ポンプ11が停止中の場合、圧力調整機構部15が停止時モードに切り替えられる。これにより、リザーブタンク14の内部圧力は大気圧以下に維持される。その結果、循環流路12全体の冷却水圧力が大気圧以下に維持される。
さらに、リザーブタンク14の内部圧力は大気圧以下の場合、第1弁体40および第2弁体41の両方が閉弁されるので、冷却水回路全体が大気と連通せず密閉される。このため、仮に冷却水回路に穴開きが発生しても冷却水漏れを防止することができる。
すなわち、冷却水回路から冷却水が漏れ出すためには、漏れ出る分の体積分の空気が冷却回路内に入っていく必要性があるが、冷却水回路内部の圧力が大気圧と同等である場合、回路内外で圧力差がないため空気が入り込むことができない。また、冷却水の表面張力の大きさから、大きな穴開きでない限り、内圧が大気圧同等以下の冷却水回路から冷却水が漏れ出ることはない。
なお、本実施形態では、ポンプ11が作動中の場合、冷却水漏れの有無に応じて圧力調整機構部15を切り替えるが、ポンプ11が停止中の場合も同様に、冷却水漏れの有無に応じて圧力調整機構部15を切り替えるようにしてもよい。具体的には、ポンプ11の停止時かつ冷却水漏れがない場合、圧力調整機構部15を通常モードに切り替え、ポンプ11の停止時かつ冷却水漏れがある場合、圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えるようにしてもよい。
ポンプ11の停止時における冷却水漏れ判定は、例えば図6に示す制御処理と同様に、リザーブタンク14内部における冷却水の水位に基づいて行うことができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、冷却水漏れがあるか否かの判定を、リザーブタンク14内部における冷却水の水位に基づいて行うが、本第2実施形態では、冷却水漏れがあるか否かの判定を、ポンプ11の回転数および駆動力に基づいて行う。
本実施形態における冷却水漏れ判定制御処理の概要を図7のフローチャートに示す。まずステップS200では、制御装置20からポンプ11への駆動力指令値と、回転数センサ45が検出したポンプ11のインペラ回転数と、水温センサ23が検出した冷却水温度とに基づいて、図8に示す制御マップを参照して、ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲内にあるか否かを判定する。
図8に示す制御マップは、冷却水温度に応じたマップデータであり、予め制御装置20に記憶されている。例えば冷却水温度2℃刻みで、図8と同様のマップを多種類予め作成しておく。
ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲内にあると判定した場合、ステップS210へ進み、予め設定された時間の経過後、ステップS200へ戻る。
一方、ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲内にないと判定した場合、ステップS220へ進み、ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲を上回っているか否かを判定する。ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲を上回っていると判定した場合、冷却水漏れが発生したと判定してステップS230へ進み、冷却水漏れ防止モードに切り替え、さらにステップS240へ進み、車両故障診断装置27に冷却水漏れの情報を書き込む。
一方、ポンプ11のインペラ回転数が規定範囲を下回っていると判定した場合、ステップS250へ進み、冷却機器類の温度が正常であるか否かを判定する。冷却機器類の温度が正常でないと判定した場合、ステップS260へ進み、ポンプ11が故障したと判定する。
一方、冷却機器類の温度が正常であると判定した場合、ポンプ11が不調であると判断されるためステップS270へ進み、警告灯を点灯する。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
上記実施形態では、圧力調整機構部15は、リザーブタンク14のキャップ部に設けられているが、本第3実施形態では、図9に示すように、圧力調整機構部15は、リザーブタンク14と循環流路12との間に設けられている。
リザーブタンク14は、循環流路12から分岐した分岐流路を介して循環流路12に接続されている。リザーブタンク14の内部空間は大気に開放されている。
圧力調整機構部15の具体的構造および作動モードは図3〜図5と同様であるので図示を省略するが、第1弁体40が第1弁口14aを開くと循環流路12がリザーブタンク14の内部空間と連通し、第1弁体40が第1弁口14aを閉じると循環流路12がリザーブタンク14の内部空間に対して遮断される。同様に、第2弁体41第2弁口14bを開くと循環流路12がリザーブタンク14の内部空間と連通し、第2弁体41第2弁口14bを閉じると循環流路12がリザーブタンク14の内部空間に対して遮断されるようになっている。
循環流路12がリザーブタンク14の内部空間と連通すると、循環流路12がリザーブタンク14を介して大気と連通する。循環流路12がリザーブタンク14の内部空間に対して遮断されると、循環流路12が大気に対して遮断される。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、ポンプ11の作動状態および冷却水漏れ判定の結果に応じて圧力調整機構部15が通常モード、冷却水漏れ防止モードおよび停止時モードに切り替えられる。これにより、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第4実施形態)
上記実施形態では、圧力調整機構部15によってリザーブタンク14の内部圧力を調整するが、本第7実施形態では、図10に示すように、負圧発生装置50(負圧発生手段)によってリザーブタンク14の内部圧力を調整する。
負圧発生装置50は例えばバキュームポンプであり、配管51を介してリザーブタンク14の内部空間に連通している。リザーブタンク14は大気に対して密閉されている。負圧発生装置50を作動させることによって、リザーブタンク14の内部圧力を調整することができる。したがって、負圧発生装置50は、冷却水の圧力を調整する圧力調整手段を構成している。
負圧発生装置50の作動は、制御装置20によって制御される。具体的には、ポンプ11が作動中かつ冷却水漏れがあると判定された場合、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧と同じになるように負圧発生装置50を作動させ、ポンプ11が停止中の場合、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧以下になるように負圧発生装置50を作動させる。これにより、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
負圧発生装置50の代わりに、車両において負圧になっている部分をリザーブタンク14の内部空間と連通させてもよい。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、圧力調整機構部15は、リザーブタンク14の内部圧力と大気圧との差圧で作動する第1弁体40および第2弁体41を有しているが、本第5実施形態では、図11に示すように、圧力調整機構部は、リザーブタンク14の開口部を開閉する電磁弁55を有している。
電磁弁55がリザーブタンク14の開口部を開閉することによって、リザーブタンク14の内部圧力を調整することができる。したがって、電磁弁55は、冷却水の圧力を調整する圧力調整手段を構成している。
電磁弁55の作動は制御装置20によって制御されるようになっている。制御装置20は、圧力センサ22によって検出されたリザーブタンク14の内部圧力に基づいて電磁弁55の作動を制御する。
具体的には、ポンプ11が作動中かつ冷却水漏れがないと判定された場合、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧以上、設定圧未満に維持されるように電磁弁55の作動を制御する。すなわち、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧以上、設定圧未満の場合、電磁弁55によってリザーブタンク14の開口部を閉じ、それ以外の場合は電磁弁55がリザーブタンク14の開口部を開ける。
また、ポンプ11が作動中かつ冷却水漏れがあると判定された場合、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧と同じになるように電磁弁55の作動を制御する。すなわち、電磁弁55がリザーブタンク14の開口部を開ける。
また、ポンプ11が停止中の場合、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧以下になるように電磁弁55の作動を制御する。すなわち、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧未満の場合、電磁弁55によってリザーブタンク14の開口部を閉じ、それ以外の場合は電磁弁55がリザーブタンク14の開口部を開ける。
これにより、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第6実施形態)
上記第1実施形態では、切替レバー44がギヤ45およびアクチュエータ21によって駆動されるが、本第6実施形態では、図12に示すように、切替レバー44(図12では図示省略)が、ポンプ11の電源ラインの途中に設けられたコイル56によって駆動される。
コイル56に挿入された磁性体57は、切替レバー44に連結されている。ポンプ11の電源ラインの途中にはリレー58がコイル56と直列に設けられている。
これにより、ポンプ11の作動時(通電時)と停止時(非通電時)とで切替レバー44の駆動位置を切り替えることができる。
(第7実施形態)
本第7実施形態では、ポンプ11を停止させる際に、所定条件を満たすまでポンプ11の作動を延長させるポンプ作動延長制御を行う。
このポンプ作動延長制御の概要を図13のフローチャートに示す。図13のフローチャートは、エンジン30が停止された場合、換言すればインタークーラ17の発熱作用がなくなった場合に実行される。
まずステップS300では、インタークーラ17の温度Tiから、水温センサ23で検出した冷却水温度Twを減じた温度差Ti−Twが所定値ΔT以上であるか否かを判定する。インタークーラ17の温度は、インタークーラ17に搭載された温度センサによって検出される。
温度差Ti−Twが所定値ΔT以上であると判定した場合、余熱があると判定して、ステップS310へ進み、予め設定された時間の経過後、ステップS300へ戻る。
一方、温度差が所定値以上でないと判定した場合、ステップS320へ進み、水温センサ23で検出した温度が外気温度Tamに所定の値Tsetを加えた温度(Tam+Tset)以上であるか否かを判定する。水温センサ23で検出した温度が、外気温度Tamに所定の値Tsetを加えた温度(Tam+Tset)以上であると判定した場合、ステップS310へ進み、所定時間(予め設定された時間)待機した後、ステップS300へ戻る。
一方、水温センサ23で検出した温度が、外気温度Tamに所定の値Tsetを加えた温度(Tam+Tset)以上でないと判定した場合、ステップS330へ進み、ポンプ11へ停止指令信号を出力する。
本実施形態によると、インタークーラ17の温度と冷却水温度との温度差が所定値未満になるまでポンプ11を駆動し続けるので、インタークーラ17の温度分布を抑制(均温化)してからポンプ11を停止させることができる。このため、ポンプ11停止後におけるインタークーラ17からの受熱を抑制して冷却回路水温が上昇することを防ぐことができる。
その結果、ポンプ11停止後において、冷却水の体積膨張を抑制して、冷却水回路の圧力上昇を抑制することができるので、ポンプ11の停止時における冷却水漏れを一層抑制することができる。
なお、本実施形態では、インタークーラ17の温度と冷却水温度との温度差が所定値未満になるまでポンプ11を駆動し続けるが、エンジン30が停止されてから所定時間経過するまでポンプ11を駆動し続けるようにしても、同様の作用効果を得ることができる。
(第8実施形態)
上記第7実施形態では、ポンプ11を停止させる際にポンプ11の作動を延長させることによって、ポンプ11停止後における冷却水回路圧力を抑制するが、本第8実施形態では、ポンプ11を停止させる前に圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えるポンプ停止前制御を行うことによって、ポンプ11停止後における冷却水回路圧力を抑制する。
このポンプ停止前制御の概要を図14のフローチャートに示す。図14のフローチャートは、エンジン30が停止された場合、換言すればインタークーラ17の発熱作用がなくなった場合に実行される。
まずステップS400では、所定時間(予め設定された時間)待機する。続くステップS410では、圧力調整機構部15を停止時モードに切り替える。これにより、第1弁体40は閉弁位置で拘束される。そして、ステップS420へ進み、ポンプ11へ停止指令信号を出力する。
本実施形態によると、ポンプ11停止前に圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えるので、ポンプ停止後における冷却水回路圧力を負圧に保つことが可能になる。以下、その理由を説明する。
上述の通り、圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えることによって、リザーブタンク14の内部圧力が大気圧以下になる。リザーブタンク14はポンプ11の吐出側に配置されているので、ポンプ11作動中に停止時モードに切り替えると、ポンプ11の吐出側圧力は大気圧同等となり、ポンプ11の吸入側圧力はポンプ揚程分、負圧となる。したがって、冷却水回路内の平均圧力は負圧となる。
その状態でポンプ11を停止させることにより、冷却水回路内の圧力はどこも一様に、ポンプ11停止前の平均圧力(負圧)で均圧化されることとなる。
このように、ポンプ停止後における冷却水回路圧力を負圧化することができるので、インタークーラ17からの余熱の受熱で冷却水温が上昇し、冷却水回路圧力が上昇した場合でも、冷却水回路圧力が大気圧以上になることを抑制することができる。その結果、ポンプ11の停止時における冷却水漏れを一層抑制することができる。
(第9実施形態)
上記第8実施形態では、ポンプ11を停止させる前に圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えるが、本第9実施形態では、ポンプ11を停止させる前にポンプ11の駆動力を所定駆動力以上にし、その後に圧力調整機構部15を停止時モードに切り替える。
このポンプ停止前制御の概要を図15のフローチャートに示す。図15のフローチャートは、エンジン30が停止された場合、換言すればインタークーラ17の発熱作用がなくなった場合に実行される。
ステップS500では、所定時間(予め設定された時間)待機する。この間、ポンプ11の駆動力は現状維持とされる。続くステップS510では、現在のポンプ11の駆動力が最大であるか否かを判定する。現在のポンプ11の駆動力が最大でないと判定された場合、ステップS520へ進み、ポンプ11の駆動力を最大にし、ステップS530へ進み、所定時間(予め設定された時間)待機した後、ステップS540へ進む。
ステップS540では、圧力調整機構部15を停止時モードに切り替える。そして、ステップS550へ進み、ポンプ11へ停止指令信号を出力する。
本実施形態によると、停止時モードに切り替える前にポンプ11の駆動力を最大にするので、停止時モードに切り替えたときのポンプ11の吸入側の負圧度合いを最大にすることができる。その結果、ポンプ11停止後における冷却水回路圧力の負圧度合いも最大にすることができるので、ポンプ11の停止時における冷却水漏れをより一層抑制することができる。
なお、ポンプ11の駆動力を必ずしも最大にする必要はなく、例えば、ポンプ11の駆動力を、直前の駆動力よりも大きくするようにしてもよい。これにより、ポンプ11の駆動力を現状維持にする場合と比較して、ポンプ11停止後における冷却水回路圧力の負圧度合いを大きくすることができる。
(第10実施形態)
上記第1実施形態では、圧力調整機構部15が通常モード、冷却水漏れ防止モードおよび停止時モードに切り替えられるようになっているが、本第10実施形態では、図16に示すように、通常モードが廃止され、圧力調整機構部15が冷却水漏れ防止モードおよび停止時モードに切り替えられるようになっている。
具体的には、上記第1実施形態と比較して、コイルバネ42、押圧部材43および切替レバー44の突出部44aが廃止されている。
本実施形態では、制御装置20は、ポンプ11が作動中の場合、圧力調整機構部15を冷却水漏れ防止モードに切り替え、ポンプ11が停止中の場合、圧力調整機構部15を停止時モードに切り替えられる。
本実施形態においても、ポンプ11が作動中および停止中の両方において、インタークーラ17からの冷却水漏れを抑制することができる。
(第11実施形態)
上記第1実施形態では、インタークーラ17は、スロットルバルブ33よりも空気流れ上流側に配置されているが、本第11実施形態では、図17に示すように、インタークーラ17は、スロットルバルブ33よりも空気流れ下流側に配置されている。
本実施形態のようにインタークーラ17を配置した場合、エンジン30が作動しているとインタークーラ17の周囲での空気の圧力が負圧になる。
この点に鑑みて、本実施形態では、図10に示したように、負圧発生装置50によってリザーブタンク14の内部圧力を負圧化する。具体的には、リザーブタンク14の内部圧力を、インタークーラ17の周囲よりも低圧にする。
これにより、インタークーラ17での冷却水の圧力を、インタークーラ17の周囲での空気の圧力よりも低くすることができる。このため、インタークーラ17からの冷却水漏れを抑制することができる。
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、循環流路12にラジエータ16およびインタークーラ17が配置されていて、ラジエータ16およびインタークーラ17からの冷却水漏れを抑制することができるが、これに限定されるものではない。
例えば、循環流路12に電池用熱交換器が配置されている場合、電池用熱交換器からの冷却水漏れを抑制することができる。電池用熱交換器は、冷却水と空気とを熱交換させる熱交換器であり、電池用熱交換器で熱交換された空気が電池に導風されることによって電池が冷却または加熱されるようになっている。
また、電池用熱交換器の代わりに電池自体が循環流路12に配置されていてもよい。すなわち、電池の内部に形成された冷却水流路に冷却水が流れることによって電池が冷却または加熱されるようになっていてもよい。この場合、電池からの冷却水漏れを抑制することができる。
また、インバータ、凝縮器、チラー、ヒータコア、クーラコア、オイル熱交換器、走行用モータ、燃料電池スタック、ポンプ、バルブ、冷却水配管等の種々の機器が循環流路12に配置されていてもよい。この場合、種々の機器からの冷却水漏れを抑制することができる。
なお、凝縮器は、冷凍サイクルの高圧冷媒と冷却水とを熱交換させることによって高圧冷媒を冷却して凝縮させる熱交換器である。チラーは、冷凍サイクルの低圧冷媒と冷却水とを熱交換させることによって冷却水を冷却する熱交換器である。ヒータコアは、車室内への送風空気と冷却水とを熱交換させることによって車室内への送風空気を加熱する熱交換器である。クーラコアは、車室内への送風空気と冷却水とを熱交換させることによって車室内への送風空気を冷却する熱交換器である。オイル熱交換器は、エンジン用オイル等の各種オイルと冷却水とを熱交換させることによってオイルを冷却または加熱する熱交換器である。
(2)ポンプ11の停止時における冷却水回路の破損判定、すなわち冷却水漏れに至る事象の発生判定を、冷却水回路の圧力に基づいて行ってもよい。
具体的には、ポンプ11が停止してから所定時間経過したときの冷却水圧力P0と、その後の冷却水圧力P1とを取得する。冷却水圧力P0、P1は、冷却水回路の任意の部位に設けられた圧力センサによって検出する。
そして、冷却水圧力P0に対する冷却水圧力P1の上昇量P1−P0が所定量ΔPを超えた場合、冷却水回路に破損が発生していると判定する。
すなわち、冷却水回路が負圧になっている状態において冷却水回路にピンホールやスリット等の破損が発生した場合、冷却水回路内部に空気が流入する。すると、冷却水回路の内圧は最大で大気圧まで上昇することになるので、その際の圧力上昇量を検知することによって冷却水漏れに至る事象の発生を判定することができる。
(3)上記実施形態では、熱媒体として冷却水を用いているが、油などの各種媒体を熱媒体として用いてもよい。
(4)上記実施形態では、車両用熱管理システムをハイブリッド自動車に適用した例を示したが、エンジンを備えず走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車や、燃料電池を走行用エネルギー発生手段とする燃料電池自動車等に車両用熱管理システムを適用してもよい。
11 ポンプ
12 循環流路
14 リザーブタンク(連通部、圧力調整手段)
15 圧力調整機構部(開閉手段、圧力調整手段)
16 ラジエータ(熱媒体流通機器)
17 インタークーラ(熱媒体流通機器)
20a ポンプ制御手段
20b 圧力調整機構部制御手段(圧力調整手段)
21 アクチュエータ(圧力調整手段)
40 第1弁体
41 第2弁体
44 切替レバー(弁体拘束手段)

Claims (13)

  1. 熱媒体が循環する循環流路(12)に配置され、前記熱媒体を吸入して吐出するポンプ(11)と、
    前記循環流路(12)に配置され、前記熱媒体が流通する熱媒体流通機器(16、17)と、
    前記ポンプ(11)の作動中および停止中のうち少なくとも一方において、前記熱媒体流通機器(16、17)における前記熱媒体の圧力を大気圧以下にする圧力調整手段(14、15、20b、21、50、55)とを備え
    前記圧力調整手段は、前記循環流路(12)を大気に対して連通させる連通部(14)と、前記連通部(14)を開閉する開閉手段(15)とを有し、
    前記開閉手段(15)は、前記ポンプ(11)が作動中の場合、前記連通部(14)を開け、前記ポンプ(11)が停止中の場合、前記連通部(14)を閉じることを特徴とする車両用熱管理システム。
  2. 前記圧力調整手段(14、15、20b、21、50、55)は、前記ポンプ(11)の作動中において、前記循環流路(12)のうち前記ポンプ(11)の吐出側かつ前記熱媒体流通機器(16、17)の上流側における前記熱媒体の圧力を大気圧以下にするものであることを特徴とする請求項1に記載の車両用熱管理システム。
  3. 前記開閉手段(15)は、前記循環流路(12)側の圧力と大気圧との圧力差によって前記連通部(14)を開閉する第1弁体(40)および第2弁体(41)を有し、
    前記第1弁体(40)は、前記循環流路(12)のうち前記ポンプ(11)の吐出側かつ前記熱媒体流通機器(16、17)の上流側に配置され、
    前記第1弁体(40)は、前記循環流路(12)側の圧力が所定の圧力よりも低い場合、前記連通部(14)を開け、前記循環流路(12)側の圧力が前記所定の圧力よりも高い場合、前記連通部(14)を閉じるようになっており、
    前記第2弁体(41)は、前記循環流路(12)側の圧力が前記所定の圧力よりも高い場合、前記連通部(14)を開け、前記循環流路(12)側の圧力が前記所定の圧力よりも低い場合、前記連通部(14)を閉じるようになっており、
    さらに、前記開閉手段は、前記ポンプ(11)が停止中の場合、前記第1弁体(40)を前記閉弁位置で拘束する弁体拘束手段(44)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用熱管理システム。
  4. 前記弁体拘束手段(44)は、前記第1弁体(40)と係合することによって前記第1弁体(40)を拘束する係合手段(44b)を有していることを特徴とする請求項に記載の車両用熱管理システム。
  5. 前記ポンプ(11)の作動中かつ前記熱媒体の漏れがない場合、前記第2弁体(41)を閉弁方向へ付勢する付勢力を発生し、前記ポンプ(11)の作動中かつ前記熱媒体の漏れがある場合、前記付勢力を発生しない付勢力発生手段(42、43、44a)を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の車両用熱管理システム。
  6. 前記熱媒体流通機器(16、17)の発熱作用がなくなった後も、所定条件を満たすまで前記ポンプ(11)を作動させ続けるポンプ制御手段(20a)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  7. 前記所定条件は、前記熱媒体流通機器(16、17)の温度(Ti)から前記熱媒体の温度(Tw)を減じた温度差(Ti−Tw)が所定値(ΔT)以下になっているという条件であることを特徴とする請求項に記載の車両用熱管理システム。
  8. 前記所定条件は、前記熱媒体流通機器(16、17)の発熱作用がなくなってから所定時間経過したという条件であることを特徴とする請求項に記載の車両用熱管理システム。
  9. 前記ポンプ(11)の作動を制御するポンプ制御手段(20a)を備え、
    前記ポンプ(11)を停止させる際、前記弁体拘束手段(44)が前記第1弁体(40)を前記閉塞位置で拘束し、その後に前記ポンプ制御手段(20a)が前記ポンプ(11)を停止させることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  10. 前記弁体拘束手段(44)が前記第1弁体(40)を前記閉塞位置で拘束する前に、前記ポンプ制御手段(20a)が前記ポンプ(11)を所定駆動力以上で作動させることを特徴とする請求項に記載の車両用熱管理システム。
  11. 前記ポンプ(11)の停止後、前記循環流路(12)における前記熱媒体の圧力を負圧化する負圧発生手段(50)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  12. 前記圧力調整手段は、前記循環流路(12)における前記熱媒体の圧力を負圧化する負圧発生手段(50)を有し、
    前記熱媒体流通機器は、エンジンの吸気を前記熱媒体によって冷却するインタークーラ(17)であり、
    前記インタークーラ(17)は、前記吸気の流量を調整するスロットルバルブ(33)よりも前記吸気の流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
  13. 前記ポンプ(11)が停止した後における前記熱媒体の圧力上昇量(P1−P0)が所定量(ΔP)を超えた場合、前記熱媒体が漏れていると判定する漏れ判定手段(20c)を備えることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の車両用熱管理システム。
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