以下に本発明の実施の形態を回胴式遊技機たるスロットマシンを例に図面を参照しつつ説明する。なお、図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンのA−A断面図、図3はスロットマシンを前方右上から見た斜視図、図4はスロットマシンの分解斜視図、図5は前面部材を省略した状態を示すスロットマシンの縦断面図、図6はメダル放出装置を省略してスロットマシンの下半部を示す斜視図、図7は図6の分解斜視図、図8はスロットマシンの裏側から放熱口を見た背面図、図9は電源装置を示すスロットマシンの一部断面部分正面図、図10は電源装置を前方左下から見た斜視図、図11は他の形態を示すもので外本体の側板と電源装置の要部断面図、図12はスロットマシンの右断面を後方右下から見た斜視図、図13はスロットマシンの右断面を前方右上から見た斜視図、図14はスロットマシンの左断面を後方左下から見た斜視図、図15はスロットマシンの左断面を前方左上から見た斜視図、図16は図柄変動表示装置を前方右上から見た斜視図、図17は図柄変動表示装置を後方右上から見た斜視図、図18は図柄変動表示装置の分解斜視図、図19はリールを分解した状態を前方右上から見た分解斜視図、図20はリールを分解した状態を前方左上から見た分解斜視図、図21は遊技ユニット側に配備された主制御基板409及び本体側に配備された主中継基板のブロック図、図22は遊技ユニットに配備された主制御基板409及び周辺制御基板のブロック図、図23は遊技ユニット側に配備された周辺制御基板及び本体側に配備された周辺中継基板のブロック図、図24は主中継基板のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6及びCN7のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図、図25は基板収納ケースの斜視図、図26は画像表示装置の機能ブロック図、図27は主中継基板及び周辺中継基板の正面図、図28は周辺制御基板のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図、図29は扉装飾駆動基板の簡易的な回路図、図30はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャート、図31は各リールに付されたそれぞれのリール帯に表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す図、図32は図柄表示窓を中心として、装飾部材を部分的に拡大したところを示している図、図33はスロットマシンの各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典を示したもの、図34はスロットマシンにおける基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している図、図35は始動処理で行われる各処理を具体的に示した図、図36は「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示する図、図37は判定処理の内容を示すフローチャート、図38はBBゲーム開始処理の内容を示すフローチャート、図39はBBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャート、図40はRBゲーム開始処理の内容を示すフローチャート、図41はRBゲーム終了判定処理の内容を示すフローチャート、図42は通常遊技中における可動簾役物5903を用いた演出を示す図、図43は画像表示体の拡大図、図44はボーナス遊技中における可動簾役物5903を用いた演出を示す図、図45は遊技者の動作を示す説明図、図46は超チャンス状態に移行するまでの演出等を示す図、図47は特典演出の遊技態様を示す図、図48は図47に続き特典演出の遊技態様を示す図、図49は図48に続き特典演出の遊技態様を示す図、図50はタイマーカウント処理の内容を示すフローチャート、図51はタイマー演出判定処理の内容を示すフローチャート、図52はコマンド受信処理の内容を示すフローチャート、図53は図52のN値判定処理におけるN値決定テーブル、図54は演出処理の内容を示すフローチャート、図55は画像表示体(画像反射ミラー駆動装置)の機能を説明するための説明図、図56は図55の機能により投影された画像を示す図、図57は図55の機能により投影された画像を用いて行われる遊技を説明する説明図、図58は画像表示体を用いて行われる遊技の例を示す図である。
本発明のスロットマシン1は、図1に示すように、外本体100と、複数の図柄を駆動手段で変動させる図柄変動表示装置300と、任意の画像を表示する画像表示体500と、を有する。図2は、図1のスロットマシン1のA−A断面図である。
[外本体]
外本体100は、図1〜図3に示したように底板101の正面向かって左右に右側板102a,左側板102bを取着すると共に該右側板102a,左側板102bの頂部に天板103を設置して正面視縦長「口」字形の枠状となし、その枠の背に背板104を固着して前面のみ開口する箱形に形成してなる。前記右側板102a,左側板102bは前縁が後傾状態に僅かに傾斜する台形になっており、従って外本体100の開口は後傾状態の傾きを有する。また、天板103には、遊技機設置島(図示せず)に設置した状態で該遊技機設置島の上桟(図示しない)と対向する領域内に複数の貫通孔132,132…が穿設されている。外本体100は、正面視縦長「口」字形の枠状で、遊技場の島設備の設置スペースに収まる形状となっている。
[外本体−仕切板]
外本体100内には高さのほぼ中央に棚板状の仕切板105が設けられている(図4、図5参照)。該仕切板105は金属製であって、両端に形成した垂直な取付片107を外本体100の右側板102a,左側板102bの内面に固着し、また、後端に形成した垂直な取付片108を外本体100の背板104内面に固着して取り付けられる。なお、仕切板105の後端の取付片108にはバーリング加工(下孔の孔径をポンチで広げながら短筒状の突起を立ち上げる金属加工)による筒状突起(図示せず)が形成されており、該筒状突起を外本体100の背板104にプレ加工した小孔(図示せず)に打ち込んで位置決めされる。また、仕切板105には外本体100の背板104との間に配線用の開口(図示しない)が形成されている。
[外本体−仕切板−下スペース]
図4、図5に示したように、外本体100内の仕切板105より下のスペースには、遊技媒体たるメダルを前面下部にあるメダル用受皿201(図1〜図3参照)に放出するメダル放出装置110と、メダル放出装置110からオーバーフローするメダルを貯めるメダル用補助収納箱111と、電源装置112等が設けられている。
[外本体−仕切板−下スペース−メダル放出装置]
メダル放出装置110は、駆動手段を内蔵した装置本体110aにメダル貯留用のホッパ110bを取り付けたものであり、装置本体110aの前面にメダルの放出口110cが設けられていて、ホッパ110b内にあるメダルが駆動手段の作動により放出口110cに向けて1枚ずつ送り出される。また、ホッパ110bには溢れたメダルを排出させるオーバーフロー樋110dが設けてあり、そのオーバーフロー樋110dの突端下方に前記したメダル用補助収納箱111が臨んでいる。なお、メダル放出装置110のメダル放出機構は、現在公知のどのようなものを採用してもよく、よって詳細な説明を省略する。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置]
電源装置112は、図6〜図10に示すように、外本体100の底板101と、左側板102bと、背板104の三部材が直交する内側コーナー部分に取り付けられている。電源装置112は、メダル放出装置110等の電気部品に電気を供給するためのものであって発熱しやすい部品であり、従って外本体100の背板104には電源装置112の取付部位に放熱口104aが開設されている。
電源装置112の装置ケース112aは、透明な合成樹脂で形成されている。こうすることにより装置ケース112aの内部が見えるから、電源装置112の電源基板112s(図10参照)等に対する不正工作の発見が容易になる。装置ケース112aは、上面をカバーする上面板112bと、外本体100の背板104に対向する後面板112cと、該後面板112cの反対側をカバーする正面板112dと、スロットマシン1の内部に向かう側をカバーする側面板112eと、上面板112bと側面板112eの境界部分を面取り形態にカバーする斜面板112fと、底部をカバーする底面板112r(図10参照)で形成されている。一方、装置ケース112aの、外本体100の側板102に対向する側の面はカバーされておらず開放状態にあるが、この開放面は外本体100に取り付けた状態で外本体100の側板102によって塞がれる。
なお、外本体100の側板102には、図7に示すように凸面部102aを設けて段状のガード部102bを形成し、該ガード部102bの下に装置ケース112aの上面板112bの一側を潜り込ませる仕様になっている。これにより装置ケース112aの一面をカバーしなくてもガード部102bによって装置ケース112aと側板102の継ぎ目が塞がれるから異物の差込みが行えない。図11は前記ガード部102bを溝状にした他の実施形態を示すものであり、この例では装置ケース112aの上面板112bの縁を側板102側に若干突出させてその先を溝102cに嵌め込むようになっている。
このように電源装置112の装置ケース112aにおいて、外本体100の側板102に当接する側の面をカバー無しの開放構造にして使用時に側板102で塞がるようにした場合は、装置ケース112a内への電源基板112s等の組み込みが開放面を使って行い易く、また、装置ケース112aに電源基板112s等を組み込んだ後の開放面へのカバー付けが不要であるから作業性が向上する。
装置ケース112aの上面板112b、側面板112e、斜面板112f、後面板112c、底面板112rには多数の通気孔112g,112g…が形成されていて内部に熱がこもらないようになっている。装置ケース112aは、底部に設けた脚部112h,112h…によって高床式に持ち上げられており、装置ケース112aの底面板112rと外本体100の底板101の間に通気空間112iが形成されている。従って、通気空間112iから底面板112rの通気孔112g,112g…を通って低層の比較的冷たい空気が装置ケース112a内に導入できる。実施形態の通気空間112iは、外本体100の放熱口104aに連通するようになっているため、機裏の冷たい空気を通気空間112iに導入することができる。なお、装置ケース112aの後面板112cと底面板112rの境界部に通気空間112iを嵩上げする逆L字形の段部112j(図10参照)を形成すれば、脚部112hの高さと放熱口104aの高さにズレがあっても通気空間112iを放熱口104aに連通させることができる。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−固定]
電源装置112は、装置ケース112aの正面板112dの一側辺に対して直角である取付片112kと、装置ケース112aの後面板112cから外本体100の背板104に向けて突設した突部112mと、外本体100の背板104に開設した放熱口104aと、の組合せにより外本体100に固定される。
すなわち、放熱口104aの輪郭は装置ケース112aの後面板112cの輪郭より小さく形成されており、従って電源装置112は外本体100の背板104に当たって放熱口104aを通らない。また、装置ケース112aの後面板112cに突設した突部112mは、放熱口104aに内接する位置にあり、電源装置112の浮き上がり動作に抗すべく放熱口104aの上辺に内接する水平な突片112m−1と、電源装置112の横転動作に抗すべく放熱口104aの縦辺に内接する垂直な突片112m−2で構成される。従って、電源装置112を外本体100の側板102の内面に沿わせて押し込み、放熱口104aに突部112mを差し込むだけで、装置ケース112aの後面(奥側)の上方向(浮き上がり)と図6において右方向(横転)への固定が完了する。もちろん電源装置112は、下方向に対しては外本体100の底板101によって、また、図6において左方向に対しては外本体100の側板102によってその動きが規制されるため、放熱口104aに突部112mを嵌め込むだけの単純な操作で、手前に引っ張る方向以外について電源装置112の動きが完全に規制できる。
一方、正面板112dに突設した取付片112kにはビス用の透孔112pが複数穿設されており、該透孔112pの少なくとも1個に木ねじ112qを通して外本体100の側板102に固定する。これにより手前に引っ張る方向についても電源装置112の動きが規制されるため、1本の木ねじ112qで外本体100への電源装置112の確実な固定が可能である。
[外本体−仕切板−下スペース−電源装置−電源コード]
電源装置112には外部から電気の供給を受けるための電源コード(図示せず)が接続されている。そして、従来は放熱口104aの横に膨出部を設けてそこから電源コードを引き出すようにしていたが、この位置では電源コードを束ねても地面にすれる危険性が高い。スロットマシン1は、製造途中で電源を投入する場合があり、そのときに備えて外本体100の外に電源コードを出しておかなければならないから、製造ライン上での移動の際やライン間での移動の際に電源コードが地面にすれたりスロットマシン1の底板101の下に入って挟まるおそれがある。
これに対し本例の放熱口104aは、その上辺から上に向けてコード引出口104bを拡張し、そこから電源コードを引き出すようにしている。これにより束ねた電源コードを宙づり状態にぶら下げるに十分な高さが確保できる。よってスロットマシン1を製造する工程で誤って電源コードを傷めてしまうトラブルが激減する。
以上のように本例のスロットマシン1は、電源装置112を外本体100の内側コーナー部分にセットして1本の木ねじ112qをねじ込むだけで取り付けが完了するため、従来に比べて電源装置112の取付作業の大幅な省力化が可能である。また、本発明では、1つの面に対してネジ止めすれば固定が完了するので、特に、固定する部位を電源装置112の前方(手前)に持ってきた場合は視認しやすく、確実に固定できる。ちなみに、従来は電源装置112の複数の面或は部材に対してネジ止めする必要があり、特に、背板104に固定するネジは視認しにくいため忘れる可能性があった。
また、放熱口104aは、電源装置112の冷却手段として必要なものであるから、この放熱口104aを電源装置112の固定に利用しても余分な工程やコストは殆ど発生しない。却って、固定のために放熱口104aの位置と電源装置112の位置を一致させることになるから冷却効率が向上する。加えて、装置ケース112aを本例のごとく合成樹脂製にした場合には、取付用の突部112mも一体成形できるため殆どコストが掛からない。よって電源装置112の取り付けに要するトータルのコストも従来に比べて削減できる。
さらに、装置ケース112aを合成樹脂製にした場合には、電源装置112の発熱対策として有用な装置ケース112aの脚部112hや段部112jも殆どコストを掛けずに実施できるメリットがある。
[外本体−仕切板−上スペース]
一方、図12〜図15に示すように、外本体100内の仕切板105より上のスペースには図柄変動表示装置300が設置されている。図4に示すように、図柄変動表示装置300の後側の背板104には、スロットマシン1の遊技の進行を司る主たる制御を行う主制御基板409が設置されている。なお、図示は省略するが、外本体100内部には、主制御基板409以外にも各種基板が組みつけられている。
[外本体−図柄変動表示装置]
図柄変動表示装置300について、図16〜図20を基に説明する。図16に示すように、図柄変動表示装置300は、リール回転式表示装置であって、個別に回転可能な例えば3個のリール301a,301b,301c(以下各リール301とする)と、該各リール301を組込み・収容する装置ケース302とを有し、各リール301の周面に描いた複数の図柄(図示せず)の組合せで遊技を行うものである。なお、遊技者は、上記の3個のリール301a,301b,301cに描かれた図柄の一部(例えばリール毎に3図柄)を、例えば透明パネルにより構成された後述するリール前側保護部材303fを介して、遊技者が位置する前方から視認することができる。
図18に示すように、装置ケース302は、底部板304と、天部板305と、右側の右側板306と、左側の左側板307と、後面を覆う一部円弧形状の後部板308とで囲った箱形であり、各リール301の円弧の一部が装置ケース302の正面からはみ出す状態になっている。なお、装置ケース302は、底部板304のみが金属板で形成され、他の部分は樹脂で形成されている。
図23に示すように、装置ケース302の前縁には、各リール301を固定するためのネジ313a,313bが螺合される複数のネジ孔302aが所定の間隔で形成されている。なお、下側のネジ313bは通常の雄ネジであるが、上側のネジ313aは螺合対象物が樹脂成形物であることからタッピングビスが用いられる。
また、装置ケース302の前面側には、カバー体309が組みつけられている。カバー体309は、装置ケース302の前面縁部に沿って形成された額縁状の枠部310と、枠部310の上端及び下端の間に架設され、装置ケース302に組み込まれた各リール301を仕切るように左右方向に所定の間隔で配置された区画部311とから構成されている。なお、区画部311の前面は、上下方向の中央部分が遊技者側に向って最も突出するように略円弧状に形成されている。つまり、各リール301間の隙間を前方から塞ぐとともに、各リール301の円周面に対し連続した面となるように円弧状に形成されている。なお、左右両側に配置された区画部311には、左右外側から両側リール301a,301c内の機構を遮蔽する遮蔽部311aが一体的に形成されている。また、枠部310における区画部311の上側及び下側には、ネジ313a,313bを挿通させることが可能な取付孔312が穿設されている。
また、図17,図18に示すように、装置ケース302の左側板307には、基板ケース314によって覆われたリール主中継基板315並びにバックライト中継基板318が配置されており、リール主中継基板315によって中継された駆動信号により各リール301が個別に駆動制御されるようになっている。なお、リール主中継基板315には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316a,316cが設けられ、バックライト中継基板318には基板ケース314の開口を通して突出する2つのコネクタ316b,316dが設けられている。
リール主中継基板315にあっては、基板ケース314の左側面下側から突出するコネクタ316aを介して、各リール301を駆動制御するための信号やモータ用電源が中継入力されるとともに、各リール301に収容されたフォトセンサ325から送られる検出信号を主制御基板409に中継出力するようになっている。また、基板ケース314の底面から突出するコネクタ316cには、後述するリールモータ中継基板326に設けられたコネクタ317(装置ケース302の後部板308から突出するコネクタ317)に接続されたコネクタ付きハーネス(図示しない)が連結されており、各リール301内に収容されたリールモータ321に対して駆動信号及びモータ用電源を供給するとともに、フォトセンサ325から検出信号を受け取ることが可能になっている。
また、バックライト中継基板318にあっては、基板ケース314の上面から突出するコネクタ316bに、後述するバックライト322に接続され且つ後部板308に形成された透孔308aを通して配線されたコネクタ(図示しない)が連結されるようになっている。つまり、このコネクタ316bを介して、バックライト322に作動用電源を付与するように構成されている。なお、この作動用電源は、基板ケース314の左側面中央に設けられたコネクタ316dを介してバックライト中継基板318に供給される。
なお、前記のコネクタ付きハーネスには、リール301ごとに、被覆材の色が互いに異なる一本または複数本の電線が含まれており、また、各リール301内に収容された夫々のバックライト322には、コネクタ付きハーネスに含まれる電線の色と同系色の電線が接続されている。つまり、リール301ごとにハーネス及び電線の色が異なるように設定されている。これによれば、リールモータ321に電力を供給する電線及びフォトセンサ325から検出信号を受け取る電線を含むハーネスと、バックライト322に電力を供給する電線との色合わせが可能になり、ひいては、ハーネス及び電線と、各リール301との照合(すなわち誤配線の有無の確認)が容易になるとともに、各リール301の配置位置を電線の色に基づいて確認させることが可能になる。すなわち、スロットマシン1の組付工程において、左中右の各リール301の配置順は、間違ってはいけない極めて重要な項目であるが、このように電線の色を異ならせることにより、上記の配置が正しく行われたか否かを容易に視認することが可能となり、スロットマシン1の品質を確保することができる。
また、左側板307における基板ケース314の上方には、左側板307を貫通するコ字形のスリット333が形成されており、コネクタ316bに連結される電線を、結束バンド(図示しない)を用いて左側板307とともに結束させることを可能にしている。特に、下側が開いた横転コ字形のスリット333によって下端のみが連結された掛止部333aが左側板307と一体に形成されるため、結束バンドの一部を撓ませた状態で掛止部333aの上方に挿入すれば、極めて容易に結束バンドを掛止部333aに引掛けることが可能になる。つまり、左側板307に対して結束バンドを掛止させるために、左側板307に二つの孔を穿設したものでは、結束バンドの先端を二つの孔に対して順に挿通させなければならないため、結束作業が困難になる虞があるが、コ字形のスリット333を設けるようにすれば、掛止部333aの上部側から電線を引掛けることが可能になり、作業性が向上する。また、左側板307から外方に突出するようにフックを形成することも考えられるが、これによれば、構成が複雑になり、金型費等の製造費が高くなるため好ましくない。
図18乃至図20に示すように、装置ケース302内には、各リール301と、夫々のリール301を回転可能に支持するとともに回転力を付与するリールモータ321と、各リール301の右側に配置されリールモータ321を固定するモータ取付板320と、モータ取付板320に固定状態で取付けられるとともに、各リール301の周面内側、特に遊技者側の面に沿って配置され各リール301を通して遊技者側に光を放射する略円弧状のバックライト322とが設けられている。
さらに詳しく説明すると、リールモータ321は、正転及び逆転可能な直流ステップモータであり、回転軸321aの先端にフランジ323が固着されている。フランジ323は、略円板状の部材であって、周面の一部には径方向に切欠かれた嵌合部323aが形成されるとともに、周面に雄ネジ部が設けられた突起323bが形成されている。これに対応し、リール301aは、右側の側面(図20では奥側の面)が全体的に開放されているが、左側の面(図20では前側の面)には、略十字形の側面部材330が設けられ、リールモータ321のフランジ323を取付けることが可能になっている。具体的には、図20に示すように、側面部材330の中心部分には、フランジ323の突起323bが挿通する貫通孔330aを有するとともに、フランジ323を内側に収容可能とする円形収容部330bが形成されており、特に、図19に示すように、円形収容部330bには、リール301の内側に向って突出するとともに、フランジ323の嵌合部323aに嵌め合わせ可能な回転防止突部330cが形成されている。そして、貫通孔330aを挿通し円形収容部330bから外部へ突出する突起323bに対して、ロックネジ324が螺合されており、これにより、リールモータ321のフランジ323がリール301aの側面部材330に固定状態で取付けられる。つまり、リールモータ321の回転軸321aがリール301の側面部材330に直結されている。なお、各リール301は、ロックネジ324によって軸心上で固定されるため、直径方向の力が作用せず、ひいては回転軸321aのブレを防止することが可能になる。
図20に示すように、モータ取付板320は金属板から形成され、リールモータ321を取付けるためのモータ取付部位320aと、バックライト322を取付けるためのライト取付部位320bとを有して構成されている。また、モータ取付板320の上端及び下端における正面側(遊技者側)の部分には、垂直方向に折り曲げられた取付片320cが形成され、取付片320cの略中央には、前後方向に貫通する透孔320dが穿設されている。特に、これらの透孔320dは、図18に示すように、カバー体309に形成された取付孔312、及び装置ケース302に形成されたネジ孔302aと前後方向で合致する位置に設けられている。つまり、カバー体309の前方から、カバー体309の取付孔312及びモータ取付板320の透孔320dを通して、ネジ313a,313bを装置ケース302のネジ孔302aに螺合させることにより、装置ケース302に対してモータ取付板320及びカバー体309が固定状態で組付けられている。すなわち、カバー体309とモータ取付板320とが装置ケース302に対して共締めされる。このため、装置ケース302に対してカバー体309とモータ取付板320とを別々に固定するものに比べ、作業工程を低減させるとともに、三つの部材、すなわちカバー体309、モータ取付板320、及び装置ケース302における相互の位置決めを正確にしかも簡単に行うことができ、ひいては各リール301に対するカバー体309のクリアランスを少なくすることができ、各リール301間の隙間を精度よく塞ぐことができる。すなわち、装置ケース302の内部構造を一層見え難くし、見栄えの低下を抑制することができる。
また、モータ取付板320における下部後端側には、後方に向って延出された延設下部320eが形成されており、延設下部320eとモータ取付部位320aとからなるコーナー部分にリールモータ中継基板326が取付けられている。このリールモータ中継基板326は、リールモータ321に接続された電線(図示しない)及びフォトセンサ325に接続された電線(図示しない)と、リール主中継基板315に接続されるコネクタ付きハーネス(図示しない)とを中継するためのものであり、コネクタ317(図17参照)等を搭載している。また、モータ取付板320の上部後端側には、延設下部320eと同方向に延出された延設上部320gが形成されており、延設上部320gには、バックライト322に接続された電線(図示しない)を案内するための溝部(図示しない)と、溝部に配線された電線が溝部から逸脱することを防止する電線押え327とが取付けられている。電線押え327は、透明で弾性変形可能な薄板状の樹脂部材からなり、一端側がネジ327aによって固定されている。
このように溝部と電線押え327との協働によって電線を適宜の位置に保持することにより、リールモータ中継基板326のような基板を設けることなく、電線の遊動状態を防止することができ、ひいては電線が障害となって各リール301の回転が制動されたり、回転の際に電線を巻き込んだりすることを回避できる。なお、電線押え327の前方には、リールモータ321に接続された電線、及びバックライト322に接続された電線を纏めた状態で保持する結束部材328がモータ取付板320に取付けられている。
また、モータ取付板320の中央後端側には、断面L字形の取付片320fが、各リール301内に向って立設されており、フォトセンサ325を支持している。フォトセンサ325は、互いに対峙する発光部と受光部とを有し、発光部から発光される光が受光部に到達するか否かに応じた信号を出力するものである。そして、図19に示すように、各リール301における側面部材330の内面側には、リール301が一回転するごとに、フォトセンサ325における発光部と受光部との間を通過する遮光片331が内方に向って突出している。つまり、リール301を一回転させるごとに、発光部から放射された光が遮光され、それに応じた信号が出力するようになっている。
ところで、遮光片331は発光部から放射された光を遮るものであるため、不透明な部材、例えば黒色の部材から形成されることが好ましく、一方、リール301aの側面部材330は、リール301aと一体に成形されることから光透過性の部材、例えば透明部材から形成されることが好ましい。このため、遮光片331と側面部材330とは一体成形することはできず、側面部材330に対して遮光片331を取付けるための手段が必要となる。しかし、ネジ等の締結部材を介して取付けるものでは、遮光片331を含むリール301全体の重心が回転軸から偏心する程度が高くなり、リール301aの回転速度にムラが発生するおそれがある。また、接着剤によって遮光片331を接着するものでは、側面部材330に対する遮光片331の位置決めが困難となり、ひいては各リール301の回転位置を正確に検出できなくなるおそれがある。
そこで、本例では、遮光片331をインサート成形によって成形している。つまり、予め形成された遮光片331を金型に入れ、リール301a及び側面部材330を射出成形することにより、遮光片331と側面部材330とを一体的に形成している。これによれば、比較的簡単に形成することができるとともに、側面部材330に対する遮光片331の位置決め精度を高めることが可能になる。
バックライト322は、略円弧状の外観を呈しており、モータ取付板320のライト取付部位320bに当接する側には、所定の間隔で配置された三つのLED322aが、側面部材330側に向って光を放射するように配置されている。また、各リール301の内面側には、夫々のLED322aから放射された光をリール301の図柄列(図示しない)側に向って反射させる白色の反射部322bが形成されている。このため、リール301aの内側において面発光させることが可能になり、略均一な光によって、遊技者側に位置する図柄、特に三つの図柄を、略均一な光によって光らせることが可能になる。
[前面部材]
図3,図4に示すように、外本体100には、更に前面部材200が図示しないヒンジ部材を介して開閉可能に取り付けられる。前面部材200は、錠215により外本体100に対して解錠/施錠が可能である。前面部材200は、スロットマシン1の前方右側を装飾する流線形の右カバー部材102dと、スロットマシン1の前方左側を装飾する流線形の左カバー部材102eとを備える。右カバー部材102dと左カバー部材102eの内側には各々Rスピーカ(右スピーカ)1021とLスピーカ(左スピーカ)1022とが配設されている。前面部材200は、メダル用受皿201を、右カバー部材102dと左カバー部材102eの間であってスロットマシン1の下部に備える。前面部材200は、画像反射ミラーカバー部材102cを、右カバー部材102dと左カバー部材102eの間であってスロットマシン1の上部に備える。
上記の画像反射ミラーカバー部材102cは、天板103から前方に向かって張り出すようにして、少なくとも後述するリール停止ボタン211a,211b,211cよりも前方に出っ張っている。この画像反射ミラーカバー部材102cの最前部は、スロットマシン1のなかで最前部に位置している。
メダル用受皿201は、受皿部201cと、支持部201dと、板状部材201eを備える。支持部201dは、後述する操作部202を支持する働きをする。支持部201dは、開口部201fを設ける。当該開口部201fは、先述したメダル放出装置110のメダルの放出口110cにつながっており、当該開口部201fからメダルが受皿部201cに放出される。
[前面部材−操作部]
更に、前面部材200として、スロットマシン1の表側のほぼ中央に操作部202を備える。操作部202は、右カバー部材102dと左カバー部材102eの間に備えられ、支持部201bに支持される。この操作部202には、図1,図3に示すように、メダル投入用の投入口203と、後述する主制御基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するMAXベットボタン206と、主制御基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除命令(精算による放出命令)を入力するための貯留メダル解除ボタン209と、前記図柄変動表示装置300を作動させる始動レバー210と、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cを停止させる3個のリール停止ボタン211a,211b,211c等が設けられている。もちろんここに示した操作部202の構成は1つの例示であり、これらに限定されるものではない。例えば、主制御基板409のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1枚のみの投入(引き落とし)を指示する1ベットボタンや、詰まったメダルをメダル用受皿201に戻すためのメダル返却ボタンを備えるものとしても良い。
更に、操作部202には、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cに対応する位置に、例えば、各リール301a,301b,301cに遊技者の手を近づけたり、各リール301a,301b,301cの近傍を擦ったり、といった、各リール301a,301b,301cにかかわる遊技者による動作を検出しうる3個のリール停止センサ212a,212b,212cが設けられている。この3個のリール停止センサ212a,212b212cは、動作検出が行われると、この動作検出されたリール停止センサ212a,212b,212cに対応する各リール301a,301b,301cを停止させる機能を有する。すなわち、遊技者は、先に述べた3個のリール停止ボタン211a,211b,211cを押下することによって、リール301a,301b,301cを停止させることもできるし、リール停止センサ212a,212b,212cに手をかざすなどして、センサ入力を与えることでリール301a,301b,301cを停止させることもできる。
以下の説明ではリール停止ボタン211による押下操作を有効にしている場合はリール停止センサ212による動作検出は無効であるものとし、リール停止センサ212による動作検出を有効であるものとしているときは、リール停止ボタン211による押下操作を無効にするものとする。しかし、これに限らず、リール停止ボタン211とリール停止センサ212を共に有効とし、例えば先ずはリール停止ボタン211による押下操作が行われたときにはこの時点でリール停止センサ212を無効にし、例えば先ずはリール停止センサ212により動作検出されたときにはこの時点でリール停止ボタン211による押下操作を無効にするようにしても良い。詳述すると、左リール停止ボタン211aと左リール停止センサ212aを共に有効とし、いずれか一方の操作または動作検出が行われた場合に、他方(左リール停止ボタン211aと左リール停止センサ212aとのうち操作または動作検出が行われなかった方)を無効とするものとしても良い。同様に、中リール停止ボタン211bと中リール停止センサ212bを共に有効とし、いずれか一方の操作または動作検出が行われた場合に、他方(中リール停止ボタン211bと中リール停止センサ212bとのうち操作または動作検出が行われなかった方)を無効とするものとしても良い。同様に、右リール停止ボタン211cと右リール停止センサ212cを共に有効とし、いずれか一方の操作または動作検出が行われた場合に、他方(右リール停止ボタン211cと右リール停止センサ212cとのうち操作または動作検出が行われなかった方)を無効とするものとしても良い。
また、左リールについては、左リール停止センサ212aによる動作検出を有効であるものとして左リール停止ボタン211aによる操作を無効にする一方、中リールについては、中リール停止ボタン211bによる操作を有効にし中リール停止センサ212bによる動作検出を無効にし、右リールについては、右リール停止センサ212cによる動作検出を有効であるものとして右リール停止ボタン211cによる操作を無効にするというように、有効/無効とするボタンやセンサの組み合わせは、全てボタン同士や、全てセンサ同士の場合に限られず、適宜設定可能である。なお、「リール停止センサ212による動作検出を無効とする」とは、リール停止センサ212自体は遊技者の動作を検出して主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視してリール停止等の制御をしないことをいう。「リール停止ボタン211による操作を無効にする」も、リール停止ボタン211自体は、遊技者の押下操作を受け付け、押下操作されれば主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視してリール停止等の制御をしないことをいう。
本実施例では、操作部202に、リール停止センサ212によりリール停止するか、リール停止ボタン211によりリール停止するかを遊技者に選択操作させる選択スイッチ208を備える。遊技者は、リール停止センサ212によりリール停止するか、リール停止ボタン211によりリール停止するかを、選択スイッチ208により選択可能である。選択スイッチ208をONにした場合は、リール停止センサ212によりリール停止することを選択しているものとし、選択スイッチ208をOFFにした場合は、リール停止ボタン211によりリール停止することを選択しているものとする。ON/OFF式の選択スイッチ208を採用することにより、リール停止センサ212によりリール停止することを選択しているのか、リール停止ボタン211によりリール停止することを選択しているのか、目視で確認することができる。これにより、遊技者が変わった場合も、新たな遊技者が、リール停止センサ212によりリール停止することが選択されているのか、リール停止ボタン211によりリール停止することが選択しているのか選択スイッチ208を見て確認して、自分の好きな設定に変更することができる。
本実施例では、選択スイッチ208からの入力により、リール停止ボタン211と、リール停止センサ212のいずれを有効とするか設定するものとしたが、これに限らない。例えばBBゲーム中やRBゲーム中(詳しくは後述する)等の遊技状態に応じてリール停止ボタン211と、リール停止センサ212のいずれを有効とするか設定するものとしても良い。
なお、リール停止ボタン211による操作とリール停止センサ212による動作検出とのうち有効とされるのは、常に、いずれか一方のみである。すなわち、リール停止ボタン211による操作およびリール停止センサ212による動作検出のうちいずれか一方と、リール停止ボタン211による操作またはリール停止センサ212による動作検出に基づく各リール301a,301b,301cの停止とは、常に、1対1で対応している。本実施形態では、リール停止ボタン211による操作とリール停止センサ212による動作検出とのいずれによっても各リール301a,301b,301cを停止させることは可能であるものの、リール停止ボタン211による操作とリール停止センサ212とのうち、選択スイッチ208により選択された方に限り、各リール301a,301b,301cを停止させることができる。
本実施例においては、図柄変動表示装置300の各リール301a,301b,301cの前方に設けられたテーブル状の部材の上であって、各リール停止ボタン211a,211b,211cに近接する位置にリール停止センサ212a,212b,212cを備えるものとしたが、リール停止センサ212a,212b,212cを備える位置は、これに限らず、各リール301a,301b,301cにリール停止センサ212a,212b,212cが対応する位置であれば、いずれに備えるものとしてもよい。例えば、後述するリール上側保護部材303bの上にリール停止センサ212a,212b,212cを3つ並べて備えるものとしても良い。
本実施例では、各リール停止ボタン211と同じ機能を有するリール停止センサ212を備えるものとし、センサ(検出手段)がボタン(操作手段)の代わりに遊技者の操作を受け付けることが可能な構成とした。センサが操作手段の代わりに遊技者の操作を受け付けうる操作手段は、各リール停止ボタン211a,211b,211cに限らない。例えば、操作手段としてのMAXベットボタン206や始動レバー210と同じ働きをするMAXベットセンサ206a、始動センサ210aを設けるものとしてもよい。図13,図15では、左カバー部材102eの内壁ほぼ中央に始動センサ210aが備えられており、右カバー部材102dの内壁ほぼ中央にMAXベットセンサ206aが備えられている。
なお、以下の説明では、先述した始動レバー210による操作を有効にしている場合は、始動センサ210aによる動作検出は無効であるものとし、始動センサ210aによる動作検出を有効としているときは、始動レバー210による操作を無効にするものとする。そして、本実施例では、リール停止センサ212が有効でリール停止ボタン211が無効な場合には、始動センサ210aも有効にして始動レバー210を無効にし、逆にリール停止ボタン211が有効でリール停止センサ212が無効な場合には、始動ボタン210を有効にして始動センサ210aを無効にする。これにより、遊技者は、センサにより検出される動作によりスロットマシン1を操作する場合と、ボタン等の操作手段への操作入力によりスロットマシン1を操作する場合とを明確に区別することができ、混乱することなく遊技可能である。
しかし、これに限らず、始動レバー210と、始動センサ210aのいずれを有効とするかは、選択スイッチ208とは別個のスイッチを設けて選択設定可能としても良いし、遊技状態に応じて設定可能であるものとしても良い。また、始動レバー210と始動センサ210aを共に有効とし、いずれか一方の操作または動作検出が行われた場合に、始動レバー210と始動センサ210a共に操作または動作検出を無効とするものとしても良い。なお、「始動センサ210aによる動作検出を無効とする」とは、始動センサ210a自体は遊技者の動作を検出して主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視して図柄変動表示装置300を作動させないことをいう。「始動レバー210による操作を無効にする」も、始動レバー210自体は、遊技者の操作を受け付け、操作されれば主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視して図柄変動表示装置300を作動させないことをいう。
始動レバー210の場合と同様に、以下の説明では、先述したMAXベットボタン206による操作を有効にしている場合は、MAXベットセンサ206aによる動作検出は無効であるものとし、MAXベットセンサ206aによる動作検出を有効であるものとしているときは、MAXベットボタン206による操作を無効にするものとする。そして、本実施例では、リール停止センサ212が有効でリール停止ボタン211が無効な場合には、MAXベットセンサ206aも有効にしてMAXベットボタン206を無効にし、逆にリール停止ボタン211が有効でリール停止センサ212が無効な場合には、MAXベットボタン206を有効にしてMAXベットセンサ206aを無効にする。これにより、遊技者は、センサにより検出される動作によりスロットマシン1を操作する場合と、ボタン等の操作手段への操作入力によりスロットマシン1を操作する場合とを明確に区別することができ、混乱することなく遊技可能である。
しかし、これに限らず、MAXベットボタン206と、MAXベットセンサ206aのいずれを有効とするかは、選択スイッチ208とは別個のスイッチを設けて選択設定可能としても良いし、遊技状態に応じて設定可能であるものとしても良い。また、MAXベットボタン206とMAXベットセンサ206aを共に有効とし、いずれか一方の操作または動作検出が行われた場合に、、MAXベットボタン206とMAXベットセンサ206a共に操作または動作検出を無効とするものとしても良い。なお、「MAXベットセンサ206aによる動作検出を無効とする」とは、上述の始動センサ210aの場合と同様、MAXベットセンサ206a自体は遊技者の動作を検出して主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視することをいう。「MAXベットボタン206による操作を無効にする」も、MAXベットボタン206自体は、遊技者の押下操作を受け付け、押下操作されれば主制御基板409に信号を送るが、主制御基板409が、その信号を無視することをいう。
[前面部材―画像表示体]
前面部材200は、更に画像表示体500を備える。画像表示体500は、図2と図12〜図15に示すように、画像表示装置501と、画像反射ミラー502と、画像反射ミラー駆動装置503と、スクリーン504と、を備える。図示は省略するが、LEDやスピーカ等の演出装置に所定の演出を導出する周辺制御基板510は、画像表示装置501の内部に設置空間を設けて設置されている。画像表示装置501は、プロジェクタであって、周辺制御基板510から出力される画像情報に応じて光学像を形成し、形成した光学像を拡大射出する。画像反射ミラー502は鏡であって、画像表示装置501から射出される光学像を反射してスクリーン504に投射する。スクリーン504には、画像反射ミラー502から投射された光学像に基づく画像が表示される。このように、画像反射ミラー502を設け、画像反射ミラー502で画像表示装置501から射出される光学像を反射してスクリーン504に投射することにより、スロットマシン1の内部という狭い空間の中であっても、画像表示装置501(投射手段)からスクリーン504(被投射手段)までの距離をかせぐことができ、ある程度拡大した画像を表示することができる。スクリーン504に下端は後述するリール後側部材303aに取り付けられている。
画像反射ミラー駆動装置503は、画像反射ミラー502の下辺を回転軸として画像反射ミラー502を回転させるためのもので、電気信号を受けて動作するモータやソレノイドといった駆動手段を含む。画像反射ミラー駆動装置503により、画像反射ミラー502を回転させて、スクリーン504上に画像が表示されるよう調整することができる。その一方、画像反射ミラー駆動装置503により、画像反射ミラー502を回転させて、スクリーン504以外の部分に画像が表示されるように調整することも可能である。詳しくは後述するが、これにより、より多様な遊技を提供することが可能となる。画像反射ミラー502の回転角度は、後述する周辺制御基板により任意に指定可能なものであっても良いし、所定の角度しか回転できないものであっても良い。
前面部材200は、更に、リール後側部材303aと、リール後側部材303aに取り付けられるリール上側保護部材303bと、操作部202に対して取り付けられるリール下側部材303cと、リール右側保護部材303dと、リール左側保護部材303eと、操作部202及びリール下側部材303cに取り付けられるリール前側保護部材303fとを備え、各リール301に遊技者が直接手を触れることができない構成になっている。
図1,図3に示したリール前側保護部材303fは、リール301の前面全体をカバーする大きさであって、遊技者がリール301を視認できるように透明板を含む。透明板は、透明な合成樹脂(例えば耐衝撃性、耐擦傷性、光学特性に優れたゴム入りのメタクリル樹脂、実施形態では三菱レイヨン株式会社製「アクリペット(登録商標)IRD30」を使用)である。
図3から分かるように、本実施形態のスロットマシン1は、前面部材200を基準(より詳しくは、リール前側保護部材303fを基準)として奥方向にくぼんでおり、図1のA−A線を切った断面(図2参照)をみると分かるように、所定空間550が形成されている。そして、このくぼんだ奥側(遊技者に対してリール301の前面(リール前側保護部材303fの前面)より所定空間550隔てた奥側)にスクリーン504(図2参照)が存在する。すなわち、スクリーン504が、奥方向にくぼんだ部位の後端に位置するかたちで設けられている。上記の所定空間550は、図柄変動表示装置300の上方に形成されており、右側板102a(右カバー部材102d)および左側板102b(左カバー部材102e)による左右面と、画像反射ミラーカバー部材102cおよびリール上部保護部材303bによる上下面と、スクリーン504による奥側の面とによって囲まれた空間であり、演出空間または遊技者が演出に応じて動作(指さし動作)する動作空間として機能する。
[スロットマシンに配備される電気系統]
次に、スロットマシン1に配備される電気系統について説明する。スロットマシン1の制御構成は、図21乃至図23に示すように、主制御基板409及び周辺制御基板510から構成されており、各種制御が分担されている。図21は主制御基板409及び主中継基板122のブロック図である。
[主中継基板122]
主中継基板122は、図21に示すように、電源基板112sとの接続用のコネクタCN1(以下、主中継基板122のコネクタCN1という)と、主制御基板409に繋がっているハーネス付きコネクタと接続されるコネクタ(以下、主中継基板122のコネクタCN2という)と、後述の主扉中継基板850と接続されるコネクタCN3(以下、主中継基板122のコネクタCN3という)と、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータ(図示せず)に対してスロットマシン1の遊技情報を出力するために中継する外部中継端子板131と接続されるコネクタCN4(以下、主中継基板122のコネクタCN4という)と、メダル放出装置110と接続されるコネクタCN5(以下、主中継基板122のコネクタCN5という)と、メダル用補助収納箱111の内部に配設されたメダル補助収納庫スイッチ111aと接続されるコネクタCN6(以下、主中継基板122のコネクタCN6という)とを備えている。主中継基板122は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。なお、以下の説明では、基板毎にコネクタがあるので、符号「CN」は異なる基板で重複することがある。
図21の電源基板112sは、AC24V(2つの端子)を入力として、主制御基板409のメモリのバックアップ電源や各種の直流作動電源(+30V電源、+12V電源、+24V電源)を生成し、主中継基板122のコネクタCN1に供給する。なお、符号FG(1つの端子)は、図示しない電源ハーネスを介して遊技島設備のアースに接続される。また、筐体FG端子(1つの端子)は、遊技機本体の金属部分にアースとして接続される。
図24は、主中継基板122のコネクタCN1、CN4、CN5、CN6のピン数及び各ピンによって伝達される信号を示す図である。図21及び図24に示すように、主中継基板122のコネクタCN1(対電源基板112s)は12ピンで構成されている。コネクタCN1の1番ピン〜5番ピンは何れもグランドGNDの中継入力である。6番ピンはバックアップ電源(−)(0V)の中継入力であり、7番ピン及び8番ピンはいずれも+30V電源の中継入力であり、9番ピン及び10番ピンはいずれも+12V電源の中継入力であり、11番ピンは+24V電源の中継入力であり、12番ピンはバックアップ電源(+)(+5V)の中継入力である。
主中継基板122のコネクタCN4(対外部中継端子板131)は10ピンで構成されている。コネクタCN4の1番ピンは外部信号5の中継出力、2番ピンは外部信号4の中継出力、3番ピンは外部信号3の中継出力、4番ピンは外部信号2の中継出力、5番ピンは外部信号1の中継出力である。また、コネクタCN4の6番ピンはメダル払出信号の中継出力であり、7番ピンはメダル投入信号の中継出力である。さらに、コネクタCN4の8番ピン〜10番ピンは何れも+24V電源の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN5(対メダル放出装置110)は5ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはS+5V(センサ用+5V電源を意味する、以下、センサ用+5V電源という)の中継出力であり、2番ピンは遊技メダル払出カウントスイッチ信号の中継入力であり、3番ピンはグランドGNDであり、4番ピンは遊技メダル払出ドライブ1の中継出力であり、5番ピンは遊技メダル払出ドライブ2の中継出力である。
主中継基板122のコネクタCN6(対メダル補助収納庫スイッチ111a)は2ピンで構成されている。コネクタCN5の1番ピンはオーバーフロースイッチ(メダル補助収納庫スイッチ111a)の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。また、主中継基板122のコネクタCN7(対扉開放検出スイッチ220)は2ピンで構成されている。コネクタCN7の1番ピンは扉開放検出スイッチ220の信号の中継入力であり、2番ピンはグランドGNDである。
図21に示すように、主中継基板122のコネクタCN3は30ピンで構成され、主操作中継基板850に接続されている。主操作中継基板850は操作部202の内部に配設されている。
また、図25は操作基板収納ケース900の斜視図である。図25に示すように、操作基板収納ケース900は、内部に装飾駆動基板860(符号のみ図示)を収納した四角形状をなした装飾駆動基板収納部分901の側部に、装飾駆動基板よりも小型の四角形状で、内部に主操作中継基板850(符号のみ図示)を収納した主操作中継基板収納部分902が一体に形成されている。
図21に示すように、主操作中継基板850には、貯留メダル精算ボタン209、MAXベットボタン206、MAXベットセンサ206a、始動レバー210、始動センサ210a、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、リール停止センサ212(左リール停止センサ212a、中リール停止センサ212b、右リール停止センサ212c)、選択スイッチ208が接続されている。
図25において、符号903は扉基板収納ケース900の上面全体を覆う収納ケースカバーであり、主扉中継基板収納部分902の収納ケースカバー903の外面に、貯留メダル精算ボタン209に接続されたハーネス付きコネクタを接続する貯留メダル精算ボタン用接続コネクタ852(図21に示すように2ピンで構成)と、MAXベットボタン206に接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットボタン用接続コネクタ853(図21に示すように4ピンで構成)と、MAXベットセンサ206aに接続されたハーネス付きコネクタを接続するMAXベットセンサ用接続コネクタ854(図21に示すように2ピンで構成)と、始動レバー210に接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動レバー用接続コネクタ855(図21に示すように3ピンで構成)と、始動センサ210aに接続されたハーネス付きコネクタを接続する始動センサ用接続コネクタ857(図21に示すように2ピンで構成)と、リール停止ボタン211に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止ボタン用接続コネクタ856(図21に示すように8ピンで構成)と、リール停止センサ212及び選択スイッチ208に接続されたハーネス付きコネクタを接続するリール停止センサ用接続コネクタ851(図21に示すように10ピンで構成)と、主として主操作中継基板850から本体側の主中継基板122へ各信号を送出するコネクタ部材858(30ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
主操作中継基板850と主中継基板122との接続は、主操作中継基板850のコネクタ部材858(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、主操作中継基板850のコネクタ部材858(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、主中継基板122のコネクタCN3(図21参照)にハーネス付きコネクタの他端を接続する。
[主中継基板122と主制御基板409とのコネクタ接続]
図21に示すように、主中継基板122のコネクタCN2は主制御基板409のコネクタCN1と接続される。主中継基板122のコネクタCN2及び主制御基板409のコネクタCN1は、64ピンで構成されている。
図21に示すように、本実施例では、MAXベットボタン206、始動レバー210、リール停止ボタン211の操作入力のみではなく、MAXベットセンサ206a、始動センサ210a、リール停止センサ211a、による検出入力と、選択スイッチ208の操作入力も主操作中継基盤850と、主中継基板122を介して主制御基板409に伝えられる。
[主制御基板409]
図22は主制御基板409及び周辺制御基板510のブロック図である。図21に示すように、主制御基板409には、前述の主中継基板122が接続される他、12ピンで構成されるコネクタにより遊技状態表示基板450が接続され、24ピンで構成されるコネクタを介してリール主中継基板315が接続され、1個が8ピンで構成されるコネクタ2個により機能分離中継端子板441が接続されている。なお、図示されていないが、遊技状態表示基板450にはクレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ等が設けられている。リール主中継基板315には、左リールモータ321aに対応したリールモータ中継基板(図25の符号326)が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、中リールモータ321bに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続され、右リールモータ321cに対応したリールモータ中継基板が9ピンで構成されるコネクタを介して接続されている。
主制御基板409は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての主制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート、上述した、左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cに駆動信号を出力するドライブ回路、スロットマシン1の設定(例えば、設定1〜6)を変更する設定キー(鍵穴)、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ等を備えて構成されている。主制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されており、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPUは、上述したMAXベットボタン206、貯留メダル精算ボタン209、始動レバー210、リール停止ボタン211(左リール停止ボタン211a、中リール停止ボタン211b、右リール停止ボタン211c)、MAXベットセンサ206a、始動センサ210a、リール停止センサ212(左リール停止センサ212a、中リール停止センサ212b、右リール停止センサ212c)、選択スイッチ208、メダル放出装置110の遊技メダル払出カウントスイッチ及びメダル用補助収納箱111のメダル補助収納庫スイッチ111aからの検出信号が主制御I/Oポートを介して入力されており、これらの検出信号に基づいて、ロックアウトソレノイド、クレジット表示部、ゲーム数表示部、払出枚数表示部、メダルインランプ、スタートランプ、ベットランプ、ボーナスフラグ告知ランプ及びメダル放出装置110の駆動手段への駆動信号を、主制御I/Oポートを介して、出力する。
また、主制御MPUは、主制御I/Oポート及びリール主中継基板315、各リールモータ中継基板を介して左リール301a、中リール301b及び右リール301cをそれぞれ回転させる左リールモータ321a、中リールモータ321b及び右リールモータ321cへの駆動信号を出力したり、左リール301a、中リール301b及び右リール301cの原位置をそれぞれ検出する左リール位置センサ(図25の符号325)、中リール位置センサ及び右リール位置センサからの検出信号が入力されたりする。
主制御MPUは、主制御I/Oポートを介して、設定スイッチ/エラー解除、打止有無スイッチ、精算有無スイッチ、打止め解除/エラー解除スイッチからの信号が入力されたり、メダル払出信号、メダル投入信号や遊技ステータス等を外部中継端子板131に出力したりする。
「設定スイッチ/エラー解除」
設定スイッチ/エラー解除は設定キーの状況によって役割が変わる。設定キーがOFFのときは(遊技可能状態)、エラー解除スイッチとして機能する。一方、設定キーがONのときは(設定変更状態)、設定スイッチとして機能する。
[設定キーと設定スイッチ/エラー解除]
次に、スロットマシン1の設定の変更手順について説明する。まず、スロットマシン1を電源OFFの状態とし、その状態で設定キースイッチを操作する。詳しくは、設定キースイッチに所定のキーを差し込んでキーを右へ90度回転させる。次に、設定キースイッチにキーが差し込まれた状態でスロットマシン1を電源ONにする。電源ONは、電源ユニットの電源スイッチを操作することによって行なう。電源ONにすると、現在のスロットマシン1の設定がクレジット表示部に表示される(例えば、設定1の場合にはクレジット表示部に「1」が表示される)。次に、設定スイッチを操作する。設定スイッチを操作すると、クレジット表示部に表示されていた設定値に1が加算された数値が表示される。但し、表示されている数値が6の場合は、加算されずに表示される値が1に戻る。このように設定スイッチを操作して、クレジット表示部に所望の設定の値が表示されると、始動レバー210を操作する。始動レバー210を操作することによって、設定が確定する。キーを左へ90度回転させ、設定キースイッチに差し込まれているキーを抜く。そして、次に電源投入されたときには、先ほど設定した設定値で遊技機が動作する。
このようにして、例えばホール側担当者により設定値が設定されると、この設定された設定値に基づいてスロットマシンのゲームが行われる。詳しくは、本実施形態では、設定値として「1」〜「6」があり、このうちいずれかの設定値に設定される。内部抽選においてボーナス当選する確率は、設定値毎に異なっており、設定値「1」のときが最も当選確率が低く、設定値が「2」、「3」と上がるに伴って段階的にボーナス当選確率が高くなり、設定値「6」のときが最も当選確率が高い。なお、設定値毎にボーナス当選確率が異なることに代えて、設定値毎に例えばリプレイタイムのような遊技者に有利なゲームに突入しうる確率が異なるようにしてもよいし、例えば設定値毎にボーナス当選確率とリプレイタイムのような遊技者に有利なゲームへの突入確率との両方ともが異なるようにしてもよい。
[打止め有無スイッチ]
まず、「打止め」とはボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない状態にすることである。打止め有無スイッチはボーナスゲームが終了した後に「打止め」にするか、それとも継続してゲームを行うことを許容するかを決定するスイッチである。
[精算有無スイッチ]
「精算」とはボーナスゲームが終了した後にクレジットを精算、つまりクレジット分のメダルを払い出すことを意味する。精算有無スイッチは、ボーナスゲームが終了した後に「精算」にするか、それとも「精算」しないかを決定するスイッチである。
外部中継端子板131(図21参照)は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、メダル投入信号によりスロットマシン1に投入されたメダルの枚数を把握し、メダル払出信号によりスロットマシン1が払い出したメダルの枚数を把握し、遊技ステータスによりスロットマシン1の遊技状態等を把握することによって、計数管理を行っている。
図22において、主制御基板409には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより機能分離中継端子板441が接続されている。また、機能分離中継端子板441には、1つが8ピンで構成されるコネクタ2つにより後述する周辺制御基板510が接続されている。なお、矢印のついていない8ピンで構成されるコネクタは電源中継用であり、グランドGNDが4ピン、+12V電源が2ピン、+30V電源が2ピンで構成されている。また、主制御基板409→機能分離中継端子板441→周辺制御基板510というように、矢印付きで示される8ピンで構成されるコネクタは遊技に関する各種コマンド送信用であり、パラレルデータ(コマンド)D0〜D3の4ピン、SEL(セレクト信号)が1ピン、WR(ライト信号)が1ピン、停電予告信号が1ピン、グランドGNDが1ピンで構成されている。主制御MPUは、遊技に関する各種コマンドを、主制御I/O及び機能分離中継端子板441を介して、後述する周辺制御基板510に送信するようになっている。
[周辺制御基板510]
周辺制御基板510は、図示していないが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM、一時的にデータを記憶する周辺制御RAM、高音質の演奏を行う音源IC、この音源ICが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMを備えて構成されている。前記周辺制御MPUは、パラレル入出力ポート及びシリアル入出力ポート等の各種入出力ポートを内蔵している。本実施形態では、周辺制御基板510に画像表示体500を表示制御するVDP等を備えた表示制御基板がコネクタ同士で直接接続(基板対基板コネクタで接続)されている。
表示制御基板には、コネクタにより画像表示装置501が接続されている。図示していないが、表示制御基板は、マイクロプロセッサとしての表示制御MPU、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての表示制御I/Oポートを備えて構成されている。表示制御MPUには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されている。表示制御基板は、更に、スクリーン504に表示する各種キャラクタデータを記憶するキャラクタROMと、表示制御MPUの指示に従い、キャラクタデータを用いて動画データの一コマ分の表示データを生成しバッファに記憶させるVDPを備える。VDPにより生成される一コマ分の表示データが、所定時間(例えば、1/30秒)おきに、画像表示装置501に出力されることで、スクリーン504に動画像が表示される。
画像表示装置501は、図26に示すように、画像投射手段501aと、画像表示装置501を制御する制御手段501bとで概略構成されている。画像投射手段501aは、光源から射出される光を、前記表示制御基板から出力される表示データに応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン504の投射面に拡大投射する。この画像投射手段501aは、光源装置501cと、液晶パネル501dと、投射レンズ501eとを備える。
光源装置501cは、高圧放電ランプにて構成される光源ランプ501fを備え、光源ランプ501fは、光を液晶パネル501dに向けて射出する。光変調装置としての液晶パネル501dは、透過型の液晶パネルであり、表示制御基板から出力される表示データに基づいて、液晶セルに封入された液晶分子の配列を変化させ、光源ランプ501fから射出された光を、透過または遮断することにより、表示データに応じて変調して光学像を形成し、この光学像を投射レンズ501eに射出する。
投射光学装置としての投射レンズ501eは、筒状の鏡筒(図示しない)内に複数のレンズが収納された組レンズとして構成され、液晶パネル501dから射出された光学像を画像反射ミラー502向けて拡大投射するものである。画像反射ミラー502に向けて拡大投射された光学像は、画像反射ミラー502で反射されて、更に拡大されて、当該光学像に基づく画像がスクリーン504に表示される。
周辺制御基板510には、画像反射ミラー駆動装置503がコネクタ接続されている。画像反射ミラー駆動装置503は、周辺制御基板510から出力される制御信号に基づいて、画像反射ミラー502を回転駆動させる。
周辺制御基板510には、前述の機能分離中継端子板441が2個の8ピンで構成されたコネクタで接続される他、24ピンで構成されるコネクタによりパネル装飾中継基板594が接続され、さらに本体側に配設されている後述の周辺中継基板123と、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。
パネル装飾中継基板594には、2ピンで構成されるコネクタにより上パネル照明LED基板595が接続され、5ピンで構成されるコネクタによりバックライト中継基板318(図20参照)が接続されている。そして、バックライト中継基板318には、1つが2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して、左リール301a(第1回胴)に対応したバックライト基板(図20のバックライト322aが配置された円弧状の基板)が接続されている。同様に、バックライト中継基板318には、中リール301b(第2回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続され、右リール301c(第3回胴)に対応したバックライト基板が2ピンで構成されたハーネス付きコネクタを介して接続されている。
[周辺制御基板510と周辺中継基板123とのコネクタ接続]
図23は周辺制御基板510及び周辺中継基板123のブロック図である。周辺制御基板510と周辺中継基板123とは、20ピンで構成されるコネクタ接続により接続されている。
[周辺中継基板123]
周辺中継基板123は、図27に示すように、周辺制御基板510に繋がっているハーネス付きコネクタと接続されるコネクタ125(図27参照、以下、周辺中継基板123のコネクタCN1という)と、装飾駆動基板860と接続されるコネクタCN2(以下、周辺中継基板123のコネクタCN2という)と、低音スピーカと接続されるコネクタCN3(以下、周辺中継基板123のコネクタCN3という)とを備えている。周辺中継基板123は、単純に各種信号や電源電圧を素通りさせる中継(中継入力又は中継出力)の役割を果たす。
図23に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN1は周辺制御基板510のコネクタCN3と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN1及び周辺制御基板510のコネクタCN3は、20ピンで構成されている。
図28は、周辺制御基板510のコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN1のピン数及び各ピンによって伝達される信号と、周辺中継基板123のコネクタCN2並びにコネクタCN3のピン数及び各ピンによって伝達される信号とを示す図である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の1番ピンは−SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の1番ピンは−SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の2番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の2番ピンは+SPK−W2の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の3番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の3番ピンは−SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の4番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の4番ピンは+SPK−W1の中継入力である(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の5番ピンは−SPK−Lであり(Lスピーカ1021のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の5番ピンは−SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ1021のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の6番ピンは+SPK−Lであり(Lスピーカ1021のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の6番ピンは+SPK−Lの中継入力である(Lスピーカ1021のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の7番ピンは−SPK−Rであり(Rスピーカ1022のマイナス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の7番ピンは−SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ1022のマイナス中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の8番ピンは+SPK−Rであり(Rスピーカ1022のプラス出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の8番ピンは+SPK−Rの中継入力である(Rスピーカ1022のプラス中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の9番ピン及び10番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンもグランドGNDである。周辺制御基板510のコネクタCN3の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の出力であり、周辺中継基板123のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンは+12V電源の中継入力である。
周辺制御基板510のコネクタCN3の13番ピン及び14番ピンはグランドGNDであり、周辺中継基板123のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンもグランドGNDである。
周辺制御基板510のコネクタCN3の15番ピンはS−LATCHの出力であり(ラッチ信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の15番ピンはS−LATCHの中継入力である(ラッチ信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の16番ピンはS−MODEの出力であり(モード信号出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の16番ピンはS−MODEの中継入力である(モード信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の17番ピンはS−CLKの出力であり(クロック信号の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の17番ピンはS−CLKの中継入力である(クロック信号の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の18番ピンはS−DATAであり(シリアルの点灯データの出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはS−DATAの中継入力である(シリアルの点灯データの中継入力である)。
周辺制御基板510のコネクタCN3の19番ピンはSEL1であり(セレクト信号1の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の18番ピンはSEL1の中継入力である(セレクト信号1の中継入力である)。周辺制御基板510のコネクタCN3の20番ピンはSEL0であり(セレクト信号0の出力であり)、周辺中継基板123のコネクタCN1の20番ピンはSEL0の中継入力である(セレクト信号0の中継入力である)。
また、図23に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は20ピンで構成され、装飾駆動基板860に接続されている。図23において一点鎖線で囲われている「装飾ブロック」で示されるように、装飾駆動基板860、トップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ(左スピーカ)1022、Rスピーカ(右スピーカ)1021及び下パネル照明点灯基板876に接続されている下パネル照明877は、前面部材に配設されている。
図23に示すように、装飾駆動基板860にはトップ装飾基板871、左上装飾基板872、左下装飾基板873、右上装飾基板874、右下装飾基板875、下パネル照明点灯基板876、Lスピーカ1022、Rスピーカ1021が接続されている。このように、前面部材に配設された装飾発光体(後述)の点灯駆動を行う装飾駆動基板860が周辺制御基板510とは別体とされて前面部材に配設されている。
図25に示すように、基板収納ケース900の装飾駆動基板収納部分901の収納ケースカバー903の外面に、トップ装飾基板871に接続されたハーネス付きコネクタを接続するトップ装飾基板用接続コネクタ861(図23に示すように12ピンで構成)と、左上装飾基板872に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左上装飾基板用接続コネクタ862(図23に示すように13ピンで構成)と、左下装飾基板873に接続されたハーネス付きコネクタを接続する左下装飾基板用接続コネクタ863(図23に示すように6ピンで構成)と、右上装飾基板874に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右上装飾基板用接続コネクタ864(図23に示すように13ピンで構成)と、右下装飾基板875に接続されたハーネス付きコネクタを接続する右下装飾基板用接続コネクタ865(図23に示すように6ピンで構成)と、下パネル照明点灯基板876に接続されたハーネス付きコネクタを接続する下パネル照明点灯基板用接続コネクタ866(図23に示すように2ピンで構成)と、Lスピーカ1022に接続されたハーネス付きコネクタを接続するLスピーカ用接続コネクタ867(図23に示すように2ピンで構成)と、Rスピーカ1021に接続されたハーネス付きコネクタを接続するRスピーカ用接続コネクタ868(図23に示すように2ピンで構成)と、装飾駆動基板860から周辺中継基板123へ各信号を送出するコネクタ部材859(20ピン雌型で構成)とが露出した状態で配設されている。
[周辺中継基板123と装飾駆動基板860とのコネクタ接続]
図23に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN2は装飾駆動基板860のコネクタCN1と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN2及び装飾駆動基板860のコネクタCN1は、20ピンで構成されている。
装飾駆動基板860と周辺中継基板123との接続は、装飾駆動基板860のコネクタ部材859(CN1)に対応接続するコネクタ部材を一端に備えたハーネス付きコネクタ(従来より周知の接続部材であるため図示せず)を用いて行われ、装飾駆動基板860のコネクタ部材859(CN1)にハーネス付きコネクタの一端を接続し、周辺中継基板123のコネクタCN2(図27参照)にハーネス付きコネクタの他端を接続する。
図28においては周辺中継基板123のコネクタCN2のみを示し、装飾駆動基板860のCN1は図示を省略している。周辺中継基板123のコネクタCN2の1番ピンはSEL0の中継出力であり(セレクト信号0の中継出力であり)、装飾駆動基板860の1番ピンはSEL0の入力である(セレクト信号0の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の2番ピンはSEL1の中継出力であり(セレクト信号1の中継出力であり)、装飾駆動基板860の2番ピンはSEL1の入力である(セレクト信号1の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の3番ピンはS−DATAの中継出力であり(シリアルの点灯データの中継出力であり)、装飾駆動基板860の3番ピンはS−DATAの入力である(シリアルの点灯データの入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の4番ピンはS−CLKの中継出力であり(クロック信号の中継出力であり)、装飾駆動基板860の4番ピンはS−CLKの入力である(クロック信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の5番ピンはS−MODEの中継出力であり(モード信号の中継出力であり)、装飾駆動基板860の5番ピンはS−MODEの入力である(モード信号の入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の6番ピンはS−LATCHの中継出力であり(ラッチ信号の中継出力であり)、装飾駆動基板860の6番ピンはS−LATCHの入力である(ラッチ信号の入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の7番ピン及び8番ピンはグランドGNDであり、装飾駆動基板860のコネクタCN1の7番ピン及び8番ピンもグランドGNDである。周辺中継基板123のコネクタCN2の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の中継出力であり、装飾駆動基板860のコネクタCN1の9番ピン及び10番ピンは+12V電源の入力である。周辺中継基板123のコネクタCN2の11番ピン及び12番ピンはグランドGNDであり、装飾駆動基板860のコネクタCN1の11番ピン及び12番ピンもグランドGNDである。
周辺中継基板123のコネクタCN2の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ1021のプラス中継出力であり)、装飾駆動基板860のコネクタCN1の13番ピン及び14番ピンは+SPK−Rの入力である(Rスピーカ1021のプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの中継出力であり(Rスピーカ1021のマイナス中継出力であり)、装飾駆動基板860のコネクタCN1の15番ピン及び16番ピンは−SPK−Rの入力である(Rスピーカ1021のマイナス入力である)。
周辺中継基板123のコネクタCN2の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ1022のプラス中継出力であり)、装飾駆動基板860のコネクタCN1の17番ピン及び18番ピンは+SPK−Lの入力である(Lスピーカ1022のプラス入力である)。周辺中継基板123のコネクタCN2の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの中継出力であり(Lスピーカ1022のマイナス中継出力であり)、装飾駆動基板860のコネクタCN1の19番ピン及び20番ピンは−SPK−Lの入力である(Lスピーカ1022のマイナス入力である)。
[周辺中継基板123と低音スピーカ221とのコネクタ接続]
図23に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3は低音スピーカ221と接続される。周辺中継基板123のコネクタCN3は4ピンで構成されている。図28に示すように、周辺中継基板123のコネクタCN3の1番ピンは+SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の2番ピンは−SPK−W1であり(低音スピーカ221のウーハW1用のマイナス出力であり)、同コネクタCN3の3番ピンは+SPK−W2であり(低音スピーカ221のウーハW2用のプラス出力であり)、同コネクタCN3の4番ピンは−SPK−W2である(低音スピーカ221のウーハW2用のマイナス出力である)。
[周辺制御基板510による制御]
図22に示されているサブ制御ブロックは、図22において点線で区切られている部分及び図23に記載されている周辺中継基板123に接続されている装飾ブロック部分と低音スピーカ221で構成されている。図23の周辺制御基板510の周辺制御MPUは、主制御基板409から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、前述の上パネル照明LED基板595やバックライト基板(第1回胴〜第3回胴)の発光ダイオードを点灯する点灯信号を出力したり、前述の左上装飾基板872に配設された発光体及び左下装飾基板873に配設された発光体で構成された左発光体217A、右上装飾基板874に配設された発光体及び右下装飾基板875に配設された発光体により構成された右発光体217Bを階調点灯する階調点灯信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、前面部材の裏面に配置した、周辺制御基板510と別体に設けた装飾駆動基板860を介して出力したり、上述したトップ装飾基板871に配設された上発光体217Cを点滅する点滅信号(点灯制御する点灯制御用データの一態様)を、装飾駆動基板860を介して出力したりする。
なお、左発光体217A及び右発光体217Bへの点滅信号や上発光体217Cへの階調点灯信号は、前述の周辺制御MPUのシリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期して出力されたシリアルデータS−DATA(点灯制御用データに相当する)と、パラレル入出力ポートから出力されたモード信号S−MODE、ラッチ信号S−LATCH及びセレクト信号SEL0,SEL1と、に基づいて、扉装飾駆動基板860が左発光体217A、右発光体217B及び上発光体217Cに出力するようになっている。
周辺制御基板510の音源ICは、周辺制御MPUから出力された制御信号に基づいて音ROMから音情報を読み込み、周辺中継基板123を中継して接続された低音スピーカ221と、扉装飾駆動基板860を介して扉型前面部材200のLスピーカ1022,Rスピーカ1021とから各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。
[装飾駆動基板860]
次に、装飾駆動基板860について説明する。図29は装飾駆動基板の簡易的な回路図である。装飾駆動基板860は、図29に示すように、セレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cを備えて構成されており、ここでは、まず装飾駆動基板860に入力される各種信号について説明し、続けてセレクト回路860a、スイッチ回路860b、駆動回路860cについて説明する。なお、図29では、セレクト回路860a等に供給される制御電圧である直流+5ボルト(V)や左発光体217A等に供給される駆動電圧である直流+12Vの図示を省略した。
[装飾駆動基板860に入力される各種信号]
装飾駆動基板860は、図29に示すように、周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)からクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAが入力されている。クロック信号S−CLKは、本実施形態では1秒(s)あたり250kb(キロビット)の情報が出力できるように設定されている。
シリアルデータS−DATAは、データの形式の異なる、左発光体217A及び右発光体217Bを階調点灯する階調点灯データと、上発光体217Cを点滅する点滅データとが含まれている。ここで階調点灯データは、階調データ及び点灯データから構成されている。なお、これらの点滅データ及び階調点灯データは、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして別々に複数記憶されており、周辺制御MPUが必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、装飾駆動基板860に出力するようになっている。
装飾駆動基板860には、クロック信号S−CLK、シリアルデータS−DATAのほかに、周辺制御MPU(パラレル入出力ポート)からセレクト信号SEL0,SEL1、モード信号S−MODE及びラッチ信号S−LATCHが入力されている。セレクト信号SEL0,SEL1は、周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力されているシリアルデータS−DATAが点滅データであるか階調点灯データであるかをスイッチ回路860bに伝える信号であり、モード信号S−MODEは、階調点灯データが階調データであるか点灯データであるかを駆動回路860cに伝える信号であり、ラッチ信号S−LATCHは、駆動回路860cが取り込んだシリアルデータS−DATAに基づいて、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたり、上発光体217Cに点滅信号を出力開始する旨を、スイッチ回路860bを介して駆動回路860cに伝えたりする信号である。
[セレクト回路860a]
セレクト回路860aは、図29に示すように、インバータIC1A,IC1B(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC14)、論理積IC2A,IC3A(本実施形態では、東京芝浦電気製:TC74HC08)を備えて構成されている。
インバータIC1A,IC1Bの各々は、8つの反転回路を備えており、その2つ(IC1A,IC1B)にセレクト信号SEL0,SEL1がそれぞれ入力されている。論理積IC2A,IC3Aは、4つの論理積回路を備えている(なお、後述のIC2B〜IC2D、IC3B〜IC3Dも同様)。インバータIC1Aの入力端子1に入力されたセレクト信号SEL0は、入力された論理を反転して出力端子2から反転セレクト信号SEL0′として出力され、論理積IC2Aの入力端子2に入力されている。論理積IC2Aの入力端子1にはセレクト信号SEL1が入力されており、論理積IC2Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
インバータIC1Bの入力端子3に入力されたセレクト信号SEL1は、入力された論理を反転して出力端子4から反転セレクト信号SEL1′として出力され、論理積IC3Aの入力端子2に入力されている。論理積IC3Aの入力端子1にはセレクト信号SEL0が入力されており、論理積IC3Aは論理積回路であるため、入力端子1,2の論理積をとってその演算結果が出力端子3からスイッチ回路860bに出力される。
[スイッチ回路860b]
セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されるスイッチ回路860bは、図29に示すように、論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dを備えて構成されている。論理積IC2B,IC3Bの入力端子4にはシリアルデータS−DATAが入力され、論理積IC2B,IC3Bの入力端子5にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2B,IC3Bは論理積回路であるため、入力端子4,5の論理積をとってその演算結果が出力端子6から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、シリアルデータS−DATAを、論理積IC2Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Bの出力端子6から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを駆動回路860cに出力することがなくなる(意図しないシリアルデータS−DATAが駆動回路860cに出力されることを防止する)。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2C,IC3Cの入力端子9にはクロック信号S−CLKが入力され、論理積IC2C,IC3Cの入力端子10にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2C,IC3Cは論理積回路であるため、入力端子9,10の論理積をとってその演算結果が出力端子8から駆動回路800cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか又は論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路860cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、クロック信号S−CLKを、論理積IC2Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せず、かつ論理積IC3Cの出力端子8から駆動回路800cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたクロック信号S−CLKを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はクロック信号S−CLKのノイズ対策としての役割も担っている。
論理積IC2D,IC3Dの入力端子12にはラッチ信号S−LATCHが入力され、論理積IC2D,IC3Dの入力端子13にはセレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果が入力されている。論理積IC2D,IC3Dは論理積回路であるため、入力端子12,13の論理積をとってその演算結果が出力端子11から駆動回路860cに出力される。
このように、セレクト回路860aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2Aの出力がHIであるときはIC3Aの出力がLOW、IC3Aの出力がHIであるときはIC2Aの出力がLOW)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか又は論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路800cに出力するか、を切り替えている。
なお、周辺制御基板510と装飾駆動基板860との基板間を電気的に接続する図示しないハーネスにノイズが侵入してセレクタ信号SEL0,SEL1が同論理になると、セレクト回路800aの論理積IC2A,IC3Aによる演算結果によって(IC2A,IC3Aの出力が共にLOWであることによって)、ラッチ信号S−LATCHを、論理積IC2Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せず、かつ論理積IC3Dの出力端子11から駆動回路860cに出力せずになる。これにより、ノイズの影響を受けたラッチ信号S−LATCHを駆動回路860cに出力することがなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はラッチ信号S−LATCHのノイズ対策としての役割も担っている。
[駆動回路860c]
スイッチ回路860bの論理積IC2B〜IC2D,IC3B〜IC3Dによる演算結果が入力される駆動回路860cは、図29に示すように、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6を備えて構成されている。
[点滅制御IC4]
点滅制御IC4は、本実施形態では、東京芝浦電気製のTB62709を用いている。このTB62709は、定電流ドライバであり、発光ダイオード等を直接駆動することができる。点滅制御IC4のDATA−IN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、点滅制御IC4のCLOCK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、点滅制御IC4のLOAD端子には、スイッチ回路860bの論理積IC3Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。なお、点滅制御IC4で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、点滅データとなるようになっている。
このように、点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATA(点滅データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(点滅データ)に基づいて、OUT−a端子〜OUT−g端子から上発光体217Cに点滅信号を出力する。この点滅信号は定電流であり、この定電流が上発光体217Cに流れて上発光体217Cが点灯又は点滅する。
[左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6]
左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、本実施形態では、テキサス・インスツルメント(TI)製のTLC5922を用いている。このTLC5922には16チャンネルの出力があり、各出力チャンネルは個別のON/OFF制御に加え、チャンネルごとに、0〜80ミリアンペア(mA)の範囲でプログラム可能な定電流を流すことができる(これらの設定はMODE信号に基づいて行われる)。また、1個の外付け抵抗(図示しない)により最大出力電流を設定し、この最大出力電流に対して、0〜127の128段階で出力電流を、チャンネルごとに出力することができる。
左側用階調制御IC5のSIN端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Bの演算結果、つまりシリアルデータS−DATAが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のSCLK端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Cの演算結果、つまりクロック信号S−CLKが入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のXLAT端子には、スイッチ回路860bの論理積IC2Dの演算結果、つまりラッチ信号S−LATCHが入力されている。また、左側用階調制御IC5のSOUT端子と右側用階調制御IC6のSIN端子とが電気的に接続されており、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6がデイジーチェーン接続されている。これにより、左側用階調制御IC5のSIN端子に入力されたシリアルデータS−DATAはSOUT端子から右側用階調制御IC6のSIN端子に入力され、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6はシリアルデータS−DATAを取り込むことができる。左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6のMODE端子には、モード信号S−MODEが入力されている。なお、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6で取り込まれるシリアルデータS−DATAは、その詳細な説明は後述するが、セレクト信号SEL0,SEL1の論理を制御し、階調データ及び点灯データから構成された階調点灯データとなるようになっている。
このように、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATA(階調点灯データ)を取り込み、ラッチ信号S−LATCHが入力されると、これを契機として取り込んだシリアルデータS−DATA(階調点灯データ)に基づいて、左側用階調制御IC5はそのOUT0端子〜OUT15端子から左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6はそのOUT0端子〜OUT15端子から右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。この階調点灯信号は、設定された階調データに基づいて最大出力電流に対して0〜127段階の電流が左発光体217A及び右発光体217Bに流れて左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
[点滅データ及び階調点灯データの出力シーケンス]
次に、上述した周辺制御基板510の周辺制御MPU(シリアル入出力ポート)から出力するシリアルデータS−DATAの出力シーケンスについて説明する。このシリアルデータS−DATAは、上述したように、点滅データ及び階調データにより構成されており、周辺制御基板510の周辺制御ROMに予めテーブルとして複数記憶されている。周辺制御MPUは、必要に応じてそれらのテーブルを参照して1つのシリアルデータS−DATAとして作成し、装飾駆動基板860に出力する。
図30はシリアルデータの出力シーケンスの一例を示すタイミングチャートである。周辺制御基板510の周辺制御MPUは、図30に示すように、パラレル入出ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIにして出力するとともに、セレクト信号SEL1の論理をLOWにして出力する(タイミングT0)。セレクト信号SEL0の論理をHI、セレクト信号SEL1の論理をLOWにすることでシリアルデータS−DATAが点滅データであることを装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT0の後、点滅データの出力シーケンスを開始し(タイミングT1)、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである点滅データを装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図29に示した、装飾駆動基板860の点滅制御IC4が点滅データを取り込む。その後、シリアル入出力ポートから点滅データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力することによって、点滅制御IC4は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力し、上発光体217Cが点灯又は点滅する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をLOWからHIにして出力する(タイミングT2)。これにより、点滅データの出力シーケンスが完了する。
タイミングT2の後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL0の論理をHIからLOWにして出力し、階調点灯データの出力シーケンスを開始する(タイミングT3)。セレクト信号SEL0の論理をLOW、セレクト信号SEL1の論理をHIにすることでシリアルデータS−DATが階調データであることを装飾駆動基板860に伝えている。
タイミングT3の後、シリアル入出力ポートからクロック信号S−CLKと同期してシリアルデータS−DATAである階調データを装飾駆動基板860に1ビットずつ出力するとともにパラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWにして出力することによって、図29に示した装飾駆動基板860の左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6が階調点灯データを取り込む。このとき、モード信号S−MODEの論理がHIとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち階調データを取り込む。
シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち階調データをすべて出力すると、図示しないが、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCHの論理をLOWからHIにして出力し、その後、ラッチ信号S−LATCHの論理をHIからLOWにして出力する。そしてパラレル入出力ポートからモード信号S−MODEの論理をHIからLOWにする。このとき、モード信号S−MODEの論理がLOWとなっているため、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調点灯データのうち点灯データを取り込む。シリアル入出力ポートから階調点灯データのうち点灯データをすべて出力すると、パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をLOWからHIにすることによって、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は、ラッチ信号S−LATCHを契機として取り込んだ階調データに基づいて、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bが点灯又は階調点灯する。
パラレル入出力ポートからラッチ信号S−LATCH及びモード信号S−MODEの論理をHIにして出力した後、パラレル入出力ポートからセレクト信号SEL1の論理をHIからLOWにして出力する(タイミングT4)。これにより、階調点灯データの出力シーケンスが完了する。
以上説明した本実施形態のスロットマシン1は、周辺制御基板510、装飾駆動基板860を備えている。周辺制御基板510は、シリアル入出力ポート及びパラレル入出力ポートが内蔵されたマイクロプロセッサである周辺制御MPUを実装する。装飾駆動基板860は、周辺制御基板510と別体に設けられており、周辺制御MPUのシリアル入出力ポートから出力されたシリアルデータS−DATAに基づいて、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左発光体217A及び右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
装飾駆動基板860は、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5、右側用階調制御IC6、セレクト回路860aを備えている。点滅制御IC4は、シリアルデータS−DATAの点滅データを取り込み、かつ、上発光体217Cに点滅信号を出力する。左側用階調制御IC5は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、左発光体217Aに階調点灯信号を出力する。右側用階調制御IC6は、シリアルデータS−DATAの階調点灯データを取り込み、右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから出力されたセレクト信号SEL0,SEL1に基づいて、シリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替える。
シリアルデータS−DATAは、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データとから構成されており、点滅データと階調点灯データとの形式が異なっている。
このように、シリアルデータS−DATAは、データの形式が異なる、点滅制御IC4の点滅データと、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6の階調点灯データと、から構成されており、セレクト回路860aが、そのシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4に出力するか、又は左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力するか、を切り替えている。したがって、取り込むシリアルデータS−DATAの形式が異なる、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6を備えても、1つのシリアルデータS−DATAとして取り扱うことができる。
点滅制御IC4は、点滅データを取り込み、上発光体217Cに点滅信号を出力し、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は階調データ及び点灯データから構成された階調データを取り込み、左側用階調制御IC5は左発光体217Aに階調点灯信号を出力し、右側用階調制御IC6は右発光体217Bに階調点灯信号を出力する。
シリアルデータS−DATAは、形式の異なる、点滅データ及び階調点灯データから構成されており、セレクト回路860aは、周辺制御MPUのパラレル入出力ポートから2本のセレクト信号SEL0,SEL1が入力されており、セレクト信号SEL0の論理がHIであり、かつ、セレクト信号SEL1の論理がLOWであるときには点滅データを点滅制御IC4に出力する一方、セレクト信号SEL0の論理がLOWであり、かつ、セレクト信号SEL1がHIであるときには階調点灯データを、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力する。
こうすれば、1つのシリアルデータS−DATAで、点滅制御IC4に点滅データ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に階調点灯データを、セレクト回路860aに入力された、セレクト信号SEL0,SEL1によって出力することができる。これにより、点滅制御IC4は取り込んだ点滅データに基づいて上発光体217Cに点滅信号を出力することができ、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6は取り込んだ階調点灯データに基づいて、左側用階調制御IC5が左発光体217Aに階調点灯信号を出力することができ、右側用階調制御IC6が右発光体217Bに階調点灯信号を出力することができる。
更に、セレクト回路860aに入力されるセレクト信号SEL0,SEL1の論理が共にHI又はLOWであるとき、つまり同論理であるときには、スイッチ回路860bによる点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6へのシリアルデータS−DATA、クロック信号S−CLK及びラッチ信号S−LATCHの出力は行われない。セレクト信号SEL0,SEL1にノイズが侵入すると、その論理が同一(同論理)になる性質がある。この性質を利用して、セレクト回路860aに入力されたセレクト信号SEL0,SEL1の論理が同論理になると、スイッチ回路860bが、ノイズの影響を受けたシリアルデータS−DATAを、点滅制御IC4、左側用階調制御IC5及び右側用階調制御IC6に出力しなくなる。このように、セレクト信号SEL0,SEL1はシリアルデータS−DATAのノイズ対策としての役割も担っている。
周辺制御基板510のマイクロプロセッサ(周辺制御MPU)のシリアル出力ポートから点灯制御用データをシリアルデータで出力し、装飾駆動基板860の駆動回路860cへシリアル通信により送信する構成としたので、周辺中継基板123から装飾駆動基板860に至るまでのハーネスの本数を減らすことができる(点灯制御用データを伝達するに要する信号線をS−DATAの1つとすることができる結果)。
以上、スロットマシン1の内部構成例を説明した。かかる構成を有するスロットマシン1によるゲームは、遊技者がメダルの掛け数を決定した状態で始動レバー210を操作する、または始動センサ210aに検出される動作を行うと、各リール301a,301b,301cが回転する。この後、遊技者がリール停止ボタン211a,211b,211cを操作する、またはリール停止センサ212a,212b,212cが遊技者の動作を検出すると、対応する各リール301a,301b,301cが停止制御される。そして、全てのリール301a,301b,301cが停止すると、後述する有効ライン上での図柄の組み合わせ態様からゲーム結果を判断し、必要に応じて該当する当選役に対応する規定数のメダルが付与される。
以下では、上記のスロットマシン1によって行なわれるゲームの遊技性を、より特徴的に具現化するための構造および制御について、より詳細に説明する。
[各リールの図柄、図柄列]
各リール301a,301b,301cには、複数種類(この図では、合計9種類のうちいずれか)の図柄が一定間隔に配置されることで構成された図柄列(配列番号1番から14番までで示した合計14個の図柄)が表記された各リール帯(図柄帯)351a,351b,351cが付されている。図31では、各リール301a,301b,301cに付されたそれぞれのリール帯351a,351b,351cに表記された図柄列を平面的に展開した状態を示す。なお、図柄列中に配置された図柄を識別するために上記配列番号を便宜的に記している。
そして、各リール301a,301b,301cは、各々の図柄列中に配置された図柄のうち、連続する所定数(例えば、3つ)の図柄が開口部591a(図柄表示窓ともいう、以下では図柄表591aとして統一する)を介して視認可能となるように配置されている(次に説明する図32参照)。
また、図柄の種類には、図31に示すように、「赤7」図柄(以下では赤7図柄といい、リール帯351a,351b,351cそれぞれの配列番号3番の3つが該当する)、「青7」図柄(以下では青7図柄といい、リール帯351c配列番号6番が該当する)および「白7」図柄(以下では白7図柄といい、リール帯351cの配列番号9番が該当する)があり、これらは他の図柄に比べて大きい。また、「赤7」図柄は内側が赤で塗りつぶされており、「青7」図柄は内側が青で塗りつぶされており、「白7」は内側が白で塗りつぶされている。このように、赤7図柄、青7図柄および白7図柄を他の図柄に比べて大きく且つ比較的目立ちやすい色が施されていることから、他の図柄に比べて視認しやすくなっている。
また、「アヤメ」を形どった図柄(以下ではアヤメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号1番等)、「キリ」を形どった図柄(以下ではキリ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号2番等)、「ヤナギ」を形どった図柄(以下ではヤナギ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号5番等)、「ウメ」を形どった図柄(以下ではウメ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号6番等)、「モミジ」を形どった図柄(以下ではモミジ図柄といい、例えば、リール帯351aの配列番号11番等)、「マツ」を形どった図柄(以下ではマツ図柄といい、例えば、リール帯351bの配列番号2番等)、「キク」を形どった図柄(以下ではキク図柄といい、例えば、リール帯351cの配列番号2番等)、
以上のように各リール帯351a,351b,351cに表記される図柄の種類は合計10種類となっている。そして、リール帯351aには6種類(アヤメ、キリ、赤7、ヤナギ、ウメ、モミジ)、リール帯351bには4種類(キリ、マツ、赤7、ウメ)、リール帯351cには8種類(キリ、キク、赤7、ヤナギ、青7、白7、モミジ、ウメ)の図柄が表記されている。
[有効ライン]
図32は、図柄表示窓591aを中心として、装飾部材591を部分的に拡大したところを示している。図柄表示窓591a及び装飾部材591は、共に上述したリール前側保護部材303fの一部である。図柄表示窓591aからは、各リール301a,301b,301cの図柄列中の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。この図柄が表示されている3つの位置を上から「上段(または上段位置)」、「中段(または中段位置)」、「下段(または下段位置)」という。
上記のことから、図柄表示窓591a内では、「段数×リールの数」個の図柄を表示させることが可能である。本実施形態のスロットマシン1では「段数(3)×リールの数(3)」より、図柄表示窓591a内には最大で9個の図柄を表示させることができる。
装飾部材591(表示パネルともいう、以下では表示パネル591として統一する)における右側部分(図柄表示窓591aから見て右側)には、各種のランプが備えられており、そのうち、「BET1」,「BET2」,「BET3」と記されているのがBETランプ(ベットランプ)614である。BETランプの数字(上記の「BET1」,「BET2」,「BET3」の1,2,3の数字)はそれぞれベット数(掛け数のこと、掛けたメダルの枚数に応じた数のこと)に対応している。すなわち、「1」は1ベット(掛けたメダルの枚数は1枚)、「2」は2ベット(掛けたメダルの枚数は2枚)、「3」は3ベット(MAXベットともいう、掛けたメダルの枚数は3枚)に対応している。なお、本実施例のスロットマシン1は、MAXベットのみの構成を採用している。
そして、ベット数に応じて有効となる並び(直線型)が、予め決められている。この「有効となる並び」は有効ラインとも呼ばれる。以下では有効ラインと統一する。後述する所定の当選役に対応する図柄の組み合わせは、一つの有効ライン上に並んで表示されてはじめて当該当選役に対応する図柄の組み合わせ態様として表示されたと判断されるものである。すなわち、所定の当選役に対応する図柄を構成する各図柄が図柄表示窓591a内に個々に表示されたとしても、それぞれの図柄が一つの有効ライン上に並んでいなければ、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたとは判断されないことになる。なお、このような場合は、バラバラな図柄の組み合わせ態様が表示されたと判断される。
次に、ベット数に対応する有効ライン、および、有効ラインの数についての一般的事項を説明する。1ベットに対応する有効ラインは、各リールの中段位置を繋いだ「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)のみである。これを「1BETライン」という。
2ベットでは、前述の1BETラインのほかに、各リールの上段位置を繋いだ「上段−上段−上段」となる並びの有効ライン622a(上段ライン622a)、および、各リールの下段位置を繋いだ「下段−下段−下段」となる並びの有効ライン622b(下段ライン622b)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この上段ラインと下段ラインの2つの有効ラインのことをまとめて「2BETライン」という。従って、2ベットの場合は合計で3つ有効ラインがあることになる。
3ベットでは、前述の1BETライン、2BETラインのほかに、左リールの上段位置及び中リールの中段位置及び右リールの下段位置を繋いだ「上段−中段−下段」となる右下がりの並びの有効ライン623b(右下がりライン623b)、および、左リールの下段位置及び中リールの中段位置及び右リールの上段位置を繋いだ「下段−中段−上段」となる右上がりの並びの有効ライン623a(右上がりライン623a)、の2つの有効ラインが新たに加えられる。この右上がりラインと右下がりラインの2つの有効ラインのことをまとめて「3BETライン」という。従って、3ベットの場合は合計で5つ有効ラインがあることになる。
上記は一般的なスロットマシンに代表される回胴式遊技機の有効ラインについての説明であるが、有効ラインは上記のような直線型の並びに限られることはない。さらに、上記のようにベット数が増えるごとに対応する有効ラインを増やす態様に限られない。なお、本実施形態のスロットマシン1では3枚を投入することによって初めて遊技を実行することが可能であり、その場合の有効ラインは、「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン621(中段ライン621)である。
[遊技状態表示部]
その他、表示パネル591には、スロットマシン1の遊技状態に合わせて点灯(あるいは点滅)可能なランプ及びLED類などの表示器が設けられている。そして、これらの表示器が配置された領域が、遊技者がスロットマシン1に関する各種状態を把握するための遊技状態表示部を構成する。なお、遊技状態表示部における各種表示器の点灯(あるいは点滅)制御は、先述の遊技状態表示基板450によって実行される。
遊技状態表示部には、図32における上側から、「ERR」という文字の描かれたエラーランプ604および「OFF」という文字の描かれた打止めランプ605、上記BETランプ614のすぐ下に位置して「REP」という文字の描かれたリプレイランプ606、「STR」という文字の描かれたスタートランプ608、「INS」という文字の描かれたメダルINランプ610、及び2つの横並びの7セグメントLEDを備えた払出枚数表示LED612がそれぞれ備えられている。なお、これらの他に後述するボーナスゲームの当選を告知するボーナス告知ランプや、ボーナスゲームなどでのメダルの累計払い出し枚数を表示したり、ボーナスゲームをカウントしたりする7セグメントLED等を別途設けてもよい。
エラーランプ604は、スロットマシン1の遊技中に何かトラブル、故障等が生じた場合に点灯(あるいは点滅)を開始し、現在トラブル等が生じていることを遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
打止めランプ605は、先述の打止めスイッチがONにセットされており、ボーナスゲームが終了した後にメダルを受け付けない打止め状態となったときに、その打止め状態の発生を遊技者等(ホールの係員なども含む)に知らせる役割を持っている。
リプレイランプ606は、ゲーム結果がリプレイ(後述する)となった場合に、再遊技(新たにメダルを掛けずにもう一度遊技ができること)ができることを遊技者に知らせる役割を持っている。
スタートランプ608は、ベット数がMAXベットに達すると点灯(あるいは点滅)を開始し、遊技者に始動レバー210の操作または始動センサ210aに検出される動作を促す役割を持っている。
メダルINランプ610は、ベット数が最大(MAXベット)になるまで点灯(あるいは点滅)を続けることにより、遊技者にベットを促す役割を持っている。
払出枚数表示LED612は、ゲーム結果に伴うメダルの払い出しがある場合に、その払い出し数(払出されるメダルの枚数)を表示することにより、遊技者にメダルの払出枚数を知らせる役割を持っている。
[当選役と図柄の組み合わせ]
ここで、スロットマシン1の当選役(入賞役と呼ばれるものを含む)と、それに対応する図柄の組み合わせについて、図33を用いて具体的に説明をする。図33は、スロットマシン1の各当選役と対応する図柄の組み合わせ及びその特典(払い出し枚数等、以下では遊技特典という)を示したものである。なお、この図33の図柄組み合わせと払出枚数は、遊技者に向けた配当表(各当選役の遊技特典の簡単な説明を表記したもの)として表示パネル591等に表記するものとしてもよい。
前述したとおり、各リール301a,301b,301cには、それぞれリール帯351a,351b,351cが付されている。リール帯ごとに図柄の順番や図柄の種類等はそれぞれ異なった順番になっており、例えば、複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されることの無いものとなっている。なお、図柄表示窓591a内に複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して表示されなければ、いくつかのリール帯の図柄の順番や図柄の種類が同じであってもよい。
そして、全てのリール301a,301b,301cを停止させた際に図柄表示窓591a内に表示される表示内容(図柄の組み合わせ態様)から所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されたか否かが判断される。具体的には、図柄表示窓591a内で前述の有効ラインのいずれか1つのラインに所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか否かが判断される。本実施形態のスロットマシン1では有効ラインは1つ(1のライン)である(複数の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が重複して図柄表示窓591a内に表示されない)。
以下では、所定の当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に表示されることを、(所定の)当選役に対応する図柄(これを当選役図柄という)の組み合わせが揃う、あるいは、当選役図柄が揃うと称する。
スロットマシン1の図柄には、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」があることは既に述べたとおりであるが、このうち、「赤7図柄」、「青7図柄」および「白7図柄」は、他の図柄に比べて目立ち易く、識別しやすい図柄となっている。ここでいう識別のし易さとは、リールの回転中や、リールの停止した状態を含めて遊技者が容易に図柄を識別することができる度合いの高さのことをいう。このうち、「赤7図柄」は、各リール301a,301b,301cに1つしかなく、加えて色彩も赤と他の図柄に比べて視認しやすい。また「青7図柄」および「白7図柄」は右リール301cのみにしかなく、しかもその数は各1つである。また、加えて色彩も青または白であることから、他の図柄に比べて視認しやすいものである。これらの図柄はリールの回転中もその色彩や図柄の大きさから、遊技者が目標の図柄にすることが容易である。
また、「アヤメ図柄」、「キリ図柄」、「ヤナギ図柄」、「モミジ図柄」、「ウメ図柄」、「マツ図柄」、「キク図柄」(つまり、ボーナス図柄の一部となっていない図柄)は、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」と比べると、図柄は目立たない色合いで構成されている。これは「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」をこれらの図柄よりも目立たせることにより、「赤7図柄」、「青7図柄」、「白7図柄」を目押ししやすくしている。
ボーナス図柄を揃えるためには、必ず目押しを必要とするが、ボーナス図柄を上記のようにすることにより、遊技の技量の低い遊技者(初心者)であっても極力目押しのしやすい仕様となっている。
また、これらの図柄はそれだけでは象徴的な図柄に過ぎないものであるが、所定の組み合わせとなることにより当選役に対応する図柄の組み合わせとなるものである。以下、図65に示された各当選役に対応する所定の図柄の組み合わせ態様について説明する。
[ビッグボーナス(BB)]
図33に示すように、BBと示されている当選役が、ビッグボーナス(以下ではBBと呼称する)である。このBBには、対応する図柄(BB図柄)の組み合わせ態様として「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が予め決められている。つまり、BBに当選し、全て「赤7図柄」からなる図柄の組み合わせが「中段−中段−中段」となる並びの1つの有効ライン上に揃うと、BB図柄が揃ったということになる。なお、BBに当選するとは、内部的にBBのフラグが成立し、有効ライン上にBB図柄が揃ったことを意味し、このことを「BBの条件装置が作動した」と称する場合もある。
BB図柄が揃うと、ビッグボーナスゲーム(以下、BBゲームという)という遊技特典が付与される。このBBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、規定枚数のメダル(例えば、400枚)を賞として払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、BBゲームは終了となる。
また、このスロットマシン1では、BB図柄が揃った際(BB図柄が揃った当該ゲーム)には、メダルは付与されない。つまり、BB図柄が揃うことはBBゲームへ移行する契機としての役割を果たすことになる。また、BB図柄は各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図31参照)、BB図柄を図柄表示窓591a内に正確に狙って(後述する引き込む制御可能な範囲で)停止操作(リール停止ボタン211a,211b,211cを押す操作)を行わないと、BB図柄を揃えることができない。このように目的の図柄(この例ではBB図柄)を狙って停止操作を行うこと、即ち「目押し」は、スロットマシン1に代表される回胴式遊技機における技量(または技術、遊技者が意図して行う必要がある操作)の一つである。
さらに、BBゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているアールテイ状態(リプレイタイム)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
〔レギュラーボーナス(RB)〕
次に、RBと示されている当選役には、RB1、RB2があり、これらはレギュラーボーナス(以下ではRB)と称される。RB1またはRB2に当選すると、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」(後述するRB1)または「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」(後述するRB2)の図柄の組合せ態様が有効ライン上に揃う。RB1に当選するとは、内部的にRB1のフラグが成立し、たことを意味し、有効ライン上にRB1の図柄が揃ったことを意味し、このことを「RB1の条件装置が作動した」と称する場合もある(RB2についても同様)。
なお、RBゲームは、「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」に入賞した場合にはRB1とし、「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」に入賞した場合にはRB2というように記載を異ならせているが、以下では、単に「RB」と称するときは、RB1およびRB2の両方を指すものとする。
RB1図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB1ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB1ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB1ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB1ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB1ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB1ゲームを終了させるものであってもよい。
RB1図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB1ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB1図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図31参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RB1ゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているリプレイタイム(RT)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
RB2図柄が揃うと、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB2ゲームという)という遊技特典が付与される。このRBゲームは、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われ、BBゲームが実行される場合よりも少ない規定枚数のメダル(例えば、120枚)を払い出すまで継続して実行される。払い出されたメダルが規定枚数分に到達すると(あるいは規定枚数を超えた場合としてもよい)、RB2ゲームは終了となる。なお、規定のゲーム回数だけ(例えば8回)継続させて、この規定のゲーム回数に到達すると、RB2ゲームを終了させるものとしてもよいし、あるいは、規定枚数分に到達するか、規定のゲーム回数に到達するか、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。また、RB2ゲームが規定のゲーム回数(例えば12回)に到達するか、当該RB2ゲーム期間中に規定の入賞回数に到達するか(例えば、何れかの当選役に8回当選する等)、のいずれかの条件が満たされた場合にRB2ゲームを終了させるものであってもよい。
RB2図柄が揃った場合も当該ゲームではメダルの付与はされず、RB2ゲームへ移行する契機としての役割のみとなっている。また、RB2図柄を構成する各図柄(赤7図柄、白7図柄、青7図柄)も、BB図柄の場合と同様、各リール301a,301b,301cにそれぞれ1つずつしか配置されていないため(図31参照)、目押しが必要な図柄となる。
さらに、RB2ゲームが終了すると、その後は通常ゲーム状態となるのではなく、後述する制御により特殊状態に移行する。特殊状態とは、リプレイの当選確率が通常ゲーム状態よりも高く制御されているリプレイタイム(RT)を意味する。RTゲームについての詳細は後述する。
このように、スロットマシン1ではBBゲーム、RB1ゲーム、RB2ゲームという3つのボーナスゲームにより遊技者がメダルを集中して獲得できる機会が設けられている。ただし、遊技者が大量のメダルを獲得することが可能なものはBBゲームだけである。また、スロットマシン1では、1回のゲームで払い出されるメダルの最大枚数(例えば、15枚)が予め決められており、1回のゲーム結果として払い出されるメダルの枚数はこの最大枚数を超えないものとなっている。このことから、RBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数は、1回のゲームで獲得可能な最大枚数(15枚)に比べれば多いものの、BBゲームが開始してから終了するまでの間に獲得可能なメダルの枚数に比べると相当に少なくなっている(約1/4程度)。
〔リプレイタイム(RT)〕
スロットマシン1では、所定条件が成立したことに応じてRT(リプレイタイム)ゲームが開始される。ここで、RTゲームとは、リプレイの当選確率を通常ゲームに比べて当選しやすくした状態を、所定のゲーム回数(ゲーム期間)にわたって継続させるものである。言い換えると、リプレイタイムでは、内部抽選において主としてリプレイ(再遊技役)に当選する状態のことをいい、通常遊技状態における内部抽選においては、主としてハズレに当選する確率が高いのに対し、リプレイタイムにおける内部抽選では、リプレイに当選する確率が50パーセント以上であることが好ましい。本実施形態のスロットマシン1には、RTゲームとしてリプレイ等の当選確率がそれぞれ異なる第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム、第5RTゲームおよび第6RTゲームの計6つのRTゲームを有している。これら6種のRTゲームの開始条件および終了条件はそれぞれ異なっている(図示しない)。
また、本実施形態におけるRTゲームは、第1RTゲーム〜第6RTゲームのうちいずれかのRTゲームのことである。
〔第1RTゲーム〕
第1RTゲームの開始条件は、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲームの作動中に、第1RTゲームの開始条件である再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」リプレイ図柄については後述する)に当選したとき、または通常遊技中のRTゲーム未作動時である。また、第1RTゲームの終了条件は、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBのフラグが成立したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBのフラグが成立したとき)、または3Gを消化したときである。
〔第2RTゲーム〕
第2RTゲームは、BBボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、BBゲームの終了が第2RTゲームの開始条件となっている。それに対して第2RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイ(再遊技0)に入賞した場合にも第2RTゲームは終了する。
上記第2RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第2RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすと同時に、第2RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第2RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えると、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第2RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第2RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、BBゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、BBゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第2RTゲームは、通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出(一般的にARTと称されるゲーム)が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第3RTゲーム〕
第3RTゲームは、RB1ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えると、RB1ゲームの終了が第3RTゲームの開始条件となっている。また、第3RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイ(再遊技0)に当選した場合にも第3RTゲームは終了する。
なお、上記の第3RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第3RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすすと同時に、第3RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第3RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えると、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第3RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第3RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、RB1ゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、RB1ゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第3RTゲームは通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第4RTゲーム〕
上記第4RTゲームは、RB2ボーナスゲームが終了すると必ず付与される遊技特典である。言い換えれば、RB1ゲームの終了が第4RTゲームの開始条件となっている。また、第4RTゲームの終了条件は、上記第1RTゲームの開始条件が成立したとき(再遊技0に入賞したとき)、後述する第5RTゲームの開始条件が成立したとき(BBの条件装置が作動したとき)、第6RTゲームの開始条件が成立したとき(RBの条件装置が作動したとき)、または5000Gを消化したときである。5000Gに到達するまでに特定のリプレイに当選した場合にも第4RTゲームは終了する。
なお、上記の第4RTゲームの終了条件である5000G消化とは、5000Gを消化するまで第4RTゲームが終了しないということを意味するものではない。詳細は後述するが、5000Gを消化するまでに、遊技者によるリール停止ボタンの停止態様によっては再遊技0に入賞する場合がある。再遊技0に入賞するということは、前述したように第1RTゲームの開始条件を満たすことを意味し、同時に第4RTゲームの終了条件を満たすことを意味する。言い換えると、5000Gを消化する前に、第1RTゲームに突入することによって第4RTゲームが終了することがあり得るということである。
言い換えれば、5000Gを消化するまでは、再遊技0を入賞させない限り、第4RTゲームは継続することとなる。再遊技0に入賞するか否かは、少なくとも最初に停止するリール停止ボタンの停止操作によって決まる(詳細は後述する)ので、遊技者にとっては、再遊技0に入賞するまで、どのリール停止ボタンから停止するかハラハラドキドキしながら遊技を進めることができる。
また、第4RTゲーム中の演出態様は、通常ゲーム中の演出態様(通常態様)であっても、通常態様とは異なる特別な演出態様であってもよい。例えば、RB2ゲーム終了後の態様が通常状態と同じ演出態様であった場合などが挙げられるが、この場合遊技者にとっては、演出態様が通常状態と同じであるにも拘らず、所定のゲーム回数にわたり遊技者に有利な状態が継続するので、RB2ゲーム終了後に即、遊技を終了しにくく、稼働率が向上する。
第4RTゲームは通常態様よりも有利な遊技態様であるものの、後述する特典演出が行われている状態とは異なる遊技態様である場合には、いつ、再遊技0を入賞させてしまうか遊技者が予測することは困難である。したがって、遊技者にとって有利な状態が数ゲームの間継続したとしても、ボーナスゲームのように一定量のメダルを一時に獲得するわけではないため、ホールにとっても過剰な損失とはならない。これにより、遊技者とホールとの均衡を図ることが可能となる。
〔第5RTゲーム〕
第5RTゲームの開始条件は、BBゲームの条件装置が作動(BBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部的にBBに当選した場合に第5RTゲームに突入する。これに対して第5RTゲームの終了条件は、BBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、BBに対応する図柄(BB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第5RTゲームは終了する。
〔第6RTゲーム〕
第6RTゲームの開始条件は、RBゲームの条件装置が作動(RBのフラグが成立)したときである。言い換えると、第1RTゲーム、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部的にRBに当選した場合に第6RTゲームに突入する。これに対して第6RTゲームの終了条件は、RBが作動したときである。言い換えると、遊技者の目押し操作によって、RBに対応する図柄(RB図柄)である「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」が、有効ラインである「中段−中段−中段」に揃えられたときに、第6RTゲームは終了する。
ここで、上記各種RTゲームのうち、第2RTゲーム、第3RTゲームもしくは第4RTゲームの状態において、第1RTゲームの開始条件である再遊技0が「単独で当選する」確率は0である。言い換えれば、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム中は、常に再遊技0は再遊技1〜6と重複して当選する。なぜならば、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、第5RTゲームもしくは第6RTゲームの開始条件が成立(つまり、BBかRBのフラグが成立)したとき、または第1RTゲームの開始条件が成立した場合に終了するが、第1RTゲームは、遊技者が、後述するリール停止操作をして再遊技0を入賞させた場合でない限り突入しないので、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、上記第1RTゲームの開始条件が成立しない限り5000Gを消化するまで継続するからである。
なお、上記RTゲームのうち、BB終了後の第2RTゲーム、RB1終了後の第3RTゲーム若しくはRB2終了後の第4RTゲームにおいては、後述する特殊制御により、RTゲーム中に特典演出が行われる場合がある。これは、それぞれのRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)が開始してから5000G消化するまでの間に行わせることができる。そして特典演出中に、遊技者が第1RTゲームの開始条件である再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させた場合には、5000Gを消化するまでもなく、第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲームを終了させ、第1RTゲームが開始させることにより、RTゲームが終了すると同時に特典演出も終了する。
〔リプレイ(再遊技役)〕
図33に示すように、本実施形態には、7種類のリプレイ(再遊技0、再遊技2、再遊技3、再遊技4、再遊技5、再遊技6)を設けており、対応する図柄の組み合わせ態様として再遊技0は「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」、再遊技1は「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技2は「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」、再遊技3は「アヤメ図柄−マツ図柄−モミジ図柄」、再遊技4は「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」、再遊技5は「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」、再遊技6は「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」が予め決められている。
各種リプレイ図柄が揃うと、リプレイゲームという遊技特典が付与される。このリプレイゲームでは、改めてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく(自動的にベットされる)、次回のゲームとして行うゲームを再遊技として実行できる。
ここで、再遊技1〜再遊技6の図柄が揃った場合には、リプレイゲームが行なわれてもその後の遊技状態を変化させることがなく、抽選処理から特典付与までが全て一回のゲームで完結する。一方、再遊技0の図柄が揃ってリプレイゲームが行なわれたのちは、第1RTゲームに移行する(詳細は後述する)。このように、7種類のリプレイ(再遊技0〜再遊技6)は、次回のゲームを再遊技として実行できる点において同様であるものの、その後に第1RTゲームに移行するか否かといった点で存在意義が異なっている。
なお、本明細書において、「当選」は抽選に当選したことを意味し、当該抽選に当選したことを条件に、当該当選役図柄が有効ライン上に揃うこととなる。ただし、上述の「目押し」に失敗すると、たとえ抽選に当選したとしても当該当選役図柄が有効ライン上に揃わない場合がある。
なお、本実施形態では、上記のように当選種別としての「リプレイ」に7種類(再遊技0〜再遊技6)を設けているため、以下では、単に「リプレイ」と称するときは、再遊技0〜再遊技6のすべてを指すものとする。
このように、リプレイ図柄が揃った際にはメダルは付与されず、リプレイゲームといった特典を付与する役割を持たせている。このリプレイゲームの遊技特典の特徴は、メダルの払出しを行わない代わりに次回のゲームで新たにメダルを消費する(ベット操作する)必要がないことである。またリプレイはメダルの払い出しを伴わない当選役であるため、例えばその当選確率を高くすることにより、当選頻度が高くなったとしてもホールにとって不利益となることは非常に少ないといえる。これにより、遊技者が消費するメダルの量(一定時間当たりにつき消費するメダル数)をある程度一定の範囲に保つことが可能となる。つまり、リプレイという当選役を設けることで、ゲーム進行における過剰なメダルの消費を抑える役割を持たせることができる。
ここで、再遊技0図柄が揃った場合には、リプレイゲームを付与するだけでなく、当選役としての再遊技0図柄が揃ったとき(再遊技0に入賞したとき)に、遊技状態が第2RTゲーム〜第4RTゲームであれば、第2RTゲーム〜第4RTゲームを終了させた上で、第1RTゲームに移行する。
なお、第2RTゲーム中、第3RTゲーム中または第4RTゲーム中では、再遊技0は常に遊技1〜6と重複して当選する。また、再遊技0がが単独で当選する可能性があるのは、RTが作動していないとき、第1RTゲーム中、第5RTゲーム中または第6RTゲーム中である。なぜならば、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、第5RTゲームもしくは第6RTゲームの開始条件が成立(つまり、BBかRBのフラグが成立)したとき、または第1RTゲームの開始条件が成立した場合に終了するが、第1RTゲームは、遊技者が、後述するリール停止操作をして再遊技0を入賞させた場合でない限り突入しないので、上記RT(第2RTゲーム、第3RTゲーム若しくは第4RTゲーム)は、上記第1RTゲームの開始条件が成立しない限り5000Gを消化するまで継続するからである。
また、各リール301a,301b,301cにリプレイ図柄をそれぞれ満遍なく配置する(例えば、リプレイ図柄からリプレイ図柄までの間に配置する他の図柄(リプレイ図柄とは異なる種類の図柄のこと)を1個から最大でも4個までにする)ことにより、リプレイ図柄を目押しの必要なく揃えることのできるものとすることができる。
[小役]
図33に示すように、小物1と示されている当選役には、対応する図柄(小物1図柄)の組み合わせ態様として「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」が予め決められている。
小物1図柄が揃うと、規定枚数(例えば、8枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しは当該ゲームが終了したときに行われる。つまり、小物1図柄が揃うと8枚のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物2〜小物10についても、小物1と同様、8枚のメダルが払い出される当選役となっている。
また、小物11と示されている当選役には、対応する図柄(小物11図柄)の組み合わせ態様として「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」が予め決められている。
小物11図柄が揃ったときは、規定枚数(例えば、10枚)のメダルの払い出しが行われる。このときのメダルの払い出しも当該ゲームにて行われる。つまり、小物11図柄が揃うと10のメダルの払出しという遊技特典が付与される。小物11〜小物19についても、小物11と同様、10枚のメダルが払い出される当選役となっている。
このように、小物(小役)はゲームを進めるうえでメダルの増加を期待できたり、メダルの消費を抑えることが期待できたりする当選役であるといえる。ただし、小物に当選する頻度が高くなると、遊技者はゲームを進めていくだけでメダルを増加させることが可能となってしまい(BBやRBに当選しなくともメダルが増加してしまう虞がある)、スロットマシン1のゲーム性が損なわれてしまう。また、遊技者が過度のメダルを獲得することが容易となり、ホールとの利益バランスが崩れるという事態を招いてしまうことも危惧される。これらのことから、小物という当選役には、ゲーム進行の中で遊技者がメダルを大量消費してしまうことを抑える程度の役割を持たせるに留め、リプレイに比べて当選確率を低く抑えている。従って、小物図柄についても、前述のリプレイ図柄と同様、各リール301a,301b,301cに満遍なく配置して目押しの必要なく揃えられるものとしても問題ない。
[ハズレ]
図33に示された当選役のいずれにも該当しない場合は、ハズレとなる。そして、ハズレとなった当該ゲームでは、メダルの付与は行われず、また次回以降のゲームに変化を及ぼすこともない。なお、ハズレは遊技者に当該ゲーム及び次回以降のゲームにおいて何の遊技特典も付与しない当選役であるともいえる。
なお、これらの図柄は上記で説明した図柄や図柄の組み合わせ態様に限定されるものではない。また、上記の図柄に加えて複数種類の図柄を新たに設けることもできる。そして、当選役の種類をさらに増やすことや、あるいは減らすこともできる。さらに、上記で述べた当選役は全てを必ず設けることに限定されるものではなく、適宜必要な種類の当選役を選ぶこととしてもよい。
〔特典演出〕
本実施形態では、RTゲーム中に、内部成立したフラグ(主に小役)に対する図柄等を報知(ナビゲート)する、いわゆる特典演出を実施する特典演出実施手段を搭載している。以下に、本実施形態の特典演出実施手段について説明する。
本実施形態における特典演出実施手段は、、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲームが行われているときにこれらRTゲームの終了(第1RTゲームの開始)となる、いわゆるパンク役が成立する可能性を、後述する方法で遊技者にナビゲートするアールテイ終了抑制演出と、第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、内部抽選にて当選した小役を取りこぼさないようにナビゲートするエーテイ演出と、を特典演出として実施する。
アールテイ終了抑制演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ1021,Rスピーカ1022)から発生される音声によって、内部抽選にて当選した小役を入賞させるべく、リール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順をナビゲートする演出である。遊技者がナビゲートされる内容に従ってリール停止操作を行うことにより、パンク役の成立を回避し、RTゲームを継続させることができる。本実施形態では、第1RTゲームの開始条件である「再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)」がパンク役である。
また、エーテイ演出は、演出表示装置590に表示される演出画像およびスピーカ(Lスピーカ1021,Rスピーカ1022)から発生される音声によって、内部抽選にて当選した小役を取りこぼさないようにナビゲートする演出である。
本実施形態における特典演出は、主制御基板409で行われた内部抽選の結果が「再遊技0」(つまり、第1RTゲームの開始条件となるリプレイ)であったときに、その内部抽選の結果を受けた周辺制御基板510が、当該ゲームで遊技者が再遊技0の図柄(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させないように、リール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順をナビゲートするものである。ナビゲートするか否かについては、周辺制御基板510における抽選によって決定される。
再遊技0の図柄を入賞させないようにするための、上述したリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止操作手順とは、例えば、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきリール停止ボタンが、リール停止ボタン211(211a〜211c)のうちのいずれであるかをナビゲートするもの、スロットマシンに備え付けられたリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止順をナビゲートするもの、ある特定の図柄を「目押し」することによって再遊技0の入賞を回避することができる旨を遊技者にナビゲートするもの等が考えられる。本実施形態の特典演出は、少なくとも最初に遊技者が停止操作すべきボタンを遊技者にナビゲートし、パンク役の入賞を回避させることで特典演出を継続させるものである。以下、本実施形態における特典演出の開始と終了について説明する。
特典演出は、BB終了後またはRB終了後のRTゲーム中に主に行われる。特典演出を行うか否かについての抽選(以下、特典演出抽選と記載する)は、周辺制御基板510で行われる。特典演出抽選では、ボーナス終了後のRTゲーム中に小役などをナビゲートするか否かの抽選を行うほか、何ゲームの間特典演出を継続させるか、いくつの小役ナビゲートを行うか、その抽選結果を遊技者にどのように表示するかについての抽選を行う。
特典演出抽選は、遊技状態が通常ゲーム中またはボーナスゲーム中のいずれにおいても行ってよい。特典演出抽選に当選し、どのボーナス終了後に特典演出を行うか否かについても、周辺制御基板510による抽選で決定してもよい。そうすると、主制御基板409で行われた抽選結果が当たりであっても、ボーナス終了後に必ず特典演出が行われるとは限られず、第2〜第4RTゲームのみが開始するという遊技状態もあり得るということになる。
本実施形態における特典演出は、RTゲーム中、主制御基板409で行われた内部抽選の結果が「再遊技0」(つまり、第1RTゲームの開始条件となるリプレイ)であったとき、その内部抽選の結果を受けた周辺制御基板510が、当該ゲームで遊技者が再遊技0の図柄(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)を入賞させないように、少なくとも最初に遊技者が停止操作すべきボタンを遊技者にナビゲートするものである。ナビゲートされた情報に従って遊技者がリール停止ボタンを押すと、再遊技0の入賞を回避することができ、特典演出を継続させることができる。
換言すれば、遊技者は、ナビゲートされた少なくとも1つのリール停止ボタンについての情報に従うだけで、簡単に第2〜第4RTゲームのパンク(第1RTゲームの開始)を回避することができるのである。
ところで、再遊技0を入賞させない方法の一つとして、ある特定の図柄を「目押し」することによって再遊技0の入賞を回避することができるスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシン場合、特定の図柄を目押しすることができないと、再遊技0が入賞し、第2〜第4RTゲームひいては特典演出は終了(第1RTゲームが開始)することになる。言い換えると、遊技者の目押しの技量いかんによって、遊技者にとって有利な遊技状態(特典演出)を最大G数継続させることができる反面、最小G数で終了させてしまうことがありうる。そのような技術介入性の高いスロットマシンは、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等には、敬遠される傾向にあるのが一般的である。
また、目押しの技量の高い遊技者(主に遊技に熟練した遊技者等、遊技の熟練度が高い遊技者)であっても、長時間遊技を行っていると、集中力が低下してくることがあるので、目押しを毎回成功させることができるとは限らない。目押しに失敗すると、途端に遊技者にとって有利な遊技状態が終了するため、興趣が低下するおそれがある。何より、目押しに失敗しなければ、特典演出を継続させることができたのにという悔しさを拭い去るのは容易なことではない。
また、目押しを必要としないスロットマシンとしては、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタン211(211a〜211c)の停止順をナビゲートし、特定のパンク役への入賞を回避することができる特典演出機能を搭載したスロットマシンが挙げられる。このようなスロットマシンにおいては、遊技者はナビゲートされる停止順に従ってリール停止ボタンを押すことで、遊技者にとって有利な状態(特典演出)を継続させることができる。
しかしながら、上記のような特典演出が行われるスロットマシンでは、ナビゲートされたリール停止ボタン211の停止順を一つでも間違えると、パンク役が入賞し、第2〜第4RTゲームおよび特典演出のいずれもが終了してしまう。このようなスロットマシンは、目押しが必要でない分、「目押し」の技量の低い遊技者や遊技に未熟な遊技(初心者)等にとっても遊技しやすいものの、ナビゲートされる毎にリール停止ボタン211の停止順を間違えないように押さなければならない緊張感が特典演出中は消えることがない。そうすると、遊技者は特典演出中の遊技を気軽に楽しむことができない。したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンのがより好ましい。
スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンにおいて、特典演出が生起しない遊技態様中では、遊技者は、全てのリール停止ボタンの停止順を、己の勘だけを頼りにしてリール停止ボタンを操作しなければならない。スロットマシンに備え付けられたリール停止ボタンが3つであった場合、遊技者の勘が当たって正しい停止順で停止操作できる確率は6分の1である。そのような状況が長時間続くと、遊技者は特典演出が生起しない遊技態様中を苦痛に感じてきてしまう。
これに対して本実施形態のように、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシン(リール停止ボタンは3つとする)においては、特典演出が生起しない遊技態様中においても、少なくとも最初に停止操作すべきボタンが正解であればいいので、遊技者にとって気軽に遊技することができる。このようなスロットマシンにおいても、やはり遊技者の勘が頼りになるが、遊技者の勘が当たって正しく停止操作できる確率は3分の1であり、前述の6分の1よりは負担が軽いものとなっている。
したがって、遊技者が気軽に特典演出中の遊技を楽しむには、スロットマシンに備え付けられた全てのリール停止ボタンの停止順をナビゲートする特典演出機能を搭載しているスロットマシンよりも、遊技者が少なくとも最初に停止操作すべきボタンをナビゲートする本実施形態のような特典演出機能を搭載しているスロットマシンのがより好ましいといえる。
本実施形態における特典演出は、小役の成立を遊技者にナビゲートし、遊技者がそのナビゲートに従って停止ボタンを操作し、所定個数の小役を消化たとき、内部的にボーナスに当選したときに、第2〜第4RTゲームひいては特典演出を終了させるパンク役(再遊技0)を入賞させないようにナビゲートされているにもかかわらず、ナビゲートに従わない形でリール停止ボタン211を停止操作したとき(第1RTゲームの開始条件である再遊技0の入賞)に、第2〜第4RTゲームひいては特典演出が終了する。
上記のうち、所定個数の小役を消化する前に、遊技者がナビゲートに従わずにリール停止ボタンを停止操作した場合、小役のナビゲートは終了し、所定個数の小役を消化することはできないが、リプレイゲーム(RT)は継続した状態となる。つまり、RTゲーム中に再遊技0に入賞しない限り、5000Gまで継続することができるからである。
なお、スロットマシンは、1ゲームを消化するためには少なくとも4.1秒要するので、仮に5000Gまで継続すると、最短でも5時間40分以上はナビゲートされることになる。ただし、これだけ長時間にわたって遊技を行った場合、毎ゲーム最短時間(4.1秒)で遊技を実行することは困難であり、平均で1ゲームあたり5秒以上要すると考えられる。このように考えると、リプレイゲームが仮に5000Gまで継続すると、7時間程度はナビゲートされることになる。
このように、本実施形態における特典演出の基本的事項については説明したが、特典演出中の具体的な演出態様については後述する。
[ゲーム処理]
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、主制御基板409(主に、主制御MPU)にて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
図34は、スロットマシン1における基本的な1ゲームの処理手順を一通り示している。先ずステップS1では、ゲームスタートに備えるための初期設定を実行する。例えば、任意のフラグや信号の値をリセットする。特に電源の立ち上げ時等においては、前述した各種装置の接続及び作動状況を確認するとともに、バックアップデータの有無を確認し、バックアップデータが存在する場合には、電源断前の状態に復帰させる処理を実行する。
次のステップS2では、投入口203から投入されたメダルの枚数により、あるいはすでに貯留されているメダルがある場合には、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合、すなわちボタン等の押下操作を有効とする選択が遊技者によりされている場合は、MAXベットボタン206の押下操作により掛け数が決定される。一方、選択スイッチ208の入力が「ON」値の場合、すなわちセンサによる動作検出を有効とする選択が遊技者によりされている場合は、MAXベットセンサ206aに検出されにより掛け数が決定される。そして、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合は動作始動レバー210の操作待ち、選択スイッチ208の入力が「ON」値の場合は始動センサ210aの検出待ちの状態となる。すなわち、1回のゲームの掛け数が決定され、始動レバー210の操作または始動センサ210aの検出が可能な状態となるまでがBET処理にて実行される。
ステップS3では、ステップS2において操作待ちの状態となった始動レバー210の操作または始動センサ210aによる動作検出によりゲームをスタートさせるとともに、いずれかの当選役を内部抽選の結果とするか否かを決定するための内部抽選処理を実行する。この内部抽選処理とは、次のステップS4にて回転を開始する全てのリール301a,301b,301cが停止状態(遊技者の停止操作により停止状態となること)となる前の段階において、いずれかの当選役を当該ゲームの抽選結果とするかを決定するために実行されるものである。すなわち、この抽選の抽選結果がいずれかの当選役に該当する場合に限り、該当する当選役が許容されるのである。
次にステップS4では、ステップS3の内部抽選処理の終了に伴い全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させるリール回転処理を実行する。このリール回転処理においては、全てのリール301a,301b,301cの回転が開始された時点で、次回のリール回転処理が実行されるまでのタイマーカウントを開始する。そして、選択スイッチ208の入力が、「OFF」値の場合、すなわちリール停止ボタン211の押下操作を有効とする選択が遊技者によりされている場合は、リール停止ボタン211a,211b,211cが有効になったことを知らせる操作有効ランプ(図示しない)を点灯させる。なお、操作有効ランプは各リール停止ボタン211a,211b,211cにそれぞれ内蔵されるランプである。
ステップS5では、選択スイッチ208の入力が、「OFF」値の場合は遊技者によるリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が受け付けられ、選択スイッチ208 の入力が、「ON」値の場合はリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作が受け付けられる。リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作を有効とした場合は、その受け付け順に操作有効ランプを消灯させるとともに、対応するリール301a,301b,301cの回転を停止させるリール停止処理を実行する。
次のステップS6では、ステップS5において全てのリール301a,301b,301cの回転が停止状態になったと判定した時点で、有効ライン上に表示された表示内容(図柄の組み合わせ態様)と、上記のステップS3において決定された内部抽選の結果として許容されているものを照合して当選役の判定を行う判定処理を実行する。
ステップS7では、ステップ6において判定された当選役に対応する遊技特典の内容に基づくメダルの払出処理を実行する。また当選役がBBやRB、リプレイの場合には、それぞれ遊技状態の変更や再遊技等の各種遊技特典に付与を実行する。
以上が、スロットマシン1の基本的な1ゲームの処理手順である。ここで、ステップS2(BET処理)、ステップS3(内部抽選処理)、ステップS4(リール回転処理)は、一連の操作として遊技者により行われるものである。従って、これらの処理(ステップS2、ステップS3、ステップS4)をまとめて始動処理と呼ぶ。以下ではこの始動処理の具体的な説明をする。
[始動処理]
図35は、始動処理で行われる各処理を具体的に示したものである。
始動処理では、まずステップS101にてメダルの投入または、選択スイッチ208
の入力が「OFF」値の場合はMAXベットボタン206の操作が、選択スイッチ208 の入力が「ON」値の場合はMAXベットセンサ206aによる動作検出が待ち受けられる。MAXベット操作/動作またはメダル投入があると、ステップS101の判定が満たされ、ステップS102に移る。なお、この判定はMAXベットに相当するメダルの投入(つまり、3枚以上のメダルの投入)や有効となっているMAXベットボタン206の操作またはMAXベットセンサ206aによる動作検出が有った場合にのみ満たされるものとしている。
次のステップS102では、受付処理として、ベット数(この例ではMAXベットのみ)を決定するとともに、ベット数に応じた有効ラインランプを点灯させる。
ステップS103では、選択スイッチ208 の入力が「OFF」値の場合は始動レバー210の操作を、選択スイッチ208 の入力が「ON」値の場合は始動センサ210aの動作検出を有効化する。始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が有効化されると、この始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が受け付けられるまで操作待ちの状態となり、次のステップS104に移る。
次のステップS104では、始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が有効化されているか、またその場合は始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が受け付けられたかを判定する。先のステップS103にて始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が有効化されている場合、有効化されている方の遊技者による始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出が受け付けられると、この判定が満たされ、次のステップS105へ移る。
また、上記のステップS101にて遊技者がベット操作またはメダル投入をしない、あるいはMAXベットに至らないうちはステップS101の判定が満たされず、ステップS104に移る。このときはステップS104の判定も満たされず、ステップS101に戻り、以降の処理を繰り返す。
また、リプレイゲームでは、新たにメダルのベットを必要としない。これは、後述するリプレイゲーム処理にてMAXベットコマンドが主制御基板409(主制御MPU)に格納されている場合、自動的にMAXベット状態にする。これにより、ステップS101の判定が満たされることになる。
ステップS105では、ステップS104での始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出を受けて、始動レバー210の操作と始動センサ210aの動作検出を無効化する。
次にステップS106では、有効となっている方の始動レバー210の操作または始動センサ210aの動作検出があると、これを契機として乱数の抽出を行う。乱数の抽出を行った後、次のステップS107に移る。なお、このときの乱数を抽出するタイミングについては、始動レバー210の操作や始動センサ210aの動作検出後直ぐに行っても所定時間(例えば0.5秒後など)後に行うなど、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
ステップS107では、フラグ処理として、抽出された乱数値(以下では、抽出乱数値という)からいずれの当選役に該当するかを判定(乱数値の照合)する。この判定では、後述する当たり値判定テーブルにて抽出乱数値を照合する。ここで行われる乱数値の照合とは、予め決められた当選役の乱数値に、抽出乱数値が該当(合致、一致)するか否かを判定することである。このとき抽出乱数値がいずれかの当選役に該当すると判定された場合、該当する当選役に応じたフラグをON(=1)にする。そして、このときON(=1)となった当該当選役に対応するフラグのことを当該当選役当選フラグという。
そして、フラグ処理では、当該ゲームにて抽出乱数値の照合を行う際に、判定の基準となる当たり値判定テーブルを決定する場合、後述するBBゲーム中フラグなどのゲーム状態フラグを参照して当該ゲームにおける当たり値判定テーブルを決定する。すなわち、当該ゲームにてON(=1)状態となっているゲーム状態フラグに対応する当たり値判定テーブルをセットして抽出乱数値の照合を行う。ゲーム状態フラグには、BBゲーム中フラグのほか、RB1ゲーム中フラグ、RB2ゲーム中フラグ、第1RTゲーム中フラグ、第2RTゲーム中フラグ、第3RTゲーム中フラグ、第4RTゲーム中フラグ、第5RTゲーム中フラグ、第6RTゲーム中フラグがある。そして、これらのゲーム状態フラグのいずれもOFF(=0)状態となっている場合には、常に通常ゲーム中フラグをON(=1)状態とする。
一方、ステップS107にて、抽出乱数値がいずれの当選役にも該当しないと判定された場合、いずれの当選役にも該当しない「ハズレ」となり、ハズレフラグをONにする。ここで、当選フラグまたはハズレフラグ(これらを総称して成立フラグという)とは、該当する成立フラグがONになっているときに限り、その成立フラグに該当した当選役図柄を揃えることが可能となるものである。従って、ハズレフラグが成立フラグに該当する場合は、いずれの当選役図柄も揃えることができないことになる。上記のステップS106及びステップS107はスロットマシン1の内部にて乱数抽選を行っているということもでき、以下ではこれらのステップのことを、まとめて内部抽選、あるいは内部抽選を行う等という。なお、この乱数の抽出からフラグ処理までは内部抽選(前述の図34のステップS3)に相当する。
次のステップS108では、前回の始動処理(具体的には当該ゲームの1回前のゲーム)にてスタートさせたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かを判定する。なお、このウェイトタイマと呼ばれるタイマは、当該ゲームにおいてリールの回転が開始されたときから次回のゲームでリールの回転が開始されるまでの所定時間(例えば、4.1秒)の経過を計測するものである。ここで、ウェイトタイマがタイムアップ(既に4.1秒経過した)となった場合にはこの判定が満たされ、次のステップS109に移る。また、この判定はウェイトタイマがタイムアップするまでループする。
ステップS109では、全てのリール301a,301b,301cの回転を開始させる。そして全てのリール301a,301b,301cの回転の速さが一定となると、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合は、リール停止ボタン211a,211b,211cの操作有効ランプを点灯させる。この点灯により、遊技者はリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作が有効になったことを知ることとなる。一方、選択スイッチ208の入力が「ON」値でリール停止センサ212a,212b,212cの動作検出を有効とする場合は、スクリーン504に有効となったことを示す演出画像が表示するものとしても良い。
なお、スロットマシン1では、回転を開始したリールは遊技者による停止操作(有効となった方のリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作)が受け付けられるまで上記の一定の速さで回転を維持し続けるものである。
次にステップS110では、ウェイトタイマをリセットするとともに、次回の始動処理までウェイトタイマをスタートさせ始動処理は終了となる。
[内部抽選確率]
上記のとおり、スロットマシン1では、内部抽選の結果(抽出乱数値の照合の結果)が当該ゲームで該当する当選役(以下では、該当当選役をいう)として許容される。これが、所定の当選役に当選となる、ということである。ここで該当当選役が許容された当該ゲームの結果は、前述した「成立フラグ」として、内部抽選の結果を示す情報コマンドとして以降の処理(リール停止処理、判定処理、払出処理等)に反映されることになる。
スロットマシン1では、乱数抽出を行う際の乱数値の範囲(これを抽出範囲という)を予め決めておくものである。この抽出範囲は、例えば、0から16383までの整数値(つまり、214=16384個の乱数)と決めることができる。なお、スロットマシン1では、抽出範囲の乱数値を0から16383まで(214=16384個の乱数値)としているが、0から32767まで(215=32768個の乱数値)や、0から65535まで(216=65536個の乱数値)をとるものとしてもよい。乱数の抽出範囲を拡大すると、その分だけ抽出可能な乱数値の範囲(いわゆる分母)が大きくなるので特定の乱数値が偏って抽出されるといった事象が起こりにくくなる。
上記の抽出範囲内においては、さらにそれぞれの当選役に対応する乱数値が予め割り当てられている。例えば、抽出範囲(0から16383)内の乱数値のうち、BBに対応する乱数値を「1」とすれば、抽出乱数値が「1」となった場合に、内部抽選の結果は「BBに当選した」ということになり、BBの内部抽選フラグ(成立フラグ、この場合は前述の当選フラグともいう)が当該ゲームでの情報コマンドとして処理されることになる。また、これを利用すると、抽出範囲及びBBに対応する乱数値から、BBの当選確率(BBが内部抽選の結果として選び出される確率、抽選確率)を算出することができる。上記の例(BB)でいえば、
〔 BBに対応する乱数値の総個数/抽出範囲内の乱数値の総個数 〕
が、1/16384となり、BBの当選確率は1/16384であるということになる。
このように全ての当選役にはそれぞれ対応する乱数値が決められており(設定されており)、これらの乱数値は、それぞれの当選役に対応する当たり値と呼ばれる。上記の例(BB)では、抽出範囲内の乱数値「1」がBBに対応する当たり値ということになる。また、当たり値が複数存在する場合、例えば、BBの当たり値を抽出範囲内の連続する乱数値「1」、「2」、「3」、「4」とすれば、BBの当たり値の範囲は乱数値「1」から「4」までとなる。そして、抽出乱数値が乱数値「1」から「4」までのいずれかに該当すると判定される(照合される)と、内部抽選の結果として「BBに当選した」ということになる。
このことから全ての当選役はその当たり値の範囲が決められ、内部抽選で抽出乱数値がいずれかの当選役の当たり値の範囲に該当するか否かが判定されることになる。このとき、抽出乱数値がいずれの当選役の当たり値の範囲にも該当しない場合は、ハズレ、となる。すなわち、ハズレの当たり値の範囲は、全ての当選役の当たり値の範囲以外ということになる。なお、当たり値は当選許容値とも呼ばれることもある。
[リール停止処理]
始動処理が終了すると、一定速度で回転を続けているリールを停止させるための操作(停止操作、つまりリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作)待ちの状態となる。図36では、一例として「テーブル方式」によるリール停止処理の内容を示している。以下では、リール停止制御の処理の流れを説明する。
リール停止処理では、まずステップS201で、当該ゲームでの内部抽選の結果を示す内部抽選フラグにしたがってリール停止制御テーブルを選択する。このリール停止制御テーブルは予め全ての内部抽選フラグについてパターンが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとして主制御基板409(主に、主制御MPU)に格納されている。
上記のステップS201にて内部抽選フラグに基づいてリール停止制御テーブルが選択された状態になると、有効となっている方の各リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作が受け付けられるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217)。
これらの待ち受け状態で、左リール301a、中リール301b、右リール301cの各リールがすでに停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグがONとなっていない状態(F=0、つまりOFFの状態)であるか否かを判定する。そして、それとともに、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合はリール停止ボタン211a,211b,211cのいずれかが押下されたかを判定する。つまり、リール停止ボタン211a,211b,211cから押下されたことを示す信号が入力されているか否か判定する。選択スイッチ208の入力が「ON」値の場合は、リール停止センサ212a,212b,212cのいずれかで動作検出したかについて判定する。つまり、リール停止センサ212a,212b,212cからの動作検出したことを示す信号が入力されているか否か判定する。この場合、選択スイッチ208で選択されていない方の信号が変化していても、信号入力の判定自体がされないで主制御基板409に無視されており、結果として入力が無効とされていることとなる。
全てのリール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作または全てのリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作が受け付けられるまでは、ステップS209の判定が満たされず、ステップS202以降の処理を繰り返す。
ここで、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作の受け付けられた順番(停止操作手順)を、それぞれ「順押し」、「逆押し」、「中押し」と呼ばれる停止操作手順(または押し順ともいう)に分ける。
上記の「順押し」の停止操作手順とは、左リール301aを第1番目に停止させる操作手順(つまり、左リール停止ボタン211aを第1番目に押下操作する、または左リール停止センサ212aに第1番目に検出される動作をする手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 左リール→中リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 左リール→右リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「順押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「順はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「逆押し」の停止操作手順とは、「順押し」と反対に右リール301cを第1番目に停止させる操作手順(つまり、右リール停止ボタン211cを第1番目に押下操作する、または右リール停止センサ212cに第1番目に検出される動作をする手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 右リール→中リール→左リール 〕、
あるいは、
〔 右リール→左リール→中リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「逆押し」と呼ぶ。なお、後者の停止操作手順は特に「逆はさみ押し」とも呼ばれる場合もある。
上記の「中押し」の停止操作手順とは、中リール301bを第1番目に停止させる操作手順(つまり、中リール停止ボタン211bを第1番目に押下操作する、または中リール停止センサ212bに第1番目に検出される動作をする手順)のことをいい、第2番目以降に停止させるリールの操作順番より、
〔 中リール→左リール→右リール 〕、
あるいは、
〔 中リール→右リール→左リール 〕となる2つの停止操作手順にさらに分けられる。これら2つをまとめて「中押し」と呼ぶ。
ステップS202では、左リール301aが停止状態となったことを示すフラグ(左リール停止フラグLF)がOFF(LF=0)であり、なおかつ、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合は左リール停止ボタン211aの押下操作が受け付けられたかを判定し、選択スイッチ208の入力が「ON」値の場合は左リール停止センサ212aの検出動作が受け付けられたかを判定する。ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作の待ち受け状態から「順押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に左リール停止ボタン211aが押下または左リール停止センサ212aに検出される動作がされたとすると、ステップS202の判定が満たされ、ステップS203に移る。
ステップS203では、第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。ここでいう「第1リール」とは第1番目に停止操作が受け付けられる、あるいは第1番目に停止するリールのことをいう。この例(「順押し」)では、左リール301aの停止操作が第1番目に受け付けられるので、第1リール停止フラグがOFFの状態(F=0)となっている。従って、ステップS203の判定は満たされ、次のステップS204に移る。
次のステップS204では、左リール301aについて第1リール停止処理が行われる。この第1リール停止処理では、内部抽選フラグに対応するリール停止制御テーブルに基づいて内部抽選フラグに対応する当選役図柄の停止位置の制御を実行する。
ステップS207では、第1リール停止フラグをON(F=1)として、次のステップS208に移る。
次いでステップS208では、左リール停止フラグLFをON(LF=1)として、ステップS209に移る。
そして、ステップS209では、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となったかを判定する。この例では、まだ左リール停止フラグLFがONとなっただけであり、中リール301b及び右リール301cはまだ回転中であることから、この判定が満たされず、ステップS202に戻り以降の処理を繰り返し実行する。
そして、再びステップS202以降の処理が実行される場合、すでに左リール301aは停止状態となっているのでステップS202の判定は満たされず、ステップS210に移る。
ステップS210では、中リール301bが停止状態となったことを示すフラグ(中リール停止フラグMF)がOFF(MF=0)であり、なおかつ、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合は中リール停止ボタン211bの押下操作が受け付けられたかを判定し、選択スイッチ208 の入力が「ON」値の場合は中リール停止センサ212bに検出される動作が受け付けられたかを判定する。ここでは「順押し」の停止操作手順に沿うため、中リール停止ボタン211bの押下操作または中リール停止センサ212bに検出される動作が受け付けられることとなる。従って、ステップS210の判定が満たされ、次のステップS211に移る。
ステップS211では、上記のステップS203と同様に第1リール停止フラグがOFF(F=0)であるか判定する。そして、この時点ではすでに第1リール停止フラグはON(F=1)となっているため、この判定が満たされず、ステップS213に移る。
ステップS213では、中リール停止処理として、内部抽選フラグに対応するリール制御テーブル(この場合は上記のステップS206で決定したリール停止制御テーブル)に基づいて該当当選役図柄の停止位置の制御を実行する。そして、このとき中リール301bは第2番目に停止するリール(第2リール)となり、ステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216に移り、中リール停止フラグMFをON(MF=1)としてステップS209に移る。
そして、再度ステップS209では、左リール301a及び中リール301bが停止状態となっただけであり、まだ右リール301cは回転中で停止状態(右リール停止フラグRFがOFFとなっている)となっていないので、この判定が満たされず、ステップS202に戻り、再度以降の処理を繰り返し実行する。
さらに、3度目のステップS202以降の処理では、先ずステップS217で右リール停止フラグMFがOFF(MF=0)であり、なおかつ、選択スイッチ208の入力が「OFF」値の場合は右リール停止ボタン211cの押下操作が受け付けられたかを判定し、選択スイッチ208の入力が「ON」値の場合は右リール停止センサ212cに検出される動作が受け付けられたかを判定していくことになるが、以降のステップS218,S220等の処理は、上記のステップS210以降の処理(ステップS211,S213)と同様であるため詳細な説明は省略する。
そして、ステップS223にて、右リール停止フラグRFをON(MF=1)として、ステップS209に移る。
最後にステップS209では、この時点において、全てのリール301a,301b,301cが停止状態となっていることから、この判定が満たされ、リール停止処理が終了する。
なお、「逆押し」の停止操作手順の場合も上記と同様の説明ができる。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作の待ち受け状態から「逆押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下または右リール停止センサ212cに検出される動作がされたとすると、ステップS202、S210の判定が満たされず、ステップS217に移る。そして、ステップS217以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に右リール停止ボタン211cが押下または右リール停止センサ212cに検出される動作がされているので、ステップS217,S218の判定は満たされ、右リール301cについて第1リール停止処理が行われる(ステップS219)。そして、残りの左リール301a、中リール301bのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS221)、第1リール停止フラグおよび右リール停止フラグRFがONにセットされる(ステップS222,S223)。
その後は、ステップS221で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および中リール停止処理(ステップS213)が、左リール停止ボタン211aおよび中リール停止ボタン211bの押下操作順、または左リール停止センサ212aおよび中リール停止センサ212bに検出される動作順に従って実行される。なお、「逆押し」の停止操作手順では、「順押し」の停止操作手順のときと同様に、右リール301cのみが停止状態となり、上段位置および下段位置にいずれかの当選役図柄があった場合、まだ2つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。従って、ステップS221の段階では、いずれの有効ラインにも該当当選役図柄を揃えることのできるリール停止制御テーブルを複数用意しておき、いずれかを選び出すものとすればよい。
ところで、「中押し」の停止操作手順の場合は上記の説明と一部異なる点があるため、以下に説明する。すなわち、ステップS201で、リール停止ボタン211a,211b,211cの押下操作またはリール停止センサ212a,212b,212cに検出される動作の待ち受け状態から「中押し」の停止操作手順に沿って最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下または中リール停止センサ212bに検出される動作がされたとすると、ステップS202の判定が満たされず、ステップS210に移る。そして、ステップS210以降は、先述のステップS203,S204,206,S206,S208と同様に処理される。つまり、最初(第1番目)に中リール停止ボタン211bが押下または中リール停止センサ212bに検出される動作がされているので、ステップS210,S211の判定は満たされ、中リール301bについて第1リール停止処理が行われる(ステップS212)。そして、残りの左リール301a、右リール301cのリール停止制御テーブルが決定され(ステップS214)、第1リール停止フラグおよび中リール停止フラグMFがONにセットされる(ステップS215,S216)。
その後は、ステップS216で決定したリール停止制御テーブルに基づいて、左リール停止処理(ステップS205)および右リール停止処理(ステップS220)が、左リール停止ボタン211aおよび右リール停止ボタン211cの押下操作順、または左リール停止センサ212aおよび右リール停止センサ212cに検出される動作順に従って実行される。ここで、「中押し」の場合は、「順押し」におけるステップS206(あるいは、「逆押し」におけるステップS221)とは異なり、この時点でまだ4つの有効ラインのいずれにも該当当選役図柄を揃えることが可能である。つまり、第1停止リール(この場合は中リール301b)の停止目のうちで中段位置の図柄が当選役図柄となる可能性のある図柄であった場合、その該当図柄を基準とした有効ライン上に残りのリール(左リール301a、右リール301c)の該当当選役図柄を揃えることの可能なリール停止制御テーブルを選択することになる。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
[リール停止制御]
上記のリール停止処理では、成立フラグに対応した当選役図柄(該当当選役図柄)を極力図柄表示窓591a内に引き込むリール停止制御を行う(いわゆる、引き込み制御といわれ、所定のコマ数を上限として図柄の引き込みを行う)。具体的には、遊技者によるリールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に停止させることが可能な範囲(以下、引き込み制御可能範囲と称する)として例えば3コマを予め決めておき、その範囲内に該当当選役図柄がある場合、これを図柄表示窓591a内に引き込んでリールを停止させる制御を実行する。なお、ここでいう「引き込み制御可能範囲」とは、リールの停止操作が受け付けられてから当該リールが停止するまでに、リールの回転方向に移動が可能な最大コマ数のことをいう。例えば、引き込み可能な範囲を最大で3コマとすれば、所定の位置(例えば中段)には、当該リールの停止操作が受け付けられたときの位置からリール回転方向に3個目の図柄まで表示可能となる。つまり、最大で3コマ未満の範囲(より詳しくは、3コマから1ステップ差し引いた範囲)で図柄の引き込みが可能となる。なお、一の図柄からリールの回転方向に隣接する他の図柄までが1コマである。
従って、このようなリール停止制御によれば、リールの停止操作が受け付けられた時点で、図柄表示窓591a内に該当当選役図柄がなかったとしても、該当当選役図柄が引き込み可能な範囲内にあれば、その該当当選役図柄を図柄表示窓591a内にまで移動させたうえで停止させることが可能となる。また、この引き込み制御を行うことにより、遊技者は該当当選役図柄の目押しのタイミングが多少早かったとしても、引き込み可能範囲内に当該当選役図柄があれば、その当該当選役図柄を図柄表示窓591a内に引き込んで停止させることができる。従って、取りこぼし(当該当選役図柄を揃えることができずに当該当選役に対応する遊技特典を獲得できずにその遊技特典が消滅してしまうこと)が生じることを極力抑えることができる。
ここで、各リール停止ボタン211a〜211cを操作したとき、または各リール停止センサ212a〜212cに検出される動作をしたときの各リール301a,301b,301cのリール停止制御について説明する。なお、本実施形態のスロットマシン1では、各リール帯351a,351b,351cに14個の図柄が表記されており、3図柄を上限として図柄の引き込み制御が行われる。
ここで、各リール帯351a,351b,351cに表記されている図柄のうち引き込み可能となる図柄は、以下のとおりである。
図柄表示窓591aに表示される有効ライン上の位置が複数あるとき、当該有効ライン上の一の位置と他の位置との間の最大コマ数をMとし(有効ライン上の位置が一つのときはM=0)、引き込み制御可能なコマ数をNとすると、停止操作したときのリール帯351a,351b,351cの位置から(N+M)コマを上限として図柄の引き込みが可能となる。ここで、「最大コマ数」とは、上段および下段の両方が有効ライン上に位置する場合には2コマ(中段が有効ライン上に位置したとしても2コマ)であり、上段および中段が有効ライン上に位置する場合には1コマとなる。同様に、中段および下段が有効ライン上に位置する場合にも1コマとなる。
[判定処理]
リール停止処理が終了すると、図柄表示窓591a内にていずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(いずれかの当選役に該当する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かについて判定を行う。図37では、この判定処理の内容を具体的に説明する。
リール停止処理により全てのリール301a,301b,301cが停止した状態となると、図柄表示窓591a内の停止目の態様から、いずれかの有効ライン上に当選役図柄が揃っているか(当選役に対応する図柄の組み合わせ態様が表示されているか)否かを判定する。なお、特に全てのリールが停止状態となった場合の停止目のことは出目と呼ばれることもある。
ステップS301、S303では、それぞれ、RBゲーム中であるか、BBゲーム中であるかを判定する。これは後述するRBゲーム中フラグ、BBゲーム中フラグというゲーム状態フラグのON状態(=1)、OFF状態(=0)を判定することである。
RBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS301の判定が満たされ、ステップS380に移る。また、BBゲーム中フラグがON(=1)となっていると、ステップS303の判定が満たされ、ステップS370に移る。
RBゲーム中フラグ及びBBゲーム中フラグのいずれもOFF(=0)となっている場合、ステップS301、S303の判定がいずれも満たされず、ステップS310に移る。
ステップS310で、RTゲーム終了判定処理(詳細は後述する)を実行した後、有効ライン上に揃っている当選役図柄に応じて、さらに以下のステップS320,S330,S340,S350,S360のいずれかに移る。
ステップS320では、BB図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にBB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−赤7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS322に移る。
次のステップS322では、BBゲーム開始処理を実行する。ここでは、BBゲームとして、メダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
ステップS330では、RB図柄が揃っているかを判定する。有効ライン上にRB図柄が揃っている場合(「赤7図柄−赤7図柄−青7図柄」または「赤7図柄−赤7図柄−白7図柄」、この判定が満たされ、次のステップS332に移る。
次のステップS332では、RBゲーム開始処理を実行する。ここでは、RBゲームとして、BBゲームに準じたメダルの獲得が容易な複数回にわたるゲームが集中して行われるための処理をすることになる(詳細は後述する)。
次のステップS340では、リプレイ図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上にリプレイ図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS342に移る。本実施形態では、ステップS340において、再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)、再遊技1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技3(「アヤメ図柄−マツ図柄−ヤナギ図柄」)、再遊技4(「ウメ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)、再遊技5(「アヤメ図柄−ウメ図柄−キリ図柄」)、再遊技6(「アヤメ図柄−マツ図柄−ウメ図柄」)のいずれかが揃った場合に、リプレイ図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS342では、リプレイゲーム処理を実行する。このリプレイゲーム処理では、当該ゲームでのベット数と同じベット数(この例ではMAXベット)にて次回のゲームを開始させるために、MAXベットコマンドを主制御基板409(主制御MPU)に一旦記憶させる。このコマンドに基づき、次回のゲームを再遊技として開始させることができる。
そして、ステップS344で、RTゲーム降格判定処理を実行した後、ステップS346では、リプレイ当選フラグをOFF(=0)にして処理を終了する。RTゲーム降格判定処理とは、遊技状態が第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム中に、再遊技0(「アヤメ図柄−キリ図柄−キク図柄」)に入賞したか否かを判定し、入賞した場合には現在のRT状態(第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTゲーム)を終了し、第1RTゲームを開始させる処理のことをいう。
ステップS350では、小役図柄が揃っているかを判定する。いずれかの有効ライン上に小役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS352に移る。本実施形態では、ステップS350において、例えば小物1(「アヤメ図柄−マツ図柄−キク図柄」)、例えば小物11(「キリ図柄−マツ図柄−キリ図柄」)等(詳細は図33を参照)が揃った場合に、小役図柄が揃ったものと判定する。
次のステップS352では、揃っている小役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)。これにより、遊技者には当該小役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
次に、有効ライン上にいずれの当選役図柄も揃っていない場合、上記のステップS320,S330,S340,S350のいずれの判定も満たされず、ステップS360に移る。なお、このときの出目は「ハズレ目(バラバラな図柄の組み合わせ態様)」とも呼ばれる。
ステップS360では、ハズレ処理を実行する。このハズレ処理では、この時点でON(=1)状態となっている当選フラグがBB及びRBを除く他の当選フラグの場合、当該当選フラグをOFF(=0)にする。また、いずれの当選フラグもON(=1)となっていない場合(このときはハズレフラグがON(=1)となっている)には、ハズレフラグをOFF(=0)にする。
また、当該当選フラグがBBフラグ及びRBフラグのいずれかに該当する場合、当該当選フラグはOFFとならず、次ゲーム以降に持ち越される。これにより、BB及びRBについては取りこぼしを生じることがなく、該当する当選役図柄を揃えることができるまで当該当選フラグが持ち越されていくことになる。従って、遊技者は、BB、RBといった他の当選役に比べて利益の度合いの高い当選役の取りこぼしを心配することがなくBB、RBの遊技特典は必ず獲得できるという安心感を持ってゲームに臨むことができる。また、特に目押しの技量の低い遊技者にとっては、BB図柄(あるいはRB図柄)を揃えるまで何度でも目押しの練習ができることになる。
上記のステップS310からステップS360までの処理は、通常ゲーム、RTゲームの場合に実行する処理となる。次にステップS370以降の処理について説明する。ここでの処理は、BBゲーム及びRBゲームの場合に実行する処理である。
まず、ステップS370では、BBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。ここでいう「BBゲーム時払出役」とは、小物(小役)に加えて、ボーナスゲーム専用役を含めたBBゲーム中にメダルの払い出しがある当選役の総称である。そして、いずれかの有効ライン上にBBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS372に移る。
次のステップS372では、揃っているBBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該BBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS372に次いで、ステップS374では、BBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS376に移り、RTゲーム開始処理(詳しくは、第2〜第4RTゲームのうちいずれかのRTゲームを開始する処理)を実行する。
また、上記のステップS370の判定が満たされない場合、ステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。本実施形態では、取りこぼしが生じないため、当該成立フラグにはハズレフラグが該当する。すなわち、ステップS378では、当該ハズレフラグをOFF(=0)にする。
次にステップS380以降の説明をする。ステップS380では、RBゲーム時払出役図柄が揃っているかを判定する。なお、この「RBゲーム時払出役」も、前述のBBゲーム時払出役と同様にRBゲーム中に払い出しがある当選役の総称である。そして、有効ライン上にRBゲーム時払出役図柄が揃っている場合、この判定が満たされ、次のステップS382に移る。
次のステップS382では、揃っているRBゲーム時払出役図柄に応じた規定枚数のメダルの払い出しを実行する(メダル放出装置110より規定枚数のメダルを払い出す)。そして、メダルの払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612に表示する)これにより、遊技者には当該RBゲーム時払出役に対応した規定枚数のメダルが払い出されたことが報知(告知、表示)される。
ステップS382に次いで、ステップS384では、RBゲーム終了判定処理を実行する(詳細は後述する)。その後、ステップS386に移り、RTゲーム開始処理(詳しくは、第2〜第4RTゲームのうちいずれかのRTゲームを開始する処理)を実行する。
また、上記のステップS380の判定が満たされない場合、前述のステップ378に移り、当該成立フラグをOFF(=0)にする。これは先に説明したため、説明は省略する。
[BBゲーム開始処理]
前述の図37のステップS320の判定が満たされた場合、BBゲーム開始処理を実行する。このBBゲーム開始処理について図38を用いて説明する。
まず、ステップS401では、BBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS401の判定が満たされると、ステップS404に移る。ステップS404では、BBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときBBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS406にて、BBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてBBゲームが開始される。
また、ステップS401の判定が満たされない場合、ステップS402に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、BBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、BB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[BBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図37のステップS374のBBゲーム終了判定処理について図39を用いて説明する。
まず、ステップS451では、前述の図37のステップS372にてメダルの払い出しがあったことを受けて、BBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS452では、累計払出枚数が400枚を超えたかを判定する。このステップS452の判定が満たされない場合、ステップS454に移り、BBゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。また、ステップS452の判定が満たされると、ステップS460に移る。
ステップS460では、BBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS462にて第2RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
[RBゲーム開始処理]
前述の図37のステップS330の判定が満たされた場合、RBゲーム開始処理を実行する。このRBゲーム開始処理について図40を用いて説明する。
まず、ステップS501では、RBフラグがON(=1)となっているかを判定する。ステップS501の判定が満たされると、ステップS504に移る。ステップS504では、RBゲーム中フラグをON(=1)にする。また図示はしないが、このときRBフラグをOFF(=0)にする。次いでステップS506にて、RBゲーム中の累計払出枚数カウントをクリアする。これにより、次のゲームから累計払出枚数の累算が実行される。そして、次ゲームからは、通常ゲームと同様の掛け数3ベット(3枚掛け)にてRBゲームが開始される。このことにより、遊技者は通常ゲームと比べて特別な違和感を覚えることなくゲームを行うことができる。
また、ステップS501の判定が満たされない場合、ステップS502に移り、エラー処理を実行する。このような場合となるのは、RBフラグがOFF(=0)であるにも関わらず、RB図柄が揃ってしまうような場合が該当する。すなわち、何らかの不正な手段(例えば、ゴト行為)が行われたか、あるいはスロットマシン1に故障が生じたか、いずれかの場合に起こり得るものである。従って、エラー処理では、エラーランプ604の点灯や、その他前述のLED等にエラー発生を知らせる表示を行う。
[RBゲーム終了判定処理]
続いて、前述の図37のステップS384のRBゲーム終了判定処理について図41を用いて説明する。本実施例においてはRB1の場合を例に挙げて説明する。
まず、ステップS551では、前述の図37のステップS382にてメダルの払い出しがあったことを受けて、RBゲーム中の累計払出枚数に当該ゲームの払出枚数を加算する。
次にステップS552では、累計払出枚数が20枚を超えたかを判定する。このステップS552の判定が満たされない場合、ステップS554に移り、RB1ゲーム中の累計払出枚数を表示する(払出枚数表示LED612等に表示する。なお、累計払出枚数は表示用のLED等を別途設けてこれに表示するものとしてもよい)。
また、ステップS552の判定が満たされると、ステップS556に移る。
ステップS556では、RBゲーム中フラグをOFF(=0)にした後、ステップS558にて第3RTゲーム開始フラグをON(=1)にして処理を終了する。
なお、本実施形態におけるRBゲームについては、例としてRB1について説明をしたが、RB2ゲームの場合もRBゲーム開始処理およびRB終了処理は同様のステップを経るものである。ただし、ステップ462の「第3RTゲーム」を「第4RTゲーム」と読み替えることとする。
[通常ゲーム]
通常ゲームは、BBゲームおよびRBゲームが行われていない状態であって、かつ第2RTゲーム、第3RTゲームまたは第4RTも行われていない状態を示す。場合によってはこの状態を第1RTゲームともいう。なお、以下の説明では、特に述べない限り、選択スイッチ208の入力は「OFF」値であって、リール停止ボタン211、始動レバー210、MAXベットボタン206への操作が有効で、リール停止センサ212、始動センサ210a、MAXベットセンサ206aの動作検出は無効とされているものとする。
本実施形態のスロットマシン1は、成立したフラグに対応する役図柄の組合せは、最初にどのリール停止ボタン211を押すかだけに注意すれば、リール停止ボタン211を押すタイミングに拘らず、リール301上に表示される。したがって、遊技者は、リール301を見ることなく、液晶上の演出に集中して遊技を行うことになる。
このように、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役や小役を揃えるための停止操作のナビゲートを大きな液晶に表示されるようにすると、液晶内で指示された内容を遊技者が視認しやすいため、指示されたリール停止ボタン211の停止順のミスなどを極力抑えることができる。
なお、特典演出中は、上記のように第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役を入賞させないようにナビゲートするほか、小役図柄の入賞もナビゲートする。遊技者は、ナビゲートされたとおりにリール停止ボタン211を停止操作すればよく、上記のように目押しを必要としない。換言すると、ナビゲートされた通りにリール停止ボタン211を停止操作することにより、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役としての再遊技役0については、当該パンク役と重複当選していた他のパンクしない役としての再遊技役1〜6のいずれかを入賞させることができる。また、小役については、本来の停止操作では入賞させることができなかった小役を入賞させることができる。このように、リプレイタイム中は一切目押しをすることなく、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役としての再遊技役0に当選した場合には、当該再遊技役0の入賞を回避できるとともに、小役に当選した場合には、当該小役を入賞させることができるので、遊技者に与えうる疲労感を軽減することができる。
上記のように、本実施形態では、特典演出中にリール停止ボタン211の停止操作をナビゲートすることにより、本来の停止操作では、第2〜第4RTが終了してしまうといった遊技者にとって不利な役(再遊技0)が入賞するものであったものを、第2〜第4RTの終了契機とならない役(再遊技1〜6のいずれか)に入賞させることができる。このように、入賞役に応じて第2〜第4RTを終了させるか否かといった制御が行われながらも、再遊技0〜6のいずれかに入賞したとしても遊技者からみた見かけ上は再遊技といった賞としての利益度合いが同じ役に入賞するので、ナビゲートにしたがって遊技が行われるだけで、遊技をスムーズに進行させることができる。
また、本実施形態では目押しをする必要がないことから、長時間の遊技で疲れてしまい、目押しに失敗して第2〜第4RTゲームひいては特典演出を不本意に終了させてしまったり、小役を取りこぼしたりといった目押しを必要とする場合に発生する弊害がない。また、目押しの際に酷使される目力もほとんど使用しなくてもよい。これにより、遊技者は気軽に遊技することができるとともに、長時間の遊技となっても疲れにくい。
〔簾(すだれ)役物を使用した演出〕
本実施形態のスロットマシン1のスクリーン504と可動簾役物5903との関係について説明する。スクリーン504には、演出画像を表示する演出表示領域5901aと、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄を表示する図柄表示領域5901bとが区画されている(例えば、図42の(a)参照)。区画の内訳は、演出表示領域5901aがスクリーン504の上部から約3分の2を占めており、図柄表示領域5901bが残りの約3分の1を占めている。この割合は上記に限定されるものではなく、表示される位置についても、上記に限定されるものではない。したがって、演出表示領域5901aがスクリーン504の左側の約9割を占め、図柄表示領域5901bが残りの約1割を占めるといった区画形成も考えられ得る。
一方、可動簾役物5903は、スクリーン504の前面側に設けられている(図43参照)。可動簾役物5903を可動させると、簾をかけるようなかたちで、スクリーン504における演出表示領域5901aを全体的に覆うことができる(例えば、図44の(b)参照)。また、図柄表示領域5901bまで覆う場合、つまりスクリーン504全体を覆う場合があってもよい。画像反射ミラー502に対して可動簾役物5903がスクリーン504より前に出てくることにより、スクリーン504の代わりに可動簾役物5903に画像が表示されることになる。
具体的には、可動簾役物5903はスクリーン504と同様の材料で構成されている。そのため、画像表示装置501から射出され画像反射ミラー502で反射された光学像を可動簾役物5903上に表示することが可能である。演出表示領域5901aを可動簾役物5903で覆いつつ画像表示装置501から光学像を射出した場合は、可動簾役物5903にスクリーン504の演出表示領域5901aに表示されるはずの画像が表示され、残りの画像がスクリーン504の図柄表示領域5901bに表示される。可動簾役物5903に可動簾役物5903の向こう側(つまり可動簾役物5903で隠されている演出表示領域5901a)があたかも簾越しに見えるかのような画像を表示する演出を行うことも可能である。詳しくは後述する。なお、可動簾役物5903を可動させない場合にはスクリーン504で表示される演出画像などの邪魔にならないように、可動簾役物5903が収納されている。
なお、可動簾役物5903に表示させる画像は、可動簾役物5903の向こう側があたかも簾越しに見えるかのような画像に限らない。スクリーン504から遊技者までの距離と、可動簾役物5903から遊技者までの距離が異なることを利用して、立体感のある演出を行うことが可能である。つまり、スクリーンがスロットマシン1における前後方向に複数枚あり、少なくとも1枚のスクリーンは可動式であるという構成を利用して演出を行うものであれば様々な態様を含む。
ところで、本実施形態におけるスロットマシン1では、スクリーン504内に設けた図柄表示領域5901bでは、内部抽選の抽選結果およびリール停止操作に基づいて表示される図柄などを確認することができるため、これによって遊技者はリールの停止表示を気にする必要がなく、スクリーン504内における演出表示領域5901aの演出と内部抽選の抽選結果(スクリーン504内における図柄表示領域5901bに表示される図柄)とを、一のスクリーン504上で確認することができる。これにより遊技者は、通常遊技中は目線をスクリーン504以外に移動させる必要がないため、長時間の遊技であっても、疲労感を感じにくい。
次に、可動簾役物5903の可動態様とスクリーン504との演出態様について説明する。上述のように、可動簾役物5903は常にはスクリーン504で表示される演出画像などの邪魔にならないよう収納されているが、演出表示領域5901aでの演出を効果的に遊技者に見せるために、演出表示領域5901aの一領域だけを可動簾役物5903で覆ったり、覆った部分の向こう側で何かが行われているような演出(詳細は後述する)を行ったりすることができる。
このように可動簾役物5903の上げ下げをスクリーン504上の演出と絡めることにより、演出表示領域5901aでの演出をより一層面白いものとすることができる。また、可動簾役物5903の可動が頻繁に行われると、遊技者に「超チャンスモード」(詳細は後述する)の演出が開始されるのではないかと思わせることができる。これにより遊技者は探究心をかきたてられ、遊技を簡単にやめることができないため、ホールにとっては稼働率アップにつながる可能性がある。
ここで、可動簾役物5903を用いた演出の一つ(的あて演出)を例に挙げ図74を用いて説明する。なお、この的あて演出については、選択スイッチ208が「ON」であって、リール停止センサ212による動作検出が有効とされ、リール停止ボタン211の押下操作は無効とされているものとして説明する。的あて演出は、リール停止センサ212に対する動作を遊技者が選択して行うことにより演出が進行する、遊技者参加型の演出となっている。図42に示すように、まず、スクリーン504における演出表示領域5901aに3つの的が並んでいる。左側に位置する的(左画像表示位置)を5902a、真ん中に位置する的(中画像表示位置)を5902b、右側に位置する的(右画像表示位置)を5902cとする。この3つの的のうち少なくとも1つの的に、当たりを示す文字「当」が記載されている。図42の(a)には、中画像表示位置5902bに「当」が記載されている(全ての的に「当」が記載されている場合があってもよく、その場合は大当り確定パターンとしても良い)。遊技者はまず、いずれの的に「当」が記載されているかをここで視認することができる。
次に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図74の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって的のシルエットしか見えない状態となる(正確には可動簾役物5903に、簾に覆い隠される的のシルエットの画像が投影される)。そして可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で的の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われた後(正確には、可動簾役物5903に簾の向こう側で的の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われる様の画像が投影された後)に、いずれの的が当たりであるか(つまり、「当」と記載されている的はどれか)を遊技者に的に対する指さし動作によって選択させる。
図45で示すように、遊技者が左の的を指さした場合は、左リール停止センサ212aが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、左リール301aを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の左の的の指さし動作は、左リール停止ボタン211aを押下操作したのと同様の効果を得る。遊技者が中央の的を指さした場合は、中リール停止センサ212bが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、中リール301bを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の中央の的の指さし動作は、中リール停止ボタン211bを押下操作したのと同様の効果を得る。遊技者が右の的を指さした場合は、右リール停止センサ212cが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、右リール301cを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の右の的の指さし動作は、右リール停止ボタン211aを押下操作したのと同様の効果を得る。
ここでは、図42の(c)に示すように、3つの的のうち、当たり(ガセを示してもよい)を示す一つに「?」を表示する(全ての的に表示してもよい)。遊技者はこの「?」が表示された次のゲームにおける指さし動作で、一の的を選択することにより、「当」と記載されている的はどれかを選択することになる。遊技者は「?」と示された的(図42においては左画像表示位置5902a)を指さし選択してもよいし、己の勘を信じて、左画像表示位置5902a以外のリールを選択してもよい。
遊技者が指さし動作をして的を選択すると、選択した的に向かって、演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが花札を投げる演出が行われる(キャラクタが投げるものは花札に限らず、ダーツやトランプ、バラの花等であってもよい)。投げられた花札は、遊技者の指さし動作によって選択した的に刺さるようになっているため、この演出により、遊技者は、どの的を選択したのかを、演出表示領域5901aを介して表示上でも確認することができる。
本実施形態においては、遊技者による指さし動作に連動させてキャラクタが花札を投げる動作をさせる例を示しているが、この態様には限られない。他に、遊技者が指さし動作をすると同時にキャラクタがしゃべったかのように何らかのセリフをスピーカーから出力させたり、遊技者が一の的を選択したとしても、「当」と記載された的がどこにあるのか「さっぱり分からない」といった態度をキャラクタが示したり、選択した的がはずれであった場合には「はずれやないかーい」というセリフとともに、遊技者につっこみを入れるかのような自由な動作をキャラクタに行わせてもよい。当該演出の都度キャラクタの動作が異なることにより、遊技者は毎回キャラクタの反応を楽しみながら遊技することができる。遊技者は、己の動作に応対するかのように画面の中のキャラクタが動作したり声を発したりと様々な反応をするので、ボタン操作等をするよりキャラクタとの一体感を覚え、興趣を高める。このように、当該的あて演出中は、指さしにより的を選択する方が興趣を高められるので、的あて演出に突入する際、選択スイッチ208を「ON」にして、リール停止ボタン211ではなくリール停止センサ212の方を有効にするように、遊技者に促す画像をスクリーン504に表示するものとしても良い。
その後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)ことにより、遊技者が選択した的が「当」と記載された的であるか否かを、遊技者に確認させる(図42の(d)参照)。この例では、はじめは中画像表示位置5902bにあった「当」の的が、簾(可動簾役物5903)の奥でランダムに入れ替えられたことにより、最終的に左画像表示位置5902aの位置に移動したことを示すと同時に、左画像表示位置5902aの的には演出表示領域5901a内に表示されたキャラクタが投げた花札が刺さっていることにより、遊技者が左画像表示位置5902aに該当する的を指さし選択したことを示している。
なお、上記の演出は、主制御基板409の内部抽選における抽選の結果を受けて周辺制御基板510において行う演出であるので、実際は、遊技者による指さし動作によって当たり外れが決定されるわけではない。従って、本実施形態におけるスロットマシン1の内部抽選における抽選結果が当たりである場合には、上記の演出で遊技者がいずれの的を指さし選択しても「当」と記載された的を選択するように制御したり、内部抽選の結果がハズレである場合には、いずれの的を選んでも「当」の的を選択することができないように制御したりすることも可能である。このように制御した場合に、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内、実際は可動簾役物5903に映像が投射されるため可動簾役物5903より後側の演出表示領域5901a内には何も表示されていない)を覗き見ることができないため、自己の指さし動作によってハズレを引いてしまったのか、そもそも内部抽選がハズレだから当たりを引くことができなかったのかについて知る術がない。
(花札演出)
本実施形態におけるスロットマシン1には特典演出機能を搭載しており、ボーナス終了後に開始される特典演出を特に「金さんTIME」と呼ぶ(詳細は後述する)。ボーナス終了後に金さんTIMEに入るか否かをボーナス中に遊技者に知らせる役目をしている演出が、「花札演出」である。
花札演出について図44を用いて説明する。「花札演出」は、ボーナスゲームの後半に係る数ゲームを用いて行われる演出である(ボーナスゲームの前半に行われても差し支えはない)。「花札演出」は、上述の的あて演出の「的」に該当する図柄が「花札」に変わったものであるので、演出態様は「的当て」演出と同様である。なお、この花札演出についても、選択スイッチ208 が「ON」であって、リール停止センサ212による動作検出が有効とされ、リール停止ボタン211の押下操作は無効とされているものとして説明する。遊技者は花札演出の結末を自ら参加しながら見届けることにより、ボーナスゲーム終了後の第2〜第4RTゲームにおいて特典演出が開始されるか否かを、ボーナスゲームの消化と並行して知ることができる。
花札演出の詳細について説明する。最初に演出表示装置590における演出表示領域5901aに、花札が3枚並んでいる。花札の図柄は、左側に位置している花札(左画像表示位置)5902a、真ん中に位置している花札(中画像表示位置)5902b、右側に位置している花札(右画像表示位置)5902cとする。本実施形態において、左画像表示位置5902aには「銭屋図柄」、中画像表示位置5902bには「町娘図柄」、右画像表示位置5902cには「金さん図柄」が表示されている(図75参照)。花札演出においては、最終的に「金さん図柄」を選択することができた場合には次回ボーナスまで特典演出が継続する「スーパー金さんTIME」(後述する)、「町娘図柄」を当てた場合には回数に上限のある特典演出である「金さんTIME」(後述する)、「銭屋図柄」を当てた場合にはハズレ(金さんTIMEには入らない)となる。
次に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの的を覆い隠すように下りてくる(図75の(b)参照)。そうすると遊技者には、可動簾役物5903の存在によって花札のシルエットしか見えない状態となる(正確には可動簾役物5903に、簾に覆い隠される花札のシルエットの画像が投影される)。そして可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内)で花札の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われた後(正確には、可動簾役物5903に簾の向こう側で花札の入れ替えが動きを伴ってランダムに行われる様の画像が投影された後)に、いずれの花札が当たりであるか(つまり、「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札はどれか)を遊技者に選択させるために、可動簾役物5903に写る各的のシルエット上に「?」を表示する(図44の(c)参照)。
そして遊技者がいずれかの花札を選択する指さし動作を行う。遊技者が左の花札を指さした場合は、左リール停止センサ212aが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、左リール301aを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の左の的の指さし動作は、左リール停止ボタン211aを押下操作したのと同様の効果を得る。遊技者が中央の花札を指さした場合は、中リール停止センサ212bが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、中リール301bを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の中央の花札の指さし動作は、中リール停止ボタン211bを押下操作したのと同様の効果を得る。遊技者が右の花札を指さした場合は、右リール停止センサ212cが遊技者の体の一部(この場合は腕)を検出し、主制御基板409に対し、検出信号を送る。当該信号を受信した主制御基板409は、右リール301cを停止させる制御を行う。つまり、遊技者の右の花札の指さし動作は、右リール停止ボタン211aを押下操作したのと同様の効果を得る。
遊技者がいずれかの花札を選択する指さし動作を行った後、可動簾役物5903が上げられる(もとの位置に収納される)これにより、指さし動作によって選択された結果が正しいか否か(一番最初に指さし動作した位置に「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札があるか否か)を遊技者に確認させる(図44の(d))。
図44(d)に示すように、遊技者によって一の花札が選択された後は、選択された花札のみを表示させる(中画像表示位置5902b)。選択されなかった花札が位置していた左画像表示位置5902aおよび右画像表示位置5902cは、表示されないため白色二点鎖線で示している(図44の(d))。中画像表示位置5902bには「金さん図柄」が表示されていることから、遊技者が中央の花札を指さしたことにより中画像表示位置5902bを選択した結果、「金さん図柄」を選択することができたことが示されるとともに、当該ボーナスゲームの終了後に、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)に移行することが示される。この結果を見ることにより遊技者は、「このボーナスゲーム終了後に、次回ボーナスまで継続する特典演出に移行する」ということを予め認識することができる。
前述のように、花札演出で見事「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができれば、ボーナス終了後に特典演出が開始されることになるが、花札演出で「町娘図柄」又は「金さん図柄」が記載されている花札を選択することができなかった(つまり、選択した図柄が「銭屋図柄」であった)としても、ボーナス終了後に特典演出が一切開始されないというわけではない。なぜなら、ボーナスゲーム中にも特典演出抽選を行っており、花札演出中であっても特典演出抽選に当選する可能性があるからである。
特典演出抽選の抽選結果が当たりである場合には、花札演出で遊技者がいずれの花札を選んでも「町娘図柄」又は「金さん図柄」と記載された花札を選択するように制御し、遊技者に特典演出抽選の結果が当たりであることを知らせる。言い換えると、特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレである場合には、いずれの花札を選択したとしても、ハズレ図柄の「銭屋図柄」を選択するように制御する。このように制御したとしても、遊技者は可動簾役物5903の存在によって、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a内、実際は可動簾役物5903に映像が投射されるため可動簾役物5903より後側の演出表示領域5901a内には何も表示されていない)を覗くことができないため、自己のリール停止操作によって「銭屋図柄」を引いてしまったのか、そもそも特典演出を開始させるか否かの抽選結果がハズレであったがために「町娘図柄」又は「金さん図柄」を引くことができなかったのか、については知る術がない。
(超チャンスモード)
可動簾役物5903を用いた演出として、上記の的あて演出や花札演出の他に、「超チャンスモード」がある。超チャンスモードとは、ボーナスゲーム中や特典演出中ではない非演出状態時に、主制御基板409における内部抽選にて小物(小役)11〜19(図33を参照)に当選したとき、または小物(小役)1〜10(図33を参照)に当選した場合(これらの小役をチャンス小役と称するが、詳細は後述する)に、当該当選の情報を受けて周辺制御基板510によって行なわれる演出である。なお、小物(小役)11〜19(図33を参照)に当選した場合の方が、小物(小役)1〜10(図33を参照)に同時当選した場合よりも超チャンスモードに移行しやすい設定としている。
周辺制御基板510は、主制御基板409から受けたチャンス小役当選の情報を受けて、超チャンスモードに移行するか否かの抽選を行うほか、ゲーム数の抽選、すなわち当該超チャンスモード中のゲームを何ゲーム行うかについての抽選を行う。これらの抽選結果は、得られたチャンス小役の種類によって異なるが、詳細は後述する。なお、当該抽選および超チャンスモードのゲーム中に、超チャンスモードを何ゲーム継続させるか(超チャンスモード中の加算ゲーム回数)を抽選し、当該抽選によって得られた回数を当該超チャンスモード中のゲームに加算し、当該超チャンスモードを継続させてもよい。
超チャンスモードへの移行について、具体的に図46を用いて説明する。図46の(a)は、通常遊技中に可動簾役物5903が演出表示領域5901aの上部から約5分の1下りてきたことを示す図である。このとき、ガタガタという音をスピーカより発生させると共に可動簾役物5903が見え隠れする。可動簾役物5903が演出表示領域5901aの全てを覆うと、超チャンスに移行する期待を持つことができるようになっている。したがって、このとき遊技者は、「もしかしたら超チャンスモードに移行するかもしれない」という期待を抱きながら遊技を行うことができる。超チャンスモードに移行しない場合(つまり可動簾役物5903の動作がガセ演出であった場合)は、図46の(a’)のように、可動簾役物5903は元の位置に収納される。
また、図46の(b)は、可動簾役物5903が演出表示領域5901aの上部から約3分の1下りてきたことを示す図であり、図46の(c)では、可動簾役物5903が演出表示領域5901aの下部5分の1を残す程度まで下りてきたことを示す図であるが、これらの演出も超チャンスモードに移行しない場合(可動簾役物5903の動作がガセ演出であった場合)には、図46の(a’)のように、可動簾役物5903は元の位置に収納される。可動簾役物5903が図46の(d)に示すように、演出表示領域5901a全部を覆う場合であっても同様である。超チャンスモードに移行するか否かは、当該遊技における全てのリール停止ボタン211(211a〜211c)を停止操作したのちであって、次ゲームに係るMAXベットボタンを操作したとき、またはMAXベットボタンの操作後、始動レバー210を操作したとき等に判明する。具体的には、超チャンスモードに移行しない場合には、上記操作の際に、演出表示領域5901aを覆っていた可動簾役物5903が、図46の(a’)に示すように元の位置に収納されてしまうことによって、遊技者は認識することができる。
上記とは反対に、超チャンスモードに移行する場合には、図46の(e)に示すように、遊技中に可動簾役物5903が演出表示領域5901a全体を覆った後、当該遊技におけるリール停止ボタン211(211a、211b、211c)の停止操作を行ったのちも可動簾役物5903が演出表示領域5901a全体を覆ったままの状態となり、次のゲームを開始したとき(MAXベットボタンを操作したとき、またはMAXベットボタンの操作後、始動レバー210を操作したとき)に、可動簾役物5903の向こう側(演出表示領域5901a)に超チャンスモードに突入したことを示す背景が表示される。
「超チャンスモードに突入したことを示す背景」とは具体的には、可動簾役物5903の簾部分の向こう側(演出表示領域5901a)が透けて見える状態で表示される(正確には可動簾役物5903に、簾に透けて見える背景の画像が投影される)。例えば、図46(a)〜(c)で表示されていた長屋背景が夕焼けの背景に変化したものなどが挙げられる。なお、超チャンスモードに移行に伴う背景画像は、上記の夕焼けの背景に限られず、雪国、砂漠、宇宙空間などであってもよい。
超チャンスモードに移行する確率は非常に低く設定されている(詳細は後述する)。また、超チャンスモードに移行する契機は上述の通りチャンス小役(詳細は後述する)となっており、このチャンス小役にはボーナスが重複当選している可能性がある。したがって遊技者には超チャンスモードに移行しただけで、もしかしたらボーナスに重複当選しているかもしれないという期待を強く抱かせることができる。特に、本実施形態においては、超チャンスモード中にボーナスに当選するとボーナス終了後に必ず次回ボーナスまで継続するスーパー金さんTIMEに移行するため、遊技者にはこの超チャンスモード中にボーナスに当選してほしいと願いながら遊技を行わせることができる。
超チャンスモード中は上述のとおり、可動簾役物5903がスクリーン504における演出表示領域5901aを覆った状態であるものの、スクリーン504における図柄表示領域5901bまでは覆っていない。これによりスクリーン504における演出表示領域5901aと可動簾役物5903とがモード演出(超チャンスモード中)を行っている場合であっても、遊技者は当該演出を楽しみつつ、かつ内部抽選の抽選結果などをスクリーン504における図柄表示領域5901bで容易に確認することができる。
(特典演出の態様)
本実施形態におけるスロットマシン1には、上述の通り特典演出機能を搭載している。特典演出としては、アールテイ終了抑制演出とエーテイ演出とが行われる。
アールテイ終了抑制演出は、ボーナス(BB、RB)終了後のRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム)において、該RTゲームが終了(第1RTゲームが開始)しないように、リール停止ボタン211の停止操作手順(すなわちリプパン役が成立する停止操作手順)をナビゲートするというものである。
エーテイ演出は、主制御基板409における内部抽選にて再遊技役が選択される確率が通常の遊技状態と比較して高い第2〜第4RTゲーム中に、内部抽選にて成立した小役について、周辺制御基盤510により当該小役の入賞が容易化されるようにナビゲートされるものである。
本実施形態においては、このような特典演出として2種類の演出が行われ、1つは、抽選により決定された小役の入賞を容易化させるナビゲート回数の上限が設けられているエーテイ演出(「金さんTIME」と称する)であり、もう1つは、抽選により決定された小役の入賞を容易化させるナビゲートを次回ボーナスまで継続するART(「スーパー金さんTIME」と称する)である。
なお、エーテイ演出は、1セットの特典演出において所定の数の小役の成立をナビゲートすると終了する。小役の成立がナビゲートされる所定の数は周辺制御基板510における抽選によって決定され、当該抽選を「ナビ小役数抽選」と称する。ナビ小役数抽選により決定される小役の数は3個、5個または7個であり(これらの数には限定されない)、これらから一の小役の数が決定される。例えば、ナビ小役数抽選により決定された小役の数が7個であった場合には、1セットの特典演出では当該7個分の小役が成立するまでリプレイが継続し、7個目の小役が成立することにより特典演出が終了する。
上記1セットの特典演出にてナビゲートされる小役の数(3個、5個または7個)のうちいずれに決定されるかについては、スロットマシンの設定によって抽選確率が段階的に異なっている。例えば、1セットの小役の数が7個となる確率(抽選により「7個」が選択される確率)は、最低設定(例えば1)の場合よりも、最高設定(例えば6)の場合の方が高い。
ところでボーナス終了後に特典演出が開始されるか否かは、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選した旨の情報を受けた周辺制御基板510が、特典演出抽選を行うことにより決定される。そして、当該特典演出抽選に当選したか否かについては、上述の花札演出(ボーナスゲーム中の演出)のほか、ボーナスゲーム中に遊技機に設けられたスピーカーから予告音を発生させ、その直後のリール停止操作において図柄表示領域5901bに「七−七−七」図柄または「金−金−金」図柄等が揃う等の演出により遊技者は確認することができる。なお、上記の図柄を遊技者の技量によって揃えさせるようにしてもよいし、フリー打ちで消化して当該図柄が揃うように制御してもよく、揃えられなかった(揃わなかった)からといって特典演出抽選に当選しなかったということを明示するものではない。
特典演出抽選では、ボーナス終了後に特典演出を開始させるか否かを決定する抽選を行う他、特典演出を何セット継続させるかの抽選(特典演出セット回数抽選)および特典演出をストックさせるか否かを決定する抽選(特典演出ストック加算抽選)を行う。特典演出セット回数を「P」で表示する。ストックされる特典演出として、小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)または次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)がある。特典演出ストック加算抽選についての詳細は後述する。
ここで本実施形態における特典演出(小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME))の演出態様について、具体的に図47〜図49を用いて説明する。図47の(a)は、ボーナスゲームの終了を示す図である。ボーナスゲームの終了が表示された当該遊技の後、始動レバー210を操作すると、演出表示領域5901aは図47の(b)に示す画像に切り替わる。また、当該始動レバー210を操作した際に、上述の1セットの特典演出における小役の数(ナビ小役数)の抽選を行う(ナビ小役数抽選)。ナビ小役数は3個、5個、7個があり、これらのうち一のナビ小役数が抽選により決定される。なお、特典演出のセット数およびナビ小役数は上記の数に限定されない。
ナビ小役数抽選により決定されたナビ小役数は、図47の(b)演出表示領域5901aの上部(ナビ小役数表示領域5904)に、手形(小役)図柄として表示される。本実施形態においては、演出表示領域5901aに手形図柄が3つ表示されていることから、ナビ小役数抽選により決定されたナビ小役数が3個であったことを示す。ナビ小役数が3個である場合、当該特典演出では、小役が3回成立するまでリプレイを継続させつつ、リプレイタイムのパンク役(再遊技0)の成立について遊技者にナビゲートする。
小役の成立およびリプレイタイムのパンク役の成立についてのナビゲートは、リール停止ボタン211における複数のリール停止ボタンのうち最初に停止操作すべきリール停止ボタン211を、遊技機に設けられたスピーカーから「左」、「中」、「右」と音声で知らせたり、停止操作すべきリール停止ボタン211の位置を演出表示領域5901aに表示させたりすることにより行われる。遊技者はナビゲートに従ってリール停止ボタン211の停止操作をすることにより、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役(再遊技0)を成立させずに特典演出ゲームを継続させることができ、また成立した小役を取りこぼすことなく入賞させることができる。
図47の(c)は、小役の成立に基づき、当該小役を入賞させるために、左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)を最初に停止操作すべきことをナビゲートしていることを示す。小役がナビゲートされる場合、ナビ小役数表示領域5904に表示されていた小物図柄が「1」減算されて表示されるとともに、演出表示領域5901aに大きく表示される。このとき、例えば左側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211a)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの左側に、右側に位置するリール停止ボタン211(リール停止ボタン211c)から停止操作させる場合には演出表示領域5901aの右側に大きく表示することにより、遊技者に右側に位置するリール停止ボタン211aを停止操作すべきなのか、左側に位置するリール停止ボタン211cの停止操作をすべきなのかを視認しやすくしている。
リプレイタイムのパンク役についても基本的なナビゲート態様は同様である。しかし、リプレイタイムのパンク役のナビゲートに際しては、図47の(e)に示すように、小役のナビゲートの場合よりも深刻な警告音とともに、停止操作すべきリール停止ボタンを遊技者に知らせる。なぜなら、上述の小役成立のナビゲートに従わなくとも小役を取りこぼす程度に留まるが、第2〜第4RTゲームひいては特典演出のパンク役(再遊技0)のナビゲートに従わずにリール停止操作を行った場合には、該パンク役(再遊技0)が成立してしまい、特典演出が終了するからである(図47の(f)参照)。
上記深刻な警告音とは、例えばサイレンやヒトの叫び声などが突如聞こえてくるような、思わず遊技を中断または躊躇してしまう程のインパクトのある音等が挙げられ、始動レバー210を操作した際に突如発せられることが好ましい。また、警告音の他に、演出表示領域5901aには、正しい停止操作を行わなければリプレイタイムのパンク役が成立する旨を示す画像を表示させることができる(図47の(e))。このような態様にすることにより、遊技者には当該ゲームはリール停止ボタンの停止操作いかんによってリプレイタイムのパンク役に入賞しうることを的確に知らせることができ、遊技者がうっかりパンク役を入賞させてしまうのを抑制することができる。
既に記載したように、本実施例におけるスロットマシン1は、ボーナスを除いては目押しの必要がないため、小役等の取りこぼしを防ぐことができる。それによりスロットマシンを初めて遊技する人やお年寄りにも遊技しやすい仕様となっている。しかし、スロットマシンにおける遊技が全てフリー打ちでよいとすると、遊技者の停止操作いかんによって得られる入賞結果が異なることに味わいや面白さがあるスロットマシンの本来の良さを没却することになりかねない。したがって本実施形態によるスロットマシン1は、第2〜第4RTゲームひいては特典演出中の小役の成立やパンク役(再遊技0)の成立については、遊技者の停止操作に起因するものの、当該停止操作に関し、各ナビゲートに従うことにより確実に小役を入賞させることができる上、不本意なかたちでパンク役を成立させないようにすることが可能である。
上記のように、特典演出において、小役の成立に際し、容易に小役に入賞させることができるように正しい停止操作手順がナビゲートされることにより、ナビゲートに従ってさえいれば確実に当該小役を獲得することができ、また、第2〜第4RTゲームひいては特典演出の終了契機であるリプレイタイムのパンク役(再遊技0)の成立に際し、小役の成立とは異なる、思わず遊技するのをためらうほどの警告音等でナビゲートされることにより、遊技者には小役の成立の際とは異なる適度な緊張感を与えられるとともに、当該ナビゲートに従いさえいれば、第2〜第4RTゲームひいては特典演出を不本意に終了させることなく遊技を続けることができるという安心感をもって遊技者は遊技を続けることができる。
図47の(d)は、小役が1つナビゲートされたのち、ナビ小役数表示領域5904における手形の数が3から2に減算されて表示されていることを示す図である。その後、図48の(a)から(d)まで、上記(図47の(b)〜(d))と同様のゲームが繰り返される。手形図柄全ての手形がナビゲートされる(つまり、ナビ小役数表示領域5904における手形の数が「0」になる)と、演出表示領域5901aに可動簾役物5903が下りてくる(演出表示領域5901aには浅黄幕が閉められたような表示を行う)ことにより、特典演出は一旦終了する(図49の(a))。これが特典演出の1セットの一連の流れとなる。
図49の(a)のように、特典演出が一旦終了したかのように見えても、上記に示したように、ボーナス終了後における始動レバー210の操作により行われた特典演出のセット回数の抽選(特典演出セット回数抽選)により決定された特典演出のセット回数(P)が「0」より大きければ(P>0)、MAXベットボタンの操作をした際、もしくは始動レバー210を操作した際に「まだまだぁ」という掛け声とともに、特典演出がまだ継続することを示す演出が表示される(図49の(b))。しかし、特典演出のセット回数(P)が「0」であれば(P=0)、特典演出は終了し、通常の演出状態に戻ることになる(図49の(b’))。
図49の(b)のように、特典演出が継続される場合、次の特典演出の1セットにおいて、ナビ小役数をいくつにするかについての抽選(ナビ小役数抽選)は、上記特典演出終了後の始動レバー210の操作の際に行われる。図49の(c)には、当該抽選によりナビ小役数「5」が決定されたことを示す。
本実施形態の遊技機は、特典演出実施中のリプレイタイム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲーム)のパンク役(再遊技0)についてのナビゲートに従わずにリール停止ボタン211の停止操作を行った場合を除いては、所定個数の小役に入賞しない限り(上記ナビ小役数が5から減算されて0になるまで)、リプレイゲームが継続する。つまり、所定個数の小役に入賞せずにリプレイゲームが継続し、そのまま当該特典演出内においてボーナスに当選する場合がありうる。そうすると、当該特典演出がスーパー金さんTIME(次回ボーナス当選まで継続する特典演出)でないにもかかわらず、結果的にスーパー金さんTIMEの場合と同様の効果、つまり、次回ボーナスまで特典演出が継続する場合があり得る。
ここで、一般的な遊技機における特典演出の実行中において、通常、小役が入賞することは、獲得できる遊技媒体の純増が期待できるため、遊技者はできるだけ多くの小役に入賞してほしいと願いながら遊技を続けるものである。これに対して、本実施形態の遊技機における特典演出の実施中には、当該特典演出がスーパー金さんTIMEでない場合には、次のボーナス当選まではできるだけ所定数の小役には当選してほしくないと願いながら遊技が行われうる点において一般的な遊技機とは機能が異なる。言い換えると、ボーナスゲームにおいては遊技媒体の増加に期待できるのに対し、特典演出においては、いかに次回ボーナスまで遊技媒体を減らさずに継続できるかという点に期待しながら遊技が行われうる。これにより、ボーナスゲームと特典演出とにおける遊技者の心情にメリハリをつけることができる。
本実施形態の遊技機における特典演出において、遊技者は、エーテイ演出により所定の数の小役(例えばナビ小役数「5」と決定された場合には5回小役に当選するまで)停止操作手順のナビゲートされることにより、正しい停止操作手順にて小役を入賞させた場合には必ず賞としての小役を獲得することができるため、ある種の満足感は得られる。しかし、エーテイ演出が行われることはつまり特典演出の終了が次第に近づいていることを意味しており、例えば、リプレイタイムが開始された直後に連続的に所定回数分のエーテイ演出が行われた場合には、小役を獲得できた満足感よりも、あっという間にリプレイタイムが終了してしまったことへの不満足感を得ることになる。
ここで一般的な回胴式遊技機における、完走型のリプレイタイム(リプレイゲームの限度数が予め決定されているリプレイタイム)と比較すると、本実施形態における特典演出の終了は、アールテイによる停止操作手順に背いた場合等を除き、遊技者が特典演出の終了を容易に予測できるものではない。換言すると、本実施形態における特典演出の終了は、リプレイゲーム中に、内部抽選における小役に当選したタイミングに依存するため、完走型のリプレイタイムのように、あと何ゲームでリプレイタイムは終了すると遊技者が予測しながら遊技を続けることは困難である。
したがって、所定の回数の一般役に当選することによって特典演出が終了してしまう本実施形態の遊技機においては、一般役に当選し、エーテイ演出により容易に遊技媒体を獲得することができることにより満足感を得ながらも、エーテイ演出が行われる毎に、遊技媒体を得るだけではあきたらない慊焉感を抱きうる。
ここで、既に記載したように、遊技者が不本意に特典演出を終了させてしまった場合であっても、上記特典演出実施手段は、上記特定役へ入賞させた時点において、予め定められたエーテイ演出の回数のうち、エーテイ演出が行われなかった回数分(不足分)のエーテイ演出を周辺制御RAMに記憶し、次の特典演出まで持ち越して実施することができる。そしてさらに次回の特典演出が開始された際には、今回の特典演出に際して決定された所定の回数のエーテイ演出に加えて、上記持ち越された不足分のエーテイ演出に係る特典演出を行うことができる。
具体的には、ボーナス終了後の第2RT〜第4RT中に特典演出が行われている場合に、アールテイ終了抑制演出により適正な停止操作手順が教唆されているにも関わらず、遊技者が誤ってまたは故意に、教唆された停止操作手順とは異なる停止操作を行ってしまったがために、特定役としてのパンク役(再遊技0)を入賞させてしまうと、エーテイ演出にかかる小役(例えば、3回分だった場合を挙げる)のうち例えば1回分しか獲得できずに、第2〜第4RTが終了してしまう。この場合、特典演出も直ちに終了する(中途終了手段)とともに、第1RTが開始されてしまう。そうすると、当該特典演出において2回分のエーテイ演出が行われなかったことになる。
その後、遊技者が遊技を継続することにより再びボーナスに当選し、再度、特定条件としての特典演出抽選に当選したことに基づいて特典演出が行われる場合には、先(前回)の特典演出において行われなかった2回分(不足分)のエーテイ演出は、当該特典演出において行われる。もちろん、特典演出抽選に当選したことにより、当該特典演出においても所定の回数のエーテイ演出が行われることが決定されていることから、遊技者は、当該エーテイ演出において教唆された適正な停止操作手順に従うだけで、不足分の2回分と、当該特典演出により行われる回数分のエーテイ演出とを享受することができる。つまり、当該特典演出が開始されるに際し決定された所定の一般役の回数が3回分であった場合には、上記不足分と合わせて5回分のエーテイ演出が行われる。
5回分のエーテイ演出は、例えば図47の(b)中のナビ小役数表示領域(5904)に小役が5つ表示されることにより遊技者に視認させることができる。
なお、前回の特典演出においてエーテイ演出の不足分が生じた場合には、特典演出抽選にて落選した場合であっても、ボーナス終了後の第2〜第4RT中に、特典演出が行われる。
さらに上記持ち越された回数分のエーテイ演出は、当該特典演出に際して決定された回数分のエーテイ演出に先駆けて(すなわち先立って)行われることができる。当該特典演出においては、上記持ち越された上記不足分の回数にいたるまで、アールテイ終了抑制演出により教唆された停止操作手順に反してリール停止ボタン211の停止操作を行わない限り、遊技者の停止操作手順に起因して小役への入賞を容易化しうるように停止操作手順が教唆される。そして、不足分全てのエーテイ演出が行われた後、特典演出が一旦終了するかのような演出画像が表示されたのちに、当該特典演出に際して決定された所定の回数分のエーテイ演出が行われる。
上述したとおり、ボーナス終了後の第2〜第4RT中に特典演出が行われている場合に、アールテイ終了抑制演出による教唆に反してリール停止ボタン211の停止操作を行うと、特定役としてのパンク役(再遊技0)が入賞してしまい、エーテイ演出が中途で終了してしまう(中途終了手段)。
この場合、例えば図47の(b)中のナビ小役数表示領域(5904)には、先ずは不足分である2回に相当する数(2つ)の手形を表示する。このように中途半端な数の手形が表示された場合には、前回特典演出にてエーテイ演出が中途で終了してしまったことを遊技者に認識させることができる。そしてこれらの数に基づいて当該エーテイ演出において小役の成立が教唆された後、図49の(a)に示すように一旦特典演出が終わったかのように演出表示領域5901aに表示され、さらに図49の(b)に示すように特典演出が継続される(正確にはここから当該特典演出が開始される)旨が表示される。その後、図49の(c)中のナビ小役数表示領域(5904)に、当該特典演出に際して決定されたエーテイ演出の回数(3回分)として手形が3つ表示される。
このように、先駆演出実施手段により不足分の2回のエーテイ演出については、当該特典演出により行われる回数分のエーテイ演出に先立って行うことができる。これにより、先の特典演出において不本意にもリプレイタイムを終了させてしまった遊技者にとっては、不足分の2回についてを、後の特典演出において獲得できることを確認しつつ遊技を続けることができる。
また、先の特典演出において不本意なかたちでリプレイタイムが終了されたことを知らずに遊技をしていた遊技者が遊技を終了したのちに、他の遊技者が遊技を行うことによって、当該他の遊技者が当該特典演出に先立って不足分の2回分のエーテイ演出を享受した場合には、通常は得られなかった特典演出を得られたことによりお得感を感じて遊技を行うこととなる。これにより、遊技者が意図しなかった特典演出が行われうることとなり、遊技者を高揚させることが可能となる。
(次回ボーナスまで継続する特典演出)
本実施形態においては図示しないが、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)の進行は、基本的には上述のナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)と同様であるが、ナビ小役数表示領域5904の表示態様が異なっている。スーパー金さんTIMEは、次回ボーナスまで特典演出が継続する(いわゆる無限特典演出である)ため、ナビ小役数の上限についての概念がない。したがってスーパー金さんTIME中のナビ小役数表示領域5904には、小役(小物)(ナビゲートの限度数)を表示することなく小役の成立をナビゲートし、次回ボーナスに当選するまで特典演出ゲームが進行する。
(特典演出の終了)
金さんTIME(スーパー金さんTIMEを含む)は、特典演出のパンク役(再遊技0)を入賞させた場合に終了する。特典演出のパンク役を入賞させるとは、ナビゲートされたとおりにリール停止ボタンの停止操作を行わなかった場合を意味する。金さんTIME(スーパー金さんTIMEを含む)は、ボーナス終了後の第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームのいずれかのRTゲームに移行しているが、上記のように特典演出のパンク役をナビゲートされた通りにリール停止ボタンの停止操作を行わなかった場合には、「再遊技0」(図65参照)に当選する。換言するとそれまで継続していたRTゲーム(第2RTゲーム、第3RTゲーム、第4RTゲームのいずれか)を終了させ、新たに第1RTゲームを開始させる
(特典演出ストック)
本実施形態において特典演出ストック加算抽選は、(1)主制御基板409における内部抽選の結果によりボーナスが成立した際、(2)ボーナスゲーム中、(3)特典演出中、(4)所定の条件を満たすことにより、特典演出が行われていない第2〜第4RTゲーム中にも行われる。上記抽選は、主制御基板409における内部抽選の結果を受けて周辺制御基板510が行う抽選であり、上記の条件以外で特典演出ストック加算抽選が行われても差し支えない。ストックされる特典演出は、次回ボーナスまで継続する特典演出(スーパー金さんTIME)のストック(ストックX)および小役の数に応じたナビゲート回数の上限が設けられている特典演出(金さんTIME)のストック(ストックY)である。
特典演出ストック加算抽選は、上記(1)〜(4)の条件を満たしたのちに始動レバー210を操作したタイミングによって行われる。通常は特典演出ストック加算抽選が行われているか否かを遊技者に視認させないが、視認させる場合があってもよい。本実施形態においては、ボーナスゲーム中に特典演出ストック加算抽選が行われた場合には、ボーナスゲーム中であるにもかかわらず、図柄表示領域5901bには所定の入賞役は表示されず(メダルも払い出されない)に所定のハズレ目が表示される。したがって、遊技者は当該ハズレ目を視認することにより、今ゲームで特典演出抽選が行われたということを認識することができる。特典演出ストック加算抽選の当選確率は、スロットマシン1の設定によって段階的に異ならせているほか、特典演出ストック加算抽選を行う際の当該ゲームの抽選状態によっても異ならせている。抽選状態については後述する。
(チャンス小役)
ここで、チャンス小役について説明する。本実施形態では、主制御基板409における内部抽選において小役(小物)11〜19、または小役(小物)1〜10(図33参照)の当選の情報を受けた周辺制御基板510によって2種類のチャンス小役に振り分けられる。同じ役を2種類の小役に振り分けることにより、周辺制御基板510において種々の抽選を行うことができ、バリエーションに富んだ制御、演出等を可能としている。2種類の小役を本実施形態において「チャンス小役1」および「チャンス小役2」と称する。チャンス小役1に当選すると、図柄表示領域5901bには「徳利−徳利−徳利」図柄が表示され、チャンス小役2に当選すると図柄表示領域5901bには「巾着−巾着−巾着」図柄が表示されることにより、遊技者はいずれのチャンス小役に当選したかを図柄表示領域5901b上で確認することができる。
2種類のチャンス小役の振り分けについては、小物11〜19にボーナスと重複して成立する場合と小物単独で成立する場合とが含まれている。具体的にはボーナスと重複して小物が成立した場合には、チャンス小役1(徳利図柄)が選択されやすく、小物単独で成立する場合にはチャンス小役2(巾着図柄)が選択されやすく設定されている。例えば、スクリーン504における図柄表示領域5901bに「徳利図柄」が表示(徳利−徳利−徳利)された場合には、ボーナスと重複している期待度が高くなるのに対し、高確抽選状態へ移行する期待度は低くなる。一方、スクリーン504における図柄表示領域5901bに「巾着図柄」が表示(巾着−巾着−巾着)された場合にはボーナスと重複している期待度は低くなるに対し、高確抽選状態へ移行する期待度が高くなる。
本遊技機において、主制御基板409における内部抽選において小役(小物)11〜19、または小役(小物)1〜10(図33参照)の当選の情報を受けた周辺制御基板510によってチャンス小役1(徳利)に振り分けられる確率(選択確率)が約75%であるのに対し、チャンス小役2(巾着)に振り分けられる確率(選択確率)は25%である。つまり、内部抽選において小物1〜19に当選した場合に、徳利は巾着の約3倍選択されやすい。言い換えると、遊技者にとっては徳利が巾着の約3倍出現しやすい小役として確認することができる。
上記のように2種類のチャンス小役によって遊技者が抱くボーナスへの期待度を異ならせることにより、遊技者にはチャンス小役に当選したことを視認させつつも、ボーナスに重複当選している可能性があるのか、高確抽選状態に移行した可能性があるのかを一見だけでは判別しにくくしている。これにより、遊技者はチャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、ボーナスが重複して当選していることに期待感を抱きつつ遊技をすることができ、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合にはボーナスの重複当選はそれほど期待できなくとも、高確抽選状態へ移行することへの期待感を抱きながら遊技をすることができる。
また、上記のように主制御基板409における内部抽選において当選した小役(小役11〜19、または小役1〜10)に応じて2種類のチャンス小役に振り分けられた後は、周辺制御基板510はさらに(1)抽選状態(高確または低確)の移行抽選、(2)高確抽選状態における高確遊技回数加算抽選、(3)超チャンスモード移行抽選、(4)特典演出ストックの加算抽選を行う。上記抽選状態の移行抽選により(上記(1))周辺制御基板510の抽選状態が高確状態へ移行した場合と、高確状態へしなかった場合(低確状態)とでは、超チャンスモードへの移行(上記(3))、特典演出ストックの加算(上記(4))についての抽選で差があるため、以下高確抽選状態と低確抽選状態について具体的に説明する。
〔高確抽選状態と低確抽選状態〕
高確抽選状態とは、低確遊技状態と比較して上述の超チャンスモードに移行しやすく、ボーナス終了後に移行しうる特典演出のストック(ストックY)を加算し易い抽選状態(周辺制御基板510における抽選状態)をいう。高確抽選状態は、ボーナス未作動時の遊技中に上述のチャンス小役に当選した際、ボーナスゲーム終了後、および設定変更時に抽選状態移行抽選が行われた結果に基づいて移行する。高確抽選状態に移行するとは、所定のゲーム数(例えば10ゲーム)にわたり、低確遊技状態における周辺制御基板510の抽選状態と比較して、ボーナス終了後に移行しうる特典演出のストック(ストックY)等を加算し易い状態にすることをいう。
ボーナス未作動時においては、具体的には上記チャンス小役のうち、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、23/1000で高確抽選状態に移行するのに対し、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合には975/1000で高確抽選状態に移行する。言い換えると、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合の方が、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合よりも、高確抽選状態に移行しやすい。
本実施形態においては、周辺制御基板510における抽選状態が高確抽選状態であるか否かに関わらず、ボーナスゲーム終了後1ゲーム目から数ゲーム間(例えば10ゲーム)、必ず高確抽選状態移行する(1000/1000)。また、設定変更後(初期状態ともいう)には、抽選状態が高確抽選状態であるか否かに関わらず、抽選状態移行抽選を行い、750/1000で高確抽選状態に移行する。何ゲームにわたって高確抽選状態にするかについては、ボーナス当選時における周辺制御基板510の抽選状態が低確抽選状態であったか、または高確抽選状態であったかによって異なる。具体的には図示しないが、ボーナス当選時の周辺制御基板510の抽選状態が低確抽選状態であった場合には、当該ボーナス終了後に移行する高確抽選状態のゲーム数が10ゲーム以上となる確率は、30ゲーム以上となる確率よりも高い。対してボーナス当選時の周辺制御基板510の遊技状態が高確抽選状態であった場合には、当該ボーナス終了後に移行する高確抽選状態のゲーム数が30ゲーム以上となる確率の方が、10ゲーム以上となる確率よりも高い。
超チャンスモードへの移行についても、高確移行抽選の場合と同様、当選したチャンス小役(チャンス小役1(徳利図柄)またはチャンス小役2(巾着図柄))によって異なるとともに、抽選状態(高確または低確)によっても異なっている。超チャンスモードについて既に記載した通り、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合よりも、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合の方が、超チャンス状態に移行しやすく、その理由は以下に示す抽選確率の違いによる。チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合には、遊技状態が高確抽選状態か低確抽選状態であるかに関わらず、10/1000で超チャンスモードに移行する。それに対して、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合には、抽選状態が低確抽選状態であったときには188/1000で、高確抽選状態であったときは562/1000で超チャンスモードへ移行する。上記の通り、チャンス小役2(巾着図柄)に当選した場合と比較して、チャンス小役1(徳利図柄)に当選した場合の方が周辺制御基板510の抽選状態にかかわらず、超チャンスモードに移行しやすい。
言い換えると、チャンス小役1(徳利)に当選した場合において、高確抽選状態に移行する確率は約3%、超チャンス状態に移行する確率が約10%、ボーナスに当選している確率が10%〜15%であるのに対し、チャンス小役2(巾着)に当選した場合において、高確抽選状態に移行する確率は97%、超チャンス状態に移行する確率が20%〜60%(低確抽選状態での確率〜高確抽選状態での確率)、ボーナスに当選している確率が5%〜7%である。これらの確率と、チャンス小役1(徳利)およびチャンス小役2(巾着)の出現確率との関係は以下の通りである。
つまり、出現確率(選択確率)が高いチャンス小役1(徳利)は、高確抽選状態や超チャンス状態に移行する確率がチャンス小役2(巾着)よりも低いが、ボーナスに当選している確率がチャンス小役2(巾着)の2倍以上である。それとは対蹠的に、出現確率(選択確率)が低いチャンス小役2(徳利)は高確抽選状態や超チャンス状態に移行する確率がチャンス小役1(徳利)よりも高いが、ボーナスに当選している確率がチャンス小役1(徳利)よりも低い。
また、特典演出のストック(ストックY)の加算抽選の抽選確率についても、抽選状態が高確抽選状態であるか低確抽選状態であるかによって異なっている。当該加算抽選は主にボーナス当選時に行われている。具体的には、抽選状態が低確抽選状態であるときに主制御基板409における内部抽選でボーナスに当選すると、4/1000でスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックを加算、40/1000で金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックを加算するのに対し、抽選状態が高確抽選状態であるときに主制御基板409における内部抽選によってボーナスに当選した場合には、8/1000でスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックを、992/1000で小役の成立回数を限度として継続する特典演出(金さんTIME)のストックを加算する。言い換えると、抽選状態が高確抽選状態である場合にボーナスに当選すると、当該ボーナス終了後にはほとんど金さんTIMEに移行するのである。
さらに抽選状態が高確抽選状態の場合は、低確抽選状態の場合と比較してスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックおよび金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックともにストックされやすい(特典演出ストック加算抽選に当選しやすいともいう)。以下、スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストックについて「ストックY1」、金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストックについて「ストックY2」と記載でき、2つのストックを含めて記載する場合には「ストックY」と記載する。
本実施形態における特典演出のストック加算抽選は、先ずはスーパー金さんTIME(ストックY1)にかかる抽選を行い、ストックY1がストックされなかった(ストックY1にかかる抽選にハズレた)場合に限り、金さんTIME(ストックY2)にかかる抽選を行う。つまり、特典演出のストック加算抽選により得られた1の乱数を、まずストックY1についての抽選に用い、ストックY1についての抽選にハズレた場合にのみ、ストックY2についての抽選に用いられる。言い換えると、ストックY1にかかる抽選に当選した(スーパー金さんTIMEに移行することが決定した)場合には、ストックY2についての抽選は行わない。
このようにすることで、ストックY1に当選した場合には、確実に遊技者はスーパー金さんTIMEを獲得することができ、ストックY1に当選しなかった場合であっても、ストックY2について抽選されているため、遊技者は常にストックY1に当選することに対する期待を持ちながら遊技をすることができる。
なお、特典演出ストック加算抽選は、ボーナス成立時のほか、ボーナスゲーム中(ボーナス作動中ともいう)にも行われている。当該抽選が行われたか否かについては、ボーナスゲーム中に演出表示装置590における図柄表示領域5901bにハズレ目が表示される(内部抽選に不当選)ことにより遊技者に確認させることができる。言い換えると、ボーナスゲーム中に主制御基板409における内部抽選にハズレだった場合にのみ、特典演出ストック加算抽選を行っている。ここで、当該特典演出ストック加算抽選におけるスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストック加算抽選は4/1000、金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック加算抽選は132/1000で行われる。
また、特典演出ストック加算抽選は、スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)中、または金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)中に行われてもよい。本実施形態においては、上記特典演出の継続中に、主制御基板409における内部抽選にハズレだった場合に、特典演出ストック加算抽選が行われ、4/1000で金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック加算抽選に当選する。ここで、スーパー金さんTIME中にボーナスに当選した場合には、通常遊技中にボーナスに当選するよりも、特典演出ストック加算抽選に当選する確率が高い。このように、特典演出中にボーナスに当選した場合には、また、特典演出が行われやすい遊技機とすることにより、ボーナスと特典演出のループが期待できる。
従来の遊技機においてボーナスゲームは、ボーナスに入賞後、内部抽選における所定の入賞役に入賞し、賞としての遊技媒体が払い出されることにより実行される。そしてボーナスゲームは、当該遊技媒体が所定枚数に至ることにより終了する。ここで、ボーナスゲームにおける単位時間当たりに払い出される遊技媒体があまりに多くなると、遊技者の射幸心を煽るどころか、ホールにとっては一方的に不利益を被る。そこで、単位時間当たりの払い出し枚数を抑制するために、ボーナスゲーム実行中に行われる内部抽選における役に敢えてハズレを設けることが挙げられる。この場合における図柄表示領域5901bの表示態様についての詳細は既に記載したが、ハズレ図柄を表示させることにより、遊技者にも、当該内部抽選の結果がハズレだったことを認識させることができる。
ここで問題となってくるのが、ボーナスゲーム中にあえてハズレを設けることが、ホールにとっての不利益を抑制することにつながったとしても、遊技者にとっては、結果的にボーナスゲームで得られる遊技媒体の純増枚数が少なくなるという点である。単純に、内部抽選による結果がハズレであることは、遊技者に対して落胆の感情を抱かせるものであるが、上記のような状況下において、ボーナスゲーム中にハズレが頻発すると、遊技者は落胆どころか、しだいに怒りを感じずにはいられなくなってくる場合があり、ひいては興趣の低下を招く虞がある。
そこで、本実施形態における遊技機においては、ボーナスゲーム実行中における内部抽選の結果がハズレである場合に限り、特典演出抽選が行われる。この特典演出抽選は、ボーナスゲーム終了後に特典演出を行うか否かの抽選を行うほか、既に当該特典演出についての抽選に当選していた場合(言い換えれば、ストックY1またはストックY2の値が0でない場合)であって、さらに当該ボーナスゲーム実行中の内部抽選にハズレとなった場合には、特典演出のストック加算抽選が行われる。このように、ボーナスゲーム実行中における内部抽選でハズレが頻発すればするほど、特典演出にかかる抽選が行われる機会が多くなるだけでなく、特典演出にすでに当選した場合であって、その後さらに内部抽選におけるハズレが頻発すればするほど、特典演出ストック加算抽選により特典演出のストックが加算されている可能性があると期待を持たせることができる。
ところで、本実施形態における遊技機においては、ボーナスゲーム実行中における内部抽選においては、入賞役(小物等)が主として選び出されるが、ハズレは例えば10〜20ゲームに1回程度選択されうる。このように、ボーナスゲーム中に行われる内部抽選に敢えてハズレを設けることにより、単位時間当たりに払い出される遊技媒体を抑制することができ、ホールの不利益を抑制することができるだけでなく、遊技者の射幸心をも抑制することが可能となる。
(特典演出ストックの持ち越しと放出)
本実施形態における特典演出ストック加算抽選で加算されたストック(スーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)のストック(ストックY1)および金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック(ストックY2))は、直近のボーナス終了後に開始される特典演出ゲームにおいてすべてのストック分が消化されなかった場合、次回特典演出ゲームまで持ち越される。特典演出ストックが持ち越される具体例について、ボーナスに当選した場合であって、さらに特典演出抽選に当選(例えば、金さんTIMEに継続することが決定)し、かつ特典演出ストック加算抽選に当選(例えば、ストックY2に1加算)した場合を挙げて説明する。
上記の通り、特典演出抽選により金さんTIMEに移行することが決定し、特典演出ストック加算抽選を行い、当該特典演出ストック(金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)のストック(ストックY2))に当選した場合には、特典演出ストック(ストックY2)を1つ有した状態である。なお、当該特典演出ストック加算抽選にて決定したストックがストックY2であることから、ボーナスゲーム終了後には小役の成立回数を限度として継続する特典演出(金さんTIME)が開始するされる。次に、ナビ小役数抽選により所定の数の小役が決定され、当該所定数の小役を限度に、小役の入賞についてのナビゲートが行われる。例えば、ナビ小役数抽選により小役の数が5個と選択された場合には、リプレイタイム中に小役が5個当選するまで当該小役への入賞についてのナビゲートが行われる。また、当該小役への入賞についてのナビゲートが終了するまで、特典演出ゲームの終了契機であるリプレイタイムのパンク役(再遊技0)への入賞を回避するようにナビゲートが行われる。
本実施形態における特典演出のパンクについては既に述べたが、例えば本例においても、リプレイタイムのパンク役についてのナビゲートに従わずにリール停止操作をした場合には、たとえ当該特典演出ゲームにおいて、5個の小役のうち1個分しか消化されていない状態であっても、リプレイタイムのパンク役(再遊技0)の入賞により特典演出は終了する。言い換えると、残りの4回分の小役を獲得しないまま、特典演出は終了する。
しかしながら、このような場合であっても、当該特典演出ゲームが終了した後、再度特典演出ゲームが開始すると(つまり、リプレイパンク後の通常ゲーム等においてボーナスに当選し、さらに特典演出抽選にも当選した場合をいう)、当該特典演出ゲームにおけるナビ小役数抽選により決定された小役の数にを消化するに先駆けて(後であってもよい)、先の特典演出ゲームで消化することができなかった小役(上記の例では4個)から特典演出ゲームを開始することができる。つまり、特典演出ゲーム中にリプレイタイムのパンク役に入賞させたことによりナビされる予定だった小役をとり損ねても、当該小役ナビを次の特典演出まで持ち越すことができるのである。
また、リプレイパンク後の通常ゲーム等においてボーナスに当選した場合に、たとえ当該ボーナス時等における特典演出抽選に当選しなかった場合であっても、前回の特典演出において獲得することができなかった残り4回分の小役を獲得する権利を既に有している(ストックY2の値が0ではない)ことから、ボーナス終了後は無条件に特典演出を開始するとすることもできる。こうすることにより、ボーナス終了後の特典演出は、本来のナビ小役数抽選により選択された回数とは異なる半端な小役数(つまり、前回の特典演出において獲得することができなかった残り4回分の小役)から開始されることとなる。
そうすると遊技者にとっては、前回の特典演出において誤ってリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまったことにより、本来ならば獲得することができたはずの小役を獲得し損なった場合であっても、次回ボーナス終了後に必ず獲得することができるというメリットがあるため、遊技者には次回ボーナスまで遊技を続けようとする気持ちが芽生える。これにより稼働率の上昇が見込まれることから、ホールにとってもメリットがあるといえる。
上記は上記遊技者の救済的な効果について記載しているが、例えば、上記遊技者が、特典演出において誤ってリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまった場合であって、次回ボーナスまで遊技を続けなかった場合について記載する。上記遊技者の次に座った遊技者が遊技を行ったことによりボーナスに当選した場合には、たとえ特典演出抽選に当選しなかった場合であっても、前回座っていた遊技者が獲得できなかった残り4回分の小役を無条件に獲得できるといった、いわば棚から牡丹餅的なシチュエーションが考えられる。
また、上記は特典演出における所定の小役を獲得できずに特典演出を終了させてしまった場合について具体的に述べたが、特典演出のストック(例えばストックY2)の値が、例えば6である場合(特典演出ストック加算抽選に当選することにより得点演出ストックが上乗せされていた場合)においても、ストックの持ち越しの概念は同様である。例えば、ボーナスに当選した際等に行われる特典演出抽選に当選することより、ボーナス終了後に特典演出が行われることが決定され(少なくとも、ストックY2に1が加算される)、さらに特典演出ストック加算抽選に当選することによりストックY2の値が最終的に6となった場合(この時点でボーナス後には6セットの特典演出が行われることが決定したことになる)、特典演出が開始されることによりストックY2の値が1減算され5となる。
そして当該特典演出において、ナビ小役数抽選により小役の数が5個と選択された場合であって、かつ、1個分の小役を獲得した後にリプレイタイムのパンク役に入賞させてしまい、本来ならば獲得できるはずだった小役を4個分残したまま特典遊技を終了させてしまった場合には、半端な数の小役4個分に加えて、特典演出のセットの5回分をも獲得できなかったことになるのである。このような場合に、次回ボーナスへの当選においてこれらを獲得できるとすると、当該遊技者を救済する価値が大幅に上昇することはもちろんのこと、このような遊技特典が残されているとは知らずにこれらの特典演出を獲得できた遊技者にとってはこの上ないオトク感を与えることができる。
ここで、これらの特典演出を放出するタイミングや態様によっても、遊技者が受ける印象は異なる。例えば、ボーナス当選時等に行われた特典演出抽選または特典演出ストック加算抽選により既にストックY2が1以上であって、当該特典演出に先駆けて、棚から牡丹餅的に得た特典演出が開始された場合には、半端な小役の数がナビ小役数表示領域5904に表示されることから、遊技者は自分が棚から牡丹餅的に特典演出を獲得できたことを一目瞭然に認識することができる。
一方、当該特典演出においてストック加算抽選等により得たストックを先に放出した後に、棚から牡丹餅的に獲得した特典演出が開始された場合には、自分が棚から牡丹餅的に特典演出を獲得できたことを一目瞭然に認識することができることは先駆けて行った場合と同様であるが、さらに、半端な小役の数がナビ小役数表示領域5904に表示されることにより、特典演出の継続が終盤に向っていることが分かることから、できれば当該特典演出の実行中に再度特典演出ストック加算抽選に当選してほしい(ストックY1またはストックY2の値に所定の値が加算されること)と願いながら特典演出を消化することができるのである。
ただし、棚から牡丹餅的に獲得した特典演出を、自己が得た特典演出よりも常に後回しにして行うとした場合、特典演出の実行中に小役を残したまま特典演出を終了させればさせるほど、半端な数の小役を残したままの特典演出のセットが次から次へと加算されることになる。この場合には、遊技者は、ナビ小役数表示領域5904に表示される小役の数が半端である特典遊技が開始する度に、これは棚から牡丹餅的に獲得できた特典演出である特典演出であることを容易に理解できる上、特典演出が何回不本意な形で終了されたかを把握することもできる。
上記の例において、リプレイタイムのパンク役を入賞させることなく遊技を行うことにより、特典演出のストック(ストックY1またはストックY2)が全て放出された場合(つまり、ストックY1またはストックY2の値が0となる)、特典演出は終了し、演出表示装置590における演出表示領域5901aに表示されている画像は、通常遊技の画像へと戻る(図47の(f)参照)。ただし、この場合でも、リプレイタイムのパンク役に入賞するまでは、リプレイタイムが継続することは既に述べた。
別の例として、特典演出の実行中であって、かつ特典演出のストック(ストックY1またはストックY2)の値が1以上であった(つまり、特典演出が継続することが決定している)場合に、ボーナスに当選した場合ついて記載する。この場合も、誤ってリプレイタイムのパンク役を入賞させてしまった場合と同様、リプレイタイムのパンク役へ入賞させてしまった際に既に有している特典演出のセットと、当該特別演出にて獲得できるはずだった小役については、当該ボーナスの終了後に放出されることとなる。
ボーナスゲーム終了後に開始された特典演出が、自己の遊技の過程において自己が引き当てたものであるのか、それとも棚から牡丹餅的に獲得できたものであるのかは、特典演出の開始、若しくは終盤近くにおいて、ナビ小役数表示領域5904に半端な小役の数が表示されることによるしか遊技者には術がない。つまり、特典演出実行中において、ナビ小役数表示領域5904に表示されている小役を一つも獲得することなく、リプレイタイムのパンク役を入賞させてしまい、(不本意に)特典演出を終了させてしまった場合には、小役の数が減算されずに次回ボーナス終了後に特典演出として放出されるため、当該特典演出が開始されることのありがたみを遊技者が感じることができないのである。
したがって、このように、特典演出においてナビ小役数表示領域5904に表示された小役を一つも獲得することなく特典演出を終了させてしまった場合には、敢えて小役の数を1減算した上で次回ボーナス後に特典演出として放出するようにしてもよい。そうすれば、当該特典演出が開始された場合には、ナビ小役数表示領域5904に表示される小役の数は、本来の特典演出では表示されることのない半端な小役の数が表示されることから、遊技者は当該特典演出が、自己が不本意に特典演出を終了させてしまった際に残されていた特典演出なのか、それとも前に座っていた人が不本意に終了させてしまったものであるのかを明確に判別することができる。
一般的に、獲得できるはずであった小役を1減算されるとなると、遊技者が憤りを感じることはあるが、本実施形態におけるリプレイタイムのパンク役の入賞回避はナビゲートに従うものであり非常に容易であり、パンク役の入賞は遊技者の操作ミスによるものが多いと考えられる。このような状況下において、上記のようないわばペナルティ的な制裁を加えることにより、リプレイタイムのパンク役の入賞を回避できた人と、そうでなかった人との間での公平性を維持することも可能である。
本実施形態には、天井機能を搭載している。具体的にはボーナス終了に1079ゲームを超える遊技が行われた際にフラグが成立し(天井フラグという)、高確抽選状態への移行抽選および高確遊技加算抽選が行われるとともに、主制御基板409における内部抽選においてボーナスに当選するまで、小役の成立のみをナビゲートする(「無限ATナビ」という)。ナビゲートは音声やランプなどで行う他、液晶(スクリーン504における演出表示領域5901aや図柄表示領域5901b)の表示などで遊技者にナビゲートするものであってもよい。
ここで、1079ゲームに到達したときに当該遊技状態が金さんTIME(小役の成立回数を限度として継続する特典演出)中であった場合には、1079ゲームを超えた時点で天井フラグは成立するものの、当該特典演出が終了するまで当該天井フラグが成立したまま遊技は進行し、特典演出が終了した後に無限ATナビが発動する。特典演出終了後の無限ATナビも、上記のように音声等で小役の成立のみをナビゲートするものである。
なお、1079ゲームに到達したときに当該遊技状態がスーパー金さんTIME(次回ボーナスまで継続する特典演出)中であった場合には、1079ゲームを超えた時点で天井フラグは成立するという点においては金さんTIMEの場合と同様であるが、当該特典演出が終了する場合とは、ボーナスに成立するか、不本意な形で当該特典演出を終了させた場合(リプレイタイムのパンク役を入賞させてしまった場合)が挙げられる。ここで、ボーナスに成立した場合には、成立していた天井フラグはリセットされる。しかし、不本意な形でスーパー金さんTIMEを終了させた場合は、当該終了させた時点から無限ATが発動する。
[特殊演出]
本発明におけるスロットマシンでは、例えば暫くの間ゲームが行われずに、所定時間(所定の規定時間)を超えて放置されたのちに実行されたゲームにおいて、内部抽選の結果ボーナス等に当選していない場合であっても、いかにボーナス当選しているかのような遊技者にとってアツい演出(特殊演出)が行われる。とくに、スロットマシンは、ホール関係者によって設定された設定毎に例えばボーナス当選確率が異なることから、外観上、出率がよいと思われる遊技機では継続してゲームが行われる(仮にゲームをやめたとしてもすぐに別の遊技者がゲームを行う)一方で、出率が悪いと思われる遊技機についてはゲームが行われずに放置される傾向にある。
つまり、よく出ていると思われる遊技機については、遊技者は「この遊技機は設定がよい」と判断する傾向にあり、その一方で、あまり出ていない遊技機については、遊技者は「この遊技機は設定が悪い」と判断する傾向にある。そこで、本実施形態のスロットマシンのように、上記の所定時間を超えて放置された遊技機においてゲームが行われた場合に、遊技者に有利な結果がもたらされるのではないかといった期待感を与えうる演出を行うことで、放置されていた遊技機でゲームを開始した遊技者に対して、ゲームを途中でやめることを躊躇させることが可能となる。
具体的な制御について図50〜図53を用いて説明する。ここで、遊技機が上記の所定時間を超えて放置されているか否かについては、前回のゲームが終了してからの経過時間を計時する専用のタイマーによって計時される。ここで、「前回のゲーム」の終了は、前回のゲームが開始されたことによって全てのリールが回転状態となったのち、これら複数のリールのうち最後に停止される一のリールを停止させるべく操作された停止ボタンの押し操作が解除されたことをもって終了としている。ただし、1ゲームの結果として賞としてのメダルが払い出されたときには、賞としてのメダルが払い出されたことをもってゲームの終了としてもよい。
なお、本実施形態では、上述したように、遊技機が所定時間を超えて放置されているか否かについての計時を専用のタイマーを設けて行っているが、これに代えて、1ゲームに割り当てられた時間を計時するタイマーを用いてもよい。「1ゲーム」に割り当てられた時間」は、徒に遊技媒体としてのメダルが消費されることを抑制すべく定められた時間(例えば4.1secの割当時間)であり、この割当時間が経過する前に次ゲームが実行されることはない。
[タイマーカウント処理]
タイマーカウント処理について、図50を用いて説明する。タイマーカウント処理は、主制御基板409にて制御される。ここで、タイマーカウント処理は、電源投入時から開始されるものではない。電源投入時にタイマーがスタートすると仮定すると、一般的なパチンコホールでは、ホールの開店前に電源を投入することから、遊技者がゲームを開始する頃には、タイマーカウント処理における上記の所定時間が既に経過している場合があり、このような場合には、朝イチ(開店すぐ)にゲームを行ったときにはほぼ必ず特殊演出が行われるということがあり得るからである。そうすると、特殊演出の発生(詳細は後述する)に対するレア感やありがたみが薄れてしまうだけではなく、特殊演出は必ずガセ演出であることの認識を遊技者に与えてしまい、煩わしい演出となるだけでなく、内部抽選が当たりであった場合に行われる演出まで煩わしいと感じさせてしまう虞がある。
したがって、タイマーカウント処理の開始は、電源投入後に少なくとも1ゲーム実行されたことが条件となる。例えば、遊技メダルが投入されて(ベットボタン205、206が操作された場合も含む)、始動レバー210が操作されたこと、または、第3停止ボタンが操作されたことをもってタイマーカウント処理が開始される。
「少なくとも1ゲームが実行されている」という条件をクリアしている場合には、次に、遊技条件が非成立か否かを判断する(ステップS1100)。ここで遊技条件が非成立とは、ゲームを開始することができない(始動レバー210を操作してもリールが回転しない)ことをいい、例えば、全てのリールが停止状態にあり且つ規定枚数の遊技メダルが投入されていない状態(例えば、3枚がけのスロットマシンにおいては、1枚または2枚しか投入されていない状態等)が挙げられる。前回ゲームにおいてリプレイに当選していた場合には、規定枚数の遊技メダルを投入することなく次ゲームの実行が可能となるため、遊技条件が非成立とはいえない。
本発明においては、1ゲームを実行するのに必要なベット分のメダルを、投入口203を通じて投入することができる。また、1ゲームを実行するのに必要なベット分だけでなく、貯留の上限値(例えば、50枚分)まで投入することができる。投入されたメダルは、クレジットデータとして貯留される。貯留の上限値を超えて投入すると、ゲームを実行するなどしてクレジットデータを消化しない限り、それ以上貯留することができず、メダル用受皿201に払い出される。クレジットデータを消化してゲームを開始させるためには、ベットボタン205,206を操作することを要する。
「規定枚数の遊技メダルが投入されていない状態」は、例えば、メダルを3枚投入してはじめてゲームの実行が可能となるスロットマシンにおいては、遊技メダルが1枚または2枚しか投入されていない状態、遊技メダルが1枚でも投入されていればゲームの実行が可能となるスロットマシンにおいては、1枚も遊技メダルが投入されていない状態が相当する。
ここで、例えば、1ゲームが終了したにもかかわらず、次ゲームの実行条件となる遊技メダルの投入が行われていなければ、前回のゲーム結果がリプレイでない限り、次ゲームを実行すべく遊技メダルが投入されるまでは「遊技条件が非成立」であるといえる。つまり、前回のゲーム結果がリプレイでない限り、毎ゲーム後に遊技条件が非成立となる状況が訪れうることとなる。また、長時間にわたって遊技条件が非成立となり得る状況としては、例えば、ゲームに供される遊技するための遊技メダル(またはクレジットデータ)がなくなり、遊技者がゲームをやめるべく台(遊技機)から立ち去ったという状況が考えられる。
そして遊技条件が非成立であると判断すると(ステップS1100におけるYES)、HAフラグ(ハイエナフラグ)を成立(ステップS1120)させた後、タイマーをスタートさせる(ステップS1160)。一方、遊技条件が非成立ではない(例えば、始動レバー210を操作することによりリールが回転できる状態や、3枚掛けスロットマシンにおいて、クレジットが3枚残っている場合等が挙げられる)と判断した場合(ステップS1100におけるNO)には、HAフラグ(ハイエナフラグ)を成立させずに(ステップS1140)タイマーをスタートさせる(ステップS1160)。その後、タイマー演出判定処理(図51)へと進む。なお、クレジットデータは残っているが、トイレ休憩や食事休憩を取るために、遊技者が一定時間台を離れたという状況も、遊技状態が非成立となる。
[タイマー演出判定処理]
タイマー演出判定処理について図51を用いて説明する。この処理は、主制御基板409にて制御されるものである。この処理は、前回のゲーム結果がリプレイでなかったときに、このリプレイでなかった前回のゲームが終了してから(タイマーがスタートされてから)、上記の所定時間が経過されたのちにゲームが再開された状態を想定している。この状態には、前回のゲームを行った遊技者が、再度ゲームを開始した場合(例えば、トイレ休憩や、食事休憩から戻ってきてゲームを再開した場合が挙げられる)と、前回のゲームを行った遊技者とは異なる遊技者が新たにゲームを行った場合(例えば、クレジットデータが0になったことにより、前回のゲームを行った遊技者が遊技台から立ち去った後に、別の遊技者が当該台でゲームを再開した場合が挙げられる)等が含まれる。
タイマー演出判定処理は、ゲームが再開され得る状態であることを前提とする。つまり、前回のゲームの終了後から、所定時間が経過し、その後、遊技メダルが投入される(又はMAXベットボタンが操作される)等により、再度始動レバー210を操作することによりリールが回転可能となる状態であることが必要である。ゲームが再開されると、ゲームの結果がリプレイではない前回のゲームの終了(タイマスタート)から次回のゲームが開始されるまでに、所定時間が経過しているか(タイマーは所定時間経過か?)を判定する(ステップS1200)。タイマーが所定時間経過をカウントしていると判断すると(ステップS1200におけるYES)、次に、HAフラグが成立しているか否かを判定する(ステップS1220)。
HAフラグが成立していると判断すると(ステップS1220におけるYES)、タイマー演出フラグAを成立させ(ステップS1240)、タイマーをリセットする(ステップS1280)。HAフラグが成立していないと判断すると(ステップS1220におけるNO)、タイマー演出フラグBを成立させ(ステップS1260)、タイマーをリセットする(ステップS1280)。
[コマンド受信処理]
次に、コマンド受信処理について図52を用いて説明する。コマンド受信処理は、主制御基板409から送信された情報(例えば、当落情報、タイマーカウント情報、演出を行うか否かの情報、タイマー演出フラグの情報等が挙げられる)を周辺制御基板510が受信し、受信した情報に基づき、演出処理へと続く処理である。具体的には、主制御基板409から演出展開コマンド(演出を行うか否かの情報等)を受信すると(ステップS2100におけるYES)、N値決定処理(ステップS2120)へと進む。N値決定処理は、当該演出を何ゲーム後に行うかを抽選する処理である。N値は図53におけるN値決定テーブルに基づいて決定する。N値決定処理によりN値が決定された後は、演出処理へ進む(ステップS2140)。上記演出展開コマンドには、演出を行うか否かの情報のほか、上述したタイマー演出判定処理にて得られた、タイマー演出フラグAまたはタイマー演出フラグBが成立しているか否かの情報も含んでいる。
[N値決定テーブル]
ここで、N値決定テーブルについて図83を用いて説明する。N値決定テーブルにおけるN値では、0、1〜5、6〜10、11〜15、16〜20、21〜25の区分に区分けされている。そして、N値決定処理では、これら区分けした区分のうち所定の選択率でいずれかの区分に決定されてN値が決定される。例えば、「0」の区分の選択率は0.3であり、「1〜5」、「6〜10」、「11〜15」、「16〜20」および「21〜25」の場合のそれぞれの区分が選択される選択率はいずれも0.14である。そして、これらの区分のうちいずれかの区分に選択されたのち、均等な確率でN値が決定される。例えば、「1〜5」の区分が選択されたときは、その後、1〜5のうちいずれかが、それぞれ5分の1の均等な確率でN値に決定される。ここで、N値は、ステップS1220の演出フラグが成立してから何ゲーム後に特殊演出が行われるかを示すものであり、例えばN値が「2」であれば、現在のゲームから2ゲーム後に特殊演出が行われる。また、N値が「0」であれば、特殊演出は行われない。
このように、N値の選択率を異ならせることにより、特殊演出が行われるタイミングが、所定時間経過後の1ゲーム目である場合や、25ゲーム目である場合、特殊演出が行われない場合(N値=0)等が存在することとなり、特殊演出開始(有無)についてのバリエーションが広がる。その結果、特殊演出が行われたときに、ボーナス当選しているのではないといったことを遊技者に容易に看破されることを抑制できる。例えば、仮に、所定時間放置された遊技機にてゲームが開始されたときに、当該ゲームが開始されてから例えば1ゲーム目に特殊演出が行われる等、当該特殊演出の実行時期に規則性があると、遊技者に当該遊技機の仕組みを看破されてしまうおそれがある。遊技機の仕組みが遊技者に看破されてしまうと、せっかく特殊演出が行われたとしてもゲーム自体がマンネリ化し、かえって煩わしい演出だといった印象を遊技者に与えるおそれがあり好ましくない。
しかし、本願発明のように、特殊演出が行われるタイミングが都度異なれば、熟練した遊技者であっても、特殊演出が行われたのか、それとも内部抽選によりボーナス(またはチャンス目)に当選したのかを推測し難くなることから、特殊演出発生についてのマンネリ化を防ぐことができる。
[演出処理]
演出処理について、図54を用いて説明する。演出処理ではまず、周辺制御基板510が、主制御基板409から受信した当落情報がボーナス当選にかかるものであるか否かの判断を行う(ステップS2200)。ボーナスに当選していると判断すると(ステップS2200におけるYES)、ボーナスに当選した場合に行われる演出(ボーナステーブル)を選択し、ボーナス演出を行う(ステップS2220)。ボーナスに当選している場合には、たとえタイマー演出フラグAが成立している場合であっても、特殊演出は行わない。
ボーナスに当選していない場合には(ステップS2200におけるNO)、内部抽選の結果がボーナス当選していないものの、ボーナス当選している期待感を遊技者に与えうるチャンス目が表示されるか否か(チャンス目当選しているか否か)を判断する(ステップS2240)。チャンス目に当選していると判断すると(ステップS2240におけるYES)、チャンス目に当選した場合に行われる演出(チャンス目テーブル)を選択し、チャンス目演出を行う(ステップS2260)。
チャンス目に当選していない場合には(ステップS2240におけるNO)、N値が1であるか否か(N=1?)を判断する(ステップS2280)。N値が1である場合には(ステップS2280におけるYES)、タイマー演出フラグAが1であるか否かを判断する(ステップS2300)。タイマー演出フラグAは、図51のタイマー演出判定処理のステップS1220にて、タイマーが所定時間経過していることに基づいて成立するフラグ(HAフラグ)である。
タイマー演出フラグAが1であると判断すると(ステップS2300におけるYES)、ガセボーナステーブルを選択し(ステップS2320)、ガセボーナス演出(特殊演出としての、ボーナステーブルが選択されたときのようなボーナスに当選した場合に行われるボーナス演出に極めて似た極似演出)を行う。なお、本実施形態では、ボーナス演出とガセボーナス演出とは別の演出データとしてROMに記憶されているが、同じ演出データを共用するようにしてもよい。ガセボーナス演出が行われた後は、N値をリセットする(ステップS2340)。
なお、ステップS2280において、N値が1ではないと判断すると(ステップS2280におけるNO)、N値を1減算する(N=N−1)(ステップS2420)。例えば、N値が「5」である場合には、N=1を満たさないので、ステップS2420にてN値が1減算され(5−1=4)、演出処理を終了する。この処理は、ステップS2280においてN値が1になったと判断されるまでゲームが繰り返されるごとに行われる。
なお、今回のゲームにおけるN値が「1」であって且つタイマー演出フラグが成立していたとしても、内部抽選の結果ボーナス当選したときには、ガセボーナステーブルが選択されることなく、ボーナステーブルが選択される。
ステップS2300において、タイマー演出フラグAが1ではないと判断すると(ステップS2300におけるNO)、タイマー演出フラグBが1であるか否かを判断する(ステップS2360)。タイマー演出フラグBは、図51のタイマー演出判定処理にて、タイマーが所定時間経過しているものの(ステップS1200におけるYES)、HAフラグが成立していない(ステップS1220におけるNO)ことに基づいて成立するフラグである。タイマー演出フラグBが1であると判断すると(ステップS2360におけるYES)、ガセチャンス目テーブルを選択し(ステップS2380)、チャンス目テーブルが選択されたときに行われるような演出と酷似する演出を行う。
ガセチャンス目演出は、例えば、上述の「超チャンスモード」に突入するかもしれないと思わせるような、簾役物を利用した演出や、ボーナス後にARTが開始される確率が高いと思わせるような演出等、ガセボーナス演出のように、ボーナスに当選したかもしれないと思うほどの演出とは異なるものの、比較的期待を持つことができる演出をいう。ガセチャンス目演出を行った後は、N値をリセットする(ステップS2340)。ステップS2360において、タイマー演出フラグBが1ではない場合には(ステップS2360におけるNO)、エラー処理を行う(ステップS2400)。
ここで、タイマー演出フラグAが成立している場合とタイマー演出フラグBが成立している場合において、発生させる特殊演出を異ならせている理由を説明する。まず、ガセボーナス演出が行われる、タイマー演出フラグAが成立する状況について説明する。タイマー演出フラグAが成立している場合とは、タイマー演出判定処理において、HAフラグが成立しているということ(ステップS1220におけるYES)であり、HAフラグが成立しているということは、タイマーカウント処理において、遊技条件が非成立であるということ(ステップS1100におけるYES)である。
「遊技条件が非成立」とは、上述の通り、例えば、ゲームを実行するための遊技メダル(またはクレジットデータ)がなくなったことにより遊技者が台から立ち去った場合や、クレジットデータは残っているが、トイレ休憩や食事休憩を取るために、一定時間遊技台を離れた場合等が挙げられるが、HAフラグを成立させる場合とは、前者である、遊技メダル(またはクレジット)がなくなったことにより遊技者が遊技台から立ち去った場合を想定している。つまり、次に当該遊技台においてゲームを実行する遊技者は、立ち去った遊技者ではなく、主に新たな遊技者であることを想定している。
当該遊技台において、新たな遊技者がゲームを開始した(本願発明においては「再開」を意味する)場合に、前回遊技終了から所定時間が経過しているときには、特殊演出が行われうる。当該特殊演出は、タイマー演出フラグAが成立していることに基づくものであるので、「あたかもボーナスに当選したかもしれないと思わせるような連続演出等」(ガセボーナス演出)が行われる。言い換えると、初めて当該遊技機で遊技する遊技者にとっても、特殊演出が行われることによって「この演出はアツい演出なのではないか」と思わせるような、分かりやすい演出として、あたかもボーナスに当選したかもしれないと思わせるような連続演出等を行うのである。
このように、特殊演出を目の当たりにした遊技者は、上記のように、アツい演出かもしれないと思うほか、「もしかしたらこの台は設定が高いかもしれない」という勝手な妄想に駆られ、すぐには当該台から離れようとはしなくなることが期待できる。これにより、遊技者に対して期待感を持ちながらゲームを行わせることができるだけでなく、稼働率の上昇も見込めることから、ホール側にもメリットがあるといえる。
ここで、タイマー演出フラグAが成立している場合(新たな遊技者が遊技を再開した場合)に、タイマー演出フラグBが成立しているときのような、「超チャンスモード」に突入するかもしれないと思わせるような演出(ガセチャンス目演出)は、基本的には行わないよう制御してもよい。その理由は、ガセチャンス目演出は、当該遊技機において、長時間遊技していることにより、「チャンス目演出とはどういうものか」を熟知している遊技者に対して行うことによって初めて効果がある演出であるので、初めてゲームを行う遊技者に対して当該演出を行っても、当該演出がチャンス目演出と酷似していることに気づかない可能性があるからである。
次に、ガセチャンス目演出が行われる、タイマー演出フラグBが成立する状況について説明する。タイマー演出フラグBが成立している場合とは、タイマー演出判定処理において、HAフラグが成立していないということ(ステップS1220におけるNO)であり、HAフラグが成立していないということは、タイマーカウント処理において、遊技条件が成立している(言い換えると、3枚掛けスロットマシンにおいて、クレジットデータ残高が3以上ある場合や、3枚のメダルが投入されることにより、始動レバー210を操作することができる状態)ということ(ステップS1100におけるNO)を意味する。
遊技条件が成立しているということは、HAフラグが成立している場合とは異なり、遊技者が遊技台を離れるに至った理由が、ゲームを止めて帰った場合や、台を移動した場合とは異なり、トイレ休憩や食事休憩を取るために、一定時間遊技台を離れた場合を想定することができる。つまり、ほとんどの場合、次に当該遊技台においてゲームを再開させる遊技者は、立ち去った遊技者と同一の遊技者である可能性が高いと考えられる。
トイレ休憩や食事休憩等から遊技者が当該遊技台に戻り、ゲームを再開した場合に、前回のゲームの終了から所定時間が経過しているときには、特殊演出が行われうる。当該特殊演出は、タイマー演出フラグBが成立していることに基づくものであるので、「上述の「超チャンスモード」に突入するかもしれないと思わせるような、簾役物を利用した演出や、ボーナス後にARTが開始される確率が高いと思わせるような演出」(ガセチャンス目演出)が行われることになる。
ここで、タイマー演出フラグBが成立している場合に、タイマー演出フラグAが成立しているときのような、「ガセボーナス演出」を行わないのかというと、初めて当該遊技機でゲームを行う遊技者とは違い、既に当該遊技機においてゲームを行っている遊技者は、当該遊技機における演出の内容、頻度、期待殿度合いをある程度理解している場合があり、このような遊技者に対しては、あたかもボーナスに当選しているかもしれないという「分かりやすい演出」を行うよりも、長時間ゲームしているからこそ理解できるというような、チャンス目に当選したかもしれない、またはボーナス後にARTが開始される確率が高いかもしれないという演出を行った方が、継続して遊技を行おうと思う心理をくすぐる効果が期待できるからである。
特に、休憩を取る前に行っていた遊技機において、ボーナスが訪れることなく大ハマリに陥っていた場合には、遊技に単調さを感じている場合がある。このような場合に、休憩を取り、所定時間経過後に遊技を再開させたときに、ガセチャンス目演出が行われると、遊技者に対し「休憩を取ったことによって、ゲームの流れが変わったかもしれない」と、ある種のジンクス的な妄想を抱かせることができる。これにより、遊技の単調さは解消されることが期待でき、遊技者のモチベーションを回復させることにも期待できる。このように、遊技者は特殊演出の発生により、気分新たにゲームを行うことができることから、結果的には台の稼働率が向上し、ホールにとってもメリットとなる。
ここで、タイマー演出フラグBが成立している場合に、ボーナスに当選しているかもしれないという演出(ガセボーナス演出)は、基本的には行わないように制御する。理由は、ガセボーナス演出は、上述の通り、分かりやすい演出であるので、休憩を取る度にガセボーナス演出が行われるとすると、当該特殊演出に対する有難みが低下したり、当該特殊演出がガセ演出であるということに気づきやすくなり、かえって興趣の低下を招く虞があるからである。
特殊演出が行われる流れは以下の通りである。まず、遊技者が本願発明のスロットマシンにてゲームを開始する。台の設定によっては、なかなかボーナスに当選しないことがあり、通常遊技が単調になってくる虞がある。そうすると遊技者は、その単調さを紛らわすために、トイレ休憩をとったり、食事時であれば食事休憩をとったり、最悪の場合、別の台に移動したりする。本願発明は、上記のようにゲームが開始されたものの、一旦ゲームが中断された場合に、タイマーがスタートする。そして、所定時間経過後に食事休憩等をとっていた遊技者が当該スロットマシンに戻り、遊技を再開することにより、特殊演出が行われうる。
このように、ゲーム終了から一定時間経過後にゲームが再開されることで、特殊演出を行うと、当該遊技機において初めてゲームを行う遊技者にとっては、当該遊技機に対する興味を掻き立て、遊技意欲を起こさせる効果があり、トイレ休憩等で休憩を取った後にゲームを再開した遊技者にとっては、継続してゲームを行おうとする意欲を向上させるとともに、興趣の低下を抑制しうるという効果があり、さらにホールにとっては稼働率向上といった効果をもたらすことができる。
上記の発明を実施するための形態で説明した本遊技機は、本願発明の技術思想を実現すべく以下の構成を有している。なお、以下では、上記の発明を実施するための形態で記載した用語を上位概念化して記載するとともに、この上位概念化した用語に相当する上記の発明を実施するための形態に記載された用語を括弧内に記載している。なお、以下の構成は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられる。
上記遊技機(例えばスロットマシンに代表される回胴式遊技機)は、各々に複数個の図柄が付された複数のリール(リール301a,301b,301c)と、当該複数のリールの各々に付された図柄を視認できるように筐体の前面に設けられた表示窓(開口部591a)と、遊技者に操作される複数の操作手段とを備える。
この遊技機は、例えばメダル等の遊技媒体を投入したり、クレジットと称される電子データとしての遊技媒体を用いて、所定の賭け数が設定されたことを前提としてゲームの実行が可能となる。
ところで、上記の操作手段としては、複数のリール(リール301a,301b,301c)の回動を開始させることが可能な始動操作手段(始動レバー210)と、始動操作手段が操作されたことによって回動されている当該複数のリールを停止させることができる複数の停止操作手段(リール停止ボタン211a,211b,211c)とが少なくとも配置されている。
始動操作手段(始動レバー210)は、所定の賭け数が設定されていることを前提として複数のリール(リール301a,301b,301c)の回動を開始させることができるものである。言い換えると、この始動操作手段がたとえ操作されたとしても、所定の賭け数が設定されていない限り、複数のリールの回動を開始させることはできない。
複数の停止操作手段(リール停止ボタン211a,211b,211c)は、各停止操作手段が複数のリール(リール301a,301b,301c)のそれぞれに対応して配置されている。このとき、各リールと各停止操作手段とが1対1で対応していることが好ましい。そして、リール停止操作手段が停止操作されると、当該操作されたリール停止操作手段に対応するリールが回動状態にあれば、これを停止させるリール停止機能が作用する。このようにして、各停止操作手段を操作することによって、回動状態にある複数のリールを個別に停止させることができる。
ところで、上記遊技機は、さらに、複数のリール(リール301a,301b,301c)の回動を開始させたのち当該複数のリール(リール301a,301b,301c)を停止させたときに、表示窓(開口部591a)に表示された図柄組合せに基づいて特典が付与される図柄ゲームが進行する中で、演出を行う演出手段(スクリーン504)を備える。演出手段(スクリーン504)は、遊技者に対してリール(リール301a,301b,301c)の前面(例えば開口部591aで視認される面)より所定空間550隔てた奥に存在し、前記所定空間を演出空間または遊技者が演出に応じて動作(指さし動作)する動作空間として用いて演出(的あて演出や花札演出)を行うことを特徴とする。
演出手段は、スクリーン504のような表示手段に限らず、可動物(例えばワニを模した役物)であってもよい。例えば、可動物が、初期状態(演出をしていない状態)では、遊技者に対してリールの前面より所定空間隔てた奥に備えられており、演出が開始されると、前記所定空間内に可動物が出てきたり、元の位置に戻ったりするという態様で、上記の所定空間550を演出空間として用いて演出をするものとしても良い。
演出手段(スクリーン504)は、図柄ゲームに直接的に関係する演出を行うものとしても良いし、図柄ゲームとは無関係の演出を行うものとしても良い。
演出手段(スクリーン504)は遊技者に対してリール(リール301a,301b,301c)の前面より略円柱形状の図柄変動表示装置300の略直径分奥に存在し図柄変動表示装置300の上空間または下空間が前記所定空間に相当するものとしても良い。あるいは、演出手段(スクリーン504)を背板104に近接して取り付け、リール(リール301a,301b,301c)の前面から略背板104までの空間が上記の所定空間550に相当するものとしても良い。
更に、遊技者の動作を検出する検出手段(リール停止センサ212、始動センサ210a、MAXベットセンサ206a)を備え、前記遊技機は、前記検出手段が遊技者の動作を検出したか否かに基づいて機能するものとしても良い。前記検出手段(図57のリール停止センサ212)は、演出空間または動作空間として機能する上記の所定空間550内に設けるものとしても良い。あるいは、前記検出手段(リール停止センサ212)は、演出空間または動作空間として機能する上記の所定空間550外に設けるものとしても良い。例えば、前記演出手段としての可動物に一体的に備えるものとしても良い。
検出手段は、リール停止センサ212、始動センサ210a、MAXベットセンサ206a等の遊技を進行するのに直接的に関係する機能を果たすセンサに限らず、演出にのみ用いられるセンサであっても良い。
遊技機が遊技者の動作を検出したか否かに基づいて機能するとは、例えば、遊技機は、遊技者の動作を検出すると、リール(リール301a,301b,301c)の回動を開始させるものとしても良いし、リール(リール301a,301b,301c)の少なくとも1つを停止させるものとしても良いし、制御基板(主制御基板409)のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1回のゲームで使用可能な最高枚数(例えば3枚)の投入を指示するものとしても良いし、制御基板(主制御基板409)のメモリにデータとして蓄えられているメダルから1枚の投入を指示するものとしても良いし、制御基板(主制御基板409)のメモリにデータとして蓄えられているメダルの貯留解除をしてメダルを放出するものとしても良い。
また、遊技機が遊技者の動作を検出したか否かに基づいて機能するとは、例えば、遊技機は、演出手段(スクリーン504、ランプ、スピーカ1021、1022)の演出内容を、遊技者の動作の検出に応じたものとしても良い。演出内容としては、スクリーン504の表示内容や、ランプの点灯状態や、スピーカ(右スピーカ1021、左スピーカ1022、低音スピーカ221)から発せられる音が挙げられる。
更に、遊技機が遊技者の動作を検出したか否かに基づいて機能するとは、例えば、遊技機は、遊技者の動作を検出すると、遊技者に何らかの価値を提供するためのポイントを増加させるものとしても良い。何らかの価値とは、遊技店から提供される特典情報等遊技結果とは直接的には無関係のものであっても良いし、アールテイ終了抑制演出やエ−テイ演出が行われる可能性を高くしたり、当選確率を高くしたりする等遊技結果に影響を及ぼすものであっても良い。
前記検出手段(リール停止センサ212)は、遊技者の動作を検出して主制御基板409に信号を送るようにしているが、これに代えて、遊技者の動作を検出して周辺制御基板510に信号を送るようにしてもよい。すなわち、前記演出手段が行う演出(的あて演出、花札演出、悪人キャラクタの表示(後述)、動物キャラクタの表示(後述)、もぐら叩き用の画像の表示(後述))に応じて遊技者が動作空間として機能する上記の所定空間550内で行う動作(指さし動作、殴る動作(後述)、撫でる動作(後述)、もぐら叩き(後述))を検出し、当該検出に基づいて演出手段にて行われる演出が変化するようにしても良い。
更に、上述した実施例では、検出手段(リール停止センサ212)が出力する信号は主制御基板409に入力するものとしたが、検出手段が出力する信号は周辺制御基板510に入力するものとしても良い。
[実施例の他の態様]
なお、遊技者が行う動作は、指さしに限定されず、選択した的(左、中央、右)に対応するリール停止センサ212a〜212cによって検出可能なものであれば何でも良い。例えば、的を射るような動作をしても良い。なお、ここでは表示画像が的なので遊技者が行う動作として指さしや射る動作を例示したが、図58で示すように、表示画像が悪人のキャラクタである場合は殴る動作であっても良いし、表示画像が愛玩動物のキャラクタである場合は撫でる動作であっても良い。遊技者は直感的に動作すれば良い。遊技者の殴る動作を検出し、これに応じて悪人キャラクタが倒れる等の反応をするように構成すれば、遊技者は、ただボタンを押すことに呼応して悪人キャラクタが倒れるよりも、自分の動作と悪人キャラクタの反応の辻褄があっているので、独特の快感を得ることができる。同様に、遊技者の撫でる動作を検出し、これに応じて動物キャラクタが尻尾を振る等の反応をするように構成すれば、遊技者は、ただボタンを押すことに呼応して動物キャラクタが尻尾を振るよりも、自分の動作に対して動物キャラクタが反応してくれるので、独特の喜びを感じることができる。
上述した実施例では、的あて演出中と、花札演出中の場面でのみ、選択スイッチ208が「ON」とされ、リール停止センサ212等の動作検出を有効とされ、リール停止ボタン211等の操作を無効とするものとしたが、当然選択スイッチ208が「ON」とされる場面は、これらに限らず、どのような遊技状態において選択スイッチ208が「ON」とされても、上述のスロットマシン1の構成により遊技は実現可能である。
上述した実施例では、遊技者が選択スイッチ208を操作することにより、リール停止ボタン211等の押下操作を有効とするか、リール停止センサ212等の動作検出を有効とするのかを切り替えたが、切り替え方法は、これに限らない。例えば、遊技状態に基づいて、主制御基板409の主制御MPUが自動的に切り替えるものとしてもよい。遊技状態とは、主制御基板409が把握可能な遊技状態であって、BBゲーム中か否か、RBゲーム中か否か、RTゲーム中か否かが挙げられる。
スロットマシン1においては、不正を防ぐ目的からも、主制御基板409から周辺制御基板510への信号は一方通行とされており、周辺制御基板510から主制御基板409に信号を送ることはできない。そのため、周辺制御基板510が主制御基板409から送信されてきたコマンドに合わせて独自に開始するモード演出中か否かは、主制御基板409側は把握できないものである。しかし、当該モード演出の開始を主制御基板409側が知る手段が存在するならば、周辺制御基板510が独自に開始する所定のモード演出中か否かも、前記遊技状態に含まれる。また、上述したように、リール停止センサ212等の検出手段が出力した信号を周辺制御基板510に入力するものとしても良い。このようにすれば、周辺制御基板510は、検出手段から送られる信号の有効/無効を遊技状態に応じて自身で判断することが可能である。そして、周辺制御基板510は、検出手段から送られる信号に合わせた演出をすることが可能となる。
また、主制御基板409は、内部抽選の結果が当たりである場合(遊技者にとって有利な結果となる場合)にのみ、リール停止センサ212による動作検出が有効とされ、リール停止ボタン211の押下操作は無効とされるものとしても良い。リール停止センサ212による動作検出は、必ずしも正確とは限らないからである。上述した的あて演出を例に挙げて説明すると、遊技者が左の的を指さしたつもりであっても、中リール停止センサ212bが遊技者の動作を検出して、結果、中リール301bが停止し、中央の的が選択された演出が行われることもありうる。このような場合に結果がハズレになったのでは、遊技者は苛立ちを覚える。内部抽選の結果が当たりである場合には、遊技者がいずれの的を指さし選択しても「当」と記載された的を選択するように制御されるので、たとえリール停止センサ212の誤検出があって遊技者の意図とは異なる的が選択されたとしても、結果が当たりとなるので遊技者は、むしろ幸運だと思う。逆に、内部抽選の結果がハズレである場合には、リール停止ボタン211の押下操作が有効とされ、リール停止センサ212による動作検出が無効とされるものとしても良い。
ただし、内部抽選の結果がハズレである場合にのみ、リール停止ボタン211の押下操作が有効とされ、リール停止センサ212による動作検出が無効とされるものとすると、遊技に慣れてきた遊技者は、リール停止ボタン211の押下操作が有効となった時点で、ハズレであると気付いてしまう。これを防ぐために、内部抽選の結果が当たりである場合も、所定の確率で、リール停止ボタン211の押下操作が有効とされ、リール停止センサ212による動作検出が無効とされるものとしても良い。この場合であっても、当該演出においてリール停止センサ212が有効となった時点で当たりであることには変わりはないが、これに気付いた遊技者は、むしろ喜んで指さし動作するので、遊技が盛り上がる。また、当たりの場合に遊技者が指さし動作という通常のスロット操作とは異なる動きをするものとすると、目立ちやすく、周囲に当たったことをアピールできるので遊技者に優越感を与えることもできる。
主制御基板409は、例えばRT中にリール停止センサ212等を有効にし、リール停止ボタン211は無効にするものとしても良い。ここでは、画像反射ミラー駆動装置503を使用する演出の例について説明する。主制御基板409からRT開始のコマンドを受け取った周辺制御基板510は、画像反射ミラー駆動装置503に、画像反射ミラー502を回転させるよう指示を出す。当該指示を受けた画像反射ミラー駆動装置503は、画像反射ミラー502を所定の角度回転させる。
すると、図55に示すように、リール上部保護部材303bの上に、画像反射ミラー502で反射された画像が投射される。ここでは、図56に示したように、もぐら叩き用の画像が表示される。遊技者が図57のように表示されたもぐらを叩く動作をすると、リール停止センサ212が当該動作を検出して、リール301を停止させる。具体的には、遊技者が左側に出てきたもぐらを叩くと、左リール停止センサ212aが遊技者の腕を検出して、左リール301aが停止される。遊技者が中央に出てきたもぐらを叩くと、中リール停止センサ212bが遊技者の腕を検出して、中リール301bが停止される。遊技者が右側に出てきたもぐらを叩くと、右リール停止センサ212aが遊技者の腕を検出して、右リール301cが停止される。
特に、上記したアールテイ終了抑制演出中とエーテイ演出中においては、リール停止操作順をナビゲートするように、もぐらを登場させるものとしても良い。遊技者は、登場したもぐらを叩くことで、自身に有利になるリール停止操作を行うことができる。この場合、図57に示したようにリール停止センサ212は、リール上部保護部材303bの上に備えられている方が、より確実に遊技者の動作(この場合は手)を検出でき、正確性も担保できる。ここで示した例に限らず、リール停止操作順をナビゲートするように演出するものとしても良い。遊技者は、ナビゲートに応じて動作することで、自身に有利になるリール停止操作を行うことができる。