JP5974400B2 - 測定器の性能評価方法 - Google Patents
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Description
前記特許文献1に記載の技術によれば、非接触三次元測定器からラインや縞等のスリット光を測定対象物に照射し、このスリット光が測定対象物の表面で拡散反射した画像をカメラで撮影するのである。これにより、三角測量の原理で測定対象物の三次元形状のデータ(三次元座標データ)を取得するのである(図3(a)を参照)。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
まず始めに、本発明の第一実施形態に係る標準ゲージG1の構成について、図1(a)及び(b)を用いて説明する。本実施形態においては、あらゆる物質を測定対象物とする場合について、つまり、後述する積分反射率SCI及び拡散反射率SCEについては、あらゆる物質を対象とする場合について説明する。
この積分反射率SCI及び拡散反射率SCEは、対象物の表面で、光の波長ごとの強さを測定する分光測色計を用いることにより測定することができる。
一方、拡散反射率SCEは、対象物における拡散反射光の強さのみの割合であり、対象物の光沢(艶)の弱さを反映している。つまり、対象物の光沢が弱ければ拡散反射率SCEが大きくなり、対象物の光沢が強ければ拡散反射率SCEが小さくなるのである。
他に、鏡のように入射光に対して全て正反射のみをして拡散反射をしない場合は、SCI=100、SCE=0となり、図1(a)中の点jに位置することとなる。また、例えば硫酸バリウムのように入射光に対して正反射をせずに全て拡散反射のみをする場合は、SCI=100、SCE=100となり、図1(a)中の点lに位置することとなる。
具体的には、上記の如く積分反射率SCI(色)と拡散反射率SCE(光沢)とがそれぞれ異なる複数の平板を組合せて標準ゲージG1を構成し、非接触三次元測定器によって標準ゲージG1の形状を測定する。そして、測定結果が所定の測定誤差内にあるかどうかを判定することにより、色の違いだけではなく、光沢の高低によって非接触三次元測定器の測定精度に影響が出るかどうかを判断することができるのである。
なお、本実施形態においては、光沢の高低を測定する手段として分光測色計を用いたが、光沢の高低を測定する手段として、他に光沢度計等の測定器を使用する構成とすることも可能である。
また、積分反射率SCIまたは拡散反射率SCEを分光測色計等における光の波長ごとの強さ結果から求める場合、特定の光の波長を選択して、その波長における強さ計測結果を積分反射率SCIまたは拡散反射率SCEとしてもよい。さらに、複数の波長の強さ計測結果における平均値を用いることも可能である。
本実施形態に係る標準ゲージG1を用いて、非接触三次元測定器の測定対象物に対する測定精度を保証する方法について、図1(a)及び(b)を用いてより具体的に説明する。以下に示す測定器の測定精度保証方法は、第一の工程である測定範囲判定工程と、第二の工程である対象物測定工程と、第三の工程である判定工程と、を備える。以下、順に説明する。
次に、本発明の第二実施形態に係る標準ゲージG2の製造方法について、図2(a)及び(b)を用いて説明する。本実施形態においては、使用目的が限定される物質を測定対象物とする場合に用いる標準ゲージG2の製造方法について説明する。例えば、測定対象物として自動車部品(ワーク)のみを想定する場合、つまり、積分反射率SCI及び拡散反射率SCEについては、自動車部品(ワーク)である物質を対象とする場合について説明する。なお、本実施形態においては測定対象物として自動車部品(ワーク)を想定する場合における標準ゲージG2の製造方法について記載するが、第一実施形態に係る標準ゲージG1のようにあらゆる物質を測定対象物とする場合についても同様の手法を用いて製造することは可能である。
以下に示す標準ゲージG2の製造方法は、第一の工程である反射率分布測定工程と、第二の工程である水準決定工程と、第三の工程である加工工程と、第四の工程であるゲージ形成工程と、を備える。以下、順に説明する。
そして、第四の工程である加工工程では、図2(b)に示す如く、平板Aから平板Iの9枚の平板を組合せて標準ゲージG2を形成するのである。
次に、非接触三次元測定器の性能を評価する方法について、図3を用いて説明する。
従来、非接触三次元測定器の性能を評価する際には、接触式三次元測定器によって寸法が既知となった標準ゲージを非接触三次元測定器で測定していた。そして、非接触三次元測定器で測定した標準ゲージの寸法データと、標準ゲージの既知の寸法とを、データ処理装置で誤差解析することにより、非接触三次元測定器による標準ゲージの寸法データの寸法誤差を評価していたのである。
また、上記の場合には測定対象物におけるスリット光の反射状態が一様ではなくなるため、測定で得られる三次元座標データに欠落やノイズが発生する場合があった。この場合は、繰り返し測定した後にデータを重ね合わせることで対応する必要があったのである。
つまり、非接触三次元測定器は、測定対象物との相対角度又は相対位置が変化することによる影響を受けるため、上記に記載した従来の方法では正確にその性能を評価することができなかったのである。
まず、第一の工程である測定工程では、接触式三次元測定器によって寸法が既知である標準ゲージの寸法データを、測定ごとに標準ゲージに対する相対角度及び相対位置の条件を変えて、非接触三次元測定器で測定する。つまり、図3(a)に示す如く、非接触三次元測定器を左右方向や前後方向に移動させつつ、標準ゲージの寸法データを測定するのである。
なお、本工程で使用する標準ゲージについては、前記第一実施形態及び第二実施形態に記載の標準ゲージG1・G2でも、従来技術に係る形状や色彩が異なる標準ゲージでも、適用することが可能である。
例えば、非接触三次元測定器で図3(b)に示す視野範囲について測定した場合を考える。非接触三次元測定器による測定が正常な、即ち寸法データ生成度が高い場合は、図3(c1)に示す如く、標準ゲージの寸法データは視野範囲の全域に亘って生成されている(データ生成領域)。この時、寸法データの生成された面積率は略100%となる。一方、非接触三次元測定器による測定が異常な、即ち寸法データ生成度が低い場合は、図3(c2)に示す如く、標準ゲージの寸法データは視野範囲の一部において生成されていない(データ未生成領域)。この時、寸法データの生成された面積率は100%よりも小さくなる。この面積率の大きさに基づいて、非接触三次元測定器による標準ゲージの寸法データの生成度を評価するのである。
一方、同じく標準ゲージ2については、条件A・B・C・・によってはデータ生成度が悪くなる場合があるが、寸法誤差は小さかったことを示している。
また、標準ゲージ3については、様々な条件A・B・C・・においてデータ生成度が良好であるが、寸法誤差が大きかったことを示している。
このような非接触三次元測定器の測定用光源の違いを鑑みれば、本実施形態における標準ゲージG1、G2は、白色やグレー、黒色等、波長によって反射強度の変化の少ない無彩色、例えばステンレスやアルミ等の金属や無彩色塗装で構成することが望ましい。
SCI 積分反射率
SCE 拡散反射率
Claims (1)
- 寸法が既知である標準ゲージの寸法データを、測定ごとに前記標準ゲージに対する相対角度及び相対位置の条件を変えて、非接触三次元測定器で測定する、測定工程と、
前記測定工程で測定した、前記標準ゲージの寸法データが生成された面積率を、前記条件ごとに算出することにより、前記非接触三次元測定器による前記標準ゲージの寸法データの生成度を評価する、生成度評価工程と、
前記測定工程で測定した前記標準ゲージの寸法データと、前記標準ゲージの既知の寸法とを、データ処理装置で誤差解析することにより、前記非接触三次元測定器による前記標準ゲージの寸法データの寸法誤差を評価する、寸法誤差評価工程と、
前記生成度評価工程で評価した、前記標準ゲージの寸法データの生成度の評価と、前記寸法誤差評価工程で評価した、前記標準ゲージにおける寸法データの寸法誤差の評価と、の2つの評価を組合せることにより、前記非接触三次元測定器の性能を評価する、測定器評価工程と、を備える、
ことを特徴とする、測定器の性能評価方法。
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