JP5972663B2 - 電子ビーム応用装置および電子ビーム調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子ビーム応用装置および電子ビーム調整方法に関するものである。
例えば、特許文献1には、12極構造を備えたウィーンフィルタを用いて、電場及び磁場の不均一高次成分を小さな値とし、収差の低減を実現する方式が示されている。また、特許文献2には、4極の電場源部材と4極の磁場源部材を持つ四重極レンズを備えた電子顕微鏡システムにおいて、四重極磁場および四重極電場の調整方法が示されている。
特許第4242101号公報 特開2004−134389号公報
微細な試料の観察、検査、加工を行う電子ビーム応用装置においては、電子顕微鏡、電子ビーム検査および計測装置、電子ビーム描画装置等がある。これらの装置は電子ビームを検出する手段を有し、試料を透過する電子や試料から発生する2次電子、オージェ電子、後方散乱電子等を検出することで、試料の観察、検査、加工を行っている。さらに、高精度な観察、検査、加工を行うために、1次電子や後方散乱電子等の検出から電子ビーム自体の形状・位置・電流の校正を行っている。
特に、半導体デバイス等の観察、検査、加工においては、年々進む微細化や多様化に対応するため電子ビームの分解能および計測精度を向上し、生産性を維持するために高いスループットと長時間の安定性を実現する必要がある。高いスループットを実現するためには広範囲(大視野)かつ高速に画像を取得する必要がある。ただし、高速に画像取得する場合、1画素あたりの検出電子数が減少し、それに応じてS/Nが劣化するため、画像の加算回数を増やす必要性が生じ、結局スループットの制限となる。
試料から発生した電子を利用した観察方法では、電子ビーム検出器に直接試料からの電子を導く直接検出方式と、試料からの電子を反射板に照射し、そこから発生する電子を取得する反射検出方式がある。いずれの方法でも、電磁重畳偏向器(以下、EXB偏向器と記す)を利用して、1次電子ビームの光軸上から試料からの電子のみを分離して、検出器もしくは反射板に導いている。EXB偏向器は、電場と磁場の偏向作用を1方向からの電子に打ち消すように与えるウィーンフィルタを利用したものである。磁場は電子の速度方向によって偏向作用が決まるため、逆方向からの電子に対しては偏向方向が逆転する。このために、ウィーンフィルタに逆方向からの電子が入った場合、電場と磁場の作用が同じ向きとなり、大きな偏向作用が生じることになる。
反射検出方式では、大視野検出が容易であるが、反射板から発生する電子の統計ばらつきによるS/Nの劣化が懸念される。一方、直接検出方式では、反射検出方式よりS/Nの点では有利になるが、電子ビーム検出器の形状によって視野が決まるため、高スループットのための大視野検出の実現が課題となる。検出器上での試料からの電子の広がりは、下流レンズの倍率や収差、偏向器による位置変化、EXB偏向器による収差などで決まる。
この直接検出方式の課題に対して、EXB偏向器で試料からのビームを光軸上から分離した後に、試料からの電子のみに作用する非点補正器などの光学素子を用いて電子ビームの分布を調整し、検出器に導くことができる。しかし、特に走査型電子顕微鏡SEMでは検出器と電磁重畳型偏向器の間は空間的制約が大きく、光学素子を配置することは難しい。また、プロジェクション型の電子ビーム応用装置では、EXB偏向器で1次電子ビームまたは2次電子ビームを大きく偏向することで、光学素子を配置できるところまで離軸させる。しかし、EXB偏向器で大きな偏向作用を与えると、偏向させた電子ビームの収差(非点、色収差、偏向歪など)を増大させてしまう。いずれにせよ、検出器にすべての電子を導くことが難しくなり、その結果、視野が制限されてしまう。
これらに対して、本発明者等の検討によって、例えば、1つのEXB偏向器で、1方向からのビームに対して双極子場と4極子場の両方を打ち消しあわせ、逆方向のビームに対して双極子場と4極子場を作用させることで、電子ビーム応用装置の性能向上が図れることが見出された。すなわち、前述したような光学素子を用いずに、試料からの電子を検出器に直接導くことが可能となり、視野の拡大等が図れる。
なお、ウィーンフィルタで発生する収差を低減する方法は、特許文献1のように、4極子場さらに6極場を与えることで非点収差を発生させ、打ち消す方法がある。しかし、これは1方向からの電子に有効な方法であり、両方向からの電子の場合の方法については言及されていない。また、特許文献2では、電場型と磁場型偏向器を4極もつ電磁場重畳型偏向器で、1方向からの電子ビームに対して4極子場の電場と磁場で打ち消す方法について記述がある。しかし、これは4極子場のみに作用し、電場型と磁場型偏向器を4極ずつしか持たないために、1方向のビームに対して双極子場と4極子場の両方を打ち消しあわせることは困難である。
後述する実施の形態は、このようなことを鑑みてなされたものであり、その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的な実施の形態の概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本実施の形態による電子ビーム応用装置は、電場型偏向器および磁場型偏向器をそれぞれ8極以上持つ電磁重畳型偏向器と、当該電磁重畳型偏向器で生成する双極子電場と双極子磁場の第1の比率と第1の強度を調整する第1調整部と、当該電磁重畳型偏向器で生成する4極子電場と4極子磁場の第2の比率と第2の強度を調整する第2調整部とを有する。
前記一つの実施の形態によれば、一方向の電子ビームに影響を与えずに、逆方向の電子ビームのプロファイル等を調整することが可能になり、電子ビーム応用装置の性能向上が図れる。
本発明の実施の形態1による電子ビーム応用装置において、その主要部の構成例および動作例を示す概略図であり、1次電子ビームのプロファイルや位置を計測する際の動作例を表す図である。 本発明の実施の形態1による電子ビーム応用装置において、その主要部の構成例および動作例を示す概略図であり、試料から発生した電子のプロファイルを計測する際の動作例を表す図である。 本発明の実施の形態2による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。 図2のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第1の比率の調整方法の一例を示す図である。 図3のディスプレイ表示画面において、図3とは異なる第1の比率の調整方法の一例を示す図である。 図3のディスプレイ表示画面において、第1の強度の調整方法の一例を示す図である。 図3のディスプレイ表示画面において、第2の強度の調整方法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態3による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。 図7のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第2の強度の調整方法の一例を示す図である。 図7のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第2の強度の調整方法の一例を示す図である。 8極型の電磁重畳型偏向器の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態4による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施の形態5による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。 図12のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第4の比率の調整方法の一例を示す図である。 本発明の実施の形態6による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。 図14のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、非点なしフォーカスのためのオフセットの調整方法の一例を示す図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
《電子ビーム応用装置(主要部)の概要》
前述した課題に対して、本実施の形態1では、EXB偏向器で一方向の電子ビームに影響を与えずに、逆方向の電子ビームを対象にその形状等を調整可能な電子ビーム応用装置、電子ビーム調整方法を提供する。具体的には、一方向の電子ビームに対しては双極子電場の作用と双極子磁場の作用を相殺させると共に4極子電場の作用と4極子磁場の作用も相殺させ、逆方向の電子ビームに対しては双極子電場の作用と双極子磁場の作用を顕在化されると共に4極子電場の作用と4極子磁場の作用も顕在化される。
図1Aおよび図1Bは、本発明の実施の形態1による電子ビーム応用装置において、その主要部の構成例および動作例を示す概略図であり、図1Aは、試料上を観察する際や1次電子ビームのプロファイルや位置を計測する際の動作例を示しており、図1Bは試料から発生した電子のプロファイルを計測する際の動作例を示している。まず、図1Aにおいて、1次電子ビーム100はEXB偏向器101、偏向器102を介して、試料に到達する。試料に到達した1次電子ビームは2次電子や後方散乱電子、オージェ電子等を発生する。ここでは試料から発生する電子を総じて2次電子ビーム105とする。試料から発生した2次電子ビーム105は、EXB偏向器101により光軸上から分離され、検出器106に導かれる。検出された電子は、偏向器102に同期して画像化され、試料上の材料や形状、電位分布などのコントラストを観察することが可能となる。
EXB偏向器101は、図10のように、例えば8極の電場型偏向器(V〜Vに対応)と8極の磁場型偏向器(コイル)(I〜Iに対応)で構成される。当該電場型偏向器の各電圧(V〜V)および当該コイルの各電流(I〜I)は、図1Aに示す電流電源108および電圧電源109と、電圧と電流の比率および強度を決定するための第1の比率と強度の調整手段110、ならびに第2の比率と強度の調整手段111によって設定される。これらを用いた調整方法について説明する。
図1Aにおいて、EXB偏向器101に入力する電圧/電流の第1の比率を決定するために、1次電子ビームをパターンつき試料103に照射し、パターンより大きな1次電子偏向範囲104によりパターン像を得る。まずは、電圧電源109によりパターン像の移動が確認できる程度に双極子電場をEXB偏向器101に印加する。双極子電場の演算はEXB偏向器の極数に従い、第1の比率と強度の調整手段110において行う。画像のパターン移動量から電場における偏向感度を算出する。次に、パターン位置が規定の値以下の元の位置に戻るように、電流電源108により双極子磁場を印加する。この際、電場に対して90度回転した方向に磁場を印加することで、偏向方向が同じになる。このパターン位置が規定の値以下に戻ったとき(すなわち、双極子電場の作用と双極子磁場の作用が打ち消し合ったとき)の電圧と電流の比率を第1の比率として、第1の比率と強度の調整手段110に記憶させる。
続いて、第2の比率と強度の調整手段111を用いて、4極子電場を印加するように演算し、電圧電源109を介して電圧をEXB偏向器101に印加する。4極子電場により非点収差が発生するため、パターン像のプロファイルが変化する。次に、このプロファイルの変化量が規定の値以下になるように、電流電源108により4極子磁場を印加する。この際、電場に対して45度回転した方向に磁場を印加することで、非点収差の発生方向が同じになる。このプロファイルの変化量が規定の値以下となったとき(すなわち、4極子電場の作用と4極子磁場の作用が打ち消し合ったとき)の電圧と電流の比率を第2の比率として、第2の比率と強度の調整手段111に記憶させる。ここで、パターン像の位置やプロファイルの変化量の規定値は、取得したい分解能などで決まるものであり、ユーザが任意に選択できるものである。
次に図1Bを用いて、2次電子ビーム105を検出器106に導くための調整方法について説明する。2次電子ビーム105は、偏向器102により偏向作用を受けて検出器106に到達する。1次電子による画像を取得する場合は、前述したようにパターン像が検出器106の検出可能範囲となる検出窓113の内部に収まるように1次電子偏向範囲104を調整するが、2次電子ビーム105の像を観察するためには、偏向器102に大きな双極子場を印加し、検出窓113による像が画像化されるように1次電子偏向範囲107を調整する。この際、1次電子ビーム100の像が2次電子ビーム105の像に影響しないように、1次電子ビーム100にはパターンなし試料112を走査させる。
2次電子ビーム像は検出窓113の内部に入射した場合に明るくなり、検出窓113より外側に電子が到達する場合に暗くなるため、コントラストが発生し、明暗のエッジより2次電子ビームのプロファイルが観察できる。ここで本実施の形態1では、2次電子ビーム像を取得するために検出窓113を用いたが、2次電子ビームのプロファイルが観察できるものであれば、たとえば検出器106の前にメッシュなどのパターンを置くことによっても同様な調整が可能である。
これらにより、EXB偏向器101に印加する第1の強度が調整されれば、2次電子ビーム105のビームプロファイルが観察できる。第1の強度を決定するには、2次電子ビーム像の明部が画像の中心にくる(すなわちEXB偏向器による2次電子ビームの偏向量が所望の範囲に収まる)ように、第1の比率と強度の調整手段110により、図1Aで定めた第1の比率を保った状態で第1の強度を調整する。これにより、第1の強度が決定される。
さらに、明暗のエッジ部によるビームプロファイルを所望のプロファイルに調整するように、第2の比率と強度の調整手段111により、図1Aで定めた第2の比率を保った状態で第2の強度を調整する。これにより、第2の強度が決定する。ここで所望のプロファイルとは、1次電子ビームの検出範囲をユーザが観察したい観察領域以上に調整するもので、検出窓113の形状にあわせるように調整する。たとえば、検出窓113が長方形の場合は2次電子ビームプロファイルも長方形となるように調整することで、1次電子ビームの検出範囲を大きくすることができる。これらは、検出窓113の形状によるものであり、本実施の形態では特に規定しない。
ここで、4極子場のための第2の比率および強度は、前述したように1次電子ビームに影響を与えずに2次電子ビームプロファイルを調整するためのものであり、特許文献1にある1次電子ビームの非点なしフォーカスを実現するための4極子場の比率とは本質的に異なる。非点なしフォーカスに作用するための4極子電場および4極子磁場は、双極子電場および双極子磁場に対する比率となる。さらに、非点なしフォーカスは、4極子電場もしくは4極子磁場のどちらかいずれかだけでも実現できる。これらについては、実施の形態6に記載する。
以上、本実施の形態1の電子ビーム応用装置(電子ビーム調整方法)を用いることによる代表的な効果を述べると次のようになる。まず、1方向の電子ビームに影響を与えずに、逆方向からの電子ビームの形状等を調整することができるようになる。また、走査型電子顕微鏡(SEM)等での空間的な制約で光学素子を配置できない場合にも対応可能となる。これにより、1次電子ビームの収差を増大させることなく、検出器106上の電子ビームの広がりを調整することで検出器106に直接電子を導くことが可能となり、S/Nを保ったまま視野を広げることができる。その結果、電子ビーム計測時間を短縮(スループットを向上)させることができる。また、本実施の形態1の方式を用いることで、検出器106の形状にそった電子ビームの広がりを調整することが可能となり、装置設計上の自由度を上げることができる。
なお、本実施の形態1の方式は、図1のような形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。たとえば、ここでは、1次電子ビームに影響を与えずに2次電子ビームのプロファイルを調整したが、逆に2次電子ビームに影響を与えずに、1次電子ビームのプロファイルを調整することも可能である。また、偏向器102はEXB偏向器101と試料の間にあり、2次電子ビームにも偏向されるように示したが、偏向器102がEXB偏向器101より上流にある場合でも同様である。この際は、1次電子ビームの到達位置の変化により2次電子ビームの到達位置も変化することで2次電子ビーム像が得られることになる。また、構成がもっとも単純であるために、8極ずつの電磁場重畳型偏向器を示したが、8極以上でも同様の効果が期待できる。さらに、本実施の形態1の方式はマルチビーム型SEMなどのプロジェクション型の電子ビーム応用装置にも適用可能である。
(実施の形態2)
《電子ビーム応用装置(全体)の構成および動作》
図2は、本発明の実施の形態2による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。なお、実施の形態1に記載の内容は特段の事情がない限り、本実施の形態2にも適用できる。図2の電子ビーム応用装置は、例えば、電子ビーム検査(又は計測)SEM等に該当するものである。当該電子ビーム応用装置は、真空筐体201内に、電子ビーム発生手段202と、当該電子ビームを収束し試料210上に照射する各種光学系部品と、試料210が搭載されるステージ211と、試料210から生じた電子を検出する電子ビーム検出器213などを備える。また、これらの各ブロックに対する制御又は処理を担う各種制御部・処理部と、当該各種制御部・処理部を含めて装置全体を管理するSEM制御部218を備える。
各種光学系部品の中には、ブランキング電極204、電流制限絞り205、二つのコンデンサレンズ(上流レンズ)206、EXB偏向器207、対物レンズ208、および偏向器209などが含まれる。各種処理部の中には、電子ビーム検出器213からの検出信号を増幅する検出信号増幅回路214と、当該増幅回路からのアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換器215などが含まれる。各種制御部の中には、偏向器209に電圧を印加する偏向アンプ216と、偏向方向、偏向範囲等を調整する偏向制御回路217と、試料に照射される1次電子ビームの加速電圧を決めるリターディング電圧を制御するリターディング電圧制御部227と、各レンズの強度を調整するレンズ強度調整手段228などが含まれる。
さらに、各種制御部の中には、EXB偏向器207の制御を担う双極子場制御部219、4極子場制御部220、双極子磁場演算部221、双極子電場演算部222、4極子磁場演算部223、4極子電場演算部224、磁場加算部225、および電場加算部226などが含まれる。双極子磁場演算部221および双極子電場演算部222は、EXB偏向器207の極数に従い、それぞれ、双極子磁場および双極子電場の演算を行う。この際に、双極子場制御部219は、双極子磁場演算部221および双極子電場演算部222を介してEXB偏向器207に印加する双極子場の第1の比率と強度(すなわち双極子電場(電圧)/双極子磁場(電流)の比率と強度)を制御する。同様に、4極子磁場演算部223および4極子電場演算部224は、EXB偏向器207の極数に従い、それぞれ、4極子磁場および4極子電場の演算を行う。この際に、4極子場制御部220は、4極子磁場演算部223および4極子電場演算部224を介してEXB偏向器207に印加する4極子場の第2の比率と強度(すなわち4極子電場(電圧)/4極子磁場(電流)の比率と強度)を制御する。
磁場加算部225は、双極子磁場演算部221の演算結果と4極子磁場演算部223の演算結果とを加算し、その加算結果に基づいてEXB偏向器207の各極に磁場(電流)を設定する。同様に、電場加算部226は、双極子電場演算部222の演算結果と4極子電場演算部224の演算結果とを加算し、その加算結果に基づいてEXB偏向器207の各極に電場(電圧)を設定する。なお、SEM制御部218は、例えばパーソナルコンピュータ等を代表とするユーザインタフェースを備え、前述した各種制御部を介して各種光学条件の設定や記憶等を行い、また、前述した各種処理部からの処理結果の表示(画像出力)等を行う。
このような構成において、電子ビーム発生手段202から照射される1次電子ビーム203は二つのコンデンサレンズ206と対物レンズ208を用いて、試料210上に焦点を結ぶように調整され、偏向器209を用いて試料210上で走査される。電子ビームの加速電圧は試料210を搭載したステージ211に印加されたリターディング電圧により調整される。試料210上に照射された電子ビームにより、試料210から2次電子、後方散乱電子等の2次電子ビーム212が発生する。
試料210から発生した2次電子ビーム212は、リターディング電界による加速を受け、対物レンズ208を通過し、EXB偏向器207により偏向作用を受けたのちに、電子ビーム検出器213に到達する。実施の形態1で記したとおり、EXB偏向器207の1次電子ビーム203の位置およびプロファイルの変化により第1の比率と第2の比率が決定され、2次電子ビーム像を観察することで第1の強度と第2の強度が調整される。このために、双極子場のための第1の強度と比率を調整するための双極子場制御部219と、4極子場のための第2の強度と比率を調整するための4極子場制御部220と、二つの双極子場演算部(221,222)と、二つの4極子場演算部(223,224)と、それらの信号を電圧および電流ごとに加算する二つの加算部(225,226)をもつ。
前述した実施の形態1の方式を単純に実現する場合、電流電源および電圧電源がEXB偏向器207の極数ごとに必要となるが(例えば図10の場合、計16個の電源)、本実施の形態2のような構成を用いることで、電流電源および電圧電源の数を減らすことが可能となる。すなわち、双極子磁場演算部221は、ある電流電源から所定の演算回路による電流分配等を用いて双極子磁場を実現するのに必要なEXB偏向器207の各極の電流を生成し、4極子磁場演算部223も、ある電流電源から所定の演算回路による電流分配等を用いて4極子磁場を実現するのに必要なEXB偏向器207の各極の電流を生成する。そして、磁場加算部225は、EXB偏向器207の各極毎に、双極子磁場用の電流と4極子磁場用の電流とを加算し、EXB偏向器207に印加を行う。双極子電場演算部222、4極子電場演算部224および電場加算部226においても同様であり、ある電圧電源からEXB偏向器207の各極毎の電圧が生成され、EXB偏向器207に印加される。
例えば、図10に示すような8極のEXB偏向器では、各極の電圧と電極の演算(すなわち各演算部(221〜224)の演算回路の機能)は式(1)および式(2)のようになる。ここで、nは電極番号であり、VdefxおよびIdefxは双極子場を形成するためのX方向の電圧および電流の強度であり、VdefyおよびIdefyは双極子場を形成するためのY方向の電圧および電流の強度である。Vdefx,Idefx,Vdefy,Idefyはそれぞれ第1の強度に対応するものである。また、VasxおよびIasxは4極子場を形成するためのX方向の電圧および電流の強度であり、VasyおよびIasyは4極子場を形成するためのY方向の電圧および電流の強度である。Vasx,Iasx,Vasy,Iasyはそれぞれ第2の強度に対応するものである。ここで、2次電子ビームの偏向方向をX方向とした場合の第1の比率(α)および第2の比率(α)は、それぞれ、式(3)および式(4)で表される。
Figure 0005972663
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Figure 0005972663
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式(1)〜式(4)において、例えば、双極子場制御部219は、式(3)の各値を定め、4極子場制御部220は、式(4)の各値を定める。そして、双極子磁場演算部221は、双極子場制御部219で定めた値(Idefx,Idefy)を用いて、EXB偏向器の極(n)に応じて、式(2)の第1項および第2項を演算し、各極毎の電流を生成する。また、双極子電場演算部222は、双極子場制御部219で定めた値(Vdefx,Vdefy)を用いて、EXB偏向器の極(n)に応じて、式(1)の第1項および第2項を演算し、各極毎の電圧を生成する。同様に、4極子磁場演算部223は、4極子場制御部220で定めた値(Iasx,Iasy)を用いて式(2)の第3項および第4項の演算および生成を行い、4極子電場演算部224は、4極子場制御部220で定めた値(Vasx,Vasy)を用いて式(1)の第3項および第4項の演算および生成を行う。この場合、例えば、双極子場制御部219および4極子場制御部220での各値(Vdefx,Vdefy,Vasx,Vasy,Idefx,Idefy,Iasx,Iasy)にそれぞれ対応して4個の電圧電源と4個の電流電源を備えればよい。
さらに、図2では、SEM制御部218を介して、ユーザが任意に比率と強度を調整できるように構成されている。図3は、図2のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第1の比率の調整方法の一例を示す図である。図3において、ユーザがEXB調整タブ300を選択すると、1次電子ビームの調整機能として、1次系スキャン選択部301、第1の比率調整部303、および第2の比率調整部304が表示される。また、2次電子ビームの調整機能として、2次系スキャン選択部305、第1の強度調整部306、および第2の強度調整部(ここでは第2の強度X調整部307と第2の強度Y調整部308)が表示される。さらに、調整の補助機能として、OBJワブラ選択部309、EXBワブラ選択部310、ワブラ中止選択部311、およびSEM画像表示部312が表示される。
基本的な調整方法は、実施の形態1で示したとおりであるが、ここではユーザがポインタ302や数値入力を用いて比率や強度を自由に又は容易に調整できるように画面が構成されている。ユーザによって1次系スキャン選択部301が選択されると、実施の形態1で述べたように、図2の偏向器209が1次電子ビームのプロファイルを観察可能な偏向量に設定され、さらに試料210がパターン付き試料に設定され、これによって1次電子ビーム像が取得される。
ここで例えば、EXBワブラ選択部310を選択すると、EXB偏向器207に印加する双極子場の強度を自動で変化させることが可能となっている。したがって、この際の1次電子パターン像(1次電子ビーム像)313の移動量314を観察することで、第1の比率調整部303で前述した第1の比率を調整することができる。具体的には、双極子場の強度を変化させた際の1次電子パターン像313の移動量314が最小(理想的にはゼロ)となるように第1の比率を調整する。なお、図示は省略するが、第2の比率に関しても同様に、双極子場の強度を変化させた際の1次電子パターン像313の形状の変化量が最小(理想的にはゼロ)となるように第2の比率調整部304を用いて第2の比率を調整する。
ただし、EXB偏向器207の偏向中心上に電子ビームが収束されている場合、EXB偏向器207に双極子場を印加しても、試料210上でのパターンの移動量が顕在化しにくい場合がある。この場合は、EXB偏向器207による軌道の変化が規定値以下となるように、例えば、図4のようにして調整するとよい。図4は、図3のディスプレイ表示画面において、図3とは異なる第1の比率の調整方法の一例を示す図である。軌道の変化により、対物レンズ208を通過する電子の軌道が変化し、この際にレンズ中心から電子ビームの軸がずれる。このため、あらかじめ対物レンズ208の軸を通した状態で、EXB偏向器207に双極子場もしくは4極子場を印加すると、軸が変化することで、対物レンズ208の強度を変化させた際に像が移動又は変化することが確認できる。ここで、図4において、ユーザがOBJワブラ選択部401を選択すると、対物レンズ208の強度を自動で変化させることが可能となっている。したがって、この状態でEXB偏向器207に双極子場もしくは4極子場を印加した際の軌道の変化を確認し、1次電子パターン像の移動量または変化量が規定値以下になるように第1の比率もしくは第2の比率を調整する。
図5は、図3のディスプレイ表示画面において、第1の強度の調整方法の一例を示す図である。ユーザによって2次系スキャン選択部501が選択されると、実施の形態1で述べたように、図2の偏向器209が2次電子ビームのプロファイルを観察可能な偏向量に設定され、さらに試料210がパターンなし試料に設定され、これによって2次電子ビーム像が取得される。ここで、図5に示すように、当該2次電子ビーム像の明部502が画像の中心に配置されるように、前述した第1の比率を保った状態で第1の強度調整部503を用いて第1の強度を決定する。
図6は、図3のディスプレイ表示画面において、第2の強度の調整方法の一例を示す図である。図6に示すように、2次電子ビームのプロファイルを2次電子ビーム像602より確認することで、前述した第2の比率を保った状態で第2の強度調整部(例えば第2の強度X調整部601)を用いて第2の強度を決定する。具体的には、図2の電子ビーム検出器213における検出部の形状(図1の検出窓113に該当)と同様な形状になるように第2の強度を決定する。
これらにより、EXB偏向器207に印加する電圧および電流の第1および第2の比率と強度が決定される。これらの比率や強度は、1次電子ビームの加速電圧や試料のリターディング電圧、各レンズの強度によって変化する。このため、1次電子ビームの加速電圧や試料のリターディング電圧、各レンズの強度などの他の光学条件と対応させてEXB偏向器207に印加する電圧および電流の第1および第2の比率と強度をSEM制御部218に記憶させ、光学条件ごとに保存しておく。これにより、ユーザが所望の光学条件を選択することで、SEM制御部218によって他の光学条件とともに第1および第2の比率と強度が自動的に設定され、調整のための時間を短縮することが可能となる。
以上、本実施の形態2の電子ビーム応用装置(電子ビーム調整方法)を用いることで、実施の形態1で述べた各種効果に加えて、代表的には、次のような効果が得られる。まず、装置の電圧電源や電流電源を削減することが可能になり、装置の低コスト化や電圧・電流を設定する際の容易化が図れる。また、ユーザに対して容易で自由度が高い調整機能を提供することが可能になる。なお、本実施の形態2の方式は、上記形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。たとえば、本実施の形態2での画面上の配置等は設計によって自由に変更することができ、選択ツールも様々な形態が可能である。
(実施の形態3)
《電子ビーム応用装置(全体)の構成および動作(変形例[1])》
図7は、本発明の実施の形態3による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。なお、実施の形態1および2に記載の内容は特段の事情がない限り、本実施の形態3にも適用できる。図7の電子ビーム応用装置は、例えばプロジェクション型の電子ビーム応用装置として、マルチ電子ビーム検査(又は計測)SEM等に該当するものである。当該電子ビーム応用装置700は、電子ビーム発生手段701と、当該電子ビームを複数の電子ビームに分割し、それらを個別に収束して試料710上に照射する各種光学系部品と、試料710が搭載されるステージ711と、試料710から生じた電子を検出する電子ビーム検出用部品などを備える。また、これらの各ブロックに対する制御又は処理を担う各種制御部・処理部と、当該各種制御部・処理部を含めて装置全体を管理するSEM制御部730を備える。
各種光学系部品の中には、上流レンズ703、ビーム分離部704、個別収束レンズ705と、電磁場重畳型(EXB)偏向器707、対物レンズ708、偏向器709等が含まれる。電子ビーム検出用部品の中には、2次電子レンズ712、振り戻し偏向器713、複数の検出器714等が含まれる。各種処理部の中には、複数の検出アンプ715、および複数のアナログデジタル(AD)変換器716等が含まれる。各種制御部の中には、レンズ強度制御部717、個別ビーム制御部718、偏向アンプ727、偏向制御回路728、およびリターディング電圧制御部729等が含まれる。さらに、各種制御部の中には、実施の形態2で述べたような、磁場加算部719、電場加算部720、双極子磁場演算部721、双極子電場演算部722、4極子磁場演算部723、4極子電場演算部724、双極子場制御部725、4極子場制御部726等が含まれる。
このような構成において、電子ビーム発生手段701から照射された1次電子ビーム702は、上流レンズ(照射光学系)703を介して略平行に整えられ、ビーム分離部704に到達する。ビーム分離部704は、上流レンズ703を介した電子ビームを複数本の1次電子ビーム706に分離し、その各1次電子ビーム706は、個別収束レンズ705によって個別に収束される。当該収束された複数本の1次電子ビーム706は、電磁場重畳型(EXB)偏向器707、対物レンズ(投影光学系)708を介して、ステージ711上に搭載された試料710上に到達する(投影される)。この際に、試料に到達する複数本の1次電子ビーム706は、偏向器709で一斉に偏向され、複数本の1次電子ビーム706に対応して複数本の2次電子ビーム731が生成される。
複数本の2次電子ビーム731は、電磁場重畳型(EXB)偏向器707により1次光学系より分離され、2次光学系に入り、2次電子レンズ712で収束された後、振り戻し偏向器713などを介して、複数の検出器714の検出部にそれぞれ到達する。これによる複数の検出信号は、複数の検出アンプ715および複数のアナログデジタル(AD)変換器716を介して並列に処理され、SEM制御部730は、当該処理結果を受けて偏向制御回路728での偏向信号に同期して複数の画像を形成する。
ここで、複数本の2次電子ビーム731をそれぞれに対応する検出部(714)に同時に到達させるためには、複数の検出器714の配列と整合するように、2次電子ビームが到達する必要がある。しかし、EXB偏向器707で大きな偏向作用を発生させると、非点収差により複数本の2次電子ビームの配列(プロジェクション型電子ビーム応用装置におけるXY倍率)が変化し、検出器の配列に整合させることが困難となり得る。そこで、次のような方式を用いて、複数本の2次電子ビームの配列を調整することが有益となる。
図8および図9は、図7のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第2の強度の調整方法の一例を示す図である。実施の形態2で記したように、2次系スキャンを選択して1本の2次電子ビーム像を取得すると、図8のSEM画像表示部801に示すような複数の検出器像802が取得できる。さらに、4本の2次電子ビーム像を1枚の画像に重ねると、図9のSEM画像表示部902に示すように、複数の検出器像に対応する像が4つ同時に表示される。ここで、それぞれの検出部による明部が重なるもっとも明るい第1明部903は、それぞれの電子をそれぞれの検出部が分離して検出することが可能な箇所となる。そこで、この第1明部903を規定値以上に広げるように、第2の強度調整部(例えば第2の強度X調整部901)を用いて複数本の2次電子ビームの配列を調整する。これにより、第2の強度が決定される。それ以外の比率や強度については実施の形態1および2で記したとおりである。
以上、本実施の形態3の電子ビーム応用装置(電子ビーム調整方法)を用いることで、実施の形態1および2で述べた各種効果に加えて、さらに、複数本の1次電子ビームの配列を変えることなく、複数本の2次電子ビームの配列のみを変えることが可能となる。その結果、プロジェクション型の電子ビーム応用装置において、更なる大視野検出が可能となり、スループットの向上等が図れる。なお、本実施の形態3の方式は、上記形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。たとえば、本実施の形態4ではマルチビーム型SEMにおける複数本の2次電子ビームの配列を調整したが、プロジェクション型の電子ビーム応用装置であるミラー電子顕微鏡や面結像型の電子光学系などでも適用可能である。この場合は、面ビームのXY倍率を調整することが可能となる。
(実施の形態4)
《電子ビーム応用装置(全体)の構成および動作(変形例[2])》
図11は、本発明の実施の形態4による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。なお、実施の形態1および2に記載の内容は特段の事情がない限り、本実施の形態4にも適用できる。図11の電子ビーム応用装置は、前述した実施の形態2の図2の構成例に対して、6極子場を印加するための第3の比率と強度を決定するための6極子場制御部1109と、6極子磁場演算部1105と、6極子電場演算部1106とが追加された構成例となっている。また、電磁場重畳型(EXB)偏向器1112は、例えば特許文献1に示されるような12極の構造を持つ。
実施の形態2で示したとおり、双極子場と4極子場は、双極子磁場演算部1101、双極子電場演算部1102、4極子磁場演算部1103、4極子電場演算部1104、双極子場制御部1107、4極子場制御部1108により調整される。磁場加算部1110は、双極子磁場演算部1101の演算結果と4極子磁場演算部1103の演算結果と6極子磁場演算部1105の演算結果とを加算し、その加算結果に基づいてEXB偏向器1112の各極に磁場(電流)を設定する。同様に、電場加算部1111は、双極子電場演算部1102の演算結果と4極子電場演算部1104の演算結果と6極子電場演算部1106の演算結果とを加算し、その加算結果に基づいてEXB偏向器1112の各極に電場(電圧)を設定する。
このように、6極子場を印加して3次非点収差(3回非点収差)を発生させることで、EXB偏向器1112で発生し得る3次非点収差(3回非点収差)を打ち消すことが可能となる。この際、前述した双極子場および4極子場の場合と同様に、1次電子ビームに影響を与えずに2次電子ビームのみに6極子場を印加するために、6極子電場と6極子磁場の比率と強度(第3の比率と強度)を決定するための手段(すなわち6極子場制御部1109)を有する。ここで、第3の比率と強度の調整方法は、実施の形態1の場合と同様に次のようになる。
まず、6極子電場演算部1106によりEXB偏向器1112のそれぞれの極の電圧を演算して、EXB偏向器1112に印加する。この6極子電場により3次収差が発生するため、1次電子ビームのパターン像のプロファイルが変化する。このプロファイル変化が規定の値以下になるように6極子磁場演算部1105を介して6極子磁場を印加する。この際、6極子電場に対して6極子磁場が30度回転した方向であれば、3次収差の発生方向が同じになる。このプロファイル変化が規定の値以下になったときの6極子電場と6極子磁場を第3の比率として定める。次に、この比率をもって2次電子ビームのプロファイルを観察しながら、第3の強度を決定する。これにより、1次電子ビームに影響を与えずに、2次電子ビームの3次収差を補正することが可能となる。なお、本実施の形態4の方式は、勿論、実施の形態3に示したようなプロジェクション型電子ビーム応用装置に適用することも可能である。
(実施の形態5)
《電子ビーム応用装置(全体)の構成および動作(変形例[3])》
図12は、本発明の実施の形態5による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。図12に示す電子ビーム応用装置は、前述した実施の形態2の図2の構成例と比較して双極子場制御部1201の機能が異なっており、これ以外は図2と同様の構成例となっている。双極子場制御部1201は、図2で述べた第1の比率と強度の調整機能に加えて第4の比率を調整する機能を有する。第4の比率は、第1の強度との間の比率であり、第1の強度で決まる双極子場に対して90度回転した方向の双極子場を第4の比率をもって調整するものである。
双極子場制御部1201は、双極子磁場演算部1202と双極子電場演算部1203を介して第1の強度で決まる双極子場をEXB偏向器1204に印加することに加えて、第4の比率に従い、当該双極子場を基準に90度回転した方向の双極子場をEXB偏向器1204に重畳的に印加する。EXB偏向器1204で2次電子ビームに大きな偏向作用を与えると、その偏向方向を基準に90度回転した方向に位置ずれが発生し得る。この現象は、偏向方向に電子が速度持った際に原理的におこるものであり、双極子場の強度に依存するものである。そこで、第4の比率はその位置ずれ量を規定値以下に調整するための手段となっている。例えば2次電子ビームの偏向方向をX方向とし、この第4の比率をαとした場合、双極子場制御部1201は、式(5)および式(6)を満たすようにY方向の双極子電場(Vdefy)および双極子磁場(Idefy)を決定する。
Figure 0005972663
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図13は、図12のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、第4の比率の調整方法の一例を示す図である。図12のSEM制御部1205を用いて、実施の形態2の図3の場合と同様にして第1の強度を調整し、2次電子ビーム像の明部を画像中心に持ってくる際、図13に示すように、EXB偏向方向と90度回転した向きに位置ずれ1302が発生する。そこで、図13の表示画面には、図3等の表示画面における各項目に加えて第4の比率調整部1301が設けられ、ユーザは、この位置ずれ1302が規定値以下になるように、第4の比率調整部1301を用いて調整を行うことができる。これにより、2次電子ビームを大きく偏向する際に生じる偏向方向に対して90度回転した方向に発生する位置ずれを自動で補正することが可能となる。なお、本実施の形態5の方式は、勿論、実施の形態3に示したようなプロジェクション型電子ビーム応用装置に適用することも可能である。
(実施の形態6)
《電子ビーム応用装置(全体)の構成および動作(変形例[4])》
本実施の形態6では、1次電子ビームの非点なしフォーカスを実現しつつ、その条件を保ったまま、2次電子ビームのプロファイルを調整する方式について説明する。例えば特許文献1等にあるように、非点なしフォーカスを実現するためには、双極子場と4極子場の比率が式(7)を満たせばよいことが知られている。ここで、EおよびBは双極子電場および双極子磁場、EおよびBは4極子電場および4極子磁場、Rは磁場が存在する場合の荷電粒子の回転半径(サイクロトロン半径)である。
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ここで、8極以上を備え電場と磁場の分布が同じになる理想的な電磁場重畳型偏向器を用いれば、4極子電場と4極子磁場は電子に同じ作用を与えることが可能である。この場合、非点なしフォーカスは4極子電場か4極子磁場のいずれかのみで実現できる。ここでは一例として、4極子電場を用いて非点なしフォーカスを実現することとする。
図14は、本発明の実施の形態6による電子ビーム応用装置において、その構成の一例を示す概略図である。図14に示す電子ビーム応用装置は、前述した実施の形態2の図2の構成例と比較して4極子場制御部1401の機能が異なっており、これ以外は図2と同様の構成例となっている。4極子場制御部1401は、図2で述べた第2の比率と強度の調整機能に加えて非点なしフォーカスのためのオフセット調整機能を有する。4極子場制御部1401は、4極子磁場演算部1402と4極子電場演算部1403を介して第2の比率と強度で決まる4極子場をEXB偏向器1404に印加することに加えて、オフセット調整機能に従って設定された4極子場(ここでは4極子電場)を演算部(ここでは4極子電場演算部1403)を介して重畳的にEXB偏向器1404に印加する。
図15は、図14のSEM制御部において、そのディスプレイ表示画面の一例を示す図であり、非点なしフォーカスのためのオフセットの調整方法の一例を示す図である。まず、実施の形態2の図3の場合と同様にして、図14のSEM制御部1405を用いて、1次系スキャン選択部により1次電子ビームによる走査画像を取得し、双極子場の電場と磁場の比率1(第1の比率)を決定する。次に、2次系スキャン選択部により2次電子ビームによる走査画像を取得し、双極子場の強度(第1の強度)を決定する。
続いて、1次電子ビームによる走査画像を再度取得し、図15に示すように、調整前の試料上パターン1502を観察する。ここで、図15の表示画面には、図3等の表示画面における各項目に加えて4極子電場オフセット調整部1501が設けられる。ユーザは、非点なしフォーカスの条件を満たすように当該4極子電場オフセット調整部1501を用いて調整を行うことができ、調整後の試料上パターン1503を得ることができる。
次いで、この4極子電場オフセットを印加した状態で、実施の形態2の図3の場合と同様にして調整を行う。すなわち、4極子場の電場と磁場の比率2(第2の比率)を決定し、さらに、2次電子ビームによる走査画像を取得し、2次電子ビームプロファイルを確認しながら、4極子場の第2の強度を決定する。これにより、4極子場として、1次電子ビームに対しては、4極子電場オフセットを起点に重畳的に調整された4極子電場と、この4極子電場の重畳部分を打ち消す4極子磁場とが印加される結果、実効的に4極子電場オフセットのみが作用し、2次電子ビームに対しては、当該4極子電場と当該4極子磁場が作用する。例えば、偏向方向がX方向の場合、4極子電場オフセットをVas0とすると、4極子電場は式(8)となるように調整される。
Figure 0005972663
以上のように、本実施の形態6の電子ビーム応用装置(電子ビーム調整方法)を用いることで、実施の形態1および2で述べた各種効果に加えて、1次電子ビームの非点なしフォーカスを実現しつつ、2次電子ビームのプロファイルを調整することが可能となる。なお、本実施の形態6の方式は、上記形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、本実施の形態6では、非点なしフォーカスを実現するための4極子場オフセットとして電場を用いたが、その代わりに磁場を用いてもよい。さらに、本実施の形態6の方式は、プロジェクション型の電子ビーム応用装置にも適用可能であり、面型ビームではビームのXY倍率を調整することが可能となる。また、マルチビームSEMでは、1次電子ビームのビーム配列を調整することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
100:1次電子ビーム、101:EXB偏向器、102:偏向器、103:パターンつき試料、104:1次電子偏向範囲、105:2次電子ビーム、106:検出器、107:1次電子偏向範囲、108:電流電源、109:電圧電源、110:第1の比率と強度の調整手段、111:第2の比率と強度の調整手段、112:パターンなし試料、113:検出窓、201:真空筐体、202:電子ビーム発生手段、203:1次電子ビーム、204:ブランキング電極、205:電流制限絞り、206:上流レンズ、207:EXB偏向器、208:対物レンズ、209:偏向器、210:試料、211:ステージ、212:2次電子ビーム、213:電子ビーム検出器、214:検出信号増幅回路、215:AD変換器、216:偏向アンプ、217:偏向制御回路、218:SEM制御部、219:双極子場制御部、220:4極子場制御部、221:双極子磁場演算部、222:双極子電場演算部、223:4極子磁場演算部、224:4極子電場演算部、225:磁場加算部、226:電場加算部、227:リターディング電圧制御部、228:レンズ強度調整手段、300:EXB調整タブ、301:1次系スキャン選択部、302:ポインタ、303:第1の比率調整部、304:第2の比率調整部、305:2次系スキャン選択部、306:第1の強度調整部、307:第2の強度X調整部、308:第2の強度Y調整部、309:OBJワブラ選択部、310:EXBワブラ選択部、311:ワブラ中止選択部、312:SEM画像表示部、313:1次電子パターン像、314:移動量、401:OBJワブラ選択部、501:2次系スキャン選択部、502:2次電子ビーム像の明部、503:第1の強度調整部、601:第2の強度X調整部、602:2次電子ビーム像、700:電子ビーム応用装置、701:電子ビーム発生手段、702:1次電子ビーム、703:上流レンズ、704:ビーム分離部、705:個別収束レンズ、706:複数本の1次電子ビーム、707:EXB偏向器、708:対物レンズ、709:偏向器、710:試料、711:ステージ、712:2次電子レンズ、713:振り戻し偏向器、714:複数の検出器、715:複数の検出アンプ、716:複数のAD変換器、717:レンズ強度制御部、718:個別ビーム制御部、719:磁場加算部、720:電場加算部、721:双極子磁場演算部、722:双極子電場演算部、723:4極子磁場演算部、724:4極子電場演算部、725:双極子場制御部、726:4極子場制御部、727:偏向アンプ、728:偏向制御回路、729:リターディング電圧制御部、730:SEM制御部、731:複数本の2次電子ビーム、801:SEM画像表示部、802:複数の検出器像、901:第2の強度X調整部、902:SEM画像表示部、903:第1明部、1101:双極子磁場演算部、1102:双極子電場演算部、1103:4極子磁場演算部、1104:4極子電場演算部、1105:6極子磁場演算部、1106:6極子電場演算部、1107:双極子場制御部、1108:4極子場制御部、1109:6極子場制御部、1110:磁場加算部、1111:電場加算部、1112:EXB偏向器、1201:双極子場制御部、1202:双極子磁場演算部、1203:双極子電場演算部、1204:EXB偏向器、1205:SEM制御部、1301:第4の比率調整部、1302:位置ずれ、1401:4極子場制御部、1402:4極子磁場演算部、1403:4極子電場演算部、1404:EXB偏向器、1405:SEM制御部、1501:4極子電場オフセット調整部、1502:調整前の試料上パターン、1503:調整後の試料上パターン。

Claims (10)

  1. 電場型偏向器および磁場型偏向器をそれぞれ8極以上持つ一つの電磁重畳型偏向器と、
    前記電磁重畳型偏向器で生成する双極子電場と双極子磁場の第1の比率と第1の強度を調整する第1調整部と、
    前記電磁重畳型偏向器で生成する4極子電場と4極子磁場の第2の比率と第2の強度を調整する第2調整部と、
    を有する電子ビーム応用装置。
  2. 請求項記載の電子ビーム応用装置において、
    前記第1調整部は、第1方向の電子ビームに対して、前記双極子電場の作用と前記双極子磁場の作用が打ち消し合うように前記第1の比率を調整し、
    前記第2調整部は、前記第1方向の電子ビームに対して、前記4極子電場の作用と前記4極子磁場の作用が打ち消し合うように前記第2の比率を調整し、
    前記第1調整部は、前記第1方向の逆方向となる第2方向の電子ビームが所望の状態となるように前記第1の強度を調整し、
    前記第2調整部は、前記第2方向の電子ビームが所望の状態となるように前記第2の強度を調整する
    電子ビーム応用装置。
  3. 請求項1記載の電子ビーム応用装置において、さらに、
    試料上で1次電子ビームを走査する走査部と、
    前記1次電子ビームのプロファイルと位置を測定する第1測定部と、
    前記試料から発生した2次電子ビームを検出する検出部と
    備え、
    前記第1調整部は、
    前記第1の比率と前記第1の強度に基づいて第1電圧電源の電圧値と第1電流電源の電流値を設定する双極子場制御部と、
    前記第1電圧電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電圧を生成する双極子電場演算部と、
    前記第1電流電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電流を生成する双極子磁場演算部とを有し、
    前記第2調整部は、
    前記第2の比率と前記第2の強度に基づいて第2電圧電源の電圧値と第2電流電源の電流値を設定する4極子場制御部と、
    前記第2電圧電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電圧を生成する4極子電場演算部と、
    前記第2電流電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電流を生成する4極子磁場演算部とを有し、
    前記1次電子ビームを走査する走査部は、前記2次電子ビームが前記検出部の検出窓より大きな範囲に到達するように前記1次電子ビームを偏向する、
    電子ビーム応用装置。
  4. 請求項記載の電子ビーム応用装置において、
    前記第2調整部は、前記2次電子ビームの非点収差を発生させるように前記第2の強度を調整する
    電子ビーム応用装置。
  5. 請求項1記載の電子ビーム応用装置において、
    前記電子ビーム応用装置は、プロジェクション型の電子ビーム応用装置である
    電子ビーム応用装置。
  6. 請求項記載の電子ビーム応用装置において、さらに、
    試料上で複数の1次電子ビームを走査する走査部と、
    前記複数の1次電子ビームのプロファイルと位置を測定する第1測定部と、
    前記試料から発生した複数の2次電子ビームを検出する検出部と、
    前記複数の2次電子ビームのプロファイルと位置を測定する第2測定部と
    を備え、
    前記第1調整部は、
    前記第1の比率と前記第1の強度に基づいて第1電圧電源の電圧値と第1電流電源の電流値を設定する双極子場制御部と、
    前記第1電圧電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電圧を生成する双極子電場演算部と、
    前記第1電流電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電流を生成する双極子磁場演算部と
    を有し、
    前記第2調整部は、
    前記第2の比率と前記第2の強度に基づいて第2電圧電源の電圧値と第2電流電源の電流値を設定する4極子場制御部と、
    前記第2電圧電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電圧を生成する4極子電場演算部と、
    前記第2電流電源から前記電磁重畳型偏向器の各極毎に印加する電流を生成する4極子磁場演算部と
    を有する電子ビーム応用装置。
  7. 請求項記載の電子ビーム応用装置において、
    前記第2調整部は、前記複数の2次電子ビームのXY倍率を決定するために前記第2の強度を調整する
    電子ビーム応用装置。
  8. 第1方向から来る第1電子ビームのプロファイルまたは位置の変化量が予め定めた規定値以下となるように、双極子電場と双極子磁場の第1比率と4極子電場と4極子磁場の第2比率をそれぞれ決定する第1ステップと、
    前記第1方向の逆方向となる第2方向から来る第2電子ビームの偏向量が予め定めた規定範囲に収まるように、前記第1比率を保持しつつ前記双極子電場と前記双極子磁場の第1強度を決定する第2ステップと、
    前記第2電子ビームのプロファイルが予め定めたプロファイルに近づくように、前記第2比率を保持しつつ前記4極子電場と前記4極子磁場の第2強度を決定する第3ステップと
    を有する電子ビーム調整方法。
  9. 請求項記載の電子ビーム調整方法において、さらに、
    前記第1ステップの後に、前記双極子電場および前記双極子磁場に起因して生じる前記第1電子ビームの非点収差が予め定めた規定値以下となるように前記4極子電場又は前記4極子磁場に重畳させるオフセット用4極子電場又はオフセット用4極子磁場を決定する第4ステップを有し、
    前記第3ステップでは、前記オフセット用4極子電場又は前記オフセット用4極子磁場を印加した状態で、前記第2電子ビームのプロファイルが予め定めたプロファイルに近づくように、前記第2比率を保持しつつ前記4極子電場と前記4極子磁場の第2強度を決定する
    電子ビーム調整方法。
  10. 第1方向から来る複数本の電子ビームのプロファイルまたは位置の変化量が予め定めた規定値以下となるように、双極子電場と双極子磁場の第1比率と4極子電場と4極子磁場の第2比率をそれぞれ決定し、
    前記第1方向の逆方向となる第2方向から来る複数本の電子ビームの偏向量が予め定めた規定範囲に収まるように、前記第1比率を保持しつつ前記双極子電場と前記双極子磁場の第1強度を決定し、
    前記第2方向から来る複数本の電子ビームの相対位置が予め定めた相対位置に近づくように、前記第2比率を保持しつつ前記4極子電場と前記4極子磁場の第2強度を決定する
    電子ビーム調整方法。
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