JP5971698B2 - 可視光応答性光触媒とその製造方法 - Google Patents

可視光応答性光触媒とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5971698B2
JP5971698B2 JP2012095251A JP2012095251A JP5971698B2 JP 5971698 B2 JP5971698 B2 JP 5971698B2 JP 2012095251 A JP2012095251 A JP 2012095251A JP 2012095251 A JP2012095251 A JP 2012095251A JP 5971698 B2 JP5971698 B2 JP 5971698B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tio
visible light
heat treatment
powder
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012095251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013220403A (ja
Inventor
打越 哲郎
哲郎 打越
隆正 石垣
隆正 石垣
晨寧 張
晨寧 張
継光 李
継光 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2012095251A priority Critical patent/JP5971698B2/ja
Publication of JP2013220403A publication Critical patent/JP2013220403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5971698B2 publication Critical patent/JP5971698B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、可視光応答性光触媒とその製造方法に関するものである。
酸化チタン(TiO)は、ルチル型、アナターゼ型、ブルッカイト型の3種類の結晶構造をとる。ルチル型の酸化チタンのバンドギャップの値は3.0eVであり、アナターゼ型の酸化チタンのバンドギャップの値は3.2eVである。それぞれバンドギャップ以上のエネルギーの光(紫外線光)を吸収して、伝導帯に電子を生成し、価電子帯に正孔を生成する。ルチル型の酸化チタンは、わずかに可視光線を吸収する。これにより、酸化チタンは光触媒として機能する。
光触媒活性は、ルチル型の酸化チタンよりもアナターゼ型の酸化チタンの方が高い。アナターゼ型の酸化チタンの伝導帯の位置が、ルチル型の酸化チタンの伝導帯よりも負の位置にあり、ルチル型に比べると強い還元力を持っているためである。
酸化チタン光触媒の弱点の一つとして、380nmよりも短波長の紫外光の照射下でしか機能しないことが挙げられる。そのため、可視光が大部分を占める太陽光の有効利用を視野に入れた、可視光応答型酸化チタン光触媒の開発がさかんに行われている。
近年,C,S,N,Cr,V等の元素を酸化チタン結晶内へドープすることにより,可視光で作用する光触媒が調製できることがわかってきた(特許文献1、非特許文献1〜4)。なお、特許文献1は、無機系酸窒化物の製造方法および無機系酸窒化物に関するものである。また、Cuを担持したCu(II)担持TiOやFeを担持したFe(III)担持TiOでも可視光応答性が報告されている(非特許文献5、6)。更にまた、NbあるいはWとNをドープした可視光応答型光触媒も報告されている(特許文献2)。
特開2002−154823号公報 特開2009−178636号公報
Morikawa,T.,Asahi,R.,Ohwaki,T.,Aoki,K.,Taga,Y.,Band−Gap Narrowing of Titanium Dioxide by Nitrogen Doping,Jpn.J.Appl.Phys.,40,L561−L563(2001). Asahi,R.,Morikawa,T.,Ohwaki,T.,Aoki,K.,Taga,Y.,Visible−Light Photocatalysis in Nitrogen−Doped Titanium Oxides,Science,293,269−271(2001). Anpo,M.,Photocatalysis on Titanium Oxide Catalysts: Approaches in Achieving Highly Efficient Reactions and Realizing the Use of Visible Light,Catal.Surv.Jpn.,1,169−179(1997). Ohno,T.,Mitsui,T.,and Matsumura,M.,Photocatalytic Activity of S−doped TiO2 Photocatalyst under Visible Light, Chem.Lett.,32,364−365(2003). H.Irie,S.Miura,K.Kamiya and K.Hashimoto,Chem.Phys.Lett.457,202-205(2008). H.Yu,H.Irie,Y.Shimodaira,Y.Hosogi,Y.Kuroda,M.Miyauchi,K.Hashimoto,J.Phys.Chem.C,114,16481-16487(2010) A.Ruiz,G.Dezanneau,J.Arbiol,A.Cornet,J.R.Morante,Thin Solid Films 436(2003)90-94. Ana M.Ruiz,G.Dezanneau,J.Arbiol,A.Cornet,and Joan R.Morante,Chem.Mater.16,862−871(2004). C.Zhang,M.Ikeda,T.Uchikoshi,J.Li,T.Watanabe and T.Ishigaki,J.Mater.Res.,26[5],658−671,(2011)
本発明は、これまでに知られていないNb添加TiO系の可視光応答性光触媒とその製造方法を提供することを課題とする。
Nbを数at%まで固溶させたTiO粒子については、これまで知られていたが(非特許文献7、8)、非特許文献9で、Nbを25at%まで固溶させたTiO粒子が、TiおよびNbのプリカーサーを熱プラズマ炎中で反応させる非平衡状態を経るプロセスで初めて得られた。通常のTiO系光触媒では、大気中の加熱は比表面積の減少を引き起こし、光触媒活性は加熱温度とともに低下することが知られている。しかし、本発明者は、TiOに対してNbが25at%まで大量固溶するという現象は過去に報告例がなく、これまでにない微視的構造を形成して、光触媒活性の高い可視光応答性光触媒が得られる可能性があると考え、試行錯誤して製造条件を変えて調べた結果、光触媒活性の高い可視光応答性光触媒及びその製造方法を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)TiO結晶と、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有し、前記TiO結晶がアナターゼ相とルチル相の2相を含み、前記TiO結晶に固溶されたNb原子又はNbイオンと、TiNb中のNb原子の総含有量(Nb含有量/(Ti含有量+Nb含有量))が20at%以上であることを特徴とする可視光応答性光触媒。
(2)前記TiO結晶のルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)が30wt%以上であることを特徴とする(1)に記載の可視光応答性光触媒。
(3)Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料をプラズマ内に供給して、20at%以上のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を作製する工程と、前記TiO結晶粉末を大気中、700℃超1000℃未満の熱処理温度で保持する工程と、を有することを特徴とする可視光応答性光触媒の製造方法。
(4)25at%のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を880℃超920℃未満の熱処理温度で保持することを特徴とする(3)に記載の可視光応答性光触媒の製造方法。
(5)アルコールで希釈した液体原料を用いることを特徴とする(3)又は(4)に記載の可視光応答性光触媒の製造方法。
(6)前記熱処理温度で保持する時間が3時間以上であることを特徴とする(3)〜(5)のいずれかに記載の可視光応答性光触媒の製造方法。
本発明の可視光応答性光触媒は、TiO結晶と、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有し、前記TiO結晶がアナターゼ相とルチル相の2相を含み、前記TiO結晶に固溶されたNb原子又はNbイオンと、TiNb中のNb原子の総含有量が20at%以上である構成であり、これまでに知られていないNb添加TiO系の可視光応答性光触媒を提供することができる。
本発明の可視光応答性光触媒の製造方法は、Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料をプラズマ内に供給して、20at%以上のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を作製する工程と、前記TiO結晶粉末を大気中、700℃超1000℃未満の熱処理温度で保持する工程と、を有する構成なので、これまでに知られていないNb添加TiO系の可視光応答性光触媒を製造することができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の一例を示す図である。 高周波熱プラズマによる粉体合成過程の摸式図である。 Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.01、0.06、0.15、0.25の熱プラズマ合成粉末のXRDパターンの測定結果である。 Ti1−xNbの格子定数(a軸とc軸)のNb濃度依存性を示すグラフであり、図4(a)はアナターゼのものであり、図4(b)はルチルのものである。 ST−21、undoped、x=0.25のXRDパターン測定結果である。 熱処理温度とルチル割合の関係を示すグラフである。 ST−21 TiOの熱プラズマ合成粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。 Undoped TiOの熱プラズマ合成粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。 25.0at.% Nb−TiOの熱プラズマ合成粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。 熱処理温度とUV−vis光照射下での光触媒特性の関係を示すグラフである。 25at%Nb固溶TiOの熱処理温度と光吸収特性の関係を示すグラフである。 熱処理温度と可視光照射下での光触媒特性の関係を示すグラフである。
(本発明の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態である可視光応答性光触媒とその製造方法について説明する。
<可視光応答性光触媒>
まず、本発明の実施形態である可視光応答性光触媒について説明する。
図1は、本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の一例を示す図である。
図1(a)は断面模式図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施形態である可視光応答性光触媒は、TiO結晶と、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有する。
図1(b)は図1(a)のA部の拡大模式図であって、TiO結晶のアナターゼ相とルチル相とTiNbとからなる複合組織を示す図である。
図1(b)に示す複合組織では、TiのサイトにTiと置換され配置されたNb原子又はNbイオンが示されている。また、TiNbとは、TiO結晶の表面に担持されている。なお、TiO結晶の内部に担持されていてもよい。
Nb原子又はNbイオンの含有量は20at%以上とされている。
Nb原子又はNbイオンの含有量が20at%以上のTiO結晶を用いることにより、高温にしてもアナターゼ相を安定して保つことができ、より高温の温度範囲の熱処理で急激にルチル相にすることにより、TiO結晶の表面又は内部にTiNbを生成できる。
なお、Nb原子又はNbイオンの含有量が25at%超のTiO結晶を生成することは、現在できていない。
TiO結晶はアナターゼ相とルチル相の2相を含む。このとき、TiNbは安定してTiO結晶の表面又は内部に担持されている。また、可視光応答性光触媒特性を高めることができる。
TiO結晶がアナターゼ相とルチル相のいずれか1相のみの場合にはTiNbは安定してTiO結晶の表面又は内部に担持されない。また、可視光応答性光触媒特性を高めることはできない。
TiO結晶のルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)は30wt%以上であることが好ましい。これにより、TiNbをTiO結晶の表面又は内部に担持させたときに、TiO結晶のアナターゼ相とルチル相とTiNbとからなる複合組織を形成することができ、TiNb単相では得られない可視光応答性光触媒特性を生じさせることができる。
TiO結晶のルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)が30wt%未満の場合には、前記複合組織を生成することができず、また、生成できても小さい割合なので、可視光応答性光触媒特性を生じさせることができない。
<可視光応答性光触媒の製造方法>
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の製造方法は、プラズマ合成粉末作製工程S1と、熱処理粉末作製工程S2と、を有する。
なお、プラズマ合成粉末作製工程S1で用いる液体原料の作製工程について、まず、説明する。
<液体原料の作製工程>
まず、チタン源試液及びニオブ源試液を作製する。
Tiアルコキシドとして、例えば、Ti(OBu)を用いた場合、例えば、Ti(OBu)とジエタノールアミン(DEA)をモル比「Ti(OBu):DEA:=1:4」で混合して、チタン源試液を作製する。チタン源試液中でアルコキシドのアルコキシル基をDEAと置換することにより、試液中のアルコキシドを安定化できる。
Tiアルコキシドとしては、チタンテトラブトキシドの他に、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトラターシャリーブトキシド、チタンテトラセカンダリーブトキシドなどを用いても良い。
Nbアルコキシドとして、例えば、Nb(OBu)を用いた場合、例えば、Nb(OBu)とDEAをモル比「Nb(OBu):DEA:=1:5」で混合して、ニオブ源試液を作製する。ニオブ源試液中でアルコキシドのアルコキシル基をDEAと置換することにより、試液中のアルコキシドを安定化できる。
Nbアルコキシドとしては、ニオブペンタブトキシドの他に、ニオブペンタメトキシド、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタプロポキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタイソブトキシド、ニオブペンタターシャリーブトキシド、ニオブペンタセカンダリーブトキシドなどを用いても良い。
次に、出発原料濃度がTi1−xNb(x=0−0.25)となるようにチタン源試液とニオブ源試液を、例えば、マグネティックスターラーで攪拌して混合する。アルコキシドは空気中の水分と反応し、容易に不溶性のゲルを生じるので、マグネティックスターラーで攪拌中もビーカーをパラフィルムで覆い大気中の水分との接触を避けることが好ましい
次に、混合した試液をエタノールで希釈する。液体原料はアルコールで希釈することが好ましい。液体原料の粘度を下げることにより、プラズマ中への供給を容易にできる。アルコキシドはいずれも粘度が高いので、アルコールで希釈しない場合は、プラズマ中への供給が難しくなる。
また、希釈により、アルコキシド原料の流動性を増加させることができ、アルコキシド原料を一定量、採取しやすい状態にできる。
例えば、チタンの濃度を、Ti=1.5mol/Lになるように希釈調製する。
最終的に、チューブによる液体送給が容易となる濃度まで希釈する。
以上の工程により、液体原料を作製する。
<プラズマ合成粉末作製工程S1>
プラズマ合成粉末作製工程S1は、Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料をプラズマ内に供給して、20at%以上のNb原子又はイオンを固溶したTiO結晶粉末(以下、プラズマ合成粉末とも表記する)を作製する工程である。
図2は、高周波熱プラズマによる粉体合成過程の摸式図である。図2に示すように、高周波熱プラズマ装置10は、ビューポート13及び真空ゲージ12が設けられた水冷可能なチャンバー11を有する。チャンバー11の下部には排気管が取り付けられており、フィルター14を介して真空ポンプに接続されている。これにより、チャンバー11内を所定の真空度に減圧可能とされている。
チャンバー11は、例えば、水冷SUS製反応容器である。
チャンバー11の上部にはプラズマ発生部が取り付けられている。プラズマ発生部は筒状プラズマトーチ部と前記筒状プラズマトーチ部を周回するワークコイル15からなる。ワークコイル15には電流を供給可能なR.F.パワーサプライ16が取り付けられている。
筒状プラズマトーチ部は、例えば、石英ガラス製水冷二重管である。
プラズマ発生部の上部は金属蓋部でシールドされている。金属蓋部には、Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料を供給可能なアトマイゼーションプローブ17と、セントラルガス(Ar)とシースガス(Ar+O)を供給可能なガス供給管が取り付けられている。アトマイゼーションプローブ17は水冷可能とされている。
アトマイゼーションプローブ17は、例えば、model SA792−260−100(TENKA Plasma Systems Inc,Canada製)である。
図2を用いて、プラズマ合成粉末作製工程S1を具体的に説明する。
まず、チャンバー11内を減圧状態にしてから、セントラルガス(Ar)とシースガス(Ar+O)をプラズマ発生部の筒状プラズマトーチ部内に供給する。例えば、装置内圧力は26.7kPa(200Torr)、セントラルガス中のアルゴンガス流量は15L/min、シースガス中のアルゴンガス流量は60L/min、酸素流量を10L/minとする。
次に、R.F.パワーサプライ16からワークコイル15に電流を供給して、筒状プラズマトーチ部内に熱プラズマ(プラズマトーチ)を発生させる。例えば、2〜4MHz、40kWの高周波電力を印加する。
次に、アトマイゼーションプローブ17からプラズマ内に霧状に液体プリカーサーを供給する。例えば、液体原料の供給速度は4〜5mL/minとする。アトマイゼーションガスの流量は5L/minとする。
以上の工程により、液体原料をプラズマトーチに反応させて、プラズマ合成粉末を作製できる。
プラズマ合成粉末はフィルター14で回収する。
<熱処理粉末作製工程S2>
熱処理粉末作製工程S2は、フィルターで回収したプラズマ合成粉末を、例えば、管状炉内に配置して、700℃超1000℃未満に保持して熱処理する工程である。
これにより、TiO結晶と、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有し、前記TiO結晶がアナターゼ相とルチル相の2相を含み、前記Nb原子又はNbイオンの総含有量が20at%以上である可視光応答性光触媒を製造できる。
特に、25at%のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を880℃超920℃未満の熱処理温度で保持することにより、2時間の可視光照射によりメチルオレンジ濃度Cが初期濃度Cと比較して、C/Cが0.75以下となる光触媒活性の高い可視光応答性光触媒を製造することができる。
700℃以下では、ほとんどアナターゼ相のままであり、TiNbが生成されず、可視光応答性光触媒特性を示すことがないか、ほとんど示さない。熱処理温度を1000℃以上にした場合、ほとんどルチル相に変換され、可視光応答性光触媒特性を示すことがないか、ほとんど示さない。
前記熱処理の保持時間が3時間以上であることが好ましい。これにより、アナターゼ相からルチル相への変換効率を高め、前記可視光応答性光触媒の生成効率を上げることができる。前記熱処理の保持時間が2時間未満の場合には、反応時間が十分でなく、未反応の粒子が残存する。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒は、TiO結晶と、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有し、前記TiO結晶がアナターゼ相とルチル相の2相を含み、前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、TiNb中のNb原子の総含有量が20at%以上である構成なので、これまでに知られていないNb添加TiO系の可視光応答性光触媒を提供することができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒は、前記TiO結晶のルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)が30wt%以上である構成なので、C/Cが0.75以下となる光触媒活性の高い可視光応答性光触媒を提供することができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の製造方法は、Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料をプラズマ内に供給して、20at%以上のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を作製する工程と、前記TiO結晶粉末を大気中、700℃超1000℃未満の熱処理温度で保持する工程と、を有する構成なので、これまでに知られていないNb添加TiO系の可視光応答性光触媒を製造することができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の製造方法は、25at%のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を880℃超920℃未満の熱処理温度で保持する構成なので、C/Cが0.75以下となる光触媒活性の高い可視光応答性光触媒を製造することができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の製造方法は、アルコールで希釈した液体原料を用いる構成なので、液体原料を霧状に噴霧させて、効率よくプラズマと反応させることができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒の製造方法は、前記熱処理温度で保持する時間が3時間以上である構成なので、完全に熱処理反応させることができる。
本発明の実施形態である可視光応答性光触媒とその製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<液体原料の作製工程>
まず、チタン源としてTi(OBu)(和光純薬製)、ニオブ源としてNb(OBu)(和光純薬製)、アルコキシドの加水分解抑制剤としてNH(OC(ジエタノールアミン、和光純薬製、以下、DEAと略す)を用意した。
次に、Ti(OBu)とDEAをモル比「Ti(OBu):DEA:=1:4」で混合して、チタン源試液を作製した。
次に、Nb(OBu)とDEAをモル比「Nb(OBu):DEA:=1:5」で混合して、ニオブ源試液を作製した。
次に、出発原料濃度(仕込み組成)がTi1−xNb(x=0.01)となるようにチタン源試液とニオブ源試液をマグネティックスターラーで攪拌・混合した。マグネティックスターラーで攪拌中、ビーカーをパラフィルムで覆い大気中の水分との接触を避けた。なお、すべての溶液は50mLとし、チタンの濃度が一定(Ti=1.5mol/L)になるように調製した。
次に、エタノールで希釈して、Ti1−xNb(x=0.01)の液体原料を調製した。
同様に、Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.06、0.15、0.20、0.25の各液体原料も調整した。
<熱プラズマ合成粉末作製工程>
次に、図2に示した高周波プラズマ装置を用いて、以下の工程で、熱プラズマ合成粉末の作製を行った。
まず、チャンバー内を減圧状態とした後、アルゴンを主とした混合ガスをチャンバー内に流した。
次に、2MHz、40kWの高周波電力を印加して、熱プラズマを発生させた。
次に、水冷したアトマイゼーションプローブから噴出させたTi1−xNb(x=0.01)の液体原料をアトマイゼーションガスによりミスト状にして噴霧して、超高温の熱プラズマ流の中心に供給した。
以上の工程により、Ti1−xNb(x=0.01)の熱プラズマ合成粉末が得られた。
実験条件を表1に示す。
Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.06、0.15、0.20、0.25の各液体原料を用いた他はTi1−xNb(x=0.01)の熱プラズマ合成粉末と同様にして、Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.06、0.15、0.20、0.25の熱プラズマ合成粉末を作製した。
<熱プラズマ合成粉末のNb含有量の定量>
Ti1−xNbのx=0、0.01、0.06、0.15、0.20、0.25の熱プラズマ合成粉末におけるNb含有量をICP法により求めた。
表2は、仕込み組成と合成粉末のNb含有量の定量結果を示す。両者ほぼ同様の値であった。
次に、Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.01、0.06、0.15、0.25の熱プラズマ合成粉末のXRDパターンを測定した。
図3は、Ti1−xNbのx=0(undoped)、0.01、0.06、0.15、0.25の熱プラズマ合成粉末のXRDパターンの測定結果である。A(101)はアナターゼのピークであり、R(110)はルチルのピークであり、T(110)はTiNbのピークである。
比較のため、P−25(市販の光触媒用酸化チタン粉、日本アエロジル製)のXRDパターン測定結果も示した。
図4は、Ti1−xNbの格子定数(a軸とc軸)のNb濃度依存性を示すグラフである。図4(a)はアナターゼのものであり、図4(b)はルチルのものである。いずれの場合でも、NbはTiのサイトに入っており、Nb濃度が低い時は、undopedの熱プラズマ合成粉末のa軸とc軸とほとんど変わらなかった。しかし、Nb濃度を高めると、a軸の格子定数は大きく増加した。
<熱処理粉末作製工程>
次に、Ti1−xNbのx=0.25の熱プラズマ合成粉末を、管状炉を用い、大気中、熱処理温度600℃で3h熱処理した。なお、昇温速度は5℃/min、降温速度は2℃/minとした。
熱処理により、Ti1−xNbのx=0.25の600℃熱処理粉末を作製した。
次に、熱処理温度を700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃とした他はTi1−xNbのx=0.25の600℃熱処理粉末と同様にして、Ti1−xNbのx=0.25の700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末をそれぞれ作製した。
次に、Ti1−xNbのx=0(undoped)の熱プラズマ合成粉末を用い、熱処理温度を600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃とした他はTi1−xNbのx=0.25の600℃熱処理粉末と同様にして、Ti1−xNbのx=0(undoped)の600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末をそれぞれ作製した。
次に、ST−21(市販の光触媒用酸化チタン粉末、石原産業製)を用い、熱処理温度を600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃とした他はTi1−xNbのx=0.25の600℃熱処理粉末と同様にして、ST−21の600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末をそれぞれ作製した。
なお、ST−21(市販の光触媒用酸化チタン粉末、石原産業製)を用い、熱処理を実施していない粉末とした。
なお、P−25とST−21は平均粒径の異なる酸化チタン粉末である。P−25の平均粒径は30nmである。一方、ST−21の平均粒径は20nmであり、Ti1−xNbのx=0.25の600℃熱プラズマ合成粉末の平均粒径とほぼ同じである。
次に、Ti1−xNbのx=0.20の熱プラズマ合成粉末を用い、熱処理温度を700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、1000℃とした他はTi1−xNbのx=0.25の600℃熱処理粉末と同様にして、Ti1−xNbのx=0.20の700℃、750℃、800℃、850℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末を作製した。
<XRDパターン測定>
Ti1−xNbのx=0.25のas−prepared、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末のXRDパターンを測定した。
また、Ti1−xNbのx=0(undoped)のas−prepared、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末、ST−21のas−received、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末のXRDパターンを測定した。
図5(a)はST−21のas−received(熱処理無し)、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末のXRDパターン測定結果であり、図5(b)はTi1−xNbのx=0(undoped)のas−prepared(熱処理無し)、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末のXRDパターン測定結果であり、図5(c)はTi1−xNbのx=0.25のas−prepared(熱処理無し)、600℃、700℃、800℃、900℃、950℃、1000℃熱処理粉末のXRDパターン測定結果である。
ここで、●は「A(101)、アナターゼ」のピークであり、■は「R(110)、ルチル」のピークであり、◆は「TiNb」のピークである。
図5(c)に示すように、25at%Nbの酸化チタンには、700℃以上の熱処理によりTiNb相が出現した。
<ルチル含有量の算出>
まず、アナターゼのピークのX線回折強度(cps)からIAを決定し、ルチルのピークのX線回折強度(cps)からIRを決定した。なお、アナターゼおよびルチルのピークには、それぞれの最強ピークであるIA(101)とIR(110)を用いた。
次に、SpurとMyersの方法により式(1)のようにfR(ルチルの重量パーセント(%))を算出した。
(算出方法に係る参考文献:R.A.Spurr and H.Myers,Anal.Chem.,29,760(1957))。
図6は熱処理温度とルチル割合の関係を示すグラフである。
ST−21、Undoped、25at%Nbのいずれの酸化チタンにおいても、600℃以上900℃以下の温度領域で、アナターゼ相がルチル相に変態した。
しかし、変態温度には違いがあった。具体的には、900℃熱処理により、ST−21、Undopedの酸化チタンではルチル割合が90%以上となったのに対し、25at%Nbの酸化チタンはアナターゼ相が高温まで安定化され、900℃熱処理を行っても、ルチル割合が60%でしかなかった。
次に、各熱プラズマ合成粉末及び各熱処理粉末のSEM写真を撮影した。
図7は、ST−21 TiO粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。図7(a)は熱処理なしであり、熱処理温度が600℃(b)、700℃(c)、800℃(d)、900℃(e)、950℃(f)、1000℃(g)である。
図8は、Undoped TiOの熱プラズマ合成粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。図8(a)は熱処理なしであり、熱処理温度が600℃(b)、700℃(c)、800℃(d)、900℃(e)、950℃(f)、1000℃(g)である。
図9は、25.0at.% Nb−TiOの熱プラズマ合成粉末及び熱処理粉末のSEM写真である。図9(a)は熱処理なしであり、熱処理温度が600℃(b)、700℃(c)、800℃(d)、900℃(e)、950℃(f)、1000℃(g)である。
図7のST−21 TiO粉末、図8のUndoped TiOの熱プラズマ合成粉末では、いずれも熱処理温度の上昇に伴い、粒子同士が結合して反応する。特に、900℃以上では熱処理前の粒子形状はわからないほどに粒成長していく様子が顕著に見られる。これに対し、図9の25.0at.% Nb−TiOの熱プラズマ合成粉末では、熱処理による粒子間の反応は抑制されていることが認められる。
<光触媒特性評価>
次に、P25、熱プラズマ合成粉末(undoped)及び熱処理粉末(25at%Nb)の光触媒特性の評価を行った。
光触媒特性は、UV−vis光及び可視光下におけるメチルオレンジの分解・脱色反応により評価した。
まず、各粉末全体の表面積が0.125mとなるよう粉重量を調節し、初期濃度C=20μMのメチルオレンジ水溶液10mlに分散させ、P25、熱プラズマ合成粉末(undoped)及び熱処理粉末(25at%Nb)の評価溶液をそれぞれ調製した。
次に、各評価溶液の吸光度を分光光度計(日本分光製;V−560 UV/VIS Spectrophotometer)を用いて測定した。これにより、メチルオレンジの初期濃度Cを算出した。
次に、前記評価溶液にUV−vis光又は可視光を所定時間、照射した。光照射により光触媒反応を実施させ、メチルオレンジの分解・脱色反応を行った。
光源には三永電機製作所のUVF−203S TypeAまたはTypeC(200W水銀キセノンランプ)を使用し、UV−vis光照射時は、波長300,316,365,405,436nmの光を強度比40:82:100:39:30になるようにセットし、可視光照射時は、波長405,436nmの光を強度比81:100になるようセットした。いずれの場合も、光の全照射時間は2時間とし、全体的な光の強度は〜1mW/cmに調節した。
次に、光触媒反応終了後、遠心分離法と濾過法により、前記評価溶液中の粉末を除去して、光触媒反応後の評価溶液を調製した。
各光触媒反応後の評価溶液の吸光度を分光光度計(日本分光製;V−560 UV/VIS Spectrophotometer)を用いて測定した。これにより、メチルオレンジの触媒反応後の濃度Cを算出した。C/Cの値が小さくなるほどメチルオレンジの分解・脱色が進んでいることを示し、光触媒特性が高いことを示す。
図10は熱処理温度とUV−vis光照射下での光触媒特性の関係を示すグラフである。
P−25は、熱処理を行わない時、最も光触媒特性が高く、C/C=0.54であり、600℃熱処理行うとC/C=0.60となり、800℃熱処理行うとC/C=0.96とほとんど光触媒特性がなくなった。
Undopedは、熱処理を行わない時、C/C=0.70であり、600℃熱処理行うとC/C=0.71となり、800℃熱処理行うとC/C=0.96とほとんど光触媒特性がなくなった。
25at%Nbの酸化チタンは、熱処理を行わない時、C/C=0.93であり、600℃熱処理行うとC/C=0.935となり、800℃熱処理行うとC/C=0.94と、熱処理を行ってもほとんど光触媒特性は変わらなかった。
図11は25at%NbのTiOの光吸収特性の熱処理温度依存性を示すグラフであって、図11(a)は各温度で熱処理後のUV−vis吸収スペクトルであり、図11(b)は各温度で熱処理後のバンドギャップエネルギーである。
図11(a)に示すように、熱処理温度を上げるに従い、紫外の光吸収領域が可視光側へわずかにシフトした。シフト量はST−21やundopedに比べ小さかった(図示略)。バンドギャップエネルギーの変化もわずかだった。
図12は熱処理温度と可視光照射下での光触媒特性の関係を示すグラフである。
ST−21は、熱処理を行わない時、C/C=0.96であり、600℃熱処理行うとC/C=0.96となり、800℃熱処理行うとC/C=0.97となり、1000℃熱処理行うとC/C=0.99となり、ほとんど光触媒特性がなくなった。
ST−21は、光触媒特性の可視光応答性はなく、熱処理温度依存性もほとんどなかった。
Undopedは、熱処理を行わない時、C/C=0.76であり、600℃熱処理行うとC/C=0.90となり、800℃熱処理行うとC/C=0.96となり、1000℃熱処理行うとC/C=0.99となり、ほとんど光触媒特性がなくなった。
Undopedは、光触媒特性の可視光応答性があり、熱処理温度を上げるに従い光触媒特性が低下する熱処理温度依存性があった。
20at%Nbの酸化チタンは、熱処理を行わない時、C/C=0.96であり、700℃熱処理行うとC/C=0.94となり、800℃熱処理行うとC/C=0.89となり、900℃熱処理行うとC/C=0.94となり、1000℃熱処理行うとC/C=0.99となり、ほとんど光触媒特性がなくなった。
このように、20at%Nbの酸化チタンは、800℃熱処理でC/C=0.89と光触媒特性が高くなった。
20at%Nbの酸化チタンは、光触媒特性の可視光応答性があり、熱処理温度を上げるに従い光触媒特性が低下する熱処理温度依存性があった。
25at%Nbの酸化チタンは、熱処理を行わない時、C/C=0.98であり、600℃熱処理行うとC/C=0.99となり、800℃熱処理行うとC/C=0.95となり、900℃熱処理行うとC/C=0.73となり、1000℃熱処理行うとC/C=0.99となり、ほとんど光触媒特性がなくなった。
このように、25at%Nbの酸化チタンは、900℃熱処理でC/C=0.73と光触媒特性が高くなった。
25at%のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を880℃超920℃未満の熱処理温度で保持すると、Undoped、1.0at%の熱処理無しのサンプルよりも高い可視光応答型光触媒特性を示した。
熱プラズマ合成直後の20at%Nb−TiO及び25at%Nb−TiOの粒子は可視光触媒特性をほとんど示さなかった(図12参照)。しかし、大気中、800℃で熱処理した20at%Nb−TiO及び900℃で熱処理した25at%Nb−TiOは高い可視光応答型光触媒特性を示した。
このとき、TiOはルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)が30wt%以上であり(図6参照)、XRDパターン(図3(c)参照)から、TiNbの共存が認められた。
一方、TiNb単相についても、可視光照射の前後の吸光度測定から、C/Cを算出したが、TiNb単相は全く光触媒特性を示さなかった。
以上から、20at%Nb−TiO及び25at%Nb−TiOの粒子を熱処理すると、TiNbを有し、ルチル相とアナターゼ相を有するTiOからなる複合組織が生成され、この複合組織でTiNbが、Cu(II)担持TiOやFe(III)担持TiOのCuやFeのように助触媒的な効果を奏し、可視光応答性の発現に寄与したものと類推している。
本発明の可視光応答性光触媒とその製造方法は、光触媒活性の高い可視光応答性光触媒とその製造方法に関するものであり、光触媒産業等において利用可能性がある。
10…高周波熱プラズマ装置、11…チャンバー、12…真空ゲージ、13…ビューポート、14…フィルター、15…ワークコイル、16…R.F.パワーサプライ、17…アトマイゼーションプローブ。

Claims (5)

  1. TiO結晶と、
    前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、
    前記TiO結晶の表面又は内部に担持されたTiNbと、を有し、
    前記TiO結晶がアナターゼ相とルチル相の2相を含み、
    前記TiO結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、TiNb中のNb原子の総含有量が20at%以上であり、
    前記TiO 結晶のルチル相/(ルチル相+アナターゼ相)が30wt%以上60wt%以下であることを特徴とする可視光応答性光触媒。
  2. 前記TiO 結晶内に固溶されたNb原子又はNbイオンと、TiNb 中のNb原子の総含有量が25at%であることを特徴とする請求項1に記載の可視光応答性光触媒。
  3. Tiアルコキシド、Nbアルコキシド及びアミン化合物を有する液体原料をプラズマ内に供給して、25at%のNb原子又はNbイオンを固溶したTiO結晶粉末を作製する工程と、
    前記TiO結晶粉末を大気中、880超920℃未満の熱処理温度で保持する工程
    と、を有することを特徴とする可視光応答性光触媒の製造方法。
  4. アルコールで希釈した液体原料を用いることを特徴とする請求項3に記載の可視光応答性光触媒の製造方法。
  5. 前記熱処理温度で保持する時間が3時間以上であることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の可視光応答性光触媒の製造方法。
JP2012095251A 2012-04-19 2012-04-19 可視光応答性光触媒とその製造方法 Expired - Fee Related JP5971698B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012095251A JP5971698B2 (ja) 2012-04-19 2012-04-19 可視光応答性光触媒とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012095251A JP5971698B2 (ja) 2012-04-19 2012-04-19 可視光応答性光触媒とその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013220403A JP2013220403A (ja) 2013-10-28
JP5971698B2 true JP5971698B2 (ja) 2016-08-17

Family

ID=49591776

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012095251A Expired - Fee Related JP5971698B2 (ja) 2012-04-19 2012-04-19 可視光応答性光触媒とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5971698B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6447996B2 (ja) * 2015-02-06 2019-01-09 国立研究開発法人物質・材料研究機構 Ni基金属間化合物を含む触媒、その製造方法、および、それを用いた水素の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004082088A (ja) * 2001-10-15 2004-03-18 Jfe Steel Kk 光触媒および光触媒材料
WO2005044447A1 (ja) * 2003-11-06 2005-05-19 Toagosei Co., Ltd. 複合酸化型チタニア系光触媒及びその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013220403A (ja) 2013-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Abdel-Messih et al. Photocatalytic decolorization of Rhodamine B dye using novel mesoporous SnO2–TiO2 nano mixed oxides prepared by sol–gel method
Nakhate et al. Hydrothermally derived nanosized Ni-doped TiO2: a visible light driven photocatalyst for methylene blue degradation
Jiang et al. Enhanced visible light photocatalysis of Bi2O3 upon fluorination
D’Arienzo et al. Photogenerated defects in shape-controlled TiO2 anatase nanocrystals: a probe to evaluate the role of crystal facets in photocatalytic processes
Hirano et al. Direct formation of anatase (TiO2)/silica (SiO2) composite nanoparticles with high phase stability of 1300° C from acidic solution by hydrolysis under hydrothermal condition
Zaleska Doped-TiO2: a review
Etacheri et al. Highly visible light active TiO2− x N x heterojunction photocatalysts
Huang et al. Preparation of nitrogen-doped TiO2 nanoparticle catalyst and its catalytic activity under visible light
Wang et al. Preparation and characterization of Fe3+-doped TiO2 on fly ash cenospheres for photocatalytic application
Samsudin et al. Effective role of trifluoroacetic acid (TFA) to enhance the photocatalytic activity of F-doped TiO2 prepared by modified sol–gel method
Nagarjuna et al. Polymerizable sol–gel precursor mediated synthesis of TiO2 supported zeolite-4A and its photodegradation of methylene blue
Li et al. Visible light responsive NF-codoped TiO2 photocatalysts for the degradation of 4-chlorophenol
Li et al. Facile tailoring of anatase TiO2 morphology by use of H2O2: From microflowers with dominant {101} facets to microspheres with exposed {001} facets
Wang et al. One-pot hydrothermal route to synthesize the Bi-doped anatase TiO2 hollow thin sheets with prior facet exposed for enhanced visible-light-driven photocatalytic activity
Xue et al. Nanocrystalline ternary wide band gap p-block metal semiconductor Sr2Sb2O7: hydrothermal syntheses and photocatalytic benzene degradation
Yu et al. Ionic liquid assisted chemical strategy to TiO2 hollow nanocube assemblies with surface-fluorination and nitridation and high energy crystal facet exposure for enhanced photocatalysis
Chand et al. Effect of transition metal doping under reducing calcination atmosphere on photocatalytic property of TiO2 immobilized on SiO2 beads
Amorós-Pérez et al. Cu/TiO2 photocatalysts for the conversion of acetic acid into biogas and hydrogen
Ma et al. Preparation of V-doped TiO2 photocatalysts by the solution combustion method and their visible light photocatalysis activities
Yang et al. One-pot fabrication of C–fe-codoped TiO2 sheets with dominant {001} facets for enhanced visible light photocatalytic activity
Sulaeman et al. Solvothermal synthesis and photocatalytic properties of nitrogen-doped SrTiO3 nanoparticles
Nishizawa et al. New preparation method of visible light responsive titanium dioxide photocatalytic films
Tian et al. Synthesis and characterization of nitrogen-doped titanium dioxide nanomaterials derived from nanotube sodium titanate precursor
Ravi et al. Synthesis of Y 2 Ti 2 O 7-x N y with visible light responsive photocatalytic activity
Goswami et al. A novel synthetic approach for the preparation of sulfated titania with enhanced photocatalytic activity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5971698

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees