JP5967804B2 - 車両車体の塗装表面用コーティング剤 - Google Patents
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また、フッ素系化合物によるコーティング剤では、十分な性能を発現するためには、フルオロアルキル基の長さが必要であるが、PFOA(パーフルオロオクタン酸)やPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸塩)問題といった観点から、その使用が問題視されている。
すなわち、本発明は、車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤であって、
一般式
(化1)
F(CxF2xO)mCyF2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンを、第一の溶媒m-キシレンヘキサフロライド及びフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素からなる群れより選ばれる1種若しくは2種の第二の溶媒を必須の溶媒として含んでなるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤である。
また、本発明の塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤においては、パーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの固形分濃度が、0.01〜3%とすることができる。
また、性能面においても、比較例のそれに比べ、非常に高い撥水・撥油性を示すため、塗装表面への非常に優れたコーティング剤となる。
(化2)
F(CxF2xO)mCyF2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン(以下、フッ素変性シラザン)は、車両車体への処理における作業性向上や製品設計でのコスト対応などのため特定の有機溶媒で適当な濃度に希釈できる。
本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンは、m-キシレンヘキサフロライドに溶解することが知られている。本発明者は、m-キシレンヘキサフロライド及びハイドロフルオローエテル、フルオロカーボン等のフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素から選ばれる群れより選ばれる1種若しくは2種の溶媒からなる混合溶媒に溶解して、塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性被膜を形成させる車両車体の塗装表面用コーティング剤として有用であることを見出した。
本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの良溶媒としては、m-キシレンヘキサフロライドやハイドロフルオロエーテル、フルオロカーボンなどのフッ素系溶媒が挙げられ、本発明で用いるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの貧溶媒としては、脂肪族や芳香族炭化水素などの溶媒があげられる。
なお、フッ素変性シラザンのm-キシレンヘキサフロライド希釈溶液は、知られている。
フッ素変性シラザンを固形分濃度が3%になるようにm-キシレンヘキサフロライドで希釈した溶液をコーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをm-キシレンヘキサフロライド88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをフルオロカーボン(住友スリーエム製:Fluorinert FC-40)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをジメチルポリシロキサン(信越化学工業製:KF-96-1cs)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gをイソプロピルアルコール88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.
5gをジエチレングリコールジメチルエーテル88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KC-89S)10.0gと末端ヒドロキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業製:KF-9701)1.0g、有機チタン系触媒(信越化学工業製:D-25)0.5gを脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)88.5gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをm-キシレンヘキサフロライド90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをハイドロフルオロエーテル(住友スリーエム製:Novec7300)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをフルオロカーボン(住友スリーエム製:Fluorinert FC-40)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをイソプロピルアルコール90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gをアセトン90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
湿気硬化型シリコーンオリゴマー(信越化学工業製:KR-400)10.0gを脂肪族炭化水素(出光興産製:IPソルベント1620)90.0gに溶解させ、コーティング液とした。
アクリル−メラミン系樹脂からなる自動車用塗料をベースコートとトップコートの積層形態で焼付け塗装して作製した塗装板表面に、各コーティング液を含浸させたクロスを用いて均一に処理した。処理されたコーティング液の溶媒が蒸発した後、新しいクロスにてムラがないように拭き取って仕上げた。
(液外観)
コーティング液を調製した際に、液の外観を目視にて確認し以下のように評価した。
○:無色透明な状態。
△:僅かに白化するが、沈殿等は見られない。
×:液の分層や沈殿が見られる。
コーティング液を基材に処理した際の、液の濡れ広がりの様子を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:均一に基材に濡れ広がる。
△:僅かに液ヨリが見られるが、処理できる。
×:液の分離や沈殿または、ハジキにより、均一に処理できない。
処理されたコーティング液の溶媒が、蒸発する時間を計測した。
溶媒が蒸発した後のコーティング液をクロスにて拭き取る際の様子を確認し、以下のように評価した。
○:拭き取りが軽い。
△:僅かに拭き取りが重く感じる。
×:拭き取るのに力が必要。
拭き取り後の仕上がりの様子を目視にて確認し、以下のように評価した。
○:ムラなく均一に仕上がっている。
△:僅かにムラが残る。
×:ムラが多く残り解消できない。
処理、拭き取り後、室温で1日乾燥させ、表面の水および油のハジキ具合を接触角計を用いて測定し、以下のように評価した。なお、油についてはドデカンを使用した。
(水)◎:105°以上
○:100°以上105°未満
△:95°以上100°未満
×:95°未満
(油)◎:50°以上
○:40°以上50°未満
△:30°以上40°未満
×:30°未満
Claims (2)
- 車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤であって、
一般式
(化3)
F(CxF2xO)mCyF2y−Q−Si(NH)1.5
(式中、Qは2価の有機基、mは1以上の整数、x及びyはそれぞれ1〜3の整数である。)で表わされるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンを、第一の溶媒m-キシレンヘキサフロライド及びフッ素系溶媒、ジメチルポリシロキサン、環状シロキサン、アルコール系溶媒、グリコール系溶媒、アセトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素からなる群れより選ばれる1種若しくは2種の第二の溶媒を必須の溶媒として含んでなるパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤。 - パーフルオロポリエーテル変性ポリシラザンの固形分濃度が、0.01〜3%である請求項1記載の塗装被膜上にパーフルオロポリエーテル変性ポリシラザン被膜を形成させる車両車体の塗装がアクリルーメラミン系樹脂を焼付け塗装して作成した塗装板表面に適用するための塗装表面用コーティング剤。
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JP2012050288A JP5967804B2 (ja) | 2012-03-07 | 2012-03-07 | 車両車体の塗装表面用コーティング剤 |
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JP2012050288A JP5967804B2 (ja) | 2012-03-07 | 2012-03-07 | 車両車体の塗装表面用コーティング剤 |
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JP2012050288A Active JP5967804B2 (ja) | 2012-03-07 | 2012-03-07 | 車両車体の塗装表面用コーティング剤 |
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