JP5967421B2 - 耐火工法及び耐火構造 - Google Patents
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Description
所定階に対する上階の床スラブの下面に沿って配置されている鉄骨梁を基準にして一方側と他方側とに仕切る仕切り部の耐火工法において、前記一方側と前記他方側とのうち、該一方側が該他方側に対して火災発生の確率が極端に低いと想定される場合に、前記鉄骨梁の該他方側を覆うよう耐火被覆材を施し、該鉄骨梁の該一方側には耐火被覆材を施さず、 前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間、又は該鉄骨梁の前記他方側であって該所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間に、前記鉄骨梁が延びている方向に広がる耐火壁を配置し、前記耐火壁の上端面と該上端面に対向する前記鉄骨梁又は前記上階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填し、前記耐火壁の上端面と該上端面に対向する前記鉄骨梁又は前記上階の床スラブとの間であって、前記一方側に前記無機質弾性体を充填し、前記他方側に液状シール材を充填することを特徴とする。
しかも、熱により所定階の床スラブと上階の床スラブとの間隔が変化したり、鉄骨梁が熱変形により耐火壁との対向部が下方に下がっても、これらの間の遮熱性及び遮炎性を確保しつつも、この無機質弾性体が弾性変形して、この変形を吸収するので、耐火壁の損傷を防ぐことができる。
当該耐火方法では、耐火壁の上端面とこの上端面に対向する鉄骨梁又は上階の床スラブとの間に、無機質弾性体及び液状シール材を充填するので、これらの間の遮熱性及び遮炎性を確保しつつ、一方側と他方側との間の気密性及び遮音性を高めることができる。
また、前記耐火工法において、前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間に前記耐火壁を配置し、前記耐火被覆材の一方の面の一部を前記上階の床スラブの下面に接触させ、該一方の面の残りの部分を前記鉄骨梁の前記他方側及び前記耐火壁の該他方側の上部側面に沿わせてもよい。
当該耐火工法では、鉄骨梁の他方側の遮熱性等を確保できる上に、鉄骨梁と上階の床スラブとの境界部分、鉄骨梁と耐火壁の上端面との境界部分の遮熱性及び遮炎性を確保することができる。
当該耐火工法では、所定階の床スラブと上階の床スラブとの間を耐火壁で仕切ることにより、他方側から火災が発生しても一方側への火災の延焼を抑えることができる。さらに、当該耐火工法では、耐火壁の上端面とこの上端面に対向する鉄骨梁又は上階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填するので、これらの間の遮熱性及び遮炎性を確保できる。
しかも、熱により所定階の床スラブと上階の床スラブとの間隔が変化したり、鉄骨梁が熱変形により耐火壁との対向部が下方に下がっても、これらの間の遮熱性及び遮炎性を確保しつつも、この無機質弾性体が弾性変形して、この変形を吸収するので、耐火壁の損傷を防ぐことができる。
当該耐火工法では、耐火壁が鉄骨梁の耐火被覆材としての機能を兼ねているため、鉄骨梁の他方側を別途、耐火被覆材で覆う必要がなく、建屋の施工コスト及び材料コストを抑えることができる。
また、前記耐火工法において、前記耐火壁の下端面と前記所定階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填してもよい。
所定階に対する上階の床スラブの下面に沿って配置されている鉄骨梁を基準にして一方側と他方側とに仕切る仕切り部の耐火構造において、前記一方側と前記他方側とのうち、該一方側が該他方側に対して火災発生の確率が極端に低いと想定されており、前記鉄骨梁には、該鉄骨梁の該他方側を覆うよう耐火被覆材が施され、該鉄骨梁の該一方側には耐火被覆材が施されておらず、前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間、又は該鉄骨梁の前記他方側であって該所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間に、前記鉄骨梁が延びている方向に広がる耐火壁が配置され、前記所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間であって、前記鉄骨梁の前記他方側に沿って前記耐火壁が前記耐火被覆材として配置されていることを特徴とする。
図1を参照して、耐火工法及びこの工法で製造された耐火構造の第一実施形態について説明する。
まず、耐火構造の施工前に、上階の床スラブ2にデッドロード(固定荷重)分の荷重をかける。次に、このデッドロードがかけられている状態で、本実施形態の耐火構造を施工する。なお、この試験では、鉄骨梁5として、250×125×6×9mmのSS400製のH型鋼を用いた。また、耐火壁10として、厚さ21mmの2時間耐火仕様石膏ボードを3層にして用いた。また、耐火被覆材50として、厚さ65mmの耐火ロックウールフェルトを用いた。次に、上階の床スラブ2にライブロード(共用時に別途加わる積足荷重)分の荷重をさらにかける。以上で、試験準備は完了する。
この試験では、火災室側をISO834で示されている標準加熱曲線(図4)に準じた加熱を2時間行った。
この試験での評価項目は、以下の非損傷性、遮熱性、遮炎性の3項目である。
鉄骨梁5の最大たわみ量:L2/400d(292mm=54002/(400・250))以下
鉄骨梁5の最大たわみ速度:L2/9000d以下
なお、L:鉄骨梁5の支持間隔mm(当該試験では5400mm)、d:鉄骨梁5の高さmm(当該試験では250mm)である。
以上の条件を満たすと非損傷性を満たすと評価する。
試験体裏面(非火災室側の面)の平均温度上昇量:140K以下
試験体裏面の最高温度上昇量:180K以下
以上の条件を満たすと遮熱性を満たすと評価する。
a.非加熱側へ10秒を超えて継続する火炎の噴出がない
b.非加熱面で10秒を超えて継続する発災がない
c.火炎が通る亀裂などの損傷が生じない
以上のa〜cの条件を満たすと遮炎性を満たすと評価する。
本実施形態の耐火構造は、以上の評価項目である非損傷性、遮熱性、遮炎性を満たすことが確認できた。
特に、試験体の各部の裏面の最高温度上昇量は、加熱から2時間経過時点で以下のような結果を得た。
鉄骨梁5の非火災室側の面:115K (≦180K)
無機質弾性体20の非火災室側の面:95K (≦180K)
耐火壁10の非火災室側の面:65K (≦180K)
上下のランナー40u,40dの火災室側のフランジ41における非火災室側の面:65K (≦180K)
また、鉄骨梁5の最大たわみ量は、3.5mmで、評価の基準となる最大たわみ量より(292mm=54002/(400・250))小さかった。
「第一実施形態の変形例」
図2を参照して、耐火工法及びこの工法で製造された耐火構造の第一実施形態の変形例について説明する。
「第二実施形態」
図3を参照して、耐火工法及びこの工法で製造された耐火構造の第二実施形態について説明する。
Claims (6)
- 所定階に対する上階の床スラブの下面に沿って配置されている鉄骨梁を基準にして一方側と他方側とに仕切る仕切り部の耐火工法において、
前記一方側と前記他方側とのうち、該一方側が該他方側に対して火災発生の確率が極端に低いと想定される場合に、前記鉄骨梁の該他方側を覆うよう耐火被覆材を施し、該鉄骨梁の該一方側には耐火被覆材を施さず、
前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間、又は該鉄骨梁の前記他方側であって該所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間に、前記鉄骨梁が延びている方向に広がる耐火壁を配置し、
前記耐火壁の上端面と該上端面に対向する前記鉄骨梁又は前記上階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填し、
前記耐火壁の上端面と該上端面に対向する前記鉄骨梁又は前記上階の床スラブとの間であって、前記一方側に前記無機質弾性体を充填し、前記他方側に液状シール材を充填する、
ことを特徴とする耐火工法。 - 請求項1に記載の耐火工法において、
前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間に前記耐火壁を配置し、
前記耐火被覆材の一方の面の一部を前記上階の床スラブの下面に接触させ、該一方の面の残りの部分を前記鉄骨梁の前記他方側及び前記耐火壁の該他方側の上部側面に沿わせる、
ことを特徴とする耐火工法。 - 所定階に対する上階の床スラブの下面に沿って配置されている鉄骨梁を基準にして一方側と他方側とに仕切る仕切り部の耐火工法において、
前記一方側と前記他方側とのうち、該一方側が該他方側に対して火災発生の確率が極端に低いと想定される場合に、前記鉄骨梁の該他方側を覆うよう耐火被覆材を施し、該鉄骨梁の該一方側には耐火被覆材を施さず、
前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間、又は該鉄骨梁の前記他方側であって該所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間に、前記鉄骨梁が延びている方向に広がる耐火壁を配置し、
前記耐火壁の上端面と該上端面に対向する前記鉄骨梁又は前記上階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填し、
前記所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間であって、前記鉄骨梁の前記他方側に沿って前記耐火壁を前記耐火被覆材として配置する、
ことを特徴とする耐火工法。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の耐火工法において、
前記耐火壁の下端面と前記所定階の床スラブとの間に、無機質弾性体を充填する、
ことを特徴とする耐火工法。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の耐火工法において、
前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間であって、前記耐火壁の前記一方側から該耐火壁を支えるスタッドを配置すると共に、該鉄骨梁の下部と該スタッドとの上部とを接続するための溝型鋼で形成されているランナーを配置し、
前記ランナーを、該ランナーの溝開口が下方を向いている状態で溝底を形成するウェブを前記鉄骨梁の下部と対向させ、
前記スタッドの上端部を、前記ランナーの前記ウェブとの間に上下方向に所定の間隔をあけて、溝内に差し込む、
ことを特徴とする耐火工法。 - 所定階に対する上階の床スラブの下面に沿って配置されている鉄骨梁を基準にして一方側と他方側とに仕切る仕切り部の耐火構造において、
前記一方側と前記他方側とのうち、該一方側が該他方側に対して火災発生の確率が極端に低いと想定されており、前記鉄骨梁には、該鉄骨梁の該他方側を覆うよう耐火被覆材が施され、該鉄骨梁の該一方側には耐火被覆材が施されておらず、
前記所定階の床スラブと前記鉄骨梁との間、又は該鉄骨梁の前記他方側であって該所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間に、前記鉄骨梁が延びている方向に広がる耐火壁が配置され、
前記所定階の床スラブと前記上階の床スラブとの間であって、前記鉄骨梁の前記他方側に沿って前記耐火壁が前記耐火被覆材として配置されている、
ことを特徴とする耐火構造。
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JP2012117396A JP5967421B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 耐火工法及び耐火構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012117396A JP5967421B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 耐火工法及び耐火構造 |
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JP2013245433A JP2013245433A (ja) | 2013-12-09 |
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JP2012117396A Active JP5967421B2 (ja) | 2012-05-23 | 2012-05-23 | 耐火工法及び耐火構造 |
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JP2012172370A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Toda Constr Co Ltd | 竪穴区画の耐火構造及び竪穴区画の施工方法 |
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2012
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