以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1〜図3を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。
図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
パチンコ遊技機1は、上皿28と、上皿28の下方に設けられた下皿29とを備えている。上皿28は、発射装置(不図示)へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。下皿29は、パチンコ遊技機1から払い出された賞球としての遊技球を溜めるものである。この下皿29には取り出しボタン23が近接配置されており、取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、他の実施形態では、上皿28及び下皿29が1つの皿で構成されてもよい。
パチンコ遊技機1では、遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28から発射装置へと案内された遊技球がレバー21の回転角度に応じた打球力で遊技領域10における上部位置へと発射される。遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
遊技者がレバー21を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がレバー21を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で発射装置から発射される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、2つの普通入賞口14、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、2つの普通入賞口14、ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞し得る。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞されるラウンド遊技が所定回数実行される。このため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される。この第2大入賞口19の開口部には、図1及び図4に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。後に詳述するが、大当たり遊技中は、上述した第1大入賞口13を開放するラウンド遊技に続いて、第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が実行される。
短開放ラウンド遊技では、例えば第2大入賞口19が開放されてから0.1秒が経過するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。一方の長開放ラウンド遊技では、例えば、第2大入賞口19が開放されてから29.5秒が経過するか、又は第2大入賞口19に9個の遊技球が入賞するといった所定条件が満たされるまで、第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1の実線を参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(図1の破線を参照)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球がゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、盤ランプ25、センターランプ30等が設けられている。また、図1には示されていないが、遊技盤2には、第1演出役物71〜第3演出役物73(図57参照)が設けられており、枠部材3には、枠ランプ37(図57参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面5)ともいう。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面5には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留表示画像(保留アイコン)等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶画面5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等の演出音を出力して音による演出を行う。
図1には示されていないが、パチンコ遊技機1には、遊技盤2に対して可動に構成された第1演出役物71、第2演出役物72、及び第3演出役物73の3つの演出役物が設けられている(図57参照)。これらの演出役物71〜73は、後述するボタンモータ261からの駆動力を伝達可能に連結されると共にLED等からなるボタンモータ261を内蔵しており、それぞれ、各演出役物71〜73自体の動きと光との両方或いは一方によって各種の演出を行う。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[入力手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が入力を行うための入力手段として、演出ボタン26及び演出キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。
図3は、演出ボタン26の各状態について説明するための説明図である。演出ボタン26は、遊技者が入力を行うための入力手段としての機能に加えて、演出手段としての機能も有している。具体的には、演出ボタン26は、ボタンモータ261(図57参照)からの駆動力によって、通常状態(第1態様:図3(A)参照)と突出状態(第2態様:図3(B)参照)との間でその高さを変更可能に構成されている。ここで、通常状態は、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面と略同じか或いは若干突出した高さにある状態である。突出状態は、演出ボタン26の上面が枠部材3の上面に対して所定の高さ(例えば10センチ)だけ上方に突出した状態である。このように、演出ボタン26は、ボタンモータ261の駆動力によって、枠部材3に対して上下動可能に構成されている。
また、演出ボタン26には発光素子(例えばLED)により構成されるボタンランプ262(図57参照)が内蔵されており、例えば、遊技者による演出ボタン26の操作が有効になる有効期間中にボタンランプ262を発光させることによって、遊技者に演出ボタン26の操作を促すことができる。ボタンランプ262は、所定の発光色で所定時間発光し続けたり、所定の発光色で高速点滅したりする場合がある。また、ボタンランプ262は、青色や赤色といった色を含む複数の発光色のいずれかで発光する。
なお、詳細な説明は省略するが、演出ボタン26は、通常状態と突出状態とを含む複数の状態のいずれの状態に制御されている場合であっても、遊技者が押下することが可能に構成されている。
一方の演出キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーであり、上を指示するための上キーと、下を指示するための下キーと、左を指示するための左キーと、右を指示するための右キーとから構成されている。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は演出キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。また、演出ボタン26や演出キー27は、各種の設定操作にも使用される。
[表示器4の構成例]
表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図4に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中における第1大入賞口13及び第2大入賞口19の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。また、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄を「第1特別図柄」と呼び、第2特別図柄表示器42に表示される特別図柄を「第2特別図柄」と呼ぶ場合がある。
[第2大入賞口19の内部構成例]
図5は、第2大入賞口19の構成例について説明するための概略図である。図1及び図5に例示されるように、第2大入賞口19の開口部には、第2大入賞口19を開閉する第1羽根部材191が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの第1羽根部材191によって閉塞されている。これに対して、大当たり遊技中の所定ラウンドにおいて、第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技、又は第1羽根部材191を動作させて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。
また、第2大入賞口19の内部には、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第2羽根部材192等が設けられている。
第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に入賞した遊技球を検知するものである。V入賞口スイッチ117は、V領域195への遊技球の進入を検知するものである。排出スイッチ118は、ハズレ領域196への遊技球の進入を検知するものである。第2羽根部材192は、第2大入賞口スイッチ116を通過した遊技球をV領域195またはハズレ領域196へと案内するものである。
大当たり遊技が行われていないときには、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって閉塞されると共に、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている(図5(A)参照)。これに対して、大当たり遊技が開始されて第1大入賞口13を開放する所定回数のラウンド遊技が行われた後に、まず、第1羽根部材191が回動して第2大入賞口19が開放される(図5(B)参照)。これにより、第2大入賞口19が、遊技球が進入し難い進入困難状態から進入し易い進入容易状態へと一時的に変化する。図5(B)に示される状態では、V領域195が第2羽根部材192によって閉塞されている。このため、第2大入賞口19内に進入した遊技球は、第2羽根部材192によってハズレ領域196へと案内される。
これに対して、第2大入賞口19の開放開始から所定時間(例えば3秒)が経過すると、第2羽根部材192が設定時間(例えば10秒)だけV領域195を開放した開姿勢(図5(C)参照)を維持した後にV領域195を閉塞する閉姿勢(図5(B)参照)に戻る。このため、第2大入賞口19が第1羽根部材191によって開放されると共にV領域195が第2羽根部材192によって開放されている間に、遊技球のV領域195への進入(以下「V入賞」ともいう。)が可能となる。
このように、本実施形態では、V領域195は、第1羽根部材191及び第2羽根部材192の両方が同時期に動作することによって、V領域195に対して遊技球が通過し難い通過困難状態から通過し易い通過容易状態へと一時的に変化する。
図5に例示されるように、V領域195に進入する遊技球は、V入賞口スイッチ117によって検知される。このV入賞口スイッチ117は、確変スイッチとしての機能を有している。このため、第2大入賞口19に入賞した遊技球がこのV入賞口スイッチ117によって検知されると、大当たり遊技が終了した後に、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態からその確率が相対的に高い高確率状態へと移行する。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、この高確率状態への移行に伴い、第2始動口12に遊技球が入賞し易くなるいわゆる電チューサポート機能が付与される。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「短開放当たり」と、V領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191及び第2羽根部材192を動作させる「長開放当たり」との2種類の大当たりが用意されており、基本的には、後者の大当たりに当選した場合にのみ、上述した高確率状態への移行が可能となる。
また、ハズレ領域196に進入する遊技球は、排出スイッチ118によって検知される。この排出スイッチ118を通過した遊技球は、必ずハズレ領域196を通過する。
なお、他の実施形態では、V入賞口スイッチ117がV領域195の下流或いはV領域195内に設けられていてもよいし、排出スイッチ118がハズレ領域196の下流或いはハズレ領域196内に設けられていてもよい。
ここまで、図1〜図5に基づいてパチンコ遊技機1の構成について説明したが、図1〜図5に示す構成は単なる一例であって、他の構成であってもよい。例えば、第2羽根部材192に代えて、V領域195を閉塞する位置とV領域195を開放する位置との間でスライド可能なスライド部材を設けるといった構成変更が一例として挙げられる。
[遊技の流れについて]
図6は、遊技の流れについて説明するための説明図である。図6に例示されるように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、「通常遊技状態」、「確変遊技状態」、又は「時短遊技状態」で遊技が制御される。
「通常遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与されない通常の遊技状態である。すなわち、通常遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば25秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に短い時間(例えば0.1秒×1回)に設定される。
「確変遊技状態」は、大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、確変遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば1/110)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
「時短遊技状態」は、上述した低確率状態で特別図柄判定が行われると共に、電チューサポート機能が付与される遊技状態である。すなわち、時短遊技状態では、特別図柄判定によって大当たり遊技を実行すると判定される確率が相対的に低い確率(例えば1/399)に設定される。また、普通図柄判定によって第2始動口12を開放すると判定される確率が相対的に高い確率(例えば12/12)に設定され、普通図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば2秒)に設定され、且つ第2始動口12を開放すると判定された場合の第2始動口12の開放時間が相対的に長い時間(例えば1.6秒×3回)に設定される。
なお、以下の説明では、電チューサポート機能が付与されていることによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易な状態を「高ベース状態」と呼び、電チューサポート機能が付与されていないことによって第2始動口12への遊技球の入賞が容易ではない状態を「低ベース状態」と呼ぶものとする。
遊技者が右打ちした遊技球は、第1始動口11及び第2始動口12のうち、基本的には、第2始動口12にしか入賞しない。そして、低ベース状態のときには、高ベース状態のときに比べて第2始動口12に遊技球が入賞し難くなっており、第1始動口11の方が第2始動口12よりも遊技球が入賞し易くなっている。このため、低ベース状態(通常遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
これに対して、通常遊技状態のときに第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行され、第1特別図柄表示器41において特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。その際、大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、大当たり図柄が停止表示される。
上述した短開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図6(A)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を短開放する短開放ラウンド遊技が行われる。この短開放ラウンド遊技が行われる場合、基本的には遊技球がV入賞口スイッチ117を通過してV領域195に進入することはないため、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば100回行われるまでの間、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図6(B)参照)。
一方、上述した長開放当たりを示す大当たり図柄が第1特別図柄表示器41に停止表示された場合(図6(C)参照)、大当たり遊技中における所定ラウンドにおいて第2大入賞口19を長開放する長開放ラウンド遊技が行われる。この長開放ラウンド遊技が行われる場合、遊技者は、遊技球をV領域195に容易に進入させることが可能である。このため、遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)してV領域195に進入すると、大当たり遊技が終了した後は、特別図柄判定が例えば160回行われるまでの間、確変遊技状態で遊技が制御されることになる(図6(D)参照)。
なお、長開放ラウンド遊技中に遊技球がV入賞口スイッチ117を通過(V入賞)しなかった場合には、大当たり遊技が終了した後は、時短遊技状態で遊技が制御されることになる(図6(E)参照)。
このように、遊技状態が通常遊技状態から確変遊技状態(又は時短遊技状態)に移行した場合、すなわち、低ベース状態から高ベース状態に移行した場合、第1始動口11よりも第2始動口12の方が、遊技球が入賞し易くなる。このため、高ベース状態(確変遊技状態と時短遊技状態がこれに該当する)で遊技が制御されているときには、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。
確変遊技状態のときに遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄判定が行われる。上述したように、確変遊技状態における普通図柄判定では、12/12の割合で第2始動口12を開放すると判定され、その上、第2始動口12の開放時間が相対的に長い(本実施形態では1.6秒×3回)。このため、遊技領域10の右側領域に打ち出された遊技球が第2始動口12に容易に入賞して、高確率状態で第2特別図柄判定が行われることになる。このため、確変遊技状態においては、通常遊技状態のときに比べて、大当たりを容易に引き当て易い。
右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、第2特別図柄判定によって大当たり遊技を実行しないと判定された場合には、ハズレ図柄が停止表示される。一方、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図6(F)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、再び確変遊技状態で遊技が制御されることになる。
一方、確変遊技状態に移行してから160回の第2特別図柄判定(又は第1特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合には、160回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図6(G)参照)。
大当たり遊技が終了した後に時短遊技状態に移行した場合、確変遊技状態と同様に高ベース状態であるため、遊技者は、第2始動口12を狙った右打ちにより遊技を行うことになる。右打ちされた遊技球が第2始動口12に入賞すると、第2特別図柄判定が行われ、第2特別図柄表示器42に特別図柄が変動表示された後にその第2特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示される。ここで、大当たり遊技を実行すると判定された場合には、長開放当たりを示す大当たり図柄が第2特別図柄表示器42に停止表示され(図6(H)参照)、長開放ラウンド遊技中のV入賞を条件として、大当たり遊技終了後は、確変遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、100回の特別図柄判定(主には第2特別図柄判定)が行われても1度も大当たり遊技を実行すると判定されなかった場合、100回目の特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示された後に、遊技状態が時短遊技状態から通常遊技状態に戻されることになる(図6(I)参照)。
[液晶表示装置5の画面構成例]
図7は、液晶画面5の画面構成例を示す画面図である。図7に例示されるように、パチンコ遊技機1が低ベース状態に制御されている場合、液晶画面5には、図柄領域50、保留領域51、及び当該領域52が形成される。
図柄領域50は、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄を表示する領域である。図柄領域50では、特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄が変動表示されると共に、特別図柄の停止表示に伴って特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される。
保留領域51は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。保留領域51には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。図7には、第1特別図柄判定の保留数が最大の「4」であることを示唆するために、保留領域51に4つの保留アイコンが表示された状態が例示されている。なお、パチンコ遊技機1が低ベース状態に制御されている場合であっても第2特別図柄判定が保留されることがあるが、低ベース状態においては、この保留に対応する保留アイコンが表示されることはない。
当該領域52は、第1特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像(以下「当該アイコン」という。)を表示する領域である。この当該アイコンは、第1特別図柄(及び装飾図柄)の変動表示の開始に伴って当該領域52に表示され、第1特別図柄(及び装飾図柄)が停止表示される直前に当該領域52から消去される。
パチンコ遊技機1では、保留領域51に表示されている最先の保留アイコン(一番最初に表示された保留アイコン)に対応する第1特別図柄判定の実行に伴い、その保留アイコンを当該領域52に移動させるアイコンのシフト処理が実行される。そして、保留領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、保留領域51においてそれらの保留アイコンを当該領域52側にシフトさせるシフト処理が併せて実行される。例えば、図7に例示される状態で上記のシフト処理が行われた場合、保留領域51に3つの保留アイコンが表示された状態となり、これにより、第1特別図柄判定の保留数が「3」になったことが遊技者に報知される。
[低ベース状態における演出の流れ]
図8は、低ベース状態における演出の流れを例示する説明図である。高ベース状態で遊技が制御されている場合には遊技者が右打ちを行って第2始動口12に遊技球を容易に入賞させることが可能であるのに対して、低ベース状態で遊技が制御されている場合には、右打ちを行ったとしても第2始動口12に遊技球を入賞させることは困難である。このため、低ベース状態で遊技が制御されている場合には、遊技者は、第1始動口11を狙った左打ちにより遊技を行うことになる。
これに対して、第1始動口11に遊技球が入賞すると、第1特別図柄判定が実行される。そして、第1特別図柄表示器41において、第1特別図柄が変動表示されてから第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で停止表示される。これに対して、液晶画面5では、このような第1特別図柄の表示に伴って以下のような演出が行われる。
すなわち、液晶画面5では、第1特別図柄判定が実行されると、第1特別図柄の変動表示が開始されるのとほぼ同時に、図柄領域50における装飾図柄の変動表示が開始される(図8(A)参照)。具体的には、液晶画面5には、例えば、1〜9の数字(図21参照)が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が上から下へのスクロールするように、装飾図柄の変動表示が開始される(例えば図9(A)及び(B)参照)。
そして、スクロールの開始から所定時間が経過すると、全ての装飾図柄が停止するのに先立って、例えば、左列の装飾図柄である左図柄と、右列の装飾図柄である右図柄とが停止する。その際、有効ライン上に同一の装飾図柄が停止しなかった場合にはリーチ成立とならず、第1特別図柄の停止表示に伴って、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示唆する3つの装飾図柄(例えばバラケ目)が有効ライン上に停止表示されることによってハズレが報知される(図8(B)参照)。そして、第1特別図柄判定が保留されている場合には、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52にシフトされ、第1特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄の次の変動表示が開始されることになる(図8(C)参照)。
一方、左図柄および右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が停止すると、リーチが成立する(図8(D)参照)。このようにしてリーチが成立すると、左図柄および右図柄と同じ装飾図柄が中図柄として有効ライン上に停止して図柄揃いとなるのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が実行される。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の変動表示に伴って実行されるリーチ演出として、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、増加リーチ演出等が用意されている。
ノーマルリーチ演出(図8(E)参照)は、例えば、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させていくのに伴って、アニメのキャラクタが活躍する演出が展開されるリーチ演出である。パチンコ遊技機1には、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定され易く、逆に「ハズレ」である場合には第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定され易いという特徴がある。これに対して、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合、このノーマルリーチ演出が実行されてその終了時に「ハズレ」が報知され易い。このため、ノーマルリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するリーチ演出であると言える。
なお、本実施形態では、このノーマルリーチ演出として、ショートリーチ演出とロングリーチ演出との2種類のリーチ演出が用意されている。ここで、ショートリーチ演出は、演出実行時間がロングリーチ演出に比べて短いリーチ演出である。ロングリーチ演出は、演出実行時間がショートリーチ演出に比べて長いリーチ演出である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ演出として、ショートリーチ演出のみが行われる場合と、ショートリーチ演出が行われた後にロングリーチ演出が行われる(ショートリーチ演出からロングリーチ演出に発展する)場合とがある。
ノーマルリーチ演出としてショートリーチ演出のみが行われる場合、ショートリーチ演出の終盤で当落が報知されることになる(図8(B)参照)。また、ショートリーチ演出の終盤において、3列の装飾図柄を擬似停止表示することによってハズレと見せ掛けておいて、これらの装飾図柄のうちの少なくとも1つの装飾図柄を再始動させて(スクロールを再開させて)、後述する増加リーチ演出(図8(H)参照)へと発展する場合もある。
一方、ショートリーチ演出からロングリーチ演出へと発展した場合、ロングリーチ演出の終盤で当落(「大当たり」又は「ハズレ」)が報知される場合(図8(B)参照)と、ロングリーチ演出の終盤でSPリーチ演出への発展が示唆されてSPリーチ演出へと発展する場合(図8(E)及び(F)参照)と、ロングリーチ演出の終盤でSPSPリーチ演出への発展が示唆されてSPSPリーチ演出へと発展する場合(図8(E)及び(G)参照)とがある。
なお、これらのロングリーチ演出から他のリーチ演出(SPリーチ演出やSPSPリーチ演出)への発展に関する詳細については、図9に基づいて後に詳述する。
SPリーチ演出(図8(F)参照)は、有効ライン上に中図柄が停止するまでの間に、例えば、実写のキャラクタが活躍する演出がノーマルリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開されるリーチ演出である。このSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に選択される可能性がある。また、SPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ第1特別図柄の変動時間が長めの時間に設定された場合に選択され易い。このため、SPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が中程度であることを示唆するリーチ演出であると言える。
SPSPリーチ演出(図8(G)参照)は、有効ライン上に中図柄が停止するまでの間に、例えば、実写のキャラクタが活躍する演出がSPリーチ演出よりも長い時間を掛けて展開されるリーチ演出である。このSPSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に選択され易い。また、SPSPリーチ演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合にも選択される場合があるが、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合には選択され難く、逆に第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合に選択され易いという特徴を有している。このため、SPSPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するリーチ演出であると言える。
増加リーチ演出は、リーチ成立後にリーチ図柄および有効ラインが増加する場合があるリーチ演出である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、増加リーチ演出として、1ラインリーチ演出、2ラインリーチ演出、及び3ラインリーチ演出の3種類の増加リーチ演出が用意されている。
1ラインリーチ演出は、リーチ図柄の数および有効ラインの数が増加せずに「1」のまま図柄揃い煽り演出へと進むリーチ演出である。このため、1ラインリーチ演出は、リーチ図柄の数および有効ラインの数が増加しない、非増加リーチ演出であると言える。例えばリーチ成立からこの1ラインリーチ演出に発展すると、以下のような演出が行われる。まず、リーチ図柄および有効ラインの数が「1」から「2」増加することに対する遊技者の期待感を煽る所定の増加煽り演出(不図示)が行われる。ここで、1ラインリーチ演出が行われる場合、増加煽り演出が行われた結果として、リーチ図柄数および有効ライン数が増加することはない。
このため、1ラインリーチ演出では、増加煽り演出に対してリーチ図柄数と有効ライン数とが増加することなく、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃う図柄揃いに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる。例えば2つの2図柄によってリーチが形成されている場合、これら2つの2図柄によって規定される有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(222)が揃うことに対して遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる。この図柄揃い煽り演出は、例えばリーチ図柄と同じ中図柄(ここでは2図柄)を有効ライン付近でゆっくりとスクロールさせることによってリーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上に停止するのではないかといった印象を遊技者に与える演出である。このため、図柄揃い煽り演出は、リーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上に停止することに対する遊技者の期待感を煽る図柄停止煽り演出と捉えることもできる。
上記のように図柄揃い煽り演出が行われると、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃う演出表示(有効ライン上にリーチ図柄と同じ中図柄が停止する様子を表す演出表示)が行われ、「ハズレ」と判定されている場合には、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃わないことを示す演出表示(有効ライン上にリーチ図柄とは異なる装飾図柄が停止する様子を表す演出表示)が行われて、1ラインリーチ演出が終了することになる。
2ラインリーチ演出は、リーチ図柄数および有効ライン数が途中で「2」に増加してから図柄揃い煽り演出へと進むリーチ演出である。例えばリーチ成立からこの2ラインリーチ演出に発展すると、以下のような演出が行われる。まず、リーチ図柄および有効ラインの数が「1」から「2」に増加することに対する遊技者の期待感を煽る所定の増加煽り演出(不図示)が行われる。この増加煽り演出は、1ラインリーチにおいて行われる増加煽り演出と同様に行われる。そして、ここでは増加リーチ演出として2ラインリーチ演出が選択されているので、増加煽り演出が行われた後にリーチ図柄数と有効ライン数とが「2」に増加する(例えば図15(C)参照)。図15(C)には、リーチ図柄が7図柄と8図柄との2つに増加すると共に、有効ライン数が2つに増加した状態が例示されている。このように、2ラインリーチ演出が実行される場合には、1回の増加煽り演出が行われて、リーチ図柄数と有効ライン数とが「2」まで増加する。
2ラインリーチ演出中にリーチ図柄数および有効ライン数が「2」に増加すると、1つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる。例えば図15に示される例では、リーチ図柄としての2つの7図柄によって規定される有効ラインと、リーチ図柄としての2つの8図柄によって規定される有効ラインとの2つの有効ラインが存在する。このため、このような場合には、例えば数字が小さい方のリーチ図柄(ここでは7図柄)によって規定される有効ラインを1つ目の有効ラインとして、この有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(例えば777)が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる(例えば図15(D)参照)。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、1つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃って「大当たり」が報知されて、そこで2ラインリーチ演出が終了する可能性がある。
一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合、および図柄変動開始時に「大当たり」と判定されているものの2ラインリーチ演出の演出パターンとして2回目の図柄揃い煽り演出へと発展するパターンが選択されている場合、1つ目の有効ラインに関する上記の図柄揃い煽り演出においてリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上を通過する(有効ラインからずれる)様子を表す演出表示が行われて、2回目の図柄揃い煽り演出に発展することになる。
この2回目の図柄揃い煽り演出は、2つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出である。例えば図15に示される例では、2つの8図柄によって規定される有効ラインが2つ目の有効ラインであるため、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(888)が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる(例えば図15(F)参照)。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、「大当たり」を報知するために有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(図15の例では888)が揃う演出表示が行われて、2ラインリーチ演出が終了することになる。一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、「ハズレ」を報知するために有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃わないリーチハズレ目(図15の例では898)を表示する演出表示が行われて、2ラインリーチ演出が終了することになる。
このように、2ラインリーチ演出が行われる場合には、リーチ図柄数および有効ライン数の増加に関する1回の増加煽り演出が行われ、その後、1回或いは2回の図柄揃い煽り演出が行われることになる。より詳細には、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、必ず2回の図柄揃い煽り演出が行われて、2回目の図柄揃い煽り演出において「ハズレ」が報知されることになる。一方、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、図柄煽り演出が1回だけ行われてその図柄揃い煽り演出の結果として「大当たり」が報知されるパターン、又は図柄揃い煽り演出が2回行われて2回目の図柄揃い煽り演出の結果として「大当たり」が報知されるパターンのいずれかのパターンで2ラインリーチ演出が行われる。
3ラインリーチ演出は、リーチ図柄数および有効ライン数が途中で「3」に増加してから図柄揃い煽り演出へと進むリーチ演出である。例えばリーチ成立からこの3ラインリーチ演出に発展すると、以下のような演出が行われる。
まず、リーチ図柄および有効ラインの数が「1」から「2」に増加することに対する遊技者の期待感を煽る1回目の増加煽り演出(不図示)が行われる。この増加煽り演出は、1ラインリーチ演出や2ラインリーチ演出における増加煽り演出と同様に行われる。ここで、増加リーチ演出として3ラインリーチ演出が選択されている場合、1回目の増加煽り演出の結果として、リーチ図柄数および有効ライン数が「2」に増加する(例えば図16(C)参照)。そして、2回目の増加煽り演出として、リーチ図柄および有効ラインの数が「2」から「3」に増加することに対する遊技者の期待感を煽る増加煽り演出(不図示)が行われて、リーチ図柄数および有効ライン数が「3」に増加することになる(例えば図16(D)参照)。
このように、リーチ図柄数および有効ライン数が「3」に増加すると、1つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる。例えば図16に示される例では、2つの2図柄によって規定される有効ラインと、2つの3図柄によって規定される有効ラインと、2つの4図柄によって規定される有効ラインとが存在するので、例えば数字が最も小さいリーチ図柄(ここでは2図柄)によって規定される有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(222)が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる(例えば図16(E)参照)。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、1つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃って「大当たり」が報知されて、そこで3ラインリーチ演出が終了する可能性がある。
一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合、および図柄変動開始時に「大当たり」と判定されているものの2回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するパターン又は3回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するパターンが3ラインリーチ演出の演出パターンとして選択されている場合、1つ目の有効ラインに関する上記の図柄揃い煽り演出においてリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上を通過する(有効ラインからずれる)様子を表す演出表示が行われて、2回目の図柄揃い煽り演出に発展することになる。
この2回目の図柄揃い煽り演出は、2つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出である。例えば図16に示される例では、2つの3図柄によって規定される有効ラインが2つ目の有効ラインであるため、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(333)が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる(例えば図16(G)参照)。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、2つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃って「大当たり」が報知されて、そこで3ラインリーチ演出が終了する可能性がある。この3ラインリーチ演出は、2回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するパターンが選択されている場合に行われる。
一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合、および図柄変動開始時に「大当たり」と判定されているものの、3回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するパターンが選択されている場合、2つ目の有効ラインに関する上記の図柄揃い煽り演出においてもリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上を通過する(有効ラインからずれる)様子を表す演出表示が行われて、3回目の図柄揃い煽り演出に発展することになる。
この3回目の図柄揃い煽り演出は、3つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出である。例えば図16に示される例では、2つの4図柄によって規定される有効ラインが3つ目の有効ラインであるため、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄(444)が揃うことに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる(例えば図16(I)参照)。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、3つ目の有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が揃って「大当たり」が報知されて、3ラインリーチ演出が終了する。一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、3つ目の有効ラインに関する上記の図柄揃い煽り演出においてもリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ラインからずれる様子を表す演出表示が行われて、3ラインリーチ演出が終了することになる。
このように、3ラインリーチ演出が行われる場合には、リーチ図柄数および有効ライン数の増加に関する2回の増加煽り演出が行われ、その後、1回、2回、又は3回の図柄揃い煽り演出が行われることになる。より詳細には、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、必ず3回の図柄揃い煽り演出が行われて、3回目の図柄揃い煽り演出において「ハズレ」が報知されることになる。一方、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、図柄煽り演出が1回だけ行われてその図柄揃い煽り演出の結果として「大当たり」が報知されるパターン、図柄揃い煽り演出が2回行われて2回目の図柄揃い煽り演出の結果として「大当たり」が報知されるパターン、及び図柄揃い煽り演出が3回行われて3回目の図柄揃い煽り演出の結果として「大当たり」が報知されるパターンのいずれかのパターンで3ラインリーチ演出が行われる。
この増加リーチ演出は、ノーマルリーチ演出と同様に、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には選択され難く、逆に、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定された場合に選択され易い。このため、増加リーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するリーチ演出であると言える。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、リーチ成立から増加リーチ演出に直接発展するパターンに関して、第1特別図柄の変動時間が第1時間(例えば20秒)である場合には1ラインリーチ演出が選択され、第1特別図柄の変動時間が第2時間(例えば30秒)である場合には2ラインリーチ演出が選択され、第1特別図柄の変動時間が第3時間(例えば40秒)である場合に3ラインリーチ演出が選択されるというように、特別図柄の変動時間(変動パターン)とリーチ演出の種類とが予め対応付けられている。
このため、1ラインリーチ演出と、2ラインリーチ演出と、3ラインリーチ演出とを比較した場合、いずれも大当たりに対する信頼度は相対的に低いものの、1ラインリーチ演出が実行されるよりも2ラインリーチ演出が実行された方が大当たりに対する信頼度が若干高く、3ライン増加リーチが実行される場合が3種類の増加リーチ演出の中で大当たりに対する信頼度が最も高いという特徴がある。
したがって、増加リーチ演出が実行される場合、遊技者は、リーチ成立後にリーチ図柄および有効ラインが増加することを期待しながら、増加リーチ演出を楽しむことができる。
ここまで、リーチ成立後に1つのリーチ演出が実行されてそのリーチ演出の終了時に「大当たり」か否かが報知される場合について説明したが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄の1変動内で互いに異なる複数種のリーチ演出が実行される場合がある。
具体的には、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合、すなわち変動時間が相対的に長い第1特別図柄の変動パターンが選択された場合、例えば、ノーマルリーチ演出が実行され、そのノーマルリーチ演出の途中又は終盤にSPリーチ演出やSPSPリーチ演出といったより上位のリーチ演出に発展する場合がある。これは、上述したノーマルリーチ演出の一部であるロングリーチ演出からSPリーチ演出やSPSPリーチ演出に発展するパターンである。なお、このような発展は、ノーマルリーチ演出としてショートリーチ演出が行われる場合についても同様である。すなわち、ショートリーチ演出の終盤でハズレと見せ掛けておいて増加リーチ演出へと発展する場合がある。また、増加リーチ演出やSPリーチ演出についても同様であり、例えば、増加リーチ演出の最終の煽り演出(上述した図柄揃い煽り演出)でハズレと見せ掛けておいてSPSPリーチ演出(又はSPリーチ演出)に発展したり、或いは、SPリーチ演出の終盤でハズレと見せ掛けておいてSPSPリーチ演出に発展したりする場合がある。また、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出へと発展した後に、更にSPリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展する場合もある。
なお、例えばノーマルリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展する発展パターンは、ノーマルリーチ演出からSPリーチ演出へと発展する発展パターンが選択される変動時間よりも長い変動時間が選択された場合に選択されるので、前者の発展パターンで発展するリーチ演出が実行される方が、後者の発展パターンで発展するリーチ演出が実行されるよりも、大当たりに対する信頼度は高い。このため、例えばノーマルリーチ演出からSPリーチ演出を介してSPSPリーチ演出へと発展する場合が、大当たりに対する信頼度が最も高いと言える。
このように、第1特別図柄の1回の変動表示中に1又は複数種類のリーチ演出が行われると、第1特別図柄の停止表示に伴って、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図8(B)参照)。そして、第1特別図柄の停止表示に伴って「大当たり」を報知する表示態様で装飾図柄が停止表示された場合、大当たり遊技のオープニング期間において、その大当たりの種類に応じた所定のオープニング演出(OP演出)が開始されることになる(図8(I)参照)。
なお、パチンコ遊技機1で行われるリーチ演出は、大別すると、第1リーチ演出と第2リーチ演出とに分類される。ここで、第1リーチ演出は、第1表示ライン数(例えば1本)の表示ラインが表示された状態で行われるリーチ演出であり、本実施形態では、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、及び増加リーチ演出のうちの1ラインリーチ演出がこれに該当する。一方の第2リーチ演出は、第1表示ライン数よりも多い第2表示ライン数の表示ライン(例えば2本や3本)の表示ラインが表示された状態で行われるリーチ演出であり、本実施形態では、増加リーチ演出のうちの2ラインリーチ演出や3ラインリーチ演出がこれに該当する。
図9は、ノーマルリーチ演出が実行された場合の演出の具体例を示す画面図である。図9(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「1」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図9(B)参照)。
なお、第1特別図柄判定が実行されると、その判定結果に基づいて演出内容が設定され、第1特別図柄の変動開始から変動終了に亘って、設定された演出内容の演出が行われることになる。具体的には、例えば以下のような演出が行われる。
すなわち、例えば、図柄変動開始から所定時間が経過すると、まず、例えば左図柄として4図柄が左列に擬似停止する(図9(C)参照)。「擬似停止」とは、図柄領域50の左列、中列、及び右列のいずれかに停止した装飾図柄を完全には静止させずに揺れるように微動させ続けることを言う。
次に、右図柄として左図柄と同じ4図柄が擬似停止すると、リーチ成立となる(図9(D)参照)。このようにリーチが成立した場合、リーチ成立を示唆するために、図9(D)に例示されるリーチラインが表示される。このリーチラインは、リーチ図柄として表示されている左図柄および右図柄を結ぶ直線を示す演出画像である。このように、リーチが成立してリーチラインが表示されると、例えばノーマルリーチ演出が開始される(図9(E)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、装飾図柄が予め定められた表示ライン上(例えば図9(D)におけるリーチライン上)に所定態様(例えばリーチライン上で擬似停止した状態)で表示することでリーチ状態とし、リーチ状態となったときに装飾図柄を用いたリーチ演出が実行されることになる。
なお、上記のノーマルリーチ演出には、図8に基づいて上述したように、ショートリーチ演出のみが行われるパターンと、ショートリーチ演出からロングリーチ演出へと発展するパターンとが存在する。
ショートリーチ演出は、例えば、同一の装飾図柄がリーチ図柄として有効ライン上に揃った状態で、中図柄のスクロール速度を徐々に低下させながら、リーチ図柄と同一の装飾図柄が中列に停止することに対する遊技者の期待感を煽るリーチ演出である。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合には、ショートリーチ演出の終盤でリーチ図柄とは異なる中図柄が有効ライン上に停止したリーチハズレ目が表示されて、「ハズレ」が報知されることになる(図9(I)参照)。一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、ショートリーチ演出の終盤でリーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上に停止したいわゆるゾロ目が表示されて、「大当たり」が報知されることになる(図9(F)参照)。
このように、有効ライン上に装飾図柄が特定態様で停止表示された(例えば同一の装飾図柄が3つ並んだ状態で有効ライン上に停止表示された)場合には、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されることになる。本実施形態における特定態様は、同一の装飾図柄が有効ライン上に3つ並んだ状態であるが、特定態様は、同一の2つの装飾図柄(例えば左図柄および右図柄)が有効ライン上に間隔を空けて並ぶと共に、有効ライン上におけるこれら2つの装飾図柄の間に「大当たり」を示唆する特殊図柄を表示するといった態様であってもよい。
なお、本実施形態では、2つのリーチ図柄を結ぶ有効ラインを示す表示ライン(図9(D)におけるリーチライン)がリーチ成立時にのみ表示される場合について説明するが、この表示ラインは、リーチ成立後も表示され続けてもよいし、また、リーチ成立後の一部の期間においても表示されてもよい。
また、図9には示されていないが、ショートリーチ演出の終盤でハズレと見せ掛けておいて中図柄が再始動して、増加リーチ演出へと発展する場合もある。
なお、本実施形態では、ショートリーチ演出からはSPリーチ演出やSPSPリーチ演出には発展しないものとして説明するが、ショートリーチ演出からSPリーチ演出やSPSPリーチ演出に発展する構成が採用されてもよい。
また、本実施形態では、ショートリーチ演出から増加リーチ演出へと発展するパターンがあるものの、後述するロングリーチ演出から増加リーチ演出へと発展するパターンがないものとして説明する。これに対して、他の実施形態では、ロングリーチ演出から増加リーチ演出へと発展するパターンが用意されていてもよい。また、他の実施形態では、ショートリーチ演出から増加リーチ演出へには発展しないような構成が採用されてもよい。
このように、発展前のリーチ演出と発展後のリーチ演出との組み合わせは本実施形態で説明するものに限定されるものではなく、他の組み合わせであってもよい。
なお、詳細な説明は省略するが、本実施形態のショートリーチ演出には、リーチが成立してから直ぐに(例えばリーチ成立から数秒後に)リーチ図柄と同じ中図柄が停止して「大当たり」が報知されるパターンや、リーチが成立してから直ぐにリーチ図柄とは異なる中図柄が停止して「ハズレ」が報知されるパターンも存在する。この後者のパターンで中図柄が擬似停止した場合、中図柄が再始動して増加リーチ演出へと発展することはなく、中図柄が擬似停止した後に3列の装飾図柄が3つとも本停止して「ハズレ」が報知されることになる。
ロングリーチ演出は、図には表れていないが、本実施形態では、例えば敵の基地に攻撃を加える様子を表すミッション演出が展開される演出である。このミッション演出が行われた場合、本実施形態では、ミッション演出の結果演出として、破壊成功演出または破壊失敗演出が行われる。
破壊成功演出は、本実施形態では、上記のミッション演出が行われた後に、敵の基地の破壊に成功したことを示す所定の演出画像を表示する演出である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、以下のような破壊成功演出が行われる場合がある。
例えば、大当たり遊技を実行する(「大当たり」である)と判定されると共に、図柄変動開始時にロングリーチ演出において「大当たり」を報知する演出パターンが選択されている場合、基地に対する攻撃によって発生した爆煙が晴れてリーチ図柄と同じ装飾図柄が出現する様子を表す破壊成功演出が行われることがある。この場合、有効ライン上に同一の3つの装飾図柄が本停止して、「大当たり」が報知されることになる(図9(F)参照)。
また、例えば、図柄変動開始時にロングリーチ演出からSPリーチ演出へと発展する演出パターンが選択されている場合、基地に対する攻撃によって発生した爆煙が晴れて「SP」の文字を表す特殊図柄が有効ライン上に出現する様子を表す破壊成功演出が行われる場合がある(図9(G)参照)。この場合、中列の装飾図柄(ここではSPの文字を表す特殊図柄)が再始動して、SPリーチ演出へと発展することになる。
また、例えば、図柄変動開始時にロングリーチ演出からSPSPリーチ演出へと発展する演出パターンが選択されている場合、基地に対する攻撃によって発生した爆煙が晴れて「SPSP」の文字を表す特殊図柄が有効ライン上に出現する様子を表す破壊成功演出が行われる場合がある(図9(H)参照)。この場合、中列の装飾図柄(ここではSPSPの文字を表す特殊図柄)が再始動して、SPSPリーチ演出へと発展することになる。
破壊失敗演出は、本実施形態では、上記のミッション演出が行われた後に、敵の基地の破壊に失敗したことを示す所定の演出画像を表示する演出である。例えば、大当たり遊技を実行しない(「ハズレ」)と判定されると共に、図柄変動開始時にロングリーチ演出において「ハズレ」を報知する演出パターンが選択されている場合、基地に対する攻撃によって発生した爆煙が晴れてリーチ図柄とは異なる装飾図柄が出現する様子を表す破壊失敗演出が行われることになる(図9(I)参照)。
なお、図柄変動開始時にロングリーチ演出から増加リーチ演出へと発展する演出パターンが選択されている場合には、ロングリーチ演出において「ハズレ」を報知する場合と同様にリーチ図柄とは異なる装飾図柄(図9(I)に示される例では5図柄)が出現した後に、その装飾図柄が再始動して増加リーチ演出へと発展することになる。
上述したように、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比べて大当たりに対する信頼度が高いリーチ演出である。このため、これらのリーチ演出に直接関係しない演出表示は極力行わないことが好ましい。このため、本実施形態においては、ノーマルリーチ演出中には保留領域51を表す演出画像や保留アイコンを表示する一方で、SPリーチ演出中やSPSPリーチ演出中には保留領域51を表す演出画像や保留アイコンを表示しないこととしている。このことは、増加リーチ演出が実行される場合についても同様である。
図9に基づいて上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、ミッション演出の結果演出として、大当たり遊技を実行すると判定されたこと(すなわち「大当たり」)を報知する破壊成功演出(第1演出)が実行される場合がある。また、前段演出としてのノーマルリーチ演出の後に後段演出として実行されるSPリーチ演出(又はSPSPリーチ演出)に発展することを示唆する破壊成功演出(第2演出)が実行される場合もある。また、大当たり遊技を実行しないと判定されたこと(すなわち「ハズレ」)を報知する破壊失敗演出が実行される場合もある。
このように、本実施形態では、上述したミッション演出が演出分岐となって、ミッション演出の結果演出として、「大当たり」が報知されるパターン、ハズレが報知されるパターン(図9(I)参照)、増加リーチ演出への発展が示唆されるパターン(図9(I)参照)、SPリーチ演出への発展が示唆されるパターン(図9(G)参照)、及びSPSPリーチ演出への発展が示唆されるパターン(図9(H)参照)の5つの演出パターンが用意されている。すなわち、本実施形態におけるパチンコ遊技機1で行われるミッション演出には、その結果演出として同様に破壊成功演出が行われた場合であっても、複数の方向に演出内容が分岐していくという特徴がある。
このため、例えば当落(「大当たり」又は「ハズレ」)しか報知しない結果演出に比べて、演出効果の高い効果的な結果演出を行うことが可能である。
なお、他の実施形態では、以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、例えば上記の結果演出によって、その後に「ハズレ」が報知されるパターン、及びSPリーチ演出への発展が示唆されるパターンの2つの演出パターンが用意された構成を採用してもよい。
また、例えば上記の結果演出によって、その後に「ハズレ」が報知されるパターン、及びSPSPリーチ演出への発展が示唆されるパターンの2つの演出パターンが用意された構成を採用してもよい。
また、例えば上記の結果演出によって、その後に「大当たり」が報知されるパターン、「ハズレ」が報知されるパターン、及びSPリーチ演出への発展が示唆されるパターンの3つの演出パターンが用意された構成を採用してもよい。
また、例えば上記の結果演出によって、その後に「大当たり」が報知されるパターン、「ハズレ」が報知されるパターン、及びSPPリーチ演出への発展が示唆されるパターンの3つの演出ルートが用意された構成を採用してもよい。
図10は、SPリーチ演出が実行された場合の演出の具体例を示す画面図である。例えば、図9(E)及び(G)に例示される流れでノーマルリーチ演出からSPリーチ演出へと発展した場合、リーチ図柄である左図柄および右図柄を若干小さくすると共に液晶画面5の両端に少し移動させた状態で、液晶画面の中央部分を用いてSPリーチ演出の演出画像の表示が行われる(図10(A)参照)。
そして、SPリーチ演出の終盤でリーチ図柄と同じ中図柄が有効ライン上に停止することに対する遊技者の期待感を煽る演出表示が行われ、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されている場合、図柄揃いとなって大当たりが報知される(図10(B)参照)。この場合、大当たり遊技のオープニング期間において、大当たりになったこと及び遊技者に右打ちを促す演出表示が行われる(図10(C)参照)。
一方、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合、リーチ図柄とは異なる中図柄が停止してハズレが報知される(図10(D)参照)。そして、第1特別図柄判定が保留されている場合、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行され、最先の保留アイコンや他の保留アイコンのシフト処理が行われると共に、最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図10(E)参照)。
また、図柄変動開始時に第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択されている場合、SPリーチ演出からSPSPリーチ演出に発展することがある。具体的には、例えばリーチ図柄とは異なる中図柄が擬似停止した後、左図柄、中図柄、及び右図柄が再始動してSPSPリーチ演出に発展することを示唆する再始動演出が行われる(図10(G)参照)。なお、図10(G)においては、再始動演出画像を表示する領域に装飾図柄を表示しないようにするために、3つの装飾図柄が画面右下に小図柄として表示された状態が示されている。このように、図柄領域50に装飾図柄を表示しないようにするのが好ましいような場合には、3つの装飾図柄が小図柄として図柄領域50とは異なる領域に小さく表示される場合がある。
再始動演出が行われてSPSPリーチ演出に発展すると、図柄領域50の左右の両端にリーチ図柄を構成する左図柄および右図柄が表示され、液晶画面5の中央部ではSPSPリーチ演出画像の表示が行われる(図10(H)参照)。そして、SPSPリーチ演出の終盤で図柄揃いに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われた後に、第1特別図柄判定の判定結果を報知する当落報知が行われる(図10(I)参照)。なお、図10(I)には、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを報知するために、図柄揃いとなった状態が例示されている。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、液晶画面5において、第1特別図柄の変動表示に伴って装飾図柄を変動表示させてリーチが成立した場合に、そのリーチを形成するリーチ図柄が表示されたリーチ演出が実行されて、最終的には、図柄変動開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される。これは、後述する増加リーチ演出についても同様である。
[ボタン演出]
以下、図11〜図14を参照しつつ、本実施形態におけるパチンコ遊技機1で行われるボタン演出について説明する。ここで、図11〜図13は、ボタン演出の具体例を示す画面図である。図14は、ボタン演出に関する各種のタイミングを例示するタイムチャートである。
ボタン演出は、演出ボタン26の操作が有効な有効期間中に遊技者が演出ボタン26を操作(押下)した場合に、その操作に応じた演出を実行するものである。本実施形態においては、このボタン演出として、第1ボタン演出、第2ボタン演出、第3ボタン演出、及び第4ボタン演出の4種類のボタン演出が用意されている。
第1ボタン演出は、第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26を通常状態(図3(A)参照)に制御し、通常状態の演出ボタン26の操作を遊技者に促し、操作が行われた場合にその操作に応じた演出を実行するものである(例えば図11(D)及び(E)参照)。なお、本実施形態では第1ボタン演出の第1有効期間が5秒に設定されている場合について説明するが、この第1有効期間は他の時間(例えば3秒)であってもよい。
第2ボタン演出は、第2有効期間の到来に伴って演出ボタン26を通常状態(図3(A)参照)から突出状態(図3(B)参照)に変化させる制御を行い、突出状態の演出ボタン26の操作を遊技者に促し、操作が行われた場合にその操作に応じた演出を実行するものである(例えば図11(G)及び(H)参照)。なお、本実施形態では第2ボタン演出の第2有効期間が5秒に設定されている場合について説明するが、この第2有効期間は他の時間(例えば3秒)であってもよい。
第3ボタン演出は、第3有効期間の到来に伴って演出ボタン26を通常状態(図3(A)参照)に制御し、通常状態の演出ボタン26の操作を遊技者に促し、操作が行われた場合にその操作に応じた演出を実行するものである(例えば図13(B)〜(E)参照)。この第3ボタン演出の第3有効期間は、第3有効期間が始まってから終わるまでの時間が5秒に設定されているものの、第3有効期間が始まってから終わるまでの間に遊技者が演出ボタン26を操作してもその操作が有効にならない非有効期間(本実施形態では1秒)が存在する点で、第1ボタン演出や第2ボタン演出の有効期間と相違する。このため、第3ボタン演出の第3有効期間は、実質的には4秒(=1秒+3秒)である(図14(C)参照)。
第4ボタン演出は、第4有効期間の到来に伴って演出ボタン26を通常状態から突出状態(図3(B)参照)に変化させる制御を行い、突出状態の演出ボタン26の操作を遊技者に促し、操作が行われた場合にその操作に応じた演出を実行するものである(例えば図13(B)、(C)、(F)、及び(G)参照)。この第4ボタン演出の第4有効期間は、本実施形態では、第3ボタン演出の第3有効期間と同様の構成が採用されている。
図11には、SPSPリーチ演出中に第1ボタン演出または第2ボタン演出が行われる様子が例示されている。図11(A)に例示されるように、SPSPリーチ演出中には、液晶画面5の左右両側にリーチ図柄が表示された状態で、液晶画面5の主に中央部分を用いてSPSPリーチ演出画像の表示が行われる。これに対して、第1ボタン演出の第1有効期間の所定時間前になると、以下のような演出表示が開始される。
すなわち、図11(A)及び(B)に例示されるように、まず、リーチ図柄として液晶画面5の左右両側に表示されているリーチ図柄(左図柄および右図柄)が拡大する。これに伴い、リーチ図柄を含む3つの装飾図柄が、小図柄として画面右下に表示され始める(図11(B)参照)。そして、リーチ図柄を構成する左図柄および右図柄が拡大すると、これらの装飾図柄は、例えば、液晶画面5の中央部を中心として円を描くように移動しながら、最終的にこれら2つの装飾図柄が合体して特定の1つのエンブレムを形成するように、所定の変形アクションを行う(図11(C)参照)。このリーチ図柄の変形アクションは、第1ボタン演出の第1有効期間が始まる所定時間前からその第1有効期間が始まるまでの間に行われる。この変形アクションでは、2つのリーチ図柄(ここでは4図柄)が一旦エンブレムを形成し、そのエンブレムがボタン画像(図11(D)参照)に変化する演出表示が行われる。
ところで、リーチ演出の実行中にリーチ図柄を変化させた場合、リーチが成立した状態であることや、リーチ演出の実行中であることを遊技者が容易に認識できなくなるおそれがある。これに対して、本実施形態では、リーチ図柄が変化するのに先立って、図柄領域50に表示されていた装飾図柄が小図柄として液晶画面5の隅に小さく表示される。このため、遊技者は、この小図柄に基づいて、リーチが成立した状態であることや、リーチ演出の実行中であることを容易に認識することが可能である。
第1ボタン演出の第1有効期間になると、図11(D)に例示されるように、通常状態に制御されている演出ボタン26の操作を遊技者に促す第1ボタン画像が表示される。具体的には、例えば、通常状態の演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作が有効な第1有効期間の残り時間を示すゲージ画像とが表示される。また、第1有効期間になると、演出ボタン26の操作が有効になることを暗示するために、演出ボタン26に内蔵されているボタンランプ262(図57参照)が発光する。
このように、第1ボタン演出の第1有効期間中には、演出ボタン26が通常状態(第1態様)に制御されていることや、演出ボタン26を操作した場合にその操作が有効になることが報知される。このため、遊技者は、第1ボタン画像に基づいて、通常状態に制御されている演出ボタン26の操作を容易に行うことができる。
第1ボタン演出の第1有効期間中に演出ボタン26が操作されると、その操作に応じた操作対応演出が行われる。具体的には、図11(E)に例示されるように、所定の演出画像を液晶画面5に表示するカットインと呼ばれる演出が行われる。なお、操作対応演出はこれに限定されるものではなく、他の演出(例えば多数のキャラクタが画面上を移動する群予告)であってもよい。
このように、第1ボタン演出の第1有効期間中のボタン操作に応じて操作対応演出が行われた後、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図11(F)参照)。なお、図11(F)には「ハズレ」が報知された場合が例示されているが、操作対応演出が行われた後に「大当たり」が報知される場合もある。
なお、本実施形態では、第1有効期間中に演出ボタン26が操作されなかった場合には、操作対応演出は行われない。これに対して、他の実施形態では、第1有効期間中に演出ボタン26が操作されなかった場合に、例えば、演出ボタン26が操作された場合に行われる操作対応演出と同じ演出(又は異なる演出)を例えば第1有効期間が終了するタイミングで行うようにしてもよい。これらのことは、第2ボタン演出、第3ボタン演出、及び第4ボタン演出についても同様である。
ここまで、第1ボタン演出の第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御される(演出ボタン26の通常状態が維持される)場合について説明したが、第1ボタン演出の第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26が突出状態に制御される第1ボタン演出が行われる場合もある。この場合、図11(C)に例示されるリーチ図柄の変形アクションに続いて、以下のような演出が行われる。
すなわち、第2ボタン演出の第2有効期間になると、図11(G)に例示されるように、突出状態に制御されている演出ボタン26の操作を遊技者に促す第2ボタン画像が表示される。具体的には、例えば、突出状態の演出ボタン26を模したボタン画像と、演出ボタン26の操作が有効な第2有効期間の残り時間を示すゲージ画像とが表示される。また、この第2有効期間中には、第1有効期間中と同様にボタンランプ262が発光する。
このように、第2ボタン演出の第2有効期間中には、演出ボタン26が突出状態(第2態様)に制御されていることや、演出ボタン26を操作した場合にその操作が有効になることが報知される。このため、遊技者は、第2ボタン画像に基づいて、突出状態に制御されている演出ボタン26の操作を容易に行うことができる。
第2ボタン演出の第2有効期間中に演出ボタン26が操作されると、その操作に応じた操作対応演出が実行される。具体的には、図11(H)に例示されるように、所定の演出画像を液晶画面5に表示するカットインと呼ばれる演出が行われる。なお、図11(H)には、第1ボタン演出の第1有効期間中に操作が行われた場合とは異なる演出画像が表示された状態が例示されているが、第2ボタン演出の第2有効期間中に操作が行われた場合に、第1有効期間中に操作が行われた場合と同じ演出画像が表示される場合もある。ただし、通常状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第1ボタン演出と、突出状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第2ボタン演出とを比較した場合、第2ボタン演出が行われる場合には大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する操作対応演出が行われ易く、第1ボタン演出が行われる場合にはそのような操作対応演出が行われ難いという特徴がある。
このように、第2ボタン演出の第2有効期間中のボタン操作に応じて操作対応演出が行われた後、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる(図11(I)参照)。なお、図11(I)には「大当たり」が報知された場合が例示されているが、操作対応演出が行われた後に「ハズレ」が報知される場合もある。
ここまで図11に基づいて説明したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、装飾図柄の変動表示中にリーチが成立した場合、所定のリーチ演出が実行されると共に、リーチを形成するリーチ図柄を変化させる演出がリーチ演出中に実行される。
従来のパチンコ遊技機1では、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出に発展した後、最終的に図柄が確定表示される直前まではリーチ図柄が画面の隅に小さく表示された状態でSPリーチ演出やSPSPリーチ演出が実行されることが多く、これらのリーチ演出中に表示されているリーチ図柄がリーチ演出の演出効果の向上に必ずしも効果的に寄与していないことが多いというのが現状である。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、リーチ演出中にリーチ図柄が変化してリーチ演出とは異なる演出に使用されるので、リーチ演出と当該異なる演出との相乗効果により、リーチ演出の演出効果を効果的に向上させることが可能である。
また、本実施形態では、図11(C)に基づいて上述したリーチ図柄の変形アクションが行われた直後に第1ボタン演出(又は第2ボタン演出)の有効期間が到来するので、遊技者は、リーチ図柄が変化し始めたことや、リーチ図柄の変形アクションに基づいて、有効期間の到来を事前に把握することができ、有効期間中のボタン操作を容易に行うことができる。
なお、上述したリーチ図柄の変形アクションにはリーチ図柄が使用されるため、リーチ図柄の変形アクションを伴うボタン演出(上記の第1ボタン演出や第2ボタン演出)は、リーチ成立後であれば、基本的にはいつでも行うことが可能である。このため、リーチ図柄の変形アクション及びボタン演出を、例えば、ノーマルリーチ演出中やSPリーチ演出中に行うようにしてもよい。また、増加リーチ演出中に行うようにしてもよい。
また、本実施形態では、リーチ図柄を最終的にボタン画像に変化させてボタン演出に発展させる場合について説明するが、他の実施形態では、リーチ図柄を他の演出画像に変化させるようにしてもよい。例えば、2つのリーチ図柄を合体させてリーチ演出に使用されるキャラクタとして使用してもよい。また、例えば、リーチ図柄を合体させた演出画像を当該領域52に表示されている当該アイコンに衝突させて、その当該アイコンの表示態様(例えば表示色)を変化させるアイコン変化演出に使用してもよい。すなわち、リーチ図柄を、当該アイコンを変化させるための演出画像に変化させてもよい。また、7図柄以外の装飾図柄で構成されているリーチ図柄を、7図柄で構成されるリーチ図柄に変化させるようにしてもよい。
図12は、図11に基づいて上述した第1ボタン演出や第2ボタン演出とは異なるタイミングで行われる第1ボタン演出および第2ボタン演出の具体例を示す画面図である。図12(A)は、通常状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第1ボタン演出の一例を示す画面図である。図12(B)は、突出状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第2ボタン演出の一例を示す画面図である。
例えばSPリーチ演出中に通常状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第1ボタン演出が行われる場合、第1ボタン演出の第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御されることを示唆する通常状態示唆演出が行われる(図12(A−1)参照)。具体的には、図12(A−1)に例示されるように、通常状態の演出ボタン26を示すボタン画像が表示されることになる液晶画面5の中央部が少しだけ発光して、中央部に何か小さな変化が起こるのではないかといった印象を遊技者に与える演出表示が行われる。
そして、第1ボタン演出の第1有効期間が到来すると、図11(D)に基づいて上述したのと同様の第1ボタン画像(ボタン画像およびゲージ画像)が液晶画面5に表示される(図12(A−2)参照)。そして、この第1有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作すると、図11に基づいて上述したのと同様に、操作対応演出が行われる(図12(A−3)参照)。なお、図12(A−3)には、図11(E)に示される操作対応演出と同じ演出が行われている様子が図示されているが、図11(H)に示される操作対応演出が行われる場合もあるし、これらの操作対応演出とは異なる操作対応演出が行われる場合もある。
一方、例えばSPリーチ演出中に突出状態の演出ボタン26を遊技者に操作させる第2ボタン演出が行われる場合、第2ボタン演出の第2有効期間の到来に伴って演出ボタン26が突出状態に制御されることを示唆する突出状態示唆演出が行われる(図12(B−1)参照)。具体的には、図12(B−1)に例示されるように、突出状態の演出ボタン26を示すボタン画像が表示されることになる液晶画面5の中央部が激しく発光すると共に四方八方から中央部に光が集まってくる様子を表す演出表示が行われて、画面中央部に何か大きな変化が起こるのではないかといった印象を遊技者に与える演出表示が行われる。
そして、第2ボタン演出の第2有効期間が到来すると、図11(G)に基づいて上述したのと同様の第2ボタン画像(ボタン画像およびゲージ画像)が液晶画面5に表示される(図12(B−2)参照)。そして、この第2有効期間内に遊技者が演出ボタン26を操作すると、図11に基づいて上述したのと同様に、操作対応演出が行われる(図12(B−3)参照)。なお、図12(B−3)には、図11(H)に示される操作対応演出と同じ演出が行われている様子が図示されているが、図11(E)に示される操作対応演出と同じ演出が行われる場合もあるし、これらの操作対応演出とは異なる操作対応演出が行われる場合もある。
なお、図12(B−2)には、既に突出状態に変化している演出ボタン26を示すボタン画像が表示された状態が例示されているが、演出ボタン26は、普段は通常状態に制御されているものの第2ボタン演出の第2有効期間の到来に伴って通常状態から突出状態へと変化する。このため、第2有効期間が到来する際に、演出ボタン26が通常状態から突出状態に変化する様子を表す状態変化演出を行うようにしてもよい。このことは、図11(G)に基づいて上述した第2ボタン演出が行われる場合についても同様である。
このように、演出ボタン26が突出状態に制御される前にその旨を示唆する突出状態示唆演出(図12(B−1)参照)が行われることによって、遊技者は、第2ボタン演出の第2有効期間の到来に伴って演出ボタン26が突出状態に制御されることを事前に認識することが可能である。また、演出ボタン26が突出状態に制御されていることを示唆する示唆演出(本実施形態では、第2有効期間中における突出状態の演出ボタン26を模したボタン画像の表示)を行うことによって、遊技者は、第2ボタン演出の第2有効期間中に演出ボタン26が突出状態に制御されていることを容易に認識することが可能である。
また、図12(A−1)に例示される通常状態示唆演出が行われることによって、遊技者は、第1ボタン演出の第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御されることを容易に認識することが可能である。また、図12(A−2)に例示されるように通常状態の演出ボタン26を示すボタン画像を第1有効期間中に表示することによって、遊技者は、第1ボタン演出の第1有効期間中に演出ボタン26が通常状態に制御されていることを容易に認識することが可能である。
図13は、第3ボタン演出および第4ボタン演出の具体例を示す画面図である。第3ボタン演出は、通常状態の演出ボタン26の操作に応じて演出ボタン26が突出状態に変化することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出を行い、その煽り演出に続いて演出ボタン26を通常状態のまま遊技者に操作させるボタン演出である。第4ボタン演出は、通常状態の演出ボタン26の操作に応じて演出ボタン26が突出状態に変化することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出を行い、その煽り演出に続いて演出ボタン26を突出状態に変化させてから遊技者に操作させる演出である。
例えばSPリーチ演出中やSPSPリーチ演出中の所定タイミングになると、図12(A−1)に基づいて上述したのと同様に、通常状態示唆演出が行われる(図13(A)参照)。これにより、遊技者は、演出ボタン26が通常状態に制御されると共に第1ボタン画像が表示されることを事前に認識することが可能である。
通常状態示唆演出が行われて第3ボタン演出の第3有効期間が到来すると、図13(B)に例示されるように、第1ボタン演出の第1有効期間中に表示されるのと同様の第1ボタン画像が表示される。ただし、第1ボタン演出の場合、遊技者が演出ボタン26を操作しなければ第1ボタン画像が最長で5秒間表示され続けるのに対して、第3ボタン演出における第1ボタン画像が表示される時間は、本実施形態では最長でも1秒間である。これは、第3ボタン演出の第3有効期間が非有効期間を挟む形で前半有効期間と後半有効期間とに分断されており、前半有効期間が1秒に設定されているためである。
第3ボタン演出の第3有効期間(前半有効期間)が到来して第1ボタン画像が表示された状態で通常状態の演出ボタン26が操作された場合、又は前半有効期間の開始から1秒が経過して前半有効期間が終了すると、図13(C)に例示される中間画像が表示される。この中間画像は、上記の非有効期間中に表示される演出画像であって、演出ボタン26が通常状態から突出状態へと変化することに対する遊技者の期待感を煽る演出画像である。本実施形態では、非有効期間が1秒に設定されている。このため、前半有効期間中に演出ボタン26が操作されることなく前半有効期間が満了した場合には、中間画像が1秒間表示される。一方、前半有効期間中に演出ボタン26が操作された場合、前半有効期間の残り時間(=1秒−前半有効期間の開始から操作が検知されるまでの時間)と1秒間とを足し合わせた時間だけ中間画像が表示される。
この中間画像は、本実施形態では、液晶画面5の中央に所定のキャラクタを表示する演出として実現されているが、演出ボタン26が通常状態から突出状態へと変化することに対する遊技者の期待感を煽ることが可能な演出画像であれば、どのような演出画像であっても構わない。なお、中間画像が表示される非有効期間中は遊技者による演出ボタン26の操作は無効である。このため、遊技者が非有効期間中に演出ボタン26を操作したとしてもその操作に応じた演出が実行されることはなく、非有効期間中は、操作の有無に関わらず、中間画像の表示が継続して行われる。
次に、非有効期間が終了して後半有効期間になると、第3ボタン演出の一部として、液晶画面5に第3ボタン画像が表示される(図13(D)参照)。この第3ボタン画像は、通常状態に制御されている演出ボタン26の操作を遊技者に促す演出画像であり、第3有効期間(ここでは後半有効期間)の残り時間を示すゲージ画像を含んでいない点において、第1ボタン画像や第2ボタン画像と相違する。
なお、第3ボタン演出においては、前半有効期間中において第1ボタン画像が表示されており、第3ボタン演出の第3有効期間が到来したことが既に報知されている。このため、本実施形態では、図13(D)に例示されるように、後半有効期間においては、ゲージ画像を含まない第3ボタン画像を表示することとしている。
続いて、第3ボタン演出の後半有効期間中に遊技者が演出ボタン26を操作すると、第1ボタン演出と同様の操作対応演出が行われる(図13(E)および図11(E)参照)。なお、図13(E)には、図11(E)に示される操作対応演出と同じ演出が行われている様子が図示されているが、図11(H)に示される操作対応演出が行われる場合もあるし、これらの操作対応演出とは異なる操作対応演出が行われる場合もある。
次に、第4ボタン演出については、非有効期間中の中間画像の表示までは、第3ボタン演出と同様の演出制御が行われる。第4ボタン演出は、以下の点で第3ボタン演出と相違する。
すなわち、第4ボタン演出では、第4ボタン演出の後半有効期間の到来に伴って、演出ボタン26を通常状態から突出状態へと変化させる制御が行われる。このため、第4ボタン演出の後半有効期間になると、図13(F)に例示される第4ボタン画像が表示される。この第4ボタン画像は、突出状態に制御されている演出ボタン26の操作を遊技者に促す演出画像であって、例えば突出状態の演出ボタン26を模した演出画像である。この第4ボタン画像は、ゲージ画像を含んでいない点で第3ボタン画像(図13(D)参照)と一致する。
第4ボタン演出の後半有効期間中に遊技者が演出ボタン26を操作すると、第2ボタン演出と同様の操作対応演出が行われる(図13(G)および図11(H)参照)。なお、図13(G)には、図11(H)に示される操作対応演出と同じ演出が行われている様子が図示されているが、図11(E)に示される操作対応演出が行われる場合もあるし、これらの操作対応演出とは異なる操作対応演出が行われる場合もある。
図14(A)は、第1ボタン演出を構成する各演出の実行タイミング例示するフローチャートである。図14(A)に例示されるように、第1有効期間の所定時間前になると、第1有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御されることを示唆する通常状態示唆演出が行われる(図12(A−1)参照)。なお、図11(C)および(D)に基づいて上述したように、第1有効期間の到来に先立ってリーチ図柄の変形アクションが行われる場合もある。
このように、通常状態示唆演出またはリーチ図柄の変形アクションが行われてから第1ボタン演出の第1有効期間が到来すると、ゲージ画像を含む第1ボタン画像が表示され(図11(D)、及び図12(A−2)参照)、これに応じて演出ボタン26が操作されると、操作対応演出が行われる(図11(E)、及び図12(A−3)参照)。
図14(B)は、第2ボタン演出を構成する各演出の実行タイミング例示するフローチャートである。図14(B)に例示されるように、第2有効期間の所定時間前になると、第2有効期間の到来に伴って演出ボタン26が突出状態に制御されることを示唆する突出状態示唆演出が行われる(図12(B−1)参照)。なお、図11(C)および(G)に基づいて上述したように、第2有効期間の到来に先立ってリーチ図柄の変形アクションが行われる場合もある。
このように、突出状態示唆演出またはリーチ図柄の変形アクションが行われてから第2ボタン演出の第2有効期間が到来すると、ゲージ画像を含む第2ボタン画像が表示され(図11(G)、及び図12(B−2)参照)、これに応じて演出ボタン26が操作されると、操作対応演出が行われる(図11(H)、及び図12(B−3)参照)。
図14(C)は、第3ボタン演出を構成する各演出の実行タイミング例示するフローチャートである。図14(C)に例示されるように、第3有効期間の所定時間前になると、第3有効期間のうちの前半有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御されることを示唆する通常状態示唆演出が行われる(図13(A)参照)。
このように、通常状態示唆演出が行われてから第3ボタン演出の前半有効期間が到来すると、ゲージ画像を含む第1ボタン画像が表示され(図13(B)参照)、前半有効期間中に操作が行われなかった場合、非有効期間の開始(=前半有効期間の終了)と同時に中間画像(図13(C)参照)の表示が開始される。なお、前半有効期間中に操作が行われた場合には、その段階で中間画像の表示が開始される。
次に、非有効期間が終了すると中間画像の表示も終了し、後半有効期間の開始に伴って第3ボタン画像の表示が開始される(図13(D)参照)。これに対して、後半有効期間内に演出ボタン26が操作されると、その操作に応じた操作対応演出(図13(E)参照)が行われる。
図14(D)は、第4ボタン演出を構成する各演出の実行タイミング例示するフローチャートである。図14(D)に例示されるように、第4有効期間の所定時間前になると、第4有効期間のうちの前半有効期間の到来に伴って演出ボタン26が通常状態に制御されることを示唆する通常状態示唆演出が行われる(図13(A)参照)。
このように、通常状態示唆演出が行われてから第4ボタン演出の前半有効期間が到来すると、ゲージ画像を含む第1ボタン画像が表示され(図13(B)参照)、前半有効期間中に操作が行われなかった場合、非有効期間の開始(=前半有効期間の終了)と同時に中間画像(図13(C)参照)の表示が開始される。なお、前半有効期間中に操作が行われた場合には、その段階で中間画像の表示が開始される。
次に、非有効期間が終了すると中間画像の表示も終了し、後半有効期間の開始に伴って演出ボタン26を通常状態から突出状態へと変化させる制御が行われると共に、第4ボタン画像の表示が開始される(図13(F)参照)。これに対して、後半有効期間内に演出ボタン26が操作されると、その操作に応じた操作対応演出(図13(G)参照)が行われる。
[増加リーチ演出について]
以下、図15〜図17を参照しつつ、増加リーチ演出の具体例について説明する。ここで、図15は、2ラインリーチ演出の具体例を示す画面図である。図16,17は、3ラインリーチ演出の具体例を示す画面図である。
図15(A)に例示されるように、例えばノーマルリーチ演出の終盤で3つの装飾図柄がリーチハズレを示す表示態様で擬似停止した場合、図9に基づいて上述したように、増加リーチ演出へと発展する場合がある。
(2ラインリーチ演出)
ノーマルリーチ演出(上述したショートリーチ演出)から増加リーチ演出へと発展する場合、例えば、擬似停止している中図柄(図15(A)に示す例では9図柄)が本停止せずに再始動する。本実施形態では、中図柄が再始動する演出として、擬似停止していた中図柄が小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図15(B)参照)。
中図柄が液晶画面5から消えると、上述したように、まず、リーチ図柄と有効ラインとが増加することに対する遊技者の期待感を煽る増加煽り演出(不図示)が行われる。2ラインリーチ演出が行われる場合、増加煽り演出が行われた後にリーチ図柄および有効ラインが増加することになる。例えば、図15(B)に例示されるように左列に擬似停止している8図柄(左8図柄)と右列に擬似停止している8図柄(右8図柄)とによってリーチが形成されている場合、左8図柄が小さくなりながら上方に移動すると共に、右8図柄が同じように小さくなりながら下方に移動する(図15(B)及び(C)参照)。これに伴い、左8図柄の直下にできたスペースに8図柄よりも1小さい7図柄(左7図柄)が出現すると共に、右8図柄の直上にできたスペースに8図柄よりも1小さい7図柄(右7図柄)が出現する。これにより、リーチ図柄および有効ラインがいずれも2つに増加した状態となる(図15(C)参照)。
なお、図15(C)には、リーチ図柄および有効ラインが2つに増加した状態が例示されているが、リーチ図柄および有効ラインが3つに増加する場合もあり(図16(D)参照)、また、図には示されていないが、増加リーチ演出に発展したとしてもリーチ図柄および有効ラインが増加しない場合もある。
また、図15(C)には、最初のリーチ図柄(ここでは8図柄)よりも1小さい装飾図柄が増加した状態が例示されているが、最初のリーチ図柄よりも1大きい装飾図柄が増加するパターンも存在する。すなわち、2ラインリーチ演出に関して、例えば、最初にリーチ図柄として2つの8図柄が表示されている場合に、リーチ図柄として2つの7図柄が追加表示されてリーチ図柄および有効ライン数が「2」に増加するパターンと、リーチ図柄として2つの9図柄が追加表示されてリーチ図柄および有効ライン数が「2」に増加するパターンとが存在する。なお、最初のリーチ図柄よりも1小さい装飾図柄を増加させるか、或いは、最初のリーチ図柄よりも1大きい装飾図柄を増加させるかは、選択可能なパターンが複数ある場合には、例えば乱数を用いた抽選により決定することが可能である。
ただし、図柄変動開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、複数のリーチ図柄の中に、最終的に「大当たり」を報知するために停止表示されることになる装飾図柄が含まれている必要がある。このため、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、大当たり図柄と同じリーチ図柄を含むリーチ図柄の組み合わせの中から、抽選でいずれかを選ぶ処理が行われて、どのようにリーチ図柄を増加させるかが決定されることになる。
例えば、最終的に4図柄を停止表示させて「大当たり」を報知する際においては、最初のリーチ図柄が4図柄であってこれに1小さい3図柄を追加表示するパターンと、1大きい5図柄を追加表示するパターンとが用意されている場合、どちらのパターンも選択可能である。したがって、このような場合においては、乱数を用いた抽選を行って、いずれか一方のパターンを選択する。
一方、例えば、最終的に4図柄を停止表示させて「大当たり」を報知する際においては、最初のリーチ図柄が5図柄であってこれに1小さい4図柄を追加表示するパターンと、1大きい6図柄を追加表示するパターンとが用意されている場合、後者のパターンを選択してしまうと、リーチ図柄が大当たり図柄(ここでは4図柄)を含まなくなってしまう。したがって、このような場合においては、必然的に前者のパターン(4図柄を追加表示するパターン)が選択されることになる。
なお、ここで説明したことは、2ラインリーチ演出の結果として「ハズレ」を報知する場合についても同様であり、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、ハズレ報知時のリーチハズレ目を形成するリーチ図柄を含むようなリーチ図柄の増加パターンが必ず選択されることになる。
リーチ図柄および有効ラインが2つに増加すると、1ライン目の図柄揃いを煽る上述した図柄揃い煽り演出が行われる。図15(C)に示される例では、リーチ図柄は7図柄および8図柄の2種類であり、数字が小さい方の装飾図柄は7図柄である。このため、1ライン目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出として、7図柄揃いを煽る煽り演出が行われる。具体的には、図15(C)及び(D)に例示されるように、左7図柄および右7図柄が拡大すると共に、左8図柄および右8図柄が縮小し、中列にリーチ図柄と同じ7図柄が低速で降りてくる演出表示が行われる。そして、1ライン目が図柄揃いとならない変動演出パターンが選択されている場合、中7図柄が有効ライン上に停止することなく有効ラインを通り過ぎて、小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図15(E)参照)。
なお、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であって、1ライン目で図柄揃いとなる変動演出パターンが選択されている場合には、図15には示されていないが、1ライン目の有効ライン上に中7図柄が停止して、「大当たり」が報知されることになる。この場合、2つ目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出は行われることはなく、2ラインリーチ演出が終了する。このように、1回目の図柄揃い煽り演出で2ラインリーチ演出を終了させるか、或いは2回目の図柄煽り演出で2ラインリーチ演出を終了させるかは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に基づいて決定される。
図15(E)に基づいて上述したように、1ライン目の有効ライン上にリーチ図柄と同じ中図柄が停止しなかった場合、2ライン目の図柄揃いを煽る図柄煽り演出が行われる。具体的には、図15(E)及び(F)に例示されるように、1つ目のリーチ図柄を形成する左7図柄および右7図柄が縮小すると共に、2つ目のリーチ図柄を形成する左8図柄および右8図柄が拡大し、中列に2つ目のリーチ図柄と同じ8図柄が低速で降りてくる演出表示が行われる。そして、2ライン目が図柄揃いとならない変動演出パターンが設定されている場合、中8図柄が有効ライン上に停止することなく有効ラインを通過して、小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図15(G)参照)。
このように、最終の有効ライン上でも図柄揃いとならなかった場合、1つ目のリーチ図柄が画面から消去されると共に、フェードアウトした8図柄の次の図柄である9図柄が中列に出現して、2つ目のリーチ図柄(ここでは左8図柄および右8図柄)を含むリーチハズレ目が擬似停止し(図15(H)参照)、最終的にはこれらの装飾図柄が完全に停止してハズレが報知される(図15(I)参照)。なお、図15(H)及び(I)には、2つ目のリーチ図柄である8図柄の間に1コマ進んだ9図柄が停止してハズレが報知される様子が例示されているが、リーチ図柄よりも1小さい中図柄(ここでは7図柄)を中列に停止させてハズレを報知するようにしてもよい。
(3ラインリーチ演出)
次に、図16,17を参照しつつ、リーチ図柄および有効ラインが3つに増加する3ラインリーチ演出の具体例について説明する。
リーチ図柄が増加するまでの演出の流れは2ラインリーチ演出と同様であるが、簡単に説明すると、ノーマルリーチ演出(本実施形態ではショートリーチ演出)の終盤でリーチハズレを示す表示態様で3列の装飾図柄が擬似停止し(図16(A)参照)、続いて、擬似停止していた中図柄(例えば中5図柄)が小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図16(B)参照)。
中図柄が液晶画面5から消えると、2ラインリーチ演出が行われる場合と同様に増加煽り演出が行われて、リーチ図柄および有効ラインが「2」に増加する。例えば、図16(B)に例示されるように擬似停止している左4図柄および右4図柄によってリーチが形成されている場合、左4図柄が小さくなりながら上方に移動すると共に、右4図柄が同じように小さくなりながら可能に移動する(図16(B)及び(C)参照)。これに伴い、左4図柄の直下にできたスペースに4図柄よりも1小さい3図柄が出現すると共に、右4図柄の直上にできたスペースに4図柄よりも1小さい3図柄が出現する(図16(C)参照)。
そして、3ラインリーチ演出が行われる場合、リーチ図柄および有効ラインが「2」に増加した後に2回目の増加煽り演出が行われて、リーチ図柄および有効ラインが「3」に増加する。具体的には、例えば、図16(C)及び(D)に例示されているように、左4図柄および左3図柄が小さくなりながら上方に移動すると共に、右4図柄および右3図柄が小さくなりながら下方に移動する。これに伴い、左3図柄の直下にできたスペースに3図柄よりも1小さい2図柄が出現すると共に、右3図柄の直上にできたスペースに3図柄よりも1小さい2図柄が出現する。これにより、リーチ図柄および有効ラインがいずれも3つに増加した状態となる(図16(D)参照)。
なお、図16には、最初のリーチ図柄よりも1小さいリーチ図柄と、最初のリーチ図柄よりも2小さいリーチ図柄とが増加する様子が例示されているが、他のパターンでリーチ図柄が追加表示される場合もある。具体的には、最初のリーチ図柄よりも1大きいリーチ図柄と、最初のリーチ図柄よりも2大きいリーチ図柄とが追加表示される場合もある。また、最初のリーチ図柄よりも1小さいリーチ図柄と、最初のリーチ図柄よりも1大きいリーチ図柄とが追加表示される場合もある。このため、選択可能なパターンが複数ある場合には、例えば乱数を用いた抽選により決定することが可能である。
ただし、2ラインリーチ演出に関して上述したのと同様に、最終的に「大当たり」を報知する場合と「ハズレ」を報知する場合との両方に関して、報知の際の大当たり図柄又はハズレ図柄を構成するリーチ図柄が、3つのリーチ図柄のいずれかに含まれている必要がある。このため、報知の際に停止表示されるリーチ図柄と同じリーチ図柄を含むようにリーチ図柄が追加表示されるパターンが複数ある場合には、それらのパターンのいずれかが例えば抽選により選択される。一方、報知の際に停止表示されるリーチ図柄と同じリーチ図柄を含むようにリーチ図柄が追加表示されるパターンが1つしかない場合には、そのパターンが必然的に選択されることになる。
3ラインリーチ演出が行われる場合、2回の増加煽り演出が行われた結果として、リーチ図柄および有効ラインが3つに増加する。このように、リーチ図柄よび有効ラインが3つに増加すると、1ライン目の図柄揃いを煽る図柄揃い煽り演出が行われる。図16(D)に示される例では、リーチ図柄は4図柄、3図柄、及び2図柄の3種類であり、この中で最も小さいのは2図柄であり、次に小さいのが3図柄である。このため、3回の図柄揃い煽り演出を行って3回目の図柄揃い煽り演出において当落を報知するパターンが選択されている場合には、例えば、2図柄、3図柄、4図柄の順で、図柄揃いを煽る煽り演出が行われることになる。
まず、1ライン目の図柄揃い煽り演出として、図16(E)に例示されるように、左2図柄および右2図柄が拡大すると共に、左3図柄、左4図柄、右3図柄、及び右4図柄が縮小し、中列に1つ目のリーチ図柄と同じ2図柄が低速で降りてくる演出表示が行われる。そして、1ライン目が図柄揃いとならない変動演出パターンが設定されている場合、中2図柄が有効ライン上に停止することなく有効ラインを通過し、小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図16(F)参照)。
なお、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であって、図柄揃い煽り演出を1回だけ行って「大当たり」を報知するパターンが選択されている場合には、図16(E)の演出表示が行われた後に、中2図柄が有効ライン上に停止して「大当たり」が報知されることになる。
一方、3ラインリーチ演出に関して図柄揃い煽り演出を2回以上行うパターンが選択されている場合、1ライン目が図柄揃いとならなかったことを示す図柄揃い煽り演出が行われた後に、2ライン目の図柄揃いを煽る図柄揃い煽り演出が行われる。具体的には、図16(F)及び(G)に例示されるように、2つ目のリーチ図柄を形成する左3図柄および右3図柄が拡大すると共に、1つ目と3つ目のリーチ図柄を形成する左2図柄、右2図柄、左4図柄、及び右4図柄が縮小し、中列に2つ目のリーチ図柄と同じ3図柄が低速で降りてくる演出表示が行われる。そして、2ライン目が図柄揃いとならない変動演出パターンが設定されている場合、中3図柄が有効ライン上に停止することなく、小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われる(図16(H)参照)。
なお、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であって、図柄揃い煽り演出を2回行って2回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するパターンが選択されている場合には、図16(G)の演出表示が行われた後に、中3図柄が有効ライン上に停止して「大当たり」が報知されることになる。
一方、3ラインリーチ演出に関して図柄揃い煽り演出を3回行うパターンが選択されている場合、2ライン目が図柄揃いとならなかったことを示す煽り演出が行われた後に、3ライン目の図柄揃いを煽る図柄揃い煽り演出が行われる。具体的には、図16(H)及び(I)に例示されるように、3つ目のリーチ図柄を形成する左4図柄および右4図柄が拡大すると共に、1つ目と2つ目のリーチ図柄を形成する左2図柄、右2図柄、左3図柄、及び右3図柄が縮小し、中列に3つ目のリーチ図柄と同じ4図柄が低速で降りてくる演出表示が行われる。そして、3ライン目で図柄揃いになる変動演出パターンが設定されている場合、すなわち、図柄変動開始時に「大当たり」と判定されると共に3回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知する3ラインリーチ演出の演出パターンが選択されている場合、中4図柄が左4図柄および右4図柄の間に停止する(図17(A)参照)。そして、図柄揃いとならなかった1つ目と2つ目のリーチ図柄が画面から消去されると共に、3つ目のリーチ図柄を含むゾロ目が擬似停止し(図17(A)及び(B)参照)、最終的にはこれらの装飾図柄が完全に停止して大当たりが報知されることになる(図17(C)参照)。このようにして大当たりが報知された場合、大当たり遊技のオープニング期間の開始に伴い、所定のオープニング演出が開始される(図17(D)参照)。
なお、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されると共に3回目の図柄揃い煽り演出で「ハズレ」を報知する3ラインリーチ演出の演出パターンが選択されている場合には、3つ目のリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上に停止することなく有効ラインを通過して、小さくなりながら画面奥に吸い込まれるようにフェードアウトする演出表示が行われて、最終的にリーチハズレ目が表示されて「ハズレ」が報知されることになる。
ここまで、図15〜図17を参照しつつ、リーチ成立後に一旦ショートリーチ演出が行われてから2ラインリーチ演出や3ラインリーチ演出に発展する場合を例に説明したが、図8に例示されるように、リーチ成立後にノーマルリーチ演出を介することなく増加リーチ演出に直接発展する場合もある。
また、本実施形態では、「大当たり」と判定されて行われる2ラインリーチ演出に関して、図柄揃い煽り演出が1回だけ行われてその図柄揃い煽り演出において「大当たり」が報知される演出パターンと、図柄揃い煽り演出が2回行われて2回目の図柄揃い煽り演出において「大当たり」が報知される演出パターンとが選択可能である。また、3ラインリーチ演出に関して、図柄揃い煽り演出が1回だけ行われてその図柄揃い煽り演出において「大当たり」が報知される演出パターンと、図柄揃い煽り演出が2回行われて2回目の図柄揃い煽り演出において「大当たり」が報知される演出パターンと、図柄揃い煽り演出が3回行われて3回目の図柄揃い煽り演出において「大当たり」が報知される演出パターンとが選択可能である。
これに対して、他の実施形態では、2ラインリーチ演出に関しては必ず2回の図柄揃い煽り演出演出を行って2回目の図柄揃い煽り演出において当落を報知し、3ラインリーチ演出に関しては必ず3回の図柄揃い煽り演出を行って3回目の図柄揃い煽り演出において当落を報知するといった構成を採用してもよい。
(リーチ演出の信頼度について)
図18は、変動パターン選択テーブルの一例を示す図である。後述する遊技制御基板100のメインROM102(図57参照)には、特別図柄の変動パターンを選択するために参照される変動パターン選択テーブルが記憶されている。第1特別図柄判定に関して、メインROM102には、大当たり用変動パターン選択テーブル(図18(B)参照)、リーチ用変動パターン選択テーブル(図18(A)参照)、及びハズレ用変動パターン選択テーブルが記憶されている。大当たり用変動パターン選択テーブルは、「大当たり」と判定された場合に第1特別図柄の変動パターンを決定するために参照されるテーブルである。リーチ用変動パターン選択テーブルは、「ハズレ」と判定されると共にリーチ演出を行うと決定された場合に第1特別図柄の変動パターンを決定するために参照されるテーブルである。ハズレ用変動パターン選択テーブルは、「ハズレ」と判定されると共にリーチ演出を行わないと決定された場合に第1特別図柄の変動パターンを決定するために参照されるテーブルである。
図18(A)に例示されるように、リーチ用変動パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動パターンと、変動パターン乱数とが対応付けられている。なお、図18では、説明の便宜上、変動パターン及び変動パターン乱数の他に、第1特別図柄の変動時間、各変動パターンに対して選択される変動演出パターンの種類、変動演出パターンの具体的な演出内容、変動パターン乱数の取り得る範囲、各変動パターンが選択される割合が併せて表記されている。
後に詳述するが、遊技制御基板100のメインCPU101(図57参照)は、第1特別図柄判定において「ハズレ」と判定すると共にリーチ演出を実行すると決定した場合、変動パターン乱数を取得してメインRAM103の所定領域に格納する。そして、この変動パターン乱数に対応する変動パターンをリーチ用変動パターン選択テーブル(図18(A)参照)から読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンを選択する。
本実施形態では、説明を容易に行うために、変動パターン乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」に設定されている。メインCPU101は、例えば取得した変動パターン乱数が「0」〜「21」のいずれかであれば、リーチ用変動パターン選択テーブルから変動パターンAを読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンAを選択する。また、例えば取得した変動パターン乱数が「55」〜「61」のいずれかであれば、リーチ用変動パターン選択テーブルから変動パターンEを読み出すことによって、第1特別図柄の変動パターンとして変動パターンEを選択する。
図18(A)に示されるリーチ用変動パターン選択テーブルでは、変動パターンAに対して「0」〜「21」の22個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンAが選択される割合は22%(=22/100)である。また、変動パターンBに対して「22」〜「34」の13個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンBが選択される割合は13%(=13/100)である。また、変動パターンCに対して「35」〜「45」の11個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンCが選択される割合は11%(=11/100)である。また、変動パターンDに対して「46」〜「54」の9個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンDが選択される割合は9%(=9/100)である。
また、変動パターンEに対して「55」〜「61」の7個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンEが選択される割合は7%(=7/100)である。また、変動パターンFに対して「62」〜「66」の5個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンFが選択される割合は5%(=5/100)である。また、変動パターンGに対して「67」〜「69」の2個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンGが選択される割合は2%(=2/100)である。
このように、リーチ用変動パターン選択テーブルにおいては、各変動パターンが選択される割合の比較から明らかなように、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され難いという傾向があると言える。また、各変動パターンに対応する演出に関しては、ノーマルリーチ演出や増加リーチ演出が選択され易く、逆に、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出が選択され難い傾向があると言える。
一方、第1特別図柄判定において「大当たり」と判定された場合、ハズレの場合と同様に変動パターン乱数が取得されてメインRAM103の所定領域に格納される。そして、この変動パターン乱数に対応する変動パターンが大当たり用変動パターン選択テーブル(図18(B)参照)から読み出されることによって、第1特別図柄の変動パターンが選択される。
例えば取得した変動パターン乱数が「0」〜「1」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンHが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンHに選択される。また、例えば取得した変動パターン乱数が「2」〜「5」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンIが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンIに選択される。また、例えば取得した変動パターン乱数が「6」〜「11」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンJが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンJに選択される。また、例えば取得した変動パターン乱数が「12」〜「19」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンKが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンKに選択される。
また、例えば取得した変動パターン乱数が「20」〜「29」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンLが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンLに選択される。また、例えば取得した変動パターン乱数が「30」〜「44」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンMが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンMに選択される。また、例えば取得した変動パターン乱数が「45」〜「69」のいずれかであれば、大当たり用変動パターン選択テーブルから変動パターンNが読み出されて、第1特別図柄の変動パターンが変動パターンNに選択される。
図18(B)に示される大当たり用変動パターン選択テーブルでは、変動パターンHに対して「0」〜「1」の2個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンHが選択される割合は2%(=2/100)である。また、変動パターンIに対して「2」〜「5」の4個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンIが選択される割合は4%(=4/100)である。また、変動パターンJに対して「6」〜「11」の6個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンJが選択される割合は6%(=6/100)である。また、変動パターンKに対して「12」〜「19」の8個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンKが選択される割合は8%(=8/100)である。
また、変動パターンLに対して「20」〜「29」の10個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンLが選択される割合は7%(=7/100)である。また、変動パターンMに対して「30」〜「44」の15個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンMが選択される割合は15%(=15/100)である。また、変動パターンNに対して「45」〜「69」の25個の乱数値が割り当てられているため、変動パターンNが選択される割合は25%(=25/100)である。
このように、大当たり用変動パターン選択テーブルにおいては、各変動パターンが選択される割合の比較から明らかなように、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択され易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択され難いという傾向があると言える。また、各変動パターンに対応する演出に関しては、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出が選択され易く、ノーマルリーチ演出や増加リーチ演出が選択され難い傾向があると言える。
また、リーチ用変動パターン選択テーブルと大当たり用変動パターン選択テーブルとで比較した場合には、以下のことが言える。すなわち、「大当たり」の場合に参照される大当たり用変動パターン選択テーブルではSPSPリーチ演出やSPリーチ演出が選択され易く(図18(B)の変動パターンL〜N参照)、逆に、「リーチハズレ」の場合に参照されるリーチ用変動パターン選択テーブルではSPSPリーチ演出やSPリーチ演出が選択され難い(図18(A)の変動パターンE〜G参照)。このことから、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出が実行された場合には最終的に大当たりに繋がり易く、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いリーチ演出であると言える。
また、「大当たり」の場合に参照される大当たり用変動パターン選択テーブルでは増加リーチ演出やノーマルリーチ演出が選択され難く(図18(B)の変動パターンH〜K参照)、逆に、「リーチハズレ」の場合に参照されるリーチ用変動パターン選択テーブルでは増加リーチ演出やノーマルリーチ演出が選択され易い(図18(A)の変動パターンA〜D参照)。このことから、増加リーチ演出やノーマルリーチ演出が実行された場合には最終的に大当たりに繋がり難く、増加リーチ演出やノーマルリーチ演出は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いリーチ演出であると言える。言い換えれば、増加リーチ演出やノーマルリーチ演出は、SPSPリーチ演出やSPリーチ演出よりも大当たりに対する信頼度が低いリーチ演出であると言える。
なお、各リーチ演出を大当たりに対する信頼度が高いものから順に並べた場合、SPSPリーチ演出、SPリーチ演出、増加リーチ演出、ノーマルリーチ演出の順となる。
また、増加リーチ演出に関しては以下のことが言える。すなわち、図18(A)のリーチ用変動パターン選択テーブルから明らかなように、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合に選択される増加リーチ演出に関しては、1ラインの増加リーチ演出が最も選択され易く、次に選択され易いのが2ラインの増加リーチ演出であり、3ラインの増加リーチ演出は最も選択され難い。一方、図18(B)の大当たり用変動パターン選択テーブルから明らかなように、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合に選択される増加リーチ演出に関しては、3ラインの増加リーチ演出が最も選択され易く、次に選択され易いのが2ラインの増加リーチ演出であり、1ラインの増加リーチ演出は最も選択され難い。これらのことから、リーチ図柄および有効ラインの数が少ないほど大当たりに対する信頼度が低く、逆に、リーチ図柄および有効ラインの数が多いほど大当たりに対する信頼度が高いと言える。
(7図柄の信頼度について)
パチンコ遊技機1では、メインCPU101によって第1特別図柄判定が実行されると、その判定結果を示す情報が演出制御基板130に送信される。これに対して、演出制御基板130のサブCPU131は、装飾図柄の変動演出パターン及び各予告演出の予告演出パターンを設定して、その設定内容に応じた演出を画像音響制御基板140およびランプ制御基板150に実行させる。
このような処理の流れにおいて、サブCPU131は、装飾図柄の変動演出パターンを選択する変動演出パターン選択処理(図77〜79)において、リーチ図柄選択テーブルを参照してリーチを形成する装飾図柄であるリーチ図柄を選択する。
図19,20は、リーチ図柄を選択する処理に使用されるリーチ図柄選択テーブルの一例を示す図である。
図19は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合において最終リーチ図柄を決定するために参照されるハズレ用リーチ図柄選択テーブルを示す図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、例えば左図柄および右図柄として同一の装飾図柄が有効ライン上に揃った状態でリーチ演出が実行され、リーチ図柄と同じ装飾図柄を中列に停止させることによって「大当たり」が報知される一方で、リーチ図柄とは異なる装飾図柄を中列に停止させることによって「ハズレ」が報知される。上記の「最終リーチ図柄」とは、このように「大当たり」又は「ハズレ」が報知される直前で有効ライン上に表示されているリーチ図柄を意味する。
サブCPU131は、最終リーチ図柄を選択する際にリーチ図柄選択乱数を取得し、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合にはそのリーチ図柄選択乱数に対応する最終リーチ図柄をハズレ用リーチ図柄選択テーブルから読み出すことによって最終リーチ図柄を選択する。
図19に例示されるように、ハズレ用リーチ図柄選択テーブルでは、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される直前に行われる最終的なリーチ演出(図19中の最終リーチ演出)のそれぞれに関して、最終リーチ図柄と乱数値とが対応付けられている。ここで、最終的なリーチ演出とは、特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が本停止する直前に行われているリーチ演出のことである。例えば、リーチ成立後にSPリーチ演出が行われてからSPSPリーチ演出に発展し、このSPSPリーチ演出の終盤で当落が報知されるような場合には、SPSPリーチ演出が最終のリーチ演出に該当する。また、例えばリーチ成立後に増加リーチ演出のみが行われてこの増加リーチ演出の終盤で当落が報知されるような場合には、増加リーチ演出が最終のリーチ演出に該当する。なお、本実施形態では、リーチ図柄選択乱数の取り得る範囲が「0」〜「99」に設定されている。
図19に例示されるように、シングルラインリーチであるノーマルリーチ演出に関しては、3図柄および9図柄に対しては乱数値が割り当てられていない。これは、図21以降の図面に基づいて後に詳述するが、3図柄が擬似停止すると3図柄擬似連と呼ばれる擬似連続予告演出に発展する可能性があり(図28参照)、また、2つの9図柄が有効ライン上に擬似停止するとリーチ成立とはならずに9図柄ルーレット演出(図40参照)へと発展するためであり、本実施形態では、他のリーチ演出に関しても、3図柄または9図柄が最終リーチ図柄として表示された状態で最終リーチ演出が行われることがないような構成が採用されている。一方、1図柄に対して「0」〜「15」の16個の乱数値が割り当てられており、2図柄に対しては「16」〜「31」の16個の乱数値が割り当てられている。また、4図柄に対して「32」〜「49」の18個の乱数値が割り当てられており、5図柄に対しては「50」〜「65」の16個の乱数値が割り当てられている。また、6図柄に対して「66」〜「81」の16個の乱数値が割り当てられており、7図柄に対しては「82」〜「83」の2個の乱数値が割り当てられており、8図柄に対しては「84」〜「99」の16個の乱数値が割り当てられている。
このため、ノーマルリーチ演出に関しては3図柄および9図柄が最終的なリーチ図柄として選択されることはなく、1図柄、2図柄、5図柄、6図柄、又は8図柄が選択される割合は16%(=16/100)であり、4図柄が選択される割合は18%(=18/100)である。そして、7図柄が選択される割合は2%(=2/100)である。
増加リーチ演出のうちの3ラインリーチ演出に関しては、最終リーチ図柄が3図柄になる1図柄〜3図柄の組み合わせと、最終リーチ図柄が9図柄になる7図柄〜9図柄の組み合わせとに対しては、上述したノーマルリーチ演出と同様に、乱数値が割り当てられていない。一方、最終リーチ図柄が4図柄になる2図柄〜4図柄の組み合わせに対しては「0」〜「19」の20個の乱数値が割り当てられている。また、最終リーチ図柄が5図柄になる3図柄〜5図柄の組み合わせに対しては「20」〜「39」の20個の乱数値が割り当てられている。また、最終リーチ図柄が6図柄になる4図柄〜6図柄の組み合わせに対しては「40」〜「59」の20個の乱数値が割り当てられている。また、最終リーチ図柄が7図柄になる5図柄〜7図柄の組み合わせに対しては「60」〜「79」の20個の乱数値が割り当てられている。また、最終リーチ図柄が8図柄になる6図柄〜8図柄の組み合わせに対しては「80」〜「99」の20個の乱数値が割り当てられている。
このため、最終リーチ図柄が3図柄または9図柄になるリーチ図柄の組み合わせが選択されることがない一方で、最終リーチ図柄が4図柄〜8図柄のいずれかとなるリーチ図柄に組み合わせが選択される割合は、本実施形態では、いずれも20%(=20/100)である。
なお、上述したように、3ラインリーチ演出を行って「ハズレ」を報知する場合、まず2回の増加煽り演出が行われ、その後に必ず3回の図柄揃い煽り演出が行われて、3回目の図柄揃い煽り演出において「ハズレ」が報知される。このように、3ラインリーチ演出ではリーチ図柄が2つ増加するので、3ラインリーチ演出の最終リーチ図柄が決定されると、3ラインリーチ演出の2回の増加煽り演出でリーチ図柄をどのように増加させるかが選択される。例えば、3ラインリーチ演出の最終リーチ図柄が4図柄である場合、3つのリーチ図柄の組み合わせは、2図柄、3図柄、及び4図柄となる。この場合、有効ライン上に2図柄を表示した状態で1つ目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出が行われ、次に有効ライン上に3図柄を表示した状態で2つ目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出が行われ、最後に有効ライン上に4図柄を表示した状態で3つ目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出が行われ、この最終の図柄揃い煽り演出において4図柄とは異なる中図柄が有効ライン上に停止して「ハズレ」が報知されることになる。
上記の2図柄、3図柄、及び4図柄の組み合わせに対しては、以下のような複数の増加パターンでリーチ図柄を増加させることが可能である。1つ目の増加パターンは、ショートリーチ演出(ノーマルリーチ演出)の終盤で擬似停止していたリーチ図柄が2図柄である場合に、リーチ図柄として3図柄および4図柄が追加表示されるパターンである。2つ目の増加パターンは、ショートリーチ演出(ノーマルリーチ演出)の終盤で擬似停止していたリーチ図柄が3図柄である場合に、リーチ図柄として2図柄および4図柄が追加表示されるパターンである。3つ目の増加パターンは、ショートリーチ演出(ノーマルリーチ演出)の終盤で擬似停止していたリーチ図柄が4図柄である場合に、リーチ図柄として2図柄および3図柄が追加表示されるパターンである。このように、2図柄、3図柄、及び4図柄の3つのリーチ図柄を表示して3ラインリーチ演出を行う場合には、上記の3種類の増加パターンでリーチ図柄を増加させることが可能である。このため、最終リーチ図柄として4図柄が選択された場合、例えば乱数を用いた抽選を行って、上記3種類の増加パターンのいずれかを選択する。これにより、3ラインリーチ演出の2回の増加煽り演出の演出パターンが決定されることになる。
なお、上記の増加パターンの選択によって、ショートリーチ演出の終盤で擬似停止するリーチ図柄と、このリーチ図柄に対して追加表示される2つのリーチ図柄とが決定されることになる。このため、ショートリーチ演出から3ラインリーチ演出へと発展する場合に関しては、増加パターンを選択することによって、ショートリーチ演出中のリーチ図柄が必然的に決定されることになる。
また、ここでは、3ラインリーチ演出のリーチ図柄の増加パターンの決定方法について説明したが、2ラインリーチ演出に関しても、増加するリーチ図柄の数が異なるだけで、同様に増加パターンが選択される。
また、図19に例示されるように、シングルラインリーチであるSPSPリーチ演出に関しては、3図柄および9図柄に対しては乱数値が割り当てられていない。これについては、ノーマルリーチ演出等と同様である。一方、1図柄に対して「0」〜「13」の14個の乱数値が割り当てられており、2図柄に対しては「14」〜「29」の16個の乱数値が割り当てられている。また、4図柄に対して「30」〜「45」の16個の乱数値が割り当てられており、5図柄に対しては「46」〜「59」の14個の乱数値が割り当てられている。また、6図柄に対して「60」〜「75」の16個の乱数値が割り当てられており、7図柄に対しては「76」〜「85」の10個の乱数値が割り当てられており、8図柄に対しては「86」〜「99」の14個の乱数値が割り当てられている。
このため、SPSPリーチ演出に関しては3図柄および9図柄が最終的なリーチ図柄として選択されることはなく、1図柄、5図柄、又は8図柄が選択される割合は14%(=14/100)であり、2図柄、4図柄、又は6図柄が選択される割合は16%(=16/100)である。そして、7図柄が選択される割合は10%(=10/100)である。
図20は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合において最終リーチ図柄を決定するために参照される大当たり用リーチ図柄選択テーブルを示す図である。ここでの最終リーチ図柄は、「大当たり」を報知するために3つの装飾図柄が本停止する直前に有効ライン上に表示されているリーチ図柄を意味する。例えばSPSPリーチ演出の終盤で有効ライン上に2つの6図柄がリーチ図柄として表示された状態でSPSPリーチ演出が行われるような場合には、最終リーチ図柄は6図柄である。また、例えば3図柄、4図柄、及び5図柄の3種類のリーチ図柄が表示された状態で3ラインリーチ演出を実行し、1回目の図柄揃い煽り演出において3つの3図柄が有効ライン上に揃って「大当たり」が報知されるような場合、最終リーチ図柄は3図柄である。
サブCPU131は、最終リーチ図柄を選択する際にリーチ図柄選択乱数を取得し、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合にはそのリーチ図柄選択乱数に対応する最終リーチ図柄を大当たり用リーチ図柄選択テーブルから読み出すことによって最終リーチ図柄を選択する。
図20に例示されるように、大当たり用リーチ図柄選択テーブルでは、ハズレ用リーチ図柄選択テーブルと構成が一部同じであり、残りの部分で相違している。
シングルラインリーチであるノーマルリーチ演出に関しては、ハズレ用リーチ図柄選択テーブルと比較した場合、7図柄に割り当てられている乱数値が2つ増加すると共に4図柄に割り当てられている乱数値が2つ減少している。このため、7図柄が選択される割合が2%から4%に増加すると共に、4図柄が選択される割合が18%から16%に減少している。
一方の3ラインリーチ演出に関しては、最終リーチ図柄となり得る3図柄から8図柄のそれぞれに対して、本実施形態では、ハズレ用リーチ図柄選択テーブルと乱数値の割り当てが同じになっている。
なお、例えば最終リーチ演出として3ラインリーチ演出を行って「大当たり」を報知する場合、最終リーチ演出として3ラインリーチ演出を行って「ハズレ」を報知する場合とは3ラインリーチ演出の演出パターンの決定方法が異なる。このため、前者の3ラインリーチ演出の演出パターンの決定方法について、以下に説明する。
3ラインリーチ演出の終盤で「大当たり」を報知する場合、2回の増加煽り演出が行われて、リーチ図柄および有効ラインが3に増加する。このリーチ図柄および有効ラインの増加については、3ラインリーチ演出の終盤で「ハズレ」を報知する場合と同様である。
また、3ラインリーチ演出の終盤で「大当たり」を報知する場合、必ず3回の図柄揃い煽り演出が行われて、3回目の図柄揃い煽り演出において「ハズレ」が報知されることになる。これに対して、3ラインリーチ演出の終盤で「大当たり」を報知する場合に関しては、図柄揃い煽り演出を1回だけ行ってこの図柄揃い煽り演出において有効ライン上にリーチ図柄と同一の装飾図柄を停止させるパターンと、図柄揃い煽り演出を2回行って2回目の図柄揃い煽り演出において有効ライン上にリーチ図柄と同一の装飾図柄を停止させるパターンと、図柄揃い煽り演出を3回行って3回目の図柄揃い煽り演出において有効ライン上にリーチ図柄と同一の装飾図柄を停止させるパターンとの3つのパターンのいずれかを選択することが可能である。
具体的に説明すると、例えば3ラインリーチ演出に関して最終リーチ図柄として4図柄が選択された場合、図20に例示される3つのパターンのいずれかを選択可能である。1つ目のパターンは、2回の増加煽り演出を経て4図柄、5図柄、及び6図柄の3つのリーチ図柄が表示され、有効ライン上にリーチ図柄として4図柄を表示した状態で図柄揃い煽り演出を行い、この図柄揃い煽り演出において有効ライン上に中4図柄を停止させて「大当たり」を報知するパターンである。2つ目のパターンは、2回の増加煽り演出を経て3図柄、4図柄、及び5図柄の3つのリーチ図柄が表示され、有効ライン上にリーチ図柄として3図柄を表示した状態で1回目の図柄揃い煽り演出を行い、次に有効ライン上にリーチ図柄として4図柄を表示した状態で2回目の図柄揃い煽り演出を行い、この2回目の図柄揃い煽り演出において有効ライン上に中4図柄を停止させて「大当たり」を報知するパターンである。3つ目のパターンは、2回の増加煽り演出を経て2図柄、3図柄、及び4図柄の3つのリーチ図柄が表示され、有効ライン上にリーチ図柄として2図柄を表示した状態で1回目の図柄揃い煽り演出を行い、次に有効ライン上にリーチ図柄として3図柄を表示した状態で2回目の図柄揃い煽り演出を行い、最後に有効ライン上にリーチ図柄として4図柄を表示した状態で3回目の図柄揃い煽り演出を行って、この3回目の図柄揃い煽り演出において有効ライン上に中4図柄を停止させて「大当たり」を報知するパターンである。
このように、3ラインリーチ演出によって「ハズレ」を報知する場合には図柄揃い煽り演出のパターンが1種類しかないのに対して、3ラインリーチ演出によって「大当たり」を報知する場合には図柄揃い煽り演出のパターンが3種類存在する。このため、最終リーチ図柄が選択されると、3種類のパターンのうちのどのパターンで「大当たり」を報知するか、言い換えれば、何回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するかが選択される。この選択処理によって、3つのリーチ図柄の組み合わせと、何回目の図柄揃い煽り演出で「大当たり」を報知するか(すなわち、図柄揃い煽り演出を何回行うか)が決定されることになる。
なお、3ラインリーチ演出に関して、例えば、最終リーチ図柄が4図柄であって、3つのリーチ図柄の組み合わせとして3図柄、4図柄、及び5図柄が選択されたと仮定する。この場合、リーチ図柄の増加のさせ方として、ショートリーチ演出の終盤で3図柄が擬似停止した状態から4図柄および5図柄を追加表示するパターンと、ショートリーチ演出の終盤で4図柄が擬似停止した状態から3図柄および5図柄を追加表示するパターンと、ショートリーチ演出の終盤で5図柄が擬似停止した状態から3図柄および4図柄を追加表示するパターンとの3パターンを選択可能である。このようなリーチ図柄の増加に関しては、3ラインリーチ演出を行って「ハズレ」を報知する場合と同様であり、図19に基づいて上述したのと同様の要領で、ショートリーチ演出の終盤で擬似停止するリーチ図柄と、このリーチ図柄に対して追加される2つのリーチ図柄の組み合わせとが併せて決定されることになる。
ところで、図20に例示されるように、3ラインリーチに関しては、本実施形態では、3図柄および9図柄を除いて、最終リーチ図柄の選択割合が同じ割合に設定されている。また、最終リーチ図柄が選択されると、3つのリーチ図柄の組み合わせ、図柄揃い煽り演出を何回行うか、リーチ図柄の増加パターンやショートリーチ演出のリーチ図柄等が、乱数を用いた抽選により決定される。このことから、増加リーチ演出に関しては、3つのリーチ図柄がどの組み合わせになっても大当たりに対する信頼度が同じである、ということが言える。
一方のシングルラインリーチであるSPSPリーチ演出に関しては、ハズレ用リーチ図柄選択テーブルとは各リーチ図柄に対する乱数値の割り当てが一部(3図柄および9図柄)を除いて異なっている。具体的には、図20に例示されるように、1図柄に対して「0」〜「11」の12個の乱数値が割り当てられており、2図柄に対しては「12」〜「23」の12個の乱数値が割り当てられている。また、4図柄に対して「24」〜「35」の12個の乱数値が割り当てられており、5図柄に対しては「36」〜「47」の12個の乱数値が割り当てられている。また、6図柄に対して「48」〜「59」の12個の乱数値が割り当てられており、8図柄に対しては「90」〜「99」の10個の乱数値が割り当てられている。そして、7図柄に対しては「60」〜「89」の30個の乱数値が割り当てられている。
このため、SPSPリーチ演出に関しては3図柄および9図柄が最終的なリーチ図柄として選択されることはなく、1図柄、2図柄、4図柄、5図柄、又は6図柄が選択される割合は12%(=12/100)であり、8図柄が選択される割合は10%(=10/100)である。そして、7図柄が選択される割合は30%(=30/100)である。
このため、図19、及び図20に基づくここまでの説明から、以下のことが言える。すなわち、大当たりが報知されることになる可能性が相対的に低い場合、具体的には、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって、且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合(第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンが選択される場合)、リーチ図柄が7図柄とは異なる装飾図柄で構成された状態でノーマルリーチ演出が実行され易いと言える。このことは、図18(A)の変動パターンAに関する表記や、図19のノーマルリーチ演出に関する表記等から明らかである。
一方、大当たりが報知されることになる可能性が相対的に高い場合としては、主に以下の2つが挙げられる。1つ目は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合であり、2つ目は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であるものの第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合(第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンが選択される場合)である。
上記の1つ目の場合に関しては、まずはSPSPリーチ演出に着目した場合、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、リーチ図柄として7図柄が選択される割合が10%であるのに対して(図19参照)、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、リーチ図柄として7図柄が選択される割合が30%になっている。すなわち、同じようにSPSPリーチ演出が行われる場合であっても、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、「ハズレ」である場合に比べて、7図柄の選択割合が3倍に増加している。
また、上記の2つ目の場合に関しては、以下のことが言える。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合には、リーチ演出としてノーマルリーチ演出が選択され易い。このことは、図18(A)の表記から明らかである。このノーマルリーチ演出については、図19に示すように、リーチ図柄として7図柄が選択される割合は2%となっている。これに対して、同じように「ハズレ」であっても第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定された場合に行われるSPSPリーチ演出については、図19に示すように、リーチ図柄として7図柄が選択される割合が10%と高くなっている。そして、第1特別図柄の判定結果が「大当たり」であって且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に長い場合に選択され易いSPSPリーチ演出については、上述したように、リーチ図柄として7図柄が選択される割合が30%とかなり高くなっている。
以上のことから、「大当たり」を示す表示態様で装飾図柄が停止表示されることになる可能性が相対的に高い場合には、リーチ図柄が特定の装飾図柄(本実施形態では7図柄)で構成された状態でリーチ演出が実行され易いとうことが言える。
ただし、本実施形態においては、「大当たり」に対する信頼度が相対的に高い場合にリーチ図柄が7図柄で構成された状態でリーチ演出が実行され易いのは、シングルラインリーチであるノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、又はSPSPリーチ演出が行われる場合であって、リーチ図柄が複数の装飾図柄で構成され得る増加リーチ演出はこれに該当しない。
増加リーチ演出に関しては、図19、及び図20の表記から明らかなように、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合、「ハズレ」である場合に比べて、リーチ図柄が7図柄を含む割合が大幅に増加するようなことはない。すなわち、増加リーチ演出に関して言えば、大当たりに対する信頼度に応じてリーチ図柄および有効ラインの数が変化するのに対して、大当たりに対する信頼度に応じてリーチ図柄が7図柄を含む割合が変化することはない。
また、SPSPリーチ演出と増加リーチ演出とを比較した場合、以下のことが言える。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、増加リーチ演出がリーチ演出に選択される割合は、本実施形態では33%(=13+11+9)である(図18(A)参照)。また、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、増加リーチ演出がリーチ演出に選択される割合は、本実施形態では、18%(=4+6+8)である(図18(B)参照)。このように、増加リーチ演出は、「大当たり」である場合には選択され難く、逆に「ハズレ」である場合には選択され易いリーチ演出であることから、「大当たり」に対する信頼度が相対的に低いリーチ演出であることが明らかである。
なお、増加リーチ演出については、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かによってリーチ図柄に7図柄が含まれる割合が大幅に変化することがないため、リーチ図柄および有効ラインの数が増加するという特定の条件下であって、且つリーチ図柄が7図柄を含む状態で増加リーチ演出が行われたとしても、「大当たり」に対する信頼度は相対的に低いままである。すなわち、第2リーチ演出としての2ラインリーチ演出(又は3ラインリーチ演出)は、2本(又は3本)の表示ラインのうちの1の表示ラインに特定の装飾図柄(本実施形態では7図柄、但し他の装飾図柄であってもよい。)が表示された状態である第2演出態様のリーチ演出を実行可能であるが、この第2演出態様で2ラインリーチ演出(又は3ラインリーチ演出)が行われる場合であっても、「大当たり」に対する信頼度は相対的に低いままである。
一方、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合には、SPSPリーチ演出がリーチ演出に選択される割合は、本実施形態では8%(=5+3)程度である(図18(A)参照)。また、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である場合には、SPSPリーチ演出がリーチ演出に選択される割合は、本実施形態では、40%(=15+25)である(図18(B)参照)。このように、SPSPリーチ演出は、「大当たり」である場合には選択され易く、逆に「ハズレ」である場合には選択され難いリーチ演出であることから、「大当たり」に対する信頼度が相対的に高いリーチ演出であることが明らかである。
なお、このSPSPリーチ演出については、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合にはリーチ図柄が7図柄となる割合が10%ほどしかないものの(図19参照)、「大当たり」である場合にはリーチ図柄が7図柄となる割合が30%もある。このため、リーチ図柄が7図柄である状態でSPSPリーチ演出が行われた場合には、図柄変動終了時に大当たりを示す表示態様で装飾図柄が停止表示される可能性が極めて高いことが明らかである。すなわち、第1リーチ演出としてのSPSPリーチ演出は、1本(第1表示ライン数の一例)の表示ラインに特定の装飾図柄(本実施形態では7図柄、但し他の装飾図柄であってもよい。)が表示された状態である第1演出態様のリーチ演出を実行可能であるが、この第1演出態様でSPSPリーチ演出が行われる場合には、第1演出態様とは異なる演出態様(本実施形態ではリーチ図柄に7図柄が含まれていない態様)でSPSPリーチ演出が行われる場合に比べて、「大当たり」に対する信頼度が大幅にアップする。
以上のことから、リーチ図柄および有効ラインが増加し得ると共にリーチ図柄に7図柄が含まれる状態でリーチ演出(増加リーチ演出)が実行される場合の方が、リーチ図柄が7図柄で構成された状態でシングルラインリーチ(例えばSPSPリーチ演出)が実行される場合よりも、最終的に大当たりが報知される可能性が低いと言える。言い換えれば、表示ライン上に7図柄が表示された状態でSPSPリーチ演出を実行する場合の方が、表示ライン上に7図柄が表示された状態で増加リーチ演出(ここでは2ラインリーチ演出や3ラインリーチ演出)を実行する場合よりも、大当たり遊技が実行される可能性が高く設定されている。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、図6に基づいて上述した長開放当たりとなる場合には7図柄揃いで大当たりが報知されることがあるものの、短開放当たりとなる場合には7図柄揃いで大当たりが報知されることがないという構成が採用されている。すなわち、7図柄揃いにより長開放当たりとなったことが確定報知されるという構成が採用されている。
このため、長開放当たりに当選した場合には、図20に示す大当たり用リーチ図柄選択テーブルを参照してリーチ図柄が選択されるものの、短開放当たりに当選した場合には、ノーマルリーチ演出やSPリーチ演出、SPSPリーチ演出等のシングルラインリーチに関する7図柄の選択率が「0」に設定された他のテーブルを参照してリーチ図柄が選択される。
また、本実施形態では、特定の条件が、増加リーチ演出が行われることによってリーチ図柄および有効ラインが増加したことである場合について説明するが、特定の条件はこれに限定されるものではない。例えば、特定の条件はSPリーチ演出が行われることであってもよく、この場合、リーチ図柄が7図柄で構成された状態でSPリーチ演出が実行される場合の方が、リーチ図柄が7図柄で構成された状態でSPSPリーチ演出が実行される場合よりも、最終的に大当たりが報知される可能性が低いといった構成を採用することが考えられる。
[増加リーチ演出に関する変形例]
なお、増加リーチ演出は、以下の態様のものであってもよい。
すなわち、本実施形態では、2ラインリーチ演出や3ラインリーチ演出に関して、図柄揃い煽り演出が2回以上行われえるような構成が採用されている。これに対して、他の実施形態では、2ラインリーチ演出や3ラインリーチ演出に関して、図柄揃い煽り演出を1回だけ行って当落を報知するようにしてもよい。例えば、リーチ図柄として5図柄および6図柄が表示された状態で2ラインリーチ演出が行われる場合、図柄揃い煽り演出を1回だけ行い、例えば2つの5図柄を結ぶ直線と2つの6図柄を結ぶ直線とが交差する位置に5図柄又は6図柄が停止すれば「大当たり」、これらの図柄とは異なる装飾図柄が停止すれば「ハズレ」となるような構成を採用してもよい。すなわち、リーチ図柄の増加によって見た目の有効ラインが増えたように見せ掛けておいて、実際の有効ラインは増加しないといった構成を採用してもよい。
また、本実施形態では、2ラインリーチ演出(又は3ラインリーチ演出)に関して、2本(又は3本)の有効ラインが交差した状態で、各有効ラインに対する図柄揃い煽り演出を順番に行い得る構成について説明した。これに対して、他の実施形態では、液晶画面5の表示領域を複数の表示領域に区画し、各表示領域に各リーチ図柄および有効ラインを個別に表示するようにしてもよい。例えば2ラインリーチ演出を実行する場合、まず、液晶画面5の表示領域を2つの分割領域に区画し、1つ目の分割領域に1つ目のリーチ図柄および1本目の有効ラインを表示すると共に、2つ目の分割領域に2つ目のリーチ図柄および2本目の有効ラインを表示する。そして、先ずは1つ目の分割領域に表示されている1本目の有効ラインに対して、リーチ図柄と同じ装飾図柄が停止することに対する遊技者の期待感を煽る図柄揃い煽り演出が行われる。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」であると判定されている場合、この図柄揃い煽り演出の結果としてリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上に停止して、「大当たり」が報知される場合がある。一方、1本目の有効ラインに対する図柄揃い煽り演出の結果としてリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上に停止しなかった場合、2つ目の分割領域に表示されている2本目の有効ラインに対して、同様の図柄揃い煽り演出が行われる。ここで、図柄変動開始時に「大当たり」であると判定されている場合には、この2回目の図柄揃い煽り演出の結果としてリーチ図柄と同じ装飾図柄が有効ライン上に停止して、「大当たり」が報知されることになる。これに対して、図柄変動開始時に「ハズレ」と判定されている場合には、この2回目の図柄揃い煽り演出の結果としてリーチ図柄とは異なる装飾図柄が有効ライン上に停止して、「ハズレ」が報知されることになる。
一方、3ラインリーチ演出を行う場合には、液晶画面5の表示領域が3つの分割領域に区画されて、各分割領域の全て或いは一部に対して、上述した2ラインリーチ演出と同様の図柄揃い煽り演出が行われることになる。
なお、増加リーチ演出のリーチ図柄数および有効ライン数の上限は「3」に限定されるものではなく、「4」以上であってもよいことは言うまでもない。例えば6ラインリーチ演出を行う場合には、液晶画面5の表示領域が6つの分割領域に区画されて、各分割領域の全部或いは一部に対する図柄揃い煽り演出が行われることになる。
また、パチンコ遊技機1が複数の表示画面を有する場合、各画面にリーチ図柄および有効ラインを個別に表示するようにしてもよい。例えば、液晶画面5に対して、この液晶画面5よりも小さい第1サブ画面および第2サブ画面を設け、例えば3図柄に対して4図柄および5図柄を追加表示して3ラインリーチ演出を行うような場合に、例えば液晶画面5に2つの3図柄とこれらの3図柄によって規定される有効ラインとを表示し、第1サブ画面に2つの4図柄とこれらの4図柄によって規定される有効ラインとを追加表示し、更に、第2サブ画面に2つの5図柄とこれらの5図柄によって規定される有効ラインとを追加表示するといった構成が一例として挙げられる。
[各装飾図柄に関する特徴]
以下、図21を参照しつつ、各装飾図柄の特徴について説明する。ここで、図21は、装飾図柄について説明するための一覧表である。
上述したように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が横方向に3列表示されており、第1特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が上から下へのスクロールするように変動表示される。このため、液晶画面5画面には、左列、中列、及び右列のそれぞれにおいて、1図柄、2図柄、3図柄、4図柄、5図柄、6図柄、7図柄、8図柄、及び9図柄の順で、液晶画面に出現することになる。これらの装飾図柄には3図柄や7図柄の他に、これらの装飾図柄よりも数が多い第2装飾図柄としての1図柄、2図柄、4図柄〜6図柄、8図柄、及び9図柄が含まれており、上記の1図柄から9図柄の順番で表示されるように変動表示された後、これらの装飾図柄のいずれかが液晶画面5に停止表示される。後述するが、本実施形態では、3図柄および7図柄は所定のエンブレムを背負った状態で表示される一方で、残りの装飾図柄はそのようなエンブレムを背負っていない状態で表示される。このため、3図柄や7図柄と他の装飾図柄との識別は容易である。
なお、装飾図柄が高速でスクロールされている状態においてはこれらの装飾図柄を明確に視認することは困難であるが、各列の装飾図柄のスクロール速度が徐々に低下していくことによって、これらの装飾図柄が順にスクロールしていく様子を容易に視認できるようになり、また、3図柄や7図柄と他の装飾図柄との識別も容易になる。
図21には、左列、中列、及び右列のいずれの列にも表示され得る1図柄から9図柄までの9つの装飾図柄が示されているが、これら9つの装飾図柄が、通常は、それぞれ図中の通常表示態様で表示される。このことは、上述した図9〜図13、図15〜図17の表記等からも明らかである。
これに対して、9つの装飾図柄は、第1特別図柄の変動表示中において、それぞれ、第1表示態様および第2表示態様の両方、或いはいずれか一方に変化し得るように構成されている。本実施形態においては、1図柄、3図柄、5図柄、7図柄、及び9図柄の奇数図柄は、それぞれが対応する第1表示態様の装飾図柄に変化することが可能であり、また、それぞれが対応する第2表示態様の装飾図柄に変化することが可能である。一方、2図柄、4図柄、6図柄、及び8図柄の偶数図柄は、それぞれが対応する第1表示態様の装飾図柄に変化することが可能であるが、第2表示態様の装飾図柄に変化することがない点において、奇数図柄と相違する。
また、後に詳述するが、各偶数図柄は、第2表示態様の装飾図柄に変化することはないが、第1特別図柄の変動表示中において、図22に例示される特殊図柄に変化することが可能である。これに対して、上記の各奇数図柄は、これらの特殊図柄に変化することはないという点においても、偶数図柄と相違する。
なお、本実施形態においては、1図柄から9図柄のそれぞれが第1表示態様に変化した装飾図柄がロボットを模した装飾図柄であり、また、それぞれの奇数図柄が第2表示態様に変化した装飾図柄が車を模した装飾図柄である場合を例に説明する。このため、以下の説明においては、第1表示態様に変化した装飾図柄を「ロボ図柄」と呼び、第2表示態様に変化した装飾図柄を「車図柄」と呼ぶことがある。また、通常表示態様の装飾図柄については、例えば「1図柄」や「2図柄」というように、数値と図柄という文字とを組み合わせた名称で呼ぶものとする。また、本実施形態では、ロボ図柄に変形した奇数図柄とロボ図柄に変形した偶数図柄とがバトルを行う演出が行われる場合がある(例えば図24参照)。このため、以下の説明では、ロボ図柄に変形した奇数図柄を「味方図柄」と呼び、ロボ図柄に変形した偶数図柄を「敵図柄」と呼ぶ場合がある。
また、図21の表記から明らかなように、第1表示態様の各ロボ図柄と、第2表示態様の各車図柄には、対応する通常表示態様の装飾図柄が示す数字がどの数字であるかを容易に認識し、且つ他の装飾図柄と容易に識別できるように、それぞれ数字が付してあるが、ロボ図柄や車図柄は、このような数字が付されていないものであってもよい。
以下、1図柄から9図柄のうちの各奇数図柄の特徴について説明する。
(1図柄について)
まず、1図柄は、通常表示態様では黄緑色をしており、他の通常表示態様の装飾図柄とは色が異なっている。このため、遊技者は、1図柄が示す数字およびその色に基づいて、1図柄を他の装飾図柄と容易に識別することが可能である。また、1図柄は、特徴的な色が付されていない偶数図柄よりも視認性が高く、また、特徴的な色が付されていると共に所定のエンブレムを背負った状態で表示される3図柄や7図柄よりも視認性が低い。このため、1図柄の視認性は中程度であると言える。
また、1図柄が画面上に擬似停止する際には、通常停止音が出力される。この通常停止音は、本実施形態では3種類用意されている。すなわち、1つ目の通常停止音は、装飾図柄が左列に擬似停止する際にスピーカ24から出力される左列専用停止音である。2つ目の通常停止音は、装飾図柄が中列に擬似停止する際にスピーカ24から出力される中列専用停止音である。3つ目の通常停止音は、装飾図柄が右列に擬似停止する際にスピーカ24から出力される右列専用停止音である。このように、本実施形態では互いに異なる3種類の通常停止音が用意されており、1図柄が左列に擬似停止する際には左列専用停止音が出力され、1図柄が中列に擬似停止する際には中列専用停止音が出力され、1図柄が右列に擬似停止する際には右列専用停止音が出力される。
なお、装飾図柄が擬似停止する際に通常停止音が出力されるのは1図柄だけではなく、2図柄から9図柄のうちの3図柄および7図柄を除く装飾図柄についても、1図柄と同様に通常停止音が出力される。ただし、他の実施形態においては、通常停止音は1種類であってもよい。すなわち、3図柄および7図柄以外の装飾図柄が擬似停止する際の停止音は、これらの装飾図柄がどの列に擬似停止する場合にも同じであってもよい。
1図柄の特徴に説明を戻すと、1図柄は、第1表示態様のロボ1図柄に変形可能であり、また、第2表示態様の車1図柄にも変形可能である。ロボ1図柄は、保留領域51に表示される保留アイコンの表示態様を変化させたり、或いは当該領域52に表示される当該アイコンの表示態様を変化させたりするアイコン変化演出の実行を事前に示唆する機能を有している(図23(F)〜(H)参照)。また、本実施形態では、図23〜図27の表記から明らかなように、各アイコン変化演出にロボ1図柄が使用される。このため、本実施形態では、ロボ1図柄は、アイコン変化演出の実行を事前に示唆する機能と、アイコン変化演出を行う機能とを併せ持っていると言える。
ここで、アイコン変化演出について説明する。本実施形態におけるアイコン変化演出は、保留アイコン(又は当該アイコン)の表示色を変化させる演出である。保留アイコンは、通常は白色の保留アイコンとして表示される。これに対して、アイコン変化演出が行われた場合、青色、黄色、緑色、赤色、金色、虹色といった白色とは異なる色に変化する場合がある。なお、ここで例示した白色以外の色は、大当たりに対する信頼度が低いものから順に並んでいる。虹色は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合にのみ選択され得る色である。金色や赤色は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合や、「ハズレ」となるものの第1特別図柄の変動時間が相対的に長い時間に設定される場合に選択され易い色である。また、緑色は、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」となる場合の一部や、この判定結果が「ハズレ」となるものの第1特別図柄の変動時間が中程度の時間に設定される場合に選択され易い色である。また、青色や黄色は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である場合や、「ハズレ」であって且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い時間に設定される場合に選択され易い色である。ここでは、保留アイコンを例に挙げてその表示色について説明したが、保留アイコンが当該領域52に移動したアイコンである当該アイコンの色についても同様である。
一方の車1図柄は、擬似連続予告演出の実行を事前に示唆する機能を有している(図55(D)〜(F)参照)。ここで、擬似連続予告演出は、特別図柄の1回の変動表示中に、装飾図柄が複数回変動表示されたように見せ掛ける演出である。この擬似連続予告演出は、3列の装飾図柄を変動時間よりも短い時間だけ変動表示させる短変動表示と、3列の装飾図柄の擬似停止とを交互に繰り返すことによって実現される。例えば、最初の短変動表示(擬似1連目)が終了して3列の装飾図柄が一旦擬似停止し、その後に再び短変動表示が開始されると擬似2連目に突入する。そして、この擬似2連目の短変動表示が終了して3列の装飾図柄が擬似停止し、その後に再び短変動表示が開始されると擬似3連目に突入する。なお、ここでは、擬似3連目まで発展する場合の概要について説明したが、擬似連続予告演出は、擬似2連目までしか発展しない場合もあるし、また、擬似4連目まで発展する場合もある。擬似連続予告演出は、主にリーチ成立前に行われるがリーチ成立後に行われる場合もある。
また、本実施形態では、図55(E)〜(F)から明らかなように、擬似連続予告演出に車1図柄等の車図柄が使用される(図48(H)及び(I)も参照)。このため、本実施形態では、車1図柄は、擬似連続予告演出の実行を事前に示唆する機能と、擬似連続予告演出を行う機能とを併せ持っていると言える。なお、1図柄が車1図柄に変形して擬似連続予告演出に発展するのは、本実施形態では、ノーマルリーチハズレ後に限定されている。このため、1図柄の車1図柄への変形から擬似連続予告演出に発展するパターンの出現率は、他のパターンで擬似連続予告演出に発展する場合に比べて低いと言える。
また、詳細な説明は省略するが、本実施形態では、車図柄に変形した奇数図柄のうち、擬似連続予告演出に関して、車5図柄および車9図柄が車1図柄と同様の機能(擬似連続予告演出の実行を示唆する機能と、擬似連続予告演出をを実行する機能)を有しているが、車3図柄および車7図柄にはこの同様の機能はない。これは、3図柄および7図柄に関して、これらの車図柄ではなく、ロボ3図柄およびロボ7図柄が擬似連続予告演出の実行を示唆したり、擬似連続予告演出を行ったりする機能を有しているためである。
(3図柄について)
3図柄は、第1表示態様の通常表示態様では黄色をしており、他の通常表示態様の装飾図柄とは色が異なっている。このため、遊技者は、3図柄が示す数字およびその色に基づいて、3図柄を他の装飾図柄と容易に識別することが可能である。また、3図柄は、特徴的な色が付されているという点では1図柄などと同じであるが、所定のエンブレムを背負っている点が1図柄と相違する。このため、3図柄の視認性は高いと言える。
また、3図柄が画面上に擬似停止する際には、特別停止音が出力される。この特別停止音は、上述した左列専用停止音、中列専用停止音、及び右列専用停止音の3種類の通常停止音のいずれとも相違する停止音であり、本実施形態では、通常停止音よりも遊技者が認識し易い特徴的な停止音(例えば通常停止音よりも高音の音)である。この3図柄が擬似停止する際には、3列のうちのどの列に停止するかに関わらず、通常停止音ではなく特別停止音が出力される。なお、このように3図柄が擬似停止する際に特別停止音が出力されるのは、ロボ3図柄や車3図柄によって示唆される演出が大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する演出であり、3図柄の出現によってチャンスが到来したかもしれないといった印象を遊技者に与えるためである。このことは、7図柄についても同様である。本実施形態では、3図柄や7図柄が擬似停止すると、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示す高信頼度示唆演出が必ず実行される(或いは高信頼度示唆演出に必ず発展する)。このため、3図柄や7図柄を擬似停止させると共に特別停止音を出力することによって、高信頼度示唆演出が行われることを効果的に示唆することができる。
なお、本実施形態では、3図柄や7図柄の特別停止音を遊技者が認識し易くするために、通常停止音よりも高音の音を特別停止音として出力する構成が採用されている。これに対して、他の実施形態では、特別停止音を通常停止音よりも認識し易くするために、特別停止音を通常停止音よりも大きい音量で出力する構成を採用してもよい。また、ここで説明した2つの構成を一緒に採用してもよい。すなわち、通常停止音よりも高音で且つ大音量の演出音を特別停止音として出力するようにしてもよい。
3図柄は、第1表示態様のロボ3図柄に変形可能であり、また、第2表示態様の車3図柄にも変形可能である。ロボ3図柄は、上述した擬似連続予告演出の実行を事前に示唆する機能と、擬似連続予告演出を実行する機能とを併せ持っている(図28〜図31参照)。なお、本実施形態では、3図柄が車図柄に変形すれば必ず擬似連続予告演出に発展するという構成が採用されている。これに対して、上述した車1図柄、車5図柄、及び車9図柄については、車図柄への変形に成功したからといって必ず擬似連続予告演出に発展する訳ではなく、車図柄に変形したとしても擬似連続予告演出に発展しないガセ演出パターンが存在する。このため、仮に1図柄、5図柄、9図柄が画面上に擬似停止したとしても、必ずしもチャンスが到来したとは言えない。これに対して、3図柄からロボ3図柄への変形が成功すると大当たりに繋がり易い擬似連続予告演出が必ず発生するので、ロボ3図柄の出現自体が所謂アツい演出であると言える。ロボ3図柄に変形する前の3図柄に関して、その視認性が高く設定されていると共に擬似停止の際に特別停止音が出力される一番の理由がこれである。
一方の車3図柄は、他の車図柄と協働して特定の演出の実行を示唆する機能を有している。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、SPSPリーチ演出の実行に先立って、SPSPリーチ演出に発展することに対する遊技者の期待感を煽るSPSPリーチ発展煽り演出が行われるが、左列、中列、及び右列の全てに車図柄が擬似停止すると、このSPSPリーチ発展煽り演出が開始される(図45(E)〜(I)参照)。このため、車3図柄は、他の車図柄と協働してSPSPリーチ発展煽り演出の実行を事前に示唆する機能を有していると言える。このことは、他の車図柄についても同様である。
(5図柄について)
5図柄は、第1表示態様の通常表示態様では青色をしており、他の通常表示態様の装飾図柄とは色が異なっている。このため、遊技者は、5図柄が示す数字およびその色に基づいて、5図柄を他の装飾図柄と容易に識別することが可能である。また、5図柄は、特徴的な色が付されているという点では1図柄などと同じであるが、所定のエンブレムを背負っていない点で3図柄や7図柄と相違する。このため、5図柄の視認性は中程度であると言える。この5図柄が擬似停止する際には、1図柄と同様に、停止位置に応じた通常停止音が出力される。
5図柄は、第1表示態様のロボ5図柄に変形可能であり、また、第2表示態様の車5図柄にも変形可能である。ロボ5図柄は、その後の発展先を示唆する機能を有している。後に詳述するが、5図柄が左列または右列に擬似停止してロボ5図柄に変形すると、そのロボ5図柄が左列、右列、及び中列にそれぞれパンチを加えて、その3回のパンチに応じてこれら3列に停止された演出画像によってその後の発展先が示唆される(図32〜図34参照)。
一方の車5図柄は、他の2つの車図柄と協働してSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆するという点において、他の車図柄と同様の機能を有している。
(7図柄について)
7図柄は、第1表示態様の通常表示態様では赤色をしており、他の通常表示態様の装飾図柄とは色が異なっている。また、7図柄は3図柄と同様に所定のエンブレムを背負っており、3図柄と同様に、その視認性が高いと言える。また、7図柄が画面上に停止した際には特別停止音が出力されるが、この特別停止音は、3図柄が画面上に擬似停止した場合と同様に出力される。
7図柄は、第1表示態様のロボ7図柄に変形可能であり、また、第2表示態様の車7図柄にも変形可能である。ロボ7図柄は、擬似連続予告演出の実行を事前に示唆する機能と、擬似連続予告演出を行う機能とを併せ持っている点でロボ3図柄と共通するが、擬似連続予告演出が擬似3連目或いは擬似4連目まで発展する場合にしか出現しないという点においてロボ3図柄と相違する。すなわち、図柄変動開始後の最初の擬似停止の際にロボ3図柄が出現した場合には、擬似連続予告演出が擬似2連目までしか発展しない場合もあるし、擬似3連目や擬似4連目に発展する場合もある。これに対して、最初の擬似停止の際にロボ7図柄が出現した場合には、擬似連続予告演出が2連目で終了することはなく、擬似3連目か或いは擬似4連目まで必ず発展することになる(図35,36参照)。このため、ロボ7図柄の出現自体が、ロボ3図柄の出現よりもアツい演出であると言える。ロボ7図柄に変形する前の7図柄に関して、その視認性が高く設定されていると共に擬似停止の際に特別停止音が出力される一番の理由がこれである。
一方の車7図柄は、他の車図柄と協働してSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆するという点では、他の車図柄と同じである。なお、本実施形態では、7図柄が右列に擬似停止してから車7図柄に変形すると、所謂ゾーンと呼ばれる高信頼度の特殊演出モードに移行することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出に発展するが(図37〜図39)、この煽り演出の後に特殊演出モードに移行するか否かに関わらず、車7図柄への変形に成功すれば、必ずSPSPリーチ演出に発展することになる。このため、車7図柄の出現自体も、ロボ7図柄の出現と同様に、アツい演出であると言える。
なお、7図柄でリーチが成立した状態でリーチ演出が行われる場合には、他の装飾図柄でリーチが成立した状態でリーチ演出が行われるよりも大当たりに対する信頼度が相対的に高くなる。また、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す第1特別図柄が停止表示されるのに伴って3つの7図柄が停止表示された場合、すなわち7図柄揃いとなった場合、他の装飾図柄が3つ揃った場合に比べて、大当たり遊技中に行われる長開放ラウンド遊技のラウンド数が多い。このため、第1特別図柄判定に係る「大当たり」に対して7図柄揃いになると、他の装飾図柄が3つ揃う場合に比べて、大当たり遊技中に遊技者が獲得できる賞球がより多くなる。なお、第2特別図柄判定に係る「大当たり」に対して7図柄揃いとなった場合には、パチンコ遊技機1において行われる大当たり遊技中の長開放ラウンド遊技の数が最大となるため、最大獲得数の賞球を得ることが可能である。
また、第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであることを示す第1特別図柄が停止表示されるのに伴って7図柄揃いとなった場合、大当たり遊技中において、図5(C)に例示されるようにV領域195への遊技球の進入が容易な動作態様で第1羽根部材191および第2羽根部材192を動作させる第2第入賞口19の長開放ラウンド遊技が必ず行われることになる。これに対して、この長開放ラウンド遊技中に遊技者が打ち出した遊技球がV入賞した場合には、大当たり遊技の終了後に確変遊技状態で遊技が制御されることになる。一方、「大当たり」であることを示す第1特別図柄が停止表示されるのに伴って7図柄以外の3つの同じ装飾図柄が停止表示された場合には、上記長開放ラウンド遊技が行わることもあるが、V領域195への遊技球の進入が困難な動作態様で第1羽根部材191および第2羽根部材192を動作させる短開放ラウンド遊技が行われることもある。
このように、7図柄揃いで大当たりとなった場合には遊技者に最も有利な状態となるため、本実施形態における7図柄は、他の装飾図柄に比べて遊技者にとってより有利な状態になり易いことを示唆する、特別な装飾図柄であると言える。
なお、ここでは、7図柄揃いとなって大当たり遊技が実行される場合には大当たり遊技中に第2第入賞口19の長開放ラウンド遊技が必ず行われる場合について説明したが、3図柄揃いについてもこれと同じ構成を採用してもよい。
(9図柄について)
9図柄は、第1表示態様の通常表示態様では朱色をしており、他の通常表示態様の装飾図柄とは色が異なっている。このため、遊技者は、9図柄が示す数字およびその色に基づいて、9図柄を他の装飾図柄と容易に識別することが可能である。また、9図柄は、特徴的な色が付されているという点では1図柄などと同じであるが、所定のエンブレムを背負っていない点で3図柄や7図柄と相違する。このため、9図柄の視認性は中程度であると言える。なお、この9図柄が擬似停止する際には、1図柄などと同様に、停止位置に応じた通常停止音が出力される。
9図柄は、第1表示態様のロボ9図柄に変形可能であり、また、第2表示態様の車9図柄にも変形可能である。ロボ9図柄は、所定のルーレット演出の実行を示唆する機能を有している。本実施形態では、3列のうちの2列に9図柄が擬似停止するとこれら2つの9図柄がロボ9図柄に変形する。そして、所定のルーレット演出が行われてその後の展開が示唆される(図40,41参照)。すなわち、ロボ9図柄は、同じロボ9図柄と協働してルーレット演出の実行を示唆すると共に、そのルーレット演出を実行して後の展開を示唆する機能を有している。なお、このルーレット演出によって、例えば、擬似連続予告演出への発展、特殊演出モードへの移行、大当たりに対する信頼度、アイコン変化演出への発展、所定のリーチ演出への発展等が示唆される。
なお、本実施形態では、3列のうちの2列に9図柄が擬似停止すると上記のルーレット演出に必ず発展するため、例えば左列に9図柄が擬似停止すると共に右列に同じ9図柄が擬似停止してもリーチ成立とはならず、上記のルーレット演出に発展する。本実施形態では、図19および図20に基づいて上述したリーチ図柄選択テーブルにおける9図柄の選択率を予め「0」に設定しておくことによって、9図柄でリーチが成立しない構成が実現されている。
一方の車9図柄は、他の車図柄と協働してSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆するという点では、他の車図柄と同じである。また、車1図柄や車5図柄と同様に、擬似連続予告演出の実行を事前に示唆する機能を有している。
(偶数図柄について)
2図柄、4図柄、6図柄、及び8図柄の各偶数図柄は、いずれも灰色で表示され、また、3図柄や7図柄のように所定のエンブレムを背負った状態で表示されることもない。このため、こられの偶数図柄の視認性は、他の装飾図柄に比べて低いと言える。また、これらの偶数図柄が擬似停止する際には、停止する列に応じた通常停止音が出力される。この通常停止音の出力については、3図柄および7図柄を除く奇数図柄と同様である。
各奇数図柄は、第1表示態様のロボ図柄に変形可能である一方で、第2表示態様の車図柄には変形できない構成が採用されている。偶数のロボ図柄は、単独では何ら機能を果たさないものの、他の装飾図柄と協働することによって所定の機能を果たすように構成されている。
例えば左列に1図柄が擬似停止すると共に右列に2図柄が擬似停止し、1図柄がロボ1図柄に変形すると共に2図柄がロボ2図柄に変形した場合、押合いアイコン変化演出が行われる(図24〜図27参照)。具体的には、所定色のオーラをまとったロボ1図柄と、ロボ2図柄とが押し合う演出表示が行われ、ロボ1図柄(味方図柄)が押し勝てば当該アイコン(又は保留アイコン)の表示態様が変化するアイコン変化演出が行われ、逆にロボ2図柄(敵図柄)が押し勝てば当該アイコン(又は保留アイコン)の表示態様が維持される。このように、ロボ2図柄は、ロボ1図柄と協働して押合いアイコン変化演出の実行を示唆する機能と、その押合いアイコン変化演出を実行する機能とを併せ持っている。
また、3列とも偶数図柄が擬似停止して、これら3つの偶数図柄が全てロボ図柄に変形することができれば、特殊演出モードへの移行が報知される。すなわち、3つの偶数図柄がロボ図柄に変形して協働することにより、特殊演出モードへの移行が示唆される(図43参照)。
なお、本実施形態では奇数図柄がロボ図柄および車図柄の両方に変形可能であり、偶数図柄がロボ図柄のみに変形可能である場合について説明するが、他の実施形態では、奇数図柄ではなく偶数図柄がロボ図柄および車図柄の両方に変形可能な構成を採用してもよい。また、奇数図柄および偶数図柄の両方がロボ図柄および車図柄の両方に変形可能な構成を採用してもよい。
また、本実施形態では各装飾図柄の形が変化する場合を例に説明するが、他の実施形態では、各装飾図柄の形を変化させずに色や大きさを変化させるといった構成を採用してもよい。また、各装飾図柄の色を変化させると共に色や大きさも併せて変化させるといった構成を採用してもよい。
図22は、特殊図柄について説明するための一覧表である。上述した奇数図柄は図22に例示される特殊図柄に変形できないのに対して、上述した各奇数図柄は、車図柄に加えて特殊図柄にも変形可能である。
図22に示す部分図柄は、左列に表示される「N」の文字が描かれた左パネルと、中列に表示される「ES」の文字が描かれた中パネルと、右列に表示される「T」の文字が描かれた右パネルとから構成されている。第1特別図柄の変動表示中において、左列に擬似停止した偶数図柄が左パネルに変化し、右列に擬似停止した偶数図柄が右パネルに変化し、中列に擬似停止した偶数図柄が中パネルに変化すると、所定の表示オブジェクト(ここでは「NEST」と書かれた1枚のプレート)が形成される。このようにして所定の表示オブジェクトが形成されると、特定のリーチ演出に発展することになる(図49(H)及び(I)参照)。このように、各偶数図柄は、所定の表示オブジェクトを形成することによって、特定のリーチ演出への発展を示唆する機能を有している。
なお、図22に例示される左パネル、中パネル、及び右パネルは、それぞれ偶数図柄の変形により出現するものであるが、ロボ5図柄が各列にパンチを加える演出によって出現する場合もある。
また、図22に例示される「転送」の文字が描かれた発展示唆図柄は、各偶数図柄の変形により出現する可能性がある(図42(H)参照)。この発展先示唆図柄は、偶数図柄の変形により出現する場合があり、3列に揃って表示されることによって、例えばノーマルリーチ演出やSPリーチ演出を介さずにSPSPリーチ演出への直接の発展を示唆する機能を有している。なお、上記3つの発展先示唆図柄は、ロボ5図柄が各列にパンチを加える演出によって出現する場合もある。
このように、本実施形態では、第1表示態様の装飾図柄がロボ図柄であり、第2表示態様の装飾図柄が車図柄である場合について説明するが、これらの装飾図柄は、第1表示態様と第2表示態様とを遊技者が容易に識別することが可能であれば、他の装飾図柄であってもよい。例えば、第1表示態様の装飾図柄が動物を模した装飾図柄であり、第2表示態様の装飾図柄が植物を模した装飾図柄であってもよい。
[1図柄アイコン変化演出]
図23は、1図柄アイコン変化演出の具体例を示す画面図である。図23(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図23(B)参照)。
このようにして図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えば右列に1図柄が擬似停止する(図23(C)参照)。そして、この1図柄は、ロボ1図柄に変形しようとする所定の変形アクションを行う(図23(D)参照)。ここで、ロボ1図柄への変形に失敗した場合、図には示されていないが、変形アクションを行っていた1図柄が元の1図柄に戻って停止したり、或いは、1コマ進んだ2図柄が停止したりすることになる。
一方、1図柄が変形アクションを行ってロボ1図柄への変形に成功すると、変形したロボ1図柄が右列から左列へと飛び出すように移動する(図23(D)参照)。これに伴い、1図柄が元々位置していた列(ここでは右列)の装飾図柄が再始動する。
左列に飛び出したロボ1図柄は、当該領域52から保留領域51の全体に亘ってビームを照射するように攻撃を加える(図23(F)及び(G)参照)。その結果、図23(G)に例示されるように当該領域52に表示されている当該アイコンの表示態様が変化する場合があるし、また、図23(H)に例示されるように保留領域51に表示されている保留アイコンの表示態様が変化する場合もある。
このように、ロボ1図柄が当該アイコン又は保留アイコンを変化させるアイコン変化演出が行われると、そのロボ1図柄が液晶画面5から退去して、その後の演出が展開されていくことになる(図23(I)参照)。
なお、当該アイコンの表示態様が変化した場合には現在行われている図柄変動(当該変動)が大当たりのチャンスとなり、保留アイコンの表示態様が変化した場合にはその変化した保留アイコンに対応する図柄変動が大当たりのチャンスとなる。
このように、ロボ1図柄は、単独で、アイコン変化演出の実行を事前に示唆すると共に、当該アイコン又は保留アイコンの表示態様を変化させるアイコン変化演出を実行する機能を備えている。
なお、図23では、当該アイコン又は保留アイコンの表示態様(例えば表示色)が変化する様子が表されているが、ロボ1図柄がビーム照射による攻撃を加えたとしても、当該アイコンや保留アイコンの表示態様が変化しないガセ演出パターンの演出も存在する。
また、図23には、ロボ1図柄による1回の攻撃により、当該アイコン及び2つの保留アイコンのうちのいずれか1つのアイコンの表示態様が変化する様子が例示されているが、1回の攻撃により複数のアイコンの表示態様が変化するような演出表示を行ってもよい。
[当該アイコンに対する押合いアイコン変化演出]
図24,25は、当該アイコンに対する押合いアイコン変化演出の具体例を示す画面図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、左列に1図柄が擬似停止すると共に右列に2図柄が擬似停止し、これらの図柄がいずれもロボ図柄に変形することができれば、当該アイコンに対する押合いアイコン変化演出に発展する。
図24(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図24(B)参照)。
このようにして図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えば左列に1図柄が擬似停止し(図24(C)参照)、続いて右列に2図柄が擬似停止する(図24(D)参照)。そして、これらの1図柄および2図柄が同時に(或いは擬似停止した順に)それぞれが対応するロボ図柄に変形しようとする変形アクションが行われる(図24(E)参照)。
なお図には示されていないが、本実施形態では、1図柄および2図柄の両方、或いはいずれか一方がロボ図柄に変形できずに、押合いアイコン変化演出に発展しないガセ演出パターンも用意されている。
ここで、変形アクションによって2つの装飾図柄のロボ図柄への変形が成功すると、ロボ1図柄(味方図柄)は、アイコン(ここでは当該アイコン)が変化する可能性がある色と同じ色のオーラ(エフェクト画像)を纏った状態で画面左側に表示されると共に、画面右側にロボ2図柄(敵図柄)が表示される(図24(F)参照)。なお、本実施形態では、当該アイコンや保留アイコンの表示色は、白色、青色、黄色、緑色、赤色、金色、又は虹色である。このため、例えば白色の当該アイコンが表示されている場合、1図柄は、青色、黄色、緑色、赤色、金色、及び虹色のいずれかの色のオーラを纏った状態で表示される。
このようにしてロボ1図柄およびロボ2図柄が対峙するように表示されると、当該領域52に表示されている当該アイコン(例えば白色の当該アイコン)が拡大しながら画面中央まで移動し(図24(G)参照)、これに続いて、その当該アイコンを1図柄と2図柄とが押し合う押合い演出が行われる(図24(H)参照)。なお、図24(H)では、当該アイコンが当該領域52に表示されていたときに比べて大きい拡大当該アイコンとして表示されると共に、その当該アイコンの左半分がロボ1図柄の纏っているオーラと同じ色になっている状態が例示されており、ロボ1図柄のオーラと同じ色に当該アイコンが変化する可能性があることが分かり易く示唆されている。
ここで、押合いアイコン変化演出の演出パターンが、ロボ1図柄が押し勝って当該アイコンがそのオーラの色に変化するという演出パターンが内部的に選択されている場合、図24(H)及び(I)に例示されるように、ロボ1図柄が押し勝ってロボ2図柄が押し倒されると共に、画面中央に拡大表示されている当該アイコンの全体がロボ1図柄の纏っていたオーラと同じ色に変化する様子を表す演出表示が行われる。
このようにしてロボ1図柄が勝利すると、ロボ1図柄が画面から退去すると共に、画面中央に位置していた当該アイコンが小さくなりながら当該領域52に復帰してその後の演出が展開されていくことになる(図25(A)〜(C)参照)。
一方、押合いアイコン変化演出の演出パターンが、ロボ1図柄が押し負けて当該アイコンの表示色を維持するという演出パターンが内部的に選択されている場合、図24(H)、及び図25(E)〜(F)に例示されるように、ロボ2図柄が押し勝ってロボ1図柄が押し倒されると共に、左半分がロボ1図柄のオーラと同じ色になっていた画面中央の当該アイコンが元の色に戻る様子を表す演出表示が行われる。そして、ロボ2図柄が液晶画面5から退去すると共に、元の表示色に戻った当該アイコンが小さくなりながら当該領域52に復帰する(図25(F)及び(G)参照)。
ここでは、当該アイコンの表示色が変化しなかったことからも明らかなように大当たりに対する信頼度が相対的に低いため、ハズレ図柄が擬似停止した後にハズレが報知され(図25(H)及び(I)参照)、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が行われて図柄変動が開始される(図25(J)参照)。
なお、本実施形態では、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し勝つ演出パターンは、当該アイコンの表示色を緑色、赤色、金色、又は虹色に変化させることが内部的に決定されている場合にのみ選択されるように構成されている。このため、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し勝った場合には、当該アイコンの表示色が必ず緑色以上に変化することになる。
また、当該アイコンの変化後の表示色が赤色、金色、又は虹色に決定されている場合、すなわちロボ1図柄が赤色、金色、又は虹色のオーラを纏うことになる場合には、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し勝つ演出パターンが必ず選択されて、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し負ける演出パターンが選択されることはない。
ここまでの説明から明らかなように、当該アイコンの表示態様が変化するのに先立って、ロボ1図柄が纏うオーラの色によって、当該アイコンの変化後の表示色が事前に示唆される。このため、遊技者は、当該アイコンの表示色がどの色に変化する可能性があるかを、ロボ1図柄のオーラに基づいて事前に把握することができ、ロボ1図柄が押し勝ってそのオーラの色に当該アイコンが変化することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、ロボ1図柄のオーラの色が赤色、金色、及び虹色のいずれかである場合には必ずロボ1図柄が押し勝って当該アイコンの表示色が変化することになる。このため、遊技者は、当該アイコンの表示色が変化することが確定していることと、当該アイコンの変化後の表示色とを事前に把握することが可能である。
一方、当該アイコンの表示色を変化させないと内部的に決定されている場合や、当該アイコンの表示色を変化させると決定されているとしても変化後の表示色が黄色以下(青色または黄色)に選択されている場合には、必ずロボ1図柄がロボ2図柄に押し負ける演出パターンが選択される。なお、これら2つの場合においては、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し勝つ演出パターンが選択されない(選択率が「0」に設定されている)構成を採用してもよい。また、当該アイコンの表示色を緑色に変化させると決定された場合には、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し勝つ演出パターンが選択される場合もあるし、ロボ1図柄がロボ2図柄に押し負ける演出パターンが選択される場合もある。
なお、ここでは、リーチ成立前に押合いアイコン変化演出を行う場合について説明したが、リーチ成立後に押合いアイコン変化演出を行ってもよい。具体的には、リーチ成立後に各列の装飾図柄を再始動させてから1図柄および2図柄を擬似停止させ、これらの装飾図柄をそれぞれロボ図柄に変形させて押合いアイコン演出に発展させるといった演出パターンが例として挙げられる。
[保留アイコンに対する押合いアイコン変化演出]
図26,27は、保留アイコンに対する押合いアイコン変化演出の具体例を示す画面図である。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、左列に1図柄が擬似停止すると共に右列に2図柄が擬似停止し、これらの図柄がいずれもロボ図柄に変形することができれば、保留アイコンに対する押合いアイコン変化演出に発展する場合がある。
図26(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図26(B)参照)。
このようにして図柄の変動表示が開始されてから所定時間が経過すると、例えば左列に1図柄が擬似停止し(図26(C)参照)、続いて右列に2図柄が擬似停止する(図26(D)参照)。そして、これらの1図柄および2図柄が同時に(或いは擬似停止した順に)それぞれが対応するロボ図柄に変形しようとする変形アクションが行われる(図26(E)参照)。
なお図には示されていないが、本実施形態では、1図柄および2図柄の両方、或いはいずれか一方がロボ図柄に変形できずに、押合いアイコン変化演出に発展しないガセ演出パターンも用意されている。
ここで、変形アクションによって2つの装飾図柄のロボ図柄への変形が成功すると、図24(F)に基づいて上述したのと同様に、アイコン(ここでは保留アイコン)が変化する可能性がある色と同じ色のオーラ(エフェクト画像)を纏った状態でロボ1図柄が画面左側に表示されると共に、画面右側にロボ2図柄が表示される(図26(F)参照)。なお、ロボ1図柄が纏うオーラの色は、保留アイコンが変化する可能性がある表示色と同じ色に決定されるが、その決定方法は当該アイコンに対する押合いアイコン演出を行う場合と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
ロボ1図柄およびロボ2図柄が対峙するように表示されると、保留領域51に表示されているいずれかの保留アイコンを模した擬似アイコンが画面中央に出現する(図26(G)参照)。これに続いて、その擬似アイコンを1図柄と2図柄とが押し合う押合い演出が行われる(図26(H)参照)。なお、図26(H)では、保留領域51に表示されている保留アイコンに比べて大きい擬似アイコンが拡大擬似アイコンとして表示されると共に、その擬似アイコンの左半分がロボ1図柄の纏っているオーラと同じ色になっている状態が例示されており、ロボ1図柄のオーラと同じ色にいずれかの保留アイコンが変化する可能性があることが分かり易く示唆されている。
ここで、押合いアイコン変化演出の演出パターンが、ロボ1図柄が押し勝って保留アイコンがそのオーラの色に変化するという演出パターンが内部的に選択されている場合、図26(H)及び(I)に例示されるように、ロボ1図柄が押し勝ってロボ2図柄が押し倒される様子を表す演出表示が行われる。そして、ロボ1図柄が画面から退去すると共に、ロボ1図柄が纏っていたオーラと同じ色になった擬似アイコンが保留領域51に移動していずれかの保留アイコンに衝突して、その保留アイコンが類似アイコンと同じ色に変化する(図27(A)〜(C)参照)。
その後、当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合にはハズレ目が表示され(図27(D)参照)、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されると共に、図柄の変動表示が開始される(図27(E)参照)。
一方、押合いアイコン変化演出の演出パターンが、ロボ1図柄が押し負けて保留アイコンの表示色が維持されるという演出パターンが内部的に選択されている場合、図27(G)及び(H)に例示されるように、例えばロボ1図柄が押し負けてロボ2図柄に押し倒される様子を表す演出表示が行われると共に、擬似アイコンが2つに割れて壊れる様子を表す演出表示が行われる。そして、当該アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合にはその旨を示す表示態様で装飾図柄が停止表示され(図27(I)参照)、保留領域51に表示されている最先の第1特別図柄判定が実行されると共に、図柄の変動表示が開始される(図27(J)参照)。
なお、本実施形態では、第1特別図柄判定が保留されていることが保留アイコンの表示によって示唆され、第1特別図柄判定の実行に応じた第1特別図柄の変動表示中であることが当該アイコンの表示によって示唆される場合について説明するが、他の実施形態では、第1特別図柄判定が保留されていることや第1特別図柄の変動表示中であることを示唆するためにLEDなどの発光素子を用いるようにしてもよい。
例えば、第1特別図柄判定の保留数を示す4つの保留ランプを設けて、保留ランプの点灯数によって第1特別図柄判定の保留数を報知し、いずれかの保留ランプの色を例えば白色から赤色に変化させると内部的に決定された場合に、液晶画面5で赤色のオーラを纏ったロボ1図柄とロボ2図柄とが押し合ってロボ1図柄が押し勝つ演出パターンの押合いアイコン変化演出を示唆演出として行い、その後に保留ランプの色を白色から赤色に変化させるといった演出制御を行うことが考えられる。
[成功演出パターンの3図柄擬似連]
図28は、成功演出パターンの3図柄擬似連の具体例を示す画面図である。この3図柄擬似連は、図21に基づいて上述したように、ロボ3図柄を用いて行われる擬似連続予告演出である。
図28(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図28(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に9図柄が擬似停止し(図28(C)参照)、右列の装飾図柄のスクロール速度が低下した後に、右列に3図柄がゆっくりと降りてくるようにスクロールされる(図28(D)及び(E)参照)。そして、右列に3図柄が擬似停止すると(図28(F)参照)、その右3図柄がロボ3図柄に変形しようとする変形アクションを行う(図28(G)参照)。ここで、変形に成功した場合、ロボ3図柄が中列に飛び出すような演出表示が行われて擬似連続予告演出に発展することが示唆され(図28(H)参照)、各列の装飾図柄が再始動して擬似2連目の図柄変動が開始される(図28(I)参照)。
この図28には、3図柄がスロー送りされる演出パターンが例示されているが、この演出パターンで演出が行われた場合、3図柄が擬似停止した段階で、擬似連続予告演出への発展が確定する。すなわち、3図柄が擬似停止した場合には、その3図柄が必ずロボ3図柄に変形して、擬似連続予告演出に発展することになる。
なお、ここでは3図柄が右列に擬似停止して擬似連続予告演出に発展する演出パターンについて説明したが、3図柄が左列に擬似停止して擬似連続予告演出に発展する演出パターンや、3図柄が中列に擬似停止して擬似連続予告演出に発展する演出パターンも用意されている。
[失敗演出パターンの3図柄擬似連]
図29は、失敗演出パターンの3図柄擬似連の具体例を示す画面図である。図29(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図29(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に9図柄が擬似停止し(図29(C)参照)、右列の装飾図柄のスクロール速度が低下した後に、右列に3図柄がゆっくりと降りてくるようにスクロールされる(図29(D)及び(E)参照)。そして、右列に3図柄が擬似停止すると見せ掛けて+1コマ滑りが発生して右列に4図柄が擬似停止する(図29(F)参照)。このように、擬似連続予告演出に発展すると見せ掛けておいて発展しない演出パターンで演出が行われた場合、中図柄も擬似停止してハズレが報知される(図29(G)及び(H)参照)。そして、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定が実行されると共に、その保留アイコンが当該アイコンとして表示された状態で次の図柄の変動表示が開始される(図29(I)参照)。
このように、本実施形態では、3図柄がスロー送りされる演出パターンに関して、3図柄が擬似停止して擬似連続予告演出に発展することが確定する成功演出パターンの他に、3図柄が擬似停止せずに擬似連続予告演出に発展しないガセ演出パターンが用意されている。これは、前者の成功演出パターンしか設けられていなければ、3図柄のスロー送りが始まった段階で擬似連続予告演出に発展すると遊技者が認識できてしまい、擬似連続予告演出に発展することに対する期待感を遊技者が抱き難くなるのを抑制するためである。このため、遊技者は、3図柄のスロー送りが始まった場合に、その3図柄が擬似停止することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
[成功演出パターンの3図柄擬似連]
図30は、成功演出パターンの3図柄擬似連の具体例を示す画面図である。図30(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図30(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に9図柄が擬似停止し(図30(C)参照)、続いて右列に4図柄が擬似停止し(図30(D)参照)、そして中列に2図柄が擬似停止する(図30(E)参照)。そして、この状態から、中列に擬似停止している2図柄の変形煽り演出が開始される(図30(F)参照)。具体的には、図30(F)に例示されるように、中列に擬似停止した2図柄が3図柄に変形しようとする変形アクションが行われる。
そして、このような変形アクションが行われた結果として2図柄の3図柄への変形が成功した場合、中列の3図柄がロボ3図柄に変形してから画面手前側に飛び出すような演出表示が行われることによって、擬似連続予告演出への発展が示唆される(図30(H)参照)。そして、各列の装飾図柄が再始動して擬似2連目の図柄変動が開始される(図30(I)参照)。ここでは、擬似停止した3図柄がロボ3図柄への変形に成功することによって擬似連続予告演出への発展が確定する(ロボ3図柄に変形できなければ擬似連続予告演出に発展しない)場合について説明するが、2図柄の3図柄への変形が成功したら擬似連続予告演出への発展が確定するといった構成を採用してもよい。
なお、ここまで、図28及び図30を参照しつつ、3図柄擬似連によって擬似2連目に発展する場合について説明したが、擬似2連目から擬似3連目に発展する際にも同様に3図柄擬似連の演出が行われる場合もあるし、後述する7図柄擬似連の演出が行われる場合もある。
また、ここでは2図柄が中列で3図柄に変形して擬似連続予告演出に発展する演出パターンについて説明したが、2図柄が左列で3図柄に変形して擬似連続予告演出に発展する演出パターンや、2図柄が右列で3図柄に変形して擬似連続予告演出に発展する演出パターンも用意されている。
また、後述する7図柄擬似連には、擬似1連目から擬似2連目への発展時に7図柄擬似連が行われると、擬似3連目への発展が確定するという機能がある。すなわち、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、7図柄擬似連が行われると、同一変動内で必ず擬似3連目に発展することになる。これに対して、ここで説明した3図柄擬似連には、擬似3連目への発展の確定を示唆する機能はない。このため、擬似1連目から擬似2連目への発展時に3図柄擬似連が行われた場合には、同一変動内で最終的に擬似3連目まで発展する場合もあるが、最終的に擬似2連目までしか発展しない場合もある。このため、3図柄擬似連が行われた場合には、7図柄擬似連が行われる場合に比べて、大当たりに対する信頼度が低い。
これに対して、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、装飾図柄とは別の演出媒体を用いた擬似3確定演出が行われる場合がある。具体的には、例えば擬似2連目の図柄変動中に第1演出役物71が動作することによって擬似3連目への発展確定が示唆されたり、或いは所定のキャラクタが特定の表示態様で表示されたりキャラクタの人数が通常とは異なる(通常よりも多い)ことによって擬似3連目への発展確定が示唆されたりする場合がある。
このため、3図柄擬似連が行われて擬似1連目から擬似2連目に発展した場合に、上述した第1演出役物71による擬似3確定演出、及びキャラクタによる擬似3確定演出の両方或いはいずれか一方が複合することによって、3図柄擬似連が行われた場合の大当たりに対する信頼度が、7図柄擬似連が行われた場合の大当たりに対する信頼度と同程度になる。
このように、本実施形態では、7図柄擬似連以外の擬似3確定演出が用意されているので、遊技者は、7図柄擬似連の発生を期待していたのに対して3図柄擬似連が発生したとしても、これらの擬似3確定演出が複合することを期待しながら遊技を楽しむことができる。このため、遊技者の期待に反して3図柄擬似連が発生した場合に、遊技者が大当たりに対する期待感を低下させてしまうのを抑制することが可能である。
[失敗演出パターンの3図柄擬似連]
図31は、失敗演出パターンの3図柄擬似連の具体例を示す画面図である。図31(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図31(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に1図柄が擬似停止し(図31(C)参照)、右列に4図柄が擬似停止し(図31(D)参照)、そして中列に2図柄が擬似停止する(図31(E)参照)。そして、この状態から、中列に擬似停止している2図柄の変形煽り演出が開始される(図31(F)参照)。この変形煽り演出は、図30(F)に基づいて上述した変形煽り演出と同様のものである。
そして、このような変形アクションが行われた結果として2図柄の3図柄への変形が失敗した場合、2図柄が3図柄に変形できずに2図柄に戻る演出表示が行われて擬似連続予告演出の発展が失敗に終わったことが示唆される(図31(G)参照)。そして、大抵の場合、3列の装飾図柄がハズレ目を示す態様で停止表示されて(図31(H)参照)、最先の保留アイコンに対応する次の図柄変動が開始される(図31(I)参照)。
なお、図31には、2図柄が3図柄に変形できずに擬似連続予告演出に発展しないガセ演出パターンが例示されているが、2図柄が変形し過ぎて4図柄になってしまい、その結果として擬似連続予告演出に発展しないガセ演出パターンがあってもよい。
[ハズレを示唆する5図柄示唆演出]
図32は、ハズレを示唆する5図柄示唆演出の具体例を示す画面図である。5図柄については、図21に基づいて上述したように、ロボ5図柄に変形してその後の発展先を示唆する機能(5図柄示唆演出を実行する機能)を有している。5図柄が左列または右列に擬似停止してロボ5図柄への変形に成功した場合には、以下のような5図柄示唆演出が実行される。
図32(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図32(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に5図柄が擬似停止して(図32(C)参照)、5図柄がロボ5図柄に変形しようとする変形アクションが開始される(図32(D)参照)。ここで、5図柄がロボ5図柄に変形することに成功した場合、ロボ5図柄が液晶画面5の中央において、変動表示されている各列の装飾図柄の背面側に大きく表示されると共に、ロボ5図柄が位置していた左列の装飾図柄が再始動する(図32(D)及び(E)参照)。
続いて、5図柄示唆演出の演出パターンが、ハズレ目を示唆する演出パターンに決定されている場合、以下のような演出が行われる。すなわち、ロボ5図柄が左列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた左列に例えば2図柄が急停止する(図32(F)参照)。次に、ロボ5図柄が右列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた右列に例えば6図柄が急停止する(図32(G)参照)。そして、ロボ5図柄が中列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた中列に例えば5図柄が急停止する(図32(H)参照)。これにより、3列の装飾図柄がハズレ目で擬似停止した状態となり、続いてこれらの装飾図柄が完全に停止してハズレが報知される(図32(I)参照)。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たりが発生するチャンスかもしれないといった印象を与えるために、特別図柄を停止表示させるのに伴って3つの偶数図柄(弱チャンス目)を停止表示させるチャンス目演出が行われる場合がある(例えば図50参照)。これに対して、上述した5図柄示唆演出では、左図柄および右図柄として2つの偶数図柄(上記の例では2図柄と6図柄)が順に停止するので、少なくとも中図柄として奇数図柄が停止するまでは、弱チャンス目が停止することに対する期待感を遊技者に抱かせることが可能である。すなわち、ハズレを示唆する5図柄示唆演出であっても、大当たりに対する期待感を遊技者に抱かせることが可能である。
[チャンス目を示唆する5図柄示唆演出]
図33は、チャンス目を示唆する5図柄示唆演出の具体例を示す画面図である。ここまで説明した大抵の演出は、第1特別図柄判定の判定結果に基づいて演出パターンが設定され、その演出パターンに基づいて演出制御が行われる。これに対して、以下に説明するチャンス目演出と、上述した保留アイコンに対するアイコン変化演出は、第1特別図柄判定が保留されている状態で第1特別図柄判定に先立って行われる事前判定の結果に基づいて演出パターンが設定され、その演出パターンに基づいて演出制御が行われる場合がある。
ここで、チャンス目演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する際に装飾図柄を特定の組み合わせで表示することによって、第1特別図柄判定の保留の中に「大当たり」と判定されるものが存在する可能性があることを示唆する演出である。
図33(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図33(B)参照)。なお、図33(B)には、アイコン変化演出によって最先の保留アイコンの表示態様が変化した状態が例示されている。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に5図柄が擬似停止して(図33(C)参照)、この5図柄がロボ5図柄に変形しようとする変形アクションが開始される(図33(D)参照)。ここで、5図柄がロボ5図柄への変形に成功した場合、ロボ5図柄が液晶画面5の中央において、変動表示されている各列の装飾図柄の背面側に大きく表示されると共に、ロボ5図柄が位置していた左列の装飾図柄が再始動する(図33(D)及び(E)参照)。
続いて、5図柄示唆演出の演出パターンが、チャンス目を示唆する演出パターンに決定されている場合、以下のような演出が行われる。すなわち、ロボ5図柄が左列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた左列に例えば1図柄が急停止する(図33(F)参照)。次に、ロボ5図柄が右列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた右列に例えば9図柄が急停止する(図33(G)参照)。そして、ロボ5図柄が中列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた中列に例えば5図柄が急停止する(図33(H)参照)。これにより、3列の装飾図柄が7図柄を含まない奇数によって構成された中チャンス目が擬似停止した状態となる。ここで、チャンス目には、中チャンス目の他に、上述した弱チャンス目と、後述する強チャンス目とがある。弱チャンス目は、大当たりのチャンスかもしれないといった程度の期待感を遊技者に与えるチャンス目である。中チャンス目は、事前判定結果に対応する第1特別図柄判定が消化される当該変動で例えばノーマルリーチ以上のリーチ演出に発展することを示唆するチャンス目である。強チャンス目は、事前判定結果に対応する第1特別図柄判定が消化される当該変動でSPSPリーチ以上の(或いはSPリーチ以上の)リーチ演出に発展することを示唆するチャンス目である。このような3種類のチャンス目が用意されているため、遊技者は、どのチャンス目が停止するかに基づいて、大当たりに対する信頼度の高低を事前に認識することが可能である。
このように中チャンス目が擬似停止した場合には、中チャンス目が擬似停止したことをより明確にするために、緑色で発光する3つのエンブレムが一瞬表示された状態になった後(図33(I)参照)、図33(H)に示されるハズレ目が完全に停止してハズレが報知される。
ここでは、5図柄示唆演出によって中チャンス目の発生が示唆される場合について説明したが、中チャンス目などを表示するチャンス目演出については、図50〜図56に基づいて後に詳述する。
なお、図33では、第1特別図柄判定に対する事前判定結果に基づいて、中チャンス目を停止させる5図柄示唆演出を行う場合について説明したが、事前判定結果に基づくチャンス目失敗演出として、図32に基づいて上述したのと同様のハズレを示唆する5図柄示唆演出を行うようにしてもよい。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果ではなく、その第1特別図柄判定に関する事前判定結果に基づいて、チャンス目演出の一態様として、ハズレを示唆する5図柄示唆演出を行うようにしてもよい。
この場合、事前判定結果に基づいて、ハズレを示唆する5図柄示唆演出のみを行うことや、弱チャンス目演出を行った次の変動でチャンス目失敗演出としてハズレを示唆する5図柄示唆演出を行うといったチャンス目演出を行うことが考えられる。
[特定リーチ演出への発展を示唆する5図柄示唆演出]
図34は、特定リーチ演出への発展を示唆する5図柄示唆演出の具体例を示す画面図である。図34(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図34(B)参照)。なお、図34(B)には、アイコン変化演出によって表示態様が変化した保留アイコンが当該アイコンとして当該領域52に移動してきた状態が例示されている。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に5図柄が擬似停止して(図34(C)参照)、この5図柄がロボ5図柄に変形しようとする変形アクションが開始される(図34(D)参照)。ここで、5図柄がロボ5図柄への変形に成功した場合、ロボ5図柄が液晶画面5の中央において、変動表示されている各列の装飾図柄の背面側に大きく表示されると共に、ロボ5図柄が位置していた左列の装飾図柄が再始動する(図34(D)及び(E)参照)。
続いて、5図柄示唆演出の演出パターンが、特定リーチ演出への発展を示唆する演出パターンに決定されている場合、以下のような演出が行われる。すなわち、ロボ5図柄が左列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた左列に例えば「N」の文字が描かれた左パネルが急停止する(図34(F)参照)。次に、ロボ5図柄が右列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた右列に例えば「T」の文字が描かれた右パネルが急停止する(図34(G)参照)。そして、ロボ5図柄が中列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた中列に例えば「ES」の文字が描かれた中パネルが急停止する(図34(H)参照)。これにより、「NEST」と書かれた1枚のプレートが完成して、特定リーチ演出への発展が示唆されて、特定リーチ演出へと発展する(図34(I)参照)。
[7図柄擬似連]
図35,36は、7図柄擬似連の具体例を示す画面図である。この7図柄擬似連は、図21に基づいて上述したように、ロボ7図柄を用いて行われる擬似連続予告演出である。
図35(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図35(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に2図柄が擬似停止し(図35(C)参照)、右列に9図柄が擬似停止し(図35(D)参照)、そして中列に7図柄が擬似停止すると(図35(E)参照)、擬似連続予告演出が少なくとも擬似3連目まで発展することが確定する。中列に7図柄が擬似停止すると、その7図柄がロボ7図柄に変形しようとする変形アクションを行い(図35(F)参照)、変形したロボ7図柄が画面中央部に飛び出すような演出表示が行われて、擬似2連目の図柄変動に発展することが示唆される(図35(G)参照)。そして、各列の装飾図柄が再始動して擬似2連目の図柄変動が開始される(図35(H)参照)。
この図35には、中列に擬似停止した7図柄がロボ7図柄に変形する演出パターンが例示されているが、上記のように、擬似停止した7図柄はロボ7図柄への変形に必ず成功して、擬似2連目以降の図柄変動が行われる。一方、本実施形態では、中列に7図柄が擬似停止せずに8図柄が擬似停止して擬似連続予告演出に発展しないガセ演出パターンも用意されている。
上記のように擬似2連目の図柄変動が開始されると、例えば左列に4図柄が擬似停止し(図35(I)参照)、右列に8図柄が擬似停止する(図36(A)参照)。そして、ここでは擬似3連目に発展することが確定しているので、中列に7図柄が擬似停止し(図36(B)参照)、その7図柄が変形アクションを行ってロボ7図柄に変形する(図36(C)及び(D)参照)。これにより、擬似3連目への発展が示唆される。
図36(D)に例示されるように7図柄が手前に飛び出すような演出表示が行われると、各列の装飾図柄が再始動して擬似3連目に発展する(図36(E)参照)。そして、例えば左列に2図柄が擬似停止し(図36(F)参照)、続いて右列に2図柄が擬似停止してリーチが成立する(図36(G)参照)。その後、例えばSPSPリーチ演出へと発展し(図36(H)参照)、図柄変動開始時に大当たりと判定されている場合には、その旨を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図36(I)参照)。
ここまで、7図柄が中列に擬似停止して7図柄擬似連に発展する場合について説明したが、7図柄が右列に擬似停止した場合には以下のような演出が行われる。
[成功演出パターンの7図柄示唆演出]
図37は、成功演出パターンの7図柄示唆演出の具体例を示す画面図である。7図柄示唆演出は、右列に擬似停止した7図柄がロボ7図柄に変形して、ターボゾーンと呼ばれる特殊演出モードに移行するか否かを示唆する示唆演出である。
図37(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図37(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に2図柄が擬似停止し(図37(C)参照)、右列に7図柄が擬似停止する(図37(D)参照)。右列に擬似停止した7図柄は、ロボ7図柄に変形しようとする変形アクションを行い(図37(E)参照)、変形に成功するとロボ7図柄が画面中央に飛び出すような演出表示が行われる(図37(F)参照)。続いて、液晶画面5の右斜め上方に位置している第3演出役物73が液晶画面5の一部を覆う位置まで移動する(図37(G)参照)。そして、演出ボタン26の有効期間が開始されるのに伴い、遊技者に演出ボタン26の操作を促すために、演出ボタン26を模したボタン画像、及び有効期間の残り時間を示すゲージ画像が表示される(図37(H)参照)。これに対して遊技者が有効期間内に演出ボタン26を操作すると、第3演出役物73が所定の変形動作を行い、これにより、特殊演出モードであるターボゾーンへの移行が示唆される(図37(I)参照)。
なお、図37には示されていないが、右列に擬似停止した7図柄のロボ7図柄への変形が成功する場合には、必ずSPSPリーチ演出が行われる。このため、図37に例示されるようにリーチ成立前にロボ7図柄の変形に成功した場合には、リーチ成立後にSPSPリーチ演出に発展することになる。また、例えばSPリーチ演出中に図37に例示される7図柄示唆演出が行われてロボ7図柄への変形に成功した場合には、その後にSPリーチ演出からSPSPリーチ演出に発展することになる。
[第1失敗演出パターンの7図柄示唆演出]
図38は、失敗演出パターンの7図柄示唆演出の具体例を示す画面図である。図38(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図38(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に2図柄が擬似停止し(図38(C)参照)、右列に7図柄が擬似停止する(図38(D)参照)。右列に擬似停止した7図柄は、ロボ7図柄に変形しようとする変形アクションを行い(図38(E)参照)、変形に成功するとロボ7図柄が画面中央に飛び出すような演出表示が行われる(図38(F)参照)。続いて、図37(G)及び(H)に基づいて上述したのと同様に、第3演出役物73が液晶画面5の一部を覆う所定の位置まで移動し(図38(G)参照)、有効期間が開始されるのに伴ってボタン画像およびゲージ画像が表示される(図38(H)参照)。
ここで、特殊演出モードであるターボゾーンに移行しないことが内部的に予め決定されている場合、有効期間中のボタン操作に応じて第3演出役物73が変形することなく初期位置に復帰する(図38(H)及び(I)参照)。そして、画面中央に位置するロボ7図柄が車7図柄に変形して、SPSPリーチ演出への発展が示唆される(図38(I)参照)。
ここまで図37及び図38に基づいて説明したように、右列に擬似停止した7図柄がロボ図柄に変形した後に第3演出役物73が変形に成功するか否かに関わらず、SPSPリーチ演出に発展する。このため、右列に擬似停止した7図柄がロボ7図柄に変形すること自体が、極めてアツい演出であると言える。そして、この7図柄に関しては、3図柄と同様に他の通常表示態様の装飾図柄に比べて視認性が高い状態で表示されるので、7図柄を画面上に表示することによって、遊技者の大当たりに対する期待感を効果的に高めることが可能である。
[第2失敗演出パターンの7図柄示唆演出]
図39は、失敗演出パターンの7図柄示唆演出の他の具体例を示す画面図である。図39(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図39(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に2図柄が擬似停止し(図39(C)参照)、右列に7図柄が擬似停止する(図39(D)参照)。右列に擬似停止した7図柄は、ロボ7図柄に変形しようとする変形アクションを行う(図39(E)参照)。ここで、例えばSPSPリーチには発展しないことが図柄変動開始時に予め決定されている場合、7図柄がロボ7図柄への変形に失敗して通常表示態様の7図柄が再び右列に表示される(図39(F)参照)。そして、この7図柄が1コマ滑って右列に8図柄が送られてきてハズレ目が擬似停止し(図39(G)及び(I)参照)、最終的にはハズレが報知される(図39(I)参照)。
[9図柄ルーレット演出]
図40,41は、9図柄ルーレット演出の具体例を示す画面図である。この9図柄ルーレット演出は、図21に基づいて上述したように、3列のうちのいずれか2列に9図柄が擬似停止した場合に発生するルーレット演出であって、ルーレットの停止結果によってその後の展開を示唆するものである。
図40(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図40(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に9図柄が擬似停止すると共に中列に9図柄が擬似停止する(図40(C)参照)。なお、図40(C)の態様とは異なり、例えば左列および右列に9図柄が擬似停止する場合もあるが、いずれの場合もリーチ成立とはならず、擬似停止した9図柄は不図示の変形アクションを行ってそれぞれロボ9図柄に変形する(図40(D)参照)。このようにロボ図柄に変形した2つのロボ9図柄は、それぞれ液晶画面5の画面の両サイドに位置し、この状態で、ルーレットの中身が示唆される。ここでは、まず1つ目のパネルとして「!?」という文字が描かれた青色のパネルが表示され(図40(E)参照)、次に2つ目のパネルとして「発展」という文字が描かれた同じく青色のパネルが表示され(図40(F)参照)、その次に3つ目のパネルとして「CHANCE」という文字が描かれた緑色のパネルが表示され(図40(G)参照)、最後に4つ目のパネルとして「TURBO」という文字が描かれた赤色のパネルが表示される(図40(H)参照)。
「!?」という文字が描かれた青色のパネルは、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆する演出に発展しないことを示唆する、いわゆるガセ演出用のパネルである。この「!?」の文字が描かれたパネルは青色であるため、遊技者は、9図柄ルーレット演出の結果としてこのパネルが停止した場合に、大当たりに対する信頼度が極めて低いことを認識することが可能である。なお、この「!?」の文字が描かれた青色のパネルが停止すると、大抵の場合、例えばその後にリーチ演出に発展することなく、ハズレが報知されることになる。
「CHANCE」という文字が描かれた緑色のパネルは、上記の青色のパネルが停止する場合に比べて、大当たりに対する信頼度が若干高い(例えば10%程度)ことを示唆するパネルである。9図柄ルーレット演出の結果としてこの「CHANCE」の文字が描かれた緑色のパネルが停止した場合、リーチが成立してリーチ演出が行われることになる。なお、この緑色のパネルは、大当たりに対する信頼度が極めて低いことを示唆するものではないものの、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するものである。このため、この緑色のパネルが停止した場合には、ノーマルリーチ演出などの信頼度の低いリーチ演出には発展し易いものの、SPリーチ演出やSPSPリーチ演出といった高信頼度のリーチ演出には発展し難い。よって、この緑色のパネルが停止表示された変動では、最終的に、「ハズレ」が報知され易く、「大当たり」は報知され難い。
「TURBO」という文字が描かれた赤色のパネルは、ターボゾーンと呼ばれる特殊演出モードへの移行を示唆するパネルである。9図柄ルーレット演出の結果としてこの「TURBO」の文字が描かれた赤色のパネルが停止した場合、ターボゾーンに移行した状態でSPリーチ演出やSPSPリーチ演出などの高信頼度のリーチ演出が行われた後に、当落が報知されることになる。なお、このパネルは赤色で表示されるため、遊技者は、今回の変動が大当たりの大チャンスであること、或いは保留内に大当たりの大チャンスとなる保留が存在することを容易に認識することができる。
このように、本実施形態では、ルーレットの結果として停止する可能性がある4つのパネルが、それぞれ大当たりに対する信頼度を示唆する色で順番に表示される。なお、ここでは図40に例示する組み合わせの4枚のパネルが順番に表示される場合を例に説明するが、これら4枚のパネルの組み合わせは、図柄変動開始に行われた第1特別図柄判定の判定結果や選択される第1特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターン等に応じて適宜変化するものである。
図40(H)に例示するように4つ目のパネルが表示されると、これら4つのパネルが縦方向に連続して記されたパネル列が上から下へ高速でスクロールすると共に、遊技者に演出ボタン26の操作を促すボタン画像およびゲージ画像が表示される(図40(I)参照)。
これに対して、遊技者が有効期間内に演出ボタン26を操作した場合、又は演出ボタン26が操作されることなく有効期間が終了した場合、図41(A)に例示されるように、内部的に予め決められていたパネルが画面中央に停止表示される。これにより、大当たりとなるチャンスであることが遊技者に示唆される。
このような2つの9図柄を用いるルーレット演出が行わた後、例えば左右の装飾図柄が擬似停止した状態で中列に3図柄が擬似停止し(図41(B)参照)、この3図柄が変形アクションを行ってロボ3図柄に変形して擬似2連目の図柄変動に突入するという、遊技者に大当たりのチャンスであると感じさせるような演出が行われる(図41(B)〜(E)参照)。
[SPSP直発展示唆演出]
図42は、SPSP直発展示唆演出の具体例を示す画面図である。このSPSP直発展示唆演出は、図22に基づいて上述した発展示唆図柄が左列、中列、及び右列の全てに停止することによって、例えばノーマルリーチ演出やSPリーチ演出を介さずにSPSPリーチ演出への直接の発展を示唆する演出である。
図42(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図42(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に偶数図柄である6図柄が擬似停止する(図42(C)参照)。続いて、右列に同じく偶数図柄である6図柄が擬似停止すると共に、左6図柄が所定の変形アクションを行う(図42(D)参照)。そして、所定の変形アクションを行った左6図柄が発展示唆図柄へと変形すると共に、右6図柄も所定の変形アクションを行う(図42(E)参照)。
その後、中列に例えば5図柄が擬似停止し(図42(F)参照)、この5図柄も所定の変形アクションを行う(図42(G)参照)。その結果、3つの発展示唆図柄が揃うと(図42(H)参照)、ここではノーマルリーチ演出やSPリーチ演出を介さずにSPSPリーチ演出に直接発展する(図42(I)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、SPSPリーチ演出の実行に先立って、変動表示中の複数の装飾図柄の表示態様が、SPSPリーチ演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合がある。具体的には、複数の装飾図柄によって、SPSPリーチ演出の実行を示唆する表示オブジェクト(ここでは、「転送」の文字が描かれた3つの発展示唆図柄が並んだもの)が形成される。
なお、ここではSPSPリーチ演出の実行が示唆されているので、複数の装飾図柄(ここでは特殊図柄である発展示唆図柄)によって、SPSPリーチ演出の実行を示唆する表示オブジェクトが形成されている。これに対して、例えば図43(I)に例示されるようにダークサイドゾーンと呼ばれる特殊演出モードの演出が実行される場合には、その実行に先立って、特殊演出モードの演出の実行を示唆するために、中図柄がロボ8図柄であり且つその左右に他の偶数図柄が並んだ表示オブジェクトが形成される場合がある(図43(H)参照)。また、SPSPリーチ演出への発展を煽るSPSPリーチ演出発展煽り演出が実行される場合、その実行に先立って、SPSPリーチ演出発展煽り演出の実行を示唆するために、3つの車図柄が並んだ表示オブジェクトが形成される場合がある(図45(H)参照)。また、図47(I)に例示される特定リーチ演出が実行される場合、その実行に先立って、特定リーチ演出の実行を示唆するために、「NEST」と書かれた1枚のプレートが形成される場合がある(図47(H)参照)。
また、図42では左列および右列に擬似停止した6図柄が発展示唆図柄へと変形する場合を例に説明したが、それぞれ6図柄が擬似停止して発展示唆図柄に変形しているのは、発展示唆図柄揃いとなった後に6図柄でリーチが成立した状態でSPSPリーチ演出が行われるためである(図42(H)及び(I)参照)。ただし、発展示唆図柄に変形する装飾図柄は必ずしもリーチ図柄と一致している必要はなく、リーチ図柄と異なる装飾図柄を発展示唆図柄に変形させるようにしてもよい。また、擬似停止する2つの図柄は必ずしも同じ図柄である必要はなく、相異なる装飾図柄であってもよい。すなわち、6図柄以外の他の偶数図柄も同様に発展示唆図柄に変形する場合があってもよい。また、ここでは中列に5図柄が擬似停止して発展示唆図柄へと変形する場合を例に説明したが、中列に停止して発展示唆図柄に変形する装飾図柄は、他の装飾図柄である場合もある。
なお、図42では、3つの装飾図柄が全て発展示唆図柄に変形する場合について説明したが、3つの発展示唆図柄が表示されずSPSPリーチ演出に発展せずに終わるSPSP直発展示唆演出の失敗演出パターンも用意されている。例えば、最初に擬似停止した装飾図柄が発展示唆図柄への変形に失敗して、最終的にバラケ目が停止表示されて「ハズレ」が報知されることになる失敗演出パターンが用意されている。また、例えば、最初に擬似停止した装飾図柄の発展示唆図柄への変形に成功したものの、次に擬似停止した装飾図柄の発展示唆図柄への変形に失敗して、最終的にバラケ目が停止表示されて「ハズレ」が報知されることになる失敗演出パターンも用意されている。また、最初に擬似停止した装飾図柄と次に擬似停止した装飾図柄の発展示唆図柄への変形に成功したものの、最後に擬似停止した装飾図柄の発展示唆図柄への変形に失敗して、リーチ成立となる失敗演出パターンも用意されている。この失敗演出パターンにてリーチが成立した場合、ノーマルリーチ演出に発展せずにリーチ成立直後にハズレが報知されたり、ノーマルリーチ演出に発展してノーマルリーチ演出の終盤でハズレが報知されたり、或いは、ノーマルリーチ演出を介して他のリーチ演出に発展したりすることになる。いずれの場合であっても、失敗演出パターンからのリーチ発展であるため、大抵は最終的にハズレが報知されることになる。
[成功演出パターンのゾーン突入示唆演出]
図43は、成功演出パターンのゾーン突入示唆演出の具体例を示す画面図である。このゾーン突入示唆演出は、敵のボスであるロボ8図柄が中列に停止すると共にその左右列に他の偶数のロボ図柄が停止することによって、ダークサイドゾーンと呼ばれる特殊演出モードでの演出が実行されるか否かを示唆する演出である。ここでは、第1特別図柄の変動表示中にダークサイドゾーンに移行して、その図柄変動においてダークサイドゾーンでの演出が終了する場合を例に説明する。
図43(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図43(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に偶数図柄である4図柄が擬似停止する(図43(C)参照)。続いて、右列に同じく偶数図柄である2図柄が擬似停止すると共に、左4図柄が所定の変形アクションを行う(図43(D)参照)。そして、所定の変形アクションを行った左4図柄がロボ4図柄へと変形すると共に、右2図柄も所定の変形アクションを行う(図43(E)参照)。
なお、ここでは左列に4図柄が擬似停止すると共に右列に2図柄が擬似停止する場合を例に説明するが、左列および右列には、8図柄を除く他の偶数図柄が擬似停止してロボ図柄に変形する場合もある。
その後、中列に敵のボスを表す8図柄が擬似停止し(図43(F)参照)、この8図柄も所定の変形アクションを行う(図43(G)参照)。その結果、8図柄を含む3つの偶数図柄が全てロボ図柄に変形した状態を表す表示オブジェクトが形成され(図43(H)参照)、その後にダークサイドゾーンの突入演出が行われる(図43(I)参照)。なお、この突入演出は、リーチ演出ではないため、装飾図柄によってリーチが形成されていない状態、例えば3つの装飾図柄が小図柄として例えば画面右下に変動表示されている状態で行われる。このようにしてダークサイドゾーンの突入演出が行われると、ダークサイドゾーン専用の背景画像が表示された状態で各種の予告演出が行われてリーチが成立し、最終的にはSPリーチ演出またはSPSPリーチ演出が行われてから当落が報知されることになる。
なお、図43に基づいて例示したパターンとは別に、ダークサイドゾーンでの演出が複数の図柄変動に跨って行われる場合もある。例えば、図43(I)に例示するように当該領域52に表示されている当該アイコンに対応する図柄変動の途中でダークサイドゾーンに突入した場合に、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンに対応する図柄変動の終了までダークサイドゾーンでの演出が行われる場合がある。この場合、図には示されていないが、例えば、ハズレを示す態様で3つの装飾図柄が小図柄として擬似停止した状態でダークサイドゾーンの突入演出が行われ、これらの装飾図柄がハズレを示す態様で停止表示した後に、次の変動でも引き続きダークサイドゾーンでの演出が行われることになる。
ところで、リーチ演出は、今回の変動で大当たりとなるかもしれないと遊技者に認識させるための演出である。これに対して、複数の変動に跨って行われるダークサイドゾーンでの演出は、これらの変動のうちの最終変動が大当たりの大チャンスであることを示唆する演出である。このため、リーチが成立してリーチ演出が行われる図柄変動中にダークサイドゾーンの突入演出を行うのは好ましくない。このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、リーチ有り演出が行われる図柄変動中には突入演出を行わず、リーチ無し演出が行われる図柄変動中に突入演出を行う構成が採用されている。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特殊演出モードでの演出が開始されるのに先立って、3列の装飾図柄が特殊演出モードでの演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合がある。具体的には、中図柄をロボ8図柄とする3つとも偶数であるロボ図柄が並んだ表示オブジェクトが形成される。
[失敗演出パターンのゾーン突入示唆演出]
図44は、失敗演出パターンのゾーン突入示唆演出の具体例を示す画面図である。図42,43では、特定演出の実行に先立って、変動表示中の複数の装飾図柄の表示態様が特定演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合について説明したが、このような表示態様になると見せ掛けておいて実際にはならない、ガセ演出パターンの演出が行われる場合もある。
図44(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図44(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に偶数図柄である4図柄が擬似停止する(図44(C)参照)。続いて、右列に同じく偶数図柄である2図柄が擬似停止すると共に、左4図柄が所定の変形アクションを行う(図44(D)参照)。そして、所定の変形アクションを行った左4図柄がロボ4図柄へと変形すると共に、右2図柄も所定の変形アクションを行う(図44(E)参照)。
なお、ここでは左列に4図柄が擬似停止すると共に右列に2図柄が擬似停止する場合を例に説明するが、左列および右列には、8図柄を除く他の偶数図柄が擬似停止してロボ図柄に変形する場合もある。
その後、例えば、中列に敵のボスを表す8図柄が上方から低速で移動してくる、中列に8図柄が擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が行われる(図44(F)参照)。なお、図43の成功パターンの演出では、この煽り演出の図示が省略されているが、図43(F)に示す中8図柄の擬似停止に先立って、同様の煽り演出が行われる。
ここで、ゾーン突入示唆演出の演出パターンとして、特殊演出モード(ここではダークサイドゾーン)に移行しないことを示唆する演出パターンが図柄変動開始時に設定されている場合、例えば、中列に擬似停止しそうな8図柄に対して1コマ滑りが発生して中列の9図柄が擬似停止して、左からロボ偶数図柄、ロボ8図柄、ロボ偶数図柄の順で並んだオブジェクトの形成に失敗した様子が表示される(図44(G)参照)。その後、ロボ図柄に変形していた左列及び右列の偶数図柄が通常表示態様に戻り(図44(H)参照)、例えば第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する表示態様で装飾図柄が停止表示される(図44(I)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ゾーン突入示唆演出に関しても、ガセ演出パターンが用意されている。例えば、上述した中列に8図柄が擬似停止することに対する遊技者の期待感を煽る煽り演出が開始された場合、仮に成功演出パターンしか用意されていなければ、特殊演出モードに移行することに対するドキドキ感を遊技者が感じ難くなってしまう。これに対して、上記のような煽り演出を行うことにより、遊技者は、少なくともゾーン突入を示唆する表示オブジェクトが形成されるまでの間は、特殊演出モードに移行することに対する期待感を抱きながら遊技を楽しむことができる。
[車揃い演出]
図45,46は、車揃い演出の具体例を示す画面図である。この車揃い演出は、3つの車図柄が並んだ状態を表す表示オブジェクト(図45(H)参照)を形成することによって、SPSPリーチ演出に発展するか否かを示唆するSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆する演出である。
図45(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図45(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に奇数図柄である5図柄が擬似停止する(図45(C)参照)。続いて、右列に同じく奇数図柄である9図柄が擬似停止すると共に、左5図柄が所定の変形アクションを行う(図45(D)参照)。そして、所定の変形アクションを行った左5図柄が車5図柄へと変形すると共に、右9図柄も所定の変形アクションを行う(図45(E)参照)。
なお、ここでは左列に5図柄が擬似停止すると共に右列に9図柄が擬似停止する場合を例に説明するが、左列および右列には、7図柄を除く他の偶数図柄が擬似停止して車図柄に変形する場合もある。
その後、中列に奇数図柄である例えば1図柄が擬似停止し(図45(F)参照)、この1図柄も所定の変形アクションを行う(図45(G)参照)。そして、車揃い演出によってSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆することが予め決定されている場合には1図柄が車1図柄への変形に成功して、3つの車図柄が並んだ様子を表す表示オブジェクトが形成される(図45(H)参照)。これにより、SPSPリーチ発展煽り演出の実行が示唆され、その後にSPSPリーチ発展煽り演出へと発展する(図45(I)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、SPSPリーチ発展煽り演出が開始されるのに先立って、3列の装飾図柄がSPSPリーチ発展煽り演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合がある。具体的には、3つの車図柄が並んだ表示オブジェクトが形成される。このため、遊技者は、この車図柄が3つ並んだ状態を見て、SPSPリーチ発展煽り演出に発展することを容易に認識することができる。
なお、図には示されていないが、例えば、右列に奇数図柄ではなく偶数図柄が擬似停止して右列の装飾図柄が車図柄に変形するに至らないガセ演出パターンや、中列に奇数図柄が停止したもののその奇数図柄が車図柄に変形するに至らないガセ演出パターン等も用意されている。
図45(I)に例示する演出表示で始まるSPSPリーチ発展煽り演出は、具体的には以下のようなものである。すなわち、図45(I)に例示するSPSPリーチ発展煽り演出の開始を表す演出表示に続いて、例えば、敵を発見する方向、又は敵を発見できずに終わる方向にその後の演出の流れが分岐していくことを表す所定の分岐演出が行われる(図46(A)参照)。
ここで、敵を発見する方向へとストーリーが進行する場合、例えば図46(B)に例示するように敵の発見に成功した様子を表す演出表示が行われて、その敵とのバトル演出が展開されるSPSPリーチ演出へと発展する(図46(C)参照)。
一方、敵を発見できずに終わる方向へとストーリーが進行する場合、例えば図46(E)に例示するように敵の発見に失敗した様子を表す演出表示が行われて、バラケ目の3つの装飾図柄が上方から落ちてくるように移動する演出表示が行われる(図46(F)参照)。そして、これら3つの装飾図柄が画面上に停止して第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される(図46(G)参照)。
[特定リーチ発展示唆演出]
図47は、特定リーチ発展示唆演出の具体例を示す画面図である。この特定リーチ発展示唆演出は、特定リーチ演出が実行される場合に、図22に基づいて上述した左パネル、中パネル、及び右パネルを停止させて「NEST」と書かれた1枚のプレートを完成させることによって特定リーチ演出の実行を示唆する演出である。
図47(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図47(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に偶数図柄である2図柄が擬似停止する(図47(C)参照)。続いて、右列に同じく偶数図柄である6図柄が擬似停止すると共に、左2図柄が所定の変形アクションを行う(図47(D)参照)。そして、所定の変形アクションを行った左2図柄が「N」の文字が描かれた左パネルへと変形すると共に、右6図柄も所定の変形アクションを行う(図47(E)参照)。
その後、変形アクションを行っていた右6図柄が「T」の文字が描かれた右パネルへと変形すると共に、中列に偶数図柄である例えば4図柄が擬似停止する(図47(F)参照)。そして、この4図柄も所定の変形アクションを行い(図47(G)参照)、3つのパネルが揃うと1枚のプレートが係止される(図47(H)参照)。これにより、特定リーチ演出への発展が示唆される。このようにして特定リーチ発展示唆演出が行われた後に、その特定リーチ演出が開始されることになる(図47(I)参照)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、特定リーチ演出の実行に先立って、変動表示中の複数の装飾図柄の表示態様が、特定リーチ演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合がある。具体的には、複数の装飾図柄によって、「NEST」と書かれた1枚のプレートが形成される。このため、遊技者は、「NEST」の文字が完成したのをみて、特定リーチ演出に発展することを容易に認識することができる。
なお、図47では左列に擬似停止した2図柄が左パネルに変形し、右列に擬似停止した6図柄が右パネルに変形する場合を例に説明したが、他の偶数図柄が擬似停止して左パネルや右パネルに変形する場合もある。また、中列に擬似停止して中パネルに変形する図柄は、4図柄以外の装飾図柄である場合もある。
ここまで、図42〜図47を参照しつつ、所定の表示オブジェクトが形成されることによって特定演出の実行が示唆される演出について説明したが、例えばSPSPリーチ演出に直接発展する場合には3つの発展示唆図柄が表示され(図42(H)参照)、ダークサイドゾーンに移行する場合には中図柄がロボ8図柄であると共にその左右に他の偶数のロボ図柄が表示される(図43(H)参照)。また、SPSP発展煽り演出が実行される場合には3つの車図柄が表示され(図45(H)参照)、特定リーチ演出が実行される場合には「NEST」と書かれたプレートが表示される(図47(H)参照)。このように、3つの装飾図柄を用いて行われる示唆演出では、その後に行われる演出の種類によって、形成される表示オブジェクトが互いに異なっている。このため、遊技者は、形成される表示オブジェクトの種類に基づいて、その後にどの演出が実行されるかを容易に識別することが可能である。
[車図柄スベリ演出]
図48,49は、車図柄スベリ演出の具体例を示す画面図である。この車図柄スベリ演出は、ノーマルリーチハズレ時に中列に擬似停止した1図柄、5図柄、又は9図柄の奇数図柄が車図柄に変形して右列の偶数図柄を攻撃し、右列の偶数図柄を滑らせることに成功したら3図柄擬似連または7図柄擬似連に発展するという演出である。
図48(A)に例示されるように、例えば第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態でハズレを示す態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図48(B)参照)。
次に、図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば左列に偶数図柄である4図柄が擬似停止し(図48(C)参照)、続いて右列に同じ偶数図柄である4図柄が擬似停止する(図48(D)参照)。これにより、リーチが成立した状態となり、図には示されていないが、所定のノーマルリーチ演出が行われる。ここで、ノーマルリーチの終盤で中列に1図柄、5図柄、又は9図柄が擬似停止した場合、以下のような演出表示が行われる場合がある。
すなわち、中列に例えば9図柄が擬似停止すると(図48(E)参照)、この9図柄が車図柄に変形しようとする所定の変形アクションを行い(図48(F)参照)、変形に成功した場合には中列に車9図柄が表示される(図48(G)参照)。このようにして車9図柄が中列に表示されると、この車9図柄が中列に擬似停止している偶数図柄(図48に示される例では4図柄)に攻撃を加える演出表示が行われる(図48(H)参照)。そして、車9図柄が右列の4図柄を下方に滑らせることに成功した場合、中列および右列の装飾図柄が再始動して高速スクロールを開始する(図48(I)参照)。
この中図柄および右図柄の高速スクロールが開始されると、例えば、その直後に中列に7図柄が急停止する(図49(A)参照)。このように、中列に7図柄が擬似停止した場合には擬似連続予告演出が少なくとも3連目までは発展する。このため、3つの装飾図柄が擬似停止し(図49(B)参照)、その後に7図柄がロボ7図柄に変形する不図示の変形アクションが行われて、擬似2連目の図柄変動に発展する(図49(C)参照)。
なお、図49には7図柄が停止して7図柄擬似連に発展する場合が例示されているが、3図柄が停止して3図柄擬似連に発展する場合もある。
ところで、図48に例示されるように3図柄や7図柄が擬似停止しなければ擬似連続予告演出への発展は期待できないが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、図48,49に基づいて上述したように、中列に停止した奇数図柄が車図柄に変形して右図柄を滑らせ、これにより7図柄擬似連や3図柄擬似連に発展するパターンが用意されている。このため、遊技者は、液晶画面5に3図柄や7図柄が停止しなかったとしても、擬似連続予告演出の発展を期待しながら遊技を楽しむことができる。
なお、図には示されていないが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、中列に奇数図柄が擬似停止すると見せ掛けておいて偶数図柄が停止して車図柄スベリ演出に発展しないガセ演出パターンや、中列に擬似停止した奇数図柄が車図柄への変形に成功したものの右偶数図柄を滑らせることができずに擬似連続予告演出に発展しない失敗演出パターン等も用意されている。
[チャンス目演出]
以下、図50〜図56を参照しつつ、チャンス目演出について説明する。ここで、図50〜図56は、チャンス目演出の具体例を示す画面図である。チャンス目演出は、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する際に装飾図柄を特定の組み合わせで表示することによって、第1特別図柄判定の保留の中に「大当たり」と判定されるものが存在する可能性があることを示唆する演出である。
このチャンス目演出によって表示されるチャンス目には、本実施形態では弱チャンス目、中チャンス目、及び強チャンス目の3種類が存在する。
弱チャンス目は、第1特別図柄判定の保留の中に「大当たり」と判定されるものが存在する可能性が相対的に低いことを示唆するチャンス目である。言い換えれば、先読み対象の変動がチャンスかもしれないといった印象を遊技者に与えるためのチャンス目である。本実施形態における弱チャンス目は、3つの偶数図柄から構成されるハズレ目である(例えば図50(G)参照)。先読み対象の変動が始まる前にこの弱チャンス目しか表示されなかった場合、先読み対象の変動では、リーチが成立する場合もあるがリーチが成立し難くい。また、先読み対象の変動でリーチが成立したとしても低信頼度のリーチ演出しか行われず、大抵の場合はハズレが報知されることになる。
中チャンス目は、第1特別図柄判定の保留の中に「大当たり」と判定されるものが存在する可能性が中程度であることを示唆するチャンス目である。本実施形態における中チャンス目は、7図柄を含まない3つの奇数図柄から構成されるハズレ目である(例えば図52(G)参照)。この中チャンス目は、先読み対象の変動で例えばノーマルリーチ演出以上のリーチ演出に発展することを示唆するチャンス目である。このため、先読み対象の変動が始まる前に中チャンス目が表示された場合、先読み対象の変動中に必ずリーチが成立して、大当たりに対する信頼度が中程度であることを示すリーチ演出(例えばSPリーチ演出)が行われる。なお、この中チャンス目が表示された場合、先読み対象の変動中にSPSPリーチ演出等の高信頼度のリーチ演出が行われる場合もある。このため、先読み対象の変動が始まる前に中チャンス目を表示することによって、遊技者の大当たりに対する期待感を効果的に高めることが可能である。
強チャンス目は、第1特別図柄判定の保留の中に「大当たり」と判定されるものが存在する可能性が相対的に高いことを示唆するチャンス目である。本実施形態における強チャンス目は、7図柄を含む3つの奇数図柄から構成されるハズレ目である(例えば図54(G)参照)。この強チャンス目は、先読み対象の変動で高信頼度のリーチ演出(例えばSPSPリーチ演出や7図柄でリーチが成立した状態で行われるリーチ演出)に発展することを示唆するチャンス目である。このため、先読み対象の変動が始まる前に強チャンス目が表示された場合、先読み対象の変動中に必ずリーチが成立して、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示す高信頼度のリーチ演出が行われる。このため、先読み対象の変動が始まる前に強チャンス目を表示することによって、遊技者の大当たりに対する期待感を効果的に高めることができ、また、大チャンスが近づいているといった印象を遊技者に与えることができる。
なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、先読み対象の変動が始まる前に、チャンス目が複数回表示される場合がある。例えば、先読み対象の2つ前の変動中に弱チャンス目が表示され、先読み対象の1つ前の変動中にも弱チャンス目が表示される場合がある。また、先読み対象の2つ前の変動中に弱チャンス目が表示され、先読み対象の1つ前の変動中に中チャンス目(又は強チャンス目)が表示される場合がある。また、先読み対象の2つ前の変動中に中チャンス目が表示され、先読み対象の1つ前の変動中に中チャンス目(又は強チャンス目)が表示される場合がある。ここでは、連続的に行われる2つの図柄変動を用いてチャンス目が表示される場合を例示したが、3変動、或いは4変動を用いて、先読み対象の変動が始まる前に、チャンス目が3回または4回表示されるような場合もある。
このように、先読み対象の変動が始まる前にチャンス目が複数回表示される場合は、先読み対象の1つ前の変動において表示されるチャンス目が先読み対象の変動の大当たりに対する信頼度を示唆する役割を持つ。このため、遊技者は、弱チャンス目や中チャンス目が表示された場合に、先読み対象の変動が始まる前に強チャンス目が表示されることを期待しながら、チャンス目演出を楽しむことができる。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定が保留された場合に、その第1特別図柄判定に先立って第1特別図柄判定と同様の判定を行う事前判定処理(先読み処理)が行われる。具体的には、第1特別図柄判定が行われた場合に「大当たり」と判定されるか否か、第1特別図柄判定の実行に応じて変動表示される第1特別図柄の変動パターンがどの変動パターンに選択されるか等を事前判定する処理が行われる。そして、この事前判定の結果に基づいて、チャンス目演出を実行するか否か、チャンス目演出を実行する場合にはどのような演出パターンのチャンス目演出を実行するかが決定され、その決定結果に基づいてチャンス目演出が行われる。
ところで、チャンス目の表示は、リーチ演出が行われないリーチ無しハズレの変動を用いて行われる。このため、先読み対象の事前判定結果に基づいてチャンス目演出を実行すると判断された場合、先読み対象の変動の前に消化される図柄変動で行われる演出が全てリーチ無し演出であるか否かが判定され、1つでもリーチ有り演出が行われる変動が含まれている場合には、チャンス目演出を実行しないといった制御が行われる。
なお、チャンス目演出を実行するか否かは、以下のような処理を行って決定することも可能である。具体的には、チャンス目演出の実行対象になり得る事前判定結果が得られた場合に、先読み対象の変動よりも先に消化される図柄変動に関してリーチ有り演出が行われるものが含まれているか否かを判断し、含まれていると判断した場合にはチャンス目演出を実行しないと決定し、含まれていないと判断した場合にはチャンス目演出を実行すると決定するといった処理である。
パチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定の判定結果を示す組み合わせで装飾図柄が停止表示されるのに先立って、装飾図柄が所定の組み合わせで擬似停止表示されるが、本実施形態では、これらの装飾図柄が擬似停止表示されるときと停止表示されるときとの両方において、チャンス目が表示される場合がある。なお、以下の説明では、3つの装飾図柄が完全に停止する場合をこれらの装飾図柄が擬似停止する場合と明確に区別するために、3つの装飾図柄が完全に停止することを「本停止」と呼ぶ場合がある。
(弱チャンス目が連続するパターン)
図50,51は、2変動続けて弱チャンス目が表示されるチャンス目演出の具体例を示す画面図である。図50(A)には、第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態で第1特別図柄および装飾図柄が停止表示された状態が例示されている。このような状況において、例えば保留領域51における3つ目の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の保留に対して始動口入賞時に上述した事前判定処理が実行され、その事前判定結果に基づいて2変動続けて弱チャンス目を表示するチャンス目演出を行うと決定された場合、以下のような演出が行われる。
すなわち、図50(A)に例示されるように第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す表示態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図50(B)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、3つ目の保留であることを示す位置から2つ目の保留であることを示す位置に移動する(図50(A)及び(B)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる。その際、ここでは弱チャンス目を表示することが予め決められているため、図50(C)に例示されるように、例えば「266」が擬似停止する。
このように、弱チャンス目を擬似停止すると予め決定されている場合、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す、7図柄を含まない3つの偶数図柄から構成されるハズレ目が弱チャンス目として擬似停止する。
なお、図50(C)には、「266」という組み合わせの弱チャンス目が例示されているが、例えば「246」、「248」、「268」、「426」、「428」、「862」といった他の偶数図柄の組み合わせの弱チャンス目が擬似停止する場合もある。すなわち、弱チャンス目は、「ハズレ」であることを示し、7図柄を含まず、且つ3つの偶数図柄から構成されるものであれば、どのような組み合わせのものであってもよい。
ところで、弱チャンス目として使用される偶数図柄は、図21に基づいて上述したようにいずれも灰色の装飾図柄である。また、本実施形態においては、2図柄、4図柄、6図柄、及び8図柄の4種類の偶数図柄が存在するため、チャンス目として停止する偶数図柄の組み合わせもかなり多い。このため、単純に3つの偶数図柄を擬似停止させただけでは、遊技者がそれを弱チャンス目と認識できないおそれがある。
このため、本実施形態では、弱チャンス目が停止したことを遊技者に分かり易く報知するために、以下のような演出表示が行われる。すなわち、図50(C)に例示する弱チャンス目の表示に続いて、小さい3つの青色のエンブレムを液晶画面5に表示すると共にこれらのエンブレムおよびその周辺を青色発光させる演出表示が行われる(図50(D)参照)。そして、弱チャンス目として擬似停止したのと同じ組み合わせの3つの装飾図柄が本停止して(図50(E)参照)、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、弱チャンス目が擬似停止してから本停止するまでの間に弱チャンス目が停止したことを示唆する演出表示が行われるので、遊技者は、弱チャンス目が停止したことを容易に認識することが可能である。なお、後に詳述するが、このような演出表示は弱チャンス目に限らず、中チャンス目や強チャンス目に関しても互いに異なる態様で行われる。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「266」の偶数図柄が本停止すると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図50(F)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、2つ目の保留であることを示す位置から1つ目の保留であることを示す位置に移動する(図50(E)及び(F)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる(図50(G)参照)。その際、ここでは弱チャンス目を表示することが予め決められているため、図50(G)に例示されるように、例えば「664」が擬似停止する。
このようにして弱チャンス目が擬似停止すると、図50(D)に基づいて上述したのと同様に、弱チャンス目が停止したことを示す演出表示が行われて(図50(H)参照)、擬似停止したチャンス目と同じ組み合わせの偶数図柄が本停止して、今回の図柄変動開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される(図50(I)参照)。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「664」の偶数図柄が本停止すると、図50(I)及び図51(A)に例示されるように、保留領域51に表示されている最先の保留アイコン(先読み対象の保留アイコン)が当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される。
次に、今回の図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば、左列に8図柄が擬似停止し(図51(B)参照)、右列に9図柄が擬似停止し(図51(C)参照)、中列に4図柄が擬似停止し(図51(D)参照)、その後、ハズレが報知される(図51(E)参照)。
このように、先読み対象のアイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンで第1特別図柄が変動表示されるというように「大当たり」に対する信頼度が相対的に低い場合、弱チャンス目が表示され易く、中チャンス目や強チャンス目は表示され難いという特徴がある。
(弱チャンス目と中チャンス目が表示されるパターン)
図52,53は、弱チャンス目が表示された後に中チャンス目が表示されるチャンス目演出の具体例を示す画面図である。図52(A)には、第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態で第1特別図柄および装飾図柄が停止表示された状態が例示されている。このような状況において、例えば保留領域51における3つ目の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の保留に対して始動口入賞時に上述した事前判定処理が実行され、その事前判定結果に基づいて、弱チャンス目を表示してから中チャンス目を表示するチャンス目演出を行うと決定された場合、以下のような演出が行われる。
すなわち、図52(A)に例示されるように第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す表示態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図52(B)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、3つ目の保留であることを示す位置から2つ目の保留であることを示す位置に移動する(図52(A)及び(B)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる。その際、ここでは弱チャンス目を表示することが予め決められているため、図52(C)に例示されるように、例えば「264」が擬似停止する。
次に、小さい3つの青色のエンブレムを液晶画面5に表示すると共にこれらのエンブレムおよびその周辺を青色発光させる演出表示が行われる(図52(D)参照)。そして、弱チャンス目として擬似停止したのと同じ組み合わせの3つの装飾図柄が本停止して(図52(E)参照)、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「264」の偶数図柄が本停止すると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図52(F)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、2つ目の保留であることを示す位置から1つ目の保留であることを示す位置に移動する(図52(E)及び(F)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる(図52(G)参照)。その際、ここでは中チャンス目を表示することが予め決められているため、図52(G)に例示されるように、例えば「159」が擬似停止する。
このように、中チャンス目を擬似停止すると予め決定されている場合、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す、7図柄を含まない3つの奇数図柄から構成されるハズレ目が中チャンス目として擬似停止する。
なお、図52(G)には、「159」という組み合わせの中チャンス目が例示されているが、例えば「319」、「953」、「135」、「915」といった他の奇数図柄の組み合わせの中チャンス目が擬似停止する場合もある。すなわち、中チャンス目は、「ハズレ」であることを示し、7図柄を含まず、且つ3つの奇数図柄から構成されるものであれば、どのような組み合わせのものであってもよい。
ところで、中チャンス目には、図21に例示されるように、黄緑色の1図柄、黄色の3図柄、青色の5図柄、及び朱色の9図柄が使用されるが、これらの奇数図柄が互いに色が異なっている。また、チャンス目演出は、第1特別図柄の変動時間が相対的に短いハズレ変動を使用して行われるため、チャンス目が表示される時間も短い。このため、単純に7図柄を含まない3つの奇数図柄を擬似停止させただけでは、遊技者がそれを中チャンス目と明確に認識できないおそれがある。このことは、中チャンス目を示す3つの奇数図柄を本停止させる場合についても同様である。
このため、本実施形態では、中チャンス目が停止したことを遊技者に分かり易く報知するために、以下のような演出表示が行われる。すなわち、図52(G)に例示する中チャンス目の表示に続いて、中程度の大きさの3つの緑色のエンブレムを液晶画面5に表示すると共にこれらのエンブレムおよびその周辺を緑色発光させる演出表示が行われる(図52(H)参照)。そして、中チャンス目として擬似停止したのと同じ組み合わせの3つの装飾図柄が本停止して(図52(I)参照)、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、中チャンス目が擬似停止してから本停止するまでの間に中チャンス目が停止したことを示唆する演出表示が行われるので、遊技者は、中チャンス目が停止したことを容易に認識することが可能である。また、弱チャンス目に対する演出表示と中チャンス目に対する演出表示とを比較した場合、両者は、エンブレムの大きさと色、そして発光色が互いに相違する。本実施形態では、中チャンス目を表示する場合、弱チャンス目を表示する場合に比べて、エンブレムに関する色を青色ではなく緑色にすると共に、エンブレムをより大きく表示することでエンブレムの視認性を高めることで、チャンスであることを遊技者に分かり易く示唆している。このため、弱チャンス目と中チャンス目との識別も容易である。なお、ここではエンブレムの視認性を変化させて、弱チャンス目よりも中チャンス目を認識し易くしているが、同様の趣旨で、中チャンス目が表示される際の演出音を、弱チャンス目が表示される際の演出音よりも遊技者が認識し易いものとするといった構成(例えば音量を高めたり、或いはより高音の音を出力したりする)を採用してもよい。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「159」の奇数図柄が本停止すると、図52(I)及び図53(A)に例示されるように、保留領域51に表示されている最先の保留アイコン(先読み対象の保留アイコン)が当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される。
次に、今回の図柄変動の開始から所定時間が経過すると、例えば、左列に1図柄が擬似停止し(図53(B)参照)、この1図柄が所定の変形アクションを行ってロボ1図柄に変形する(図53(C)〜(D)参照)。そして、上述した1図柄アイコン変化演出が行われて、当該領域52に表示されている当該アイコンの表示色が例えば緑色に変化する(図53(E)〜(F)参照)。このようにして1図柄アイコン変化演出が行われると、その演出を行ったロボ1図柄が液晶画面5から退去して、例えばリーチが成立する(図53(G)参照)。
このようにして当該アイコンが緑色に変化した場合、例えば、大当たりに対する信頼度が若干高めのSPリーチ演出が行われて(図53(H)参照)、最終的にはハズレが報知される(図53(I)参照)。
このように、先読み対象のアイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ第1特別図柄の変動時間が若干長めの変動パターンで第1特別図柄が変動表示されるというように「大当たり」に対する信頼度が中程度である場合、弱チャンス目や中チャンス目が表示され易く、強チャンス目は表示され難いという特徴がある。
なお、ここでは弱チャンス目が表示されてから中チャンス目が表示されるパターンを例に説明したが、中チャンス目が連続的に表示されるような場合もあるし、また、中チャンス目が1回だけ表示されるような場合もある。
このように、大当たりに対する信頼度が相対的に高くない場合には、7図柄を含まない偶数図柄(又は奇数図柄)が所定の組み合わせで擬似停止(又は本停止)する。
(中チャンス目と強チャンス目が表示されるパターン)
図54〜56は、中チャンス目が表示された後に強チャンス目が表示されるチャンス目演出の具体例を示す画面図である。図54(A)には、第1特別図柄判定の保留数が「3」の状態で第1特別図柄および装飾図柄が停止表示された状態が例示されている。このような状況において、例えば保留領域51における3つ目の保留アイコンに対応する第1特別図柄判定の保留に対して始動口入賞時に上述した事前判定処理が実行され、その事前判定結果に基づいて、中チャンス目を表示してから強チャンス目を表示するチャンス目演出を行うと決定された場合、以下のような演出が行われる。
すなわち、図54(A)に例示されるように第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す表示態様で装飾図柄が停止表示されると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図54(B)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、3つ目の保留であることを示す位置から2つ目の保留であることを示す位置に移動する(図54(A)及び(B)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる。その際、ここでは中チャンス目を表示することが予め決められているため、図54(C)に例示されるように、例えば「915」が擬似停止する。
次に、大きさが中程度の3つの緑色のエンブレムを液晶画面5に表示すると共にこれらのエンブレムおよびその周辺を緑色発光させる演出表示が行われる(図54(D)参照)。そして、中チャンス目として擬似停止したのと同じ組み合わせの3つの装飾図柄が本停止して(図54(E)参照)、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「915」の奇数図柄が本停止すると、保留領域51に表示されている最先の保留アイコンが当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される(図54(F)参照)。これに伴い、上述した事前判定処理の対象である先読み対象の保留アイコンが、2つ目の保留であることを示す位置から1つ目の保留であることを示す位置に移動する(図54(E)及び(F)参照)。
上記のように第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始されると、左列の装飾図柄、右列の装飾図柄、及び中列の装飾図柄が順番に、或いはほぼ同時に液晶画面5に擬似停止して、3つの装飾図柄が擬似停止した状態となる(図54(G)参照)。その際、ここでは強チャンス目を表示することが予め決められているため、図54(G)に例示されるように、例えば「577」が擬似停止する。
このように、強チャンス目を擬似停止すると予め決定されている場合、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す、7図柄を含む3つの奇数図柄から構成されるハズレ目が強チャンス目として擬似停止する。
なお、図54(G)には、「577」という7図柄を2つ含む奇数図柄の組み合わせ強チャンス目が例示されているが、強チャンス目に含まれる7図柄の数は1つであってもよい。また、強チャンス目に含まれる7図柄以外の奇数図柄の組み合わせは、図54(G)に例示される奇数図柄とは異なる奇数図柄の組み合わせであってもよい。
ところで、強チャンス目には、図21に例示されるように、黄緑色の1図柄、黄色の3図柄、青色の5図柄、赤色の7図柄、及び朱色の9図柄が使用されるが、これらの奇数図柄が互いに色が異なっている。また、チャンス目演出は、第1特別図柄の変動時間が相対的に短いハズレ変動を使用して行われるため、チャンス目が表示される時間も短い。このため、単純に7図柄を含む3つの奇数図柄を擬似停止させただけでは、遊技者がそれを強チャンス目と明確に認識できないおそれがある。このことは、強チャンス目を示す3つの奇数図柄を本停止させる場合についても同様である。
このため、本実施形態では、強チャンス目が停止したことを遊技者に分かり易く報知するために、以下のような演出表示が行われる。すなわち、図54(G)に例示する強チャンス目の表示に続いて、大きい3つの赤色のエンブレムを液晶画面5に表示すると共にこれらのエンブレムおよびその周辺を赤色発光させる演出表示が行われる(図54(H)参照)。そして、強チャンス目として擬似停止したのと同じ組み合わせの3つの装飾図柄が本停止して(図54(I)参照)、今回の図柄変動の開始時に行われた第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることが報知される。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、強チャンス目が擬似停止してから本停止するまでの間に強チャンス目が停止したことを示唆する演出表示が行われるので、遊技者は、強チャンス目が停止したことを容易に認識することが可能である。また、強チャンス目に対する演出表示は、エンブレムの大きさと色、及び発光色が弱チャンス目や中チャンス目と明らかに相違する。本実施形態では、強チャンス目を表示する場合、中チャンス目を表示する場合に比べて、エンブレムに関する色を緑色ではなく赤色にすると共に、エンブレムをより大きく表示することでエンブレムの視認性を高めることで、大チャンスであることを遊技者に分かり易く示唆している。このため、これら3つのチャンス目の識別は容易である。なお、ここではエンブレムの視認性を変化させて、弱チャンス目や中チャンス目よりも強チャンス目を認識し易くしているが、同様の趣旨で、強チャンス目が表示される際の演出音を、弱チャンス目や中チャンス目が表示される際の演出音よりも遊技者が認識し易いものとするといった構成(例えば音量を高めたり、或いはより高音の音を出力したりする)
を採用してもよい。
今回の第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す「577」の奇数図柄が本停止すると、図54(I)及び図55(A)に例示されるように、保留領域51に表示されている最先の保留アイコン(先読み対象の保留アイコン)が当該領域52に移動して当該アイコンとして表示されると共に、第1特別図柄および装飾図柄の変動表示が開始される。
これらの図柄の変動表示が開始されると、例えば、左列に2図柄、右列に6図柄、中列に1図柄が擬似停止する(図55(B)参照)。そして、中列に擬似停止している1図柄が所定の変形アクションを行って車1図柄に変形し(図55(D)参照)、この車1図柄が右列の6図柄を攻撃する演出表示が行われる(図55(E)参照)。ここで、車1図柄が右列の6図柄を下方に滑らせることに成功すると、中列および右列の装飾図柄が再始動して高速スクロールを開始する(図55(F)参照)。
この中図柄および右図柄の高速スクロールが開始されると、例えば、その直後に中列に7図柄が急停止する(図55(G)参照)。このように、中列に7図柄が擬似停止した場合には擬似連続予告演出が少なくとも3連目までは発展する。このため、3つの装飾図柄が擬似停止し(図55(B)参照)、その後に7図柄がロボ7図柄に変形する不図示の変形アクションが行われて、擬似2連目の図柄変動に発展する(図55(H)参照)。
擬似2連目の変動において、例えば左列に5図柄が擬似停止して(図55(I)参照)、この5図柄が変形アクションを行う場合がある(図56(A)参照)。そして、5図柄がロボ5図柄への変形に成功すると、例えば、7図柄擬似連を行う7図柄を停止させる5図柄示唆演出が行われる。具体的には、ロボ5図柄が左列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた左列に例えば3図柄が急停止する(図56(C)参照)。次に、ロボ5図柄が右列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた右列に例えば4図柄が急停止する(図56(D)参照)。そして、ロボ5図柄が中列をパンチにより攻撃する演出表示が行われて、装飾図柄が高速スクロールしていた中列に例えば7図柄が急停止する(図56(E)参照)。これにより、擬似3連目への発展が確定し、7図柄がロボ7図柄へと変形して擬似3連目への発展を示唆する演出を行い(図56(F)参照)、擬似3連目の図柄変動に発展する(図56(G)参照)。
このようにして擬似3連目に発展した後、例えば、SPSPリーチ演出に発展して(図56(H)参照)、最終的に「大当たり」を報知する表示態様で装飾図柄が停止表示される(図56(I)参照)。
このように、先読み対象のアイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であり、且つ第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンで第1特別図柄が変動表示されるというように「大当たり」に対する信頼度が相対的に高い場合、弱チャンス目や中チャンス目は表示され難く、逆に強チャンス目が表示され易いという特徴がある。
なお、ここでは中チャンス目が表示されてから強チャンス目が表示されるパターンを例に説明したが、強チャンス目が連続的に表示されるような場合もあるし、また、強チャンス目が1回だけ表示されるような場合もある。
このように、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合には、7図柄を含む奇数図柄が所定の組み合わせで擬似停止(又は本停止)する。
なお、チャンス目演出によって表示される各チャンス目には、以下のことが言える。すなわち、弱チャンス目は、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するチャンス目である。このため、事前判定処理の対象となった保留の消化時に「大当たり」と判定されることになるという事前判定結果が得られた場合には、弱チャンス目は表示され難いという特徴がある。また、保留の消化時に実行される第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ第1特別図柄の変動パターンが第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンに選択されるという事前判定結果が得られた場合には、弱チャンス目が表示され易い。
また、中チャンス目は、大当たりに対する信頼度が中程度であることを示唆するチャンス目である。このため、事前判定処理の対象となった保留の消化時に「大当たり」と判定されることになるという事前判定結果が得られた場合に、中チャンス目が選択される場合がある。また、保留の消化時に実行される第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ第1特別図柄の変動パターンが第1特別図柄の変動時間が中程度である変動パターンに選択されるという事前判定結果が得られた場合には、中チャンス目が表示され易い。
また、強チャンス目は、大当たりに対する信頼度が相対的に高いことを示唆するチャンス目である。このため、事前判定処理の対象となった保留の消化時に「大当たり」と判定されることになるという事前判定結果が得られた場合には、強チャンス目が表示され易い。また、保留の消化時に実行される第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」となり、且つ第1特別図柄の変動パターンが第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンに選択されるという事前判定結果が得られた場合にも、強チャンス目が表示され易い。
ここまで、本実施形態に係るパチンコ遊技機1で行われるチャンス目演出について説明したが、チャンス目演出に関して以下のような構成を採用してもよい。
すなわち、本実施形態では、例えば図54に例示される強チャンス目に関して、擬似停止する3つの奇数図柄(7図柄を含む)の表示と、大きい3つの赤色のエンブレムとその周辺とを赤色発光させる演出表示(図54(H)におけるエフェクト画像表示)とを時系列的に別々に(直列に)行う場合について説明したが、他の実施形態では、3つの奇数図柄の擬似停止表示と、上記のエフェクト画像表示とを同時に行うようにしてもよい。この場合、例えば図55(G)に例示されるように「577」の強チャンス目を停止させる場合、中列および右列の7図柄が赤色の装飾図柄であり、左列の5図柄がこれとは違う色の装飾図柄であるため、2つの7図柄を赤色発光させると同時に左列の5図柄は発光させない(例えば逆に消灯させる)といった構成を採用することが考えられる。このような構成は、弱チャンス目や中チャンス目にも同様に採用することが考えられる。例えば図50(C)に例示される「266」の弱チャンス目を表示する場合、2図柄は消灯させると共に、中列および右列の6図柄を青色発光させるといった構成が考えられる。
また、本実施形態では、少なくとも1つの7図柄を含む3つの装飾図柄の組み合わせが強チャンス目を表す構成が採用されているが、他の実施形態では、例えば中列および右列に7図柄が擬似停止すると共に左列に偶数図柄が擬似停止する3つの装飾図柄の組み合わせを強チャンス目としてもよい。この場合、強チャンス目の表示として、左列の偶数図柄を消灯させると共に中列および右列の7図柄を赤色発光させることが考えられる。
また、本実施形態では、7図柄を含まない3つの奇数図柄の組み合わせが中チャンス目を表す構成が採用されているが、他の実施形態では、例えば中列および右列に1図柄が擬似停止すると共に左列に他の奇数図柄(又は偶数図柄)が擬似停止する3つの装飾図柄の組み合わせを中チャンス目としてもよい。この場合、中チャンス目の表示として、左列の奇数図柄(又は偶数図柄)を消灯させると共に中列および右列の1図柄を緑色(或いは黄緑色)発光させることが考えられる。
また、本実施形態では、3つの偶数図柄の組み合わせが弱チャンス目を表す構成が採用されているが、他の実施形態では、例えば左列および中列に2図柄が擬似停止すると共に右列に他の偶数図柄(又は奇数図柄)が擬似停止する3つの装飾図柄の組み合わせを弱チャンス目としてもよい。この場合、弱チャンス目の表示として、右列の偶数図柄(又は奇数図柄)を消灯させると共に左列および中列の2図柄を青色発光させることが考えられる。
すなわち、本実施形態のように、7図柄が最も強く、次に他の奇数図柄が強く、そして偶数図柄が弱いといった構成が採用されている場合、2つの7図柄と他の装飾図柄(奇数でも偶数でもよい)とを組み合わせた3つの装飾図柄を強チャンス目として表示し、2つの例えば1図柄と他の装飾図柄(7でなければ奇数でも偶数でもよい)とを組み合わせた3つの装飾図柄を中チャンス目として表示し、2つの例えば2図柄と他の装飾図柄(7でなければ奇数でも偶数でもよい)とを組み合わせた3つの装飾図柄を弱チャンス目として表示してもよい。
ここまで、図21に例示した各図柄を用いる演出の具体例について説明したが、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、奇数図柄は第1表示態様および第2表示態様のどちらの表示態様にも変化可能である一方で、偶数図柄はこれら2つの表示態様のうちのいずれか一方(本実施形態では第1表示態様)の表示態様にしか変化し得ないという構成が採用されている。このように、奇数図柄と偶数図柄とで表示態様の変化に関して差異があるので、装飾図柄を用いる演出を効果的に行うことができる。
また、本実施形態では、奇数図柄が変形したロボ1図柄、ロボ3図柄、ロボ5図柄、及びロボ7図柄は、それぞれ単独で対応する演出の実行を示唆したり、その演出自体を行ったりする一方で、偶数図柄が変形したロボ図柄は、単独では対応する演出を示唆したりその演出を実行したりしないという構成が採用されている。このため、遊技者は、全ての装飾図柄のうちの奇数図柄が擬似停止することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、例えば1図柄に着目すれば、ロボ1図柄は単独でも1図柄アイコン変化演出という特定の演出を示唆したり実行したりすると共に、2図柄と協働して押合いアイコン変化演出という他の演出を示唆したり実行したりする機能を有している。このため、遊技者は、例えば1図柄が擬似停止した場合にどの演出が示唆されたり行われたりするかを完全には特定することができず、このため、どのような演出が示唆されたり行われたりするかを推測しながら遊技を楽しむことができる。
また、例えば7図柄に着目すれば、中列に擬似停止すれば擬似3連以上の擬似連続予告演出に発展し(図35及び図36参照)、右列に擬似停止すれば7図柄示唆演出(図37参照)に発展するというように、同じ装飾図柄でも停止位置によってその後の演出の発展方向が相違するという特徴がある。このため、遊技者は、各図柄がどの列に停止するかに基づいてその後の演出の発展方向を推測しながら、遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、各装飾図柄が、大当たりに対する信頼度を示唆する演出への発展に繋がり得る第1表示態様や第2表示態様へと変化しなかったとしても、通常表示態様の状態でチャンス目が停止する場合がある。このため、遊技者は、各装飾図柄の表示態様が第1表示態様や第2表示態様に変化しなかったとしても、大当たりに対する信頼度を示唆する演出が発生することに対する期待感を失うことなく遊技を楽しむことが可能である。
以下、図8〜図56に基づいて上述した演出を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図57に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。なお、制御装置の構成はこれに限定されるものではなく、例えば演出制御基板130、画像音響制御基板140、及びランプ制御基板150が1つの基板で構成されていてもよい。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、ゲートスイッチ114、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、V入賞口スイッチ117、排出スイッチ118、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、V入賞口制御部121、普通入賞口スイッチ122、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。ゲートスイッチ114は、遊技球がゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ115は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ116は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。V入賞口スイッチ117は、V領域195に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。排出スイッチ118は、ハズレ領域196に進入する遊技球を検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部120は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する第1羽根部材191(図4参照)に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。V入賞口制御部121は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、V領域195を開閉する第2羽根部材192(図4参照)に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、V領域195を開閉する。普通入賞口スイッチ122は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ115、第2大入賞口スイッチ116、又は普通入賞口スイッチ122からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ122を備えているが、図57においては、普通入賞口スイッチ122を1つだけ表記している。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部119及び第2大入賞口制御部120を介して第1大入賞口13及び第2大入賞口19を開閉して大当たり遊技を実行する。また、第2大入賞口19に係るラウンド遊技に伴って、V入賞口制御部121を介してV領域195を開閉する。そして、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力された場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を確変遊技状態に設定し、V入賞口スイッチ117からの検知信号が入力されなかった場合には、大当たり遊技終了後の遊技状態を時短遊技状態に設定する。
また、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17に連結された電動ソレノイドを作動させることにより、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図4に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は演出キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、ランプCPU151、ランプROM152、及びランプRAM153を備えている。ランプCPU151は、ランプROM152に記憶されたプログラムに基づいて、演出役物71〜73、遊技盤2に設けられた盤ランプ25、枠部材3に内蔵された枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ262、演出ボタン26の状態を変化させるボタンモータ261等を制御する際の演算処理を行う。ランプRAM153は、ランプCPU151が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROM152には、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、演出役物71〜73に内蔵されているLED等の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ262等のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、演出役物71〜73の動作パターンを示すデータや、演出ボタン26の動作パターンを示すデータである。
ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73の発光素子、盤ランプ25、枠ランプ37、演出ボタン26のボタンランプ262等の各発光素子の発光を制御する。
また、ランプCPU151は、ランプROM152に記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAM153に読み出して、演出役物71〜73を動作させるステッピングモータの駆動、演出ボタン26を上下動させるボタンモータ261(例えばステッピングモータ)の駆動を制御する。
[画像音響制御基板140の構成例]
図58は、画像音響制御基板140の構成例を示すブロック図である。画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図58に例示されるように、統括CPU141、VDP(Video Display Processor)142、音響DSP(Digital Signal Processor)143、制御用ROM144、制御用RAM145、音響用ROM146、SDRAM147、CGROM148、及びVRAM149を備えている。
統括CPU141は、制御用ROM144に記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDP142に対して、CGROM148に記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPU141は、音響DSP143に対しても、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROM144は、マスクROMで構成されており、統括CPU141の制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAM145は、統括CPU141が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROM148は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROM148は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROM148は、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM148に記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAM149は、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域1491、展開記憶領域1492、フレームバッファ1493等を有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域1491は、統括CPU141から出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域1492は、CGROM148から読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファ1493は、液晶表示装置5に表示される画像データの描画および表示に兼用されるフレームバッファである。
VDP142は、CGROM148に圧縮された状態で記憶されている画像データを伸長して、伸長した画像データを展開記憶領域1492に格納する。また、VDP142は、ディスプレイリスト記憶領域1491に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域1492に格納した画像データを用いて、フレームバッファ1493に対する描画処理を行う。また、VDP142は、フレームバッファ1493に記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSP143には、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROM146と、音響DSP143によるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAM147と、アンプ1431とが接続されている。音響DSP143は、統括CPU141からの指示に対応する音響データを音響用ROM146からSDRAM147に読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データを(アンプ1431を介して)スピーカ24に出力する。アンプ1431は、統括CPU141から音響DSP143を介して得られる音量に関する指示に従って音量を調整して音響データをスピーカ24に出力させる。
なお、本実施形態では、VDPが描画管理を担うと共に音響DSPがサウンド管理を担う場合について説明するが、他の実施形態では、VDPが描画管理とサウンド管理との両方を担うような構成を採用してもよい。この場合、音響DSPを別途設ける必要はない。
[メインRAM103の構成例]
図59は、メインRAM103の構成例及びメインRAM103に格納される各種情報を示すブロック図である。図59(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される記憶領域である。また、第2特別図柄判定は、第1特別図柄判定に対して優先消化される。このため、判定用記憶領域1030には、特別図柄判定の実行に際して、第2特別図柄判定が保留されている場合には第1保留記憶領域1035に記憶されている各種情報がシフトされ、第1特別図柄判定のみが保留されている場合には第1保留記憶領域1031に記憶されている各種情報がシフトされる。
図59(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、事前判定情報を記憶する領域等を含んでいる。
大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の特別図柄の変動パターンを決定するための乱数である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図64参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。ここで、入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。これらの情報を含む事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図59(B)に基づいて説明した5つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに5つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る5つの情報が新たに取得された場合、この5つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を、特別図柄判定を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図60を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図60は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図60に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図60以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻されて更新される。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図61に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図65に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を動作させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、第1大入賞口制御部119、第2大入賞口制御部120、及びV入賞口制御部121を制御して第1大入賞口13、第2大入賞口19、及びV領域195を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図61は、図60のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図61に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図62に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図63に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、ゲートスイッチ114からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、ゲートスイッチ114からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図62は、図61のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図62に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS213〜ステップS216)。
このように、保留数U1が最大保留数Umax1未満の状態で第1始動口スイッチ111が「ON」になるという取得条件の成立に応じて、大当たり乱数等の各種の取得情報が取得される。
ステップS216の処理に続いて、メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS217)。メインRAM103には、時短遊技フラグが記憶されている。この時短遊技フラグは、第2始動口12に遊技球が入賞し難い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「OFF」に設定され、逆に、第2始動口12に遊技球が入賞し易い状態に電動チューリップ17を制御する場合に「ON」に設定されるフラグである。メインCPU101は、ステップS217において、メインRAM103に記憶されている時短遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する。
メインCPU101は、現在の状態が高ベース状態ではないと判断した場合(ステップS217:NO)、すなわち時短遊技フラグが「OFF」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図66参照)や変動パターン選択処理(図67参照)に先立って、ステップS213〜S216の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図64に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS218の処理を実行した場合、又は高ベース状態である(時短遊技フラグが「ON」に設定されている)と判断した場合(ステップS217:YES)、第1特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図63は、図61のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図63に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS223〜ステップS226)。
ステップS226の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS217の処理と同様に、現在の状態が高ベース状態であるか否かを判断する(ステップS227)。ここで、現在の状態が高ベース状態であると判断した場合(ステップS227:YES)、すなわち時短遊技フラグが「ON」に設定されている場合、事前判定処理を実行する(ステップS228)。この事前判定処理については、図64に基づいて後に詳述する。
メインCPU101は、ステップS228の処理を実行した場合、又は高ベース状態ではない(時短遊技フラグが「OFF」に設定されている)と判断した場合(ステップS227:NO)、第2特別図柄判定に係る保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含むものであり、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図64を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図64は、図62,63のステップS218,S228における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図62のステップS217の処理で高ベース状態ではないと判断した場合、又は図63のステップS227の処理で高ベース状態であると判断した場合、大当たり判定処理を実行する(ステップS2181)。具体的には、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)である場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。一方、高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)である場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする。そして、図62のステップS213の処理(又は図63のステップS223の処理)で取得した大当たり乱数が、メインRAM103にセットした大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2181の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりであると判定されるか否かを判断する(ステップS2182)。ここで、当該変動開始時に大当たりであると判定されると判断した場合(ステップS2182:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2183)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりではないと判定されると判断した場合(ステップS2182:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS2181の大当たり判定処理に使用された大当たり乱数と一緒に取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2184:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
ところで、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であり、且つ当該変動中にリーチ演出が行われない場合、当該変動開始時における第1特別図柄判定の保留数に基づいて第1特別図柄の変動パターンが決定される。そして、保留されている第1特別図柄判定が消化される前と後とでは第1特別図柄判定の保留数が相異なる場合がある。このため、第1特別図柄判定が消化される前に取得した特別図柄の変動パターンが、その第1特別図柄判定が実際に消化される際に選択される特別図柄の変動パターンとは異なる場合がある。すなわち、当該変動中にリーチ演出が行われない第1特別図柄判定の権利に対しては、その第1特別図柄判定に先立って正確な特別図柄の変動パターンを取得できない場合がある。
このため、リーチ演出が行われないと判定された場合には(ステップS2184:NO)、後述するステップS2186の変動パターン乱数判定処理が行われることなくステップS2187に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS2186)。具体的には、ステップS2181の処理で使用された大当たり乱数と一緒に始動口入賞時に取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる第1特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2186の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2184:NO)、事前判定情報を生成してメインRAM103に格納する(ステップS2187)。この事前判定情報が格納される領域については、図59に基づいて上述した通りである。
このように、メインCPU101は、遊技球が第1始動口11(又は第2始動口12)に入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報に基づいて、この取得情報に基づく大当たり判定や変動パターン選択処理が行われるのに先立って、第1特別図柄(又は第2特別図柄)の変動パターン(すなわち変動時間)を取得する。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図65を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図65は、図60のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。
図65に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、メインCPU101は、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第2特別図柄判定用の保留記憶領域1035〜1038に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。また、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1特別図柄判定用の保留記憶領域1031〜1034に記憶されている最先の取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す特別図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図66に基づいて後に詳述する。
図65の表記からも明らかなように、メインCPU101は、大当たり遊技中ではなく、図柄変動中でもないといった始動条件が成立すると、このステップS309において、始動口入賞時に取得した大当たり乱数等に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図67に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した特別図柄の設定情報、この特別図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。
この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5における装飾図柄の変動表示等が開始されることになる。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域1030に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示を開始する。一方、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には、第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示を開始する。
次に、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す特別図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した特別図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この特別図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す特別図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図66は、図65のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
ここでの当選値は、高確率時用大当たり乱数テーブル又は低確率時用大当たり乱数テーブルに規定されている大当たりの当選値である。高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、高確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。一方、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態または時短遊技状態)のときに大当たり判定が実行される場合には、低確率時用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値が使用される。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照して大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。
具体的には、ステップS3091の大当たり判定に使用された大当たり乱数と一緒に判定用記憶領域1030に記憶されている図柄乱数が第1特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第1始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。一方、第2特別図柄判定に係るものである場合には、その図柄乱数が、第2始動口入賞用の図柄決定テーブルに規定されているどの乱数値と一致するかに基づいて、大当たりの種類を決定する。
このように、メインCPU101は、大当たりの種類を決定することによって、V領域195への遊技球の入賞が困難な短開放当たり、又はV領域195への遊技球の入賞が容易な長開放当たりを選択する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示されて、その特別図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS317の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図67は、図65のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図65のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図68を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図68は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図68に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図68以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から遊技情報としてのコマンドを受信した場合に、コマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理の詳細については、図69に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、コマンド送信処理を実行する(ステップS30)。具体的には、ステップS10の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140(及びランプ制御基板150)に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯等による演出の実行がランプ制御基板150に対して指示される。
そして、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS50)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御部140から送信されるので、そのデータをランプ制御部150に転送する。これにより、液晶画面5およびスピーカ24で行われている演出と同期するように、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物71〜73、演出ボタン26等の演出媒体による演出がランプ制御部150によって制御される。
[演出制御部130によるコマンド受信処理]
図69は、図68のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図69に例示されるように、サブCPU131は、まず、遊技制御基板100から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS11:NO)、ステップS30に処理が進められる。
サブCPU131は、遊技制御基板100からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS11:YES)、そのコマンドがステップS219(図62参照)又はステップS229(図63参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドであるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、保留コマンドではないと判定された場合(ステップS12:NO)、後述するステップS15に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、保留コマンド受信処理を実行する(ステップS13)。この保留コマンド受信処理については、図70に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドではないと判定した場合(ステップS12:NO)、そのコマンドがステップS311(図65参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドであるか否かを判定する(ステップS15)。ここで、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定された場合(ステップS15:NO)、後述するステップS19に処理が進められる。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、変動開始コマンド受信処理を実行する(ステップS16)。この変動開始コマンド受信処理については、図76に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、受信したコマンドが変動開始コマンドではないと判定した場合(ステップS15:NO)、そのコマンドがステップS316(図65参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドであるか否かを判定する(ステップS19)。サブCPU131は、図柄確定コマンドであると判定した場合(ステップS19:YES)、装飾図柄の変動表示を終了して図柄変動開始時に実行された特別図柄判定の判定結果を示す装飾図柄を停止表示する処理の実行を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS20)。
この変動演出終了コマンドがステップS30の処理によって画像音響制御部140及びランプ制御部150に送信されることによって、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す特別図柄が第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)に停止表示されるのに伴い、第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)の判定結果を示す装飾図柄が液晶画面5に停止表示されることになる。
サブCPU131は、受信したコマンドが図柄確定コマンドではないと判定した場合(ステップS19:NO)、そのコマンドがランプ制御基板150から送信された操作コマンドであるか否かを判定する(ステップS25)。この操作コマンドは、ランプ制御基板150のランプCPU151が演出ボタン26や演出キー27の操作を検知した場合に、その情報を通知するためにランプ制御基板150から送信されるコマンドであり、操作されたのが演出ボタン26であるか演出キー27であるかを示す情報、演出キー27が操作された場合にはどのキーが操作されたかを示す情報等を含むものである。サブCPU131は、操作コマンドを受信したと判定した場合(ステップS25:YES)、この操作コマンドに含まれる情報を含む操作通知コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS26)。一方、受信したコマンドが操作コマンドではないと判定された場合(ステップS25:NO)、その受信したコマンドに応じた他のコマンドをサブRAM133にセットする(ステップS27)。
[演出制御基板130による保留コマンド受信処理]
図70は、図69のステップ13における保留コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、受信したコマンドが保留コマンドであると判定した場合(ステップS12:YES)、図70に例示されるように、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS131)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数または第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。そして、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納する(ステップS132)。
次に、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている入賞始動口情報に基づいて、保留された特別図柄判定が第1特別図柄判定であるか否かを判断する(ステップS133)。
本実施形態では、第1特別図柄判定の保留に関しては、その保留に対して行われた事前判定処理の結果に基づいて、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、押合いアイコン変化演出、チャンス目演出などを行うこととしている。ここで、通常アイコン変化演出は、装飾図柄を用いることなく保留アイコンや当該アイコンの表示態様を変化させる保留先読み演出である。1図柄アイコン変化演出は、1図柄(ロボ1図柄)が単独で保留アイコン又は当該アイコンの表示態様を変化させる演出である(図23参照)。押合いアイコン変化演出は、ロボ1図柄およびロボ2図柄を用いて保留アイコン又は当該アイコンの表示態様を変化させる演出である(図24〜図27参照)。チャンス目演出は、事前判定の対象となった先読み対象保留よりも先に消化される第1特別図柄判定に対応する図柄変動を用いてチャンス目を表示する演出である(図50〜図56参照)。これに対して、本実施形態では、第2特別図柄判定の保留に対しては、これらの演出は行わない構成が採用されている。このため、ステップS133の判断結果に応じて、以下のような処理が行われる。
すなわち、サブCPU131は、保留された特別図柄判定が第1特別図柄判定ではないと判断した場合(ステップS133:NO)、後述するステップS143の処理を実行する。
一方、サブCPU131は、保留された特別図柄判定が第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS133:YES)、保留アイコン(又は当該アイコン)を用いるアイコン変化演出(通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、又は押合いアイコン変化演出)を実行するか否かを決定するために、以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、保留された特別図柄判定が第1特別図柄判定であると判断した場合(ステップS133:YES)、アイコン変化演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS134)。このアイコン変化演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出乱数として取得する。
アイコン変化演出乱数を取得すると、サブCPU131は、アイコン変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS135)。具体的には、サブROM132には、第1特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して、乱数値が対応付けられている。これに対して、サブCPU131は、ステップS132の処理で格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、及び第1特別図柄の変動パターンを示す情報に対応する乱数値をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。そして、ステップS134の処理で取得したアイコン変化演出乱数が、これらのセットした乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判定する。
なお、図には示されていないが、サブROM132に記憶されている乱数値については、以下のような構成が採用されている。すなわち、第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」である組み合わせに対しては、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」である組み合わせよりも、より多くの乱数値が対応付けられている。また、第1特別図柄の変動時間が相対的に長い変動パターンの組み合わせに対しては、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い変動パターンの組み合わせよりも、より多くの乱数値が対応付けられている。このため、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、大当たりに対する信頼度が高いほどアイコン変化演出が実行され易く、逆に、大当たりに対する信頼度が低いほどアイコン変化演出が実行され難くなっている。
サブCPU131は、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS135:YES)、すなわち取得したアイコン変化演出乱数がサブRAM133にセットしたいずれかの乱数値と一致した場合、複数あるアイコン変化演出のうちのどのアイコン変化演出をどのような演出パターンで実行するかを決定するためのアイコン変化演出パターン選択処理を実行する(ステップS136)。このアイコン変化演出パターン選択処理については、図71に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、アイコン変化演出パターン選択処理を実行した場合、又はアイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS135:NO)、チャンス目演出を実行するか否かを決定するために、以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、ステップS136のアイコン変化演出パターン選択処理を実行した場合、又はアイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS135:NO)、チャンス目演出乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS139)。このチャンス目演出乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をチャンス目演出乱数として取得する。
チャンス目演出乱数を取得すると、サブCPU131は、チャンス目演出を実行するか否かを判定する(ステップS140)。具体的には、サブROM132には、第1特別図柄判定の判定結果と特別図柄の変動パターンとの組み合わせのそれぞれに対して、乱数値が対応付けられている。これに対して、サブCPU131は、ステップS132の処理で格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、及び第1特別図柄の変動パターンを示す情報に対応する乱数値をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。そして、ステップS139の処理で取得したチャンス目演出乱数が、これらのセットした乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、チャンス目演出を実行するか否かを判定する。
なお、詳細な説明は省略するが、サブROM132に記憶されているチャンス目演出乱数の乱数値については、上述したアイコン変化演出乱数の乱数値と類似する傾向の割り振りが採用されている。このため、事前判定情報に第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す情報が含まれている場合にはチャンス目演出を実行すると判定され易く、逆に、第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示す情報が含まれている場合にはチャンス目演出を実行すると判定され難くなっている。また、たとえ「ハズレ」であったとしても、事前判定情報に含まれている第1特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特定される第1特別図柄の変動時間が相対的に長い場合にはチャンス目演出を実行すると判定され易く、逆に、第1特別図柄の変動時間が相対的に短い場合にはチャンス目演出を実行すると判定され難くなっている。
サブCPU131は、チャンス目演出を実行すると判定した場合(ステップS140:YES)、すなわち取得したチャンス目演出乱数がサブRAM133にセットしたいずれかの乱数値と一致した場合、チャンス目演出の演出パターンを選択するためのチャンス目演出パターン選択処理を実行する(ステップS141)。このチャンス目演出パターン選択処理については、図75に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、保留された特別図柄判定が第1特別図柄判定ではないと判断した場合(ステップS133:NO)、ステップS141の処理を実行した場合、チャンス目演出を実行しないと判定した場合(ステップS140:NO)、サブRAM143にアイコン表示コマンドをセットする(ステップS143)。
このアイコン表示コマンドは、特別図柄判定が保留されたことを示す保留アイコンの表示を指示するコマンドであって、ステップS30のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。このアイコン表示コマンドには入賞始動口情報が含まれており、画像音響制御基板140の統括CPU141は、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とのどちらの特別図柄判定が保留されたかを例えば入賞始動口情報に基づいて特定して、対応する表示領域(第1特別図柄判定の保留であれば保留領域51)に保留アイコンを表示させる。
また、後述するステップS136のアイコン変化演出パターン選択処理や、ステップS141のチャンス目演出パターン選択処理が行われた場合には、これらの選択処理によってサブRAM133にセットされた設定情報を含むアイコン表示コマンドがサブRAM133にセットされる。そして、このような設定情報を含むアイコン表示コマンドが画像音響制御基板140に送信されることによって、アイコン変化演出やチャンス目演出が実現されることになる。
[演出制御基板130によるアイコン変化演出パターン選択処理]
図71は、図70のステップS136におけるアイコン変化演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS135:YES)、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、及び押合いアイコン変化演出のうちのどのアイコン変化演出を実行するかを決定するために、以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、図71に例示されるように、変化演出選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1360)。サブROM132には、事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果を示す情報が「大当たり」である場合に参照する大当たり用変化演出選択テーブルと、「ハズレ」である場合に参照するハズレ用変化演出選択テーブルとが記憶されている。サブCPU131は、このステップS1360において、事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報に対応する変化演出選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。
次に、サブCPU131は、変化演出選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1361)。この変化演出選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を変化演出選択乱数として取得する。
サブCPU131は、ステップS1361の処理に続いて、変化演出選択処理を実行する(ステップS1362)。具体的には、事前判定情報に含まれている第1特別図柄の変動パターンを示す情報と、ステップS1361の処理で取得した変化演出選択乱数とに対応する演出種別をサブRAM133にセットされている変化演出選択テーブルから読み出すことによって、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、及び押合いアイコン変化演出のいずれかを選択する。
図72は、大当たり用変化演出選択テーブルの一例を示す説明図である。サブRAM133に格納された事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報が「大当たり」を示すものである場合、ステップS1360の処理でこの大当たり用変化演出選択テーブルがサブROM132から読み出されてサブRAM133にセットされる。
図72に例示されるように、大当たり用変化演出選択テーブルでは、複数種の第1特別図柄の変動パターンと、アイコン変化演出の演出種別と、変化演出選択乱数の乱数値とが対応付けられている。上述した変化演出選択乱数の取り得る範囲は、説明の便宜上、本実施形態では「0」〜「99」に設定されている。これに対して、大当たり用変化演出選択テーブルにおいては、3種類のアイコン変化演出のそれぞれに対して、「0」〜「99」の乱数値のいずれかが対応付けられている。
サブCPU131は、例えば事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報が「大当たり」を示すものであり、且つ第1特別図柄の変動パターンを示す情報が120秒変動の変動パターンNを示す場合、図72に例示される大当たり用変化演出選択テーブルの変動パターンNに対応付けられているいずれかの演出種別を読み出す。例えばステップS1361の処理で取得した変化演出選択乱数が「5」であった場合、演出種別として通常アイコン変化演出を読み出す。また、例えばステップS1361の処理で取得した変化演出選択乱数が「82」であった場合、演出種別として押合いアイコン変化演出を読み出す。
なお、図72においては変動パターンNの各演出種別に対応する乱数値の割り振りしか例示されていないが、他の変動パターンについては、この変動パターンNに対する乱数値の割り振りとは異なる割り振りでそれぞれ乱数値が対応付けられている。これは、不図示のハズレ用変化演出選択テーブルについても同様である。
図71に説明を戻すと、サブCPU131は、ステップS1362の処理に続いて、通常アイコン変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS1363)。具体的には、上記ステップS1362の処理で読み出した演出種別が通常アイコン変化演出であるか否かに基づいて、通常アイコン変化演出を実行するか否かを判定する。
サブCPU131は、通常アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS1363:YES)、通常アイコン変化演出パターン選択処理を実行する(ステップS1364)。具体的には、保留領域51に新たに表示する保留アイコンの当初の表示色、その保留アイコンの最終的な表示色、及び当初の表示色から最終的な表示色までどのような変化パターンで保留アイコンの表示色を変化させるかを示す変化パターンを決定する。
一方、サブCPU131は、通常アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS1363:NO)、1図柄アイコン変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS1365)。具体的には、上記ステップS1362の処理で読み出した演出種別が1図柄アイコン変化演出であるか否かに基づいて、1図柄アイコン変化演出を実行するか否かを判定する。
サブCPU131は、1図柄アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS1365:YES)、1図柄アイコン変化演出の演出パターンを選択するための1図柄アイコン変化演出パターン選択処理を実行する(ステップS1366)。この1図柄アイコン変化演出パターン選択処理については、図73に基づいて後に詳述する。
サブCPU131は、1図柄アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS1365:NO)、押合いアイコン変化演出の演出パターンを選択するための押合いアイコン変化演出パターン選択処理を実行する(ステップS1376)。この押合いアイコン変化演出パターン選択処理については、図74に基づいて後に詳述する。
なお、本実施形態では、図70のステップS135の処理によってアイコン変化演出を実行するか否かを判定し、アイコン変化演出を実行すると判定した場合に、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、及び押合いアイコン変化演出のいずれかを選択する場合について説明する。これに対して、先読み対象の当該変動の開始前にアイコン変化演出を行うか否かと、先読み対象の当該変動中にアイコン変化演出を行うか否かとを例えば乱数を用いた抽選によりそれぞれ決定し、これらの決定結果に基づいて、アイコン変化演出の種類を決定するようにしてもよい。
例えば、先読み対象の当該変動の開始前にアイコン変化演出を行うと決定した場合には、そのアイコン変化演出として、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、押合いアイコン変化演出のいずれかを選択する。
また、例えば、先読み対象の当該変動中にアイコン変化演出を行うと決定した場合には、そのアイコン変化演出として、通常アイコン変化演出、1図柄アイコン変化演出、押合いアイコン変化演出のいずれかを選択する。
このように、先読み対象の当該変動の開始前と当該変動中とにおいて、それぞれアイコン変化演出を実行するか否かを決定した場合、先読み対象の当該変動の開始前と当該変動中との両方においてアイコン変化演出を実行すると決定される場合がある。この場合、例えば先読み対象の当該変動の開始前には通常アイコン変化演出を実行し、先読み対象の当該変動中には押合いアイコン変化演出を実行するというように、複数のアイコン変化演出を複合させることが可能であり、これにより、アイコン変化演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
なお、複数のアイコン変化演出が複合するパターンは上記のものに限定されるものではなく、例えば、先読み対象の当該変動の開始前には1図柄アイコン変化演出を実行し、先読み対象の当該変動中には通常アイコン変化演出を実行するというパターンが選択される場合もある。また、例えば、先読み対象の当該変動の開始前には押合いアイコン変化演出を実行し、先読み対象の当該変動中にも押合いアイコン変化演出を実行するというように、同種のアイコン変化演出が行われるパターンが選択される場合もある。
また、例えば、先読み対象の当該変動の開始前にアイコン変化演出を実行する場合、先読み対象の保留アイコンをどのような変化パターンで変化させるかに基づいて、上記3種類のアイコン変化演出のいずれかを選択するようにしてもよい。具体的には、保留アイコンをの表示色を白色から緑色以上の色へと青色を経由しない変化パターンについては押合いアイコン変化演出を選択し、それ以外の演出パターン(例えば白色から青色に変化するパターン)については、通常アイコン変化演出または1図柄アイコン変化演出を選択するといったシナリオを予め定めておき、このシナリオに基づいて、実行可能なアイコン変化演出を選択するようにしてもよい。
[演出制御基板130による1図柄アイコン変化演出パターン選択処理]
図73は、図71のステップS1366における1図柄アイコン変化演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、1図柄アイコン変化演出を実行すると判定した場合(ステップS1365:YES)、1図柄アイコン変化演出(図23参照)の演出パターンを決定するために以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、図73に例示されるように、第1特別図柄判定の保留数及び事前判定情報に応じた1図柄アイコン変化演出用の演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1367)。具体的には、サブROM132には、第1特別図柄判定の保留数毎に、大当たり用の演出パターン選択テーブルとハズレ用の演出パターン選択テーブルとが記憶されている。サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数と、ステップS132の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報とに対応する演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。例えば、第1特別図柄判定の保留数が「3」であり、事前判定情報に含まれる判定結果を示す情報が「大当たり」を示す場合、保留3用大当たり時演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。
次に、サブCPU131は、1図柄アイコン変化乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1368)。この1図柄アイコン変化乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を1図柄アイコン変化乱数として取得する。
続いて、サブCPU131は、1図柄アイコン変化演出を実行する際のアイコンの表示位置、及び1図柄アイコン変化演出後のアイコンの表示色を決定して、その決定結果を1図柄アイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1369)。このステップS1369の処理では、アイコンが当該領域52に表示されているときに1図柄アイコン変化演出を行うのか、或いはアイコンが保留領域51に表示されているときに1図柄アイコン変化演出を行うのか、保留領域51に表示されているときに行うのであれば保留領域51のどの位置に表示されているときに行うのか、1図柄アイコン変化演出を行った後にアイコンの色をどの色で表示するか等を対応付けた1図柄アイコン変化演出パターンが決定される。
このステップS1369の処理は、具体的には以下のように行われる。すなわち、ステップS1367の処理でサブRAM133にセットされる演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動パターンと複数の1図柄アイコン変化演出パターンとの組み合わせに対して、それぞれ乱数値が対応付けられている。これに対して、サブCPU131は、サブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄の変動パターンを示す情報と、ステップS1368の処理で取得した1図柄アイコン変化乱数とに対応する1図柄アイコン変化演出パターンをサブRAM133にセットされている演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の1図柄アイコン変化演出パターンを選択する。そして、その選択結果を示す情報を設定情報としてセットする。
このようにしてサブRAM133にセットされた設定情報は、ステップS143(図70参照)の処理に応じて画像音響制御基板140に送信されるアイコン表示コマンドに含まれる形で画像音響制御基板140へと送られる。そして、この設定情報に基づいてVDP142の描画制御が行われることにより、図23に基づいて上述した1図柄アイコン変化演出が実現されることになる。
[演出制御基板130による押合いアイコン変化演出パターン選択処理]
図74は、図71のステップS1376における押合いアイコン変化演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、1図柄アイコン変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS1365:NO)、押合いアイコン変化演出(図24〜図27参照)の演出パターンを決定するために以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、図74に例示されるように、第1特別図柄判定の保留数及び事前判定情報に応じた押合いアイコン変化演出用の演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1377)。具体的には、サブROM132には、第1特別図柄判定の保留数毎に、大当たり用の演出パターン選択テーブルとハズレ用の演出パターン選択テーブルとが記憶されている。サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数と、ステップS132の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報とに対応する演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。例えば、第1特別図柄判定の保留数が「2」であり、事前判定情報に含まれる判定結果を示す情報が「ハズレ」を示す場合、保留2用ハズレ時演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。
次に、サブCPU131は、押合いアイコン変化乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1378)。この押合いアイコン変化乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値を押合いアイコン変化乱数として取得する。
続いて、サブCPU131は、押合いアイコン変化演出を実行する際のアイコンの表示位置、及び押合いアイコン変化演出後のアイコンの表示色を決定して、その決定結果を押合いアイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1379)。このステップS1379の処理では、アイコンが当該領域52に表示されているときに押合いアイコン変化演出を行うのか、或いはアイコンが保留領域51に表示されているときに押合いアイコン変化演出を行うのか、保留領域51に表示されているときに行うのであれば保留領域51のどの位置に表示されているときに行うのか、押合いアイコン変化演出を行った後にアイコンの色をどの色で表示するか等を対応付けた押合いアイコン変化演出パターンが決定される。
このステップS1379の処理は、具体的には以下のように行われる。すなわち、ステップS1377の処理でサブRAM133にセットされる演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動パターンと複数の押合いアイコン変化演出パターンとの組み合わせに対して、それぞれ乱数値が対応付けられている。これに対して、サブCPU131は、サブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄の変動パターンを示す情報と、ステップS1378の処理で取得した押合いアイコン変化乱数とに対応する押合いアイコン変化演出パターンをサブRAM133にセットされている演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の押合いアイコン変化演出パターンを選択する。そして、その選択結果を示す情報を設定情報としてセットする。
このようにしてサブRAM133にセットされた設定情報は、ステップS143(図70参照)の処理に応じて画像音響制御基板140に送信されるアイコン表示コマンドに含まれる形で画像音響制御基板140へと送られる。そして、この設定情報に基づいてVDP142の描画制御が行われることにより、図24〜図27に基づいて上述した押合いアイコン変化演出が実現されることになる。
なお、ここでは、1図柄アイコン変化演出および押合いアイコン変化演出の演出パターンを事前判定情報に基づいて決定する場合について説明した。これに対して、これらの演出を当該領域52に表示されている当該アイコンを用いて行う場合に関しては、事前判定情報ではなく、図柄変動開始時に行われる第1特別図柄判定の判定結果に基づいて、演出を実行するか否かや、演出を実行する場合の演出パターンを決定するようにしてもよい。
[演出制御基板130によるチャンス目演出パターン選択処理]
図75は、図70のステップS141におけるチャンス目演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、ステップS140(図70参照)の処理でチャンス目演出を実行すると判定した場合(ステップS140:YES)、チャンス目演出を実際に実行するか否かを決定し、チャンス目演出を実行する場合にはチャンス目演出(図50〜図56参照)の演出パターンを決定するために、以下の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、図75に例示されるように、先読み対象保留に対応する図柄変動が消化される前に、リーチ有り演出の図柄変動が行われるか否かを判定する(ステップS1410)。具体的には、例えば、今回受信した保留コマンドよりも先に遊技制御部100から受信した保留コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、リーチ有り演出に対応する変動パターンが選択されるか否かを特定し、その特定結果に基づいて、リーチ有り演出の図柄変動が行われるか否かを判定する。ここで、リーチ有り演出の図柄変動が行われると判定された場合(ステップS1410:YES)、ステップS143に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、リーチ有り演出の図柄変動が行われないと判定した場合(ステップS1410:NO)、第1特別図柄判定の保留数及び事前判定情報に応じたチャンス目演出用の演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1411)。具体的には、サブROM132には、第1特別図柄判定の保留数毎に、大当たり用の演出パターン選択テーブルとハズレ用の演出パターン選択テーブルとが記憶されている。サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定の保留数と、ステップS132の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを示す情報とに対応する演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。例えば、第1特別図柄判定の保留数が「1」であり、事前判定情報に含まれる判定結果を示す情報が「大当たり」を示す場合、保留1用大当たり時演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする。
次に、サブCPU131は、チャンス目パターン乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1412)。このチャンス目パターン乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をチャンス目パターン乱数として取得する。
続いて、サブCPU131は、事前判定の対象となった第1特別図柄判定に対応する図柄変動が開始される前にチャンス目を何回表示するか、各回のチャンス目として弱チャンス目、中チャンス目、及び強チャンス目のうちのどのチャンス目を表示するか等の組み合わせを表すチャンス目演出パターンを決定して、その決定結果をチャンス目演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1413)。
このステップS1413の処理は、具体的には以下のように行われる。すなわち、ステップS1411の処理でサブRAM133にセットされる演出パターン選択テーブルでは、第1特別図柄の変動パターンと複数のチャンス目演出の演出パターン(例えば、2回のチャンス目演出を行う場合に関しては、弱チャンス目→中チャンス目、弱チャンス目→強チャンス目、弱チャンス目→弱チャンス目、中チャンス目→強チャンス目、中チャンス目→中チャンス目といった複数種の演出パターン)との組み合わせに対して、それぞれ乱数値が対応付けられている。これに対して、サブCPU131は、サブRAM133に格納した事前判定情報に含まれている第1特別図柄の変動パターンを示す情報と、ステップS1412の処理で取得したチャンス目パターン乱数とに対応するチャンス目演出パターンをサブRAM133にセットされている演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1のチャンス目演出パターンを選択する。そして、その選択結果を示す情報を設定情報としてセットする。
本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、このようにしてサブRAM133にセットされた設定情報に基づいて、装飾図柄をどのような組み合わせで擬似停止させて本停止させるかが決定され、その決定結果を示す情報を含む変動演出開始コマンドが画像音響制御基板140に送信される。そして、この情報に基づいてVDP142の描画制御が行われることにより、図50〜図56に基づいて上述したチャンス目演出が実現されることになる。
なお、チャンス目演出は、基本的には、リーチ無し演出が行われる変動を用いてしか行うことができない演出である。なぜなら、リーチ有り演出が行われる場合には、第1特別図柄判定の判定結果等に基づいてリーチ図柄が選択されるため、チャンス目を自由に形成することができないためである。このため、図75に基づいて上述した処理は、事前判定処理の対象となった第1特別図柄判定の保留が消化される前の図柄変動が全てリーチ無し演出が行われるものである場合に限って行われる。
[演出制御基板130による変動開始コマンド受信処理]
図76は、図69のステップS16における変動開始コマンド受信処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100から受信したコマンドが変動開始コマンドであると判定した場合(ステップS15:YES)、図76に例示される一連の処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS160)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS161)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の変動演出パターンを選択する変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS162)。この変動演出パターン選択処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、擬似連続予告演出の有無、リーチ図柄を構成する装飾図柄の種類、リーチ演出の種類や内容、擬似連続予告演出の内容、停止表示される装飾図柄の種類等が決定される。この変動演出パターン選択処理については、図77〜図79に基づいて後に詳述する。
続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されているときに実行する各種予告演出の内容を選択する予告演出パターン選択処理を実行する(ステップS166)。このステップS166の処理が実行されることにより、図11〜図14に基づいて上述したボタン演出、図32〜図34に基づいて上述した5図柄示唆演出、図37〜図39に基づいて上述した7図柄示唆演出、図40〜図41に基づいて上述した9図柄ルーレット演出、図42に基づいて上述したSPSP直発展示唆演出、図43〜図44に基づいて上述したゾーン突入示唆演出、図45〜図46に基づいて上述した車揃い演出、図47に基づいて上述した特定リーチ発展示唆演出、図48〜図49に基づいて上述した車図柄スベリ演出などに関して、それぞれ、演出を実行するか否か、演出を実行する場合にはどのような演出パターンで実行するか等が決定される。
なお、これらの予告演出はいずれも装飾図柄を使用して行うものであるが、ステップS166の処理では、各装飾図柄をどのように制御してこれらの予告演出を実行するかが決定され、ステップS162の処理では、それ以外の装飾図柄の変動パターンが設定される。
次に、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンでの変動演出の開始、及びステップS166の処理で選択した予告演出パターンでの予告演出の開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS170)。
この変動演出開始コマンドは、ステップS162の処理によって選択された変動演出パターンを示す情報と、ステップS166の処理によって選択された予告演出パターンを示す情報とを含むものであり、ステップS30のコマンド送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出及び予告演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
ステップS170の処理に続いて、サブCPU131は、サブRAM133に記憶されている保留数を「1」減算する(ステップS171)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドが第1特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第1特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。一方、受信した変動開始コマンドが第2特別図柄判定に係る図柄変動の開始を通知するものである場合には、第2特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する。
[演出制御基板130による変動演出パターン選択処理]
図77〜図79は、図76のステップS162における変動演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。なお、ここでは、第1特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合の変動演出パターン選択処理について説明し、第2特別図柄判定に係る変動開始コマンドを受信した場合の変動演出パターン選択処理についてはその説明を省略する。
サブCPU131は、ステップS161の処理に続いて、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する(ステップS1621)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報に基づいて、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であるか否かを判断する。ここで、大当たりであると判断された場合(ステップS1621:YES)、後述するステップS1633(図78参照)に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」ではないと判断した場合(ステップS1621:NO)、リーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する(ステップS1622)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、リーチ有り演出を行う必要があるか否かを判断する。ここで、リーチ有り演出を行う必要があると判断された場合(ステップS1622:YES)、後述するステップS1643(図79参照)に処理が進められる。
サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要がないと判断した場合(ステップS1622:NO)、すなわちリーチ無し演出を行う必要がある場合、ステップS1413(図75参照)の処理によってセットされたチャンス目演出の設定情報がサブRAM133に記憶されているか否かを判断する(ステップS1623)。
サブCPU131は、チャンス目演出の設定情報が記憶されていないと判断した場合(ステップS1623:NO)、7図柄を除く奇数図柄、および偶数図柄から構成される3つの装飾図柄をハズレ図柄として選択する(ステップS1624)。すなわち、チャンス目を構成しないように、第1特別図柄が停止表示される際に液晶画面5に停止表示(擬似停止を含む)させる3つの図柄の組み合わせを選択する。この図柄の組み合わせの選択方法は特に限定されるものではなく、例えば複数種類の図柄の組み合わせのそれぞれに対して乱数値が対応付けられているテーブルを用いた抽選により選択する方法が一例として挙げられる。
一方、サブCPU131は、サブRAM133にチャンス目の設定情報が記憶されていると判断した場合(ステップS1623:YES)、その設定情報に基づいて、今回の図柄変動の終了時に表示すべきチャンス目が弱チャンス目であるか否かを判断する(ステップS1625)。ここで、弱チャンス目であると判断した場合(ステップS1625:YES)、3つの偶数図柄の組み合わせをハズレ図柄として選択する(ステップS1626)。すなわち、左列に停止させる偶数図柄と、中列に停止させる偶数図柄と、右列に停止させる偶数図柄とを、ハズレ目となるように選択する。
サブCPU131は、今回の図柄変動の終了時に表示すべきチャンス目が弱チャンス目ではないと判断した場合(ステップS1625:NO)、同じくチャンス目の設定情報に基づいて、今回の図柄変動の終了時に表示すべきチャンス目が中チャンス目であるか否かを判断する(ステップS1627)。ここで、中チャンス目であると判断した場合(ステップS1627:YES)、7図柄を含まない3つの奇数図柄の組み合わせをハズレ図柄として選択する(ステップS1628)。すなわち、左列に停止させる奇数図柄と、中列に停止させる奇数図柄と、右列に停止させる奇数図柄とを、ハズレ目となるように選択する。逆に、中チャンス目ではないと判断した場合(ステップS1627:NO)、すなわち今回の図柄変動の終了時に強チャンス目を表示する必要がある場合、7図柄を含む3つの奇数図柄の組み合わせをハズレ図柄として選択する(ステップS1629)。すなわち、7図柄をどの列に停止させるかを決定し、残りの列に停止させる7図柄以外の奇数を選択する。
サブCPU131は、ステップS1624の処理、ステップS1626の処理、ステップS1628の処理、又はステップS1629の処理を実行してハズレ図柄を選択した後、リーチ無しハズレの変動演出パターンを選択する(ステップS1630)。すなわち、上記4つのステップのいすれかの処理で選択したハズレ図柄を停止表示させるまでに各列の装飾図柄をどのように変動させるかを、予め定められている複数のパターンの中から選択することによって決定する。
一方、サブCPU131は、今回の第1特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であると判断した場合(ステップS1621:YES)、図78に例示されるように、サブROM132に記憶されている大当たり用変動演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1633)。この大当たり用変動演出パターン選択テーブルは、複数の第1特別図柄の変動パターンのそれぞれに対して、3列の装飾図柄をどのようなパターンで変動させるか、どのような構成でリーチ演出を実行するか、擬似連続予告演出を実行するか否か、擬似連続予告演出を実行する場合には何連目まで発展させるか等の装飾図柄の変動演出パターンと、乱数値とが対応付けられたものである。
サブCPU131は、ステップS1633の処理に続いて、大当たり変動演出パターン選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1634)。この大当たり変動演出パターン選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を大当たり変動演出パターン選択乱数として取得する。
次に、サブCPU131は、大当たり変動演出パターンを選択する(ステップS1635)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている第1特別図柄の変動パターンの設定情報が示す変動パターンと、ステップS1634の処理で取得した大当たり変動演出パターン選択乱数とに対応する大当たり変動演出パターンをサブRAM133にセットした大当たり用変動演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1の大当たり用変動演出パターンを選択する。
サブCPU131は、ステップS1635の処理に続いて、図20に基づいて上述した大当たり用リーチ図柄選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1636)。そして、リーチ図柄選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1637)。このリーチ図柄選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値をリーチ図柄選択乱数として取得する。そして、サブCPU131は、リーチ図柄を選択する(ステップS1638)。具体的には、ステップS1635の処理で選択した大当たり変動演出パターンにおいて最終的に行われるリーチ演出と、ステップS1637の処理で取得したリーチ図柄選択乱数とに対応する最終リーチ図柄を大当たり用リーチ図柄選択テーブルから読み出すことによって、リーチ図柄を選択する。
なお、図78には示されていないが、増加リーチ演出に関して最終リーチ図柄が選択されると図20に基づいて上述したように、リーチ図柄の組み合わせ、何回目の図柄煽り演出で「大当たり」を報知するか、どのようなパターンでリーチ図柄を増加させるか等が併せて決定される。
サブCPU131は、ステップS1638の処理に続いて、ステップS1635の処理で選択した大当たり変動演出パターンが、擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1639)。ここで、擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンであると判断した場合(ステップS1639:YES)、擬似連図柄選択処理を実行する(ステップS1640)。具体的には、擬似1連目から擬似2連目に発展させる際や、擬似2連目から擬似3連目に発展させる際に3図柄と7図柄の擬似連図柄のどちらを停止させるかを決定する。例えば擬似2連目までしか発展しない場合、停止した段階で擬似3連目への発展が確定する7図柄は選択できないので、擬似連図柄として3図柄を選択する。また、最終的に擬似3連目まで発展する場合には、擬似1連目から擬似2連目に発展する際に停止させる擬似連図柄を3図柄又は7図柄にランダムに選択する。ここで、3図柄を選択した場合、擬似2連目から擬似3連目に発展する際に停止させる擬似連図柄を3図柄または7図柄にランダムに選択する。また、擬似1連目から擬似2連目に発展する際に停止させる擬似連図柄を7図柄に選択した場合は、擬似2連目から擬似3連目に発展する際に停止する擬似連図柄も7図柄に選択する。
サブCPU131は、このようにしてステップS1640の処理で擬似連図柄選択処理を実行した場合、又は擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンではないと判断した場合(ステップS1639:NO)、第1特別図柄の変動終了時に確定表示(本停止)させる装飾図柄を選択する(ステップS1641)。なお、3列の装飾図柄を本停止させる前に装飾図柄に関する昇格演出が行われる場合があり、このステップS1641では、ステップS1638の処理で選択されたリーチ図柄とは異なる装飾図柄が大当たり図柄として選択される場合がある。
一方、サブCPU131は、リーチ有り演出を行う必要があると判断した場合(ステップS1622:YES)、図79に例示されるように、サブROM132に記憶されているリーチ有りハズレ用変動演出パターン選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1643)。このリーチ有りハズレ用変動演出パターン選択テーブルは、複数の第1特別図柄の変動パターンのそれぞれに対して、3列の装飾図柄をどのようなパターンで変動させるか、どのような構成でリーチ演出を実行するか、擬似連続予告演出を実行するか否か、擬似連続予告演出を実行する場合には何連目まで発展させるか等の装飾図柄の変動演出パターンと、乱数値とが対応付けられたものである。
サブCPU131は、ステップS1643の処理に続いて、リーチハズレ変動演出パターン選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1644)。このリーチハズレ変動演出パターン選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値をリーチハズレ変動演出パターン選択乱数として取得する。
次に、サブCPU131は、リーチ有りハズレ変動演出パターンを選択する(ステップS1645)。具体的には、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている第1特別図柄の変動パターンの設定情報が示す変動パターンと、ステップS1644の処理で取得したリーチハズレ変動演出パターン選択乱数とに対応するリーチ有りハズレ変動演出パターンをサブRAM133にセットしたリーチ有りハズレ用変動演出パターン選択テーブルから読み出すことによって、1のリーチ有りハズレ変動演出パターンを選択する。
サブCPU131は、ステップS1645の処理に続いて、図19に基づいて上述したハズレ用リーチ図柄選択テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1646)。そして、リーチ図柄選択乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS1647)。このリーチ図柄選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値をリーチ図柄選択乱数として取得する。そして、サブCPU131は、リーチ図柄を選択する(ステップS1648)。具体的には、ステップS1645の処理で選択したリーチ有りハズレ変動演出パターンにおいて最終的に行われるリーチ演出と、ステップS1647の処理で取得したリーチ図柄選択乱数とに対応する最終リーチ図柄をハズレ用リーチ図柄選択テーブルから読み出すことによって、リーチ図柄を選択する。
なお、図79には示されていないが、増加リーチ演出に関して最終リーチ図柄が選択されると図19に基づいて上述したように、リーチ図柄の組み合わせや、どのようなパターンでリーチ図柄を増加させるか等が併せて決定される。
サブCPU131は、ステップS1648の処理に続いて、ステップS1645の処理で選択したリーチ有りハズレ変動演出パターンが、擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1649)。ここで、擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンであると判断した場合(ステップS1649:YES)、擬似連図柄選択処理を実行する(ステップS1650)。この擬似連図柄選択処理は上述したステップS1640の処理と同様に行われるので、ここでの詳細な説明は省略する。
サブCPU131は、このようにしてステップS1650の処理で擬似連図柄選択処理を実行した場合、又は擬似連続予告演出が行われる変動演出パターンではないと判断した場合(ステップS1649:NO)、第1特別図柄の変動終了時に確定表示(本停止)させる装飾図柄を選択する(ステップS1651)。
[演出制御基板130による予告演出パターン選択処理]
図80は、図76のステップS166における予告演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、図76のステップS162の処理に続いて、図11〜図14に基づいて上述したボタン演出を実行するか否かを決定し、ボタン演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するためのボタン演出パターン選択処理を実行する(ステップS1661)。このボタン演出パターン選択処理については、図81に基づいて後に詳述する。
ステップS1661の処理に続いて、サブCPU131は、図32〜図34に基づいて上述した5図柄示唆演出を実行するか否かを決定し、5図柄示唆演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための5図柄示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1674)。この5図柄示唆演出パターン選択処理については、図82に基づいて後に詳述する。
ステップS1674の処理に続いて、サブCPU131は、図40〜図41に基づいて上述した9図柄ルーレット演出を実行するか否かを決定し、9図柄ルーレット演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための9図柄ルーレット演出パターン選択処理を実行する(ステップS1682)。この9図柄ルーレット演出パターン選択処理については、図83に基づいて後に詳述する。
ステップS1682の処理に続いて、サブCPU131は、図42に基づいて上述したSPSP直発展示唆演出を実行するか否かを決定し、SPSP直発展示唆演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するためのSPSP直発展示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1691)。このSPSP直発展示唆演出パターン選択処理については、図84に基づいて後に詳述する。
ステップS1691の処理に続いて、サブCPU131は、図43〜図44に基づいて上述したゾーン突入示唆演出を実行するか否かを決定し、ゾーン突入示唆演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するためのゾーン突入示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1697)。このゾーン突入示唆演出パターン選択処理については、図85に基づいて後に詳述する。
ステップS1697の処理に続いて、サブCPU131は、図45〜図46に基づいて上述した車図柄揃い演出を実行するか否かを決定し、車図柄揃い演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための車図柄揃い演出パターン選択処理を実行する(ステップS1703)。この車図柄揃い演出パターン選択処理については、図86に基づいて後に詳述する。
ステップS1703の処理に続いて、サブCPU131は、図48〜図49に基づいて上述した車図柄スベリ演出を実行するか否かを決定し、車図柄スベリ演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための車図柄スベリ演出パターン選択処理を実行する(ステップS1709)。この車図柄スベリ演出パターン選択処理については、図87に基づいて後に詳述する。
ステップS1709の処理に続いて、サブCPU131は、図47に基づいて上述した特定リーチ発展示唆演出を実行するか否かを決定し、特定リーチ発展示唆演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための特定リーチ発展示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1715)。この特定リーチ発展示唆演出パターン選択処理については、図88に基づいて後に詳述する。
ステップS1715の処理に続いて、サブCPU131は、図37〜図39に基づいて上述した7図柄示唆演出を実行するか否かを決定し、7図柄示唆演出を実行すると決定した場合にはその演出パターンを決定するための7図柄示唆演出パターン選択処理を実行する(ステップS1720)。この7図柄示唆演出パターン選択処理については、図89に基づいて後に詳述する。
[演出制御基板130によるボタン演出パターン選択処理]
図81は、図80のステップS1661におけるボタン演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、ステップS162(図76参照)の変動演出パターン選択処理に続いて、図81に例示されるように、ボタン演出パターンに対応する変動演出パターンが選択されたか否かを判定する(ステップS1662)。ステップS162の変動演出パターン選択処理では、図11〜図14に基づいて説明した各種のボタン演出の実行が可能な変動演出パターンが選択される場合もあれば、各種のボタン演出の実行が不可能な変動演出パターンが選択くされる場合もある。例えば、第1特別図柄の変動時間が3秒であって、3列の装飾図柄が同時に始動して同時に停止するといった変動演出パターンが選択されるような場合には、ボタン演出の有効期間を確保することすらできないため、各種のボタン演出の実行は不可能であり、このような意味で、ここで例示した変動演出パターンはボタン演出に対応しない変動演出パターンであると言える。このため、サブCPU131は、ステップS1662において、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、いずれかのボタン演出を行うと予め定められた対応変動演出パターンであるか否かを判定する。ここで、対応変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1662:NO)、ステップS1674の5図柄示唆演出パターン選択処理に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、いずれかのボタン演出を行うと予め定められた対応変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1662:YES)、まず有効期間を設定する(ステップS1663)。そして、有効期間の到来(第4ボタン演出の場合は後半有効期間(図14(D)参照))に際して演出ボタン26を通常状態に維持するのか、或いは突出状態に制御するのかを決定するための状態パターン決定テーブルをサブROM132から読み出してサブRAM133にセットする(ステップS1664)。詳細な説明は省略するが、この状態パターン決定テーブルには、大当たり用とハズレ用とがあり、それぞれ、第1特別図柄の変動パターン毎に、突出状態に制御することと、通常状態に維持することとに対して、それぞれ異なる乱数値が対応付けられている。すなわち、ハズレ用よりも大当たり用の状態パターン決定テーブルの方が突出状態に制御すると選択され易く、また、第1特別図柄の変動時間が長ければ長いほど突出状態に制御すると選択され易くなるように、各テーブルの各変動パターンに対して乱数値が割り当てられている。サブCPU131は、受信した変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報に基づいて「大当たり」か否かを判断し、「大当たり」であると判断した場合には大当たり用の状態パターン決定テーブルをセットし、「大当たり」ではないと判断した場合にはハズレ用の状態パターン決定テーブルをセットする。
サブCPU131は、ステップS1664の処理に続いて、状態パターン選択乱数を取得してサブRAM133にセットする(ステップS1665)。この状態パターン選択乱数は、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算され、サブCPU131は、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を状態パターン選択乱数として取得する。そして、サブCPU131は、演出ボタン26の状態パターンを選択する(ステップS1666)。具体的には、サブRAM133にセットした状態パターン決定テーブルを参照し、受信した変動開始コマンドに含まれている第1特別図柄の変動パターンの設定情報が示す変動パターンに対して、ステップS1665の処理で取得した状態パターン選択乱数が対応付けられているのが、通常状態の維持であるか或いは突出状態への制御であるかに基づいて、演出ボタン26を突出状態に制御するか否かを決定する。
サブCPU131は、ステップS1666の処理に続いて、有効期間中に表示する演出画像を決定する(ステップS1667)。すなわち、図14に例示される第1ボタン演出から第4ボタン演出のうちのどのボタン演出を行うかに基づいて、対応する演出画像を選択する。
次に、サブCPU131は、有効期間中に演出ボタン26が操作された場合に行う操作対応演出の演出内容を決定する(ステップS1668)。具体的には、それぞれ大当たりに対する異なる信頼度を示唆する複数種の演出画像のいずれかを選択するためのテーブルがサブROM132に記憶されており、サブCPU131は、変動開始コマンドに含まれている大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、及び例えば変動開始コマンドを受信した際に取得した乱数に対応する演出画像種別を上記のテーブルから読み出すことによって、操作対応演出として液晶画面5に表示する1の演出画像を選択する。
サブCPU131は、ステップS1668の処理に続いて、有効期間がリーチ成立後であるか否かを判断する(ステップS1669)。具体的には、ステップS162の処理で選択された変動演出パターンに対して、ステップS1663の処理で設定した有効期間がリーチ成立前であるか否かに基づいて、有効期間がリーチ成立後であるか否かを判断する(ステップS1669)。ここで、有効期間はリーチ成立後であると判断した場合(ステップS1669:YES)、リーチ図柄変形演出の演出内容を決定する(ステップS1670)。すなわち、図11(C)に例示するようなリーチ図柄変形アクションの演出パターンを決定して、その決定結果を設定情報としてサブRAM133にセットする。一方、有効期間がリーチ成立後ではないと判断した場合(ステップS1669:NO)、状態示唆演出の演出内容決定する(ステップS1671)。具体的には、S1666の選択結果に基づいて、有効期間の到来に際して演出ボタン26を通常状態に維持する場合には図12(A−1)や図13(A)に例示される演出表示が有効期間前に行われるように演出内容を決定する。一方、有効期間の到来に際して演出ボタン26を突出状態に制御する場合には図12(B−1)に例示される演出表示が有効期間前に行われるように演出内容を決定する。
[演出制御基板130による5図柄示唆演出パターン選択処理]
図82は、図80のステップS1674における5図柄示唆演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。サブCPU131は、ステップS1661のボタン演出パターン選択処理に続いて、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが5図柄示唆演出(図32〜図34参照)に対応する対応変動演出パターンであるか否かを、上記ステップS1662の処理と同様に判定する(ステップS1675)。ここで、対応変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1675:NO)、ステップS1682の9図柄ルーレット演出パターン選択処理に処理が進められる。
サブCPU131は、対応変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1675:YES)、例えば乱数を用いた抽選を実行して、その抽選結果に基づいて、5図柄示唆演出を実行するか否かを判定する(ステップS1676)。なお、対応変動演出パターンである場合には、無条件に5図柄示唆演出を実行すると判定する構成を採用してもよい。
サブCPU131は、5図柄示唆演出を実行すると判定した場合(ステップS1676:YES)、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンに基づいて、示唆可能な内容を特定する(ステップS1677)。そして、その特定結果に基づいて、ロボ図柄に変形した5図柄が示唆する示唆内容を選択する(ステップS1678)。例えば、5図柄示唆演出を実行した直後にハズレ目が停止する場合には、図32に例示されるハズレ目示唆演出を演出内容として選択する。また、例えば今回の変動でチャンス目を停止させることが設定されている場合には、図33に例示されるチャンス目示唆演出を演出内容として選択する。なお、選択可能な示唆内容が複数ある場合には、例えば乱数を用いた抽選を行っていずれか1つを選択する。
そして、サブCPU131は、ロボ5図柄にどのようなアクションを行わせてステップS1678の処理で選択した示唆内容を示唆させるかを示す演出パターンを選択して、その選択結果を5図柄示唆演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1679)。
[演出制御基板130による9図柄ルーレット演出パターン選択処理]
図83は、図80のステップS1682における9図柄ルーレット演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。ステップS1674の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、9図柄ルーレット演出(図40,41参照)に対応する大砲変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1683)。このステップS1683の判定処理は、ステップS1662(図81参照)の判定処理と同様に行われる。ここで、対応変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1683:NO)、後述するステップS1691に処理が進められる。
サブCPU131は、対応変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1683:YES)、例えば乱数を用いた抽選を実行して、その抽選結果に基づいて、9図柄ルーレット演出を実行するか否かを判定する(ステップS1684)。なお、対応変動演出パターンである場合には、無条件に9図柄ルーレット演出を実行すると判定する構成を採用してもよい。
サブCPU131は、9図柄ルーレット演出を実行すると判定した場合(ステップS1684:YES)、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンに対して、9図柄ルーレット演出のボタン操作に係る有効期間を設定する(ステップS1685)。そして、図40(E)〜(H)に例示されるように順番に表示する4枚のパネル群を選択する(ステップS1686)。具体的には、ステップS162の処理で選択される変動演出パターン毎に、4枚のパネルの組み合わせを示すパネル群情報がサブROM132に記憶されており、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンに対応するパネル群情報をサブROM132から読み出してサブRAM133にセットすることにより、いずれか1つのパネル群を選択する。この選択結果に基づいて9図柄ルーレット演出が行われることにより、停止表示される可能性がある4枚のパネルを順番に先見せする図40(E)〜(G)に例示する演出表示が実現されることになる。
次に、サブCPU131は、有効期間内のボタン操作に応じて表示するパネルを選択する(ステップS1687)。具体的には、ステップS1686の処理で選択したパネル群の中で表示してもよいパネルが1枚である場合にはそのパネルを選択し、表示してもよいパネルが複数ある場合には、例えば操作があったタイミングで乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいていずれか1つのパネルを選択する。
そして、サブCPU131は、最後に、2つのロボ9図柄にどのようなアクションを行わせ、4枚のパネルをどのような順序で表示するかといった9図柄ルーレット演出演出パターンを決定して、その決定結果を9図柄ルーレット演出の設定情報としてサブMRA133にセットする(ステップS1688)。
[演出制御基板130によるSPSP直発展示唆演出パターン選択処理]
図84は、図80のステップS1691におけるSPSP直発展示唆演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。ステップS1682の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、SPSP直発展示唆演出(図42参照)を実行可能な変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1692)。具体的には、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンがノーマルリーチ演出、増加リーチ演出、SPリーチ演出を介さずにSPSPリーチ演出に直接発展するという変動演出パターンである場合には、SPSP直発展示唆演出を実行可能な変動演出パターンであると判定する。そして、逆に、これら3つのリーチ演出の少なくともいずれか1つを経由してからSPSPリーチ演出に発展するという変動演出パターンである場合には、SPSP直発展示唆演出を実行可能な変動演出パターンではないと判定する。ここで、SPSP直発展示唆演出を実行可能な変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1692:NO)、後述するステップS1697に処理が進められる。
サブCPU131は、SPSP直発展示唆演出を実行可能な変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1693:YES)、例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいて、複数の示唆演出パターンのいずれかを選択し、その選択結果をSPSP直発展示唆演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1694)。この設定情報に基づいてSPSP直発展示唆演出が行われることにより、図42に例示される一連の演出表示が行われることになる。
[演出制御基板130によるゾーン突入示唆演出パターン選択処理]
図85は、図80のステップS1697におけるゾーン突入示唆演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。ステップS1691の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、ゾーン突入示唆演出(図43,44参照)を実行可能な変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1698)。具体的には、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、本実施形態ではダークサイドゾーンと呼ばれる特殊演出モードでのゾーン演出を実行可能であると予め定められた変動演出パターンであるか否かを判定する。ここで、ゾーン演出を実行可能な変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1698:NO)、後述するステップS1703に処理が進められる。
サブCPU131は、ゾーン演出を実行可能な変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1698:YES)、例えば乱数を用いた抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、ゾーン突入示唆演出を実行するか否かを判定する(ステップS1699)。ここで、ゾーン突入示唆演出を実行すると判定した場合(ステップS1699:YES)、複数の示唆演出パターンの中からいずれかを選択して、その選択結果をゾーン突入示唆演出の設定情報としてサブらM133にセットする(ステップS1700)。このステップS1700の処理では、具体的には、中列のロボ8図柄の左右に、他のどの偶数のロボ図柄を停止させるか等が決定される。この設定情報に基づいてゾーン突入示唆演出が行われることにより、図43に例示される一連の演出表示が行われることになる。
なお、ここでは、ゾーン突入示唆演出を実行するか否かを乱数を用いた抽選により決定する場合について説明したが、ゾーン演出が実行されることになる変動演出パターンが選択されている場合に、無条件にゾーン突入示唆演出を実行すると決定する構成を採用してもよい。
[演出制御基板130による車図柄揃い演出パターン選択処理]
図86は、図80のステップS1703における車図柄揃い演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。ステップS1697の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、図45(I)に基づいて上述したSPSPリーチ発展煽り演出が実行される変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1704)。このSPSPリーチ発展煽り演出が実行される変動演出パターンとしては、(成功演出パターンの)SPSPリーチ発展煽り演出に続いてSPSPリーチ演出の発展する変動演出パターンと、(失敗演出パターンの)SPSPリーチ発展煽り演出に続いてSPSPリーチ演出に発展しない変動演出パターンとが挙げられる。ここで、SPSPリーチ発展煽り演出が実行されないと判断された場合(ステップS1704:NO)、後述するステップS1709に処理が進められる。
サブCPU131は、SPSP発展煽り演出が実行されると判断した場合(ステップS1704:YES)、例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいて、図45,46に基づいて上述した車図柄揃い演出を実行するか否かを判定する(ステップS1705)。ここで、車図柄揃い演出を実行すると判定した場合(ステップS1705:YES)、例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいて、車図柄揃い演出の複数の演出パターンのいずれかを選択し、その選択結果を車図柄揃い演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1706)。これにより、左列、中列、及び右列にどの奇数図柄の車図柄を停止させるか、これらの車図柄をどのような順番で停止させるか等が決定される。この設定情報に基づいて車図柄揃い演出が行われることにより、図45〜図46に例示される一連の演出表示が行われることになる。
[演出制御基板130による車図柄スベリ演出パターン選択処理]
図87は、図80のステップS1709における車図柄スベリ演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、ノーマルリーチ演出の終盤でハズレと見せ掛けておいて、中列に擬似停止した車図柄が右列の偶数図柄を滑らせて3図柄擬似連や7図柄擬似連に発展する演出パターンが用意されている(図48参照)。
サブCPU131は、ステップS1703の処理に続いて、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、ノーマルリーチ演出の終盤でハズレと見せ掛けておいて擬似連続予告演出に発展する変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1710)。ここで、擬似連続予告演出に発展する変動演出パターンではないと判断された場合(ステップS1710:NO)、後述するステップS1715に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、ノーマルリーチ演出の終盤で擬似連続予告演出に発展する変動演出パターンであると判断した場合(ステップS1710:YES)、例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいて、複数の車図柄スベリ演出の演出パターンの中からいずれか1つを選択し、その選択結果を示す情報を車図柄スベリ演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1711)。これにより、中列に擬似停止して車図柄に変形する奇数図柄をどの図柄にするか等が決定される。この設定情報に基づいて車図柄スベリ演出が行われることにより、図48〜図49に例示される一連の演出表示が行われることになる。
[演出制御基板130による特定リーチ発展示唆演出パターン選択処理]
図88は、図80のステップS1715における特定リーチ発展示唆演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、「NEST」と書かれた1枚のプレートが完成して特定リーチ演出に発展する場合がある(図47参照)。
サブCPU131は、ステップS1709の処理に続いて、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、特定リーチ演出に発展する変動演出パターンであるか否かを判断する(ステップS1716)。ここで、特定リーチ演出に発展する変動演出パターンではないと判断された場合(ステップS1716:NO)、後述するステップS1720に処理が進められる。
一方、サブCPU131は、特定リーチ演出に発展する変動演出パターンであると判断した場合(ステップS1716:YES)、例えば乱数を用いた抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特定リーチ発展示唆演出の演出パターンの中からいずれか1つを選択し、その選択結果を示す情報を特定リーチ発展示唆演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1717)。これにより、左列に擬似停止させて左パネルに変形させる偶数図柄、中列に擬似停止させて中パネルに変形させる偶数図柄、右列に擬似停止させて右パネルに変形させる偶数図柄等が決定される。この設定情報に基づいて特定リーチ発展示唆演出が行われることにより、図47に例示される一連の演出表示が行われることになる。
[演出制御基板130による7図柄示唆演出パターン選択処理]
図89は、図80のステップS1720における7図柄示唆演出パターン選択処理の詳細フローチャートである。ステップS1715の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、7図柄示唆演出(図37参照)を実行可能な変動演出パターンであるか否かを判定する(ステップS1721)。具体的には、ステップS162の処理で選択した変動演出パターンが、本実施形態ではターボゾーンと呼ばれる特殊演出モードでのゾーン演出を実行可能であると予め定められた変動演出パターンであるか否かを判定する。ここで、ゾーン演出を実行可能な変動演出パターンではないと判定された場合(ステップS1721:NO)、ステップS170(図76参照)に処理が進められる。
サブCPU131は、ゾーン演出を実行可能な変動演出パターンであると判定した場合(ステップS1721:YES)、例えば乱数を用いた抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、7図柄示唆演出を実行するか否かを判定する(ステップS1722)。ここで、7図柄示唆演出を実行すると判定した場合(ステップS1722:YES)、7図柄示唆演出におけるボタン操作の有効期間を設定し(ステップS1723)、第3演出役物73の動作パターンを設定する(ステップS1724)。これにより、7図柄示唆演出(図37参照)の設定情報がサブRAM133にセットされることになる。
なお、ここでは、7図柄示唆演出を実行するか否かを乱数を用いた抽選により決定する場合について説明したが、ゾーン演出が実行されることになる変動演出パターンが選択されている場合に、無条件に7図柄示唆演出を実行すると決定する構成を採用してもよい。
なお、ここまで、図80〜図89を参照しつつ、各種の装飾図柄を用いた予告演出の成功演出パターンの演出の設定方法の一例について説明したが、それぞれの予告演出の失敗演出パターンやガセ演出パターンの演出は、それぞれの予告演出を実行できない変動演出パターンでも実行することが可能である。例えば、ゾーン突入示唆演出(図43〜図44参照)であれば、今回の変動演出でゾーン演出が実際に実行されないとしても、失敗演出パターンやガセ演出パターンであれば実行が可能である。このため、各予告演出の演出パターン選択処理において、対応変動演出パターンではないと判定された場合、又は実行可能な変動演出パターンではないと判定された場合に、失敗演出パターンやガセ演出パターンの演出を実行するか否かが、乱数を用いた抽選により決定される。これにより、各予告演出の失敗演出パターンやガセ演出パターンでの演出が行われることになる。
[画像音響制御基板140によるタイマ割込み処理]
次に、図90を参照しつつ、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図90は、画像音響制御基板140において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。画像音響制御基板140は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図90に例示されている一連の処理を一定時間(例えば33ミリ秒)毎に繰り返し実行する。
まず、統括CPU141は、演出制御基板130から受信したコマンドに基づいて液晶画面5における画像表示を制御する画像出力制御処理を実行する(ステップS41)。この画像出力制御処理については、図91に基づいて後に詳述する。
ステップS41の処理に続いて、統括CPU141は、液晶画面5で行われる演出表示と同期するように、或いは非同期にスピーカ24から各種の演出音を出力させるための演出音出力制御処理を実行する(ステップS42)。この演出音出力制御処理については、図92に基づいて後に詳述する。
ステップS42の処理に続いて、統括CPU141は、データ送信制御処理を実行する(ステップS44)。具体的には、画像音響制御基板140において行われる画像音響制御に関するデータを演出制御基板130に送信する。これに対して、演出制御基板130は、画像音響制御基板140から受信したデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶画面5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、枠ランプ25や演出ボタン26、演出役物71〜73等が制御される。
[画像音響制御基板140による画像出力制御処理]
図91は、図90のステップ41における画像出力制御処理の詳細フローチャートである。統括CPU141は、まず、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS411)。ここで、コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS411:NO)、後述するステップS42に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS411:YES)、そのコマンドに含まれている設定情報を制御用RAM145にセットする(ステップS412)。次に、統括CPU141は、セットした設定情報基づいて、液晶画面5に各種の演出画像をどのように表示すべきかを判断し、VDP142の描画処理を制御するためのディスプレイリストを作成して制御用RAM145に格納し(ステップS413)、そのディスプレイリストをディスプレイリスト記憶領域1491にセットする(ステップS414)。
[画像音響制御基板140による演出音出力制御処理]
図92,93は、図90のステップ42における演出音出力制御処理の詳細フローチャートである。ステップS41の処理に続いて、統括CPU141は、演出制御基板130から送信されたコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS421)。ここで、演出制御基板130からのコマンドを受信したと判定した場合(ステップS421:YES)、受信した演出音の出力を開始する(ステップS422)。例えば変動演出開始コマンドを受信した場合、その変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、装飾図柄の変動表示に伴って演出音をどのように出力する必要があるかを判断し、その判断結果に基づいて、音響用ROM146に記憶されている音響データをスピーカ24から出力する処理を音響DSP143に指示する。
統括CPU141は、ステップS422の処理を実行した場合、又は演出制御基板130からのコマンドを受信していないと判定した場合(ステップS421:NO)、3列のいずれかに通常表示態様の装飾図柄が擬似停止するタイミングであるか否かを判定する(ステップS423)。具体的には、例えば、ステップS413の処理で作成したディスプレイリストと、変動演出開始コマンドに応じた変動演出を開始させてからの経過時間とに基づいて、いずれかの列に通常表示態様の装飾図柄が擬似停止するタイミングであるか否かを判定する。なお、VDP142の描画処理の進捗状況に基づいて、いずれかの列に通常表示態様の装飾図柄が擬似停止するタイミングであるか否かを判定するようにしてもよい。ここで、擬似停止タイミングではないと判定された場合(ステップS423:NO)、ステップS44に処理が進められる。
一方、統括CPU141は、いずれかの列に装飾図柄が擬似停止するタイミングであると判定した場合(ステップS423:YES)、例えば制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照して、複数の装飾図柄が同時停止するか否かを判断する(ステップS424)。ここで、複数の装飾図柄が同時停止すると判断された場合(ステップS424:YES)、後述するステップS434(図93参照)に処理が進められる。
統括CPU141は、複数の装飾図柄が同時停止しないと判断した場合(ステップS424:NO)、すなわち擬似停止する装飾図柄が1つであると判断した場合、その装飾図柄が3図柄または7図柄であるか否かを判断する(ステップS425)。この判断は、例えば、例えば制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照することによって行うことが可能である。
統括CPU141は、擬似停止する装飾図柄が3図柄または7図柄であると判断した場合(ステップS425:YES)、スピーカ24から特別停止音を出力する処理を音響DSP143に実行させる(ステップS426)。
一方、統括CPU141は、擬似停止する装飾図柄が3図柄または7図柄ではないと判断した場合(ステップS425:NO)、例えば制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照することによって、装飾図柄が擬似停止する列が左列であるか否かを判断する(ステップS427)。ここで、左列であると判断した場合(ステップS427:YES)、スピーカ24から左列専用停止音を出力する処理を音響DSP143に実行させる(ステップS428)。
統括CPU141は、装飾図柄が擬似停止する列が左列ではないと判断した場合(ステップS427:NO)、例えば制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照することによって、装飾図柄が擬似停止する列が右列であるか否かを判断する(ステップS429)。ここで、右列であると判断した場合(ステップS429:YES)、スピーカ24から右列専用停止音を出力する処理を音響DSP143に実行させ(ステップS430)、右列ではないと判断した場合には(ステップS429:NO)、スピーカ24から中列専用停止音を出力する処理を音響DSP143に実行させ(ステップS431)。
ところで、本実施形態では、3図柄および7図柄に対応する特別停止音と、左列に対応する左列専用停止音と、中列に対応する中列専用停止音と、右列に対応する右列専用停止音とが互いに異なる音に設定されている。このため、複数の装飾図柄が同時に擬似停止する場合にそれぞれが対応する停止音を一緒に出力してしまうと、遊技者が停止音を聞き取り難くなってしまい、その結果、停止音を出力する演出の興趣性を低下させてしまうおそれがある。このため、本実施形態では、複数の装飾図柄が同時に擬似停止する場合には、以下のような処理が行われる。
すなわち、統括CPU141は、複数の装飾図柄が同時に擬似停止すると判断した場合(ステップS424:YES)、図93に例示されるように、同時に擬似停止する複数の装飾図柄に3図柄または7図柄が含まれているか否かを判断する(ステップS434)。この判断は、制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照することによって行うことが可能である。ここで、3図柄または7図柄を含むと判断した場合(ステップS434:YES)、ステップS426の処理と同様に、特別停止音を出力させる(ステップS435)。
一方、統括CPU141は、同時に擬似停止する複数の装飾図柄に3図柄と7図柄が含まれないと判断した場合(ステップS424:NO)、これらの装飾図柄のいずれかが中列に擬似停止するか否かを判断する(ステップS436)。この判断は、制御用RAM145に記憶されているディスプレイリストを参照することによって行うことが可能である。統括CPU141は、いずれかの装飾図柄が中列に擬似停止すると判断した場合(ステップS436:YES)、ステップS431の処理と同様に、中列専用停止音を出力させる(ステップS437)。
これにより、中列と他の列(左列および右列の両方或いはいずれか一方)とで装飾図柄が同時に擬似停止する場合でも、中列専用停止音だけが出力されることになる。
統括CPU141は、装飾図柄のいずれかが中列に擬似停止しないと判断した場合(ステップS436:NO)、すなわち左列および右列に装飾図柄が同時に擬似停止する場合、左列専用停止音、及び右列専用停止音のいずれか一方を音響SDP143に出力させる(ステップS438)。具体的な処理としては、左列専用停止音および右列専用停止音のどちらを出力するかを予め定めておいて、左列および右列に同時に擬似停止する装飾図柄の種類に関わらず、予め決められた方の専用停止音を出力するといった処理が一例として挙げられる。また、例えば、左列および右列に擬似停止する装飾図柄の種類を比較し、その比較結果に基づいて、左列専用停止音および右列専用停止音のうちのいずれか一方を出力させてもよい。例えば、左列に偶数図柄が擬似停止するのとほぼ同時に右列に3図柄、7図柄以外の奇数図柄が擬似停止する場合、偶数図柄が停止することよりも奇数図柄が停止することの方を強調するために、右列専用停止音を出力させることが例として挙げられる。
なお、本実施形態では、各装飾図柄が擬似停止する際に各種の停止音(通常停止音、特別停止音、各列の専用停止音)を出力する場合について説明するが、他の実施形態では、各装飾図柄が本停止する際にこれらの停止音を出力するようにしてもよい。
[ランプ制御基板150によるタイマ割込み処理]
次に、図94を参照しつつ、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図94は、ランプ制御基板150において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。ランプ制御基板150は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、演出制御基板130からのコマンド、及び演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信される画像音響制御に関するデータ等に基づいて、図94に例示される一連の処理を一定時間毎に繰り返し実行する。
ランプ制御基板150のランプCPU151は、まず、演出制御基板130を介して画像音響制御基板140から送信された画像音響制御に関するデータを受信するデータ受信処理を実行する(ステップS601)。ランプCPU151は、このステップS601の処理によって受信した画像音響制御に関するデータに基づいて、液晶画面5やスピーカ24による演出と同期するように、各種演出手段(演出ボタン26や演出役物71〜73など)を制御する。
ランプCPU151は、ステップS601の処理に続いて、演出制御基板130から送信された変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS602)。ここで、変動演出開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS602:YES)、受信した変動演出開始コマンドに含まれている設定情報に対応する発光パターンデータをランプROM152から読み出してランプRAM153にセットすることにより、盤ランプ25、枠ランプ37、演出役物71〜73に設けられた発光素子、ボタンランプ262等の発光パターンを設定する(ステップS603)。ステップS603の処理に続いて、ランプCPU151は、セットした発光パターンデータに基づいて、各発光素子の発光制御を開始する(ステップS604)。
次に、ランプCPU151は、受信した変動演出開始コマンドによって、図柄変動中における演出役物71〜73の動作が指示されているか否かを判断する(ステップS605)。ここで、演出役物71〜73の動作が指示されていると判断した場合(ステップS605:YES)、受信した変動演出開始コマンドに対応する動作パターンデータをランプROM152から読み出してランプRAM153にセットすることにより、演出役物71〜73の動作パターンを設定する(ステップS606)。
ランプCPU151は、ステップS606の処理を実行した場合、変動演出開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS602:NO)、又は演出役物71〜73の動作が指示されていないと判断した場合(ステップS605:NO)、演出ボタン26の突出タイミングであるか否かを判断する(ステップS607)。具体的には、ステップS601の処理で受信した画像音響制御に関するデータを解析して、図11(G)に例示されるボタン画像、図12(B−2)に例示されるボタン画像、又は図13(F)に例示されるボタン画像の表示開始タイミングであるか否かに基づいて、演出ボタン26の突出タイミングであるか否かを判断するここで、演出ボタン26の突出タイミングであると判断した場合(ステップS607:YES)、ボタンモータ261の駆動を制御して演出ボタン26を突出状態に制御する(ステップS608)。
ランプCPU151は、ステップS608の処理を実行した場合、又は演出ボタン26の突出タイミングではないと判断した場合(ステップS607:NO)、演出ボタン26の操作が有効になる有効期間の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS609)。具体的には、例えばステップS601の処理で受信した画像音響制御に関するデータを解析して、図11〜図13に例示されるゲージ画像の表示開始タイミングであるか否かに基づいて、有効期間の開始タイミングであるか否かを判断する(ステップS609)。ここで、有効期間の開始タイミングであると判断した場合(ステップS609:YES)、演出ボタン26に内蔵されたボタンランプ262の発光制御を開始する(ステップS610)。ボタンランプ262の発光は、有効期間中において演出ボタン26の操作が検知されるまで、或いは、操作が検知されることなく有効期間が終了するまで継続される。
ランプCPU151は、ステップS610の処理を実行した場合、又は有効期間の開始タイミングではないと判断した場合(ステップS609:NO)、演出制御基板130から送信された変動演出終了コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS611)。ここで、変動演出終了コマンドを受信したと判定した場合(ステップS611:YES)、上述したステップS604の処理で開始した発光制御を終了させる(ステップS612)。
ランプCPU151は、変動演出終了コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS611:NO)、又はステップS612の処理を実行した場合、演出ボタン26(又は十字キー27)が操作されたか否かを判定する(ステップS613)。具体的には、演出ボタン26の操作を検知するセンサからの検知信号(又は十字キー27の各キーの操作を検知するセンサからの検知信号)が入力されたか否かに基づいて、演出ボタン26(又は十字キー27のいずれかのキー)が操作されたか否かを判定する。
ランプCPU151は、演出ボタン26(又は十字キー27)が操作されたと判定した場合(ステップS613:YES)、その旨を通知する操作コマンドを演出制御基板130に送信する(ステップS614)。
[本実施形態の作用効果]
(1)本実施形態によれば、装飾図柄の変動表示中において、装飾図柄の表示態様が第1表示態様および第の表示態様の両方或いはいずれか一方に変化し得る(図21参照)。このように、装飾図柄の表示態様が第1表示態様や第2表示態様に変化することによって、各種演出の実行が示唆される。このため、遊技者は、装飾図柄の表示態様が変化したのを見て、その表示態様に応じた演出に発展することに期待しながら遊技を楽しむことが可能であり、装飾図柄を用いた演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
(2)また、本実施形態では、リーチ成立に応じた演出(例えばSPSPリーチ演出)の実行中にリーチ図柄を変化させる演出が実行される場合があるので(図11参照)、リーチ成立に応じた演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
(3)また、本実施形態では、装飾図柄の擬似停止に伴って停止音が出力されるので、装飾図柄が擬似停止するのを遊技者が容易に認識することが可能である。また、3図柄や7図柄の擬似停止に伴って特別停止音が出力され、他の図柄の擬似停止に伴って通常停止音が出力されるので、出力される停止音の種類に基づいて、擬似停止するのが3図柄(又は7図柄)であるのか、或いは他の装飾図柄であるのかを遊技者が容易に判別することが可能である。
(4)また、本実施形態では、ボタン演出の有効期間が到来するのに伴って演出ボタン26が突出状態に制御される前にその旨を示唆する突出状態示唆演出(図12(B−1)参照)が実行される場合がある。このため、演出ボタン26が突出状態に制御されることを遊技者が事前に把握することが可能であり、演出ボタン26の操作を遊技者に促す演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
また、本実施形態では、有効期間中に演出ボタン26が突出状態に制御されていることを示唆する示唆演出(図11(G)、図12(B−1)、図13(F)参照)が実行される場合がある。このため、遊技者は、演出ボタン26を見なくても、演出ボタン26が突出状態に制御されていることをこの示唆演出に基づいて容易に把握することができ、演出ボタン26の操作を遊技者に促す演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
(5)また、本実施形態では、図24および図25の押合いアイコン変化演出に関して上述したように、第1特別図柄の変動表示中であることを示唆する当該アイコンの表示態様が第1表示態様(例えば白色)から第2表示態様(例えば赤色)に変化するのに先立って、第2表示態様を示唆する示唆演出が実行される場合がある(図24(F)〜(I)、図25(A)〜(C)参照)。このため、遊技者は、当該アイコンの表示態様がどのような表示態様に変化するかを事前に認識することができ、図柄変動の状況(図柄変動中でること)を示唆する演出(ここでは当該アイコンの表示)の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
また、本実施形態では、図26および図27の押合いアイコン変化演出に関して上述したように、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンの表示態様が第1表示態様(例えば白色)から第2表示態様(例えば赤色)に変化するのに先立って、第2表示態様を示唆する示唆演出が実行される場合がある(図26(F)〜(I)、図27(A)〜(C)参照)。このため、遊技者は、保留アイコンの表示態様がどのような表示態様に変化するかを事前に認識することができ、図柄変動の状況(図柄変動が保留されていること)を示唆する演出(ここでは保留アイコンの表示)の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
(6)また、本実施形態では、図42のSPSP直発展示唆演出、図43のゾーン突入示唆演出、図45の車図柄揃い演出、図47の特定リーチ発展示唆演出に関して上述したように、特定演出の実行に先立って、複数の装飾図柄の表示態様が、特定演出の実行を示唆する表示態様に制御される場合がある。このため、特定演出が実行されることを遊技者が事前に認識することが可能であり、装飾図柄を用いた演出の興趣性を効果的に向上させることができる。
(7)また、本実施形態では、例えば第1特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを報知する場合に、装飾図柄が無作為に擬似停止(又は本停止)するのではなく、特定の装飾図柄(本実施形態では7図柄)を含まない組み合わせで擬似停止(又は本停止)する場合と、特定の装飾図柄(本実施形態では7図柄)を含む組み合わせで装飾図柄が擬似停止(又は本停止)する場合とがある。このため、装飾図柄を擬似停止(又は本停止)させる演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
(8)また、本実施形態では、大当たりに対する信頼度が相対的に低い場合には、リーチ図柄が7図柄とは異なる装飾図柄で構成された状態でリーチ演出が実行され易く、逆に、大当たりに対する信頼度が相対的に高い場合には、リーチ図柄が7図柄で構成された状態でリーチ演出が実行され易い(図19、図20参照)。これに対して、リーチ図柄および有効ラインが増加するといった特定の条件下でリーチ図柄が7図柄で構成された状態でリーチ演出が実行される場合は、上記のリーチ図柄が7図柄で構成された状態でリーチ演出が実行される場合よりも、大当たりに対する信頼度が低い。すなわち、同じようにリーチ図柄が7図柄で構成されていたとしても、特定の条件下であるか否かによって、大当たりに対する信頼度が異なる。このため、遊技者は、リーチ図柄が7図柄で構成された場合に特定の条件下であるか否かに基づいて、大当たりに対する信頼度の高低を把握することが可能であり、リーチ演出の興趣性の向上を図ることが可能である。
(9)また、本実施形態では、第1特別図柄判定の判定結果に基づく演出として、大当たり遊技を実行すると判定されたことを報知する演出(図9(F)参照)の他に、所定の前段演出(図9(F)参照)の後に実行される後段演出(図10(A)参照)に発展することを示唆する演出(図9(G)参照)が実行される場合がある。このため、大当たり遊技を実行するか否かの判定結果に基づく演出の興趣性を効果的に向上させることが可能である。
[ボタン演出に関する変形例]
上記実施形態では、演出ボタン26の第1態様が通常状態であり、第2態様が突出状態である場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、第1態様および第2態様は他の態様であってもよい。
(停止状態と動作状態)
例えば、第1態様は、演出ボタンが停止している停止状態であり、第2態様は、演出ボタンの少なくとも一部が動作している動作状態であってもよい。図95は、ボタン演出の変形例について説明するための説明図である。入力手段としての演出ボタンは、他の実施形態では、図95(A)に例示されるように、ボタン本体266と、回転体267とによって構成される演出ボタン265であってもよい。
ボタン本体266は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。このボタン本体266は、上記実施形態における演出ボタン26のように通常状態と突出状態との間で上下動可能に構成されていない点において演出ボタン26と相違するが、演出ボタン26と同様に上下動可能に構成されていてもよい。
回転体267は、ボタン本体266の側面に沿うように配置された筒状部材である。この回転体267は、不図示のモータからの駆動力によって、平面視で時計方向(図95(A)における矢印の方向)に回転可能に構成されている。
このように構成された演出ボタン265は、回転体267が静止している第1状態と、回転体267が回転している第2状態との少なくとも2つの状態になり得る。そして、演出ボタン265の操作が有効になる有効期間の到来に伴って、演出ボタン265を第1状態または第2状態に制御することが考えられる。
上記の演出ボタン265を第2状態にする制御に対しては、以下のような演出を行うことが考えられる。すなわち、演出ボタン265が第2状態に制御される前に、その旨を示唆する示唆演出を実行する(図95(B)参照)。図95(B)に示される例では、演出ボタン265の周辺部が渦を巻くような演出表示が行われており、演出ボタン265の回転体267が間もなく動き出すのではないかといった印象を遊技者に与えることが可能である。そして、演出ボタン265が第2状態に制御され始めると共に有効期間になると、例えば図95(C)に例示されるように、ボタン本体266の周辺を4つの矢印が回転している様子を表すボタン画像と、有効期間の残り時間を示すゲージ画像とを表示する演出表示が行われる。有効期間中は、このボタン画像の表示によって、演出ボタン265が第2状態に制御されている最中であることが示唆される。なお、ここでは演出ボタン265が第2状態に制御されている最中であることがボタン画像によって示唆される場合を例示しているが、ボタン画像の表示とは異なる演出によって、演出ボタン265が第2状態に制御されている最中であることを示唆する構成を採用してもよい。
(非振動状態と振動状態)
また、他の実施形態においては、例えば、不図示のバイブレータによって演出ボタン26が振動可能に構成されていてもよい。すなわち、演出ボタン26は、非振動状態(第1態様)と振動状態(第2態様)とを含む複数の状態のいずれかに制御され得るような構成を採用してもよい。なお、この場合、演出ボタン26は、通常状態(図3(A)参照)と突出状態(図3(B)参照)とに制御可能に構成されていてもよいし、このような制御が不可能に構成されていてもよい。
このような構成に対して、演出ボタン26の有効期間が到来するのに伴って演出ボタン26を振動状態に制御する場合、以下のような演出を行うことが好ましい。すなわち、まず、演出ボタン26が振動状態に制御される前に、その旨を示唆する示唆演出を行う。この示唆演出としては、演出ボタン26を模したボタン画像をゲージ画像無しの状態で画面表示すると共に、このボタン画像が振動状態に制御され始めることを表す演出表示を行うことが考えられる。そして、有効期間が開始された場合には、ゲージ画像と共に、演出ボタン26がまさに振動中である様子を表すボタン画像を画面表示して、遊技者に対してボタン操作を促すことが考えられる。
(通常発光状態と特別発光状態)
また、他の実施形態においては、演出ボタン26は、例えば、通常発光状態(第1態様)と特別発光状態(第2態様)とを含む複数の態様のいずれかに制御可能な構成であってもよい。通常発光状態としては、演出ボタン26に内蔵されているボタンランプ262が例えば赤色で発光する状態が一例として挙げられる。また、特別発光状態としては、ボタンランプ262が例えば赤色で高速点滅する状態が一例として挙げられる。
このような構成に対して、演出ボタン26の有効期間が到来するのに伴って演出ボタンを特別発光状態に制御する場合、以下のような演出を行うことが考えられる。例えば、演出ボタン26が特別発光状態に制御される前に、その旨を示唆する示唆演出を行う。この示唆演出としては、演出ボタン26を模したボタン画像が明滅すると共にその明滅の時間間隔が徐々に短くなっていく様子を表す演出表示を行うことが例として挙げられる。そして、有効期間が開始された場合には、ゲージ画像と共に、演出ボタン26がまさに明滅している様子を表すボタン画像を画面表示して、遊技者に対してボタン操作を促すことが例として挙げられる。
(第1状態、第2状態、第3状態)
また、他の実施形態においては、図95(D)〜(F)に例示されるように、演出ボタン、円筒部材26Aおよび円柱部材26Bから構成されていてもよい。ここで、円筒部材26Aは、円柱部材26Bの外側に配置された円筒形状の部材であって、不図示のモータからの駆動力によって、枠部材3に対して上下動可能に構成されている。円柱部材26Bは、円筒部材26Aの内側に配置された円柱形状の部材であって、不図示のモータからの駆動力によって、円筒部材26Aに対して上下動可能に構成されている。
このように構成された演出ボタンであれば、演出ボタンの有効期間が到来するのに伴って、円筒部材26Aおよび円柱部材26Bが突出していない第1状態(図95(D)参照)、円筒部材26Aおよび円柱部材26Bが同じ高さまで突出した第2状態(図95(E)参照)、及び、円筒部材26Aが第2状態のときと略同じ高さまで突出すると共にこの円筒部材26Aに対して円柱部材26Bが突出した第3状態(図95(F)参照)のいずれかの状態に制御することが考えられる。
これに対して、有効期間の到来に伴って演出ボタンが第2状態に制御される場合には、第2状態に制御される前にその旨を示唆する示唆演出を行い、有効期間中においては、第2状態に制御されていることを示唆する示唆演出を行うのが好ましい。
また、有効期間の到来に伴って演出ボタンが第3状態に制御される場合には、第3状態に制御される前にその旨を示唆する示唆演出を行い、有効期間中においては、第3状態に制御されていることを示唆する示唆演出を行うのが好ましい。
なお、ここまで、遊技者によって入力可能な入力手段が演出ボタンである場合について説明したが、入力手段はこれに限定されるものではなく、遊技者のタッチ操作を検知可能なタッチパネル、例えば遊技盤2に対してかざされた遊技者の手を検知可能な光センサ、ジョイスティック、遊技者が把持して押し込むことが可能な操作手段、遊技者が把持して姿勢変化させることが可能な操作手段といった他の入力手段であってもよい。
[チャンス目演出の変形例]
なお、上記の実施形態においては、チャンス目演出がパチンコ遊技機1において実現される場合について説明したが、回胴式遊技機において、上述したチャンス目演出と同様の演出を行うことが可能である。
以下、図96〜図97を参照しつつ、回胴式遊技機におけるチャンス目演出と同様の演出について説明する。ここで、図96は、回胴式遊技機におけるリール配列を例示する説明図である。図97は、チャンス目演出の変形例について説明するための説明図である。
回胴式遊技機における左リール、中リール、及び右リールに対して、例えば図97に例示されるように絵柄が描かれている。回胴式遊技機では、遊技者によるリール回転停止操作のタイミングから、リール表面に描かれた絵柄が4絵柄分移動し得る時間が経過するまでの任意のタイミングで停止するように各リールの停止制御が行われる。
この回胴式遊技機では、左リールの周面に描かれている矩形絵柄300が、上記実施形態における7図柄と同様に特定の装飾図柄として機能する。例えば、以降の変動において特別遊技状態に移行する可能性が相対的に高い場合、矩形絵柄300を左リール枠上または左リール上段に停止させることを狙って遊技者が左リールのリール回転停止操作を行った場合、矩形絵柄300が枠内の上段または下段に停止するように左リールの停止制御が行われる(図97(A)及び(B)参照)。
一方、以降の変動において特別遊技状態に移行する可能性が相対的に低い場合、矩形絵柄300を枠内に停止させることが可能なタイミングで遊技者による左リールのリール回転停止操作が行われたとしても、矩形絵柄300を枠内に停止させないように左リールの停止制御が行われる(図97(C)参照)。
[その他の変形例]
なお、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。
また、他の実施形態として、画像音響制御基板140において実行される処理の一部を演出制御基板130に実行させたり、或いは、演出制御基板130において実行される処理の一部を画像音響制御基板140に実行させたりしてもよい。また、演出制御基板130及び画像音響制御基板140を一体に構成して、演出制御基板130において実行される処理と画像音響制御基板150において実行される処理とを1つの制御基板で実行するようにしてもよい。